説明

内燃機関のエンジンブレーキシステム及びその制御方法

【課題】エンジンブレーキ作動の際に、機械式過給機を駆動する際に複雑な増速比機構を有する無段階変速装置を用いずに、内燃機関の低速回転域から高い排気ブレーキ力を確保できる内燃機関のエンジンブレーキシステム及びその制御方法を提供する。
【解決手段】内燃機関10の吸気通路12に機械式過給機21を備え、排気通路13に排気ブレーキバルブ24を備えると共に、機械式過給機21を迂回するバイパス通路22を設けて、バイパス通路22に可変流量バルブ23を備えた内燃機関のエンジンブレーキシステム20において、エンジンブレーキ作動の際に、排気ブレーキバルブ24を閉鎖して、機械式過給機21による増減速比が一定の過給運転を行って、エンジンブレーキ力を増加する制御を行うと共に、可変流量バルブ23の開度を、過給圧等に基づいて制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械式過給機と排気ブレーキバルブを併用すると共に、機械式過給機の作動圧力比を適切に制御することによって、排気圧力が過剰になるのを防止しつつ、内燃機関の低速回転域から高い排気ブレーキ力を確保できる内燃機関のエンジンブレーキシステム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大型トラックを中心に、ブレーキのランニングコストの低減、フェード現象等による制動力の低下の回避などを目的に、補助ブレーキシステムとして、排気ブレーキ、圧縮開放ブレーキ、リターダー等を使用することが一般化している。特に、近年では法規規制により、必要とされるエンジンブレーキ力の大きさが大きくなってきており、エンジンブレーキ力の強化が強く求められている。
【0003】
一方で、燃費改善という観点からは内燃機関の排気量の低減が求められているが、この排気量がエンジンブレーキ力に大きな影響を与える。そのため、排気量の低減を伴う内燃機関のダウンサイジング、即ち、エンジン小型化の実現には、少ない排気量であっても大きなエンジンブレーキ力を確保できることが重要となる。
【0004】
そのため、大きな制動力を確保し易い圧縮開放ブレーキの採用が進んでいる。しかし、このシステムでは、内燃機関の動弁系部品を追加する必要があり、この動弁系部品の追設に当たって、ヘッド本体の強度を確保することが必須であることから、ヘッド周りの再設計が必要になることが多い。その結果、採用には多額のコストが必要となるという問題や、圧縮開放ブレーキ自体はエンジンブレーキ力の強化にしか貢献しないため、このシステムの採用にかかる多額のコストに対して得られるメリットが少ないという問題がある。そのため、より低コストで多目的に利用可能なエンジンブレーキ力の増強システムが要求されている。
【0005】
また、エンジンブレーキ力の強化方法としては、コスト的に最も安価であり、最も一般化している排気ブレーキシステムを採用する方法がある。この排気ブレーキシステムでは、ブレーキ力が必要なときに、排気管に設けた排気ブレーキバルブ等のバルブを閉弁して、排気管の流路面積を減少させることで、排気マニホールドの内部の圧力を上げて、内燃機関におけるポンプ損失(ポンピングロス)を増加させることでエンジンブレーキ力を増加させている。この排気ブレーキシステムでは、排気マニホールドの内部の圧力を上げれば上げるほど、ポンプ損失が増加して、この増加によりエンジンブレーキ力は高まる。
【0006】
しかし、排気管に設けられているターボチャージャ(排気ターボ式過給機)のタービンにおいては耐圧性や耐熱性の問題があり、また、排気系ガスケット・EGR冷却系等においても圧力限界が存在するため、排気マニホールドの内部の圧力を極端に増加することは困難であり、排気ブレーキによるエンジンブレーキ力の増強には限界が存在する。
【0007】
また、排気絞り用に使用される排気ブレーキバルブは、排気管に配置されるために高温高圧の排気ガスに晒されるので、コストや信頼性を考慮すると複雑な形状にすることは困難である。そのため、一般的な吸気スロットルに用いられるような、多段階で流量を変化できる流量調整バルブは用いられず、ON/OFF動作のみの一定開口有効面積を有する開閉バルブが用いられる。そのため、排気ブレーキシステムを用いる場合には、内燃機関の回転速度が低速回転域から高速回転域までの間で、流路面積を調整せずに流路面積の内の一定面積を絞るということが条件となる。
【0008】
この排気ブレーキシステムでは、開閉バルブである排気ブレーキバルブを使用して排気圧力を高めるが、この排気圧力は、吸気量の変化、即ち、機関回転速度に大きく依存する。つまり、図7に示すように、機関回転速度が高まるにつれて排気圧力は上がっていく傾向を示し、排気ブレーキの効果は、図8に示すようになり、機関回転速度が低中速回転域では十分な排気圧力を得ることができない。なお、図8では、図の上の方が吸収トルクが大きく、エンジンブレーキ力が大きいことを示す。
【0009】
この排気ブレーキ力を増加するために、機械式過給機と排気ブレーキとを組み合わせて、機械式過給機を内燃機関のクランク軸に無段階変速装置を介して駆動し、エンジンブレーキ力を確保したい場合に無段階変速装置の増速比をあげることで、エンジンブレーキの効果を高める過給機付きエンジンが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
しかしながら、この機械式過給機と排気ブレーキを併用する場合でも、排気管に設けられているターボチャージャ(排気ターボ式過給機)のタービンの耐圧性や耐熱性の問題があり、また、排気系ガスケット・EGR冷却系等においても圧力限界が存在するため、排気マニホールドの内部の圧力を極端に増加することは困難であり、排気ブレーキによるエンジンブレーキ力の増強には限界が存在する。
【0011】
つまり、最高排気圧力は構造限界によって決まっているため、過給圧が高くなる分、吸排気圧力差が減少する。その結果、ポンプ損失が減少し、得られる制動トルクが目減りする。そして、高速回転域では吸気量の増加により排気圧力が容易に最大排気圧まで達する。そのため、過給圧を低下させるために、機械的過給機の作動圧力比を低下させる必要が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平09−104259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、エンジンブレーキ作動の際に、機械式過給機を迂回するバイパス通路に設けた可変流量バルブの開度調整によってエンジンブレーキ力を増加させると共に、機械式過給機の作動圧力比を制御して、排気圧力が構造限界(耐久限界)を超えるのを防止しつつ、内燃機関の低速回転域から高い排気ブレーキ力を確保できる内燃機関のエンジンブレーキシステム及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記のような目的を達成するための本発明の内燃機関のエンジンブレーキシステムは、内燃機関の吸気通路に機械式過給機を備え、排気通路に排気ブレーキバルブを備えると共に、前記機械式過給機を迂回するバイパス通路を設けて、該バイパス通路に可変流量バルブを備えた内燃機関のエンジンブレーキシステムにおいて、エンジンブレーキ作動の際に、前記排気ブレーキバルブを閉鎖して、前記機械式過給機による過給運転を行って、エンジンブレーキ力を増加する制御を行うと共に、前記可変流量バルブの開度を、前記機械式過給機の出口側に配設された圧力センサ、又は、過給圧センサの検出値が、内燃機関の回転速度に対して予め設定された目標値となるように制御する制御装置を備えて構成される。
【0015】
上記のような目的を達成するための本発明の内燃機関のエンジンブレーキシステムの制御方法は、内燃機関の吸気通路に機械式過給機を備え、排気通路に排気ブレーキバルブを備えると共に、前記機械式過給機を迂回するバイパス通路を設けて、該バイパス通路に可変流量バルブを備えた内燃機関のエンジンブレーキシステムの制御方法において、エンジンブレーキ作動の際に、前記排気ブレーキバルブを閉鎖して、前記機械式過給機による過給運転を行って、エンジンブレーキ力を増加する制御を行うと共に、前記可変流量バルブの開度を、前記機械式過給機の出口側に配設された圧力センサ、又は、過給圧センサの検出値が、内燃機関の回転速度に対して予め設定された目標値となるように制御することを特徴とする方法である。
【0016】
これらのシステム及び制御方法によれば、エンジンブレーキ作動の際に、エンジンブレーキ力に機械式過給機の過給仕事を上乗せさせて、内燃機関の低速回転域から排気(吸気)流量を機械式過給機による過給によって確保できるので、より低速回転域から高い排気圧力を確保できる。その結果、より低速回転域から高い排気ブレーキ力を確保できる。
【0017】
つまり、エンジンブレーキ力となるポンプ損失を機械式過給機による過給運転によって高めて制動トルクを高める方式であるので、内燃機関の低速回転域におけるポンプ損失(ポンピングロス)を大幅に増加することが可能になり、低速回転域でもエンジンブレーキ力を大幅に増加できる。
【0018】
更に、機械式過給機の出口側に配設された圧力センサ又は過給圧センサの検出値を元に、可変流量バルブの弁開度の調整制御で、機械式過給機を通過する吸気量を調整して、機械式過給機の作動圧力比を制御して、排気圧力を目標値(構造限界(耐久限界)の圧力よりも低く設定された値)以下にすることができるので、排気圧力が各機器の限界値を超えないようにすることができる。この機械式過給機による過給運転を行うことで排気流量が増加し過ぎて、排気圧力が内燃機関を構成する機器の構造的限界を超えるのを回避できる。この制御は機関回転速度が高速回転域にある場合においては特に有効である。
【0019】
その上、上記の内燃機関のエンジンブレーキシステムにおいて、前記機械式過給機と内燃機関の出力軸との間を増減速比が一定の変速装置を介して接続すると、また、上記の内燃機関のエンジンブレーキシステムの制御方法において、前記機械式過給機を内燃機関の出力軸に対して一定の増減速比で駆動すると、複雑な増速比機構を有する無段階変速装置が不必要になるので、無段階変速装置を採用する場合に比べて、変速機の配置スペースが楽になり、コストが低減する。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る内燃機関のエンジンブレーキシステム及びその制御方法によれば、エンジンブレーキ作動の際に、機械式過給機を作動させ、機械式過給機を迂回するバイパス通路に設けた可変流量バルブの開度調整によってエンジンブレーキ力を増加させると共に、機械式過給機の作動圧力比を制御して、排気圧力が構造限界(耐久限界)を超えるのを防止しつつ、内燃機関の低速回転域から高い排気ブレーキ力を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る実施の形態の内燃機関のエンジンブレーキシステムの構成を示す図である。
【図2】本発明に係る実施の形態の内燃機関のエンジンブレーキシステムの構成の他の例を示す図である。
【図3】本発明に係る実施の形態の内燃機関のエンジンブレーキシステムの構成の他の例を示す図である。
【図4】機関回転速度とエンジンブレーキ排圧の関係を示す図である。
【図5】機関回転速度とエンジンブレーキ力の関係を示す図である。
【図6】機関回転速度と機械式過給機の作動圧力比変化(過給圧変化)の関係を示す図である。
【図7】従来技術における機関回転速度とエンジンブレーキ排圧の関係を示す図である。
【図8】従来技術における機関回転速度とエンジンブレーキ力の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る実施の形態の内燃機関のエンジンブレーキシステムとその制御方法について、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1〜図3に示すように、本発明の実施の形態の内燃機関のエンジンブレーキシステム20は、エンジン10の吸気マニホールド11に連結されている吸気通路12に上流側から機械式過給機21とこの機械式過給機21を迂回するバイパス通路22と、このバイパス通路22に設けられた可変流量バルブ23と、排気マニホールド15に連結されている排気通路16に設けた排気ブレーキバルブ24とを有して構成される。
【0024】
この機械式過給機21は、エンジン10と、通常のギア、あるいはベルト等(図1〜図3ではベルト21a)で接続して駆動されたり、または、エンジン側発電機と電動モータによって駆動されたりする。この図1〜図3の実施の形態では、機械式過給機21とエンジン10の出力軸10aとの間の増減速比を一定とする固定増速比にして構成され、特に複雑な遊星ギアや無段階変速機などは使用しない。なお、機械式過給機21とエンジン10の出力軸10aとの間にクラッチ(図示しない)を設けて、機械式過給機21をON/OFF可能に構成する。
【0025】
また、可変流量バルブ23は、バイパス通路22を通過する吸気Aの流量を調整できるように流量調整可能なバルブで形成し、一方、排気ブレーキバルブ24は高温高圧の排気ガスGに耐えるように比較的単純な構成の流量調整しないON/OFF動作の開閉バルブで形成する。
【0026】
また、吸気通路12には、排気ターボ式過給機13のコンプレッサ13aと吸気冷却器(インタークーラー)14が配置される。このコンプレッサ13aは、図1に示すように、機械式過給機21の下流側に配置しても、図2及び図3に示すように、上流側に配置してもよい。また、図1及び図3に示すように、吸気冷却器(インタークーラー)14は、機械式過給機21とコンプレッサ13aの両方の下流側となる位置に配置しても、図2に示すように、機械式過給機21とコンプレッサ13aの間に配置してもよい。更に、排気流路16には、排気ブレーキバルブ24の上流側に排気ターボ式過給機13のタービン(ウェストゲートタービン)13bが配置される。また、必要に応じて圧力センサ25が機械式過給機21の出口側に取り付けられ、過給圧センサ26が吸気マニホールド11又はその近傍に設けられる。
【0027】
そして、圧力センサ25と過給圧センサ26の検出値が入力され、機械式過給機21のON/OFF動作、可変流量バルブ23の弁開度調整、排気ブレーキバルブ24のON/OFF動作を制御する制御装置(図示しない)を設ける。通常は、この制御装置は、エンジン10の運転全般を制御するECU(エンジンコントロールユニット)と呼ばれる制御装置に組み込まれて構成される。
【0028】
次に、上記の構成の内燃機関のエンジンブレーキシステム20における制御方法について説明する。
【0029】
この内燃機関のエンジンブレーキシステム20では、排気ブレーキ作動時には、従来技術通りのスキームに則り、排気通路16に装備された排気ブレーキバルブ24を閉鎖する。続いて、機械式過給機21のクラッチを接続して機械式過給機21を作動させる。この機械式過給機21の作動後に、可変流量バルブ23の弁開度を調整制御して機械式過給機21による過給運転を実施する。
【0030】
これにより、機械式過給機21の過給仕事がエンジンブレーキ力に上乗せされると共に、機械式過給機21による過給によって、低速回転域から吸気流量及び排気流量を確保することが可能となるため、排気ブレーキバルブ24が一定開度を有する開閉バルブであっても、より低速回転域から高い排気圧力を確保することが可能となる。その結果、より低速回転域から高い排気ブレーキ力を確保できるようになる。
【0031】
図4に、機械式過給機21を併用した場合(クラッチをONにした場合)Aと併用しない場合(クラッチをOFFにした場合)Bの機関回転速度とエンジンブレーキ排圧の関係を例示し、図5に、機械式過給機21を併用した場合Aと併用しない場合Bの機関回転速度とエンジンブレーキ力の関係を例示する。図5では、図面の上の方が吸収トルクが大きく、エンジンブレーキ力が大きいことを示す。
【0032】
但し、エンジンブレーキ作動の際に、機械式過給機21による過給運転を行うと、排気流量が増加し過ぎて排気系の圧力がエンジン10の構造的限界を超える可能性が生じる。この可能性は、特に機関高速回転域で高くなる。そのため、図1〜図3に示すバイパス通路22の可変流量バルブ23を使用して、可変流量バルブ23の弁開度を調整制御して、機械式過給機21に流入する吸気Aの流量を調整することで、機械式過給機21の作動圧力比を調整し、これにより過給圧を制御する。
【0033】
この作動圧力比の制御方法では、可変流量バルブ23の開度を、機械式過給機21の出口側に取り付けられた圧力センサ25の検出値(信号)、あるいは、吸気マニホールド11又はその近傍に設けた過給圧センサ26の検出値(信号)を元に、いずれかの圧力値が機関回転速度に対して予め設定された目標値となるように制御する。この作動圧力比(過給圧)の目標値と機関回転数との関係を図6に例示する。
【0034】
なお、この可変流量バルブ23の開度の制御については、予め用意したマップデータに基づいて決まる値にする制御と、吸気量センサ(MAFセンサ:図示しない)から得られた測定吸気量が機関回転速度に対して予め設定された目標吸気量とするような制御を、上記の吸気側の圧力による制御に組み合わせることで、より安全性を確保できるようになる。
【0035】
これらの制御により、機械式過給機21と排気ブレーキバルブ24を併用して、大幅な排気ブレーキ力の増加を可能とすると共に、機械式過給機21に流入する吸気量を調整する制御を導入することによって、吸気圧力を調整して排気圧力が過剰になることを防止しながら、低速回転域から大きなエンジンブレーキ力を確保することができるようになる。
【0036】
従って、上記の構成の内燃機関のエンジンブレーキシステム及びその制御方法によれば、機械式過給機21を作動させ、機械式過給機21を迂回するバイパス通路22に設けた可変流量バルブ23の開度調整によってエンジンブレーキ力を増加させると共に、排気圧力が構造限界(耐久限界)を超えないように機械式過給機21の作動圧力比を制御して、エンジン10の低速回転域から高い排気ブレーキ力を確保できる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の内燃機関のエンジンブレーキシステム及びその制御方法は、エンジンブレーキ作動の際に、機械式過給機と排気ブレーキバルブを併用すると共に、機械式過給機の作動圧力比を適切に制御することによって、排気圧力が過剰になるのを防止しつつ、内燃機関の低速回転域から高い排気ブレーキ力を確保できるので、自動車搭載等の内燃機関のエンジンブレーキシステム及びその制御方法に適用できる。
【符号の説明】
【0038】
10 エンジン(内燃機関)
12 吸気通路
13 排気ターボ式過給機
16 排気通路
20 エンジンブレーキシステム
21 機械式過給機
22 バイパス通路
23 可変流量バルブ
24 排気ブレーキバルブ
25 圧力センサ
26 過給圧センサ
A 吸気
G 排気ガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の吸気通路に機械式過給機を備え、排気通路に排気ブレーキバルブを備えると共に、前記機械式過給機を迂回するバイパス通路を設けて、該バイパス通路に可変流量バルブを備えた内燃機関のエンジンブレーキシステムにおいて、
エンジンブレーキ作動の際に、前記排気ブレーキバルブを閉鎖して、前記機械式過給機による過給運転を行って、エンジンブレーキ力を増加する制御を行うと共に、前記可変流量バルブの開度を、前記機械式過給機の出口側に配設された圧力センサ、又は、過給圧センサの検出値が、内燃機関の回転速度に対して予め設定された目標値となるように制御する制御装置を備えたことを特徴とする内燃機関のエンジンブレーキシステム。
【請求項2】
前記機械式過給機と内燃機関の出力軸との間を増減速比が一定の変速装置を介して接続することを特徴とする請求項1記載の内燃機関のエンジンブレーキシステム。
【請求項3】
内燃機関の吸気通路に機械式過給機を備え、排気通路に排気ブレーキバルブを備えると共に、前記機械式過給機を迂回するバイパス通路を設けて、該バイパス通路に可変流量バルブを備えた内燃機関のエンジンブレーキシステムの制御方法において、
エンジンブレーキ作動の際に、前記排気ブレーキバルブを閉鎖して、前記機械式過給機による過給運転を行って、エンジンブレーキ力を増加する制御を行うと共に、前記可変流量バルブの開度を、前記機械式過給機の出口側に配設された圧力センサ、又は、過給圧センサの検出値が、内燃機関の回転速度に対して予め設定された目標値となるように制御することを特徴とする内燃機関のエンジンブレーキシステムの制御方法。
【請求項4】
前記機械式過給機を内燃機関の出力軸に対して一定の増減速比で駆動することを特徴とする請求項3記載の内燃機関のエンジンブレーキシステムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−97629(P2012−97629A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244942(P2010−244942)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】