説明

切りマーク用生地、切りマーク用シート及び切りマーク接着方法

【課題】オーダーメイドのようにユーザーが好む色彩、絵柄、図形若しくは画像等を施したマークとすることができるとともに、マーク接着部位が蒸れることを防止でき、着心地が非常に良く通気性に優れる切りマークを簡単かつ確実に形成でき、意匠性に優れる製品の高品質を確保することができる切りマーク用生地、切りマーク用シート及び切りマーク接着方法を提供すること。
【解決手段】エステル布からなるマーク用生地11と、このマーク用生地11の片面側に設けられ孔径800〜1000μmの穿孔12aを有するウレタン系樹脂からなる有孔接着層12と、を備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切りマーク用生地、切りマーク用シート及び切りマーク接着方法に関し、特には、体操着、ユニホームのような強制的に且つ頻繁に伸縮する被接着物の生布本体に係着されてこれと共に伸縮し、しかも、洗濯等の状況下においても容易に剥離されることのない取付けに簡便な切りマーク用生地、切りマーク用シート及び切りマーク接着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、野球、サッカーのように複数の選手がチームを構成して競技を行うためにユニホームが好適に用いられている。その際、自らの所属するチームを表すために所定の文字乃至模様でデザインされたマーク地を当該ユニホームに付すのが一般的である。
【0003】
そして、マーク地をユニホームに装着する場合、糸による係着よりもむしろマーク地の裏にラミネートされたホットメルト材を加熱することにより溶融し、マーク地並びにユニホーム本体内に当該ホットメルト剤を含浸させてアンカー効果によって両者を一体化している(特許文献1参照)。
【0004】
このマーク用生地は、主たる前記マーク地が伸縮性を有するナイロン系生地からなるものであり、これは通常、予め染色、プリントなどによって表層にトナーの層を形成して色彩が施こされている。
【特許文献1】特開平1−234238号公報(特許請求の範囲)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載のマーク用生地においては、その製造都合上、色彩が約20種類程度に限定されており、マークを使用するユーザーは、前記限られた色彩の範囲内からしかマークを選択できない。このため、ユーザーのマーク選択の範囲が制限される結果となっている。前記マーク用生地に対し自由にユーザーが好む色彩、模様、図形若しくは画像等を施すことができないという問題があった。
【0006】
また、前記マーク地と前記ユニホームの生地とを同一の素材とすると美感性に優れるところ、マーク用生地の製造メーカとユニホームなどの被接着物の製造メーカが異なることから、それらを同一の素材とすることはできず、意匠性に優れないという問題があった。
【0007】
さらに、前記マーク地は、表層に染色、プリントなどによってトナーの層が形成されて所望の単一色に彩色され、該トナー層が該表層を覆い隠してマーク地の通気性を阻害するので、ユニホームのマーク接着部位が蒸れて着心地が非常に良くないという問題があった。
【0008】
前記マーク地の製造メーカにおいては、トナーの色合わせが非常に難しいので、同一の色彩のマーク用生地を繰り返し製造することが容易ではない。その結果、少品種大量生産でしか対応できず、かつ、ユーザーからの当該前記マーク用生地のリピートに備えて同一の色彩に染色したマーク用生地を在庫として保有していなければならないという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題を解決しようとするもので、オーダーメイドのようにユーザーが好む色彩、絵柄、図形若しくは画像等を施したマークとすることができるとともに、マーク接着部位が蒸れることを防止でき着心地が非常に良く通気性に優れる切りマークを簡単かつ確実に形成でき、意匠性に優れる製品の高品質を確保することができる切りマーク用生地、切りマーク用シート及び切りマーク接着方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上のような課題を解決するために請求項1に係る発明が採った手段は、エステル布からなるマーク用生地と、該マーク用生地の片面側に設けられ孔径800〜1000μmの穿孔を有するウレタン系樹脂からなる有孔接着層と、を備えていることを特徴とする切りマーク用生地、とするものである。
【0011】
従って、マーク用生地を所望の形状に切り抜いて切りマークを形成し、この切りマークを有孔接着層が被接着物側になるようにして被接着物に重ね合わせて加圧・加熱するだけで、被接着物に通気性を有するマークを設けることができる。
【0012】
上記請求項1に係る発明において、マーク用生地は、エステル布であるので、昇華転写が可能である点に特徴があり、既に色彩が施されたものを用いることができるし、これに所望の色彩、絵柄、図形若しくは画像等を昇華転写することもできる。また、マーク用生地に被接着物の生地と同一の素材のもの及び/又は同一の色彩のものを用いることができ、この場合には意匠性に優れる。
【0013】
ここで、有孔接着層は、溶融温度130〜150℃のウレタン系樹脂からなるものが好ましい。また、これは、積層構造であっても良く、該積層構造の1層が他の層より低い溶融温度のウレタン系樹脂からなる被接着物用接着層であっても良い。さらに、有孔接着層は、例えば、真円状の複数の穿孔を有するものが好ましいが、四角形若しくは菱形の穿孔を有する格子状若しくはメッシュ状のもの(製品名:UUG)であっても良いし、その他の穿孔を有するもの(製品名:スパンファブ)であっても良い。
【0014】
また、前記有孔接着層側に設けられ前記有孔接着層より低い溶融温度のウレタン系樹脂からなり、15〜25μmの厚みを有する被接着物用接着層をさらに備えていても良い。
【0015】
この場合には、前記切りマークを被接着物用接着層が被接着物側になるようにして被接着物に重ね合わせて被接着物用接着層が被接着物に含浸して消失するまで加圧・加熱するだけで、被接着物に通気性を有するマークを設けることができる。特に、被接着物用接着層が被接着物の生地に入り込んで接着層の接着力を補うことができる。
【0016】
さらに、孔径350〜450μmの穿孔を有する耐熱性の硬化型のウレタン系樹脂からなる生布隠蔽用白地シート層が前記マーク用生地と前記有孔接着層との間に配設されていても良い。この場合には、被接着物の生地の色を隠蔽することができ、マークが品質良く仕上がる。
【0017】
ここで、生布隠蔽用白地シート層としては、溶融温度が160〜180℃、硬化温度230〜240℃、デュロ硬度60A〜80Aの熱硬化性を有する耐熱ウレタン系樹脂が好ましい。該ウレタン系樹脂は、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、またはポリカプロラクトンポリオールなどのポリオールに、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、またはヘキサメチレンジイソシアネートなどのジイソシアネートを混合し、チタンホワイトを3〜5%を添加して形成した白色のウレタン系樹脂のシート層が挙げられる。この場合には、前記昇華染料が分散されないので、前記マーク用生地に鮮明な色彩が得られる。
【0018】
請求項4に係る発明が採った手段は、孔径350〜450μmの穿孔を有する耐熱性の硬化型のウレタン系樹脂からなるマーク用シート層と、該マーク用シート層の片面側に設けられ孔径800〜1000μmの穿孔を有するウレタン系樹脂からなる有孔接着層と、を備えていることを特徴とする切りマーク用シート、とするものである。
【0019】
従って、切りマーク用シートを所望の形状に切り抜いて切りマークを形成し、この切りマークを有孔接着層が被接着物側になるようにして被接着物に重ね合わせて加圧・加熱するだけで、被接着物に通気性を有するマークを設けることができる。
【0020】
ここで、マーク用シート層のウレタン系樹脂としては、例えば、(日本ポリウレタン工業社製)商品名:ニッポラン(登録商標)5033、5111、5115、5120、5138、5193、5196、5199、5230、5238、5980が挙げられる。商品名:ニッポラン(登録商標)5196、5199、5230、5238が、無黄変である点でより好ましい。更に好ましくは、商品名:ニッポラン(登録商標)5199である。このマーク用シート層には、既に色彩が施されたものを用いることができるし、これに所望の色彩、絵柄、図形若しくは画像等を昇華転写してマークとすることができる。
【0021】
また、前記マーク用シート層は、前記ウレタン系樹脂に、前記ジイソシアネートを混合した後、所定温度・所定時間で加熱後乾燥させて溶融温度170〜200℃、硬化温度230〜240℃、デュロ硬度85A〜95Aの熱硬化性を有するシート状に形成したものを用いても良い。これは、例えば、前記樹脂に前記ジイソシアネートが10:1〜3の範囲内から選択される割合で含有されているものが好ましい。
【0022】
この場合には、前記昇華染料が前記マーク用シート層に入りにくいが、所望の温度による加熱によって、前記マーク用シート層に含有されている熱硬化性化合物によって前記マーク用シート層中に昇華染料が保持されることとなるので、前記昇華染料の保持力がより強くなり、日常生活の洗濯を繰り返しても色落ち、色ボケ、色にじみが生じることがないマークとすることができる。
【0023】
前記ジイソシアネートとしては、例えば、(日本ポリウレタン工業社製)商品名:コロネート(登録商標)HX、XL、HXLV、HK、Lが挙げられる。商品名:コロネート(登録商標)HXが混合しやすい点で、より好ましい。
【0024】
また、前記有孔接着層側に設けられ前記有孔接着層より低い溶融温度のウレタン系樹脂からなり15〜25μmの厚みを有する被接着物用接着層とをさらに備えていても良い。
【0025】
この場合には、前記切りマークを被接着物用接着層が被接着物側になるようにして被接着物に重ね合わせて被接着物用接着層が被接着物に含浸して消失するまで加圧・加熱するだけで、被接着物に通気性を有するマークを設けることができる。しかも、被接着物用接着層が被接着物の生地に入り込んで接着層の接着力を補うことができる。
【0026】
さらに、マーク用シート層と有孔接着層との間に配設され孔径350〜450μmの穿孔を有する耐熱性の硬化型のウレタン系樹脂からなる生布隠蔽用白地シート層をさらに備えていても良い。
【0027】
この場合には、切りマーク用シートの通気性が確保されるとともに、被接着物の色が隠蔽され、マークが品質良く仕上がる。なお、被接着物用接着層は、上記切りマーク用生地のものと同様であり、マーク用シート層、及び有孔接着層は、前記請求項4に係る発明と同様である。
【0028】
請求項8に係る発明が採った手段は、エステル布からなるマーク用生地の一方の面側に、孔径800〜1000μmの穿孔を有するウレタン系樹脂からなる有孔接着層を形成する工程と、昇華染料インクにより所望の色彩、絵柄、図形若しくは画像等が印刷された熱転写紙を、前記マーク用生地の他方の面側に配設する工程と、前記熱転写紙と前記マーク用生地と前記有孔接着層を所望の圧力で押圧しながら所望の温度に加熱して前記昇華染料を昇華転写する工程と、該切りマーク用生地を所望の形状に切り抜いた切りマークとする工程と、この切りマークの前記有孔接着層が被接着物側になるようにして被接着物に切りマークを重ね合わせ、前記有孔接着層を被接着物に熱接着する工程と、を含むことを特徴とする切りマーク接着方法、とするものである。
【0029】
ここで、前記所望の圧力は、50〜100g/mであることが好ましく、前記所望の温度は、190〜200℃であることが好ましい。これらの加熱・加圧時間はおよそ1分ほどである。ここで、圧力が50g/m未満の場合には、前記昇華転写が綺麗に行えない可能性がある。また、圧力が50g/mを超える場合には、前記マーク用生地にアタリが付くおそれがある。したがって、前記所望の圧力は、50〜100g/mであることが好ましい。
【0030】
また、前記所望の温度が190℃未満である場合、または該温度が200℃を超えると、前記エステル布からなるマーク用生地に綺麗に昇華転写できないおそれがある。したがって、前記所望の温度は、190〜200℃であることが好ましい。
【0031】
請求項9に係る発明が採った手段は、エステル布からなるマーク用生地の一方の面側に、孔径800〜1000μmの穿孔を有するウレタン系樹脂からなる有孔接着層を形成する工程と、昇華染料インクにより所望の色彩、絵柄、図形若しくは画像等が印刷された熱転写紙を、前記マーク用生地の他方の面側に配設する工程と、前記熱転写紙と前記マーク用生地と前記有孔接着層を所望の圧力で押圧しながら所望の温度に加熱して前記昇華染料を昇華転写する工程と、前記有孔接着層側に、前記有孔接着層より低い溶融温度のウレタン系樹脂を熱接着して15〜25μmの厚みの被接着物用接着層を有する切りマーク用生地を形成する工程と、該切りマーク用生地を所望の形状に切り抜いた切りマークとする工程と、この切りマークの前記被接着物接着層が被接着物側になるようにして被接着物に切りマークを重ね合わせ、前記被接着物接着層が被接着物に含浸して消失するまで加圧・加熱する工程と、を含むことを特徴とする切りマーク接着方法、とするものである。
【0032】
請求項10に係る発明が採った手段は、孔径350〜450μmの穿孔を有する耐熱性の硬化型のウレタン系樹脂からなるマーク用シート層の一方の面側に前記生布隠蔽用白地シート層を形成する工程と、前記生布隠蔽用白地シート層側に、孔径800〜1000μmの穿孔を有するウレタン系樹脂からなる有孔接着層を形成する工程と、昇華染料インクにより所望の色彩、絵柄、図形若しくは画像等が印刷された熱転写紙を、前記マーク用シート層側に配設する工程と、前記熱転写紙と前記マーク用シート層と前記有孔接着層を所望の圧力で押圧しながら所望の温度に加熱して前記昇華染料を昇華転写する工程と、前記有孔接着層側に、前記有孔接着層より低い溶融温度のウレタン系樹脂を熱接着して15〜25μmの厚みの被接着物用接着層を有する切りマーク用シートを形成する工程と、該切りマーク用シートを所望の形状に切り抜いた切りマークとする工程と、この切りマークの前記被接着物接着層が被接着物側になるようにして被接着物に切りマークを重ね合わせ、前記被接着物接着層が被接着物に含浸して消失するまで加圧・加熱する工程と、を含むことを特徴とする切りマーク接着方法、とするものである。
【0033】
ここで、前記所望の圧力は、50〜100g/mであることが好ましく、前記所望の温度は、150〜160℃であることが好ましい。これらの加熱・加圧時間はおよそ2分ほどである。ここで、前記所望の温度が150℃未満である場合には、前記マーク用シート層に綺麗に昇華転写できないおそれがある。また、該温度が160℃を超えると、前記熱転写紙が前記マーク用シート層に溶融して溶着又は含浸して前記マーク用シート層から前記熱転写紙を剥離できなくなるおそれがある。この場合には、マークの商品価値を著しく損なうこととなるおそれがある。したがって、前記所望の温度は、150〜160℃であることが好ましい。なお、圧力の範囲は、請求項8又は9に係る発明と同様である。
【発明の効果】
【0034】
請求項1記載の切りマーク用生地によれば、マーク用生地にオーダーメイドのようにユーザーが好む色彩、絵柄、図形若しくは画像等を施したマークとすることができるとともに、このマークを被接着物に熱接着した場合にマーク接着部位が蒸れることを防止でき、着心地が非常に良いという効果を奏する。
【0035】
請求項2記載の切りマーク用生地によれば、請求項1記載の切りマーク用生地の奏する効果に加えて、マークを被接着物に熱接着した場合に、被接着物用接着層が被接着物に含浸して消失し、強力な接着力とすることができるという効果を奏する。
【0036】
請求項3記載の切りマーク用生地によれば、請求項1又は2記載の切りマーク用生地が奏する効果に加えて、被接着物の生地の色を隠蔽することができ、マーク用生地が薄い場合でもこれに施された色彩、絵柄、図形若しくは画像等を綺麗に表現することができ、美感に優れるという効果を奏する。
【0037】
請求項4記載の切りマーク用シートによれば、マーク用シート層にオーダーメイドのようにユーザーが好む色彩、絵柄、図形若しくは画像等を施したマークとすることができるとともに、このマークを被接着物に熱接着した場合にマーク接着部位が蒸れることを防止でき、着心地が非常に良いという効果を奏する。
【0038】
請求項5記載の切りマーク用シートによれば、請求項4に記載の切りマーク用シートの奏する効果に加えて、マークを被接着物に熱接着した場合に、被接着物用接着層が被接着物に含浸して消失し、強力な接着力とすることができるという効果を奏する。
【0039】
請求項6記載の切りマーク用シートによれば、請求項4又は5記載の切りマーク用シートの奏する効果に加えて、被接着物の生地の色を隠蔽することができ、マーク用シート層が薄い場合でもこれに施された色彩、絵柄、図形若しくは画像等を綺麗に表現することができ、美感に優れるという効果を奏する。
【0040】
請求項7記載の切りマーク用シートによれば、請求項4〜6の何れかに記載の切りマーク用シートの奏する効果に加えて、堅牢性に優れるという効果を奏する。
【0041】
請求項8記載の切りマーク接着方法によれば、マーク用生地にオーダーメイドのようにユーザーが好む色彩、絵柄、図形若しくは画像等を施したマークとすることができるとともに、マーク接着部位の蒸れを防止でき、着心地が非常に良く通気性に優れる切りマークを簡単かつ確実に形成でき、意匠性に優れる製品の高品質を確保することができるという効果を奏する。
【0042】
請求項9及び10に記載の切りマーク接着方法によれば、被接着物用接着層が消失するために通気性に優れ、かつ、切りマーク側と被接着物側に前記接着層の樹脂が適度に浸透するため、強力な接着力を得ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら以下の例に限定されるものではない。図1に、本発明の実施の一形態に係る切りマーク用生地10を示す。図2は、本発明に係るマーク用生地11がユニホームに係着された状態を示す説明図である。
【0044】
(実施例1)
切りマーク用生地10は、エステル布からなるマーク用生地11と、該マーク用生地11の片面側に設けられ孔径800〜1000μmの複数の穿孔12aを有するウレタン系樹脂からなる有孔接着層12と、を備えている。これは、マーク用生地11に有孔接着層12を熱接着した状態で所定のマーク形状にカットされ、カットされたマーク用生地11は、図2に示すように、有孔接着層12を介してユニホーム等の被接着物1に熱接着されるようになっている。
【0045】
有孔接着層12としては、日本ポリウレタン工業社製の溶融温度130〜150℃のウレタン系樹脂を用いた。これに、孔径800〜1000μmの範囲内から選択される穿孔12aを形成して用いる。被接着物1に熱接着した際に、有孔接着層12の穿孔12aを介してマーク用生地11と被接着物1とに通気性を確保するためである。
【0046】
尚、有孔接着層12の穿孔12aの形成は、複数の熱針を有する回転ドラムを用いた熱針方式の有孔加工で行われる。有孔接着層12の各穿孔の中心間のピッチは、行間1.2mm、列間2.0mmに設定されている。
【0047】
ここで、有孔接着層12の穿孔12aの孔径が800μm未満の場合には、マーク用生地11あるいは被接着物1への接着層の滲み込みに伴って、ウレタン系樹脂が溶融して穿孔12aを塞ぐおそれがある。したがって、有孔接着層12の穿孔12aは、孔径800μm以上であることが好ましい。
【0048】
また、有孔接着層12の穿孔12aが孔径1000μmを超えると、マーク用生地11のカットの仕方によって切りマークの端部に1000μm程度以上にわたって有孔接着層12が存在しない場合があり、安定した接着力を得られないおそれがある。したがって、有孔接着層12の穿孔12aは、孔径1000μm以下であることが好ましい。
【0049】
次に、切りマーク用生地10の製造方法について図3を参照して説明する。図3は、本発明に係る切りマーク接着方法を示す説明図である。製造に際しては、まず、図3(a)に示すように、マーク用生地11の一方の面側に、有孔接着層12用の有孔シートを重ね合わせ、これらを加熱・加圧してマーク用生地11に有孔接着層12用の有孔シートを仮付けする。そしてその後、これらを冷却してマーク用生地11に有孔接着層12を形成する。
【0050】
図3(b)に示すように、昇華染料インクにより所望の色彩、絵柄、図形若しくは画像等が印刷された熱転写紙2を、マーク用生地11の他方の面側に配設する。さらに、図3(c)に示すように、熱転写紙2とマーク用生地11と有孔接着層12を50〜100g/mの圧力で押圧しながら200℃の温度に1分間加熱して前記昇華染料を昇華転写する。その後、これらを冷却して切りマーク用生地10を完成させる。
【0051】
この切りマーク用生地10はその後、図3(d)に示すように、所望の形状に切り抜いた切りマークとされる。さらに、図3(e)に示すように、有孔接着層12が被接着物1側になるようにして被接着物1に切りマークを重ね合わせ、加熱・加圧により有孔接着層12が溶融して被接着物1に熱圧着される。
【0052】
したがって、切りマーク用生地10によれば、簡単な構成で、かつ、容易に、通気性を有するマークを被接着物1に形成することができる。さらに、オーダーメイドのように、ユーザーが好む色彩、絵柄、図形若しくは画像等を施したマークとすることができる。
【0053】
(実施例2)
他の実施例について、図4、5を参照して説明する。図4は、実施例2の切りマーク用生地20を示す断面図である。図5は、マーク用生地20から切り抜かれたマークを被接着物1に熱接着した状態を示す断面図である。尚、実施例1の切りマーク用生地10と同一部分については同様の符号を付して説明する。
【0054】
切りマーク用生地20は、マーク用生地11と、有孔接着層12と、この有孔接着層12側に設けられ有孔接着層12より低い溶融温度のウレタン系樹脂からなり、15〜25μmの厚みを有する被接着物用接着層21と、を備えている。
【0055】
被接着物用接着層21としては、日本ポリウレタン工業社製の溶融温度90〜110℃、より好ましくは95〜105℃のウレタン系樹脂を用いた。これは、穿孔を有しない無孔接着層であり、その厚みが15〜25μmとなるように設定されている。
【0056】
接着層12,21は、図4に示すように、マーク用生地11側の有孔接着層12と、被接着物側の被接着物用接着層21との二層で構成される積層構造をなしており、有孔接着層12により、被接着物用接着層21の接着剤がマーク用生地11の表面に滲み上がるのを防止できるようにしてあり、被接着物1側に流れやすくなる。したがって、被接着物用接着層21の厚みを薄くすることができる。
【0057】
そして、被接着物用接着層21の厚みを15〜25μmとすると、図5に示すように、加熱・加圧工程により、被接着物用接着層21の接着剤が被接着物1に含浸して消失し、穿孔12aを介して、マーク用シート層31の通気性が確保されるようになる。さらに、被接着物用接着層21の接着剤が被接着物1に含浸して接着力を補う強力な接着力を発揮する。
【0058】
ここで、被接着物用接着層21の厚みを15μm未満とすることは、技術的に難しく好ましくない。また、被接着物用接着層21の厚みが25μmを超える場合には、加熱・加圧により被接着物接着層21が被接着物1に含浸して消失することがなく、通気性を有さないので好ましくない。したがって、被接着物用接着層21の厚みは、15〜25μmの範囲内から選択されていることが好ましい。
【0059】
次に、切りマーク用生地20の製造方法について説明する。製造に際しては、図示しないが、実施例1の切りマーク用生地10の有孔接着層12側に、被接着物用接着層21用のウレタン系樹脂シートを重ね合わせ、これらを熱接着する。そしてその後、これらを冷却して切りマーク用生地20を完成させる。
【0060】
この切りマーク用生地20はその後、所望の形状に切り抜かれて切りマークとされ、この切りマークの被接着物接着層21が被接着物1側になるようにして被接着物1に切りマークを重ね合わせ、被接着物接着層21が被接着物1に含浸して消失するまで加圧・加熱して熱接着がなされる。そうすると、図5に示すように、被接着物接着層21が被接着物1に含浸して消失し、マークが被接着物1に熱接着される。
【0061】
したがって、切りマーク用生地20によれば、被接着物1に通気性を有するマークを形成することができ、かつ、加熱・加圧工程により、被接着物用接着層21の接着剤が被接着物1に含浸して消失し、より強力な接着力とすることができる。
【0062】
(実施例3)
他の実施例について、図6を参照して説明する。図6は、実施例3の切りマーク用シート30を示す斜視図である。尚、実施例1の切りマーク用生地10と同一部分については同様の符号を付して説明する。
【0063】
切りマーク用シート30は、孔径350〜450μmの複数の穿孔31aを有する耐熱性のウレタン系樹脂からなるマーク用シート層31と、このマーク用シート層31の片面側に設けられ孔径800〜1000μmの複数の穿孔12aを有するウレタン系樹脂からなる有孔接着層12と、を備えている。
【0064】
マーク用シート層31は、溶融温度170〜200℃の熱可塑性のポリウレタン系樹脂(商品名:ニッポラン(登録商標)5199、日本ポリウレタン工業社製)に、孔径350〜450μmの範囲内から選択される複数の穿孔31aを形成したものを用いる。尚、マーク用シート層31の各穿孔の中心間のピッチは、行間0.9mm、列間1.8mmに設定されている。空孔面積率は5.9〜9.8%である。孔数は620,000/mである。穿孔31aの形成方法は有孔接着層12の形成方法と同様である。
【0065】
また、マーク用シート層31は、上記請求項4に係る発明において使用されるマーク用シート層に、前記ジイソシアネートを添加したシート状のものを用いても良い。これは、デュロ硬度85A〜95Aの熱硬化性を有するシート状に形成したものが好ましい。
【0066】
ここで、マーク用シート層31の穿孔31aの孔径が350μm未満の場合には、マーク用シート層31への有孔接着層12の接着剤の滲み込みに伴って、ウレタン系樹脂が溶融して穿孔31aを塞ぐおそれがある。したがって、マーク用シート層31の穿孔31aは、孔径350μm以上であることが好ましい。
【0067】
また、マーク用シート層31の穿孔31aが孔径450μmを超えると、色彩、絵柄、図形若しくは画像等が見苦しくなり、商品価値を損なうおそれがある。したがって、マーク用シート層31の穿孔31aは、孔径450μm以下であることが好ましい。よって、マーク用シート層31に有する各穿孔31aは、孔径350〜450μmの範囲内であることが好ましい。
【0068】
次に、切りマーク用シート30の製造方法について説明する。製造に際しては、まず、マーク用シート層31用の有孔シートの一方の面側に、有孔接着層12用の有孔シートを重ね合わせ、これらを加熱・加圧してマーク用シート層31に有孔接着層12用の有孔シートを仮付けする。そしてその後、これらを冷却してマーク用シート層31に有孔接着層12を形成する。
【0069】
そして、昇華染料インクにより所望の色彩、絵柄、図形若しくは画像等が印刷された熱転写紙2を、マーク用シート層31の他方の面側に配設する。さらに、熱転写紙2とマーク用シート層31と有孔接着層12を50〜100g/mの圧力で押圧しながら150℃の温度に2分間加熱して前記昇華染料を昇華転写する。その後、これらを冷却して切りマーク用シート30を完成させる。
【0070】
この切りマーク用シート30はその後、所望の形状に切り抜かれて切りマークとされる。さらに、有孔接着層12が被接着物1側になるようにして被接着物1に切りマークを重ね合わせ、熱接着により有孔接着層12が被接着物1に熱接着されて熱接着がなされる。
【0071】
したがって、切りマーク用シート30によれば、マーク用シート層31の溶融温度は、レーザプリンターで用いられるポリエステルの接着剤の溶融温度(100℃前後)より高いので、アイロン等で切りマークを押さえつけても、色彩、絵柄、図形若しくは画像等がベタつかず、崩れない。また、切りマーク用シート30は、有孔接着層12に有する穿孔12aとマーク用シート層31の穿孔31aとが重なりあう通気孔を有するので、通気性を有するマークを被接着物1に形成することができる。
【0072】
また、マーク用シート層31が、上記請求項4に係る発明において使用されるマーク用シート層に、前記ジイソシアネートを添加したシート状のものの場合には、昇華染料がマーク用シート層31に入りにくくなるが、マーク用シート層31内に染料が固定されるため、昇華転写後に染料の溶出がしにくくなる。したがって、マークが形成された被接着物1を日常生活の洗濯を繰り返しても色落ちすることがなく、色彩、絵柄、図形若しくは画像等がボケにくくなり、品質の良いマークとすることができる。
【0073】
(実施例4)
他の実施例について、図7を参照して説明する。図7は、実施例4の切りマーク用シート40を示す斜視図である。尚、実施例1の切りマーク用生地10と同一部分については同様の符号を付して説明する。
【0074】
切りマーク用シート40は、マーク用シート層31と、有孔接着層12と、この有孔接着層12側に設けられ有孔接着層12より低い溶融温度のウレタン系樹脂からなり、15〜25μmの厚みを有する被接着物用接着層21とを備えている。
【0075】
ここで、加熱・加圧により、被接着物用接着層21の接着剤が被接着物1に含浸して消失すると、マーク用シート層31の穿孔31aと有孔接着層12の穿孔12aとで重なりあう部分がシート全体を貫通する貫通孔となり、切りマーク用シート40の通気性が確保される。また、有孔接着層12の接着剤がマーク用シート層31の表面に滲み上がるのを防止でき、被接着物用接着層21の接着剤が被接着物1に流れやすくなる。
【0076】
次に、切りマーク用シート40の製造方法について説明する。製造に際しては、まず、マーク用シート層31に有孔接着層12を形成する。次に、熱転写紙2を、マーク用シート層31の他方の面側に配設し、これらを所望の圧力で押圧しながら所望の温度に加熱して前記昇華染料を昇華転写する。
【0077】
昇華転写後の有孔接着層12側に、有孔接着層12より低い溶融温度のウレタン系樹脂シートを熱接着して15〜25μmの厚みの被接着物用接着層21を有する切りマーク用シート40を形成する。この切りマーク用シート40はその後、所望の形状に切り抜かれて切りマークとされる。
【0078】
さらに、有孔接着層12が被接着物1側になるようにして被接着物1に切りマークを重ね合わせ、熱接着により有孔接着層12が被接着物1に含浸して消失するまで加圧・加熱して熱接着がなされる。
【0079】
したがって、切りマーク用シート30によれば、加熱・加圧により、被接着物用接着層21が消失した部分と有孔接着層12に有する穿孔とマーク用シート層31に有する穿孔とが重なりあう部分が通気孔となるので、通気性を有するとともに、被接着物用接着層21が被接着物1に含浸した強力な接着力のマークを形成することができる。
【0080】
(実施例5)
他の実施例について、図8を参照して説明する。図8は、実施例5の切りマーク用シート50を示す斜視図である。尚、実施例1の切りマーク用生地10と同一部分については同様の符号を付して説明する。
【0081】
切りマーク用生地50は、マーク用シート層31と、有孔接着層12と、被接着物用接着層21と、マーク用シート層31と有孔接着層12との間に配設され孔径350〜450μmの複数の穿孔51aを有する耐熱性のウレタン系樹脂からなる生布隠蔽用白地シート層51と、を備えている。
【0082】
生布隠蔽用白地シート層51としては、日本ポリウレタン工業社製の溶融温度が160〜180℃、硬化温度230〜240℃、デュロ硬度60A〜80Aの熱硬化性を有する耐熱ウレタン系樹脂に、孔径350〜450μmの範囲内から選択される複数の穿孔51aを形成したものを用いる。
【0083】
ここで、生布隠蔽用白地シート層51の穿孔51aの孔径が350μm未満の場合には、生布隠蔽用白地シート層51への有孔接着層12の接着剤の滲み込みに伴って、ウレタン系樹脂が溶融して穿孔51aを塞ぐおそれがある。したがって、生布隠蔽用白地シート層51の穿孔51aは、孔径350μm以上であることが好ましい。
【0084】
また、生布隠蔽用白地シート層51の穿孔51aが孔径450μmを超えると、被接着物の生地の色が表面に出て隠蔽度の程度が異なることとなり、商品価値を損ねるおそれがある。したがって、有孔接着層12の穿孔51aは、孔径450μm以下であることが好ましい。
【0085】
次に、切りマーク用シート50の製造に際しては、実施例4の製造方法において、まず、マーク用シート層31用の有孔シートの一方の面側に、生布隠蔽用白地シート層51用の有孔シートを重ね合わせ、これらを加熱、加圧してマーク用シート層31に生布隠蔽用白地シート層51を形成する。
【0086】
そしてその後、生布隠蔽用白地シート層51側に、有孔接着層12用のシートを重ね合わせ、マーク用シート層31と生布隠蔽用白地シート層51と有孔接着層12とからなる積層構造を形成する。昇華転写工程以降は実施例4と同様である。
【0087】
したがって、切りマーク用シート50によれば、生布隠蔽用白地シート層51を有するので、被接着物1の生地の色を隠蔽することができ、マーク用シート層31に施された色彩、絵柄、図形若しくは画像等を引き立てることができ、美感に優れる。
【0088】
以上、本発明の切りマーク用生地についての最良の形態を、実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができる。
【0089】
例えば、切りマーク用生地は、エステル布からなるマーク用生地と、このマーク用生地の片面側に設けられ孔径800〜1000μmの穿孔を有するウレタン系樹脂からなる有孔接着層と、前記マーク用生地と前記有孔接着層との間に配設され孔径350〜450μmの穿孔を有する耐熱性の硬化型のウレタン系樹脂からなる生布隠蔽用白地シート層と、前記有孔接着層側に設けられ有孔接着層より低い溶融温度のウレタン系樹脂からなり、15〜25μmの厚みを有する被接着物用接着層とを備えるように構成しても良い。
【0090】
特に、マーク用生地の厚みが薄地である場合には、生布隠蔽用白地シート層により、被接着物の色を隠蔽することができるので、意匠的な面で特に効果的である。即ち、この場合には、生布隠蔽用白地シート層を有する構成上の特徴によって、被接着物の生地の色を隠蔽することができ、マーク用生地が薄い場合でもこれに施された色彩、絵柄、図形若しくは画像等を綺麗に表現することができ、美感に優れる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明の切りマーク用生地又は切りマーク用シートは、裏面にウレタン系樹脂の接着層を形成した生地又はシートを被接着物に加熱して接着することができ、通気性を必要とするマーク形成の産業分野に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の切りマーク用生地の一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明に係るマーク用生地がユニホームに係着された状態を示す説明図である。
【図3】本発明に係る切りマーク接着方法を示す説明図である。
【図4】実施例2の切りマーク用生地を示す断面図である。
【図5】上記実施例のマーク用生地から切り抜いたマークを被接着物に熱接着した状態を示す断面図である。
【図6】実施例3の切りマーク用シートを示す斜視図である。
【図7】実施例4の切りマーク用シートを示す斜視図である。
【図8】実施例5の切りマーク用シートを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0093】
1 被接着物
2 熱転写紙
10,20,30 切りマーク用生地
11 マーク用生地
12 有孔接着層
12a、31a、51a 穿孔
21 被接着物用接着層
31 マーク用シート層
40,50 切りマーク用シート
51 生布隠蔽用白地シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エステル布からなるマーク用生地と、
該マーク用生地の片面側に設けられ孔径800〜1000μmの穿孔を有するウレタン系樹脂からなる有孔接着層と、
を備えていることを特徴とする切りマーク用生地。
【請求項2】
前記有孔接着層側に設けられ前記有孔接着層より低い溶融温度のウレタン系樹脂からなり、15〜25μmの厚みを有する被接着物用接着層をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の切りマーク用生地。
【請求項3】
前記マーク用生地と前記有孔接着層との間に配設され孔径350〜450μmの穿孔を有する耐熱性の硬化型のウレタン系樹脂からなる生布隠蔽用白地シート層をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の切りマーク用生地。
【請求項4】
孔径350〜450μmの穿孔を有する耐熱性の硬化型のウレタン系樹脂からなるマーク用シート層と、
該マーク用シート層の片面側に設けられ孔径800〜1000μmの穿孔を有するウレタン系樹脂からなる有孔接着層とをさらに備えていることを特徴とする切りマーク用シート。
【請求項5】
前記有孔接着層側に設けられ前記有孔接着層より低い溶融温度のウレタン系樹脂からなり15〜25μmの厚みを有する被接着物用接着層とをさらに備えていることを特徴とする請求項4記載の切りマーク用シート。
【請求項6】
前記マーク用シート層と前記有孔接着層との間に配設され孔径350〜450μmの穿孔を有する耐熱性の硬化型のウレタン系樹脂からなる生布隠蔽用白地シート層をさらに備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の切りマーク用シート。
【請求項7】
マーク用シート層に、熱硬化性化合物が含有されていることを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載の切りマーク用シート。
【請求項8】
エステル布からなるマーク用生地の一方の面側に、孔径800〜1000μmの穿孔を有するウレタン系樹脂からなる有孔接着層を形成する工程と、
昇華染料インクにより所望の色彩、絵柄、図形若しくは画像等が印刷された熱転写紙を、前記マーク用生地の他方の面側に配設する工程と、
前記熱転写紙と前記マーク用生地と前記有孔接着層を所望の圧力で押圧しながら所望の温度に加熱して前記昇華染料を昇華転写する工程と、
該切りマーク用生地を所望の形状に切り抜いた切りマークとする工程と、
この切りマークの前記有孔接着層が被接着物側になるようにして被接着物に切りマークを重ね合わせ、前記有孔接着層を被接着物に熱接着する工程と、
を含むことを特徴とする切りマーク接着方法。
【請求項9】
エステル布からなるマーク用生地の一方の面側に、孔径800〜1000μmの穿孔を有するウレタン系樹脂からなる有孔接着層を形成する工程と、
昇華染料インクにより所望の色彩、絵柄、図形若しくは画像等が印刷された熱転写紙を、前記マーク用生地の他方の面側に配設する工程と、
前記熱転写紙と前記マーク用生地と前記有孔接着層を所望の圧力で押圧しながら所望の温度に加熱して前記昇華染料を昇華転写する工程と、
前記有孔接着層側に、前記有孔接着層より低い溶融温度のウレタン系樹脂を熱接着して15〜25μmの厚みの被接着物用接着層を有する切りマーク用生地を形成する工程と、
該切りマーク用生地を所望の形状に切り抜いた切りマークとする工程と、
この切りマークの前記被接着物接着層が被接着物側になるようにして被接着物に切りマークを重ね合わせ、前記被接着物接着層が被接着物に含浸して消失するまで加圧・加熱する工程と、
を含むことを特徴とする切りマーク接着方法。
【請求項10】
孔径350〜450μmの穿孔を有する耐熱性の硬化型のウレタン系樹脂からなるマーク用シート層の一方の面側に、孔径350〜450μmの穿孔を有する耐熱性の硬化型のウレタン系樹脂からなる生布隠蔽用白地シート層を形成する工程と、
前記生布隠蔽用白地シート層側に、孔径800〜1000μmの穿孔を有するウレタン系樹脂からなる有孔接着層を形成する工程と、
昇華染料インクにより所望の色彩、絵柄、図形若しくは画像等が印刷された熱転写紙を、前記マーク用シート層側に配設する工程と、
前記熱転写紙と前記マーク用シート層と前記有孔接着層を所望の圧力で押圧しながら所望の温度に加熱して前記昇華染料を昇華転写する工程と、
前記有孔接着層側に、前記有孔接着層より低い溶融温度のウレタン系樹脂を熱接着して15〜25μmの厚みの被接着物用接着層を有する切りマーク用シートを形成する工程と、
該切りマーク用シートを所望の形状に切り抜いた切りマークとする工程と、
この切りマークの前記被接着物接着層が被接着物側になるようにして被接着物に切りマークを重ね合わせ、前記被接着物接着層が被接着物に含浸して消失するまで加圧・加熱する工程と、
を含むことを特徴とする切りマーク接着方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−143055(P2008−143055A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−333498(P2006−333498)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(500412644)有限会社サンショウ (12)
【Fターム(参考)】