説明

分別破砕装置及びそれを用いた分別破砕方法

【課題】その破砕動作が阻害されるのを防止してその信頼性を向上させることができると共に、被破砕物の材質や物理特性に応じて被破砕物を容易に分別できるようにすることにより、被破砕物を再利用し易くすることができる分別破砕装置及びそれを用いた分別破砕方法を提供する。
【解決手段】その内部に貯留した被破砕物を下方に落下させる下端口44aを有するホッパー44と、ホッパー44の下方に配置されて被破砕物を回転打撃部材72により破砕する破砕動作部62と、破砕動作部62の外側に配置され回転打撃部材72により打撃されて破砕されずに弾き出された被破砕物を他の被破砕物と異なる方向に移動するように分別する移動方向分別手段44c,45,47とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃材を再利用できるように分別して破砕するために用いられる分別破砕装置及びそれを用いた分別破砕方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の破砕装置としては、例えば一般家屋の解体などにより生じる、石や礫、コンクリート、木材、ガラス、プラスチック、水道管の蛇口などの金属片、紙などの種々の材質の廃材(被破砕物)を混在させて破砕し、その廃材を所定の径以下の大きさを有する粒状に破砕するために用いられるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図13から図15は、上記従来の破砕装置1の構造を説明するために、参照する図である。
【0004】
図13に示す従来の破砕装置1は、その内部に所定量の廃材(被破砕物、図中、符号Sで示す)を収容できるホッパー2を備えるようになっていた。このホッパー2は、その上端部には廃材を投入するための投入口2bが形成されており、その下端部には、後述する二次破砕機構12に廃材を供給するための下端口2aが形成されていた。
【0005】
ホッパー2の下端口2aの上方には、後述する二次破砕機構12に先立って、ホッパー2内に貯留された廃材を粗い大きさの廃材に一次破砕するために用いられる、一次破砕機構4が設けられていた。この一次破砕機構4は、第1固定歯6と第1回転破砕歯8により構成されていた。
【0006】
一次破砕機構4の第1固定歯6は、略三角形の板状に形成され、その略三角形の1辺がホッパー2の下端口2a側の内面に溶接により一体的に設けられていた。そして、その略三角形の他の2辺に挟まれた頂部が、ホッパー2の下端口2aの中心部の近傍の少し上方に向って突出するよう形成されていた。
【0007】
一次破砕機構4の第1回転破砕歯8は、回転自在に設けられた回転軸10に溶接などにより一体的に設けられており、その回転軸10の軸線を中心として回転方向に120°間隔に配置された3枚の歯が放射外方に突出するよう形成されていた。
【0008】
そして、回転軸10に回転を伝える不図示のモーターを作動させることにより、回転軸10と一緒に第1回転破砕歯8が回転を駆動されるため、この回転する第1回転破砕歯8と、ホッパー2の内側に形成された第1固定歯6との間に挟まれた廃材を一次破砕することができるようになっていた。
【0009】
また、図13に示すように、ホッパー2の下端口2aの下方には、一次破砕機構4により前記粗い大きさに一次破砕された廃材を、さらに細かい大きさに二次破砕するために用いられる、二次破砕機構12が設けられていた。この二次破砕機構12は、第2固定歯14と第2回転破砕歯16と篩部材20により構成されていた。
【0010】
二次破砕機構12の第2回転破砕歯16は、一次破砕機構4の軸線の長さ方向と平行な軸線の周りに回転自在に設けられた回転軸18と、不図示のキーなどを介して相対回転不能に連結された支持体17に支持されている。
【0011】
支持体17は、その回転軸線の長さ方向に直角な断面が三角形状に形成されており、その三角形状の支持体17の3つの隅部に歯先16aが配置されるよう、それぞれの第2回転破砕歯16が支持体17の各辺部に一体的に設けられていた。
【0012】
二次破砕機構12の第2固定歯14は、第2回転破砕歯16の図13中左右両側に設けられ、第2回転破砕歯16が回転した際において、第2回転破砕歯16の歯先16aとの間に所定の隙間ができるような位置に、その歯先14aが配置されていた。
【0013】
そして、回転軸18の回転を駆動する不図示のモーターを作動させることにより、回転軸18と一緒に支持体17を介して第2回転破砕歯16が回転するため、この回転する第2回転破砕歯16の歯先16aと、第2固定歯14の歯先14aの間に挟まれた廃材を二次破砕することができるようになっていた。
【0014】
二次破砕機構12の篩部材20は、図13に示すように、回転軸18の軸線に直交する断面の形状が円弧状であり、その円弧が下側に突き出るように配置されて固定されていた。そして、図14(a)に示すように、篩部材20には、その円弧部20bを貫通する所定の径を有する円形状の丸孔20aが複数形成されていた。
【0015】
図14(b)に示すように、篩部材20の円弧部20bの軸方向(図中上下方向)の両端部には、円弧部20bの外周より半径方向外側に突出した外周を有する一対のフランジ部20cが形成されていた。そして、篩部材20は、その断面円弧の中心が第2回転破砕歯16の回転中心と略同一になるように配置されており、そのフランジ部20cを介して破砕装置1に固定されていた。
【0016】
このため、第2回転破砕歯16の歯先16aは、その支持体17と共に第2回転破砕歯16が回転した際には、篩部材20の円弧部20bの円弧状の内周面に沿うように、その内周面との間に一定の隙間を保って回転するようになっていた。
【0017】
このような二次破砕機構12において廃材は、第2固定歯14の歯先14aと第2回転破砕歯16の歯先16aに挟まれて二次破砕されるだけでなく、篩部材20の丸孔20aに叩きつけられたり、篩部材20の円弧部20bの内周面と第2回転破砕歯16の歯先16aの間に挟まれたり、篩部材20や他の廃材に擦られたりするので、さらに細かく砕かれるようになっていた。
【0018】
そして、廃材が篩部材20の丸孔20aの孔径以下の大きさに砕かれると、その丸孔20aを通過して落下し、図13に示す二次破砕機構12の下方に配置された貯留箱22の内部に貯留されるようになっていた。
【0019】
しかしながら、このような従来の破砕装置1の構成のみでは、例えば、水道管の蛇口のような、材質が鋼鉄などの廃材は、上記二次破砕動作によっては破砕や粉砕が行われにくいため、二次破砕機構12内において、篩部材20の丸孔20aの径以下の外形寸法に破砕することができない。
【0020】
このため、材質が鋼鉄などの廃材は篩部材20の丸孔20aを通過することができず、篩部材20の第2回転破砕歯16側の内周面上に残ってしまい、二次破砕機構12による他の廃材の破砕動作をも阻害するという問題があった。
【0021】
このような問題を解決するため、上記従来の破砕装置1においてはさらに、図15に示すように、ホッパー2の投入口2bの上方に、磁力による選別機能を有するベルトコンベヤ24(搬送手段)を備えることにより、廃材の破砕動作が阻害されないようにしていた。
【0022】
すなわち、上記ベルトコンベヤ24は、破砕装置1のホッパー2の上方に配置されたプーリ26と、このプーリ26に対して図15中右下方に配置されたプーリ28と、これらのプーリ26,28に掛け渡されるコンベヤベルト30により構成されていた。
【0023】
このベルトコンベヤ24のコンベヤベルト30は、一対のプーリ26,28のいずれかに回転を伝える不図示のモーターを作動させることにより、図15中反時計回り方向に回転しながら、一対のプーリ26,28間で周回運動をするようになっていた。
【0024】
そして、ホッパー2側のプーリ26は、その内部に不図示の磁石を有している磁石付きのプーリであり、コンベヤベルト30の搬送面30a上を搬送される廃材に、コンベヤベルト30越しに磁力を作用させて、材質が鋼鉄(鋼材、鉄材)などの磁性体の廃材(被破砕物、図15中、記号Mとする)をコンベヤベルト30の搬送面30a上に吸着させるようになっていた。
【0025】
このため、材質が鋼鉄などの磁性体の廃材は、前記周回運動をするコンベヤベルト30の任意の位置が磁石付きのプーリ26の位置に近づくと、その位置に到達する少し手前の位置において、コンベヤベルト30の搬送面30a上に吸着する。
【0026】
そして磁性体の廃材は、コンベヤベルト30に吸着されたままその周回運動により搬送されて、その磁性体の廃材がプーリ26の周りを180度くらい移動した後、磁石付きのプーリ26の下方の、ホッパー2の右上端部に設けられた分別板部32よりも図15中右方に移動して、磁石付きのプーリ26から遠ざかるにつれて磁力が弱まるので、やがてコンベヤベルト30の搬送面30aから離脱して落下するようになっていた。
【0027】
このようにして、コンベヤベルト30から落下した、材質が鋼鉄などの磁性体の廃材は、図15に示すホッパー2の右方に配置された貯留箱34の内部に落下されるようになっていた。
【0028】
また、材質が鋼鉄などの磁性体の廃材以外の、種々の非磁性体の材質の廃材は、磁石付きのプーリ26による磁力の作用を受けても、コンベヤベルト30の搬送面30a上に吸着されないため、非磁性体の材質の廃材は、磁性体の廃材のようにコンベヤベルト30と共にプーリ26の下側に回り込んで少しの間搬送されることはなく、コンベヤベルト30の、図15中左端のほぼ鉛直となるところでベルトコンベヤ24から落下して、下方のホッパー2内に投入されるようになっていた。
【0029】
このようなベルトコンベヤ24を備えた従来の破砕装置1によれば、材質が鋼鉄などの磁性体の廃材がホッパー2内に投入されるのを事前に防止できるため、前述のように二次破砕動作によっては破砕や粉砕が行われにくい材質の廃材が、一次破砕機構4や二次破砕機構12の破砕動作を阻害することを防止することができるようにはなっていた。
【0030】
また上記ベルトコンベヤ24を備えた従来の破砕装置1は、二次破砕機構12内に投入された材質が鋼鉄などの磁性体の廃材以外の、種々の非磁性体の材質の廃材を混在させて、それらを篩部材20の丸孔20aの径以下の大きさの粒状に破砕するようになっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0031】
【特許文献1】特開2005−193153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
しかしながら、上記ベルトコンベヤ24を備えた従来の破砕装置1においては、材質が強い磁性を有する鋼鉄などからなる廃材を、ベルトコンベヤ24により取り除くことができるようになってはいるが、材質が強い磁性を示さないステンレスや銅、アルミニウムなどの金属からなる廃材を取り除くことはできないため、以下のような問題があった。
【0033】
すなわち、材質が強い磁性を示さない金属などの廃材は、やはり二次破砕動作によっては破砕や粉砕が行なわれにくい材質のため、二次破砕機構12内において、篩部材20の丸孔20aの径以下の外形寸法に破砕することができず、篩部材20の円弧部20bを通過することができず、篩部材20の第2回転破砕歯16側の内周面上に残ってしまい、二次破砕機構12の破砕動作を阻害するという問題があった。
【0034】
そして、二次破砕機構12の篩部材20の第2回転破砕歯16側の内周面上に溜まる廃材の量が増大すると、その増大した廃材による過負荷によって破砕装置1の運転が停止してしまうという問題もあった。
【0035】
また、前記従来の破砕装置1は、その材質を問わずにあらゆる廃材を所定の径以下に破砕しようとするものであったため、廃材の材質ごとに分別することができないという問題があった。
【0036】
このため、その材質を問わずに細かく破砕される廃材は、種々の材質の廃材の寄せ集まりであるため、その再利用の途が著しく制限されてしまうものであり、また、再利用せずに廃棄するにしても、このような種々の材質の寄せ集まりである廃材は、廃棄コストが高額化するという問題もあった。
【0037】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、その破砕動作が阻害されるのを防止してその信頼性を向上させることができると共に、被破砕物の材質や物理特性に応じて被破砕物を容易に分別できるようにすることにより、被破砕物を再利用し易くすることができる分別破砕装置及びそれを用いた分別破砕方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0038】
上記課題を解決するために、本発明による分別破砕装置は、
その内部に貯留した被破砕物を下方に落下させる下端口を有するホッパーと、
前記ホッパーの下方に配置されて被破砕物を回転打撃部材により破砕する破砕動作部と、
前記破砕動作部の外側に配置され前記回転打撃部材により打撃されて破砕されずに弾き出された被破砕物を他の被破砕物と異なる方向に移動するように分別する移動方向分別手段と
を備えたことを特徴とするものである。
【0039】
また、本発明による分別破砕装置は、
前記移動方向分別手段は、被破砕物が重力により滑動できるよう傾斜したガイド部が前記破砕動作部の外側に配置されると共に、前記ガイド部に沿って滑動した被破砕物が他の被破砕物と異なる方向に移動するようにして分別されることを特徴とするものである。
【0040】
また、本発明による分別破砕装置は、
前記ガイド部は前記ホッパーの内側に配置されたことを特徴とするものである。
【0041】
また、本発明による分別破砕装置は、
前記ホッパーの上方に前記ホッパーの上端部に設けられた投入口を覆う蓋部材が配置され、
前記ガイド部は前記蓋部材の内側に配置されたことを特徴とするものである。
【0042】
また、本発明による分別破砕装置は、
前記破砕動作部は、
前記回転打撃部材が相対回転可能に取り付けられた回転体と、
前記回転打撃部材により打撃された被破砕物と衝突する衝突板と、
その半径の中心が前記回転体の回転中心と略同一の半円筒状に形成され、篩孔が複数形成された篩部材とを有することを特徴とするものである。
【0043】
また、本発明による分別破砕装置は、
前記篩孔は、前記回転体の軸線と平行方向に長さを有する長方形状に形成されたことを特徴とするものである。
【0044】
また、本発明による分別破砕装置は、
前記ホッパー内に配置され前記破砕動作部により被破砕物が破砕される前に被破砕物を破砕する前破砕動作部を備えたことを特徴とするものである。
【0045】
また、本発明による分別破砕装置は、
搬送途中で磁力により被破砕物を分別して残った他の被破砕物を前記ホッパー内に搬送する搬送分別手段を備えたことを特徴とするものである。
【0046】
また、本発明による分別破砕装置は、
前記破砕動作部により破砕された被破砕物を、回転する篩部材を用いて大きさの大小によって分別する回転篩分別機構を備えたことを特徴とするものである。
【0047】
また、本発明による分別破砕装置を用いた分別破砕方法は、
その内部に貯留した被破砕物を下方に落下させる下端口を有するホッパーと、
前記ホッパーの下方に配置されて被破砕物を回転打撃部材により破砕する破砕動作部と、
前記破砕動作部の外側に配置され前記回転打撃部材により打撃されて破砕されずに弾き出された被破砕物を他の被破砕物と異なる方向に移動するように分別する移動方向分別手段と
を備えた分別破砕装置を用いた分別破砕方法であって、
前記ホッパーに被破砕物が投入されるステップと、
前記破砕動作部が被破砕物を破砕すると共に、前記回転打撃部材により打撃された被破砕物が前記破砕動作部の外側に弾き出されるステップと、
前記弾き出された被破砕物が前記移動方向分別手段により他の被破砕物から分別されるステップと
を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0048】
このような本発明の分別破砕装置によれば、
その内部に貯留した被破砕物を下方に落下させる下端口を有するホッパーと、
前記ホッパーの下方に配置されて被破砕物を回転打撃部材により破砕する破砕動作部と、
前記破砕動作部の外側に配置され前記回転打撃部材により打撃されて破砕されずに弾き出された被破砕物を他の被破砕物と異なる方向に移動するように分別する移動方向分別手段とを備えたことにより、
分別破砕装置の破砕動作が阻害されるのを防止してその信頼性を向上させることができると共に、被破砕物の材質や物理特性に応じて被破砕物を容易に分別できるようにすることにより、被破砕物を再利用し易くすることができる。
【0049】
また、このような本発明の分別破砕装置を用いた分別破砕方法によれば、
その内部に貯留した被破砕物を下方に落下させる下端口を有するホッパーと、
前記ホッパーの下方に配置されて被破砕物を回転打撃部材により破砕する破砕動作部と、
前記破砕動作部の外側に配置され前記回転打撃部材により打撃されて破砕されずに弾き出された被破砕物を他の被破砕物と異なる方向に移動するように分別する移動方向分別手段と
を備えた分別破砕装置を用いた分別破砕方法であって、
前記ホッパーに被破砕物が投入されるステップと、
前記破砕動作部が被破砕物を破砕すると共に、前記回転打撃部材により打撃された被破砕物が前記破砕動作部の外側に弾き出されるステップと、
前記弾き出された被破砕物が前記移動方向分別手段により他の被破砕物から分別されるステップとを備えたことにより、
分別破砕装置の破砕動作が阻害されるのを防止してその信頼性を向上させることができると共に、被破砕物の材質や物理特性に応じて被破砕物を容易に分別できるようにすることにより、被破砕物を再利用し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る分別破砕装置40の正面断面図である。
【図2】図1に示す分別破砕装置40を示す図であって、蓋部材47を省略して示すその上面図である。
【図3】図1に示す分別破砕装置40を示す図であって、ベルトコンベヤ24を省略して示すその一部断面左側面図である。
【図4】図1に示す分別破砕装置40を示す図であって、ベルトコンベヤ24を省略して示すその一部断面正面図である。
【図5】図6に示す二次破砕動作部62のB−B線矢視断面図である。
【図6】図5に示す二次破砕動作部62のA−A線矢視断面図である。
【図7】図5に示す篩部材76を示す図であり、図7(a)はその正面断面図、図7(b)はその下面図である。
【図8】図1に示す分別破砕装置40と共に本発明の分別破砕装置を構成する回転篩分別機構90の一部断面側面図である。
【図9】図5に示す二次破砕動作部62の二次破砕動作を説明するための正面断面図である。
【図10】ベルトコンベヤ24、分別破砕装置40、及び回転篩分別機構90を用いた分別破砕方法を説明するための概念フロー図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る分別破砕装置100の一部断面左側面図である。
【図12】図11に示す分別破砕装置100のC−C線矢視断面図である。
【図13】従来技術に係る破砕装置1を示す正面断面図である。
【図14】図13に示す篩部材20を示す図であり、図14(a)はその正面断面図、図14(b)はその下面図である。
【図15】図13に示す破砕装置1の一部と、破砕装置1の上方に設けられたベルトコンベヤ24を併せて示す一部断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本発明に係る分別破砕装置及びそれを用いた分別破砕方法を実施するための形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1から図10は、本発明の第1の実施の形態に係る分別破砕装置及びそれを用いた分別破砕方法について説明するために参照する図である。
【0052】
本実施の形態に係る分別破砕装置40の説明は、従来の破砕装置1と同様の部品には同じ符号を付して説明し、その構成の説明が従来の破砕装置1と重複する同じ内容となる場合は、その重複する同じ内容の説明は一部を除き省略するものとする。
【0053】
本実施の形態に係る分別破砕装置40は、図1に示すように、外気遮断箱42と、この外気遮断箱42の内部上側に設けられ、その一部が外気遮断箱42の上板部を貫通して上方外側に突出したホッパー44と、このホッパー44の上方に配置された蓋部材47と、ホッパー44内に収納された一次破砕動作部46(前破砕動作部)と、外気遮断箱42内でホッパー44の下方に配置された二次破砕動作部62(破砕動作部)と、この二次破砕動作部62の外側に配置されたシューター44c,45(ガイド部、移動方向分別手段)を備えるようになっている。
【0054】
本実施の形態に係る分別破砕装置40は、さらに、外気遮断箱42及びホッパー44の上方に設けられた、磁力による選別機能を有するベルトコンベヤ24(搬送分別手段)と、外気遮断箱42の側板部から一部が外側に貫通して突出したベルトコンベヤ88(搬送手段)を備えるようになっている。
【0055】
この分別破砕装置40のホッパー44は、図1及び図2に示すように、その内側に図1中上方から下方に行くにつれて、徐々にその水平開口断面積が縮小するような、逆さの四角錐台形の空間を有するように形成されており、その空間内に所定量の廃材(被破砕物)を貯留することができるようになっている。
【0056】
そして、ホッパー44は、その上端部には廃材を上から投入するための投入口44bが形成されており、その下端部にはその水平開口断面積が最も小さい下端口44aが形成されている。
【0057】
図1に示すように、ホッパー44の、後述する周部構造64の投入口部64bの傾斜した右側板部の略延長方向に形成される、図中右側板部の傾斜面の内側には、シューター44cが一体的に設けられている。
【0058】
このシューター44cは、その断面が直角に折れ曲った2つの辺部からなるL字状に形成され、その一方の水平に配置された辺部の先端部が、ホッパー44の右側板部の傾斜面の内側に当接して接合され、他方の辺部の先端部が上方に伸びるように配置されている。
【0059】
このため、シューター44cの上記一方の水平に配置された辺部の両側部には、シューター44cの上記先端部が上方に伸びる他方の辺部と、ホッパー44の内側の右側板部の傾斜面とが配置されるようになっており、上記両側部の間に凹部(滑動部)が形成されるようになっている。
【0060】
このシューター44cは、図2に示すように、ホッパー44の内側の右側板部の傾斜面に設けられており、図中上下方向にその長さを有するようになっていて、その長さ方向の両端部のそれぞれが、右側板部の傾斜面に隣接する下側板部の傾斜面と、上側板部の傾斜面のそれぞれに当接するようになっている。
【0061】
そして、シューター44cは、図3に示すように、その右端部が左端部よりも上方の位置に来るように傾斜して配置されている。
【0062】
そして、ホッパー44には、シューター44cの図3中左端部が当接した部分に、シューター44cの凹部の内側の断面形状に対応するような形状で、ホッパー44の内側面から外側面に貫通する貫通孔44dが形成されている。
【0063】
このため、ホッパー44のシューター44cは、その凹部内に投入された廃材を重力により図3中右方から左方に向かって滑動させることができるようになっている。また、ホッパー44は、貫通孔44dを通過させることにより廃材をホッパー44の外側に排出することができるようになっている。
【0064】
また、図3に示すように、ホッパー44の左側板部の外側面には、ホッパー44の内側のシューター44cを外側に向かって延長するように、もう一つのシューター45が、その長さ方向(図中左右方向)の右端部をホッパー44に一体的に接合させている。そして、そのシューター45の長さ方向の左端部は、外気遮断箱42の左側板部に当接するようになっている。
【0065】
このシューター45は上方に凹部(滑動部)を有するコの字状に形成されており、ホッパー44のシューター44cと同様に、その右端部が左端部よりも上方の位置に来るように傾斜して配置されている。
【0066】
また、図3に示すように、外気遮断箱42の左側板部の、シューター45の図中左端部が当接した部分には、シューター45の凹部の内側の断面形状に対応するような形状で、外気遮断箱42の左側板部の内側面から外側面に貫通する、貫通孔42aが形成されている。
【0067】
このため、シューター45は、貫通孔44dによりホッパー44の外側に排出された廃材を重力により図中左方に滑動させることができるようになっている。また、外気遮断箱42は、貫通孔42aにより廃材をその外側に排出することができるようになっている。
【0068】
このようにホッパー44のシューター44cの凹部内に投入された廃材は、シューター44c,45を介して、他の廃材とは異なる方向に移動することができるようになっている。
【0069】
また、図1に示すように、ホッパー44の上方には、図中下方に開口した内部空間を有する箱状に形成された蓋部材47が、ホッパー44の上端部に形成された投入口44bを覆うように配置されている。
【0070】
この蓋部材47は、その図中上方の略矩形状の上板部の外周縁部を図中下方に向かって略垂直に折り曲げることにより4つの側板部が形成されており、この側板部はホッパー44の上端部に互いの端面同士を突き合わせるように当接し、これらの当接部分は溶接等により互いに接合されるようになっている。
【0071】
このため、図1に示すように、分別破砕装置40は、ホッパー44の側板部の内側面と、蓋部材47の上板部及び側板部それぞれの内側面により内部に構成された、内部空間を有するようになっている。
【0072】
そして、蓋部材47は、その図1中左側の側板部に開口部47aが形成されており、後述するベルトコンベヤ24の図1中右端部が、その開口部47aより蓋部材47の内部に挿し入れられるようになっている。
【0073】
図1に示すように、外気遮断箱42及びホッパー44の投入口44bの上方に、図15に示す前記従来の破砕装置1に係るベルトコンベヤ24と同様の構成の、磁力による選別機能を有するベルトコンベヤ24が設置されている。
【0074】
このベルトコンベヤ24は、図1に示すように、その長さ方向が、後述する二次破砕動作部62の回転軸66の軸線方向(紙面垂直方向)に対して略垂直方向で、かつ水平方向に対して所定の角度の方向に配置されるようになっている。
【0075】
このベルトコンベヤ24は、ホッパー44の図中上端部左側の上方に配置されたプーリ26と、このプーリ26に対して図中左下方に配置された不図示のプーリ28(図15参照)と、これらのプーリ26,28に掛け回されるコンベヤベルト30により構成されるようになっている。
【0076】
このコンベヤベルト30は、一対のプーリ26,28のいずれかにその駆動軸の回転を伝える不図示のモーターを作動させることにより、図中時計回り方向に回転しながら一対のプーリ26,28間で周回運動するようになっている。
【0077】
そしてホッパー44側のプーリ26は、その内部に不図示の磁石を有しており、コンベヤベルト30の搬送面30a上を搬送される廃材に、コンベヤベルト30越しに磁力を作用させて、材質が鋼鉄(鋼材、鉄材)などの磁性を有する廃材(被破砕物)をコンベヤベルト30の搬送面30a上に吸着させるようになっている。
【0078】
このようなベルトコンベヤ24は、前記従来の破砕装置1に用いられたものと同様の動作をするようになっている。
【0079】
このようなベルトコンベヤ24のコンベヤベルト30から落下した、材質が鋼鉄などの磁性体の廃材は、外気遮断箱42の外側に配置された不図示の貯留箱の内部に貯留されるようになっている。
【0080】
また、材質が鋼鉄などの磁性体の廃材以外の、種々の非磁性体の材質の廃材は、プーリ26による磁力の作用を受けても、コンベヤベルト30の搬送面30a上に吸着されないため、上記材質が鋼鉄などの磁性体の廃材のようにプーリ26の下側に回り込んで少しの間搬送されることはなく、コンベヤベルト30の図1中右端部から落下してホッパー44内に投入されるようになっている。
【0081】
このような磁力による選別機能を有するベルトコンベヤ24を備えることにより、材質が鋼鉄などの磁性体の廃材がホッパー44内に投入されるのを事前に防止することができるため、二次破砕動作部62の二次破砕動作が阻害されることを防止することができる。
【0082】
また、図1に示すように、ホッパー44内部の下端口44aの上方の位置には、ホッパー44内に貯留された廃材を一定量ずつ粗い大きさの廃材に破砕(一次破砕,前破砕)するために用いられる、一次破砕動作部46が設けられている。この一次破砕動作部46は、固定歯48と回転破砕歯50により構成されている。
【0083】
この一次破砕動作部46の固定歯48は、図1に示すように、ホッパー44の下端口44aの上方の、内面からホッパー44内の水平方向中央部に向かって歯先が伸びる、略三角形状に形成され、図2中上下方向に厚さを有する板状に形成されている。そして固定歯48は、図2中上下方向に間隔をおいて複数、互いに平行に並んで配置されており、それぞれが溶接によりホッパー44の内面に一体的に設けられている。
【0084】
図1に示すように、一次破砕動作部46の回転破砕歯50は、回転自在に設けられた回転軸52に溶接により一体的に設けられている。この回転破砕歯50は、回転軸52の軸線を中心として円周方向に120°間隔に配置され、回転軸52の放射外方に伸びると共に、断面が四角形の3本の柱状の歯に形成されている。
【0085】
この回転破砕歯50は上記3本の歯を1組として、図2に示すように、回転軸52の軸線方向(図中上下方向)に互いに間隔をおいて複数組(3組)配置され、同図に示す4組の固定歯48それぞれの間に一組ずつ入り込むように配置されている。
【0086】
図3に示すように、回転軸52の長さ方向(図中左右方向)の両端部は、ホッパー44の傾斜した側面を貫通してその外側に突出しており、回転軸52はその突出した両端部において、不図示の静止部に固定された軸受により回転自在に支持されている。
【0087】
そして、回転軸52の一端側(図3中ホッパー44より右側、図4中ホッパー44より手前側)にはスプロケット54が取付けられている。また、図4に示すように、回転軸52の軸線から水平方向に離れた位置に、回転軸52の軸線に平行な軸線を有するスプロケット56が配置されており、これらのスプロケット54,56の外周部にはチェーン58が巻き掛けられている。
【0088】
スプロケット56は、その回転中心において、回転軸52と平行な軸線を有する、静止部に固定されたモーター60の駆動軸と、図示してないキーを介して相対回転不能に連結されている。
【0089】
そして、モーター60の駆動軸を回転駆動させることにより、スプロケット56、チェーン58、スプロケット54を介して回転軸52に、モーター60の駆動軸の回転が伝わり、回転軸52及び回転破砕歯50を回転させることができるようになっている。
【0090】
このため、モーター60により回転駆動された回転破砕歯50は、固定された固定歯48との間に挟まれた廃材を一次破砕することができるようになっている。
【0091】
そして、一次破砕動作部46により一定量ずつ一次破砕された廃材は、ホッパー44の開口した下端口44aからその下側に落下するようになっている。
【0092】
次に、図1に示すように、ホッパー44の下端口44aの下方には二次破砕動作部62が設けられている。この二次破砕動作部62は、その周部に配置された周部構造64と、この周部構造64内に収納され、その内部において回転軸66と一体となって回転する回転体68と、回転体68にピン70を介して相対回転可能に取り付けられた回転打撃部材72と、周部構造64内に固定される衝突板74、及び篩部材76を備えるようになっている。
【0093】
この二次破砕動作部62は、一次破砕動作部46において一次破砕されて下端口44aから落下した廃材を、それらの材質により分別したり、破砕後の外形形状の大きさが異なるように破砕したりするために用いられるものである。
【0094】
二次破砕動作部62の周部構造64の上端部には、傾斜した軸線を有する投入口部64bが形成されており、ホッパー44の下端口44aから落下してきた廃材を投入口部64bの傾斜した軸線方向に案内して、周部構造64内に送り込むことができるようになっている。
【0095】
二次破砕動作部62の回転体68は、図5及び図6に示すように、その中心を貫通する回転軸66に溶接などにより一体的に設けられた円板状に形成されており、回転軸66の軸線方向(図6中左右方向)に間隔をおいて、4枚並んで配置されている。そして、回転体68のそれぞれは、回転軸66の回転に併せて回転軸66の軸線を中心に回転するようになっている。
【0096】
そして、4つの回転体68それぞれの円周方向に90度間隔で配置された4ヶ所の、外周端近傍に明けられた孔68aには、ピン70が1本ずつ貫通している。そして、ピン70の長さ方向の両端部と、4つの回転体68の内、最も外側に配置された2つの回転体68,68とが、不図示のネジ同士のネジ締結、又は溶接などによって一体的に固定されるようになっている。
【0097】
すなわち、このピン70は、回転体68の外周端近傍に、かつその円周方向に90度の間隔をおいて、計4本取り付けられている。
【0098】
図5及び図6に示すように、互いに隣合う回転体68,68の対向する面と面の間に配置されたピン70のそれぞれには、回転打撃部材72が取り付けられている。
【0099】
この回転打撃部材72は、その長さ方向の両端部の一方に形成された取付部72aと、その他方に形成された打撃部72bとにより構成されている。この回転打撃部材72の取付部72aには、ピン70が緩く嵌合する貫通孔72cが形成されている。
【0100】
回転打撃部材72の取付部72aの断面の各辺よりも、その打撃部72bの断面の各辺の方が大きいので、その取付部72aの外形を形成する4つの各面と、その打撃部72bの外形を形成する4つの各面との間には段差が形成されている。
【0101】
回転打撃部材72は、その取付部72aに形成された貫通孔72cに、ピン70を通すことにより、回転軸66及び回転体68に相対回転可能となるよう取り付けられている。回転軸66及び回転体68が回転しないときは、回転打撃部材72はその重力により、取付部72aの方を上にして打撃部72bの方はピン70からぶら下がっている。
【0102】
そして、図5及び図6に示すように、回転打撃部材72は、回転軸66及び回転体68が回転すると、これらの回転に引張られて回転体68と一緒に回転軸66の軸線周りに回転するようになっており、やがて回転打撃部材72は回転による遠心力により、ぶら下がっていた状態から、回転体68の半径方向と回転打撃部材72の長さ方向が一致するような姿勢に変化するようになっている。
【0103】
図6に示すように、回転軸66の長さ方向の両端部(図中左右両側)は、周部構造64の、回転体68と平行な側面の厚さ方向に形成された、回転軸66と緩く嵌合する貫通孔から外側に突出しており、その突出した部分は軸受78,78により回転可能に支持されている。
【0104】
この回転軸66の長さ方向の両端部には、スプロケット80がそれぞれ取り付けられている。また、図4に示すように、回転軸66の軸線から水平方向に離れた位置に、回転軸66の軸線に平行な軸線を有するスプロケット82が配置されており、このスプロケット82の外周部と、回転軸66の一端部に取付けられたスプロケット80の外周部との間には、チェーン84が巻き掛けられている。
【0105】
図4に示すように、スプロケット82は、その回転中心において、回転軸66と平行な軸線を有するモーター86の駆動軸86aと、不図示のキーを介して相対回転不能に連結されている。
【0106】
このため、モーター86を作動させてその駆動軸86aを回転させると、スプロケット82、チェーン84、スプロケット80を介して回転軸66に、モーター86の駆動軸86aの回転が伝わる。このことにより、回転体68にピン70を介して設けられた回転打撃部材72を、回転軸66及び回転体68と一緒に回転させることができるようになっている。
【0107】
なお、チェーン84が巻き掛けられていない方の、回転軸66の他端部に取付けられたスプロケット80は、回転軸66の回転の慣性を得るためのはずみ車として設けられている。
【0108】
図5に示すように、二次破砕動作部62の衝突板74は、円筒形状を円周方向に略4分割したような、4分割円筒形状に形成されており、その内側の曲面には複数の歯が形成されるように複数の大きな段差を有している。そして、衝突板74は、周部構造64の図中左上側の内面にその上方に投入口部64bが連結されるよう設けられている。
【0109】
図5及び図6に示すように、二次破砕動作部62の篩部材76は、その断面形状が円弧状であり、円弧部76bが下方に凸出するようにして、周部構造64内の回転軸66、回転体68及び回転打撃部材72の下方に配置されている。そして、篩部材76のフランジ部76cの上側両端部が周部構造64に固定されている。
【0110】
この篩部材76は、図7(a)に示すように、円筒形状が2つに分割されたような半円筒状の円弧部76bに形成されており、図7(b)にも示すように、この円弧部76bには、その軸方向(図中上下方向)に長さを有する略矩形状の貫通孔76a(篩孔)が、円周方向に間隔を置いて複数並んで形成されている。
【0111】
図7(a)及び(b)に示すように、円弧部76bの軸方向両端部には、円弧部76bの外周より半径方向外側に1回り大きな外周を有する、一対のフランジ部76cが形成されている。
【0112】
これらのフランジ部76c,76cの互いに対向する面とは反対側(外側)の側面を、周部構造64の内面に接触させた状態で、フランジ部76cに形成された不図示の貫通孔を通る、不図示のネジ部材によってネジ締結されることにより、篩部材76は周部構造64内に固定されている。
【0113】
この篩部材76の断面円弧の軸線は、回転軸66及び回転体68の軸線と略同一となるように配置され、回転打撃部材72の回転時にはその打撃部72bの回転時の先端部が篩部材76の内側の円弧状の曲面に沿うように、その円弧状の内周面との間に一定の隙間を保って回転するようになっている。
【0114】
また、篩部材76は交換可能に取り付けられているので、その篩部材76を交換することにより、略矩形状の貫通孔76aの長さ方向に垂直な幅方向の寸法や、隣合う貫通孔76a間の円弧部76bの長さ方向に垂直な幅方向の寸法を、変更することができるようになっている。
【0115】
図5及び図6に示すように、二次破砕動作部62の周部構造64の、篩部材76のフランジ部76cが固定されている2つの側壁の、フランジ部76cの円周方向中央部より上方の位置には、それぞれ開口部64aが設けられている。
【0116】
この周部構造64の開口部64aは、二次破砕動作部62の整備、保守の作業をするときに開くために形成されており、二次破砕動作部62の動作中には不図示の蓋部材によりその開口は塞がれるようになっている。
【0117】
そして、この開口部64aは、二次破砕動作部62によっては破砕や粉砕がされにくい水道管の蛇口などの金属片のような、材質が金属などの廃材が分別破砕装置40内に投入された際に、その金属片などを篩部材76の上面から除去してそれを取り出すために用いることができるようになっている。
【0118】
このため、そのような破砕や粉砕がされにくい金属片などが二次破砕動作部62の運転の障害になるのを防止することができ、二次破砕動作部62を正常に動作させることができるので、分別破砕装置40の信頼性を向上させることができる。
【0119】
また、図1に示すように、二次破砕動作部62の篩部材76の下方には、ベルトコンベヤ88が設置されている。そして、篩部材76の貫通孔76aを通過した廃材を、ベルトコンベヤ88の図示してない搬送面上に載せて、篩部材76の下方の位置から、図8に示す回転篩分別機構90がある位置へ搬送するようになっている。
【0120】
図8に示すように、回転篩分別機構90は、廃材の大きさの大小により廃材を分別するために用いられるものであり、篩部材92と、軸部材94と、これらを一体的に連結する連結部材96とにより構成されている。
【0121】
この回転篩分別機構90の篩部材92は、円筒状に形成されており、その軸方向の一端側に廃材を投入するために開口する開口端部92aを有し、その軸方向の他端側には外形寸法が大きい廃材を排出するために開口する開口端部92cを有している。
【0122】
そして、この篩部材92は、その円筒状の肉厚の厚さ方向に貫通する複数の所定の径を有する円形状の貫通孔92b(篩孔)が、篩部材92の全周にわたって隣り合って並んで形成されている。
【0123】
回転篩分別機構90の軸部材94は、丸棒状に形成されており、図8に示すように、その両端部は、篩部材92の開口端部92a及び開口端部92cから外側に突出しており、その突出した部分は、不図示の軸受などにより回転自在に支持されている。
【0124】
回転篩分別機構90の連結部材96は、回転自在に設けられた軸部材94の軸線を中心として回転方向に90°間隔に配置された、4つの丸棒状の部材が放射外方に伸びるように形成されている。
【0125】
そして、連結部材96は、その長さ方向の一方の端部が溶接により軸部材94に一体的に設けられており、また、その長さ方向の他方の端部が篩部材92の肉厚の内周面に溶接により一体的に設けられている。
【0126】
また、軸部材94は、不図示のモーターの作動により、回転を駆動されるようになっており、この軸部材94と一緒に回転駆動される篩部材92は、その内部において、開口端部92aから投入された廃材を回転させるようになっている。
【0127】
このような回転篩分別機構90を作動させると、その外形寸法が篩部材92の貫通孔92bより小さい廃材は、その貫通孔92bからその下方に落下し、その外形寸法が篩部材92の貫通孔92bより大きい廃材は、篩部材92の開口端部92cからその下方に落下するようになっている。
【0128】
次に、図10に基づいて、分別破砕装置40の分別破砕動作について説明する。
【0129】
まず、ベルトコンベヤ24の搬送面30a上に廃材M,N,P,Sを投入する。このベルトコンベヤ24は、上述したように磁力による選別機能を有しているため、材質が鋼鉄などの磁性を有する廃材Mを、他の廃材N,P,Sから分別することができるようになっている。
【0130】
次に、材質が鋼鉄などの磁性を有する廃材Mが取り除かれた廃材N,P,Sは、蓋部材47の開口部47aより蓋部材47の内部に挿し入れられた、ベルトコンベヤ24の図1中右端部より下方に落下して、ホッパー44の上端部に形成された投入口44bを通り、ホッパー44の内側に投入されるようになっている。
【0131】
そして、廃材N,P,Sは分別破砕装置40のホッパー44の内側に設けられた一次破砕動作部46により、二次破砕動作部62に先立って図10に示すような粗い大きさの廃材に破砕されるようになっている。
【0132】
一次破砕動作部46により破砕された廃材N,P,Sは、ホッパー44の下端口44a及び二次破砕動作部62の周部構造64の投入口部64bを通り、二次破砕動作部62の周部構造64内に落下するようになっている。
【0133】
二次破砕動作部62においては、まず、その回転打撃部材72が、投入口部64bから投入されてきた廃材に激しく衝突して、その廃材を細かく破砕するようになっている。
【0134】
そして、回転する回転打撃部材72に激しく衝突された廃材は、その回転円周方向の接線方向に弾かれ、衝突板74の内側の段差を有する歯面に叩きつけられて破砕されるようになっている。
【0135】
このようにして破砕されるだけでなく、周部構造64の内面や、篩部材76の貫通孔76a、円弧部76bに叩きつけられたり、廃材同士で衝突したりしても、破砕されるようになっている。
【0136】
このとき、廃材を構成する各々の材質や物理特性、すなわち外力によって破壊されにくい性質(靭性)や、材料の延び易い性質(延性)、衝突に対して反発する性質などによって、廃材は二次破砕動作部62による二次破砕後には、その材質や物理特性によって大きさが異なるようになっている。
【0137】
また、周部構造64内に落下した廃材N,P,Sの内で、衝突による反発力が大きい、材質が磁性を有しない金属などの廃材Nは、図9に示すように、二次破砕動作部62の回転打撃部材72により打撃されて、周部構造64の投入口部64bより外側に弾き出され、周部構造64の投入口部64bの軸線の延長方向に設けられたホッパー44のシューター44c内に飛び込むようになっている。
【0138】
このとき、周部構造64の投入口部64bより外側に弾き出された廃材Nのいくつかは、ホッパー44の内側面や、蓋部材47の上板部や側板部の内側面に衝突して跳ね返ったりした後に、ホッパー44のシューター44c内に飛び込むようになっている。
【0139】
シューター44c内に飛び込んだ廃材Nは、重力によりシューター44cと45を滑動してホッパー44の貫通孔44dと外気遮断箱42の貫通孔42aを通って、外気遮断箱42の外側に搬送されて、外気遮断箱42の外側に配置された不図示の貯留箱の内部に貯留されるようになっている。
【0140】
このため、分別破砕装置40の二次破砕動作部62は、図10に示すように、衝突による反発力が大きい廃材Nを、その物理特性の違いにより、他の廃材P,Sから分別することができるようになっている。
【0141】
以上に説明したように分別破砕装置40は、その二次破砕動作部62において、衝突による反発力が大きい、材質が磁性を有しない金属などの廃材Nを、その外側に弾き出すようになっているため、二次破砕動作部62の篩部材76の回転打撃部材72側の内周面上に廃材Nが溜まることがなく、篩部材76の回転打撃部材72側の内周面上に溜まる廃材Nの量が増大することを防止することができる。
【0142】
このため、分別破砕装置40は、上記内周面上に溜まった廃材Nにより、その破砕動作が阻害されることや、過負荷による分別破砕装置40の運転が停止することを防ぎ、その信頼性を向上させることができる。
【0143】
そして廃材P,Sは、分別破砕装置40の二次破砕動作部62において、その物理特性に応じ破砕後の廃材の大きさが異なるように分別破砕されるようになっている。
【0144】
一方、例えば、材質がビニールの紐とか硬化プラスチック製のものなどの廃材Pは、衝撃により破壊や粉砕がされにくかったり、また、衝突による反発力が小さかったりするために、衝撃により破壊や粉砕がされやすい石、礫、コンクリートなどが材質である廃材Sとは異なり、二次破砕動作部62により破砕動作を受けても、所定の径よりも大きい外形寸法を維持する場合が多い。
【0145】
このとき、前記従来技術に係る篩部材20の丸孔20aにおいては、硬化プラスチックなどが材質である廃材Pはその外形寸法がある程度の大きさを保つようになっているため、篩部材20の上面に溜まり目詰まりの要因になっていたのに対して、本実施の形態の分別破砕装置40の、二次破砕動作部62の篩部材76の貫通孔76aは、回転軸66や回転体68の軸線方向に長さを有して開口しているため、その外形形状がある程度の大きさであっても、篩部材76の上面に溜まることなく、篩部材76の貫通孔76aを通過して落下するようになっている。
【0146】
このため、廃材の材質が硬化プラスチックなどであっても、篩部材76の貫通孔76aの開口面積を前記従来技術に係る篩部材20の丸孔20aの開口面積より大きくすることができるため、篩部材76の目詰まりの発生を防ぐことができ、分別破砕装置40の信頼性を向上させることができる。
【0147】
このように、大きさが大小異なるように分別破砕された廃材P,Sは、篩部材76の貫通孔76aからその下方に落下するようになっている。
【0148】
篩部材76の貫通孔76aから落下した廃材P,Sは、ベルトコンベヤ88の搬送面に載置される。そして、ベルトコンベヤ88により分別破砕装置40から回転篩分別機構90に搬送されるようになっている。
【0149】
次に、廃材P,Sは、図8に示すように、ベルトコンベヤ88の搬送面から回転篩分別機構90の篩部材92の開口端部92aに投入され、回転篩分別機構90の篩部材92内に入るようになっている。
【0150】
そして廃材P,Sは、軸部材94と一体的に回転する篩部材92により撹拌されて、その外形寸法が篩部材92の貫通孔92bより小さい、石や礫、コンクリートなどが材質である廃材Sは、篩部材92の貫通孔92bからその下側に落下するようになっている。
【0151】
また、外形寸法が篩部材92の貫通孔92bより大きい、ビニールの紐とか硬化プラスチック製のものなどの廃材Pは、篩部材92の開口端部92cからその下側に落下するようになっている。
【0152】
このため、回転篩分別機構90は、図10に示すように、分別破砕装置40からの廃材を、その大きさの大小によって大きく2つに分別することができるようになっている。
【0153】
このような本発明の第1の実施の形態に係る分別破砕装置40によれば、その破砕動作が阻害されるのを防止してその信頼性を向上させることができると共に、被破砕物の材質や物理特性によって被破砕物を容易に分別できるようにすることにより、被破砕物を再利用し易くすることができる。
【0154】
次に、図11及び図12は、本発明の第2の実施の形態に係る分別破砕装置100について説明するために参照する図である。
【0155】
本実施の形態に係る分別破砕装置100の説明は、従来の破砕装置1や前記第1の実施の形態に係る分別破砕装置40と同様の部品には同じ符号を付して説明し、その構成の説明が従来の破砕装置1や前記第1の実施の形態に係る分別破砕装置40と重複する同じ内容となる場合は、その重複する同じ内容の説明は一部を除き省略するものとする。
【0156】
本実施の形態に係る分別破砕装置100は、図11に示すように、ベルトコンベヤ102の長さ方向が二次破砕動作部62の回転軸66の軸線方向に対して略平行に配置され、このベルトコンベヤ102(搬送分別手段)のコンベヤベルト30から落下した廃材は、投入用シューター108(搬送分別手段)を介してホッパー104内に投入されるようになっている点において、前記第1の実施の形態に係る分別破砕装置40とは異なるものである。
【0157】
また、本実施の形態に係る分別破砕装置100は、ホッパー104の投入口44bを覆うように配置された、蓋部材106の側板部の内側にシューター110(ガイド部、移動方向分別手段)が設けられると共に、このシューター110を蓋部材106の側板部の外側に延長するようにシューター112(ガイド部、移動方向分別手段)が設けられている点において、前記第1の実施の形態に係る分別破砕装置40とは異なるものである。
【0158】
本実施の形態に係る分別破砕装置100は、図11に示すように、外気遮断箱42と、この外気遮断箱42の内部上側に設けられ、その一部が外気遮断箱42の上板部を貫通して上方外側に突出したホッパー104と、このホッパー104の上方に配置された蓋部材106と、ホッパー104内に収納された一次破砕動作部46と、外気遮断箱42内でホッパー104の下方に配置された二次破砕動作部62と、この二次破砕動作部62の外側に配置されたシューター110,112を備えるようになっている。
【0159】
本実施の形態に係る分別破砕装置100は、さらに、外気遮断箱42及びホッパー104の上方に設けられた、磁力による選別機能を有するベルトコンベヤ102と、蓋部材106の側板部から一部が外側に貫通して突出してその突出部がベルトコンベヤ102の下方に配置された投入用シューター108と、外気遮断箱42の側板部から一部が外側に貫通して突出したベルトコンベヤ88(搬送手段)を備えるようになっている。
【0160】
分別破砕装置100のホッパー104は、図11に示すように、その側板部の傾斜面の内側にシューター44cが設けられていない点、及びその側板部の内側面から外側面に貫通する貫通孔44dが設けられていない点において、前記第1の実施の形態におけるホッパー44とは異なるものである。
【0161】
図11に示すように、ホッパー104の上方には、図中下方に開口した内部空間を有する箱状に形成された蓋部材106が、ホッパー104の上端部に形成された投入口44bを覆うように配置されている。
【0162】
この蓋部材106は、その図中上方の略矩形状の上板部の外周縁部を図中下方に向かって略垂直に折り曲げることにより4つの側板部が形成されており、この側板部はホッパー104の上端部に互いの端面同士を突き合わせるように当接し、これらの当接部分は溶接等により互いに接合されるようになっている。
【0163】
このため、図11に示すように、分別破砕装置100は、ホッパー104の側板部の内側面と、蓋部材106の上板部及び側板部それぞれの内側面により内部に構成された、内部空間を有するようになっている。
【0164】
図12に示すように、蓋部材106の、周部構造64の投入口部64bの傾斜した側板部の略延長方向に形成される、図中左側板部の内側には、シューター110が一体的に設けられている。
【0165】
このシューター110は、前記第1の実施の形態におけるシューター44cと同様に、その断面が直角に折れ曲った2つの辺部からなるL字状に形成され、その一方の水平に配置された辺部の先端部が、蓋部材106の左側板部の内側に当接して接合され、他方の辺部の先端部が上方(図12中紙面手前側)に伸びるように配置されている。
【0166】
このため、シューター110の上記一方の水平に配置された辺部の両側部には、シューター110の上記先端部が上方に伸びる他方の辺部と、蓋部材106の左側板部の内側面とが配置されるようになっており、上記両側部の間に凹部(滑動部)が形成されるようになっている。
【0167】
このシューター110は、図12に示すように、蓋部材106の左側板部の内側面に設けられており、図中上下方向にその長さを有するようになっていて、その長さ方向の両端部のそれぞれが、左側板部の内側面に隣接する下側板部の内側面と、上側板部の内側面のそれぞれに当接するようになっている。
【0168】
そして、シューター110は、図11に示すように、その右端部が左端部よりも上方の位置に来るように傾斜して配置されている。
【0169】
そして、蓋部材106には、シューター110の図11中左端部が当接した部分に、シューター110の凹部の内側の断面形状に対応するような形状で、蓋部材106の内側面から外側面に貫通する貫通孔106bが形成されている。
【0170】
このため、蓋部材106のシューター110は、その凹部内に投入された廃材を重力により図11中右方から左方に向かって滑動させることができるようになっている。また、蓋部材106は、貫通孔106bを通過させることにより廃材を蓋部材106の外側に排出することができるようになっている。
【0171】
また、図11に示すように、蓋部材106の左側板部の外側面には、蓋部材106の内側のシューター110を外側に向かって延長するように、もう一つのシューター112が、その長さ方向(図中左右方向)の右端部を蓋部材106に一体的に接合させている。
【0172】
このシューター112は上方に凹部(滑動部)を有するコの字状に形成されており、蓋部材106のシューター110と同様に、その右端部が左端部よりも上方の位置に来るように傾斜して配置されている。
【0173】
このため、シューター112は、貫通孔106bにより蓋部材106の外側に排出された廃材を重力により図中左方に滑動させることができるようになっている。
【0174】
このように蓋部材106のシューター110の凹部内に投入された廃材は、シューター110,112を介して、他の廃材とは異なる方向に移動することができるようになっている。
【0175】
そして、蓋部材106は、その図11中左側板部に開口部106aが形成されており、後述する投入用シューター108の図11中左端部が、その開口部106aより蓋部材106の内部に挿し入れられるようになっている。
【0176】
このシューター112は上方に凹部(滑動部)を有するコの字状に形成されており、その右端部が左端部よりも上方の位置に来るように傾斜して配置されている。
【0177】
図11に示すように、蓋部材106の右方に、図1に示す前記第1の実施の形態におけるベルトコンベヤ24と同様の構成の、磁力による選別機能を有するベルトコンベヤ102が設置されている。
【0178】
このベルトコンベヤ102は、図11に示すように、その長さ方向が、二次破砕動作部62の回転軸66の軸線方向(図中左右方向)に対して略平行方向で、かつ水平方向に対して所定の角度の方向に配置されるようになっている。
【0179】
このベルトコンベヤ102は、投入用シューター108の図11中右端部の上方に配置されたプーリ26と、このプーリ26に対して図中右下方に配置された不図示のプーリ28(図15参照)と、これらのプーリ26,28に掛け回されるコンベヤベルト30により構成されるようになっている。
【0180】
そして、ベルトコンベヤ102は、前記従来の破砕装置1に用いられたベルトコンベヤ24と同様の動作をするようになっている。
【0181】
このようなベルトコンベヤ102のコンベヤベルト30から落下した、材質が鋼鉄などの磁性体の廃材は、外気遮断箱42の外側に配置された不図示の貯留箱の内部に貯留されるようになっている。
【0182】
また、材質が鋼鉄などの磁性体の廃材以外の、種々の非磁性体の材質の廃材は、プーリ26による磁力の作用を受けても、コンベヤベルト30の搬送面30a上に吸着されないため、上記材質が鋼鉄などの磁性体の廃材のようにプーリ26の下側に回り込んで少しの間搬送されることはなく、コンベヤベルト30の図11中左端部から落下して、投入用シューター108の凹部内に投入されるようになっている。
【0183】
そして、投入用シューター108は、その凹部内に投入された廃材を重力により図11中右方から左方に向かって滑動させることができるようになっている。また、投入用シューター108は、開口部106aを通過させることにより廃材をホッパー104内に投入することができるようになっている。
【0184】
このような本実施の形態に係る分別破砕装置100によれば、前記第1の実施の形態に係る分別破砕装置40と同様に、その破砕動作が阻害されるのを防止してその信頼性を向上させることができると共に、被破砕物の材質や物理特性によって被破砕物を容易に分別できるようにすることにより、被破砕物を再利用し易くすることができる。
【0185】
また、本実施の形態に係る分別破砕装置100においては、ベルトコンベヤ102の長さ方向が、二次破砕動作部62の回転軸66の軸線方向に対して略平行に配置されることにより、ベルトコンベヤ102において分別される材質が鋼鉄などの磁性を有する廃材Mと、前記シューター110により分別される材質が磁性を有しない金属などの廃材Nとが、混ざり合うことを防止することができる。
【0186】
なお、前記第1の実施の形態においては、分別破砕装置40に投入される廃材として、石や礫、コンクリート、木材、ガラス、プラスチック、水道管の蛇口などの金属片、紙などの種々の材質の廃材を混在させたものを挙げて説明したが、分別破砕装置40に投入される廃材はこれに限定されるわけではない。
【0187】
例えば、分別破砕装置40に投入される廃材をその端面が20センチ角や30センチ角等の木くずのみに限定して、分別破砕装置40により木くずを破砕すると共に、上記木くず中に混入した非鉄金属などを分別するようにしてもよい。
【0188】
さらに、前記第1の実施の形態においては、廃材を分別破砕装置40により分別したり破砕したりするようになっていたが、廃材以外のものを分別したり破砕したりするようになっていてもよい。
【0189】
また、前記第1の実施の形態においては、分別破砕装置40と回転篩分別機構90が互いに分離されている場合について説明したが、分別破砕装置40における二次破砕動作部62の下方に回転篩分別機構90を配置して、分別破砕装置40と回転篩分別機構90を構造上一体的に構成してもよい。
【0190】
また、前記第1の実施の形態においては、シューター44cはその断面がL字状に形成された2つの辺部とホッパー44の内側の傾斜面とにより、その内側に凹部が形成されるようになっていたが、周部構造64の投入口部64bより外側に弾き出された廃材をそれ以外の廃材と分別することができるようになっていれば、他のどのような構成になっていてもよい。また、この点においてはシューター45及び前記第2の実施の形態におけるシューター110,112も同様である。
【0191】
例えば、シューター44cはホッパー44の内側面に複数配置されていてもよく、ホッパー44の他の内側面に形成されるようになっていてもよい。またシューター44cは、ホッパー44の内側面ではなくその上端部、或は他の部材に設けられていてもよい。
【0192】
また、前記第1の実施の形態においては、外気遮断箱42の貫通孔42aとシューター45が設けられ、これらを介して材質が鋼鉄などの磁性を有する廃材は外気遮断箱42外側に排出するようになっていたが、これらの外気遮断箱42の貫通孔42aとシューター45を設けずに、外気遮断箱42内のホッパー44外側に材質が鋼鉄などの磁性を有する廃材を排出して、外気遮断箱42内に設けられた貯留箱に貯留するようになっていてもよい。
【0193】
また、前記第1の実施の形態においては、一次破砕動作部46の回転破砕歯50は3枚の歯が形成された場合について説明したが、回転破砕歯50は5枚の歯などの他の枚数が形成されたものであってもよい。また、二次破砕動作部62の回転体68やピン70、回転打撃部材72なども、前記第1の実施の形態以外の他の複数のものにより構成されるようになっていてもよい。
【0194】
また、前記第1の実施の形態においては、ホッパー44内部の下端口44aの上方の位置に、固定歯48と回転破砕歯50により構成された一次破砕動作部46が設けられ、ホッパー44内に貯留された廃材を一定量ずつ粗い大きさの廃材に破砕するために用いられるようになっていたが、一次破砕動作部46は粗い大きさの廃材に破砕することができるようになっていればよく、上記のような固定歯48と回転破砕歯50の構成に限定する必要はない。
【0195】
また、ホッパー44に投入される廃材が前もって破砕されているような場合や、廃材があまり大きくない場合には、分別破砕装置40に一次破砕動作部46を設けない構成にしてもよい。
【0196】
また、前記第1の実施の形態においては、ホッパー44は、その内側に徐々にその水平開口断面積が縮小するような、逆さの四角錐台形の空間を有するように形成されていたが、この形状に限定する必要はない。
【0197】
また、前記第1の実施の形態においては、ホッパー44の上端部及び蓋部材47は、外気遮断箱42の外側に配置されるようになっていたが、これらを外気遮断箱42の内側に配置したり、外気遮断箱42と蓋部材47を一体的に設けた構成にしてもよい。
【0198】
また、前記第1の実施の形態においては、特に言及していないが、廃材がホッパー44に貯留される量が多すぎると、二次破砕動作部62の回転打撃部材72により打撃されて廃材が周部構造64の投入口部64bよりホッパー44の内側に弾き出されないので、ホッパー44内の廃材の貯留量を調整する必要がある。
【0199】
このようなホッパー44内の廃材の貯留量を調整するための手段としては、ベルトコンベヤ24のコンベヤベルト30の周回運動の速度を調整したり、ホッパー44内に投入された廃材が一定量を超えた際に信号を出力するセンサを設けてベルトコンベヤ24の動作を制御したりすること等が考えられる。
【0200】
また、前記第1の実施の形態においては、ベルトコンベヤ24,88により廃材が搬送されるようになっていたが、搬送に用いるものはこれらのベルトコンベヤ24,88に限定する必要はなく、分別破砕装置40に投入される前に材質が鋼鉄などの磁性を有する廃材Mを取り除くことができるようになっていれば、貯留箱を用いたりしてもよく、或は手動により搬送するようになっていてもよい。
【0201】
また、前記第1の実施の形態においては、ベルトコンベヤ24はホッパー44側のプーリ26の内部に不図示の磁石を有するようになっていたが、磁力による選別機構(選別機)を有するようになっていれば、他の構成になっていてもよい。
【0202】
また、前記第1の実施の形態においては、二次破砕動作部62により破砕された廃材は、回転篩分別機構90により分別されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、廃材の外形寸法の大きさの違いにより分別することができるようなものであれば、回転篩分別機構90以外のどのようなものでもよい。
【0203】
また、前記第1の実施の形態においては、スプロケット54,56とチェーン58を用いた場合について説明したが、それらの代わりにプーリとベルトを用いたものや、その他のどのような回転伝達手段を用いてもよい。
【符号の説明】
【0204】
1 破砕装置
2 ホッパー
2a 下端口
2b 投入口
4 一次破砕機構
6 第1固定歯
8 第1回転破砕歯
10 回転軸
12 二次破砕機構
14 第2固定歯
14a 歯先
16 第2回転破砕歯
16a 歯先
17 支持体
18 回転軸
20 篩部材
20a 丸孔
20b 円弧部
20c フランジ部
22 貯留箱
24 ベルトコンベヤ
26,28 プーリ
30 コンベヤベルト
30a 搬送面
32 分別板部
34 貯留箱
40 分別破砕装置
42 外気遮断箱
42a 貫通孔
44 ホッパー
44a 下端口
44b 投入口
44c シューター
44d 貫通孔
45 シューター
46 一次破砕動作部
47 蓋部材
47a 開口部
48 固定歯
50 回転破砕歯
52 回転軸
54,56 スプロケット
58 チェーン
60 モーター
62 二次破砕動作部
64 周部構造
64a 開口部
64b 投入口部
66 回転軸
68 回転体
68a 孔
70 ピン
72 回転打撃部材
72a 取付部
72b 打撃部
72c 貫通孔
74 衝突板
76 篩部材
76a 貫通孔
76b 円弧部
76c フランジ部
78 軸受
80,82 スプロケット
84 チェーン
86 モーター
86a 駆動軸
88 ベルトコンベヤ
90 回転篩分別機構
92 篩部材
92a 開口端部
92b 貫通孔
92c 開口端部
94 軸部材
96 連結部材
100 分別破砕装置
102 ベルトコンベヤ
104 ホッパー
106 蓋部材
106a 開口部
106b 貫通孔
108 投入用シューター
110,112 シューター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その内部に貯留した被破砕物を下方に落下させる下端口を有するホッパーと、
前記ホッパーの下方に配置されて被破砕物を回転打撃部材により破砕する破砕動作部と、
前記破砕動作部の外側に配置され前記回転打撃部材により打撃されて破砕されずに弾き出された被破砕物を他の被破砕物と異なる方向に移動するように分別する移動方向分別手段と
を備えたことを特徴とする分別破砕装置。
【請求項2】
前記移動方向分別手段は、被破砕物が重力により滑動できるよう傾斜したガイド部が前記破砕動作部の外側に配置されると共に、前記ガイド部に沿って滑動した被破砕物が他の被破砕物と異なる方向に移動するようにして分別されることを特徴とする請求項1に記載の分別破砕装置。
【請求項3】
前記ガイド部は前記ホッパーの内側に配置されたことを特徴とする請求項2に記載の分別破砕装置。
【請求項4】
前記ホッパーの上方に前記ホッパーの上端部に設けられた投入口を覆う蓋部材が配置され、
前記ガイド部は前記蓋部材の内側に配置されたことを特徴とする請求項2に記載の分別破砕装置。
【請求項5】
前記破砕動作部は、
前記回転打撃部材が相対回転可能に取り付けられた回転体と、
前記回転打撃部材により打撃された被破砕物と衝突する衝突板と、
その半径の中心が前記回転体の回転中心と略同一の半円筒状に形成され、篩孔が複数形成された篩部材と
を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の分別破砕装置。
【請求項6】
前記篩孔は、前記回転体の軸線と平行方向に長さを有する長方形状に形成されたことを特徴とする請求項5に記載の分別破砕装置。
【請求項7】
前記ホッパー内に配置され前記破砕動作部により被破砕物が破砕される前に被破砕物を破砕する前破砕動作部を備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の分別破砕装置。
【請求項8】
搬送途中で磁力により被破砕物を分別して残った他の被破砕物を前記ホッパー内に搬送する搬送分別手段を備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の分別破砕装置。
【請求項9】
前記破砕動作部により破砕された被破砕物を、回転する篩部材を用いて大きさの大小によって分別する回転篩分別機構を備えたことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の分別破砕装置。
【請求項10】
その内部に貯留した被破砕物を下方に落下させる下端口を有するホッパーと、
前記ホッパーの下方に配置されて被破砕物を回転打撃部材により破砕する破砕動作部と、
前記破砕動作部の外側に配置され前記回転打撃部材により打撃されて破砕されずに弾き出された被破砕物を他の被破砕物と異なる方向に移動するように分別する移動方向分別手段と
を備えた分別破砕装置を用いた分別破砕方法であって、
前記ホッパーに被破砕物が投入されるステップと、
前記破砕動作部が被破砕物を破砕すると共に、前記回転打撃部材により打撃された被破砕物が前記破砕動作部の外側に弾き出されるステップと、
前記弾き出された被破砕物が前記移動方向分別手段により他の被破砕物から分別されるステップと
を備えたことを特徴とする分別破砕方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−91006(P2013−91006A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232830(P2011−232830)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(593012158)岡野興産株式会社 (4)
【Fターム(参考)】