説明

再生システム及び方法

【課題】 コンピュータのアプリケーションプログラムウィンド及び/又はオーディオを再生装置にリダイレクトできる再生システム及び方法を提供すること。
【解決手段】 この方法は、第1の再生装置において少なくとも1つのアプリケーションプログラムに対し少なくとも1つのバッファを作成するステップと、実行されているアプリケーションプログラムの再生関連データを前記バッファに再配置するステップと、前記バッファから再生関連データを捕獲して、少なくとも1つの第2の再生装置に送信するステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオーディオ・ビデオ再生技術に関し、特に、コンピュータのアプリケーションプログラムウィンド及び/又はオーディオを再生装置の表示画面及び/又は音響装置にリダイレクトできる再生システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PC(personal computer)の操作性及びPCとTV等のような計算能力の低い再生装置との連携動作能力を向上させることは、3C融合(3c fusion)における重要な結合点となる。
【0003】
これに対し、マイクロソフト社は、計算能力の低い表示装置にホスト中の幾らかのアプリケーションプログラムのコンテンツを表示させるSideshow技術案をVistaに提出している。例えば、PC中の幾らかの特定されたアプリケーションプログラムを補助的な表示画面にリダイレクトできる。これらの特定されたアプリケーションと補助的な表示画面との間には特殊なデータ転送フォーマットを定義し、アプリケーションプログラムと、オペレーティングシステムとの間にはリダイレクトすることを表示するメカニズムがある。マイクロソフト社の上記規格を満たすアプリケーションプログラムのみ、補助的なディスプレイに表示されることができる。しかしながら、上記の技術は、ユーザが表示装置側でPCの任意のプログラムを実行させる能力がない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、Intelの遠隔ゲームシステムにおいて、TVをPCの補助的な表示装置としてゲーム表示を行うようとする。例えば、仮想グラフィックスカード技術を採用して、装置側でPCに対する制御機能を具現する。しかしながら、上記の技術は、複数の補助的な表示装置がある場合、該当する数の仮想グラフィックスカードのドライバを実装する必要があるので、実現することが複雑になる。
【0005】
本発明は上記した問題点に鑑みてなされたものであって、コンピュータのアプリケーションプログラムウィンド及び/又はオーディオを再生装置にリダイレクトできる再生システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によると、第1の再生装置において少なくとも1つのアプリケーションプログラムに対し少なくとも1つのバッファを作成するステップと、実行されているアプリケーションプログラムの再生関連データを前記バッファに再配置するステップと、前記バッファから再生関連データを捕獲して、少なくとも1つの第2の再生装置に送信するステップと、を含む再生方法を提供する。
【0007】
好ましくは、前記再生方法が、前記バッファからオーディオデータ及び/又はビデオデータを捕獲して、前記第2の再生装置に送信するステップを更に含む。
【0008】
好ましくは、前記ビデオデータが描画命令又は描画した画像である。
【0009】
好ましくは、前記再生方法が、前記送信ステップの前に、前記第1の再生装置と前記第2の再生装置との接続を確立するステップを更に含む。
【0010】
好ましくは、前記の接続を確立するステップには、前記第1の再生装置から少なくともホストアドレスを含む探索パケットを前記第2の再生装置に送信するステップと、前記第2の再生装置から少なくとも第2の再生装置アドレスを含む応答を前記第1の再生装置に送信するステップと、前記第1の再生装置アドレス及び前記第2の再生装置アドレスに基づいて、前記第1の再生装置と前記第2の再生装置との接続を確立するステップと、を含む。
【0011】
好ましくは、前記探索パケットが第1の再生装置の名称を更に含み、前記応答が前記第2の再生装置の画像表示能力及び/又はサポートしているオーディオフォーマットと、前記第2の再生装置の名称とを更に含む。
【0012】
好ましくは、前記の接続を確立するステップには、前記第2の再生装置から少なくともそのアドレスを含む広告メッセージを前記第1の再生装置に送信するステップと、前記第1の再生装置から少なくとも第1の再生装置アドレスを含む応答を前記第2の再生装置に送信するステップと、前記第1の再生装置アドレス及び前記第2の再生装置アドレスに基づいて、前記第1の再生装置と前記第2の再生装置との接続を確立するステップと、を含む。
【0013】
好ましくは、前記広告メッセージは、前記第2の再生装置の画像表示能力及び/又はサポートしているオーディオフォーマットと、前記第2の再生装置の名称とを更に含み、前記応答は第1の再生装置の名称を更に含む。
【0014】
好ましくは、前記再配置ステップに、前記アプリケーションプログラムのインスタンス名称を監視制御するステップと、当該インスタンス名称のプロセス内から再生出力に関するファンクションコールを呼び出すステップと、出力関数を修正して、当該アプリケーションプログラムの再生関連データをバッファに出力するステップと、を含む。
【0015】
発明の他の局面によると、第1の再生装置を含み、第1の再生装置が、第1の再生装置において少なくとも1つのアプリケーションプログラムに対し少なくとも1つのバッファを作成し、実行されているアプリケーションプログラムの再生関連データを前記バッファに再配置する監視制御手段と、前記バッファから再生関連データを捕獲して、少なくとも1つの第2の再生装置に送信する通信手段と、を含む再生システムを提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の上記配置によれば、ユーザの需要に応じて、ホストで実行されている異なるアプリケーションプログラムの再生関連データを該当する再生装置にリダイレクトして再生させることができる。従って、1つのホストで複数のアプリケーションプログラムウィンド及び/又はビデオを複数の再生装置に同時に表示させることができる。また、再生装置は、計算能力を持っていなく、イメージ解析及び表示能力のみを持っていてもよい。
【0017】
本発明の前記特徴及び効果は、以下のような添付図面を結合した詳細な説明によって、より完全に明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。なお、異なる図面において、同じ又は類似な部材については同じ符号を付して説明する。なお、本発明をより明らかで且つ簡明にするために、ここに含まれている既知の機能及び構成についての詳細な説明を省略し、それらによって本発明の主題が不明瞭にならないようにする。
【0019】
図1は、本発明の実施例による再生システムを示す構成図である。図1に示すように、本発明の実施例における再生システムは、PC等のようなホスト100、及び少なくとも1つの再生装置200、300400を含む。なお、これらの再生装置は計算能力を持っていなく、イメージ解析、表示能力及び/又はオーディオ再生機能のみを持っていてもよい。
【0020】
図1に示すように、ホスト100はプロセッサ130、グラフィックスカード及び/又はサウンドカード140、メモリ120、オペレーティングシステム110、通信モジュール160及び他のハードウェア装置を含む。なお、ホスト100は、グラフィックスカード及び/サウンドカード140に加えて、少なくとも1つの仮想再生エリアを有している、例えば、監視制御されている各アプリケーションプログラムのウィンド画像及び/又はオーディオデータをバッファリングするための第1の仮想再生エリア170、第2の仮想再生エリア180及び第3の仮想再生エリア190を有している。
【0021】
更に、ホスト100のオペレーティングシステム110で1つの監視制御ソフトウェアを実行しているが、この監視制御ソフトウェアは、ユーザによって指定されたアプリケーションプログラム中のビデオデータ及びオーディオデータのような再生関連データを監視制御し、これらの再生関連データをバッファである第1の仮想再生エリア170、第2の再生エリア180又は第3の再生エリア190に再配置する。
【0022】
ホスト100中の通信モジュール160は外部と通信するデータインタフェースであってもよいが、例えば、仮想再生エリアにリダイレクトされた再生関連データを再生装置200、300及び400に送信するためのシリアルポート、パラレルポート、IR、Bluetooth、ZigBee、UWB、USB、1394、802.3、802.11、802.16、802.20、GSM/GPRS/CDAM、CDMA2000/WCDMA/TDS−CDMA等の汎用データ伝送インタフェースである。
【0023】
再生装置200は、プレイヤー230、再生制御モジュール220及び通信インタフェース210を含む。なお、再生制御モジュール220は画像解析能力及び/又はオーディオ再生能力を有しており、上記ホスト100の通信モジュール160に対応する通信インタフェース210から受信した画像情報を実際的な画像に復元して表示画面230に表示させ、且つ/又は通信インタフェースから受信したオーディオデータを再生する。ここで、画像情報は描画命令でもよいし、画像元情報でもよいし、圧縮された画像データでもよい。
【0024】
同様に、再生装置300は、プレイヤー330、再生制御モジュール320及び通信インタフェース310を含む。再生装置400は、プレイヤー430、再生制御モジュール420及び通信インタフェース410を含む。
【0025】
再生装置200が無線方式によってオーディオ・ビデオデータを受信する場合、再生装置200が再生する前にホスト100との接続を確立する必要がある。このような場合、再生装置200はパケットを自発的に放送してもよい。なお、上記パケットは、(1)装置が本発明に述べた条件を満たす再生装置である旨を1つの所定のフィールドで示すものであって、例えば、1つのUUIDと、(2)再生装置の名称と、(3)再生装置のIPアドレスと、(4)再生装置の物理的表示能力であって、例えば640×480の解像度、又はサポートしているオーディオ再生フォーマットと、(5)再生制御モジュール中のデコーダの能力であって、例えば、MPEG2復号化能力と、を含む。
【0026】
ホスト100がパケットを受信した後、この再生装置の名称を図2に示す装置リストに追加すると共に、この再生装置に対応する遠隔再生応用を指定し、応答を送信する。なお、応答は、(1)ホストの名称と、(2)ホストのIPアドレスと、(3)遠隔再生するためのプログラムリストと、を含む。このように、図3に示すように、再生装置200が応答を受信した後、その表示画面にホスト100が選択できるプログラムリストを表示させ、再生装置200とホスト100とは互いのIPアドレスに基づいて無線接続を確立する。再生装置200のユーザは、そのウィンドを当該再生装置200にリダイレクトしようとするアプリケーションプログラムを1つ選択し、このプログラムの名称をホスト100に送信することができる。このように、ホスト100は、このアプリケーションプログラムを起動し、物理的装置解像度に基づいて再生装置200に対し該当する表示バッファを作成することができる。なお、再生装置に表示されているアプリケーションプログラムをビデオばかりでなく、オーディオにも関連付けしようとすれば、ホスト100は、該当するオーディオバッファを更に作成する。
【0027】
他の実施例として、ホスト100は少なくともホストの名称とホストのIPアドレスとを含む探索パケットを定期的に放送することができる。再生装置200は、探索パケットを受信した後、ホスト100との接続を確立しようとすれば、ホスト100に応答を送信する。上記の応答は、(1)装置が本発明に述べた条件を満たす再生装置である旨を1つの所定のフィールドで示すものであって、例えば、1つのUUIDと、(2)再生装置の名称と、(3)再生装置のIPアドレスと、(4)再生装置の物理的表示能力であって、例えば640×480の解像度、又はサポートしているオーディオ再生フォーマットと、(5)再生制御モジュール中のデコーダの能力であって、例えば、MPEG2復号化能力と、を含む。このように、ホストは応答を受信した後、IPアドレスに基づいて再生装置との接続を確立する。
【0028】
このような場合、図2に示すように、ユーザは「追加」をクリックしてフォルダー・ダイアログボックスをポップアップさせ、1つのアプリケーションプログラムを監視制御されるプログラムリストに追加することができる。同時に、ユーザはこの再生装置200に対し、対応する遠隔表示リストを選択することができる。「削除」をクリックすると、このアプリケーションプログラムに対する監視制御状態が解消される。ユーザが「遠隔表示」をクリックすると、図3に示すように、このアプリケーションプログラムのウィンドが再生装置200に直接表示される。
【0029】
遠隔表示装置側におけるプログラムリストからプログラムを1つ選択し、ホストに当該アプリケーションプログラムを起動させるように要求を送信することに加えて、ユーザは以下のように遠隔表示プログラムを起動させることができる。即ち、(1)ホストにおいて監視制御プログラムを直接実行し、監視制御プログラムがプログラムの実行を監視制御して後続の処理を行う;(2)監視制御プルグラムインタフェースにおいてプログラムを直接ダブルクリックするか、又はプログラムを選択し遠隔表示ボタンをクリックして起動させる。
【0030】
図4は、本発明の実施例による再生システムの操作過程のフローチャートである。
【0031】
上記のように、ホスト100は当該アプリケーションプログラムに対し表示バッファ及び/又はオーディオバッファを作成する(S120)。そして、監視制御プログラムを実行させて、アプリケーションプログラムウィンドを指定する(S120)。指定されたアプリケーションプログラムが実行されている場合(S130でYES)、監視制御プログラムはシステムフックを介して当該アプリケーションプログラムのプロセス空間に入って、例えば、BitBlt、Present、Waveoutのようなオーディオ・ビデオ出力に関する関数の全てを調べ、オーディオ・ビデオ出力が上記の表示バッファ及びオーディオバッファにダイレクトされるようにこれらの関数のポインタを修正する(S140)。
【0032】
次に、ホスト100は仮想表示エリアから描画命令又は描画された画像を捕獲して再生装置に送信するか(S150)、又は毎回更新される表示及びビデオデータをMPEG2により圧縮し、無線接続によって再生装置に送信する(S160)。
【0033】
再生装置は、圧縮されたデータを受信してMPEG2により復号化した後、表示させる(S170)。
【0034】
以上に説明したのは、本発明の好適な実施形態のみであり、本発明の要旨を逸脱しない限り、若干の改善と添削を行うことは可能であり、これらの改善と添削も本発明の請求保護範囲に含まれることは当業者にとって自明である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、本発明の実施例による再生システムを示す構成図である。
【図2】図2は、ホストの表示画面に表示されている再生装置選択インタフェースの模式図である。
【図3】図3は、ホストの表示画面に表示されている監視制御されるプルグラム選択インタフェースの模式図である。
【図4】図4は、本発明の実施例による再生システムの操作過程のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の再生装置において少なくとも1つのアプリケーションプログラムに対し少なくとも1つのバッファを作成するステップと、
実行されているアプリケーションプログラムの再生関連データを前記バッファに再配置するステップと、
前記バッファから再生関連データを捕獲して、少なくとも1つの第2の再生装置に送信するステップと、を含むことを特徴とする再生方法。
【請求項2】
前記バッファからオーディオデータ及び/又はビデオデータを捕獲して、前記第2の再生装置に送信するステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の再生方法。
【請求項3】
前記ビデオデータが描画命令又は描画した画像であることを特徴とする請求項2に記載の再生方法。
【請求項4】
前記送信ステップの前に、前記第1の再生装置と前記第2の再生装置との接続を確立するステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の再生方法。
【請求項5】
前記の接続を確立するステップには、
前記第1の再生装置から少なくともホストアドレスを含む探索パケットを前記第2の再生装置に送信するステップと、
前記第2の再生装置から少なくとも第2の再生装置アドレスを含む応答を前記第1の再生装置に送信するステップと、
前記第1の再生装置アドレス及び前記第2の再生装置アドレスに基づいて、前記第1の再生装置と前記第2の再生装置との接続を確立するステップと、を含むことを特徴とする請求項4に記載の再生方法。
【請求項6】
前記探索パケットが第1の再生装置の名称を更に含み、前記応答が前記第2の再生装置の画像表示能力及び/又はサポートしているオーディオフォーマットと、前記第2の再生装置の名称とを更に含むことを特徴とする請求項5に記載の再生方法。
【請求項7】
前記の接続を確立するステップには、
前記第2の再生装置から少なくともそのアドレスを含む広告メッセージを前記第1の再生装置に送信するステップと、
前記第1の再生装置から少なくとも第1の再生装置アドレスを含む応答を前記第2の再生装置に送信するステップと、
前記第1の再生装置アドレス及び前記第2の再生装置アドレスに基づいて、前記第1の再生装置と前記第2の再生装置との接続を確立するステップと、を含むことを特徴とする請求項4に記載の再生方法。
【請求項8】
前記広告メッセージが、前記第2の再生装置の画像表示能力及び/又はサポートしているオーディオフォーマットと、前記第2の再生装置の名称とを更に含み、前記応答が第1の再生装置の名称を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の再生方法。
【請求項9】
前記再配置ステップには、
前記アプリケーションプログラムのインスタンス名称を監視制御するステップと、
当該インスタンス名称のプロセス内から再生出力に関するファンクションコールを呼び出すステップと、
出力関数を修正して、当該アプリケーションプログラムの再生関連データをバッファに出力するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の再生方法。
【請求項10】
第1の再生装置を含み、
第1の再生装置が、
第1の再生装置において少なくとも1つのアプリケーションプログラムに対し少なくとも1つのバッファを作成し、実行されているアプリケーションプログラムの再生関連データを前記バッファに再配置する監視制御手段と、
前記バッファから再生関連データを捕獲して、少なくとも1つの第2の再生装置に送信する通信手段と、を含むことを特徴とする再生システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−186448(P2008−186448A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−334722(P2007−334722)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(507289405)北京聯想軟件有限公司 (5)
【氏名又は名称原語表記】BEIJING LENOVO SOFTWARE LTD.
【住所又は居所原語表記】#6 Chuangye Road, Shangdi Information Industry Base, Haidian, Beijing 100085 China
【出願人】(507386069)▲聯▼想(北京)有限公司 (6)
【Fターム(参考)】