処理液供給装置及び処理液供給方法並びに処理液供給用制御プログラム
【課題】処理液を液圧一定に供給して処理精度の向上を図り、単一の処理液貯留容器の交換を行うことができ、処理液貯留容器が空になっても処理を止めることなく継続して処理液による連続処理を行えるようにする。
【解決手段】処理液貯留容器1とリザーバタンク5と接続する第1の処理液供給管路に、液圧センサ10と第1の開閉弁V1を介設し、処理液貯留容器と加圧手段であるN2ガス供給源3とを接続する主加圧管路2に、電空レギュレータ20を介設し、リザーバタンクとN2ガス供給源とを接続する補助加圧管路9に、加圧用開閉弁V3を介設する。液圧センサによって検知された液圧の信号を受け、その検知信号に基づいて電空レギュレータの加圧側圧力を調整し液圧が一定になるように制御すると共に、調整する圧力値と液圧センサで検知される圧力値との差圧から処理液無しを判定し、加圧用開閉弁と第1の開閉弁V1とを切り換え制御する制御部30を設ける。
【解決手段】処理液貯留容器1とリザーバタンク5と接続する第1の処理液供給管路に、液圧センサ10と第1の開閉弁V1を介設し、処理液貯留容器と加圧手段であるN2ガス供給源3とを接続する主加圧管路2に、電空レギュレータ20を介設し、リザーバタンクとN2ガス供給源とを接続する補助加圧管路9に、加圧用開閉弁V3を介設する。液圧センサによって検知された液圧の信号を受け、その検知信号に基づいて電空レギュレータの加圧側圧力を調整し液圧が一定になるように制御すると共に、調整する圧力値と液圧センサで検知される圧力値との差圧から処理液無しを判定し、加圧用開閉弁と第1の開閉弁V1とを切り換え制御する制御部30を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば半導体ウエハやLCDガラス基板等の被処理基板にレジスト液や現像液等の処理液を供給する処理液供給装置及び処理液供給方法並びに処理液供給用制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体デバイスの製造においては、半導体ウエハやLCDガラス基板等(以下にウエハ等という)の上にITO(Indium Tin Oxide)の薄膜や電極パターンを形成するために、フォトリソグラフィ技術が利用されている。このフォトリソグラフィ技術においては、ウエハ等にフォトレジストを塗布し、これにより形成されたレジスト膜を所定の回路パターンに応じて露光し、この露光パターンを現像処理することによりレジスト膜に回路パターンが形成されている。
【0003】
このようなフォトリソグラフィ工程において、レジスト液や現像液等の処理液をウエハ等に供給する装置として、処理液を貯留する容器から処理液を加圧して供給する方法や供給管路に介設されたポンプにて吸引して供給する処理液供給装置が使用されている。
【0004】
この種の処理液供給装置には、処理液が貯留された複数の処理液貯留容器と処理液供給ノズルとを接続する供給管路に切換弁を介設し、処理液貯留容器から導かれた処理液を一時貯留する一時貯留容器を設け、この一時貯留容器に、液面検知センサとエア抜き機構を有する排気管路とを具備する構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この処理液供給装置によれば、液面検知センサからの検知信号を受けた制御手段によって切換弁を切り換えることで、空の処理液貯留容器を新たな処理液貯留容器に交換することができるので、ウエハ等を連続処理することができる。
【0006】
また、一時貯留容器に液面検知センサを設ける代わりに、処理液貯留容器に接続する処理液供給管路に、処理液貯留容器内の処理液の空状態を検知するセンサを設けた処理液供給装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−246306号公報(特許請求の範囲、図2)
【特許文献2】特開2004−128441号公報(段落番号007、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、この種の処理液供給装置においては、処理液の供給が一定の状態すなわち一定の液圧で供給することが重要である。
【0008】
しかしながら、加圧手段からの加圧によって処理液貯留容器内の処理液を処理液供給ノズルに供給する加圧供給方式においては、処理液貯留容器内の処理液残量の減少により液圧が下がり、液圧一定での供給ができないという問題があった。
【0009】
また、加圧供給方式においては、処理液供給容器を交換するときに、処理液の供給ができなくなるという問題もある。この問題を解決する手段として、特開2002−246306号公報及び特開2004−128441号公報に記載のように、複数の処理液貯留容器に切換手段を介して一時貯留容器を接続する構造が考えられるが、この構造においては、各処理液供給容器に加圧手段を接続する加圧径路を設けると共に、加圧径路に切換手段を設ける必要があり、構造が複雑になる上、装置が大型化するという問題がある。
【0010】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、加圧手段からの加圧によって処理液貯留容器内の処理液を処理液供給ノズルに供給する加圧供給方式において、処理液の残量に影響を受けることなく、処理液を液圧一定に供給して処理精度の向上を図り、また、単一の処理液貯留容器の交換を行うことができ、処理液貯留容器が空になっても処理を止めることなく継続して処理液による連続処理を行えるようにした処理液供給装置及び処理液供給方法並びに処理液供給用制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、この発明の処理液供給装置は、処理液が貯留された処理液貯留容器と、この処理液貯留容器を加圧して処理液を圧送する加圧手段と、第1の処理液供給管路を介して上記処理液貯留容器に接続され、処理液貯留容器から圧送された処理液を一時貯留する一時貯留容器と、この一時貯留容器から処理液供給ノズルに向かう流路である第2の処理液供給管路と、を具備する処理液供給装置であって、 上記第1の処理液供給管路に介設され、上記処理液貯留容器の液圧を検知する液圧検知手段と、 上記第1の処理液供給管路に介設される第1の開閉弁と、 上記処理液貯留容器と加圧手段とを接続する主加圧管路に介設される可変調整可能な圧力調整手段と、 上記一時貯留容器と加圧手段とを接続し加圧する補助加圧管路に介設される加圧用開閉弁と、 上記液圧検知手段によって検知された液圧の信号を受け、その検知信号に基づいて上記圧力調整手段の加圧側圧力を調整し液圧が一定になるように制御すると共に、上記調整する圧力値と上記液圧検知手段で検知される圧力値との差圧から処理液無しを判定し、上記加圧用開閉弁と上記第1の処理液供給管路に介設される第1の開閉弁とを切り換え制御する制御手段と、を具備することを特徴とするとする(請求項1)。この場合、上記処理液貯留容器に、処理液を貯留する収縮自在な内容器と、加圧空間を介して上記内容器を内装し、圧力を保持する外容器との二重構造のものを使用することができる(請求項2)。
【0012】
上記のように構成することにより、液圧検知手段によって処理液貯留容器の液圧を検知し、この検知信号を制御手段によって圧力調整手段にフィードバックし、圧力調整手段の加圧側圧力を一定に制御することができ、処理液の供給を常時一定状態にすることができる。また、処理液貯留容器内の処理液が空状態となり、交換する場合においても、処理液貯留容器を複数設けることなく、処理液貯留容器の交換ができ、しかも、一時貯留容器内の処理液を直接加圧して処理液供給ノズルに供給することができるので、処理液の連続供給を可能にすることができる。
【0013】
また、処理液貯留容器を、処理液を貯留する収縮自在な内容器と、加圧空間を介して内容器を内装し、圧力を保持する外容器との二重構造とすることにより、加圧流体の処理液への溶け込みを防止することができる(請求項2)。
【0014】
この発明において、上記補助加圧管路は、加圧手段と第1の処理液供給管路における第1の開閉弁の下流側に接続されていてもよく(請求項3)、あるいは、補助加圧管路は、加圧手段と、一時貯留容器の上部に接続される廃液管路に接続されていてもよい(請求項4)。補助加圧管路を、加圧手段と第1の処理液供給管路における第1の開閉弁の下流側に接続する場合は、一時貯留容器の液圧を検知する液圧検知手段を加圧用開閉弁の下流側に介設し、加圧用開閉弁の上流側に可変調整可能な圧力調整手段を介設し、液圧検知手段によって検知された液圧信号を受け、その検知信号に基づいて圧力調整手段の加圧側圧力を調整し液圧が一定になるように制御する制御手段を更に具備する方が好ましい(請求項7)。
【0015】
このように構成することにより、加圧手段からの加圧を第1の処理液供給管路あるいは廃液管路を介して一時貯留容器内の処理液に加圧して処理液供給ノズルに供給することができ、処理液の連続供給を可能にすることができる。この場合、加圧手段と廃液管路を接続することにより、廃液管路を加圧することができるので、廃液管路に流れた処理液を一時貯留容器内に戻すことができ、処理液の再利用を図ることができる。また、液圧検知手段によって一時貯留容器の液圧を検知し、この検知信号を制御手段によって圧力調整手段にフィードバックし、圧力調整手段の加圧側圧力を一定に制御することができ、処理液の供給を常時一定状態にすることができる(請求項7)。
【0016】
また、請求項5記載の発明は、上記一時貯留容器の上部に接続される廃液管路に、この廃液管路中の処理液を検知する処理液検知手段を設け、この処理液検知手段によって検知された信号を受け、その検知信号に基づいて上記廃液管路に介設される廃液用開閉弁を開閉制御する制御手段を具備する、ことを特徴とする。
【0017】
上記のように構成することにより、処理液貯留容器の交換後の第1の処理液供給管路内に残存する気泡を廃液管路から大気側に排出した後に、廃液管路に介設された廃液用開閉弁を閉じて、処理液の供給を行うことができる。したがって、処理液貯留容器の交換後の処理液中に含まれる空気の泡抜き動作及び処理液の供給を自動的に行うことができる。
【0018】
また、この発明の処理液供給装置において、上記液圧検出手段は、上記処理液貯留容器と上記第1の開閉弁との間に設けられる方がよい(請求項6)。
【0019】
また、請求項8記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の処理液供給装置において、 上記制御手段からの信号を受けてアラームを出力するアラーム手段を更に具備し、 上記制御手段は、上記処理液無しを判定した際に、第1の開閉弁を閉じると共に、加圧用開閉弁を開放して、加圧手段からの加圧により一時貯留容器を加圧して処理液供給ノズルから吐出される処理液による被処理基板の液処理を継続し、かつ、空になった処理液貯留容器の交換要求のアラーム信号を上記アラーム手段に伝達し、アラーム手段からアラームを出力する、ことを特徴とする。
【0020】
このように構成することにより、処理液貯留容器が空になった状態をアラーム手段によって知らせることができ、処理液貯留容器の交換を確実にすることができる。
【0021】
また、請求項9記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の処理液供給装置において、 上記一時貯留容器に貯留される処理液の液面の位置を検出する液面検出手段を更に具備し、 上記液面検出手段は、処理液が上記一時貯留容器の下限位置であることを検出する下限液面検出手段と、処理液供給ノズルから被処理基板に吐出されて液処理される所定の処理回数分が貯留される処理液の残量位置を検出する残量液面検出手段とを具備し、 上記制御手段は、上記下限液面検出手段及び残量液面検出手段からの検出信号を受け、上記残量液面検出手段が処理液の残量位置を検出した際に、処理液が残量に達したことを警告するアラーム信号をアラーム手段に伝達し、アラーム手段からアラームを出力する、ことを特徴とする。
【0022】
この場合、上記制御手段に上記所定の処理回数を設定(記憶)しておき、上記残量液面検出手段により残量液面検出位置が検出された後、上記処理回数分の実行が終了した際に、その旨を知らせるアラーム信号をアラーム手段に伝達し、アラーム手段からアラームを出力する方が好ましい(請求項10)。また、上記制御手段により、上記下限液面検出手段が処理液の下限位置を検出した際に、処理液供給ノズルからの処理液の吐出を停止させる方が好ましい(請求項11)。また、上記制御手段により、新規の処理液貯留容器が交換され、交換要求のアラームが解除された際に、加圧用開閉弁を閉じると共に、第1の開閉弁を開放し、圧力調整手段に加圧信号を出力し、一時貯留容器内に処理液を供給する方が好ましい(請求項12)。
【0023】
このように構成することにより、下限液面検出手段と残量液面検出手段とによって、一時貯留容器内の処理液の貯留量を監視することができ、処理液貯留容器が空になった後の液処理の継続を行いつつ新規処理液貯留容器の交換を行うことができる(請求項9)。この場合、残量液面検出位置が検出された時点で、一時貯留容器内の処理液が、処理液供給ノズルから被処理基板に吐出されて液処理される所定の処理回数分が貯留されていることを検知することができる。そして、残量液面検出位置が検出した後、処理回数分の実行が終了した際に、その旨を知らせるアラームを出力することにより、交換された新規処理液貯留容器から一時貯留容器内への処理液の供給を促すことができる(請求項10)。また、下限液面検出手段が処理液の下限位置を検出した際に、処理液供給ノズルからの処理液の吐出を停止させることにより、液処理中の処理液の停止を未然に防止することができ、被処理基板のダメージを防止することができる(請求項11)。また、新規の処理液貯留容器が交換され、交換要求のアラームが解除された際に、加圧用開閉弁を閉じると共に、第1の開閉弁を開放し、圧力調整手段に加圧信号を出力し、一時貯留容器内に処理液を供給することにより、新規の処理液貯留容器から一時貯留容器に処理液を自動的に供給することができる(請求項12)。
【0024】
また、請求項13記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の処理液供給装置を用いた処理液供給方法であって、 上記液圧検知手段が液圧の低下を検知した際に、圧力調整手段の加圧圧力を調整し液圧が一定になるように制御し、調整する圧力値と上記液圧検知手段で検知される圧力値との差圧から処理液無しを判定した際に、第1の開閉弁を閉じると共に、加圧用開閉弁を開放して、加圧手段からの加圧により一時貯留容器内の処理液を処理液供給ノズルに圧送する、ことを特徴とする。
【0025】
また、請求項14記載の発明は、請求項8記載の処理液供給装置を用いた処理液供給方法であって、 処理液無しを判定した際に、第1の開閉弁を閉じると共に、加圧用開閉弁を開放して、一時貯留容器を加圧して処理液供給ノズルから吐出される処理液による被処理基板の液処理を継続し、かつ、空になった処理液貯留容器の交換要求のアラームを出力する、ことを特徴とする。
【0026】
また、請求項15記載の発明は、請求項9ないし12のいずれかに記載の処理液供給装置を用いた処理液供給方法であって、 残量液面検出手段が処理液の残量位置を検出した際に、処理液が残量に達したことを警告するアラームを出力し、 上記残量液面検出手段により残量液面検出位置が検出された後、制御手段に設定された処理回数分の実行が終了した際に、その旨を知らせるアラームを出力し、 下限液面検出手段が処理液の下限位置を検出した際に、処理液供給ノズルからの処理液の吐出を停止させ、 新規の処理液貯留容器が交換され、交換要求のアラームが解除された際に、加圧用開閉弁を閉じると共に、第1の開閉弁を開放し、圧力調整手段に加圧信号を出力し、一時貯留容器内に処理液を供給する、ことを特徴とする。
【0027】
また、請求項16記載の発明は、請求項13記載の処理液供給方法を実行する制御プログラムであって、 コンピュータに、 液圧検知手段が液圧の低下を検知した際に、圧力調整手段の加圧圧力を調整し液圧が一定になるように制御する手順と、 調整する圧力値と上記液圧検知手段で検知される圧力値との差圧から処理液無しを判定する手順と、 上記処理液無しを判定した際に、第1の開閉弁を閉じると共に、加圧用開閉弁を開放して加圧手段からの加圧により一時貯留容器内の処理液を処理液供給ノズルに圧送する手順と、を実行させることを特徴とする。
【0028】
また、請求項17記載の発明は、請求項14記載の処理液供給方法を実行する制御プログラムであって、 コンピュータに、 調整する圧力値と液圧検知手段で検知される圧力値との差圧から処理液無しを判定する手順と、 上記処理液無しを判定した際に、第1の開閉弁を閉じると共に、加圧用開閉弁を開放する手順と、 一時貯留容器を加圧して処理液供給ノズルから吐出される処理液による被処理基板の液処理を継続する手順と、 空になった処理液貯留容器の交換要求のアラームを出力する手順と、を実行させることを特徴とする。
【0029】
また、請求項18記載の発明は、請求項15記載の処理液供給方法を実行する制御プログラムであって、 コンピュータに、 残量液面検出手段が処理液の残量位置を検出した際に、処理液が残量に達したことを警告するアラームを出力する手順と、 上記残量液面検出手段により残量液面検出位置が検出された後、制御手段に設定された処理回数分の実行が終了した際に、その旨を知らせるアラームを出力する手順と、 下限液面検出手段が処理液の下限位置を検出した際に、処理液供給ノズルからの処理液の吐出を停止させる手順と、 新規の処理液貯留容器が交換され、交換要求のアラームが解除された際に、加圧用開閉弁を閉じると共に、第1の開閉弁を開放し、圧力調整手段に加圧信号を出力し、一時貯留容器内に処理液を供給する手順と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
この発明によれば、液圧検知手段によって処理液貯留容器の液圧を検知し、この検知信号を制御手段によって圧力調整手段にフィードバックし、圧力調整手段の加圧側圧力を一定に制御することができ、処理液の供給を常時一定状態にすることができるので、処理精度の向上が図れる。また、処理液貯留容器を複数設けることなく、処理液貯留容器の交換ができ、しかも、一時貯留容器内の処理液を直接加圧して処理液供給ノズルに供給することができ、処理液貯留容器が空になっても処理を止めることなく継続して処理液による連続処理を可能にすることができるので、処理効率の向上が図れると共に、装置の小型化が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に、この発明の最良の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、この発明に係る処理液供給装置を半導体ウエハのレジスト液塗布・現像処理システムに適用した場合について説明する。
【0032】
上記レジスト液塗布・現像処理システムは、図11ないし図13に示すように、被処理基板である半導体ウエハW(以下にウエハWという)をウエハカセット101で複数枚例えば25枚単位で外部からシステムに搬入又はシステムから搬出したり、ウエハカセット101に対してウエハWを搬出・搬入したりするための搬入部及び搬出部として機能するカセットステーション110と、塗布現像工程の中で1枚ずつウエハWに所定の処理を施す枚葉式の各種処理ユニットを所定位置に多段配置してなる処理装置本体を具備する処理ステーション120と、この処理ステーション120と隣接して設けられる露光装置(図示せず)との間でウエハWを受け渡すためのインター・フェース部130とで主要部が構成されている。
【0033】
上記カセットステーション110は、図11に示すように、カセット載置台102上の突起103の位置に複数個例えば4個までのウエハカセット101がそれぞれのウエハ出入口を処理ステーション120側に向けて水平のX方向に沿って一列に載置され、カセット配列方向(X方向)及びウエハカセット101内に垂直方向に沿って収容されたウエハWのウエハ配列方向(Z方向)に移動可能なウエハ搬送用ピンセット104が各ウエハカセット101に選択的に搬送するように構成されている。また、ウエハ搬送用ピンセット104は、θ方向に回転可能に構成されており、後述する処理ステーション120側の第3の組G3の多段ユニット部に属するアライメントユニット(ALIM)及びエクステンションユニット(EXT)にも搬送できるようになっている。
【0034】
上記処理ステーション120は、図11に示すように、中心部に、搬送手段である垂直搬送型の主ウエハ搬送機構121が設けられ、この主ウエハ搬送機構121を収容する室122の周りに全ての処理ユニットが1組又は複数の組に渡って多段に配置されている。この例では、5組G1、G2、G3、G4及びG5の多段配置構成であり、第1及び第2の組G1、G2の多段ユニットはシステム正面側に並列され、第3の組G3の多段ユニットはカセットステーション110に隣接して配置され、第4の組G4の多段ユニットはインター・フェース部130に隣接して配置され、第5の組G5の多段ユニットは背部側に配置されている。
【0035】
この場合、図12に示すように、第1の組G1では、容器としての処理カップ123内でウエハWと現像液供給手段(図示せず)とを対峙させてレジストパターンを現像する現像ユニット(DEV)と、ウエハWをスピンチャック(図示せず)に載置して所定の処理を行うレジスト塗布ユニット(COT)とが垂直方向の下から順に2段に重ねられている。第2の組G2も同様に、2台のレジスト塗布ユニット(COT)及び現像ユニット(DEV)が垂直方向の下から順に2段に重ねられている。このようにレジスト塗布ユニット(COT)を下段側に配置した理由は、レジスト液の排液が機構的にもメンテナンスの上でも面倒であるためである。しかし、必要に応じてレジスト塗布ユニット(COT)を上段に配置することも可能である。
【0036】
図13に示すように、第3の組G3では、ウエハWをウエハ載置台124(図11参照)に載置して所定の処理を行うオーブン型の処理ユニット例えばウエハWを冷却するクーリングユニット(COL)、ウエハWに疎水化処理を行うアドヒージョンユニット(AD)、ウエハWの位置合わせを行うアライメントユニット(ALIM)、ウエハWの搬入出を行うエクステンションユニット(EXT)、ウエハWをベークする4つのホットプレートユニット(HP)が垂直方向の下から順に例えば8段に重ねられている。第4の組G4も同様に、オーブン型処理ユニット例えばクーリングユニット(COL)、エクステンション・クーリングユニット(EXTCOL)、エクステンションユニット(EXT)、クーリングユニット(COL)、急冷機能を有する2つのチリングホットプレートユニット(CHP)及び2つのホットプレートユニット(HP)が垂直方向の下から順に例えば8段に重ねられている。
【0037】
上記のように処理温度の低いクーリングユニット(COL)、エクステンション・クーリングユニット(EXTCOL)を下段に配置し、処理温度の高いホットプレートユニット(HP)、チリングホットプレートユニット(CHP)及びアドヒージョンユニット(AD)を上段に配置することで、ユニット間の熱的な相互干渉を少なくすることができる。勿論、ランダムな多段配置とすることも可能である。
【0038】
なお、図11に示すように、処理ステーション120において、第1及び第2の組G1、G2の多段ユニット(スピナ型処理ユニット)に隣接する第3及び第4の組G3、G4の多段ユニット(オーブン型処理ユニット)の側壁の中には、それぞれダクト125,126が垂直方向に縦断して設けられている。これらのダクト125,126には、ダウンフローの清浄空気又は特別に温度調整された空気が流されるようになっている。このダクト構造によって、第3及び第4の組G3、G4のオーブン型処理ユニットで発生した熱は遮断され、第1及び第2の組G1、G2のスピナ型処理ユニットへは及ばないようになっている。
【0039】
また、この処理システムでは、主ウエハ搬送機構121の背部側にも図11に点線で示すように第5の組G5の多段ユニットが配置できるようになっている。この第5の組G5の多段ユニットは、案内レール127に沿って主ウエハ搬送機構121から見て側方へ移動できるようになっている。したがって、第5の組G5の多段ユニットを設けた場合でも、ユニットをスライドすることにより空間部が確保されるので、主ウエハ搬送機構121に対して背後からメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0040】
上記インター・フェース部130は、奥行き方向では処理ステーション120と同じ寸法を有するが、幅方向では小さなサイズに作られている。このインター・フェース部130の正面部には可搬性のピックアップカセット131と定置型のバッファカセット132が2段に配置され、背面部には、ウエハWの周辺部の露光及び識別マーク領域の露光を行う露光手段である周辺露光装置133が配設され、中央部には、搬送手段であるウエハの搬送アーム134が配設されている。この搬送アーム134は、X、Z方向に移動して両カセット131,132及び周辺露光装置133に搬送するように構成されている。また、搬送アーム134は、θ方向に回転可能に構成され、処理ステーション120側の第4の組G4の多段ユニットに属するエクステンションユニット(EXT)及び隣接する露光装置側のウエハ受渡し台(図示せず)にも搬送できるように構成されている。
【0041】
上記のように構成される処理システムは、クリーンルーム140内に設置されるが、更にシステム内でも効率的な垂直層流方式によって各部の清浄度を高めている。
【0042】
次に、上記レジスト液塗布・現像処理システムの動作について説明する。
【0043】
まず、カセットステーション110において、ウエハ搬送用ピンセット104がカセット載置台102上の未処理のウエハWを収容しているカセット101にアクセスして、そのカセット101から1枚のウエハWを取り出す。ウエハ搬送用ピンセット104は、カセット101よりウエハWを取り出すと、処理ステーション120側の第3の組G3の多段ユニット内に配置されているアライメントユニット(ALIM)まで移動し、ユニット(ALIM)内のウエハ載置台124上にウエハWを載せる。ウエハWは、ウエハ載置台124上でオリフラ合せ及びセンタリングを受ける。その後、主ウエハ搬送機構121がアライメントユニット(ALIM)に反対側からアクセスし、ウエハ載置台124からウエハWを受け取る。
【0044】
処理ステーション120において、主ウエハ搬送機構121はウエハWを最初に第3の組G3の多段ユニットに属するアドヒージョンユニット(AD)に搬入する。このアドヒージョンユニット(AD)内でウエハWは疎水化処理を受ける。疎水化処理が終了すると、主ウエハ搬送機構121は、ウエハWをアドヒージョンユニット(AD)から搬出して、次に第3の組G3又は第4の組G4の多段ユニットに属するクーリングユニット(COL)へ搬入する。このクーリングユニット(COL)内でウエハWはレジスト塗布処理前の設定温度例えば23℃まで冷却される。冷却処理が終了すると、主ウエハ搬送機構121は、ウエハWをクーリングユニット(COL)から搬出し、次に第1の組G1又は第2の組G2の多段ユニットに属するレジスト塗布ユニット(COT)へ搬入する。このレジスト塗布ユニット(COT)内でウエハWはスピンコート法によりウエハ表面に一様な膜厚でレジストを塗布する。
【0045】
レジスト塗布処理が終了すると、主ウエハ搬送機構121は、ウエハWをレジスト塗布ユニット(COT)から搬出し、次にホットプレートユニット(HP)内へ搬入する。ホットプレートユニット(HP)内でウエハWは載置台上に載置され、所定温度例えば100℃で所定時間プリベーク処理される。これによって、ウエハW上の塗布膜から残存溶剤を蒸発除去することができる。プリベークが終了すると、主ウエハ搬送機構121は、ウエハWをホットプレートユニット(HP)から搬出し、次に第4の組G4の多段ユニットに属するエクステンション・クーリングユニット(EXTCOL)へ搬送する。このユニット(EXTCOL)内でウエハWは次工程すなわち周辺露光装置133における周辺露光処理に適した温度例えば24℃まで冷却される。この冷却後、主ウエハ搬送機構121は、ウエハWを直ぐ上のエクステンションユニット(EXT)へ搬送し、このユニット(EXT)内の載置台(図示せず)の上にウエハWを載置する。このエクステンションユニット(EXT)の載置台上にウエハWが載置されると、インター・フェース部130の搬送アーム134が反対側からアクセスして、ウエハWを受け取る。そして、搬送アーム134はウエハWをインター・フェース部130内の周辺露光装置133へ搬入する。
【0046】
露光装置で全面露光が済んで、ウエハWが露光装置側のウエハ受取り台に戻されると、インター・フェース部130の搬送アーム134はそのウエハ受取り台へアクセスしてウエハWを受け取り、受け取ったウエハWを処理ステーション120側の第4の組G4の多段ユニットに属するエクステンションユニット(EXT)へ搬入し、ウエハ受取り台上に載置する。この場合にも、ウエハWは、処理ステーション120側へ渡される前にインター・フェース部130内のバッファカセット132に一時的に収納されることもある。
【0047】
ウエハ受取り台上に載置されたウエハWは、主ウエハ搬送機構121により、チリングホットプレートユニット(CHP)に搬送され、フリンジの発生を防止するため、あるいは化学増幅型レジスト(CAR)における酸触媒反応を誘起するためポストエクスポージャーベーク処理が施される。
【0048】
その後、ウエハWは、第1の組G1又は第2の組G2の多段ユニットに属する現像ユニット(DEV)に搬入される。この現像ユニット(DEV)内では、ウエハW表面のレジストに現像液が満遍なく供給されて現像処理が施される。この現像処理によって、ウエハW表面に形成されたレジスト膜が所定の回路パターンに現像されると共に、ウエハWの周辺部の余剰レジスト膜が除去され、更に、ウエハW表面に形成された(施された)アライメントマークMの領域に付着したレジスト膜が除去される。このようにして、現像が終了すると、ウエハW表面にリンス液がかけられて現像液が洗い落とされる。
【0049】
現像工程が終了すると、主ウエハ搬送機構121は、ウエハWを現像ユニット(DEV)から搬出して、次に第3の組G3又は第4の組G4の多段ユニットに属するホットプレートユニット(HP)へ搬入する。このユニット(HP)内でウエハWは例えば100℃で所定時間ポストベーク処理される。これによって、現像で膨潤したレジストが硬化し、耐薬品性が向上する。
【0050】
ポストベークが終了すると、主ウエハ搬送機構121は、ウエハWをホットプレートユニット(HP)から搬出し、次にいずれかのクーリングユニット(COL)へ搬入する。ここでウエハWが常温に戻った後、主ウエハ搬送機構121は、次にウエハWを第3の組G3に属するエクステンションユニット(EXT)へ移送する。このエクステンションユニット(EXT)の載置台(図示せず)上にウエハWが載置されると、カセットステーション110側のウエハ搬送用ピンセット104が反対側からアクセスして、ウエハWを受け取る。そして、ウエハ搬送用ピンセット104は、受け取ったウエハWをカセット載置台102上の処理済みウエハ収容用のカセット101の所定のウエハ収容溝に入れて処理が完了する。
【0051】
次に、図11で示したレジスト塗布ユニットの構成について説明する。この場合、処理装置のジスト塗布・現像処理システムにおいては、同種の2つのレジスト塗布ユニットを備えている。すなわち、第1の組G1に属するスピナ型の第1の処理ユニット141(第1の塗布ユニット141)と、第2の組G2に属するスピナ型の第2の処理ユニット142(第2の塗布ユニット142)である。第1及び第2の塗布ユニット141,142は、それぞれ処理室143の主ウエハ搬送機構121側にシャッター144により開閉される搬出入口145を有している。
【0052】
次に、第1及び第2の塗布ユニット141,142の具体的構成について、図14を参照して説明する。この第1及び第2の塗布ユニット141,142のケーシング148内には、ウエハWを回転自在に保持する保持手段としてのスピンチャック149と、このスピンチャック149及びウエハWの外周とそれら下方を包囲する処理カップ123と、ウエハWの表面に処理液として、塗布液例えばレジスト液や、溶剤を供給する集合ノズル80が備えられている。
【0053】
スピンチャック149は、ケーシング148の下方のスピンモータ151により回転する回転軸152の上部に装着されるチャックプレート149aと、このチャックプレート149aの周縁部に垂設された保持部材(図示せず)とから構成されており、保持部材は、ウエハWをチャックプレート149aから浮かせた状態でウエハWの周縁部を保持するように構成されている。
【0054】
また、処理カップ123内の雰囲気は、処理カップ123の底部から、外部に設置されている真空ポンプなどの排気手段によって排気される。さらに、ウエハWが回転する際に飛び散った処理液は、スピンチャック149の外方から、処理カップ123の底部に設けられたドレイン128を通じて排出される。処理カップ123は上下移動可能であると共に、必要に応じてメンテナンスのため着脱できるように構成されている。
【0055】
集合ノズル80は、回動軸153を中心として旋回する移動部材としての回動アーム154の先端に設けられている。集合ノズル80には、後述する第2の処理液供給管路である塗布液供給管路6に接続され塗布液を吐出する処理液供給ノズルである塗布液供給ノズル81と、溶剤供給管路83に接続され溶剤を吐出する溶剤供給ノズル82が設けられおり、これらのノズル81,82はウエハWの半径方向内側に相前後して並置され、集合ノズル80の下面にいずれも開口している。すなわち、この塗布液供給ノズル81と溶剤供給ノズル82は、ウエハWの半径方向内側に塗布液供給ノズル81が位置し、またウエハWの半径方向外側に溶剤供給ノズル82が位置するように、互いに所定間隔だけ離して並置されている。そして、塗布液供給ノズル81からは塗布液供給管路6により供給された塗布液が、また溶剤供給ノズル82からは溶剤供給管路83により供給された溶剤がそれぞれ独立に吐出されるように構成されている。
【0056】
また、図14に示すように、回動アーム154は、処理カップ123の外側に鉛直に設けられた回動軸153の上部に水平姿勢で固定されおり、回動軸153の回転機構159(ノズル移動機構159)によって、水平面内で回動するように構成されている。回動アーム154は、ウエハWの上方において、ウエハWの中心部付近に移動した状態と、処理カップ123よりも外側の待機位置(ホームポジション)に移動した状態との間を移動する。回動アーム154を、これらの間で移動させることにより、ウエハW上に塗布膜を形成する処理を行う。
【0057】
次に、この発明に係る処理液供給装置について、図1ないし図10を参照して説明する。
【0058】
図1は、この発明に係る処理液供給装置の第1実施形態を示す概略断面図である。
【0059】
上記処理液供給装置は、処理液L(レジスト液)が貯留された処理液貯留容器1と、この処理液貯留容器1に主加圧管路2を介して接続され、処理液貯留容器1内の処理液Lを加圧する加圧手段である不活性ガス例えば窒素(N2)ガスの供給源3(以下に、N2ガス供給源3という)と、第1の処理液供給管路4を介して処理液貯留容器1に接続され、処理液貯留容器1から導かれた処理液を一時貯留する一時貯留容器であるリザーバタンク5と、このリザーバタンク5と処理液供給ノズル(塗布液供給ノズル81)とを接続する第2の処理液供給管路6(塗布液供給管路)と、リザーバタンク5の上部に接続される廃液管路7と、N2ガスの供給源3とリザーバタンク5側に接続される補助加圧管路9と、を具備している。
【0060】
上記第1の処理液供給管路4には、処理液貯留容器1側から順に、処理液貯留容器1の液圧を検知する液圧検知手段である液圧センサ10が例えば45KPaで監視するように介設されると共に、第1の開閉弁V1が介設されている。
【0061】
また、処理液貯留容器1とN2ガス供給源3とを接続する主加圧管路2には、可変調整可能な圧力調整手段である電空レギュレータ20が介設されている。この電空レギュレータ20は、後述する制御手段としての制御コンピュータ90を構成する中央演算処理装置(CPU)を主体として構成される制御部30からの制御信号出力によって作動する操作部例えば比例ソレノイドと、該ソレノイドの作動によって開閉する弁機構とを具備しており、弁機構の開閉によって圧力を調整するように構成されている。
【0062】
上記液圧センサ10は制御部30に電気的に接続されており、制御部30は、液圧センサ10によって検知された液圧の信号を受け、その検知信号に基づいて電空レギュレータ20の加圧側圧力を一定に制御するように構成されている。すなわち、制御部30は、液圧センサ10によって検知された信号を受けることによって処理液貯留容器1内の液圧を認識することができ、処理液Lの液圧が低下することにより供給圧が落ちることを防ぐために、電空レギュレータ20に信号を送って処理液貯留容器1への加圧圧力を上げ、一定の液圧とするフィードバック制御を行う。また、制御部30は、処理液貯留容器1内の液残量が臨界点である一定の残量となった場合、すなわち、電空レギュレータ20に与えた加圧指示圧と液圧センサ10で実際に検出した液圧との差圧により処理液貯留容器1内の処理液無しを判定して、処理液貯留容器1の交換が必要な状態を認識し、制御部30からの制御信号に基づいて第1の開閉弁V1と後述する加圧用開閉弁V3を開閉動作するように構成されている。
【0063】
この場合、上記処理液貯留容器1は、処理液Lを貯留する可撓性を有する例えばPEあるいはPTFE製の収縮自在な内容器1aと、加圧空間1cを介して内容器1aを内装し、圧力を保持する例えばPE又はステンレス製の外容器1bとの二重構造に形成されている。なお、内容器1aと外容器1bの口部にはキャップ部材1dが気水密に被着されており、キャップ部材1dに設けられた加圧ガス導入通路1eと処理液導出通路1fにそれぞれ主加圧管路2と第1の処理液供給管路4が接続されている。
【0064】
また、上記第2の処理液供給管路6には、図示しないフィルタ(図示せず)や第2の開閉弁V2や非吸引式のポンプ(図示せず)が介設されている。
【0065】
また、上記リザーバタンク5の上部には、図1に示すように、廃液管路7が接続されており、この廃液管路7には、リザーバタンク5側から順に、廃液管路7中の処理液を検知する処理液検知手段例えば光センサ50と廃液用開閉弁V5が介設されている。また、リザーバタンク5の側方には、リザーバタンク5内の処理液Lの液面を検知する例えば静電容量センサにて形成される残量液面センサ61と下限液面センサ62が配設されている。これら残量液面センサ61と下限液面センサ62と制御部30とは電気的に接続されており、残量液面センサ61,下限液面センサ62によって検知された検知信号が制御部30に伝達され、制御部30においてリザーバタンク5内の処理液Lの状態が認識されるように形成されている。
【0066】
また、補助加圧管路9は、N2ガス供給源3とリザーバタンク5側例えば廃液管路7における光センサ50と廃液用開閉弁V5との間に接続されている。この補助加圧管路9には、N2ガス供給源3側から順に、レギュレータ40と加圧用開閉弁V3が介設されている。加圧用開閉弁V3は、制御部30に電気的に接続されており、制御部30からの制御信号に基づいて開閉動作するように制御されている。すなわち、液圧センサ10が処理液貯留容器1内の処理液Lの液圧を検知し、制御部30で圧力状態から空状態が判断された場合、制御部30からの制御信号に基づいて第1の開閉弁V1が閉じ、加圧用開閉弁V3が開放するように制御される。これにより、所定の設定圧力例えば45KPaに設定されたN2ガス供給源3から加圧ガスであるN2ガスが廃液管路7に供給され、廃液管路7中の処理液をリザーバタンク5に戻して、リザーバタンク5内を加圧することで、処理液Lを処理液供給ノズル側の第2の処理液供給管路6に供給(圧送)する。一方、この状態で空の処理液貯留容器1からキャップ部材1dが取り外され、新規の処理液貯留容器1にキャップ部材1dが被着されて、処理液貯留容器1の交換が行われる。
【0067】
また、上記制御部30と光センサ50とは電気的に接続されており、制御部30は、光センサ50が検知した信号を受け、その検知信号に基づいて廃液用開閉弁V5及び第1の開閉弁V1を切り換え制御するように構成されている。すなわち、光センサ50によって廃液管路7中の処理液を検知すると、この検知信号が制御部30に伝達され、制御部30においてリザーバタンク5内が気泡を含まない処理液で満たされたことを認識した後、制御部30からの制御信号によって廃液用開閉弁V5が閉じるように構成されている。
【0068】
また、制御部30にはアラーム表示部70が電気的に接続されており、残量液面センサ61の検知により処理液貯留容器1内の処理液が空状態を制御部30が認識した場合の空状態を、アラーム手段であるアラーム表示部70で表示するように構成されている。また、アラーム表示部70は、残量液面検出センサ61の検出により残量液面センサ61と下限液面センサ62との間で処理可能な量の残量にリザーバタンク5内の液量が減ったことをアラーム出力する。なお、このときのアラームは、エンプティレベル1で出力される。また、アラーム表示部70は、下限液面センサ62の検出によりリザーバタンク5内の液量が減ったことをアラーム出力する。このときのアラームは、エンプティレベル3で出力される。これにより、作業者は処理継続を停止する。すなわち、次に処理されるウエハWの搬入を停止する。
【0069】
制御コンピュータ90は、図1に概略的に示すように、中央演算処理装置(CPU)を主体として構成される制御部30と、制御部30に接続された入出力部91と、処理シーケンスを作成するための処理シーケンス入力画面を表示する表示部92と、入出力部91に挿着され制御ソフトウエアを格納した記録媒体93とを具備する。なお、制御コンピュータ90は、具体的には、図12に示すように、カセットステーション110のカセット載置台102に設置される。この場合、制御コンピュータ90は、引き出し式に格納されるキーボードからなる入出力部91と、ディスプレーからなる表示部92及び記録媒体93とで構成されている。
【0070】
上記記録媒体93は、制御コンピュータ90に固定的に設けられるもの、あるいは、制御コンピュータ90に設けられた読み取り装置に着脱自在に挿着されて該読み取り装置により読み取り可能なものであってもよい。最も典型的な実施形態においては、記録媒体93は、基板処理装置のメーカーのサービスマンによって制御ソフトウエアがインストールされたハードディスクドライブである。他の実施の形態においては、記録媒体93は、制御ソフトウエアが書き込まれたCD−ROM又はDVD−ROMのような読み出し専用のリムーバブルディスクであり、このようなリムーバブルディスクは制御コンピュータ90に設けられた光学的読み取り装置によって読み取られる。記録媒体93は、RAM(random access memory)又はROM(read only memory)のいずれの形式のものであってもよく、また、記録媒体93は、カセット式のROMのようなものであってもよい。要するに、コンピュータの技術分野において知られている任意のものを記録媒体93として用いることが可能である。
【0071】
上記のように構成された制御コンピュータ90によって制御ソフトウエアを実行することにより、上記液圧センサ10、電空レギュレータ20や開閉弁V1,V2,V3,V5及び残量液面センサ61,下限液面センサ62等を所定の処理シーケンスにより定義されたプロセス条件を実現するように制御する。また、上記処理システムの各機能要素である上記主ウエハ搬送機構121,スピンチャック149,ノズル81,82からの塗布液・溶剤の供給・停止等を、所定の処理シーケンスにより定義された様々なプロセス条件を実現する一般的な制御も行う。
【0072】
この発明においては、制御コンピュータ90の記録媒体93に、電空レギュレータ20の調整圧や処理液供給ノズル81からウエハWに吐出されて液処理される所定の処理回数分の処理液Lの量の設定等を記憶しておき、この処理プログラムに基づいて、搬送アーム34によるウエハWの搬送を行うように機能させている。
【0073】
次に、上記処理液供給装置の動作態様について、図2ないし図8を参照して説明する。なお、図2ないし図8においては、制御部30は省略してある。まず、新規処理液貯留容器1をセットした後、制御部30からの制御信号に基づいて図2に示すように、第1の開閉弁V1が開放し、処理液貯留容器1内の処理液Lをリザーバタンク5内に供給する。処理液貯留容器1から供給された処理液Lがリザーバタンク5に満たされると、制御部30からの制御信号に基づいて図3に示すように、廃液用開閉弁V5を閉じ、ノズルから処理液が被処理基板に供給されて処理ができる状態となる。
【0074】
通常の処理が施される過程において、処理液貯留容器1内の処理液Lの液圧が低下するが、液圧センサ10によって処理液貯留容器1内の処理液Lの液圧が検知され、その検知信号が制御部30に伝達され、制御部30からの制御信号に基づいて電空レギュレータ20の加圧側圧力が一定にフィードバック制御される。これにより、処理液Lの液圧は一定状態のまま処理液供給ノズルに供給される(図4参照)。
【0075】
更に、処理液貯留容器1内の処理液Lの液残量が少なくなり、電空レギュレータ20による加圧と液圧の差圧が臨界点に達し、液圧センサ10が処理液貯留容器1の交換が必要な状態を検知すると、その検知信号が制御部30に伝達され、制御部30からの制御信号に基づいてアラーム表示部70から処理液貯留容器1の交換要求アラームが出力される。これと同時に、第1の開閉弁V1が閉じる一方、加圧用開閉弁V3が開放して、N2ガス供給源3からN2ガスが廃液管路7に供給され、廃液管路7中の処理液をリザーバタンク5に戻して、リザーバタンク5内の処理液Lを処理液供給ノズルに供給する(図5参照)。これにより、廃液管路7内に残留する処理液を再利用することができる。
【0076】
なお、処理液貯留容器1内が空になって第1の開閉弁V1が閉じたときのリザーバタンク5の液位置は満杯状態となっている。この状態で、処理液貯留容器1の交換が実施されないと、リザーバタンク5内の処理液Lは残量液面センサ61の検出位置まで下がり、残量液面センサ61の検出によりアラーム表示部70からエンプティレベル1のアラームが出力される(図6参照)。この時点で、リザーバタンク5内の処理液Lは所定の処理枚数分の残量となる。
【0077】
更に、制御部30側で、残量液面センサ61の検出によるエンプティレベル1のアラームが出力された以降の処理枚数のカウントを行い、予め制御コンピュータ90の記録媒体93に警告値として設定された処理枚数値に達したとき、エンプティレベル2のソフト的警報を出力する。そして、下限液面センサ62に液面が達したとき、下限液面センサ62により検出され、その検出信号が制御部30に伝達されて、アラーム表示部70からエンプティレベル3のアラームが出力され、処理が中断される。なお、上記エンプティレベル2のアラームを出力せずに、下限液面センサ62の検出のみであってもよい。
【0078】
アラーム表示部70で空状態が表示されたら、作業者は空の処理液貯留容器1をキャップ部材1dから取り外して(図7参照)、新規の処理液貯留容器1と交換する。
【0079】
新規の処理液貯留容器1にキャップ部材1dを被着した状態で、交換要求アラームの出力を解除する。この動作と同時に、第1の開閉弁V1が開放すると共に、廃液用開閉弁V5が開放し、新規の処理液貯留容器1の上部の空気及び第1の処理液供給管路4内の空気を外気に排出して泡抜きを行う(図8参照)。そして、供給される処理液中の気泡(空気)が完全に除去されると、光センサ50が廃液管路7中の処理液を検知し、その検知信号を制御部30に伝達する。すると、制御部30からの制御信号によって廃液用開閉弁V5が閉じると共に、第2の開閉弁V2が開放して、リザーバタンク5内の処理液が処理液供給ノズルに供給される(図3参照)。
【0080】
なお、上記第1実施形態では、補助加圧管路9が、N2ガス供給源3と廃液管路7における光センサ50と廃液用開閉弁V5との間に接続される場合について説明したが、必ずしもこのような構造とする必要はない。例えば、図9に示すように、補助加圧管路9を、N2ガス供給源3と、第1の処理液供給管路4における第1の開閉弁V1の下流側に接続してもよい。
【0081】
このように構成することにより、N2ガス供給源3から供給される加圧用N2ガスを第1の処理液供給管路4を介してリザーバタンク5側に供給(加圧)することができ、リザーバタンク5から廃液管路7に流れた処理液を使用せずに、新規の処理液のみを処理液供給ノズルに供給して、処理に供することができる。
【0082】
なお、図9において、その他の部分は、第1実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して、説明は省略する。
【0083】
また、図10に示すように、補助加圧管路9における加圧用開閉弁V3の下流側に、リザーバタンク5の液圧を検知する液圧検知手段である液圧センサ10Aを介設し、補助加圧管路9における加圧用開閉弁V3の上流側に上記電空レギュレータ20と同様に圧力調整可能な電空レギュレータ20Aを介設し、液圧センサ10Aによって検知された液圧信号を制御部30に伝達し、制御部30からの制御信号に基づいて電空レギュレータ20Aの加圧側圧力を一定に制御するようにしてもよい。
【0084】
このように構成することにより、N2ガス供給源3からリザーバタンク5に供給される加圧用N2ガスの加圧を一定にすることができ、リザーバタンク5内の処理液Lを一定圧で処理液供給ノズル6側の第2の処理液供給管路6に供給することができる。
【0085】
なお、図10において、その他の部分は、第1実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して、説明は省略する。
【0086】
なお、上記実施形態では、この発明に係る処理液供給装置(方法)をレジスト塗布処理装置に適用した場合について説明したが、レジスト以外の処理液例えば現像液等の供給装置(方法)や洗浄処理の供給装置(方法)にも適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】この発明に係る処理液供給装置の第1実施形態を示す概略断面図である。
【図2】上記処理液供給装置における新規処理液の泡抜き動作状態を示す概略断面図である。
【図3】上記処理液供給装置における通常処理動作状態を示す概略断面図である。
【図4】上記処理液供給装置における処理液の液圧を一定に制御する動作状態を示す概略断面図である。
【図5】上記処理液供給装置におけるリザーバタンク内の処理液を加圧して供給する動作状態を示す概略断面図である。
【図6】上記処理液供給装置における処理液貯留容器内の処理液の空状態を示す概略断面図である。
【図7】上記処理液供給装置における処理液貯留容器の交換動作状態を示す概略断面図である。
【図8】上記処理液供給装置における処理液貯留容器の交換後の泡抜き動作状態を示す概略断面図である。
【図9】この発明に係る処理液供給装置の第2実施形態を示す概略断面図である。
【図10】この発明に係る処理液供給装置の第3実施形態を示す概略断面図である。
【図11】この発明に係る処理液供給装置を適用したレジスト液塗布・現像処理システムの一例を示す概略平面図である。
【図12】上記レジスト液塗布・現像処理システムの概略正面図である。
【図13】上記レジスト液塗布・現像処理システムの概略背面図である。
【図14】上記レジスト液塗布・現像処理システムにおける塗布ユニットを示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0088】
1 処理液貯留容器
1a 内容器
1b 外容器
1c 加圧空間
2 主加圧管路
3 主N2ガス供給源(加圧手段)
4 第1の処理液供給管路
5 リザーバタンク(一時貯留容器)
6 第2の処理液供給管路
7 排気管路
8 補助N2ガス供給源(加圧手段)
9 補助加圧管路
10,10A 液圧センサ(液圧検知手段)
20,20A 電空レギュレータ(圧力調整手段)
30 制御部(制御手段)
50 光センサ(処理液検知手段)
61 残量液面センサ(残量液面検出手段)
62 下限液面センサ(下限液面検出手段)
70 アラーム表示部(アラーム手段)
81 塗布液供給ノズル(処理液供給ノズル)
90 制御コンピュータ
91 表示部
92 入出力部
93 記録媒体
L 処理液
V1 第1の開閉弁
V2 第2の開閉弁
V3 加圧用開閉弁
V5 廃液用開閉弁
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば半導体ウエハやLCDガラス基板等の被処理基板にレジスト液や現像液等の処理液を供給する処理液供給装置及び処理液供給方法並びに処理液供給用制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体デバイスの製造においては、半導体ウエハやLCDガラス基板等(以下にウエハ等という)の上にITO(Indium Tin Oxide)の薄膜や電極パターンを形成するために、フォトリソグラフィ技術が利用されている。このフォトリソグラフィ技術においては、ウエハ等にフォトレジストを塗布し、これにより形成されたレジスト膜を所定の回路パターンに応じて露光し、この露光パターンを現像処理することによりレジスト膜に回路パターンが形成されている。
【0003】
このようなフォトリソグラフィ工程において、レジスト液や現像液等の処理液をウエハ等に供給する装置として、処理液を貯留する容器から処理液を加圧して供給する方法や供給管路に介設されたポンプにて吸引して供給する処理液供給装置が使用されている。
【0004】
この種の処理液供給装置には、処理液が貯留された複数の処理液貯留容器と処理液供給ノズルとを接続する供給管路に切換弁を介設し、処理液貯留容器から導かれた処理液を一時貯留する一時貯留容器を設け、この一時貯留容器に、液面検知センサとエア抜き機構を有する排気管路とを具備する構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この処理液供給装置によれば、液面検知センサからの検知信号を受けた制御手段によって切換弁を切り換えることで、空の処理液貯留容器を新たな処理液貯留容器に交換することができるので、ウエハ等を連続処理することができる。
【0006】
また、一時貯留容器に液面検知センサを設ける代わりに、処理液貯留容器に接続する処理液供給管路に、処理液貯留容器内の処理液の空状態を検知するセンサを設けた処理液供給装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−246306号公報(特許請求の範囲、図2)
【特許文献2】特開2004−128441号公報(段落番号007、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、この種の処理液供給装置においては、処理液の供給が一定の状態すなわち一定の液圧で供給することが重要である。
【0008】
しかしながら、加圧手段からの加圧によって処理液貯留容器内の処理液を処理液供給ノズルに供給する加圧供給方式においては、処理液貯留容器内の処理液残量の減少により液圧が下がり、液圧一定での供給ができないという問題があった。
【0009】
また、加圧供給方式においては、処理液供給容器を交換するときに、処理液の供給ができなくなるという問題もある。この問題を解決する手段として、特開2002−246306号公報及び特開2004−128441号公報に記載のように、複数の処理液貯留容器に切換手段を介して一時貯留容器を接続する構造が考えられるが、この構造においては、各処理液供給容器に加圧手段を接続する加圧径路を設けると共に、加圧径路に切換手段を設ける必要があり、構造が複雑になる上、装置が大型化するという問題がある。
【0010】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、加圧手段からの加圧によって処理液貯留容器内の処理液を処理液供給ノズルに供給する加圧供給方式において、処理液の残量に影響を受けることなく、処理液を液圧一定に供給して処理精度の向上を図り、また、単一の処理液貯留容器の交換を行うことができ、処理液貯留容器が空になっても処理を止めることなく継続して処理液による連続処理を行えるようにした処理液供給装置及び処理液供給方法並びに処理液供給用制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、この発明の処理液供給装置は、処理液が貯留された処理液貯留容器と、この処理液貯留容器を加圧して処理液を圧送する加圧手段と、第1の処理液供給管路を介して上記処理液貯留容器に接続され、処理液貯留容器から圧送された処理液を一時貯留する一時貯留容器と、この一時貯留容器から処理液供給ノズルに向かう流路である第2の処理液供給管路と、を具備する処理液供給装置であって、 上記第1の処理液供給管路に介設され、上記処理液貯留容器の液圧を検知する液圧検知手段と、 上記第1の処理液供給管路に介設される第1の開閉弁と、 上記処理液貯留容器と加圧手段とを接続する主加圧管路に介設される可変調整可能な圧力調整手段と、 上記一時貯留容器と加圧手段とを接続し加圧する補助加圧管路に介設される加圧用開閉弁と、 上記液圧検知手段によって検知された液圧の信号を受け、その検知信号に基づいて上記圧力調整手段の加圧側圧力を調整し液圧が一定になるように制御すると共に、上記調整する圧力値と上記液圧検知手段で検知される圧力値との差圧から処理液無しを判定し、上記加圧用開閉弁と上記第1の処理液供給管路に介設される第1の開閉弁とを切り換え制御する制御手段と、を具備することを特徴とするとする(請求項1)。この場合、上記処理液貯留容器に、処理液を貯留する収縮自在な内容器と、加圧空間を介して上記内容器を内装し、圧力を保持する外容器との二重構造のものを使用することができる(請求項2)。
【0012】
上記のように構成することにより、液圧検知手段によって処理液貯留容器の液圧を検知し、この検知信号を制御手段によって圧力調整手段にフィードバックし、圧力調整手段の加圧側圧力を一定に制御することができ、処理液の供給を常時一定状態にすることができる。また、処理液貯留容器内の処理液が空状態となり、交換する場合においても、処理液貯留容器を複数設けることなく、処理液貯留容器の交換ができ、しかも、一時貯留容器内の処理液を直接加圧して処理液供給ノズルに供給することができるので、処理液の連続供給を可能にすることができる。
【0013】
また、処理液貯留容器を、処理液を貯留する収縮自在な内容器と、加圧空間を介して内容器を内装し、圧力を保持する外容器との二重構造とすることにより、加圧流体の処理液への溶け込みを防止することができる(請求項2)。
【0014】
この発明において、上記補助加圧管路は、加圧手段と第1の処理液供給管路における第1の開閉弁の下流側に接続されていてもよく(請求項3)、あるいは、補助加圧管路は、加圧手段と、一時貯留容器の上部に接続される廃液管路に接続されていてもよい(請求項4)。補助加圧管路を、加圧手段と第1の処理液供給管路における第1の開閉弁の下流側に接続する場合は、一時貯留容器の液圧を検知する液圧検知手段を加圧用開閉弁の下流側に介設し、加圧用開閉弁の上流側に可変調整可能な圧力調整手段を介設し、液圧検知手段によって検知された液圧信号を受け、その検知信号に基づいて圧力調整手段の加圧側圧力を調整し液圧が一定になるように制御する制御手段を更に具備する方が好ましい(請求項7)。
【0015】
このように構成することにより、加圧手段からの加圧を第1の処理液供給管路あるいは廃液管路を介して一時貯留容器内の処理液に加圧して処理液供給ノズルに供給することができ、処理液の連続供給を可能にすることができる。この場合、加圧手段と廃液管路を接続することにより、廃液管路を加圧することができるので、廃液管路に流れた処理液を一時貯留容器内に戻すことができ、処理液の再利用を図ることができる。また、液圧検知手段によって一時貯留容器の液圧を検知し、この検知信号を制御手段によって圧力調整手段にフィードバックし、圧力調整手段の加圧側圧力を一定に制御することができ、処理液の供給を常時一定状態にすることができる(請求項7)。
【0016】
また、請求項5記載の発明は、上記一時貯留容器の上部に接続される廃液管路に、この廃液管路中の処理液を検知する処理液検知手段を設け、この処理液検知手段によって検知された信号を受け、その検知信号に基づいて上記廃液管路に介設される廃液用開閉弁を開閉制御する制御手段を具備する、ことを特徴とする。
【0017】
上記のように構成することにより、処理液貯留容器の交換後の第1の処理液供給管路内に残存する気泡を廃液管路から大気側に排出した後に、廃液管路に介設された廃液用開閉弁を閉じて、処理液の供給を行うことができる。したがって、処理液貯留容器の交換後の処理液中に含まれる空気の泡抜き動作及び処理液の供給を自動的に行うことができる。
【0018】
また、この発明の処理液供給装置において、上記液圧検出手段は、上記処理液貯留容器と上記第1の開閉弁との間に設けられる方がよい(請求項6)。
【0019】
また、請求項8記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の処理液供給装置において、 上記制御手段からの信号を受けてアラームを出力するアラーム手段を更に具備し、 上記制御手段は、上記処理液無しを判定した際に、第1の開閉弁を閉じると共に、加圧用開閉弁を開放して、加圧手段からの加圧により一時貯留容器を加圧して処理液供給ノズルから吐出される処理液による被処理基板の液処理を継続し、かつ、空になった処理液貯留容器の交換要求のアラーム信号を上記アラーム手段に伝達し、アラーム手段からアラームを出力する、ことを特徴とする。
【0020】
このように構成することにより、処理液貯留容器が空になった状態をアラーム手段によって知らせることができ、処理液貯留容器の交換を確実にすることができる。
【0021】
また、請求項9記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の処理液供給装置において、 上記一時貯留容器に貯留される処理液の液面の位置を検出する液面検出手段を更に具備し、 上記液面検出手段は、処理液が上記一時貯留容器の下限位置であることを検出する下限液面検出手段と、処理液供給ノズルから被処理基板に吐出されて液処理される所定の処理回数分が貯留される処理液の残量位置を検出する残量液面検出手段とを具備し、 上記制御手段は、上記下限液面検出手段及び残量液面検出手段からの検出信号を受け、上記残量液面検出手段が処理液の残量位置を検出した際に、処理液が残量に達したことを警告するアラーム信号をアラーム手段に伝達し、アラーム手段からアラームを出力する、ことを特徴とする。
【0022】
この場合、上記制御手段に上記所定の処理回数を設定(記憶)しておき、上記残量液面検出手段により残量液面検出位置が検出された後、上記処理回数分の実行が終了した際に、その旨を知らせるアラーム信号をアラーム手段に伝達し、アラーム手段からアラームを出力する方が好ましい(請求項10)。また、上記制御手段により、上記下限液面検出手段が処理液の下限位置を検出した際に、処理液供給ノズルからの処理液の吐出を停止させる方が好ましい(請求項11)。また、上記制御手段により、新規の処理液貯留容器が交換され、交換要求のアラームが解除された際に、加圧用開閉弁を閉じると共に、第1の開閉弁を開放し、圧力調整手段に加圧信号を出力し、一時貯留容器内に処理液を供給する方が好ましい(請求項12)。
【0023】
このように構成することにより、下限液面検出手段と残量液面検出手段とによって、一時貯留容器内の処理液の貯留量を監視することができ、処理液貯留容器が空になった後の液処理の継続を行いつつ新規処理液貯留容器の交換を行うことができる(請求項9)。この場合、残量液面検出位置が検出された時点で、一時貯留容器内の処理液が、処理液供給ノズルから被処理基板に吐出されて液処理される所定の処理回数分が貯留されていることを検知することができる。そして、残量液面検出位置が検出した後、処理回数分の実行が終了した際に、その旨を知らせるアラームを出力することにより、交換された新規処理液貯留容器から一時貯留容器内への処理液の供給を促すことができる(請求項10)。また、下限液面検出手段が処理液の下限位置を検出した際に、処理液供給ノズルからの処理液の吐出を停止させることにより、液処理中の処理液の停止を未然に防止することができ、被処理基板のダメージを防止することができる(請求項11)。また、新規の処理液貯留容器が交換され、交換要求のアラームが解除された際に、加圧用開閉弁を閉じると共に、第1の開閉弁を開放し、圧力調整手段に加圧信号を出力し、一時貯留容器内に処理液を供給することにより、新規の処理液貯留容器から一時貯留容器に処理液を自動的に供給することができる(請求項12)。
【0024】
また、請求項13記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の処理液供給装置を用いた処理液供給方法であって、 上記液圧検知手段が液圧の低下を検知した際に、圧力調整手段の加圧圧力を調整し液圧が一定になるように制御し、調整する圧力値と上記液圧検知手段で検知される圧力値との差圧から処理液無しを判定した際に、第1の開閉弁を閉じると共に、加圧用開閉弁を開放して、加圧手段からの加圧により一時貯留容器内の処理液を処理液供給ノズルに圧送する、ことを特徴とする。
【0025】
また、請求項14記載の発明は、請求項8記載の処理液供給装置を用いた処理液供給方法であって、 処理液無しを判定した際に、第1の開閉弁を閉じると共に、加圧用開閉弁を開放して、一時貯留容器を加圧して処理液供給ノズルから吐出される処理液による被処理基板の液処理を継続し、かつ、空になった処理液貯留容器の交換要求のアラームを出力する、ことを特徴とする。
【0026】
また、請求項15記載の発明は、請求項9ないし12のいずれかに記載の処理液供給装置を用いた処理液供給方法であって、 残量液面検出手段が処理液の残量位置を検出した際に、処理液が残量に達したことを警告するアラームを出力し、 上記残量液面検出手段により残量液面検出位置が検出された後、制御手段に設定された処理回数分の実行が終了した際に、その旨を知らせるアラームを出力し、 下限液面検出手段が処理液の下限位置を検出した際に、処理液供給ノズルからの処理液の吐出を停止させ、 新規の処理液貯留容器が交換され、交換要求のアラームが解除された際に、加圧用開閉弁を閉じると共に、第1の開閉弁を開放し、圧力調整手段に加圧信号を出力し、一時貯留容器内に処理液を供給する、ことを特徴とする。
【0027】
また、請求項16記載の発明は、請求項13記載の処理液供給方法を実行する制御プログラムであって、 コンピュータに、 液圧検知手段が液圧の低下を検知した際に、圧力調整手段の加圧圧力を調整し液圧が一定になるように制御する手順と、 調整する圧力値と上記液圧検知手段で検知される圧力値との差圧から処理液無しを判定する手順と、 上記処理液無しを判定した際に、第1の開閉弁を閉じると共に、加圧用開閉弁を開放して加圧手段からの加圧により一時貯留容器内の処理液を処理液供給ノズルに圧送する手順と、を実行させることを特徴とする。
【0028】
また、請求項17記載の発明は、請求項14記載の処理液供給方法を実行する制御プログラムであって、 コンピュータに、 調整する圧力値と液圧検知手段で検知される圧力値との差圧から処理液無しを判定する手順と、 上記処理液無しを判定した際に、第1の開閉弁を閉じると共に、加圧用開閉弁を開放する手順と、 一時貯留容器を加圧して処理液供給ノズルから吐出される処理液による被処理基板の液処理を継続する手順と、 空になった処理液貯留容器の交換要求のアラームを出力する手順と、を実行させることを特徴とする。
【0029】
また、請求項18記載の発明は、請求項15記載の処理液供給方法を実行する制御プログラムであって、 コンピュータに、 残量液面検出手段が処理液の残量位置を検出した際に、処理液が残量に達したことを警告するアラームを出力する手順と、 上記残量液面検出手段により残量液面検出位置が検出された後、制御手段に設定された処理回数分の実行が終了した際に、その旨を知らせるアラームを出力する手順と、 下限液面検出手段が処理液の下限位置を検出した際に、処理液供給ノズルからの処理液の吐出を停止させる手順と、 新規の処理液貯留容器が交換され、交換要求のアラームが解除された際に、加圧用開閉弁を閉じると共に、第1の開閉弁を開放し、圧力調整手段に加圧信号を出力し、一時貯留容器内に処理液を供給する手順と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
この発明によれば、液圧検知手段によって処理液貯留容器の液圧を検知し、この検知信号を制御手段によって圧力調整手段にフィードバックし、圧力調整手段の加圧側圧力を一定に制御することができ、処理液の供給を常時一定状態にすることができるので、処理精度の向上が図れる。また、処理液貯留容器を複数設けることなく、処理液貯留容器の交換ができ、しかも、一時貯留容器内の処理液を直接加圧して処理液供給ノズルに供給することができ、処理液貯留容器が空になっても処理を止めることなく継続して処理液による連続処理を可能にすることができるので、処理効率の向上が図れると共に、装置の小型化が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に、この発明の最良の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、この発明に係る処理液供給装置を半導体ウエハのレジスト液塗布・現像処理システムに適用した場合について説明する。
【0032】
上記レジスト液塗布・現像処理システムは、図11ないし図13に示すように、被処理基板である半導体ウエハW(以下にウエハWという)をウエハカセット101で複数枚例えば25枚単位で外部からシステムに搬入又はシステムから搬出したり、ウエハカセット101に対してウエハWを搬出・搬入したりするための搬入部及び搬出部として機能するカセットステーション110と、塗布現像工程の中で1枚ずつウエハWに所定の処理を施す枚葉式の各種処理ユニットを所定位置に多段配置してなる処理装置本体を具備する処理ステーション120と、この処理ステーション120と隣接して設けられる露光装置(図示せず)との間でウエハWを受け渡すためのインター・フェース部130とで主要部が構成されている。
【0033】
上記カセットステーション110は、図11に示すように、カセット載置台102上の突起103の位置に複数個例えば4個までのウエハカセット101がそれぞれのウエハ出入口を処理ステーション120側に向けて水平のX方向に沿って一列に載置され、カセット配列方向(X方向)及びウエハカセット101内に垂直方向に沿って収容されたウエハWのウエハ配列方向(Z方向)に移動可能なウエハ搬送用ピンセット104が各ウエハカセット101に選択的に搬送するように構成されている。また、ウエハ搬送用ピンセット104は、θ方向に回転可能に構成されており、後述する処理ステーション120側の第3の組G3の多段ユニット部に属するアライメントユニット(ALIM)及びエクステンションユニット(EXT)にも搬送できるようになっている。
【0034】
上記処理ステーション120は、図11に示すように、中心部に、搬送手段である垂直搬送型の主ウエハ搬送機構121が設けられ、この主ウエハ搬送機構121を収容する室122の周りに全ての処理ユニットが1組又は複数の組に渡って多段に配置されている。この例では、5組G1、G2、G3、G4及びG5の多段配置構成であり、第1及び第2の組G1、G2の多段ユニットはシステム正面側に並列され、第3の組G3の多段ユニットはカセットステーション110に隣接して配置され、第4の組G4の多段ユニットはインター・フェース部130に隣接して配置され、第5の組G5の多段ユニットは背部側に配置されている。
【0035】
この場合、図12に示すように、第1の組G1では、容器としての処理カップ123内でウエハWと現像液供給手段(図示せず)とを対峙させてレジストパターンを現像する現像ユニット(DEV)と、ウエハWをスピンチャック(図示せず)に載置して所定の処理を行うレジスト塗布ユニット(COT)とが垂直方向の下から順に2段に重ねられている。第2の組G2も同様に、2台のレジスト塗布ユニット(COT)及び現像ユニット(DEV)が垂直方向の下から順に2段に重ねられている。このようにレジスト塗布ユニット(COT)を下段側に配置した理由は、レジスト液の排液が機構的にもメンテナンスの上でも面倒であるためである。しかし、必要に応じてレジスト塗布ユニット(COT)を上段に配置することも可能である。
【0036】
図13に示すように、第3の組G3では、ウエハWをウエハ載置台124(図11参照)に載置して所定の処理を行うオーブン型の処理ユニット例えばウエハWを冷却するクーリングユニット(COL)、ウエハWに疎水化処理を行うアドヒージョンユニット(AD)、ウエハWの位置合わせを行うアライメントユニット(ALIM)、ウエハWの搬入出を行うエクステンションユニット(EXT)、ウエハWをベークする4つのホットプレートユニット(HP)が垂直方向の下から順に例えば8段に重ねられている。第4の組G4も同様に、オーブン型処理ユニット例えばクーリングユニット(COL)、エクステンション・クーリングユニット(EXTCOL)、エクステンションユニット(EXT)、クーリングユニット(COL)、急冷機能を有する2つのチリングホットプレートユニット(CHP)及び2つのホットプレートユニット(HP)が垂直方向の下から順に例えば8段に重ねられている。
【0037】
上記のように処理温度の低いクーリングユニット(COL)、エクステンション・クーリングユニット(EXTCOL)を下段に配置し、処理温度の高いホットプレートユニット(HP)、チリングホットプレートユニット(CHP)及びアドヒージョンユニット(AD)を上段に配置することで、ユニット間の熱的な相互干渉を少なくすることができる。勿論、ランダムな多段配置とすることも可能である。
【0038】
なお、図11に示すように、処理ステーション120において、第1及び第2の組G1、G2の多段ユニット(スピナ型処理ユニット)に隣接する第3及び第4の組G3、G4の多段ユニット(オーブン型処理ユニット)の側壁の中には、それぞれダクト125,126が垂直方向に縦断して設けられている。これらのダクト125,126には、ダウンフローの清浄空気又は特別に温度調整された空気が流されるようになっている。このダクト構造によって、第3及び第4の組G3、G4のオーブン型処理ユニットで発生した熱は遮断され、第1及び第2の組G1、G2のスピナ型処理ユニットへは及ばないようになっている。
【0039】
また、この処理システムでは、主ウエハ搬送機構121の背部側にも図11に点線で示すように第5の組G5の多段ユニットが配置できるようになっている。この第5の組G5の多段ユニットは、案内レール127に沿って主ウエハ搬送機構121から見て側方へ移動できるようになっている。したがって、第5の組G5の多段ユニットを設けた場合でも、ユニットをスライドすることにより空間部が確保されるので、主ウエハ搬送機構121に対して背後からメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0040】
上記インター・フェース部130は、奥行き方向では処理ステーション120と同じ寸法を有するが、幅方向では小さなサイズに作られている。このインター・フェース部130の正面部には可搬性のピックアップカセット131と定置型のバッファカセット132が2段に配置され、背面部には、ウエハWの周辺部の露光及び識別マーク領域の露光を行う露光手段である周辺露光装置133が配設され、中央部には、搬送手段であるウエハの搬送アーム134が配設されている。この搬送アーム134は、X、Z方向に移動して両カセット131,132及び周辺露光装置133に搬送するように構成されている。また、搬送アーム134は、θ方向に回転可能に構成され、処理ステーション120側の第4の組G4の多段ユニットに属するエクステンションユニット(EXT)及び隣接する露光装置側のウエハ受渡し台(図示せず)にも搬送できるように構成されている。
【0041】
上記のように構成される処理システムは、クリーンルーム140内に設置されるが、更にシステム内でも効率的な垂直層流方式によって各部の清浄度を高めている。
【0042】
次に、上記レジスト液塗布・現像処理システムの動作について説明する。
【0043】
まず、カセットステーション110において、ウエハ搬送用ピンセット104がカセット載置台102上の未処理のウエハWを収容しているカセット101にアクセスして、そのカセット101から1枚のウエハWを取り出す。ウエハ搬送用ピンセット104は、カセット101よりウエハWを取り出すと、処理ステーション120側の第3の組G3の多段ユニット内に配置されているアライメントユニット(ALIM)まで移動し、ユニット(ALIM)内のウエハ載置台124上にウエハWを載せる。ウエハWは、ウエハ載置台124上でオリフラ合せ及びセンタリングを受ける。その後、主ウエハ搬送機構121がアライメントユニット(ALIM)に反対側からアクセスし、ウエハ載置台124からウエハWを受け取る。
【0044】
処理ステーション120において、主ウエハ搬送機構121はウエハWを最初に第3の組G3の多段ユニットに属するアドヒージョンユニット(AD)に搬入する。このアドヒージョンユニット(AD)内でウエハWは疎水化処理を受ける。疎水化処理が終了すると、主ウエハ搬送機構121は、ウエハWをアドヒージョンユニット(AD)から搬出して、次に第3の組G3又は第4の組G4の多段ユニットに属するクーリングユニット(COL)へ搬入する。このクーリングユニット(COL)内でウエハWはレジスト塗布処理前の設定温度例えば23℃まで冷却される。冷却処理が終了すると、主ウエハ搬送機構121は、ウエハWをクーリングユニット(COL)から搬出し、次に第1の組G1又は第2の組G2の多段ユニットに属するレジスト塗布ユニット(COT)へ搬入する。このレジスト塗布ユニット(COT)内でウエハWはスピンコート法によりウエハ表面に一様な膜厚でレジストを塗布する。
【0045】
レジスト塗布処理が終了すると、主ウエハ搬送機構121は、ウエハWをレジスト塗布ユニット(COT)から搬出し、次にホットプレートユニット(HP)内へ搬入する。ホットプレートユニット(HP)内でウエハWは載置台上に載置され、所定温度例えば100℃で所定時間プリベーク処理される。これによって、ウエハW上の塗布膜から残存溶剤を蒸発除去することができる。プリベークが終了すると、主ウエハ搬送機構121は、ウエハWをホットプレートユニット(HP)から搬出し、次に第4の組G4の多段ユニットに属するエクステンション・クーリングユニット(EXTCOL)へ搬送する。このユニット(EXTCOL)内でウエハWは次工程すなわち周辺露光装置133における周辺露光処理に適した温度例えば24℃まで冷却される。この冷却後、主ウエハ搬送機構121は、ウエハWを直ぐ上のエクステンションユニット(EXT)へ搬送し、このユニット(EXT)内の載置台(図示せず)の上にウエハWを載置する。このエクステンションユニット(EXT)の載置台上にウエハWが載置されると、インター・フェース部130の搬送アーム134が反対側からアクセスして、ウエハWを受け取る。そして、搬送アーム134はウエハWをインター・フェース部130内の周辺露光装置133へ搬入する。
【0046】
露光装置で全面露光が済んで、ウエハWが露光装置側のウエハ受取り台に戻されると、インター・フェース部130の搬送アーム134はそのウエハ受取り台へアクセスしてウエハWを受け取り、受け取ったウエハWを処理ステーション120側の第4の組G4の多段ユニットに属するエクステンションユニット(EXT)へ搬入し、ウエハ受取り台上に載置する。この場合にも、ウエハWは、処理ステーション120側へ渡される前にインター・フェース部130内のバッファカセット132に一時的に収納されることもある。
【0047】
ウエハ受取り台上に載置されたウエハWは、主ウエハ搬送機構121により、チリングホットプレートユニット(CHP)に搬送され、フリンジの発生を防止するため、あるいは化学増幅型レジスト(CAR)における酸触媒反応を誘起するためポストエクスポージャーベーク処理が施される。
【0048】
その後、ウエハWは、第1の組G1又は第2の組G2の多段ユニットに属する現像ユニット(DEV)に搬入される。この現像ユニット(DEV)内では、ウエハW表面のレジストに現像液が満遍なく供給されて現像処理が施される。この現像処理によって、ウエハW表面に形成されたレジスト膜が所定の回路パターンに現像されると共に、ウエハWの周辺部の余剰レジスト膜が除去され、更に、ウエハW表面に形成された(施された)アライメントマークMの領域に付着したレジスト膜が除去される。このようにして、現像が終了すると、ウエハW表面にリンス液がかけられて現像液が洗い落とされる。
【0049】
現像工程が終了すると、主ウエハ搬送機構121は、ウエハWを現像ユニット(DEV)から搬出して、次に第3の組G3又は第4の組G4の多段ユニットに属するホットプレートユニット(HP)へ搬入する。このユニット(HP)内でウエハWは例えば100℃で所定時間ポストベーク処理される。これによって、現像で膨潤したレジストが硬化し、耐薬品性が向上する。
【0050】
ポストベークが終了すると、主ウエハ搬送機構121は、ウエハWをホットプレートユニット(HP)から搬出し、次にいずれかのクーリングユニット(COL)へ搬入する。ここでウエハWが常温に戻った後、主ウエハ搬送機構121は、次にウエハWを第3の組G3に属するエクステンションユニット(EXT)へ移送する。このエクステンションユニット(EXT)の載置台(図示せず)上にウエハWが載置されると、カセットステーション110側のウエハ搬送用ピンセット104が反対側からアクセスして、ウエハWを受け取る。そして、ウエハ搬送用ピンセット104は、受け取ったウエハWをカセット載置台102上の処理済みウエハ収容用のカセット101の所定のウエハ収容溝に入れて処理が完了する。
【0051】
次に、図11で示したレジスト塗布ユニットの構成について説明する。この場合、処理装置のジスト塗布・現像処理システムにおいては、同種の2つのレジスト塗布ユニットを備えている。すなわち、第1の組G1に属するスピナ型の第1の処理ユニット141(第1の塗布ユニット141)と、第2の組G2に属するスピナ型の第2の処理ユニット142(第2の塗布ユニット142)である。第1及び第2の塗布ユニット141,142は、それぞれ処理室143の主ウエハ搬送機構121側にシャッター144により開閉される搬出入口145を有している。
【0052】
次に、第1及び第2の塗布ユニット141,142の具体的構成について、図14を参照して説明する。この第1及び第2の塗布ユニット141,142のケーシング148内には、ウエハWを回転自在に保持する保持手段としてのスピンチャック149と、このスピンチャック149及びウエハWの外周とそれら下方を包囲する処理カップ123と、ウエハWの表面に処理液として、塗布液例えばレジスト液や、溶剤を供給する集合ノズル80が備えられている。
【0053】
スピンチャック149は、ケーシング148の下方のスピンモータ151により回転する回転軸152の上部に装着されるチャックプレート149aと、このチャックプレート149aの周縁部に垂設された保持部材(図示せず)とから構成されており、保持部材は、ウエハWをチャックプレート149aから浮かせた状態でウエハWの周縁部を保持するように構成されている。
【0054】
また、処理カップ123内の雰囲気は、処理カップ123の底部から、外部に設置されている真空ポンプなどの排気手段によって排気される。さらに、ウエハWが回転する際に飛び散った処理液は、スピンチャック149の外方から、処理カップ123の底部に設けられたドレイン128を通じて排出される。処理カップ123は上下移動可能であると共に、必要に応じてメンテナンスのため着脱できるように構成されている。
【0055】
集合ノズル80は、回動軸153を中心として旋回する移動部材としての回動アーム154の先端に設けられている。集合ノズル80には、後述する第2の処理液供給管路である塗布液供給管路6に接続され塗布液を吐出する処理液供給ノズルである塗布液供給ノズル81と、溶剤供給管路83に接続され溶剤を吐出する溶剤供給ノズル82が設けられおり、これらのノズル81,82はウエハWの半径方向内側に相前後して並置され、集合ノズル80の下面にいずれも開口している。すなわち、この塗布液供給ノズル81と溶剤供給ノズル82は、ウエハWの半径方向内側に塗布液供給ノズル81が位置し、またウエハWの半径方向外側に溶剤供給ノズル82が位置するように、互いに所定間隔だけ離して並置されている。そして、塗布液供給ノズル81からは塗布液供給管路6により供給された塗布液が、また溶剤供給ノズル82からは溶剤供給管路83により供給された溶剤がそれぞれ独立に吐出されるように構成されている。
【0056】
また、図14に示すように、回動アーム154は、処理カップ123の外側に鉛直に設けられた回動軸153の上部に水平姿勢で固定されおり、回動軸153の回転機構159(ノズル移動機構159)によって、水平面内で回動するように構成されている。回動アーム154は、ウエハWの上方において、ウエハWの中心部付近に移動した状態と、処理カップ123よりも外側の待機位置(ホームポジション)に移動した状態との間を移動する。回動アーム154を、これらの間で移動させることにより、ウエハW上に塗布膜を形成する処理を行う。
【0057】
次に、この発明に係る処理液供給装置について、図1ないし図10を参照して説明する。
【0058】
図1は、この発明に係る処理液供給装置の第1実施形態を示す概略断面図である。
【0059】
上記処理液供給装置は、処理液L(レジスト液)が貯留された処理液貯留容器1と、この処理液貯留容器1に主加圧管路2を介して接続され、処理液貯留容器1内の処理液Lを加圧する加圧手段である不活性ガス例えば窒素(N2)ガスの供給源3(以下に、N2ガス供給源3という)と、第1の処理液供給管路4を介して処理液貯留容器1に接続され、処理液貯留容器1から導かれた処理液を一時貯留する一時貯留容器であるリザーバタンク5と、このリザーバタンク5と処理液供給ノズル(塗布液供給ノズル81)とを接続する第2の処理液供給管路6(塗布液供給管路)と、リザーバタンク5の上部に接続される廃液管路7と、N2ガスの供給源3とリザーバタンク5側に接続される補助加圧管路9と、を具備している。
【0060】
上記第1の処理液供給管路4には、処理液貯留容器1側から順に、処理液貯留容器1の液圧を検知する液圧検知手段である液圧センサ10が例えば45KPaで監視するように介設されると共に、第1の開閉弁V1が介設されている。
【0061】
また、処理液貯留容器1とN2ガス供給源3とを接続する主加圧管路2には、可変調整可能な圧力調整手段である電空レギュレータ20が介設されている。この電空レギュレータ20は、後述する制御手段としての制御コンピュータ90を構成する中央演算処理装置(CPU)を主体として構成される制御部30からの制御信号出力によって作動する操作部例えば比例ソレノイドと、該ソレノイドの作動によって開閉する弁機構とを具備しており、弁機構の開閉によって圧力を調整するように構成されている。
【0062】
上記液圧センサ10は制御部30に電気的に接続されており、制御部30は、液圧センサ10によって検知された液圧の信号を受け、その検知信号に基づいて電空レギュレータ20の加圧側圧力を一定に制御するように構成されている。すなわち、制御部30は、液圧センサ10によって検知された信号を受けることによって処理液貯留容器1内の液圧を認識することができ、処理液Lの液圧が低下することにより供給圧が落ちることを防ぐために、電空レギュレータ20に信号を送って処理液貯留容器1への加圧圧力を上げ、一定の液圧とするフィードバック制御を行う。また、制御部30は、処理液貯留容器1内の液残量が臨界点である一定の残量となった場合、すなわち、電空レギュレータ20に与えた加圧指示圧と液圧センサ10で実際に検出した液圧との差圧により処理液貯留容器1内の処理液無しを判定して、処理液貯留容器1の交換が必要な状態を認識し、制御部30からの制御信号に基づいて第1の開閉弁V1と後述する加圧用開閉弁V3を開閉動作するように構成されている。
【0063】
この場合、上記処理液貯留容器1は、処理液Lを貯留する可撓性を有する例えばPEあるいはPTFE製の収縮自在な内容器1aと、加圧空間1cを介して内容器1aを内装し、圧力を保持する例えばPE又はステンレス製の外容器1bとの二重構造に形成されている。なお、内容器1aと外容器1bの口部にはキャップ部材1dが気水密に被着されており、キャップ部材1dに設けられた加圧ガス導入通路1eと処理液導出通路1fにそれぞれ主加圧管路2と第1の処理液供給管路4が接続されている。
【0064】
また、上記第2の処理液供給管路6には、図示しないフィルタ(図示せず)や第2の開閉弁V2や非吸引式のポンプ(図示せず)が介設されている。
【0065】
また、上記リザーバタンク5の上部には、図1に示すように、廃液管路7が接続されており、この廃液管路7には、リザーバタンク5側から順に、廃液管路7中の処理液を検知する処理液検知手段例えば光センサ50と廃液用開閉弁V5が介設されている。また、リザーバタンク5の側方には、リザーバタンク5内の処理液Lの液面を検知する例えば静電容量センサにて形成される残量液面センサ61と下限液面センサ62が配設されている。これら残量液面センサ61と下限液面センサ62と制御部30とは電気的に接続されており、残量液面センサ61,下限液面センサ62によって検知された検知信号が制御部30に伝達され、制御部30においてリザーバタンク5内の処理液Lの状態が認識されるように形成されている。
【0066】
また、補助加圧管路9は、N2ガス供給源3とリザーバタンク5側例えば廃液管路7における光センサ50と廃液用開閉弁V5との間に接続されている。この補助加圧管路9には、N2ガス供給源3側から順に、レギュレータ40と加圧用開閉弁V3が介設されている。加圧用開閉弁V3は、制御部30に電気的に接続されており、制御部30からの制御信号に基づいて開閉動作するように制御されている。すなわち、液圧センサ10が処理液貯留容器1内の処理液Lの液圧を検知し、制御部30で圧力状態から空状態が判断された場合、制御部30からの制御信号に基づいて第1の開閉弁V1が閉じ、加圧用開閉弁V3が開放するように制御される。これにより、所定の設定圧力例えば45KPaに設定されたN2ガス供給源3から加圧ガスであるN2ガスが廃液管路7に供給され、廃液管路7中の処理液をリザーバタンク5に戻して、リザーバタンク5内を加圧することで、処理液Lを処理液供給ノズル側の第2の処理液供給管路6に供給(圧送)する。一方、この状態で空の処理液貯留容器1からキャップ部材1dが取り外され、新規の処理液貯留容器1にキャップ部材1dが被着されて、処理液貯留容器1の交換が行われる。
【0067】
また、上記制御部30と光センサ50とは電気的に接続されており、制御部30は、光センサ50が検知した信号を受け、その検知信号に基づいて廃液用開閉弁V5及び第1の開閉弁V1を切り換え制御するように構成されている。すなわち、光センサ50によって廃液管路7中の処理液を検知すると、この検知信号が制御部30に伝達され、制御部30においてリザーバタンク5内が気泡を含まない処理液で満たされたことを認識した後、制御部30からの制御信号によって廃液用開閉弁V5が閉じるように構成されている。
【0068】
また、制御部30にはアラーム表示部70が電気的に接続されており、残量液面センサ61の検知により処理液貯留容器1内の処理液が空状態を制御部30が認識した場合の空状態を、アラーム手段であるアラーム表示部70で表示するように構成されている。また、アラーム表示部70は、残量液面検出センサ61の検出により残量液面センサ61と下限液面センサ62との間で処理可能な量の残量にリザーバタンク5内の液量が減ったことをアラーム出力する。なお、このときのアラームは、エンプティレベル1で出力される。また、アラーム表示部70は、下限液面センサ62の検出によりリザーバタンク5内の液量が減ったことをアラーム出力する。このときのアラームは、エンプティレベル3で出力される。これにより、作業者は処理継続を停止する。すなわち、次に処理されるウエハWの搬入を停止する。
【0069】
制御コンピュータ90は、図1に概略的に示すように、中央演算処理装置(CPU)を主体として構成される制御部30と、制御部30に接続された入出力部91と、処理シーケンスを作成するための処理シーケンス入力画面を表示する表示部92と、入出力部91に挿着され制御ソフトウエアを格納した記録媒体93とを具備する。なお、制御コンピュータ90は、具体的には、図12に示すように、カセットステーション110のカセット載置台102に設置される。この場合、制御コンピュータ90は、引き出し式に格納されるキーボードからなる入出力部91と、ディスプレーからなる表示部92及び記録媒体93とで構成されている。
【0070】
上記記録媒体93は、制御コンピュータ90に固定的に設けられるもの、あるいは、制御コンピュータ90に設けられた読み取り装置に着脱自在に挿着されて該読み取り装置により読み取り可能なものであってもよい。最も典型的な実施形態においては、記録媒体93は、基板処理装置のメーカーのサービスマンによって制御ソフトウエアがインストールされたハードディスクドライブである。他の実施の形態においては、記録媒体93は、制御ソフトウエアが書き込まれたCD−ROM又はDVD−ROMのような読み出し専用のリムーバブルディスクであり、このようなリムーバブルディスクは制御コンピュータ90に設けられた光学的読み取り装置によって読み取られる。記録媒体93は、RAM(random access memory)又はROM(read only memory)のいずれの形式のものであってもよく、また、記録媒体93は、カセット式のROMのようなものであってもよい。要するに、コンピュータの技術分野において知られている任意のものを記録媒体93として用いることが可能である。
【0071】
上記のように構成された制御コンピュータ90によって制御ソフトウエアを実行することにより、上記液圧センサ10、電空レギュレータ20や開閉弁V1,V2,V3,V5及び残量液面センサ61,下限液面センサ62等を所定の処理シーケンスにより定義されたプロセス条件を実現するように制御する。また、上記処理システムの各機能要素である上記主ウエハ搬送機構121,スピンチャック149,ノズル81,82からの塗布液・溶剤の供給・停止等を、所定の処理シーケンスにより定義された様々なプロセス条件を実現する一般的な制御も行う。
【0072】
この発明においては、制御コンピュータ90の記録媒体93に、電空レギュレータ20の調整圧や処理液供給ノズル81からウエハWに吐出されて液処理される所定の処理回数分の処理液Lの量の設定等を記憶しておき、この処理プログラムに基づいて、搬送アーム34によるウエハWの搬送を行うように機能させている。
【0073】
次に、上記処理液供給装置の動作態様について、図2ないし図8を参照して説明する。なお、図2ないし図8においては、制御部30は省略してある。まず、新規処理液貯留容器1をセットした後、制御部30からの制御信号に基づいて図2に示すように、第1の開閉弁V1が開放し、処理液貯留容器1内の処理液Lをリザーバタンク5内に供給する。処理液貯留容器1から供給された処理液Lがリザーバタンク5に満たされると、制御部30からの制御信号に基づいて図3に示すように、廃液用開閉弁V5を閉じ、ノズルから処理液が被処理基板に供給されて処理ができる状態となる。
【0074】
通常の処理が施される過程において、処理液貯留容器1内の処理液Lの液圧が低下するが、液圧センサ10によって処理液貯留容器1内の処理液Lの液圧が検知され、その検知信号が制御部30に伝達され、制御部30からの制御信号に基づいて電空レギュレータ20の加圧側圧力が一定にフィードバック制御される。これにより、処理液Lの液圧は一定状態のまま処理液供給ノズルに供給される(図4参照)。
【0075】
更に、処理液貯留容器1内の処理液Lの液残量が少なくなり、電空レギュレータ20による加圧と液圧の差圧が臨界点に達し、液圧センサ10が処理液貯留容器1の交換が必要な状態を検知すると、その検知信号が制御部30に伝達され、制御部30からの制御信号に基づいてアラーム表示部70から処理液貯留容器1の交換要求アラームが出力される。これと同時に、第1の開閉弁V1が閉じる一方、加圧用開閉弁V3が開放して、N2ガス供給源3からN2ガスが廃液管路7に供給され、廃液管路7中の処理液をリザーバタンク5に戻して、リザーバタンク5内の処理液Lを処理液供給ノズルに供給する(図5参照)。これにより、廃液管路7内に残留する処理液を再利用することができる。
【0076】
なお、処理液貯留容器1内が空になって第1の開閉弁V1が閉じたときのリザーバタンク5の液位置は満杯状態となっている。この状態で、処理液貯留容器1の交換が実施されないと、リザーバタンク5内の処理液Lは残量液面センサ61の検出位置まで下がり、残量液面センサ61の検出によりアラーム表示部70からエンプティレベル1のアラームが出力される(図6参照)。この時点で、リザーバタンク5内の処理液Lは所定の処理枚数分の残量となる。
【0077】
更に、制御部30側で、残量液面センサ61の検出によるエンプティレベル1のアラームが出力された以降の処理枚数のカウントを行い、予め制御コンピュータ90の記録媒体93に警告値として設定された処理枚数値に達したとき、エンプティレベル2のソフト的警報を出力する。そして、下限液面センサ62に液面が達したとき、下限液面センサ62により検出され、その検出信号が制御部30に伝達されて、アラーム表示部70からエンプティレベル3のアラームが出力され、処理が中断される。なお、上記エンプティレベル2のアラームを出力せずに、下限液面センサ62の検出のみであってもよい。
【0078】
アラーム表示部70で空状態が表示されたら、作業者は空の処理液貯留容器1をキャップ部材1dから取り外して(図7参照)、新規の処理液貯留容器1と交換する。
【0079】
新規の処理液貯留容器1にキャップ部材1dを被着した状態で、交換要求アラームの出力を解除する。この動作と同時に、第1の開閉弁V1が開放すると共に、廃液用開閉弁V5が開放し、新規の処理液貯留容器1の上部の空気及び第1の処理液供給管路4内の空気を外気に排出して泡抜きを行う(図8参照)。そして、供給される処理液中の気泡(空気)が完全に除去されると、光センサ50が廃液管路7中の処理液を検知し、その検知信号を制御部30に伝達する。すると、制御部30からの制御信号によって廃液用開閉弁V5が閉じると共に、第2の開閉弁V2が開放して、リザーバタンク5内の処理液が処理液供給ノズルに供給される(図3参照)。
【0080】
なお、上記第1実施形態では、補助加圧管路9が、N2ガス供給源3と廃液管路7における光センサ50と廃液用開閉弁V5との間に接続される場合について説明したが、必ずしもこのような構造とする必要はない。例えば、図9に示すように、補助加圧管路9を、N2ガス供給源3と、第1の処理液供給管路4における第1の開閉弁V1の下流側に接続してもよい。
【0081】
このように構成することにより、N2ガス供給源3から供給される加圧用N2ガスを第1の処理液供給管路4を介してリザーバタンク5側に供給(加圧)することができ、リザーバタンク5から廃液管路7に流れた処理液を使用せずに、新規の処理液のみを処理液供給ノズルに供給して、処理に供することができる。
【0082】
なお、図9において、その他の部分は、第1実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して、説明は省略する。
【0083】
また、図10に示すように、補助加圧管路9における加圧用開閉弁V3の下流側に、リザーバタンク5の液圧を検知する液圧検知手段である液圧センサ10Aを介設し、補助加圧管路9における加圧用開閉弁V3の上流側に上記電空レギュレータ20と同様に圧力調整可能な電空レギュレータ20Aを介設し、液圧センサ10Aによって検知された液圧信号を制御部30に伝達し、制御部30からの制御信号に基づいて電空レギュレータ20Aの加圧側圧力を一定に制御するようにしてもよい。
【0084】
このように構成することにより、N2ガス供給源3からリザーバタンク5に供給される加圧用N2ガスの加圧を一定にすることができ、リザーバタンク5内の処理液Lを一定圧で処理液供給ノズル6側の第2の処理液供給管路6に供給することができる。
【0085】
なお、図10において、その他の部分は、第1実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して、説明は省略する。
【0086】
なお、上記実施形態では、この発明に係る処理液供給装置(方法)をレジスト塗布処理装置に適用した場合について説明したが、レジスト以外の処理液例えば現像液等の供給装置(方法)や洗浄処理の供給装置(方法)にも適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】この発明に係る処理液供給装置の第1実施形態を示す概略断面図である。
【図2】上記処理液供給装置における新規処理液の泡抜き動作状態を示す概略断面図である。
【図3】上記処理液供給装置における通常処理動作状態を示す概略断面図である。
【図4】上記処理液供給装置における処理液の液圧を一定に制御する動作状態を示す概略断面図である。
【図5】上記処理液供給装置におけるリザーバタンク内の処理液を加圧して供給する動作状態を示す概略断面図である。
【図6】上記処理液供給装置における処理液貯留容器内の処理液の空状態を示す概略断面図である。
【図7】上記処理液供給装置における処理液貯留容器の交換動作状態を示す概略断面図である。
【図8】上記処理液供給装置における処理液貯留容器の交換後の泡抜き動作状態を示す概略断面図である。
【図9】この発明に係る処理液供給装置の第2実施形態を示す概略断面図である。
【図10】この発明に係る処理液供給装置の第3実施形態を示す概略断面図である。
【図11】この発明に係る処理液供給装置を適用したレジスト液塗布・現像処理システムの一例を示す概略平面図である。
【図12】上記レジスト液塗布・現像処理システムの概略正面図である。
【図13】上記レジスト液塗布・現像処理システムの概略背面図である。
【図14】上記レジスト液塗布・現像処理システムにおける塗布ユニットを示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0088】
1 処理液貯留容器
1a 内容器
1b 外容器
1c 加圧空間
2 主加圧管路
3 主N2ガス供給源(加圧手段)
4 第1の処理液供給管路
5 リザーバタンク(一時貯留容器)
6 第2の処理液供給管路
7 排気管路
8 補助N2ガス供給源(加圧手段)
9 補助加圧管路
10,10A 液圧センサ(液圧検知手段)
20,20A 電空レギュレータ(圧力調整手段)
30 制御部(制御手段)
50 光センサ(処理液検知手段)
61 残量液面センサ(残量液面検出手段)
62 下限液面センサ(下限液面検出手段)
70 アラーム表示部(アラーム手段)
81 塗布液供給ノズル(処理液供給ノズル)
90 制御コンピュータ
91 表示部
92 入出力部
93 記録媒体
L 処理液
V1 第1の開閉弁
V2 第2の開閉弁
V3 加圧用開閉弁
V5 廃液用開閉弁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理液が貯留された処理液貯留容器と、この処理液貯留容器を加圧して処理液を圧送する加圧手段と、第1の処理液供給管路を介して上記処理液貯留容器に接続され、処理液貯留容器から圧送された処理液を一時貯留する一時貯留容器と、この一時貯留容器から処理液供給ノズルに向かう流路である第2の処理液供給管路と、を具備する処理液供給装置であって、
上記第1の処理液供給管路に介設され、上記処理液貯留容器の液圧を検知する液圧検知手段と、
上記第1の処理液供給管路に介設される第1の開閉弁と、
上記処理液貯留容器と加圧手段とを接続する主加圧管路に介設される可変調整可能な圧力調整手段と、
上記一時貯留容器と加圧手段とを接続し加圧する補助加圧管路に介設される加圧用開閉弁と、
上記液圧検知手段によって検知された液圧の信号を受け、その検知信号に基づいて上記圧力調整手段の加圧側圧力を調整し液圧が一定になるように制御すると共に、上記調整する圧力値と上記液圧検知手段で検知される圧力値との差圧から処理液無しを判定し、上記加圧用開閉弁と上記第1の処理液供給管路に介設される第1の開閉弁とを切り換え制御する制御手段と、
を具備することを特徴とする処理液供給装置。
【請求項2】
請求項1記載の処理液供給装置において、
上記処理液貯留容器が、処理液を貯留する収縮自在な内容器と、加圧空間を介して上記内容器を内装し、圧力を保持する外容器との二重構造である、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の処理液供給装置において、
上記補助加圧管路が、加圧手段と第1の処理液供給管路における第1の開閉弁の下流側に接続されている、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載の処理液供給装置において、
上記補助加圧管路が、加圧手段と、一時貯留容器の上部に接続される廃液管路に接続されている、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の処理液供給装置において、
上記一時貯留容器の上部に接続される廃液管路に、この廃液管路中の処理液を検知する処理液検知手段を設け、この処理液検知手段によって検知された信号を受け、その検知信号に基づいて上記廃液管路に介設される廃液用開閉弁を開閉制御する制御手段を具備する、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項6】
請求項1記載の処理液供給装置において、
上記液圧検出手段は、上記処理液貯留容器と上記第1の開閉弁との間に設けられる、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項7】
請求項3記載の処理液供給装置において、
上記補助加圧管路における加圧用開閉弁の下流側に介設され、一時貯留容器の液圧を検知する液圧検知手段と、上記補助加圧管路における加圧用開閉弁の上流側に介設される可変調整可能な圧力調整手段と、上記液圧検知手段によって検知された液圧信号を受け、その検知信号に基づいて上記圧力調整手段の加圧側圧力を調整し液圧が一定になるように制御する制御手段と、を更に具備することを特徴とする処理液供給装置。
【請求項8】
請求項1ないし6のいずれかに記載の処理液供給装置において、
上記制御手段からの信号を受けてアラームを出力するアラーム手段を更に具備し、
上記制御手段は、上記処理液無しを判定した際に、第1の開閉弁を閉じると共に、加圧用開閉弁を開放して、加圧手段からの加圧により一時貯留容器を加圧して処理液供給ノズルから吐出される処理液による被処理基板の液処理を継続し、かつ、空になった処理液貯留容器の交換要求のアラーム信号を上記アラーム手段に伝達し、アラーム手段からアラームを出力する、
ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の処理液供給装置において、
上記一時貯留容器に貯留される処理液の液面の位置を検出する液面検出手段を更に具備し、
上記液面検出手段は、処理液が上記一時貯留容器の下限位置であることを検出する下限液面検出手段と、処理液供給ノズルから被処理基板に吐出されて液処理される所定の処理回数分が貯留される処理液の残量位置を検出する残量液面検出手段とを具備し、
上記制御手段は、上記下限液面検出手段及び残量液面検出手段からの検出信号を受け、上記残量液面検出手段が処理液の残量位置を検出した際に、処理液が残量に達したことを警告するアラーム信号をアラーム手段に伝達し、アラーム手段からアラームを出力する、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項10】
請求項9記載の処理液供給装置において、
上記制御手段は、上記所定の処理回数が設定され、上記残量液面検出手段により残量液面検出位置が検出された後、上記処理回数分の実行が終了した際に、その旨を知らせるアラーム信号をアラーム手段に伝達し、アラーム手段からアラームを出力する、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項11】
請求項9記載の処理液供給装置において、
上記制御手段は、上記下限液面検出手段が処理液の下限位置を検出した際に、処理液供給ノズルからの処理液の吐出を停止させる、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項12】
請求項9記載の処理液供給装置において、
上記制御手段は、新規の処理液貯留容器が交換され、交換要求のアラームが解除された際に、加圧用開閉弁を閉じると共に、第1の開閉弁を開放し、圧力調整手段に加圧信号を出力し、一時貯留容器内に処理液を供給する、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項13】
請求項1ないし6のいずれかに記載の処理液供給装置を用いた処理液供給方法であって、
上記液圧検知手段が液圧の低下を検知した際に、圧力調整手段の加圧圧力を調整し液圧が一定になるように制御し、調整する圧力値と上記液圧検知手段で検知される圧力値との差圧から処理液無しを判定した際に、第1の開閉弁を閉じると共に、加圧用開閉弁を開放して、加圧手段からの加圧により一時貯留容器内の処理液を処理液供給ノズルに圧送する、ことを特徴とする処理液供給方法。
【請求項14】
請求項8記載の処理液供給装置を用いた処理液供給方法であって、
処理液無しを判定した際に、第1の開閉弁を閉じると共に、加圧用開閉弁を開放して、一時貯留容器を加圧して処理液供給ノズルから吐出される処理液による被処理基板の液処理を継続し、かつ、空になった処理液貯留容器の交換要求のアラームを出力する、
ことを特徴とする処理液供給方法。
【請求項15】
請求項9ないし12のいずれかに記載の処理液供給装置を用いた処理液供給方法であって、
残量液面検出手段が処理液の残量位置を検出した際に、処理液が残量に達したことを警告するアラームを出力し、
上記残量液面検出手段により残量液面検出位置が検出された後、制御手段に設定された処理回数分の実行が終了した際に、その旨を知らせるアラームを出力し、
下限液面検出手段が処理液の下限位置を検出した際に、処理液供給ノズルからの処理液の吐出を停止させ、
新規の処理液貯留容器が交換され、交換要求のアラームが解除された際に、加圧用開閉弁を閉じると共に、第1の開閉弁を開放し、圧力調整手段に加圧信号を出力し、一時貯留容器内に処理液を供給する、
ことを特徴とする処理液供給方法。
【請求項16】
請求項13記載の処理液供給方法を実行する制御プログラムであって、
コンピュータに、
液圧検知手段が液圧の低下を検知した際に、圧力調整手段の加圧圧力を調整し液圧が一定になるように制御する手順と、
調整する圧力値と上記液圧検知手段で検知される圧力値との差圧から処理液無しを判定する手順と、
上記処理液無しを判定した際に、第1の開閉弁を閉じると共に、加圧用開閉弁を開放して加圧手段からの加圧により一時貯留容器内の処理液を処理液供給ノズルに圧送する手順と、
を実行させることを特徴とする処理液供給用制御プログラム。
【請求項17】
請求項14記載の処理液供給方法を実行する制御プログラムであって、
コンピュータに、
調整する圧力値と液圧検知手段で検知される圧力値との差圧から処理液無しを判定する手順と、
上記処理液無しを判定した際に、第1の開閉弁を閉じると共に、加圧用開閉弁を開放する手順と、
一時貯留容器を加圧して処理液供給ノズルから吐出される処理液による被処理基板の液処理を継続する手順と、
空になった処理液貯留容器の交換要求のアラームを出力する手順と、
を実行させることを特徴とする処理液供給用制御プログラム。
【請求項18】
請求項15記載の処理液供給方法を実行する制御プログラムであって、
コンピュータに、
残量液面検出手段が処理液の残量位置を検出した際に、処理液が残量に達したことを警告するアラームを出力する手順と、
上記残量液面検出手段により残量液面検出位置が検出された後、制御手段に設定された処理回数分の実行が終了した際に、その旨を知らせるアラームを出力する手順と、
下限液面検出手段が処理液の下限位置を検出した際に、処理液供給ノズルからの処理液の吐出を停止させる手順と、
新規の処理液貯留容器が交換され、交換要求のアラームが解除された際に、加圧用開閉弁を閉じると共に、第1の開閉弁を開放し、圧力調整手段に加圧信号を出力し、一時貯留容器内に処理液を供給する手順と、
を実行させることを特徴とする処理液供給用制御プログラム。
【請求項1】
処理液が貯留された処理液貯留容器と、この処理液貯留容器を加圧して処理液を圧送する加圧手段と、第1の処理液供給管路を介して上記処理液貯留容器に接続され、処理液貯留容器から圧送された処理液を一時貯留する一時貯留容器と、この一時貯留容器から処理液供給ノズルに向かう流路である第2の処理液供給管路と、を具備する処理液供給装置であって、
上記第1の処理液供給管路に介設され、上記処理液貯留容器の液圧を検知する液圧検知手段と、
上記第1の処理液供給管路に介設される第1の開閉弁と、
上記処理液貯留容器と加圧手段とを接続する主加圧管路に介設される可変調整可能な圧力調整手段と、
上記一時貯留容器と加圧手段とを接続し加圧する補助加圧管路に介設される加圧用開閉弁と、
上記液圧検知手段によって検知された液圧の信号を受け、その検知信号に基づいて上記圧力調整手段の加圧側圧力を調整し液圧が一定になるように制御すると共に、上記調整する圧力値と上記液圧検知手段で検知される圧力値との差圧から処理液無しを判定し、上記加圧用開閉弁と上記第1の処理液供給管路に介設される第1の開閉弁とを切り換え制御する制御手段と、
を具備することを特徴とする処理液供給装置。
【請求項2】
請求項1記載の処理液供給装置において、
上記処理液貯留容器が、処理液を貯留する収縮自在な内容器と、加圧空間を介して上記内容器を内装し、圧力を保持する外容器との二重構造である、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の処理液供給装置において、
上記補助加圧管路が、加圧手段と第1の処理液供給管路における第1の開閉弁の下流側に接続されている、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載の処理液供給装置において、
上記補助加圧管路が、加圧手段と、一時貯留容器の上部に接続される廃液管路に接続されている、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の処理液供給装置において、
上記一時貯留容器の上部に接続される廃液管路に、この廃液管路中の処理液を検知する処理液検知手段を設け、この処理液検知手段によって検知された信号を受け、その検知信号に基づいて上記廃液管路に介設される廃液用開閉弁を開閉制御する制御手段を具備する、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項6】
請求項1記載の処理液供給装置において、
上記液圧検出手段は、上記処理液貯留容器と上記第1の開閉弁との間に設けられる、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項7】
請求項3記載の処理液供給装置において、
上記補助加圧管路における加圧用開閉弁の下流側に介設され、一時貯留容器の液圧を検知する液圧検知手段と、上記補助加圧管路における加圧用開閉弁の上流側に介設される可変調整可能な圧力調整手段と、上記液圧検知手段によって検知された液圧信号を受け、その検知信号に基づいて上記圧力調整手段の加圧側圧力を調整し液圧が一定になるように制御する制御手段と、を更に具備することを特徴とする処理液供給装置。
【請求項8】
請求項1ないし6のいずれかに記載の処理液供給装置において、
上記制御手段からの信号を受けてアラームを出力するアラーム手段を更に具備し、
上記制御手段は、上記処理液無しを判定した際に、第1の開閉弁を閉じると共に、加圧用開閉弁を開放して、加圧手段からの加圧により一時貯留容器を加圧して処理液供給ノズルから吐出される処理液による被処理基板の液処理を継続し、かつ、空になった処理液貯留容器の交換要求のアラーム信号を上記アラーム手段に伝達し、アラーム手段からアラームを出力する、
ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の処理液供給装置において、
上記一時貯留容器に貯留される処理液の液面の位置を検出する液面検出手段を更に具備し、
上記液面検出手段は、処理液が上記一時貯留容器の下限位置であることを検出する下限液面検出手段と、処理液供給ノズルから被処理基板に吐出されて液処理される所定の処理回数分が貯留される処理液の残量位置を検出する残量液面検出手段とを具備し、
上記制御手段は、上記下限液面検出手段及び残量液面検出手段からの検出信号を受け、上記残量液面検出手段が処理液の残量位置を検出した際に、処理液が残量に達したことを警告するアラーム信号をアラーム手段に伝達し、アラーム手段からアラームを出力する、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項10】
請求項9記載の処理液供給装置において、
上記制御手段は、上記所定の処理回数が設定され、上記残量液面検出手段により残量液面検出位置が検出された後、上記処理回数分の実行が終了した際に、その旨を知らせるアラーム信号をアラーム手段に伝達し、アラーム手段からアラームを出力する、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項11】
請求項9記載の処理液供給装置において、
上記制御手段は、上記下限液面検出手段が処理液の下限位置を検出した際に、処理液供給ノズルからの処理液の吐出を停止させる、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項12】
請求項9記載の処理液供給装置において、
上記制御手段は、新規の処理液貯留容器が交換され、交換要求のアラームが解除された際に、加圧用開閉弁を閉じると共に、第1の開閉弁を開放し、圧力調整手段に加圧信号を出力し、一時貯留容器内に処理液を供給する、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項13】
請求項1ないし6のいずれかに記載の処理液供給装置を用いた処理液供給方法であって、
上記液圧検知手段が液圧の低下を検知した際に、圧力調整手段の加圧圧力を調整し液圧が一定になるように制御し、調整する圧力値と上記液圧検知手段で検知される圧力値との差圧から処理液無しを判定した際に、第1の開閉弁を閉じると共に、加圧用開閉弁を開放して、加圧手段からの加圧により一時貯留容器内の処理液を処理液供給ノズルに圧送する、ことを特徴とする処理液供給方法。
【請求項14】
請求項8記載の処理液供給装置を用いた処理液供給方法であって、
処理液無しを判定した際に、第1の開閉弁を閉じると共に、加圧用開閉弁を開放して、一時貯留容器を加圧して処理液供給ノズルから吐出される処理液による被処理基板の液処理を継続し、かつ、空になった処理液貯留容器の交換要求のアラームを出力する、
ことを特徴とする処理液供給方法。
【請求項15】
請求項9ないし12のいずれかに記載の処理液供給装置を用いた処理液供給方法であって、
残量液面検出手段が処理液の残量位置を検出した際に、処理液が残量に達したことを警告するアラームを出力し、
上記残量液面検出手段により残量液面検出位置が検出された後、制御手段に設定された処理回数分の実行が終了した際に、その旨を知らせるアラームを出力し、
下限液面検出手段が処理液の下限位置を検出した際に、処理液供給ノズルからの処理液の吐出を停止させ、
新規の処理液貯留容器が交換され、交換要求のアラームが解除された際に、加圧用開閉弁を閉じると共に、第1の開閉弁を開放し、圧力調整手段に加圧信号を出力し、一時貯留容器内に処理液を供給する、
ことを特徴とする処理液供給方法。
【請求項16】
請求項13記載の処理液供給方法を実行する制御プログラムであって、
コンピュータに、
液圧検知手段が液圧の低下を検知した際に、圧力調整手段の加圧圧力を調整し液圧が一定になるように制御する手順と、
調整する圧力値と上記液圧検知手段で検知される圧力値との差圧から処理液無しを判定する手順と、
上記処理液無しを判定した際に、第1の開閉弁を閉じると共に、加圧用開閉弁を開放して加圧手段からの加圧により一時貯留容器内の処理液を処理液供給ノズルに圧送する手順と、
を実行させることを特徴とする処理液供給用制御プログラム。
【請求項17】
請求項14記載の処理液供給方法を実行する制御プログラムであって、
コンピュータに、
調整する圧力値と液圧検知手段で検知される圧力値との差圧から処理液無しを判定する手順と、
上記処理液無しを判定した際に、第1の開閉弁を閉じると共に、加圧用開閉弁を開放する手順と、
一時貯留容器を加圧して処理液供給ノズルから吐出される処理液による被処理基板の液処理を継続する手順と、
空になった処理液貯留容器の交換要求のアラームを出力する手順と、
を実行させることを特徴とする処理液供給用制御プログラム。
【請求項18】
請求項15記載の処理液供給方法を実行する制御プログラムであって、
コンピュータに、
残量液面検出手段が処理液の残量位置を検出した際に、処理液が残量に達したことを警告するアラームを出力する手順と、
上記残量液面検出手段により残量液面検出位置が検出された後、制御手段に設定された処理回数分の実行が終了した際に、その旨を知らせるアラームを出力する手順と、
下限液面検出手段が処理液の下限位置を検出した際に、処理液供給ノズルからの処理液の吐出を停止させる手順と、
新規の処理液貯留容器が交換され、交換要求のアラームが解除された際に、加圧用開閉弁を閉じると共に、第1の開閉弁を開放し、圧力調整手段に加圧信号を出力し、一時貯留容器内に処理液を供給する手順と、
を実行させることを特徴とする処理液供給用制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−311603(P2007−311603A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−139910(P2006−139910)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
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