説明

切断処理装置

【課題】竹材等樹木系の嵩張った切断対象物を確実にチップ化処理できるコンパクトな切断処理装置等を提供する。
【解決手段】切断対象物Oが第1コンベア機構22の複数の爪部22eと第2コンベア機構23の複数の爪部23eとで噛み込まれるとともに梁材22d,23dに押圧・圧縮されながら移送方向下流側に搬送され複数の爪部22e,23eによる切断対象物Oの縦割り(縦切)処理が行われ、その後切断対象物Oは、搬送機構の下流側に設置された切断機構17で設定された所定幅の長細形状の圧縮体に縦切処理され、縦切断機構17から押し出された長細形状の切断対象物Oは横切断機構18に移送され移送方向と直交するように切断対象物Oを横切断する切断処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、竹材等樹木系の切断対象物を縦横に切断し、その切断片をチップ形状に処理可能な切断処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、樹木系の切断対象物を下流側へ搬送するコンベアと、このコンベアと協働して切断対象物を切断機構に押圧導入する押圧ローラと、コンベアと押圧ローラから移送された切断対象物を固定刃と回転刃物から構成された切断機構によって細断する切断処理装置は公知である。
【0003】
切断対象物である樹木は長尺の形状のため、切断対象物の導入位置から切断機構まで移送するコンベアは、少なくとも切断対象物を載置できる程度の長さが必要である。また、実際の作業現場では、切断対象物である樹木が点在している可能性があり、切断処理装置の移動機能が必要である。そこで、切断処理装置は、駆動輪と従動輪との間に掛け渡した無限軌道履帯を備えた走行フレーム上に前記コンベアや切断機構等を備えた専用の切断処理装置が用いられている。
【0004】
特許文献1の木材破砕機は、無限軌道履帯を備えた走行フレームと、走行フレームに装備され且つ切断対象物を搬送する搬送コンベアと、搬送コンベアの下流端上方に設けられ且つ搬送コンベアと協働して切断対象物を挟持して破砕装置に移送する押圧ローラと、破砕ロータ上に装着された破砕ビットと破砕ロータ外周に所定間隔離して装着された固定刃とを備えた破砕装置と、搬送コンベアを覆い且つ押圧ローラに向かうに従って搬送コンベアに近接するような傾斜角を備えた案内板等から構成されている。
【0005】
前記木材破砕機では、搬送コンベア上の嵩張った切断対象物が案内板によって案内されて押圧ローラと搬送コンベアとの間に引き込まれる。切断対象物は、押圧ローラと搬送コンベアとの間に押圧把持された状態で破砕装置に送られ、破砕ビットによる一次破砕と固定刃による二次破砕が施され、破砕木材を細かなチップ形状に処理している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−55711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記木材破砕機では、切断対象物を押圧ローラと搬送コンベアとの間に押圧把持し、両者による引き込み力と押し出し力によって切断機構としての破砕装置方向に移送している。それ故、切断対象物の表面が滑り易い状態、例えば、雨天における作業等では、搬送コンベアと切断対象物の間に滑りが生じ、引き込み力及び押し出し力を充分に確保することができないという虞がある。しかも、切断対象物が大径の木材等の場合、切断対象物が押圧ローラの手前に設置された案内板に先に当接し、切断対象物が押圧ローラと搬送コンベアとの間に導入されないという虞もある。
【0008】
切断処理装置の移動機能の確保を目的として、切断処理装置を小型化してショベル系掘削機のアーム先端に着脱可能なアタッチメントに構成することが望ましい。しかし、以下のように、切断処理装置の小型化には解決すべき課題が存在している。
第1に、切断処理装置は、搬送用コンベア、押圧把持用のローラ、切断機構等のように夫々の機構が専用機能を有し、機構点数が多く必要であるという点である。
第2に、切断対象物をチップ形状に処理する場合、切断対象物に対して充分な縦切断と横切断を施し、チップ形状に細断する必要がある。つまり、縦横に細断可能な大型の切断機構が必要であり、これに伴い切断処理装置全体が大型化するという点である。
【0009】
本発明の目的は、嵩張った切断対象物を確実に移送可能な切断処理装置、切断対象物を確実にチップ化処理できるコンパクトな切断処理装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の切断処理装置は、切断対象物を切断する為の切断処理装置において、1対のスプロケットに夫々張設された1対の無端チェーンを含む第1コンベア機構、及び、1対のスプロケットに夫々張設された1対の無端チェーンを含む第2コンベア機構であって第1コンベア機構の上側に搬送方向下流側ほど第1コンベア機構に接近するように配置された第2コンベア機構と、前記第1,第2コンベア機構の下流側近傍部位に配置され且つ切断対象物を移送方向と直交方向に切断可能な切断ロータを含む切断機構とを備え、前記第1,第2コンベア機構の各々は、前記1対の無端チェーンに架着された複数の梁材と、これら梁材に夫々突設され且つ切断対象物を移送中に切断対象物を押圧しつつ移送方向と平行に縦割り可能な複数の爪部とを備えたことを特徴としている。
【0011】
この切断処理装置では、第1,第2コンベア機構の各々は、1対の無端チェーンに架着された複数の梁材と、これら梁材に夫々突設された複数の爪部とを備えたため、第1,第2コンベア機構による搬送力を確保しつつ、搬送力を利用して切断対象物の縦割り処理を実行でき、切断機構の小型化を図ることができる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第2コンベア機構の上流側近傍部位に配置され且つ切断対象物を前記第1コンベア機構に対して上方から押圧可能な複数の刃物を含む押圧可動ローラを有することを特徴としている。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記第2コンベア機構は、第1コンベア機構に対する第2コンベア機構の傾斜角度を変更可能な角度調整機構を有することを特徴としている。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1つの発明において、前記第1,第2コンベア機構と前記切断機構との間に配置され、前記第1,第2コンベア機構で挟持して移送された切断対象物を押圧しつつ移送方向と平行に縦割り可能な複数の縦割り爪付きの1対の挟みローラを有することを特徴としている。
【0015】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記1対の挟みローラは、ギヤ機構により連動連結されていることを特徴としている。
【0016】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れか1つの発明において、傾動可能なアームを備えたショベル系掘削機を有し、前記ショベル系掘削機は前記アームに一端部が連結された油圧式パケットシリンダを備え、前記切断処理装置はパケットシリンダによってアーム先端部に対し揺動可能に設けられたことを特徴としている。
【0017】
請求項7の発明は、請求項1〜5の何れか1つの発明において、路上を移動可能な移動手段を有し、前記切断処理装置は前記移動手段の上部に装着されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明によれば、切断対象物の形状に拘わらず切断対象物を確実に切断機構まで移送することができ、切断対象物をチップ化処理できるコンパクトな切断処理装置を得ることができる。
【0019】
つまり、第1コンベア機構と第2コンベア機構の傾斜配置によって、嵩張った切断対象物を両コンベア機構の挟み込みによって移送方向に引き込むことができ、梁材に突設された爪部が切断対象物に噛み込むことによって切断対象物の引き込み力及び押し出し力、所謂移送力を確保することができる。また、移送中に発生した押圧力を利用して、爪部が切断対象物を移送方向と平行に縦割り処理するため、切断機構は縦割り方向と直交方向に切断、所謂横切断機能を備えるだけで、切断対象物をチップ化することができる。しかも、切断機構の縦割り機能を省略できるため、切断機構を小型化することができ、切断処理装置全体をコンパクトにすることができる。
【0020】
請求項2の発明によれば、コンベア機構の上流側で嵩張った切断対象物を押し潰すことができ、コンベア機構の爪部を切断対象物へ確実に噛み込ませることができる。
請求項3の発明によれば、切断対象物の大きさや形状に拘わらず切断対象物を導入することができ、切断対象物の移送及び押圧を確実に実行することができる。
【0021】
請求項4の発明によれば、切断対象物の切断機構への移送と切断対象物の縦割り処理を同時に行うことができる。
請求項5の発明によれば、一方の挟みローラの回転駆動によって他方の挟みローラを回転駆動することができ、1対の挟みローラの駆動機構を簡単化することができる。
【0022】
請求項6の発明によれば、切断処理装置をショベル系掘削機によって任意の位置に揺動可能に移動することができる。
請求項7の発明によれば、切断処理装置を移動手段によって任意の位置に移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例1に係る油圧ショベルの外観図である。
【図2】切断処理装置の側面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】傾斜角調整機構の説明図であって、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図6】傾斜角調整機構と搬送駆動機構と張力調整機構の説明図である。
【図7】押え機構の説明図である。
【図8】縦切断機構の斜視図である。
【図9】縦切駆動機構の説明図である。
【図10】縦切断機構の長さ方向の断面図である。
【図11】横切断機構の正面図である。
【図12】図11のXII−XII線断面図である。
【図13】実施例2に係る自走式切断処理装置の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
尚、以下の実施例において、ショベル系掘削機の操作者から見た前後方向を前後方向とし、図における上下方向を上下方向とし、図における左右方向を左右方向として説明する。
【実施例1】
【0025】
以下、実施例1に係る切断処理装置について図1〜図12に基づいて説明する。
図1に示すように、ショベル系掘削機である油圧ショベル1は、1対のクローラ2を備えた下部走行体3、この下部走行体3の上部に旋回自在に装備されて操作者が乗り込む運転室を備えた上部旋回体4とを有している。上部旋回体4の後部には、油圧供給源として油圧ポンプと油圧ポンプを駆動するエンジン(図示略)が配置されている。
【0026】
油圧ショベル1は、後端部を上部旋回体4に回転可能に軸支されたブーム6と、このブーム6を傾動させる油圧式のブームシリンダ5と、ブーム6の前端部に後部が回転可能に軸支されたアーム7と、このアーム7を傾動させる油圧式のアームシリンダ10と、アーム7の先端部に連結され且つ切断対象物Oを切断可能な切断処理装置8とを備えている。
【0027】
アーム7は、ブーム6の前端部にアーム揺動軸9によって揺動可能に軸支されている。油圧式のブームシリンダ10のシリンダ本体の基端部がブーム6の途中部に回転可能に連結され、ブームシリンダ10のピストンロッドの先端部がアーム7の後端部に回動可能に連結されている。ブームシリンダ10が伸長又は収縮したとき、アーム7はアーム揺動軸9を揺動中心として揺動する。
【0028】
アーム7の先端部に切断処理装置8のホルダー部14を揺動可能に連結する連結ピン11と、切断処理装置8を連結ピン11を中心として揺動させる油圧式のバケットシリンダ12とが設けられている。バケットシリンダ12のシリンダ本体の基端部がアーム7の上部に回転可能に連結されている。切断処理装置8は、油圧ショベル1に着脱可能なアタッチメントであり、アーム7の前端部に連結ピン11と連結ピン13により着脱自在に連結されている。
【0029】
図1,図2に示すように、切断処理装置8は、左右両側の1対のホルダー部14と、左右両側の1対のフレーム15と、移送機構16と、縦切断機構17と、横切断機構18(切断機構)と、横切断機構18の下方に設けられた集積バック19等を備えている。尚、図2は、説明の便宜上、片側のフレーム15を外した側面視の構造を示している。
1対のフレーム15は、ホルダー部14と一体的に形成され且つ左右に所定間隔空けて平行状態で対向配置されている。
【0030】
ホルダー部14は、連結ピン11が貫通する連結ピン孔14aと、連結ピン13が貫通可能な連結ピン孔14bが夫々形成されている。バケットシリンダ12のピストンロッドの前端部と連結ピン孔14bとサイドリンク20の前端部は連結ピン13で回動可能に連結され、サイドリンク20の後端部はアーム7の前部に回動可能に連結されている。
以上により、バケットシリンダ12を伸長、収縮させることにより、切断処理装置8を連結ピン11を中心として上下方向へ揺動駆動可能に構成してある。
【0031】
移送機構16は、1対のフレーム15の間に対応するように配置されている。搬送機構16は、押え機構21と、無端チェーン駆動コンベアで構成された第1コンベア機構22と、無端チェーン駆動コンベアで構成された第2コンベア機構23と、搬送駆動機構25等を備えている。
【0032】
図2,図3,図6に示すように、第1コンベア機構22は、第1コンベア機構22の前部に配置された左右両端及び中央のスプロケット22aと、1対のフレーム15に回転自在に枢支され且つこれら各スプロケット22aを支持する回転軸22Aと、第1コンベア機構22の後部に配置された左右両端及び中央のスプロケット22bと、1対のフレーム15に回転自在に枢支され且つこれら各スプロケット22bを支持する回転軸22Bと、これら各スプロケット22a,22bに夫々歯合して張設された左右1対と中央を含む3列のコンベアチェーン22cと、これら各コンベアチェーン22cに架着された複数の梁材22dと、これら複数の梁材22dに夫々外方に突設された複数の爪部22eとから形成されている。
【0033】
各コンベアチェーン22cは、隣り合う2つのローラ(図示略)を挟んで並設される内側リンク板(図示略)と、前側の内側リンク板の後ローラに回転自在に軸支され且つ後側の内側リンク板の前ローラに回転自在に軸支される外側リンク板(図示略)が無端帯状に連続して形成されている。尚、チェーンの構造は公知技術であるため、詳細な説明を省略する。
【0034】
図3、図6に示すように、梁材22dは、左側のコンベアチェーン22cの右側インナプレートと中央のコンベアチェーン22cの左側のインナプレートとに亙って複数架設され、右側のコンベアチェーン22cの左側インナプレートと中央のコンベアチェーン22cの右側のインナプレートとに亙って複数架設されている。それ故、梁材22dは、コンベアチェーン22cに対して、間欠状に配置されている。
【0035】
爪部22eは、梁材22dの上端面に列状に複数形成され、爪部22eの刃の向きは移送方向に略平行になるように形成されている。以上により、爪部22eは、第1コンベア機構22の上流側において切断対象物Oに対して噛み込み可能に形成され、第1コンベア機構22の下流側において切断対象物Oが第2コンベア機構23によって下方に押圧されたとき、切断対象物Oを移送方向に略平行な方向に縦割り処理することができる。
【0036】
図1,図2,図4に示すように、第1コンベア機構22の前端部に、切断対象物O、例えば、竹材等を投入する際に、切断対象物Oの左右方向の偏在を防止する入口ガイド27が設置されている。入口ガイド27は、1対のフレーム15の間に亙って架設され、切断対象物Oの移送方向と平行な断面略半円状の4列の溝部27aを有する。以上の構成により、竹材等の切断対象物Oを投入した場合、溝部27aが切断対象物Oを1対のフレーム15の間に亙って均等に配置でき、整列した状態で移送することができる。尚、溝部27aは、切断対象物Oの種類や処理速度に応じて列数を増減することが可能である。
【0037】
第2コンベア機構23は、第1コンベア機構22の全長に比べて短く形成され、第1コンベア機構22の上側に搬送方向下流側程第1コンベア機構22に接近するように構成されている。図2,図3,図6に示すように、第2コンベア機構23は、第2コンベア機構22の前部に配置された左右両端及び中央のスプロケット23aと、1対のフレーム15に回転自在に枢支され且つこれら各スプロケット23aを支持する回転軸23Aと、第2コンベア機構23の後部に配置されスプロケット22bの上側に配置された左右両端及び中央のスプロケット23bと、1対のフレーム15に回転自在に枢支され且つこれら各スプロケット23bを支持する回転軸23Bと、これら各スプロケット23a,23bに夫々歯合して張設された左右両端と中央を含む3列のコンベアチェーン23cと、これら各コンベアチェーン23cに架着された複数の梁材23dと、これら複数の梁材23dに夫々突設された複数の爪部23eと、スプロケット23bの上下位置を変更して第2コンベア機構23の傾斜角度を変更可能な傾斜角調整機構24等から形成されている。
【0038】
第2コンベア機構23のコンベアチェーン23cと梁材23dと爪部23eの構成は、第1コンベア機構22のコンベアチェーン22cと梁材22dと爪部22eの構成と同様の構成のため、第2コンベア機構23の下流側において、第1コンベア機構22と協働して切断対象物Oを移送方向に平行な方向に縦割り処理することができる。
【0039】
図5(a),図5(b),図6に示すように、傾斜角調整機構24は、回転軸23Bの左右端部に夫々連結され且つ回転軸23Bを上下昇降可能に軸支する1対の軸受け部24aと、軸受け部24aから鉛直上方に延びた1対のねじ棒部材24bと、1対のフレーム15の内側に突出形成され且つねじ棒部材24bが貫通可能な1対の固定部15aと、固定部15aに貫通したねじ棒部材24bに螺合可能な1対のナット部24cとから構成されている。以上により、ナット部24cを締めたとき、固定部15aと回転軸23Bとの間隔が狭くなり、スプロケット22bとスプロケット23bとの間隔を広くでき、また、ナット部24cを緩めたとき、固定部15aと回転軸23Bとの間隔が広くなり、スプロケット22bとスプロケット23bとの間隔を狭くすることができる。
【0040】
図6に示すように、搬送駆動機構25は、左側のスプロケット22bの外側に配置され回転軸22Bを回転軸として回転可能なスプロケット25aと、左側のスプロケット23bの外側に配置され回転軸23Bを回転軸として回転可能なスプロケット25bと、スプロケット25bの上側に配置され回転軸23Bと平行な回転軸25Aによって回転可能に軸支されたスプロケット25cと、スプロケット25cの前方に配置され回転軸23Bと平行な回転軸25Bによって回転可能なスプロケット25d等を備えている。
【0041】
搬送駆動機構25は、これらの各スプロケット25a,25b,25c,25dに夫々張設された駆動チェーン25eと、右側のスプロケット22bの外側に設けられ回転軸22Bを回転駆動する駆動モータ25fと、スプロケット25dを前後移動させて駆動チェーン25eの張力を調整可能な張力調整機構26とを備えている。
【0042】
駆動チェーン25eは、コンベアチェーン22cと同様の構成を有する。駆動チェーン25eは、スプロケット25aの後側とスプロケット25bの前側にかけて各スプロケット25a,25bに90度以上の範囲で掛け渡されているため、駆動モータ25fが回転軸22Bを回転駆動して第1コンベア機構22を搬送方向(後方向)に向けて駆動したとき、スプロケット25bの回転はスプロケット25aの回転方向と逆回転方向となり、第2コンベア機構23も第1コンベア機構22と同様に搬送方向に駆動されるように構成されている。
【0043】
張力調整機構26は、1対のフレーム15の内側に設けられ回転軸25Bを前後移動可能に軸支する軸受け部15bと、回転軸25Bを前方に向けて所定の付勢力で付勢するばね等から構成された付勢部26aと、左側のフレーム15の内側に形成され且つ付勢部26aを支持可能な支持部15c等から形成されている。以上により、第2コンベア機構23の傾斜角を変更したとき、付勢部26aは回転軸25Bを前後方向に移動して駆動チェーン25eに一定の張力を与えることができ、駆動チェーン25eの弛み発生を防止することができる。
【0044】
図2,図7に示すように、押え機構21は、第1コンベア機構22の上方で且つ第2コンベア機構23の前方位置に配置されている。押え機構21は、スプロケット22aの上方に配置された押えローラ28と、単一の油圧シリンダ29と、左右1対のスプロケット30と、左右1対の支持ローラ31と、左右1対のローラチェーン(図示略)等から構成されている。
【0045】
押えローラ28は、回転軸28Aと、ローラ本体28aと、ローラ本体28aの外周表面に形成された複数の円環状の従動刃部28bと、ベアリング28c等から構成されている。ローラ本体28aは、ベアリング28cを介して回転軸28A回りに回転自在に軸支されるよう形成されている。従動刃部28bの向きは、移送方向に略平行な方向に配置され、切断対象物Oが竹材等の中空体の場合、粗割り可能に構成されている。
【0046】
シリンダ29は、基端部がフレーム15の一方の側壁外側に固定され、油圧の給排によってピストンロッド29aの先端部が伸縮作動可能に構成されている。ピストンロッド29aの先端部は、回転軸28Aの一方の端部を回転自在に軸支し、伸縮作動によって昇降可能に形成されている。シリンダ29には、油路により油圧供給源に接続され、この油圧供給源には油圧の給排を切換える為の電磁方向切換弁(図示略)が設けられている。
【0047】
1対のスプロケット30は、回転軸28Aの左右端部近傍に固着され、1対のローラチェーンに噛合可能に構成されている。1対の支持ローラ31は、回転軸28Aの各スプロケット30の内側近傍位置に固着されている。各支持ローラ31は、回転軸28Aを回転可能に軸支し、フレーム15に形成された略U字状のガイド溝15dに対して昇降自在に設置されている。
【0048】
スプロケット30と噛合するローラチェーンを介して、左右のスプロケット30の回転を連動させて図示外の機構を介して回転軸28Aの左右両端の昇降移動を連動させる機構が設けられているため、ピストンロッド29aの先端部が収縮位置から伸長動作したとき、回転軸28Aは軸心回りに回転動作を行いながら上昇移動を行う。それ故、シリンダ29が回転軸28Aの一端側のみを昇降駆動する構成であっても、回転軸28Aの左右両端部の昇降動作の同期を図ることができる。押えローラ28は切断対象物Oを第1コンベア機構22と協働して挟み込むため、切断対象物Oを押し潰すことができ、爪部22e,23eを切断対象物Oに確実に噛み込ませることができる。しかも、ローラ本体28aが回転軸28Aに対して回動自在に構成されるため、押え機構21の押え力を高くした場合であっても、切断対象物Oの移送を阻害しないように構成されている。
【0049】
図2に示すように、縦切断機構17は、移送機構16の下流側に近接した位置に配置されている。図8〜図10に示すように、縦切断機構17は、主動縦切ロータ32と、従動縦切ロータ33と、縦切駆動機構34と、間隔調整機構35等を備えている。主動縦切ロータ32と従動縦切ロータ33は、スプロケット22bの後方の近傍位置とスプロケット23bの後方の近傍位置に夫々対応して配置されている。
【0050】
主動縦切ロータ32は、ロータ軸32A回りに回転可能なロータ本体32aと、ロータ本体32aの外周面上に設けられロータ軸32Aの長さ方向に等間隔Lに形成された環状の複数の縦切断刃32bとから構成されている。これらの縦切断刃32bは、切断対象物Oを搬送方向に対して略平行に縦切断するため、断面略V字状に形成されている。
【0051】
従動縦切ロータ33は、ロータ軸33A回りに回転可能なロータ本体33aと、ロータ本体33aの外周面上に設けられロータ軸33Aの長さ方向に縦切断刃32bと同じ間隔Lに形成された環状の複数の縦切断刃33bとから構成されている。また、これらの縦切断刃33bは、隣り合う縦切断刃32bの中間位置になるよう配置され、切断対象物Oを搬送方向に対して略平行に縦切断するため、断面略V字状に形成されている。
【0052】
縦切駆動機構34は、駆動ギヤ34aと、従動ギヤ34bと、駆動モータ34c等を備えている。駆動ギヤ34aは、主動縦切ロータ32の回転軸32Aの一側端部に設けられ回転軸32Aの軸心を回転軸として回転可能に形成されている。従動ギヤ34bは、従動縦切ロータ33の回転軸33Aの一側端部に設けられ駆動ギヤ34aと歯合可能で且つ回転軸33Aの軸心を回転軸として回転可能に形成されている。駆動モータ34cは、主動縦切ロータ32の他側端部に設けられ回転軸32Aを回転駆動するよう構成されている。
【0053】
以上により、駆動モータ34cが回転軸32Aを回転駆動して主動縦切ロータ32を搬送方向に回転駆動したとき、従動ギヤ34bは駆動ギヤ34aの回転方向と逆方向に回転し、従動縦切ロータ33も主動縦切ロータ32と同様に搬送方向に回転駆動されるように構成されている。搬送機構16から片持ち状態で押し出された切断対象物Oは、主動縦切ロータ32と従動縦切ロータ33とに引き込まれて、更に下流側に押し出される。そこで、切断対象物Oは主動縦切ロータ32と従動縦切ロータ33との押圧力によって圧縮され、複数の縦切断刃32bと縦切断刃33bによってL/2の幅の長細形状に切断処理される。
【0054】
間隔調整機構35は、従動縦切ロータ27の左右両側に設けられ回転軸33Aを上下昇降可能に軸支する左右1対の軸受け部35aと、軸受け部35aに対して鉛直上方に延びた左右1対のねじ棒部材35bと、左右1対のフレーム15の内側に突出形成され且つねじ棒部材35bが貫通可能な左右1対の固定部15eと、固定部15eに貫通したねじ棒部材35bに螺合可能な左右1対のナット部35c等から構成されている。
【0055】
図9に示すように、軸受け部35aの移動可能範囲δは、駆動ギヤ34aと従動ギヤ34bの最も近接した位置から駆動ギヤ34aと従動ギヤ34bの刃先先端が接触回転可能な範囲で移動可能に設定されている。尚、主動縦切ロータ32と従動縦切ロータ33の間隔は、スプロケット22bとスプロケット23bの間隔よりも狭く設定されている。
【0056】
以上により、ナット部35cを締結したとき、固定部15eと回転軸33Aとの間隔が狭くなり、主動縦切ロータ32と従動縦切ロータ33との間隔を広くでき、また、ナット部35cを緩めたとき、固定部15eと回転軸33Aとの間隔が広くなり、主動縦切ロータ32と従動縦切ロータ33との間隔を狭くすることができる。
【0057】
図2,図11,図12に示すように、横切断機構18は、主動縦切ロータ32と従動縦切ロータ33の後端部の後方近傍位置に設置されている。横切断機構18は、横切ロータ36と、固定的に設けられた固定刃37と、横切ロータ36を回転駆動可能な駆動モータ38等から形成されている。横切断機構18は、フレーム15の左右両側壁内側に固定されている。
【0058】
横切ロータ36は、回転軸36Aと平行な稜線部を備えた略三角柱形状のロータ本体36aと、各稜線部に配置された直方体形状のフランジ36bと、これら各フランジ36bの上面にボルト36cによってロータ本体36aの内側から固着され且つ横切ロータ36の回転方向に向かって回転軸36Aと平行に設置された3つの回転刃物36d等から構成されている。回転軸36Aの上下方向位置は、回転軸32Aと回転軸33Aの間の上下方向位置と同じ位置になるように配置されている。
【0059】
固定刃37は、切断対象物Oの移送方向と直交するように配置され、固定刃37の上下方向位置は回転軸32Aと回転軸36Aの間の上下方向位置と同じ位置になるように配置されている。固定刃37は、横切ロータ36の前方且つ主動縦切ロータ32の後方近傍位置に配置されている。駆動モータ38は、回転軸36Aを回転駆動するように構成されている。
【0060】
以上により、駆動モータ38が回転方向Aに回転駆動したとき、縦切断機構17から押し出された長細形状の切断対象物Oは、回転刃物36dの刃先と固定刃37の刃先に挟み込まれ、移送方向と直交するように横切断され、チップ形状に細断されて横切断機構18の下方に設けられた集積バック19に落下、集積される。切断対象物Oの移送方向の切断長さは、駆動モータ38の回転速度によって調整可能に構成されている。
【0061】
次に、本切断処理装置8の動作について説明する。
[導入動作] 竹材等の切断対象物Oを入口ガイド27の溝部27aに載置する。溝部27aによって、複数の切断対象物Oの左右方向の偏在による重なりを防止することができ、後工程における押圧や縦割り処理を円滑に行うことができる。
【0062】
押え機構21は第1コンベア機構22の上流側位置で切断対象物Oを第1コンベア機構22と協働して挟み込むため、嵩張った切断対象物Oを押し潰すことができ、切断対象物Oの移送機構16への導入を容易に行うことができる。特に、第1コンベア機構22の複数の爪部22eが切断対象物Oに噛み込むことで、切断対象物Oの滑りを防止でき、移送機構16の移送性能を増すことができる。しかも、ローラ本体28aが回転軸28Aに対して回動自在に構成されるため、押え機構21の押え力を高くした場合であっても、移送性を阻害しないで切断対象物Oを導入することができる。
【0063】
[移送動作] 第1コンベア機構22の梁材22dに複数の爪部22eが形成されているため、爪部22eが切断対象物Oに噛み込むことで、確実に移送することができる。その後、第2コンベア機構23の複数の爪部23eが切断対象物Oに噛み込み、切断対象物Oは梁材22d,23dにより押圧・圧縮されながら移送方向下流側に搬送される。また、第2コンベア機構23を下流側程第1コンベア機構22に接近するように配置したため、第2コンベア機構23を案内板として嵩張った切断対象物Oを圧縮状態にして下流側方向へ案内することができる。
【0064】
[1次縦切動作] 移送機構16の後部では、下流側程、切断対象物Oに対する第1コンベア機構22と第2コンベア機構23の梁材22d,23dによる押圧力が増加する。それ故、スプロケット22bとスプロケット23bが対向する移送機構16の下流端の近傍領域では、第1コンベア機構22と第2コンベア機構23の近接に伴って切断対象物Oが押圧・圧縮され、複数の爪部22e,23eによる切断対象物Oの縦割り(縦切)処理が行われる。
【0065】
[2次縦切動作] 切断対象物Oは、移送機構16の下流端側から片持ち状態で縦切断機構17に押し出され、主動縦切ロータ32と従動縦切ロータ33とに挟み込まれる。そして、切断対象物Oは、主動縦切ロータ32と従動縦切ロータ33との押圧力によって圧縮され、縦切断刃32b,33bによって設定された所定幅の長細形状の圧縮体に縦切処理される。移送機構16による移送中に、予め、爪部22e,23eによる切断対象物Oの縦割り処理を行っているため、縦切断機構17では大きな押圧力を必要とせずに切断対象物Oを長細形状に2次縦切処理することができる。
【0066】
[横切動作] 縦切断機構17から押し出された長細形状の切断対象物Oは、回転刃物36dの刃先と固定刃37の刃先に挟み込まれ、移送方向と直交するように横切断され、チップ形状に細断されて横切断機構18の下方に設けられた集積バック19に集積することができる。前工程によって切断対象物Oの縦切処理を行っているため、横切断機構18では横切以外の処理を省略することができ、横切断機構18を小型化することができる。
【0067】
次に、上記の切断処理装置8の作用、効果について説明する。
切断処理装置8は、1対のスプロケット22a,22bに夫々張設された1対のチェーン22cを含む第1コンベア機構22、及び、1対のスプロケット23a,23bに夫々張設された1対のチェーン23cを含む第2コンベア機構23であって第1コンベア機構22の上側に搬送方向下流側ほど第1コンベア機構22に接近するように配置された第2コンベア機構23を備えたため、案内板等を設けることなく、嵩張った竹材等の切断対象物Oを搬送方向に移送することができる。
【0068】
第1,第2コンベア機構22,23の下流側近傍部位に配置され且つ切断対象物Oを移送方向と直交方向に切断可能な横切ロータ36と固定刃37等から構成された横切断機構18を備えたため、切断対象物Oをチップ形状に細断することができる。第1,第2コンベア機構22,23の各々は、梁材22d,23dに夫々突設され且つ切断対象物Oを移送中に切断対象物Oを押圧しつつ移送方向と平行に縦割り可能な複数の爪部22e,23eとを備えたため、切断対象物Oと滑りを生じることなく確実に切断対象物Oを移送することができる。しかも、移送中の押圧・圧縮力を利用して爪部22e,23eによる切断対象物Oの縦割り処理を行うため、横切断機構18を小型化でき、切断処理装置8をコンパクト化することができる。
【0069】
つまり、第1コンベア機構22と第2コンベア機構23の傾斜配置によって、嵩張った切断対象物Oを移送方向に引き込むことができ、梁材22d,23dに突設された爪部22e,23eが切断対象物Oに噛み込むことによって、切断対象物Oの移送力を確保することができる。また、移送中に発生する押圧力を利用して、爪部22e,23eが移送方向と平行に切断対象物Oを縦割り処理するため、横切断機構18は横切断機能を備えるだけで、切断対象物Oをチップ化処理することができる。しかも、横切断機構18は縦割り機能を省略できるため、横切断機構18を小型化することができ、切断処理装置8をコンパクトにすることができる。
【0070】
第2コンベア機構23の上流側近傍部位に配置され且つ切断対象物Oを第1コンベア機構22に対して上方から押圧可能な複数の従動刃部28bを備えた押え機構21を有するため、第1,第2コンベア機構22,23の上流側で嵩張った切断対象物Oを押し潰すことができ、爪部22e,23eを切断対象物Oへ確実に噛み込ませることができる。
第2コンベア機構23は、第1コンベア機構22に対する第2コンベア機構23の傾斜角度を変更可能な傾斜角調整機構24を備えたため、切断対象物Oの大きさや形状に拘わらず切断対象物Oを両コンベア機構の間に導入することができ、切断対象物Oの移送及び押圧を確実に実行することができる。
【0071】
第1,第2コンベア機構22,23と横切断機構18との間に配置され、第1,第2コンベア機構22,23で挟持して移送された切断対象物Oを押圧しつつ移送方向と平行に縦割り可能な縦切断刃32bを備えた主動縦切ロータ32と縦切断刃33bを備えた従動縦切ロータ33を有するため、切断対象物Oの横切断機構18への移送と切断対象物Oの縦切処理を同時に行うことができる。主動縦切ロータ32と従動縦切ロータ33は、駆動ギヤ34aと従動ギヤ34b等から形成された縦切駆動機構34によって連動連結されているため、主動縦切ロータ32の回転駆動によって従動縦切ロータ33を回転駆動することができ、駆動機構を簡単化することができる。
【0072】
油圧ショベル1は傾動可能なアーム7に一端部が連結された油圧式バケットシリンダ12を備え、切断処理装置8はバケットシリンダ12によってアーム先端部の連結ピン11回りに揺動可能に装着されたため、任意の位置に揺動可能に移動することができる。また、1台の油圧ショベル1に対してアタッチメントを交換することで、複数種類の作業を1台の油圧ショベルによっておこなうことができる。
【実施例2】
【0073】
次に、実施例2に係る切断処理装置について図13に基づいて説明する。
実施例1の切断処理装置8は油圧ショベル1のアーム7に対して脱着自在なアタッチメントであったのに対し、実施例2の切断処理装置8は自走式の点で異なるのみであるので、その異なる構成についてのみ説明する。尚、実施例1と同様の構成については、同一符号を付している。
【0074】
走行体40は、切断処理装置8と、パワーユニット41と、本体フレーム42と、走行フレーム43等から構成されている。パワーユニット41は、油圧供給源として油圧ポンプと油圧ポンプを駆動するエンジン(図示略)等から構成されている。尚、切断処理装置8は、実施例1と同様の構成とされている。
【0075】
本体フレーム42は、例えば、長方形形状の枠体から形成され、載置部42aと、フレーム部42b等から構成されている。載置部42aは、切断処理装置8やパワーユニット41等を載置可能に構成されている。フレーム部42bは、載置部42aの下部に配置され、載置部42aを支持可能に構成されている。
【0076】
走行フレーム43は、1対の駆動輪43aと、1対のアイドラ43bと、1対の無限軌道履帯43cと、1対の油圧モータ43d等から構成されている。1対の駆動輪43aと1対のアイドラ43bは、フレーム部42bに回転自在に軸支されている。1対の無限軌道履帯43cは、駆動輪43aとアイドラ43bの間に掛け渡された状態で装着されている。1対の油圧モータ43dは、左右の各駆動輪43aの側部に設置されている。
【0077】
実施例2に係る切断処理装置8の作用、効果について説明する。
切断処理装置8は路上を移動可能な走行フレーム43を有し、切断処理装置8が走行フレーム43の上部に装着されたため、切断処理装置8を自走式切断処理装置とすることができ、走行フレーム43によって任意の位置に移動することができる。
【0078】
次に、前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
1]前記実施例では、切断処理装置アタッチメント式や自走式とした移動可能な例について説明したが、切断処理装置を設置台に固定した固定式としても良い。
【0079】
2]前記実施例では、横切断機構を横切ロータと固定刃で構成した例について説明したが、横切ロータの外周を覆うケーシングを設け、このケーシングの内周に複数の固定刃を設置した横切断機構を設けてもよい。回転刃物を回転軸に平行に配置した例について説明したが、回転軸に対して傾斜配置、或いは山形構造等種々の構造や配置形状が適用可能である。固定刃は、回転刃物の構造や配置形状に応じて適宜設定可能である。
【0080】
3]前記実施例では、搬送機構と横切断機構の間に縦切断機構を設置した例について説明したが、縦切断機構は必須ではなく、搬送機構の縦割り処理後、横切断機構の処理を施すように構成してもよい。また、縦切断機構の間隔調整機構を軸受け部とねじ棒部材とナット部と固定部によって構成し、ナット部の締め付け量によって従動縦切ロータの上下位置を調節した例を説明したが、ナット部に代えて、軸受け部と固定部の間にばね等付勢部材を配置し、切断対象物の厚みに応じて従動縦切ロータの上下位置を自動的に調整可能に構成することも可能である。
【0081】
4]その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能で、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、2つのコンベア機構を傾斜配置して竹材等樹木系の切断対象物を搬送し、切断対象物を縦横切断し、その切断片をチップ形状に処理可能な切断処理装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0083】
1 油圧ショベル
7 アーム
8 切断処理装置
12 バケットシリンダ
16 移送機構
17 縦切断機構
18 横切断機構
21 押え機構
22 第1コンベア機構
22a,22b スプロケット
22c コンベアチェーン
22d 梁材
22e 爪部
23 第2コンベア機構
23a,23b スプロケット
23c コンベアチェーン
23d 梁材
23e 爪部
24 傾斜角調整機構
28 押えローラ
28b 従動刃部
32 主動縦切ロータ
32b 縦切刃
33 従動縦切ロータ
33b 縦切刃
34 縦切駆動機構
40 走行体
43 走行フレーム
O 切断対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断対象物を切断する為の切断処理装置において、
1対のスプロケットに夫々張設された1対の無端チェーンを含む第1コンベア機構、及び、1対のスプロケットに夫々張設された1対の無端チェーンを含む第2コンベア機構であって第1コンベア機構の上側に搬送方向下流側ほど第1コンベア機構に接近するように配置された第2コンベア機構と、
前記第1,第2コンベア機構の下流側近傍部位に配置され且つ切断対象物を移送方向と直交方向に切断可能な切断ロータを含む切断機構とを備え、
前記第1,第2コンベア機構の各々は、前記1対の無端チェーンに架着された複数の梁材と、これら梁材に夫々突設され且つ切断対象物を移送中に切断対象物を押圧しつつ移送方向と平行に縦割り可能な複数の爪部とを備えたことを特徴とする切断処理装置。
【請求項2】
前記第2コンベア機構の上流側近傍部位に配置され且つ切断対象物を前記第1コンベア機構に対して上方から押圧可能な複数の刃物を含む押圧可動ローラを有することを特徴とする請求項1に記載の切断処理装置。
【請求項3】
前記第2コンベア機構は、第1コンベア機構に対する第2コンベア機構の傾斜角度を変更可能な角度調整機構を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の切断処理装置。
【請求項4】
前記第1,第2コンベア機構と前記切断機構との間に配置され、前記第1,第2コンベア機構で挟持して移送された切断対象物を押圧しつつ移送方向と平行に縦割り可能な複数の縦割り爪付きの1対の挟みローラを有することを特徴とする請求項1〜3何れか1つに記載の切断処理装置。
【請求項5】
前記1対の挟みローラは、ギヤ機構により連動連結されていることを特徴とする請求項4に記載の切断処理装置。
【請求項6】
傾動可能なアームを備えたショベル系掘削機を有し、
前記ショベル系掘削機は前記アームに一端部が連結された油圧式バケットシリンダを備え、
前記切断処理装置はバケットシリンダによってアーム先端部に対し揺動可能に設けられたことを特徴とする請求項1〜5何れか1つに記載の切断処理装置。
【請求項7】
路上を移動可能な移動手段を有し、
前記切断処理装置は前記移動手段の上部に装着されたことを特徴とする請求項1〜5何れか1つに記載の切断処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−20391(P2011−20391A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168479(P2009−168479)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成21年度独立行政法人新エネルギー・産業技術開発機構 新エネルギー技術研究開発/新エネルギーベンチャー技術革新事業(バイオマス)/パワーショベルアタッチメントによる間伐材、倒木及び竹の処理システムの技術開発、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(593003949)ウエダ産業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】