説明

内燃機関のピストン

【課題】 ランド部の厚みを抑制して軽量化を図りつつ、十分なピストンヘッドの冷却を達成する内燃機関のピストンを提供する。
【解決手段】 少なくとも一方のピストンピンボスのピストンピンよりも冠面側に、一方のスカート側から他方のスカート側に貫通する貫通路を設け、潤滑油が前記一方のスカートの内周側から貫通路内を経由して前記他方のスカート内周側に流れる旋回流を生じさせることとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関のピストンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関のピストンにあっては、ピストンヘッドの冷却を行うためピストンヘッドのランド部内部に環状油路を設け、オイルを導入している。この環状油路はピストンリングの内周側に設けられ、クランク室側に設けられたオイルジェットからオイルを供給するよう設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−232589号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記従来技術にあっては、環状油路はピストンヘッドのランド部内部に設けられたトンネル状の油路であるため、ランド部は環状油路を形成するだけの厚みが必要となってしまう。そのため装置の重量が増し、軽量化の妨げとなっていた。
【0004】
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、ランド部の厚みを抑制して軽量化を図りつつ、十分なピストンヘッドの冷却を達成する内燃機関のピストンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明では、内燃機関のピストンにおいて、少なくとも一方のピストンピンボスのピストンピンよりも冠面側に、一方のスカート側から他方のスカート側に貫通する貫通路を設け、潤滑油が前記一方のスカートの内周側から貫通路内を経由して前記他方のスカート内周側に流れる旋回流を生じさせることとした。
【0006】
よって、ランド部の厚みを抑制しつつ、ピストンヘッドの冷却が十分に可能な内燃機関のピストンを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の内燃機関のピストンを実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
[ピストンヘッドの構成]
実施例1につき図1ないし図8に基づき説明する。図1、図2は本願実施例1におけるピストンヘッド1のA−A及びB−B断面図、図3はz軸方向正面図、図4はI−O−II部分断面図である(各断面については図5参照)。なお、ピストンヘッド1の運動軸方向をy軸と定義し、エンジン内におけるクランク室側を負方向、燃焼室側を正方向とする。さらに、ピストンピン3の軸方向をz軸と定義し、z軸及びy軸それぞれに直交する軸をx軸と定義する。
【0009】
ピストンヘッド1の外周部はy軸負方向に延出し、x軸両端側に設けられた円弧状のスカート12と、z軸両端側に設けられるとともにx−y平面に平行なエプロン14によって有底カップ形状を形成する。エプロン14にはz軸方向貫通孔131を有するピンボス13が設けられ、このピンボス13にピストンピン3が回転可能に挿入される。
【0010】
ピストンヘッド1のy軸負方向側にはオイルジェット4が設けられ、ピストンヘッド裏側面11にオイルを噴射/供給する。また、オイルジェット4から噴射されるオイルは、y―z平面に対し平行かつx−z平面に対し傾斜し、かつ円周溝100の円周接線方向から噴射されるよう設けられている。接線方向から噴射することで、円周溝100において容易にオイルを旋回させるものである。
【0011】
[円周溝の詳細]
図5は、ピストンヘッド1のy軸負方向正面図である。ピストンヘッド1のピストンヘッド裏側面11外周部にはy軸正方向に凹む円周溝100が設けられ、スカート12の内周側に位置する内周側溝部110と、エプロン14の外周側に位置し、ピンボス13を貫通して内周側溝部110と接続する貫通溝部120から形成されている(図1、2参照)。
【0012】
この貫通溝部120はピンボス13のz軸方向貫通孔131とピストンヘッド裏側面11の間に設けられる。さらに、貫通溝部120はエプロン14の外周において開口し、円周溝100に導入されたオイルの一部を排出する排出路123を形成する(図3参照)。スカート12内周及びエプロン14外周に溝を形成し、ピストンヘッド1の体積を低減することで軽量化を図っている。
【0013】
なお、以下ではx軸負、正方向側のスカート12を区別してそれぞれx軸負方向側スカート12a、x軸正方向側スカート12bと定義する。また、内周側溝部110も同様にx軸負方向側内周側溝部111、x軸正方向側内周側溝部112と区別する。同様に、ピンボス13及び貫通溝部120についてもそれぞれz軸負、正方向側ピンボス13a,13b、及びz軸負、正方向側貫通溝121,122とする。
【0014】
この円周溝100はピストンヘッド1の冷却及び各部材の潤滑に用いられるオイルの通路として機能する。また、オイルジェット4のオイル噴射位置はx軸負方向側内周側溝部111となるよう設けられている。なお、噴射位置をx軸正方向側内周側溝部112としてもよく特に限定しない。
【0015】
内周側溝部110及び貫通溝部120は円周溝100の一部であるため、内周側溝部110は貫通溝部120を介して円周方向に延びて互いに連通し、また各貫通溝121,122も円弧状となる。なお、貫通溝部120は内周側溝部110を連続曲面によって連通するものであればよく、円弧状でなくともよい。また、貫通溝部120はz軸負、正方向側ピンボス13a,13bのいずれか一方に設けられていればよく特に限定しない。
【0016】
本願実施例においては、円周溝100の内周側溝部110、貫通溝部120、排出路123はいずれも型成形によって形成される。切削加工であってもよく特に限定しない。ピストンヘッド1のランド部1a内にトンネル状の油路を形成する際は中子を用いた鋳造により形成する必要があるが、本願実施例の円周溝100はピストンヘッド裏側面11に形成された溝部であるため、必ずしも鋳造による必要はない。中子を使用する必要性を回避してコスト低減を図っている。
【0017】
[ピストンヘッドにおけるオイルの流れ]
図6はA−A断面、図7はB−B断面、図8はピストンヘッド裏面11におけるオイルの流れを示す図である。オイルジェット4の噴射方向はy−z平面に対し平行、かつx−z平面に対し傾斜しており、オイルはx−z平面に対しz軸負方向側から正方向側へと噴射される。一方、円周溝100はx−z平面に対し平行であるため、オイルは円周溝100に対し傾斜して噴射され、ピストンヘッド裏面11においてオイルが到達する面の法線すなわちy軸は、オイルジェット4の噴射方向に対し傾斜することとなる。
【0018】
ここで、オイルは円周溝100の接線方向から円周溝100のx軸負方向側内周側溝部111に噴射されるため、円周溝100に到達したオイルは円周に沿って時計回りに流動する旋回流を形成し、円周溝100全周にわたって流動しピストンヘッド1全体を冷却する。
【0019】
このとき、x軸正、負方向側スカート12a,12b内周部に設けられた内周側溝部110は、貫通溝部120を介して互いに連通し、また内周側溝部110と貫通溝部120は連続した円周曲面であるため、オイルは円周溝100の全周にわたってスムーズに流動させることで、冷却効率向上を図っている。
【0020】
また、流動に伴って一部のオイルは貫通溝部120の外径側に設けられた排出路123から排出され、クランク室方向へ滴下する。これにより、コンロッド2やピストンピン3、シリンダとピストンヘッド1との冷却及び潤滑を図ることが可能である。ピストンの往復運動に伴ってオイルが排出されやすくなり、オイルの入れ替えをスムーズに行うことで冷却及び潤滑の向上がさらに期待される。
【0021】
下死点から上死点に至る周期においては、ピストンヘッド1がオイルジェット4から離間する方向に運動するためオイルは円周溝100に保持されにくい。一方、上死点から下死点に至る周期においては、オイル噴射方向とピストン運動方向が逆向きであり、オイルジェット4から噴射されるオイルを十分円周溝100に保持可能である。
【0022】
ピストンは高速で往復運動を行うため、上死点から下死点に至る周期においてオイルを保持し、旋回流を生じさせることにより、下死点から上死点に至る周期においてもオイルの旋回流を残存させることが可能である。また、ピストンの往復周期は短いため、下死点から上死点に至る周期においてオイルが旋回し難い場合であっても、わずかな時間の後に上死点から下死点に至る周期が開始され、旋回流を発生させて冷却を行うことが可能である。
【0023】
このように、ピストンヘッド1の冷却及び潤滑を行うオイルの通路を円周溝100によって確保し、オイルを円周溝100の接線方向から噴射して旋回流を生じさせ、ピストンヘッド1全体を冷却する。この円周溝100は単にピストンヘッド裏側面11に設けられた溝であるため、ランド部1a内に油路を設けて冷却を行う場合と比べ、ランド部1aのy軸方向厚みを低減し、ピストンヘッド1の軽量化と軸方向の短縮が可能である。
【0024】
また、ランド部1a内のトンネル状の油路にオイルを供給して冷却を行う場合、ピストンヘッド1を冷却して高温となったオイルは排出されるまでトンネル状油路内に留まるが、本願実施例においてはオイルはy軸負方向に開口した円周溝100内を流動するため、高温となったオイルを直ちに排出することが可能である。これにより、トンネル状油路によって冷却を行う場合に比べ、冷却効率の改善が見込まれる。
【0025】
なお、本願実施例ではオイルの噴射方向は常時y―z平面に対し平行かつx−z平面に対し傾斜しているものとするが、少なくともピストン下死点においてy―z平面に対し平行かつx−z平面に対し傾斜していればよく、特に限定しない。オイルジェット4とピストンヘッド1との最近接位置である下死点において傾斜していれば、オイルの旋回流を確実に発生させることが可能なためである。
【0026】
[従来例と本願実施例における作用効果の対比]
従来、内燃機関のピストンにあっては、ピストンヘッドのランド部内部にトンネル状の環状油路を設け、クランク室側に設けられたオイルジェットから供給されたオイルを環状油路に導入することで冷却を行っている。しかしながら上記従来技術にあっては、トンネル状の環状油路はピストンヘッドのランド部内部に設けられているため、ランド部は環状通路を形成するだけの厚みが必要となってしまう。そのため装置の重量が増し、軽量化の妨げとなっていた。
【0027】
これに対し本願実施例では、z軸負、正方向側ピンボス13a,13bのうち、少なくとも一方のピンボス13を貫通する貫通溝部120を設け、x軸負、正方向側スカート12a,12bの内周側を連通させた。この貫通溝部120はピンボス13のz軸方向貫通孔131とピストンヘッド裏側面11との間に設けられ、貫通溝部120を介してx軸負、正方向側スカート12a,12bの一方から他方に至るオイルの旋回流を生じさせることとした。
【0028】
これにより、ピストンヘッド裏側面11全体にオイルを供給してピストンヘッド1全体の冷却を行うことが可能となり、ランド部1a内にトンネル状油路を設けて冷却を行う場合と比べ、ランド部1aのy軸方向厚みを低減することが可能となり、ピストンヘッド1の軽量化と軸方向の短縮を達成することができる。
【0029】
また、オイルの噴射方向は、少なくともピストン下死点においてy―z平面に対し平行かつx−z平面に対し傾斜するものとした。これにより、少なくとも下死点においてx−z平面に平行な円周溝100に対しオイルを傾斜して噴射することで円周溝100に沿って反時計回りにオイルの旋回流を形成し、円周溝100全周にわたってオイルを流動させてピストンヘッド1全体を冷却することが可能となり、ランド部1a内に油路を設けずともピストンヘッド1の冷却を効率よく行うことができる。
【0030】
さらに、x軸負、正方向側スカート12a,12bの内周側に、貫通溝部120を介して円周方向に延びる円周状の内周側溝部111,112を設け、各内周側溝部111,112の一方にオイルを供給することとした。スカート12の内周側に設けた溝の分だけピストンヘッド1の体積を低減し、ピストンヘッド1の軽量化をより図ることができる。
【実施例2】
【0031】
実施例2につき図9、図10に基づき説明する。基本的な構成は実施例1と同様であるため異なる点についてのみ説明する。実施例1の円周溝100は全周にわたって単なる溝部であったが、実施例2の円周溝100ではオイルが噴射される位置に突起部101を設け、突起部101の周方向両側にオイルを分散することで旋回流を生じさせる点で実施例1と異なる。
【0032】
[実施例2における円周溝の詳細]
図9は、実施例2におけるピストンヘッド1のC−C断面図(図10参照)、図10はy軸負方向正面図である。説明のため図9ではピンボス13は省略する。実施例2の円周溝100では、z軸負方向側内周溝111にy軸負方向に突出する山状の突起部101を設け、オイルジェット4は常時この突起部101にオイルを噴射するよう設けられている。オイルは突起部101に噴射されるため、実施例2にあっても、ピストンヘッド裏面11においてオイルが到達する面の法線は、オイルジェット4の噴射方向に対し傾斜することとなる。
【0033】
[実施例2における作用効果]
実施例2においては、噴射されたオイルは突起部101により円周溝100の両円周方向に分割され、時計回りと反時計回りの旋回流を形成する。突起部101を設けることで、円周溝100内に簡単に旋回流を発生させることが可能となり、オイルジェット4をピストンヘッド1に対し傾斜させることなく実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0034】
[他の実施例]
以上、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は本願実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
【0035】
実施例1ではピストンヘッド1の円周に沿って円周溝100を設け、貫通溝部120も円弧状としたが、貫通溝部120は内周側溝部110を連続曲面によって連通するものであればよく、図11に示すように直線状であってもよい。直線状としても各スカート12a,12bの内周側を連通可能であり、ピストンヘッド1全体を冷却することができる。
【0036】
さらに、上記実施例から把握しうる請求項以外の技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(イ)請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関のピストンにおいて、
前記貫通路は、両ピストンピンボスのピストンピンよりも冠面側に設けられていることを特徴とする内燃機関のピストン。
【0037】
両方のピストンピンボス部のピストンピンよりも冠面側の軽量化が可能となり、一方の貫通路から旋回してきた潤滑油が他方の貫通路に流れ込むため、更なる軽量化と冷却効率の改善が見込める。
【0038】
(ロ)請求項1ないし請求項3のいずれか1項、または上記(イ)に記載の内燃機関のピストンにおいて、
前記貫通路は円弧状に形成されていることを特徴とする内燃機関のピストン。
【0039】
スカート部を含めて円弧状となるため、より旋回流をスムーズに生じさせることで、潤滑油を流れやすくし冷却効率の改善を図ることができる。
【0040】
(ハ)請求項1ないし請求項3のいずれか1項、または(イ)及び(ロ)のいずれかに記載の内燃機関のピストンにおいて、
前記貫通路は両スカート側における冠面の背面から連続して形成されることを特徴とする内燃機関のピストン。
【0041】
貫通路がスカート側から連続しているため、旋回流をよりスムーズに生じさせることが可能となり、潤滑油を流れやすくし冷却効率の改善を図ることができる。
【0042】
(ニ)請求項1ないし請求項3のいずれか1項、または(イ)ないし(ハ)のいずれかに記載の内燃機関のピストンにおいて、
潤滑油はピストン円周の接線方向に噴射されることを特徴とする内燃機関のピストン。
【0043】
接線方向に噴射することで、簡単に旋回流を生じさせることができる。
【0044】
(ホ)請求項1ないし請求項3のいずれか1項、または(イ)ないし(ニ)のいずれかに記載の内燃機関のピストンにおいて、
前記潤滑油はオイルジェットから噴射され、少なくともピストンの下死点において冠面の裏側に形成された円周方向に傾斜することを特徴とする内燃機関のピストン。
【0045】
オイルジェットから噴射された潤滑油が冠面裏側に対し傾斜して進入するため、容易に旋回流を形成することができる。
【0046】
(ヘ)請求項1ないし請求項3のいずれか1項、または(イ)ないし(ホ)のいずれかに記載の内燃機関のピストンにおいて、
前記貫通路からピストン外周側に連通する排出路を設けたことを特徴とする内燃機関のピストン。
【0047】
潤滑油が循環されやすくなり、冷却効率が向上する。
【0048】
(ト)請求項1ないし請求項3のいずれか1項、または(イ)ないし(ヘ)のいずれかに記載の内燃機関のピストンにおいて、
前記貫通路及び排出路は、型成形によって形成されることを特徴とする内燃機関のピストン。
【0049】
中子を用いて鋳造する必要がなく、安価なピストンとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施例1におけるピストンヘッドのA−A断面図である。
【図2】実施例1におけるピストンヘッドのB−B断面図である。
【図3】実施例1におけるピストンヘッドのz軸方向正面図部分断面図である。
【図4】実施例1におけるピストンヘッドのI−O−II部分断面図である。
【図5】実施例1におけるピストンヘッドのy軸負方向正面図である。
【図6】実施例1のA−A断面におけるオイルの流れを示す図である。
【図7】実施例1のB−B断面におけるオイルの流れを示す図である。
【図8】実施例1のピストンヘッド裏面におけるオイルの流れを示す図である。
【図9】実施例2のB−B断面におけるオイルの流れを示す図である。
【図10】実施例2のy軸負方向正面におけるオイルの流れを示す図である。
【図11】本願実施例の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
1 ピストンヘッド
1a ランド部
2 コンロッド
3 ピストンピン
4 オイルジェット
11 ピストンヘッド裏側面
12 スカート
12a,12b x軸負、正方向側スカート
13 ピンボス
13a,13b z軸負、正方向側ピンボス
14 エプロン
100 円周溝
101 突起部
110 内周側溝部
111,112 x軸負、正方向側内周側溝
120 貫通溝部
121,122 z軸負、正方向側貫通溝
123 排出路
131 z軸方向貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のピストンにおいて、
少なくとも一方のピストンピンボスのピストンピンよりも冠面側に、一方のスカート側から他方のスカート側に貫通する貫通路を設け、
潤滑油が前記一方のスカートの内周側から貫通路内を経由して前記他方のスカート内周側に流れる旋回流を生じさせること
を特徴とする内燃機関のピストン。
【請求項2】
内燃機関のピストンにおいて、
少なくとも一方のピストンピンボスのピストンピンよりも冠面側に、一方のスカート側から他方のスカート側に貫通する貫通路を設け、
少なくともピストンが下死点に位置した際に、前記冠面においてオイルジェットの潤滑油噴射方向の延長線が到達する面の法線は、前記オイルジェットの噴射方向に対し非垂直であること
を特徴とする内燃機関のピストン。
【請求項3】
内燃機関のピストンにおいて、
冠面の背面に、少なくとも一方のピストンピンボスのピストンピンよりも冠面側に、一方のスカート側から他方のスカート側に貫通する貫通路を介して円周方向に延びる円周溝を設け、
前記円周溝に潤滑油を供給することを特徴とする内燃機関のピストン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−214298(P2006−214298A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−25579(P2005−25579)
【出願日】平成17年2月1日(2005.2.1)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】