説明

内筒拡径装置

【課題】防振装置の内筒を安定支持できて内筒を所望の寸法に正確に拡径できる内筒拡径装置を提供する。
【解決手段】第1支持体10と環状のダイス20と第2支持体とを備え、ダイス20が複数の分割ダイス21に分割されて、複数の分割ダイス21が径方向に位置変更自在に第2支持体に支持され、内筒載置部に載置した内筒1に上方Z2側から挿入された拡径ポンチPが、内筒1を拡径しながら内筒1から突出するに伴って、複数の分割ダイス21の内周部21Nが拡径ポンチPに押圧され、複数の分割ダイス21が、内筒載置部に内筒1を載置させたまま第2ストローク端側に位置変更するよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
外筒との間にゴム状弾性体が加硫成形されている防振装置の内筒を拡径するための内筒拡径装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記の内筒は、ゴム状弾性体の耐久性を向上させる等の目的で加硫成形後に拡径される(特許文献1参照)。その拡径の手段として図16に示す次の手段があった。
(1)防振装置としてのストラットマウントの中間製品を内筒拡径装置の支持台15に内外筒2,1が縦姿勢になる状態に取付ける。
(2)拡径ポンチPを内筒1に挿入し、内筒1を拡径させながら下降させて、拡径ポンチPを支持台15のポンチ受入れ孔39に入り込ませる。
この手段では、内筒1は拡径ポンチPの下降に伴って拡径することから、従来、上記の拡径ポンチPの先端部が内筒拡径装置の支持台15の内周部と干渉しないように、ポンチ受入れ孔39の径D2を、内筒の内径D1よりも少し大きく設定してあった。符号L1は径方向内方側への内筒1のはみ出し量、L2は支持台15に載置している内筒部分の径方向の長さである。
【特許文献1】特開平11−201218号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の技術によれば、図16に示すように、内筒拡径装置の支持台15に載置している内筒部分の径方向の長さL2が短いために、支持台15による内筒1の支持が不安定になっていた。その結果、拡径ポンチPの下降中などに内筒1が支持台15から位置ずれして内筒1の一部分が支持台15のポンチ受入れ孔39に落下することがあり、内筒を所望の寸法に正確に拡径できないことがあった。
【0004】
本発明の目的は、防振装置の内筒を安定支持できて内筒を所望の寸法に正確に拡径することができる内筒拡径装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特徴は、
外筒との間にゴム状弾性体が加硫成形されている防振装置の内筒を拡径するための内筒拡径装置であって、
縦姿勢の前記外筒を下方から支持する第1支持体と、
縦姿勢の前記内筒が載置される内筒載置部を備えた環状のダイスと、
前記ダイスを下方から支持する第2支持体とを備え、
前記ダイスが周方向に複数の分割ダイスに分割されて、前記複数の分割ダイスが径方向に位置変更自在に前記第2支持体に支持され、
前記複数の分割ダイスを前記径方向内方側に付勢する付勢手段と、
前記付勢手段の付勢力で前記径方向内方側に向かう前記複数の分割ダイスを前記径方向内方側から受止めて、前記複数の分割ダイスを第1ストローク端に位置させるストッパとが設けられ、
前記複数の分割ダイスが前記第1ストローク端に位置した状態で、前記複数の分割ダイスの内筒載置部が前記内筒を載置させるように構成されるとともに、前記内筒載置部に載置した内筒に上方側から挿入された拡径ポンチが、前記内筒を拡径しながら前記内筒の下端部から突出するに伴って、前記複数の分割ダイスの内周部が前記拡径ポンチに径方向外方側に押圧され、前記複数の分割ダイスが前記付勢力に抗して、前記内筒載置部に前記内筒を載置させたまま第2ストローク端側に位置変更するよう構成されている点にある。
【0006】
上記の構成によれば、複数の分割ダイスが前記第1ストローク端に位置した状態で、複数の分割ダイスの内筒載置部に内筒が載置される。そして、内筒載置部に載置した内筒に上方側から挿入された拡径ポンチが、内筒を拡径しながら内筒の下端部から突出し、その突出に伴って、複数の分割ダイスの内周部が拡径ポンチに径方向外方側に押圧され、複数の分割ダイスが付勢手段の付勢力に抗して、内筒載置部に内筒を載置させたまま第2ストローク端側に位置変更する。このように、内筒に挿入された拡径ポンチが、内筒を拡径しながら内筒の下端部から突出するに伴って、複数の分割ダイスが内筒載置部に内筒を載置させたまま第2ストローク端側に位置変更するから、前記内筒載置部の載置面の径方向内方側の端縁が、内筒の下端部の内周縁よりも径方向内方側に位置するように、内筒を内筒載置部に載置させることができる。つまり、内筒の拡径前から拡径の完了まで、内筒の下端面の全面を内筒載置部に載置させた状態にしておくことができる。これにより、分割ダイスで内筒を安定支持することができ、内筒の拡径中に内筒が下方のポンチ受入れ孔に落下するのを防止することができる。
【0007】
本発明において、
前記第1支持体は前記複数の分割ダイスと第2支持体を囲む筒状の本体部を備え、
前記本体部の上端側に、前記外筒が載置される外筒載置部が連設され、
前記本体部の内周面と前記複数の分割ダイスの背部との間に弾性部材を介在させて前記付勢手段が構成され、
前記第2支持体は環状に形成され、前記第2支持体に、前記第2支持体の軸芯に対して放射状に位置する凹状又は凸状の複数のレールが形成され、
前記複数の分割ダイスの下端部に、前記複数のレールに対する凸状又は凹状の複数のスライド移動部が各別に形成されて、前記複数の分割ダイスが前記第2支持体に対して前記径方向にスライド移動自在に支持され、
前記第2支持体を載置させて支持する第3支持体が設けられ、前記第2支持体に内嵌した状態で前記複数のスライド移動部を前記径方向内方側から受止める嵌合凸部を前記第3支持体に突設して前記ストッパが構成されていると、次の作用を奏することができる。
【0008】
第1支持体の本体部の外筒載置部に外筒が載置される。そして、内筒載置部に載置した内筒に上方側から挿入された拡径ポンチが、内筒を拡径しながら内筒の下端部から突出するに伴って、複数の分割ダイスの内周部が拡径ポンチに径方向外方側に押圧され、複数の分割ダイスが、第1支持体の本体部の内周面と複数の分割ダイスの背部との間の弾性部材の付勢力に抗して、内筒載置部に内筒を載置させたまま第2ストローク端側に位置変更する。詳しくは、第2支持体の凸状又は凹状の複数のレールに対して、複数の分割ダイスの凸状又は凹状の複数のスライド移動部がスライド移動して第2ストローク端側に位置変更する。このように、上記のレールに対して上記のスライド移動部をスライド移動させるから、複数の分割ダイスを第2支持体に対して円滑に位置変更させることができる。内筒の拡径前には、第3支持体に突設された嵌合凸部が第2支持体に内嵌した状態で複数のスライド移動部を径方向内方側から受止めて複数の分割ダイスを第1ストローク端に位置させている。これにより、複数の分割ダイスを第1ストローク端に正確に位置させることができる。また、外筒を支持する第1支持体は、弾性部材を受止める支持体としても機能するから、例えば、弾性部材を受け止める専用の部材を設けた構造に比べると、部品点数を少なくできて構造を簡素化できる。
【0009】
本発明において、
前記第1支持体の外筒載置部は前記本体部と同芯の筒状に形成され、
前記外筒に張り出し形成された取付けフランジが前記外筒載置部に載置されるように構成され、
前記外筒載置部の内周面が、前記防振装置の下窄まり部を内嵌させる下窄まりの嵌合面に形成されていると、外筒を上下方向及び径方向で確実に位置決めすることができ、第1支持体で外筒を安定支持することができる。
【0010】
本発明において、
前記外筒載置部の内周部が前記本体部の上端から径方向内方側に張出し、前記径方向内方側に張出した外筒載置部分が、前記複数の分割ダイスの上方への変位を阻止する阻止壁に構成されていると、複数の分割ダイスの上方への変位を上記の外筒載置部分で阻止できて、専用の阻止部材を設けた構造に比べて構造を簡素化できる。
【0011】
本発明において、
前記弾性部材はコイルスプリングであり、前記分割ダイスの背部に形成されたスプリング挿入穴に前記コイルスプリングが挿入されて、前記コイルスプリングの一端部が前記スプリング挿入穴の底に受止められ、前記スプリング挿入穴から突出した前記コイルスプリングの他端部が前記第1支持体の本体部の内周面に受止められていると、コイルスプリングを確実に作動させることができて、複数の分割ダイスを径方向に円滑に位置変更させることができる。
【0012】
本発明において、
前記第1支持体の下端側に、径方向外方側に張り出して前記第3支持体に載置するフランジ状の取付け座が連設され、前記第3支持体を載置させて支持する基台が設けられ、
前記第1支持体の取付け座と前記第3支持体と前記基台とが取付けボルトで一体にボルト固定され、
前記第2支持体の嵌合凸部と、前記嵌合凸部の下方の第2支持体部分と、前記基台とに、前記拡径ポンチを受入れるポンチ受入れ孔が形成されていると、次の作用を奏することができる。
【0013】
内筒の下端部から突出した拡径ポンチを、第2支持体の嵌合凸部と、前記嵌合凸部の下方の第2支持体部分と、前記基台とに形成されたポンチ受入れ孔に入り込ませることができる。また、第1支持体の取付け座と第3支持体と基台とが一体にボルト固定されているから、本内筒拡径装置の強度を強くすることができて耐久性を向上させることができる。
【0014】
本発明において、
前記内筒載置部は前記分割ダイスのダイス本体から上方に突出し、前記内筒載置部よりも下方の前記ダイス本体の上面に、前記防振装置の下端部を載置する防振装置受止め部が形成されていると、次の作用を奏することができる。
【0015】
防振装置の内筒の下端部を分割ダイスの内筒載置部に載置させて支持し、内筒の径方向外方側に位置する防振装置の下端部を、分割ダイスの、内筒載置部よりも下方の前記防振装置受止め部で支持することで防振装置を安定支持できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、
防振装置の内筒を安定支持できて内筒を所望の寸法に正確に拡径できる内筒拡径装置を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1に、ストラットマウント100(防振装置に相当、図15参照)の中間製品101の内筒1を拡径するための内筒拡径装置200を示してある。前記内筒1と外筒2との間にゴム状弾性体3が加硫成形されている。図15に示すようにストラットマウント100は、前記中間製品101の拡径された内筒1に、リバウンドストッパ103付きの筒部材104を圧入されて完成品となる。
【0018】
前記内筒拡径装置200は、縦姿勢の外筒2を下方Z1から支持する円筒状の第1支持体10と、縦姿勢の内筒1が載置される内筒載置部22を備えた環状のダイス20と、ダイス20を下方Z1から支持する第2支持体30とを備えている。
【0019】
図2〜図5にも示すように、ダイス20は周方向Sに均等に複数の分割ダイス21に分割されて、複数の分割ダイス21が径方向Kに位置変更自在に第2支持体30に支持され、複数の分割ダイス21を径方向内方側K1に付勢する付勢手段31が設けられ、その付勢力で前記径方向内方側K1に向かう複数の分割ダイス21を前記径方向内方側K1から受止めて、複数の分割ダイス21を第1ストローク端ST1(図14(a)参照)に位置させるストッパ32が設けられている。各分割ダイス21は平面視で扇形に形成されている(図2,図5参照)。内筒載置部22は分割ダイス21のダイス本体24から上方Z2に突出し、内筒載置部22よりも下方Z1のダイス本体24の上面24Jに、前記中間製品101の下端部101Kを載置する受止め部25(防振装置受止め部に相当、図4参照)が形成されている。前記下端部101Kは外筒2の下端部2Kを覆うゴム部材105から成る。
【0020】
そして、複数の分割ダイス21が第1ストローク端ST1に位置した状態で、複数の分割ダイス21の内筒載置部22が内筒1を載置させるように構成されるとともに、内筒載置部22に載置した内筒1に上方Z2側から挿入された拡径ポンチPが、内筒1を拡径しながら内筒1の下端部1Kから突出するに伴って、複数の分割ダイス21の内周部21Nが拡径ポンチPに径方向外方側K2に押圧され、複数の分割ダイス21が前記付勢力に抗して、内筒載置部22に内筒1を載置させたまま第2ストローク端ST2側(図14(b)参照)に位置変更するよう構成されている。図10に示すように、複数の分割ダイス21が第1ストローク端ST1に位置し、かつ、内筒載置部22に内筒1が載置された状態で、内筒載置部22の載置面22Mの径方向内方側K1の端縁22M1は、内筒1の下端部1Kの内周縁1Nよりも径方向内方側K1に位置する。
【0021】
第1支持体10は複数の分割ダイス21と第2支持体30を囲む円筒状の本体部11を備え(図7参照)、本体部11の上端11J側に、外筒2が載置される外筒載置部12が連設されている。外筒載置部12は本体部11と同芯の円筒状(円形リング状)に形成され、外筒2に張り出し形成された取付けフランジ102が外筒載置部12に載置されるように構成され、外筒載置部12の内周面12Nが、中間製品101の下窄まり部101Sを内嵌させる下窄まりの嵌合面に形成されている。また、外筒載置部12の内周部12Mが本体部11の上端11Jから径方向内方側K1に張出し、前記径方向内方側K1に張出した外筒載置部分13が、複数の分割ダイス21の上方Z2への変位を阻止する阻止壁に構成されている。
【0022】
前記付勢手段31は、本体部11の内周面11Nと複数の分割ダイス21の背部21Hとの間に弾性部材としてのコイルスプリング33を介在させて構成されている。つまり、分割ダイス21の背部21Hに形成されたスプリング挿入穴23(図4参照)にコイルスプリング33が挿入されて、コイルスプリング33の一端部33Aがスプリング挿入穴23の底23Sに受止められ、スプリング挿入穴23から突出したコイルスプリング33の他端部33Bが第1支持体10の本体部11の内周面11Nに受止められている。
【0023】
第2支持体30は第1支持体10と同芯の円形の環状に形成され、図6(a),図6(b),図6(c)に示すように、第2支持体30に、第2支持体30の軸芯Oに対して放射状に位置する凹状(凸状であってもよい)の複数のレール34が形成されている。また、複数の分割ダイス21の下端部21Kに、複数のレール34に対する凸状(凹状であってもよい)の複数のスライド移動部35(図3参照)が各別に形成されて、複数の分割ダイス21が第2支持体30に対して前記径方向Kにスライド移動自在に支持されている。分割ダイス21は第2支持体30の軸芯Oに対して点対称に位置している。レール34は、縦断面において上下逆T字状の凹部に形成され、分割ダイス21のスライド移動部35は、縦断面において上下逆T字状の凸部に形成されている。
【0024】
前記第2支持体30を載置させて支持する第3支持体36が設けられ(図8参照)、第2支持体30に内嵌した状態で複数のスライド移動部35を前記径方向内方側K1から受止める嵌合凸部37を第3支持体36に突設して前記ストッパ32が構成されている。
【0025】
第1支持体10の下端10K側に、径方向外方側K2に張り出して第3支持体36に載置するフランジ状の取付け座14が連設され、第3支持体36を載置させて支持する基台15が設けられ、第1支持体10の取付け座14と第3支持体36と基台15とが複数の取付けボルト40で一体に共締め固定(ボルト固定)されている。そして、第2支持体30の嵌合凸部37と、この嵌合凸部37の下方Z1の第2支持体部分38と、基台15とに、拡径ポンチPを受入れるポンチ受入れ孔39が形成されている。
【0026】
図9に示すように、前記拡径ポンチPは棒状に形成され、先端側から順に、先窄まりのテーパー部26と、第1拡径部27と、この第1拡径部27よりも大径の第2拡径部28とを備えている。第2拡径部28は、第1拡径部27に拡径された内筒1をさらに拡径して内筒1の径を所望の寸法にする。
【0027】
内筒拡径装置200による内筒1の拡径作動について説明する。
(1)図1,図10,図14(a)に示すように、複数の分割ダイス21が第1ストローク端ST1に位置した内筒拡径装置200に対して、その分割ダイス21の内筒載置部22に、前記中間製品101の内筒1の下端部1Kを載置するとともに、中間製品101の取付けフランジ102を外筒載置部12に載置し、外筒載置部12の内周面12N(下窄まりの嵌合面12N)に、中間製品101の下窄まり部101Sを内嵌させ、ダイス本体24の上面24J側の受止め部25に、中間製品101の下端部101Kを載置する。そして、内筒1の上方Z2に拡径ポンチPを位置させる。内筒載置部22の載置面22Mの径方向内方側K1の端縁22M1は、内筒1の下端部1Kの内周縁1Nよりも径方向内方側K1に位置している。上記の拡径ポンチPはプレス機により駆動されて昇降する。
(2)図11に示すように、拡径ポンチPが上方Z2から内筒1に挿入され、拡径ポンチPの第1拡径部27が内筒1を内筒1の上端側から拡径する。この拡径に伴って、拡径ポンチPのテーパー部26が、複数の分割ダイス21の内周部21Nの上端側に当接し、複数の分割ダイス21を径方向外方側K2(第2ストローク端ST2側)に押圧する。これにより、複数の分割ダイス21がコイルスプリング33の付勢力に抗して径方向外方側K2側に位置変更し始める。
(3)図12に示すように、拡径ポンチPがさらに下降して、拡径ポンチPの第2拡径部28が内筒1を上端側から拡径する。この拡径に伴って、拡径ポンチPの第1拡径部27が、複数の分割ダイス21の内周部21Nの上端側に当接し、分割ダイス21をさらに径方向外方側K2(第2ストローク端ST2側)に押圧する。そして、図13に示すように、分割ダイス21がコイルスプリング33の付勢力に抗して前記径方向外方側K2側にさらに位置変更する。内筒1が拡径すると、それに伴って分割ダイス21も径方向外方側K2に位置変更するので、上記の位置変更は、複数の分割ダイス21の内筒載置部22に内筒1の下端面の全面を載置させたまま行われる。
(4)その後、拡径ポンチPが上昇して中間製品101が回収される。複数の分割ダイス21はコイルスプリング33の付勢力で第1ストローク端ST1側に弾性復帰する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】内筒拡径装置の縦断正面図
【図2】複数の分割ダイスの平面図
【図3】分割ダイスの背面図
【図4】分割ダイスの縦断面図
【図5】分割ダイスの平面図
【図6】(a)は第2支持体の平面図、(b)は図6(a)のA−A断面図、(c)は第2支持体の側面図
【図7】第1支持体の縦断面図
【図8】第3支持体の縦断面図
【図9】拡径ポンチの正面図
【図10】内筒拡径装置の拡径作動を示す図
【図11】内筒拡径装置の拡径作動を示す図
【図12】内筒拡径装置の拡径作動を示す図
【図13】内筒拡径装置の拡径作動を示す図
【図14】(a)は分割ダイスが第1ストローク端に位置した状態を示す縦断面図、(b)は分割ダイスが第2ストローク端に位置した状態を示す縦断面図
【図15】ストラットマウントの縦断面図
【図16】従来の内筒拡径装置の拡径作動を示す図
【符号の説明】
【0029】
1 内筒
1K 内筒の下端部
1N 内筒の下端部の内周縁
2 外筒
3 ゴム状弾性体
10 第1支持体
10K 第1支持体の下端
11 本体部(第1支持体の本体部)
11J 本体部の上端
11N 本体部の内周面
12 外筒載置部
12M 外筒載置部の内周部
12N 外筒載置部の内周面(嵌合面)
13 外筒載置部分(阻止壁)
14 取付け座
15 基台
20 ダイス
21 分割ダイス
21K 分割ダイスの下端部
21N 分割ダイスの内周部
21H 分割ダイスの背部
22 内筒載置部
22M 載置面
22M1 載置面の径方向内方側の端縁
23 スプリング挿入穴
23S スプリング挿入穴の底
24 ダイス本体
24J ダイス本体の上面
25 防振装置受止め部
26 テーパー部
27 第1拡径部
28 第2拡径部
30 第2支持体
31 付勢手段
32 ストッパ
33 コイルスプリング(弾性部材)
33A コイルスプリングの一端部
33B コイルスプリングの他端部
34 レール
35 スライド移動部
36 第3支持体
37 嵌合凸部
38 第2支持体部分
39 ポンチ受入れ穴
40 取付けボルト
100 防振装置(ストラットマウント)
101 ストラットマウントの中間製品
101K 防振装置の下端部
101S 防振装置の下窄まり部
102 取付けフランジ
103 リバウンドストッパ
104 リバウンドストッパ付きの筒部材
105 ゴム部材
200 内筒拡径装置
D1 内筒の内径
D2 ポンチ受入れ孔の径
L1 径方向内方側への内筒のはみ出し量
L2 支持台に載置している内筒部分の径方向の長さ
K 径方向
K1 径方向内方側
K2 径方向外方側
O 軸芯(第2支持体の軸芯)
P 拡径ポンチ
S 周方向
ST1 第1ストローク端
ST2 第2ストローク端
Z1 下方
Z2 上方

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外筒との間にゴム状弾性体が加硫成形されている防振装置の内筒を拡径するための内筒拡径装置であって、
縦姿勢の前記外筒を下方から支持する第1支持体と、
縦姿勢の前記内筒が載置される内筒載置部を備えた環状のダイスと、
前記ダイスを下方から支持する第2支持体とを備え、
前記ダイスが周方向に複数の分割ダイスに分割されて、前記複数の分割ダイスが径方向に位置変更自在に前記第2支持体に支持され、
前記複数の分割ダイスを前記径方向内方側に付勢する付勢手段と、
前記付勢手段の付勢力で前記径方向内方側に向かう前記複数の分割ダイスを前記径方向内方側から受止めて、前記複数の分割ダイスを第1ストローク端に位置させるストッパとが設けられ、
前記複数の分割ダイスが前記第1ストローク端に位置した状態で、前記複数の分割ダイスの内筒載置部が前記内筒を載置させるように構成されるとともに、前記内筒載置部に載置した内筒に上方側から挿入された拡径ポンチが、前記内筒を拡径しながら前記内筒の下端部から突出するに伴って、前記複数の分割ダイスの内周部が前記拡径ポンチに径方向外方側に押圧され、前記複数の分割ダイスが前記付勢力に抗して、前記内筒載置部に前記内筒を載置させたまま第2ストローク端側に位置変更するよう構成されている内筒拡径装置。
【請求項2】
前記第1支持体は前記複数の分割ダイスと第2支持体を囲む筒状の本体部を備え、
前記本体部の上端側に、前記外筒が載置される外筒載置部が連設され、
前記本体部の内周面と前記複数の分割ダイスの背部との間に弾性部材を介在させて前記付勢手段が構成され、
前記第2支持体は環状に形成され、前記第2支持体に、前記第2支持体の軸芯に対して放射状に位置する凹状又は凸状の複数のレールが形成され、
前記複数の分割ダイスの下端部に、前記複数のレールに対する凸状又は凹状の複数のスライド移動部が各別に形成されて、前記複数の分割ダイスが前記第2支持体に対して前記径方向にスライド移動自在に支持され、
前記第2支持体を載置させて支持する第3支持体が設けられ、前記第2支持体に内嵌した状態で前記複数のスライド移動部を前記径方向内方側から受止める嵌合凸部を前記第3支持体に突設して前記ストッパが構成されている請求項1記載の内筒拡径装置。
【請求項3】
前記第1支持体の外筒載置部は前記本体部と同芯の筒状に形成され、
前記外筒に張り出し形成された取付けフランジが前記外筒載置部に載置されるように構成され、
前記外筒載置部の内周面が、前記防振装置の下窄まり部を内嵌させる下窄まりの嵌合面に形成されている請求項2記載の内筒拡径装置。
【請求項4】
前記外筒載置部の内周部が前記本体部の上端から径方向内方側に張出し、前記径方向内方側に張出した外筒載置部分が、前記複数の分割ダイスの上方への変位を阻止する阻止壁に構成されている請求項3記載の内筒拡径装置。
【請求項5】
前記弾性部材はコイルスプリングであり、前記分割ダイスの背部に形成されたスプリング挿入穴に前記コイルスプリングが挿入されて、前記コイルスプリングの一端部が前記スプリング挿入穴の底に受止められ、前記スプリング挿入穴から突出した前記コイルスプリングの他端部が前記第1支持体の本体部の内周面に受止められている請求項2〜4のいずれか一つに記載の内筒拡径装置。
【請求項6】
前記第1支持体の下端側に、径方向外方側に張り出して前記第3支持体に載置するフランジ状の取付け座が連設され、前記第3支持体を載置させて支持する基台が設けられ、
前記第1支持体の取付け座と前記第3支持体と前記基台とが取付けボルトで一体にボルト固定され、
前記第2支持体の嵌合凸部と、前記嵌合凸部の下方の第2支持体部分と、前記基台とに、前記拡径ポンチを受入れるポンチ受入れ孔が形成されている請求項2〜5のいずれか一つに記載の内筒拡径装置。
【請求項7】
前記内筒載置部は前記分割ダイスのダイス本体から上方に突出し、前記内筒載置部よりも下方の前記ダイス本体の上面に、前記防振装置の下端部を載置する防振装置受止め部が形成されている請求項1〜6のいずれか一つに記載の内筒拡径装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−130650(P2007−130650A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−324338(P2005−324338)
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)
【Fターム(参考)】