列車放送受信システム
【課題】運行時に安定して放送信号を受信できる列車放送受信システムを提供する。
【解決手段】列車放送受信システム101は、軌道上を走行する列車100の位置情報を取得する位置情報取得手段2と、複数の放送局301,302から発信された放送信号を受信する受信手段3と、受信された放送信号に基づく情報を提供する情報提供手段5と、提供される情報の元になる放送信号を、複数の放送局301,302から発信された放送信号のいずれかに切り替える放送局切替手段4と、軌道上における列車の位置と、この位置において情報提供手段5によって提供される情報の元になる放送信号を発信する放送局とを対応付けたデータベース情報を取得するデータベース取得手段7とを有し、放送局切替手段4による放送信号の切り替えは、位置情報取得手段2によって取得された位置情報とデータベース取得手段7によって取得されたデータベース情報とに基づいて行われる。
【解決手段】列車放送受信システム101は、軌道上を走行する列車100の位置情報を取得する位置情報取得手段2と、複数の放送局301,302から発信された放送信号を受信する受信手段3と、受信された放送信号に基づく情報を提供する情報提供手段5と、提供される情報の元になる放送信号を、複数の放送局301,302から発信された放送信号のいずれかに切り替える放送局切替手段4と、軌道上における列車の位置と、この位置において情報提供手段5によって提供される情報の元になる放送信号を発信する放送局とを対応付けたデータベース情報を取得するデータベース取得手段7とを有し、放送局切替手段4による放送信号の切り替えは、位置情報取得手段2によって取得された位置情報とデータベース取得手段7によって取得されたデータベース情報とに基づいて行われる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道上を走行する列車(鉄道車両など)において、テレビなどの放送電波信号を受信する列車放送受信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の列車放送受信システムとして、GPS位置情報に基づいて受信局を切り替える方法の提案がある(例えば、特許文献1参照)。この列車放送受信システムにおいては、列車が、同じ系列の複数の放送局からの放送信号が受信可能な地域を運行する場合に、同じ番組を継続して視聴するため、運行途中で受信状況のよい放送局を選択して切り替えている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−184219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、受信する放送信号の適切な切り替えタイミングを導出することは、現地点の位置及び現時点の位置における放送信号の受信感度のみからは困難であり、現時点より後における位置及びその位置における放送信号の受信感度をも考慮しなければならならない。また、受信する放送信号の切り替えタイミングを、現地点の位置及び現時点の位置における放送信号の受信感度のみから予測することは可能であるが、現時点以降の位置の予測及び受信感度の予測を含む複雑な処理が必要になるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、列車運行時に安定して放送信号を受信することができる列車放送受信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の列車放送受信システムは、軌道上を走行する列車の位置情報を取得する位置情報取得手段と、複数の放送局から発信された放送信号の1つ以上を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された放送信号に基づく情報を、利用者に提供する情報提供手段と、前記情報提供手段によって提供される情報の元になる放送信号を、前記複数の放送局から発信された放送信号のいずれかに切り替える放送局切替手段と、前記軌道上における列車の位置と、該位置において前記情報提供手段によって提供される情報の元になる放送信号を発信する放送局とを対応付けたデータベース情報を取得するデータベース取得手段とを有し、前記放送局切替手段による放送信号の切り替えは、前記位置情報取得手段によって取得された位置情報と前記データベース取得手段によって取得されたデータベース情報とに基づいて行われるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、事前に構築したデータベース情報に基づいて放送局からの放送信号を選択することによって、現地点だけでなく、現地点の後に通過する地点に対応した受信感度をも考慮した切り替えができるので、受信感度が一定レベルより低くなってから切り替えるといった制御に依存せず、適切に受信放送局を切り替えることができるので、放送信号を安定して受信することができるという効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る列車放送受信システム101の構成を概略的に示すブロック図である。
【0009】
図1に示されるように、列車100に備えられた列車放送受信システム101は、基地局201からの情報に基づいて列車運行などの制御を行う列車運行制御手段1を有している。列車運行制御手段1は、図示しない送受信機を備えており、基地局201との間で、例えば、無線通信を行う。
【0010】
また、列車放送受信システム101は、軌道(レール)R上を走行する列車100の位置情報を列車運行制御手段1から取得する位置情報取得手段2を有する。なお、列車100の位置検出は、列車の運行制御に使用する既存の方法を用いればよい。既存の位置検出方法としては、例えば、軌道回路方式、地上と列車のいずれかに検出器を設ける方式、GPS方式などがある。ただし、列車100は、予め決められた軌道R上を1次元的な経路で走行するので、2次元的に位置を検出するGPSのような高価を装置は必ずしも必要ではない。
【0011】
さらに、列車放送受信システム101は、複数の放送局301,302から発信された放送信号の1つ以上を受信する受信手段3と、受信手段3によって受信された放送信号に基づく情報を、利用者に提供する情報提供手段5と、情報提供手段5によって提供される情報の元になる放送信号を、複数の放送局301,302から発信された放送信号のいずれかに切り替える放送局切替手段4とを有している。
【0012】
受信手段3は、それぞれが、複数の放送局301,302のそれぞれから発信された放送信号を受信する複数のチューナ3a,3bを有している。また、受信手段3は、放送信号を受信してチューナ3a,3bに出力するアンテナ(図示せず)を有する。図1には、放送局301,302の数が2つであり、チューナ3a,3bの数が2台である場合を示しているが、放送局の数及びチューナの数は、それぞれ3以上であってもよい。
【0013】
放送局切替手段4による切り替えは、複数のチューナ3a,3bから出力される放送信号のいずれかを選択的に情報提供手段5に伝送するために行われる。情報提供手段5は、放送信号を復号するデコーダ5aと、復号された放送信号に基づく映像の表示及び/又は音声の出力などをするディスプレイやスピーカなどの装置(図示せず)を有している。
【0014】
さらにまた、列車放送受信システム101は、データベース情報を保持する記憶装置であるデータベース保持手段6と、データベース保持手段6から軌道R上における列車100の位置と、この位置において情報提供手段5によって提供される情報の元になる放送信号を発信する放送局とを対応付けたデータベース情報を取得するデータベース取得手段7とを有している。
【0015】
また、列車放送受信システム101は、複数のチューナ3a,3bによる放送信号の受信感度S3a,S3bに基づいて、複数の放送局301,302のいずれかを選択する放送局決定手段8と、位置情報取得手段2により取得された位置情報と、放送局決定手段8により選択された放送局とを対応づけて、データベース情報としてデータベース保持手段6に登録(又は更新)するデータベース登録手段9とを有している。放送局決定手段8は、放送信号の受信感度S3a,S3bを比較して、受信感度の高い放送信号を発信する放送局301又は302を決定する。
【0016】
放送局切替手段4による放送信号の切り替え(すなわち、放送局の切り替え)は、位置情報取得手段2によって取得された位置情報とデータベース取得手段7によって取得されたデータベース情報とに基づいて行われる。
【0017】
なお、本出願において、「…手段」と記載されている構成は、電気回路などのハードウェア、コンピュータ上で動作するソフトウェア、又は、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現できる。
【0018】
まず、情報提供手段5から提供(すなわち、映像の表示、音声の出力など)される情報の元になる放送信号を提供する放送局の切替動作を説明する。図2は、実施の形態1に係る列車放送受信システム101における放送局切替動作を示すフローチャートである。また、図3は、実施の形態1に係る列車放送受信システムにおけるデータベース取得手段7がデータベース保持手段6から取得したデータベース情報の一部を示す図である。また、図4は、実施の形態1に係る列車放送受信システム101における軌道R上の列車位置P1〜P12と、各列車位置P1〜P12において選択される放送局301又は302を示す図である。
【0019】
図2に示されるように、まず、位置情報取得手段6は、列車運行制御手段1から列車位置情報を取得し、放送局切替手段4は、位置情報取得手段6から列車位置情報を取得する(ステップST1)。列車位置情報は、例えば、図4に示される軌道R上の位置P1〜P12のいずれかの位置である。
【0020】
次に、データベース取得手段7は、データベース保持手段6からデータベース情報を取得し、放送局切替手段4は、データベース取得手段7からデータベース情報を取得する(ステップST2)。データベース情報は、例えば、図3に示されるように、列車の軌道R上の位置P1〜P12(図3の左欄)と、各位置において選択すべき放送局301又は302(図3の右欄)とを対応付けた情報である。
【0021】
次に、放送局切替手段4は、位置情報取得手段6から取得された列車位置情報と、データベース取得手段7から取得されたデータベース情報とに基づいて、選択すべき放送局301又は302を決定する(ステップST3)。
【0022】
次に、放送局切替手段4は、現在選択している放送局と、ステップST3で得られた選択すべき放送局が同じであるかどうかを判断する(ステップST4)。現在選択している放送局と、ステップST3で得られた選択すべき放送局とが同じである場合、放送局切替手段4の処理はステップST1に戻る。現在選択している放送局と、ステップST3で得られた選択すべき放送局とが異なる場合、放送局切替手段4は、情報提供手段5に提供される情報の元になる放送信号を発信する放送局の切り替えの動作を行い、その後、処理をステップST1に戻す。
【0023】
次に、データベース情報の更新登録動作を説明する。図5は、実施の形態1に係る列車放送受信システムにおけるデータベース構築動作を示すフローチャートである。また、図6は、実施の形態1に係る列車放送受信システムにおける列車位置P1〜P12と、各位置における受信感度を示す図である。また、図7は、実施の形態1に係る列車放送受信システムにおいて構築され登録されるデータベース情報の一部を示す図である。
【0024】
図5に示されるように、まず、位置情報取得手段6は、列車運行制御手段1から列車位置情報を取得し、データベース登録手段9は、位置情報取得手段6から列車位置情報を取得する(ステップST11)。列車位置情報は、例えば、図6に示される軌道R上の位置P1〜P12のいずれかの位置である。
【0025】
そして、放送局決定手段8は、このときの複数のチューナ3a,3bの受信感度S3a,S3bを取得する(ステップST12)。すなわち、放送局決定手段8は、放送局301からの放送信号のチューナ3aによる受信感度S3aと放送局302からの放送信号のチューナ3bによる受信感度S3bを取得し、比較して、受信感度の高い放送局を決定する。受信感度S3a,S3b、及び、その大小関係は、例えば、図6に示されている。
【0026】
次に、データベース登録手段9は、位置情報取得手段6により取得された列車の位置情報と、放送局決定手段8からの決定された放送局情報とに基づいて、軌道上の各位置P1〜P12に対応する放送局301又は302を決定する(ステップST13)。
【0027】
次に、データベース登録手段9は、データベース保持手段6にデータベース情報を登録し(ステップST14)、処理をステップST11に戻す。登録されるデータベース情報は、例えば、図7に示されるように、列車の軌道R上の位置P1〜P12(図7の左欄)と、各位置において選択される放送局301又は302(図7の右欄)とを対応付けた情報である。
【0028】
以上のように構成された列車放送受信システム101においては、同一路線を繰り返し運行する列車の特徴を利用して、常に最適な受信制御を行うことが可能である。すなわち、実際に走行している地点よりも先の列車位置情報に基づく情報を、前回走行したときまでに構築したデータベースを元に、予め取得することができるため、受信感度が下がって受信が不安定になる前に、別のより安定した受信が可能な放送局を選択することができる。このような制御により、受信感度が下がった際に発生するブロックノイズ表示などを極力回避することが可能になる。
【0029】
また、受信手段3の複数のチューナ3a,3bのいずれも放送信号を受信ができなくなる区間においては、従来の列車放送受信システムであれば、突然、黒画面になるなど、表示上の品質が突然悪くなる状況が発生したが、実施の形態1に係る列車放送受信システム101によれば、受信できなくなる区間を予め知ることができるので、画面を漸次暗くしたり、事前に放送受信画面が途切れことを知らせるメッセージ表示したりして、利用者に配慮したきめ細かい表示制御が可能になる。
【0030】
また、実施の形態1に係る列車放送受信システム101によれば、受信状況に応じてデータベースを最新に保つため、データベースが陳腐化して利用価値がなくなってしまう事態を回避できる。例えば、実施の形態1に係る列車放送受信システム101によれば、放送局からの送出強度が変更になったり、新規に放送を開始したり、高い建物が建築されたりするなどして、受信状況が変化しても最新の状況を反映したデータベースを構築することができる。
【0031】
また、実施の形態1に係る列車放送受信システム101によれば、事前に構築したデータベース情報を元に1次元的な線路上の位置に対応した放送局を容易に同定でき、さらに現地点だけでなく後に通過する地点に対応した放送局もあわせて知ることができるため、2次元位置情報を取得するための汎用的なGPS位置情報取得装置などを特別に搭載する必要はない。
【0032】
なお、同じ路線の1回目の運行においては、データベース情報がないため、実施の形態1の制御を実施することはできないが、2回目の運行からは実施の形態1の制御を実施できる。なお、1回目の運行においては、従来の列車放送受信システムと同様の受信感度による切り替えを行えばよい。
【0033】
また、上記説明においては、データベース情報に従い受信放送局を選択し受信する場合を説明したが、受信するいずれの放送信号の受信感度も低く、映像音声が正常に表示及び出力できないと判定された場合には、映像表示及び音声出力を停止させるように動作させてもよい。
【0034】
実施の形態2.
図8は、本発明の実施の形態2に係る列車放送受信システム102の構成を概略的に示すブロック図である。図8において、図1の構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。
【0035】
実施の形態2においては、実施の形態1とは異なり、列車位置情報と選択される放送局の関係を示すデータベース保持手段202を列車内に備えておらず、例えば、基地局又は運行監視センター(図示せず)などに装備している。データベース保持手段202と列車との通信は、無線通信により行われ、例えば、列車運行制御手段1による無線通信などを用いてもよい。
【0036】
以上に説明したように、実施の形態2に係る列車放送受信システム102によれば、同一路線を走る列車であれば、以前に走行した列車のデータベース情報を利用することができ、より効果的な運用が可能になる。また、従来の列車放送受信システムと同様の受信感度による切り替え動作を行うのは、1つの路線の始発列車だけで済むという利点もある。また、始発列車を試験列車で運用する場合には、通常運行の列車は全て本発明の列車放送受信システムの効果を得ることが可能になる。
【0037】
また、実施の形態2に係る列車放送受信システム102によれば、同一路線を運行する、複数の列車によるデータベース情報を、総合的に判断しデータベースを再構成することができるため、列車固有の受信感度の差などを吸収でき、より信頼性の高いデータベースを構築することが可能になる。
【0038】
なお、実施の形態2において、上記以外の点は、上記実施の形態1の場合と同じである。
【0039】
実施の形態3.
図9は、本発明の実施の形態3に係る列車放送受信システム103の構成を概略的に示すブロック図である。図9において、図1の構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。
【0040】
実施の形態3に係る列車放送受信システム103は、実施の形態1とは異なり、放送局決定手段8、データベース登録手段9を備えていない。したがって、実施の形態3の列車放送受信システム103においては、列車位置情報と、これに対応する受信放送局情報を含むデータベース情報を予め実施の形態1又は2の列車放送受信システムを用いて構築したものと同様の手法によって構築して搭載しておく。
【0041】
また、実施の形態3に係る列車放送受信システム103は、実施の形態1とは異なり、受信手段11が1台のチューナ11aを備えており、放送局切替手段10が複数の放送局301,302のいずれかを選択してチューナ11aに放送信号を出力する構成を採用している。ただし、実施の形態3に係る列車放送受信システム103のチューナ、放送局切替手段を、実施の形態1の場合と同様に構成することも可能である。
【0042】
実施の形態3の列車放送受信システムにおいては、実施の形態1と同様に、列車位置情報と、これに対応する受信放送局情報を含むデータベース情報を元に、放送局切替手段10にて適切に切り替え動作を実施する。なお、データベース情報は、予め実施の形態1又は2の列車放送受信システムを用いて構築したものを搭載しておく。
【0043】
実施の形態3の列車放送受信システムでは、放送局決定手段8などの装置が不要になるため、実施の形態1と同様の効果に加え、装置を安価に構成することができるという効果を得ることができる。特に、実施の形態3の列車放送受信システムでは、複数の放送局の受信感度を常に監視する必要がなくなるため、システムへ与える負荷を減らすことができ、耐性の高い運用が可能になる。
【0044】
なお、実施の形態3において、上記以外の点は、上記実施の形態1の場合と同じである。
【0045】
実施の形態4.
図10は、実施の形態4に係る列車放送受信システム104の構成を概略的に示すブロック図である。図10において、図9の構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。
【0046】
実施の形態4においては、実施の形態3とは異なり、列車位置情報と受信対象放送局の関係を示すデータベース保持手段202を列車内に備えておらず、例えば、基地局又は運行監視センター(図示せず)などに装備している。データベース保持手段202と列車との通信は、無線通信により、例えば、列車運行制御手段1による無線通信などを用いてもよい。
【0047】
実施の形態4の列車放送受信システム104では、同一路線を走る列車であれば、それより前に走行した列車のデータベース情報を利用することができ、より効果的な運用が可能になる。従来の列車放送受信システムと同様の受信感度による切り替え動作を行うのは、1つの路線の始発列車だけで済む利点もある。また、始発列車は試験列車で運用する場合があり、このとき通常運行の列車は全て本発明の列車放送受信システムの効果を得ることが可能になる。
【0048】
また、実施の形態4の列車放送受信システム104では、実施の形態3及び実施の形態2の効果に加えて、列車運行全体のシステム価格を安価にすることが可能になるという効果を得ることができる。すなわち、同一路線を運行する列車のうち、試験列車のみデータベースを構築する実施の形態2の列車放送受信システム、通常運行列車は安価な構成の実施の形態4の列車放送受信システムをそれぞれ搭載すれば、通常運行列車の方が構成数量が圧倒的に多く、その分だけ全体のシステム価格を低くすることができる。
【0049】
なお、実施の形態4において、上記以外の点は、上記実施の形態3の場合と同じである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態1に係る列車放送受信システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る列車放送受信システムにおける放送局切替動作を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態1に係る列車放送受信システムにおいて取得されるデータベース情報の一部を示す図である。
【図4】実施の形態1に係る列車放送受信システムにおける列車位置と選択されるべき放送局を示す図である。
【図5】実施の形態1に係る列車放送受信システムにおけるデータベース登録動作を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1に係る列車放送受信システムにおける列車位置と受信感度を示す図である。
【図7】実施の形態1に係る列車放送受信システムにおいて登録されるデータベースデータベース情報の一部を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る列車放送受信システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態3に係る列車放送受信システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態4に係る列車放送受信システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【符号の説明】
【0051】
1 列車運行制御手段、 2 位置情報取得手段、 3,11 受信手段、 3a,3b,11a チューナ、 4,10 放送局切替手段、 5 情報提供手段、 5a デコーダ、 6 データベース保持手段、 7 データベース取得手段、 8 放送局決定手段、 9 データベース登録手段、 100 列車、 101,…,104 列車放送受信システム、 201 基地局、 202 データベース保持手段、 301,302 放送局。
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道上を走行する列車(鉄道車両など)において、テレビなどの放送電波信号を受信する列車放送受信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の列車放送受信システムとして、GPS位置情報に基づいて受信局を切り替える方法の提案がある(例えば、特許文献1参照)。この列車放送受信システムにおいては、列車が、同じ系列の複数の放送局からの放送信号が受信可能な地域を運行する場合に、同じ番組を継続して視聴するため、運行途中で受信状況のよい放送局を選択して切り替えている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−184219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、受信する放送信号の適切な切り替えタイミングを導出することは、現地点の位置及び現時点の位置における放送信号の受信感度のみからは困難であり、現時点より後における位置及びその位置における放送信号の受信感度をも考慮しなければならならない。また、受信する放送信号の切り替えタイミングを、現地点の位置及び現時点の位置における放送信号の受信感度のみから予測することは可能であるが、現時点以降の位置の予測及び受信感度の予測を含む複雑な処理が必要になるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、列車運行時に安定して放送信号を受信することができる列車放送受信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の列車放送受信システムは、軌道上を走行する列車の位置情報を取得する位置情報取得手段と、複数の放送局から発信された放送信号の1つ以上を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された放送信号に基づく情報を、利用者に提供する情報提供手段と、前記情報提供手段によって提供される情報の元になる放送信号を、前記複数の放送局から発信された放送信号のいずれかに切り替える放送局切替手段と、前記軌道上における列車の位置と、該位置において前記情報提供手段によって提供される情報の元になる放送信号を発信する放送局とを対応付けたデータベース情報を取得するデータベース取得手段とを有し、前記放送局切替手段による放送信号の切り替えは、前記位置情報取得手段によって取得された位置情報と前記データベース取得手段によって取得されたデータベース情報とに基づいて行われるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、事前に構築したデータベース情報に基づいて放送局からの放送信号を選択することによって、現地点だけでなく、現地点の後に通過する地点に対応した受信感度をも考慮した切り替えができるので、受信感度が一定レベルより低くなってから切り替えるといった制御に依存せず、適切に受信放送局を切り替えることができるので、放送信号を安定して受信することができるという効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る列車放送受信システム101の構成を概略的に示すブロック図である。
【0009】
図1に示されるように、列車100に備えられた列車放送受信システム101は、基地局201からの情報に基づいて列車運行などの制御を行う列車運行制御手段1を有している。列車運行制御手段1は、図示しない送受信機を備えており、基地局201との間で、例えば、無線通信を行う。
【0010】
また、列車放送受信システム101は、軌道(レール)R上を走行する列車100の位置情報を列車運行制御手段1から取得する位置情報取得手段2を有する。なお、列車100の位置検出は、列車の運行制御に使用する既存の方法を用いればよい。既存の位置検出方法としては、例えば、軌道回路方式、地上と列車のいずれかに検出器を設ける方式、GPS方式などがある。ただし、列車100は、予め決められた軌道R上を1次元的な経路で走行するので、2次元的に位置を検出するGPSのような高価を装置は必ずしも必要ではない。
【0011】
さらに、列車放送受信システム101は、複数の放送局301,302から発信された放送信号の1つ以上を受信する受信手段3と、受信手段3によって受信された放送信号に基づく情報を、利用者に提供する情報提供手段5と、情報提供手段5によって提供される情報の元になる放送信号を、複数の放送局301,302から発信された放送信号のいずれかに切り替える放送局切替手段4とを有している。
【0012】
受信手段3は、それぞれが、複数の放送局301,302のそれぞれから発信された放送信号を受信する複数のチューナ3a,3bを有している。また、受信手段3は、放送信号を受信してチューナ3a,3bに出力するアンテナ(図示せず)を有する。図1には、放送局301,302の数が2つであり、チューナ3a,3bの数が2台である場合を示しているが、放送局の数及びチューナの数は、それぞれ3以上であってもよい。
【0013】
放送局切替手段4による切り替えは、複数のチューナ3a,3bから出力される放送信号のいずれかを選択的に情報提供手段5に伝送するために行われる。情報提供手段5は、放送信号を復号するデコーダ5aと、復号された放送信号に基づく映像の表示及び/又は音声の出力などをするディスプレイやスピーカなどの装置(図示せず)を有している。
【0014】
さらにまた、列車放送受信システム101は、データベース情報を保持する記憶装置であるデータベース保持手段6と、データベース保持手段6から軌道R上における列車100の位置と、この位置において情報提供手段5によって提供される情報の元になる放送信号を発信する放送局とを対応付けたデータベース情報を取得するデータベース取得手段7とを有している。
【0015】
また、列車放送受信システム101は、複数のチューナ3a,3bによる放送信号の受信感度S3a,S3bに基づいて、複数の放送局301,302のいずれかを選択する放送局決定手段8と、位置情報取得手段2により取得された位置情報と、放送局決定手段8により選択された放送局とを対応づけて、データベース情報としてデータベース保持手段6に登録(又は更新)するデータベース登録手段9とを有している。放送局決定手段8は、放送信号の受信感度S3a,S3bを比較して、受信感度の高い放送信号を発信する放送局301又は302を決定する。
【0016】
放送局切替手段4による放送信号の切り替え(すなわち、放送局の切り替え)は、位置情報取得手段2によって取得された位置情報とデータベース取得手段7によって取得されたデータベース情報とに基づいて行われる。
【0017】
なお、本出願において、「…手段」と記載されている構成は、電気回路などのハードウェア、コンピュータ上で動作するソフトウェア、又は、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現できる。
【0018】
まず、情報提供手段5から提供(すなわち、映像の表示、音声の出力など)される情報の元になる放送信号を提供する放送局の切替動作を説明する。図2は、実施の形態1に係る列車放送受信システム101における放送局切替動作を示すフローチャートである。また、図3は、実施の形態1に係る列車放送受信システムにおけるデータベース取得手段7がデータベース保持手段6から取得したデータベース情報の一部を示す図である。また、図4は、実施の形態1に係る列車放送受信システム101における軌道R上の列車位置P1〜P12と、各列車位置P1〜P12において選択される放送局301又は302を示す図である。
【0019】
図2に示されるように、まず、位置情報取得手段6は、列車運行制御手段1から列車位置情報を取得し、放送局切替手段4は、位置情報取得手段6から列車位置情報を取得する(ステップST1)。列車位置情報は、例えば、図4に示される軌道R上の位置P1〜P12のいずれかの位置である。
【0020】
次に、データベース取得手段7は、データベース保持手段6からデータベース情報を取得し、放送局切替手段4は、データベース取得手段7からデータベース情報を取得する(ステップST2)。データベース情報は、例えば、図3に示されるように、列車の軌道R上の位置P1〜P12(図3の左欄)と、各位置において選択すべき放送局301又は302(図3の右欄)とを対応付けた情報である。
【0021】
次に、放送局切替手段4は、位置情報取得手段6から取得された列車位置情報と、データベース取得手段7から取得されたデータベース情報とに基づいて、選択すべき放送局301又は302を決定する(ステップST3)。
【0022】
次に、放送局切替手段4は、現在選択している放送局と、ステップST3で得られた選択すべき放送局が同じであるかどうかを判断する(ステップST4)。現在選択している放送局と、ステップST3で得られた選択すべき放送局とが同じである場合、放送局切替手段4の処理はステップST1に戻る。現在選択している放送局と、ステップST3で得られた選択すべき放送局とが異なる場合、放送局切替手段4は、情報提供手段5に提供される情報の元になる放送信号を発信する放送局の切り替えの動作を行い、その後、処理をステップST1に戻す。
【0023】
次に、データベース情報の更新登録動作を説明する。図5は、実施の形態1に係る列車放送受信システムにおけるデータベース構築動作を示すフローチャートである。また、図6は、実施の形態1に係る列車放送受信システムにおける列車位置P1〜P12と、各位置における受信感度を示す図である。また、図7は、実施の形態1に係る列車放送受信システムにおいて構築され登録されるデータベース情報の一部を示す図である。
【0024】
図5に示されるように、まず、位置情報取得手段6は、列車運行制御手段1から列車位置情報を取得し、データベース登録手段9は、位置情報取得手段6から列車位置情報を取得する(ステップST11)。列車位置情報は、例えば、図6に示される軌道R上の位置P1〜P12のいずれかの位置である。
【0025】
そして、放送局決定手段8は、このときの複数のチューナ3a,3bの受信感度S3a,S3bを取得する(ステップST12)。すなわち、放送局決定手段8は、放送局301からの放送信号のチューナ3aによる受信感度S3aと放送局302からの放送信号のチューナ3bによる受信感度S3bを取得し、比較して、受信感度の高い放送局を決定する。受信感度S3a,S3b、及び、その大小関係は、例えば、図6に示されている。
【0026】
次に、データベース登録手段9は、位置情報取得手段6により取得された列車の位置情報と、放送局決定手段8からの決定された放送局情報とに基づいて、軌道上の各位置P1〜P12に対応する放送局301又は302を決定する(ステップST13)。
【0027】
次に、データベース登録手段9は、データベース保持手段6にデータベース情報を登録し(ステップST14)、処理をステップST11に戻す。登録されるデータベース情報は、例えば、図7に示されるように、列車の軌道R上の位置P1〜P12(図7の左欄)と、各位置において選択される放送局301又は302(図7の右欄)とを対応付けた情報である。
【0028】
以上のように構成された列車放送受信システム101においては、同一路線を繰り返し運行する列車の特徴を利用して、常に最適な受信制御を行うことが可能である。すなわち、実際に走行している地点よりも先の列車位置情報に基づく情報を、前回走行したときまでに構築したデータベースを元に、予め取得することができるため、受信感度が下がって受信が不安定になる前に、別のより安定した受信が可能な放送局を選択することができる。このような制御により、受信感度が下がった際に発生するブロックノイズ表示などを極力回避することが可能になる。
【0029】
また、受信手段3の複数のチューナ3a,3bのいずれも放送信号を受信ができなくなる区間においては、従来の列車放送受信システムであれば、突然、黒画面になるなど、表示上の品質が突然悪くなる状況が発生したが、実施の形態1に係る列車放送受信システム101によれば、受信できなくなる区間を予め知ることができるので、画面を漸次暗くしたり、事前に放送受信画面が途切れことを知らせるメッセージ表示したりして、利用者に配慮したきめ細かい表示制御が可能になる。
【0030】
また、実施の形態1に係る列車放送受信システム101によれば、受信状況に応じてデータベースを最新に保つため、データベースが陳腐化して利用価値がなくなってしまう事態を回避できる。例えば、実施の形態1に係る列車放送受信システム101によれば、放送局からの送出強度が変更になったり、新規に放送を開始したり、高い建物が建築されたりするなどして、受信状況が変化しても最新の状況を反映したデータベースを構築することができる。
【0031】
また、実施の形態1に係る列車放送受信システム101によれば、事前に構築したデータベース情報を元に1次元的な線路上の位置に対応した放送局を容易に同定でき、さらに現地点だけでなく後に通過する地点に対応した放送局もあわせて知ることができるため、2次元位置情報を取得するための汎用的なGPS位置情報取得装置などを特別に搭載する必要はない。
【0032】
なお、同じ路線の1回目の運行においては、データベース情報がないため、実施の形態1の制御を実施することはできないが、2回目の運行からは実施の形態1の制御を実施できる。なお、1回目の運行においては、従来の列車放送受信システムと同様の受信感度による切り替えを行えばよい。
【0033】
また、上記説明においては、データベース情報に従い受信放送局を選択し受信する場合を説明したが、受信するいずれの放送信号の受信感度も低く、映像音声が正常に表示及び出力できないと判定された場合には、映像表示及び音声出力を停止させるように動作させてもよい。
【0034】
実施の形態2.
図8は、本発明の実施の形態2に係る列車放送受信システム102の構成を概略的に示すブロック図である。図8において、図1の構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。
【0035】
実施の形態2においては、実施の形態1とは異なり、列車位置情報と選択される放送局の関係を示すデータベース保持手段202を列車内に備えておらず、例えば、基地局又は運行監視センター(図示せず)などに装備している。データベース保持手段202と列車との通信は、無線通信により行われ、例えば、列車運行制御手段1による無線通信などを用いてもよい。
【0036】
以上に説明したように、実施の形態2に係る列車放送受信システム102によれば、同一路線を走る列車であれば、以前に走行した列車のデータベース情報を利用することができ、より効果的な運用が可能になる。また、従来の列車放送受信システムと同様の受信感度による切り替え動作を行うのは、1つの路線の始発列車だけで済むという利点もある。また、始発列車を試験列車で運用する場合には、通常運行の列車は全て本発明の列車放送受信システムの効果を得ることが可能になる。
【0037】
また、実施の形態2に係る列車放送受信システム102によれば、同一路線を運行する、複数の列車によるデータベース情報を、総合的に判断しデータベースを再構成することができるため、列車固有の受信感度の差などを吸収でき、より信頼性の高いデータベースを構築することが可能になる。
【0038】
なお、実施の形態2において、上記以外の点は、上記実施の形態1の場合と同じである。
【0039】
実施の形態3.
図9は、本発明の実施の形態3に係る列車放送受信システム103の構成を概略的に示すブロック図である。図9において、図1の構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。
【0040】
実施の形態3に係る列車放送受信システム103は、実施の形態1とは異なり、放送局決定手段8、データベース登録手段9を備えていない。したがって、実施の形態3の列車放送受信システム103においては、列車位置情報と、これに対応する受信放送局情報を含むデータベース情報を予め実施の形態1又は2の列車放送受信システムを用いて構築したものと同様の手法によって構築して搭載しておく。
【0041】
また、実施の形態3に係る列車放送受信システム103は、実施の形態1とは異なり、受信手段11が1台のチューナ11aを備えており、放送局切替手段10が複数の放送局301,302のいずれかを選択してチューナ11aに放送信号を出力する構成を採用している。ただし、実施の形態3に係る列車放送受信システム103のチューナ、放送局切替手段を、実施の形態1の場合と同様に構成することも可能である。
【0042】
実施の形態3の列車放送受信システムにおいては、実施の形態1と同様に、列車位置情報と、これに対応する受信放送局情報を含むデータベース情報を元に、放送局切替手段10にて適切に切り替え動作を実施する。なお、データベース情報は、予め実施の形態1又は2の列車放送受信システムを用いて構築したものを搭載しておく。
【0043】
実施の形態3の列車放送受信システムでは、放送局決定手段8などの装置が不要になるため、実施の形態1と同様の効果に加え、装置を安価に構成することができるという効果を得ることができる。特に、実施の形態3の列車放送受信システムでは、複数の放送局の受信感度を常に監視する必要がなくなるため、システムへ与える負荷を減らすことができ、耐性の高い運用が可能になる。
【0044】
なお、実施の形態3において、上記以外の点は、上記実施の形態1の場合と同じである。
【0045】
実施の形態4.
図10は、実施の形態4に係る列車放送受信システム104の構成を概略的に示すブロック図である。図10において、図9の構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。
【0046】
実施の形態4においては、実施の形態3とは異なり、列車位置情報と受信対象放送局の関係を示すデータベース保持手段202を列車内に備えておらず、例えば、基地局又は運行監視センター(図示せず)などに装備している。データベース保持手段202と列車との通信は、無線通信により、例えば、列車運行制御手段1による無線通信などを用いてもよい。
【0047】
実施の形態4の列車放送受信システム104では、同一路線を走る列車であれば、それより前に走行した列車のデータベース情報を利用することができ、より効果的な運用が可能になる。従来の列車放送受信システムと同様の受信感度による切り替え動作を行うのは、1つの路線の始発列車だけで済む利点もある。また、始発列車は試験列車で運用する場合があり、このとき通常運行の列車は全て本発明の列車放送受信システムの効果を得ることが可能になる。
【0048】
また、実施の形態4の列車放送受信システム104では、実施の形態3及び実施の形態2の効果に加えて、列車運行全体のシステム価格を安価にすることが可能になるという効果を得ることができる。すなわち、同一路線を運行する列車のうち、試験列車のみデータベースを構築する実施の形態2の列車放送受信システム、通常運行列車は安価な構成の実施の形態4の列車放送受信システムをそれぞれ搭載すれば、通常運行列車の方が構成数量が圧倒的に多く、その分だけ全体のシステム価格を低くすることができる。
【0049】
なお、実施の形態4において、上記以外の点は、上記実施の形態3の場合と同じである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態1に係る列車放送受信システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る列車放送受信システムにおける放送局切替動作を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態1に係る列車放送受信システムにおいて取得されるデータベース情報の一部を示す図である。
【図4】実施の形態1に係る列車放送受信システムにおける列車位置と選択されるべき放送局を示す図である。
【図5】実施の形態1に係る列車放送受信システムにおけるデータベース登録動作を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1に係る列車放送受信システムにおける列車位置と受信感度を示す図である。
【図7】実施の形態1に係る列車放送受信システムにおいて登録されるデータベースデータベース情報の一部を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る列車放送受信システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態3に係る列車放送受信システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態4に係る列車放送受信システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【符号の説明】
【0051】
1 列車運行制御手段、 2 位置情報取得手段、 3,11 受信手段、 3a,3b,11a チューナ、 4,10 放送局切替手段、 5 情報提供手段、 5a デコーダ、 6 データベース保持手段、 7 データベース取得手段、 8 放送局決定手段、 9 データベース登録手段、 100 列車、 101,…,104 列車放送受信システム、 201 基地局、 202 データベース保持手段、 301,302 放送局。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道上を走行する列車の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
複数の放送局から発信された放送信号の1つ以上を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された放送信号に基づく情報を、利用者に提供する情報提供手段と、
前記情報提供手段によって提供される情報の元になる放送信号を、前記複数の放送局から発信された放送信号のいずれかに切り替える放送局切替手段と、
前記軌道上における列車の位置と、該位置において前記情報提供手段によって提供される情報の元になる放送信号を発信する放送局とを対応付けたデータベース情報を取得するデータベース取得手段と
を有し、
前記放送局切替手段による放送信号の切り替えは、前記位置情報取得手段によって取得された位置情報と前記データベース取得手段によって取得されたデータベース情報とに基づいて行われる
ことを特徴とする列車放送受信システム。
【請求項2】
前記受信手段は、それぞれが、前記複数の放送局のそれぞれから発信された放送信号を受信する複数のチューナを有し、
前記放送局切替手段による切り替えは、前記複数のチューナから出力される放送信号のいずれかを選択的に前記情報提供手段に伝送することによって行われる
ことを特徴とする請求項1に記載の列車放送受信システム。
【請求項3】
前記データベース情報を保持するデータベース保持手段をさらに有し、
前記データベース取得手段によるデータベース情報の取得は、前記データベース保持手段からのデータベース情報の取得である
ことを特徴とする請求項2に記載の列車放送受信システム。
【請求項4】
前記データベース取得手段によるデータベース情報の取得は、前記データベース情報を保持する外部のデータベース保持手段からのデータベース情報の取得である
ことを特徴とする請求項2に記載の列車放送受信システム。
【請求項5】
前記複数のチューナによる放送信号の受信感度に基づいて、前記複数の放送局のいずれかを選択する放送局決定手段と、
前記位置情報取得手段により取得された位置情報と、前記放送局決定手段により選択された放送局とを対応づけて、前記データベース情報として前記データベース保持手段に保持させるデータベース登録手段と
を有することを特徴とする請求項3又は4のいずれかに記載の列車放送受信システム。
【請求項6】
前記放送局切替手段による切り替えは、前記複数の放送局のそれぞれから発信された放送信号のいずれかを選択的に前記受信手段に伝送することによって行われる
ことを特徴とする請求項1に記載の列車放送受信システム。
【請求項7】
前記データベース情報を保持するデータベース保持手段をさらに有し、
前記データベース取得手段によるデータベース情報の取得は、前記データベース保持手段からのデータベース情報の取得である
ことを特徴とする請求項6に記載の列車放送受信システム。
【請求項8】
前記データベース取得手段によるデータベース情報の取得は、前記データベース情報を保持する外部のデータベース保持手段からのデータベース情報の取得である
ことを特徴とする請求項6に記載の列車放送受信システム。
【請求項9】
基地局との通信を行う列車運行制御手段を有し、
前記位置情報取得手段が取得する位置情報は、前記列車運行制御手段が前記基地局から受信した情報である
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の列車放送受信システム。
【請求項1】
軌道上を走行する列車の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
複数の放送局から発信された放送信号の1つ以上を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された放送信号に基づく情報を、利用者に提供する情報提供手段と、
前記情報提供手段によって提供される情報の元になる放送信号を、前記複数の放送局から発信された放送信号のいずれかに切り替える放送局切替手段と、
前記軌道上における列車の位置と、該位置において前記情報提供手段によって提供される情報の元になる放送信号を発信する放送局とを対応付けたデータベース情報を取得するデータベース取得手段と
を有し、
前記放送局切替手段による放送信号の切り替えは、前記位置情報取得手段によって取得された位置情報と前記データベース取得手段によって取得されたデータベース情報とに基づいて行われる
ことを特徴とする列車放送受信システム。
【請求項2】
前記受信手段は、それぞれが、前記複数の放送局のそれぞれから発信された放送信号を受信する複数のチューナを有し、
前記放送局切替手段による切り替えは、前記複数のチューナから出力される放送信号のいずれかを選択的に前記情報提供手段に伝送することによって行われる
ことを特徴とする請求項1に記載の列車放送受信システム。
【請求項3】
前記データベース情報を保持するデータベース保持手段をさらに有し、
前記データベース取得手段によるデータベース情報の取得は、前記データベース保持手段からのデータベース情報の取得である
ことを特徴とする請求項2に記載の列車放送受信システム。
【請求項4】
前記データベース取得手段によるデータベース情報の取得は、前記データベース情報を保持する外部のデータベース保持手段からのデータベース情報の取得である
ことを特徴とする請求項2に記載の列車放送受信システム。
【請求項5】
前記複数のチューナによる放送信号の受信感度に基づいて、前記複数の放送局のいずれかを選択する放送局決定手段と、
前記位置情報取得手段により取得された位置情報と、前記放送局決定手段により選択された放送局とを対応づけて、前記データベース情報として前記データベース保持手段に保持させるデータベース登録手段と
を有することを特徴とする請求項3又は4のいずれかに記載の列車放送受信システム。
【請求項6】
前記放送局切替手段による切り替えは、前記複数の放送局のそれぞれから発信された放送信号のいずれかを選択的に前記受信手段に伝送することによって行われる
ことを特徴とする請求項1に記載の列車放送受信システム。
【請求項7】
前記データベース情報を保持するデータベース保持手段をさらに有し、
前記データベース取得手段によるデータベース情報の取得は、前記データベース保持手段からのデータベース情報の取得である
ことを特徴とする請求項6に記載の列車放送受信システム。
【請求項8】
前記データベース取得手段によるデータベース情報の取得は、前記データベース情報を保持する外部のデータベース保持手段からのデータベース情報の取得である
ことを特徴とする請求項6に記載の列車放送受信システム。
【請求項9】
基地局との通信を行う列車運行制御手段を有し、
前記位置情報取得手段が取得する位置情報は、前記列車運行制御手段が前記基地局から受信した情報である
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の列車放送受信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2007−325146(P2007−325146A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−155587(P2006−155587)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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