説明

再生可能成分を含むパネル、および製造方法

再生可能成分を重量で約0.1%〜約95%含み、CAC値が少なくとも約25、NRC値が少なくとも約0.25、およびSTC値が少なくとも約25のパネルである。実施形態では、乾燥パネルをベースにして、再生可能成分を重量で約0.1%〜約95%、ファイバーを重量で0.1%〜95%、バインダーを重量で1%〜30%、含んでいる。再生可能成分は、任意に、目開き0.312インチのメッシュスクリーンでの残留分が5%以下、目開き0.059インチのメッシュスクリーンを通り抜ける分が5%以下の粒径分布である。このパネルの製造方法も提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生可能成分を含み、音響性状と物理性状を改善する建築業界用のパネルに関する。また、そのパネルの製造方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
タイルや壁として使用されるパネルは、建築資材のカテゴリーに入り、建物内部に、音響吸収、音響減衰といった建築的価値と、実用機能を与える。一般的に、遮音パネルなどのパネルは、騒音を抑えるという分野に使用されている。これらの分野の例は、デパート、病院、ホテル、講堂、空港、レストラン、図書館、教室、劇場および映画館、そして住居である。
【0003】
建築的価値および実用機能を与えるために、例えば、遮音パネルは、実質的に平面で、典型的な内壁の格子や同様の構造に吊して自立している。従って、遮音パネルは、しばしば破断モジュラス(“MOR”)で測定される一定レベルの硬度と剛性を有している。所望する音響特性を得るために、遮音パネルは、音の吸収性と伝播減衰性を有している。
【0004】
音の吸収は、典型的に、ASTM−C423に記載されたノイズ減衰係数(“NRC”)によって測定される。NRCは、0と1.00の間の数で表わされ、音が吸収されて届く部分を示している。NRCが0.60の値を有する遮音パネルは、ぶつかった音の60%を吸収し、40%を反射する。
【0005】
別のテスト方法は、推定NRC(“eNRC”)であり、ASTM−C384に記載されたインピーダンスチューブを使用している。
【0006】
音の伝播を少なくする能力は、ASTM−E1414に記載された天井板減衰クラス(“CAC”)の値で測定される。CAC値は、デシベル(“dB”)で測定され、音が材料を通して伝播されるときの音の減衰量を表わしている。例えば、CACが40の遮音パネルは、伝播された音を40デシベル下げる。同様に、音の伝播減衰は、ASTM−E413およびE90に記載された音伝播クラス(“STC”)でも測定することができる。例えば、STCが40のパネルは、伝播された音を40デシベル下げる。
【0007】
種々の業界基準および建築物法規に従って製造された遮音パネルは、クラスAの耐火基準を持っている。ASTM−E84によれば、展炎指数が25以下、および発煙指数が50以下が要求されている。
【0008】
マットの孔隙率の測定である空気流抵抗は、改正ASTM−C423およびC386基準によってテストされる。さらに、遮音パネルのMOR、硬度、およびたるみは、ASTM C367によってテストされる。ベースマットの孔隙率を高めると、音響吸収力が改善されるが、それは、特定の業界基準あるいは建築法規によっては測定されない。
【0009】
現在、殆どの遮音パネルあるいはタイルは、その速度と効率の故に、水フェルトプロセスが業界で好まれて使用されて製造されている。水フェルトプロセスは、製紙に似た方法を用いてベースマットを形成している。このプロセスの1つの形態が、ベイグ(Baig)による特許文献1に記載されており、ここに参照として示す。
【0010】
最初に、ミネラルウールと軽量凝集物を希薄に分散した水スラリーを、長網抄紙機タイプのマット形成装置の動いている小孔のあるワイヤー上に供給する。水が重力によってスラリーから流れ出て、任意にさらに真空吸引および/または押し付け手段により脱水していく。次に、まだ水を保持している脱水ベースマットを、加熱した炉やキルンの中で乾燥して、残存する湿気を除く。乾燥マットを仕上げして、所定のサイズ、外観および音響特性のパネルが得られる。仕上げとしては、表面研磨、切断、穿孔/溝付け、ロールかけ/スプレーコーティング、端部切断および/またはパネルの織布またはスクリーンでのラミネート、がある。
【0011】
典型的な遮音パネルベースマットは、無機ファイバー、セルロースファイバー、バインダーおよびフィラーの組成である。この産業で知られているように、無機ファイバーは、ミネラルウール(スラグウール、ロックウールおよびストーンウール)あるいはガラスファイバーのいずれかである。
【0012】
ミネラルウールは、先ずスラグあるいはロックウールを1300℃(2372°F)〜1650℃(3002°F)で溶融して形成される。次いで、溶融鉱物は、ファイバー化紡糸機で連続的な空気流で紡糸され、ウールになる。無機ファイバーは硬く、ベースマットにバルクと孔隙率を与える。
【0013】
反対に、セルロースファイバーは、構造要素として機能して、湿潤および乾燥ベースマットに強度を与える。強度は、セルロースファイバーがベースマット中の種々の成分と多くの水素結合を形成していることによっている。この水素結合は、セルロースファイバーの親水性の結果である。
【0014】
使用される典型的なベースマットバインダーは、澱粉である。遮音パネルで使用される典型的な澱粉は、未変性、糊化していない澱粉粒で、水性のパネルスラリー中に分散して、一般にベースマット中に均質に分布される。澱粉粒は、加熱すると糊化され、溶解して、パネル成分に接着力を与える。澱粉は、遮音パネルの屈曲強度のみでなく、パネルに硬度と剛性を与える。
【0015】
無機ファイバーが高濃度であるパネル組成では、ラテックスバインダーが、主たるバインダー材として使用される。
【0016】
典型的なベースマットフィラーは、重量および軽量の無機材料の両方がある。フィラーの主機能は、屈曲強度を与え、パネルの硬度に寄与することである。用語“フィラー”は、この明細書を通して使用するが、これは、フィラーそれぞれが、ユニークな性状および/または特徴を有しており、パネルに剛性、硬度、たるみ、音の伝播時の吸収および減衰に影響を及ぼすことがある。
【0017】
重量フィラーの例は、炭酸カルシウム、クレーあるいは石膏がある。軽量フィラーの例は、エクスパンデットパーライトがある。
【0018】
フィラーとしてのエクスパンデットパーライトは、嵩高であるという長所を持ち、これによりベースマットに要求されるフィラーの量を減らすことができる。
【0019】
エクスパンデットパーライトの1つの欠点は、パーライト粒子がベースマット中の孔を埋めて、その表面をシールすることで、それはパネルの音の吸収能を下げることである。さらに、エクスパンデットパーライトは、製造工程中で比較的壊れ易く、脆弱であることである。一般に、エクスパンデットパーライトの使用量を増やす程、遮音パネルの音響吸収特性を悪くする。
【0020】
パーライトの拡張には、非常に多くのエネルギーを消費する。エクスパンデットパーライトは、パーライト鉱石を、拡張タワーに入れて、約950℃(1750°F)に加熱して形成される。パーライト構造中の水が蒸気になり、その膨張によりパーライトをポップコーンのような“ポップ”を起こさせ、拡張していない材料の凡そ10分の1の密度に下げる。バルク密度が低くなったエクスパンデットパーライトは、拡張タワーの中で上方に流れ、フィルター装置によって集められる。このプロセスは、パーライトの全てをパーライト中の水を蒸発させるに充分な温度にまで加熱するために、比較的多量のエネルギーを使用する。
【0021】
建築業界における最近の傾向をみると、環境にやさしい、すなわち、地球温暖化、酸性化、スモッグ、水の富栄養化、固体廃棄物、一次エネルギーの消費および/または排水を減らすようなプロセスで製造された製品が望まれている。
【0022】
自然に成長している再生可能な材料が、環境にやさしい建築材料の製造に使用することができる。建築産業で、広く使用されている再生可能材料は、木材であるが、音の吸収はしない。
同様に、農業廃棄物および副生成物、木材および家具業界廃棄物が大量にあり、これらは容易に入手できるが、建築材料の製造における使用には限界がある。
【0023】
自然に成長する再生可能材料を使用するためには、ファイバーを抽出する必要がある。これは、木材、藁、竹などのリグノ−セルロース材料をパルプ化し、これらの植物材料を、化学的あるいは機械的に個々のファイバー細胞にまで壊してやることにより行われる。
【0024】
一般的な化学的パルプ化方法は、硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、亜硫酸ナトリウムを使用し、約150℃(302°F)から約180℃(356°F)でリグニンを溶解するので、ファイバーのバイオマスを約40〜60%減らすことになる。
【0025】
反対に、熱機械的パルプ化方法は、木材チップを高温(約130℃(266°F)、高圧(約3〜4気圧(304〜405kPa))に晒してリグニンを柔らかくし、ファイバー細胞を機械的に叩き出している。
【0026】
リグニン結合の開裂は、原料の脱ファイバー化を引き起し、約5〜10%のバイオマスのロスを招く。化学的および熱機械的なパルプ化プロセスは、リグノ−セルロース材料を個々のファイバーにするのに非常に多くのエネルギーを必要としている。さらに、大量のバイオマスのロスは、原材料のコストを上げることになる。
【0027】
いくつかの米国特許は、建築材料における再生可能材料の使用を教えている。特許文献2は、主として稲籾殻とバインダーでなる有機粒子ベースの材料でなる、長さが一定でない構造パネルの製造方法を開示している。構造的に完全にする上での必要から、充分な強度のパネルを形成するために、プロセスは、高温と高圧を組合わせることが要求される。
得られたパネルは、その高密度と低孔隙率により、音の吸収値が比較的低い。熱と音の遮蔽特性は、空孔をもつことで達成されている。
【0028】
特許文献3は、廃棄物として稲籾殻を使ったセメント−廃棄物複合体を製造するプロセスを開示している。稲籾殻は、酸素がない状態でほぼ600℃(1112°F)に加熱して、ミクロ粒子にしている。
【0029】
特許文献4は、硬化し、水性で、発泡した、セメント材料から形成された音響吸収性多孔質パネルを開示している。このパネルは、耐久性と耐湿性が高められ、良好な遮音性能を有している。稲籾殻が加えられて、発砲性のセメントパネルの全体硬度を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0030】
【特許文献1】米国特許5,911,818号明細書
【特許文献2】米国特許6,322,731号明細書
【特許文献3】米国特許5,851,281号明細書
【特許文献4】米国特許6,443,258号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
音響的および物理的性状を改善した建築材料として使用されるパネルを提供する。このパネルは、稲籾殻のような再生可能成分を含み、CACあるいはSTCを比較的に変えないで、遮音性能を改善する。
さらに、MOR、硬度、空気流抵抗、およびたるみを含むパネルのその他物理的性能を維持あるいは向上して、NRCを改善する。
【課題を解決するための手段】
【0032】
1つの実施形態では、本発明のパネルは、再生可能成分を重量で約0.1%から約95%で含んでいる。このパネルは、CAC値が少なくとも約25、NRC値が少なくとも約0.25、およびSTC値が少なくとも約25である。
【0033】
本発明のパネルにおける別の実施形態では、パネルのコアは、乾燥パネルの重量で、粉砕された再生可能成分を約0.1%から約95%、一種以上のファイバーを約0.1%から約95%、一種以上のバインダーを約1%から約30%、一種以上のフィラーを約3%から約80%でなっている。
【0034】
粉砕された再生可能成分は、目開き約0.312インチのメッシュスクリーンで粒子の5%以下が残留し、目開き約0.059インチのメッシュスクリーンで粒子の5%以下が通過する粒径分布を有している。
【0035】
別の実施形態では、建築材料として使用されるパネルの製造方法は、約0.1%から約95%の再生可能成分と、水でなる水性スラリーを形成するステップを有している。次いで、小孔のあるワイヤーを用いて、スラリーからベースマットを形成する。ベースマットから水が除かれ、ベースマットが仕上げされて建築材料として使用されるパネルを製造する。この方法によって製造されたパネルは、CAC値が少なくとも約25、NRC値が少なくとも約0.25である。
【0036】
少なくとも一つの別の実施形態は、建築材料として使用されるパネルの製造方法であり、粉砕された再生可能成分を選択するステップ、重量で約0.1%から約95%の粉砕された再生可能成分、重量で約1%から約50%のファイバー、重量で約1%から約30%のバインダー、重量で約3%から約80%のフィラーを、水と混合して水性スラリーを形成するステップ、小孔のあるワイヤー上で水性スラリーからベースマットを形成するステップ、ベースマットから水を除き、ベースマットを仕上げるステップ、とからなっている。
【0037】
再生可能成分は、分離して上記の粒子径分布とする。この方法で製造されたパネルは、CAC値が少なくとも約25、NRC値が少なくとも約0.25である。
【発明の効果】
【0038】
再生可能成分の製造には、他のフィラー材料より少ないエネルギーですむので、粉砕あるいは擦り潰した再生可能成分を加えることは、有利である。再生可能成分は、粉砕して、または直接に遮音パネルに投入するのが好ましい。このプロセスでエネルギーを消費するのは、再生可能成分が粉砕または篩をかけるときのみであり、エクスパンデットパーライトに比べるとエネルギーの使用が少ない。
【0039】
再生可能材料を使用する別の利点は、バイオマスに大きなロスなしで製造できるということである。粉砕あるいは擦り潰した再生可能材料は、バルク構造を保持しており、脱ファイバーのような化学構造中に化学的変更や変化を受けていない。バイオマスの保持は、購入した原料を効率良く使用することであり、それ故にコストを下げることになる。
【0040】
建築パネルに使用されるのに異なるフィラーを選ぶことは、パネルの性状を変えて好ましくないことがある。しかしながら、本発明の再生可能成分の使用は、パネルの他の物理的性状を維持あるいは改善しつつ、エネルギーと材料コストを下げている。
【発明を実施するための形態】
【0041】
ここに記載された製品、方法および組成は、建築材料として使用されるパネルに適用するように意図している。とりわけ、パネルは、内壁パネル製品、遮音パネルあるいはタイルとして使用できる。
以下の議論は、発明の1つの実施形態として遮音パネルに向けている。しかしながら、これは、本発明を制限することを意図していない。
【0042】
ファイバーは、無機ファイバー、有機ファイバー、あるいはこれらの組合せとして遮音パネルの中にある。無機ファイバーは、ミネラルウール、スラグウール、ロックウール、ストーンウール、ガラスファイバー、あるいはこれらの組合せである。
【0043】
無機ファイバーは堅く、ベースマットのバルクとなり、ベースマットを多孔性にしている。無機ファイバーは、遮音パネルの中にパネルの重量ベースで約0.1%から約95%で存在する。遮音パネルの少なくとも1つの実施形態で、好ましいファイバーとしてミネラルウールを使用している。
【0044】
セルロースファイバーは、有機ファイバーの例であって、構造要素として機能し、湿潤および乾燥ベースマット両方に強度を与える。強度は、セルロースファイバーの親水性の結果であり、ベースマット中の種々の成分と水素結合を作ることに依っている。ベースマット中のセルロースファイバーは、パネルの重量ベースで約1%から約50%、好ましくは約5%から約40%、最も好ましくは約10%から約30%である。好ましいセルロースファイバーの一つは、リサイクル新聞紙に由来するものである。
【0045】
パネルは、再生可能である成分を少なくとも一種含んでいる。再生可能成分は、木材または非木材、あるいは木材または非木材の一部として定義される。これら再生可能成分は、好ましくはセルローズとリグニンを含むリグノ−セルロースである。これらの材料の出所源は、農園業、農産業、林産業および/または建築産業からの廃棄物あるいは副生成物である。
【0046】
稲籾殻あるいは殻は、再生可能成分の例である。その他の再生可能成分の例は、小麦殻、オート麦殻、ライ麦茎、木綿種殻、ココナッツ殻、トウモロコシ糠、トウモロコシ穂、稲藁、小麦藁、大麦藁、オート麦藁、ライ麦藁、バガス(bagasse)、葦、アフリカハネガヤ(Espart)、サバイ(Sabai)、亜麻(flax)、ケナフ(kenaf)、黄麻(jute)、麻(hemp)、苧麻(ramie)、マニラ麻(abaca)、サイザル麻(sisal)、鋸屑、竹、木材チップ、ソルガム(sorghum)藁、ヒマワリ種、ソバ殻、ピーナッツ殻やクルミの殻を含むナッツ殻、その他類似物、およびこれらの組合せたものがあるが、これらに限定されたものではない。
【0047】
再生可能成分は、他のパネル成分と混合する前に、サイズを小さくするのが好ましい。再生可能材料は、目開き0.312インチのメッシュスクリーン(ASTM篩チャートで定義された2.5メッシュ)を通過し、目開き0.0059インチのメッシュスクリーン(ASTM篩チャートによって定義された100メッシュ)に残留する粒子径にするのが好ましい。
【0048】
ある実施形態では、再生可能成分は、供給者から得たそのままあるいはその状態で用いている。用語“再生可能成分”の使用は、丸ごとまたはこの業界で公知の方法でサイズを小さくした粒状物を意図しており、細分したり、切断したり、粉砕したり、擦り潰した粒状物を包含している。
【0049】
粒径を小さくするには、任意に粉砕や擦り潰すなど機械的なプロセスで行われ、所望するサイズを得る。少なくとも1つの実施形態では、ハンマーミルタイプの装置を使用している。
【0050】
任意に、再生可能成分は、所望する粒子粒径分布を得るために特定メッシュサイズのスクリーンで篩分けすることができる。所望する最大スクリーンを通り抜けることができない大きい粒子部分を取出し、そのスクリーンを通過する迄再処理していく。
【0051】
1つの実施形態では、粉砕稲籾殻を先ず#30メッシュスクリーンで篩分けして大きい粒子を除き、次いで、#80メッシュスクリーンを通して篩分けして小さい粒子を除いている。#30メッシュスクリーンを通過し、#80メッシュスクリーン上で残留した籾殻を、遮音パネルの製造に使用する。この実施形態では、#80メッシュスクリーンを通り抜けた材料は、パネルに使用していない。
【0052】
#30メッシュスクリーンは、0.022インチあるいは0.55mmの目開きである。#80メッシュスクリーンは、0.007インチあるいは180μmの目開きである。
【0053】
別の実施形態では、精米工場から直接得た処理された籾殻を、遮音パネルの製造に使用している。
【0054】
篩をかけた再生可能材料の粒径分布は、任意に、米国篩セットの#30メッシュスクリーンを通過する粒子が少なくとも約95%、#80メッシュスクリーンを通過する粒子が約5%以下である。
【0055】
背景技術で述べたように、エクスパンデットパーライトは、建築パネルにしばしば使用される材料である。内壁パネルに使用された時、エクスパンデットパーライトは、相互連通孔のない構造を作る傾向がある。再生可能材料を粉砕または擦り潰して遮音パネルに入れることで、エクスパンデットパーライトの構造を阻害し、これにより相互連通孔を増やすことになる。粉砕された再生可能成分とパーライトを含むパネルは、粉砕または擦り潰された再生可能成分なしでパーライトを含むパネルより、多孔性であり、音響吸収性が高い。
【0056】
再生可能成分の粒径が大きい程、音響吸収値が高くなることが観察された。いずれの実施形態でも、最適な粒径分布は、所望の音響吸収値に依っている。
【0057】
再生可能成分の粒径分布は、均質で均質なスラリーを形成するために、ファイバー、エクスパンデットパーライトなどのその他成分と関連していると考えるべきである。
均一なスラリーの形成は、均質で均一なベースマットの製造に結びつく。粒径分布は、パネルの物理的強度を維持あるいは改善するように選ばれるのが好ましい。
【0058】
ある実施形態では、再生可能成分は、#6メッシュ・スクリーンで残留する粒子が重量で約5%以下である。
【0059】
別の実施形態では、使用した再生可能成分は、#20メッシュスクリーンで残留する粒子が約5%以下である。また、さらに別の実施形態では、粉砕または擦り潰された再生可能成分は、#30メッシュスクリーンで残留する粒子が、約5%以下である。
【0060】
好ましくは、再生可能成分は、バルク密度が約5〜約50lbs/ft(80〜800kg/m)、好ましくは約10〜40lbs/ft(160〜640kg/m)、最も好ましくは約20〜約35lbs/ft(320〜560kg/m)の範囲である。
【0061】
#6メッシュスクリーンは、0.132インチあるいは3.35mmの目開きであり、#20スクリーンメッシュは、0.0312インチあるいは800μmの目開きであり、#30スクリーンメッシュは、0.022インチあるいは0.55mmの目開きである。
【0062】
澱粉は、任意に、バインダーとしてベースマットに入れられる。典型的な澱粉は、未変性の糊化してない澱粉粒で水性スラリーに分散され、ベースマット中に均一に分布するようにする。ベースマットを加熱し、澱粉粒を糊化、溶解させて、パネル成分と結合させる。澱粉は、遮音パネルの屈曲強度を高めるだけでなく、パネルの硬度、剛性を改善する。
【0063】
ベースマットは、任意に、澱粉を、パネルの重量で約1%から約30%、より好ましくは約3%から約15%、最も好ましくは約5%から約10%の範囲で含んでいる。
【0064】
典型的なベースマットのフィラーは、軽量および重量無機物の両方である。重量フィラーの例は、炭酸カルシウム、クレーあるいは石膏がある。その他のフィラーも、遮音パネルでの使用が考えられる。ある実施形態では、炭酸カルシウムをパネルの重量で約0.5%から約10%の範囲で使用している。炭酸カルシウムは、またパネルの重量で約3%から約8%の範囲で使用できる。
【0065】
軽量フィラーの例は、エクスパンデットパーライトである。エクスパンデットパーライトは、嵩高であり、ベースマットに使用されるフィラーの量を減らすことができる。フィラーの主機能は、パネルの屈曲強度および硬度を改善することである。
【0066】
用語“フィラー”は、明細書を通して使用しているが、フィラーそれぞれは、ユニークな特性および/または特徴があり、パネルの剛性、強度、たるみ、音の吸収および減衰に影響すると理解される。
【0067】
この実施形態でのベースマット中のエクスパンデットパーライトは、パネルの重量で約5%から約80%、より好ましくは約10%から約60%、最も好ましくは約20%から約40%の範囲である。
【0068】
1つの好ましい実施形態では、ベースマットは、再生可能成分、ミネラルウール、エクスパンデットパーライト、澱粉、炭酸カルシウムおよび/またはクレーを含んでいる。
【0069】
好ましい再生可能成分の1つは、粉砕された稲籾殻である。再生可能成分の割合は、パネルの重量で約0.1%から約95%、より好ましくは約5%から約60%、最も好ましくは約7%から約40%の範囲である。
【0070】
遮音パネル中における別の任意成分は、クレーであり、典型的に耐火性を改善する。火に晒されたとき、クレーは燃焼せず、焼結する。遮音パネルは、任意に、クレーをパネルの重量で約0%から約10%、好ましくは約1%から約5%の範囲で含んでいる。
【0071】
クレーは、テネシー州グレーソン(Gleason)のスピンクスクレー(Spinks Clay)、ボールクレー(Ball Clay)、およびケンタッキー州ヒッコリー(Hickory)のオールドヒッコリークレー(Old Hickory Clay)を含め多くのタイプのクレーが使用されるが、これに限定されない。
【0072】
凝集剤も、また任意に遮音パネルに加えられる。凝集剤は、パネルの重量で好ましくは約0.1%から約3%、より好ましくは約0.1%から約2%の範囲で使用される。
【0073】
有用な凝集剤は、塩化アルミニウム水和物、硫酸アルミニウム、酸化カルシウム、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、ポリアクリルアミド、アルミン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムがあるが、これに限定されない。
【0074】
遮音パネル用のベースマットを作成する1つの実施形態では、再生可能成分、ミネラルウール、エクスパンデットパーライト、セルロースファイバー、澱粉、炭酸カルシウム、クレーおよび凝集剤を水と混合して、水性スラリーが作成される。
【0075】
混合操作は、好ましくは、ストックチェスト中でバッチモードあるいは連続モードで行われる。加える水の量は、全固形分あるいはコンシステンシーが、コンシステンシーで約1%から約8%、好ましくは約2%から約6%、より好ましくは約3%から約5%の範囲になるようにする。
【0076】
上記した成分を含んで均質なスラリーが形成されたら、そのスラリーをヘッドボックスに移し、スラリー材料を一定に流す。ヘッドボックスから流れ出たスラリーを、動いている小孔のあるワイヤー上に拡げ、湿潤ベースマットを形成する。先ず、重力によって水がワイヤーから流れ出る。ある実施形態では、スラリーからの重力による水の流れ出しと一緒に、あるいはその後で、低い真空圧を使用することができると考えられる。さらに、任意に、当業者が行うように、圧搾および/または真空脱水でさらなる水を除く。残存する水は、典型的には炉またはキルン中で蒸発させる。
【0077】
形成されたベースマットは、バルク密度が好ましくは約7から約30lbs/ft(112から480kg/m)、より好ましくは約8から25lbs/ft(128から400kg/m)、最も好ましくは約9から約20lbs/ft(144から320 kg/m)である。
【0078】
次いで、形成されたベースマットを、切断し、当業者で知られた仕上げして遮音パネルにする。好ましい仕上げ操作としては、表面研磨、コーティング、穿孔、溝付け、端部調整、および/または包装がある。
【0079】
穿孔および溝付けは、上記したベースマットの音響吸収値を改善するに大きく寄与している。穿孔操作により、ベースマットの表面上に一定の深さと密度(単位面積あたりの穿孔数)で多数の孔を作る。
【0080】
穿孔は、ベースマット上に所定数の針を備えた板を押しつけることで行われる。溝付けは、例えば、ある形の金属板を備えたロールを用いて、ベースマットの表面上に独特の形をした凹みを作っていくことでできる。
【0081】
穿孔と溝付けのステップは、ベースマット表面およびその内部構造に開口を作り、これにより、パネルの内と外に空気が移動できるようにする。ベースマットの開口は、また、音がベースマットのコアに入り、吸収されるようにする。
【0082】
さらに、遮音パネルは、任意に、織布や布地でラミネートする。この遮音パネルは、万能ナイフを用いて手で切断することができる。
【0083】
形成された遮音パネルは、バルク密度が好ましくは約9から約32lbs/ft(144から513kg/m)、より好ましくは約10から約27lbs/ft(160から433kg/m)、最も好ましくは約11から約22lbs/ft(176から352kg/m)である。
【0084】
さらに、このパネルは、厚さが好ましくは約0.2インチから1.5インチ(5から38mm)、より好ましくは約0.3インチから1.0インチ(8から25mm)、最も好ましくは約0.5インチから約0.75インチ(13から19mm)である。
【0085】
少なくとも1つの再生可能成分を含む遮音パネルは、NRC値が少なくとも約0.25、CAC値が少なくとも約25であるのが好ましい。さらに、この遮音パネルは、eNRC値が少なくとも約0.15になっている。
【0086】
さらに、この遮音のパネルは、MOR値が少なくとも約80psi、硬度が少なくとも約100lbf、90%RH湿度の部屋での最大たるみ値が1.5インチ(38mm)である。
【0087】
さらに、この遮音パネルは、展炎指数が約25以下、発煙指数が約50以下である。この遮音パネルは、またSTCが少なくとも約25である。
【実施例1】
【0088】
稲籾殻は、稲穀を脱穀して稲籾殻から米粒を分けているアーカンソー州ヨハネスブルグ(Jonesborough)のライスランドインダストリーズ(Riceland Industries)社から入手した。
【0089】
稲籾殻は、#6メッシュスクリーン、#10メッシュスクリーン(0.066インチあるいは1.7mmの目開き)、#16メッシュスクリーン(0.039インチあるいは1mmの目開き)、および#30メッシュスクリーンで篩い分けした。稲籾殻の粒径分布は、#10メッシュスクリーン上の残留が約18.3%、#16メッシュスクリーン上の残留が約58.0%、#30メッシュスクリーン上の残留が約20.1%、#30メッシュスクリーンの通過が約3.6%であった。稲籾殻のバルク密度は、約8.51lbs/ft(136kg/m)であった。
【0090】
表1に記したように、パネル成分、種々の量のパーライトおよび稲籾殻を水と混合して、コンシステンシーが約4.5%のスラリーを作成した。
【0091】
水を撹拌しつつ、新聞紙パルプ、澱粉、炭酸カルシウム、粉砕稲籾殻、ミネラルウールおよびエクスパンデットパーライトの順で各成分を加えた。スラリーを約2分間攪拌した。攪拌の終りに、スラリーの重量で約0.1%の凝集剤を、スラリーに加えた。次いで、スラリーを、14”×14”×30”(0.36m×0.36m×0.76m)の大きさの成形ボックスに注ぎ入れた。
【0092】
成形ボックスの底に、金属グリッドに支えられたガラスファイバー織布を置いてスラリーの水を自然に流し出し、殆どの固形分を残した。成形ボックスを低い真空圧(1”Hg(25mmHg))にしてさらに水を除いた。その後、湿潤ベースマットを一定厚さになる迄押し付けてさらに水を除き、ベースマット構造を固めた。最後に、湿潤ベースマットを、高い真空圧(5〜9”Hg(127〜229mmHg))にしてさらに脱水した。形成されたベースマットを、炉またはキルンで、315℃(600°F)で30分、149℃(300°F)で3時間乾燥して残存する湿分を除いた。
【0093】
次の実施例においては、パネルの重量で約10%のミネラルウールを、約19%の新聞紙ファイバー、約8%の澱粉、および約6%の炭酸カルシウムと共に使用した。パーライトと稲籾殻の量を、以下に示している。得られた乾燥ベースマットの性状も表に示している。
【0094】
【表1】

【0095】
上記したように、稲籾殻が高い重量割合のベースマットは、空気流抵抗値が低く、このベースマットがより多孔性であることを示している。従って、稲籾殻が多いベースマット程、良い音響吸収体であり、孔なしeNRC値に反映されている。
【実施例2】
【0096】
稲籾殻は、稲穀を脱穀して稲籾殻から米粒を分けているアーカンソー州ヨハネスブルグのライスランドインダストリーズ社から入手した。
【0097】
稲籾殻は、径が0.109”(0.028m)の孔があるスクリーンを備えたフリッツミル(Fritz mill)でさらに粉砕した。稲籾殻を、全てがスクリーンを通過する迄粉砕した。稲籾殻を追加して粉砕し、目開きが0.079”と0.050”(それぞれ0.002mと0.0013m)のスクリーンを用いて分けた。
【0098】
上記試料のバルク密度は、スクリーン目開き0.109”(0.028m)、0.079” (0.002m)および0.050”(0.0013m)を通り抜けた分が、それぞれ約14.62lbs/ft(234kg/m)、16.31lbs/ft(261kg/m)および21.77lbs/ft(349kg/m)であった。
【0099】
表2に記したように、パネル成分、種々の量のパーライトおよび稲籾殻を水と混合してコンシステンシーが約4.5%のスラリーを作成した。
【0100】
水を撹拌しつつ、新聞紙パルプ、澱粉、炭酸カルシウム、粉砕稲籾殻、ミネラルウールおよびエクスパンデットパーライトの順で各成分を加えた。スラリーを約2分間攪拌した。攪拌の終りに、スラリーの重量で約0.1%の凝集剤をスラリーに加えた。次いで、スラリーを、14”×14”×30”(0.36m×0.36m×0.76m)の大きさの成形ボックスに注ぎ入れた。
【0101】
成形ボックスの底に、金属グリッドに支えられたガラスファイバー織布を置いてスラリーの水を自然に流し出し、殆どの固形分を残した。成形ボックスを低い真空圧(1”Hg(25mmHg))にしてさらに水を除いた。その後、湿潤ベースマットを一定厚さになる迄押し付けてさらに水を除き、ベースマット構造を固めた。最後に、湿潤ベースマットを、高い真空圧(5〜9”Hg(127〜229mmHg))にしてさらに脱水した。形成されたベースマットを、炉またはキルンで、315℃(600°F)で30分、149℃(300°F)で3時間乾燥して残存する湿分を除いた。
【0102】
表2では、パネルの重量で約10%のミネラルウールを、約19%の新聞紙ファイバー、約8%の澱粉、および約6%の炭酸カルシウムと共に使用した。パーライトと稲籾殻の量を、以下に示している。得られた乾燥ベースマットの性状も表に示している。
【0103】
【表2】

【0104】
目開きが大きなスクリーンを通過できた稲籾殻を持つベースマット程、良い音響吸収体であり、eNRC値が高く反映されている。
【実施例3】
【0105】
稲籾殻は、精米工場からの稲籾殻を粉砕しているアーカンソー州シュトゥットガルト(Stuttgart)のライスハルスペシャリティーズ(Rice Hull Specialties)社から入手した。
【0106】
粉砕稲籾殻は、最初に#20メッシュスクリーンで篩分けして大きい粒子を除き、次いで、#80メッシュスクリーンを通して小さい粒子を除いた。#20メッシュスクリーンを通り抜け、#80メッシュ・スクリーン上に残留した粉砕稲籾殻をベースマットの形成に使用した。そのバルク密度は、約22.96lbs/ft(368kg/m)であった。
【0107】
表3に記したように、パネル成分、種々の量のパーライトおよび稲籾殻を水と混合して、コンシステンシーが約4.5%のスラリーを形成した。
【0108】
水を撹拌しつつ、新聞紙パルプ、澱粉、炭酸カルシウム、粉砕稲籾殻、ミネラルウールおよびエクスパンデットパーライトの順で各成分を加えた。スラリーを約2分間攪拌した。攪拌の終りに、スラリーの重量で約0.1%の凝集剤をスラリーに加えた。次いで、スラリーを、14”×14”×30”(0.36m×0.36m×0.76m)の大きさの成形ボックスに注ぎ入れた。
【0109】
成形ボックスの底に、金属グリッドに支えられたガラスファイバー織布を置いてスラリーの水を自然に流し出し、殆どの固形分を残した。成形ボックスを低い真空圧(1”Hg(25mmHg))にしてさらに水を除いた。その後、湿潤ベースマットを一定厚さになる迄押し付けてさらに水を除き、ベースマット構造を固めた。最後に、湿潤ベースマットを、高い真空圧(5〜9”Hg(127〜229mmHg))にしてさらに脱水した。形成されたベースマットを、炉またはキルンで、315℃(600°F)で30分、149℃(300°F)で3時間乾燥して残存する湿分を除いた。
【0110】
表3においては、パネルの重量で約10%のミネラルウールを、パネルの重量で約19%の新聞紙ファイバー、約8%の澱粉、および約6%の炭酸カルシウムと共に使用した。パーライトと稲籾殻の量を、以下に示している。得られた乾燥ベースマットの性状も表に示している。
【0111】
【表3】

【0112】
上記したように、実施例における3つの試料全てが、実施例1におけるテストNo.1および2のコントロールより多孔性であり、音響的に高い吸収体であった。
【実施例4】
【0113】
稲籾殻は、精米工場からの稲籾殻を粉砕しているアーカンソー州シュトゥットガルトのライスハルスペシャリティーズ社から入手した。
【0114】
粉砕稲籾殻は、最初に#30メッシュスクリーンで篩分けして大きい粒子を除き、次いで、#80メッシュスクリーンを通して小さい粒子を除いた。#30メッシュスクリーンを通り抜け、#80メッシュ・スクリーン上に残留した粉砕稲籾殻をベースマットの製造に使用した。バルク密度は、約28.56lbs/ft(457kg/m)であった。
【0115】
ストックチェスト中で、表4の組成によるパネル成分と水を混合してスラリーを製造した。
【0116】
【表4】

【0117】
表4の成分に加え、さらにパネルの重量で20%の再利用(あるいは“破損”)防音パネルを加えた。再利用防音パネルは、破損品、品質規格外品あるいは粉砕最終製品のパネルである。再利用防音パネルは、組成が同じであって、同じでなくともよい。スラリーのコンシステンシ−は約3.0%であった。
【0118】
表4の成分でなる均質なスラリーをヘッドボックスに移し、スラリー材料を一定に流れようにした。ヘッドボックスから流れ出たスラリーを、小孔のあるワイヤー上に拡げ、湿潤ベースマットを形成した。先ず、水を重力でワイヤーから流し出した。ワイヤー下を低い真空圧力(4”Hg(100mmHg))にしてさらに水を除いた。ベースマットを2つのローラー間で圧搾した後、ワイヤー下を高い真空圧力(7〜15”Hg(178〜381mmHg))にしてさらに水を除いた。ベースマット中の残存する水分および湿分を、キルンで蒸発させた。乾燥後、ベースマットを切断し、研磨し、ロールをかけ、スプレーし、穿孔して、2’×4’(0.61m×1.22m)または2’×2’(0.61m×0.61m)いずれかの見た目によい遮音パネルとした。表5にベースマットの性状を示す。
【0119】
【表5】

【0120】
表6に、遮音パネル完成品の性状を示す。
【0121】
【表6】

【実施例5】
【0122】
稲籾殻は、精米工場からの稲籾殻を粉砕しているアーカンソー州シュトゥットガルトのライスハルスペシャリティーズ社から入手した。
【0123】
粉砕稲籾殻は、先ず、#20メッシュスクリーンで篩分けして大きい粒子を除き、次いで、#80メッシュスクリーンを通して小さい粒子を除いた。#20メッシュスクリーンを通り抜け、#80メッシュスクリーンで残留した粉砕稲籾殻を、ベースマットの形成に用いた。そのバルク密度は、約24.37lbs/ft(390kg/m)であった。表7の組成によるパネル成分と水を、ストックチェスト中で混合してスラリーとした。
【0124】
【表7】

【0125】
表7の成分に加えて、さらに壊れたパネルを(パネルの重量で)15%加えた。
【0126】
スラリーのコンシステンシーは、約3.0%であった。表7の成分を含む均質スラリーを、ヘッドボックスに移し、スラリー材料を一様に流し出した。ヘッドボックスから流れ出たスラリーは、小孔のあるワイヤー上に拡げて湿潤ベースマットを形成した。先ず、水を重力でワイヤーから流し出した。ワイヤー下を低い真空圧(1”Hg(25mmHg))にしてさらに脱水した。ベースマットを2つのローラー間で圧縮した後、ワイヤー下を高い真空圧(5〜9”Hg(127〜229mmHg)にしてさらに水を除いた。湿潤ベースマット中に残る水および湿分を、キルン中で蒸発させた。
【0127】
乾燥後、ベースマットを切断し、ロールをかけ、スプレーし、穿孔し、溝付けして、
2’×4’(0.61m×1.22m)または2’×2’(0.61m×0.61m)の見た目によい遮音パネルに仕上げた。ベースマットの性状を表8に示す。
【0128】
【表8】

【0129】
最終遮音パネルの性状を表9に示す。
【0130】
【表9】

【実施例6】
【0131】
ソバ籾殻を、テキサス州ヒューストンのザフ・ストアー(Zafu Store)から入手した。
【0132】
ソバ籾殻を、径が0.05”(1.27mm)の孔のあるスクリーンを装備したフリッツミルでさらに粉砕した。ソバ籾殻の全てがスクリーンを通り抜ける迄粉砕した。粉砕ソバ籾殻のバルク密度は、約24.5lbs/ft(392kg/m)であった。粉砕ソバ籾殻の粒径分布は、20のメッシュ上の残留分が21.0%、30メッシュ上の残留分が47.4%、40メッシュ上の残留分が21.0%、50メッシュ上の残留分が5.6%、100メッシュ上の残留分が2.8%、100メッシュを通り抜けた分が2.3%であった。
【0133】
表10に記載したパネル成分、種々の量のパーライト、ソバ籾殻を水と混合して、コンシステンシーが約4.5%のスラリーを形成した。
【0134】
水を撹拌しつつ、新聞紙パルプ、澱粉、炭酸カルシウム、粉砕ソバ籾殻、ミネラルウールおよびエクスパンデットパーライトの順で各成分を加えた。スラリーを約2分間攪拌した。攪拌の終りに、約0.1%の凝集剤をスラリーに加えた。次いで、スラリーを、14”×14”×30”(0.36m×0.36m×0.76m)の大きさの成形ボックスに注ぎ入れた。
【0135】
成形ボックスの底に、金属グリッドに支えられたガラスファイバー織布を置いてスラリーの水を自然に流し出し、殆どの固形分を残した。成形ボックスを低い真空圧(1”Hg(25mmHg))にしてさらに水を除いた。その後、湿潤ベースマットを押付けてさらに水を除き、ベースマット構造を固めた。最後に、湿潤ベースマットを、高い真空圧(5〜9”Hg(127〜229 mmHg))にしてさらに脱水した。形成されたベースマットを、炉またはキルンで、315℃(600°F)で30分、および149℃(300°F)で3時間乾燥して残存する湿分を除いた。
【0136】
表10において、パネルに対し重量で約10%のミネラルウールを、約19%の新聞紙ファイバー、約8%の澱粉、および約6%の炭酸カルシウムと共に使用してパネルを形成した。パーライトとソバ籾殻の量を、以下に示している。得られた乾燥ベースマットの性状も表に示している。
【0137】
【表10】

【0138】
上記したように、粉砕ソバ籾殻を含むベースマットは、コントロール品(テストNo.1)より良好な音響吸収体で、高いeNRC値を有している。
【実施例7】
【0139】
松の木の苗床として使用される木材かんな屑を、メリーランド州コロンビア(Columbia)のアメリカンウッドファイバー社(American Wood Fiber Inc.)から入手した。
【0140】
木材かんな屑を、径が0.05”(1.27mm)の孔のあるスクリーンを装備したフリッツミルでさらに粉砕した。木材かんな屑を、全てがスクリーンを通り抜ける迄粉砕した。粉砕木材かんな屑のバルク密度は、約8.9lbs/ft(143kg/m)であった。粉砕木材かんな屑の粒径分布は、20メッシュ上の残留分が5.5%、30メッシュ上の残留分が37.6%、40メッシュ上の残留分が24.3%、50メッシュ上の残留分が13.6%、100メッシュ上の残留分が12.6%、100メッシュを通り抜けた分が6.4%であった。
【0141】
表11に記載したパネル成分、種々の量のパーライト、木材かんな屑を水と混合して、コンシステンシーが約4.5%のスラリーとした。水を撹拌しつつ、新聞紙パルプ、澱粉、炭酸カルシウム、粉砕木材かんな屑、ミネラルウールおよびエクスパンデットパーライトの順で各成分を加えた。スラリーを約2分間攪拌した。攪拌の終りに、約0.1%の凝集剤をスラリーに加えた。次いで、スラリーを、14”×14”×30”(0.36m×0.36m×0.76m)の大きさの成形ボックスに注ぎ入れた。
【0142】
成形ボックスの底に、金属グリッドに支えられたガラスファイバー織布を置いてスラリーの水を自然に流し出し、殆どの固形分を残した。成形ボックスを低い真空圧(1”Hg(25mmHg))にしてさらに水を除いた。その後、湿潤ベースマットを一定厚さになる迄押付けてさらに水を除き、ベースマット構造を固めた。最後に、湿潤ベースマットを、高い真空圧(5〜9”Hg(127〜229mmHg))にしてさらに脱水した。形成されたベースマットを、炉またはキルンで、315℃(600°F)で30分、および149℃(300°F)で3時間乾燥して残存する湿分を除いた。
【0143】
表11においては、パネルに対し重量で約10%のミネラルウールを、約19%の新聞紙ファイバー、約8%の澱粉、および約6%の炭酸カルシウムと共に使用してパネルを形成した。パーライトと木材かんな屑の量を、以下に示している。得られた乾燥ベースマットの性状も表に示している。
【0144】
【表11】

【0145】
上記したように、粉砕木材かんな屑を含むベースマットは、コントロール品(テストNo.1)より良好な音響吸収体であり、高いeNRC値で示されている。
【実施例8】
【0146】
小麦藁を、イリノイ州ワーレンヴィル(Warrenville)のガルーシャファーム(Galusha Farm)から入手した。
【0147】
小麦藁を、径が0.05”(1.27mm)の孔のあるスクリーンを装備したフリッツミルでさらに粉砕した。小麦藁を、殆どの材料がスクリーンを通り抜ける迄粉砕した。粉砕小麦藁のバルク密度は、約7.7 lbs/ft(123kg/m)であった。粉砕小麦藁の粒径分布は、20メッシュ上の残留分が3.6%、30メッシュ上の残留分が25.3%、40メッシュ上の残留分が25.4%、50メッシュ上の残留分が19.8%、100メッシュ上の残留分が17.1%、100メッシュを通り抜けた分が8.9%であった。
【0148】
表12に記載したパネル成分、種々の量のパーライト、小麦藁を水と混合して、コンシステンシーが約4.5%のスラリーを形成した。
【0149】
水を撹拌しつつ、新聞紙パルプ、澱粉、炭酸カルシウム、粉砕小麦藁、ミネラルウールおよびエクスパンデットパーライトの順で各成分を加えた。このスラリーを約2分間攪拌した。攪拌の終りに、約0.1%の凝集剤をスラリーに加えた。次いで、スラリーを、14”×14”×30”(0.36m×0.36m×0.76m)の大きさの成形ボックスに注ぎ入れた。
【0150】
成形ボックスの底に、金属グリッドに支えられたガラスファイバー織布を置いてスラリーの水を自然に流し出し、殆どの固形分を残した。成形ボックスを低い真空圧(1”Hg(25mmHg))にしてさらに水を除いた。その後、湿潤ベースマットを一定厚さになる迄押付けてさらに水を除き、ベースマット構造を固めた。最後に、湿潤ベースマットを、高い真空圧(5〜9”Hg(127〜229mmHg))にしてさらに脱水した。形成されたベースマットを、炉またはキルンで、315℃(600°F)で30分、および149℃(300°F)で3時間乾燥して残存する湿分を除いた。
【0151】
表12においては、パネルの重量で約10%のミネラルウールを、約19%の新聞紙ファイバー、約8%の澱粉、および約6%の炭酸カルシウムと共に使用してパネルを形成した。パーライトと小麦藁の量を、以下に示している。得られた乾燥ベースマットの性状も表に示している。
【0152】
【表12】

【0153】
上記したように、粉砕小麦藁を含むベースマットは、コントロール品(テストNo.1)より良好な音響吸収体であり、高いeNRC値で示されている。
【実施例9】
【0154】
鋸屑を、ジョージア州カーテルヴィル(Carterville)のゼットイーピー(ZEP)から入手した。
【0155】
そのバルク密度は、約24.0lbs/ft(384kg/m)であった。鋸屑の粒径分布は、20メッシュ上の残留分が9.0%、30メッシュ上の残留分が24.3%、40メッシュ上の残留分が22.7%、50メッシュ上の残留分が19.1%、100メッシュ上の残留分が21.4%、100メッシュを通り抜けた分が3.6%であった。
【0156】
表13に記載したパネル成分、種々の量のパーライト、鋸屑を水と混合して、コンシステンシーが約4.5%のスラリーを製造した。水を撹拌しつつ、新聞紙パルプ、澱粉、炭酸カルシウム、鋸屑、ミネラルウールおよびエクスパンデットパーライトの順で各成分を加えた。このスラリーを約2分間攪拌した。攪拌の終りに、約0.1%の凝集剤をスラリーに加えた。次いで、スラリーを、14”×14”×30”(0.36m×0.36m×0.76m)の大きさの成形ボックスに注ぎ入れた。
【0157】
成形ボックスの底に、金属グリッドに支えられたガラスファイバー織布を置いてスラリーの水を自然に流し出し、殆どの固形分を残した。成形ボックスを低い真空圧(1”Hg(25mmHg))にしてさらに水を除いた。その後、湿潤ベースマットを押付けてさらに水を除き、ベースマット構造を固めた。最後に、湿潤ベースマットを、高い真空圧(5〜9”Hg(127〜229 mmHg))にしてさらに脱水した。形成されたベースマットを、炉またはキルンで、315℃(600°F)で30分、および149℃(300°F)で3時間乾燥して残存する湿分を除いた。
【0158】
表13においては、パネルの重量で約10%のミネラルウールを、約19%の新聞紙ファイバー、約8%の澱粉、および約6%の炭酸カルシウムと共に使用してパネルを形成した。パーライトと鋸屑の量を、以下に示している。得られた乾燥ベースマットの性状も表に示している。
【0159】
【表13】

【0160】
上記したように、鋸屑を含むベースマットは、コントロール品(テストNo.1)より良好な音響吸収体であり、高いeNRC値で示されている。
【実施例10】
【0161】
粉砕されたトウモロコシ穂を、ニュージャージー州ピスカタウェイ(Piscataway)のクレイマー・インダストリース社(Kramer Industries Inc.)から入手した。
【0162】
粉砕トウモロコシ穂のバルク密度は、約18.5lbs/ft(296kg/m)であった。粉砕トウモロコシ穂の粒径分布は、20メッシュ上の残留分が0.0%、30メッシュ上の残留分が0.1%、40メッシュ上の残留分が1.6%、50メッシュ上の残留分が94.1%、100メッシュ上の残留分が4.1%、そして100メッシュを通り抜けた分が0.2%であった。
【0163】
表14に記載したパネル成分、種々の量のパーライト、粉砕トウモロコシ穂を水と混合して、コンシステンシーが約4.5%のスラリーを形成した。
【0164】
水を撹拌しつつ、新聞紙パルプ、澱粉、炭酸カルシウム、粉砕トウモロコシ穂、ミネラルウールおよびエクスパンデットパーライトの順で各成分を加えた。このスラリーを約2分間攪拌した。攪拌の終りに、約0.1%の凝集剤をスラリーに加えた。次いで、スラリーを、14”×14”×30”(0.36m×0.36m×0.76m)の大きさの成形ボックスに注ぎ入れた。
【0165】
成形ボックスの底に、金属グリッドに支えられたガラスファイバー織布を置いてスラリーの水を自然に流し出し、殆どの固形分を残した。成形ボックスを低い真空圧(1”Hg(25mmHg))にしてさらに水を除いた。その後、湿潤ベースマットを押付けてさらに水を除き、ベースマット構造を固めた。最後に、湿潤ベースマットを、高い真空圧(5〜9”Hg(127〜229mmHg))にしてさらに脱水した。形成されたベースマットを、炉またはキルンで、315℃(600°F)で30分、および149℃(300°F)で3時間乾燥して残存する湿分を除いた。
【0166】
表14においては、パネルに対し重量で約10%のミネラルウールを、約19%の新聞紙ファイバー、約8%の澱粉、および約6%の炭酸カルシウムと共に使用してパネルを形成した。パーライトと粉砕トウモロコシ穂の量を、以下に示している。得られた乾燥ベースマットの性状も表に示している。
【0167】
【表14】

【0168】
上記したように、トウモロコシ穂を含むベースマットは、コントロール品(テストNo.1)より良好な音響吸収体であり、高いeNRC値で示されている。
【実施例11】
【0169】
粉砕されたクルミ殻を、ニュージャージー州ピスカタウェイのクレイマー・インダストリース社から入手した。
【0170】
粉砕クルミ殻のバルク密度は、約44.2lbs/ft(708kg/m)であった。粉砕クルミ殻の粒径分布は、20メッシュ上の残留分が0.0%、30メッシュ上の残留分が0.0%、40メッシュ上の残留分が3.9%、50メッシュ上の残留分が72.5%、100メッシュ上の残留分が23.2%、そして100メッシュを通り抜けた分が0.3%であった。
【0171】
表15に記載したパネル成分、種々の量のパーライト、粉砕クルミ殻を水と混合して、コンシステンシーが約4.5%のスラリーとした。
【0172】
水を撹拌しつつ、新聞紙パルプ、澱粉、炭酸カルシウム、粉砕クルミ殻、ミネラルウールおよびエクスパンデットパーライトの順で各成分を加えた。このスラリーを約2分間攪拌した。攪拌の終りに、約0.1%の凝集剤をスラリーに加えた。次いで、スラリーを、14”×14”×30”(0.36m×0.36m×0.76m)の大きさの成形ボックスに注ぎ入れた。
【0173】
成形ボックスの底に、金属グリッドに支えられたガラスファイバー織布を置いてスラリーの水を自然に流し出し、殆どの固形分を残した。成形ボックスを低い真空圧(1”Hg(25mmHg))にしてさらに水を除いた。その後、湿潤ベースマットを押付けてさらに水を除き、ベースマット構造を固めた。最後に、湿潤ベースマットを、高い真空圧(5〜9”Hg(127〜229mmHg))にしてさらに脱水した。形成されたベースマットを、炉またはキルンで、315℃(600°F)で30分、および149℃(300°F)で3時間乾燥して残存する湿分を除いた。
【0174】
表15においては、パネルに対し重量で約10%のミネラルウールを、約19%の新聞紙ファイバー、約8%の澱粉、および約6%の炭酸カルシウムと共に使用してパネルを形成した。パーライトと粉砕クルミ殻の量を以下に示している。得られた乾燥ベースマットの性状も表に示している。
【0175】
【表15】

【0176】
上記したように、粉砕クルミ殻を含むベースマットは、コントロール品(テストNo.1)より良好な音響吸収体であり、高いeNRC値で示されている。
【実施例12】
【0177】
ピーナッツ殻を、地元の食品店から入手した。ピーナッツ殻を、径が0.05”(1.27mm)の孔のあるスクリーンを装備したフリッツミルでさらに粉砕した。ピーナッツ殻を、全てがスクリーンを通り抜ける迄粉砕した。
【0178】
粉砕ピーナッツ殻のバルク密度は、15.2lbs/ft(243kg/m)であった。粉砕ピーナッツ殻の粒径分布は、20メッシュ上の残留分が0.2%、30メッシュ上の残留分が13.1%、40メッシュ上の残留分が31.5%、50メッシュ上の残留分が19.8%、100メッシュ上の残留分が29.2%、そして100メッシュを通り抜けた分が6.1%であった。
【0179】
表16に記載したパネル成分、種々の量のパーライト、粉砕ピーナッツ殻を水と混合して、コンシステンシーが約4.5%のスラリーとした。
【0180】
水を撹拌しつつ、新聞紙パルプ、澱粉、炭酸カルシウム、粉砕ピーナッツ殻、ミネラルウールおよびエクスパンデットパーライトの順で各成分を加えた。このスラリーを約2分間攪拌した。攪拌の終りに、約0.1%の凝集剤をスラリーに加えた。次いで、スラリーを、14”×14”×30”(0.36m×0.36m×0.76m)の大きさの成形ボックスに注ぎ入れた。
【0181】
成形ボックスの底に、金属グリッドに支えられたガラスファイバー織布を置いてスラリーの水を自然に流し出し、殆どの固形分を残した。成形ボックスを低い真空圧(1”Hg(25mmHg))にしてさらに水を除いた。その後、湿潤ベースマットを押し付けてさらに水を除き、ベースマット構造を固めた。最後に、湿潤ベースマットを、高い真空圧(5〜9”Hg(127〜229 mmHg))にしてさらに脱水した。形成されたベースマットを、炉またはキルンで、315℃(600°F)で30分、および149℃(300°F)で3時間乾燥して残存する湿分を除いた。
【0182】
表16においては、パネルの重量で約10%のミネラルウールを、約19%の新聞紙ファイバー、約8%の澱粉、および約6%の炭酸カルシウムと共に使用してパネルを形成した。パーライトと粉砕ピーナッツ殻の量を以下に示している。得られた乾燥ベースマットの性状も表に示している。
【0183】
【表16】

【0184】
上記したように、粉砕ピーナッツ殻を含むベースマットは、コントロール品(テストNo.1)より良好な音響吸収体であり、高いeNRC値で示されている。
【実施例13】
【0185】
ヒマワリ種殻を、ノースダコタ州のアーチャー・ダニエルス・ミッドランド(Archer Deniels Midland)社から入手した。
【0186】
粉砕ヒマワリ種のバルク密度は約12.4lbs/ft(199kg/m)であった。粉砕ヒマワリ種殻の粒径分布は、20メッシュ上の残留分が0.1%、30メッシュ上の残留分が8.9%、40メッシュ上の残留分が30.3%、50メッシュ上の残留分が29.3%、100メッシュ上の残留分が23.9%、そして100メッシュを通り抜けた分が7.5%であった。
【0187】
表17に記載したパネル成分、種々の量のパーライト、粉砕ヒマワリ種殻を水と混合して、コンシステンシーが約4.5%のスラリーを製造した。
【0188】
水を撹拌しつつ、新聞紙パルプ、澱粉、炭酸カルシウム、粉砕ヒマワリ種殻、ミネラルウールおよびエクスパンデットパーライトの順で各成分を加えた。このスラリーを約2分間攪拌した。攪拌の終りに、約0.1%の凝集剤をスラリーに加えた。次いで、スラリーを、14”×14”×30”(0.36m×0.36m×0.76m)の大きさの成形ボックスに注ぎ入れた。
【0189】
成形ボックスの底に、金属グリッドに支えられたガラスファイバー織布を置いてスラリーの水を自然に流し出し、殆どの固形分を残した。成形ボックスを低い真空圧(1”Hg(25mmHg))にしてさらに水を除いた。その後、湿潤ベースマットを押し付けてさらに水を除き、ベースマット構造を固めた。最後に、湿潤ベースマットを、高い真空圧(5〜9”Hg(127〜229mmHg))にしてさらに脱水した。形成されたベースマットを、炉またはキルンで、315℃(600°F)で30分、および149℃(300°F)で3時間乾燥して残存する湿分を除いた。
【0190】
表17においては、パネルの重量で約10%のミネラルウールを、約19%の新聞紙ファイバー、約8%の澱粉、および約6%の炭酸カルシウムと共に使用してパネルを形成した。パーライトと粉砕ヒマワリ種殻の量を以下に示している。得られた乾燥ベースマットの性状も表に示している。
【0191】
【表17】

【0192】
上記したように、粉砕ヒマワリ種殻を含むベースマットは、コントロール品(テストNo.1)より良好な音響吸収体であり、高いeNRC値で示されている。
【0193】
再生可能成分を含む建築材料として使用されるパネルの特別の実施形態を示して記載したが、当業者であれば、以下の特許請求の範囲に記載された範囲から逸脱することなく変更、修正できるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築材料として使用されるパネルであって、再生可能成分を重量で約0.1%〜約95%含んでなり、CAC値が少なくとも約25、NRC値が少なくとも約0.25、およびSTC値が少なくとも約25であることを特徴とするパネル。
【請求項2】
前記再生可能成分が、
稲籾殻、ソバ籾殻、ピーナッツ殻とクルミ殻を含むナッツ殻、小麦殻、オート麦殻、ライ麦殻、木綿種殻、ココナッツ殻、トウモロコシ糠、トウモロコシ穂、ヒマワリ種、稲藁、
小麦藁、大麦藁、オート麦藁、ライ麦藁、アフリカハネガヤ(Espart)、ソルガム(sorghum)藁、葦、竹、サイザル麻(sisal)、サバイ(Sabai)、苧麻(ramie)、バガス(bagasse)、亜麻(flax)、ケナフ(kenaf)、黄麻(jute)、麻(hemp)、マニラ麻(abaca)、鋸屑、木材チップ、あるいはこれらの組合せ、であることを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項3】
eNRCが、少なくとも約0.20であることを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項4】
前記MOR値が、少なくとも約80psiであることを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項5】
展炎指数が、約25以下であることを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項6】
前記再生可能成分が、目開きが約0.312インチ(8000μ)のメッシュスクリーンを通り抜け、目開きが約0.0059インチ(655μ)のメッシュスクリーン上に残留する粒子であることを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項7】
さらに、乾燥パネルの重量で、一種以上のファイバーを約0.1%から約95%と、一種以上のバインダーを約1%から約30%とを含むことを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項8】
請求項1に記載のパネルの製造方法であって、
再生可能成分を選択するステップ、
前記再生可能成分を、一種以上のファイバー、バインダーを、水と一緒にして水性スラリーを形成するステップ、
小孔のあるワイヤー上で、前記水性スラリーからベースマットを形成するステップ、
前記ベースマットから水を除くステップ、および
前記ベースマットを仕上げるステップ、からなることを特徴とするパネルの製造方法。
【請求項9】
前記再生可能成分が、稲籾殻、ソバ籾殻、ピーナッツ殻とクルミ殻を含むナッツ殻、小麦殻、オート麦殻、ライ麦殻、木綿種殻、ココナッツ殻、トウモロコシ糠、トウモロコシ穂、ヒマワリ種、稲藁、小麦藁、大麦藁、オート麦藁、ライ麦藁、アフリカハネガヤ(Espart)、ソルガム(sorghum)藁、葦、竹、サイザル麻(sisal)、サバイ(Sabai)、苧麻(ramie)、バガス(bagasse)、亜麻(flax)、ケナフ(kenaf)、黄麻(jute)、麻(hemp)、マニラ麻(abaca)、鋸屑、木材チップ、あるいはこれらの組合わせ、であることを特徴とする請求項8に記載のパネル製造方法。
【請求項10】
さらに前記再生可能成分の粒径を揃えるステップを有することを特徴とする請求項8に記載のパネルの製造方法。

【公表番号】特表2011−518266(P2011−518266A)
【公表日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−505074(P2011−505074)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【国際出願番号】PCT/US2009/039128
【国際公開番号】WO2009/129051
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(595026667)ユーエスジー インテリアーズ,インコーポレーテツド (20)
【Fターム(参考)】