処理作業装置またはACF貼付け状態検査方法あるいは表示基板モジュール組立ライン
【課題】本発明は様々なACF貼付け状態を効率よく検査できる、または輝度の変化、特に照明劣化等の輝度低下の不具合が発生しても確実にACFの貼付状態を検査し不具合原因を判別できる処理作業装置またはACF貼付検査方法、あるいは不具合原因を知りその原因に対する保全(準備、対処)をし、稼働率の高い表示基板モジュール組立ラインを提供することである。
【解決手段】所定位置を照明し、撮像し、前記撮像によって得られた撮像データに前記ACFが存在しなければいけない領域に判定エリアを設定し、前記判定エリアの外周部上の撮像データを処理し、前記処理結果に基づいて前記ACFの貼付け状態を検査する、または前記撮像データの輝度レベルを検出し、前記輝度レベルの時系列変化に基づき前記輝度レベルの変化の原因を判別すること特徴とする。
【解決手段】所定位置を照明し、撮像し、前記撮像によって得られた撮像データに前記ACFが存在しなければいけない領域に判定エリアを設定し、前記判定エリアの外周部上の撮像データを処理し、前記処理結果に基づいて前記ACFの貼付け状態を検査する、または前記撮像データの輝度レベルを検出し、前記輝度レベルの時系列変化に基づき前記輝度レベルの変化の原因を判別すること特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶やプラズマなどのFPD(=Flat Panel Display)の表示基板の周辺に駆動ICの搭載やCOF(Chip on Film)、FPC(Flexible Printed Circuits)などのいわゆるTAB(=Tape Automated Bonding)接続および周辺基板(PCB=printed circuit board)を実装する処理作業装置及びそれ等から構成される表示基板モジュール組立ラインに関するものである。より具体的には、異方性導電フィルム(ACF=Anisotropic Conductive Film)の貼付け状態を検査する検査ユニット及び検査方法並びに検査ユニットまたは検査結果に基づいて構成される表示基板モジュール組立ラインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示基板モジュール組立ラインは、液晶、プラズマなどのFPDの表示基板(以下、基本的には単に基板と略し、その他の基板、例えばPCBの場合はPCB基板と明記する)に、複数の処理作業工程を順次行なうことで、該基板の周辺に、駆動IC、COFおよびPCB基板などを実装する装置である。
【0003】
例えば、処理工程の一例としては、(1)基板端部のTAB貼付け部を清掃する端子クリーニング工程、(2)清掃後の基板端部にACFを貼付けるACF工程、(3)貼付けたACFの貼付け状態を検査するACF検査工程、(4)ACFを貼付けた位置の基板配線にTABやICを位置決めして搭載する搭載工程、(5)搭載したTABを加熱圧着することで、ACFにより固定する圧着工程、(6)圧着したTABやICの位置や接続状態を検査する搭載検査工程、(7)TABの基板側とは反対側にPCB基板をACFなどで貼付け搭載しACF貼付け状態を検査するPCB工程(複数の工程)などからなる。さらには、処理する基板の辺の数や処理するTABやICの数などで各処理装置の数や基板を回転する処理ユニットなどが必要となる。このような工程を得ることによって、基板側の電極とTAB/IC等の側の電極との間に設けたACFを熱圧着することによって両電極を電気的に接続するものである。
【0004】
上述の(3)や(6)に記すACFの貼付状態を検査する従来技術としては特許文献1がある。特許文献1は、基板に貼付けられたACFの端部を撮像し、ACF部とリード部の輝度差の間に閾値を設定し、リード部の輝度が高い場合に、該閾値をリード部の輝度に基づいて設定している。また、特許文献1は、前記撮像範囲をACF部(黒画素)とリード部(白画素)に二値化し、撮像範囲の白黒画素の割合からACFの端部の捲くれを検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−185574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1はリード輝度の変化はリード形成の処理のムラ等で生じるとしているが、その他の原因には何があるか、実際にその原因が何であるかについての開示はない。
【0007】
また、ACF貼付け状態の検査には、ACFの貼付け忘れ、捲くれ(剥がれ)の他に、ACFの位置ズレ、ネジレなどがあるが、ACF端部における白黒画素の割合だけではその判断が困難である。また、撮像範囲をACF貼付位置全体とすると画像処理に時間が掛かる虞がある。
【0008】
本発明の第1の目的は、様々なACF貼付け状態を効率よく検査できる処理作業装置またはACF貼付検査方法を提供することである。
また、本発明の第2の目的は、輝度の変化、特に照明劣化等の輝度低下の不具合が発生しても、確実にACFの貼付状態を検査し、不具合原因を判別できる処理作業装置またはACF貼付検査方法を提供することである。
さらに、本発明の第3の目的は、上記処理作業装置またはACF貼付検査方法を用いることによって、不具合原因を知ることができるので、予めその原因に対する保全(準備、対処)をすることができる稼働率の高い表示基板モジュール組立ラインを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の第1の目的を達成するために、基板の所定位置に貼付けられたACFの貼付け状態を検査する際に、前記所定位置を照明し、撮像し、前記撮像によって得られた撮像データに前記ACFが存在しなければいけない領域に判定エリアを設定し、前記判定エリアの外周部の撮像データのうち一部または全部を処理し、前記処理結果に基づいて前記ACFの貼付け状態を検査することを第1の特徴とする。
【0010】
また、上記第1の目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記判定エリアは前記領域に隣接した内側に設定されたことを第2の特徴とする。
さらに、上記第1の目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記画像処理手段は前記画像の2値化データを得る手段であり、前記検査手段は前記2値化データの一方のレベルの連続性に基づいてACFの貼付け状態を検査することを第3の特徴とする。
【0011】
また、上記第1の目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記判定エリアは4角形であり、前記外周部は4角形の4辺であることを第4の特徴とする。
さらに、上記第1の目的を達成するために、第1または第2の特徴に加え、前記検査はACFの位置ずれ、ネジレ、貼付なし、剥がれの各状態のうち少なくとも一つ以上を検査することを第5の特徴とする。
【0012】
また、上記の第1の目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記撮像は前記基板を後段の他の処理作業装置に搬送中に行なわれることを第6の特徴とする。
さらに、上記の第1の目的を達成するために、第1乃至第6のいずれかの特徴に加え、前記撮像はラインセンサカメラで行なわれることを第7の特徴とする。
【0013】
また、上記の第2の目的を達成するために、基板の所定位置に貼付けられたACFの貼付け状態を検査する際に、前記所定位置を照明し、撮像し、前記撮像で得られる撮像データの輝度レベルを検出し、前記輝度レベルの時系列変化に基づき前記変化の原因を判別することを第8の特徴とする。
さらに、上記の第2の目的を達成するために、第8の特徴に加え、前記輝度レベルは前記基板のアライメントマークの輝度により前記輝度レベルを検出することを第9の特徴とする。
【0014】
また、上記の第2の目的を達成するために、第8の特徴に加え、前記輝度レベルは前記基板に設けられたリードの輝度により前記輝度レベルを検出することを第10の特徴とする。
さらに、上記の第2の目的を達成するために、第8の特徴に加え、前記輝度レベルは前記基板に設けられた輝度レベル検出用の専用マークの輝度により前記輝度レベルを検出することを第11の特徴とする。
【0015】
また、上記の第2の目的を達成するために、第8の特徴に加え、前記撮像を2値化する閾値を前記輝度レベルに基づいて補正することを第12の特徴とする。
さらに、上記の第2の目的を達成するために、第8の特徴に加え、前記撮像は前記基板を後段の処理作業装置に搬送中に行なわれることを第13の特徴とする。
また、上記の第2の目的を達成するために、第8乃至第13のいずれかの特徴に加え、前記撮像はラインセンサカメラで行なわれることを第14の特徴とする。
【0016】
最後に、上記の第3の目的を達成するために、基板を搬送し、基板の辺の所定位置にACFを貼付け、ACF貼付け状態を検査し、前記2つの処理作業と他の処理作業を順次行なって表示基板モジュール組立をする際に、前記所定位置を照明し、撮像し、前記撮像で得られる撮像データの輝度レベルを検出し、前記輝度レベルの時系列変化に基づき前記変化の原因を判別し、前記2つの処理作業と他の処理作業をするための保全(準備、対処)をするまたは促すことを第15の特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、様々なACF貼付け状態を効率よく検査できるACF貼付検査装置またはACF貼付検査方法を提供できる。
また、本発明によれば、輝度の変化、特に照明劣化等の輝度低下の不具合が発生しても、確実にACFの貼付状態を検査し、不具合原因を判別できる処理作業装置またはACF貼付検査方法を提供することである。
さらに、本発明によれば、上記処理作業装置またはACF貼付検査方法を用いることによって、不具合原因を知ることができるので、予めその原因に対する保全(準備、対処)をすることができる稼働率の高い表示基板モジュール組立ラインを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態である表示基板モジュール組立ラインを示した図である。
【図2】本発明の実施形態である表示基板の搬送装置の基本構成と動作説明図である
【図3】図1に示す表示基板モジュール組立ラインのうちACF貼付処理作業装置、ACF貼付状態検査ユニット及びTAB/IC搭載処理作業装置等を示した図である。
【図4】図3に示す構成のうちACF貼付状態の検査に必要な主要部分及び検査対象である表示基板を示した図である
【図5】本実施形態の一つの特徴である様々なACF貼付け状態を効率よく検査できる方法を説明する図である
【図6】基板、リード及びACFに対するそれぞれの輝度レベル及び判定閾値を相対的に示した図である。
【図7】ACFの様々な貼付状態に対して判定エリアの外周部の白黒画像を示した図である。
【図8】ACF貼付状態検査の検査動作を主体とした処理フローを示した図である。
【図9】作業内容に基づく品種パラメータの例を示した図である。
【図10】輝度低下等の不具合が生じた時の各輝度レベルの変動例と判定閾値の補正方法を示した図である。
【図11】判定閾値の時系列変動例を示した図である。
【図12】図11の各時系列変動例に対して、考えられる原因、その対処方法を纏めた表である。
【図13】輝度変化に対する判定閾値の補正及び輝度変化の原因の判別並びにその対処の動作を処理フローを示した図である。
【図14】判定エリアの他の実施例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の第1の実施形態を図1から図6を用いて説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態である表示基板モジュール組立ライン1を、図2は、その基板の搬送装置2の基本構成を示した図である。
【0021】
図1の装置は、基板Pを保持する基板保持手段12とその基板を隣接する処理作業装置の位置まで搬送するための基板搬送手段11からなる搬送装置によって、図中左から右に向かって基板を順次搬送しながら、基板の周辺部に各種処理作業を行って、ICやTABなどの実装組立作業を行なう装置である。図1の装置は、まず、左側の基板長辺側の処理作業装置群13Lで基板長辺側の処理を行ない、基板長辺側の処理を行った後、基板を基板回転手段19で回転させ、同様な構成を有する基板短辺側の処理作業装置群13Sで基板短辺側の処理を行なう。基板長辺側13L及び基板短辺側13Sにおいて、以下同一装置、同一機能については同一符号を記す。
【0022】
図1で示す基板長辺側処理として、左から(1)基板端部のTAB貼付け部を清掃する端子クリーニング工程,(2)清掃後の基板端部に異方性導電フィルム(ACF)を貼付けるACF工程、(3)貼付けたACFの貼付け状態を検査するACF検査工程、(4)ACFを貼付けた位置の基板配線にTABやICを位置決めして搭載する搭載工程、(5)搭載したTABやICを加熱圧着し、ACFフィルムにより固定する圧着工程を順次行ない、さらに基板辺の最後、または全ての処理辺が終了した後に周辺基板であるPCB基板を実装する処理作業を行うように構成されている。
【0023】
図中の14〜20は、長辺側、短辺側とも同一符号で示し、それぞれ、端子クリーニング処理作業装置14、ACF貼付処理作業装置15、TAB/IC搭載処理作業装置16,本圧着処理作業装置17、基板回転手段19及びACF貼付処理作業装置15とTAB/IC搭載処理作業装置16の間の搬送路上に設けられたACF貼付状態検査ユニット20を示している。なお、PCB基板実装処理作業装置は割愛している。なお、基板長辺側及び基板短辺側ともにACF貼付処理作業装置15が複数のACF貼付処理作業ユニットを有しているのは、同作業の処理時間が長いために、各ユニットで作業を分担し、表示基板モジュール組立ラインの各装置の処理時間を均一化し、表示基板モジュール組立ラインとしてスループットの向上を図るためである。
【0024】
図2は基板Pの搬送方向であるX方向から見たA−A断面図である。同図に示すように、搬送装置2は、基板搬送手段11と基板保持手段12と有し、後述する図3に示すように各処理作業装置に搬送される各基板の位置を検出するリニアエンコーダ2aが設けてある。基板保持手段12は基板搬送方向に細長い基板保持部材12Aを複数(図2では4本)有する。一方、基板搬送手段は前記基板保持部材12Aの間に複数(図2では3本)並置し、やはり、基板搬送方向に細長い基板搬送部材11Aと、図2(a)(b)に示すように基板Pを前記基板保持部材12Aに載置又は離間するために前記基板搬送部材11Aを昇降させる基板搬送部材昇降手段11Bと、基板搬送手段11をガイドレール11C上で搬送方向に移動させるスライダ11Dを有する。
【0025】
このような構造における搬送方法を、図1に示す基板PをACF貼付処理作業装置15からTAB/IC搭載処理作業装置16に搬送する場合を例に説明する。基板搬送手段11は、ACF貼付処理作業装置15の場所で、図2(b)に示すように基板Pを基板搬送部材11Aにより保持し、基板搬送部材昇降手段11Bにより上昇させ、基板Pを基板保持部材12Aから離間させる。その後、基板Pを上昇保持したままで、スライダ11Dにより基板PをTAB/IC搭載処理作業装置16の位置まで搬送する。このとき、基板搬送部材11Aは、基板保持部材12Aの部材の間を移動する。TAB/IC搭載処理作業装置16では、基板Pを下降させ基板保持部材12Aに載置(図2(a))し、基板搬送部材11Aを基板Pから離間させる。そして、基板PはTAB/IC搭載処理作業装置16で搭載作業が行なわれる。この搭載作業中に、基板搬送手段11は、基板を保持していない姿勢を保持し、次の基板を搬送するためにACF貼付処理作業装置15まで戻る。上記一連動作は、組立ライン1で作業中のすべての基板Pに対して同期して行なわれるので、全ての基板が同期して搬送され、処理が行なわれることになる。
【0026】
図1、図2に示す表示基板モジュール組立ライン及び搬送装置は一実施形態であって、特に、どのような処理作業装置を連ねる必要があるかは、組立作業を行なう表示基板モジュール構成に依存することは言うまでもない。
【0027】
以下、本実施形態において最も特徴とするACF貼付状態検査ユニット20について説明する。本実施形態の基本的な考え方は以下の通りである。従来、ACFが正常な領域内にあるかを判定する撮像データの輝度閾値を固定にしていた。一方、本実施形態では、輝度的に安定してできるクロム製のアライメントマークの時系列的変動により輝度変動量を検出し、その輝度変動量に基づいて前記輝度閾値を補正して検査する。
【0028】
図3は上述した方法を実現する本実施形態の構成を示す図である。図3は、図1に示す表示基板モジュール組立ラインのうち、ACF貼付処理作業装置15、ACF貼付状態検査ユニット20、TAB/IC搭載処理作業装置16、搬送装置2、表示基板モジュール組立ライン全体を制御する統括制御部60及びラインの状態等を表示するモニタ62を示した図である。
図4は、図3に示す構成のうち検査に必要な主要部分及び検査対象である表示基板Pを示した図である。搬送装置2は統括制御部60に制御され、図2に示した搬送手段11を駆動する駆動ユニット2dや表示基板Pを位置認識するためのリニアエンコーダ2aを有する。
【0029】
以下、図3、図4を用いてACF貼付状態検査ユニット20の構成及びその動作を説明する。
図1に示すように、長辺側では、ACF貼付処理作業装置15は4台のACF貼付処理作業ユニット15a〜dを有している。本実施形態のACF貼付状態検査ユニット20は、4台のうち下流のユニット装置15dとTAB/IC搭載処理作業装置16間の搬送上に設けられ、基板を次のTAB/IC搭載処理作業装置16に搬送中に、前段の4台のACF貼付処理作業ユニットで貼付けたACFを撮像し検査する。このACF貼付状態検査ユニット20は、基板長辺側及び基板短辺側の処理作業装置群13L、13S毎に楕円で示した位置に1台づつ設けられている。
【0030】
ACF貼付状態検査ユニット20は、ACF貼付部を撮像するために照明手段21と、撮像手段22と、ACF貼付処理作業装置の装置制御部30からの指示を受けて撮像タイミング等の制御、撮像した画像信号を処理する検査制御手段である画像処理部23と、ACF貼付結果等を表示する表示部24とを有する。
【0031】
図4に示すように、照明手段21はLED21a、集光レンズ21b及びLED電源21cからなり、撮像手段22は、ラインセンサカメラ22a、レンズ22b及び偏光フィルタ22cからなる。また、ラインセンサカメラ22aは、ACF貼付け状態検査に際し、基板アライメントマーク25(以下、基板マークという)を検出できる画素分解能と最大搬送速度に対して画像ブレを発生しないシャッタ開放速度を有している。なお、SHは基板搬送中にACF貼付状態を検査するための撮像領域を示す。
【0032】
図5は、本実施形態の一つの特徴である様々なACF貼付け状態を効率よく検査できる方法を説明する図である。また、図5は図4に示す撮像領域SHをさらに詳しく示した図でもある。
【0033】
本実施形態のACF貼付状態検査は、ACFが存在しなければいけない領域(判定エリア5)を各ACFの貼付位置に設け、その判定エリアのエッジである外周部(4辺)上の画素のみで処理を行なう。図5において、一番上のACF3aは合格、その他のACF3b、3c及び3eは不合格の例を示している。判定エリア5は、合格であるACF3aの位置に示すようにACF貼付位置より貼付誤差分を引いた内側の領域とする。
【0034】
図6は、基板P、リード4及びACF3に対するそれぞれの輝度レベルPv、4v及び3vと判定閾値Svを相対的に示したものである。通常、ACF3は黒(レベル)に、リード4は白(レベル)に、そして基板Pはその中間の灰(レベル)に撮像される。判定閾値SvはACFと基板の中間位置に設定される。
【0035】
以下の説明では、判定閾値より下の画素を黒画素、判定閾値以上の画素を白画素と呼ぶ。図7は図5に示すACF貼付け例3a、3b、3c、3e及び3aの例で図面下側が剥がれた場合に対して、判定エリアの外周部を黒画素、白画素で示した図である。
【0036】
そこで、もし、合格例であるACF3aのように、合格条件である判定エリア5がACF3内にあれば、その外周部の輝度値はすべてACF3の輝度レベル3v、即ちすべて黒画素となり図7(a)となる。実際には輝度値は、種々の原因により多少のふらつきがあるのである範囲内で変動する。基板やリードの輝度値も同様である。また、図5のACF3bのようにACFが判定エリアの左上側に位置がずれれば、判定エリア5の右辺及び下辺外周部の輝度値は基板またはリード端子の輝度レベルPvまたは4vを示し、その部分の画素は白画素となり、図7(b)となる。
【0037】
即ち、判定エリアの外周部(4辺)上の輝度値を判定閾値Svと順次比較し、全外周部の輝度値が判定閾値Svより低ければ、図5のACF3aのように、ACFは正常な位置に正常な状態で貼付けられたことになり、合格と判定する。そうでない場合は不合格とする。実際には、電気的なノイズおよびACF表面の微小な散乱光の影響を考慮して、連続したNG画素(2画素以上)が発生した場合にACFの貼付状態を不合格(ACF貼付不良)と判定とする。
【0038】
また、図7に示すように白画素、黒画素のパターンで貼付異常の種類を判定できる。上述したように、すべて黒画素であれば正常であり、図5のACF3bのように並行して位置ズレした場合、位置ズレした反対側の辺が白画素辺となる。また、図5のACF3cのようにACFにネジレのみが発生すると、図7(c)に示すように、辺とその対辺に反対のパターンが発生する。図5のACF3eのように、全くACFが貼付けされていなければ全体が白画素となり図7(e)となる。さらに、図5のACF3aの例で図面下側が剥がれた場合は、剥がれた部分が白画素となり図7(d)となる。
【0039】
実際は図5のACF3b、ACF3cのパターンなどを複合したパターンがあるので上述した特徴を捉えて判断して判定する。
【0040】
上記の実施形態では判定エリアをACF貼付位置により貼付誤差分を引いた内側の領域とした。図14は判定エリアの他の実施例を示した図で、判定エリアの外周部を太線で示している。図14(a)は、内側の領域に加えて外側の領域にも判定エリアを追加設定することで、ACF貼付時の余長や伸びなどを検出することができる。
【0041】
図14(b)は判定するものが限られている場合の検査対象に適用する場合の例を示したのである。上記の実施形態では判定エリアの4辺すべての画素で2値化処理したが、判定するものが限られている場合には必ずしも4辺を処理する必要がない。例えば、位置ズレやネジレの場合には直交する2辺を処理すれば、必ずその2辺に正常な画素とは反対の画素が現れる。
【0042】
図14(c)は判定エリアを規定する4辺のうち基板Pの辺に垂直な2辺がACFの外側の領域に設定された例である。図14(d)は判定エリアを規定する4辺のうち基板Pの辺に垂直な2辺に処理辺を設けず、基板Pの辺に平行な方向であって内側領域に更に一本又は複数本の処理辺を設けた例である。図14(e)、図14(f)、図14(g)はそれぞれ上記の実施形態で説明した判定エリア、図14(a)、図14(c)に示す判定エリアの外周部の角部をカットした例である。また、図14(h)は判定エリアを形成する4辺の処理部の一部を検査には影響ない程度に間引きした例である。
図14(c)から図14(h)においても、上記の実施形態で説明した判定エリアと同様に
ACFの貼付状態を検査することができる。
【0043】
図8は以上説明したACF貼付状態検査の検査動作を主体とした処理フローを示す。まず、図3に示すACF貼付処理作業装置15でACF貼付処理作業が終了したことを検知し、基板Pを次のTAB/IC搭載処理作業装置16に搬送し、その搬送中に図4に示す撮像領域SHの画像を取得する(Step1)。その後、取込画像から基板アライメントマーク(基板マーク)25を検出する(Step2)。次に、後述する輝度変化に対する判定閾値の補正及び輝度変化の原因の判別並びにその対処を行なう(Step3)。次に、図9に示す作業内容の品種パラメータに基づく両端の基板マーク25間の長さと取込みデータに基づき算出された基板マーク25間の長さにより画像の伸縮の補正と、アライメントによる基板の角度補正とを行なう(Step4)。また、前記品種パラメータと画像処理で得られら基板マーク25に基づき判定アリア5を設定する(Step5)。Step3で得られた判定閾値により判定エリアの外周部の2値化処理を行ない、図7に示す2値化データを得る(Step6)。2値化処理の結果に基づき、図7で説明したようにACF貼付け状態を判定する(Step7)。判定結果、取込画像データ等を統括制御部60に転送する(Step8)。
【0044】
以上説明したように、本実施形態によれば、ACF貼付位置の全画像データを処理することなく、判定エリアの辺の外周部の画素データを処理するだけで、ACF貼付状態を効率よく検査できる。
【0045】
また、以上説明したように、本実施形態によれば、各辺の外周部の画素データの白画素と黒画素パターンにより貼付け有無だけでなく、位置ズレやネジレあるいは剥がれ等を検出することができる。
【0046】
次に、本実施形態の他の特徴である、輝度の変化、特に照明劣化等の輝度低下の不具合が発生しても、確実にACFの貼付状態を検査し、不具合原因を判別できる方法について説明する。
【0047】
上述したACFの貼付け状態を検査する際において、輝度変化、特に照度の低下、光軸のズレ、基板の傾き等により輝度低下の不具合が発生する場合がある。図10はその不具合が発生した場合の1例を示した図である。実線は不具合発生前のレベルを示し、破線は不具合発生後のレベルを示す。図10に示すように、ACFの輝度レベル3vは零に近い黒レベルであるのであまり変化はない。しかし、基板Pの輝度レベルPvは基板マーク25の輝度レベル25vの低下に応じて大きく低下する。低下し判定閾値Svに近づくと、基板Pの検出輝度信号もある程度のふらつきがあるが、極端な場合は基板Pの輝度レベルPvが判定閾値Sv以下となり、基板にACFが貼り付けられていない場合も含め、すべてのACFが正しく貼り付けられていると判断されてしまう。その結果、実際の不具合に対する原因究明が遅れ、多くの不良製品を生む可能性もある。
【0048】
そこで、本実施形態では図5に示す基板マーク25の輝度値の変動を監視し、その輝度変動値によって判定閾値Svを補正し、補正した判定閾値で確実にACF貼付状態を検査する。また、本実施形態では判定閾値の時系列的変動を監視することによって輝度低下の原因を判別する。
【0049】
アライメントマーク25を選ぶ理由は、クロムなどの金属製なので安定した高い輝度を得られるからである。従って、マーク25の他に安定した高い輝度が得られるものであればよい。例えば、クロム等の金属製の専用マークを基板Pに設けてもよいし、図5に示したリード、特にACFによる接続には用いられない基板上のダミーリードを用いてもよい。
【0050】
図10は判定閾値の補正方法の一例も示している。何らかの原因で輝度低下の不具合が生じマーク25の輝度レベル25vが実線から破線にΔML低下したとする。その不具合の影響は輝度レベルの高い対象ほど大きく、輝度レベルの低い対象ほど小さい。基板Pの輝度レベルPvはマークの輝度レベル25vの約1/2であるから、判定閾値Svを輝度変動値ΔMLの1/2低くし、新たな判定閾値Svを得る。式(1)において、括弧内のtは時刻を、0は初期値を示す。
【0051】
Sv(t)=Sv(0)−1/2*ML(t)
なお、輝度の変化に対する判定閾値の補正の割合は1/2に限らずその他の割合でもよい。
【0052】
以上の輝度値変化に対する判定閾値の補正に対する実施例によれば、輝度が変化しても、安定してACFの貼付状態を検査することができる。
【0053】
図11は判定閾値の時系列変動例を示した図である。図11(a)は時間の経過に伴いアライメントマークの輝度が長い時間掛かって徐々に低下する例である。図11(b)はある時突然段階的に変化する例である。図11(c)は一時的に輝度値が低下する例である。図11(d)は一時的に輝度値が上昇する例である。図11(e)は判定閾値がふらつく例である。
【0054】
図12は図11の各時系列変動例に対して、考えられる原因及びその対処方法を纏めたものである。基本的にはACF貼付状態検査ユニット20の表示部24に判定結果を表示し近くの作業員に対処を求める。また、ラインの状態等を表示するモニタ62に表示してもよい。
図11(a)のケースは図4に示す照明手段のLED21aの照度低下が原因である。図3の表示部24にその旨を表示し近くの作業員に伝える。作業員は照度低下が小さければLED電源にフィードバックし調光する。調光は自動的に行なってもよい。許容限界に近づいてくれば、作業員は次の作業の段取り替え時にLEDの交換ができるように準備をする。
【0055】
図11(b)は機械的な突発的な原因と考えられる。この原因として、図4に示す照明手段21もしくは撮像手段22の光軸のずれ、基板Pを次の処理作業装置の搬送する図2に示す搬送装置2の基板搬送部材11Aの傾斜が考えられる。本実施形態における搬送装置は次の処理作業装置との往復移動であるから、基板搬送部材11Aの傾斜が一度発生するとその後は継続的に発生する。この場合は、作業員は該当候補の目視検査をし、次の作業の段取り替え時に調整できるように準備する。
【0056】
図11(c)の一時的な低下の原因としては、流れてきた基板Pの傾斜、基板マーク部分の基板の反りが考えられる。また、搬送装置が本実施形態のように往復移動タイプでなく、ループタイプであれば一定の周期で一時的な変化が現れる。対処としては該当する基板の番号を記録し必要ならば適切な場所で当該基板を検査する。
図11(d)は輝度が一時的に上昇する例で、原因としては基板マーク部分の基板の反りが考えられる。対処内容は図11(c)の場合と同じである。
図11(e)のふらつき変化の原因としては搬送装置の振動によるものと考えられる。搬送装置のラインの全体状況を考慮して対処する。
【0057】
図13は、以上の説明した輝度変化に対する判定閾値の補正及び輝度変化の原因の判別並びにその対処の動作を処理フローとして纏めたものである。本フローは図8のサブルーチィンであるStep3を示す。
まず、基板アライメントマークの輝度値を算出する(Step1)。 次に、算出輝度値即ちマークの輝度値が許容範囲内であるかを判定する(Step2)。許容範囲内であれば図10に示す輝度変動値ΔMLを算出し判定閾値を補正する(Step3)。次に、補正した判定閾値が許容範囲内であるかを判定する(Step4)。例えば、本実施形態では補正した判定閾値が低くなりすぎることなく、ある一定以上の値を有するかを判定する。許容範囲内であれば、図8のStep4に行く。Step4において補正した判定閾値が許容範囲外であれば、変動原因を判定し、その結果を表示部24あるいはモニタ62に表示し作業員に対処を促す(Step5)。最後に、Step2においてマークの輝度値が許容範囲外であれば、輝度値異常をモニタ62に表示し、エラー処理を実施する。エラー処理としては、ラインを停止することも一つの候補である(Step6)。ラインを停止することもあり得るので、Step2の判定は上位の統括制御部60で行なってもよい。
【0058】
以上の輝度値変化に対する不具合原因を判別する実施形態によれば、不具合の原因を事前に検知でき、保全する時間を短縮でき稼働率の高い表示基板モジュール組立ラインを提供することができる。
【0059】
上記実施形態では、基板を搬送中に撮像領域の画像を取得したが、ACF貼付状態検査ユニット20をACF貼付処理作業装置の後段に設け、基板を搬送後停止させエリアカメラで一度に撮像領域を撮像し、判定エリアのACF貼付状態を検査して、輝度値変化に対する不具合原因を判別しても本発明を適用でき、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0060】
また、ACF貼付処理作業装置内でACFを貼付けた後ACFを含む領域を撮像し、判定エリアのACF貼付状態を検査して、輝度値変化に対する不具合原因を判別しても本発明を適用でき、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0061】
さらに、上記実施形態では表示基板にACFを貼付ける場合を説明したがPCB基板にACFを貼付ける場合にも本発明を適用でき、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0062】
さらにまた、上記実施形態では表示基板にACFを貼付ける場合を説明したがCOFやFPCなどのいわゆるTABなどにACFを貼付ける場合にも、本発明を適用でき上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0063】
1:表示基板モジュール組立ライン 2:搬送装置
2a:リニアエンコーダ 2d:駆動ユニット
3(3a〜3c、3e):ACF 3v:ACFの輝度レベル
4(4a〜4c、4e):リード 4v:リードの輝度レベル
5(5a〜5c、5e):判定エリア 11:基板搬送手段
12:基板保持手段 13L:基板長辺側の処理作業装置群
13S:基板短辺側の処理作業装置群
15:ACF貼付処理作業装置 15a〜d:ACF貼付処理作業ユニット
15ah〜dh:ACF貼付ヘッド 16:TAB/IC搭載処理作業装置
20:ACF貼付状態検査ユニット 21:照明手段
22:撮像手段 22a:ラインセンサカメラ
23:画像処理部 24:表示部
25:基板アライメントマーク 30:装置制御部
60:統括制御部 P:基板(表示基板)
Pv:基板(表示基板)の輝度レベル SH:撮像領域
Sv:判定閾値。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶やプラズマなどのFPD(=Flat Panel Display)の表示基板の周辺に駆動ICの搭載やCOF(Chip on Film)、FPC(Flexible Printed Circuits)などのいわゆるTAB(=Tape Automated Bonding)接続および周辺基板(PCB=printed circuit board)を実装する処理作業装置及びそれ等から構成される表示基板モジュール組立ラインに関するものである。より具体的には、異方性導電フィルム(ACF=Anisotropic Conductive Film)の貼付け状態を検査する検査ユニット及び検査方法並びに検査ユニットまたは検査結果に基づいて構成される表示基板モジュール組立ラインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示基板モジュール組立ラインは、液晶、プラズマなどのFPDの表示基板(以下、基本的には単に基板と略し、その他の基板、例えばPCBの場合はPCB基板と明記する)に、複数の処理作業工程を順次行なうことで、該基板の周辺に、駆動IC、COFおよびPCB基板などを実装する装置である。
【0003】
例えば、処理工程の一例としては、(1)基板端部のTAB貼付け部を清掃する端子クリーニング工程、(2)清掃後の基板端部にACFを貼付けるACF工程、(3)貼付けたACFの貼付け状態を検査するACF検査工程、(4)ACFを貼付けた位置の基板配線にTABやICを位置決めして搭載する搭載工程、(5)搭載したTABを加熱圧着することで、ACFにより固定する圧着工程、(6)圧着したTABやICの位置や接続状態を検査する搭載検査工程、(7)TABの基板側とは反対側にPCB基板をACFなどで貼付け搭載しACF貼付け状態を検査するPCB工程(複数の工程)などからなる。さらには、処理する基板の辺の数や処理するTABやICの数などで各処理装置の数や基板を回転する処理ユニットなどが必要となる。このような工程を得ることによって、基板側の電極とTAB/IC等の側の電極との間に設けたACFを熱圧着することによって両電極を電気的に接続するものである。
【0004】
上述の(3)や(6)に記すACFの貼付状態を検査する従来技術としては特許文献1がある。特許文献1は、基板に貼付けられたACFの端部を撮像し、ACF部とリード部の輝度差の間に閾値を設定し、リード部の輝度が高い場合に、該閾値をリード部の輝度に基づいて設定している。また、特許文献1は、前記撮像範囲をACF部(黒画素)とリード部(白画素)に二値化し、撮像範囲の白黒画素の割合からACFの端部の捲くれを検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−185574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1はリード輝度の変化はリード形成の処理のムラ等で生じるとしているが、その他の原因には何があるか、実際にその原因が何であるかについての開示はない。
【0007】
また、ACF貼付け状態の検査には、ACFの貼付け忘れ、捲くれ(剥がれ)の他に、ACFの位置ズレ、ネジレなどがあるが、ACF端部における白黒画素の割合だけではその判断が困難である。また、撮像範囲をACF貼付位置全体とすると画像処理に時間が掛かる虞がある。
【0008】
本発明の第1の目的は、様々なACF貼付け状態を効率よく検査できる処理作業装置またはACF貼付検査方法を提供することである。
また、本発明の第2の目的は、輝度の変化、特に照明劣化等の輝度低下の不具合が発生しても、確実にACFの貼付状態を検査し、不具合原因を判別できる処理作業装置またはACF貼付検査方法を提供することである。
さらに、本発明の第3の目的は、上記処理作業装置またはACF貼付検査方法を用いることによって、不具合原因を知ることができるので、予めその原因に対する保全(準備、対処)をすることができる稼働率の高い表示基板モジュール組立ラインを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の第1の目的を達成するために、基板の所定位置に貼付けられたACFの貼付け状態を検査する際に、前記所定位置を照明し、撮像し、前記撮像によって得られた撮像データに前記ACFが存在しなければいけない領域に判定エリアを設定し、前記判定エリアの外周部の撮像データのうち一部または全部を処理し、前記処理結果に基づいて前記ACFの貼付け状態を検査することを第1の特徴とする。
【0010】
また、上記第1の目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記判定エリアは前記領域に隣接した内側に設定されたことを第2の特徴とする。
さらに、上記第1の目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記画像処理手段は前記画像の2値化データを得る手段であり、前記検査手段は前記2値化データの一方のレベルの連続性に基づいてACFの貼付け状態を検査することを第3の特徴とする。
【0011】
また、上記第1の目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記判定エリアは4角形であり、前記外周部は4角形の4辺であることを第4の特徴とする。
さらに、上記第1の目的を達成するために、第1または第2の特徴に加え、前記検査はACFの位置ずれ、ネジレ、貼付なし、剥がれの各状態のうち少なくとも一つ以上を検査することを第5の特徴とする。
【0012】
また、上記の第1の目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記撮像は前記基板を後段の他の処理作業装置に搬送中に行なわれることを第6の特徴とする。
さらに、上記の第1の目的を達成するために、第1乃至第6のいずれかの特徴に加え、前記撮像はラインセンサカメラで行なわれることを第7の特徴とする。
【0013】
また、上記の第2の目的を達成するために、基板の所定位置に貼付けられたACFの貼付け状態を検査する際に、前記所定位置を照明し、撮像し、前記撮像で得られる撮像データの輝度レベルを検出し、前記輝度レベルの時系列変化に基づき前記変化の原因を判別することを第8の特徴とする。
さらに、上記の第2の目的を達成するために、第8の特徴に加え、前記輝度レベルは前記基板のアライメントマークの輝度により前記輝度レベルを検出することを第9の特徴とする。
【0014】
また、上記の第2の目的を達成するために、第8の特徴に加え、前記輝度レベルは前記基板に設けられたリードの輝度により前記輝度レベルを検出することを第10の特徴とする。
さらに、上記の第2の目的を達成するために、第8の特徴に加え、前記輝度レベルは前記基板に設けられた輝度レベル検出用の専用マークの輝度により前記輝度レベルを検出することを第11の特徴とする。
【0015】
また、上記の第2の目的を達成するために、第8の特徴に加え、前記撮像を2値化する閾値を前記輝度レベルに基づいて補正することを第12の特徴とする。
さらに、上記の第2の目的を達成するために、第8の特徴に加え、前記撮像は前記基板を後段の処理作業装置に搬送中に行なわれることを第13の特徴とする。
また、上記の第2の目的を達成するために、第8乃至第13のいずれかの特徴に加え、前記撮像はラインセンサカメラで行なわれることを第14の特徴とする。
【0016】
最後に、上記の第3の目的を達成するために、基板を搬送し、基板の辺の所定位置にACFを貼付け、ACF貼付け状態を検査し、前記2つの処理作業と他の処理作業を順次行なって表示基板モジュール組立をする際に、前記所定位置を照明し、撮像し、前記撮像で得られる撮像データの輝度レベルを検出し、前記輝度レベルの時系列変化に基づき前記変化の原因を判別し、前記2つの処理作業と他の処理作業をするための保全(準備、対処)をするまたは促すことを第15の特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、様々なACF貼付け状態を効率よく検査できるACF貼付検査装置またはACF貼付検査方法を提供できる。
また、本発明によれば、輝度の変化、特に照明劣化等の輝度低下の不具合が発生しても、確実にACFの貼付状態を検査し、不具合原因を判別できる処理作業装置またはACF貼付検査方法を提供することである。
さらに、本発明によれば、上記処理作業装置またはACF貼付検査方法を用いることによって、不具合原因を知ることができるので、予めその原因に対する保全(準備、対処)をすることができる稼働率の高い表示基板モジュール組立ラインを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態である表示基板モジュール組立ラインを示した図である。
【図2】本発明の実施形態である表示基板の搬送装置の基本構成と動作説明図である
【図3】図1に示す表示基板モジュール組立ラインのうちACF貼付処理作業装置、ACF貼付状態検査ユニット及びTAB/IC搭載処理作業装置等を示した図である。
【図4】図3に示す構成のうちACF貼付状態の検査に必要な主要部分及び検査対象である表示基板を示した図である
【図5】本実施形態の一つの特徴である様々なACF貼付け状態を効率よく検査できる方法を説明する図である
【図6】基板、リード及びACFに対するそれぞれの輝度レベル及び判定閾値を相対的に示した図である。
【図7】ACFの様々な貼付状態に対して判定エリアの外周部の白黒画像を示した図である。
【図8】ACF貼付状態検査の検査動作を主体とした処理フローを示した図である。
【図9】作業内容に基づく品種パラメータの例を示した図である。
【図10】輝度低下等の不具合が生じた時の各輝度レベルの変動例と判定閾値の補正方法を示した図である。
【図11】判定閾値の時系列変動例を示した図である。
【図12】図11の各時系列変動例に対して、考えられる原因、その対処方法を纏めた表である。
【図13】輝度変化に対する判定閾値の補正及び輝度変化の原因の判別並びにその対処の動作を処理フローを示した図である。
【図14】判定エリアの他の実施例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の第1の実施形態を図1から図6を用いて説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態である表示基板モジュール組立ライン1を、図2は、その基板の搬送装置2の基本構成を示した図である。
【0021】
図1の装置は、基板Pを保持する基板保持手段12とその基板を隣接する処理作業装置の位置まで搬送するための基板搬送手段11からなる搬送装置によって、図中左から右に向かって基板を順次搬送しながら、基板の周辺部に各種処理作業を行って、ICやTABなどの実装組立作業を行なう装置である。図1の装置は、まず、左側の基板長辺側の処理作業装置群13Lで基板長辺側の処理を行ない、基板長辺側の処理を行った後、基板を基板回転手段19で回転させ、同様な構成を有する基板短辺側の処理作業装置群13Sで基板短辺側の処理を行なう。基板長辺側13L及び基板短辺側13Sにおいて、以下同一装置、同一機能については同一符号を記す。
【0022】
図1で示す基板長辺側処理として、左から(1)基板端部のTAB貼付け部を清掃する端子クリーニング工程,(2)清掃後の基板端部に異方性導電フィルム(ACF)を貼付けるACF工程、(3)貼付けたACFの貼付け状態を検査するACF検査工程、(4)ACFを貼付けた位置の基板配線にTABやICを位置決めして搭載する搭載工程、(5)搭載したTABやICを加熱圧着し、ACFフィルムにより固定する圧着工程を順次行ない、さらに基板辺の最後、または全ての処理辺が終了した後に周辺基板であるPCB基板を実装する処理作業を行うように構成されている。
【0023】
図中の14〜20は、長辺側、短辺側とも同一符号で示し、それぞれ、端子クリーニング処理作業装置14、ACF貼付処理作業装置15、TAB/IC搭載処理作業装置16,本圧着処理作業装置17、基板回転手段19及びACF貼付処理作業装置15とTAB/IC搭載処理作業装置16の間の搬送路上に設けられたACF貼付状態検査ユニット20を示している。なお、PCB基板実装処理作業装置は割愛している。なお、基板長辺側及び基板短辺側ともにACF貼付処理作業装置15が複数のACF貼付処理作業ユニットを有しているのは、同作業の処理時間が長いために、各ユニットで作業を分担し、表示基板モジュール組立ラインの各装置の処理時間を均一化し、表示基板モジュール組立ラインとしてスループットの向上を図るためである。
【0024】
図2は基板Pの搬送方向であるX方向から見たA−A断面図である。同図に示すように、搬送装置2は、基板搬送手段11と基板保持手段12と有し、後述する図3に示すように各処理作業装置に搬送される各基板の位置を検出するリニアエンコーダ2aが設けてある。基板保持手段12は基板搬送方向に細長い基板保持部材12Aを複数(図2では4本)有する。一方、基板搬送手段は前記基板保持部材12Aの間に複数(図2では3本)並置し、やはり、基板搬送方向に細長い基板搬送部材11Aと、図2(a)(b)に示すように基板Pを前記基板保持部材12Aに載置又は離間するために前記基板搬送部材11Aを昇降させる基板搬送部材昇降手段11Bと、基板搬送手段11をガイドレール11C上で搬送方向に移動させるスライダ11Dを有する。
【0025】
このような構造における搬送方法を、図1に示す基板PをACF貼付処理作業装置15からTAB/IC搭載処理作業装置16に搬送する場合を例に説明する。基板搬送手段11は、ACF貼付処理作業装置15の場所で、図2(b)に示すように基板Pを基板搬送部材11Aにより保持し、基板搬送部材昇降手段11Bにより上昇させ、基板Pを基板保持部材12Aから離間させる。その後、基板Pを上昇保持したままで、スライダ11Dにより基板PをTAB/IC搭載処理作業装置16の位置まで搬送する。このとき、基板搬送部材11Aは、基板保持部材12Aの部材の間を移動する。TAB/IC搭載処理作業装置16では、基板Pを下降させ基板保持部材12Aに載置(図2(a))し、基板搬送部材11Aを基板Pから離間させる。そして、基板PはTAB/IC搭載処理作業装置16で搭載作業が行なわれる。この搭載作業中に、基板搬送手段11は、基板を保持していない姿勢を保持し、次の基板を搬送するためにACF貼付処理作業装置15まで戻る。上記一連動作は、組立ライン1で作業中のすべての基板Pに対して同期して行なわれるので、全ての基板が同期して搬送され、処理が行なわれることになる。
【0026】
図1、図2に示す表示基板モジュール組立ライン及び搬送装置は一実施形態であって、特に、どのような処理作業装置を連ねる必要があるかは、組立作業を行なう表示基板モジュール構成に依存することは言うまでもない。
【0027】
以下、本実施形態において最も特徴とするACF貼付状態検査ユニット20について説明する。本実施形態の基本的な考え方は以下の通りである。従来、ACFが正常な領域内にあるかを判定する撮像データの輝度閾値を固定にしていた。一方、本実施形態では、輝度的に安定してできるクロム製のアライメントマークの時系列的変動により輝度変動量を検出し、その輝度変動量に基づいて前記輝度閾値を補正して検査する。
【0028】
図3は上述した方法を実現する本実施形態の構成を示す図である。図3は、図1に示す表示基板モジュール組立ラインのうち、ACF貼付処理作業装置15、ACF貼付状態検査ユニット20、TAB/IC搭載処理作業装置16、搬送装置2、表示基板モジュール組立ライン全体を制御する統括制御部60及びラインの状態等を表示するモニタ62を示した図である。
図4は、図3に示す構成のうち検査に必要な主要部分及び検査対象である表示基板Pを示した図である。搬送装置2は統括制御部60に制御され、図2に示した搬送手段11を駆動する駆動ユニット2dや表示基板Pを位置認識するためのリニアエンコーダ2aを有する。
【0029】
以下、図3、図4を用いてACF貼付状態検査ユニット20の構成及びその動作を説明する。
図1に示すように、長辺側では、ACF貼付処理作業装置15は4台のACF貼付処理作業ユニット15a〜dを有している。本実施形態のACF貼付状態検査ユニット20は、4台のうち下流のユニット装置15dとTAB/IC搭載処理作業装置16間の搬送上に設けられ、基板を次のTAB/IC搭載処理作業装置16に搬送中に、前段の4台のACF貼付処理作業ユニットで貼付けたACFを撮像し検査する。このACF貼付状態検査ユニット20は、基板長辺側及び基板短辺側の処理作業装置群13L、13S毎に楕円で示した位置に1台づつ設けられている。
【0030】
ACF貼付状態検査ユニット20は、ACF貼付部を撮像するために照明手段21と、撮像手段22と、ACF貼付処理作業装置の装置制御部30からの指示を受けて撮像タイミング等の制御、撮像した画像信号を処理する検査制御手段である画像処理部23と、ACF貼付結果等を表示する表示部24とを有する。
【0031】
図4に示すように、照明手段21はLED21a、集光レンズ21b及びLED電源21cからなり、撮像手段22は、ラインセンサカメラ22a、レンズ22b及び偏光フィルタ22cからなる。また、ラインセンサカメラ22aは、ACF貼付け状態検査に際し、基板アライメントマーク25(以下、基板マークという)を検出できる画素分解能と最大搬送速度に対して画像ブレを発生しないシャッタ開放速度を有している。なお、SHは基板搬送中にACF貼付状態を検査するための撮像領域を示す。
【0032】
図5は、本実施形態の一つの特徴である様々なACF貼付け状態を効率よく検査できる方法を説明する図である。また、図5は図4に示す撮像領域SHをさらに詳しく示した図でもある。
【0033】
本実施形態のACF貼付状態検査は、ACFが存在しなければいけない領域(判定エリア5)を各ACFの貼付位置に設け、その判定エリアのエッジである外周部(4辺)上の画素のみで処理を行なう。図5において、一番上のACF3aは合格、その他のACF3b、3c及び3eは不合格の例を示している。判定エリア5は、合格であるACF3aの位置に示すようにACF貼付位置より貼付誤差分を引いた内側の領域とする。
【0034】
図6は、基板P、リード4及びACF3に対するそれぞれの輝度レベルPv、4v及び3vと判定閾値Svを相対的に示したものである。通常、ACF3は黒(レベル)に、リード4は白(レベル)に、そして基板Pはその中間の灰(レベル)に撮像される。判定閾値SvはACFと基板の中間位置に設定される。
【0035】
以下の説明では、判定閾値より下の画素を黒画素、判定閾値以上の画素を白画素と呼ぶ。図7は図5に示すACF貼付け例3a、3b、3c、3e及び3aの例で図面下側が剥がれた場合に対して、判定エリアの外周部を黒画素、白画素で示した図である。
【0036】
そこで、もし、合格例であるACF3aのように、合格条件である判定エリア5がACF3内にあれば、その外周部の輝度値はすべてACF3の輝度レベル3v、即ちすべて黒画素となり図7(a)となる。実際には輝度値は、種々の原因により多少のふらつきがあるのである範囲内で変動する。基板やリードの輝度値も同様である。また、図5のACF3bのようにACFが判定エリアの左上側に位置がずれれば、判定エリア5の右辺及び下辺外周部の輝度値は基板またはリード端子の輝度レベルPvまたは4vを示し、その部分の画素は白画素となり、図7(b)となる。
【0037】
即ち、判定エリアの外周部(4辺)上の輝度値を判定閾値Svと順次比較し、全外周部の輝度値が判定閾値Svより低ければ、図5のACF3aのように、ACFは正常な位置に正常な状態で貼付けられたことになり、合格と判定する。そうでない場合は不合格とする。実際には、電気的なノイズおよびACF表面の微小な散乱光の影響を考慮して、連続したNG画素(2画素以上)が発生した場合にACFの貼付状態を不合格(ACF貼付不良)と判定とする。
【0038】
また、図7に示すように白画素、黒画素のパターンで貼付異常の種類を判定できる。上述したように、すべて黒画素であれば正常であり、図5のACF3bのように並行して位置ズレした場合、位置ズレした反対側の辺が白画素辺となる。また、図5のACF3cのようにACFにネジレのみが発生すると、図7(c)に示すように、辺とその対辺に反対のパターンが発生する。図5のACF3eのように、全くACFが貼付けされていなければ全体が白画素となり図7(e)となる。さらに、図5のACF3aの例で図面下側が剥がれた場合は、剥がれた部分が白画素となり図7(d)となる。
【0039】
実際は図5のACF3b、ACF3cのパターンなどを複合したパターンがあるので上述した特徴を捉えて判断して判定する。
【0040】
上記の実施形態では判定エリアをACF貼付位置により貼付誤差分を引いた内側の領域とした。図14は判定エリアの他の実施例を示した図で、判定エリアの外周部を太線で示している。図14(a)は、内側の領域に加えて外側の領域にも判定エリアを追加設定することで、ACF貼付時の余長や伸びなどを検出することができる。
【0041】
図14(b)は判定するものが限られている場合の検査対象に適用する場合の例を示したのである。上記の実施形態では判定エリアの4辺すべての画素で2値化処理したが、判定するものが限られている場合には必ずしも4辺を処理する必要がない。例えば、位置ズレやネジレの場合には直交する2辺を処理すれば、必ずその2辺に正常な画素とは反対の画素が現れる。
【0042】
図14(c)は判定エリアを規定する4辺のうち基板Pの辺に垂直な2辺がACFの外側の領域に設定された例である。図14(d)は判定エリアを規定する4辺のうち基板Pの辺に垂直な2辺に処理辺を設けず、基板Pの辺に平行な方向であって内側領域に更に一本又は複数本の処理辺を設けた例である。図14(e)、図14(f)、図14(g)はそれぞれ上記の実施形態で説明した判定エリア、図14(a)、図14(c)に示す判定エリアの外周部の角部をカットした例である。また、図14(h)は判定エリアを形成する4辺の処理部の一部を検査には影響ない程度に間引きした例である。
図14(c)から図14(h)においても、上記の実施形態で説明した判定エリアと同様に
ACFの貼付状態を検査することができる。
【0043】
図8は以上説明したACF貼付状態検査の検査動作を主体とした処理フローを示す。まず、図3に示すACF貼付処理作業装置15でACF貼付処理作業が終了したことを検知し、基板Pを次のTAB/IC搭載処理作業装置16に搬送し、その搬送中に図4に示す撮像領域SHの画像を取得する(Step1)。その後、取込画像から基板アライメントマーク(基板マーク)25を検出する(Step2)。次に、後述する輝度変化に対する判定閾値の補正及び輝度変化の原因の判別並びにその対処を行なう(Step3)。次に、図9に示す作業内容の品種パラメータに基づく両端の基板マーク25間の長さと取込みデータに基づき算出された基板マーク25間の長さにより画像の伸縮の補正と、アライメントによる基板の角度補正とを行なう(Step4)。また、前記品種パラメータと画像処理で得られら基板マーク25に基づき判定アリア5を設定する(Step5)。Step3で得られた判定閾値により判定エリアの外周部の2値化処理を行ない、図7に示す2値化データを得る(Step6)。2値化処理の結果に基づき、図7で説明したようにACF貼付け状態を判定する(Step7)。判定結果、取込画像データ等を統括制御部60に転送する(Step8)。
【0044】
以上説明したように、本実施形態によれば、ACF貼付位置の全画像データを処理することなく、判定エリアの辺の外周部の画素データを処理するだけで、ACF貼付状態を効率よく検査できる。
【0045】
また、以上説明したように、本実施形態によれば、各辺の外周部の画素データの白画素と黒画素パターンにより貼付け有無だけでなく、位置ズレやネジレあるいは剥がれ等を検出することができる。
【0046】
次に、本実施形態の他の特徴である、輝度の変化、特に照明劣化等の輝度低下の不具合が発生しても、確実にACFの貼付状態を検査し、不具合原因を判別できる方法について説明する。
【0047】
上述したACFの貼付け状態を検査する際において、輝度変化、特に照度の低下、光軸のズレ、基板の傾き等により輝度低下の不具合が発生する場合がある。図10はその不具合が発生した場合の1例を示した図である。実線は不具合発生前のレベルを示し、破線は不具合発生後のレベルを示す。図10に示すように、ACFの輝度レベル3vは零に近い黒レベルであるのであまり変化はない。しかし、基板Pの輝度レベルPvは基板マーク25の輝度レベル25vの低下に応じて大きく低下する。低下し判定閾値Svに近づくと、基板Pの検出輝度信号もある程度のふらつきがあるが、極端な場合は基板Pの輝度レベルPvが判定閾値Sv以下となり、基板にACFが貼り付けられていない場合も含め、すべてのACFが正しく貼り付けられていると判断されてしまう。その結果、実際の不具合に対する原因究明が遅れ、多くの不良製品を生む可能性もある。
【0048】
そこで、本実施形態では図5に示す基板マーク25の輝度値の変動を監視し、その輝度変動値によって判定閾値Svを補正し、補正した判定閾値で確実にACF貼付状態を検査する。また、本実施形態では判定閾値の時系列的変動を監視することによって輝度低下の原因を判別する。
【0049】
アライメントマーク25を選ぶ理由は、クロムなどの金属製なので安定した高い輝度を得られるからである。従って、マーク25の他に安定した高い輝度が得られるものであればよい。例えば、クロム等の金属製の専用マークを基板Pに設けてもよいし、図5に示したリード、特にACFによる接続には用いられない基板上のダミーリードを用いてもよい。
【0050】
図10は判定閾値の補正方法の一例も示している。何らかの原因で輝度低下の不具合が生じマーク25の輝度レベル25vが実線から破線にΔML低下したとする。その不具合の影響は輝度レベルの高い対象ほど大きく、輝度レベルの低い対象ほど小さい。基板Pの輝度レベルPvはマークの輝度レベル25vの約1/2であるから、判定閾値Svを輝度変動値ΔMLの1/2低くし、新たな判定閾値Svを得る。式(1)において、括弧内のtは時刻を、0は初期値を示す。
【0051】
Sv(t)=Sv(0)−1/2*ML(t)
なお、輝度の変化に対する判定閾値の補正の割合は1/2に限らずその他の割合でもよい。
【0052】
以上の輝度値変化に対する判定閾値の補正に対する実施例によれば、輝度が変化しても、安定してACFの貼付状態を検査することができる。
【0053】
図11は判定閾値の時系列変動例を示した図である。図11(a)は時間の経過に伴いアライメントマークの輝度が長い時間掛かって徐々に低下する例である。図11(b)はある時突然段階的に変化する例である。図11(c)は一時的に輝度値が低下する例である。図11(d)は一時的に輝度値が上昇する例である。図11(e)は判定閾値がふらつく例である。
【0054】
図12は図11の各時系列変動例に対して、考えられる原因及びその対処方法を纏めたものである。基本的にはACF貼付状態検査ユニット20の表示部24に判定結果を表示し近くの作業員に対処を求める。また、ラインの状態等を表示するモニタ62に表示してもよい。
図11(a)のケースは図4に示す照明手段のLED21aの照度低下が原因である。図3の表示部24にその旨を表示し近くの作業員に伝える。作業員は照度低下が小さければLED電源にフィードバックし調光する。調光は自動的に行なってもよい。許容限界に近づいてくれば、作業員は次の作業の段取り替え時にLEDの交換ができるように準備をする。
【0055】
図11(b)は機械的な突発的な原因と考えられる。この原因として、図4に示す照明手段21もしくは撮像手段22の光軸のずれ、基板Pを次の処理作業装置の搬送する図2に示す搬送装置2の基板搬送部材11Aの傾斜が考えられる。本実施形態における搬送装置は次の処理作業装置との往復移動であるから、基板搬送部材11Aの傾斜が一度発生するとその後は継続的に発生する。この場合は、作業員は該当候補の目視検査をし、次の作業の段取り替え時に調整できるように準備する。
【0056】
図11(c)の一時的な低下の原因としては、流れてきた基板Pの傾斜、基板マーク部分の基板の反りが考えられる。また、搬送装置が本実施形態のように往復移動タイプでなく、ループタイプであれば一定の周期で一時的な変化が現れる。対処としては該当する基板の番号を記録し必要ならば適切な場所で当該基板を検査する。
図11(d)は輝度が一時的に上昇する例で、原因としては基板マーク部分の基板の反りが考えられる。対処内容は図11(c)の場合と同じである。
図11(e)のふらつき変化の原因としては搬送装置の振動によるものと考えられる。搬送装置のラインの全体状況を考慮して対処する。
【0057】
図13は、以上の説明した輝度変化に対する判定閾値の補正及び輝度変化の原因の判別並びにその対処の動作を処理フローとして纏めたものである。本フローは図8のサブルーチィンであるStep3を示す。
まず、基板アライメントマークの輝度値を算出する(Step1)。 次に、算出輝度値即ちマークの輝度値が許容範囲内であるかを判定する(Step2)。許容範囲内であれば図10に示す輝度変動値ΔMLを算出し判定閾値を補正する(Step3)。次に、補正した判定閾値が許容範囲内であるかを判定する(Step4)。例えば、本実施形態では補正した判定閾値が低くなりすぎることなく、ある一定以上の値を有するかを判定する。許容範囲内であれば、図8のStep4に行く。Step4において補正した判定閾値が許容範囲外であれば、変動原因を判定し、その結果を表示部24あるいはモニタ62に表示し作業員に対処を促す(Step5)。最後に、Step2においてマークの輝度値が許容範囲外であれば、輝度値異常をモニタ62に表示し、エラー処理を実施する。エラー処理としては、ラインを停止することも一つの候補である(Step6)。ラインを停止することもあり得るので、Step2の判定は上位の統括制御部60で行なってもよい。
【0058】
以上の輝度値変化に対する不具合原因を判別する実施形態によれば、不具合の原因を事前に検知でき、保全する時間を短縮でき稼働率の高い表示基板モジュール組立ラインを提供することができる。
【0059】
上記実施形態では、基板を搬送中に撮像領域の画像を取得したが、ACF貼付状態検査ユニット20をACF貼付処理作業装置の後段に設け、基板を搬送後停止させエリアカメラで一度に撮像領域を撮像し、判定エリアのACF貼付状態を検査して、輝度値変化に対する不具合原因を判別しても本発明を適用でき、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0060】
また、ACF貼付処理作業装置内でACFを貼付けた後ACFを含む領域を撮像し、判定エリアのACF貼付状態を検査して、輝度値変化に対する不具合原因を判別しても本発明を適用でき、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0061】
さらに、上記実施形態では表示基板にACFを貼付ける場合を説明したがPCB基板にACFを貼付ける場合にも本発明を適用でき、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0062】
さらにまた、上記実施形態では表示基板にACFを貼付ける場合を説明したがCOFやFPCなどのいわゆるTABなどにACFを貼付ける場合にも、本発明を適用でき上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0063】
1:表示基板モジュール組立ライン 2:搬送装置
2a:リニアエンコーダ 2d:駆動ユニット
3(3a〜3c、3e):ACF 3v:ACFの輝度レベル
4(4a〜4c、4e):リード 4v:リードの輝度レベル
5(5a〜5c、5e):判定エリア 11:基板搬送手段
12:基板保持手段 13L:基板長辺側の処理作業装置群
13S:基板短辺側の処理作業装置群
15:ACF貼付処理作業装置 15a〜d:ACF貼付処理作業ユニット
15ah〜dh:ACF貼付ヘッド 16:TAB/IC搭載処理作業装置
20:ACF貼付状態検査ユニット 21:照明手段
22:撮像手段 22a:ラインセンサカメラ
23:画像処理部 24:表示部
25:基板アライメントマーク 30:装置制御部
60:統括制御部 P:基板(表示基板)
Pv:基板(表示基板)の輝度レベル SH:撮像領域
Sv:判定閾値。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の所定位置に貼付けられたACFの貼付け状態を検査するACF貼付状態検査ユニットを有する処理作業装置において、
前記ACF貼付け状態検査ユニットは、前記所定位置を照明する照明手段と、前記所定位置を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された画像のうち前記ACFが存在しなければいけない領域に設定された判定エリアの外周部の画像のうち一部又は全部を処理する画像処理手段と、前記画像処理手段の結果に基づいて前記ACFの貼付け状態を検査する検査手段とを有することを特徴とする処理作業装置。
【請求項2】
前記判定エリアは前記領域に隣接した内側に設定されたことを特徴とする請求項1に記載の処理作業装置。
【請求項3】
前記画像処理手段は前記外周部の画像の2値化データを得る手段であり、前記検査手段は前記2値化データの一方のレベルの連続性に基づいてACFの貼付け状態を検査することを特徴とする請求項1に記載の処理作業装置。
【請求項4】
前記判定エリアは4角形であり、前記外周部は4角形の4辺であることを特徴とする請求項1に記載の処理作業装置。
【請求項5】
前記4辺のうち前記基板の辺と平行な2辺は前記領域に隣接した内側に設定されたことを特徴とする請求項4に記載の処理作業装置。
【請求項6】
前記検査はACFの位置ずれ、ネジレ、貼付なし、剥がれの各状態のうち少なくとも一つを検査することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の処理作業装置。
【請求項7】
前記撮像は前記基板を後段の他の処理作業装置に搬送する搬送手段による搬送中に行なわれることを特徴とする請求項1に記載の処理作業装置。
【請求項8】
前記撮像手段はラインセンサカメラを有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の処理作業装置。
【請求項9】
前記撮像手段は、前記搬送手段から得られる前記基板の搬送位置情報に基づき前記撮像をすることを特徴とする請求項7に記載の処理作業装置。
【請求項10】
前記撮像は前記ACFを貼付けるACF貼付処理作業装置内で行なわれることを特徴とする請求項1に記載の処理作業装置。
【請求項11】
前記処理作業装置は前記ACFを貼付けるACF貼付処理作業装置の後段に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の処理作業装置。
【請求項12】
基板の所定位置に貼付けられたACFの貼付け状態を検査するACF貼付け状態検査方法において、
前記所定位置を照明し、撮像し、前記撮像によって得られた撮像データに前記ACFが存在しなければいけない領域に判定エリアを設定し、前記判定エリアの外周部の少なくとも一部の撮像データを処理し、前記処理結果に基づいて前記ACFの貼付け状態を検査することを特徴とするACF貼付け状態検査方法。
【請求項13】
前記判定エリアは前記領域に隣接した内側に設定されたことを特徴とする請求項12に記載のACF貼付け状態検査方法。
【請求項14】
前記処理は前記撮像データを2値化処理し、前記検査は前記2値化レベルの一方のレベルの連続性に基づいてACFの貼付け状態を検査することを特徴とする請求項12に記載の処理作業方法。
【請求項15】
前記検査はACFの位置ずれ、ネジレ、貼付なし、はがれの各状態のうち少なくとも一つを検査することを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載のACF貼付け状態検査方法。
【請求項16】
前記撮像は前記基板を後段の処理作業装置に搬送中に行なわれることを特徴とする請求項12に記載のACF貼付け状態検査方法。
【請求項17】
前記撮像はラインセンサカメラで行なわれることを特徴とする請求項12乃至16のいずれかに記載のACF貼付け状態検査方法。
【請求項18】
基板の所定位置に貼付けられたACFの貼付け状態を検査するACF貼付状態検査ユニットを有する処理作業装置において、
前記ACF貼付け状態検査ユニットは、前記所定位置を照明する照明手段と、前記所定位置を撮像する撮像手段と、前記撮像で得られる撮像データの輝度レベルを検出する輝度レベル検出手段と、前記輝度レベルの時系列変化に基づき前記輝度レベルの変化の原因を判別する判別手段とを有することを特徴とする処理作業装置。
【請求項19】
前記輝度レベル検出手段は前記基板のアライメントマークの輝度により前記輝度レベルを検出することを特徴とする請求項18に記載の処理作業装置。
【請求項20】
前記輝度レベル検出手段は前記基板に設けられたリードの輝度により前記輝度レベルを検出することを特徴とする請求項18に記載の処理作業装置。
【請求項21】
前記輝度レベル検出手段は前記基板に設けられた輝度レベル検出用の専用マークの輝度により前記輝度レベルを検出することを特徴とする請求項18に記載の処理作業装置。
【請求項22】
前記処理作業装置は前記撮像で得られた撮像データの輝度レベルを2値化する閾値を前記輝度レベルに基づいて補正することを特徴とする請求項18に記載の処理作業装置。
【請求項23】
前記撮像は前記基板を後段の他の処理作業装置に搬送する搬送手段による搬送中に行なわれることを特徴とする請求項18に記載の処理作業装置。
【請求項24】
前記撮像手段はラインセンサカメラを有することを特徴とする請求項18乃至23のいずれかに記載の処理作業装置。
【請求項25】
前記撮像手段は、前記搬送手段から得られる前記基板の搬送位置情報に基づき前記撮像をすることを特徴とする請求項23に記載の処理作業装置。
【請求項26】
基板の所定位置に貼付けられたACFの貼付け状態を検査するACF貼付け状態検査方法において、
前記所定位置を照明し、撮像し、前記撮像で得られる撮像データの輝度レベルを検出し、前記輝度レベルの時系列変化に基づき前記輝度レベルの変化の原因を判別することを特徴とするACF貼付け状態検査方法。
【請求項27】
前記輝度レベルは前記基板のアライメントマークの輝度により検出することを特徴とする請求項26に記載のACF貼付け状態検査方法。
【請求項28】
前記輝度レベルは前記基板に設けられたリードの輝度により検出することを特徴とする請求項26に記載のACF貼付け状態検査方法。
【請求項29】
前記輝度レベルは前記基板に設けられた輝度レベル検出用の専用マークの輝度により検出することを特徴とする請求項26に記載のACF貼付け状態検査方法。
【請求項30】
前記輝度レベルを2値化する閾値を前記時系列変化に基づいて補正することを特徴とする請求項26に記載のACF貼付け状態検査方法。
【請求項31】
前記撮像は前記基板を後段の処理作業装置に搬送中に行なわれることを特徴とする請求項26に記載のACF貼付け状態検査方法。
【請求項32】
前記撮像はラインセンサカメラで行なわれることを特徴とする請求項26乃至31のいずれかに記載のACF貼付け状態検査方法。
【請求項33】
基板の辺の所定位置に貼付けたACFの貼付け状態を検査するACF貼付状態検査ユニットを有する処理作業装置と、前記基板に他の処理作業を行なう他処理作業装置と、前記基板を前記処理作業装置及び前記他処理作業装置間に順次搬送する搬送手段と、それらを制御する統括制御部とを有する表示基板モジュール組立ラインにおいて、
前記処理作業装置は請求項18乃至25のいずれかに記載の処理作業装置であって、前記統括制御部は前記ACF貼付け状態検査ユニットの判別手段の結果に基づいて、前記処理作業装置及び前記他処理作業装置の保全(準備、対処)を促す手段を有することを特徴とする表示基板モジュール組立ライン。
【請求項1】
基板の所定位置に貼付けられたACFの貼付け状態を検査するACF貼付状態検査ユニットを有する処理作業装置において、
前記ACF貼付け状態検査ユニットは、前記所定位置を照明する照明手段と、前記所定位置を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された画像のうち前記ACFが存在しなければいけない領域に設定された判定エリアの外周部の画像のうち一部又は全部を処理する画像処理手段と、前記画像処理手段の結果に基づいて前記ACFの貼付け状態を検査する検査手段とを有することを特徴とする処理作業装置。
【請求項2】
前記判定エリアは前記領域に隣接した内側に設定されたことを特徴とする請求項1に記載の処理作業装置。
【請求項3】
前記画像処理手段は前記外周部の画像の2値化データを得る手段であり、前記検査手段は前記2値化データの一方のレベルの連続性に基づいてACFの貼付け状態を検査することを特徴とする請求項1に記載の処理作業装置。
【請求項4】
前記判定エリアは4角形であり、前記外周部は4角形の4辺であることを特徴とする請求項1に記載の処理作業装置。
【請求項5】
前記4辺のうち前記基板の辺と平行な2辺は前記領域に隣接した内側に設定されたことを特徴とする請求項4に記載の処理作業装置。
【請求項6】
前記検査はACFの位置ずれ、ネジレ、貼付なし、剥がれの各状態のうち少なくとも一つを検査することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の処理作業装置。
【請求項7】
前記撮像は前記基板を後段の他の処理作業装置に搬送する搬送手段による搬送中に行なわれることを特徴とする請求項1に記載の処理作業装置。
【請求項8】
前記撮像手段はラインセンサカメラを有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の処理作業装置。
【請求項9】
前記撮像手段は、前記搬送手段から得られる前記基板の搬送位置情報に基づき前記撮像をすることを特徴とする請求項7に記載の処理作業装置。
【請求項10】
前記撮像は前記ACFを貼付けるACF貼付処理作業装置内で行なわれることを特徴とする請求項1に記載の処理作業装置。
【請求項11】
前記処理作業装置は前記ACFを貼付けるACF貼付処理作業装置の後段に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の処理作業装置。
【請求項12】
基板の所定位置に貼付けられたACFの貼付け状態を検査するACF貼付け状態検査方法において、
前記所定位置を照明し、撮像し、前記撮像によって得られた撮像データに前記ACFが存在しなければいけない領域に判定エリアを設定し、前記判定エリアの外周部の少なくとも一部の撮像データを処理し、前記処理結果に基づいて前記ACFの貼付け状態を検査することを特徴とするACF貼付け状態検査方法。
【請求項13】
前記判定エリアは前記領域に隣接した内側に設定されたことを特徴とする請求項12に記載のACF貼付け状態検査方法。
【請求項14】
前記処理は前記撮像データを2値化処理し、前記検査は前記2値化レベルの一方のレベルの連続性に基づいてACFの貼付け状態を検査することを特徴とする請求項12に記載の処理作業方法。
【請求項15】
前記検査はACFの位置ずれ、ネジレ、貼付なし、はがれの各状態のうち少なくとも一つを検査することを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載のACF貼付け状態検査方法。
【請求項16】
前記撮像は前記基板を後段の処理作業装置に搬送中に行なわれることを特徴とする請求項12に記載のACF貼付け状態検査方法。
【請求項17】
前記撮像はラインセンサカメラで行なわれることを特徴とする請求項12乃至16のいずれかに記載のACF貼付け状態検査方法。
【請求項18】
基板の所定位置に貼付けられたACFの貼付け状態を検査するACF貼付状態検査ユニットを有する処理作業装置において、
前記ACF貼付け状態検査ユニットは、前記所定位置を照明する照明手段と、前記所定位置を撮像する撮像手段と、前記撮像で得られる撮像データの輝度レベルを検出する輝度レベル検出手段と、前記輝度レベルの時系列変化に基づき前記輝度レベルの変化の原因を判別する判別手段とを有することを特徴とする処理作業装置。
【請求項19】
前記輝度レベル検出手段は前記基板のアライメントマークの輝度により前記輝度レベルを検出することを特徴とする請求項18に記載の処理作業装置。
【請求項20】
前記輝度レベル検出手段は前記基板に設けられたリードの輝度により前記輝度レベルを検出することを特徴とする請求項18に記載の処理作業装置。
【請求項21】
前記輝度レベル検出手段は前記基板に設けられた輝度レベル検出用の専用マークの輝度により前記輝度レベルを検出することを特徴とする請求項18に記載の処理作業装置。
【請求項22】
前記処理作業装置は前記撮像で得られた撮像データの輝度レベルを2値化する閾値を前記輝度レベルに基づいて補正することを特徴とする請求項18に記載の処理作業装置。
【請求項23】
前記撮像は前記基板を後段の他の処理作業装置に搬送する搬送手段による搬送中に行なわれることを特徴とする請求項18に記載の処理作業装置。
【請求項24】
前記撮像手段はラインセンサカメラを有することを特徴とする請求項18乃至23のいずれかに記載の処理作業装置。
【請求項25】
前記撮像手段は、前記搬送手段から得られる前記基板の搬送位置情報に基づき前記撮像をすることを特徴とする請求項23に記載の処理作業装置。
【請求項26】
基板の所定位置に貼付けられたACFの貼付け状態を検査するACF貼付け状態検査方法において、
前記所定位置を照明し、撮像し、前記撮像で得られる撮像データの輝度レベルを検出し、前記輝度レベルの時系列変化に基づき前記輝度レベルの変化の原因を判別することを特徴とするACF貼付け状態検査方法。
【請求項27】
前記輝度レベルは前記基板のアライメントマークの輝度により検出することを特徴とする請求項26に記載のACF貼付け状態検査方法。
【請求項28】
前記輝度レベルは前記基板に設けられたリードの輝度により検出することを特徴とする請求項26に記載のACF貼付け状態検査方法。
【請求項29】
前記輝度レベルは前記基板に設けられた輝度レベル検出用の専用マークの輝度により検出することを特徴とする請求項26に記載のACF貼付け状態検査方法。
【請求項30】
前記輝度レベルを2値化する閾値を前記時系列変化に基づいて補正することを特徴とする請求項26に記載のACF貼付け状態検査方法。
【請求項31】
前記撮像は前記基板を後段の処理作業装置に搬送中に行なわれることを特徴とする請求項26に記載のACF貼付け状態検査方法。
【請求項32】
前記撮像はラインセンサカメラで行なわれることを特徴とする請求項26乃至31のいずれかに記載のACF貼付け状態検査方法。
【請求項33】
基板の辺の所定位置に貼付けたACFの貼付け状態を検査するACF貼付状態検査ユニットを有する処理作業装置と、前記基板に他の処理作業を行なう他処理作業装置と、前記基板を前記処理作業装置及び前記他処理作業装置間に順次搬送する搬送手段と、それらを制御する統括制御部とを有する表示基板モジュール組立ラインにおいて、
前記処理作業装置は請求項18乃至25のいずれかに記載の処理作業装置であって、前記統括制御部は前記ACF貼付け状態検査ユニットの判別手段の結果に基づいて、前記処理作業装置及び前記他処理作業装置の保全(準備、対処)を促す手段を有することを特徴とする表示基板モジュール組立ライン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−149756(P2011−149756A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−9874(P2010−9874)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
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