説明

円滑経路生成装置および円滑経路生成方法

【課題】動作経路から余分な動作を削減して円滑な動作経路を再生成する。
【解決手段】動作経路記憶手段と、経路途中点設定手段と、経路途中点記憶手段と、経路途中点のうち対となる一の経路途中点、および他の経路途中点からなる経路途中点対を採択する経路途中点対採択手段と、一の経路途中点と他の経路途中点との中間点を、計算式(一の経路途中点の位置データ+他の経路途中点の位置データ)/2から求める中間点演算手段と、中間点が障害物と干渉するかどうかを判断する中間点干渉チェック手段と、を備え、中間点が障害物と干渉する場合には、現在のままの動作経路を採択し(S7)、干渉しない場合には、当該中間点を新経路途中点として採択し、一の経路途中点から当該新経路途中点を通って他の経路途中点まで進む新動作経路に変更する円滑経路生成ステップを実行(S6)する円滑経路生成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は障害物を回避するように生成された動作経路から余分な動作を削減して円滑な動作経路を再生成する円滑経路生成装置および円滑経路生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、原子炉など、人の進入が困難な場所において作業を行う場合、CCDカメラ、距離センサ、接触センサなどを組み込んで遠隔制御を行い、炉内の点検、形状の計測、補修作業などを行うといったマスタ・スレーブ方式が採用されるケースが多い。
特に、原子炉内において、動作経路選択を自動制御することのできる多関節ロボットを用いた作業が行われており、そうした自動制御および経路生成を実現する手法として、コンフィギュレーション空間を用いた動作経路生成法、迷路探索法、RRT(Rapidly−exploring Random Trees)法などの確率的手法を用いた動作経路生成法が開示されている(特許文献1〜3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−235606号公報
【特許文献2】特開2008−105132号公報
【特許文献3】特開2010−32326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの動作経路計画アルゴリズムによって生成されるロボットの動作経路は、障害物の回避を優先するものであるため、その動作経路内に振動や余分な動作を含む場合があった。このため、このようにして生成された軌道でロボットを動作させると、急激な加速、減速を繰り返すためロボット本体や対象物に無理な力が加わってしまうという問題があった。
【0005】
例えば、動作経路計画アルゴリズムの中でもRRT法等の確率的手法によって比較的高速に生成されるロボットの動作経路は、確率的手法がロボットのコンフィギュレーションを断片的にしか得られないために、ランダムに選んだコンフィギュレーション点に向けて一定距離だけ進んだコンフィギュレーション点(経路途中の目標位置)を経路探索木に取り入れて探索木を成長させ、探索木に取り入れた目標位置をたどることでロボットの軌道を取得する。
【0006】
このため、特にRRT法によって得た軌道は乱数に基づいて一定の間隔で目標位置を連結したものであり、直線的な成分が少ない断片的な折曲した軌道となるため、その動作経路内に振動や余分な動作を含む場合があり、円滑な動作経路が得られないという問題があった。
【0007】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、障害物を回避するように生成された動作経路から振動や余分な動作を誘引する動作経路を削減して円滑な動作経路を再生成する円滑経路生成装置および円滑経路生成方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に係る発明は、演算処理装置および記憶装置からなる制御装置を有し、初期位置から目標位置まで障害物を回避するように生成された多軸ロボットアームの動作経路を円滑化して円滑経路を再生成する円滑経路生成装置であって、前記制御装置は、前記初期位置から前記目標位置までの動作経路を格納する動作経路記憶手段と、前記動作経路における複数の経路途中点を設定する経路途中点設定手段と、前記複数の経路途中点を格納する経路途中点記憶手段と、前記多軸ロボットアームのいずれか1以上の軸について、前記経路途中点のうち対となる一の経路途中点、および他の経路途中点からなる経路途中点対を採択する経路途中点対採択手段と、この経路途中点対採択手段により採択された前記一の経路途中点と他の経路途中点との中間点を、計算式(一の経路途中点の位置データ+他の経路途中点の位置データ)/2から求める中間点演算手段と、この中間点演算手段により求めた中間点が前記障害物と干渉するかどうかを判断する中間点干渉チェック手段と、を備え、前記中間点干渉チェック手段により、前記中間点が前記障害物と干渉すると判断された場合には、当該中間点を新経路途中点として採択せずに現在のままの動作経路を採択する現在経路維持ステップを実行し、前記中間点干渉チェック手段により、前記中間点が前記障害物と干渉しないと判断された場合には、当該中間点を新経路途中点として採択し、前記動作経路を前記一の経路途中点から当該新経路途中点を通って前記他の経路途中点まで進む新動作経路に変更して前記円滑経路を再生成する円滑経路生成ステップを実行することを特徴とする。
【0009】
本発明は、前記多軸ロボットアームのいずれか1以上の軸について、対となる一の経路途中点、および他の経路途中点からなる経路途中点対を採択して、当該経路途中点対の中間点を求め、前記中間点が前記障害物と干渉しないと判断された場合には、当該中間点を新経路途中点とする新動作経路に変更して円滑経路を再生成することで、前記一の経路途中点から前記他の経路途中点までの動作経路を円滑にすることができる。
【0010】
つまり、前記中間点が前記障害物と干渉しないと判断された場合には、前記動作経路を前記一の経路途中点から当該中間点を通って前記他の経路途中点まで進む新動作経路に変更することで、前記一の経路途中点から前記他の経路途中点までの間において、迂回した経路や屈曲した経路のような振動や余分な動作を誘発する不適切な経路が含まれている場合には、迂回した経路や屈曲した経路から当該中間点を通るより直線的な経路に変更し、経路の長さを短縮して動作経路を円滑にする。
【0011】
このようにして、本発明に係る円滑経路生成装置は、前記一の経路途中点から前記他の経路途中点までの動作経路に含まれる振動や余分な動作を誘発する不適切な動作経路をより直線的な経路に変更して円滑にすることで、多軸ロボットアームの動作における急激な加速、減速を回避してロボットアームの円滑な動作を確保することができる。
【0012】
このため、本発明に係る円滑経路生成装置は、例えば、安全性が重視される原子力関係の機器等におけるシュラウドや複数の配管が並存するような狭あいな作業空間の中で多関節ロボットアームの動作経路を生成するような場合であっても、干渉領域を確実に回避しながら円滑な動作経路を生成することできるため、経路生成ツールとしての高い利用価値が期待される。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の円滑経路生成装置であって、前記経路途中点対採択手段は、前記経路途中点対を数珠つながりに連続して多数採択し、前記中間点演算手段は、前記多数の経路途中点対においてそれぞれ多数の中間点を求め、前記中間点干渉チェック手段は、前記多数の中間点がそれぞれ前記障害物と干渉するかどうかを判断して、前記円滑経路生成ステップでは、前記中間点干渉チェック手段により、前記多数の中間点のうち当該中間点がそれぞれ前記障害物と干渉すると判断された場合には、当該それぞれの中間点を新経路途中点として採択せずにそれぞれの現在のままの経路途中点対で構成される動作経路を採択する現在経路維持ステップを実行し、前記多数の中間点のうち当該中間点がそれぞれ前記障害物と干渉しないと判断された場合には、当該それぞれの中間点を新経路途中点として採択し、前記動作経路を当該それぞれの中間点に係る前記一の経路途中点から当該それぞれの新途中点を通って当該それぞれの中間点に係る前記他の経路途中点まで進む新たな動作経路に変更して前記円滑経路を再生成する円滑経路生成ステップを実行することを特徴とする。
【0014】
かかる構成によれば、前記経路途中点対採択手段により、前記経路途中点対を数珠つながりに連続して多数採択して、多数の中間点を求めることで、初期位置から目標位置まで効率よく円滑経路を再生成することができる。
【0015】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の円滑経路生成装置であって、前記制御装置は、前記円滑経路生成ステップの後、前記経路途中点対採択手段により、前記一の経路途中点および他の経路途中点のうち少なくとも一方が異なる一のシフト経路途中点、および他のシフト経路途中点からなる一対のシフト経路途中点対を採択するシフト経路途中点対採択ステップを実行し、前記中間点演算手段により、前記シフト経路途中点対採択手段により採択された前記一のシフト経路途中点と他のシフト経路途中点との中間点であるシフト中間点を、計算式(一のシフト経路途中点の位置データ+他のシフト経路途中点の位置データ)/2から求めるシフト中間点演算ステップを実行し、前記中間点干渉チェック手段により、前記シフト中間点が前記障害物と干渉すると判断された場合には、当該シフト中間点を新たな経路途中点として採択せずに現在のままの動作経路を採択する現在経路維持ステップを実行し、前記中間点干渉チェック手段により、前記シフト中間点が前記障害物と干渉しないと判断された場合には、当該中間点を新経路途中点として採択し、前記動作経路を前記一のシフト経路途中点から当該新経路途中点を通って前記他のシフト経路途中点まで進む新動作経路に変更して前記円滑経路を再生成するシフト円滑経路生成ステップを実行し、このようにして、前記円滑経路生成ステップの後に前記現在経路維持ステップまたは前記シフト円滑経路生成ステップを実行し、前記円滑経路生成ステップから前記現在経路維持ステップまたは前記シフト円滑経路生成ステップを順次繰り返して動作経路を円滑化することを特徴とする。
【0016】
かかる構成によれば、前記一の経路途中点および他の経路途中点のうち少なくとも一方が異なる一のシフト経路途中点、および他のシフト経路途中点からなる一対のシフト経路途中点対を採択して、当該シフト経路途中点対の中間点を求めることで、経路途中点対からシフト経路途中点対に採択する経路途中点をずらしながら中間点を求める。
そして、前記中間点が前記障害物と干渉しないと判断された場合には、当該中間点を新経路途中点とする新動作経路に変更して円滑経路を再生成することで、前記一のシフト経路途中点から前記他のシフト経路途中点までの動作経路を円滑にすることができる。
【0017】
請求項4に係る発明は、初期位置から目標位置まで障害物を回避するように生成された多軸ロボットアームの動作経路を円滑化して円滑経路を再生成する円滑経路生成方法であって、演算処理装置および記憶装置からなる制御装置を有する円滑経路生成装置を使用して、前記演算処理装置を構成する経路途中点設定手段により、前記動作経路における複数の経路途中点を設定する経路途中点設定ステップと、前記演算処理装置を構成する経路途中点採択手段により、前記多軸ロボットアームのいずれか1以上の軸について、前記経路途中点のうち対となる一の経路途中点、および他の経路途中点からなる経路途中点対を採択する経路途中点対採択ステップと、前記演算処理装置を構成する中間点演算手段により、前記経路途中点対採択ステップで採択された前記一の経路途中点と他の経路途中点との中間点を、計算式(一の経路途中点の位置データ+他の経路途中点の位置データ)/2から求める中間点演算ステップと、前記演算処理装置を構成する中間点干渉チェック手段により、前記中間点演算ステップで求めた中間点が前記障害物と干渉するかどうかを判断する中間点干渉チェックステップと、を含み、この中間点干渉チェックステップにより、前記中間点が前記障害物と干渉すると判断された場合には、当該中間点を新経路途中点として採択せずに現在のままの動作経路を採択する現在経路維持ステップと、前記中間点干渉チェックステップにより、前記中間点が前記障害物と干渉しないと判断された場合には、当該中間点を新経路途中点として採択し、前記動作経路を前記一の経路途中点から当該新経路途中点を通って前記他の経路途中点まで進む新動作経路に変更して前記円滑経路を再生成する円滑経路生成ステップを実行することを特徴とする。
【0018】
かかる構成によれば、前記多軸ロボットアームのいずれか1以上の軸について、対となる一の経路途中点、および他の経路途中点からなる経路途中点対を採択して、当該経路途中点対の中間点を求め、前記中間点が前記障害物と干渉しないと判断された場合には、当該中間点を新経路途中点とする新動作経路に変更して円滑経路を再生成する円滑経路生成ステップを実行することで、前記一の経路途中点から前記他の経路途中点までの動作経路を円滑にすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、障害物を回避するように生成された動作経路から振動や余分な動作を誘引する動作経路を削減して円滑な動作経路を再生成する円滑経路生成装置および円滑経路生成方法を提供することができる。したがって、本発明は、自由度が高い多関節ロボットであっても円滑に適用できることから、原子力分野等における狭あいな作業空間の中で複雑な動作をさせたい場合等において特に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】ロボットアームにおける6軸構成を示す斜視図である。
【図2】2軸のロボットアームにおけるロボットアームの姿勢と障害物との関係を示す図であり、(a)は実空間における関係、(b)はコンフィギュレーション空間における関係を示す。
【図3】本発明の実施形態に係る円滑経路生成装置の構成を示すブロック図である。
【図4A】本発明の実施形態に係る円滑経路生成装置の動作を説明するための図であり、(a)は円滑化する前の動作経路、(b)は(c,1)から(e,4)までの経路を対象とする円滑経路生成ステップ、(c)は(e,4)から(h,7)までの経路を対象とする現在経路維持ステップを示す。
【図4B】本発明の実施形態に係る円滑経路生成装置の動作を説明するための図であり、(a)は(h,7)から(i,9)までの経路を対象とする円滑経路生成ステップ、(b)はシフト円滑経路生成ステップ、(c)は円滑経路生成ステップおよびシフト円滑経路生成ステップにより再生成された第1次円滑経路を示す。
【図5】本発明の実施形態に係る経路生成装置の動作を説明するための流れ図である。
【図6】本発明に係る円滑経路生成装置における第1の実施例の動作を説明するための図である。
【図7】本発明に係る円滑経路生成装置における第2の実施例の動作を説明するための図である。
【図8】ロボットアームの初期位置から目標位置までの動作のイメージを示す斜視図であり、(a)は初期位置、(b)は目標位置、(c)は初期位置から目標位置までの動作のイメージを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態に係る円滑経路生成装置1(図3参照)について、適宜図を参照しながら詳細に説明する。円滑経路生成装置1は、多軸ロボットアームである6軸を有するロボットアーム100(図1参照)において障害物を回避するように予め生成された動作経路(図4A(a)に示す動作経路)を円滑して円滑動作経路(図4B(a)に示す動作経路)を再生成する場合を例として説明する。
【0022】
なお、図4Aないし図4B、および図6、図7においては、コンフィギュレーション空間(Cスペース)を用いて、動作経路を円滑にする手法について説明するが、Cスペース上で生成された動作経路に限定されるものではなく、実空間上で適用することも可能である。
【0023】
また、ロボットアーム100(図1参照)において予め生成された動作経路(図4A(a)に示す動作経路)は、コンフィギュレーション空間を用いた動作経路生成法により生成されたものを例として説明するが、迷路探索法やRRT法などの確率的手法を用いて生成されたものであってもよく動作経路生成手法には限定されないため詳細な説明は省略する。
【0024】
コンフィギュレーション空間(Cスペース)は、マニュピレータ(ロボットアーム)の自由度の数と同数の次元数を持つ仮想空間であり、このCスペース上では、ロボットアームのコンフィギュレーション(姿勢)は、ロボットアームの自由度を表すパラメータを座標軸の値とした場合、点(コンフィギュレーション点)で表すことができる。
例えば、ロボットアームのすべてのコンフィギュレーションについて障害物との干渉の有無を調査してロボットアームが障害物と干渉しない空間(自由空間)をCスペース上に構築し、その中でロボットアームの動作経路を生成する。
【0025】
ロボットアーム100は、図1に示すように、6つの関節(6つの自由度)からなる6軸J1,J2,J3,J4,J5,J6を備えている。
ロボットアームの自由度を表すパラメータを関節角度として、ロボットアーム100の6軸J1,J2,J3,J4,J5,J6の関節角度をそれぞれθ1,θ2,θ3,θ4,θ5,θ6とすれば、ロボットアーム100のコンフィギュレーション(姿勢)はθ1,θ2,θ3,θ4,θ5,θ6で表すことができる。
なお、ロボットアーム100は、一般的にはロボットアーム自体が移動するような移動体として広く観念されるものであればよく、特に限定して解釈されるものではない。
【0026】
このように、ロボットアーム100の自由度を表すパラメータ(例えば、関節角度や伸縮長さ)を座標軸の値とした場合、ロボットアーム100のコンフィギュレーション点はCスペース上の点として表現することができる。
【0027】
例えば、図2に示すように、簡略化のために例えば、実空間において関節角度をθxとθyで表すことができる2軸(θx,θy)のロボットアーム100′(図2(a)参照)について、横軸にθxをとり縦軸にθyをとれば、Cスペース上において、ロボットアーム100′のコンフィギュレーション(姿勢)をコンフィギュレーション点(θx,θy)して表すことができる。
【0028】
一方、ロボットアーム100′が作業空間中の障害物Ob(Obstacle)と干渉(衝突)するコンフィギュレーション点を干渉点と定義する。干渉点が単独で存在することはまれであり、一般に連続した点の集合である干渉領域CA(Collision Area)としてCスペース上に表すことができる(図2(b)参照)。
このようにして、図2(b)に示すように、Cスペース上において、ロボットアーム100′のコンフィギュレーションと干渉領域CAを表すことで、動作経路におけるロボットアームと障害物との干渉をチェックすることができる。
【0029】
なお、図2では2軸(θx,θy)について説明したが、計算量が異なるとしても同じ考え方でロボットアーム100(図1)のような6軸(θ1,θ2,θ3,θ4,θ5,θ6)に発展させて処理することも可能である。このため、図4Aや図4Bに示すように、2軸のみを平面的に示す方が理解しやすいので、便宜上簡略化したものである。
【0030】
円滑経路生成装置1は、図3と図4Aおよび図4Bに示すように、初期位置である初期コンフィギュレーション点qiから目標位置である目標コンフィギュレーション点qgまで障害物を回避するように生成されたロボットアーム100の動作経路(「円滑処理前の動作経路」という。図4A(a)参照)を円滑化して円滑経路(図4B(c)参照)を再生成する装置である(図3、図8参照)。
ここで、Cスペースを用いた動作計画とは、図4Aと図4Bに示すように、Cスペース上において干渉領域CAを避けて初期コンフィギュレーション点qi(initial)と目標コンフィギュレーション点qg(goal)を接続する経路を生成し、実空間における経路に置き換えて動作経路を探索する手法である。
【0031】
円滑経路生成装置1は、図3に示すように、作業者(不図示)がデータ入力等を行う操作盤2と、図示しないCPU等からなる演算処理装置3と、種々のデータを格納する記憶装置4と、を備えている。
操作盤2には、ディスプレイ21が配設され、ロボットアーム100や作業空間を3D(3次元)グラフィックス表示して、作業者(不図示)が生成された動作経路を視認できる。
【0032】
演算処理装置3は、図3に示すように、経路途中点設定手段31と、経路途中点対採択手段32と、中間点演算手段33と、中間点干渉チェック手段34と、を備えている。
【0033】
記憶装置4は、初期位置記憶手段41と、目標位置記憶手段42と、ロボット形状記憶手段43と、作業空間記憶手段44と、動作経路記憶手段45と、経路途中点記憶手段46と、を備えている。
【0034】
以下、円滑経路生成装置1を構成する具体的手段、およびその作用効果について、主として図3と図4Aないし図4Bを参照しながら円滑経路生成装置1の動作の順に沿って説明する。
参照する図4Aないし図4Bにおいて、細線で表示された図の縦方向のグリッド線をa〜kまで、横方向のグリッド線を1〜10まで符号をつけて示し、それらのグリッド線の交点を格子点といい(a,k)〜(l,10)のように表示する。ただし、グリッド線の間隔等の表示は模式的なものであり縦横の比率等は簡略化したものである。
【0035】
格子点は、Cスペースを細かく分割して、離散化されたコンフィギュレーション点の集合として扱うための概念である。このように、Cスペースを連続した空間として認識するのではなく、格子点を基準として離散化(量子化)し、この量子化された格子点を通るように新コンフィギュレーション点を採択しながら動作経路を生成することで、Cスペース上の演算処理を簡略化することができる。
例えば、ロボットアーム100(図1参照)の根元部分の関節角度θ1〜θ3を1度刻みにして、手先部分の関節角度θ4〜θ6を5度刻みにしてCスペースにおける格子点を設定し、この格子点を基準にして離散化されたCスペースを構築することができる。
【0036】
初期位置記憶手段41は、図3および図4A(a)に示すように、初期コンフィギュレーション点qiであるロボットアーム100の初期姿勢(実空間では図8(a)参照)を各関節の関節角度等により記憶する装置であり、操作盤2から作業者(不図示)が入力したり、演算処理装置3により初期位置を角度センサ等の検出器で検出して初期コンフィギュレーション点qiとして設定したりすることができる。
例えば、初期コンフィギュレーション点qiは、qi=(θ1,θ2,θ3,θ4,θ5,θ6)=(−170,90,0,25、−85,75)のように関節角度をパラメータとして表すことができる。
【0037】
目標位置記憶手段42は、目標コンフィギュレーション点qgであるロボットアーム100の目標姿勢(実空間では図8(b)参照)を各関節の関節角度等により記憶する手段であり、操作盤2から作業者(不図示)が入力したり、演算処理装置3により目標位置を角度センサ等の検出器で検出して目標コンフィギュレーション点qgとして設定したりすることができる。
例えば、目標コンフィギュレーション点qgは、qg=(θ1,θ2,θ3,θ4,θ5,θ6)=(−71,−75,38,80,−10,25)のように関節角度をパラメータとして表すことができる。
【0038】
ロボット形状記憶手段43は、CADファイル等から作成したロボットアーム100の形状データを格納するが、データ処理を簡略化するため、例えば、ロボットアーム100の形状データをポリゴンと呼ばれる多角形等の最小構成単位(例えば三角形)の集合で表して、この多角形の集合をCスペース上の形状として表現して記憶することができる。
かかる構成により、実空間におけるロボットアーム100の形状データを三角形等のポリゴンの集合として表して、Cスペース上の形状として認識することで、Cスペース上におけるロボットアーム100の形状データを簡略化(離散化)して演算処理を短縮化することができる。
【0039】
作業空間記憶手段44は、障害物Ob(図8参照)が配置された作業空間の形状データを格納するが、データ処理を簡略化するため、例えば、障害物Obの形状データをポリゴン(例えば三角形等の多角形)の集合で表して、この三角形等の集合をCスペース上の形状として表現して記憶することができる。
かかる構成により、Cスペース上における作業空間の形状データを簡略化(離散化)して演算処理を短縮化することができる。
【0040】
動作経路記憶手段45は、図3および図4A(a)に示すように初期位置である初期コンフィギュレーション点qiから目標位置である目標コンフィギュレーション点qgまでの動作経路を格納する記憶装置である。具体的には、動作経路記憶手段45は、動作経路を構成するコンフィギュレーション点を格納し、新たな動作経路が生成された場合には、その都度更新される。
【0041】
例えば、動作経路記憶手段45は、図4A(a)に示す状態における円滑化される前の動作経路の場合には、初期コンフィギュレーション点qi(c,1)からコンフィギュレーション点(e,3),(e,4),(h,4),(h,7),(i,8)を通って、目標コンフィギュレーション点qg(i,9)までを構成する各コンフィギュレーション点を格納して動作経路を記憶している。
【0042】
このように、動作経路は、初期コンフィギュレーション点qi(c,1)からコンフィギュレーション点(e,3)まで、およびコンフィギュレーション点(e,3)からコンフィギュレーション点(e,4)までのような直線経路と、方向の異なる直線経路を連結するコンフィギュレーション点(e,4)となる折曲点と、を備えて生成されている。
【0043】
経路途中点設定手段31は、図3および図4A(a)に示すように、動作経路における複数の経路途中点を設定する演算装置である。ここで、説明の便宜上簡略化して「経路途中点」という名称を使用するが初期位置qiおよび目標位置qgを排除する趣旨ではない。
【0044】
例えば、図4A(a)に示す動作経路において、経路途中点設定手段31は、複数の経路途中点として、初期コンフィギュレーション点qi(c,1)および目標コンフィギュレーション点qg(i,9)の他、動作経路における折曲点であるコンフィギュレーション点(e,3),(e,4),(h,4),(h,7),(i,8)を採択して設定している。
【0045】
経路途中点記憶手段46は、経路途中点設定手段31により設定された複数の経路途中点を格納する記憶装置であり、具体的には、図4A(a)において、初期コンフィギュレーション点qi(c,1)および目標コンフィギュレーション点qg(i,9)、経路途中点である折曲点(e,3),(e,4),(h,4),(h,7),(i,8)を格納している。
【0046】
経路途中点対採択手段32は、図4A(b)と(c)に示すように、ロボットアーム100(図1参照)のいずれか1以上の軸について、経路途中点設定手段31により設定された複数の経路途中点のうち対となる一の経路途中点、および他の経路途中点からなる経路途中点対q1,q2(図4A(b))、経路途中点対q2,q3(図4A(c))、および経路途中点対q3,q4(図4B(a))を採択する演算装置である。
【0047】
ここで、経路途中点対採択手段32による経路途中点対の採択の仕方は、動作経路の形態や目的に応じて適宜設定するが、例えば、経路途中点対採択手段32は、経路途中点対が数珠つながりに連続するように、折曲点を3箇所ずつ連続して選定し、選定した3箇所の折曲点において、両側の折曲点のうちの一方を一の経路途中点とし、他方を他の経路途中点とすることができる。このようにして経路途中点を設定すると、一の経路途中点と他の経路途中点の間には折曲点qt(図4A(b)のqt1,図4A(c)のqt2、図4B(a)のqt3)が経路途中点対の間に挟まれて存在するため、この折曲点qtを円滑処理の対象とすることができる。
【0048】
つまり、図4A(a)において、初期コンフィギュレーション点qi(c,1)と折曲点(e,3),(e,4)の3箇所の経路途中点と、折曲点(e,4)を含んで連続する折曲点(h,4),(h,7)の3箇所の経路途中点と、折曲点(h,7)を含んで連続する折曲点(i,8)および目標コンフィギュレーション点qg(i,9)の3箇所の経路途中点と、からなる3箇所ずつの数珠つながりに連続する3組の経路途中点を選定する。
【0049】
そして、それぞれの組の両側の途中点である初期コンフィギュレーション点qi(c,1)と折曲点(e,4)が図4A(b)の経路途中点対q1,q2を構成し、折曲点(e,4)と折曲点(h,7)が図4A(c)の経路途中点対q2,q3を構成し、折曲点(h,7)と目標コンフィギュレーション点qg(i,9)が図4B(a)の経路途中点対q3,q4をそれぞれ構成する。
【0050】
このとき、経路途中点対q1,q2の間にはさまれて折曲点qt1(図4A(b))が存在し、経路途中点対q2,q3の間にはさまれて折曲点qt2(図4A(c))が存在し、経路途中点対q3,q4の間にはさまれて折曲点qt3(図4B(a))が存在する。
【0051】
中間点演算手段33は、経路途中点対採択手段32により採択された経路途中点を構成する一の経路途中点と他の経路途中点との中間点を、計算式(一の経路途中点の位置データ+他の経路途中点の位置データ)/2から求める演算装置である。
具体的には、図4A(b)に示すように、経路途中点対q1,q2として初期コンフィギュレーション点qi(c,1)と折曲点(e,4)を採択した場合には、これらの中間点qm1は、
q1=(θ11,θ12,θ13,θ14,θ15,θ16)
q2=(θ21,θ22,θ23,θ24,θ25,θ26)
とし、6軸を対象として中間点qm1を求める場合には、
qm1=(θm11,θm12,θm13,θm14,θm15,θm16)
とすると、
θm11=(θ11+θ21)/2,
θm12=(θ12+θ22)/2,
θm13=(θ13+θ23)/2,
θm14=(θ14+θ24)/2,
θm15=(θ15+θ25)/2,
θm16=(θ16+θ26)/2
から求められる。中間点qm2,qm3においても同様である。
【0052】
なお、本実施形態においては、ロボットアーム100(図1参照)が有する6軸のすべてを対象として中間点を求めたが、これに限定されるものではなく、6軸のうち1以上の軸について中間点を求めてもよい。6軸のうちのどの軸を対象とするかは、例えば、動作経路の形態や目的に応じて適宜定められるものであるが、例えば分散化の幅(グリッドの間隔)が大きいものを選択したり、障害物Ob(図8参照)の配置や各軸の可動範囲等を考慮したりすることができる。
【0053】
中間点干渉チェック手段34は、図3と図4Aに示すように、中間点演算手段33により求めた中間点が障害物Obと干渉するかどうかを判断する演算装置である。
つまり、中間点干渉チェック手段34は、対象となる中間点におけるロボットアーム100(図1参照)の関節角度(θ1,θ2,θ3,θ4,θ5,θ6)から、ロボット形状記憶手段43に格納されたロボットアーム100の形状データを基にして対象となる当該中間点におけるロボットアーム100の形状(姿勢)を求めて、作業空間記憶手段44に格納された障害物Ob(干渉領域CA)の形状データと干渉するかどうかをチェックする。
【0054】
例えば、中間点干渉チェック手段34は、ロボットアーム100と障害物ObのCADデータをポリゴン(例えば三角形等の多角形)の集合として表した場合には、対象となる現在位置隣接コンフィギュレーション点におけるロボットアーム100のポリゴンの集合と障害物Obのポリゴンの集合が幾何学的に接触しているかどうかを判定して判断する。
【0055】
具体的には、中間点干渉チェック手段34は、Cスペース上において、対象となる中間点qm(qm1,qm2,・・・)におけるロボットアーム100の形状を構成する1つの多角形(ポリゴン)と障害物Obの形状を構成する1つの多角形(ポリゴン)との接触を判定し、それぞれすべての多角形(ポリゴン)の集合について同様に判定して、ロボットアーム100と障害物Obが干渉するか否かを判断して、ディスプレイ21(図3)に表示させることができる。
【0056】
なお、本実施形態においては、Cスペース上において、ポリゴンの集合が接触しているかどうかで判断したが、これに限定されるものではなく、ロボットアーム100の自由度数(N次元)に応じて、このN次元形状の干渉領域CAを想定してロボットアーム100と干渉領域CAとの干渉をチェックしてもよい。
また、ポリゴン(多角形状)ではなく、ロボットアーム100と障害物Obを点や線ないし面の集合として表して、このような点と面との干渉チェック、または線と面との干渉チェックでもよい。
さらに、Cスペース上における干渉チェックに限定されるものではなく、CAD空間や実空間内で点や線ないしポリゴンを利用した干渉チェックを採用することもできる。
【0057】
続いて、本発明の実施形態に係る円滑経路生成装置1における動作について図4Aないし図4B、および適宜図5のフローチャートを参照しながら説明する。
[データの格納]
作業者(不図示)が、初期コンフィギュレーション点qiから目標コンフィギュレーション点qgまで障害物Obを回避するように予め生成されたロボットアーム100(図1)の動作経路(図4A(a)を参照)、初期位置データ、目標位置データ、ロボットアーム100の形状データ、および障害物Ob(図2(a)、図8)の形状データを操作盤2から入力すると、円滑経路生成装置1は、図5に示すように、Cスペース上において、ロボットアーム100の初期位置データを初期コンフィギュレーション点qiとして初期位置記憶手段41に格納し、目標位置データを目標コンフィギュレーション点qgとして目標位置記憶手段42に格納し、動作経路(図4A(a))を動作経路記憶手段45に格納し、ロボットアーム100(図1参照)の形状データをロボット形状記憶手段43に格納し、障害物Ob(図2(a)、図8)の形状データを作業空間記憶手段44に格納する(図5のステップS1参照)。
【0058】
[経路途中点の設定]
円滑経路生成装置1は、図4A(a)に示すように、経路途中点設定手段31(図3)により、複数の経路途中点として、初期コンフィギュレーション点qi(c,1)、目標コンフィギュレーション点qg(i,9)、および動作経路における折曲点であるコンフィギュレーション点(e,3),(e,4),(h,4),(h,7),(i,8)を設定する(図5のステップS2)。
【0059】
[経路途中点対の採択]
円滑経路生成装置1は、経路途中点対採択手段32(図3)により、図4A(b)に示すように、対となる経路途中点対q1(c,1),q2(e,4)を採択し、図4A(c)に示すように、対となる経路途中点対q2(e,4),q3(h,7)を採択する。また、図4B(a)に示すように、対となる経路途中点対q3(e,4),q4(h,7)を採択する(図5のステップS3参照)。
【0060】
[中間点の演算]
円滑経路生成装置1は、図4A(b)に示すように、中間点演算手段33(図3)により、一の経路途中点であるq1(c,1)と他の経路途中点であるq2(e,4)との中間点qm1(d,2−3)を、計算式(q1の位置データ+q2の位置データ)/2から求める(図5のステップS4参照)。ここで、中間点の位置を図上で特定するために説明の便宜上、横のグリッド線2とグリッド線3の間の位置を「2−3」のように表示する。
【0061】
円滑経路生成装置1は、図4A(c)に示すように、中間点演算手段33により、一の経路途中点であるq2(e,4)と他の経路途中点であるq3(h,7)との中間点qm2(f−g,5−6)を、計算式(q2の位置データ+q3の位置データ)/2から求める。ここで、中間点の位置を図上で特定するために説明の便宜上、横のグリッド線fとグリッド線gの間の位置を「f−g」のように表示する。
【0062】
同様に、円滑経路生成装置1は、図4B(a)に示すように、中間点演算手段33により、一の経路途中点であるq3(h,7)と他の経路途中点であるq4(i,9)との中間点qm3(h−i,8−9)を、計算式(q3の位置データ+q4の位置データ)/2から求める。
【0063】
[中間点の干渉チェック]
円滑経路生成装置1は、図4A(b)と(c)、および図4B(a)に示すように、中間点干渉チェック手段34(図3)により、中間点演算手段33により求めた中間点qm1(d,2−3)、中間点qm2(f−g,5−6)、および中間点qm3(h−i,8−9)が障害物Ob(干渉領域CA)と干渉するかどうかを判断する(図5のステップS5参照)。
【0064】
すなわち、図4A(b)に示す中間点qm1(d,2−3)は、障害物Obとの干渉点(d,5)から離れているので、中間点干渉チェック手段34は、中間点qm1(d,2−3)が干渉領域CAに含まれておらず、障害物Obと干渉しないと判断することができる。
一方、図4(c)に示す中間点qm2(f−g,5−6)は、干渉領域CAに含まれているので、中間点干渉チェック手段34は、中間点qm2(f−g,5−6)が障害物Obと干渉すると判断する。
そして、図4B(a)に示す中間点qm3(h−i,8−9)についても、中間点干渉チェック手段は、中間点qm1(d,2−3)の場合と同様にして、中間点qm3(h−i,8−9)が障害物Obと干渉しないと判断する。
【0065】
このようにして、中間点qm(qm1,qm2,qm3)が障害物Ob(干渉領域CA)と干渉するかどうかを判断した上で、円滑経路生成装置1は、中間点干渉チェック手段34により、中間点qm(qm2)が障害物Obと干渉すると判断された場合には、中間点qm(qm2)を新経路途中点として採択せずに現在のままの動作経路を採択する現在経路維持ステップを実行し(図4A(c)、図5のS7参照)、中間点qm(qm1,qm3)が干渉しないと判断された場合には、中間点qm(qm1,qm3)を新経路途中点として採択し、動作経路を経路途中点対を構成する一の経路途中点(q1,q3)から新経路途中点(qm1,qm3)を通って前記他の経路途中点(q2,q4)まで進む新動作経路に変更して、円滑経路を再生成する円滑経路生成ステップを実行する(図4A(b)、図5のS6参照)。
【0066】
[円滑経路生成ステップ]
具体的には、図4A(b)では、中間点qm1(d,2−3)は障害物Ob(干渉領域CA)と干渉しないので、円滑経路生成装置1は、円滑経路生成ステップを実行する。
つまり、円滑経路生成ステップでは、中間点qm1(d,2−3)を新経路途中点として採択し、コンフィギュレーション点q1(c,1)からコンフィギュレーション点qt1(e,3)を通ってコンフィギュレーション点q2(e,4)まで進む現在の動作経路(太実線で表示)をコンフィギュレーション点q1(c,1)から新経路途中点である中間点qm1(d,2−3)を通ってコンフィギュレーション点q2(e,4)まで進む新動作経路(破線で表示)に変更して円滑経路を再生成する(図5のS6参照)。
【0067】
[現在経路維持ステップ]
一方、図4A(c)では、中間点qm2(f−g,5−6)は、障害物Ob(干渉領域CA)と干渉するので、円滑経路生成装置1は、現在経路維持ステップを実行する。
具体的には、中間点qm2(f−g,5−6)を新経路途中点として採択せずに、コンフィギュレーション点q2(e,4)から経路途中点qt2(h,4)を通ってコンフィギュレーション点q3(h,7)まで進む現在のままの動作経路を採択して維持する。
【0068】
図4B(a)では、中間点qm3(h−i,8)は障害物Ob(干渉領域CA)と干渉しないので、円滑経路生成装置1は、円滑経路生成ステップを実行し、コンフィギュレーション点q3(h,7)から新経路途中点qm3(h−i,8)を通って目標コンフィギュレーション点qgであるコンフィギュレーション点q4(i,9)まで進む新動作経路に変更して円滑経路を再生成する。
【0069】
このようにして、円滑経路生成装置1は、図4B(b)に示すように、予め生成されたロボットアーム100の動作経路(図4A(a)参照)を円滑化して、初期コンフィギュレーション点qi(c,1)から、途中点q2(e,4),qt2(h,4),q3(h,7)を通って,目標コンフィギュレーション点qg(i,9)まで進む円滑経路を再生成する。
【0070】
[シフト経路途中点対採択ステップ]
続いて、シフト経路途中点対採択ステップについて、図3、図4B(c)、および図5を参照しながら説明する。シフト経路途中点対採択ステップは、円滑経路生成ステップの後、経路途中点対採択手段32により、一の経路途中点および他の経路途中点のうち少なくとも一方が異なる一のシフト経路途中点、および他のシフト経路途中点からなる一対のシフト経路途中点対を採択する(図5のS8)。
【0071】
すなわち、円滑経路生成装置1は、円滑経路生成ステップにおける図4A(b)の動作経路では、経路途中点対採択手段32(図3参照)により、対となる経路途中点対q1(c,1),q2(e,4)を採択したが、シフト経路途中点対採択ステップにおける図4B(b)の動作経路では、q2(e,4)からずらした位置にあるqt2(h,4)を採択して、シフト経路途中点対として、q1(c,1),qt2(h,4)を採択する。
【0072】
同様にして、円滑経路生成装置1は、円滑経路生成ステップにおける図4B(a)の動作経路では、経路途中点対採択手段32(図3参照)により、対となる経路途中点対q3(h,7),q4(i,9)を採択したが、シフト経路途中点対採択ステップにおける図4B(b)の動作経路では、q3(h,7)からずらした位置にあるqt2(h,4)を採択して、シフト経路途中点対として、qt2(h,4),q4(i,9)を採択する。
【0073】
なお、本実施形態においては、シフト経路途中点対採択ステップにおいて、複数のシフト途中点対を連続して採択したが、これに限定されるものではなく、まず1つのシフト途中点対を採択し、後記するシフト中間点の干渉チェックステップを実行し、繰り返し他のシフト途中点対を採択するというようにして、円滑経路生成ステップの後にシフト途中点対採択ステップとシフト中間点の干渉チェックステップを順次繰り返して実行しながらシフト円滑経路を生成することもできる。
【0074】
例えば、q1(c,1),qt1(e,3),q2(e,4)の3箇所を経路途中点として採択して、円滑経路生成ステップによりqt1(e,3)からqm1(d,2−3)に変更して円滑にした後に(図4A(b)参照)、qm1(d,2−3),q2(e,4),qt2(h,4)の3箇所の経路途中点のうちから、シフト経路途中点対採択ステップによりqm1(d,2−3)とqt2(h,4)をシフト経路途中点対として採択して(図4B(b)参照)、後記するシフト中間点の干渉チェックステップにより中間点の干渉をチェックしてシフト円滑経路を生成するというように、初期コンフィギュレーション点qi(c,1)から順次目標コンフィギュレーション点qg(i,9)までシフト経路途中点対をずらしながら採択して、シフト途中点対採択ステップとシフト中間点の干渉チェックステップを順次繰り返して実行することもできる。
【0075】
[シフト中間点の干渉チェックステップ]
続いて、円滑経路生成装置1は、中間点演算手段33(図3参照)により、一の経路途中点であるq1(c,1)と他の経路途中点であるqt2(h,4)との中間点であるシフト中間点qm4(e−f,2−3)を、計算式(q1の位置データ+qt2の位置データ)/2から求めて、図4B(b)に示すように、中間点干渉チェック手段34(図3参照)により、中間点演算手段33により求めたシフト中間点qm4(e−f,2−3)が障害物Obと干渉するかどうかを判断する(図5のS9)。
【0076】
同様にして、円滑経路生成装置1は、中間点演算手段33(図3参照)により、一の経路途中点であるqt2(h,4)と他の経路途中点であるq4(i,9)との中間点であるシフト中間点qm5(h−i,6−7)を、計算式(qt2の位置データ+q4の位置データ)/2から求めて、図4B(b)に示すように、中間点干渉チェック手段34(図3参照)により、中間点演算手段33により求めたシフト中間点qm5(h−i,6−7)が障害物Obと干渉するかどうかを判断する(図5のS9)。
【0077】
このようにして、中間点qm4,qm5が障害物Ob(干渉領域CA)と干渉するかどうかを判断した上で、シフト中間点qm4,qm5が障害物Obと干渉すると判断された場合には、シフト中間点qm4,qm5を新たな経路途中点として採択せずに現在のままの動作経路を採択する現在経路維持ステップを実行し(図5のS11)、障害物Obと干渉しないと判断された場合には、中間点qm4,qm5を新経路途中点として採択し、動作経路を一のシフト経路途中点(q1,qt2)から新経路途中点(qm4,qm5)を通って前記他のシフト経路途中点(qt2,q4)まで進む新動作経路に変更して前記円滑経路を再生成するシフト円滑経路生成ステップを実行する(図5のS10)。
【0078】
ここで、シフト中間点qm4,qm5は、図4B(b)に示すように、それぞれ障害物Ob(干渉領域CA)と干渉しないため、円滑経路生成装置1は、コンフィギュレーション点q1(c,1)からコンフィギュレーション点q2(e,4)を通ってコンフィギュレーション点qt2(e,4)まで進み、コンフィギュレーション点q3(h,7)を通ってコンフィギュレーション点q4(i,9)まで進む現在の動作経路(太実線で表示)をコンフィギュレーション点q1(c,1)から新経路途中点である中間点qm4(e−f,2−3)を通り、qt2(h,4)から新経路途中点である中間点qm5(h−i,6−7)を通って目標コンフィギュレーション点q4(i,9)まで進む新動作経路(破線で表示)に変更してシフト円滑経路を再生成する(図4B(c)、図5のS10参照)。
【0079】
このようにして、円滑経路生成装置1は、円滑経路生成ステップの後に現在経路維持ステップまたはシフト円滑経路生成ステップを実行し、円滑経路生成ステップから現在経路維持ステップまたはシフト円滑経路生成ステップを順次繰り返して動作経路を円滑化することで、円滑経路生成ステップにおける円滑処理からさらに円滑な動作経路を順次生成することができる。
【0080】
このため、円滑経路生成装置1は、初期位置qiから目標位置qgまでの動作経路において、迂回した経路や屈曲した経路のような振動や余分な動作を誘発する不適切な経路が含まれている場合には、迂回した経路や屈曲した経路から逐次直線的な経路に変更し、経路の長さをしだいに短縮して動作経路を円滑にして、ロボットアーム100の動作における加速度の急激な変化を抑制することができる。
【0081】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されず、適宜変更して実施することが可能である。
例えば、本実施形態においては、経路途中点設定手段31により、Cスペース上における折曲点を選定したが、これに限定されるものではなく、直線経路を複数に分割した分割点、動作経路を任意に等分した点等、動作経路の形態や用途等に応じて適宜設定することができる。
【0082】
具体的に以下、本発明における経路途中点設定手段31による第1の実施例について、図6を参照しながら説明する。図6は、本発明の実施形態に係る図4B(c)の動作経路を円滑にする他の実施例を説明するための図であり、(a)は折曲点qt2(h,4)の円滑処理、(b)は分割点qm4(e−f,2−3)と分割点qm5(h−i,6−7)の円滑処理、(c)は生成された円滑経路を示す。
【0083】
本発明における第1の実施例に係る経路途中点設定手段31(図3参照)は、図6(a)に示すように、経路途中点として、qi(e,1)、qg(i,9)、折曲点qt2(h,4)の他、qi(e,1)からqt2(h,4)に至る直線経路を2分する分割点qm4(e−f,2−3)と,qt2(h,4)からqg(i,9)に至る直線経路を2分する分割点qm5(h−i,6−7)と、を経路途中点として設定したものである。
【0084】
そして、経路途中点対採択手段32により、折曲点であるqt2(h,4)を対象として、この折曲点qt2(h,4)を挟むようにして分割点qm4(e−f,2−3)と分割点qm5(h−i,6−7)を採択し、中間点演算手段33により中間点qm6(g,4−5)を求め、障害物Obとの干渉をチェックした上で新経路途中点として採択することができる。
このようにして、再生成された円滑経路は、図6(b)の太実線で示すように、qi(e,1)、から分割点qm4(e−f,2−3)、中間点qm6(g,4−5)、分割点qm5(h−i,6−7)を通ってqg(i,9)まで進む円滑な経路を構成する。
【0085】
ここで、さらに、図6(b)に示すように、経路途中点対採択手段32により、経路途中点対が数珠つながりに連続するように、折曲点を3箇所ずつ連続して選定し、選定した3箇所の折曲点において、両側の折曲点のうちの一方を一の経路途中点とし、他方を他の経路途中点とすることで、図4B(a)の場合と同様にして、qi(e,1)から中間点qm7(e,3)、中間点qm6(g,4−5)、中間点qm8(h,7)を通ってqg(i,9)まで進むさらに円滑な経路を生成することができる(図6(b)の破線、図6(c)参照)。
【0086】
なお、第1の実施例における分割点qm4(e−f,2−3)と分割点qm5(h−i,6−7)は、それぞれ前記した実施形態におけるqi(e,1)とqt2(h,4)、およびqt2(h,4)とq4(I,9)の中間点でもあるので(図4B(b)参照)、新経路途中点として採択された中間点を経路途中点設定手段31(図3参照)により追加して設定された経路途中点として、経路途中点記憶手段46に格納して利用するようにしてもよい。
【0087】
続いて、本発明における経路途中点設定手段31による第2の実施例について、図7を参照しながら説明する。第2の実施例に係る経路途中点設定手段31(図3参照)は、図7(a)に示すように、円滑処理する折曲点としてqt2に着目し、q5(f−g,4)、q6(h,5−6)と、を経路途中点対として設定したものである。
すなわち、経路途中点設定手段31は、初期コンフィギュレーション点qi(c,1)と目標コンフィギュレーション点qgを結ぶ線Lから最も遠い距離δに位置する折曲点qt2(h,4)を経路途中点として設定し、この折曲点qt2(h,4)を挟むようにして折曲点q2(e,4)と折曲点qt2(h,4)の分割点q5(f−g,4)、および折曲点qt2(h,4)と折曲点q3(h,7)の分割点q6(h,5−6)をさらに経路途中点として設定したものである。
【0088】
そして、経路途中点対採択手段32により、これらの3箇所の経路途中点qt2(h,4)、q5(f−g,4)、q6(h,5−6)のうち、q5(f−g,4)、およびq6(h,5−6)を経路途中点対q5,q6としてを採択して、中間点演算手段33により中間点qm9(g−h,4−5)を求め、障害物Obとの干渉をチェックした上で新経路途中点として採択する。
【0089】
このようにして、再生成された円滑経路は、図7(b)の太実線で示すように、qi(e,1)、から分割点q5(f−g,4)を通り、分割点q6(h,5−6)まで進むため、初期コンフィギュレーション点qi(c,1)と目標コンフィギュレーション点qgを結ぶ線Lから最も遠い折曲点qt2(h,4)を排除することで円滑な経路を生成することができる。
さらに図7(b)において、線Lから最も遠い折曲点q6(h,5−6)に続いて、折曲点q5(f−g,4)についても同様に円滑処理をすることで、漸次円滑な経路を生成することができる。
【符号の説明】
【0090】
1 円滑経路生成装置
2 操作盤
3 演算処理装置
4 記憶装置
31 経路途中点設定手段
32 経路途中点対採択手段
33 中間点演算手段
34 中間点干渉チェック手段
41 初期位置記憶手段
42 目標位置記憶手段
43 ロボット形状記憶手段
44 作業空間記憶手段
45 動作経路記憶手段
46 経路途中点記憶手段
100,100′ ロボットアーム(多軸ロボットアーム)
CA 干渉領域
Ob 障害物
q1,q2 経路途中点対
q2,q3 経路途中点対
q3,q4 経路途中点対
qi(q1) 初期コンフィギュレーション点(初期位置)
qg(q4) 目標コンフィギュレーション点(目標位置)
qm(qm1,qm2,qm3・・・) 中間点
qm4,qm5 シフト中間点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
演算処理装置および記憶装置からなる制御装置を有し、
初期位置から目標位置まで障害物を回避するように生成された多軸ロボットアームの動作経路を円滑化して円滑経路を再生成する円滑経路生成装置であって、
前記制御装置は、
前記初期位置から前記目標位置までの動作経路を格納する動作経路記憶手段と、
前記動作経路における複数の経路途中点を設定する経路途中点設定手段と、
前記複数の経路途中点を格納する経路途中点記憶手段と、
前記多軸ロボットアームのいずれか1以上の軸について、前記経路途中点のうち対となる一の経路途中点、および他の経路途中点からなる経路途中点対を採択する経路途中点対採択手段と、
この経路途中点対採択手段により採択された前記一の経路途中点と他の経路途中点との中間点を、計算式(一の経路途中点の位置データ+他の経路途中点の位置データ)/2から求める中間点演算手段と、
この中間点演算手段により求めた中間点が前記障害物と干渉するかどうかを判断する中間点干渉チェック手段と、を備え、
前記中間点干渉チェック手段により、前記中間点が前記障害物と干渉すると判断された場合には、当該中間点を新経路途中点として採択せずに現在のままの動作経路を採択する現在経路維持ステップを実行し、
前記中間点干渉チェック手段により、前記中間点が前記障害物と干渉しないと判断された場合には、当該中間点を新経路途中点として採択し、前記動作経路を前記一の経路途中点から当該新経路途中点を通って前記他の経路途中点まで進む新動作経路に変更して前記円滑経路を再生成する円滑経路生成ステップを実行することを特徴とする円滑経路生成装置。
【請求項2】
前記経路途中点対採択手段は、前記経路途中点対を数珠つながりに連続して多数採択し、
前記中間点演算手段は、前記多数の経路途中点対においてそれぞれ多数の中間点を求め、
前記中間点干渉チェック手段は、前記多数の中間点がそれぞれ前記障害物と干渉するかどうかを判断して、
前記円滑経路生成ステップでは、前記中間点干渉チェック手段により、前記多数の中間点のうち当該中間点がそれぞれ前記障害物と干渉すると判断された場合には、当該それぞれの中間点を新経路途中点として採択せずにそれぞれの現在のままの経路途中点対で構成される動作経路を採択する現在経路維持ステップを実行し、
前記多数の中間点のうち当該中間点がそれぞれ前記障害物と干渉しないと判断された場合には、当該それぞれの中間点を新経路途中点として採択し、前記動作経路を当該それぞれの中間点に係る前記一の経路途中点から当該それぞれの新途中点を通って当該それぞれの中間点に係る前記他の経路途中点まで進む新たな動作経路に変更して前記円滑経路を再生成する円滑経路生成ステップを実行することを特徴とする請求項1に記載の円滑経路生成装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記円滑経路生成ステップの後、前記経路途中点対採択手段により、
前記一の経路途中点および他の経路途中点のうち少なくとも一方が異なる一のシフト経路途中点、および他のシフト経路途中点からなる一対のシフト経路途中点対を採択するシフト経路途中点対採択ステップを実行し、
前記中間点演算手段により、前記シフト経路途中点対採択手段により採択された前記一のシフト経路途中点と他のシフト経路途中点との中間点であるシフト中間点を、計算式(一のシフト経路途中点の位置データ+他のシフト経路途中点の位置データ)/2から求めるシフト中間点演算ステップを実行し、
前記中間点干渉チェック手段により、前記シフト中間点が前記障害物と干渉すると判断された場合には、当該シフト中間点を新たな経路途中点として採択せずに現在のままの動作経路を採択する現在経路維持ステップを実行し、
前記中間点干渉チェック手段により、前記シフト中間点が前記障害物と干渉しないと判断された場合には、当該中間点を新経路途中点として採択し、前記動作経路を前記一のシフト経路途中点から当該新経路途中点を通って前記他のシフト経路途中点まで進む新動作経路に変更して前記円滑経路を再生成するシフト円滑経路生成ステップを実行し、
このようにして、前記円滑経路生成ステップの後に前記現在経路維持ステップまたは前記シフト円滑経路生成ステップを実行し、前記円滑経路生成ステップから前記現在経路維持ステップまたは前記シフト円滑経路生成ステップを順次繰り返して動作経路を円滑化することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の円滑経路生成装置。
【請求項4】
初期位置から目標位置まで障害物を回避するように生成された多軸ロボットアームの動作経路を円滑化して円滑経路を再生成する円滑経路生成方法であって、
演算処理装置および記憶装置からなる制御装置を有する円滑経路生成装置を使用して、
前記演算処理装置を構成する経路途中点設定手段により、前記動作経路における複数の経路途中点を設定する経路途中点設定ステップと、
前記演算処理装置を構成する経路途中点採択手段により、前記多軸ロボットアームのいずれか1以上の軸について、前記経路途中点のうち対となる一の経路途中点、および他の経路途中点からなる経路途中点対を採択する経路途中点対採択ステップと、
前記演算処理装置を構成する中間点演算手段により、前記経路途中点対採択ステップで採択された前記一の経路途中点と他の経路途中点との中間点を、計算式(一の経路途中点の位置データ+他の経路途中点の位置データ)/2から求める中間点演算ステップと、
前記演算処理装置を構成する中間点干渉チェック手段により、前記中間点演算ステップで求めた中間点が前記障害物と干渉するかどうかを判断する中間点干渉チェックステップと、
この中間点干渉チェックステップにより、前記中間点が前記障害物と干渉すると判断された場合には、当該中間点を新経路途中点として採択せずに現在のままの動作経路を採択する現在経路維持ステップと、
前記中間点干渉チェックステップにより、前記中間点が前記障害物と干渉しないと判断された場合には、当該中間点を新経路途中点として採択し、前記動作経路を前記一の経路途中点から当該新経路途中点を通って前記他の経路途中点まで進む新動作経路に変更して前記円滑経路を再生成する円滑経路生成ステップと、
を含むことを特徴とする円滑経路生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−56063(P2012−56063A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203871(P2010−203871)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(504237050)独立行政法人国立高等専門学校機構 (656)
【出願人】(000132161)株式会社スギノマシン (144)
【Fターム(参考)】