説明

内視鏡形状検出装置

【課題】必要に応じたタイミングで内視鏡の挿入形状を表示する。
【解決手段】検出装置21は、液晶モニタ25におけるスコープモデルの表示をオン/オフする切替スイッチ40と、ソースコイル14iの各位置を算出する位置算出部113と、位置算出部113が算出したソースコイル14iの各位置に基づき、電子内視鏡6のスコープモデルを生成するスコープモデル生成部114と、表示休止時画像格納部115に格納されている表示休止時画像とスコープモデル生成部114からのスコープモデル画像を選択的に液晶モニタ25に出力するセレクタ116と、これら各部を制御する制御部117とを備えて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は磁界発生素子と磁界検出素子とを用いて内視鏡の挿入形状等を検出して表示する内視鏡形状検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、磁界発生素子と磁界検出素子とを用いて体内等に挿入された内視鏡の形状等を検出し、表示手段により表示を行う内視鏡形状検出装置が用いられるようになった。
【0003】
例えば、特開2003−245243号公報等には、磁界を用いて内視鏡形状を検出し、検出した内視鏡形状を表示する装置が開示されている。そして、体内に挿入される内視鏡の挿入部内に所定の間隔で配置した複数の磁界発生素子を駆動してその周囲に磁界を発生させ、体外に配置した磁界検出素子により各磁界発生素子の3次元位置を検出して、各磁界発生素子を連続的に結ぶ曲線を生成して、モデル化した挿入部の3次元的な画像を表示手段で表示する。
【0004】
術者等はその画像を観察することにより、体内に挿入された挿入部の先端部の位置や挿入形状等を把握でき、目的とする部位までの挿入作業等を円滑に行えるようにしている。
【特許文献1】特開2003−245243号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の内視鏡形状検出装置においては、常時、内視鏡の形状表示を行っているため、例えば内視鏡画像による検査中においては、挿入形状画像を見る必要がないときにも視野内に挿入形状画像が入り込んでくることがある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、必要に応じたタイミングで内視鏡の挿入形状を表示することのできる内視鏡形状検出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の内視鏡形状検出装置は、
被検体に挿入される内視鏡の挿入部の内部に複数の磁界発生素子及び複数の磁界検出素子の一方の素子を配置し、被検体の外部に他方の素子を配置して、前記挿入部の内部に配置された一方の素子の各位置を前記他方の素子の位置を基準に用いて検出する検出手段と、
前記検出手段を制御すると共に、前記検出手段の検出結果に基づき、内視鏡挿入部の形状を推定する形状推定手段と、
前記形状推定手段が推定した前記内視鏡挿入部の形状のモデル画像を生成するモデル画像生成手段と、
前記モデル画像の表示手段への表示を制御する画像表示制御手段と
を備えて構成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、必要に応じたタイミングで内視鏡の挿入形状を表示することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について述べる。
【実施例1】
【0010】
図1ないし図12は本発明の実施例1に係わり、図1は内視鏡システムの構成を示す構成図、図2は図1のコイルユニットに内蔵されたコイルの配置例を示す図、図3は図1の内視鏡装置及び内視鏡形状検出装置の配置例を示す第1の図、図4は図1の内視鏡装置及び内視鏡形状検出装置の配置例を示す第2の図、図5は図1のビデオプロセッサ及び検出装置の構成を示すブロック図、図6は図5の検出装置の作用を説明するフローチャート、図7は図6の処理を説明する第1の図、図8は図6の処理を説明する第2の図、図9は図6の処理を説明する第3の図、図10は図6の処理を説明する第4の図、図11は図6の処理を説明する第5の図、図12は図5のビデオプロセッサ及び検出装置の変形例の構成を示すブロック図である。
【0011】
図1に示すように、本実施例における内視鏡システム1は、内視鏡検査を行う内視鏡装置2と、内視鏡検査の補助に用いられる内視鏡形状検出装置3とを備え、この内視鏡形状検出装置3は、ベッド4に横たわる患者5の体腔内に電子内視鏡6の挿入部7を挿入し、内視鏡検査を行う際の挿入補助手段として使用される。
【0012】
電子内視鏡6は、可撓性を有する細長の挿入部7の後端に湾曲操作ノブを設けた操作部8が形成され、この操作部8からユニバーサルコード9が延出され、ビデオプロセッサ10に接続されている。ビデオプロセッサ10にはパネルスイッチ10aが設けられ、キーボード10bが接続されている。
【0013】
この電子内視鏡6は、ライトガイドが挿通されビデオプロセッサ10内の光源部からの照明光を伝送し、挿入部7の先端に設けた照明窓から伝送した照明光を出射し、患者等を照明する。照明された患部等の被写体は照明窓に隣接して設けられた観察窓に取り付けた対物レンズにより、その結像位置に配置された撮像素子(CCD)に像を結び、この撮像素子は光電変換する。
【0014】
光電変換された信号はビデオプロセッサ10内の映像信号処理部により信号処理されて標準的な映像信号が生成され、ビデオプロセッサ10に接続された画像観察用モニタ11に表示される。
【0015】
この電子内視鏡6には鉗子チャンネル12が設けてあり、この鉗子チャンネル12の挿入口12aから例えば16個の磁界発生素子(またはソースコイル)14a、14b、…、14p(以下、符号14iで代表する)を有するプローブ15が挿通されることにより、挿入部7内にソースコイル14iが設置される。
【0016】
このプローブ15の後端から延出されたソースケーブル16は、その後端のコネクタ16aが内視鏡形状検出装置3の装置本体としての検出装置(装置本体とも記す)21に着脱自在に接続される。そして、検出装置21側から駆動信号伝達手段としてソースケーブル16を介して磁界発生手段となるソースコイル14iに駆動信号を印加することにより、ソースコイル14iは磁界を発生する。
【0017】
また、患者5が横たわるベッド4の付近に配置されるこの検出装置21には、(センス)コイルユニット23が上下方向に移動(昇降)自在に設けられ、このコイルユニット23内には複数の磁界検出素子(センスコイル)が配置されている。
【0018】
より具体的に説明すると、図2に示すように例えば中心のZ座標が第1のZ座標である例えばX軸に向いたセンスコイル22a−1、22a−2、22a−3、22a−4と、中心のZ座標が第1のZ座標と異なる第2のZ座標であるY軸に向いたセンスコイル22b−1、22b−2、22b−3、22b−4と、中心のZ座標が第1及び第2のZ座標と異なる第3のZ座標であるZ軸に向いたセンスコイル22c−1、22c−2、22c−3、22c−4の12個のセンスコイル(以下、符号22jで代表する)が配置されている。
【0019】
センスコイル22jは、コイルユニット23からの図示しないケーブルを介して検出装置21に接続されている。この検出装置21には使用者が装置を操作するための操作パネル24が設けられている。また、この検出装置21には検出した内視鏡挿入部の形状(以下、スコープモデルと記す)を表示する表示手段として液晶モニタ25がその上部に配置されている。
【0020】
また、本実施例では、図1に示すように、検出装置21には、体内に挿入された挿入部7の位置を確認したりする為に、体外での位置を表示させるための体外マーカ57と、患者5の腹部などに取り付ける等して、患者5の体位が変化しても(患者5の)特定の方向から常にスコープモデルを表示させるため等で使用する基準プレート58を検出装置21に接続して使用することもできる。
【0021】
体外マーカ57は内部に1つのソースコイルが収納されており、この体外マーカ57のケーブル59の基端のコネクタ59aは検出装置21に着脱自在で接続される。
【0022】
そして、このコネクタ59aを接続することにより、プローブ15内のソースコイルの場合と同様に体外マーカ57のソースコイルも駆動され、コイルユニット23で検出された体外マーカ57のソースコイルの位置もスコープモデルと同様にモニタ25に表示される。
【0023】
また、基準プレート58は、そのディスク形状部分の内部に例えば3個のソースコイルが配置され、これら3個のソースコイルに接続されたケーブル60の基端のコネクタ60aは検出装置21に着脱自在で接続される。
【0024】
これらの3個のソースコイルの位置検出により、それらが配置されている面が決定される。そして、その面に垂直な方向から挿入部7を見た場合に観察されるようにスコープモデルの描画を行うのに使用される。
【0025】
検出装置21とビデオプロセッサ10は、信号ケーブル41により接続されており、信号ケーブル41を介して検出装置21とビデオプロセッサ10間にて種々のデータが送受可能となっている。
【0026】
内視鏡装置2と内視鏡形状検出装置3の患者5及び術者50に対する配置例を、図3及び図4に示す。これらの図に示すように、内視鏡装置2と内視鏡形状検出装置3とは患者5を挟んだ状態に配置され、内視鏡装置2のモニタ11及び内視鏡形状検出装置3のモニタ25の表示画面が術者50に向けられる。
【0027】
術者50は、このように配置された液晶モニタ25及びモニタ11にて、主として挿入手技時においては挿入時の内視鏡形状画像(スコープモデル)を観察し、主として患部観察及び処置時においてはモニタ11により内視鏡画像を観察する。
【0028】
例えば挿入手技に熟練している術者は、挿入手技時においても内視鏡画像を観察しながら挿入を継続するが、このような場合や内視鏡観察時においては、液晶モニタ25にスコープモデルを表示していると、挿入形状画像を見る必要がないときにもモニタ11の内視鏡画像の観察視野内のスコープモデルが入り込んでくることがある。
【0029】
これを回避するために、内視鏡形状検出装置3のシステムをオフしたり、液晶モニタ25の電源を切ることが考えらるが、内視鏡形状検出装置3のシステムの再立ち上げには時間がかかり、直ちにスコープモデルが表示できないといった問題がある。また、液晶モニタ25が図3及び図4のように配置されているために、容易に電源をオフすることも難しい。
【0030】
そこで、本実施例では、検出装置21に液晶モニタ25におけるスコープモデルの表示をオン/オフする画像表示制御手段としての切替スイッチ40(図1及び図4参照)を設けている。
【0031】
図5に示すように、ビデオプロセッサ10は、電子内視鏡6の先端内に設けられている撮像部100の撮像素子、例えばCCDを駆動するCCD101と、撮像部100からの撮像信号に対して相関2重サンプリング等の処理を行う前処理部102と、前処理部からの信号に対して例えばRGBマトリックス処理、輪郭強調処理、色補正処理等の画像処理を行う画像処理部103と、ビデオプロセッサ10の各部を制御する制御部104とを備えて構成される。
【0032】
制御部104は、電子内視鏡6の操作部8(図1参照)に設けられているスコープスイッチ8a、ビデオプロセッサ10のパネルスイッチ10a、キーボード10b等の入力手段からの入力を所定のタイミングで読み込むことで、これら入力手段からの指示/設定を受け付ける。
【0033】
画像処理部103で処理された画像はモニタ11に出力され、モニタ11において内視鏡画像が観察できるようになっている。
【0034】
また、図5に示すように、検出装置21は、プローブ15に配置されている、例えば16個のソースコイル14iを駆動する送信部111と、(センス)コイルユニット23内のセンスコイル22jからの検出信号を受信する受信部112と、受信部112が受信したセンスコイル22jからの検出信号に基づき、ソースコイル14iの各位置を算出する位置算出部113と、位置算出部113が算出したソースコイル14iの各位置に基づき、電子内視鏡6のスコープモデルを生成するスコープモデル生成部114と、表示休止時画像格納部115に格納されている表示休止時画像とスコープモデル生成部114からのスコープモデル画像を選択的に液晶モニタ25に出力するセレクタ116と、これら各部を制御する制御部117とを備えて構成される。
【0035】
制御部117は、検出装置21の操作パネル24及び切替スイッチ41を所定のタイミングで読み込むことで、これらからの指示/設定を受け付ける。なお、セレクタ116は、切替スイッチ41を操作することで、制御部117により制御される。
【0036】
また、表示休止時画像格納部115に格納されている表示休止時画像は、例えば一面、黒あるいはグレーの画像である。
【0037】
このように構成された本実施例の作用について説明する。
【0038】
図6に示すように、ステップS1にて電子内視鏡6の挿入が開始されると、制御部117はステップS2にて、セレクタ116をスコープモデル生成部114側にセットする。これにより、ステップS3にて液晶モニタ25がスコープモデルを表示する。
【0039】
このとき、モニタ11には図7に示すように電子内視鏡6からの内視鏡画像120が表示され、図8に示すように液晶モニタ25にはスコープモデル130が表示される。モニタ11の内視鏡画像120の近傍には、患者ID121、時間情報122、コメント123等の各種データが表示され、また、液晶モニタ25のスコープモデル130の近傍にも患者ID131、時間情報132等の各種データが表示される。
【0040】
ビデオプロセッサ10と検出装置21とは独立した構成であるため、例えばそれぞれが有する時間情報が異なる場合があり、このような場合、図7及び図8に示すように、時間情報122、時間情報132に表示される時間が異なることになる。
【0041】
本実施例では、ビデオプロセッサ10の制御部104と、検出装置21の制御部117が信号ケーブル41により接続されていて、この信号ケーブル41により、例えば検出装置21の制御部117が、ビデオプロセッサ10の時間情報を読み出し、検出装置21の時間情報をキャリブレーションすることで、図9に示すように、液晶モニタ25の時間情報132を、図7に示したモニタ11の時間情報122に一致させている。なお、時間情報に限らず、患者ID、コメント等の情報のキャリブレーションも行われる。
【0042】
そして、制御部117はステップS4にて、切替スイッチ41がオンされたかどうか判断する。切替スイッチ41がオンされると、制御部117はステップS5にて、セレクタ116の選択状態がスコープモデルかどうか判断し、セレクタ116がスコープモデルを選択している場合はステップS6に進み、セレクタ116が表示休止時画像を選択している場合はステップS8に進む。
【0043】
ステップS6では、制御部117はセレクタ116を表示休止時画像格納部115側にセットし、ステップS7にて液晶モニタ25に表示休止時画像を表示させ、ステップS10に進む。
【0044】
また、ステップS8では、セレクタ116をスコープモデル生成部114側にセットし、ステップS9にて液晶モニタ25にスコープモデルを表示させ、ステップS10に進む。
【0045】
このステップS5〜S9の処理により、切替スイッチ41からのオン信号により、図10に示すように、液晶モニタ25に表示される画像がトグル的に、スコープモデル130と表示休止時画像140に切り替わって表示される。なお、表示休止時画像140においては、図11に示すように、表示休止時画像であることを示す文字情報141を表示休止時画像140に重畳表示するようにしてもよい。
【0046】
そして、ステップS10にて検査が終了するまで、上記ステップS4〜S9の処理を繰り返す。
【0047】
このように本実施例では、検出装置21に液晶モニタ25におけるスコープモデルの表示をオン/オフする切替スイッチ40を設けているので、切替スイッチ40を操作することで、必要に応じたタイミングで内視鏡の挿入形状を表示することができる。
【0048】
なお、切替スイッチ41を検出装置21に設けるとしたが、これに限らず、図12に示すように切替スイッチ41をビデオプロセッサ10に設け、信号ケーブル41を介してビデオプロセッサ10の制御部104によりセレクタ116を切り換えるようにしてもよい。
【0049】
さらに、切替スイッチ41の代りに、切替スイッチ41のスイッチ機能を操作パネル24、パネルスイッチ10a、スコープスイッチ8a、あるいはキーボード10bに割り付けることで、これら操作パネル24、パネルスイッチ10a、スコープスイッチ8a、あるいはキーボード10bの操作によりセレクタ116を切り換えるようにしてもよい。
【実施例2】
【0050】
図13ないし図20は本発明の実施例2に係わり、図13は内視鏡システムの構成を示す構成図、図14は図13のビデオプロセッサ及び検出装置の構成を示すブロック図、図15は図14の検出装置の作用を説明する第1の図、図16は図14の検出装置の作用を説明する第2の図、図17は図14のビデオプロセッサ及び検出装置の第1の変形例の構成を示すブロック図、図18は図14のビデオプロセッサ及び検出装置の第2の変形例の構成を示すブロック図、図19は図18の検出装置の作用を説明する第1の図、図20は図18の検出装置の作用を説明する第2の図である。
【0051】
実施例2は、実施例1とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0052】
図13に示すように、本実施例では、ビデオプロセッサ10からの内視鏡画像と検出装置21からのスコープモデル画像を合成し、合成画像を液晶モニタ25に表示させる画像合成装置145を備えている。
【0053】
この画像合成装置145は、図14に示すように、表示休止時画像格納部115、セレクタ116及び合成回路146を備え、セレクタ116が表示休止時画像と検出装置21のスコープモデル生成部114からのスコープモデル画像を選択的に合成回路146に出力する。また、合成回路146は、ビデオプロセッサ10の画像処理部103からの内視鏡画像を入力し、内視鏡画像とスコープモデル画像(あるいは表示休止時画像)を合成して、図15に示すような合成画像を、液晶モニタ25に表示する。
【0054】
液晶モニタ25に表示される合成画像は、内視鏡画像130を表示する内視鏡画像表示エリア130aと、スコープモデル画像120を表示する形状表示エリア120aとから構成される。
【0055】
セレクタ116は、検出装置21に設けられた切替スイッチ41からのオン信号に基づき検出装置21の制御部117により制御され、図15に示すように、液晶モニタ25の形状表示エリア120aに表示される画像がトグル的に、スコープモデル130と表示休止時画像140に切り替わって表示される。なお、形状表示エリア120aの表示休止時画像140においては、図16に示すように、表示休止時画像であることを示す文字情報141を表示休止時画像140に重畳表示するようにしてもよい。
【0056】
このように本実施例では、実施例1と同様に、切替スイッチ41を操作することで、必要に応じたタイミングで内視鏡の挿入形状を表示することができる。
【0057】
なお、切替スイッチ41を検出装置21に設けるとしたが、これに限らず、図17に示すように切替スイッチ41をビデオプロセッサ10に設け、信号ケーブル41を介してビデオプロセッサ10の制御部104によりセレクタ116を切り換えるようにしてもよい。
【0058】
さらに、切替スイッチ41の代りに、切替スイッチ41のスイッチ機能を操作パネル24、パネルスイッチ10a、スコープスイッチ8a、あるいはキーボード10bに割り付けることで、これら操作パネル24、パネルスイッチ10a、スコープスイッチ8a、あるいはキーボード10bの操作によりセレクタ116を切り換えるようにしてもよい。
【0059】
また、図18に示すように、画像合成装置145の合成回路146において2つの合成画像を生成し、それぞれの合成画像をモニタ11及び液晶モニタ25に出力するようにしてもよい。
【0060】
モニタ11に対しては、合成回路146は、図19に示すように、スコープモデル画像130を半透明画像として内視鏡画像120に重畳した合成画像を出力する。
【0061】
また、液晶モニタ25に対しては、合成回路146は、図20に示すように、スコープモデル画像130の先端位置に、先端の移動に追従して変化する内視鏡画像の縮小画像120bを重畳した合成画像を出力する。内視鏡画像の縮小画像の代りに内視鏡画像の切り出し画像でもよい。
【実施例3】
【0062】
図21ないし図24は本発明の実施例3に係わり、図21はビデオプロセッサ及び検出装置の構成を示すブロック図、図22は図21の検出装置の処理を説明するフローチャート、図23は図22の処理の変形例を示すフローチャート、図24は図21のビデオプロセッサ及び検出装置の変形例の構成を示すブロック図である。
【0063】
実施例3は、実施例1とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0064】
上記実施例1及び2においては、スコープモデル画像120と表示休止時画像140を切替スイッチ40のオン信号によりトグル的に切り替えるとしたが、本実施例では、スコープモデルの形状に基づき、スコープモデル画像120と表示休止時画像140を切り換える構成となっている。
【0065】
具体的には、図21に示すように、スコープモデル生成部114が生成したスコープモデルの形状を解析する形状解析部150を検出装置21内に設け、この形状解析部150の解析結果に基づき、形状解析部150がセレクタ116を切り換えるようになっている。
【0066】
このように構成された検出装置21では、図22に示すように、ステップS21にて電子内視鏡2の挿入が開始されると、ステップS22にて制御部117は自動切替モードがオン状態かどうか判断する。
【0067】
この自動切替モードは、操作パネル24により制御部117に設定される。制御部117は、自動切替モードがオン状態に設定されると、形状解析部150での解析結果に基づくセレクタの制御を許可し、自動切替モードがオフ状態に設定されると、形状解析部150での解析結果に基づくセレクタの制御を禁止する。
【0068】
なお、自動切替モードがオフ状態の場合には、ステップS27にてセレクタはスコープモデル画像を液晶モニタ25に出力する状態にセットされる。この自動切替モードの設定は、操作パネル24により常時可能となっている。
【0069】
そこで、ステップS22にて制御部117は、自動切替モードがオン状態と判断すると、形状解析部150に対して解析を実行させる。
【0070】
まず、ステップS23にて形状解析部150は、スコープモデル130の形状の変化量が所定の最大変化量以上かどうか判断する。最大変化量以上の変化がスコープモデル130の形状に生じている場合には、順調な内視鏡挿入がなされていると判断し、ステップS28に進む。
【0071】
スコープモデル130の形状の変化量が所定の最大変化量未満の場合には、ステップS24にて形状解析部150は、挿入状態は終了状態に達したかどうかを判断する。例えばスコープモデル130の形状が所定の挿入終了形状に一致しているかどうかにより判断する。挿入状態が終了状態と判断するとステップS28に進む。
【0072】
つぎにステップS25にて形状解析部150は、スコープモデル130の形状に異常ループが生じているかどうかを判断する。異常ループは挿入手技に支障があるため、異常ループがないと判断するとステップS28に進み、異常ループがあるとステップS26に進む。
【0073】
ステップS26にて形状解析部150は、スコープモデル130の形状の変化が所定の最小変化量以下の状態が所定時間以上継続しているかどうか判断し、所定の最小変化量以下の状態が所定時間以上継続している場合はステップS27に進み、そうでない場合にはステップS28に進む。
【0074】
ステップS27にて形状解析部150は、セレクタ116を制御し液晶モニタ25にスコープモデル画像120を表示し、またステップS28にて形状解析部150は、セレクタ116を制御し液晶モニタ25に表示休止時画像140を表示する。
【0075】
そして、ステップS29にて検査が終了するまで、上記ステップS22〜S28の処理を繰り返す。
【0076】
上記処理にて、電子内視鏡の挿入が所定時間滞っている場合には、挿入支援が必要と判断し、液晶モニタ25にスコープモデル120を表示し、その他の場合は挿入支援が必要ないと判断し液晶モニタ25に表示休止時画像140を表示する。
【0077】
なお、異常ループが生じていなくても、スコープモデル130の形状の変化が所定の最小変化量以下の状態が所定時間以上継続している場合には、挿入支援が必要な場合があるため、図23に示すように、上記ステップS25の処理(異常ループ検出処理)を省略してもよい。
【0078】
このように本実施例では、形状解析部150の解析結果に基づき、スコープモデルの表示のオン/オフを制御するので、挿入形状に基づく必要に応じたタイミングで内視鏡の挿入形状を表示することができる。
【0079】
なお、図24に示すように、実施例2と同様に、画像合成装置145内に表示休止時画像格納部115、セレクタ116、合成回路146と共に、形状解析部150を設けてもよい。
【実施例4】
【0080】
図25ないし図27は本発明の実施例4に係わり、図25はビデオプロセッサ及び検出装置の構成を示すブロック図、図26は図25の検出装置の処理を説明するフローチャート、図27は図25のビデオプロセッサ及び検出装置の変形例の構成を示すブロック図である。
【0081】
実施例4は、実施例3とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0082】
実施例3では、スコープモデルの形状(電子内視鏡の挿入状態)を解析し、挿入支援が必要な状態と判断した場合に、液晶モニタ25にスコープモデル120を表示したが、本実施例では、内視鏡画像を解析し、内視鏡画像が挿入支援を必要とする画像となった場合に液晶モニタ25にスコープモデル120を表示する。
【0083】
具体的には、図25に示すように、ビデオプロセッサ10画像処理部103からの内視鏡画像を解析する内視鏡画像解析部160を検出装置21内に設け、この内視鏡画像解析部160の解析結果に基づき、内視鏡画像解析部160がセレクタ116を切り換えるようになっている。
【0084】
このように構成された検出装置21では、図26に示すように、ステップS31にて電子内視鏡2の挿入が開始されると、ステップS32にて制御部117は自動切替モードがオン状態かどうか判断する。
【0085】
この自動切替モードは、操作パネル24により制御部117に設定される。制御部117は、自動切替モードがオン状態に設定されると、内視鏡画像解析部160での解析結果に基づくセレクタの制御を許可し、自動切替モードがオフ状態に設定されると、内視鏡画像解析部160での解析結果に基づくセレクタの制御を禁止する。
【0086】
なお、自動切替モードがオフ状態の場合には、ステップS36にてセレクタはスコープモデル画像を液晶モニタ25に出力する状態にセットされる。この自動切替モードの設定は、操作パネル24により常時可能となっている。
【0087】
そこで、ステップS32にて制御部117は、自動切替モードがオン状態と判断すると、内視鏡画像解析部160に対して解析を実行させる。
【0088】
まず、ステップS33にて内視鏡画像解析部160は、観察中の内視鏡画像に変化が有るかどうか判断し、ない場合にはステップS36に進み、ある場合にはステップS34に進む。
【0089】
ステップS34にて内視鏡画像解析部160は、例えば輝度解析により、内視鏡画像の変化がハレーション等による異常なものか、正常な状態での内視鏡画像の変化かどうか判断し、正常画像における内視鏡画像の変化と判断するとステップS35に進み、ハレーション等の異常による変化と判断するとステップS37に進む。
【0090】
ステップS35にて内視鏡画像解析部160は、例えば色調解析により、内視鏡画像は出血が生じた出血部位画像かどうか判断し、内視鏡画像が出血部位画像と判断すると、ステップS36に進み、出血部位画像ではない判断するとステップS37に進む。
【0091】
ステップS36にて内視鏡画像解析部160は、セレクタ116を制御し液晶モニタ25にスコープモデル画像120を表示し、またステップS37にて内視鏡画像解析部160は、セレクタ116を制御し液晶モニタ25に表示休止時画像140を表示する。
【0092】
そして、ステップS38にて検査が終了するまで、上記ステップS32〜S37の処理を繰り返す。
【0093】
このように本実施例では、内視鏡画像解析部160の解析結果に基づき、スコープモデルの表示のオン/オフを制御するので、内視鏡画像に基づく必要に応じたタイミングで内視鏡の挿入形状を表示することができる。
【0094】
なお、図27に示すように、実施例2と同様に、画像合成装置145内に表示休止時画像格納部115、セレクタ116、合成回路146と共に、内視鏡画像解析部160を設けてもよい。
【0095】
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施例1に係る内視鏡システムの構成を示す構成図
【図2】図1のコイルユニットに内蔵されたコイルの配置例を示す図
【図3】図1の内視鏡装置及び内視鏡形状検出装置の配置例を示す第1の図
【図4】図1の内視鏡装置及び内視鏡形状検出装置の配置例を示す第2の図
【図5】図1のビデオプロセッサ及び検出装置の構成を示すブロック図
【図6】図5の検出装置の作用を説明するフローチャート
【図7】図6の処理を説明する第1の図
【図8】図6の処理を説明する第2の
【図9】図6の処理を説明する第3の図
【図10】図6の処理を説明する第4の図
【図11】図6の処理を説明する第5の図
【図12】図5のビデオプロセッサ及び検出装置の変形例の構成を示すブロック図
【図13】本発明の実施例2に係る内視鏡システムの構成を示す構成図
【図14】図13のビデオプロセッサ及び検出装置の構成を示すブロック図
【図15】図14の検出装置の作用を説明する第1の図
【図16】図14の検出装置の作用を説明する第2の図
【図17】図14のビデオプロセッサ及び検出装置の第1の変形例の構成を示すブロック図
【図18】図14のビデオプロセッサ及び検出装置の第2の変形例の構成を示すブロック図
【図19】図18の検出装置の作用を説明する第1の図
【図20】図18の検出装置の作用を説明する第2の図
【図21】本発明の実施例3に係るビデオプロセッサ及び検出装置の構成を示すブロック図
【図22】図21の検出装置の処理を説明するフローチャート
【図23】図22の処理の変形例を示すフローチャート
【図24】図21のビデオプロセッサ及び検出装置の変形例の構成を示すブロック図
【図25】本発明の実施例4に係るビデオプロセッサ及び検出装置の構成を示すブロック図
【図26】図25の検出装置の処理を説明するフローチャート
【図27】図25のビデオプロセッサ及び検出装置の変形例の構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0097】
1…内視鏡システム
2…内視鏡装置
3…内視鏡形状検出装置
4…ベッド
5…患者
6…電子内視鏡
7…挿入部
8…操作部
10…ビデオプロセッサ
12…鉗子チャンネル
14i…ソースコイル
15…プローブ
16…ケーブル
21…検出装置
23…コイルユニット
22j…センスコイル
40…切替スイッチ
111…送信部
112…受信部
113…位置算出部
114…スコープモデル生成部
115…表示休止時画像格納部
116…セレクタ
117…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に挿入される内視鏡の挿入部の内部に複数の磁界発生素子及び複数の磁界検出素子の一方の素子を配置し、被検体の外部に他方の素子を配置して、前記挿入部の内部に配置された一方の素子の各位置を前記他方の素子の位置を基準に用いて検出する検出手段と、
前記検出手段を制御すると共に、前記検出手段の検出結果に基づき、内視鏡挿入部の形状を推定する形状推定手段と、
前記形状推定手段が推定した前記内視鏡挿入部の形状のモデル画像を生成するモデル画像生成手段と、
前記モデル画像の表示手段への表示を制御する画像表示制御手段と
を備えたことを特徴とする内視鏡形状検出装置。
【請求項2】
前記画像表示制御手段は、前記モデル画像の表示手段へのオン/オフ表示を指示するスイッチ手段である
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡形状検出装置。
【請求項3】
前記画像表示制御手段は、前記内視鏡挿入部の形状に基づき、前記モデル画像の表示手段への表示を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡形状検出装置。
【請求項4】
前記内視鏡より得られた内視鏡画像を画像解析する内視鏡画像解析手段を備え、
前記画像表示制御手段は、前記内視鏡画像の画像解析結果に基づき、前記モデル画像の表示手段への表示を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡形状検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2006−296576(P2006−296576A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−120043(P2005−120043)
【出願日】平成17年4月18日(2005.4.18)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】