説明

冷却ドラム及びそれを備えた真空処理装置、並びに表面処理方法

【課題】真空下で金属箔又は合金箔に表面処理する際、熱によるシワを抑制した冷却ドラム及びそれを備えた真空処理装置、並びに表面処理方法を提供する。
【解決手段】真空下で、連続的に巻出し及び巻き取られる金属箔又は合金箔10に表面処理する真空処理装置1に用いられ、表面に少なくとも40%以上の被覆率で銅酸化物層20aが形成され、金属箔又は合金箔に密着して冷却を行う冷却ドラム20である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空中で金属箔や合金箔に蒸着やスパッタリング等の表面処理を行う際に用いる冷却ドラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、真空下でフィルム等の被表面処理材を連続的に巻出し、その表面に蒸着等の表面処理した後に巻き取る真空処理装置が知られている(特許文献1)。又、蒸着の際、フィルムの熱変形を防止するため、フィルムを冷却ロールに密着させて蒸着を行っている。
このような巻取り式の真空装置は、蒸着装置又はスパッタリング装置と、被表面処理材の巻出し部及び巻取り部と、冷却ドラムと、これらを収容する真空チャンバーとを含んで構成される。さらに必要に応じて、グロー放電やイオンガンなどの前処理装置、中間ロール等を含む。
これら真空処理装置内部のロールはステンレスやアルミニウム製が多く、その表面に耐摩耗性を向上させるCrめっきやNiめっきを施すことが多い。又、被表面処理材としては、PET樹脂やポリイミド樹脂等の樹脂フィルムが多く利用されている。
【0003】
ところで、樹脂フィルムを巻き出して蒸着やスパッタリング等の表面処理を行うと、表面処理時に生じる熱によってフィルムや箔にシワが入るという問題がある。
又、樹脂フィルムの代わりに金属箔に真空下でスパッタ等の表面処理を施す場合、樹脂フィルムよりもシワが発生しやすい傾向がある。特に、金属箔が20μmよりも薄くなると、曲げに対する剛性が低くなるため、表面処理時の熱膨張によってシワが発生しやすくなる。そして、一旦シワが発生すると、シワの部分が冷却ロールと接触しなくなるために抜熱量が低下し、さらに温度が上がって熱膨張が顕著になり、最終的にシワ部が塑性変形を受けてしまう。
このようなことから、冷却ドラムの表面材質の熱膨張係数を、被表面処理材である金属箔の熱膨張係数に近いものとする技術が開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3795518号公報
【特許文献2】特開2008−248296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、冷却ドラムの表面材質の熱膨張係数を、金属箔の熱膨張係数のそれに合わせる方法は有効であるものの、冷却ロールと金属箔との間で温度差が発生してしまい、シワを完全に防止することが難しい。
すなわち、本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、真空下で金属箔又は合金箔に表面処理する際、熱によるシワを抑制した冷却ドラム及びそれを備えた真空処理装置、並びに表面処理方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは種々検討した結果、冷却ドラム表面に銅酸化物層を設けることで、冷却ドラムの摩擦係数を小さくし、金属箔のシワが、金属箔が軸方向に滑ることによって除去されることを見出した。
上記の目的を達成するために、本発明の冷却ドラムは、真空下で、連続的に巻出し及び巻き取られる金属箔又は合金箔に表面処理する真空処理装置に用いられ、表面に少なくとも40%以上の被覆率で銅酸化物層が形成され、前記金属箔又は合金箔に密着して冷却を行う冷却ドラムである。
【0007】
前記銅酸化物層の被覆率が60%以上であり、かつ前記冷却ドラムの周方向に前記銅酸化物層の非形成領域が連続しないことが好ましい。
前記銅酸化物層の厚さが0.1μm以上、100μm以下であることが好ましい。
【0008】
本発明の真空処理装置は、前記冷却ドラムと、前記金属箔又は合金箔を巻出す巻出し部と、前記巻出し部から巻出された前記金属箔又は合金箔を巻き取る巻取り部と、前記冷却ドラムに対向し、前記冷却ドラムに密着した前記金属箔又は合金箔に表面処理を行う表面処理部と、これらを収容する真空室とを備え、前記冷却ドラムは前記巻出し部と前記巻取り部との間に配置されている。
【0009】
本発明の表面処理方法は、前記真空処理装置を用い、真空中で前記金属箔又は合金箔を表面処理する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、真空下で金属箔又は合金箔に表面処理する際、熱によるシワを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る冷却ドラムを備えた真空処理装置の構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係る冷却ドラムの構成を示す断面図である。
【図3】第2の実施形態に係る冷却ドラムの構成を示す断面図である。
【図4】冷却ドラムの周方向の全周に、銅酸化物層の非形成領域が連続した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1を参照し、本発明の第1の実施形態に係る冷却ドラムを備えた真空処理装置1の構成について説明する。
図1において、真空処理装置1は、被表面処理材である金属箔10を巻出す巻出し部2と、巻出し部2から巻出された金属箔10を巻き取る巻取り部4と、冷却ドラム20と、冷却ドラム20に対向し該冷却ドラムに密着した金属箔10に表面処理を行うスパッタリング装置(表面処理部)6と、これらを収容する真空チャンバー(真空室)100とを備えている。又、冷却ドラム20は、巻出し部2と巻取り部4との間に配置され、巻出し部2から巻出された金属箔10が冷却ドラム20に密着しつつ、通箔するようになっている。なお、この実施形態では、巻出し部2と冷却ドラム20との間、及び巻取り部4と冷却ドラム20との間に複数の中間ロールが配されている。
【0013】
さらに、この実施形態では、スパッタリング装置6は、それぞれNiスパッタリング装置6a、Crスパッタリング装置6bとからなり、各スパッタリング装置はDCマグネトロンスパッタリング装置である。そして、イオンガン8も冷却ドラム20に対向して真空チャンバー100内に配置され、スパッタリング前に金属箔10の前処理を行えるようになっている。
なお、イオンガン8、Niスパッタリング装置6a、及びCrスパッタリング装置6bは冷却ドラム20の周りに周方向に沿って配置され、イオンガン8による前処理、Niスパッタリング、Crスパッタリングの順で金属箔10を処理するようになっている。
【0014】
次に、図2を参照し、本発明の特徴部分である冷却ドラム20の構成について説明する。
冷却ドラム20は円筒状をなし、軸Pの周りに回転可能になっている(図1参照)。そして、冷却ドラム20の表面に銅酸化物層20aが形成されている。
【0015】
通常、冷却ドラムの摩擦係数を低くすると冷却ドラムと金属箔の間でスリップが発生し、箔に擦り傷が生じたり、通箔速度を冷却ドラムでコントロールしている場合には通箔速度が不安定となって表面処理が不均一となるため、好ましくない。
ところが、本発明者らが検討したところ、真空中では、大気中のような空気の巻き込みによる摩擦係数の低下が起きないため、実質的な摩擦力は空気中よりも高くなる。そのため、冷却ドラムの摩擦係数を低下させてもスリップが生じ難く、一方で冷却ドラムの摩擦係数を小さくすると、表面処理(蒸着やスパッタリング等)の熱により冷却ドラム上で発生した金属箔のシワが、金属箔と冷却ドラム表面との間の滑りで解消できることが判明した。
そして、本発明者らは金属箔との摩擦係数を低下させる材料として、銅酸化物層20aが適することを見出した。銅酸化物層20aの組成としては、酸化第一銅(CuO)又は酸化第二銅(CuO)が挙げられる。特に酸化第二銅が好ましい。
【0016】
冷却ドラム20の材質としては、熱伝導率の良い銅、アルミニウム、又は銅合金若しくはアルミニウム合金を好適に用いることができる。そして、銅酸化物層20aは、例えば冷却ドラム20表面に銅めっきを施し、それを酸化して形成することができる。酸化の際には、大気中で加熱する方法、薬液を用いて化学的に酸化する方法、等を用いることが可能である。この際、酸化第二銅の比率が高くなるように酸化することが望ましい。例えば大気酸化を行う場合には少なくとも400℃以上の高温で酸化することで酸化第二銅の比率を高くすることができる。
また、銅酸化物をターゲットとし、マグネトロンスパッタ蒸着法により冷却ドラム20表面に銅酸化物層20aを成膜することも可能である。マグネトロンスパッタ蒸着法は、冷却ドラム表面に容易に銅酸化物層20aを形成することができるとともに酸化物組成を酸化第二銅とすることが容易である利点がある。
銅酸化物層20aと冷却ドラム表面との密着性を上げるため、銅酸化物層20aを形成する前の冷却ドラム表面に、グロー放電やイオンガン等の前処理を施すとよい。但し、冷却ドラム(の少なくとも表層部分)が銅合金からなり、その表面に銅酸化物層を直接形成する場合にように、冷却ドラムの材質に応じて前処理を省略することも可能である。
【0017】
冷却ドラムの表面にクロムめっきやニッケルめっき層を設け、このめっき層上に銅酸化物層20aを形成させてもよい。冷却ドラムが銅やアルミニウム等から成る場合、硬さが低く物理的にドラムに傷が付き易いため、クロムめっきやニッケルめっきで硬さを向上させて傷を防止することができる。
又、冷却ドラムの表面粗さが小さいほど、接触面積が大きくなって熱伝達が促進されるので好ましい。冷却ドラムの表面粗さは、銅酸化物層20aを形成後の算術平均粗さRaで0.2μm以下が好ましく、0.05μm以下がより好ましい。
【0018】
銅酸化物層20aの厚さが0.1μm以上、100μm以下であることが好ましい。銅酸化物層20aの厚さが0.1μm未満であると、大気中で通箔したときにスリップ等が生じたときに銅酸化物層20aが磨耗し消失するので、銅酸化物層をひんぱんに形成する必要があるため好ましくない。一方、銅酸化物層20aの厚さが100μmを超えると熱伝達に不利となり、不経済となる場合がある。また、酸化膜が脱離するトラブルも発生しやすくなる。
【0019】
ところで、上記したように、冷却ドラム20表面に銅酸化物層20aを設けることで、冷却ドラムの摩擦係数を小さくし、金属箔のシワを冷却ドラム表面との間の滑りで解消できる。しかしながら、冷却ドラムの摩擦係数を小さくし過ぎると、真空中であっても金属箔と冷却ドラム表面との滑りが良くなり過ぎて不具合が生じることがある。
そこで、図2に示すように、冷却ドラム20表面の一部に銅酸化物層20aを形成し、摩擦係数を調整することが好ましい。この場合、銅酸化物層20aを形成しない部分は、冷却ドラム20の材料の摩擦係数を示し、この部分で銅酸化物層20aより摩擦係数が大きくなる。
【0020】
さらに、冷却ドラム20の全表面に対する銅酸化物層20aの被覆率を40%以上とする。そして、上記被覆率を60%以上とし、かつ冷却ドラム20の周方向dに銅酸化物層の非形成領域が連続しないようにすると好ましい。冷却ドラム20の全表面に対する銅酸化物層20aの被覆率40%未満であると、摩擦係数の高い素地の部分で滑り難くなるため、金属箔と冷却ドラム表面との間の滑りが不十分となる場合がある。
例えば、図2の冷却ドラム20においては、軸方向Lに平行なストライプ状に銅酸化物層20aが被覆されている。この場合、周方向dから見て、周方向の一部d1に銅酸化物層20aが形成され、周方向の一部d2に銅酸化物層20aの非形成領域が存在するが、この非形成領域は周方向dの全周に連続していない。
冷却ドラム20表面に発生した金属箔のシワは、金属箔が軸方向Lに滑ることによって除去される。従って、金属箔が銅酸化物層21aと周方向の一部d1で接していれば、このd1部分では軸方向Lに沿って金属箔が引っ掛かりなく滑ることができ、金属箔のシワを除去することができる。
一方、周方向dの全周に銅酸化物層20aの非形成領域が連続していると、この非形成領域で金属箔が引っ掛かって軸方向Lに滑り難くなり、シワが除去されない傾向にあると考えられる。この点で、冷却ドラム表面に、周方向dに平行なストライプ状に銅酸化物層を被覆するのは、上記図2の場合に比べると好ましくない。
【0021】
冷却ドラム表面の一部に銅酸化物層を形成する方法としては、冷却ドラム表面にマスキングテープを貼付したり、オイルで非形成部分のパターンを形成した後、銅酸化物層を形成するためのめっきやスパッタリングを行う方法が簡便である。
なお、金属箔の種類、表面粗さ、金属箔の張力、冷却ドラムへの金属箔の巻き付け角度等のよっては、冷却ドラム表面の全面に銅酸化物層を形成しても、スリップの問題が生じないこともあり、この場合には冷却ドラム表面の全面に銅酸化物層を形成することが好ましい。
又、冷却ドラムを適用する被表面処理材としては、金属箔だけでなく合金箔が挙げられる。
【0022】
次に、図3を参照し、本発明の第2の実施形態に係る冷却ドラム21の構成について説明する。なお、冷却ドラム21は、冷却ドラム20の代わりに上記真空処理装置1に装着することができる。
図3の冷却ドラム21においては、その表面に島状に銅酸化物層21aが形成されている。この場合、周方向dから見て、周方向の一部d3に銅酸化物層21aの非形成領域が存在するが、この非形成領域は周方向dの全周に連続していない。つまり、金属箔が銅酸化物層21aと点で接していれば、軸方向Lに沿って複数の島状体に次々と接触しつつ、金属箔が軸方向Lに引っ掛かりなく滑ることができ、金属箔のシワを除去することができる。
【0023】
図4は、図3の冷却ドラム21において、銅酸化物層21aの非形成領域Lxが周方向dの全周に連続した例を示す。この場合、金属箔が軸方向Lに動こうとしても、非形成領域Lxで引っ掛かって軸方向Lに滑り難くなり、シワが除去され難い傾向がある。
【実施例】
【0024】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<真空処理装置>
図1に示すように、巻出し部2と、巻取り部4と、冷却ドラム20と、DCマグネトロンスパッタリング装置(表面処理部)6と、イオンガン8と、中間ロールと、これらを収容する真空チャンバー(真空室)100とを備えた真空処理装置1を用意した。スパッタリング装置6のターゲットとして80mass%Ni−20mass%Crを用いた(ターゲットのサイズは縦130mm、横460mm、ターゲットの枚数は1枚)。
又、冷却ドラム20としては、表1に示す各種の被覆方法、及び被覆パターン(それぞれ図2、図3、図4のもの、又はドラム表面の全面)で銅酸化物層を形成したものを用いた。なお、表1において、被覆方法が「スパッタ」とは銅酸化物をターゲットとしたマグネトロンスパッタ蒸着法であり、「電気めっき後大気酸化」とは、冷却ドラム表面に銅めっきを施し、それを大気中で450℃10分保持して酸化したものである。又、「大気酸化」とは、冷却ドラム表面の銅合金を大気中で450℃10分保持して酸化したものである。
被表面処理材である金属箔として、幅300mm、厚み8μmの圧延銅箔コイルを巻出し部2に取り付けた。この圧延銅箔は圧延上がりの銅箔であり、表面処理を行わなかった。
【0025】
<表面処理(スパッタリング)条件>
スパッタリング装置6を用い、1パスで銅箔上にNi−Cr被膜が20nm成膜されるように、スパッタリング出力および通箔速度を調整した。スパッタリング時の真空処理装置1の真空度は0.665Pa(5×10-3Torr)、冷却ドラムの温度は25℃、張力は50MPaもしくは10MPaとした。
【0026】
<シワの評価>
スパッタリング後、銅箔を装置から取り出し、銅箔のシワの有無を目視し、以下の基準で評価した。評価が△、○であれば実用上問題はない
○:シワ無し
△:わずかにシワ有り
×:折れシワ有り
<スリップ(滑り)の評価>
スパッタリング後、銅箔を装置から取り出し、銅箔のスリップ傷の有無を目視し、以下の基準で評価した。評価が◎又は○であれば実用上問題はない。
◎:スリップ傷無し
○:0.1mm以下の長さのスリップ傷あり
×:0.1mmを超える長さのスリップ傷あり
得られた結果を表1に示す。
【0027】
【表1】

【0028】
表1から明らかなように、冷却ドラムの表面に40%以上の被覆率で銅酸化物層を形成した実験例1〜10の場合、通箔張力を適切に調整したことで、シワもスリップも発生しなかった。
なお、実施例8の場合、銅酸化物層の被覆率が他の実施例より少ないために冷却ドラムの軸方向に若干滑りにくく、銅箔にわずかに熱シワが生じた。ただし、実用上は問題ない。
また、実施例9の場合、銅酸化物層の厚さが200μmと厚いため、銅酸化物が部分的に剥がれることがあり、その部分の熱伝達が悪くなり、銅箔にわずかに熱シワが生じた。ただし、実用上は問題ない。
さらに、実施例10の場合、銅酸化物が島状に形成され、銅酸化物層の非形成領域が冷却ドラムの周方向の全周に連続している。このため、冷却ドラムの軸方向に銅箔が若干滑り難く、銅箔にわずかにシワが生じた。但し、実用上は問題ない。
【0029】
一方、冷却ドラムの表面に銅酸化物層を形成しなかった比較例1の場合、銅箔にシワが生じ、銅箔と冷却ドラムとの滑りが悪く、シワが生じた。
銅酸化物層の被覆率が40%未満である比較例2、3の場合も銅箔と冷却ドラムとの滑りが悪く、シワが生じた。
通箔張力を低くした比較例4の場合、銅箔と冷却ドラムとが滑り過ぎてスリップ傷が発生した。
【符号の説明】
【0030】
1 真空処理装置
2 巻出し部
4 巻取り部
6 スパッタリング装置(表面処理部)
10 金属箔
20、21 冷却ドラム
20a、21a 銅酸化物層
100 真空チャンバー(真空室)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空下で、連続的に巻出し及び巻き取られる金属箔又は合金箔に表面処理する真空処理装置に用いられ、
表面に少なくとも40%以上の被覆率で銅酸化物層が形成され、前記金属箔又は合金箔に密着して冷却を行う冷却ドラム。
【請求項2】
前記銅酸化物層の被覆率が60%以上であり、かつ前記冷却ドラムの周方向に前記銅酸化物層の非形成領域が連続しない請求項1に記載の冷却ドラム。
【請求項3】
前記銅酸化物層の厚さが0.1μm以上、100μm以下である請求項1又は2に記載の冷却ドラム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の冷却ドラムと、前記金属箔又は合金箔を巻出す巻出し部と、前記巻出し部から巻出された前記金属箔又は合金箔を巻き取る巻取り部と、前記冷却ドラムに対向し、前記冷却ドラムに密着した前記金属箔又は合金箔に表面処理を行う表面処理部と、これらを収容する真空室とを備え、
前記冷却ドラムは前記巻出し部と前記巻取り部との間に配置されている真空処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の真空処理装置を用い、真空中で前記金属箔又は合金箔を表面処理する表面処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−214018(P2011−214018A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80241(P2010−80241)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(502362758)JX日鉱日石金属株式会社 (482)
【Fターム(参考)】