説明

出欠確認システム

【課題】学生の身体に基づいた生体情報を用いて照合を行うことにより、正確に学生本人を確認して講義の出欠確認を行う出欠確認システムを提供すること。
【解決手段】出欠確認システムでは、学生が教室に入室する際にかざした学生証の無線タグ801から無線タグ情報取得装置131が学生番号251の情報を読み取り、メインデータサーバ107がこれに応じて入退室履歴336を追加設定する処理を行う。静脈像撮影装置312から送信された静脈像情報と生体情報258とを照合する処理を行い、照合処理の結果に応じて入退室時生体確認335の情報を更新する処理を行う。出欠確認の処理では、入退室時間334で示す年月日が送信された年月日の情報と一致する全ての教室出入り情報330の入退室履歴336を抽出し、講義情報310を用いて出欠確認の処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、講義を行う教室の出入り口において学生の出欠の確認を行うための出欠確認システムに関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活のさまざまな局面において、取引等の相手方が信用するに足る人物であるかどうかを知ることは古来重要な問題である。今日では、クレジットカード会員の加入や、銀行の口座作成、レンタルビデオの会員加入等の局面において、会員加入等の手続を行う本人であることを確認し、その身分を証明するための材料として、学生証、運転免許証、パスポート、健康保険証、官公庁が発行する身分証明書など、教育機関や公的機関が発行する証明書(本願において特に区分して説明する必要がない場合には、まとめて「本人証明書」と記載する)が利用されている。
【0003】
すなわち、こうした本人証明書を作成する場合には、住所、戸籍等を確認することにより正確に本人であることが確認されており、また、本人証明書の多くには顔写真が添付されるため顔と見比べることにより容易に本人であることが確認でき、さらに顔写真には割印が押され偽造も困難であることから、従来より本人証明書の持参者が正確に本人であることの証明書として広く利用されているのである。
【0004】
しかしながら、現代では、写真や書類等を精密にコピーする機能も実現されてきており、大きく広く使用されている本人証明書が真に当人に対して信用できるものであるかについては少なからず疑問がある。
【0005】
例えば、大学等の教育機関における学生証については、前述したような住民票、戸籍謄本等の書類による確認のほか、入学試験の際に受験票に添付された顔写真と入学試験を受験する受験者本人の顔とを照合し、入学手続きにおいて同じ顔写真によって再度顔を確認を行う程度である。従って、顔が良く似た兄弟等による替え玉受験などが行われると、顔写真を用いた照合では正確に受験者本人を確認できないこともあり、また受験時と入学手続き時で髪型、ひげ、メイクなどを変えることで、ちょっと似た風貌の他人による替え玉受験を行うことも可能である。
【0006】
結局のところ、これらの本人証明書は顔写真という、特別な機器を用いることなく誰でも容易に照合できるという簡便性はあるものの、必ずしも本人を特定する能力に優れているとはいえないもののみによって本人確認しようとしている点に問題があると考えられる。最近では若者を中心に、顔の一部のみを整形するいわゆるプチ整形をしたり、紫外線照射により顔の皮膚等を色黒にするといったことも次第に広く行われるようになっており、この点からも顔写真のみによる照合での本人確認は徐々に有効性を失っていく過程にあると考えられる。
【0007】
以上の問題点に着目し、このような問題点の解決を目指した発明として、特許文献1で開示された発明をあげることができる。すなわち、特許文献1には、受験時に指紋情報を採取しておき、入学手続き時に顔写真とこの指紋情報の両方によって、本人確認を行う技術が提案されている。
【0008】
【特許文献1】特開2003−150720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述の特許文献1で開示された発明には、次のような問題点がある。まず、良く似た兄弟等が本人に成りすまして入学試験等において受験し、入学手続きで学生証を交付する際や入学後の学生証の更新時にも同様に成りすましをされると、不正な受験を防止することはできない。すなわち、入学手続を行った後、講義等の日常の学生生活において成りすましを止めて本人が入れ替わっても分からず確認することができない。
【0010】
例えば、日常の学生生活の講義の出欠確認では、学生証の顔写真を確認するといった本人確認すらも一般的には行われておらず、講師等が名簿を見ながら1人1人名前を呼んで確認する程度の実効性の薄い(いわゆる代返がしばしば行われる)確認を行うか、あるいは全く確認などは行われないことが多い。一部の大学では、学生証にICカードを活用して、このICカードで学生に関する情報を読み取り照合等を行って出席確認するという方法も行われているが、この方法ではICカードを持っていることが本人確認になっており、代返を行う代わりの者が他人のICカードを使用しても出席確認を行うことができてしまう。
【0011】
結局、講義の出欠確認の目的は、少なくとも現状においては学生が落第しないようにするためにいわゆる出席点を付けることが主要な目的となっており、学生証を携帯している者が本人であるかを確認して行っていないため、できるだけ簡便な方法で出欠を確認できればよしとしているわけである。
【0012】
また、大学構内等への入場や、学校内の各部屋への入室についても何の学校等の教育機関に所属する学生本人の確認もなされていないのが現状である。
【0013】
さらに、上述の特許文献1で開示された発明で用いられている指紋による照合は、ゴムや石膏等により指紋をかたどることができ、生体情報を用いた確認の中では比較的偽造し易いという問題があった。
【0014】
本発明は、以上の問題点を鑑みてなされたものであり、その目的は、学生の身体に基づいた生体情報を用いて照合を行うことにより、正確に学生本人を確認して講義の出欠確認を行う出欠確認システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、講義を行う教室の出入り口において学生の出欠の確認を行うための出欠確認システムにおいて、
学生を識別するための識別情報と学生の身体から採取した静脈像情報とを関連付けて記憶する学生情報記憶手段と、
前記教室の入室時および退室時に学生の身体から静脈像を採取する採取手段と、
前記教室の入室時および退室時に学生が所持する学生証の記憶部に記憶された識別情報を読み取る学生証読取手段と、
前記学生証読取手段が読み取った識別情報に基づいて、前記学生情報記憶手段に記憶された静脈像情報を検索する静脈検索手段と、
前記静脈検索手段が検索して得られた静脈像情報と前記採取手段が採取した静脈像情報とが一致するか否かを照合する静脈照合手段と、
前記静脈照合手段が照合した結果、一致する場合に前記学生証読取手段が識別情報を読み取った入退室間の時間を検出し、この検出した時間と講義の日時情報とに基づいて、学生の当該講義の出欠を判定する出欠判定手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上、本発明にかかる出欠確認システムによれば、学生の身体に基づいた生体情報を用いて照合を行うことにより、正確に学生本人を確認して講義の出欠確認を行うことが可能となる。
【0017】
請求項1に係る発明によれば、講義を行う教室の出入り口において、採取手段が講義に出席する学生の身体から静脈像を採取し、学生証読取手段が当該講義に出席する学生が所持する学生証の記憶部に記憶された識別情報を読み取り、静脈検索手段が学生証読取手段が読み取った識別情報に基づいて、学生情報記憶手段に記憶された静脈像情報を検索し、静脈照合手段がこの検索した静脈像情報と採取手段が採取した静脈像情報とが一致するか否かを照合して、一致した場合に学生の当該講義の出欠を判定するので、正確に学生本人を確認して講義の出欠確認を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る出欠確認システムを実施するための最良の形態について説明する。図1は、本実施の形態における出欠確認システムの全体構成を示すシステム構成図である。この出欠確認システムは、大学等の教育機関に所属する学生が所持する学生証等に印刷されたバーコードを読み取るバーコードリーダ101と、受験者や学生の身体から静脈パターン等を含む静脈像を採取するための静脈情報採取装置102と、大学等の教育機関への入学手続等の際に学生証を印刷する処理を行う学生証発行端末103と、教育機関への入学試験等の際に受験者に関する情報を登録する処理を行う事務処理端末104と、講義に出席する学生の出欠確認の処理のための構成を有する教室システム105と、後述する受験者・学生情報管理ソフト112および講義出欠管理ソフト113を実行することにより受験者の確認や講義の出欠確認の処理を行うメインデータサーバ107と、受験者や学生に関する各種の情報を含むテーブルやデータ等を格納するデータベース108と、以上の各構成要素を情報やデータの送受信が可能に接続する通信回線109とを備えている。
【0019】
学生証発行端末103は、例えば一般的なPC(パーソナルコンピュータ)等であり、学生に関する各種の情報を入力操作するためのキーボード、マウス等の操作手段を備えており、入力操作された各種の情報を通信回線109を介してメインデータサーバ107に送信する機能を有する。また、受験者や学生に関する各種の情報を表示した受験票、学生証の印刷等を行う機能を有する。
【0020】
学生証発行端末103の外部には、バーコードリーダ101、静脈情報採取装置102が接続されている。バーコードリーダ101は、学生証等に表示されたバーコードを読み取り、この読み取ったバーコード情報を学生証発行端末103に送信する機能を有する。静脈情報採取装置102は、受験者や学生の身体に基づいた生体情報である静脈像を受験者や学生の身体から採取しこの静脈像情報を学生証発行端末103に送信する機能を有する。受験者や学生の身体からは、例えば右手の人さし指の静脈パターン等を含む静脈像情報が採取される。なお、静脈像を情報として採取し記録する装置や方法等については既に周知技術であるので、人さし指等の静脈像情報を採取するための詳細な機構、情報としての記録内容等の詳細な説明は省略する。
【0021】
事務処理端末104は、例えば一般的なPC等であり、受験者や学生に関する各種の情報を入力操作するためのキーボード、マウス等の操作手段を備えており、入力操作された各種の情報を通信回線109を介してメインデータサーバ107に送信する機能を有する。
【0022】
メインデータサーバ107は、例えばサーバとしての機能を備えたPCであり、内部に備えたハードディスク等の記憶装置にインストールされ記憶された受験者・学生情報管理ソフト112、講義出欠管理ソフト113等を実行することにより、学生証発行端末103や事務処理端末104から送信された受験者や学生に関する各種の情報に基づいて、テーブルやデータを作成・更新・変更等の処理を行う機能を有する。また、データベース108に格納されたテーブルやデータを用いて受験者の確認や講義の出欠確認のための処理を行う機能を有する。
【0023】
データベース108は、メインデータサーバ107が作成したテーブルやデータを格納し、メインデータサーバ107からの要求処理に応じてこれらの格納したテーブルやデータを読み出してメインデータサーバ107に送信する機能を有する。データベース108には、後述するように、受験者に関する情報を含むテーブルやデータである受験者情報210、試験結果情報230や、学生に関する情報を含むテーブルやデータである学生情報250、講義情報310、教室出入り情報330等が格納されている。
【0024】
受験者・学生情報管理ソフト112は、事務処理端末104から送信された受験者に関する情報に基づいてデータベース108の受験者情報210、試験結果情報230、学生情報250等のテーブルに作成・登録を行うとともに、これらの登録済みの各種情報を参照・検索・更新・変更・削除する処理を行うためのプログラムである。また、学生証発行端末103から送信されたバーコード情報と静脈像情報に基づいて受験者情報210を検索し、受験者情報210等に格納された記録済みの静脈像情報と受信した静脈像情報を照合する処理を行うための機能を有している。さらに、学生証発行端末103によって受験票又は学生証を印刷する機能を有する。
【0025】
講義出欠管理ソフト113は、大学等の教育機関の各学期等で行われる講義に関する情報を含む講義情報310を作成・更新する処理を行うためのプログラムである。また、教室システム105から送付されたバーコード情報や静脈像情報に基づいて受験者情報210を検索し、受験者情報210等に格納された記録済みの静脈像情報と受信した静脈像情報を照合する処理を行うための機能を有している。そして、この照合処理により、講義に出席する学生の出欠確認を行い教室出入り情報330に教室の入室、退室の時刻等を格納する処理を行う機能を有する。
【0026】
図2は、データベース108に格納される受験者情報210を示すデータ構造図である。受験者情報210には、受験者を識別するための受験者番号211に対して、受験者の氏名212、性別213、生年月日214、住所215、出身校216、希望学科217、生体情報218、両親情報219等の情報や受験者を識別するためのバーコード情報220等が関連付けられて格納されている。
【0027】
受験者番号211は、受験者を一意に識別可能な番号等の情報であり、例えば受験年度を示す番号と受験年度毎の受験申込みの手続を行った順番の通番を組み合わせて構成される。
【0028】
生体情報218は、例えば受験時に静脈情報採取装置102が受験者本人の身体から採取した静脈像情報である。
【0029】
バーコード情報220は、受験者番号211等をもとに生成した識別情報でありバーコードとして受験票等に印刷するために用いられるようになっている。バーコードリーダ101により、このバーコード情報220から受験者番号211等が読み取られるようになっている。なお、受験者番号211等の各種の情報からバーコード情報220を生成する装置や方法については周知技術であるので、説明を省略する。
【0030】
図3は、データベース108に格納される試験結果情報230を示すデータ構造図である。試験結果情報230には、受験者番号211に対して、受験時の各科目での試験点数232、233、234、235、これらの試験点数232、233、234、235等を元に合否判定した結果情報である合否判定236、受験者のうち合格した者が入学手続等において入学金支払済みであるかを示す入学金支払237、入学手続きが完了したかを示す入学手続き238等が関連付けられて格納されている。
【0031】
試験点数232、233、234、235は、例えば、それぞれ数学、物理、化学、英語の試験結果の点数が含まれている。なお、試験科目数に応じて、これらの試験点数232、233、234、235の情報の個数は適時変更されるようになっている。
【0032】
図4は、データベース108に格納される学生情報250を示すデータ構造図である。学生情報250には、大学等の教育機関に所属する学生を識別するための学生番号251に対して、学生の教育機関への受験時における受験者番号211、学生が所属する学部253、学科254、最初に学生証を発行した日付である学生証発行日255、学生証を再発行した日付である学生証再発行日256、教育機関への入学日257、生体情報258、学生を識別するためのバーコード情報259等が関連付けられて格納されている。
【0033】
学生番号251は、学生を一意に識別可能な番号等の情報であり、例えば入学年度を示す番号と学生の氏名等が表示された名簿等の順番の通番を組み合わせて構成される。
【0034】
生体情報258は、例えば学生証の発行時に静脈情報採取装置102が学生本人の身体から採取した静脈像情報である。
【0035】
バーコード情報259は、学生番号251等をもとに生成した識別情報でありバーコードとして学生証等に印刷するために用いられるようになっている。バーコードリーダ101により、このバーコード情報259から学生番号251等が読み取られるようになっている。なお、学生番号251等の各種の情報からバーコード情報259を生成する装置や方法については周知技術であるので、説明を省略する。
【0036】
図5は、データベース108に格納される講義情報310を示すデータ構造図である。講義情報310には、教育機関で行われる各講義を識別するための講義番号311に対して、講義名312、講義先生313、講義に出席する各学生の学生番号251や講義の出欠確認に関する情報を含む受講学生314、講義の日付や開始時刻および終了時刻等の情報を含む講義日時315、講義を行う教室を識別するための講義教室316、講義を行う教室に設置された教室システム105を識別するための教室システム識別情報317等が関連付けられて格納されている。
【0037】
講義番号311は、講義を一意に識別可能な番号等の情報であり、例えば各講義に個別に割り当てられた通番により構成される。
【0038】
受講学生314には、講義について受講申込みした学生全員の学生番号251や、各学生番号251に対応する学生の講義の出欠確認に関する情報が含まれている。各学生番号251に対応する学生の講義の出欠確認に関する情報では、講義が行われる前に講義情報310を作成した時点では初期データとして「欠席」が設定されており、後述するように、メインデータサーバ107が講義の出欠確認のための処理を行った際に「出席」等のデータに更新されるようになっている。
【0039】
講義教室316には、講義が行われる教室を一意に識別するための識別コードが含まれている。教室システム識別情報317は、講義教室316で示す教室の教室システム105を識別して通信するための情報であり、例えばIPアドレス、コンピュータ名等の情報が含まれている。例えば教育機関内の建物で火災が発生し、全ての教室のドアを開放して緊急避難を行う必要が生じた場合等において、メインデータサーバ107から情報を送信して各教室システム105を開放する処理を行う際に使用されるようになっている。なお、全ての教室に教室システム105を設置する必要はなく、出欠確認のための処理を行わない講義については、教室システム識別情報317には空白情報または教室システム105を使用しない旨を示す情報が含まれる。
【0040】
これらの講義日時315、講義教室316、教室システム識別情報317を含む情報を講義履歴318とし、この講義履歴318が講義の実施予定回数分の個数だけ設定されて講義番号311に関連付けられている。また、この図5に示す講義情報310内の講義先生313は講義日時315にかかわらず一定としているが、講義日時315に応じて講義を行う講師等が変更される場合に対応して、講義履歴318の中に含めて設定するようにしても良い。
【0041】
図6は、データベース108に格納される教室出入り情報330を示すデータ構造図である。講義出入り情報330には、学生番号251に対して、講義教室316、講義教室316への入退室を示す入退室区分333、講義教室316の入退室年月日時刻を示す入退室時間334、入退室時における静脈像情報による学生本人の確認の有無を示す入退室時生体確認335等が関連付けられて格納されている。
【0042】
これらの講義教室316、入退室区分333、入退室時間334、入退室時生体確認335を含む情報を入退室履歴336とし、この入退室履歴336は教室システム105が設置された教室に学生が入退室するたびに、追加設定され学生番号251に関連付けられて格納されるようになっている。
【0043】
従って、教室出入り情報330内から講義教室316が同一となっている入退室履歴336を抽出し、これらを入退室時間334の時系列順に並べることによって、学生番号251に対応する学生の講義教室316への入室および退室の時刻を把握し、講義教室316の在席時間を算出することが可能となっている。この算出した在席時間と講義情報310内の講義日時315とを比較・照合する処理を行って、講義の出欠の確認を行うことが可能となっている。
【0044】
図7は、学生証発行端末103が発行する学生証の構成を示す概略図である。この学生証の所定の箇所には学生の顔や上半身等を写した証明写真が貼付され、図示していないが証明写真の端部等に証明印が割印で押印され、他の箇所には学生番号251、学部253、学科254、学生の氏名等の目視確認項目が印刷される。また、バーコード情報259を用いて作成されたバーコード802が印刷されており、学生番号251を記憶した記憶部である無線タグ801が所定の箇所に内蔵されている。
【0045】
無線タグ801に記憶された学生番号251の情報は、バーコードリーダ101や教室システム105において読み取られて、学生本人の確認や講義の出欠確認の処理の際に用いられるようになっている。
【0046】
なお、図7に示す学生証では無線タグ801が学生証の端部に内蔵されているが、この箇所に限られず、例えば、証明写真を貼付した箇所において証明写真の裏側部分に内蔵しても良い。このような構成により、無線タグ801を取り出す際に証明写真を剥して学生証を分解することとなり、無線タグ801を交換するような学生証の改ざんを困難として防止を図ることができる。
【0047】
また、ここでは学生証の例を挙げたが、同様にして、教育機関に所属する教職員等の身分証明書に、教職員等の身分を識別する情報を記録した無線タグを内蔵しても良いし、教職員等についても担当する学科、身分証明書発行日、静脈像情報等を格納したデータを作成しデータベース108に記憶しておいても良い。
【0048】
図8は、講義を行う教室に設置された教室システム105の構成を示すブロック構成図である。教室システム105は、教室に入退室する学生から採取した静脈像情報をメインデータサーバ107に送信する処理を行う制御装置130と、学生証の無線タグ801から情報を読み取る無線タグ情報取得装置131と、教室に入退室する学生の身体から静脈像を採取する静脈像撮影装置132と、制御装置130から送信された情報に従って教室の出入り口のドアを開閉するドア開閉装置133と、学生に対して出欠確認の処理のための指示等を表示する表示装置134とから構成されている。これらの各構成要素は、例えばLAN等のネットワークによって情報やデータの送受信が可能に接続されている。
【0049】
制御装置130は、例えば一般的なPC等であり教室システム105全体を制御し、また、通信回線109を介してメインデータサーバ107と学生番号251、静脈像情報等のデータや情報を相互に送受信する機能を有する。制御装置130の外部には記録装置135がアクセス可能に接続されており、記録装置135には、教室システム105が設置された教室に関する情報が記憶されている。この教室に関する情報には、例えばこの教室を一意に識別するための識別情報やコードである講義教室136が含まれている。なお、制御装置130は、教室システム105を構成する各要素に接続されていれば、必ずしも教室の近辺に設置される必要はなく、複数の制御装置130がメインデータサーバ107の周囲等に集約的に設置されていても良い。
【0050】
無線タグ情報取得装置131は、教室システム105が設置された教室の出入り口付近に設置され、教室に入退室する学生が所持する学生証の無線タグ801に記憶されている学生番号251を非接触で読み取る機能を有する。また、読み取った学生番号251の情報は、制御装置130に送信されるようになっている。
【0051】
静脈像撮影装置132は、教室システム105が設置された教室の出入り口付近に設置され、教室に入退室する学生の身体に基づいた生体情報である静脈像を学生の身体から採取する機能を有する。学生の身体からは、例えば右手の人さし指の静脈パターン等を含む静脈像情報が採取される。また、採取した静脈像情報は、制御装置130に送信されるようになっている。
【0052】
ドア開閉装置133は、制御装置130から送信された指示情報に従って、学生が教室に入退室可能に教室の出入り口のドアを開閉させる機能を有する。表示装置134は、液晶ディスプレイ装置等の表示装置であり、教室システム105が設置された教室の出入り口の学生の目の高さ付近の位置に設置されている。
【0053】
以上のような構成を有する教室システム105は、学生の教室出入りの際に学生番号251や静脈像情報等をメインデータサーバ107に送信して処理を行うことにより出欠確認等を行うためのコンピュータシステムであり各教室に設置される。ただし、全ての教室に設置する必要はなく、例えば比較的少人数の学生が受講する必須科目等の正確な出欠確認が必要となる講義を行う教室等に選択的に設置してもよい。なぜなら、出欠確認システムの目的は、講義の出欠確認を完全に厳密に把握することではなく、出欠確認システムによって学生本人の正当性を適時確認することにあり、その目的を達成するためには、全ての講義において学生の教室出入り状況を知る必要はないからである。
【0054】
図9は、学校内の教室システム105が設置された教室を上方から見た概略図である。この教室には学生が教室に入退室するための前方出入口901、後方出入口902が設けられている。これらの前方出入口901、後方出入口902には、教室システム105を構成する無線タグ情報取得装置131や静脈像撮影装置132、ドア開閉装置133、表示装置134等が設けられている。
【0055】
図10は、後方出入口902外側およびその付近の構成を示す構成図である。後方出入口902のドア100は、出欠確認のための処理が行われた時以外は閉鎖されており、制御装置130からドア開閉装置133に指示情報が送信された場合にのみ開くようになっている。そして、開いた後、例えば20秒等の一定時間が経過すると、制御装置130からドア開閉装置133にドア100を閉じるための指示情報が送信されてドア100が閉鎖されるようになっている。なお、制御装置130からドア開閉装置133にドア100を閉じるための指示情報が送信されている場合であっても学生等がドア100を通過中等の場合には事故を防ぐために通過完了の後に閉鎖するのは当然であるが、このような技術は周知技術であるので、その実現方法等については説明を省略する。
【0056】
また、ドア100の両サイドに構成された壁101には、ドア100の側方の学生等の目の高さの位置に表示装置134が設けられ、所定高さの位置に後述する静脈像を採取する処理等を行うための入室側取手102が設けられている。
【0057】
図11は、後方出入口902内側およびその付近の構成を示す構成図である。ドア100の両サイドに構成された壁101には、ドア100の側方の学生等の目の高さの位置に表示装置134が設けられ、所定高さの位置に後述する静脈像を採取する処理等を行うための退室側取手103が設けられている。
【0058】
図12は、後方出入口902およびその付近の構成について図10におけるA−A断面を示した断面図である。壁101のドア100の側方側には、図12に示すように、ドア100を開閉した際に収納するための空洞部であるドア収納部122が開けられている。
【0059】
そして、各ドア収納部122内部には、ドア100の両側部近傍にドア100を閉鎖状態に固定するためのドアストッパ121が設置されており、ドア100の閉鎖状態においては、両方のドアストッパ121がドア収納部122の表面から突き出しているためにドア100が係止されて左右どちらにも開くことができない状態になっている。制御装置130からドア開閉装置133に指示情報が送信された場合には、どちらかのドアストッパ121をドア収納部122の表面内に収納させ、同時にドア100を開くようになっている。
【0060】
また、各ドア収納部122には、ドア100の端部に対向する箇所に赤外線を発光する赤外線発信機123と、ドア100の端部を挟んで赤外線発信機123が発光した赤外線を受光する赤外線受光機124が設置されており、ドア100が開いてドア収納部122に収納されているときには赤外線発信機123および赤外線受光機124間にドア100が存在せず赤外線を受光可能となっており、ドア100が閉じているときには赤外線発信機123および赤外線受光機124間にドア100の端部が存在して遮蔽され赤外線が受光できないようになっている。これによって赤外線受光機124が赤外線を受光しているか否かを判定してドア100の開閉状態を検知し、随時、ドア開閉装置133を経由して制御装置130に開閉状態の情報を送信するようになっている。すなわち、以上のドアストッパ121、赤外線発信機123、赤外線受光機124はいずれも、ドア開閉装置133の一部を構成して制御装置130に情報の送受信が可能に接続されており、ドア100は制御装置130から指示情報が送信された場合にのみ、図示しないドア開閉装置133の開閉機構によって開閉できる構造になっている。そして、後述するように、出欠確認の処理において学生証をかざして学生本人の確認ができた場合に制御装置130がドア100が開くようにすることで、本人の確認ができた学生がドア100を通過できるようにすることができる。
【0061】
図13は、壁101に設けられた入室側取手102、退室側取手103の構成を示す構成図である。図13(a)は、入室側取手102、退室側取手103の構成を示す斜視図、図13(b)は、図13(a)におけるA−A断面を示した断面図である。入室側取手102、退室側取手103は、上下両端部分が壁101に固着されており、中央部分は壁101表面から離間して凹んで構成されている。この中央部分は学生等の手で握りやすい程度の例えば5cm〜10cm程度の外径の柱状になっている。なお、図13では略立方体柱状としているが、握りやすくするために中央部分を略円柱状で表面が上下両端部分から滑らかな表面で連設した形状であってもよい。
【0062】
また、入室側取手102、退室側取手103の中央部分の握り部分の内側には、学生等の人差し指が収まるサイズの例えば3cm〜4cm程度の幅の溝の指置き部分が形成されており、この指置き部分には静脈像撮影装置132が内蔵されている。学生等が中央部分を握ると人差し指等から静脈像撮影装置132が静脈像情報を採取可能となっている。また、入室側取手102、退室側取手103の外側表面には無線タグ情報取得装置131が内蔵されており、学生証をかざすように近づけると無線タグ801から情報を読み取ることが可能となっている。
【0063】
図14は、前方出入口901外側およびその付近の構成を示す構成図である。前方出入口901およびその付近の構成は、図14に示すように、後方側出入口902と同様の構成となっている。
【0064】
図15は、前方出入口901内側およびその付近の構成を示す構成図である。ドア100の内側には、所定高さの位置に手でドア100の開閉を行うための引き手104と、ドア100を閉鎖状態に固定するためのドアストッパ105が設けられている。
【0065】
図16は、前方出入口901およびその付近の構成について図14におけるA−A断面を示した断面図である。壁101のドア100の側方側には、図16に示すように、後方出入口902と同様の構成となっており、ドア収納部122、ドアストッパ121、赤外線発信機123、赤外線受光機124が設けられている。ただし、ドア収納部122内側の一方にはドアストッパ121が設置されておらず、その代わりにドア100の内側にドアストッパ105が設けられている。
【0066】
このドア100内側のドアストッパ105は、学生や教職員等が軽く押すことにより、ドア100内部に収納される構造になっており、前方出入口901から外に出る場合にはドアストッパ105を手動により収納して引き手104でドア100を開くことが可能になっている。そして、制御装置130から指示情報が送信されドア開閉装置133によってドア100が再び閉じられると、ドアストッパ105は、バネ等の弾性機構により突き出してドア100の閉鎖状態が保たれるようになっている。
【0067】
前方出入口901だけをこのように内側から自由に開く構造にする理由は、事故等を想定したためである。すなわち、火災等が発生した場合にはメインデータサーバ107から、全ての教室システム105に対して、前方出入口901および後方出入口902を開放するようにドア開閉装置133に指示情報を送信するというシステムにすることは容易であり、そのようにすべきであるが、システムの誤動作等により前方出入口901および後方出入口902が開かないという可能性も捨てきれない。従って、上述したように前方出入口901のドア100については内側から機械的に解放可能な構造にすることにより安全性を向上することができる。また、教室内の前側付近の講義を行う講師の立ち位置に近い前方出入口901において、内側から機械的に解放可能な構造とすることにより、講師が前方出入口901を容易に監視でき、学生が前方出入口901から講義中に退室すること等を防止することができる。
【0068】
もっとも、火災等の事故の際に容易に解放可能な構造にするということは、この構造を逆に利用されやすく、悪意による解放にも弱いという弱点を有することになる。この点では、本実施の形態における出欠確認システムは、教室という通常秘密情報や高価な装置が保存や収容等されることがない場所を管理対象としており、例えば教室が夜間に外から進入されたとしても、窓ガラスが割れる程度の多少の財産的損失が発生するにすぎない。そのため、前方出入口901のドア100については内側から機械的に解放可能な構造を取ることが可能になる。従って、本実施の形態における出欠確認システムの技術を機密性の高い場所に応用する場合には、全ての出入り口について後方出入口902と同様に内側からも自由に開くことができない構造とすべきである。
【0069】
逆に講義等の途中での退出等を気にする必要のない場合、例えば、資格試験の会場等に本実施の形態における出欠確認システムの技術を利用する場合には、全ての出入り口について、前方出入口901と同様に内側からは自由に開くことができる構造とすべきである。又は、講義中に学生がトイレに行く場合を想定して、前方出入口901と後方出入口902を上述と逆の構成にしておき、教室の後方出入口902を開放し、講義が終了して教室を出る際は前方出入口901を使用して出欠確認の処理を行う場合もある。
【0070】
続いて、本実施の形態における出欠確認システムの動作について詳細に説明する。まず、図18に示すフローチャート図を用いて受験者の教育機関への入学試験の受験申込手続から合格後の入学手続の際の動作について説明する。受験者側で教育機関の学校への入学試験の受験願書等の書類に記載事項を記載し、受験者の顔等を写した写真を添付して学校側へ送付すると(ステップ401)、学校側では事務担当者等が事務処理端末104の操作手段により受験願書書類や写真等を参照して受験者情報210を登録するための操作を行う。事務処理端末104は、この操作で入力された受験者情報210に関する情報を通信回線109を介してメインデータサーバ107に送信する。
【0071】
メインデータサーバ107は、受験者情報210に関する情報が送信されると、図2に示すように、受験者情報210を作成する処理を行う(ステップ402)。例えば受験年度を示す番号と受験年度毎の受験申込みの手続を行った順番から自動的に受験者に対して受験番号211を割り振る処理を行い、この割り振った受験番号211に、氏名212、性別213、生年月日214、住所215、出身校216、希望学科217、両親情報219、バーコード情報220を関連付けて受験者情報210を作成しデータベース108に格納する処理を行う。ここで、バーコード情報220は、バーコードリーダ201等により受験番号211等を読み取るバーコードを印刷するための情報として作成される。
【0072】
次に、メインデータサーバ107は、受験票を印刷する処理を行う(ステップ403)。データベース108内から受験者情報210を読み出し、この受験者情報210を通信回線109を介して学生証発行端末103に送信する処理を行う。学生証発行端末103は、送信された受験者情報210のうち受験番号211、氏名212、希望学科217、バーコード情報220に基づいたバーコード等を記載した受験票を印刷する処理を行う。そして、事務担当者等はこの受験票に受験者の写真を貼付けて学生側へ返送する(ステップ404)。
【0073】
入学試験当日において、受験者が試験会場に来ると、学校側では事務担当者等が受験者本人と受験票の写真の顔等を比較して受験者本人の確認を行い(ステップ405)、本人と認めて、バーコードリーダ101により受験票のバーコードを読み取り静脈情報採取装置102により受験者の身体から静脈像を採取する作業を行う(ステップ406)。バーコードリーダ101および静脈情報採取装置102は、この読み取ったバーコード情報、この採取した静脈像情報を通信回線109を介してメインデータサーバ107に送信する処理を行う(ステップ407)。
【0074】
メインデータサーバ107は、バーコード情報、静脈像情報が送信されると静脈像情報を受験者情報210に登録する処理を行う(ステップ408)。受験生・学生管理ソフト112を起動させて、このバーコード情報に基づいてデータベース108内を検索し、このバーコード情報に一致するバーコード情報220が格納された受験者情報210を読み出す。そして、受験番号211に静脈像情報を関連付けて生体情報218として受験者情報210に格納する処理を行う。
【0075】
入学試験後に、入学試験の採点や合否判定が行われ、事務担当者等は、事務処理端末104の操作手段により受験者の受験番号211、採点結果の試験点数、合否判定の情報を登録するための操作を行う。事務処理端末104は、この操作で入力された受験番号211、試験点数、合否判定の情報を通信回線109を介してメインデータサーバ107に送信する。
【0076】
メインデータサーバ107は、受験番号211、試験点数、合否判定の情報が送信されると、図3に示すように、試験点数、合否判定の情報を登録して試験結果情報230を作成する処理を行う(ステップ409、410)。この受験番号211に、試験点数232、233、234、235、合否判定236を関連付けて試験結果情報230を作成しデータベース108に格納する処理を行う。
【0077】
学校側で入学試験の合格発表が行われ(ステップ411)、合格した受験者が学校側へ入学金を支払い、入学手続を行うと(ステップ412)、学校側では事務担当者等が事務処理端末104の操作手段により受験者の受験番号211、入学金支払、入学手続に関する情報を登録するための操作を行う。事務処理端末104は、この操作で入力された受験番号211、入学金支払、入学手続に関する情報を通信回線109を介してメインデータサーバ107に送信する。
【0078】
メインデータサーバ107は、受験番号211、入学金支払、入学手続に関する情報が送信されると、これらの入学金支払、入学手続に関する情報に基づいて試験結果情報230に登録する処理を行う(ステップ413)。受験生・学生管理ソフト112を起動させて、この受験番号211に基づいてデータベース108内を検索し、受験番号211が格納された試験結果情報230を読み出す。そして、受験番号211に、入学金支払、入学手続に関する情報に含まれる入学金支払237、入学手続238の情報を関連付けて試験結果情報230に格納する処理を行う。
【0079】
更に、このときメインデータサーバ107は、この受験番号211に基づいてデータベース108内を検索して読み出した受験者情報210、試験結果情報230に格納された情報に基づいて、図4に示すように、学生情報250を作成する処理を行う。例えば入学年度を示す番号と学生の氏名等が表示された名簿等の順番から自動的に受験者に対して学生番号251を割り振る処理を行い、この割り振った学生番号251に、受験者情報210、試験結果情報230、入学金支払、入学手続に関する情報に含まれる受験番号211、学部253、学科254、入学日257、バーコード情報259を関連付けて学生情報250を作成しデータベース108に格納する処理を行う。ここで、バーコード情報259は、バーコードリーダ201等により学生番号251等を読み取るバーコードを印刷するための情報として作成される。
【0080】
次に、メインデータサーバ107は、学生証を印刷する処理を行う(ステップ414)。データベース108内から学生情報250を読み出し、この学生情報250を通信回線109を介して学生証発行端末103に送信する処理を行う。学生証発行端末103は、送信された学生情報250に基づいて、図7に示すように、学生証を印刷する処理を行う。そして、事務担当者等はこの学生証に学生の写真の貼付けや内臓された無線タグ801に学生番号251を記憶させる設定を行う等の作業を行い、学生証を発行する。
【0081】
次に、事務担当者等が、バーコードリーダ101により入学手続を行った学生に対して発行した学生証のバーコードを読み取り、静脈情報採取装置102により学生の身体から静脈像を採取する作業を行う(ステップ415)。バーコードリーダ101および静脈情報採取装置102は、この読み取ったバーコード情報、この採取した静脈像情報を、学生証発行端末103、通信回線109を介してメインデータサーバ107に送信する処理を行う(ステップ416)。
【0082】
メインデータサーバ107は、バーコード情報、静脈像情報が送信されると静脈像情報を照合する処理を行う(ステップ417)。受験生・学生管理ソフト112を起動させて、このバーコード情報に基づいてデータベース108内を検索し、このバーコード情報に一致するバーコード情報259が格納された学生情報250を読み出す。そして、学生情報250に格納された受験番号211に基づいてデータベース108内を検索し、この受験番号211が格納された受験者情報210内から生体情報218を読み出す。そして、この読み出した生体情報218の静脈像情報と、送信された静脈像情報とが一致するか否かを照合する処理を行う。例えば静脈像情報で示す静脈パターンの形状や模様等が一致するか否かを判定する。
【0083】
次に、メインデータサーバ107は、照合処理の結果を表示する処理を行う(ステップ418)。照合処理の結果、静脈像情報が一致する場合には、バーコード情報259に関連付けられた学生番号251に、この送信された静脈像情報を生体情報259とし、この処理を行った日付を学生証発行日255として関連付けて学生情報250に格納する処理を行う。そして、静脈像情報が一致した旨のメッセージ情報を学生証発行端末103に送信する処理を行う。学生証発行端末103は、この送信されたメッセージ情報をディスプレイ装置に表示する。
【0084】
事務担当者等は、学生証発行端末103のディスプレイ装置等に表示されたメッセージを確認して、発行した学生証を学生に手渡す(ステップ419)。
【0085】
また、メインデータサーバ107は、照合処理の結果、静脈像情報が一致しない場合には、静脈像情報が一致しない旨のメッセージ情報を学生証発行端末103に送信する処理を行う。学生証発行端末103は、この送信されたメッセージ情報をディスプレイ装置に表示する。事務担当者等は、学生証発行端末103のディスプレイ装置等に表示されたメッセージを確認して、改めて学生本人の確認等を行い、静脈像情報が一致しない原因を究明する作業を行う。
【0086】
続いて、図19に示すフローチャート図を用いて学生が学生証を更新する際の動作について説明する。まず、学生が学生証を更新する手続を行うと(ステップ501)、事務担当者等は、バーコードリーダ101によりこの学生が所持する学生証のバーコードを読み取り、静脈情報採取装置102により学生の身体から静脈像を採取する作業を行う(ステップ502)。バーコードリーダ101および静脈情報採取装置102は、この読み取ったバーコード情報、この採取した静脈像情報を、学生証発行端末103、通信回線109を介してメインデータサーバ107に送信する処理を行う(ステップ503)。
【0087】
メインデータサーバ107は、バーコード情報、静脈像情報が送信されると静脈像情報を照合する処理を行う(ステップ504)。受験生・学生管理ソフト112を起動させて、このバーコード情報に基づいてデータベース108内を検索し、このバーコード情報に一致するバーコード情報259が格納された学生情報250を読み出す。そして、学生情報250内から生体情報258を読み出す。そして、この読み出した生体情報258の静脈像情報と、送信された静脈像情報とが一致するか否かを照合する処理を行う。
【0088】
次に、メインデータサーバ107は、照合処理の結果を表示する処理を行う(ステップ505)。照合処理の結果、静脈像情報が一致する場合には、バーコード情報259に関連付けられた学生番号251に、この処理を行った日付を学生証再発行日256として関連付けて学生情報250に格納する処理を行う。そして、静脈像情報が一致した旨のメッセージ情報を学生証発行端末103に送信する処理を行う。学生証発行端末103は、この送信されたメッセージ情報をディスプレイ装置に表示する。
【0089】
事務担当者等は、学生証発行端末103のディスプレイ装置等に表示されたメッセージを確認して、例えば図示しない学生の所属学年等の情報を更新した学生証を印刷、再発行する作業を行い、学生に手渡す(ステップ506)。
【0090】
また、メインデータサーバ107は、照合処理の結果、静脈像情報が一致しない場合には、静脈像情報が一致しない旨のメッセージ情報を学生証発行端末103に送信する処理を行う。学生証発行端末103は、この送信されたメッセージ情報をディスプレイ装置に表示する。事務担当者等は、学生証発行端末103のディスプレイ装置等に表示されたメッセージを確認して、改めて学生本人の確認等を行い、静脈像情報が一致しない原因を究明する作業を行う。
【0091】
なお、学生以外に学校内や教室内に出入りする教職員等の身分証明書については、学校内に所属する新規雇用時等に、学生証発行端末103等を操作して教職員等が所属する区分、教職員等を一意に識別可能な番号等の情報である教職員番号等を入力した、図4に示すような、学生情報250と同様のデータをデータベース108に格納し、このデータに基づいて身分証明証を発行することも可能である。そして、教職員等の身分証明証にも、図7に示すように、学生証と同様の無線タグを内蔵させ、無線タグに教職員番号を記憶する設定を行うことも可能である。
【0092】
続いて、図20に示すフローチャート図を用いて講義に出席する学生が教室に入室する際の動作について説明する。まず、教室システム105が設置された教室の前方出入口901と後方出入口902の表示装置134には、予め図21に示すように、学生に対して学生証をかざすように指示する旨のメッセージが表示されている(ステップ1601)。
【0093】
次に、学生がこのメッセージに従い、前方出入口901または後方出入口902の入室側取手102に設けられた無線タグ情報取得装置131に学生証をかざすと、無線タグ情報取得装置131は学生証の無線タグ801から学生番号251を読み取る処理を行う(ステップ1602)。無線タグ801に記憶された学生番号251の情報を非接触で読み取り、制御装置130に送信する処理を行う。制御装置130は、送信された学生番号251と、記録装置135に記憶された講義教室136の情報を通信回線109を介してメインデータサーバ107に送信する。
【0094】
次に、メインデータサーバ107は、学生番号251、講義教室136の情報が送信されると学校に所属している学生であるか否かを判定する処理を行う(ステップ1603)。受験生・学生管理ソフト112を起動させて、学生番号251に基づいてデータベース108内を検索し、この学生番号251が格納された学生情報250が存在するか否かを判定する処理を行う。
【0095】
次に、メインデータサーバ107は、この学生番号251が格納された学生情報250が存在する場合には(ステップ1603のYES)、ドア100を開くための処理を行う(ステップ1604)。学生番号251に基づいてデータベース108内を検索し、この学生番号251が格納された教室出入り情報330を読み出し、入退室履歴336を追加設定する処理を行う。学生番号251に、送信された講義教室136の情報を講義教室316、入室側取手102の無線タグ情報取得装置131から送信されたことに応じて「入室」の情報を入退室区分333、この時点の年月日時刻を入退室時間334、「無」の情報を入退室時生体確認335として関連付けて入退室履歴336を追加設定し教室出入り情報330に格納する処理を行う。またここで、学生番号251が格納された教室出入り情報330が存在しない場合には、学生番号251と、上述のようにして追加設定した入退室履歴336を用いて新たに教室出入り情報330を作成し、データベース108に格納する。
【0096】
そして、メインデータサーバ107は、ドア100を開く旨を指示する情報を通信回線109を介して制御装置130に送信する。制御装置130は、この情報が送信されると、表示装置134により、図23に示すように、ドア100が開く旨のメッセージを表示する処理を行う。
【0097】
次に、制御装置130は、ドア100を開けるための処理を行う(ステップ1605)。ドア開閉装置133にドア100を開ける旨を指示する開指示情報を送信し、ドア開閉装置133は、開指示情報が送信されるとこれに応じて図示しない開閉機構によってドア100を開く動作を行う。
【0098】
次に、制御装置130は、ドア100を開けるための処理を行ってから、例えば20秒間等の所定時間が経過したか否かを図示しない時計機構により判定する処理を行う(ステップ1606)。
【0099】
次に、制御装置130は、所定時間が経過していない場合には(ステップ1606のNO)、静脈像撮影装置312から静脈像情報が送信されたか否かを判定する処理を行う(ステップ1607)。静脈像撮影装置312から静脈像情報が送信されない場合には(ステップ1607のNO)、ステップ1606以降の処理を再度実行する。
【0100】
学生がドア100の入室側取手102の中央部分を握って指置き部分に人差し指を置くことにより、静脈像撮影装置312が学生の人差し指から静脈像を採取する処理を行い制御装置130に送信された場合には(ステップ1607のYES)、この静脈像情報と、学生番号251の情報を通信回線109を介してメインデータサーバ107に送信する処理を行う。
【0101】
メインデータサーバ107は、静脈像情報と、学生番号251の情報が送信されると静脈像情報を照合する処理を行う。受験生・学生管理ソフト112を起動させて、この学生番号251に基づいてデータベース108内を検索し、この学生番号251が格納された学生情報250を読み出す。そして、学生情報250内から生体情報258を読み出し、この生体情報258の静脈像情報と、送信された静脈像情報とが一致するか否かを照合する処理を行う。例えば静脈像情報で示す静脈パターンの形状や模様等が一致するか否かを判定する。
【0102】
メインデータサーバ107は、照合処理の結果、静脈像情報が一致する場合には、学生番号251に基づいてデータベース108内を検索し、この学生番号251が格納された教室出入り情報330を読み出し、ステップ1604で追加設定した入退室履歴336の入退室時生体確認335の情報を「有」に更新して学生番号251に関連付けて教室出入り情報330に格納する処理を行う。また、照合処理の結果、静脈像情報が一致しない場合には、ステップ1604で追加設定した入退室履歴336の入退室時生体確認335の更新を行わない。
【0103】
次に、メインデータサーバ107は、確認メッセージを表示するための処理を行う(ステップ1608)。照合処理の結果に応じて、静脈像情報が一致する旨又は一致しない旨を通知する通知情報を通信回線109を介して制御装置130に送信する。
【0104】
制御装置130は、通知情報が送信されるとこの通知情報の内容に従って表示装置134にメッセージを表示する処理を行う。静脈像情報が一致する旨の場合には、図24に示すように、表示装置134により学生本人に対して顔写真等のデータを表示し確認を求めるメッセージを表示する処理を行う。また、静脈像情報が一致しない旨の場合には、図25に示すように、表示装置134により学生に対して改めて本人確認を行うためのメッセージを表示する処理を行う。そして、ステップ1606以降の処理を再度実行する。
【0105】
また、ここでステップ1606において、ドア100を開けるための処理を行ってから所定時間が経過した場合には(ステップ1606のYES)、ドア開閉装置133にドア100を閉める旨を指示する閉指示情報を送信し、ドア開閉装置133は、閉指示情報が送信されるとこれに応じて図示しない開閉機構によってドア100を閉める動作を行う(ステップ1609)。そして、ステップ1601以降の処理を再度実行する。
【0106】
また、ステップ1603において、学生番号251が格納された学生情報250が存在しない場合には(ステップ1603のYES)、教職員等であるか否かを判定する処理を行う(ステップ1610)。制御装置130から送信された無線タグの情報に基づいてデータベース108内を検索し、教職員等が所属する区分、教職員等を一意に識別可能な番号等の情報である教職員番号等を入力した、図4に示すような、学生情報250と同様のデータのうち、この無線タグの情報が格納されたデータが存在するか否かを判定する処理を行う。
【0107】
次に、メインデータサーバ107は、この無線タグの情報が格納されたデータが存在する場合には(ステップ1610のYES)、ドア100を開くための処理を行う(ステップ1611)。ドア100を開く旨を指示する情報を通信回線109を介して制御装置130に送信する。制御装置130は、この情報が送信されると、表示装置134により、図23に示すように、ドア100が開く旨のメッセージを表示する処理を行う。
【0108】
次に、制御装置130は、ドア100を開けるための処理を行う(ステップ1612)。ドア開閉装置133にドア100を開ける旨を指示する開指示情報を送信し、ドア開閉装置133は、開指示情報が送信されるとこれに応じて図示しない開閉機構によってドア100を開く動作を行う。
【0109】
次に、制御装置130は、ドア100を開けるための処理を行ってから、例えば20秒間等の所定時間が経過したか否かを図示しない時計機構により判定する処理を行う(ステップ1613)。この判定の結果、ドア100を開けるための処理を行ってから所定時間が経過した場合には(ステップ1613のYES)、ステップ1609以降の処理を実行する。ドア100を開けるための処理を行ってから所定時間が経過していない場合には(ステップ1613のNO)、再度この処理を繰り返し実行する。
【0110】
また、ここでステップ1610において、無線タグの情報が格納されたデータが存在しない場合には(ステップ1610のNO)、メインデータサーバ107は、その旨を通知する通知情報を通信回線109を介して制御装置130に送信する。制御装置130は、この通知情報が送信されると、図22に示すように、表示装置134により学生証や身分証明書等をかざすように指示する旨のメッセージを表示する処理を行う。そして、ステップ1601以降の処理を再度実行する。
【0111】
続いて、講義に出席した学生が教室から退室する際の動作について説明する。この動作は、教室に入室する際の動作と一部が異なるのみでありそれ以外は略同様であるため、異なる部分のみを図20に示すフローチャート図を用いて説明する。ステップ1603において、メインデータサーバ107は、この学生番号251が格納された学生情報250が存在する場合には(ステップ1603のYES)、ドア100を開くための処理を行う(ステップ1604)。学生番号251に基づいてデータベース108内を検索し、この学生番号251が格納された教室出入り情報330を読み出し、入退室履歴336を追加設定する処理を行う。
【0112】
ここで入室の際とは異なり、学生番号251に、送信された講義教室136の情報を講義教室316、教室内において学生が退室側取手103に学生証をかざして無線タグ情報取得装置131から学生番号251が送信されたことに応じて「退室」の情報を入退室区分333、この時点の年月日時刻を入退室時間334、「無」の情報を入退室時生体確認335として関連付けて入退室履歴336を追加設定し教室出入り情報330に格納する処理を行う。またここで、学生番号251が格納された教室出入り情報330が存在しない場合には、学生番号251と、上述のようにして追加設定した入退室履歴336を用いて新たに教室出入り情報330を作成し、データベース108に格納する。
【0113】
以上のようにして、講義に出席した学生が教室から退室する際の動作を行い、これ以外の処理については、図20に示すフローチャート図と同様にして処理を行う。
【0114】
続いて、図26に示すフローチャート図を用いてメインデータサーバ107が行う出欠確認の処理について説明する。まず、事務担当者等が事務処理端末104の操作手段を操作して、事務処理端末104のディスプレイ装置等の表示画面上で通信回線109を介してメインデータサーバ107にアクセスし、講義出欠管理ソフト113を起動させ、この講義出欠管理ソフト113のメニュー画面上で出欠確認を行う旨と年月日を入力する操作を行う。事務処理端末104は、これらの入力された出欠確認を行う旨と、年月日の情報を通信回線109を介してメインデータサーバ107に送信する。メインデータサーバ107は、これらの情報が送信されると、データベース108内の全ての教室出入り情報330を参照し、入退室時間334で示す年月日が送信された年月日の情報と一致する全ての教室出入り情報330の入退室履歴336を抽出する処理を行う(ステップ2101)。
【0115】
次に、メインデータサーバ107は、抽出した全ての教室出入り情報330の入退室履歴336の情報を、全ての学生に対応する学生番号251毎に入退室履歴336を時系列の順番に従ってソートする処理を行う(ステップ2102)。図27では、1人の学生について入退室履歴336を時系列順にソートした後の状態を示しており、入力された年月日において入退室履歴336が9件記録されている。
【0116】
次に、メインデータサーバ107は、ソートした各学生番号251毎の入退室履歴336から、入退室区分333の情報に基づいて出席と認められない入退室履歴336を削除する処理を行う(ステップ2103)。講義教室316で示す同一の教室を含む入退室履歴336で入退室区分333が時系列順に入室、退室の順番で相互に隣接するペアの入退室履歴336のみを残し、入退室区分333が入室または退室のみとなっている入退室履歴336を全て削除する処理を行う。例えば図27の例では、入退室履歴(1)、入退室履歴(2)はそれぞれ教室A、教室Bに退室する前に入室することを示す入退室履歴が存在しないため削除し、入退室履歴(9)は教室Dの退室することを示す入退室履歴が存在しないため削除する処理を行う。ここで削除する処理では、出席と認められない入退室履歴336をデータベース108から削除することではなく、出席と認められないことに従ってソートした入退室履歴336から除外する処理を行う。
【0117】
また、単にこの削除した入退室履歴336については、学生番号251とともに事務処理端末104のディスプレイ装置等の表示装置やプリンタにより出力する処理を行っても良い。このようにすることにより、入室や退室のみを行っている異常な行動を取っている学生等が明らかになり、適切な指導・管理を行うことが可能になる。
【0118】
次に、メインデータサーバ107は、ソートした各学生番号251毎の入退室履歴336から、入退室時生体確認335の情報に基づいて出席と認められない入退室履歴336を削除する処理を行う(ステップ2104)。ステップ2103の処理で削除した後の入退室履歴336から、講義教室316で示す同一の教室が同一のペアにおいて入退室区分333が入室、退室のいずれも、入退室時生体確認335が「有」となっている入退室履歴336を残し、他の入退室履歴336を削除する処理を行う。例えば図27の例では、入退室履歴(3)、入退室履歴(6)は入退室時生体確認335がそれぞれ「無」、「失敗」となっているため入退室履歴(3)および入退室履歴(4)のペア、入退室履歴(5)および入退室履歴(6)のペアを削除する処理を行う。
【0119】
次に、メインデータサーバ107は、データベース108内の全ての講義情報310を参照し、講義日時315で示す年月日がステップ2101で送信された年月日の情報と一致する講義履歴318を含む全ての講義情報310を抽出する処理を行う(ステップ2105)。
【0120】
次に、メインデータサーバ107は、抽出した講義情報310およびステップ2104で削除処理を行った各学生番号251毎の入退室履歴336を用いて出欠確認の処理を行う(ステップ2106)。まず、抽出した講義情報310の受講学生314に含まれる学生番号251に基づいて、この学生番号251に対応する全ての入退室履歴336を参照し、講義情報310と同一の教室を示す講義教室316を含む入退室履歴336から、講義日時315で示す講義の時間と入退室履歴のペアの入退室時間334で示す入室から退室間での時間が合致する入退室履歴のペアが存在するか否かを判定する。存在する場合には、講義の時間に対する入室から退室間での時間の比率、即ち在席比率を算出し、この算出した在席比率に応じて出席又は欠席を判定する。例えば在席比率が80%等以上の場合には出席と判定する処理を行う。そして、この判定した出席または欠席の情報を受講学生314に含まれる学生番号251に関連付けて講義情報310に格納する。
【0121】
ここで、出席又は欠席の判定は、以下のようにして行っても良い。講義の時間と入室から退室間での時間とが合致する時間、即ち在席時間を算出し、この在席時間を講義日時315が示す講義の全体の時間で割り、結果値である在席比率が例えば70%以上等の所定数値以上の場合に出席とし、それ未満の場合には欠席としても良い。あるいは、出席と欠席の他に、「半分出席」という区分を設け、例えば在席比率が30%以上70%未満の場合には「半分出席」とし、2回の半分出席で1回の出席として判定する処理を行うことも可能である。なお、上記の在席比率や在席時間の算出処理は、分単位でなく秒単位まで算出しても良いし、どのような在席比率を出席等として判定するかは事務担当者等が、講義出欠管理ソフト113やメインデータサーバ107等の設定により一律に決めても良いし、各講義に対応する講義情報310毎に変えても良い、あるいは、各学生に対応する学生番号251毎に変える、即ち例えば、落第しそうな学生で同情の余地ある場合には、出席の在席比率を低い数値に変更設定する等というようなことも可能である。
【0122】
メインデータサーバ107は、以上の処理を抽出した講義情報310およびステップ2104で削除処理を行った各学生番号251毎の入退室履歴336の全てについて行い、送信された年月日での出欠確認を行う。そして、この処理を行った後の講義情報310を全て通信回線109を介して事務処理端末104に送信する。事務処理端末104は、この送信された事務処理端末104を講義情報310を全てディスプレイ装置等の表示画面上に表示し、事務担当者等がこれを確認して、各学生に対して講義の出欠確認や評価等を行う。
【0123】
以上のように、本実施の形態における出欠確認システムでは、教室システム105が設置された教室に入室または退室する際にかざした学生証の無線タグ801から無線タグ情報取得装置131が学生番号251の情報を非接触で読み取り、制御装置130、通信回線109を介してメインデータサーバ107に送信し、メインデータサーバ107が入退室履歴336を追加設定する処理を行う。そして、静脈像撮影装置312から送信された静脈像情報と学生情報250内の生体情報258の静脈像情報とが一致するか否かを照合する処理を行い、照合処理の結果に応じて追加設定した入退室履歴336の入退室時生体確認335の情報を更新する処理を行う。
【0124】
また、事務担当者等が事務処理端末104の操作手段を操作して、出欠確認を行うための操作を行うと、入退室時間334で示す年月日が送信された年月日の情報と一致する全ての教室出入り情報330の入退室履歴336を抽出して各学生番号251毎にソートし、出席と認められない入退室履歴336を削除する。講義情報310および各学生番号251毎の入退室履歴336を用いて出欠確認の処理を行う。
【0125】
このため、メインデータサーバ107は、静脈像情報を用いて正確に学生本人を判断して入室または退室に関する情報を含む入退室履歴336を作成し、この入退室履歴336に基づいて正確に学生本人を確認して、講義の出欠確認を行うことが可能となる。
【0126】
(他の実施の形態)
上述の実施の形態においては、前方出入口901、後方出入口902に左右の横方向にスライド移動させて開閉するドア100が構成されていたが、これに限られず、図17(a)、(b)に示すように、扉部分が回転して出入りする回転扉とすることも可能である。このような回転扉の場合には、出入りする出入り口の中央の軸を中心として出入り口の横方向に伸びる回転棒が回転するようになっており、回転棒の取っ手部分に無線タグ情報取得装置131を設けている。回転棒の所定の箇所には、学生等の人差し指が収まる幅の溝の指置き部分が形成されており、この指置き部分に静脈像撮影装置132が内蔵されて構成されている。
【0127】
そして、教室に入室または退室する学生が回転棒の指置き部分に手をおいて押す際に、静脈像情報が採取され、無線タグ情報取得装置131が学生証の無線タグ801から読み取った学生番号251とともに、制御装置130を経由して、メインデータサーバ107へ送付され、講義に参加する学生であると本人確認されてから回転扉が稼動して回転棒が回転して、教室の中に入ることができる。静脈像撮影装置132と無線タグ情報取得装置131は、無線通信により制御装置130と通信する。
【0128】
入退室の手順を詳細に説明すると、講義に出席する際には、学生は前方出入口901や後方出入口902の両方から入室し、回転扉を押した際に学生本人の確認を行い、回転棒を回転させて入室する。教室から退室する際、図13(b)に示すように、回転扉の横にスイッチが設置されており、スイッチを押すことにより、回転扉は認証なしに回転して退出することができる。前方出入口901又は後方出入口902の一方のみにスイッチが適応できる仕組みとし、緊急時に退室できるようにする。他の一方は、スイッチを押しても扉は回転せず、静脈像情報の採取を行って退室できるようにし、入退室履歴336の追加設定をすることができる。
【0129】
また、上述の実施の形態において、生体情報258として学生の身体から静脈像情報を採取し学生情報250に格納することとしていたが、生体情報258として学生の身体から指紋や網膜パターン、血液中のDNAの情報等を指紋認証装置や網膜スキャン装置等を用いて採取し、学生情報250に格納することとしても良い。
【0130】
上述の実施の形態において、表示装置134にメッセージを表示する処理を行っていたが、表示装置134の代わりにスピーカ等を設置しメッセージの内容を音声で出力するようにしても良い。
【0131】
また、事務担当者等が事務処理端末104を操作したことに応じて、出欠確認の処理をデータサーバ107が実行していたが、事務担当者等の操作に関わらず、学校での1日の全ての講義日程が終了した時点あるいは予め指定操作された所定の時刻に、自動的にデータサーバ107が実行するように設定されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本実施の形態における出欠確認システムの全体構成を示すシステム構成図である。
【図2】本実施の形態における出欠確認システムの受験者情報を示すデータ構造図である。
【図3】本実施の形態における出欠確認システムの試験結果情報を示すデータ構造図である。
【図4】本実施の形態における出欠確認システムの学生情報を示すデータ構造図である。
【図5】本実施の形態における出欠確認システムの講義情報を示すデータ構造図である。
【図6】本実施の形態における出欠確認システムの教室出入り情報を示すデータ構造図である。
【図7】本実施の形態における出欠確認システムの学生証を示す概略図である。
【図8】本実施の形態における出欠確認システムの教室システムを示すブロック構成図である。
【図9】本実施の形態における出欠確認システムの教室を上方から見た概略図である。
【図10】本実施の形態における出欠確認システムの後方出入口付近を示す概略図である。
【図11】本実施の形態における出欠確認システムの後方出入口付近を示す概略図である。
【図12】本実施の形態における出欠確認システムの後方出入口付近を示す断面図である。
【図13】本実施の形態における出欠確認システムの入室側または退室側取手を示す概略図である。
【図14】本実施の形態における出欠確認システムの前方出入口付近を示す概略図である。
【図15】本実施の形態における出欠確認システムの前方出入口付近を示す概略図である。
【図16】本実施の形態における出欠確認システムの後方出入口付近を示す断面図である。
【図17】本実施の形態における出欠確認システムの回転扉を示す概略図である。
【図18】本実施の形態における出欠確認システムの試験申込みから入学手続きまでの処理を示すフローチャート図である。
【図19】本実施の形態における出欠確認システムの学生証更新の処理を示すフローチャート
【図20】本実施の形態における出欠確認システムの教室入退室時の出欠確認の処理を示すフローチャート図である。
【図21】本実施の形態における出欠確認システムの表示装置に表示される画面を示す説明図である。
【図22】本実施の形態における出欠確認システムの表示装置に表示される画面を示す説明図である。
【図23】本実施の形態における出欠確認システムの表示装置に表示される画面を示す説明図である。
【図24】本実施の形態における出欠確認システムの表示装置に表示される画面を示す説明図である。
【図25】本実施の形態における出欠確認システムの表示装置に表示される画面を示す説明図である。
【図26】本実施の形態における出欠確認システムの出欠確認の処理を示すフローチャート図である。
【図27】本実施の形態における出欠確認システムの出欠確認の処理で抽出した入退室履歴を示す説明図である。
【符号の説明】
【0133】
101 バーコードリーダ
102 静脈情報採取装置
103 学生証発行端末
104 事務処理端末
105 教室システム
107 メインデータサーバ
108 データベース
109 通信回線
112 受験者・学生情報管理ソフト
113 講義出欠管理ソフト
130 制御装置
131 無線タグ情報取得装置
132 静脈像撮影装置
133 ドア開閉装置
134 表示装置
135 記録装置
210 受験者情報
230 試験結果情報
250 学生情報
310 講義情報
330 教室出入り情報

















【特許請求の範囲】
【請求項1】
講義を行う教室の出入り口において学生の出欠の確認を行うための出欠確認システムにおいて、
学生を識別するための識別情報と学生の身体から採取した静脈像情報とを関連付けて記憶する学生情報記憶手段と、
前記教室の入室時および退室時に学生の身体から静脈像を採取する採取手段と、
前記教室の入室時および退室時に学生が所持する学生証の記憶部に記憶された識別情報を読み取る学生証読取手段と、
前記学生証読取手段が読み取った識別情報に基づいて、前記学生情報記憶手段に記憶された静脈像情報を検索する静脈検索手段と、
前記静脈検索手段が検索して得られた静脈像情報と前記採取手段が採取した静脈像情報とが一致するか否かを照合する静脈照合手段と、
前記静脈照合手段が照合した結果、一致する場合に前記学生証読取手段が識別情報を読み取った入退室間の時間を検出し、この検出した時間と講義の日時情報とに基づいて、学生の当該講義の出欠を判定する出欠判定手段とを備えたことを特徴とする出欠確認システム。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2007−213371(P2007−213371A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−33462(P2006−33462)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【Fターム(参考)】