冷却装置
【課題】冷却対象物が複数存在するような場合であれ、それら冷却対象物を均等に冷却することのできる冷却装置を提供する。
【解決手段】この冷却装置は、冷媒が並列に流通する複数の熱吸収流路121〜126と、それら各熱吸収流路121〜126を覆うハウジング100と、各熱吸収流路121〜126から流出される冷媒を回収する排出流路130とを備える。そして、複数の熱吸収流路121〜126に各々対応するかたちでハウジング100の上面に支持板200を介して搭載される複数の半導体素子301〜306と冷媒との熱交換に基づいてそれら半導体素子301〜306の冷却を行う。ここでは特に、各熱吸収流路121〜126が、その上流から下流にかけて順に幅広くかつ順に浅くなる態様で形成されている。
【解決手段】この冷却装置は、冷媒が並列に流通する複数の熱吸収流路121〜126と、それら各熱吸収流路121〜126を覆うハウジング100と、各熱吸収流路121〜126から流出される冷媒を回収する排出流路130とを備える。そして、複数の熱吸収流路121〜126に各々対応するかたちでハウジング100の上面に支持板200を介して搭載される複数の半導体素子301〜306と冷媒との熱交換に基づいてそれら半導体素子301〜306の冷却を行う。ここでは特に、各熱吸収流路121〜126が、その上流から下流にかけて順に幅広くかつ順に浅くなる態様で形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子、主にパワー半導体素子等の発熱体を冷却対象としてその冷却に使用される冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車載バッテリから供給される直流電力を例えば三相交流に変換するインバータ装置がハイブリッド車や電気自動車などのモータ用の電力変換装置として広く利用されている。また、こうしたインバータ装置に組み込まれる複数のスイッチング素子やダイオード等の半導体素子には通常、高温状態になることによるそれら素子の動作不良を抑制するための冷却装置が搭載されている。そして、特に車両用インバータ装置に搭載される冷却装置としては、冷却効率の向上と搭載スペースの省スペース化との両立を図るために液冷媒による潜熱の移動を利用した冷却装置が採用されつつある。
【0003】
この種の冷却装置にあっては一般に、冷却対象である半導体素子が液冷媒の循環系に取付けられ、その循環系の途中に、半導体素子から受熱して温度が上昇した液冷媒を冷却する放熱部が設けられている。そして、こうした構成からなる冷却装置では、次のようなメカニズムのもとに半導体素子の冷却が行われることとなる。すなわちまず、半導体素子の近傍で温度が上昇した液冷媒が放熱部へ移動することにより、半導体素子で発生した熱が潜熱として液冷媒に吸収されて放熱部へ輸送される。次いで、放熱部へ移動した液冷媒が放熱部で冷却されて凝集することにより、半導体素子で発生した熱が潜熱として液冷媒から外部へと放出される。
【0004】
一方、上述したインバータ装置にあっては、冷却対象である複数のスイッチング素子やダイオードがそれぞれ均等な動作をするためにそれらの温度上昇の推移も均等となる。このため、各スイッチング素子や各ダイオード間の発熱温度差を小さくするには、各スイッチング素子や各ダイオードをその温度上昇の推移に応じて均等に冷却することが望ましい。
【0005】
そこで、例えば特許文献1に記載の冷却装置にあっては、液冷媒を流通させる微小流路(マイクロチャンネル)を有するヒートシンクの表裏の少なくとも一面に、冷却対象としてのIGBT(絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ)とダイオードとをマイクロチャンネルにおける液冷媒の流通方向に沿って直列に実装するようにしている。図9にこの特許文献1に記載の冷却装置を示す。
【0006】
この図9に示すように、この特許文献1に記載の冷却装置では、その循環系がヒートシンク23に形成されており、液冷媒を供給する冷却液供給流路52と液冷媒を環流せしめる冷却液排出流路53と、これらの間に並設される多数のマイクロチャンネル51とを備える構成となっている。このうちマイクロチャンネル51は、平面形状が略長方形であるヒートシンク23の短辺に平行に形成されている。また、ヒートシンク23の表面と裏面には、それぞれIGBT15とダイオード28がマイクロチャンネル51の液冷媒の流通方向に沿って直列に並べて配置されている。
【0007】
冷却装置としてのこのような構成によれば、温度が上昇していない供給流路52側からの液冷媒により、発熱したIGBT15あるいは発熱したダイオード28が冷却されるため、それらIGBT15及び各ダイオード28を効率よく冷却することができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−12722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記循環系を構成する各マイクロチャンネル51内を流通する液冷媒は、その上流側でダイオード28との熱交換に用いられたのちに、その下流側のIGBT15との熱交換に用いられることとなる。このため、液冷媒の温度は、マイクロチャンネル51の上流側では低い一方、同マイクロチャンネル51の下流側ではダイオード28との熱交換に用いられた分だけ高くなる。この結果、マイクロチャンネル51内を流通する液冷媒の冷却能力も、マイクロチャンネル51の上流側で高い一方、同マイクロチャンネル51では低減するようになる。こうしたことから、マイクロチャンネル51に対応して設けられた各冷却対象物を均等に冷却することは難しく、ひいては、こうした冷却能力の相違に起因する各冷却対象物間での温度差の拡大も招きかねないものとなっている。
【0010】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、冷却対象物が複数存在するような場合であれ、それら冷却対象物を均等に冷却することのできる冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、冷媒が並列に流通する複数の熱吸収流路と、それら各熱吸収流路を覆うハウジングと、前記各熱吸収流路から流出される冷媒を回収する冷媒回収部とを備え、前記複数の熱吸収流路に各々対応するかたちで前記ハウジングの上面に搭載される複数の冷却対象物と前記冷媒との熱交換に基づいてそれら冷却対象物の冷却を行う冷却装置において、前記各熱吸収流路は、その上流から下流にかけて順に幅広くかつ順に浅くなる態様で形成されてなることを要旨とする。
【0012】
上記冷却装置によれば、各熱吸収流路が上流から下流にかけて順に幅広くかつ順に浅く形成されることにより、それら熱吸収流路では、上流においては流路上層の冷媒により冷却対象物との熱交換が行われる一方、下流においては、上流側での冷却対象物との熱交換に寄与していない同流路下層の冷媒によって冷却対象物との熱交換が行われるようになる。このため、冷却対象物との熱交換に用いられる冷媒は、熱吸収流路の上流と下流とでほぼ均等な冷却能力を有するようになり、ひいては、複数の冷却対象物を均等に冷却することができるようになる。また、上記構成によれば、冷却対象物との熱交換に用いられる冷媒が熱吸収流路の上流と下流とでほぼ均等な冷却能力を有することにより、冷却対象物の搭載面全域においてほぼ均等な冷却が行なわれることともなる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の冷却装置において、前記冷媒を一本の流路から前記複数の熱吸収流路へ順次分配供給する供給流路を備えるとともに、前記冷媒回収部はそれら各熱吸収流路から流出される冷媒を順次合一して排出する排出流路として形成され、前記複数の熱吸収流路は、これら供給流路と排出流路との間に並列に接続されてなることを要旨とする。
【0014】
上記構成によれば、一本の流路から各熱吸収流路へ順次分配供給された冷媒が再び一本の排出流路で合流する流通系が形成されることになるため、各熱吸収流路に対する供給流路の流路構成や冷媒の流体性状、さらには各熱吸収流路に対する排出流路の流路構成や冷媒の流体性状についての設定が容易となる。これにより、それら供給流路や排出流路を通じての各熱吸収流路における冷媒流量の制御も容易となる。また、冷却装置としての小型
化が可能となり、その汎用性を高めることができるようにもなる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の冷却装置において、前記熱吸収流路は、前記供給流路の中心を対称の軸として、該供給流路の両側方となる2方向に線対称に形成されてなることを要旨とする。
【0016】
上記構成によれば、供給流路の中心を対称の軸として複数の冷却対象物に対応するかたちで熱吸収流路が両側方となる2方向に線対称に分配されるため、より多くの冷却対象物を均等にしかも効率よく冷却することができるようになる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の冷却装置において、前記熱吸収流路は、前記供給流路を頂点として前記供給される冷媒を前記排出流路へ自然落下せしめる傾斜状に形成されてなることを要旨とする。
【0018】
上記構成によれば、熱吸収流路が供給流路を頂点として上記冷媒を排出流路へ自然落下可能な傾斜状に形成されることによって、この熱吸収流路を流れる冷媒には、熱吸収流路が傾斜している分だけ位置エネルギーが働くようになる。これにより、各熱吸収流路を流れる冷媒の流速の向上はもとより、各熱吸収流路内で生じる流路上層と流路下層の冷媒の対流も促進されるようになり、ひいては、上記冷却装置による冷却効率を向上させることができるようになる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の冷却装置において、前記熱吸収流路は、その上流から下流にかけて同一の流路面積にて形成されてなることを要旨とする。
【0020】
上記構成によるように、熱吸収流路の流路面積を上流から下流にかけて同一とすることで、こうした熱吸収流路による冷却能力の均等化もより促進されるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷却装置において、前記各熱吸収流路には、前記冷媒の流通方向に沿ってそれら流路を均等に区画する複数のフィンが設けられてなることを要旨とする。
【0021】
上記構成によるように、上記熱吸収流路を複数のフィンによって区画することとすれば、それら各フィンによる放熱を通じて上記冷却対象物に対する冷却能力がさらに高められるようになる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の冷却装置において、
前記冷却対象物は、前記各熱吸収流路の各々に対しその上流から下流にかけて複数列搭載されることを要旨とする。
【0023】
本発明は、上記構成によるように、冷却対象物が各熱吸収流路の各々に対しその上流から下流にかけて複数列搭載されるものに適用して特に有効である。すなわち、各熱吸収流路毎に複数列搭載された冷却対象物を均等に冷却することができるようになり、ひいては、それら複数の冷却対象物間の温度差の拡大を抑制することができるようになる。
【0024】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の冷却装置において、前記複数の冷却対象物はそれらが接合された支持板を介して前記ハウジングの上面に搭載されるものであることを要旨とする。
【0025】
上記構成によれば、複数の冷却対象物を一旦支持板に接合した上で冷却装置のハウジング上面に搭載することが可能となり、それら冷却対象物の当該冷却装置に対する搭載性の
向上が図られるようになる。
【0026】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の冷却装置において、前記冷却対象物は絶縁基板に実装された半導体素子であることを要旨とする。
通常、特に電力用の半導体素子は、その駆動に伴う発熱が大きい。この点、上記構成によれば、このような半導体素子が実装されたハウジングもしくは支持板に対して、その下面全体を均等に冷却することが可能となることから、それら半導体素子間の温度差の拡大を好適に抑制することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明にかかる冷却装置の第1の実施の形態について、同装置の概略構成を示す斜視図。
【図2】同実施の形態の冷却装置の内部構造を示す分解斜視図。
【図3】同実施の形態の冷却装置を正面方向から見た主に供給流路や熱吸収流路の断面構造を示す断面図。
【図4】同実施の形態の冷却装置内を循環する冷媒の循環態様を模式的に示す分解斜視図。
【図5】本発明にかかる冷却装置の第2の実施の形態について、同装置の概略構成を示す斜視図。
【図6】同実施の形態の冷却装置内を循環する冷媒の循環態様を模式的に示す分解斜視図。
【図7】本発明にかかる冷却装置の他の実施の形態について、その内部構造を示す斜視図。
【図8】本発明にかかる冷却装置の他の実施の形態について、同装置を正面方向から見た主に供給流路や熱吸収流路の断面構造を示す断面図。
【図9】従来の冷却装置の構成例を模式的に示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第1の実施形態)
図1は、この実施の形態にかかる冷却装置について、その斜視構造を模式的に示したものである。
【0029】
同図1に示されるように、この冷却装置は、以下に説明する各流路が形成されたハウジング100を備えて構成されており、このハウジング100の上面に支持板200が密着されている。そしてこの支持板200上に、例えばインバータ装置のスイッチング素子を構成するIGBT(絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ)やダイオード等の半導体素子301〜306が搭載されている。
【0030】
こうした冷却装置を構成するハウジング100は、その長手方向において同ハウジング100の中心となる線Oを頂点とする傾斜面を有しており、その中心線Oに沿って延設されて同ハウジング100内に冷媒を供給する一本の供給流路110が設けられている。なお、本実施の形態では、このハウジング100は、例えばアルミニウム等の材料によって形成されている。また、こうしたハウジング100には、供給流路110の中心Oを対称の軸としてその両側方となる2方向に複数の熱吸収流路(図1では図示略)が設けられるとともに、それら各熱吸収流路から流出される冷媒を順次合一して回収する冷媒回収部としての排出流路130が設けられている。そしてこれにより、ハウジング100には、これら供給流路110と排出流路130との間に各熱吸収流路が並列に接続された冷却系が形成されている。
【0031】
このような冷却系を構成する熱吸収流路は、図2にこの冷却装置の分解斜視構造を示す
ように、上記中心線Oを頂点として供給流路110から供給される冷媒を上流から下流にかけて自然落下せしめる熱吸収流路121〜126として傾斜状に形成されている。これにより、こうした各熱吸収流路121〜126内を冷媒が流通する際には、それら熱吸収流路121〜126を流通する冷媒に対して位置エネルギーが働くようになる。また、こうした各熱吸収流路121〜126は、それらの上流から下流にかけて順に浅くかつ順に幅広くなる態様で形成されるとともに、それら上流から下流にかけて同一の流路面積にて形成されている。このため、これら各熱吸収流路121〜126は、その下流の深さD2がその上流の深さD1よりも浅くなっているとともに、その下流の幅W2がその上流の幅W1よりも広くなっている(D1>D2、W1<W2)。
【0032】
一方、上記支持板200は、絶縁性の材料によって形成され、上述のようにハウジング100の上面を覆うかたちでハウジング100に密着されている。こうした支持板200の上面には、上記半導体素子301〜306が各熱吸収流路121〜126の各々に対応する態様で搭載されており、その直下に位置する各熱吸収流路121〜126を流通する冷媒によってその冷却が図られる。
【0033】
次に、こうした熱吸収流路121〜126を流通する冷媒の流通態様について、図3を参照して説明する。
すなわちいま、上記供給流路110から各熱吸収流路121〜126に冷媒が順次分配供給されたとすると、まず、それら各熱吸収流路121〜126の上流では、各熱吸収流路121〜126を流通する冷媒のうちの上層の冷媒FUによって上記支持板200を介して半導体素子301〜306の冷却が行なわれるようになる。そして、各熱吸収流路121〜126を流通する冷媒は、各熱吸収流路121〜126がそれらの上流から下流にかけて順に幅広くかつ順に浅くなる態様で形成されたことによって、同流路121〜126の上流から下流に向かうにつれて上層の冷媒FUと下層の冷媒FDとの対流が生じるようになる。そしてこれにより、各熱吸収流路121〜126では、それらの上流から下流に向かうにつれて、半導体素子301〜306との熱交換に用いられていない下層の冷媒FDが上層に順次上昇するようになり、この冷媒FDによって半導体素子301〜306との熱交換が行なわれるようになる。またこのとき、各熱吸収流路121〜126が傾斜状に形成されていることによって、各熱吸収流路121〜126を流通する冷媒の自然落下を通じてそれら冷媒の流速が高められるとともに上層と下層との冷媒FU、FDの対流も促進されるようになる。こうして、各熱吸収流路121〜126の下流においても、半導体素子301〜306との熱交換に用いられていない冷媒、すなわち冷却能力の高い冷媒が各熱吸収流路121〜126の上層を流通するようになる。これにより、半導体素子301〜306の搭載面である支持板200の全域においてほぼ均等な冷却が行なわれるようになり、ひいては、支持板200に搭載される各半導体素子301〜306に対して均等な冷却が行なわれるようになる。
【0034】
次に、このような前提のもとに上記冷却装置によって行なわれる半導体素子301〜306の冷却態様について図4を参照して説明する。なお、本実施の形態では、上記冷媒を冷却装置内に循環供給させるべく、排出流路130と供給流路110との間に、各半導体素子301〜306との熱交換に用いられた冷媒を冷却する冷却部(図示省略)と排出流路130から排出された冷媒を再び供給流路110に循環供給するポンプPとを有する還流流路140を設けることとする。
【0035】
このように構成される冷却装置では、ポンプPが稼働すると、以下のような手順、並びに態様をもって半導体素子301〜306に対する冷却が行われるようになる。
(イ)冷却部で冷却された冷媒がポンプPの駆動に伴って供給流路110に供給される。(ロ)こうして供給流路110に供給された冷媒は、上記各熱吸収流路121〜126に順次分配供給される。
(ハ)各熱吸収流路121〜126に順次分配供給された冷媒は、それらの上流から下流にかけて流通する際、各半導体素子301〜306との熱交換を通じてそれら半導体素子301〜306の冷却を行なう。
(ニ)このようにして各半導体素子301〜306との熱交換に用いられた冷媒が各熱吸収流路121〜126から流出すると、それら冷媒が排出流路130にて順次合一される。
(ホ)排出流路130にて合一された冷媒は、再び還流流路140に供給され、冷却部にて冷却されたのちに、こうした冷却系内を再循環する。
【0036】
以上説明したように、本実施の形態にかかる冷却装置によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)上記各熱吸収流路121〜126を、その上流から下流にかけて順に幅広くかつ順に浅くなる態様で形成することとした。このため、それら熱吸収流路121〜126の上流と下流とで共に均等な冷却能力を有するようになり、半導体素子301〜306の搭載面においてほぼ均等な冷却能力を有するようになる。
【0037】
(2)上記各熱吸収流路121〜126に冷媒を順次分配供給する一本の供給流路110と各熱吸収流路121〜126から流出する冷媒を回収する排出流路130とを備えるとともに、それら供給流路110と排出流路130との間に各熱吸収流路121〜126を並列に接続することとした。このため、各熱吸収流路121〜126に対する供給流路110の流路構成や冷媒の流体性状、さらには各熱吸収流路121〜126に対する排出流路130の流路構成や冷媒の流体性状についての設定が容易となる。これにより、それら供給流路や排出流路を通じての各熱吸収流路121〜126における冷媒流量の制御も容易となる。また、冷却装置としての小型化が可能となり、その汎用性を高めることができるようにもなる。
【0038】
(3)上記各熱吸収流路121〜126を、供給流路110の中心Oを対象の軸として、同供給流路110の両側方となる2方向に線対称に形成することとした。これにより、冷却対象としての複数の半導体素子301〜306に対する冷却を好適に行なうことができるようになる。
【0039】
(4)上記各熱吸収流路121〜126を、供給流路110を頂点とする傾斜状に形成することとした。これにより、各熱吸収流路121〜126を流通する冷媒の流速の向上はもとより、上層と下層との間での冷媒の対流が促進されるようになる。
【0040】
(5)上記各熱吸収流路121〜126を、上流から下流にかけて同一の流路面積にて形成することとした。これにより、各半導体素子301〜306に対する冷却能力の均等化の度合いが高められるようになる。
【0041】
(第2の実施の形態)
以下、本発明にかかる冷却装置を具現化した第2の実施の形態について、図5及び図6を参照して説明する。なお、この第2の実施の形態は、冷却対象とする半導体素子として、上記各熱吸収流路121〜126の各々に対しそれらの上流から下流にかけて複数列搭載したものに適用したものであり、その基本的な構成は先の第1の実施の形態と共通になっている。
【0042】
図5及び図6は、先の図1及び図4に対応する図として、この冷却装置の斜視構造を示したものである。なお、これら図5及び図6において、先の図1及び図4に示した各要素と同一の要素についてはそれぞれ同一の符号を付して示しており、それら要素についての重複する説明は割愛する。
【0043】
すなわち、図5に示すように、支持板200の上面には、各熱吸収流路121〜126の各々に対応する態様でそれらの上流に半導体素子301〜306が搭載されるとともに、同じく各熱吸収流路121〜126の各々に対応する態様でそれらの下流に半導体素子311〜316が搭載されている。こうして、支持板200の上面には、各熱吸収流路121〜126の各々に対応する態様で、それらの上流から下流にかけて各半導体素子301〜306、311〜316が2列に搭載されている。
【0044】
このように構成される冷却装置では、図6に示すように、ポンプPが稼働すると、以下のような手順、並びに態様をもって半導体素子301〜306、311〜316に対する冷却が行われるようになる。
(イ)冷却部で冷却された冷媒がポンプPの駆動に伴って供給流路110に供給される。(ロ)こうして供給流路110に供給された冷媒は、上記各熱吸収流路121〜126に順次分配供給される。
(ハ)各熱吸収流路121〜126に冷媒が順次分配供給されると、まず、各熱吸収流路121〜126の上流においては、各熱吸収流路121〜126の上層を流通する冷媒と各半導体素子301〜306との熱交換を通じてそれら半導体素子301〜306の冷却が行なわれるようになる。そして、各熱吸収流路121〜126の下流においては、主に各半導体素子301〜306との熱交換に用いられていない冷媒と、各半導体素子311〜316との熱交換を通じてそれら半導体素子311〜316の冷却が行なわれるようになる。
(ニ)このようにして各半導体素子301〜306、311〜316との熱交換に用いられた冷媒が各熱吸収流路121〜126から流出すると、それら冷媒が排出流路130にて順次合一される。
(ホ)排出流路130にて合一された冷媒は、再び還流流路140に供給され、冷却部にて冷却されたのちに、こうした冷却系内を再循環する。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態にかかる冷却装置によれば、上記(1)〜(5)の効果が得られるとともに、更に以下のような効果が得られるようになる。
(6)各熱吸収流路121〜126の各々の上流と下流とに対応する態様で、半導体素子301〜306と半導体素子311〜316とを2列に搭載することとした。このため、各熱吸収流路121〜126によって2列に搭載された各半導体素子301〜306、311〜316を均等に冷却することができるようになり、ひいては、より多くの冷却対象物を均等に冷却することができるようになる。
【0046】
(他の実施の形態)
なお、上記実施の形態は、以下のような形態をもって実施することもできる。
・上記第1の実施の形態では、上記各熱吸収流路121〜126の各々に対応する態様で半導体素子301〜306を一列に搭載することとし、また、上記第2の実施の形態では、各熱吸収流路121〜126の各々の上流と下流とに対応する態様で、半導体素子301〜306と半導体素子311〜316とを二列に搭載することとした。冷却対象としての各半導体素子301〜306、311〜316の搭載態様は、熱吸収流路121〜126の各々に対応してそれら上流から下流にかけて搭載されるものであればよく、この他、三列以上に支持板200上に各半導体素子を搭載するようにしてもよい。
【0047】
・上記各実施の形態では、上記各熱吸収流路121〜126を、いわば空洞の流路として形成することとした。これに限らず、例えば、先の図2に対応する図として図7に示すように、各熱吸収流路121、122、124、125を区画する複数のフィン151、152、154、155を設けるようにしてもよい。これにより、これらフィン151、152、154、155による放熱を通じて、冷却装置としての冷却能力がさらに高めら
れるようになる。
【0048】
・上記各実施の形態では、上記各熱吸収流路121〜126を、それらの上流から下流にかけて同一の流路面積にて形成することとした。これに限らず、各熱吸収流路121〜126は、それらの上流から下流にかけて順に幅広くかつ順に浅くなる態様で形成されることによって上層の冷媒と下層の冷媒との対流が誘起されるものであればよく、上流の流路面積を下流の流路面積よりも大きく、あるいは、上流の流路面積を下流の流路面積よりも小さく形成することも可能である。
【0049】
・また、上記各熱吸収流路121〜126については、例えば、先の図5に対応する断面図として図8に示すように、各熱吸収流路121〜126を、それらの上流から下流にかけて段階的に浅くなる態様で形成するようにしてもよい。これにより、上層の冷媒FUと下層の冷媒FDとの対流が更に促進されることが期待される。
【0050】
・上記各実施の形態では、上記各熱吸収流路121〜126を、供給流路110を頂点とする傾斜状に形成することとした。これら各熱吸収流路121〜126を流通する上層の冷媒と下層の冷媒との対流を誘起可能な場合には、各熱吸収流路121〜126は、水平に形成されるものであってもよく、これに限定されるものではない。
【0051】
・上記各実施の形態では、絶縁性の材料からなる支持板200を用いることとしたが、上記各半導体素子301〜306、311〜316を支持板200上に絶縁基板を介して搭載する場合には、例えば、アルミニウム等の金属材料からなる支持板を用いることも可能である。
【0052】
・上記各実施の形態では、上記各熱吸収流路121〜126を、供給流路110の中心を対称の軸としてその両側方となる2方向に線対称に形成することとした。これに限らず、各熱吸収流路121〜126は、供給流路110の片側のみ、あるいは供給流路110の中心を対称の軸として複数方向に線対称に形成するようにしてもよい。またこの他、各熱吸収流路が形成される方向、数は任意であり、これらに限定されるものではない。
【0053】
・上記各実施の形態では、各熱吸収流路に冷媒を順次分配供給する供給流路110と、各熱吸収流路から流出される冷媒を順次合一して排出する排出流路130とを備えることとした。しかし、各熱吸収流路から流出される冷媒を回収する冷媒回収部を備えさえすれば、これら供給流路110や排出流路130の配設を割愛し、複数の熱吸収流路のみによってそれぞれ独立した冷却系を構成するようにしてもよい。
【0054】
・上記第1の実施の形態では、その冷却装置による冷却対象を、インバータ装置を構成するIGBT、ダイオード等の半導体素子301〜306とし、また、上記第2の実施の形態でも、その冷却装置による冷却対象をIGBT、ダイオード等の半導体素子301〜306、311〜316とした。これら冷却装置による冷却対象としては、その動作に伴う発熱が大きい素子であればよく、この他、MOSや他のトランジスタ等を冷却対象としてもよい。
【符号の説明】
【0055】
100…ハウジング、110…供給流路、121〜126…熱吸収流路、130…排出流路、140…還流流路、151、152、154、155…フィン、200…支持板、301〜306、311〜316…半導体素子、P…ポンプ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子、主にパワー半導体素子等の発熱体を冷却対象としてその冷却に使用される冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車載バッテリから供給される直流電力を例えば三相交流に変換するインバータ装置がハイブリッド車や電気自動車などのモータ用の電力変換装置として広く利用されている。また、こうしたインバータ装置に組み込まれる複数のスイッチング素子やダイオード等の半導体素子には通常、高温状態になることによるそれら素子の動作不良を抑制するための冷却装置が搭載されている。そして、特に車両用インバータ装置に搭載される冷却装置としては、冷却効率の向上と搭載スペースの省スペース化との両立を図るために液冷媒による潜熱の移動を利用した冷却装置が採用されつつある。
【0003】
この種の冷却装置にあっては一般に、冷却対象である半導体素子が液冷媒の循環系に取付けられ、その循環系の途中に、半導体素子から受熱して温度が上昇した液冷媒を冷却する放熱部が設けられている。そして、こうした構成からなる冷却装置では、次のようなメカニズムのもとに半導体素子の冷却が行われることとなる。すなわちまず、半導体素子の近傍で温度が上昇した液冷媒が放熱部へ移動することにより、半導体素子で発生した熱が潜熱として液冷媒に吸収されて放熱部へ輸送される。次いで、放熱部へ移動した液冷媒が放熱部で冷却されて凝集することにより、半導体素子で発生した熱が潜熱として液冷媒から外部へと放出される。
【0004】
一方、上述したインバータ装置にあっては、冷却対象である複数のスイッチング素子やダイオードがそれぞれ均等な動作をするためにそれらの温度上昇の推移も均等となる。このため、各スイッチング素子や各ダイオード間の発熱温度差を小さくするには、各スイッチング素子や各ダイオードをその温度上昇の推移に応じて均等に冷却することが望ましい。
【0005】
そこで、例えば特許文献1に記載の冷却装置にあっては、液冷媒を流通させる微小流路(マイクロチャンネル)を有するヒートシンクの表裏の少なくとも一面に、冷却対象としてのIGBT(絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ)とダイオードとをマイクロチャンネルにおける液冷媒の流通方向に沿って直列に実装するようにしている。図9にこの特許文献1に記載の冷却装置を示す。
【0006】
この図9に示すように、この特許文献1に記載の冷却装置では、その循環系がヒートシンク23に形成されており、液冷媒を供給する冷却液供給流路52と液冷媒を環流せしめる冷却液排出流路53と、これらの間に並設される多数のマイクロチャンネル51とを備える構成となっている。このうちマイクロチャンネル51は、平面形状が略長方形であるヒートシンク23の短辺に平行に形成されている。また、ヒートシンク23の表面と裏面には、それぞれIGBT15とダイオード28がマイクロチャンネル51の液冷媒の流通方向に沿って直列に並べて配置されている。
【0007】
冷却装置としてのこのような構成によれば、温度が上昇していない供給流路52側からの液冷媒により、発熱したIGBT15あるいは発熱したダイオード28が冷却されるため、それらIGBT15及び各ダイオード28を効率よく冷却することができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−12722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記循環系を構成する各マイクロチャンネル51内を流通する液冷媒は、その上流側でダイオード28との熱交換に用いられたのちに、その下流側のIGBT15との熱交換に用いられることとなる。このため、液冷媒の温度は、マイクロチャンネル51の上流側では低い一方、同マイクロチャンネル51の下流側ではダイオード28との熱交換に用いられた分だけ高くなる。この結果、マイクロチャンネル51内を流通する液冷媒の冷却能力も、マイクロチャンネル51の上流側で高い一方、同マイクロチャンネル51では低減するようになる。こうしたことから、マイクロチャンネル51に対応して設けられた各冷却対象物を均等に冷却することは難しく、ひいては、こうした冷却能力の相違に起因する各冷却対象物間での温度差の拡大も招きかねないものとなっている。
【0010】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、冷却対象物が複数存在するような場合であれ、それら冷却対象物を均等に冷却することのできる冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、冷媒が並列に流通する複数の熱吸収流路と、それら各熱吸収流路を覆うハウジングと、前記各熱吸収流路から流出される冷媒を回収する冷媒回収部とを備え、前記複数の熱吸収流路に各々対応するかたちで前記ハウジングの上面に搭載される複数の冷却対象物と前記冷媒との熱交換に基づいてそれら冷却対象物の冷却を行う冷却装置において、前記各熱吸収流路は、その上流から下流にかけて順に幅広くかつ順に浅くなる態様で形成されてなることを要旨とする。
【0012】
上記冷却装置によれば、各熱吸収流路が上流から下流にかけて順に幅広くかつ順に浅く形成されることにより、それら熱吸収流路では、上流においては流路上層の冷媒により冷却対象物との熱交換が行われる一方、下流においては、上流側での冷却対象物との熱交換に寄与していない同流路下層の冷媒によって冷却対象物との熱交換が行われるようになる。このため、冷却対象物との熱交換に用いられる冷媒は、熱吸収流路の上流と下流とでほぼ均等な冷却能力を有するようになり、ひいては、複数の冷却対象物を均等に冷却することができるようになる。また、上記構成によれば、冷却対象物との熱交換に用いられる冷媒が熱吸収流路の上流と下流とでほぼ均等な冷却能力を有することにより、冷却対象物の搭載面全域においてほぼ均等な冷却が行なわれることともなる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の冷却装置において、前記冷媒を一本の流路から前記複数の熱吸収流路へ順次分配供給する供給流路を備えるとともに、前記冷媒回収部はそれら各熱吸収流路から流出される冷媒を順次合一して排出する排出流路として形成され、前記複数の熱吸収流路は、これら供給流路と排出流路との間に並列に接続されてなることを要旨とする。
【0014】
上記構成によれば、一本の流路から各熱吸収流路へ順次分配供給された冷媒が再び一本の排出流路で合流する流通系が形成されることになるため、各熱吸収流路に対する供給流路の流路構成や冷媒の流体性状、さらには各熱吸収流路に対する排出流路の流路構成や冷媒の流体性状についての設定が容易となる。これにより、それら供給流路や排出流路を通じての各熱吸収流路における冷媒流量の制御も容易となる。また、冷却装置としての小型
化が可能となり、その汎用性を高めることができるようにもなる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の冷却装置において、前記熱吸収流路は、前記供給流路の中心を対称の軸として、該供給流路の両側方となる2方向に線対称に形成されてなることを要旨とする。
【0016】
上記構成によれば、供給流路の中心を対称の軸として複数の冷却対象物に対応するかたちで熱吸収流路が両側方となる2方向に線対称に分配されるため、より多くの冷却対象物を均等にしかも効率よく冷却することができるようになる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の冷却装置において、前記熱吸収流路は、前記供給流路を頂点として前記供給される冷媒を前記排出流路へ自然落下せしめる傾斜状に形成されてなることを要旨とする。
【0018】
上記構成によれば、熱吸収流路が供給流路を頂点として上記冷媒を排出流路へ自然落下可能な傾斜状に形成されることによって、この熱吸収流路を流れる冷媒には、熱吸収流路が傾斜している分だけ位置エネルギーが働くようになる。これにより、各熱吸収流路を流れる冷媒の流速の向上はもとより、各熱吸収流路内で生じる流路上層と流路下層の冷媒の対流も促進されるようになり、ひいては、上記冷却装置による冷却効率を向上させることができるようになる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の冷却装置において、前記熱吸収流路は、その上流から下流にかけて同一の流路面積にて形成されてなることを要旨とする。
【0020】
上記構成によるように、熱吸収流路の流路面積を上流から下流にかけて同一とすることで、こうした熱吸収流路による冷却能力の均等化もより促進されるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷却装置において、前記各熱吸収流路には、前記冷媒の流通方向に沿ってそれら流路を均等に区画する複数のフィンが設けられてなることを要旨とする。
【0021】
上記構成によるように、上記熱吸収流路を複数のフィンによって区画することとすれば、それら各フィンによる放熱を通じて上記冷却対象物に対する冷却能力がさらに高められるようになる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の冷却装置において、
前記冷却対象物は、前記各熱吸収流路の各々に対しその上流から下流にかけて複数列搭載されることを要旨とする。
【0023】
本発明は、上記構成によるように、冷却対象物が各熱吸収流路の各々に対しその上流から下流にかけて複数列搭載されるものに適用して特に有効である。すなわち、各熱吸収流路毎に複数列搭載された冷却対象物を均等に冷却することができるようになり、ひいては、それら複数の冷却対象物間の温度差の拡大を抑制することができるようになる。
【0024】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の冷却装置において、前記複数の冷却対象物はそれらが接合された支持板を介して前記ハウジングの上面に搭載されるものであることを要旨とする。
【0025】
上記構成によれば、複数の冷却対象物を一旦支持板に接合した上で冷却装置のハウジング上面に搭載することが可能となり、それら冷却対象物の当該冷却装置に対する搭載性の
向上が図られるようになる。
【0026】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の冷却装置において、前記冷却対象物は絶縁基板に実装された半導体素子であることを要旨とする。
通常、特に電力用の半導体素子は、その駆動に伴う発熱が大きい。この点、上記構成によれば、このような半導体素子が実装されたハウジングもしくは支持板に対して、その下面全体を均等に冷却することが可能となることから、それら半導体素子間の温度差の拡大を好適に抑制することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明にかかる冷却装置の第1の実施の形態について、同装置の概略構成を示す斜視図。
【図2】同実施の形態の冷却装置の内部構造を示す分解斜視図。
【図3】同実施の形態の冷却装置を正面方向から見た主に供給流路や熱吸収流路の断面構造を示す断面図。
【図4】同実施の形態の冷却装置内を循環する冷媒の循環態様を模式的に示す分解斜視図。
【図5】本発明にかかる冷却装置の第2の実施の形態について、同装置の概略構成を示す斜視図。
【図6】同実施の形態の冷却装置内を循環する冷媒の循環態様を模式的に示す分解斜視図。
【図7】本発明にかかる冷却装置の他の実施の形態について、その内部構造を示す斜視図。
【図8】本発明にかかる冷却装置の他の実施の形態について、同装置を正面方向から見た主に供給流路や熱吸収流路の断面構造を示す断面図。
【図9】従来の冷却装置の構成例を模式的に示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第1の実施形態)
図1は、この実施の形態にかかる冷却装置について、その斜視構造を模式的に示したものである。
【0029】
同図1に示されるように、この冷却装置は、以下に説明する各流路が形成されたハウジング100を備えて構成されており、このハウジング100の上面に支持板200が密着されている。そしてこの支持板200上に、例えばインバータ装置のスイッチング素子を構成するIGBT(絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ)やダイオード等の半導体素子301〜306が搭載されている。
【0030】
こうした冷却装置を構成するハウジング100は、その長手方向において同ハウジング100の中心となる線Oを頂点とする傾斜面を有しており、その中心線Oに沿って延設されて同ハウジング100内に冷媒を供給する一本の供給流路110が設けられている。なお、本実施の形態では、このハウジング100は、例えばアルミニウム等の材料によって形成されている。また、こうしたハウジング100には、供給流路110の中心Oを対称の軸としてその両側方となる2方向に複数の熱吸収流路(図1では図示略)が設けられるとともに、それら各熱吸収流路から流出される冷媒を順次合一して回収する冷媒回収部としての排出流路130が設けられている。そしてこれにより、ハウジング100には、これら供給流路110と排出流路130との間に各熱吸収流路が並列に接続された冷却系が形成されている。
【0031】
このような冷却系を構成する熱吸収流路は、図2にこの冷却装置の分解斜視構造を示す
ように、上記中心線Oを頂点として供給流路110から供給される冷媒を上流から下流にかけて自然落下せしめる熱吸収流路121〜126として傾斜状に形成されている。これにより、こうした各熱吸収流路121〜126内を冷媒が流通する際には、それら熱吸収流路121〜126を流通する冷媒に対して位置エネルギーが働くようになる。また、こうした各熱吸収流路121〜126は、それらの上流から下流にかけて順に浅くかつ順に幅広くなる態様で形成されるとともに、それら上流から下流にかけて同一の流路面積にて形成されている。このため、これら各熱吸収流路121〜126は、その下流の深さD2がその上流の深さD1よりも浅くなっているとともに、その下流の幅W2がその上流の幅W1よりも広くなっている(D1>D2、W1<W2)。
【0032】
一方、上記支持板200は、絶縁性の材料によって形成され、上述のようにハウジング100の上面を覆うかたちでハウジング100に密着されている。こうした支持板200の上面には、上記半導体素子301〜306が各熱吸収流路121〜126の各々に対応する態様で搭載されており、その直下に位置する各熱吸収流路121〜126を流通する冷媒によってその冷却が図られる。
【0033】
次に、こうした熱吸収流路121〜126を流通する冷媒の流通態様について、図3を参照して説明する。
すなわちいま、上記供給流路110から各熱吸収流路121〜126に冷媒が順次分配供給されたとすると、まず、それら各熱吸収流路121〜126の上流では、各熱吸収流路121〜126を流通する冷媒のうちの上層の冷媒FUによって上記支持板200を介して半導体素子301〜306の冷却が行なわれるようになる。そして、各熱吸収流路121〜126を流通する冷媒は、各熱吸収流路121〜126がそれらの上流から下流にかけて順に幅広くかつ順に浅くなる態様で形成されたことによって、同流路121〜126の上流から下流に向かうにつれて上層の冷媒FUと下層の冷媒FDとの対流が生じるようになる。そしてこれにより、各熱吸収流路121〜126では、それらの上流から下流に向かうにつれて、半導体素子301〜306との熱交換に用いられていない下層の冷媒FDが上層に順次上昇するようになり、この冷媒FDによって半導体素子301〜306との熱交換が行なわれるようになる。またこのとき、各熱吸収流路121〜126が傾斜状に形成されていることによって、各熱吸収流路121〜126を流通する冷媒の自然落下を通じてそれら冷媒の流速が高められるとともに上層と下層との冷媒FU、FDの対流も促進されるようになる。こうして、各熱吸収流路121〜126の下流においても、半導体素子301〜306との熱交換に用いられていない冷媒、すなわち冷却能力の高い冷媒が各熱吸収流路121〜126の上層を流通するようになる。これにより、半導体素子301〜306の搭載面である支持板200の全域においてほぼ均等な冷却が行なわれるようになり、ひいては、支持板200に搭載される各半導体素子301〜306に対して均等な冷却が行なわれるようになる。
【0034】
次に、このような前提のもとに上記冷却装置によって行なわれる半導体素子301〜306の冷却態様について図4を参照して説明する。なお、本実施の形態では、上記冷媒を冷却装置内に循環供給させるべく、排出流路130と供給流路110との間に、各半導体素子301〜306との熱交換に用いられた冷媒を冷却する冷却部(図示省略)と排出流路130から排出された冷媒を再び供給流路110に循環供給するポンプPとを有する還流流路140を設けることとする。
【0035】
このように構成される冷却装置では、ポンプPが稼働すると、以下のような手順、並びに態様をもって半導体素子301〜306に対する冷却が行われるようになる。
(イ)冷却部で冷却された冷媒がポンプPの駆動に伴って供給流路110に供給される。(ロ)こうして供給流路110に供給された冷媒は、上記各熱吸収流路121〜126に順次分配供給される。
(ハ)各熱吸収流路121〜126に順次分配供給された冷媒は、それらの上流から下流にかけて流通する際、各半導体素子301〜306との熱交換を通じてそれら半導体素子301〜306の冷却を行なう。
(ニ)このようにして各半導体素子301〜306との熱交換に用いられた冷媒が各熱吸収流路121〜126から流出すると、それら冷媒が排出流路130にて順次合一される。
(ホ)排出流路130にて合一された冷媒は、再び還流流路140に供給され、冷却部にて冷却されたのちに、こうした冷却系内を再循環する。
【0036】
以上説明したように、本実施の形態にかかる冷却装置によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)上記各熱吸収流路121〜126を、その上流から下流にかけて順に幅広くかつ順に浅くなる態様で形成することとした。このため、それら熱吸収流路121〜126の上流と下流とで共に均等な冷却能力を有するようになり、半導体素子301〜306の搭載面においてほぼ均等な冷却能力を有するようになる。
【0037】
(2)上記各熱吸収流路121〜126に冷媒を順次分配供給する一本の供給流路110と各熱吸収流路121〜126から流出する冷媒を回収する排出流路130とを備えるとともに、それら供給流路110と排出流路130との間に各熱吸収流路121〜126を並列に接続することとした。このため、各熱吸収流路121〜126に対する供給流路110の流路構成や冷媒の流体性状、さらには各熱吸収流路121〜126に対する排出流路130の流路構成や冷媒の流体性状についての設定が容易となる。これにより、それら供給流路や排出流路を通じての各熱吸収流路121〜126における冷媒流量の制御も容易となる。また、冷却装置としての小型化が可能となり、その汎用性を高めることができるようにもなる。
【0038】
(3)上記各熱吸収流路121〜126を、供給流路110の中心Oを対象の軸として、同供給流路110の両側方となる2方向に線対称に形成することとした。これにより、冷却対象としての複数の半導体素子301〜306に対する冷却を好適に行なうことができるようになる。
【0039】
(4)上記各熱吸収流路121〜126を、供給流路110を頂点とする傾斜状に形成することとした。これにより、各熱吸収流路121〜126を流通する冷媒の流速の向上はもとより、上層と下層との間での冷媒の対流が促進されるようになる。
【0040】
(5)上記各熱吸収流路121〜126を、上流から下流にかけて同一の流路面積にて形成することとした。これにより、各半導体素子301〜306に対する冷却能力の均等化の度合いが高められるようになる。
【0041】
(第2の実施の形態)
以下、本発明にかかる冷却装置を具現化した第2の実施の形態について、図5及び図6を参照して説明する。なお、この第2の実施の形態は、冷却対象とする半導体素子として、上記各熱吸収流路121〜126の各々に対しそれらの上流から下流にかけて複数列搭載したものに適用したものであり、その基本的な構成は先の第1の実施の形態と共通になっている。
【0042】
図5及び図6は、先の図1及び図4に対応する図として、この冷却装置の斜視構造を示したものである。なお、これら図5及び図6において、先の図1及び図4に示した各要素と同一の要素についてはそれぞれ同一の符号を付して示しており、それら要素についての重複する説明は割愛する。
【0043】
すなわち、図5に示すように、支持板200の上面には、各熱吸収流路121〜126の各々に対応する態様でそれらの上流に半導体素子301〜306が搭載されるとともに、同じく各熱吸収流路121〜126の各々に対応する態様でそれらの下流に半導体素子311〜316が搭載されている。こうして、支持板200の上面には、各熱吸収流路121〜126の各々に対応する態様で、それらの上流から下流にかけて各半導体素子301〜306、311〜316が2列に搭載されている。
【0044】
このように構成される冷却装置では、図6に示すように、ポンプPが稼働すると、以下のような手順、並びに態様をもって半導体素子301〜306、311〜316に対する冷却が行われるようになる。
(イ)冷却部で冷却された冷媒がポンプPの駆動に伴って供給流路110に供給される。(ロ)こうして供給流路110に供給された冷媒は、上記各熱吸収流路121〜126に順次分配供給される。
(ハ)各熱吸収流路121〜126に冷媒が順次分配供給されると、まず、各熱吸収流路121〜126の上流においては、各熱吸収流路121〜126の上層を流通する冷媒と各半導体素子301〜306との熱交換を通じてそれら半導体素子301〜306の冷却が行なわれるようになる。そして、各熱吸収流路121〜126の下流においては、主に各半導体素子301〜306との熱交換に用いられていない冷媒と、各半導体素子311〜316との熱交換を通じてそれら半導体素子311〜316の冷却が行なわれるようになる。
(ニ)このようにして各半導体素子301〜306、311〜316との熱交換に用いられた冷媒が各熱吸収流路121〜126から流出すると、それら冷媒が排出流路130にて順次合一される。
(ホ)排出流路130にて合一された冷媒は、再び還流流路140に供給され、冷却部にて冷却されたのちに、こうした冷却系内を再循環する。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態にかかる冷却装置によれば、上記(1)〜(5)の効果が得られるとともに、更に以下のような効果が得られるようになる。
(6)各熱吸収流路121〜126の各々の上流と下流とに対応する態様で、半導体素子301〜306と半導体素子311〜316とを2列に搭載することとした。このため、各熱吸収流路121〜126によって2列に搭載された各半導体素子301〜306、311〜316を均等に冷却することができるようになり、ひいては、より多くの冷却対象物を均等に冷却することができるようになる。
【0046】
(他の実施の形態)
なお、上記実施の形態は、以下のような形態をもって実施することもできる。
・上記第1の実施の形態では、上記各熱吸収流路121〜126の各々に対応する態様で半導体素子301〜306を一列に搭載することとし、また、上記第2の実施の形態では、各熱吸収流路121〜126の各々の上流と下流とに対応する態様で、半導体素子301〜306と半導体素子311〜316とを二列に搭載することとした。冷却対象としての各半導体素子301〜306、311〜316の搭載態様は、熱吸収流路121〜126の各々に対応してそれら上流から下流にかけて搭載されるものであればよく、この他、三列以上に支持板200上に各半導体素子を搭載するようにしてもよい。
【0047】
・上記各実施の形態では、上記各熱吸収流路121〜126を、いわば空洞の流路として形成することとした。これに限らず、例えば、先の図2に対応する図として図7に示すように、各熱吸収流路121、122、124、125を区画する複数のフィン151、152、154、155を設けるようにしてもよい。これにより、これらフィン151、152、154、155による放熱を通じて、冷却装置としての冷却能力がさらに高めら
れるようになる。
【0048】
・上記各実施の形態では、上記各熱吸収流路121〜126を、それらの上流から下流にかけて同一の流路面積にて形成することとした。これに限らず、各熱吸収流路121〜126は、それらの上流から下流にかけて順に幅広くかつ順に浅くなる態様で形成されることによって上層の冷媒と下層の冷媒との対流が誘起されるものであればよく、上流の流路面積を下流の流路面積よりも大きく、あるいは、上流の流路面積を下流の流路面積よりも小さく形成することも可能である。
【0049】
・また、上記各熱吸収流路121〜126については、例えば、先の図5に対応する断面図として図8に示すように、各熱吸収流路121〜126を、それらの上流から下流にかけて段階的に浅くなる態様で形成するようにしてもよい。これにより、上層の冷媒FUと下層の冷媒FDとの対流が更に促進されることが期待される。
【0050】
・上記各実施の形態では、上記各熱吸収流路121〜126を、供給流路110を頂点とする傾斜状に形成することとした。これら各熱吸収流路121〜126を流通する上層の冷媒と下層の冷媒との対流を誘起可能な場合には、各熱吸収流路121〜126は、水平に形成されるものであってもよく、これに限定されるものではない。
【0051】
・上記各実施の形態では、絶縁性の材料からなる支持板200を用いることとしたが、上記各半導体素子301〜306、311〜316を支持板200上に絶縁基板を介して搭載する場合には、例えば、アルミニウム等の金属材料からなる支持板を用いることも可能である。
【0052】
・上記各実施の形態では、上記各熱吸収流路121〜126を、供給流路110の中心を対称の軸としてその両側方となる2方向に線対称に形成することとした。これに限らず、各熱吸収流路121〜126は、供給流路110の片側のみ、あるいは供給流路110の中心を対称の軸として複数方向に線対称に形成するようにしてもよい。またこの他、各熱吸収流路が形成される方向、数は任意であり、これらに限定されるものではない。
【0053】
・上記各実施の形態では、各熱吸収流路に冷媒を順次分配供給する供給流路110と、各熱吸収流路から流出される冷媒を順次合一して排出する排出流路130とを備えることとした。しかし、各熱吸収流路から流出される冷媒を回収する冷媒回収部を備えさえすれば、これら供給流路110や排出流路130の配設を割愛し、複数の熱吸収流路のみによってそれぞれ独立した冷却系を構成するようにしてもよい。
【0054】
・上記第1の実施の形態では、その冷却装置による冷却対象を、インバータ装置を構成するIGBT、ダイオード等の半導体素子301〜306とし、また、上記第2の実施の形態でも、その冷却装置による冷却対象をIGBT、ダイオード等の半導体素子301〜306、311〜316とした。これら冷却装置による冷却対象としては、その動作に伴う発熱が大きい素子であればよく、この他、MOSや他のトランジスタ等を冷却対象としてもよい。
【符号の説明】
【0055】
100…ハウジング、110…供給流路、121〜126…熱吸収流路、130…排出流路、140…還流流路、151、152、154、155…フィン、200…支持板、301〜306、311〜316…半導体素子、P…ポンプ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒が並列に流通する複数の熱吸収流路と、それら各熱吸収流路を覆うハウジングと、前記各熱吸収流路から流出される冷媒を回収する冷媒回収部とを備え、前記複数の熱吸収流路に各々対応するかたちで前記ハウジングの上面に搭載される複数の冷却対象物と前記冷媒との熱交換に基づいてそれら冷却対象物の冷却を行う冷却装置において、
前記各熱吸収流路は、その上流から下流にかけて順に幅広くかつ順に浅くなる態様で形成されてなる
ことを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
前記冷媒を一本の流路から前記複数の熱吸収流路へ順次分配供給する供給流路を備えるとともに、前記冷媒回収部はそれら各熱吸収流路から流出される冷媒を順次合一して排出する排出流路として形成され、前記複数の熱吸収流路は、これら供給流路と排出流路との間に並列に接続されてなる
請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記熱吸収流路は、前記供給流路の中心を対称の軸として、該供給流路の両側方となる2方向に線対称に形成されてなる
請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記熱吸収流路は、前記供給流路を頂点として前記供給される冷媒を前記排出流路へ自然落下せしめる傾斜状に形成されてなる
請求項2又は3に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記熱吸収流路は、その上流から下流にかけて同一の流路面積にて形成されてなる
請求項1〜4のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記各熱吸収流路には、前記冷媒の流通方向に沿ってそれら流路を均等に区画する複数のフィンが設けられてなる
請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記冷却対象物は、前記各熱吸収流路の各々に対応してその上流から下流にかけて複数列搭載される
請求項1〜6のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項8】
前記複数の冷却対象物はそれらが接合された支持板を介して前記ハウジングの上面に搭載されるものである
請求項1〜7のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項9】
前記冷却対象物は絶縁基板に実装された半導体素子である
請求項1〜8のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項1】
冷媒が並列に流通する複数の熱吸収流路と、それら各熱吸収流路を覆うハウジングと、前記各熱吸収流路から流出される冷媒を回収する冷媒回収部とを備え、前記複数の熱吸収流路に各々対応するかたちで前記ハウジングの上面に搭載される複数の冷却対象物と前記冷媒との熱交換に基づいてそれら冷却対象物の冷却を行う冷却装置において、
前記各熱吸収流路は、その上流から下流にかけて順に幅広くかつ順に浅くなる態様で形成されてなる
ことを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
前記冷媒を一本の流路から前記複数の熱吸収流路へ順次分配供給する供給流路を備えるとともに、前記冷媒回収部はそれら各熱吸収流路から流出される冷媒を順次合一して排出する排出流路として形成され、前記複数の熱吸収流路は、これら供給流路と排出流路との間に並列に接続されてなる
請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記熱吸収流路は、前記供給流路の中心を対称の軸として、該供給流路の両側方となる2方向に線対称に形成されてなる
請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記熱吸収流路は、前記供給流路を頂点として前記供給される冷媒を前記排出流路へ自然落下せしめる傾斜状に形成されてなる
請求項2又は3に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記熱吸収流路は、その上流から下流にかけて同一の流路面積にて形成されてなる
請求項1〜4のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記各熱吸収流路には、前記冷媒の流通方向に沿ってそれら流路を均等に区画する複数のフィンが設けられてなる
請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記冷却対象物は、前記各熱吸収流路の各々に対応してその上流から下流にかけて複数列搭載される
請求項1〜6のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項8】
前記複数の冷却対象物はそれらが接合された支持板を介して前記ハウジングの上面に搭載されるものである
請求項1〜7のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項9】
前記冷却対象物は絶縁基板に実装された半導体素子である
請求項1〜8のいずれか一項に記載の冷却装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−18846(P2011−18846A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−163869(P2009−163869)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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