説明

再生装置

【課題】受信したコンテンツのリスト若しくは内部に保存しているコンテンツのリストを表示部に表示する際に、一度に表示するリストの量を減らし、いわゆるページ単位で切り換えて表示していくようにする。
【解決手段】受信した若しくは内部に保存しているコンテンツのリストを1ページサイズで複数ページに分割してリスト格納部15に格納するページ分割手段21と、装置本体と有線または無線による通信手段21aを介して接続されたページ切換手段21と、ページ切換手段21の操作に従って表示部18に表示する分割リストのページを切り換える制御部12とを備え、前記ページ切換手段21は、装置本体の近傍に設置する台座部と、この台座部上で回転させる疑似アンテナ部とからなり、前記制御部12は、疑似アンテナ部の回転操作に従って表示部18に表示している分割リストのページを切り換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信したコンテンツのリスト若しくは内部に保存しているコンテンツのリストを表示する表示部を備えた再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク上に多くのラジオ局(コンテンツ配信サーバ)が開設されており、これらラジオ局から提供されているコンテンツの数も膨大なものになっている。そして、これらラジオ局からの放送(コンテンツの配信)を受信して再生する再生装置(例えば、インターネットラジオ装置や、インターネットラジオソフトを搭載したパーソナルコンピュータ等)も種々のものが提案されている(例えば、特許文献1,2等参照)。
【0003】
特許文献1に記載のラジオ装置は、 ネットワークに接続されたサーバに一意に割り当てられたIPアドレスを用い、ネットワークを介して音情報を配信するサーバを検索する検索部と、ユーザの操作に応じてIPアドレスを設定するアドレス設定部と、アドレス設定部によって設定されたIPアドレスと検索部によって検索されたサーバのIPアドレスとが不一致の場合に、これらのIPアドレスの差に応じた局間音を生成する局間音生成部とを備えた構成となっている。このような構成により、ネットワーク上に開設されたラジオ局の放送をユーザが容易に探し出して受信できるようになっている。
【0004】
また、特許文献2に記載の情報配信システムは、それぞれ番組コンテンツ情報を配信する複数のインターネットラジオ局サーバからなるインターネットラジオ局と、各ラジオ局サーバからの番組コンテンツ情報の内容を検索するための番組検索情報を有する放送内容検索サーバとを含む情報提供システムに対し、インターネットラジオ装置から、インターネットを介して希望する放送内容を検索するための番組検索要求を行うと、放送内容検索サーバがこれに対応して、検索条件を満たす内容の配信を行うインターネットラジオ局サーバを含む検索結果をインターネットラジオ装置に提供する構成となっている。このような構成により、インターネットラジオ装置は、配信を希望するインターネットラジオ局サーバを容易に見つけ出すことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−158598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載のラジオ装置では、ユーザによってIPアドレスを設定することで、ネットワーク上に開設されたラジオ局の放送を容易に探し出して受信できるようになっている。しかし、受信したラジオ局から送信されてくる番組表を表示する場合、番組表に含まれているコンテンツリストの数が多い場合には、その番組表一覧を表示画面に一度に表示することができない。従って、ユーザは、ラジオ装置の操作部を操作してその番組表を画面上でスクロールする等して、所望するコンテンツを探さなければならないといった問題があった。
【0007】
また、上記特許文献2記載の情報配信システムでは、インターネットラジオ装置が番組検索要求を行うと、放送内容検索サーバから検索条件を満たすインターネットラジオ局サーバの情報が送信されてくるようになっている。これにより、所望のインターネットラジオ局サーバにアクセスすることで、当該サーバから番組表を受信することができる。しかし、受信した番組表を表示する場合、番組表に含まれているコンテンツリストの数が多い場合には、その番組表一覧を表示画面に一度に表示することができず、従って、ユーザは、インターネットラジオ装置の操作部を操作してその番組表を画面上でスクロールする等して、所望するコンテンツを探さなければならないといった問題があった。
【0008】
すなわち、上記特許文献1,2に記載のラジオ装置の場合、受信した番組表等のリスト一覧を表示する場合に、リスト一覧を全て表示してスクロール等により順次送っていく必要があり、番組表を見るための操作が煩わしいといった問題があった。また、このようなスクロールによる表示では、スクロールが速過ぎた場合に再生したいコンテンツを見過ごして飛ばしてしまう可能性があるといった問題もあった。さらに、受信した番組表を単に表示するだけでは、自分の再生したいコンテンツがその番組表の中のどこにあるのかを推測して探すことができず、結局は番組表の全てを隅々まで隈なく確認しながら探さなければならないといった問題もあった。
【0009】
本発明はかかる問題点を解決すべく創案されたものであり、その目的は、受信したコンテンツのリスト若しくは内部に保存しているコンテンツのリストを表示部に表示する際に、一度に表示するリストの量を減らし、いわゆるページ単位で切り換えて表示していくようにすることで、所望するコンテンツのリスト検索を容易にするとともに、昔のアナログ放送でアンテナを回転させてチューニングしたように、疑似アンテナを回転させて上記のページ切り換えを行うことで、ユーザの遊び心を刺激しつつ操作性にも優れた再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の再生装置は、受信した若しくは内部に保存しているコンテンツのリストを表示する表示部を備えた再生装置において、前記表示部の表示画面に表示できるサイズを1ページサイズとするとき、前記受信した若しくは内部に保存しているコンテンツのリストを前記1ページサイズで複数ページに分割してリスト格納部に格納するページ分割手段と、前記装置本体とは別に設置され、前記装置本体と有線または無線による通信手段を介して接続されたページ切換手段と、前記ページ切換手段の操作に従って前記表示部に表示する分割リストのページを切り換える表示切換制御手段とを備え、前記ページ切換手段は、前記装置本体の近傍に設置する台座部と、この台座部上で回転させる疑似アンテナ部とからなり、前記表示切換制御手段は、前記疑似アンテナ部の回転操作に従って前記表示部に表示している分割リストのページを切り換えることを特徴としている。
【0011】
すなわち、本発明によれば、ページ分割手段は、受信した若しくは内部に保存しているコンテンツのリストを1ページサイズで複数ページに分割してリスト格納部に格納し、表示切換制御手段は、ページ切換手段の操作に従って表示部に表示する分割リストのページを切り換えるようになっている。このように、一度に表示するリストの数を1ページサイズに収まるように減らして表示し、その分割ページを順次切り換えて表示することで、所望するコンテンツのリスト検索を漏れなく容易に、かつ、迅速に行うことができる。
【0012】
また、本発明では、ページ切換手段は、装置本体の近傍に設置する台座部と、この台座部上で回転させる疑似アンテナ部とからなり、この疑似アンテナ部を回転させることによって上記のページ切り換えを行うようになっている。すなわち、疑似アンテナを回転させるという操作は、アナログ放送の電波をより良く捉えるためにアンテナをいろんな方向に回転させて微調整するのと同じような感覚の操作であるため、ユーザにとっては昔懐かしい感覚での操作となり、リスト検索のための操作が楽しくなるといった効果も奏することができる。
【0013】
また、本発明によれば、前記ページ切換手段は、前記台座部に前記疑似アンテナ部の回転動作を検出する回転動作検出部を備え、前記表示切換制御手段は、前記回転動作検出部の動作検出信号に基づいて分割リストのページ切り換えを制御する構成としている。
【0014】
疑似アンテナ部は、その回転軸が台座部の中心部に設けられた挿通孔に挿通する形で回転可能に支持されている。回転動作検出部は、例えば台座部の挿通孔を中心として同心円状に所定の間隔(若しくは所定の回転角度)を存して配置された複数個のスイッチ端子部と、疑似アンテナ部の回転軸に設けられた1個の接点端子とからなり、疑似アンテナの回転による回転軸の回転に伴ってこの接点端子が前記スイッチ端子部に順次接触することで、その接触のたびに分割リストのページを切り換える構成とすることができる。
【0015】
また、本発明によれば、前記ページ切換手段は、前記疑似アンテナ部の回転方向を検出する回転方向検出部を備え、前記表示切換制御手段は、前記回転方向検出部の方向検出信号に基づいて分割ページのページアップまたはページダウンを制御する構成としている。
【0016】
回転方向検出部は、例えば上記回転動作検出部を構成するスイッチ端子部を第1端子と第2端子の2つの端子の組で構成する。そして、表示切換制御手段は、接点端子が第1端子に接触後に第2端子に接触した場合(すなわち、接点端子が第1端子に接触したことを示す第1信号を受信直後に、接点端子が第2端子に接触したことを示す第2信号を受信した場合)には、例えば回転軸が右方向に回転していると判定し、接点端子が第2端子に接触後に第1端子に接触した場合(すなわち、接点端子が第2端子に接触したことを示す第2信号を受信直後に、接点端子が第1端子に接触したことを示す第1信号を受信した場合)には、回転軸が左方向に回転していると判定することで、疑似アンテナの回転方向を検出することができる。従って、表示切換制御手段は、この第1信号と第2信号の検出順を確認することで、分割ページのページアップまたはページダウンを制御することができる。例えば、右回転と判定したときにはページアップし、左回転と判定した場合にはページダウンする。
【0017】
また、本発明では、前記ページ分割手段は、前記コンテンツのファイル名に基づいて50音順にリストを配列し、この配列で1ページサイズに順次分割するように構成してもよい。
【0018】
このような構成とすれば、コンテンツのリストを50音順に配列することで、ユーザは例えば検索したいコンテンツのファイル名からそのコンテンツがリストのどのページにあるのかを特定することができるので、ファイルの検索をより迅速に行うことが可能となる。
【0019】
また、本発明では、前記ページ分割手段は、前記コンテンツの配信日時に基づいて最新のものからリストを配列し、この配列で1ページサイズに順次分割するように構成してもよい。
【0020】
このような構成とすれば、コンテンツの配信日時順に配列することで、例えば最新に配信されたコンテンツを検索したい場合には、分割リストの1ページ目から見ていけばよいので、検索時間を大幅に短縮することができる。
【0021】
また、本発明では、ユーザによって操作される操作入力手段を備え、前記ページ分割手段は、前記操作入力手段によって入力されたアーティスト名に基づいて当該アーティストごとにコンテンツのリストを配列し、この配列で1ページサイズに順次分割するように構成してもよい。
【0022】
このような構成とすれば、ユーザは所望するアーティストのページを表示することで、所望するコンテンツを簡単に検索することができる。
【0023】
また、本発明では、前記ページ分割手段は、前記コンテンツのファイル名に基づいて50音順にリストを配列し、この配列で1ページサイズに順次分割する第1分割機能と、前記コンテンツの配信日時に基づいて最新のものからリストを配列し、この配列で1ページサイズに順次分割する第2分割機能と、前記コンテンツのアーティスト名に基づいて当該アーティストごとにコンテンツのリストを配列し、この配列で1ページサイズに順次分割する第3分割機能とを備え、前記ページ切換手段の前記台座部に、前記各分割機能のいずれか1つの機能を選択する選択手段が設けられた構成としてもよい。ここで、前記選択手段としては、それぞれの機能を選択するために個別に設けられた選択ボタン、または回転操作によってそれぞれの機能を選択する回転つまみとすることができる。
【0024】
このように、台座部に選択手段を設けることで、リストの配列をユーザが自由に選択することができる。すなわち、ユーザの使用形態に応じて、リスト配列を自由に選択できるので、ユーザにとっては極めて使い勝手のよいリスト表示とすることができる。
【0025】
なお、上記したコンテンツのリストとは、具体的にはネットワーク上に開設されているラジオ局から受信した音情報の番組表のことである。すなわち、本発明の再生装置は、インターネットラジオ装置や、インターネットラジオソフトを搭載したパーソナルコンピュータ等のことである。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、一度に表示するリストの数を1ページサイズに収まるように減らして表示し、その分割リストをページ単位で順次切り換えて表示する構成としたので、所望するコンテンツのリスト検索を漏れなく容易に、かつ、迅速に行うことができる。
【0027】
また、ページ切換手段は、装置本体の近傍に設置する台座部と、この台座部上で回転させる疑似アンテナ部とからなり、この疑似アンテナ部を回転させることによってページ切り換えを行う構成としている。すなわち、疑似アンテナを回転させるという操作は、アナログ放送の電波をより良く捉えるためにアンテナをいろんな方向に回転させて微調整するのと同じような感覚の操作であるため、ユーザにとっては昔懐かしい感覚での操作となり、リスト検索のための操作が楽しくなるといった効果も奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態に係る再生装置の機能ブロック図である。
【図2】実施形態に係るページ切換手段を備えた再生装置を正面から見た説明図である。
【図3】実施形態に係るページ切換手段の一構成例を示しており、(a)は正面から見た説明図、(b)は上から見た平面図である。
【図4】実施形態に係る回転動作検出部の一構成例を示しており、(a)は、台座部を正面から見た断面図、(b)は、(a)のA−A線に沿う平面より見た断面図である。
【図5】実施形態に係る回転方向検出部の構成例を一部拡大して示す平面図である。
【図6】(a)は、実施形態に係る選択手段の一例を示す台座部の正面図、(b)は、実施形態に係る選択手段の他の例を示す台座部の正面図である。
【図7】リスト格納部に格納されている番組表を表示部に表示して順次切り換えていく処理動作を示すフローチャートである。
【図8】複数ページの番組表のページ捲りの処理手順を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施形態に係る再生装置の機能ブロック図である。本実施形態の再生装置としては、インターネットラジオ装置や、インターネットラジオソフトを搭載したパーソナルコンピュータ等、種々の形態のものがあるが、ここではこれらに共通している機能部分の主要部の構成を示している。
【0031】
本実施形態の再生装置1は、記録媒体であるコンテンツデータベース11、制御部12、入出力部13、記録/再生部14、リスト格納部15、出力部16、操作部17、表示部18、及びスピーカ19を備えている。また、操作部17には、装置本体とは別に設置され、装置本体の操作部17と有線または無線による通信手段(通信ケーブル等)21aを介して接続されたページ切換手段21が設けられている。
【0032】
制御部12は、上記各部の動作を制御する制御ブロックであり、図示は省略しているが、CPU、動作プログラムを格納したROM、各種データの保存やプログラム動作時のワークエリアとなるRAM等により構成されている。
【0033】
入出力部13は、図示しないインターネット等のネットワークを介してインターネットラジオ局のコンテンツ配信サーバから番組表やコンテンツをダウンロードする通信部である。また、各インターネットラジオ局の番組表をまとめて提供しているサーバがある場合には、このサーバからこれらの番組表(コンテンツリスト)をダウンロードする通信部でもある。
【0034】
記録/再生部14は、入出力部13から入力された番組表やコンテンツのデータを処理し、番組表をリスト格納部15に格納するとともに、処理したコンテンツをコンテンツデータベース11に記録する。コンテンツデータベース11としては、再生装置の種類にもよるが、HD(ハードディスク)等の磁気ディスクやMD,DVD等の光ディスク系、ICカードや光カード等のカード系、あるいはフラッシュメモリ等の半導体メモリなどがある。また、記録/再生部14は、制御部12からの制御により、コンテンツデータベース11に記録されているコンテンツのデータを読み出して出力部16へ出力する再生機能も有している。また、記録/再生部14は、コンテンツデータベース11に記録するコンテンツのデータをエンコードするエンコード処理や、コンテンツデータベース11から読み出したコンテンツのデータをデコードするデコード処理を行う機能も有している。
【0035】
出力部16は、記録/再生部14から入力されるコンテンツのデータを処理し、そのコンテンツの映像信号、及び音声信号を生成して出力する。そのため、出力部16には、映像を表示する表示部18や音声を送出するスピーカ19が接続されている。表示部18は、出力部16から入力される映像信号に基づく映像を表示する。また、表示部18は、図示しないOSD回路を備えており、操作部17の操作による各種操作画面や後述する番組表も表示する。スピーカ19は、出力部16から入力される音声信号に基づく音声を送出する。
【0036】
制御部12は、表示部18の表示画面に表示できるサイズを1ページサイズとするとき、入出力部13から受信した番組表、若しくはコンテンツデータベース11に保存している番組表を1ページサイズで複数ページに分割してリスト格納部15に格納するページ分割処理や、ページ切換手段21の操作に従って表示部18に表示する番組表のページを切り換える表示切換処理を行う機能を備えている。これらの処理は、図示しないROMに予め格納されている制御プログラムによって実行される。
【0037】
リスト格納部15は、制御部12によって実行されたページ分割処理によって複数ページに分割された番組表(例えば、番組表1〜番組表10の10ページに分割された番組表)を格納する。
【0038】
操作部17は、ユーザが入力操作を行う操作ボタンや、図示していないリモコンから送られてきた制御信号を受信するリモコン受信部を備えている。また、再生装置がパーソナルコンピュータである場合には、マウスやキーボード等がこの操作部17に含まれる。
【0039】
<ページ切換手段21の説明>
【0040】
図2ないし図4は、ページ切換手段21の一構成例を示しており、図2及び図3(a)は正面から見た説明図、図3(b)は上から見た平面図、図4(a)は正面から見た断面図、図4(b)は同図(a)のA−A線に沿う断面図である。
【0041】
本実施形態のページ切換手段21は、装置本体1aの近傍に設置する円錐台形状に形成された台座部22と、この台座部22上で回転させるループ状に形成された疑似アンテナ部23とからなり、制御部12は、この疑似アンテナ部23の回転操作に従って表示部18に表示している番組表のページを切り換えるようになっている。
【0042】
すなわち、ページ切換手段21は、図4に示すように、台座部22に疑似アンテナ部23の回転動作を検出する回転動作検出部31を備えており、制御部12は、回転動作検出部31の動作検出信号に基づいて分割された番組表のページを切り換えるようになっている。
【0043】
疑似アンテナ部23は、その回転軸24が台座部22の中心部に設けられた挿通孔25に挿通する形で回転可能に支持されている。台座部22内には、挿通孔25を中心として同心円状に水平に配置された絶縁材部からなる円盤状のリング部32が設けられており、このリング部32上には、所定の間隔(挿通孔25を中心とする所定の回転角度)を存して配置された複数個のスイッチ端子部33が設けられている。一方、疑似アンテナ部23の回転軸24には、その周壁面から水平方向に延設された1本の支持杆26が設けられており、この支持杆26の先端下部に1個の接点端子35が設けられている。この接点端子35は、リング部32と同じ同心円上に配置されており、対向するスイッチ端子部33と接触するように設けられている。
【0044】
すなわち、回転動作検出部31は、リング部32上に配置された複数のスイッチ端子部33,33,・・・と、疑似アンテナ部23の回転軸24に設けられた1個の接点端子35とで構成されている。これにより、疑似アンテナ23の回転による回転軸24の回転に伴って、接点端子35が各スイッチ端子33に順次接触することで、その接触信号を検出した制御部12が、接触信号を検出するたびに分割された番組表のページを切り換えるようになっている。
【0045】
また、ページ切換手段21は、疑似アンテナ部23の回転方向を検出する回転方向検出部を備えており、制御部12は、回転方向検出部の方向検出信号に基づいて分割ページのページアップまたはページダウンを制御するようになっている。
【0046】
図5は、回転方向検出部の構成を示している。
【0047】
回転方向検出部は、上記回転動作検出部31を構成するスイッチ端子部33を第1端子33aと第2端子33bの2つの端子の組で構成することで実現している。
【0048】
すなわち、疑似アンテナ部23(すなわち、回転軸24)が右方向R(図3(b)も併せて参照)に回転すると、接点端子35は、必ず第1端子33aに接触後に第2端子33bに接触することになる。一方、疑似アンテナ部23(すなわち、回転軸24)が左方向L(図3(b)も併せて参照)に回転すると、接点端子35は、必ず第2端子33bに接触後に第1端子33aに接触することになる。
【0049】
従って、制御部12は、接点端子35が第1端子33aに接触したことを示す第1信号を受信直後に、接点端子35が第2端子33bに接触したことを示す第2信号を受信した場合には、疑似アンテナ部23(すなわち、回転軸24)が右方向Rに回転していると判定し、接点端子35が第2端子33bに接触したことを示す第2信号を受信直後に、接点端子35が第1端子33aに接触したことを示す第1信号を受信した場合には、疑似アンテナ部23(すなわち、回転軸24)が左方向Lに回転していると判定することができる。
【0050】
以上により、第1接点33a及び第2接点33bの組み合わせである複数のスイッチ端子部33,33,・・・と、疑似アンテナ部23の回転軸24に設けられた1個の接点端子35とによって、疑似アンテナ部23(すなわち、回転軸24)の回転動作と回転方向とを検出することが可能となっている。
【0051】
なお、回転動作検出部31や回転方向検出部の構成は、上記構成に限定されるものではなく、従来周知の種々の構成を用いることが可能である。例えば、図示は省略するが、上記リング部32の代わりに円盤の周囲に所定の間隔を存してスリットが形成された回転盤を配置し、この回転盤を介して上下に透過型のフォトカプラを配置し、回転盤のスリット部分がフォトカプラの発光部と受光部の間の光路を横切ることによって回転盤の回転動作と回転方向とを検出するように構成することも可能である。
【0052】
<制御部12でのページ分割処理の説明>
【0053】
表示部18の表示画面に表示できるサイズを1ページサイズとするとき、制御部12は、例えばネットワーク上のコンテンツ配信サーバ等から受信した番組表を、1ページサイズで複数ページに分割してリスト格納部15に格納する。
【0054】
ここで、番組表を複数ページに分割する処理の具体例について説明する。
【0055】
(具体例1)
【0056】
本具体例1では、番組表に含まれている各コンテンツのファイル名(具体的には曲名等)に基づいて、「あいうえお・・・」の50音順に曲名を配列し、この配列で1ページサイズに順次分割するように構成している(これを第1分割機能という)。その結果、例えば分割された番組表1(1ページ目)には頭文字が「あ」行から始まる曲名のコンテンツが列記され、番組表2(2ページ目)には頭文字が「か」行から始まる曲名のコンテンツが列記され、番組表3(3ページ目)には頭文字が「さ」行から始まる曲名のコンテンツが列記され、・・・、番組表10(10ページ目)には曲名が「わ」行から始まる曲名のコンテンツが列記された例えば10ページ分に分割された番組表が作成される。従って、リスト格納部15には、このように各行から始まる10ページ分の番組表(分割リスト)が格納されることになる。なお、上記具体例1(第1分割機能)では、各行から始まる曲名のコンテンツの数が、いずれも1ページ分に収まるものとして説明しているが、1ページ分に収まらない場合には、当然、2ページや3ページに分割することになる。
【0057】
このように、コンテンツのリスト(曲名)を50音順に配列することで、ユーザは例えば検索したいコンテンツの曲名が分かっている場合には、その曲名から、そのコンテンツが番組表のどのページに含まれているのかを容易に特定することができるので、その曲名が含まれる番組表を素早く表示部18に表示し、再生したいコンテンツを迅速に探し出して再生することが可能となる。
【0058】
(具体例2)
【0059】
本具体例2では、コンテンツの配信日時に基づいて最新のものから番組表を配列し、この配列で1ページサイズに順次分割するように構成している(これを第2分割機能という)。
【0060】
このようにコンテンツの配信日時順に配列することで、例えば最新に配信されたコンテンツを検索したい場合には、分割された1ページ目の番組表1から見ていけばよいので、検索時間を大幅に短縮することができる。
【0061】
(具体例3)
【0062】
本具体例3では、操作部17によって入力されたアーティスト名に基づいて当該アーティストごとにコンテンツの番組表を配列し、この配列で1ページサイズに順次分割するように構成している(これを第3分割機能という)。
【0063】
このようにアーティストごとに番組表を配列することで、ユーザは所望するアーティストが含まれる番組表を表示部28に表示し、所望するアーティストのコンテンツを簡単に探し出すことができる。
【0064】
ここで、制御部12でのページ分割処理を、上記で説明した具体例1(第1分割機能)〜具体例3(第3分割機能)のどの形式で行うのかを、ユーザが選択できる選択手段を設けてもよい。
【0065】
図6は、この選択手段の一例を示している。
【0066】
図6(a)に示す選択手段は、ページ切換手段21の台座部22に、上記第1分割機能〜第3分割機能のいずれか1つの機能を個別に選択するための選択ボタン41a〜41cを設けたものである。この選択ボタン41a〜41cは押しボタン式となっている。すなわち、ユーザは、例えば操作部17の操作によって表示部18に表示された図示しないメニュー画面からページ分割処理を選択すると、表示部18にはページ分割を上記第1ないし第3分割機能のどの機能で分割するのかを問い合わせる画面が表示されるので、この状態でユーザが台座部22に設けられているいずれか1つの選択ボタン41a〜41cを押すことにより、その選択された機能による分割を制御部12が行うことになる。
【0067】
また、図6(b)に示す選択手段は、ページ切換手段21の台座部22に、上記第1分割機能〜第3分割機能のいずれか1つの機能を回転操作によって選択するための回転つまみ51を設けたものである。すなわち、この回転つまみ51には指針51aが設けられており、回転つまみ51の周囲には、指針51aが示す3箇所の回転位置に図示しないスイッチ端子が設けられている。そして、台座部22には、これらスイッチ端子の位置に、各スイッチ端子がオンされたときに実施する分割機能の内容を示す文字表記と各ポイント(マーク)55a,55b,55c,55dとが設けられている。
【0068】
ここで、第1ポイント55aは、指針51aがこの位置まで回転されたときに、ページ分割処理として第1分割機能が実施されることを示しており、第2ポイント55bは、指針51aがこの位置まで回転されたときに、ページ分割処理として第2分割機能が実施されることを示しており、第3ポイント55cは、指針51aがこの位置まで回転されたときに、ページ分割処理として第3分割機能が実施されることを示している。また、第4ポイント55dは、ユーザがページ分割処理を選択しない場合の指針51aのホームポジション位置であり、指針51aがこの位置にある場合には、本装置に予め設定されているデフォルトでのページ分割処理(例えば、受信した番組表を加工することなく、そのままの順番でページ分割処理を行う第4の分割機能)を実施することになる。
【0069】
このように、台座部22に選択ボタン41a〜41cや回転つまみ51等の選択手段を設けることで、番組表の配列条件をユーザが自由に選択することが可能となる。すなわち、ユーザの使用形態に応じて、配列を自由に選択できるので、ユーザにとっては極めて使い勝手のよい番組表の表示形態とすることができる。
【0070】
<分割リストの表示処理の説明>
【0071】
次に、受信した番組表を上記いずれかの分割手法でページ分割処理し、例えば番組表1から番組表10までの10ページに分割してリスト格納部15に格納した状態において、ユーザが疑似アンテナ部23を操作して、リスト格納部15に格納されている番組表を表示部18に表示して順次切り換えていく処理動作について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。この処理動作は、制御部12が実行する。
【0072】
ユーザは、操作部17の操作によって表示部18に表示された図示しないメニュー画面から、番組表の表示処理を選択すると(ステップS1てYesと判断されると)、表示部18にはリスト格納部15に格納された例えば1ページ目の番組表1が表示される(ステップS2)。
【0073】
この状態において、制御部12は、いずれかのスイッチ端子部33から接触信号が入力されたか否かの監視を開始する(ステップS3)。
【0074】
この後、ユーザか疑似アンテナ部23を例えば右方向Rにゆっくりと回転させると、回転軸24に設けられた接点端子35が右回転方向に隣接する最初のスイッチ端子部33と接触する(ステップS3でYesと判断される)。
【0075】
制御部12は、接点端子35の接触によるスイッチ端子部33からの接触信号を受信すると、その接触信号が第1端子33aからの第1信号であるか否かを判断する(ステップS4)。そして、第1信号である場合(ステップS4でYesと判断された場合)には、次に、その直後に入力される接触信号が第2端子33bからの第2信号であるか否かを判断する(ステップS5)。その結果、入力された接触信号が第2端子33bからの第2信号であると判断した場合(ステップS5でYesと判断した場合)には、疑似アンテナ部23が右方向Rに回転されてスイッチ端子部33に接触したと判断し、この場合には、ページアップ処理を行って(ステップS6)、表示部18に次ページの番組表(すなわち、ここでは2ページ目の番組表2)を表示し(ステップS10)、ステップS3に戻る。
【0076】
一方、ステップS4において、接点端子35の接触によるスイッチ端子部33からの接触信号が第1端子33aからの第1信号でない場合(ステップS4でNoと判断された場合)には、次に、その接触信号が第2端子33bからの第2信号であるか否かを判断する(ステップS7)そして、第2信号である場合(ステップS7でYesと判断された場合)には、次に、その直後に入力される接触信号が第1端子33aからの第1信号であるか否かを判断する(ステップS8)。その結果、入力された接触信号が第1端子33aからの第1信号であると判断した場合(ステップS8でYesと判断した場合)には、疑似アンテナ部23が左方向Lに回転されてスイッチ端子部33に接触したと判断し、この場合には、ページダウン処理を行って(ステップS9)、表示部18に次ページの番組表を表示し(ステップS10)、ステップS3に戻る。
【0077】
ここで、分割された複数ページの番組表は、図8に示すように、エンドレスでページ捲り(ページの切り換え)ができるようになっている。すなわち、疑似アンテナ部23が右方向Rに回転されることによって順方向P1にページを切り換えていった場合、1ページから10ページまでいくと再び1ページに戻るようになっており、疑似アンテナ部23が左方向Lに回転されることによって逆方向P2にページを切り換えていった場合、10ページから1ページまでいくと再び10ページに戻るようになっている。従って、この場合のステップS10での前ページの番組表の表示は、10ページ目の番組表10の表示となる。
【0078】
制御部12は、疑似アンテナ部23がさらに回転されて、次に隣接するスイッチ端子部33に接点端子部35が接触し、当該スイッチ端子部33から接触信号を受信するたびに、上記ステップS3〜ステップS10の処理を繰り返すことになる。
【0079】
なお、ステップS5及びステップS8においてそれぞれNoと判断された場合(すなわち、第1信号と第2信号とが連続して検出されなかった場合)、及びステップS7においてNoと判断された場合(すなわち、スイッチ端子部33からの接触信号が第1信号でも第2信号でもないと判断された場合)には、何もせずにエラー処理して(例えば、表示部18に操作中にエラーが発生したことを示すメッセージを表示する等して)、番組表の表示処理を終了する。
【0080】
上記実施形態では、インターネットラジオ局等から受信した番組表を独自に分割してリスト格納部に格納し、ページ切換手段21によって表示部18に表示している番組表のページを切り換える構成について説明しているが、例えばパーソナルコンピュータのデータベースに大量に保存されている文書や図表、動画、静止画等の各種データのファイル名のリストを独自に分割してリスト格納部15に格納し、ページ切換手段21によってこれら各データのファイル名リストのページを切り換えていくように構成することも可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 再生装置
11 コンテンツデータベース
12 制御部
13 入出力部
14 記録/再生部
15 リスト格納部
16 出力部
17 操作部
18 表示部
19 スピーカ
21 ページ切換手段
21a 通信手段(通信ケーブル等)
22 台座部
23 疑似アンテナ部
24 回転軸
25 挿通孔
26 指示杆
31 回転動作検出部
32 リング部
33 スイッチ端子部
33a 第1端子
33b 第2端子
35 接点端子
41a〜41c 選択ボタン
51 回転つまみ
51a 指針
55a〜55d ポイント(マーク)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した若しくは内部に保存しているコンテンツのリストを表示する表示部を備えた再生装置において、
前記表示部の表示画面に表示できるサイズを1ページサイズとするとき、
前記受信した若しくは内部に保存しているコンテンツのリストを前記1ページサイズで複数ページに分割してリスト格納部に格納するページ分割手段と、
前記装置本体とは別に設置され、前記装置本体と有線または無線による通信手段を介して接続されたページ切換手段と、
前記ページ切換手段の操作に従って前記表示部に表示する分割リストのページを切り換える表示切換制御手段とを備え、
前記ページ切換手段は、前記装置本体の近傍に設置する台座部と、この台座部上で回転させる疑似アンテナ部とからなり、
前記表示切換制御手段は、前記疑似アンテナ部の回転操作に従って前記表示部に表示している分割リストのページを切り換えることを特徴とする再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の再生装置において、
前記ページ切換手段は、前記台座部に前記疑似アンテナ部の回転動作を検出する回転動作検出部を備え、
前記表示切換制御手段は、前記回転動作検出部の動作検出信号に基づいて分割リストのページ切り換えを制御することを特徴とする再生装置。
【請求項3】
請求項2に記載の再生装置において、
前記ページ切換手段は、前記疑似アンテナ部の回転方向を検出する回転方向検出部を備え、
前記表示切換制御手段は、前記回転方向検出部の方向検出信号に基づいて分割ページのページアップまたはページダウンを制御することを特徴とする再生装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の記載の再生装置において、
前記ページ分割手段は、前記コンテンツのファイル名に基づいて50音順にリストを配列し、この配列で1ページサイズに順次分割することを特徴とする再生装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の再生装置において、
前記ページ分割手段は、前記コンテンツの配信日時に基づいて最新のものからリストを配列し、この配列で1ページサイズに順次分割することを特徴とする再生装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の再生装置において、
ユーザによって操作される操作入力手段を備え、
前記ページ分割手段は、前記操作入力手段によって入力されたアーティスト名に基づいて当該アーティストごとにコンテンツのリストを配列し、この配列で1ページサイズに順次分割することを特徴とする再生装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の記載の再生装置において、
前記ページ分割手段は、前記コンテンツのファイル名に基づいて50音順にリストを配列し、この配列で1ページサイズに順次分割する第1分割機能と、前記コンテンツの配信日時に基づいて最新のものからリストを配列し、この配列で1ページサイズに順次分割する第2分割機能と、前記コンテンツのアーティスト名に基づいて当該アーティストごとにコンテンツのリストを配列し、この配列で1ページサイズに順次分割する第3分割機能とを備え、
前記ページ切換手段の前記台座部に、前記各分割機能のいずれか1つの機能を選択する選択手段が設けられていることを特徴とする再生装置。
【請求項8】
請求項6に記載の再生装置において、
前記選択手段が、それぞれの機能を選択するために個別に設けられた選択ボタン、または回転操作によってそれぞれの機能を選択する回転つまみであることを特徴とする再生装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の再生装置において、
前記コンテンツのリストがネットワーク上に開設されているラジオ局から受信した音情報の番組表であることを特徴とする再生装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−224664(P2010−224664A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−68628(P2009−68628)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】