説明

出力指示装置、画像形成システム、出力指示方法、制御プログラムおよびその記録媒体

【課題】所望する色材の削減率を実現でき、かつ画質の低下を最低限に抑制するための印刷設定を利用者が容易に行えるようにする。
【解決手段】画像データを画像の種類に応じて複数の画像領域に分離する領域分離部16と、画質レベル毎かつ上記種類毎に予め設定された色材の削減率を記憶する記憶装置と、上記各種類に対応する画像領域の画素数を算出し、上記種類毎の画素数と上記画質レベル毎かつ上記種類毎に設定された上記色材の削減率とに基づき、1つ以上の上記画質レベルについて、当該画質レベルを選択して印刷した場合の画像全体での色材の削減率であるトータル削減率を算出する使用量計算部17と、上記トータル削減率を表示する表示部12と、印刷に適用する画質レベルについての利用者からの選択指示を受け付ける指示入力部13とを備え、上記選択指示に対応する画質レベルで印刷するようにプリンタ2に印刷指示を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色材を用いて画像データに応じた画像を印刷する通常モードと、通常モードよりも色材の使用量を抑制して上記画像を印刷するセーブモードとを有する画像形成装置に対して印刷指示を行う出力指示装置、および上記出力指示装置と上記画像形成装置とを備えた画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル画像システムが目覚ましい発達を遂げ、デジタル画像処理技術が日々進歩している。例えば、電子写真方式やインクジェット方式等を用いた複写機や複合機においては、印刷の対象となる原稿の種類に応じて最適な画像処理を施すため、文字モード、写真モード、文字写真混在モード等の複数の画像処理モードが設定されている。また、原稿に複数の画像領域が存在する場合、各画像領域の種類を判別する領域分離処理が行われ、各画像領域に対して各画像領域の種類に適した画像処理が行われる。なお、画像領域の種類には、例えば、文字画像を有する文字領域、写真画像を有する写真領域等がある。
【0003】
一方、通常の印刷を行う通常モードと、トナーを節約する目的でトナー使用量(トナー消費量)を通常モードより抑制して印刷を行うエコモード(セーブモード)とを有するプリンタがある。このようなプリンタにおいては、エコモードが設定された際、印刷物の画質を所定の基準以下に落とさずにトナー使用量を減少させるために、原稿画像の全領域から均一に画素を削除する画像処理(間引き処理等)が行なわれる。そのため、原稿が複数の画像領域(例えば文字領域と写真領域)に分けられる場合であっても、画像領域の重要度にかかわらず各画像領域に対するトナー使用量の削減度は一定であるため、重要度の低い画像領域についてはトナー使用量をさらに削減できる余地を残すという問題を有する。なお、トナー使用量の削減度とは、通常モードでのトナー使用量に対するエコモードでのトナー使用量の削減度合を示したものである。
【0004】
上記の問題を解消するための技術として下記特許文献1および特許文献2が存在する。
【0005】
特許文献1の技術は、入力画像に含まれる文字領域および写真領域を判別し、エコモードが設定された際、文字領域と写真領域とでトナー使用量の削減度(画素削減率)を別々に設定し、設定した各削減度に応じて各画像領域を構成する画素の一部を削除する間引き処理を行うものである。
【0006】
また、特許文献2の技術は、指定されたパターンと生成された画像との論理積を計算し、画像から画素の間引きを行ってインクやトナー等の色材を削減するものである。また、特許文献2には、文字や図形といったオブジェクトごとで記録材の削減率を異ならせている点も示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−234391号公報(公開日:2005年9月2日)
【特許文献2】特開平9−245150号公報(公開日:1997年9月19日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、エコモードにおいて原稿画像の種類毎にトナー使用量の比率を設定することができるものの、画像全体としてどの程度のトナー削減率になるのかを利用者が把握できない。上記特許文献2の技術においても同様に、画像全体に対するトナー使用量を削減することはできるものの、画像全体としてどの程度のトナー削減率になるのかを利用者が把握できない。
【0009】
このため、上記各特許文献の技術では、利用者が所望するトナー削減率を実現できる範囲内でできる限り高品位な画像を印刷するための印刷設定を行うことが困難である。
【0010】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、色材の使用量を抑制するセーブモードを有する画像形成装置において、所望する色材の削減率を実現するとともに画質の低下を最低限に抑制するための印刷設定を利用者が容易に行うことのできる出力指示装置および出力指示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の出力指示装置は、色材を用いて画像データに応じた画像を印刷する通常モードと通常モードよりも色材の使用量を抑制して上記画像を印刷するセーブモードとを有し、さらに、セーブモードで印刷を行う場合に上記画像を印刷する際の色材の使用量が互いに異なる複数の画質レベルの中から印刷に適用する画質レベルを選択可能である画像形成装置に対して印刷指示を行う出力指示装置であって、上記画像データの画像を画像の種類に応じて複数の画像領域に分離する領域分離部と、上記画質レベル毎かつ上記種類毎に予め設定された、通常モードで印刷を行う場合の色材の使用量に対する色材の削減率を記憶する記憶装置と、上記領域分離部による領域分離結果に基づいて上記各種類に対応する画像領域の画素数を上記種類毎に算出し、上記種類毎の画素数と上記画質レベル毎かつ上記種類毎に設定された上記色材の削減率とに基づき、1つ以上の上記画質レベルについて、通常モードを選択して上記画像を印刷した場合の画像全体での色材の使用量に対する、当該画質レベルのいずれかを選択して上記画像を印刷した場合の画像全体での色材の削減率であるトータル削減率を算出する使用量計算部と、上記1つ以上の画質レベルと当該画質レベルに対応する上記トータル削減率とを表示する表示装置と、印刷に適用する画質レベルについての利用者からの選択指示を受け付ける指示入力装置とを備え、上記選択指示に対応する画質レベルを適用して上記画像を印刷するように上記画像形成装置に印刷指示を行うことを特徴としている。
【0012】
また、本発明の出力指示方法は、色材を用いて画像データに応じた画像を印刷する通常モードと通常モードよりも色材の使用量を抑制して上記画像を印刷するセーブモードとを有し、さらに、セーブモードで印刷を行う場合に上記画像を印刷する際の色材の使用量が互いに異なる複数の画質レベルの中から印刷に適用する画質レベルを選択可能である画像形成装置に対して印刷指示を行う出力指示方法であって、上記画像データの画像を画像の種類に応じて複数の画像領域に分離する領域分離工程と、上記画質レベル毎かつ上記種類毎に予め設定された、通常モードで印刷を行う場合の色材の使用量に対する色材の削減率を記憶する記憶工程と、上記領域分離工程における領域分離結果に基づいて上記各種類に対応する画像領域の画素数を上記種類毎に算出し、上記種類毎の画素数と上記画質レベル毎かつ上記種類毎に設定された上記色材の削減率とに基づき、1つ以上の上記画質レベルについて、通常モードを選択して上記画像を印刷した場合の画像全体での色材の使用量に対する、当該画質レベルを選択して上記画像を印刷した場合の画像全体での色材の削減率であるトータル削減率を算出する使用量計算工程と、上記1つ以上の画質レベルと当該画質レベルに対応する上記トータル削減率とを表示する表示工程と、印刷に適用する画質レベルについての利用者からの選択指示を受け付ける指示入力工程と、上記選択指示に対応する画質レベルを適用して上記画像を印刷するように上記画像形成装置に印刷指示を行う印刷指示工程とを含むことを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、通常モードで印刷を行う場合の色材の使用量に対する色材の削減率を画質レベル毎かつ画像の種類毎に予め設定して記憶させておく。そして、画像データの画像を画像の種類に応じて複数の画像領域に分離し、領域分離結果に基づいて画像の各種類に対応する画像領域の画素数を画像の種類毎に算出し、画像の種類毎の画素数と画質レベル毎かつ画像の種類毎に設定された色材の削減率とに基づき、1つ以上の上記画質レベルについて、通常モードを選択して上記画像を印刷した場合の画像全体での色材の使用量に対する、当該画質レベルを選択して上記画像を印刷した場合の画像全体での色材の削減率であるトータル削減率を算出する。そして、上記1つ以上の画質レベルと当該画質レベルに対応するトータル削減率とを表示装置に表示させるとともに、印刷に適用する画質レベルについての利用者からの選択指示を受け付け、選択指示に対応する画質レベルを適用して画像を印刷するように画像形成装置に印刷指示を行う。
【0014】
これにより、利用者は、少なくとも1つの画質レベルについての当該画質レベルを選択して画像データに応じた画像を印刷した場合の画像全体での色材の削減率に関する表示を参照して、印刷に適用する画質レベルを選択することができる。したがって、画質レベル毎かつ画像の種類毎の色材の削減率を画質の低下を抑制できるように設定しておくことで、利用者は、所望する色材の削減率に応じた画質レベルを選択するだけで、その削減率を実現するとともに画質の低下を抑制することができる。
【0015】
また、本発明の出力指示装置は、上記の構成に加えて、上記選択指示に対応する画質レベルに対応して予め定められた上記種類毎の色材の削減率を実現するように上記各種類に対応する画像領域の画像データを補正する補正部を備えている構成としてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、利用者に選択された画質レベルに対応するトータル削減率を実現するように画像データを補正することができる。
【0017】
また、上記各画質レベルについての上記トータル削減率の一覧を上記表示装置に表示させる構成としてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、各画質レベルを適用した場合のトータル削減率の一覧が表示されるので、利用者は、所望するトータル削減率に対応する画質レベルを容易に選択することができる。
【0019】
また、上記領域分離部によって分離される画像領域には写真画像を含む写真領域と、文字画像を含む文字領域および図形またはグラフを含む図形領域のうちの少なくとも一方とが含まれており、上記各画質モードにおける上記写真領域に対する色材の削減率は、当該画質モードにおける他の種類の画像領域よりも低く設定されている構成としてもよい。
【0020】
一般に、色材の使用量を削減したときの画質の低下は、写真領域において特に目立ちやすい。一方、文字領域や図形領域では色材の使用量を削減しても写真領域よりは画質の低下は目立ちにくい。このため、上記の構成によれば、画質の低下が目立つことを抑制できる。
【0021】
また、上記領域分離部によって分離される画像領域には文字画像を含む文字領域と、網点画像を含む網点領域および印画紙画像または写真画像を含む連続階調領域のうちの少なくとも一方とが含まれており、上記各画質モードにおける上記文字領域に対する色材の削減率は、当該画質モードにおける他の種類の画像領域よりも高く設定されている構成としてもよい。
【0022】
一般に、網点領域や連続階調領域では、色材の使用量を削減すると、濃淡差が小さくなることによって極端に画質が落ちたように視認されやすい。一方、文字領域では色材の使用量を削減しても網点領域や連続階調領域よりは画質の低下は目立ちにくい。このため、上記の構成によれば、画質の低下が目立つことを抑制できる。
【0023】
本発明の画像形成システムは、色材を用いて画像データに応じた画像を印刷する通常モードと通常モードよりも色材の使用量を抑制して上記画像を印刷するセーブモードとを有し、さらに、セーブモードで印刷を行う場合に上記画像を印刷する際の色材の使用量が互いに異なる複数の画質レベルの中から印刷に適用する画質レベルを選択可能である画像形成装置と、上記画像形成装置に対して印刷指示を行う、上記したいずれかの出力指示装置とを備えていることを特徴としている。
【0024】
上記の構成によれば、利用者は、少なくとも1つの画質レベルについての当該画質レベルを選択して画像データに応じた画像を印刷した場合の画像全体での色材の削減率に関する表示を参照して、印刷に適用する画質レベルを選択することができる。したがって、画質レベル毎かつ画像の種類毎の色材の削減率を画質の低下を抑制できるように設定しておくことで、利用者は、所望する色材の削減率に応じた画質レベルを選択するだけで、その削減率を実現するとともに画質の低下を抑制することができる。
【0025】
上記出力指示装置は、コンピュータによって実現されてもよく、この場合には、コンピュータを上記各部として機能させる制御プログラム、および、この制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0026】
本発明の出力指示装置は、上記画像データの画像を画像の種類に応じて複数の画像領域に分離する領域分離部と、上記画質レベル毎かつ上記種類毎に予め設定された、通常モードで印刷を行う場合の色材の使用量に対する色材の削減率を記憶する記憶装置と、上記領域分離部による領域分離結果に基づいて上記各種類に対応する画像領域の画素数を上記種類毎に算出し、上記種類毎の画素数と上記画質レベル毎かつ上記種類毎に設定された上記色材の削減率とに基づき、1つ以上の上記画質レベルについて、通常モードを選択して上記画像を印刷した場合の画像全体での色材の使用量に対する、当該画質レベルのいずれかを選択して上記画像を印刷した場合の画像全体での色材の削減率であるトータル削減率を算出する使用量計算部と、上記1つ以上の画質レベルと当該画質レベルに対応する上記トータル削減率とを表示する表示装置と、印刷に適用する画質レベルについての利用者からの選択指示を受け付ける指示入力装置とを備え、上記選択指示に対応する画質レベルを適用して上記画像を印刷するように上記画像形成装置に印刷指示を行う。
【0027】
また、本発明の出力指示方法は、上記画像データの画像を画像の種類に応じて複数の画像領域に分離する領域分離工程と、上記画質レベル毎かつ上記種類毎に予め設定された、通常モードで印刷を行う場合の色材の使用量に対する色材の削減率を記憶する記憶工程と、上記領域分離工程における領域分離結果に基づいて上記各種類に対応する画像領域の画素数を上記種類毎に算出し、上記種類毎の画素数と上記画質レベル毎かつ上記種類毎に設定された上記色材の削減率とに基づき、1つ以上の上記画質レベルについて、通常モードを選択して上記画像を印刷した場合の画像全体での色材の使用量に対する、当該画質レベルを選択して上記画像を印刷した場合の画像全体での色材の削減率であるトータル削減率を算出する使用量計算工程と、上記1つ以上の画質レベルと当該画質レベルに対応する上記トータル削減率とを表示する表示工程と、印刷に適用する画質レベルについての利用者からの選択指示を受け付ける指示入力工程と、上記選択指示に対応する画質レベルを適用して上記画像を印刷するように上記画像形成装置に印刷指示を行う印刷指示工程とを含む。
【0028】
それゆえ、利用者が、所望する色材の削減率に応じた画質レベルを選択するだけで、その削減率を実現するとともに画質の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した画像形成システムにおいて扱われる画像データの一例を示す説明図である。
【図3】図1に示した画像処理システムのメモリ(記憶装置)に格納されている、画質レベル毎、かつ画像領域の種類毎に設定されたトナー削減率の一例を示す説明図である。
【図4】図1に示した画像処理システムにおける、画像全体に対するトナー使用量の削減率であるトータル削減率の算出方法を説明するための説明図である。
【図5】図1に示した画像処理システムにおける、画像全体に対するトナー使用量の削減率であるトータル削減率の算出方法を説明するための説明図である。
【図6】図1に示した画像処理システムにおいて、端末装置からプリンタに送られるPDLの画像データの一例を示す説明図である。
【図7】図1に示した画像処理システムにおける処理の流れを示すフロー図である。
【図8】本発明の他の実施形態にかかる画像処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図9】図8に示した画像処理システムのメモリ(記憶装置)に格納されている、画質レベル毎、かつ画像領域の種類毎に設定されたトナー削減率の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる画像形成システム100の概略構成を示すブロック図である。この図に示すように、画像形成システム100は、プリンタ(画像形成装置)2と、プリンタ2に対して画像データに応じた画像の出力指示を行う端末装置(出力指示装置)1とを有している。なお、プリンタ2と端末装置1とは、有線または無線によって通信可能に接続されている。また、プリンタ2は、トナーを用いて画像データに応じた画像を印刷する通常モードと、通常モードよりもトナー(色材)の使用量を抑制して前記画像を印刷するトナーセーブモード(セーブモード)とを有している。
【0031】
端末装置1は、画像編集ソフト等のアプリケーションソフトウェア14の他、プリンタ2を操作するためのプリンタドライバ15がインストールされている制御部11と、制御部11の指示に応じた表示画面を表示する表示部(表示装置)12と、利用者からの指示入力を受け付けて制御部11に伝達する指示入力部(指示入力装置)13とを備えたパーソナルコンピュータである。
【0032】
プリンタドライバ15は、領域判別部16、使用量計算部17、画質設定部18、およびデータ変換部19を備えている。
【0033】
領域判別部(領域分離部)16は、アプリケーションソフトウェア14から入力される画像データの画像を画像領域毎に分離する領域分離処理、つまり、画像データの画像に含まれる各画像領域の種類を判別する処理を行う。
【0034】
領域分離処理の方法は特に限定されるものではなく、従来から公知の種々の方法を用いることができる。例えば、領域判別部16は、アプリケーションソフトウェア14から入力される画像データにおける各オブジェクトの印字データの記述形式に基づいて各オブジェクトに対応する画像領域がテキストデータからなる文字領域、図形またはグラフからなる図形領域、および写真画像データからなる自然画像領域のいずれの領域であるかを判別する。
【0035】
図2は、アプリケーションソフトウェア14からプリンタドライバ15に入力される画像データおよびこの画像データに対する領域分離処理結果の一例を示す説明図である。この図に示す例では、矩形ABCDで示された領域が写真領域(自然画像領域)と判定され、矩形EFGHで示された領域が図形領域と判定され、その他の領域が文字領域と判定されている。
【0036】
なお、領域判別部16は、領域分離処理の結果を示した領域識別信号とアプリケーションソフトウェア14から入力された画像データとを使用量計算部17に出力する。
【0037】
画質設定部18は、処理モードの選択(通常モードとトナーセーブモードのいずれかの選択)を利用者に促す設定画面を表示部12に表示させるとともに、この設定画面に対する指示入力部13を介した利用者からの指示入力に応じて使用量計算部17の動作を制御する。例えば、表示部12に通常モードを示す文字列とトナーセーブモードを示す文字列とを表示させるとともに、それら各文字列の近傍にチェックボックスを表示させ、利用者がマウスやキーボード等を用いていずれかのチェックボックスにチェックを入れることで処理モードの選択を行えるようにしてもよい。あるいは、各処理モードの文字列を付したボタンを表示させ、利用者がいずれかのボタンをクリックするようにしてもよい。
【0038】
また、トナーセーブモードが選択された場合、画質設定部18は、画質レベルの選択を利用者に促す設定画面を表示部12に表示させるとともに、この設定画面に対する指示入力部13を介した利用者からの指示入力に応じて使用量計算部17の動作を制御する。本実施形態では、「1.画質最優先」、「2.画質優先」、「3.画質・トナー削減:中」、「4.トナー削減優先」、および「5.トナー削減最優先」の5段階の画質レベルの中から利用者が所望する画質レベルを選択できるようになっている。ただし、選択可能な画質レベルの数はこれに限るものではなく、3段階、7段階、9段階等に設定してもよい。また、設定画面に表示される画質レベルの数よりも多数の画質レベルに対応する削減率を設定しておき、表示される画質レベル同士の中間の画質レベルを選択できるようにしてもよい。例えば、9段階(レベル1,1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5)の画質レベルを用意しておき、設定画面には5段階の画質レベル(レベル1,2,3,4,5)を表示させておき、レベル1と2との間の画質レベル(レベル1.5)、レベル2と3との間の画質レベル(レベル2.5)、レベル3と4との間の画質レベル(レベル3.5)、レベル4と5との間の画質レベル(レベル4.5)を選択できるようにしてもよい。
【0039】
また、画質レベルの選択を利用者に促す設定画面を表示部12に表示させる際、画質設定部18は、各画質レベルに基づいて印刷を行った場合の通常モードで印刷を行った場合に対する画像全体としてのトナー削減率であるトータル削減率を使用量計算部17から取得し、画質レベル毎のトータル削減率の一覧を表示部12に表示させる。これにより、利用者は、画質レベル毎のトータル削減率を参照して印刷に適用する画質レベルを選択できる。
【0040】
使用量計算部17は、領域判別部16から入力された画像データと領域識別信号とに基づいて、通常モードで印刷する場合の、画像領域の種類毎のトナー使用量である基準使用量を算出する。すなわち、上記画像データに応じた画像を通常モードで印刷する場合のトナー使用量を画像領域の種類毎(画像の種類毎)に算出する。例えば、画像領域の種類毎に1画素あたりのトナー使用量を設定しておき、領域判別部16の領域分離処理結果に基づいて各画像領域の種類毎の画素数を算出し、上記種類毎の画素数に当該種類毎の1画素あたりのトナー使用量を乗じることによって画像の種類毎の基準使用量を算出する。
【0041】
さらに、使用量計算部17は、画像領域の種類毎に算出した上記基準使用量と、各画質モードについて画像領域の種類毎に予め設定されているトナー削減率とに基づいて、上記の5つの画質モードのそれぞれについて当該画質モードが選択された場合の画像全体としてのトナー使用量の基準使用量に対する削減率(トータル削減率)を算出し、画質設定部18に出力する。
【0042】
具体的には、図3に示すように、各画質モードについて、画像領域の種類毎にトナー削減率を予め設定し、図示しないメモリ(記憶装置)に記憶させておく。そして、画像領域の種類毎に算出した上記基準使用量に画像領域の種別毎に設定された削減率を乗じて画像領域の種別毎のトナー削減量を算出する処理を画質モード毎に行う。そして、画像領域の種類毎のトナー削減量の合計値を、画像領域の種類毎の基準使用量の合計値で除算する処理を画質モード毎に行うことにより、画像全体としてのトナー削減率(トータル削減率)を画質モード毎に算出する。
【0043】
図4は、基準使用量が文字領域4000、写真領域(自然画領域)4000、図形領域2000である画像データに対して、画質レベル「2.画質優先」でトナーセーブモードの印刷を行う場合のトータル削減率の算出方法を説明するための説明図である。
【0044】
使用量計算部17は、図示しないメモリから画質レベル「2.画質優先」に対応する画像領域の種類毎の削減率を読み出す(本実施形態では文字領域20%、写真領域10%、図形領域15%)。そして、画像領域毎の基準使用量に対応する削減率を乗じることで画像領域毎の削減量を算出する(図4の例では、文字領域:4000×0.2=800、写真領域:4000×0.1=400、図形領域:2000×0.15=300)。また、画像領域毎の削減量の合計値を算出し(図4の例では800+400+300=1500)、それを各画像領域の基準使用量の合計値(図4の例では4000+4000+2000=10000)で除算することにより、画像全体としてのトナー削減率(トータル削減率を算出する(図4の例では1500/10000=0.15=15%)。
【0045】
また、図5は、基準使用量が文字領域7000、写真領域(自然画領域)1000、図形領域2000である画像データに対して、画質レベル「4.トナー削減優先」でトナーセーブモードの印刷を行う場合のトータル削減率の算出方法を説明するための説明図である。
【0046】
使用量計算部17は、図示しないメモリから画質レベル「4.トナー削減優先」に対応する画像領域の種類毎の削減率を読み出す(本実施形態では文字領域40%、写真領域20%、図形領域25%)。そして、画像領域毎の基準使用量に対応する削減率を乗じることで画像領域毎の削減量を算出する(図5の例では、文字領域:7000×0.4=2800、写真領域:1000×0.2=200、図形領域:2000×0.25=500)。また、画像領域毎の削減量の合計値を算出し(図4の例では2800+200+500=3500)、それを各画像領域の基準使用量の合計値(図4の例では7000+1000+2000=10000)で除算することにより、画像全体としてのトナー削減率(トータル削減率を算出する(図5の例では3500/10000=0.35=35%)。
【0047】
なお、図4と同じ画像データに対して、トナー削減率を画質領域の種類にかかわらず一律に15%に設定して印刷を行った場合、トナー削減量は文字領域:600、写真領域:600、図形領域:300となり、トータル削減率は15%となって「2.画質優先」の場合と同じになった。しかしながら、この場合、文字領域ではコントラストが高いので良好な画質が得られるものの、写真領域ではコントラストが低い場合に薄くてぼやけた画像となってしまった。つまり、削減率を画質領域の種類にかかわらず一律に設定すると、画質の低下が顕著になる。
【0048】
このため、画像領域の種類毎の削減率は、削減率を変化させて種々の画像を印刷した結果に対する主観的評価を行い、画質の低下を抑制できるように設定することが好ましい。本実施形態では、図3に示したように、写真領域(自然画領域)の削減率を文字領域および図形領域の削減率よりも小さく設定している。これは、一般に、色材の使用量を削減したときの画質の低下は写真領域において特に目立ちやすく、文字領域や図形領域では色材の使用量を削減しても写真領域よりは画質の低下は目立ちにくいためである。また、本実施形態では図形領域のトナー削減率を文字領域のトナー削減率よりも小さく設定している。これにより、画質の低下をより目立ちにくくすることができる。
【0049】
なお、使用量計算部17は、領域判別部16から入力された画像データ、領域識別信号、画質設定部18から入力される利用者のモード選択結果および画質レベル選択結果に応じた画像領域の種類毎のトナー削減率とをデータ変換部19に出力する。
【0050】
データ変換部19は、使用量計算部17から入力された画像データ、領域識別信号、および画像領域の種類毎のトナー削減率をPDL(Page Description Language:ページ記述言語)で記述されたデータに変換し、プリンタ2に伝送して上記トナー削減率に基づく印刷指示を行う。なお、PDLで記述された画像データには、各画像領域の起点位置、サイズ、色を示す情報が示されている。また、本実施形態では、端末装置1からプリンタ2に伝送される画像データはRGBで色指定されているものとする。ここで、Rは赤、Gは緑、Bは青である。また、データ変換部19が、画質設定部18からの指示に応じて、通常モードまたはトナーセーブモードのいずれを実行するかの指示をプリンタ2に送るようにしてもよい。
【0051】
図6は、図2に示した画像データをPDLで記述した印刷データを示す説明図である。図6において、例えば、符号Tの部分は文字領域を示す印刷データであり、符号Pは写真領域を示す印刷データ、符号Gは図形領域を示す印刷データである(図6の場合、lineto や closepath fill といった描画コマンドの存在から図形領域であることが判別できる)。
【0052】
図6に示したように、各画像領域の印刷データには書体情報、領域属性、起点位置情報やサイズ、色情報が含まれている。したがって、これら各画像領域の印刷データに基づいて領域分離処理および領域のサイズを判断することができる。
【0053】
例えば、図6において、写真領域は、起点(50,300)(図2のA点)、サイズが(100,200)であるので、図2の矩形ABCDのB,C,Dの座標は、B(250,300)、C(50,400)、D(250,400)となる。なお、図2の場合、原点Oは(0,0)である。また、図形領域の矩形EFGHは、起点E(50,550)、F(250,550)、G、(50,650)H(250,650)となる。なお、「0 250 translate」は、写真領域の起点に対して水平方向に0、垂直方向に250移動させることを意味する。また、起点E(50,550)、F(250,550)、G、(50,650)H(250,650)となる。
【0054】
プリンタ(画像形成装置)2は、電子写真方式の印刷装置であり、図1に示したように、画像処理部21および印刷エンジン部22を備えている。なお、本実施形態ではプリンタ2として電子写真方式の印刷装置を用いているが、これに限らず、例えばインクジェット方式の印刷装置を用いてもよい。
【0055】
画像処理部(画像処理装置)21は、画像データに対して画像処理を行い、当該画像処理を施した後の画像データを印刷エンジン部22へ送るブロックであり、データ変換部23、色補正部24、出力階調補正部25、および中間調処理部26を備えている。
【0056】
データ変換部23は、端末装置1から受信したPDLの画像データをRGBの階調値を示す画像データと画像領域の属性(印字データの記述形式など)を示すタグデータとに変換し、RGBの画像データ、タグデータ、領域識別信号、および画像領域の種類毎のトナー削減率を色補正部24に出力する。
【0057】
色補正部24は、色再現の忠実化実現のために、データ変換部23から入力された画像データに対して不要吸収成分を含むCMY(C:シアン・M:マゼンタ・Y:イエロー)色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行うと共に、CMYの3色信号から黒(K)信号を生成する黒生成、つまり、CMY信号から黒生成で得たK信号を差し引いて新たなCMY信号を生成する下色除去処理(UCR:Under Color Removal)を行う。すなわち、色補正部24は、図1に示したように、データ変換部23から送られてくるRGB信号からなる画像データを、CMYK信号からなる画像データに変換する。そして、色補正部24は、CMYK信号からなる画像データを出力階調補正部25に伝送する。また、色補正部24は、タグデータ、領域識別信号、および画像領域の種類毎のトナー削減率を出力階調補正部25に出力する。
【0058】
出力階調補正部25は、色補正部24から入力された画像データに対し、印刷エンジン部22の出力特性に応じた出力階調補正処理を施して中間調処理部26に出力する。なお、出力階調補正部25は、出力階調補正曲線(ガンマカーブ)を用いて出力階調補正処理を実行する。
【0059】
また、出力階調補正部25は、トナーセーブモードの場合、各画像領域に対する印刷時のトナー使用量が端末装置1から入力された画像領域の種類毎のトナー削減率に応じたトナー使用量になるように、出力階調補正処理に用いられる出力階調補正曲線を変更する処理を行う。
【0060】
ここで、出力階調補正曲線の変更方法について具体的に説明する。まず、補正曲線の補正率を下記式(1)のように定義する。そして、試験用の基準画像を用いた実験によって、補正率1%,補正率2%,補正率3%,…,補正率70%の各々の補正曲線を予め作成しておき、画像処理部21内のメモリ(図示せず)に格納しておく。つまり、各々補正率の異なる70個の補正曲線をメモリに保存しておく。
【0061】
補正率(%)=100×(補正前画像データで印刷した場合のトナー使用量−補正後画像データで印刷した場合のトナー使用量)/(補正前画像データで印刷した場合のトナー使用量)…式(1)
そして、出力階調補正部25は、画像領域毎に、色補正部24から入力された画像領域の種類毎のトナー削減率に最も近い補正率の補正曲線を選択し、選択した補正曲線を用いて画像データの補正を行う。これにより、各画像領域の印刷時のトナー使用量を、利用者によって選択された画質レベルに応じたトナー使用量に一致させることができる。
【0062】
なお、以上の構成では、補正率1%〜70%までの補正曲線を保持しているが、これに限らず、例えば補正率1%〜60%の範囲までの補正曲線を持つような構成であってもよい。また、メモリの記憶容量の関係で、60個〜70個の補正曲線を保持することが困難な場合、5%間隔で補正曲線を保持するようにしてもよい。また、頻繁に使用する補正率の範囲(例えば、20〜40%)では1%間隔で補正曲線を保持し、それ以外の範囲では5%間隔で補正曲線を保持してもよい。
【0063】
中間調処理部26は、出力階調補正部25から送られてきた画像データに対して、領域識別信号に基づいて階調再現処理(中間調生成,ハーフトーン処理)を施し、最終的に画像を擬似的に階調再現できるようにする。中間調処理部26において階調再現処理の施された画像データは印刷エンジン部22に送られる。
【0064】
印刷エンジン部22は、画像処理部21から入力される画像データに応じた画像を所定の記録材(用紙、OHP等)上に形成する。
【0065】
図7は、画像形成システム100における処理の流れを示すフロー図である。
【0066】
まず、プリンタドライバ15の領域判別部16が、アプリケーションソフトウェア14から入力された画像データに対して領域分離処理を行う(S1)。
【0067】
次に、使用量計算部17が上記画像データを通常モードで印刷した場合の画像領域の種類毎のトナー消費量である基準使用量を算出する(S2)。
【0068】
また、S1およびS2の処理の後、あるいはS1およびS2の処理と並行して、画質設定部18が表示部12に処理モードの選択指示を促す設定画面を表示させるとともに、指示入力部13を介して入力される利用者からの処理モードの選択指示を受け付ける(S3)。そして、画質設定部18が、利用者の選択した処理モードが通常モードであるかトナーセーブモードであるかを判断する(S4)。
【0069】
そして、通常モードが選択されたと判断した場合、画質設定部18は、使用量計算部17からデータ変換部19に出力させる画像領域の種類毎のトナー削減率をいずれも0%に設定させる(S5)。
【0070】
一方、トナーセーブモードが選択されたと判断した場合、画質設定部18は使用量計算部17に画像レベル毎のトナーのトータル削減率を算出させ(S6)、それを表示部12に表示させる(S7)。また、画質設定部18は、画質設定部18が表示部12に画質レベルの選択指示を促す設定画面を表示させるとともに、指示入力部13を介して入力される利用者からの画質レベルの選択指示を受け付ける(S8)。
【0071】
そして、画質設定部18は、使用量計算部17に利用者から選択された画質レベルに応じた画像領域の種類毎のトナー削減率を算出させ、算出した各トナー削減率を使用量計算部17からデータ変換部19に出力させる(S9)。
【0072】
データ変換部19は、使用量計算部17から入力される画像データ、領域分離信号、および画像領域の種類毎のトナー削減率をPDLデータに変換してプリンタ2に送信する(S10)。
【0073】
プリンタ2では、端末装置1から送信された画像データ、領域分離信号、および画像領域の種類毎のトナー削減率を受信すると、PDLの画像データをデータ変換部23によってRGBの階調値を示す画像データと画像領域の属性とに変換させるとともに、色補正部24によって画像データに色補正処理を施す(S11)。
【0074】
次に、出力階調補正部25は、画像データにおける各画像領域に対して、画像領域の種類毎に設定されたトナー削減率に応じた出力階調補正処理を行う(S12)。そして、出力階調補正処理後の画像データに対して中間調処理部26が階調再現処理を施し、印刷エンジン部22に出力する(S13)。
【0075】
そして、印刷エンジン部22が中間調処理部26から入力される画像データに基づいて印刷処理を行い(S14)、処理を終了する。
【0076】
以上のように、本実施形態では、画質レベル毎かつ画像の種類毎に、通常モードで印刷を行う場合のトナー(色材)の使用量に対するトナーの削減率を設定してメモリ(記憶装置)に記憶させておく。そして、領域分離処理を行って画像の種類毎の画素数を算出し、画像の種類毎の画素数と、予め設定しておいた画質レベル毎かつ画像の種類毎のトナーの削減率とに基づいて画像全体に対するトナーの削減率であるトータル削減率を算出する。そして、算出したトータル削減率を表示させて利用者に呈示し、利用者に画質レベルの選択を促す。
【0077】
これにより、画質レベル毎かつ画像の種類毎のトナーの削減率を画質の低下を最低限に抑制できるように設定しておくことで、利用者は、所望するトナーの削減率に応じた画質レベルを選択するだけで、そのトナー削減率を実現するとともに画質の低下を最低限に抑えた印刷を行わせることができる。
【0078】
なお、トータル削減率を表示する際、選択可能な各画質レベルについてのトータル削減率の一覧を表示させるようにしてもよく、選択可能な画質レベルのうちの一部についてのトータル削減率を表示させるようにしてもよく、利用者から指定された画質レベルについてのトータル削減率のみを表示させるようにしてもよい。利用者から指定された画質レベルについてのトータル削減率のみを表示させる場合、利用者は、指定した画質レベルに基づいて計算されたトータル削減率を確認し、それに基づいて画質レベルの再選択の要否を判断することができる。
【0079】
また、選択可能な画質レベルのうちの一部についてのトータル削減率のみを表示させる場合、選択可能な全ての画質レベルについてのトータル削減率を全て計算するのではなく、表示させる画質レベルについてのトータル削減率のみを計算するようにしてもよい。
【0080】
また、本実施形態では、領域判別部16、使用量計算部17、および画質設定部18が端末装置1のプリンタドライバ15に備えられており、色補正部24、出力階調補正部25、および中間調処理部26がプリンタ2の画像処理部21に備えられている構成について説明したが、これに限るものではない。例えば、領域判別部16、使用量計算部17、および画質設定部18の一部または全部がプリンタ2の画像処理部21に備えられていてもよい。また、色補正部24、出力階調補正部25、および中間調処理部26の一部または全部が端末装置1のプリンタドライバ15に備えられていてもよい。
【0081】
また、本実施形態では、端末装置1が1つのプリンタ2に接続されている構成について説明したが、これに限らず、複数のプリンタに接続されていてもよい。また、その場合、利用者が選択可能な画質レベルをプリンタ毎あるいはプリンタの機種や種類毎に設定してもよい。
【0082】
また、本実施形態では、端末装置1からプリンタ2へRGBで色指定された画像データを送信する例について説明したが、これに限らず、例えばCMYKで色指定された画像データを送信するようにしてもよい。この場合、プリンタ2における色補正部24を省略してもよく、あるいは色補正部24が入力されたCMYKのデータに処理を施さずにそのまま出力階調補正部25に伝送するようにしてもよい。
【0083】
また、本実施形態では、通常モードまたはトナーセーブモードのいずれかを利用者がまず選択し、トナーセーブモードが選択された場合に利用者が画質レベルを選択するものとしたが、これに限らず、これらの各選択処理を同時に行うようにしてもよい。例えば、通常モードの選択ボタンと、トナーセーブモードにおける各画質レベルの選択ボタンとを表示部12に表示させ、通常モードの選択ボタンが操作されたときには通常モードの処理を行い、いずれかの画質レベルの選択ボタンが操作されたときには当該選択ボタンに対応する画質レベルでトナーセーブモードの処理を行うようにしてもよい。
【0084】
また、本実施形態では、本発明を電子写真方式のプリンタに適用してトナー(色材)の使用量を削減する場合の例について説明したが、これに限らず、例えば、本発明をインクジェット方式のプリンタに適用してインク(色材)の使用量を削減するようにしてもよい。
【0085】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1と同様の機能を有する部材については実施形態1と同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0086】
実施形態1では、利用者が端末装置1を介して処理モードおよび画質レベルの選択を行い、プリンタ2が端末装置1から入力される画像データに応じた画像を印刷する場合について説明した。これに対して、本実施形態では、本発明を複写機に適用する場合の実施形態について説明する。
【0087】
図8は、本実施形態にかかる複写機(画像形成システム)100bの構成を示すブロック図である。この図に示すように、複写機100bは、画像入力装置(カラー画像入力装置)31、画像処理装置(カラー画像処理装置、出力指示装置)32、画像出力装置(カラー画像出力装置、画像形成装置)33、および操作パネル34を備えている。また、画像処理装置32は、A/D変換部41、シェーディング補正部42、入力階調補正部43、領域分離処理部44、使用量計算部17b、色補正部45、黒生成下色除去部46、空間フィルタ処理部47、出力階調補正部48、階調再現処理部49、および画質設定部18bを備えており、操作パネル34は表示部(表示装置)12bおよび指示入力部(指示入力装置)13bを備えている。
【0088】
画像入力装置31は、例えばCCDなどの光学情報を電気信号に変換するデバイスを備えたスキャナ部より構成され、原稿からの反射光像を、RGBのアナログ信号として出力する。
【0089】
画像入力装置31にて読み取られた画像信号は、画像処理装置32内を、A/D変換部41、シェーディング補正部42、入力階調補正部43、領域分離処理部44、使用量計算部17b、色補正部45、黒生成下色除去部46、空間フィルタ処理部47、出力階調補正部48、および階調再現処理部49の順で送られ、CMYKの画像データとして、画像出力装置33へ送られる。
【0090】
A/D変換部41は、RGBのアナログ信号をデジタルの信号(画像データ)に変換する。シェーディング補正部42は、A/D変換部41より送られてきたRGBの画像データに対して、画像入力装置31の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理を施す。また、シェーディング補正部42は、カラーバランスを整えると同時に、濃度信号など画像処理装置32に採用されている画像処理システムの扱い易い信号に変換する処理を施す。入力階調補正部43は、シェーディング補正部42にて各種の歪みが取り除かれたRGBの画像データに対して、下地濃度の除去やコントラストなどの画質調整処理を施す。
【0091】
領域分離処理部(領域分離部)44は、RGBの画像データに基づき、入力画像を文字領域、網点領域、連続階調領域(印画紙領域、写真領域)の何れかに分離する。また、領域分離処理部44は、分離結果に基づき、画素がどの領域に属しているかを示す領域識別信号を、使用量計算部17b、黒生成下色除去部46、空間フィルタ処理部47、出力階調補正部48、および階調再現処理部49へと出力すると共に、入力階調補正部43から送られてきた画像データをそのまま後段の使用量計算部17bに送る。
【0092】
使用量計算部17bは、実施形態1における使用量計算部17と同様の構成を有しており、使用量計算部17と同様の処理を行うことによって、トナーセーブモードにおいて選択可能な画質レベル毎に画像全体に対するトナー削減量、すなわちトータル削減量を算出して画質設定部18bに伝達する。また、使用量計算部17bは、RGBの画像データを後段の色補正部45に送る。
【0093】
図9は、使用量計算部17bにおいて用いられる各画質レベルに応じた画像領域の種類毎のトナー削減率を示す説明図である。この図に示すように、本実施形態では、各画質レベルにおいて、連続階調領域および網点領域のトナー削減率を文字領域のトナー削減率よりも小さく設定する。これは、一般に、網点領域や連続階調領域では、色材の使用量を削減すると濃淡差が小さくなることによって極端に画質が落ちたように視認されやすいのに対して、文字領域では色材の使用量を削減しても網点領域や連続階調領域よりは画質の低下は目立ちにくいためである。また、本実施形態では、連続階調領域のトナー削減率を網点領域のトナー削減率よりも小さく設定している。これにより、画質の低下をより目立ちにくくすることができる。
【0094】
画質設定部18bは、実施形態1における画質設定部18と同様の構成を有しており、画質設定部18による表示部12および指示入力部13の制御方法と同様の方法で操作パネル34に備えられる表示部12bおよび指示入力部13bを制御することにより、利用者からの処理モードの選択指示および画質レベルの選択指示を受け付ける。また、利用者による処理モードおよび画質レベルの選択結果に応じて出力階調補正部48の動作を制御し、選択された処理モードおよび画質レベルに対応して画像領域の種類毎に設定されたトナー削減率に応じた出力階調補正処理を行わせる。
【0095】
色補正部45は、色再現の忠実化を図るために、不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行う。つまり、色補正部45は、使用量計算部17bから送られてきたRGBの画像データをCMYの画像データに変換し、変換後のCMYの画像データを黒生成下色除去部46に送る。
【0096】
黒生成下色除去部46は、色補正後のCMYの画像データから黒(K)の画像データを生成する黒生成、元のCMYの画像データから黒生成で得た画像データを差し引いて新たなCMYの画像データを生成する処理を行うものである。これによりCMYの画像データはCMYKの画像データに変換される。
【0097】
空間フィルタ処理部47は、黒生成下色除去部46から送られてくるCMYKの画像データに対して、領域識別信号を基にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正する。これにより出力画像のぼやけや粒状性劣化を軽減することができる。
【0098】
出力階調補正部48は、空間フィルタ処理が施されたCMYKの画像データに対して画像出力装置33の出力特性値に応じた出力階調補正処理を行う。また、出力階調補正部48は、実施形態1における出力階調補正部25と同様、選択された処理モードおよび画質レベルに対応する画像領域の種類毎のトナー削減率と、空間フィルタ処理部47から送られてくるCMYKの画像データとに基づいて、画像データの各画像領域に対するトナー使用量が上記のトナー削減率に応じた使用量になるように画像データに対して補正処理を行う。
【0099】
階調再現処理部49は、CMYKの画像データに対して領域識別信号を基に階調再現処理を施し、最終的に画像を擬似的に階調再現できるようにする。
【0100】
上記空間フィルタ処理部47および階調再現処理部49での処理についてさらに説明する。例えば、領域分離処理部44にて文字に分離された領域は、文字の再現性を高めるために、空間フィルタ処理部47における空間フィルタに高周波成分の強調量が大きいフィルタが用いられる。同時に、階調再現処理部49においては、高域周波成分の再現に適した高解像度のスクリーンによる2値化もしくは多値化処理が実施される。
【0101】
また、空間フィルタ処理部47では、領域分離処理部44にて網点領域として分離された領域に対して、入力網点成分を除去するためのローパス・フィルタ処理を施す。また、階調再現処理部49では、網点領域に対して、階調性を重視したスクリーンで2値化または多値化処理を施す。さらに、階調再現処理部49は、領域分離処理部44にて写真領域として分離された領域に対して、階調再現性を重視したスクリーンにより2値化または多値化処理を行う。
【0102】
上述した各処理が施された画像データは、いったん図示しない記憶部に記憶され、所定のタイミングで読み出されて画像出力装置33に送られる。
【0103】
画像出力装置33は、画像データを紙などの記録媒体上に印刷するものであり、例えば、電子写真方式やインクジェット方式を用いたプリンタであるが特に限定されるものではない。なお、以上の処理は不図示のCPU(Central Processing Unit)によって制御される。
【0104】
また、領域分離処理部44における領域分離処理方法としては、例えば、参考文献1(特開2002−232708)に記載の方法を利用できる。この方法は、注目画素を含むn×mのブロック(例えば、15×15のブロック)における最小濃度値と最大濃度値との差分である最大濃度差と、隣接する画素の濃度差の絶対値の総和である総和濃度繁雑度とを算出し、最大濃度差および総和濃度繁雑度を予め定められる複数の閾値と比較することにより、下地領域・連続階調領域と文字エッジ領域・網点領域とを判別するものである。なお、下記の(1)〜(4)に示される特徴に基づいて判別が行われる。
(1)下地領域の濃度分布では、通常、濃度変化が少ない。それゆえ、下地領域においては最大濃度差及び総和濃度繁雑度ともに非常に小さくなる。
(2)連続階調領域の濃度分布は滑らかな濃度変化をしている。それゆえ、連続階調領域において、最大濃度差及び総和濃度繁雑度はともに小さく、かつ、下地領域よりは多少大きくなる。
(3)網点領域において、最大濃度差はさまざまであるが、網点の数だけ濃度変化が存在するので、最大濃度差に対する総和濃度繁雑度の割合が大きくなる。したがって、最大濃度差と文字・網点判定閾値(上記複数の閾値の1つ)との積よりも総和濃度繁雑度が大きい場合には、網点画素であると判別することが可能である。
(4)文字領域の濃度分布では、最大濃度差が大きく、これに伴い総和濃度繁雑度も大きくなる。しかし、文字領域では網点領域よりも濃度変化が少ないため、文字領域の総和濃度繁雑度は網点領域の総和濃度繁雑度よりも小さくなる。したがって、最大濃度差と文字・網点判定閾値との積よりも総和濃度繁雑度が小さい場合には、文字エッジ画素であると判別することが可能である。
【0105】
つぎに、領域分離処理の内容の一例を説明する。算出された最大濃度差と最大濃度差閾値との比較、及び、算出された総和濃度繁雑度と総和濃度繁雑度閾値との比較が行われる。そして、最大濃度差が最大濃度差閾値よりも小さく、かつ、総和濃度繁雑度が総和濃度繁雑度閾値よりも小さい場合、注目画素は下地領域または連続階調領域の画素であると判定され、そうでない場合は、文字・網点領域の画素であると判定される。また、文字・網点領域の画素であると判定された場合、算出された総和濃度繁雑度と最大濃度差に文字・網点判定閾値を掛けた値との比較が行われ、総和濃度繁雑度の方が小さければ文字エッジ領域の画素であると判定され、総和濃度繁雑度の方が大きければ、網点領域の画素であると判定される。
【0106】
操作パネル34は、表示部12bと指示入力部13bとを備えている。表示部12bの構成は特に限定されるものではないが、例えば液晶表示パネルなどを用いることができる。また、指示入力部13bとしては、例えば、複数の操作キーボタンを備えたパネルを用いることができる。なお、表示部12bとしての機能と指示入力部13bとしての機能とを兼ね備えたタッチパネルを用いてもよい。
【0107】
画像出力装置(カラー画像出力装置)33は、画像処理装置32から入力された画像データに応じた画像を記録材上に形成するものであり、本実施形態では電子写真方式の画像出力装置を用いている。ただし、これに限らず、例えばインクジェット方式の画像出力装置を用いてもよい。
【0108】
なお、以上の説明では使用量計算部17bは複写機100bの画像処理装置32に備えられているが、使用量計算部17bは複合機の画像処理装置に備えられていてもよい。
【0109】
また、上記各実施形態において、端末装置1のプリンタドライバ15、プリンタ2の画像処理部21、および複写機100bの画像処理装置32に備えられる各部(各ブロック)を、CPU等のプロセッサを用いてソフトウェアによって実現してもよい。この場合、プリンタドライバ15、画像処理部21、および画像処理装置32は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである端末装置1、プリンタ2、および複写機100bの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、端末装置1、プリンタ2、および複写機100bに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって達成される。
【0110】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0111】
また、端末装置1、プリンタ2、および複写機100bを通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0112】
また、プリンタドライバ15、画像処理部21、および画像処理装置32の各ブロックは、ソフトウェアを用いて実現されるものに限らず、ハードウェアロジックによって構成されるものであってもよく、処理の一部を行うハードウェアと当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うソフトウェアを実行する演算手段とを組み合わせたものであってもよい。
【0113】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は、プリンタ、複写機、複合機、ファクシミリ装置等の画像形成装置、および当該画像形成装置にて扱われる画像データを処理する画像処理装置に好適である。
【符号の説明】
【0115】
1 端末装置(出力指示装置)
2 プリンタ(画像形成装置)
11 制御部
12,12b 表示部(表示装置)
13,13b 指示入力部(指示入力装置)
15 プリンタドライバ
16 領域判別部(領域分離部)
17,17b 使用量計算部
18,18b 画質設定部
21 画像処理部
22 印刷エンジン部
25 出力階調補正部(補正部)
32 画像処理装置(出力指示装置)
33 画像出力装置(画像形成装置)
44 領域分離処理部(領域分離部)
100 画像形成システム
100b 複写機(画像形成システム)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
色材を用いて画像データに応じた画像を印刷する通常モードと通常モードよりも色材の使用量を抑制して上記画像を印刷するセーブモードとを有し、さらに、セーブモードで印刷を行う場合に上記画像を印刷する際の色材の使用量が互いに異なる複数の画質レベルの中から印刷に適用する画質レベルを選択可能である画像形成装置に対して印刷指示を行う出力指示装置であって、
上記画像データの画像を画像の種類に応じて複数の画像領域に分離する領域分離部と、
上記画質レベル毎かつ上記種類毎に予め設定された、通常モードで印刷を行う場合の色材の使用量に対する色材の削減率を記憶する記憶装置と、
上記領域分離部による領域分離結果に基づいて上記各種類に対応する画像領域の画素数を上記種類毎に算出し、上記種類毎の画素数と上記画質レベル毎かつ上記種類毎に設定された上記色材の削減率とに基づき、1つ以上の上記画質レベルについて、通常モードを選択して上記画像を印刷した場合の画像全体での色材の使用量に対する、当該画質レベルを選択して上記画像を印刷した場合の画像全体での色材の削減率であるトータル削減率を算出する使用量計算部と、
上記1つ以上の画質レベルと当該画質レベルに対応する上記トータル削減率とを表示する表示装置と、
印刷に適用する画質レベルについての利用者からの選択指示を受け付ける指示入力装置とを備え、
上記選択指示に対応する画質レベルを適用して上記画像を印刷するように上記画像形成装置に印刷指示を行うことを特徴とする出力指示装置。
【請求項2】
上記選択指示に対応する画質レベルに対応して予め定められた上記種類毎の色材の削減率を実現するように上記各種類に対応する画像領域の画像データを補正する補正部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の出力指示装置。
【請求項3】
上記各画質レベルについての上記トータル削減率の一覧を上記表示装置に表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の出力指示装置。
【請求項4】
上記領域分離部によって分離される画像領域には写真画像を含む写真領域と、文字画像を含む文字領域および図形またはグラフを含む図形領域のうちの少なくとも一方とが含まれており、
上記各画質モードにおける上記写真領域に対する色材の削減率は、当該画質モードにおける他の種類の画像領域よりも低く設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の出力指示装置。
【請求項5】
上記領域分離部によって分離される画像領域には文字画像を含む文字領域と、網点画像を含む網点領域および印画紙画像または写真画像を含む連続階調領域のうちの少なくとも一方とが含まれており、
上記各画質モードにおける上記文字領域に対する色材の削減率は、当該画質モードにおける他の種類の画像領域よりも高く設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の出力指示装置。
【請求項6】
色材を用いて画像データに応じた画像を印刷する通常モードと通常モードよりも色材の使用量を抑制して上記画像を印刷するセーブモードとを有し、さらに、セーブモードで印刷を行う場合に上記画像を印刷する際の色材の使用量が互いに異なる複数の画質レベルの中から印刷に適用する画質レベルを選択可能である画像形成装置と、
上記画像形成装置に対して印刷指示を行う、請求項1から5のいずれか1項に記載の出力指示装置とを備えていることを特徴とする画像形成システム。
【請求項7】
色材を用いて画像データに応じた画像を印刷する通常モードと通常モードよりも色材の使用量を抑制して上記画像を印刷するセーブモードとを有し、さらに、セーブモードで印刷を行う場合に上記画像を印刷する際の色材の使用量が互いに異なる複数の画質レベルの中から印刷に適用する画質レベルを選択可能である画像形成装置に対して印刷指示を行う出力指示方法であって、
上記画像データの画像を画像の種類に応じて複数の画像領域に分離する領域分離工程と、
上記画質レベル毎かつ上記種類毎に予め設定された、通常モードで印刷を行う場合の色材の使用量に対する色材の削減率を記憶する記憶工程と、
上記領域分離工程における領域分離結果に基づいて上記各種類に対応する画像領域の画素数を上記種類毎に算出し、上記種類毎の画素数と上記画質レベル毎かつ上記種類毎に設定された上記色材の削減率とに基づき、1つ以上の上記画質レベルについて、通常モードを選択して上記画像を印刷した場合の画像全体での色材の使用量に対する、当該画質レベルを選択して上記画像を印刷した場合の画像全体での色材の削減率であるトータル削減率を算出する使用量計算工程と、
上記1つ以上の画質レベルと当該画質レベルに対応する上記トータル削減率とを表示する表示工程と、
印刷に適用する画質レベルについての利用者からの選択指示を受け付ける指示入力工程と、
上記選択指示に対応する画質レベルを適用して上記画像を印刷するように上記画像形成装置に印刷指示を行う印刷指示工程とを含むことを特徴とする出力指示方法。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか1項に記載の出力指示装置を制御する制御プログラムであって、コンピュータを上記の各部として機能させる制御プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−251848(P2010−251848A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−96152(P2009−96152)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】