説明

再生装置および再生方法、並びにプログラム

【課題】ユーザによるタッチパネルの操作に応じてデータの再生を制御する場合において、ユーザが所望のデータをフレーム単位の精度で容易に検索する。
【解決手段】ドライブ制御部は、ユーザによるタッチパネル21の操作に応じて、素材データをフレーム単位で再生する。駆動部は、各フレームの素材データが再生されるごとに、タッチパネル21を振動させる。本発明は、例えば、データをフレーム単位またはフィールド単位で再生する再生装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生装置および再生方法、並びにプログラムに関し、特に、ユーザによるタッチパネルの操作に応じてデータの再生を制御する場合において、ユーザが所望のデータをフレーム単位の精度で容易に検索することができるようにした再生装置および再生方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
編集者は、画像を編集する場合、編集装置において、例えば編集対象とする画像を再生させ、再生された画像を見ながら編集点の画像を検索する。
【0003】
このような編集装置に設けられる、再生を制御するためのインターフェースとしては、例えば、タッチパネルが設けられた表示装置に表示されるサーチバーがある(例えば、特許文献1参照)。このサーチバーが設けられた編集装置では、ユーザにより手指が接触されたサーチバーの位置に対応した再生速度および方向で再生が行われる。
【0004】
一方、タッチパネルにおいて、ユーザが手指を接触すると、ユーザが音として感知可能な音声振動と、ユーザの触覚を刺激する触覚振動を行うことが考案されている(例えば、特許文献2参照)。また、タッチパネルが設けられた表示装置に表示される操作子としては、直線状や円形状のものがある。
【0005】
【特許文献1】特開2006−301736号公報
【0006】
【特許文献2】特開2007−122501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、業務用の画像編集などにおいては、フレーム単位の精度で画像を編集することが要求される。従って、編集点付近でのフレーム調整は重要である。しかしながら、画像の動きが少ない場合、再生された画像を見てもフレームの切り替わりが分かりにくく、編集点付近でのフレーム調整は困難であった。
【0008】
また、編集者は、編集点付近でのフレーム調整を行う際、例えば編集点を検索するタイムコードの範囲を決定し、その範囲内の再生された画像を見ながら、フレーム単位の精度で編集点を検索する。従って、ユーザは、例えば、表示装置に表示される、再生された画像と、その画像のタイムコードの両方を確認しながら、編集点を検索しなければならず、画像とタイムコードの表示位置が離れている場合、ユーザは視線を動かす必要があり、不便であった。
【0009】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザによるタッチパネルの操作に応じてデータの再生を制御する場合において、ユーザが所望のデータをフレーム単位の精度で容易に検索することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の側面の再生装置は、タッチパネルを有し、前記タッチパネルを振動させる再生装置において、ユーザによる前記タッチパネルの操作に応じて、データをフレーム単位で再生する再生回路と、各フレームの前記データが再生されるごとに、前記タッチパネルを振動させる振動回路とを備える。
【0011】
本発明の第1の側面の再生装置において、前記振動回路は、前記再生回路による再生の速度が略1倍速以下である場合、各フレームの前記データが再生されるごとに、前記タッチパネルを振動させ、前記再生の速度が略1倍速より大きい場合、所定の間隔で前記タッチパネルを振動させることができる。
【0012】
本発明の第1の側面の再生装置は、ユーザによる前記タッチパネルの操作に応じて、前記再生の速度を決定する決定回路をさらに設け、前記再生回路は、前記決定回路により決定された再生の速度で前記データを再生することができる。
【0013】
本発明の第1の側面の再生装置は、前記再生回路により再生されたデータに基づいて、画像を表示する表示回路をさらに設けることができる。
【0014】
本発明の第1の側面の再生方法は、タッチパネルを有し、前記タッチパネルを振動させる再生装置の再生方法において、ユーザによる前記タッチパネルの操作に応じて、データをフレーム単位で再生し、各フレームの前記データが再生されるごとに、前記タッチパネルを振動させるステップを含む。
【0015】
本発明の第1の側面のプログラムは、ユーザによるタッチパネルの操作に応じて、データをフレーム単位で再生し、各フレームの前記データが再生されるごとに、前記タッチパネルを振動させるステップを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0016】
本発明の第2の側面の再生装置は、タッチパネルを有し、前記タッチパネルを振動させる再生装置において、ユーザによる前記タッチパネルの操作に応じて、データをフィールド単位で再生する再生回路と、各フィールドの前記データが再生されるごとに、前記タッチパネルを振動させる振動回路とを備える。
【0017】
本発明の第1の側面においては、ユーザによるタッチパネルの操作に応じて、データがフレーム単位で再生され、各フレームのデータが再生されるごとに、タッチパネルが振動する。
【0018】
本発明の第2の側面においては、ユーザによるタッチパネルの操作に応じて、データがフィールド単位で再生され、各フィールドのデータが再生されるごとに、タッチパネルが振動する。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明の第1の側面によれば、再生を制御することができる。また、本発明の第1の側面によれば、ユーザによるタッチパネルの操作に応じてデータの再生を制御する場合において、ユーザが所望のデータをフレーム単位の精度で容易に検索することができる。
【0020】
本発明の第2の側面によれば、再生を制御することができる。また、本発明の第2の側面によれば、ユーザによるタッチパネルの操作に応じてデータの再生を制御する場合において、ユーザが所望のデータをフレーム単位およびフィールド単位の精度で容易に検索することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、本発明を適用した編集装置の一実施の形態の構成例を示す斜視図である。
【0022】
図1の編集装置10の筐体20の上面の中央には、タッチパネル21が積層されたディスプレイ22が設けられている。このディスプレイ22には、図中奥側に、編集対象とする画像などを表示する領域である画像領域31が設けられ、図中手前側に、編集に関する機能が割り当てられた操作子41を表示する領域である操作子領域32が設けられている。
【0023】
なお、画像領域31と操作子領域32の表示の詳細については、図5と図2で後述する。また、操作子41は、操作子領域32に表示される全ての操作子の総称である。
【0024】
また、タッチパネル21の操作子領域32に対応する領域には、ユーザの操作子41に対する操作を補助するカバーパネル23が装着される。このカバーパネル23の操作子41に対応する領域には、タッチパネル21と接する底面から上面に向かって大きくなるように穴部42が設けられている。これにより、ユーザは、穴部42を手掛かりにして、手指の感触で操作子41の位置を認識することができる。その結果、ユーザは、ブラインドタッチを行うことができる。
【0025】
また、カバーパネル23は透明な素材で構成され、これにより、ユーザは、カバーパネル23とタッチパネル21を介して、操作子領域32に表示される文字などを視認することができる。
【0026】
ユーザは、ディスプレイ22に表示される所望の操作子41に対応する、タッチパネル21上の位置を手指などで接触することにより、操作子41に対する操作を行う。ユーザは、操作子41に対する操作を行い、例えば、編集の素材となる画像や音声のデータである素材データをフレーム単位で再生させることにより、編集点を検索する。
【0027】
このとき、編集装置10は、再生速度に応じて、各フレームの素材データが再生されるごとに、タッチパネル21の表面を1フレームの再生時間(例えば1/30秒)以内でパルス的に振動させたり、所定の間隔で、タッチパネル21の表面を、その間隔の時間以内でパルス的に振動させたりする。
【0028】
その結果、ユーザは、タッチパネル21の表面の振動を手指などで感知することにより、再生中であることを認識することができる。
【0029】
また、各フレームの素材データが再生されるごとに、タッチパネル21の表面がパルス的に振動する場合、画像の動きが少ない場合であっても、ユーザは、タッチパネル21の表面の振動を手指などで感知することにより、フレームの切り替わりを容易かつ正確に認識することができる。その結果、ユーザは、所望の素材データをフレーム単位の精度で容易に検索することができる。
【0030】
以上のように、編集装置10では、再生中であることやフレームが切り替わったことを、手指などにより感知することができるので、編集装置10は、ユーザがブラインドタッチを行う場合に特に適している。
【0031】
図2は、図1の操作子領域32の画面の例を示している。
【0032】
図2に示すように、操作子領域32には、操作子111が、操作子領域32の右上側の、カバーパネル23に設けられた正方形の穴部42に対応する位置に、一辺が12の正方形で表示される。
【0033】
なお、操作子111の内部には、編集元(SOURCE)を表す「SRC」という文字が表示され、操作子111は、編集元である素材データの再生に関する指示を行うときに操作される。ユーザは、操作子111を操作した後、後述する操作子113乃至122を操作することにより、素材データの再生に関する各種の指示を行うことができる。
【0034】
また、操作子領域32には、操作子112が、操作子111の右側の、カバーパネル23に設けられた正方形の穴部42に対応する位置に表示される。
【0035】
なお、操作子112の内部には、編集先(DESTINATION)を表す「DST」という文字が表示され、操作子112は、編集先である編集結果の再生に関する指示を行うときに操作される。ユーザは、操作子112を操作した後、後述する操作子113乃至122を操作することにより、編集結果の再生に関する各種の指示を行うことができる。また、操作子111と112の上側には、操作子111乃至122の全体の機能である再生制御の指示を表す「PLAYBACK CONTROL」という文字が表示される。
【0036】
さらに、操作子領域32には、操作子113が、操作子111の左下側の、カバーパネル23に設けられた円形の穴部42に対応する位置に、直径が12である円形で表示される。なお、操作子113の内部には、巻き戻し(REWIND)を表すマークが表示され、操作子113は、素材データまたは編集結果の巻き戻し再生を指示するときに操作される。
【0037】
他の操作子114乃至139についても同様に、カバーパネル23に設けられた穴部42に対応する位置に表示される。具体的には、操作子114は、操作子113の右上側の、カバーパネル23に設けられた円形の穴部42に対応する位置に、内部に停止(STOP)を表すマークが表示された円形で表示され、素材データまたは編集結果の再生の停止を指示するときに操作される。
【0038】
操作子115は、操作子114の右側の、カバーパネル23に設けられた円形の穴部42に対応する位置に、内部に再生(PLAY)を表すマークが表示された円形で表示され、素材データまたは編集結果の再生を指示するときに操作される。操作子116は、操作子115の右下側の、カバーパネル23に設けられた円形の穴部42に対応する位置に、内部に早送りを表すマークが表示された円形で表示され、素材データまたは編集結果の早送り再生を指示するときに操作される。
【0039】
操作子117は、操作子114と115の下側の、カバーパネル23に設けられた円形の穴部42に対応する位置に円形で表示され、素材データまたは編集結果の再生位置の移動を指示するときに、円周方向にスライド操作される。例えば、ユーザは、操作子117内を円周に沿って時計回りにスライド操作することにより、再生位置の後方への移動を指示したり、操作子117内を円周に沿って反時計周りにスライド操作することにより、再生位置の前方への移動を指示する。
【0040】
操作子118は、操作子117の左側の、カバーパネル23に設けられた正方形の穴部42に対応する位置に、ジョグモードとシャトルモードを表す「JOG/SHTL」という文字が表示された正方形で表示され、操作子117のモードをジョグモードまたはシャトルモードに設定するための指示を行うときに操作される。なお、ジョグモードとは、操作位置の移動に応じて再生位置を移動させるモードであり、シャトルモードとは、操作位置の移動に応じて再生速度を変化させるモードである。
【0041】
なお、以下では、他の操作子と区別し易くするために、操作子117をジョグダイヤル117といい、操作子118をモードボタン118という。
【0042】
操作子119は、モードボタン118の左側の、カバーパネル23に設けられた正方形の穴部42に対応する位置に、前(PREVIOUS)を表す「PREV」という文字が表示された正方形で表示され、1つ前のクリップ(後述する)の先頭位置への再生位置の移動を指示するときに操作される。なお、クリップとは、1回の撮影処理(撮影開始から撮影終了までの撮影処理)により得られた素材データを指す。
【0043】
操作子120は、操作子119の右側かつモードボタン118の左側の、カバーパネル23に設けられた正方形の穴部42に対応する位置に、次(NEXT)を表す「NEXT」という文字が表示された正方形で表示され、1つ次のクリップの先頭位置への再生位置の移動を指示するときに操作される。
【0044】
操作子121は、操作子119の下側の、カバーパネル23に設けられた正方形の穴部42に対応する位置に、1つ前を表す「−1」という文字が表示された正方形で表示され、1つ前のフレームへの再生位置の移動を指示するときに操作される。操作子122は、操作子120の下側の、カバーパネル23に設けられた正方形の穴部42に対応する位置に、1つ次を表す「+1」という文字が表示された正方形で表示され、1つ次のフレームへの再生位置の移動を指示するときに操作される。
【0045】
操作子123は、操作子119の上側の、カバーパネル23に設けられた正方形の穴部42に対応する位置に、編集の開始位置を表す編集点であるイン点を表す「IN」という文字が表示された正方形で表示され、いまの再生位置を音声のイン点として指示するときに操作される。なお、操作子123の左側には、音声を表す「AUDIO」という文字が表示される。
【0046】
操作子124は、操作子123の右側の、カバーパネル23に設けられた正方形の穴部42に対応する位置に、編集の終了位置を表す編集点であるアウト点を表す「OUT」という文字が表示された正方形で表示され、いまの再生位置を音声のアウト点として指示するときに操作される。
【0047】
操作子125は、操作子119の上側かつ操作子123の下側の、カバーパネル23に設けられた正方形の穴部42に対応する位置に、イン点を表す「IN」という文字が表示された正方形で表示され、いまの再生位置を画像のイン点として指示するときに操作される。なお、操作子125の左側には、画像を表す「VIDEO」という文字が表示される。
【0048】
操作子126は、操作子120の上側かつ操作子124の下側の、カバーパネル23に設けられた正方形の穴部42に対応する位置に、アウト点を表す「OUT」という文字が表示された正方形で表示され、いまの再生位置を画像のアウト点として指示するときに操作される。
【0049】
操作子127は、操作子123の右上側かつ操作子124の左上側の、カバーパネル23に設けられた正方形の穴部42に対応する位置に、編集を表す「EDIT」という文字が表示された正方形で表示され、操作子125乃至127により指示された素材データのイン点からアウト点までを、いまの編集結果の再生位置に挿入するための指示を行うときに操作される。なお、操作子127の左側には、操作子123乃至128の全体の機能である編集の指示を表す「EDIT」という文字が表示される。
【0050】
操作子128は、操作子123の左下側かつ操作子125の左上側の、カバーパネル23に設けられた正方形の穴部42に対応する位置に、消去を表す「DELETE」という文字が表示された正方形で表示され、操作子123乃至126により指示された編集結果のイン点とアウト点のデータを消去するための指示を行うときに操作される。
【0051】
操作子129は、操作子領域32の左上側の、カバーパネル23に設けられた正方形の穴部42に対応する位置に正方形で表示され、画像領域31(図1)に表示されている編集結果の画像に対するズームイン効果の付加を指示するときに操作される。なお、操作子129の下側には、ズームイン効果を表す「ZOOM IN」が表示される。
【0052】
操作子130は、操作子129の右側の、カバーパネル23に設けられた正方形の穴部42に対応する位置に正方形で表示され、画像領域31に表示されている編集結果の画像に対するズームアウト効果の付加を指示するときに操作される。なお、操作子130の下側には、ズームアウト効果を表す「ZOOM OUT」が表示される。また、操作子129と130の上側には、操作子129乃至134の全体の機能である画像効果を付加するための指示を表す「VIDEO EFFECT」という文字が表示される。
【0053】
操作子131は、操作子129の下側の、カバーパネル23に設けられた正方形の穴部42に対応する位置に正方形で表示され、画像領域31に表示されている編集結果の画像に対するフェードイン効果の付加を指示するときに操作される。なお、操作子131の下側には、フェードイン効果を表す「FADE IN」が表示される。
【0054】
操作子132は、操作子130の下側の、カバーパネル23に設けられた正方形の穴部42に対応する位置に正方形で表示され、画像領域31に表示されている編集結果の画像に対するフェードアウト効果の付加を指示するときに操作される。なお、操作子132の下側には、フェードアウト効果を表す「FADE OUT」が表示される。
【0055】
操作子133は、操作子131の下側の、カバーパネル23に設けられた正方形の穴部42に対応する位置に正方形で表示され、画像領域31に表示されている編集結果の画像に対するディゾルブ効果の付加を指示するときに操作される。なお、操作子133の下側には、ディゾルブ効果を表す「DISSOLVE」が表示される。
【0056】
操作子134は、操作子132の下側の、カバーパネル23に設けられた正方形の穴部42に対応する位置に正方形で表示され、画像領域31に表示されている編集結果の画像に対するワイプ効果の付加を指示するときに操作される。なお、操作子134の下側には、ワイプ効果を表す「WIPE」が表示される。
【0057】
操作子135は、操作子130と132の右側の、カバーパネル23に設けられた長方形の穴部42に対応する位置に長方形で表示され、1チャネルの音声の音量の変更を指示するときに、長手方向にスライド操作される。また、操作子136は、操作子135の右側の、カバーパネル23に設けられた長方形の穴部42に対応する位置に長方形で表示され、2チャネルの音声の音量の変更を指示するときに、長手方向にスライド操作される。
【0058】
ユーザは、所望のチャネルの音量を大きくする場合、そのチャネルに対応する操作子135または136内を、手指などで音量の変更量に対応する分だけ上方向にスライド操作する。一方、ユーザは、所望のチャネルの音量を小さくする場合、そのチャネルに対応する操作子135または136内を、手指などで音量の変更量に対応する分だけ下方向にスライド操作する。なお、操作子135と136の上側には、操作子135と136の全体の機能である音量調節の指示を表す「AUDIO MIXER」という文字が表示される。
【0059】
操作子137は、操作子136の右側の、カバーパネル23に設けられた長方形の穴部42に対応する位置に長方形で表示され、マスタボリュームの変更を指示するときに、長手方向にスライド操作される。ユーザは、操作子137を操作子135や136と同様に操作することができる。なお、操作子137の上側には、操作子137の機能であるマスタボリュームの変更の指示を表す「MASTER VOLUME」という文字が表示される。
【0060】
操作子138は、操作子135の下側の、カバーパネル23に設けられた正方形の穴部42に対応する位置に、内部に1チャネルを表す「CH-1」が表示された正方形で表示され、1チャネルの音声データを編集結果に含めるかどうかの選択を指示するときに操作される。
【0061】
操作子139は、操作子136の下側の、カバーパネル23に設けられた正方形の穴部42に対応する位置に、内部に2チャネルを表す「CH-2」が表示された正方形で表示され、2チャネルの音声データを編集結果に含めるかどうかの選択を指示するときに操作される。操作子138と139の上側には、操作子138と139の全体の機能である音声の選択の指示を表す「AUDIO SELECT」という文字が表示される。
【0062】
以上のように、図2の操作子111乃至139は、タッチパネル21に装着されるカバーパネル23の穴部42に対応する位置に、対応する形状で表示されるので、ユーザは、タッチパネル21の操作子111乃至139の表示位置に対応する位置を手指などで接触し、編集に関する各種の指示を入力することができる。
【0063】
また、上述したように、カバーパネル23は透明な素材で構成されているので、ユーザは、操作子111乃至139の近傍の、穴部42に対応する位置以外の位置に表示される操作子111乃至139の機能を表す文字を、カバーパネル23を介して視認することができる。その結果、ユーザは、操作子111乃至139の機能を容易に認識することができる。
【0064】
図3は、図1の編集装置10の構成例を示すブロック図である。
【0065】
図3のCPU(Central Processing Unit)151は、ROM(Read Only Memory)152、または、後述する記録部160に記憶されているプログラムにしたがって各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)153には、CPU151が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU151、ROM152、およびRAM153は、バス154により相互に接続されている。なお、CPU151、ROM152、およびRAM153は、マイクロコンピュータにより構成されるようにしてもよい。
【0066】
CPU151にはまた、バス154を介して入出力インターフェース155が接続されている。入出力インターフェース155には、図1のタッチパネル21を含むタッチパネル部171などよりなる入力部156、タッチパネル21の表面をパルス的に振動させる駆動部157、ディスプレイ22などよりなる出力部158が接続されている。
【0067】
タッチパネル部171は、ユーザの手指などの接触によりタッチパネル21にかかる圧力を検知し、その圧力を検知した位置を表す操作位置情報をCPU151に入力する。CPU151は、例えば、入力部156からの入力に対応して各種の処理を実行し、処理の結果を出力部158に出力する。
【0068】
例えば、CPU151は、タッチパネル部171から入力される操作位置情報に対応して、記録部160にフレーム単位で記録されている素材データをノンリニア編集する編集処理を行う。
【0069】
具体的には、CPU151は、タッチパネル部171から入力される操作位置情報に対応して、ドライブ159を制御し、ジョグダイヤル117(図2)の操作に対応する再生方向と再生速度で、記録部160に記録されているフレーム単位の素材データを再生する。そして、CPU151は、再生された素材データのうちの画像データをディスプレイ22に供給することにより、その画像データに基づく画像をディスプレイ22に表示させる。
【0070】
また、CPU151は、タッチパネル部171から入力される操作位置情報に対応して、操作子123または125もしくは操作子124または126の操作により編集点として指示された位置を、素材データの編集結果に関する情報を表すエディットリストに記述し、そのエディットリストを、ドライブ159を介して記録部160に記録させる。
【0071】
さらに、CPU151は、タッチパネル部171から入力される操作位置情報に対応して、エディットリストにしたがって、記録部160に記録に記録されている素材データを再生することにより、編集結果の画像を出力部158のディスプレイ22に表示させる。
【0072】
また、CPU151は、記録部160から再生された素材データのフレームが切り替わるたびに、フレームの切り替わりを表すフレーム切り替わり信号を発生する。CPU151は、ジョグダイヤル117の操作に対応して略1倍速以下の再生速度での素材データの再生中、フレーム切り替わり信号に応じて、タッチパネル21の表面を1フレームの再生時間以内でパルス的に振動させるための駆動信号を、タッチパネル駆動部157に供給する。これにより、各フレームの素材データが再生されるごとに、タッチパネル21の表面がパルス的に振動する。
【0073】
入出力インターフェース155に接続されているドライブ159は、CPU151の制御により、ハードディスクなどからなる記録部160に、クリップ単位の素材データと、各編集処理で記述されるエディットリストを、ファイルとして記録させる。また、ドライブ159は、CPU151が実行するプログラムなどを記録部160に記録させる。さらに、ドライブ159は、CPU151の制御により、記録部160に記録されている素材データをフレーム単位で再生し、CPU151に供給する。
【0074】
通信部161は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介して外部の装置と通信する。例えば、通信部161は、ネットワークを介して外部の装置から素材データを取得し、CPU151に供給する。この素材データは、CPU151の制御により、例えば記録部160に記録される。
【0075】
入出力インターフェース155に接続されているドライブ162は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア163が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記録部160に転送され、記録される。なお、プログラムは、通信部161を介して取得され、記録部160に記録されてもよい。
【0076】
図4は、図3の編集装置10の機能的構成例を示している。
【0077】
図4では、タッチパネル部171は、タッチパネル21と圧力検知部181により構成される。圧力検知部181は、ユーザの手指などの接触によりタッチパネル21にかかる圧力を検知し、操作位置情報をCPU151に入力する。
【0078】
図4のCPU151は、制御信号発生部191、ドライブ制御部192、出力制御部193、および駆動信号発生部194により構成される。
【0079】
制御信号発生部191は、タッチパネル部171の圧力検知部181から供給される操作位置情報に基づいて、その操作位置情報が表す位置の操作子41に対応する処理を行う。
【0080】
例えば、制御信号発生部191は、図2のモードボタン118の位置を表す操作位置情報に基づいて、ジョグダイヤル117のモードをジョグモードまたはシャトルモードに設定する。
【0081】
また、制御信号発生部191は、ジョグダイヤル117内の位置を表す操作位置情報と、ジョグダイヤル117のモードとに基づいて、その操作位置情報が表す位置に対応する再生方向と再生速度を決定する。そして、制御信号発生部191は、その再生方向と再生速度で再生を行うための制御信号である再生制御信号を発生し、ドライブ制御部192に供給するとともに、タッチパネル21の振動の種類を表す制御信号である振動制御信号を発生し、駆動信号発生部194に供給する。
【0082】
ドライブ制御部192は、制御信号発生部191から供給される再生制御信号に基づいて、ドライブ159を制御し、その再生制御信号に対応する再生方向と再生速度で、記録部160に記録されている素材データをフレーム単位で再生する。ドライブ159により記録部160から再生されたフレーム単位の素材データは、出力制御部193に供給される。
【0083】
出力制御部193は、ドライブ159から供給されるフレーム単位の素材データのうちの画像データをディスプレイ22に供給し、その画像データに対応する画像をディスプレイ22に表示させる。また、出力制御部193は、ドライブ159から供給される素材データのフレームが切り替わるたびに、フレーム切り替わり信号を発生し、駆動信号発生部194に供給する。
【0084】
駆動信号発生部194は、制御信号発生部191から供給される振動制御信号と、出力制御部193から供給されるフレーム切り替わり信号とに基づいて、駆動部157を制御し、タッチパネル21の表面をパルス的に振動させる。
【0085】
図5は、図1の画像領域31に表示される画面の例を示している。
【0086】
図5の画像領域31は、画像表示領域201および202、タイムコード表示領域203および204、並びにタイムライン表示領域205により構成される。
【0087】
画像表示領域201には、素材データの再生が指示されたとき、その素材データに対応する画像が表示される。画像表示領域202には、編集結果の再生が指示されたとき、その編集結果に対応する画像が表示される。
【0088】
タイムコード表示領域203には、画像表示領域201に表示されている画像のFTC(File Time Code)が左側に表示され、その画像に対応するクリップの終端のFTCが右側に表示される。なお、このFTCは、各ファイルの先頭フレームの番号を「0」とし、その先頭フレームから順番に、各フレームに割り当てられる相対的な位置情報である。
【0089】
以上のように、編集装置10では、タイムコード表示領域203に、再生中の素材データの画像のFTCが表示されるので、ユーザは、編集点付近でのフレーム調整を行う際、編集点を検索するFTCの範囲である検索範囲を認識することができる。
【0090】
そこで、ユーザは、認識した探索範囲に対応するパルス的な振動の回数を算出する。その結果、各フレームが再生されるたびにタッチパネル21の表面がパルス的に振動する場合、ユーザは、タッチパネル21上に手指などを置いて振動を感知することにより、算出したパルス的な振動の回数に基づいて、画像表示領域201に表示されている画像だけを見ながら、検索範囲内の編集点を検索することができる。
【0091】
例えば、ユーザは、画像表示領域201に現在表示されている画像のFTCの前後0.5秒間(15フレーム)を検索範囲として認識した場合、ジョグダイヤル117を操作することにより、前進再生と後退再生を行い、その結果画像表示領域201に表示される画像を見ながら、それぞれの再生においてタッチパネル21のパルス的な振動の回数が15回以内の間で編集点を検索する。これにより、ユーザは、検索範囲内の編集点を容易に検索することができる。
【0092】
タイムコード表示領域204には、画像表示領域202に表示されている画像の、編集結果を1ファイルとしたときのFTCが左側に表示される。また、タイムコード表示領域204には、画像表示領域202に表示されている画像に対応する編集結果を1ファイルとしたときの終端のFTCが右側に表示される。
【0093】
タイムライン表示領域205には、画像表示領域202に表示されている画像に対応する編集結果のうちの画像データの時系列の情報を表示する画像ライン領域211、その編集結果のうちの音声データの時系列の情報を表示する音声ライン領域212、およびポインタ213が表示される。
【0094】
画像ライン領域211には、画像を表す「ビデオ」という文字が左側に表示され、画像ライン211Aが右側に表示される。画像ライン211Aは、横軸が編集結果を1ファイルとしたときのFTCの先頭から末尾までの範囲を表す四角形であり、クリップ単位の編集結果の先頭位置のFTCに対応する位置で区切られている。
【0095】
なお、画像ライン211Aにおいて、クリップ単位の編集結果の各先頭位置に対応する位置で区切られることにより形成される四角形の中には、クリップ単位の編集結果のうちの画像データに対応するサムネイル画像が表示されてもよい。
【0096】
音声ライン領域212には、音声を表す「オーディオ」という文字が左側に表示され、音声ライン212Aが右側に表示される。音声ライン212Aは、横軸が編集結果を1ファイルとしたときのFTCの先頭から末尾までの範囲を表す四角形であり、編集結果として出力可能な音声データのチャネルの数に縦方向に分割されている。図5の例では、編集結果として出力可能な音声データのチャネルの数は2つであり、音声ライン212Aは、縦方向に2つに分割されている。2つに分割された四角形のそれぞれには、対応するチャネルの音声の信号のレベルが表示される。
【0097】
ポインタ213は、編集結果における、画像表示領域202に表示されている画像の位置を表している。ポインタ213は、画像ライン領域211と音声ライン領域212上の、画像表示領域202に表示されている画像のFTCに対応する位置に表示される。
【0098】
次に、図6を参照して、CPU151による、タッチパネル21の表面をパルス的に振動させる振動処理について説明する。この振動処理は、例えば、圧力検知部181から操作位置情報が入力されたとき、開始される。
【0099】
ステップS11において、制御信号発生部191は、圧力検知部181から供給される操作位置情報に基づいて、ユーザによりモードボタン118に対する操作が行われたかを判定する。ステップS11で、モードボタン118に対する操作が行われたと判定された場合、ステップS12において、制御信号発生部191は、ジョグダイヤル117のモードを、ジョグモードとシャトルモードの一方から他方へ変更し、処理はステップS13に進む。
【0100】
一方、ステップS11で、モードボタン118に対する操作が行われたと判定されていない場合、処理はステップS13に進む。
【0101】
ステップS13において、制御信号発生部191は、圧力検知部181から供給される操作位置情報に基づいて、ユーザによりジョグダイヤル117に対する操作が行われたかを判定する。ステップS13で、ジョグダイヤル117に対する操作が行われていないと判定された場合、処理は終了する。
【0102】
一方、ステップS13で、ジョグダイヤル117に対する操作が行われたと判定された場合、ステップS14において、制御信号発生部191は、ジョグダイヤル117のモードと操作位置情報に基づいて、再生方向と再生速度を決定する。そして、制御信号発生部191は、その再生方向と再生速度で再生を行うための再生制御信号を発生し、ドライブ制御部192に供給する。
【0103】
ステップS15において、ドライブ制御部192は、制御信号発生部191から供給される再生制御信号に基づいて、ドライブ159を制御し、その再生制御信号に対応する再生方向と再生速度で、記録部160に記録されている素材データをフレーム単位で再生する。
【0104】
ステップS16において、制御信号発生部191は、ステップS14で決定された再生速度が略1倍速以下であるかを判定する。ステップS16で、再生速度が略1倍速以下であると判定された場合、ステップS17において、制御信号発生部191は、振動の種類として、フレーム切り替わり信号に応じた振動を表す振動制御信号を駆動信号発生部194に供給する。
【0105】
ステップS18において、駆動信号発生部194は、出力制御部193から供給されるフレーム切り替わり信号に応じて、駆動部157を制御し、パルス的にタッチパネル21の表面を振動させ、処理を終了する。
【0106】
一方、ステップS16で、再生速度が略1倍速以下であると判定されない場合、即ち、再生速度が略1倍速より速い場合、ステップS19において、制御信号発生部191は、振動の種類として、所定の間隔の振動を表す振動制御信号を駆動信号発生部194に供給する。
【0107】
ステップS20において、駆動信号発生部194は、駆動部157を制御し、再生速度が略1倍速であるときのフレーム切り替わり信号の発生間隔で、パルス的にタッチパネル21の表面を振動させ、処理を終了する。
【0108】
なお、上述した説明では、素材データがフレーム単位で記録されている場合について説明したが、素材データはフィールド単位で記録されていてもよい。この場合、出力制御部193は、記録部160から再生された素材データのフィールドが切り替わるたびに、フィールドの切り替わりを表すフィールド切り替わり信号を発生し、駆動信号発生部194に供給する。その結果、1倍速以下の再生速度で再生中、各フィールドの素材データが再生されるごとに、1フィールドの再生時間(例えば1/60秒)以内でパルス的にタッチパネル21の表面が振動される。
【0109】
また、駆動部157は、タッチパネル21全体の表面を振動させてもよいし、ジョグダイヤル117が表示される領域に対応する、タッチパネル21の表面の領域だけを振動させてもよい。
【0110】
さらに、本発明は、ノンリニア編集を行う編集装置だけでなく、データをフレーム単位またはフィールド単位で再生する、その他の再生装置にも適用することができる。
【0111】
また、本明細書において、プログラム記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0112】
さらに、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明を適用した編集装置の一実施の形態の構成例を示す斜視図である。
【図2】図1の操作子領域の画面の例を示す図である。
【図3】図1の編集装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】図3の編集装置の機能的構成例を示すブロック図である。
【図5】図1の画像領域に表示される画面の例を示す図である。
【図6】CPUによる振動処理について説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0114】
21 タッチパネル, 22 ディスプレイ, 157 駆動部, 191 制御信号発生部, 192 ドライブ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルを有し、前記タッチパネルを振動させる再生装置において、
ユーザによる前記タッチパネルの操作に応じて、データをフレーム単位で再生する再生回路と、
各フレームの前記データが再生されるごとに、前記タッチパネルを振動させる振動回路と
を備える再生装置。
【請求項2】
前記振動回路は、前記再生回路による再生の速度が略1倍速以下である場合、各フレームの前記データが再生されるごとに、前記タッチパネルを振動させ、前記再生の速度が略1倍速より大きい場合、所定の間隔で前記タッチパネルを振動させる
請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
ユーザによる前記タッチパネルの操作に応じて、前記再生の速度を決定する決定回路
をさらに備え、
前記再生回路は、前記決定回路により決定された再生の速度で前記データを再生する
請求項2に記載の再生装置。
【請求項4】
前記再生回路により再生されたデータに基づいて、画像を表示する表示回路
をさらに備える
請求項1に記載の再生装置。
【請求項5】
タッチパネルを有し、前記タッチパネルを振動させる再生装置の再生方法において、
ユーザによる前記タッチパネルの操作に応じて、データをフレーム単位で再生し、
各フレームの前記データが再生されるごとに、前記タッチパネルを振動させる
ステップを含む再生方法。
【請求項6】
ユーザによるタッチパネルの操作に応じて、データをフレーム単位で再生し、
各フレームの前記データが再生されるごとに、前記タッチパネルを振動させる
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項7】
タッチパネルを有し、前記タッチパネルを振動させる再生装置において、
ユーザによる前記タッチパネルの操作に応じて、データをフィールド単位で再生する再生回路と、
各フィールドの前記データが再生されるごとに、前記タッチパネルを振動させる振動回路と
を備える再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−93450(P2009−93450A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−264006(P2007−264006)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】