説明

初期セルサーチ方法及び初期セルサーチ装置

【課題】本発明は初期セルサーチ方法及びその装置を提供する。
【解決手段】該初期セルサーチ方法は、プライマリ同期シーケンス(PSS)検知ステップと、第1の合併ステップと、第1のメトリック値計算ステップと、第1の閾値比較ステップと、第1の制御ステップと、第1の計算ステップと、キャリア周波数オフセット補償ステップと、セカンダリ同期シーケンス(SSS)検知ステップと、第2の合併ステップと、第2のメトリック値計算ステップと、第2の閾値比較ステップと、第2の制御ステップと、第2の計算ステップとを含む。本発明の技術案によると、チャンネルの条件に応じて自発的にPSSとSSSの合併フレーム量を調節することによって、様々なチャンネル条件下で速くネットワークにアクセスすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で論じられる実施態様は、無線通信技術分野に関し、特にロングタームエボリューション(Long Term Evolution、以下LTEと略称)システムの無線通信システムにおける初期セルサーチ方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LTEシステムの無線通信システム等において、移動端末がパワーオンする場合に、まずセルサーチのプロセスを実行しなければならない。セルサーチのプロセスにおいて、移動端末はタイミング、周波数同期、セルID(Cell ID)を取得する必要がある。図1に示すように、LTEのセルサーチは、プライマリ同期シーケンス(Primary Synchronous Sequence、以下PSSと略称)と、セカンダリ同期シーケンス(Secondary Synchronous Sequence、以下SSSと略称)との二つのダウンリンク信号に基づいて行う。従って、LTEのセルサーチには二つの段階が含まれる。第1段階は、PSS検知段階であり、PSS IDを検知し、タイミング同期(5ms)をし、キャリア波周波数オフセット(Carrier Frequency Offset、以下CFOと略称)を推定しなければならない。第2段階は、SSS検知段階であり、第1段階での検知結果に基づいて、グループID(Group ID)と、サイクリック・プレフィックス(Cyclic Prefix、以下CPと略称)の種類と、フレームタイミングを取得しなければならない。
【0003】
SSS検知は周波数領域において行い、CFOは周波数領域においてキャリア間干渉(Inter-Carrier Interference、以下ICIと略称)を生じ、ICIがSSS検知の機能に悪影響を与えるので、SSS検知を行う前に、第1段階で推定されたCFOに基づいてCFOに対して補償を行う。
【0004】
PSSとSSS検知段階において、ノイズを抑制し、チャンネルの衰弱を抵抗するために、時間上の複数のフレームの合成を行うことによってさらに良好な検知機能を実現する。
【0005】
以下、図2を参照して既存のセルサーチ方法を説明する。図2は、既存の初期セルサーチ方法を示すフローチャートである。まず、ステップS201において、初期値(k=0)を設定する。次に、ステップS203において、受信された信号とローカルで生成したPSS信号との相互相関計算を行ってPSS検知を行う。その後、ステップS205において、固定された合成回数mに応じてステップS203でのPSS検知処理において算出された相関値を合成する。次に、ステップS207において、ステップS205で算出された合成相関値から、PSS IDと、タイミングと、CFOの推定値を計算する。その後、ステップS209において、ステップS207で算出されたCFO推定値に基づいてCFO補償を行う。その後、ステップS211において、周波数領域において、受信された等化後のSSS信号とローカルで生成したSSS信号との相互相関計算を行うことによって、SSS検知を行う。具体的に、ステップS211において、ステップS207で算出されたタイミングに基づいて、CFO補償された受信信号からSSS信号を探し出し、ステップS207で算出されたPSS IDから、チャンネルの応答を推定した後、周波数領域において、推定されたチャンネル応答に基づいてSSS信号を等化し、等化されたSSS信号とローカルで生成したSSS信号との相互相関計算を行うことによって、SSS検知を行う。その後、ステップS213において、固定された合成回数nに応じて、ステップS211でのSSS検知処理において算出された相関値を合成する。その後、ステップS215において、ステップS213で算出された合成後の相関値が予定の閾値を越えるか否かを判定する。ステップS215の判定結果が「NO」であれば、ステップS217において、CFO補償をリセットし、kをインクリメントする。その後、ステップS219において、kが最大リトライ回数trymax未満であるか否かを判定する。ステップS219における判定結果が「YES」であれば、ステップS203に戻ってセルサーチを再び開始する。テップS219における判定結果が「YES」でなければ、ステップS221において初期セルサーチの失敗を決定し、初期セルサーチのプロセスから退出し、その後他のプロセスの実行に移行する(例えば初期AGC等)。一方、ステップS215での判定結果が「YES」であれば、ステップS223において、ステップS213で計算された合成相関値から、グループIDと、CPの種類と、フレームタイミングを計算して、算出されたグループIDとステップS207で算出されたPSS IDからセルIDを計算する。
【0006】
上記のように、既存のセルサーチ方法によると、固定された合成回数(図2におけるmとn)を用いている。ノイズが大きく、チャンネルが比較的に弱い場合には、mとnを大きい数値に設定し、より多くのフレームを合成することにより良好な検知機能を実現しなければならない。しかし、チャンネル条件が良好な場合には、mとnを大きい数値に固定する必要がなく、不必要にセルサーチの時間を増やすことになる。同様に、mとnを小さい数値に固定すると、チャンネル条件が悪い場合では第1段階の検知品質を保証できない。その結果、タイミング検出とCFO推定の誤りによってSSSの検知ができず、セルサーチの時間を増やすことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以下、開示の装置及び方法を理解させるために、開示の装置及び方法を簡単に説明する。しかし、該簡単な説明は網羅性のある説明ではない。簡単な説明は開示の装置及び方法のキーポイント又は重要な部分を特定することを目的とするのではなく、開示の装置及び方法の範囲を限定するものでもない。ただ、簡単な形態で若干の概念を与え、これを、後の更に詳しい説明の前置部分とするためである。
【0008】
既存技術における上記の状況に鑑み、開示の装置及び方法は、チャンネルの条件に応じて自発的にPSSとSSSの合成フレームの数を調節することによって、様々なチャンネル条件で早くネットワークにアクセスできるようにする初期セルサーチ方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
方法の一観点によれば、受信信号とローカルで生成したPSS信号との相互相関計算を行って、PSS検知を行うプライマリ同期シーケンスPSS検知ステップと、第1の合成回数m(mは初期値が0である整数)に応じて、PSS検知ステップで計算された相関値を合成する第1の合成ステップと、第1の合成ステップで算出された第1の合成相関値から、PSS検知の能力を評価するための第1のメトリック値を計算する第1のメトリック値計算ステップと、第1のメトリック値計算ステップで算出された第1のメトリック値と第1の閾値を比較する第1の閾値比較ステップと、第1のメトリック値が第1の閾値以下である場合に、第1のメトリック値が第1の閾値より大きくなるまで、第1の合成回数mを逓増し、且つPSS検知ステップと、第1の合成ステップと、第1のメトリック値計算ステップと、第1の閾値比較ステップと、を反復して実行する第1の制御ステップと、第1の合成ステップで算出された第1の合成相関値から、PSS IDと、タイミングと、キャリア周波数オフセットCFOの推定値を計算する第1の計算ステップと、第1の計算ステップで算出されたCFO推定値に応じてCFO補償を行うCFO補償ステップと、周波数領域において、受信された等化後のSSS信号とローカルで生成したSSS信号との相互相関計算を行って、SSS検知を行うセカンダリ同期シーケンスSSS検知ステップと、第2の合成回数n(nは初期値が0である整数)に応じて、SSS検知ステップで算出された相関値を合成する第2の合成ステップと、第2の合成ステップで算出された第2の合成相関値から、SSS検知の能力を評価するための第2のメトリック値を計算する第2のメトリック値計算ステップと、第2のメトリック値計算ステップで算出された第2のメトリック値と第2の閾値を比較する第2の閾値比較ステップと、第2のメトリック値が第2の閾値以下である場合に、第2のメトリック値が第2の閾値より大きくなるまで、第2の合成回数nを逓増し、かつSSS検知ステップと、第2の合成ステップと、第2のメトリック値計算ステップと、第2の閾値比較ステップと、を反復して実行する第2の制御ステップと、第2の合成ステップで算出された第2の合成相関値から、グループIDを計算し、且つ算出されたグループIDと、第1の計算ステップで算出されたPSS IDとから、セルIDを計算する第2の計算ステップと、を含む初期セルサーチ方法が与えられる。
【0010】
装置の一観点によると、受信信号とローカルで生成したPSS信号との相互相関計算を行って、PSS検知を行うプライマリ同期シーケンスPSS検知ユニットと、第1の合成回数m(mは初期値が0である整数)に応じてPSS検知ユニットによって計算された相関値を合成する第1の合成ユニットと、第1の合成ユニットによって計算された第1の合成相関値から、PSS検知の能力を評価するための第1のメトリック値を計算する第1のメトリック値計算ユニットと、第1のメトリック値計算ユニットによって計算された第1のメトリック値と第1の閾値を比較する第1の閾値比較ユニットと、第1のメトリック値が第1の閾値以下である場合に、第1のメトリック値が第1の閾値より大きくなるまで、第1の合成回数mを逓増し、かつPSS検知ユニットと、第1の合成ユニットと、第1のメトリック計算ユニットと、第1の閾値比較ユニットとにおける処理を反復して実行する第1の制御ユニットと、第1の合成ユニットによって計算された第1の合成相関値から、PSS IDと、タイミングと、キャリア周波数オフセットCFOの推定値と、を計算する第1の計算ユニットと、第1の計算ユニットによって計算されたCFO推定値に応じてCFO補償を行うCFO補償ユニットと、周波数領域において、受信された等化後のSSS信号とローカルで生成したSSS信号との相互相関計算を行って、SSS検知を行うセカンダリ同期シーケンスSSS検知ユニットと、第2の合成回数n(nは初期値が0である整数)に応じて、SSS検知ユニットによって計算された相関値に対して合成を行う第2の合成ユニットと、第2の合成ユニットによって計算された第2の合成相関値から、SSS検知の能力を評価するための第2のメトリック値を計算する第2のメトリック値計算ユニットと、第2のメトリック値計算ユニットによって計算された第2のメトリック値と第2の閾値を比較する第2の閾値比較ユニットと、第2のメトリック値が第2の閾値以下である場合に、第2のメトリック値が第2の閾値より大きくなるまで、第2の合成回数nを逓増し、かつSSS検知ユニットと、第2の合成ユニットと、第2のメトリック値計算ユニットと、第2の閾値比較ユニットにおける処理を反復して実行する第2の制御ユニットと、第2の合成ユニットによって計算された第2の合成相関値から、グループIDを計算し、且つ算出されたグループIDと、第1の計算ユニットによって計算されたPSS IDから、セルIDを計算する第2の計算ユニットと、を備える初期セルサーチ装置が与えられる。
【0011】
他の一観点によると、上記の初期セルサーチ方法を実現するコンピュータプログラム製品を提供する。
【0012】
他の一観点によると、上記の初期セルサーチ方法を実現するためのコンピュータプログラムコードが記憶されているコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。
【0013】
開示される装置及び方法は、添付図面とともに以下の記述を参照することにより更によく理解することができる。なお、すべての図面において、同一又は類似の符号で同一又は類似の部品を表示する。前記図面は下記の詳細な説明とともに本明細書に含まれ且つ本明細書の一部になり、しかもさらに例を挙げて好ましい実施例を説明し、開示の装置及び方法の原理と利点を解釈するために用いる。
【0014】
当業者は、図面における要素は簡単と明瞭のために示されているだけであり、かつ必ずしも縮尺に基づいて描画したものではないことを理解するべきである。例えば、開示の装置及び方法の実施例の理解の向上に寄与するように、図面におけるある要素の大きさはその他の要素よりも拡大しているかもしれない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】LTEシステムにおけるPSSとSSS信号を示す模式図である。
【図2】既存の初期セルサーチ方法を示すフローチャートである。
【図3】実施例による初期セルサーチ方法を示すフローチャートである。
【図4】実施例による初期セルサーチ装置の構造を示すブロック図である。
【図5】セルサーチ時間のシミュレーション結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、代表的な実施例を説明する。明確且つ簡潔のために、明細書において実際の実施形態のすべての特徴を記載しているわけではない。このような実際の実施例を開発するにおいて、開発者の具体的な目的を実現するように、実際の実施形態に特定される決定を行わなければならなく、例えば、システム及びサービスに関する規制条件に合致しなければならなく、異なる実施形態によってその制限条件も異なる。そして、開発仕事は複雑で時間がかかる可能性があるが、開示された内容から利益を得る当業者にとって、このような開発は実行すべき任務にすぎない。
【0017】
ここで、開示の装置及び方法が、必要でない詳細なものによって不明確になることを防ぐために、図面において、開示の装置及び方法に係る技術と緊密な関係を持っている装置の構造及び/又は処理ステップのみを示し、関係が深くない他の詳細なものは省略している。
【0018】
以下、具体的な実施例に係わる初期セルサーチ方法を詳しく説明する。
【0019】
図3は、実施例に係わる初期セルサーチ方法を示すフローチャートである。
【0020】
まず、ステップS301において、第1の合成回数mと第2の合成回数nの初期値を設定する(m=0, n=0)。
【0021】
その後、ステップS303において、受信信号とローカルで生成したPSS信号との相互相関計算を行って、PSS検知を行う。そこで、PSS検知に対するCFOの影響を考慮し、部分相関のアルゴリズムを使用することが好ましい。例えば、三つの部分に分けられる部分相関に関する例は下式に示す通りである。
【0022】
【数1】

【0023】
ここで、id=0,1,2; k∈[0,9599]であり、r(n,i)は第i番目の半フレーム(5ms)の受信信号であり、PSS(id, n)はローカルで生成したPSS信号である。20MHzの帯域幅のシステムにおいて、PSS検知の検索窓は5msであって、16倍のダウンサンプリングした後の検索窓は9600個のサンプルポイントを有しているので、kは[0,9599]範囲内の値である。PSSシーケンスは128個のサンプルポイントを有しているので、三つの部分に分けると、各部分はfloor(128/3)=42個のサンプルポイントを有する。floor(x)は床関数である。
【0024】
さらに、TDDシステムにおいて、アップリング干渉がPSSの検知に甚だしい影響を与えるので、正規化に基づく相関アルゴリズムを用いることが好ましい。正規化の因子は例として以下のものを挙げる。
【0025】
【数2】

【0026】
正規化された相関値を次式(3)に示す。
【0027】
【数3】

【0028】
その後、ステップS305において、第1の合成回数mに応じて、ステップS303のPSS検知処理で算出された相関値を合成する。例えば、下式に従って合成して第1の合成相関値Cav(id, k, m)を得ることができる。
【0029】
【数4】

【0030】
又は、下式に従って第1の合成相関値Cav(id, k, m)を得ることができる。
【0031】
【数5】

【0032】
その後、ステップS307において、ステップS305で算出された第1の合成相関値から、PSS検知の能力を評価するための第1のメトリック値を計算する。具体的には、当業者は具体的な設計に応じて、合成回数が異なる際のPSSの検知の能力を表現できる様々なメトリック関数に従って第1のメトリック値を計算することができる。以下、メトリック関数の好ましい実施例を二つ説明するが、当業者であれば分かるように、開示の方法は次のメトリック関数以外の関数を採用してもよい。
【0033】
第1の例は次の通りである。
【0034】
【数6】

【0035】
第2の例は次の通りである。
【0036】
【数7】

【0037】
ここで、kmax(id)=argmax(Cav(id,k,m))で、WPSSは予め設定された計算窓内のサンプルポイント数である。
【0038】
その後、ステップS309において、ステップS307で算出された第1のメトリック値が第1の閾値th1を越えるか否かを判定する。具体的には、PSS IDインデックスidのいずれに対しても、Metric1(id,m)>th1であれば、PSS検知の合成回数(m)が充分であると認めることができ、ステップS309の判定結果が「YES」となる。Metric1(id,m)>th1でなければ、ステップS309の判定結果は「NO」である。
【0039】
ステップS309の判定結果が「NO」であると、ステップS311において、mを例えば1で逓増した後、ステップS313において、mが予め設定した第1の最大合成回数M未満であるか否かを判定する。
【0040】
ステップS313の判定結果が「YES」であると、ステップS303に戻って継続してPSS検知処理を行う。ステップS313の判定結果が「YES」でないと、ステップS315において、初期セルサーチプロセスが失敗したと決定して、初期セルサーチプロセスから退出し、その後他のプロセスの実行に移行する(例えば、AGC等)。
【0041】
一方、ステップS309の判定結果が「YES」であると、ステップS317において、ステップS305で算出された第1の合成相関値から、PSS IDと、タイミングと、CFOの推定値を計算する。一つだけのPSS IDに対応する相関値が閾値を超える場合に、PSS IDと、タイミングと、CFOを計算する方法の例は以下の通りである。
【0042】
【数8】

【0043】
ここで、idselectは算出されたPSS IDであり、kselectは算出されたタイミングであり、δ^fは算出されたCFO推定値であり、Tsは16倍のダウンサンプリングした後のサンプリング周期である。
【0044】
その後、ステップS319において、ステップS317で算出されたCFO推定値に基づいてCFO補償を行う。
【0045】
その後、ステップS321において、周波数領域において受信された等化後のSSS信号とローカルで生成したSSS信号との相互相関計算を行って、SSS検知を行う。具体的には、ステップS321において、ステップS317で算出されたタイミングに基づいて、CFO補償された受信信号からSSS信号を探し出して、ステップS317で算出されたPSS IDに基づいてチャンネル応答を推定し、そのあと、周波数領域において推定されたチャンネル応答に基づいてSSS信号を等化させ、等化されたSSS信号とローカルで生成したSSS信号との相互相関計算を行うことによって、SSS検知を行う。その一つの例は次の通りである。
【0046】
【数9】

【0047】
ここで、rSSS(k, CpType,i)は異なるCPの種類(通常のCP又は長いCP)に基づいて、第i個の半フレームにおいて受信された等化後のSSS周波数領域のシーケンスであり、SSS(GroupId, FrameTim, k)はローカルで生成したSSSシーケンスであり、GroupId∈[0, 167]であり、k∈[0, 61]であり、FrameTimeは現在の半フレームが1フレームデータにおける前半フレームであるか後半フレームであるかを示す。従って、式(9)に従って、672個(168(GroupId)×2(CpType)×2(FrameTim)=672)の相関値を得ることができる。
【0048】
その後、ステップS323において、第2の合成回数nに応じてステップS321のSSS検知処理において算出された相関値を合成する。例えば、下式に従って合成し、第2の合成相関値Sav(GroupId, CpType, FrameTime, n)を得る。
【0049】
【数10】

【0050】
その後、ステップS325において、ステップS323で算出された第2の合成相関値から、SSS検知の能力を評価するための第2のメトリック値を計算する。具体的には、当業者は、具体的な設計に応じて、合成回数が異なる時のSSS検知の能力を表現できる様々なメトリック関数を用いて第2のメトリック値を計算することができる。以下、メトリック関数の二つの好ましい例を説明するが、当業者であれば分かるように、開示の方法は次のメトリック関数以外の関数を採用してもよい。
【0051】
第1の例は以下の通りである。
【0052】
【数11】

【0053】
第2の例は以下の通りである。
【0054】
【数12】

【0055】
【数13】

【0056】
その後、ステップS327において、ステップS325で算出された第2のメトリック値が第2の閾値th2を越えるか否かを判定する。具体的には、Metric2(n)>th2であれば、SSS検知の合成回数(n)が充分であると認めることができる。
【0057】
ステップS327の判定結果が「NO」であれば、ステップS329において、nを逓増し、その後、ステップS331において、nが予め設定した第2の最大合成回数N未満であるか否かを判定する。
【0058】
ステップS331の判定結果が「YES」であれば、ステップS321に戻って継続してSSS検知処理を実行し、さもないとステップS333においてCFO補償をリセットした後、ステップS301に戻って初期セルサーチプロセスを再び開始する。
【0059】
一方、ステップS327の判定結果が「YES」であれば、ステップS335において、ステップS323で算出された第2の合成相関値から、グループIDを計算し、算出されたグループIDと、ステップS317で算出されたPSS IDからセルIDを計算することによって、初期セルサーチプロセスを完成する。
【0060】
以上において、図面を参照して実施例に係わる初期セルサーチ方法を詳しく説明したが、当業者にとって、図3に示すフローチャートは例に過ぎず、実際の応用及び具体的な必要に応じて図3に示す方法のプロセスに修正を行うことが可能なことは自明なことである。例えば、必要に応じて、図3に示す方法における一部のステップの実行順を調節したり、又は一部の処理ステップを削除又は追加することができる。
【0061】
以下、図面を参照して実施例に係わる初期セルサーチ装置を詳細に説明する。図4は、実施例に係わる初期セルサーチ装置400のブロック図である。ここで、簡潔のために、開示の装置に関係が深い部分のみを示した。初期セルサーチ装置400において、上記の図3を参照して説明した初期セルサーチ方法を実行することができる。
【0062】
図4に示すように、初期セルサーチ装置400は、受信ユニット401と、PSS検知ユニット403と、第1の合成ユニット405と、第1のメトリック値計算ユニット407と、第1の閾値比較ユニット409と、第1の制御ユニット411と、第1の計算ユニット413と、CFO補償ユニット415と、SSS検知ユニット417と、第2の合成ユニット419と、第2のメトリック値計算ユニット421と、第2の閾値比較ユニット423と、第2の制御ユニット425と、第2の計算ユニット427とを含むことができる。
【0063】
その中、受信ユニット401は、アンテナを介して信号を受信した後、受信された信号に例えば信号をベースバンドに変更するなどの前処理を行って、その後、アナログ信号をデジタル信号に変換して、フィルタ及びダウンサンプリングなどの処理を行う。
【0064】
PSS検知ユニット403は、受信ユニット401から出力された受信信号とローカルで生成したPSS信号との相互相関計算を行って、PSS検知を行う。
【0065】
第1の合成ユニット405は、第1の合成回数mに応じてPSS検知ユニット403によって計算された相関値を合成する。Mの初期値は整数0である。
【0066】
第1のメトリック値計算ユニット407は、第1の合成ユニット405によって計算された第1の合成相関値から、PSS検知の能力を評価するための第1のメトリック値を計算する。
【0067】
第1の閾値比較ユニット409は、第1のメトリック値計算ユニット407によって計算された第1のメトリック値と第1の閾値を比較する。
【0068】
第1の制御ユニット411は、第1のメトリック値が第1の閾値以下である場合に、第1のメトリック値が第1の閾値を超えるまで、第1の合成回数mを逓増し、かつPSS検知ユニット403と、第1の合成ユニット405と、第1のメトリック計算ユニット407と、第1の閾値比較ユニット409とにおける処理を反復して実行する。
【0069】
第1の計算ユニット413は、第1の合成ユニット405によって計算された第1の合成相関値から、PSS IDと、タイミングと、CFOの推定値と、を計算する。
【0070】
CFO補償ユニット415は、第1の計算ユニット413によって計算されたCFO推定値に応じてCFO補償を行う。
【0071】
SSS検知ユニット417は、周波数領域において、受信された等化後のSSS信号とローカルで生成したSSS信号との相互相関計算を行って、SSS検知を行う。
【0072】
第2の合成ユニット419は、第2の合成回数nに応じて、SSS検知ユニット417によって計算された相関値に合成を行う。nの初期値は整数0である。
【0073】
第2のメトリック値計算ユニット421は、第2の合成ユニット419によって計算された第2の合成相関値から、SSS検知の能力を評価するための第2のメトリック値を計算する。
【0074】
第2の閾値比較ユニット423は、第2のメトリック値計算ユニット421によって計算された第2のメトリック値と第2の閾値を比較する。
【0075】
第2の制御ユニット425は、第2のメトリック値が第2の閾値以下である場合に、第2のメトリック値が第2の閾値を超えるまで、第2の合成回数nを逓増し、かつSSS検知ユニット417と、第2の合成ユニット419と、第2のメトリック値計算ユニット421と、第2の閾値比較ユニット423とにおける処理を反復して実行する。
【0076】
第2の計算ユニット427は、第2の合成ユニット419によって計算された第2の合成相関値から、グループIDを計算し、算出されたグループIDと、第1の計算ユニット413によって計算されたPSS IDから、セルIDを計算する。
【0077】
具体的な実施例において、第1の制御ユニット411は、mを逓増した後、mと第1の最大合成回数Mとを比較する。Mは0を超える整数である。mがMを超えると、初期セルサーチプロセスが失敗したと決定し、初期セルサーチプロセスから退出する。
【0078】
具体的な実施例において、第2の制御ユニット425は、nを逓増した後、nと第2の最大合成回数Nとを比較する。Nは0を超える整数である。nがNを超えると、CFO補償をリセットし、初期セルサーチプロセスを再び開始する。
【0079】
上記において、方法のフローチャートを参照して、初期セルサーチ装置400の各部材の具体及び/又は選択可能な処理プロセスを説明したので、重複説明を避けるために、それらの操作及び処理プロセスについては説明を省略する。
【0080】
ここで、図4に示す初期セルサーチ装置400の構造は例に過ぎず、当業者であれば図4に示すブロック図を変更させることができる。
【0081】
図5は、上記の技術的思想に基づいてシミュレーションにより算出されたセルサーチ時間の相補累積分布関数(Complementary Cumulative Distribution Function、CCDFと略称)を示す。上記のシミュレーションにおいて、th1=13dB、 M=16、th2=9dB、 N=6、チャンネルはETU300Hzである。基地局が一つの場合に、SNR=-5dBであり、基地局が三つの場合に、三つの基地局のSNRはそれぞれ-5dB、-7dB、-7dBであって、三つの基地局のCell IDはそれぞれ109、120、113であり、三つの基地局の相対的な遅延は0、0、CP/2である。図5に示すように、基地局が一つの場合に、90%のセルサーチ時間は35msであるが、基地局の三つの場合に、90%のセルサーチ時間は45msである。このように、開示の装置及び方法によると、比較的に速くネットワークにアクセスすることができる。
【0082】
そして、開示の方法による各操作プロセスは、各種設備の読み取り可能な記憶媒体に記憶されたコンピュータ実行可能なプログラムの形態で実現することができることは自明である。
【0083】
また、開示の装置及び方法の目的は、上記の実行可能なプログラムのコードを記憶している記録媒体をシステム又は設備に直接又は間接的に提供して、該システム又は設備におけるコンピュータ又は中央処理ユニット(CPU)に読み取らせて上記のプログラムを実行させることによって実現することができる。この時に、該システム又は設備がプログラムを実行可能な機能さえ具備していれば、開示の方法の実施はプログラムに限定されず、該プログラムも任意の形式、例えばターゲットプログラム、インタプリタが実行可能なプログラム又は操作システムに提供するプログラム等の形式であることができる。
【0084】
上記の設備が読み取り可能な記憶媒体は、各種のメモリと記憶ユニットと、半導体設備と、光ディスク、ディスク、光磁気ディスクなどのディスクユニットと、その他の情報を記憶可能な媒体などを含むがこれらに限定されることではない。
【0085】
そして、コンピュータをインターネットにおける関連サイドに接続して、本コンピュータプログラムコードをダウンロードしてインストールした後、該プログラムを実行することによっても開示の方法を実現することができる。
【0086】
開示の装置及び方法において、各部材又は各ステップは分解及び/又は再度組み合わせることができる。このような分解及び/又は再度の組み合わせは、開示の方法及び発明に相当するものである。また、上記の一連の処理を行うステップを説明の順又は時間の順に行うことができるが、必ずしも時間の順に行わなければならないとわいえない。一部のステップは並行して又は互いに独立して行うことができる。
【0087】
以上、図面を参照して実施例を説明したが、上記に説明した実施形態は開示の装置及び方法を説明するもので、開示の装置及び方法を限定するものではない。当業者であれば、開示の装置及び方法の実質及び範囲から離脱せずに、上記の実施形態に各種修正及び変更を行うことができる。従って、開示の装置及び方法の保護範囲は、特許請求の範囲及びそれに均等な意味によって限定される。
【0088】
上記の実施例の説明と同様に、開示の装置及び方法により網羅される技術的思想は以下を含むが、それらに限定されるわけではない。
【0089】
(付記1)
受信された信号とローカルで生成したPSS信号との相互相関計算を行って、PSS検知を行うプライマリ同期シーケンスPSS検知ステップと、
第1の合成回数m(mは初期値が0である整数)に応じて、前記PSS検知ステップで計算された相関値を合成する第1の合成ステップと、
前記第1の合成ステップで算出された第1の合成相関値から、PSS検知の能力を評価するための第1のメトリック値を計算する第1のメトリック値計算ステップと、
前記第1のメトリック値計算ステップで算出された前記第1のメトリック値と第1の閾値を比較する第1の閾値比較ステップと、
前記第1のメトリック値が前記第1の閾値以下である場合には、前記第1のメトリック値が前記第1の閾値を超えるまで、前記第1の合成回数mを逓増し、かつ前記PSS検知ステップと、前記第1の合成ステップと、前記第1のメトリック値計算ステップと、前記第1の閾値比較ステップと、を反復して実行する第1の制御ステップと、
前記第1の合成ステップで算出された前記第1の合成相関値から、PSS IDと、タイミングと、キャリア周波数オフセットCFOの推定値を計算する第1の計算ステップと、
前記第1の計算ステップで算出されたCFOの前記推定値に応じてCFO補償を行うCFO補償ステップと、
周波数領域において、受信された等化後のSSS信号とローカルで生成したSSS信号との相互相関計算を行って、SSS検知を行うセカンダリ同期シーケンスSSS検知ステップと、
第2の合成回数n(nは初期値が0である整数)に応じて、前記SSS検知ステップで算出された相関値を合成する第2の合成ステップと、
前記第2の合成ステップで算出された第2の合成相関値から、SSS検知の能力を評価するための第2のメトリック値を計算する第2のメトリック値計算ステップと、
前記第2のメトリック値計算ステップで算出された前記第2のメトリック値と第2の閾値を比較する第2の閾値比較ステップと、
前記第2のメトリック値が前記第2の閾値以下である場合には、前記第2のメトリック値が前記第2の閾値を超えるまで、前記第2の合成回数nを逓増し、かつ前記SSS検知ステップと、前記第2の合成ステップと、前記第2のメトリック値計算ステップと、前記第2の閾値比較ステップと、を反復して実行する第2の制御ステップと、
前記第2の合成ステップで算出された前記第2の合成相関値から、グループIDを計算し、算出されたグループIDと、前記第1の計算ステップで算出されたPSS IDとから、セルIDを計算する第2の計算ステップと、を含む初期セルサーチ方法。
【0090】
(付記2)
付記1に記載の初期セルサーチ方法において、
前記第1の制御ステップにおいて、前記第1の合成回数mを逓増した後、前記第1の合成回数mと第1の最大合成回数M(Mは0を超える整数)を比較し、前記第1の合成回数mが前記第1の最大合成回数Mを超えると、初期セルサーチプロセスが失敗したと決定して、前記初期セルサーチプロセスから退出することを特徴とする初期セルサーチ方法。
【0091】
(付記3)
付記1に記載の初期セルサーチ方法において、
前記第2の制御ステップにおいて、前記第2の合成回数nを逓増した後、前記第2の合成回数nと第2の最大合成回数N(Nは0を超える整数)を比較し、前記第2の合成回数nが前記第2の最大合成回数Nを超えると、CFO補償をリセットし、且つ初期セルサーチプロセスを再び開始することを特徴とする初期セルサーチ方法。
【0092】
(付記4)
付記1に記載の初期セルサーチ方法において、
前記第1のメトリック値計算ステップにおいて、下式に従って前記第1のメトリック値を計算し、
【0093】
【数14】

【0094】
ここで、idはPSS IDインデックス番号であり、Cav(id, k, m)は前記第1の合成相関値であり、Kmax(id)=argmax(Cav(id, k, m))であり、WsamplesはPSS検知の検索窓内のサンプルポイント数であり、WPSSは第1のメトリック値計算窓内のサンプルポイント数であることを特徴とする初期セルサーチ方法。
【0095】
(付記5)
付記1に記載の初期セルサーチ方法において、
前記第1のメトリック値計算ステップにおいて、下式に従って前記第1のメトリック値を計算し、
【0096】
【数15】

【0097】
ここで、idはPSS IDインデックス番号であり、Cav(id, k, m)は前記第1の合成相関値であり、Kmax(id)=argmax(Cav(id, k, m))であり、WsamplesはPSS検知の検索窓内のサンプルポイント数であることを特徴とする初期セルサーチ方法。
【0098】
(付記6)
付記1に記載の初期セルサーチ方法において、
前記第2のメトリック値計算ステップにおいて、下式に従って前記第2のメトリック値を計算し、
【0099】
【数16】

【0100】
ここで、GroudIdはグループIDインデックスであり、CpTypeはサイクル・プレフィックスの種類を示し、FrameTimは現在の半フレームが1フレームデータにおける前半フレームかそれとも後半フレームかを示し、Sav(GroupId, CpType, FrameTime, n)は前記第2の合成相関値であり、
【0101】
【数17】

【0102】
であることを特徴とする初期セルサーチ方法。
【0103】
(付記7)
付記1に記載の初期セルサーチ方法において、
前記第2のメトリック値計算ステップにおいて、下式に従って前記第2のメトリック値を計算し、
【0104】
【数18】

【0105】
ここで、GroupIdはグループIDインデックスであり、CpTypeはサイクル・プレフィックスの種類を示し、FrameTimは現在の半フレームが1フレームデータにおける前半フレームかそれとも後半フレームかを示し、Sav(GroupId, CpType, FrameTime, n)は前記第2の合成相関値であり、
【0106】
【数19】

【0107】
であることを特徴とする初期セルサーチ方法。
【0108】
(付記8)
受信信号とローカルで生成したPSS信号との相互相関計算を行って、PSS検知を行うプライマリ同期シーケンスPSS検知ユニットと、
第1の合成回数m(mは初期値が0である整数)に応じて前記PSS検知ユニットによって計算された相関値を合成する第1の合成ユニットと、
前記第1の合成ユニットによって計算された第1の合成相関値から、PSS検知の能力を評価するための第1のメトリック値を計算する第1のメトリック値計算ユニットと、
前記第1のメトリック値計算ユニットによって計算された前記第1のメトリック値と第1の閾値を比較する第1の閾値比較ユニットと、
前記第1のメトリック値が前記第1の閾値以下である場合には、前記第1のメトリック値が前記第1の閾値を超えるまで、前記第1の合成回数mを逓増し、かつ前記PSS検知ユニットと、前記第1の合成ユニットと、前記第1のメトリック計算ユニットと、前記第1の閾値比較ユニットとにおける処理を反復する第1の制御ユニットと、
前記第1の合成ユニットによって計算された前記第1の合成相関値から、PSS IDと、タイミングと、キャリア周波数オフセットCFOの推定値と、を計算する第1の計算ユニットと、
前記第1の計算ユニットによって計算されたCFOの前記推定値に応じてCFO補償を行うCFO補償ユニットと
周波数領域において、受信された等化後のSSS信号とローカルで生成したSSS信号とに相互相関計算を行って、SSS検知を行うセカンダリ同期シーケンスSSS検知ユニットと、
第2の合成回数n(nは初期値が0である整数)に応じて、前記SSS検知ユニットによって計算された相関値の合成を行う第2の合成ユニットと、
前記第2の合成ユニットによって計算された第2の合成相関値から、SSS検知の能力を評価するための第2のメトリック値を計算する第2のメトリック値計算ユニットと、
前記第2のメトリック値計算ユニットによって計算された前記第2のメトリック値と第2の閾値を比較する第2の閾値比較ユニットと、
前記第2のメトリック値が前記第2の閾値以下である場合には、前記第2のメトリック値が前記第2の閾値を超えるまで、前記第2の合成回数nを逓増し、かつ前記SSS検知ユニットと、前記第2の合成ユニットと、前記第2のメトリック値計算ユニットと、前記第2の閾値比較ユニットとにおける処理を反復して実行する第2の制御ユニットと、
前記第2の合成ユニットによって計算された前記第2の合成相関値から、グループIDを計算し、算出されたグループIDと、前記第1の計算ユニットによって計算されたPSS IDから、セルIDを計算する第2の計算ユニットと、を備える初期セルサーチ装置。
【0109】
(付記9)
付記8に記載の初期セルサーチ装置において、
前記第1の制御ユニットは、前記第1の合成回数mを逓増した後、前記第1の合成回数mと第1の最大合成回数M(Mは0を超える整数)を比較し、前記第1の合成回数mが前記第1の最大合成回数Mを超えると、初期セルサーチプロセスに失敗したと決定して初期セルサーチプロセスから退出することを特徴とする初期セルサーチ装置。
【0110】
(付記10)
付記8に記載の初期セルサーチ装置において、
前記第2の制御ユニットは、前記第2の合成回数nを逓増した後、前記第2の合成回数nと第2の最大合成回数N(Nは0を超える整数)を比較し、前記第2の合成回数nが前記第2の最大合成回数Nを超えると、CFO補償をリセットし、且つ初期セルサーチプロセスを再び開始することを特徴とする初期セルサーチ装置。
【0111】
(付記11)
付記8に記載の初期セルサーチ装置において、
前記第1のメトリック値計算ユニットは、下式に従って前記第1のメトリック値を計算し、
【0112】
【数20】

【0113】
ここで、idはPSS IDインデックス番号であり、Cav(id, k, m)は前記第1の合成相関値であり、Kmax(id)=argmax(Cav(id, k, m))であり、WsamplesはPSS検知の検索窓内のサンプルポイント数であり、WPSSは第1のメトリック値計算窓内のサンプルポイント数であることを特徴とする初期セルサーチ装置。
【0114】
(付記12)
付記8に記載の初期セルサーチ装置において、
前記第1のメトリック値計算ユニットは、下式に従って前記第1のメトリック値を計算し、
【0115】
【数21】

【0116】
ここで、idはPSS IDインデックス番号であり、Cav(id, k, m)は前記第1の合成相関値であり、Kmax(id)=argmax(Cav(id, k, m))であり、WsamplesはPSS検知の検索窓内のサンプルポイント数であることを特徴とする初期セルサーチ装置。
【0117】
(付記13)
付記8に記載の初期セルサーチ装置において、
前記第2のメトリック値計算ユニットは、下式に従って前記第2のメトリック値を計算し、
【0118】
【数22】

【0119】
ここで、GroupIdはグループIDインデックスであり、CpTypeはサイクル・プレフィックスの種類を示し、FrameTimは現在の半フレームが1フレームデータにおける前半フレームかそれとも後半フレームかを示し、 Sav(GroupId, CpType, FrameTime, n)は前記第2の合成相関値であり、
【0120】
【数23】

【0121】
であることを特徴とする初期セルサーチ装置。
【0122】
(付記14)
付記8に記載の初期セルサーチ装置において、
前記第2のメトリック値計算ユニットは、下式に従って前記第2のメトリック値を計算し、
【0123】
【数24】

【0124】
ここで、GroupIdはグループIDインデックスであり、CpTypeはサイクル・プレフィックスの種類を示し、FrameTimは現在の半フレームが1フレームデータにおける前半フレームかそれとも後半フレームかを示し、Sav(GroupId, CpType, FrameTime, n)は前記第2の合成相関値であり、
【0125】
【数25】

【0126】
であることを特徴とする初期セルサーチ装置。
【0127】
(付記15)
付記1〜7中のいずれか一つに記載の方法を計算機に実行させる命令コードを記憶しているコンピュータプログラム。
【0128】
(付記16)
付記15に記載のコンピュータプログラムを記録した読み取り可能な記憶媒体。
【符号の説明】
【0129】
400 初期セルサーチ装置
401 受信ユニット
403 PSS検知ユニット
405 第1の合成ユニット
407 第1のメトリック値計算ユニット
409 第1の閾値比較ユニット
411 第1の制御ユニット
413 第1の計算ユニット
415 CFO補償ユニット
417 SSS検知ユニット
419 第2の合成ユニット
421 第2のメトリック値計算ユニット
423 第2の閾値比較ユニット
425 第2の制御ユニット
427 第2の計算ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信信号とローカルで生成したPSS(プライマリ同期シーケンス:Primary Synchronous Sequence)信号との相互相関計算を行って、PSS検知を行うPSS検知ステップと、
第1の合成回数m(mは初期値が0である整数)に応じて、PSS検知ステップで計算された相関値を合成する第1の合成ステップと、
前記第1の合成ステップで算出された第1の合成相関値から、PSS検知の能力を評価するための第1のメトリック値を計算する第1のメトリック値計算ステップと、
前記第1のメトリック値計算ステップで算出された前記第1のメトリック値と第1の閾値を比較する第1の閾値比較ステップと、
前記第1のメトリック値が前記第1の閾値以下である場合には、前記第1のメトリック値が前記第1の閾値より大きくなるまで、前記第1の合成回数mを逓増し、且つ前記PSS検知ステップと、前記第1の合成ステップと、前記第1のメトリック値計算ステップと、前記第1の閾値比較ステップと、を反復して実行する第1の制御ステップと、
前記第1の合成ステップで算出された前記第1の合成相関値から、PSS ID(識別子:IDentifier)と、タイミングと、CFO(キャリア周波数オフセット:Carrier Frequency Offset)の推定値を計算する第1の計算ステップと、
前記第1の計算ステップで算出されたCFOの前記推定値に応じてCFO補償を行うCFO補償ステップと、
周波数領域において、受信された均衡後のSSS(セカンダリ同期シーケンス:Secondary Synchronous Sequence)信号とローカルで生成されたSSS信号との相互相関計算を行って、SSS検知を行うSSS検知ステップと、
第2の合成回数n(nは初期値が0である整数)に応じて、前記SSS検知ステップで算出された相関値を合成する第2の合成ステップと、
前記第2の合成ステップで算出された第2の合成相関値から、SSS検知の能力を評価するための前記第2のメトリック値を計算する第2のメトリック値計算ステップと、
前記第2のメトリック値計算ステップで算出された前記第2のメトリック値と第2の閾値を比較する第2の閾値比較ステップと、
前記第2のメトリック値が前記第2の閾値以下である場合に、前記第2のメトリック値が前記第2の閾値より大きくなるまで、前記第2の合成回数nを逓増し、かつ前記SSS検知ステップと、前記第2の合成ステップと、前記第2のメトリック値計算ステップと、前記第2の閾値比較ステップと、を反復して実行する第2の制御ステップと、
前記第2の合成ステップで算出された第2の合成相関値から、グループIDを計算し、且つ算出されたグループIDと、前記第1の計算ステップで算出されたPSS IDから、セルIDを計算する第2の計算ステップと、を含む初期セルサーチ方法。
【請求項2】
前記第1の制御ステップにおいて、前記第1の合成回数mを逓増した後、前記第1の合成回数mと第1の最大合成回数M(Mは0を超える整数)を比較し、前記第1の合成回数mが前記第1の最大合成回数Mを超えると、初期セルサーチプロセスが失敗したと決定して、初期セルサーチプロセスから退出する請求項1に記載の初期セルサーチ方法。
【請求項3】
第2の制御ステップにおいて、前記第2の合成回数nを逓増した後、前記第2の合成回数nと第2の最大合成回数N(Nは0を超える整数)を比較し、前記第2の合成回数nが前記第2の最大合成回数Nを超えると、CFO補償をリセットし、且つ初期セルサーチプロセスを再び開始する請求項1に記載の初期セルサーチ方法。
【請求項4】
前記第1のメトリック値計算ステップにおいて、下式に従って前記第1のメトリック値を計算し、
【数1】

ここで、idはPSS IDインデックス番号であり、Cav(id, k, m)は前記第1の合成相関値であり、Kmax(id)=argmax(Cav(id, k, m))で、WsamplesはPSS検知の検索窓内のサンプルポイント数であり、WPSSは第1のメトリック値計算窓内のサンプルポイント数である請求項1に記載の初期セルサーチ方法。
【請求項5】
前記第2のメトリック値計算ステップにおいて、下式に従って前記第2のメトリック値を計算し、
【数2】

ここで、GroupIdはグループIDインデックスであり、CpTypeはサイクル・プレフィックスの種類を示し、FrameTimは現在の半フレームが1フレームデータにおける前半フレームかそれとも後半フレームかを示し、Sav(GroupId, CpType, FrameTime, n)は前記第2の合成相関値であり、
【数3】

である請求項1に記載の初期セルサーチ方法。
【請求項6】
受信信号とローカルで生成したPSS信号との相互相関計算を行って、PSS検知を行うプライマリ同期シーケンスPSS検知ユニットと、
第1の合成回数m(mは初期値が0である整数)に応じて前記PSS検知ユニットによって計算された相関値を合成する第1の合成ユニットと、
前記第1の合成ユニットによって計算された第1の合成相関値から、PSS検知の能力を評価するための第1のメトリック値を計算する第1のメトリック値計算ユニットと、
前記第1のメトリック値計算ユニットによって計算された前記第1のメトリック値と第1の閾値を比較する第1の閾値比較ユニットと、
前記第1のメトリック値が前記第1の閾値以下である場合には、前記第1のメトリック値が前記第1の閾値より大きくなるまで、前記第1の合成回数mを逓増し、かつ前記PSS検知ユニットと、前記第1の合成ユニットと、前記第1のメトリック計算ユニットと、前記第1の閾値比較ユニットにおける処理を反復して実行する第1の制御ユニットと、
前記第1の合成ユニットによって計算された前記第1の合成相関値から、PSS IDと、タイミングと、キャリア周波数オフセットCFOの推定値と、を計算する第1の計算ユニットと、
前記第1の計算ユニットによって計算されたCFOの前記推定値に応じてCFO補償を行うCFO補償ユニットと
周波数領域において、受信された均衡後のSSS信号とローカルで生成したSSS信号との相互相関計算を行って、SSS検知を行うセカンダリ同期シーケンスSSS検知ユニットと、
第2の合成回数n(nは初期値が0である整数)に応じて、前記SSS検知ユニットによって計算された相関値に合成を行う第2の合成ユニットと、
前記第2の合成ユニットによって計算された第2の合成相関値から、SSS検知の能力を評価するための第2のメトリック値を計算する第2のメトリック値計算ユニットと、
前記第2のメトリック値計算ユニットによって計算された前記第2のメトリック値と第2の閾値を比較する第2の閾値比較ユニットと、
前記第2のメトリック値が前記第2の閾値以下である場合には、前記第2のメトリック値が前記第2の閾値より大きくなるまで、前記第2の合成回数nを逓増し、かつ前記SSS検知ユニットと、前記第2の合成ユニットと、前記第2のメトリック値計算ユニットと、前記第2の閾値比較ユニットにおける処理を反復して実行する第2の制御ユニットと、
前記第2の合成ユニットによって計算された第2の合成相関値から、グループIDを計算し、且つ算出されたグループIDと、前記第1の計算ユニットによって計算されたPSS IDから、セルIDを計算する第2の計算ユニットと、を備える初期セルサーチ装置。
【請求項7】
前記第1の制御ユニットは、前記第1の合成回数mを逓増した後、前記第1の合成回数mと第1の最大合成回数M(Mは0を超える整数)を比較し、前記第1の合成回数mが前記第1の最大合成回数Mを超えると、初期セルサーチプロセスに失敗したと決定して初期セルサーチプロセスから退出する請求項6に記載の初期セルサーチ装置。
【請求項8】
前記第2の制御ユニットは、前記第2の合成回数nを逓増した後、前記第2の合成回数nと第2の最大合成回数N(Nは0を超える整数)を比較し、前記第2の合成回数nが前記第2の最大合成回数Nを超えると、CFO補償をリセットし、且つ初期セルサーチプロセスを再び開始する請求項6に記載の初期セルサーチ装置。
【請求項9】
前記第1のメトリック値計算ユニットは、下式に従って前記第1のメトリック値を計算し、
【数4】

ここで、idはPSS IDインデックス番号であり、Cav(id, k, m)は前記第1の合成相関値であり、Kmax(id)=argmax(Cav(id, k, m))で、WsamplesはPSS検知の検索窓内のサンプルポイント数であり、WPSSは第1のメトリック値計算窓内のサンプルポイント数である請求項6に記載の初期セルサーチ装置。
【請求項10】
前記第2のメトリック値計算ユニットは、下式に従って前記第2のメトリック値を計算し、
【数5】

ここで、GroudIdはグループIDインデックスであり、CpTypeはサイクル・プレフィックスの種類を示し、FrameTimは現在の半フレームが1フレームデータにおける前半フレームかそれとも後半フレームかを示し、 Sav(GroupId, CpType, FrameTime, n)は前記第2の合成相関値であり、
【数6】

である請求項8に記載の初期セルサーチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−166772(P2011−166772A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26112(P2011−26112)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】