説明

分析装置および分析方法

【課題】被験者の血糖値を採血することなく測定すること。
【解決手段】被験者の皮膚の抽出部位を介して抽出される組織液を保持する組織液保持部と、前記組織液保持部に抽出された組織液に含まれる所定の成分の量に関する値を取得する成分量取得部と、前記皮膚の抽出部位に電力を供給して得られる電気的情報を取得する電気的情報取得部と、前記成分量取得部によって取得される値を、前記電気的情報取得部によって取得される電気的情報に基づいて、被験者の体内の組織液に含まれる所定の成分の濃度に換算する成分濃度取得部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被験者の組織液に含まれる成分の濃度を測定する装置と方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、被験者から抽出した血液や組織液に含まれる成分の濃度を測定する装置や方法が知られている。このような装置や方法として、例えば、被験者から抽出した血液や組織液に含まれるグルコースの濃度を測定する装置(血糖値測定装置)や方法(血糖値測定方法)が知られている。
【0003】
血糖値を測定する方法として、ランセット機構(例えば、特許文献1参照)により指先から採取した血液を血中グルコース試験紙を用いて測定する方法がある。また、このような方法を実行するための装置も市販されている。
しかし、上記装置は、被験者の指先に針を刺して血液を採取するため、被験者に苦痛を与える。特に、糖尿病患者は、毎食前30分ぐらいに上述のような血糖測定を行わなければならず、その苦痛は非常に大きい。
このような被験者の苦痛を軽減するための方法として、電気エネルギーを皮膚に付与することによって経皮的にグルコースを抽出するリバースイオントフォレシス法によるグルコース抽出方法が知られている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
【0004】
また、リバースイオントフォレシス法を利用してグルコースを抽出し、血糖値を測定する装置もまた、一般に販売されている。
しかし、リバースイオントフォレシス法を利用する場合、グルコースは体内から皮膚を介して抽出されるため、皮膚の状態によってグルコースの抽出量が変動するという問題がある。これを解消するため、1日1回程度、採血して測定した血糖値を用いて装置のキャリブレーションを行う必要がある。従って、採血により被験者は苦痛を感じることになる。
また、指先に光を照射して得られる光学的情報を利用して血糖値を測定する装置(例えば、特許文献4参照)も知られているが、これにもキャリブレーションのための採血が必要で、しかも、測定精度が十分でないという問題があった。
【特許文献1】米国特許第6,607,543号明細書
【特許文献2】米国特許第5,279,543号明細書
【特許文献3】国際公開第96/000110号パンフレット
【特許文献4】米国特許第6,149,588号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、被験者に与える苦痛を軽減した、被験者の体内の組織液に含まれる成分の濃度の分析方法および分析装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、被験者の皮膚の抽出部位を介して抽出される組織液を保持する組織液保持部と、前記組織液保持部に抽出された組織液に含まれる所定の成分の量に関する値を取得する成分量取得部と、前記皮膚の抽出部位に電力を供給して得られる電気的情報を取得する電気的情報取得部と、前記成分量取得部によって取得される値を、前記電気的情報取得部によって取得される電気的情報に基づいて、被験者の体内の組織液に含まれる所定の成分の濃度に換算する成分濃度取得部とを備える分析装置を提供するものである。
【0007】
前記成分濃度取得部は、前記電気的情報から前記抽出部位の電気抵抗を算出し、前記成分量取得部によって取得される値を、前記電気抵抗に基づいて、被験者の体内の組織液に含まれる所定の成分の濃度に換算するようにしてもよい。
前記電気的情報取得部は、第1電極と、第2電極と、第3電極と、前記第1、第2および第3電極に接続される電源とを備え、前記成分濃度取得部は、前記第1電極と前記第2電極とを流れる電流を供給して得られる第1電気的情報と、前記第1電極と前記第3電極とを流れる電流を供給して得られる第2電気的情報と、前記第2電極と前記第3電極とを流れる電流を供給して得られる第3電気的情報と、から前記抽出部位の電気抵抗を算出するようにしてもよい。
【0008】
前記第1電極は、前記組織液保持部に配置され、前記電源が、前記第1電極と、前記皮膚と、前記第2電極とを流れる電流を供給することによって、前記組織液が前記組織液保持部に抽出されるようにしてもよい。
前記第1電極は、前記組織液保持部に配置され、前記第2電極と第3電極とを電気的に分離して備え、被験者の手によって保持される保持ユニットをさらに備えてもよい。
【0009】
前記成分量取得部によって取得される値は、前記組織液保持部に前記所定の成分が抽出される速度であってもよい。
前記組織液保持部は、抽出された組織液を保持するための保持物質を備え、前記皮膚の抽出部位は、表皮であり、かつ、前記保持物質と接触している部位であってもよい。
前記所定の成分がグルコースであってもよい。
【0010】
この発明は別の観点から、被験者の皮膚の抽出部位を介して抽出される組織液を保持する組織液保持部と、組織液保持部に抽出された組織液に含まれる所定の成分の量に関する値と、前記抽出部位の電気抵抗値とを取得し、前記量に関する値を、前記電気抵抗値に基づいて被験者の体内の組織液に含まれる所定の成分の濃度に換算する制御部と、を含む分析装置を提供するものである。
前記制御部は、前記抽出部位に電流を供給することによって得られる電流値をさらに取得し、前記量に関する値を、前記電気抵抗値と前記電流値とに基づいて被験者の体内の組織液に含まれる所定の成分の濃度に換算するようにしてもよい。
前記皮膚に所定の大きさの電圧を印加する定電圧電源をさらに備え、前記制御部は、前記電源が前記皮膚に電圧を印加することによって得られる電流の大きさに基づいて前記電気抵抗値を取得するようにしてもよい。
【0011】
前記皮膚に所定の大きさの電流を供給する定電流電源をさらに備え、前記制御部は、前記電源が前記皮膚に電流を供給することによって得られる電圧の大きさに基づいて前記電気抵抗値を取得するようにしてもよい。
前記所定の成分がグルコースであってもよい。
【0012】
この発明は、さらに別の観点から、被験者の体内から皮膚の抽出部位を介して組織液を抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップで抽出された組織液に含まれる所定の成分の量に関する値を取得する成分量取得ステップと、前記皮膚の抽出部位に電力を供給して得られる電気的情報を取得する電気的情報取得ステップと、前記成分量取得ステップにおいて取得された値を、前記電気的情報取得部によって取得された電気的情報に基づいて、被験者の体内の組織液に含まれる所定の成分の濃度に換算する成分濃度取得ステップとを含む分析方法を提供するものである。
【0013】
この発明は、さらに別の観点から、被験者の体内から皮膚の抽出部位を介して組織液を抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップで抽出された組織液に含まれる所定の成分の量に関する値と、前記抽出部位の電気抵抗値とを取得する取得ステップと、前記量に関する値を、前記電気抵抗値に基づいて被験者の体内の組織液に含まれる所定の成分の濃度に換算する成分濃度取得ステップとを含む分析方法を提供するものである。
【0014】
この発明は、さらに別の観点から、被験者の皮膚の抽出部位を介して抽出される組織液を保持する組織液保持部と、前記組織液保持部に抽出された組織液に含まれるグルコース量に関する値を取得するグルコース量取得部と、前記皮膚の抽出部位に電力を供給して得られる電気的情報を取得する電気的情報取得部と、前記グルコース量に関する値を、前記電気的情報取得部によって取得される電気的情報に基づいて、血糖値に換算する血糖値取得部とを備える血糖値測定装置を提供するものである。
【0015】
この発明は、さらに別の観点から、被験者の皮膚の抽出部位を介して抽出される組織液を保持する組織液保持部と、組織液保持部に抽出された組織液に含まれるグルコース量に関する値と、前記抽出部位の電気抵抗値とを取得し、前記グルコース量に関する値を、前記電気抵抗値に基づいて血糖値に換算する制御部と、を含む血糖値測定装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、採血をすることなく体内の組織液に含まれる所定の成分の濃度を取得する分析装置および分析方法が提供されるので、被験者に与える苦痛を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、図面に基づいてこの発明の装置と方法の一実施例を詳述する。これによって、この発明が限定されるものではない。図1は被験者の手首に装着された血糖値測定装置の斜視図、図2は手首から取りはずした状態の血糖値測定装置の斜視図、図3は血糖値測定装置の構成を示す構成説明図である。
血糖値測定装置1は、図1、図2に示すようにハウジング18、ハウジング18を被験者の手首に腕時計のように装着するためのバンド19と、バンド19を手首に適度に締め付けるための固定具20とを備え、入力部14と表示部15はハウジング18の上面に設けられている。
ここで、被験者とは、主としてヒトである。
図3に示すように、血糖測定装置1は、チャンバー2、チャンバー2に生理食塩水3を供給するためのシリンジ2a、チャンバー2に設けられたグルコースセンサ4、電極5、電極6、電極7、電極6、7の表面にそれぞれ付着するゲル状部材8、9、定電流電源11、定電圧電源12、電源11、12の出力を切換えて電極5、6、7に印加するスイッチ回路13、電源11と12の出力を測定する電圧測定部16と電流測定部17、電源11と12の出力およびスイッチ回路13の動作を制御すると共に、グルコースセンサ4の出力と電圧測定部16と電流測定部17の出力を受けて血糖値を解析する制御・解析部10、制御・解析部10に測定の開始指令や必要な測定条件を入力する入力部(キースイッチ)14、および、制御・解析部10の解析結果(例えば血糖値)を表示する表示部(LCD)15を備える。チャンバー2は、血糖測定装置1の使用前は乾燥状態であり、血糖測定装置1の使用時にシリンジ2aから生理食塩水3が供給される。
【0018】
電極6、7用のゲル状部材8、9は図2に示すようにバンド19の裏面に設けられ、チャンバー2はハウジング18の裏面に設けられ、バンド19を手首に締付けた時に、ゲル状部材8、9とチャンバー2とが、表皮100(図3)に密着し、チャンバー2が抽出部位Aに、電極6、7が部位B、Cにそれぞれ配置される。抽出部位Aは表皮100であり、かつ、チャンバー2内に供給される生理食塩水3と接触している部位である。抽出部位BおよびCは表皮100であり、かつ、それぞれゲル状部材8および9と接触している部位である。
【0019】
シリンジ2aと、グルコースセンサ4と、電極5と、電源11、12と、スイッチ回路13と、電圧測定部16と、電流測定部17と、制御・解析部10とは、ハウジング18の内部に収容されている。
ここで、グルコースセンサ4は、チャンバー2に供給された生理食塩水3中のグルコース濃度を検出するためのセンサであり、これには、例えば、米国特許公開第2003−225322に記載されているチップと半導体レーザとフォトダイオードとを用いることができる。また、電極5、6、7にはカーボン電極又は銀塩化銀電極が用いられる。
【0020】
ゲル状部材8、9には、ここではポリアクリル酸を不織布に付着させたものが用いられる。制御・解析部10は、CPU、ROM、RAMなどを含むマイクロコンピュータを用いて構成され、定電流電源11と定電圧電源12は、それぞれ内蔵するバッテリにトランジスタ定電流回路およびトランジスタ定電圧回路を組合せて構成される。スイッチ回路13はスイッチング素子を組合せた回路で構成される。
【0021】
ここで、血糖値測定装置1に採用されている測定原理について説明する。
血液中のグルコース濃度(血糖値)Cを経皮的に、つまり表皮の外から測定するためには、まず、皮膚の外面に抽出用の物質(例えば生理食塩水)を接触させ、抽出用物質へ表皮を介して抽出される組織液に含まれるグルコースの抽出速度Jと、グルコースの表皮に対する透過率Pとを求める。グルコース抽出速度Jは、拡散の原理により、
J=S×C×P・・・(1)
(但し、Sはグルコースが抽出される部位の面積)で表されるから、
血糖値Cは式(1)から
C=J/(S×P)・・・(2)
として算出されることになる。
なお、皮膚を介して抽出される組織液とは、動物体の組織液中に毛細血管から浸出した体液である。ここで、グルコース抽出速度Jとは、チャンバー2に抽出されたグルコース量に関する値であり、グルコースをチャンバー2内に抽出するための電流の供給開始から所定時間(T)経過後のチャンバー2内のグルコース量を、所定時間(T)で割ることによって得られる。
【0022】
また、本実施例において血糖値Cは、被験者の体内の組織液に含まれるグルコースの濃度に等しい。
なお、血糖値Cが被験者の体内の組織液に含まれるグルコースの濃度とほぼ等しいことが知られており、例えば、臨床検査39(8):894−897,1995 連続血糖測定装置 菊地 眞に記載されている。
【0023】
式(2)において、抽出速度Jは公知のグルコースセンサを用いて抽出グルコース量を計測すれば、容易に算出可能である。
そこで、この実施例では、式(2)の残りの変数、つまり透過率Pを採血することなく求める方法を検討し、透過率Pが皮膚の電気伝導度(コンダクタンス)k(すなわち、電気抵抗値の逆数)およびグルコースの抽出に用いられる電流の大きさの関数で表されることを見出し、その関数を実験的に求めている。
【0024】
図4〜図6は、抽出部位Aにおける電気伝導度kを取得する方法を示す等価回路図である。図4〜図6に示すように部位A、B間と、部位A、C間と、部位B、C間にそれぞれ一定の大きさの直流電流(定電流)を流して各電圧値を測定する。次に、各電圧値をそれぞれ定電流の大きさで割ることによって電気抵抗値Rab、Rac、およびRbcを算出する。ここで、Rabは、部位Aの電気抵抗Ra、部位Bの電気抵抗Rb、および表皮100よりも体内側の組織200の部位Aから部位Bまでの電気抵抗Rdの和であり、Racは、部位Aの電気抵抗Ra、部位Cの電気抵抗Rc、および組織200の部位Aから部位Cまでの電気抵抗2Rdの和であり、Rbcは、部位Bの電気抵抗Rb、部位Cの電気抵抗Rc、および組織200の部位Bから部位Cまでの電気抵抗Rdの和である。
ここで、表皮100よりも体内側の組織200の電気抵抗は、表皮100の電気抵抗よりも十分に小さいことから、Rd<<Ra+Rb、2Rd<<Ra+Rbであるので、
Rab=Ra+Rb+Rd=Ra+Rb・・・(3)
Rac=Ra+Rc+2Rd=Ra+Rc・・・(4)
Rbc=Rb+Rc+Rd=Rb+Rc・・・(5)
となり、式(3)、(4)、(5)から、部位Aの表皮抵抗Raは、
Ra=(Rab+Rac−Rbc)/2・・・(6)
として求められ、抽出部位Aの表皮の電気伝導度kは
k=1/Ra・・・(7)
として算出される。
なお、抵抗Rab,Rac,およびRbcは、定電圧電源によって、部位A,B間と、部位A,C間と、部位B,C間とにそれぞれ一定の大きさの電圧を印加し、電圧の印加中に定電圧電源から出力されるそれぞれの電流の大きさを測定し、電圧値を、得られた電流値でそれぞれ割ることによって算出してもよい。
【0025】
次に、電気伝導度kとグルコース透過率Pとの関係を実験によって求める。
まず、図4〜図6に示すように部位A、B間と、部位A、C間と、部位B、C間にそれぞれ一定の大きさの直流電流(定電流)を流して各電圧値を測定し、式(6)、(7)を使用して部位Aの電気伝導度kを求める。
また、同じ被験者の部位Aにチャンバー2を載置し、皮膚に電流を流さずにグルコースを抽出(いわゆる、受動拡散抽出)し、そのときのグルコース抽出速度Jをグルコースセンサ4を用いて測定する。
さらに、同じ被験者について、他の血糖値測定装置(たとえば、ニプロフリースタイル(ニプロ株式会社製)を用いて、血糖値Cを測定する。
ここで、式(1)を利用すると、グルコース透過率Pは、P=J/(S×C)で求められる。
このようにして得られた電気伝導度kおよびグルコース透過率Pに対応する点を、電気伝導度kを横軸、グルコース透過率Pを縦軸とする分布図にプロットする。
そして、部位Aを図11に示す微細孔アレイ21(後述する)の微細孔で穿刺することによって部位Aの電気伝導度kを変化させ、複数の電気伝導度kについて、上記のような電気伝導度kおよびグルコース透過率Pの算出を行い、電気伝導度kを横軸、グルコース透過率Pを縦軸とする分布図に算出結果をプロットし、図7に示す特性図を得る。この特性図によって、電気伝導度kとグルコース透過率Pとは比例関係にあることが示される。
すなわち、この特性図から、受動拡散によってグルコースを抽出する場合、グルコース透過率Pは
S・P=ak+b・・・(8)
(a、bは定数)
で表されることが実験的に見出された。
次に、部位Aを流れる電流密度(単位面積当りの電流量)とグルコース透過率Pとの関係を実験的に求める。
被験者の部位Aにチャンバー2を載置し、定電圧電源12によって皮膚に定電圧を印加することによって、チャンバー2内にグルコースを抽出する。そして、定電圧電源12が、定電圧を印加している間に電流測定部17が測定する電流の平均値を算出し、この平均値を部位Aの面積で割ることによって、電流密度Iaveを算出する。
また、同じ被験者について、上記と同様に、グルコース抽出速度Jと血糖値Cとに基づいてグルコース透過率Pを算出する。
次に、定電圧電源12の出力電圧を段階的に変化させることによって、複数の電流密度Iaveについて、上記のような電流密度Iaveおよびグルコース透過度Pの算出を行い、電流密度Iaveを横軸、グルコース透過率Pを縦軸とする分布図に算出結果をプロットし、図8に示す特性図を得る。この特性図から、電流密度Iaveとグルコース透過度Pは、比例関係にあることが示された。
すなわち、図7および図8の特性図から、皮膚に電圧を印加する(または、電流を供給する)ことによってグルコースをチャンバ−2に抽出する場合には、グルコース透過率Pはグルコース抽出時の平均電流をIave,cを定数とすると、
S・P=ak+b+cIave・・・(9)
で表されることが実験的に見出された。
【0026】
その実験を通じて具体的な数値例として、
a=3.6μL/min・mS b=−0.36μL/min,
c=0.011μL/min・μAが得られる。
つまり、式(9)は、S・P=3.6k−0.36+0.011Iave・・・(10)
となる。
従って、式(2)と式(10)から血糖値Cは、
C=J/(3.6k−0.36+0.011Iave)・・・(11)
で表される。
因に、Rab=5kΩ、Rbc=6kΩ、Rac=7kΩ、とすると、
式(6)と(7)からk=0.33〔mS〕となり、
Iave=150μA、J=30ng/minとすると、
式(11)から血糖値Cは、
C=30/(3.6×0.33−0.36+0.011×150)=12.0〔ng/μL〕=120(mg/dL)・・・(12)
として算出される。
図9は或る被験者の30部位について、上記のように、他の血糖値測定装置(たとえば、ニプロフリースタイル(ニプロ株式会社製)を用いて取得された血糖値Cとグルコースセンサ4によって得られるグルコース抽出速度Jに基づいて算出されたグルコース透過率Pと、式(10)からこの実施例の方法で求めたグルコース透過率Yとの相関を示している。
図9から両者はきわめて高い相関を有することが分かる。
【0027】
次に、このような原理を採用した血糖値測定装置1の測定動作を図10のフローチャートを用いて説明する。
なお、制御・解析部10には、前述の演算式(6)、(7)および(11)を使用して血糖値を算出するためのプログラムが予め格納されている。
測定時には、血糖値測定装置1は図1に示すように被験者の手首にしっかり装着され、図3に示すように、グルコースセンサ4と電極を有するチャンバー2と、電極6を有するゲル状部材8と、電極7を有するゲル状部材9が、表皮100の表面の部位A、B、Cにそれぞれ密着するようになっている。装置1の手首への装着に先立って、次のような前処理が施される(ステップS1)。図11は、前処理用の微細針アレイ21を示す斜視図であり、微細針アレイ21の先端面には10mm×10mmの面積内に高さ0.4mm、太さ0.24mmの49本の針が等間隔で突出している、そして、微細針アレイ21を用いて図3の表皮100の表面の部位A、B、Cを複数回穿刺することにより、各部位の表皮に微細孔を形成し皮膚の透過率を向上させるという前処理を行う(ステップS1)。
【0028】
ステップS1において部位A,B,Cに形成された複数の抽出孔22aは、図13に示すように、角質層31および顆粒層32等を貫通し、真皮34の中間付近に達しているが、皮下組織35には達していない。また、抽出孔22aは、皮膚表面における径が最も大きく、皮下組織35に近づくにつれて径が小さくなっている。ステップS1において抽出孔22aが形成されると、矢印Sで示すように、真皮34に充満している体液が抽出孔22a中に滲み出る。なお、この体液には、グルコースが含まれている。
【0029】
アレイ21を皮膚から取り除いた後、ステップS2において、図1に示すように、装置1を被検者の手首に装着し、バンド19によって固定し、シリンジ2aから生理食塩水3をチャンバー2内に供給する。これによって、装置1は、図3に示すように、チャンバー2が部位Aに戴置され、生理食塩水3が部位Aと接触する。
部位Aと接触した生理食塩水3は、図14に示すように、抽出孔22aの内部に流入する。生理食塩水3が抽出孔22aの内部に流入するとステップS1における抽出孔22aの形成によって抽出孔22a中に滲み出ている体液は、図15に示すように、チャンバー2の方向(図15のT方向)に移動する。すると、抽出孔22a中の生理食塩水に対する体液の濃度が低くなるので、矢印Sで示すように、体液が真皮34から抽出孔22a中の生理食塩水3に抽出される。
【0030】
次に、入力部(キースイッチ)14が操作され測定開始指令が制御・解析部10へ入力されると、スイッチ回路13により部位Aの電極5が定電圧電源12の陰極に、部位Bの電極6が定電圧電源12の陽極にそれぞれ接続される(ステップS3)。
【0031】
そして、定電圧電源12から0.8Vの定電圧を供給する、すなわち生体に電場を付与するとともに、電流測定部17(図3)により電流値のモニタリングを行う(ステップS4からS7)。抽出孔22a中の生理食塩水に滲み出た体液は電荷を帯びているので、電源12による電場の付与によって、図16に示すように、チャンバー2の方向(図16のT方向)へ移動が促進される。なお、体液に含まれるグルコースは、電荷を帯びていないが、電荷を帯びている他の成分の移動に伴って移動する。
なお、ステップ1における前処理を施さずに、微細孔が形成されていない皮膚に電圧を印加することによってグルコースの抽出(いわゆるリバースイオントフォレシス法による抽出)を行うようにしてもよい。
【0032】
図12(a)、(b)は、ステップS4からS12における電源11、12の出力電流と出力電圧をそれぞれ示すタイミングチャートである。
定電圧電源12から電極5、6間に図12(b)に示すように期間Tにおいて0.8Vの定電圧が印加され、定電圧電源12の出力電流I(図12(a))が監視されると共に、グルコースセンサ4の出力が監視される(ステップS5、S6)。所定時間T(3分〜5分)が経過すると(ステップS7)、時間Tにおける平均電流値Iaveが算出さ
れる(ステップS8)。この時、取得されたグルコースセンサ4の出力からグルコース抽出量Qの時間的変化率、つまり、グルコース抽出速度Jが
J=Q/T・・・(13)
として算出される(ステップS9)。
【0033】
次に、部位A、B間の抵抗Rabが測定される。つまり、定電流電源11の陰極が電極5に、陽極が電極6に接続され、部位A、B間に図12(a)の期間S10に示すようにグルコース抽出時の平均電流Iaveと同じ大きさの定電流が10秒間供給され、図12(b)に示す期間S10の電圧が測定されて、10秒間の平均電圧Vave1が算出される。そして、Vave1/Iaveから抵抗Rabが算出される(ステップS10)。
【0034】
次に、部位A、C間に抵抗Racが測定される。つまり、定電流電源11の陰極が電極7に、陽極が電極5に接続され、部位A、C間に図12(a)の期間S11に示すようにグルコース抽出時の平均電流Iaveと同じ大きさの定電流が10秒間供給され、図12(b)に示す期間S11の電圧が測定されて、10秒間の平均電圧Vave2が算出される。そして、Vave2/Iaveから抵抗Racが算出される(ステップS11)。
次に、部位B、C間の抵抗Rbc間が測定される。つまり、定電流電源11の陰極が電極7に、陽極が電極6に接続され、部位B、C間に図12(a)の期間S12に示すようにグルコース抽出時の平均電流Iaveと同じ大きさの定電流が10秒間供給され、図12(b)に示す期間S12の電圧が測定されて、10秒間の平均電圧Vave3が算出される。そして、Vave3/Iaveから抵抗Rbcが算出される(ステップS12)。
【0035】
そして、式(6)と式(7)から、抽出部位Aのコンダクタンスkが算出される(ステップS13)。
次に、式(11)より血糖値Cが算出され、算出結果が表示部15に表示される(ステップS14、S15)。このようにして、被験者の体内の組織液に含まれるグルコースの濃度が、キャリブレーションのための採血をすることなく、チャンバー2へのグルコースの抽出速度に基づいて取得される。
ここで、被験者の体内の組織液に含まれるグルコースの濃度は、血糖値とほぼ等しいので、この濃度を血糖値とすることで、血糖値が、キャリブレーションのための採血をすることなく取得される。
従来は、糖尿病患者は、毎日採血する必要があったが、血糖値測定装置1によれば、採血が必要なくなり、被験者の苦痛が軽減される。
なお、上記実施形態の血糖値測定装置1は、抽出部位Aへ電流を流す方法を採用して組織液を抽出しているが、図10のステップS3〜S5を除去することによって、電流を流さずに受動拡散を利用して組織液を抽出してもよい。
【0036】
この場合、制御・解析部10に記憶されるプログラムとしては、式(11)のIaveを0にしたものが記憶される。また、ステップS10〜12において供給される電流の大きさとしては、所定の電流値、例えば、30μAの電流を供給してもよい。
また、上記実施形態の血糖値測定装置1は、微細針アレイ21を使用して前処理を行った後に組織液を抽出するようにしているが、この前処理は必ずしも必要ではない。また、この前処理は、部位Aにのみ行って、部位BおよびCには行わないようにしてもよい。
また、上記実施形態の血糖値測定装置1は、定電流電源11および定電圧電源12として直流電源を用いているが、電源として交流電源を用いるように構成されていてもよい。
交流電源を用いると、直流電源を用いる場合と比べて供給される電流の大きさが安定するという利点があり、抽出部位の電気抵抗をより正確に算出することができる。
【0037】
また、上記実施形態においては、血糖値Cを求めるための式として式(2)を使用しているが、この式(2)のグルコース抽出速度Jに代えてチャンバ2内のグルコース濃度を用いてもよい。
また、上記実施形態においては、被験者の体内の組織液中のグルコース濃度を血糖値とみなしているが、被験者の体内の組織液中のグルコース濃度を血糖値に変換するための補正をおこなってもよい。
また、上記実施形態においては、シリンジ2aからチャンバー2に生理食塩水を供給しているが、チャンバー2に乾燥状態の保水部材(たとえば、メッシュ状のナイロンシート)などを収容しておき、血統測定装置1の使用時に、生理食塩水を含ませた脱脂綿などと保水部材を接触させることによって、チャンバー2に生理食塩水を供給してもよい。
【0038】
また、上記実施形態においては、分析装置の一実施形態として、血糖値を測定するための血糖値測定装置1を説明したが、本発明はこれに限らず、被験者の体内から抽出した組織液に含まれる成分の分析値に基づいて、被験者の体内の組織液中の成分の濃度を取得する分析装置に適用できる。本発明の分析装置が分析可能な成分の濃度としては、生化学成分、および被験者に投与された薬剤の濃度などが挙げられる。これらの成分は、本実施形態と同様にしてチャンバ2内に抽出することができる。そして、チャンバ2内に抽出された成分を分析するためには、例えば、生化学成分の一種であるたんぱく質を分析するためには、ELISA法が、たんぱく質以外の生化学成分および薬剤を分析するためには、IIPLC法が用いられる。そして、これらの分析方法によって得られたチャンバ2内の成分の分析結果を、式(2)のJに当てはめることによって、被験者の体内の組織液中の成分の濃度が取得される。また、式(2)には、上記実施形態と同様に、成分透過度合を示す式として式(9)が代入される。
【0039】
なお、上記たんぱく質としては、アルブミン、グロブリン、および酵素などが挙げられる。また、上記の生化学成分としては、クレアチニン、クレアチン、尿酸、アミノ酸、フルクトース、ガラクトース、ペントース、グリコーゲン、乳酸、ピルビン酸、およびケントン体などが挙げられる。また、上記の薬剤としては、ジギタリス製剤、テオフィリン、不整脈用剤、抗てんかん剤、アミノ酸糖体抗生物質、グリコペプチド系抗生物質、抗血栓剤、および免疫抑制剤などが挙げられる。
【0040】
図17と図18は、他の実施例を示す図1と図2の対応図である。
この実施例では、図3に示すゲル状部材8付きの電極6と、ゲル状部材9付きの電極7とに代えて、図17に示すような2つの電極棒6aと7aを用いる。電極棒6aと7aはアルミニウム製の円筒部材で、中央の絶縁体40(ポリアセタール樹脂製)により、同軸に結合されている。電極棒6aおよび7aは、それぞれケーブル41により血糖値測定装置1のスイッチ回路13(図3)に接続され、使用時には図17に示すように被検者の手で握られ、手のひらに接触し、図3における電極6および7と同等の働きをする。なお、ケーブル41は、それぞれ電極棒6aおよび7aに接続される2本のケーブルから構成されている。
この実施例は、図1に示す実施例に加えて次のような作用効果を奏する。
・部位B,Cを微細針アレイ21によって穿刺する必要がなくなる。
・図3の電極6,7のゲル状部材8,9は、劣化や汚染などのために交換する必要が生じるが、電極棒6a,7aはそのようなゲル状部材の必要がなく、装置の取り扱いが簡単になる。
・手のひらは、腕や手首の皮膚と比べて電流が流れやすいので、小さい電圧でのグルコースの抽出が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明による実施例の装置の装着状況を示す斜視図である。
【図2】この発明による実施例の装置の外観斜視図である。
【図3】この発明による実施例の装置の構成説明図である。
【図4】この発明による皮膚抵抗の測定方法を示す等価回路図である。
【図5】この発明による皮膚抵抗の測定方法を示す等価回路図である。
【図6】この発明による皮膚抵抗の測定方法を示す等価回路図である。
【図7】この発明による電気伝導率に対する透過率の関係を示す特性図である。
【図8】この発明による電流密度に対する透過率の関係を示す特性図である。
【図9】採血法とこの発明による方法で測定した透過率の相関図である。
【図10】この発明による実施例の装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】この発明による実施例に用いる微細針アレイの斜視図である。
【図12】この発明による実施例の装置における電流および電圧のタイミングチャートである。
【図13】この発明において、抽出孔が形成された皮膚の断面を表す模式図である。
【図14】この発明において、生理食塩水が抽出孔に流入した状態の皮膚の断面を表す模式図である。
【図15】この発明において、真皮から抽出孔内に滲み出た体液が、生理食塩水内で拡散している状態の皮膚の断面を表す模式図である。
【図16】この発明において、抽出孔内の生理食塩水に抽出された体液が、電場の付与によって移動している状態の皮膚の断面を表す模式図である。
【図17】この発明の他の実施例の図1対応図である。
【図18】この発明の他の実施例の図2対応図である。
【符号の説明】
【0042】
1 血糖測定装置
2 チャンバー
3 生理食塩水
4 グルコースセンサ
5 電極
6 電極
6a 電極棒
7 電極
7a 電極棒
8 ゲル状部材
9 ゲル状部材
10 制御・解析部
11 定電流電源
12 定電圧電源
13 スイッチ回路
14 入力部
15 表示部
16 電圧測定部
17 電流測定部
18 ハウジング
19 バンド
20 固定具
22a 抽出孔
31 角質層
32 顆粒層等
34 真皮
35 皮下組織
40 絶縁体
41 ケーブル
100 表皮
200 内部組織

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の皮膚の抽出部位を介して抽出される組織液を保持する組織液保持部と、
前記組織液保持部に抽出された組織液に含まれる所定の成分の量に関する値を取得する成分量取得部と、
前記皮膚の抽出部位に電力を供給して得られる電気的情報を取得する電気的情報取得部と、
前記成分量取得部によって取得される値を、前記電気的情報取得部によって取得される電気的情報に基づいて、被験者の体内の組織液に含まれる所定の成分の濃度に換算する成分濃度取得部とを備える分析装置。
【請求項2】
前記成分濃度取得部は、前記電気的情報から前記抽出部位の電気抵抗を算出し、前記成分量取得部によって取得される値を、前記電気抵抗に基づいて、被験者の体内の組織液に含まれる所定の成分の濃度に換算する請求項1記載の分析装置。
【請求項3】
前記電気的情報取得部は、第1電極と、第2電極と、第3電極と、前記第1、第2および第3電極に接続される電源とを備え、
前記成分濃度取得部は、前記第1電極と前記第2電極とを流れる電流を供給して得られる第1電気的情報と、前記第1電極と前記第3電極とを流れる電流を供給して得られる第2電気的情報と、前記第2電極と前記第3電極とを流れる電流を供給して得られる第3電気的情報と、から前記抽出部位の電気抵抗を算出する請求項2記載の分析装置。
【請求項4】
前記第1電極は、前記組織液保持部に配置され、
前記電源が、前記第1電極と、前記皮膚と、前記第2電極とを流れる電流を供給することによって、前記組織液が前記組織液保持部に抽出される請求項3記載の分析装置。
【請求項5】
前記第1電極は、前記組織液保持部に配置され、
前記第2電極と第3電極とを電気的に分離して備え、被験者の手によって保持される保持ユニットをさらに備える請求項3または4記載の分析装置。
【請求項6】
前記成分量取得部によって取得される値は、前記組織液保持部に前記所定の成分が抽出される速度である請求項1〜5のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項7】
前記組織液保持部は、抽出された組織液を保持するための保持物質を備え、
前記皮膚の抽出部位は、表皮であり、かつ、前記保持物質と接触している部位である請求項1〜6のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項8】
前記所定の成分がグルコースである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項9】
被験者の皮膚の抽出部位を介して抽出される組織液を保持する組織液保持部と、
組織液保持部に抽出された組織液に含まれる所定の成分の量に関する値と、前記抽出部位の電気抵抗値とを取得し、前記量に関する値を、前記電気抵抗値に基づいて被験者の体内の組織液に含まれる所定の成分の濃度に換算する制御部と、を含む分析装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記抽出部位に電流を供給することによって得られる電流値をさらに取得し、前記量に関する値を、前記電気抵抗値と前記電流値とに基づいて被験者の体内の組織液に含まれる所定の成分の濃度に換算する請求項9記載の分析装置。
【請求項11】
前記皮膚に所定の大きさの電圧を印加する定電圧電源をさらに備え、
前記制御部は、前記電源が前記皮膚に電圧を印加することによって得られる電流の大きさに基づいて前記電気抵抗値を取得する請求項9または10記載の分析装置。
【請求項12】
前記皮膚に所定の大きさの電流を供給する定電流電源をさらに備え、
前記制御部は、前記電源が前記皮膚に電流を供給することによって得られる電圧の大きさに基づいて前記電気抵抗値を取得する請求項9または10記載の分析装置。
【請求項13】
前記所定の成分がグルコースである、請求項9〜12のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項14】
被験者の体内から皮膚の抽出部位を介して組織液を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップで抽出された組織液に含まれる所定の成分の量に関する値を取得する成分量取得ステップと、
前記皮膚の抽出部位に電力を供給して得られる電気的情報を取得する電気的情報取得ステップと、
前記成分量取得ステップにおいて取得された値を、前記電気的情報取得部によって取得された電気的情報に基づいて、被験者の体内の組織液に含まれる所定の成分の濃度に換算する成分濃度取得ステップとを含む分析方法。
【請求項15】
被験者の体内から皮膚の抽出部位を介して組織液を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップで抽出された組織液に含まれる所定の成分の量に関する値と、前記抽出部位の電気抵抗値とを取得する取得ステップと、
前記量に関する値を、前記電気抵抗値に基づいて被験者の体内の組織液に含まれる所定の成分の濃度に換算する成分濃度取得ステップとを含む分析方法。
【請求項16】
被験者の皮膚の抽出部位を介して抽出される組織液を保持する組織液保持部と、
前記組織液保持部に抽出された組織液に含まれるグルコース量に関する値を取得するグルコース量取得部と、
前記皮膚の抽出部位に電力を供給して得られる電気的情報を取得する電気的情報取得部と、
前記グルコース量に関する値を、前記電気的情報取得部によって取得される電気的情報に基づいて、血糖値に換算する血糖値取得部とを備える血糖値測定装置。
【請求項17】
被験者の皮膚の抽出部位を介して抽出される組織液を保持する組織液保持部と、
組織液保持部に抽出された組織液に含まれるグルコース量に関する値と、前記抽出部位の電気抵抗値とを取得し、前記グルコース量に関する値を、前記電気抵抗値に基づいて血糖値に換算する制御部と、を含む血糖値測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−68492(P2006−68492A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−89180(P2005−89180)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】