説明

制御装置、および制御方法

【課題】通信対象装置との間で通話に関する通信を行う場合において、ユーザのプライバシーの侵害を防止しつつ、コンテンツデータが示すコンテンツを通信対象装置との間で選択的に共有させることが可能な制御装置および制御方法を提供する。
【解決手段】通信対象装置との間で通話に関する通信を行う通信部と、コンテンツデータの再生を行う再生処理部と、コンテンツデータが示す音声を通信対象装置との間で共有するか否かを判定する判定部と、判定部において共有すると判定された場合に、コンテンツデータが示す音声、または、音声および画像を通信対象装置との間で共有する処理を選択的に行う共有処理部とを備え、共有処理部は、判定部において共有すると判定されない場合には、発話音声に対応する発話音声信号を通信対象装置へ送信させ、再生しているコンテンツデータに対応するコンテンツ音声信号を通信対象装置へ送信させない制御装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばPC(Personal Computer)などのように、コンテンツデータの再生を行いながら、外部装置との間でユーザ間の通話に関する通信を行うことが可能な装置の普及が進んでいる。
【0003】
このような中、通話に関する通信を行っている複数の装置間においてコンテンツを共有する技術が開発されている。遠隔地にいる複数のユーザに対して、同じ場所で映像コンテンツを視聴しているような臨場感を与えるための技術としては、例えば、特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−36685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通話に関する通信を行っている複数の装置間においてコンテンツを共有する従来の技術(以下、単に「従来の技術」という。)が適用された制御装置(以下、「従来の制御装置」という。)は、共有するコンテンツデータが示す画像と通話を行っているユーザの画像とを合成して、合成した画像を表示画面に表示させる。また、従来の制御装置は、上記表示画面への合成した画像の表示と共に、上記通話に係る発話音声に対して、予め設定されたユーザの画像の位置に応じた音像定位を行う。よって、従来の技術を用いることによって、通話に関する通信を行っている各装置を用いるユーザに対して、あたかも同じ場所で映像コンテンツを視聴しているような臨場感を与えることができる可能性はある。
【0006】
ここで、複数の装置間において通話に関する通信が行われている場合、ユーザが、常に通信相手との間におけるコンテンツの共有を所望するとは限らない。例えば、ある装置においてコンテンツデータの再生が行われているときに、通話に関する通信が開始された場合には、当該装置のユーザは、自己が楽しんでいるコンテンツデータが示す音声の内容(コンテンツの一例)を、通話に関する通信を行っている通信対象の装置(以下「通信対象装置」と示す。)のユーザに知られたくないことがありうる。よって、例えば、ある装置のユーザが共有を所望していないときに、自己が楽しんでいるコンテンツデータが示す音声の内容が通信対象装置のユーザに知られた場合には、当該装置のユーザのプライバシーが侵害される恐れがある。
【0007】
しかしながら、従来の技術では、例えば上記のようなユーザのプライバシーが侵害されうる事態を防止することについて、何らの考慮もなされていない。したがって、従来の制御装置を用いたとしても、通信対象装置との間で通話に関する通信を行う場合において、ユーザのプライバシーの侵害を防止しつつ、コンテンツデータが示すコンテンツを通信対象装置との間で選択的に共有させることの実現は、望むべくもない。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、通信対象装置との間で通話に関する通信を行う場合において、ユーザのプライバシーの侵害を防止しつつ、コンテンツデータが示すコンテンツを通信対象装置との間で選択的に共有させることが可能な、新規かつ改良された制御装置、および制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、1または2以上の通信対象装置との間で、音声による通話に関する通信、または、撮像により得られた動画像である撮像画像および音声による通話に関する通信を行う通信部と、音声、または、音声および画像を示すコンテンツデータの再生を行う再生処理部と、コンテンツデータが示す音声を上記通信対象装置との間で共有するか否かを判定する判定部と、上記判定部において上記コンテンツデータが示す音声を上記通信対象装置との間で共有すると判定された場合に、上記コンテンツデータが示す音声、または、音声および画像を上記通信対象装置との間で共有する処理を選択的に行う共有処理部とを備え、上記共有処理部は、上記判定部において上記コンテンツデータが示す音声を上記通信対象装置との間で共有すると判定されない場合には、上記通話に関する通信における発話音声に対応する発話音声信号を上記通信対象装置へ送信させ、上記再生処理部が再生している上記コンテンツデータが示す音声に対応するコンテンツ音声信号を上記通信対象装置へ送信させない制御装置が提供される。
【0010】
かかる構成により、通信対象装置との間で通話に関する通信を行う場合において、ユーザのプライバシーの侵害を防止しつつ、コンテンツデータが示すコンテンツを通信対象装置との間で選択的に共有させることができる。
【0011】
また、外部音声入力装置において生成された音声信号が入力される入力部をさらに備え、上記共有処理部は、上記判定部において上記コンテンツデータが示す音声を上記通信対象装置との間で共有すると判定されない場合には、上記コンテンツ音声信号の位相を反転させた反転コンテンツ音声信号と、上記音声信号とを加算し、加算された上記音声信号を上記通信部に送信させてもよい。
【0012】
また、音声信号を生成する音声入力部をさらに備え、上記共有処理部は、上記判定部において上記コンテンツデータが示す音声を上記通信対象装置との間で共有すると判定されない場合には、上記コンテンツ音声信号の位相を反転させた反転コンテンツ音声信号と、上記音声信号とを加算し、加算された上記音声信号を上記通信部に送信させてもよい。
【0013】
また、上記共有処理部は、上記判定部において上記コンテンツデータが示す音声を上記通信対象装置との間で共有すると判定されない場合は、上記通信部が受信した、上記通話に関する通信における発話音声に対応する外部発話音声信号の位相を反転させた反転外部発話音声信号を、上記音声信号にさらに加算してもよい。
【0014】
また、上記通信部が上記撮像画像および音声による通話に関する通信を行っているときにおいて、上記判定部において上記コンテンツデータが示す音声を上記通信対象装置との間で共有すると判定されない場合には、上記共有処理部は、上記コンテンツデータが示す画像が表示される領域と、上記通信部が受信した、上記通信対象装置から送信された撮像画像が表示される領域とが分離された表示用画像を、表示画面に表示させてもよい。
【0015】
また、上記通信部が上記撮像画像および音声による通話に関する通信を行っているときにおいて、上記判定部において上記コンテンツデータが示す音声を上記通信対象装置との間で共有すると判定された場合には、上記共有処理部は、上記コンテンツデータが示す画像と、上記通信部が受信した、上記通信対象装置から送信された撮像画像とが仮想空間内に配置された表示用画像を、表示画面に表示させてもよい。
【0016】
また、上記共有処理部は、上記仮想空間における、上記コンテンツデータが示す画像、上記撮像画像それぞれの位置に基づいて、上記コンテンツデータが示す音声に対応するコンテンツ音声信号と、上記通信部が受信した、上記撮像画像に対応する上記通信対象装置から送信された外部発話音声信号との音像をそれぞれ定位させてもよい。
【0017】
また、上記通信部は、上記通信対象装置との間における上記コンテンツデータの共有を管理するコンテンツ管理サーバとさらに通信を行い、上記判定部は、上記コンテンツ管理サーバにおいて上記コンテンツデータの共有が許可された場合に、上記コンテンツデータが示す音声を上記通信対象装置との間で共有すると判定してもよい。
【0018】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点によれば、1または2以上の通信対象装置との間で、音声による通話に関する通信、または、撮像により得られた動画像である撮像画像および音声による通話に関する通信を行うステップと、音声、または、音声および画像を示すコンテンツデータの再生を行うステップと、コンテンツデータが示す音声を上記通信対象装置との間で共有するか否かを判定するステップと、上記判定するステップにおいて上記コンテンツデータが示す音声を上記通信対象装置との間で共有すると判定された場合に、上記コンテンツデータが示す音声、または、音声および画像を上記通信対象装置との間で共有する処理を選択的に行うステップとを有し、上記選択的に行うステップでは、上記判定するステップにおいて上記コンテンツデータが示す音声を上記通信対象装置との間で共有すると判定されない場合には、上記通話に関する通信における発話音声に対応する発話音声信号を上記通信対象装置へ送信させ、上記再生を行うステップにおいて再生されている上記コンテンツデータが示す音声に対応するコンテンツ音声信号を上記通信対象装置へ送信させない制御方法が提供される。
【0019】
かかる方法を用いることにより、通信対象装置との間で通話に関する通信を行う場合において、ユーザのプライバシーの侵害を防止しつつ、コンテンツデータが示すコンテンツを通信対象装置との間で選択的に共有させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、通信対象装置との間で通話に関する通信を行う場合において、ユーザのプライバシーの侵害を防止しつつ、コンテンツデータが示すコンテンツを通信対象装置との間で選択的に共有させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る制御装置におけるコンテンツ共有アプローチの概要を説明するための説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る制御装置が、コンテンツ非共有状態において表示画面に表示させる表示用画像の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る制御装置が、コンテンツ共有状態において表示画面に表示させる表示用画像の一例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係る制御装置におけるコンテンツ共有アプローチに係る処理の一例を示す流れ図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係る制御装置のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
また、以下では、下記に示す順序で説明を行う。
1.本発明の実施形態に係るアプローチ
2.本発明の実施形態に係る制御装置
3.本発明の実施形態に係るプログラム
【0024】
(本発明の実施形態に係るアプローチ)
本発明の実施形態に係る制御装置(以下、「制御装置100」と示す場合がある。)の構成について説明する前に、本発明の実施形態に係るコンテンツ共有アプローチについて説明する。なお、以下に示す本発明の実施形態に係るコンテンツ共有アプローチに係る処理は、本発明の実施形態に係る制御方法に係る処理と捉えることができる。
【0025】
また、以下では、制御装置100が、コンテンツデータの再生に係る処理と、1、または2以上の通信対象装置との間における通話に関する通信に係る処理とを平行して行う場合を例に挙げて説明する。ここで、本発明の実施形態に係るコンテンツデータとは、音声、または、音声および画像(動画像/静止画像)を示すデータである。以下では、コンテンツデータが示す音声、または、音声および画像を総称して「コンテンツ」と示す場合がある。コンテンツデータとしては、例えば、音楽データや映像データなどが挙げられる。また、制御装置100は、例えば、記憶部(後述する)に記憶されたコンテンツデータや、サーバなどの外部装置から受信したコンテンツデータを再生するが、制御装置100が再生するコンテンツデータは、上記に限られない。例えば、制御装置100は、テレビ塔などから送信させた放送波を(直接的に、または、アンテナやチューナなどを介して間接的に)受信することによってコンテンツデータを外部から取得し、当該コンテンツデータを再生することも可能である。
【0026】
また、本発明の実施形態に係る通話に関する通信としては、例えば、音声による通話に関する通信が挙げられるが、本発明の実施形態に係る通話に関する通信は、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る通話に関する通信は、撮像画像および音声による通話(例えばビデオ通話)に関する通信であってもよい。また、本発明の実施形態に係る通話に関する通信は、静止画像および音声による通話に関する通信であってもよい。ここで、本発明の実施形態に係る撮像画像とは、撮像により得られた動画像(または、時間軸方向に連続して撮像された静止画像の集合体)である。なお、本発明の実施形態に係る制御装置100と通信対象装置との間における撮像画像および音声による通話(例えばビデオ通話)に関する通信では、撮像画像に含まれる撮像されたユーザが他のキャラクター(いわゆるアバター)に置き換えられた画像が、撮像画像として制御装置100と通信対象装置との間で送受信されてもよい。
【0027】
[コンテンツ共有アプローチの概要]
例えば従来の技術を用いた場合のように、制御装置と通信対象装置との間において同一のコンテンツが共有されることによって、制御装置のユーザと、通信対象装置のユーザとは、同一のコンテンツを通話をしながら楽しむことが可能となる。つまり、制御装置と通信対象装置との間において同一のコンテンツが共有されることによって、たとえ制御装置と通信対象装置とが遠隔地にある装置であったとしても、あたかも同一の場所でコンテンツを楽しんでいるかのような感覚をユーザに与えることができる。したがって、制御装置と通信対象装置との間において同一のコンテンツが共有されることによって、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0028】
一方、上述したように、例えば制御装置のユーザがコンテンツの共有を所望していないときに自己が楽しんでいるコンテンツデータが示す音声の内容が通信対象装置のユーザに知られた場合には、制御装置のユーザのプライバシーが侵害される恐れがある。
【0029】
そこで、本発明の実施形態に係る制御装置100は、コンテンツデータの再生状態に基づいて、コンテンツデータが示すコンテンツの共有に係る処理(以下、「コンテンツ共有処理」と示す場合がある。)や、再生しているコンテンツデータが示すコンテンツを通信対象装置との間で共有させないための処理(以下、「コンテンツ非共有処理」と示す場合がある。)を選択的に行う。
【0030】
より具体的には、制御装置100は、コンテンツデータが示すコンテンツを通信対象装置との間で共有するか否かを判定する。そして、制御装置100は、上記判定において共有すると判定された場合に、コンテンツ共有処理を選択的に行う。また、制御装置100は、上記判定において共有すると判定されない場合には、コンテンツ非共有処理を行う。
【0031】
図1は、本発明の実施形態に係る制御装置100におけるコンテンツ共有アプローチの概要を説明するための説明図である。ここで、図1は、制御装置100が通信対象装置と通話に関する通信を行っている場合における、制御装置100のコンテンツデータの再生状態および各再生状態におけるコンテンツデータ再生に関する処理の概要を示している。
【0032】
図1に示すように、制御装置100は、通信対象装置との間で通話に関する通信を行っている場合には、例えば図1のA〜図1のCに示す3つの再生状態に応じて、コンテンツデータ再生に関する処理として下記に示す(1)に示す処理〜(3)に示す処理を選択的に行う。
【0033】
(1)コンテンツデータの再生を行わない場合における処理(図1に示すAの状態における処理)
コンテンツデータの再生を行わない場合には、制御装置100は、例えば、自装置が備える音声入力デバイス(後述する音声入力部)や、外部音声入力デバイス(後述する音声入力装置)が生成した音声信号(以下、「生成音声信号」と示す場合がある。)を、通信対象装置に対して送信する。
【0034】
ここで、上記音声入力デバイスや外部音声入力デバイスは、制御装置100のユーザ(以下、単に「ユーザ」と示す場合がある。)が、通信対象装置のユーザとの通話に用いるデバイスである。つまり、本発明の実施形態に係る生成音声信号には、通話に係るユーザの発話音声に対応する音声信号(以下、「発話音声信号」という。)が含まれうる。よって、制御装置100は、通話に関する通信において生成音声信号を通信対象装置へ送信することによって、通信対象装置のユーザに対して、通話に係る発話音声を提示することが可能となる。
【0035】
なお、本発明の実施形態に係る生成音声信号に含まれうる音声信号は、ユーザの発話音声に対応する発話音声信号に限られない。例えば、生成音声信号には、自装置が備える音声入力デバイス(後述する音声出力部)や、外部音声入力デバイス(後述する音声出力装置)から出力された音声に対応する音声信号(以下、「出力音声信号」と示す場合がある。)が含まれうる。より具体的には、例えば制御装置100がコンテンツデータの再生を行っていない場合には、生成音声信号には、制御装置100が通信対象装置から受信した、通話に関する通信対象装置のユーザの発話音声に対応する音声信号(以下、「外部発話音声信号」という。)が、出力音声信号として含まれうる。
【0036】
ここで、制御装置100が、外部発話音声信号が含まれている生成音声信号を通信対象装置へ送信した場合には、例えば、制御装置100のユーザの発話音声に加えて、通信対象装置のユーザが発した発話音声が通信対象装置のユーザに聴こえてしまうことが起こりうる。
【0037】
そこで、制御装置100は、例えば、外部発話音声信号の位相を反転させた反転外部発話音声信号を生成音声信号に加算し、反転外部発話音声信号が加算された生成音声信号を、通信対象装置へ送信する。例えば上記のように反転外部発話音声信号が加算された生成音声信号を通信対象装置へ送信することによって、制御装置100は、通信対象装置のユーザが発した発話音声が、通信対象装置のユーザに聴こえてしまうことを防止することができる。
【0038】
ここで、制御装置100は、例えば、LMS(Least Mean Square)などの適応フィルタや、加算器を備えることによって、生成音声信号に対する上記処理を行う。なお、本発明の実施形態に係る制御装置100における生成音声信号に対する上記処理を実現するための構成は、上記に限られない。例えば、制御装置100は、いわゆるエコーキャンセルを実現することが可能な任意の構成を備えることによって、生成音声信号に対する上記処理を実現することができる。
【0039】
(2)再生されているコンテンツデータが示すコンテンツを共有しない場合における処理(コンテンツ非共有処理。図1に示すBの状態における処理)
再生されているコンテンツデータが示すコンテンツを共有しない場合には、制御装置100は、発話音声信号を通信対象装置へ送信させ、再生されているコンテンツデータが示す音声に対応する音声信号(以下「コンテンツ音声信号」と示す場合がある。)を通信対象装置へ送信させない。
【0040】
上記のように、音声入力デバイスや外部音声入力デバイスが生成した生成音声信号には、ユーザの発話音声に対応する発話音声信号に限られず、出力音声信号が含まれうる。また、制御装置100がコンテンツデータを再生させている場合には、出力音声信号には、コンテンツ音声信号が含まれることとなる。ここで、制御装置100が、コンテンツ音声信号が含まれている生成音声信号を通信対象装置へ送信した場合には、例えば、制御装置100のユーザの発話音声に加えて制御装置100において再生されているコンテンツデータが示す音声が、通信対象装置のユーザに聴こえてしまう。よって、上記のようにコンテンツ音声信号が含まれている生成音声信号を通信対象装置へ送信した場合には、ユーザのプライバシーが侵害される恐れがある。
【0041】
そこで、制御装置100は、例えば、コンテンツ音声信号の位相を反転させた反転コンテンツ音声信号を生成音声信号に加算し、反転コンテンツ音声信号が加算された生成音声信号を通信対象装置へ送信する。例えば上記のように反転コンテンツ音声信号が加算された生成音声信号を通信対象装置へ送信することによって、制御装置100は、制御装置100において再生されているコンテンツデータが示す音声が、通信対象装置のユーザに聴こえてしまうことを防止することができる。
【0042】
ここで、制御装置100は、例えば、LMSなどの適応フィルタや加算器を備えることによって、生成音声信号に対する上記処理を行う。なお、制御装置100は、いわゆるエコーキャンセルを実現することが可能な任意の構成を備えることによって、生成音声信号に対する上記処理を実現することができる。
【0043】
また、制御装置100は、上記(1)の場合と同様に、例えば、外部発話音声信号の位相を反転させた反転外部発話音声信号をさらに生成音声信号に加算し、反転外部発話音声信号がさらに加算された生成音声信号を、通信対象装置へ送信してもよい。例えば上記のように反転外部発話音声信号がさらに加算された生成音声信号を通信対象装置へ送信することによって、制御装置100は、通信対象装置のユーザが発した発話音声が、通信対象装置のユーザに聴こえてしまうことをさらに防止することができる。
【0044】
制御装置100は、例えば上記のように反転コンテンツ音声信号が加算された生成音声信号を通信対象装置へ送信することによって、発話音声信号を通信対象装置へ送信させ、再生されているコンテンツデータに対応するコンテンツ音声信号を通信対象装置へ送信させない。したがって、制御装置100は、制御装置100において再生されているコンテンツデータが示す音声が、通信対象装置のユーザに聴こえてしまうことを防止することができるので、ユーザのプライバシーの侵害を防止することができる。
【0045】
また、制御装置100は、通信対象装置との間において撮像画像および音声による通話(例えばビデオ通話)に関する通信を行っている場合には、例えば、自装置が備える撮像デバイス(後述する撮像部)や、外部撮像デバイス(後述する撮像装置)が生成した撮像画像を画像処理することによって、ユーザのプライバシーの侵害の防止を図る。より具体的には、制御装置100は、再生しているコンテンツデータが示す画像が撮像画像に含まれるか否かを判定し、含まれている場合には、撮像画像に含まれているコンテンツデータが示す画像部分(例えば、窓などに映りこんだ画像)を画像処理する。上記画像処理としては、例えば、上記画像部分を削除する処理や、モザイク処理などが挙げられるが、上記画像処理は上記に限られない。例えば、制御装置100は、撮像画像に含まれているコンテンツデータが示す画像部分を隠蔽可能な任意の処理を、上記画像処理として行うことができる。
【0046】
また、制御装置100は、例えば、制御装置100における再生状態がコンテンツ非共有状態であることを、ユーザに視覚的に通知する。図2は、本発明の実施形態に係る制御装置100が、コンテンツ非共有状態において表示画面に表示させる表示用画像の一例を示す説明図である。ここで、図2は、制御装置100と2つの通信対象装置とが、撮像画像および音声による通話(例えばビデオ通話)に関する通信を行っている場合における表示用画像の一例を示している。また、制御装置100は、例えば、自装置が備える表示デバイス(後述する表示部)の表示画面に表示用画像を表示させてもよいし、外部表示デバイス(後述する表示装置)の表示画面に表示用画像を表示させてもよい(以下、同様とする。)。
【0047】
図2に示すように、制御装置100は、例えば、コンテンツデータが示す画像(図2のD)が表示される領域Aと、制御装置100が受信した、通信対象装置から送信された撮像画像(図2のE、F)が表示される領域Bとが分離された表示用画像を、表示画面に表示させる。図2に示すように、領域Aと領域Bとが分けられた表示用画像が表示画面に表示されることによって、ユーザは、コンテンツ非共有状態であることを視覚的に把握することが可能となる。なお、制御装置100がコンテンツ非共有状態において表示画面に表示させる表示用画像が、図2に示す例に限られないことは、言うまでもない。
【0048】
ここで、制御装置100は、例えば、コンテンツデータが示す画像(例えば図2のD)、および撮像画像(例えば図2のE、F)に基づいて、例えば、PIP(Picture In Picture)やPOP(Picture On Picture)などの手法を用いて表示用画像を生成して表示させる。なお、本発明の実施形態に係る制御装置100における表示用画像の生成方法は、上記に限られない。
【0049】
(3)再生されているコンテンツデータが示すコンテンツを共有する場合における処理(コンテンツ共有処理。図1に示すCの状態における処理)
再生されているコンテンツデータが示すコンテンツを共有する場合には、制御装置100は、音声入力デバイスや外部音声入力デバイスが生成した生成音声信号を、通信対象装置へ送信する。
【0050】
ここで、コンテンツ共有状態(図1に示すC)は、ユーザと通信対象装置のユーザとの間において、同一のコンテンツを共有している状態であるので、制御装置100が再生しているコンテンツデータが示す音声を示すコンテンツ音声信号が、通信対象装置へ送信されたとしても、プライバシーの侵害となる恐れはない。よって、コンテンツ共有状態では、制御装置100は、上記(2)に示す処理(コンテンツ非共有処理)のように、反転コンテンツ音声信号を生成音声信号に加算する処理は行わない。なお、制御装置100は、上記(1)の場合と同様に、例えば、外部発話音声信号の位相を反転させた反転外部発話音声信号をさらに生成音声信号に加算し、反転外部発話音声信号がさらに加算された生成音声信号を、通信対象装置へ送信してもよい。
【0051】
また、制御装置100は、例えば、制御装置100における再生状態がコンテンツ共有状態であることを、ユーザに視覚的に通知する。図3は、本発明の実施形態に係る制御装置100が、コンテンツ共有状態において表示画面に表示させる表示用画像の一例を示す説明図である。ここで、図3は、制御装置100と2つの通信対象装置とが、撮像画像および音声による通話(例えばビデオ通話)に関する通信を行っている場合における表示用画像の一例を示している。
【0052】
図3に示すように、制御装置100は、例えば、コンテンツデータが示す画像(図3のD)と、制御装置100が受信した、通信対象装置から送信された撮像画像(図3のE、F)とが仮想空間内に配置された表示用画像を、表示画面に表示させる。図3に示すように、仮想空間内にコンテンツデータが示す画像(図3のD)および撮像画像(図3のE、F)が配置された表示用画像が表示画面に表示されることによって、ユーザは、コンテンツ共有状態であることを視覚的に把握することが可能となる。なお、制御装置100がコンテンツ共有状態において表示画面に表示させる表示用画像が、図3に示す例に限られないことは、言うまでもない。
【0053】
また、制御装置100は、仮想空間における、コンテンツデータが示す画像(図3のD)、撮像画像(図3のE、F)それぞれの位置に基づいて、自装置が備える音声入力デバイスや外部音声入力デバイスから出力させるコンテンツ音声信号および外部発話音声信号の音像を、それぞれ定位させる。ここで、制御装置100は、例えば、予め仮想空間におけるコンテンツデータが示す画像の表示位置を規定し、予め規定された当該表示位置に対して予め設定されている音声定位パラメータを用いて、例えば、コンテンツ音声信号が示す音声に残響音などの音響効果を付加する。また、制御装置100は、外部発話音声信号に対しても、上記コンテンツ音声信号と同様に、例えば、予め規定された表示位置それぞれに対して予め設定されている音声定位パラメータを用いて、外部発話音声信号が示す発話音声に残響音などの音響効果を付加する。
【0054】
上記のように、自装置が備える音声入力デバイスや外部音声入力デバイスから出力させるコンテンツ音声信号および外部発話音声信号の音像をそれぞれ定位させることによって、制御装置100は、ユーザに対して、通信対象装置のユーザとの間におけるコンテンツのより高い共有感を与えることが可能となる。なお、本発明の実施形態に係る制御装置100における音像定位の方法は、上記に限られず、コンテンツ音声信号および外部発話音声信号の音像をそれぞれ定位させるための任意の方法を用いることができる。
【0055】
また、通信対象装置が、例えば本発明の実施形態に係るコンテンツ共有アプローチに係る処理を行う構成である場合(すなわち、通信対象装置が、他の制御装置100である場合)には、通信対象装置は、例えば制御装置100と同様に、例えば図3に示すような表示用画像を表示画面に表示させ、音像を定位させる。よって、上記の場合には、制御装置100のユーザおよび通信対象装置のユーザ双方が、あたかも同一の場所でコンテンツを楽しんでいるかのような感覚を得ることとなるので、通話に関する通信を行っている通信システム全体におけるユーザの利便性の向上が図られる。
【0056】
上述したように、制御装置100は、コンテンツデータの再生を行わない場合には、例えば上記(1)に示す処理を行う。また、制御装置100は、コンテンツデータの再生を行っている場合、または、これからコンテンツデータの再生を行う場合には、コンテンツデータが示すコンテンツを通信対象装置との間で共有するか否かの判定結果に基づいて、例えば上記(2)に示す処理(コンテンツ非共有処理)、または上記(3)に示す処理(コンテンツ共有処理)を選択的に行う。
【0057】
ここで、コンテンツデータが示すコンテンツを通信対象装置との間で共有すると判定された場合(すなわち、コンテンツ共有状態の場合)には、制御装置100は、通話に係る発話音声信号とコンテンツ音声信号とを通信対象装置へ送信させる。よって、たとえ制御装置100と通信対象装置とが遠隔地にある場合でも、あたかも同一の場所でコンテンツを楽しんでいるかのような感覚をユーザに与えることができるので、制御装置100は、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0058】
また、コンテンツデータが示すコンテンツを通信対象装置との間で共有すると判定されない場合(すなわち、コンテンツ非共有状態の場合)には、制御装置100は、発話音声信号を通信対象装置へ送信させ、コンテンツ音声信号を通信対象装置へ送信させない。よって、制御装置100は、制御装置100において再生されているコンテンツデータが示す音声が、通信対象装置のユーザに聴こえてしまうことを防止することができるので、ユーザのプライバシーの侵害を防止することができる。
【0059】
したがって、制御装置100は、通信対象装置との間で通話に関する通信を行う場合において、ユーザのプライバシーの侵害を防止しつつ、コンテンツデータが示すコンテンツを通信対象装置との間で選択的に共有させることができる。
【0060】
[コンテンツ共有アプローチに係る処理の具体例]
次に、上述した本発明の実施形態に係るコンテンツ共有アプローチを実現するための処理の一例について説明する。図4は、本発明の実施形態に係る制御装置100におけるコンテンツ共有アプローチに係る処理の一例を示す流れ図である。
【0061】
制御装置100は、通信対象装置との間における通話に関する通信が開始されたか否かを判定する(S100)。ステップS100において通信対象装置との間で通話に関する通信が開始されたと判定されない場合には、制御装置100は、通話に関する通信が開始されたと判定されるまで処理を進めない。
【0062】
また、ステップS100において通信対象装置との間で通話に関する通信が開始されたと判定された場合には、制御装置100は、通信対象装置との間でコンテンツ共有を行うか否かを判定する(S102)。
【0063】
ここで、制御装置100は、例えば、コンテンツ共有のオン/オフを規定するハードウェアスイッチや、リモートコントローラなどの外部操作装置から送信される外部操作信号に基づいてコンテンツ共有のオン/オフを規定するソフトウェアスイッチの状態に基づいて、ステップS102の判定を行う。なお、本発明の実施形態に係る制御装置100におけるステップS102の処理は、上記に限られない。
【0064】
例えば、制御装置100は、撮像画像に基づいてユーザの所定の動作を検出し、検出結果に基づいて通信対象装置との間でコンテンツ共有を行うかを判定してもよい。上記の場合、制御装置100は、例えば、自装置が備える撮像デバイスや外部撮像デバイスが生成した撮像画像を画像処理することによって、撮像画像に含まれるユーザの所定の動作(例えば、コンテンツ共有のオン/オフを示す手の形状や周期動作など)を検出する。そして、制御装置100は、例えば、コンテンツ共有のオン動作が検出された場合には、通信対象装置との間でコンテンツ共有を行うと判定する。ここで、制御装置100は、コンテンツ共有のオン動作が検出された場合には、例えばコンテンツ共有のオフ動作が検出されるまでコンテンツ共有を行うと判定するが、制御装置100における処理は、上記に限られない。例えば、制御装置100は、後述するステップS114においてエラーを通知した場合には、再度コンテンツ共有のオン動作が検出されるまで、コンテンツ共有を行うと判定しなくてもよい。
【0065】
[1]コンテンツ共有を行うと判定されない場合
ステップS102において通信対象装置との間でコンテンツ共有を行うと判定されない場合には、制御装置100は、コンテンツデータの再生を行っているか否かを判定する(S104)。
【0066】
ステップS104においてコンテンツデータの再生を行っていると判定されない場合には、制御装置100は、後述するステップS108の処理を行う。ここで、ステップS104においてコンテンツデータの再生を行っていると判定されない場合には、制御装置100は、通信対象装置との間において、通話に関する通信に係る処理を行う。つまり、ステップS104においてコンテンツデータの再生を行っていると判定されない場合における制御装置100の処理は、上記(1)に示す処理に該当する。
【0067】
また、ステップS104においてコンテンツデータの再生を行っていると判定された場合には、制御装置100は、コンテンツ非共有処理を行う(S106)。ここで、制御装置100は、ステップS106において、上記(2)に示す処理を行う。つまり、ステップS106の処理が行われることによって、例えば、制御装置100において再生されているコンテンツデータが示す音声が、通信対象装置のユーザに聴こえてしまうことを防止することができるので、制御装置100は、ユーザのプライバシーの侵害を防止することができる。
【0068】
ステップS104においてコンテンツデータの再生を行っていると判定されない場合、または、ステップS106の処理を行っている場合には、制御装置100は、通信対象装置との間における通話に関する通信を終了するか否かを判定する(S108)。ここで、制御装置100は、例えば、リモートコントローラなどの外部操作装置から送信される外部操作信号や、自装置が備える操作部(後述する)から伝達されるユーザ操作に応じた操作信号が通話に関する通信の終了を示す場合に、通話に関する通信を終了すると判定する。なお、ステップS108の処理は、上記に限られない。例えば、制御装置100は、撮像画像を画像処理することによって、撮像画像に含まれるユーザの所定の動作(例えば、通話に関する通信の終了を示す手の形状や周期動作など)が検出された場合に、通話に関する通信を終了すると判定することもできる。
【0069】
ステップS108において通信対象装置との間における通話に関する通信を終了すると判定されない場合には、制御装置100は、ステップS102からの処理を繰り返す。
【0070】
また、ステップS108において通信対象装置との間における通話に関する通信を終了すると判定された場合には、制御装置100は、例えばセッションの切断を行うことなどにより通信対象装置との間における通話に関する通信を終了し(S110)、コンテンツ共有アプローチに係る処理を終了する。なお、図4に示すコンテンツ共有アプローチに係る処理は、一度終了すれば再度行われないという類の処理ではなく、制御装置100は、一旦処理が終了しても図4に示すコンテンツ共有アプローチに係る処理を繰り返すことが可能である。
【0071】
[2]コンテンツ共有を行うと判定された場合
ステップS102において通信対象装置との間でコンテンツ共有を行うと判定された場合には、制御装置100は、通信対象装置との間でコンテンツ共有が可能か否かを判定する(S112)。ここで、制御装置100は、例えば、通信対象装置と通信を行い、通信対象装置においてもコンテンツ共有を行うと判定された場合に、通信対象装置との間でコンテンツ共有が可能であると判定するが、ステップS112の処理は、上記に限られない。
【0072】
例えば、制御装置100は、コンテンツデータのライセンス管理などを行うコンテンツ管理サーバと通信を行い、ユーザが共有を所望するコンテンツに対応するコンテンツデータがコンテンツ管理サーバにおいて認証された場合(コンテンツデータの共有が許可された場合)に、通信対象装置との間でコンテンツ共有が可能であると判定してもよい。つまり、本発明の実施形態に係るコンテンツ管理サーバは、制御装置100と通信対象装置との間におけるコンテンツデータの共有を管理する役目を果たす。
【0073】
上記のように、コンテンツ管理サーバにおいて認証された場合に通信対象装置との間でコンテンツの共有が行われることによって、たとえユーザおよび通信対象装置のユーザの双方がコンテンツの共有を所望したとしても、制御装置100と通信対象装置との間では、コンテンツの共有がされない。したがって、上記のように、コンテンツ管理サーバにおいて認証された場合に通信対象装置との間でコンテンツの共有が行われることによって、共有の対象となるコンテンツデータのライセンス管理が実現される。
【0074】
ステップS112において通信対象装置との間でコンテンツ共有が可能であると判定されない場合には、制御装置100は、ユーザにエラーを通知する(S114)。そして、制御装置100は、ステップS104からの処理を行う。ここで、制御装置100は、例えばエラー表示画面を表示画面に表示させることによって、視覚的にユーザにエラーを通知するが、ステップS114の処理は、上記に限られない。例えば、制御装置100は、音声出力デバイスや音声出力装置からエラーを示す音声を出力させることによって、聴覚的にユーザにエラーを通知することもできる。
【0075】
また、ステップS112において通信対象装置との間でコンテンツ共有が可能であると判定された場合には、制御装置100は、コンテンツ共有処理を行う(S116)。ここで、制御装置100は、ステップS116において、上記(3)に示す処理を行う。つまり、ステップS116の処理が行われることによって、たとえ制御装置100と通信対象装置とが遠隔地にある場合でも、あたかも同一の場所でコンテンツを楽しんでいるかのような感覚をユーザに与えることが可能となる。よって、制御装置100は、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0076】
ステップS116の処理が行われると、制御装置100は、コンテンツ共有を終了するか否かを判定する(S118)。ここで、制御装置100は、例えばステップS102と同様に、ハードウェアスイッチやソフトウェアスイッチの状態、撮像画像から検出されたユーザの所定の動作などに基づいて、ステップS118の判定を行う。
【0077】
ステップS118においてコンテンツ共有を終了すると判定されない場合には、制御装置100は、ステップS116からの処理を繰り返す。また、ステップS118においてコンテンツ共有を終了すると判定された場合には、制御装置100は、ステップS104からの処理を繰り返す。
【0078】
制御装置100は、例えば図4に示す処理を行うことによって、上記(1)に示す処理〜(3)に示す処理を選択的に行い、本発明の実施形態に係るコンテンツ共有アプローチに係る処理を実現する。したがって、制御装置100は、例えば図4に示す処理を行うことによって、通信対象装置との間で通話に関する通信を行う場合において、ユーザのプライバシーの侵害を防止しつつ、コンテンツデータが示すコンテンツを通信対象装置との間で選択的に共有させることができる。なお、本発明の実施形態に係る制御装置100におけるコンテンツ共有アプローチに係る処理が、図4に示す処理に限られないことは、言うまでもない。
【0079】
(本発明の実施形態に係る制御装置)
次に、上述した本発明の実施形態に係るコンテンツ共有アプローチに係る処理を行うことが可能な、本発明の実施形態に係る制御装置100の構成の一例について説明する。
【0080】
[第1の実施形態]
図5は、本発明の第1の実施形態に係る制御装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0081】
ここで、図5では、表示画面への画像(静止画像または動画像)の表示、表示画面の表示方向を撮像することによる撮像画像の生成、および音声による通話を実現するための音声入力・音声出力を行う表示システム200と、ネットワーク500で接続された通信対象装置300、…およびコンテンツ管理サーバ400とを併せて示している。ここで、上記「ネットワーク500で接続されている」とは、一の装置と他の装置とがネットワーク500を介して通信を行っていること、または通信可能な状態にあることをいう。また、ネットワーク500としては、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などの有線ネットワーク、基地局を介した無線WAN(WWAN;Wireless Wide Area Network)などの無線ネットワーク、あるいは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの通信プロトコルを用いたインターネットなどが挙げられる。なお、制御装置100、通信対象装置300、…、およびコンテンツ管理サーバ400は、ネットワーク500を介して通信を行うことに限られず、例えば、直接的に通信を行ってもよい。また、通信対象装置300、…それぞれは、制御装置100と同様の機能を有する装置(すなわち、他の制御装置100)であってもよい。以下では、制御装置100と通話に関する通信を行う1、または2以上の通信対象装置を、総称して「通信対象装置300」と示す場合がある。
【0082】
例えば図5に示す構成により、制御装置100と表示システム200とを用いるユーザは、例えばビデオ通話のような撮像画像および音声による通話を、通信対象装置300のユーザとの間で行うことができる。なお、図5の表示システム200を、例えば、マイクやスピーカなどから構成される、音声による通話を実現するための音声入力・音声出力を行う音声入出力システム(図示せず)に置き換えてもよい。上記の場合には、制御装置100と音声入出力システム(図示せず)とを用いるユーザは、音声による通話を通信対象装置300のユーザとの間で行うこととなる。
【0083】
また、図5では、表示システム200が、表示を行う表示装置600と、撮像を行う撮像装置700と、音声を出力する音声出力装置800と、音声を入力する音声入力装置900とからなる例を示しているが、本発明の実施形態に係る表示システム200の構成は、上記に限られない。例えば、表示システム200は、表示装置600、撮像装置700、音声出力装置800が一体となった装置(例えば撮像機能および音声出力機能を有する表示装置)であってもよい。また、表示システム200は、例えば、表示機能、撮像機能、音声出力機能、および音声入力機能を有する、1つの装置であってもよい。
【0084】
ここで、表示システム200が表示画面の表示方向を撮像した撮像画像を生成することによって、当該表示画面を見ているユーザを撮像した撮像画像が得られる。したがって、表示システム200が生成した撮像画像を処理することによって、制御装置100は、例えば、図4に示すステップS102、S108、S118の処理において撮像画像に基づきユーザの所定の動作を検出する場合における画像処理などをより容易に行うことが可能となる。
【0085】
図5を参照すると、制御装置100は、記憶部102と、通信部104と、入力部106と、制御部108とを備える。
【0086】
また、制御装置100は、例えば、ROM(Read Only Memory;図示せず)や、RAM(Random Access Memory;図示せず)、ユーザが操作可能な操作部(図示せず)などを備えてもよい。制御装置100は、例えば、データの伝送路としてのバス(bus)により各構成要素間を接続する。
【0087】
ここで、ROM(図示せず)は、例えば制御部108が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAM(図示せず)は、例えば制御部108により実行されるプログラムなどを一時的に記憶する。また、操作部(図示せず)としては、例えば、ボタンや、方向キー、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられる。なお、制御装置100は、制御装置100の外部装置としての操作入力デバイス(例えば、キーボードやマウスなど)と接続されてもよい。
【0088】
〔制御装置100のハードウェア構成例〕
図6は、本発明の実施形態に係る制御装置100のハードウェア構成の一例を示す説明図である。図6を参照すると、制御装置100は、例えば、MPU150と、ROM152と、RAM154と、記録媒体156と、入出力インタフェース158と、操作入力デバイス160と、表示デバイス162と、通信インタフェース164とを備える。また、制御装置100は、例えば、データの伝送路としてのバス166で各構成要素間を接続する。
【0089】
MPU150は、MPU(Micro Processing Unit)や、エンコーダやデコーダなどの画像処理を実現するための回路、適応フィルタや加算器など音声処理を実現するための回路など、各種機能を実現するための複数の回路が集積された集積回路などで構成され、制御装置100全体を制御する制御部(図示せず)として機能する。また、MPU150は、制御装置100において、再生処理部110、判定部112、および共有処理部114としての役目を果たす。
【0090】
ROM152は、MPU150が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データなどを記憶する。RAM154は、例えば、MPU150により実行されるプログラムなどを一時的に記憶する。
【0091】
記録媒体156は、記憶部102として機能し、例えば、コンテンツデータや、音声定位パラメータが記録された音声定位データ、アプリケーションなどを記憶する。ここで、記録媒体156としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)が挙げられる。また、制御装置100は、制御装置100から着脱可能な記録媒体156を備えることもできる。
【0092】
入出力インタフェース158は、例えば、操作入力デバイス160や、表示デバイス162を接続する。また、入出力インタフェース158は、入力部106としての役目を果たすこともできる。操作入力デバイス160は、操作部(図示せず)として機能し、また、表示デバイス162は、表示部(後述する)として機能する。ここで、入出力インタフェース158としては、例えば、音声入力端子や、音声出力端子、USB(Universal Serial Bus)端子、DVI(Digital Visual Interface)端子、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子、各種処理回路などが挙げられる。また、操作入力デバイス160は、例えば、制御装置100上に備えられ、制御装置100の内部で入出力インタフェース158と接続される。操作入力デバイス160としては、例えば、ボタン、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクター、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられる。また、表示デバイス162は、例えば、制御装置100上に備えられ、制御装置100の内部で入出力インタフェース158と接続される。表示デバイス162としては、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display;LCD)や有機ELディスプレイ(organic ElectroLuminescence display。または、OLEDディスプレイ(Organic Light Emitting Diode display)ともよばれる。)などが挙げられる。なお、入出力インタフェース158が、制御装置100の外部装置としての操作入力デバイス(例えば、キーボードやマウスなど)や、表示デバイス(例えば、表示装置600などの外部表示デバイス)、撮像デバイス(例えば、撮像装置700など)などの外部デバイスと接続することもできることは、言うまでもない。また、表示デバイス162は、例えばタッチスクリーンなど、表示とユーザ操作とが可能なデバイスであってもよい。
【0093】
通信インタフェース164は、制御装置100が備える通信手段であり、ネットワーク500を介して(あるいは、直接的に)、例えば、表示システム200や、通信対象装置300、コンテンツ管理サーバ400、コンテンツデータを記憶するサーバ(図示せず)などの外部装置と無線/有線で通信を行うための通信部104として機能する。ここで、通信インタフェース164としては、例えば、通信アンテナおよびRF回路(無線通信)や、IEEE802.15.1ポートおよび送受信回路(無線通信)、IEEE802.11bポートおよび送受信回路(無線通信)、あるいはLAN端子および送受信回路(有線通信)などが挙げられる。
【0094】
制御装置100は、例えば図6に示す構成によって、本発明の実施形態に係るコンテンツ共有アプローチに係る処理を行う。なお、本発明の実施形態に係る制御装置100のハードウェア構成は、図6に示す構成に限られない。
【0095】
例えば、制御装置100は、例えば、撮像部(後述する)の役目を果たす、レンズ/撮像素子と信号処理回路とから構成される撮像デバイスを備えていてもよい。上記の場合には、制御装置100は、自装置が生成した撮像画像を処理し、また、通信対象装置300との間において撮像画像および音声による通話(例えばビデオ通話)に関する通信を行うことができる。ここで、レンズ/撮像素子は、例えば、光学系のレンズと、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を複数用いたイメージセンサとで構成される。信号処理回路は、例えば、AGC(Automatic Gain Control)回路やADC(Analog to Digital Converter)を備え、撮像素子により生成されたアナログ信号をデジタル信号(画像データ)に変換し、各種信号処理を行う。信号処理回路が行う信号処理としては、例えば、White Balance補正処理、補間処理、色調補正処理、ガンマ補正処理、YCbCr変換処理、エッジ強調処理、およびコーディング処理などが挙げられる。
【0096】
また、制御装置100は、例えば、音声入力部(後述する)の役目を果たす、マイクロフォンや増幅器(アンプ)を備えてもよい。上記の場合には、制御装置100は、例えば、自装置において生成した生成音声信号を用いて、通信対象装置300との間で通話に関する通信を行うことができる。
【0097】
また、制御装置100は、例えば、音声出力部(後述する)の役目を果たす、DSP(Digital Signal Processor)と、増幅器(アンプ)やスピーカなどから構成される音声出力デバイスとを備えてもよい。上記の場合には、制御装置100は、例えば、再生しているコンテンツデータが示す音声や、通信対象装置300との間における通話に関する発話音声などの、様々な音声の出力を行うことが可能となる。
【0098】
さらに、制御装置100は、例えば、図6に示す操作デバイス160や表示デバイス162を備えない構成であってもよい。
【0099】
再度図5を参照して、本発明の第1の実施形態に係る制御装置100の構成について説明する。記憶部102は、制御装置100が備える記憶手段である。ここで、記憶部102としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどが挙げられる。
【0100】
また、記憶部102は、例えば、コンテンツデータや、音声定位データ、アプリケーションなどを記憶する。図5では、コンテンツデータ140、…が記憶部102に記憶されている例を示している。
【0101】
通信部104は、制御装置100が備える通信手段であり、ネットワーク500を介して(あるいは、直接的に)、表示システム200や通信対象装置300、コンテンツ管理サーバ400などの外部装置と無線/有線で通信を行う。制御装置100は、通信部104を備えることによって、1または2以上の通信対象装置300との間で通信を行い、通話に関する通信(音声による通話、または、撮像画像および音声による通話に関する通信)を行うことができる。また、通信部104は、例えば、制御部108により通信が制御される。
【0102】
ここで、通信部104としては、例えば、通信アンテナおよびRF回路や、LAN端子および送受信回路などが挙げられるが、通信部104は、上記に限られない。例えば、通信部104は、ネットワーク500を介して外部装置と通信可能な任意の構成をとることができる。
【0103】
入力部106は、例えば、撮像装置700が撮像により生成した撮像画像や、音声入力装置900が生成した音声信号(生成音声信号)を受信する。そして、入力部106は、受信した(入力された)撮像画像や音声信号を、制御部108へ伝達する。ここで、入力部106としては、例えば、音声入力端子や、音声出力端子、USB端子、DVI端子、HDMI端子、各種処理回路などが挙げられるが、入力部106は、上記に限られない。例えば、入力部106は、外部装置から撮像画像や音声信号を有線または無線で受信することが可能な任意の構成をとることができる。
【0104】
制御部108は、例えば、MPUや、エンコーダやデコーダなどの画像処理を実現するための回路、適応フィルタや加算器など音声処理を実現するための回路などで構成され、制御装置100全体を制御する役目を果たす。また、制御部108は、再生処理部110と、判定部112と、共有処理部114とを備え、本発明の実施形態に係るコンテンツ共有アプローチに係る処理を主導的に行う役目を果たす。また、制御部108は、通信対象装置300などの外部装置との通信を制御する通信制御部(図示せず)を備えていてもよい。
【0105】
再生処理部110は、例えば、記憶部102に記憶しているコンテンツデータや、通信部104が受信した、通信対象装置300やサーバ(図示せず)などの外部装置から送信されたコンテンツデータを再生する。
【0106】
判定部112は、判定部112は、制御装置100における再生状態を判定し、判定結果を共有処理部114へ伝達する役目を果たす。
【0107】
より具体的には、例えば、通信対象装置300との間において通話に関する通信が行われているときに再生処理部110においてコンテンツデータの再生が行わない場合には、判定部112は、上記(2)に示す処理(コンテンツ非共有処理)および上記(3)に示す処理(コンテンツ共有処理)を行わない旨の判定結果を共有処理部114へ伝達する。
【0108】
また、例えば、通信対象装置300との間において通話に関する通信が行われているときにおいて、再生処理部110においてコンテンツデータの再生が行われている場合、または、再生処理部110がこれからコンテンツデータの再生を行う場合には、判定部112は、コンテンツデータが示す音声を通信対象装置300との間で共有するか否かを判定する。ここで、判定部112は、コンテンツデータが示す音声を通信対象装置300との間で共有するか否かを判定する場合、例えば、通信部104を介してコンテンツ管理サーバ400と通信を行い、コンテンツ管理サーバ400からコンテンツデータの共有が許可された場合に、共有すると判定する。
【0109】
そして、判定部112は、コンテンツデータが示すコンテンツを通信対象装置300との間で共有するか否かの判定結果に応じて、上記(2)に示す処理(コンテンツ非共有処理)または、上記(3)に示す処理(コンテンツ共有処理)を選択的に行わせるための判定結果を、共有処理部114へ伝達する。
【0110】
ここで、例えば図4に示すコンテンツ共有アプローチに係る処理における判定部112の処理としては、例えば、ステップS100、S102、S104、S108、S112、S118に示す処理が挙げられる。なお、図4に示すコンテンツ共有アプローチに係る処理における判定部112の処理は、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る制御装置100では、通信制御部(図示せず)が、例えば図4に示すコンテンツ共有アプローチに係る処理におけるステップS100、S108の処理を行ってもよい。
【0111】
共有処理部114は、判定部112から伝達される判定結果に基づいて、上記(2)に示す処理(コンテンツ非共有処理)または、上記(3)に示す処理(コンテンツ共有処理)を選択的に行う。より具体的には、共有処理部114は、判定部112においてコンテンツデータが示す音声を通信対象装置300との間で共有すると判定されない場合には、上記(2)に示す処理(コンテンツ非共有処理)を行う。また、共有処理部114は、判定部112においてコンテンツデータが示す音声を通信対象装置300との間で共有すると判定された場合には、上記(3)に示す処理(コンテンツ共有処理)を選択的に行う。
【0112】
ここで、例えば図4に示すコンテンツ共有アプローチに係る処理における共有処理部114の処理としては、例えば、ステップS106、S114、S116に示す処理が挙げられる。
【0113】
制御部108は、例えば再生処理部110、判定部112、および共有処理部114を備えることによって、コンテンツ共有アプローチに係る処理を主導的に行うことができる。なお、制御部108の構成が、図5に示す構成に限られないことはいうまでもない。
【0114】
第1の実施形態に係る制御装置100は、例えば図5に示す構成によって、本発明の実施形態に係るコンテンツ共有アプローチに係る処理を実現することができる。したがって、制御装置100は、例えば図5に示す構成によって、通信対象装置300との間で通話に関する通信を行う場合において、ユーザのプライバシーの侵害を防止しつつ、コンテンツデータが示すコンテンツを通信対象装置300との間で選択的に共有させることができる。なお、本発明の第1の実施形態に係る制御装置100の構成が、図5に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
【0115】
[第2の実施形態]
図7は、本発明の第2の実施形態に係る制御装置100の構成の一例を示すブロック図である。ここで、図7では、図5と同様に、ネットワーク500で接続された通信対象装置300、…、およびコンテンツ管理サーバ400を併せて示している。
【0116】
図7に示す第2の実施形態に係る制御装置100は、図5に示す第1の実施形態に係る制御装置100と基本的に同様の構成を有するが、図5に示す第1の実施形態に係る制御装置100と比較すると、第2の実施形態に係る制御装置100は、入力部106を備えず、また、音声入力部120と、撮像部122と、表示部124と、音声出力部126とをさらに備えている。
【0117】
音声入力部120は、制御装置100が備える音声信号生成手段である。音声入力部120としては、例えばマイクロフォンが挙げられる。なお、音声入力部120は、制御装置100から着脱可能であってもよい。
【0118】
撮像部122は、制御装置100が備える撮像手段であり、表示部124が表示する表示画面の表示方向を撮像して、撮像画像を生成する。なお、第2の実施形態に係る制御装置100が、撮像画像および音声による通話に関する通信を行う機能を有さない場合には、制御装置100は、撮像部122を備えない構成であってもよい。ここで、撮像部122としては、例えば、レンズ/撮像素子と信号処理回路とから構成される撮像デバイスが挙げられる。
【0119】
表示部124は、制御装置100が備える表示手段であり、表示画面に様々な情報や画像を表示する。表示部124の表示画面に表示される画面としては、例えば、コンテンツデータが示す画像を表示するコンテンツ表示画面や、通話に係る撮像画像が表示される画面、所望する動作を制御装置100に対して行わせるための操作画面などが挙げられる。なお、上記通話に係る撮像画像が表示される画面において、撮像画像は、コンテンツが示す画像と並列に表示されてもよく、または、コンテンツが示す画像に重畳して表示されてもよい。また、表示部124としては、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどが挙げられる。
【0120】
音声出力部126は、制御装置100が備える音声出力手段であり、例えば再生されているコンテンツデータが示す音声や、通話に係る発話音声、制御装置100におけるシステム音声など、様々な音声を出力する。ここで、音声出力部126としては、例えば、DSPと、増幅器(アンプ)やスピーカなどから構成される音声出力デバイスとが挙げられる。
【0121】
第2の実施形態に係る制御装置100は、図5に示す第1の実施形態に係る制御装置100と基本的に同様の構成を有する。よって、第2の実施形態に係る制御装置100は、図7に示す構成によって、第1の実施形態に係る制御装置100と同様に、本発明の実施形態に係るコンテンツ共有アプローチに係る処理を実現することができる。したがって、制御装置100は、例えば図7に示す構成によって、通信対象装置300との間で通話に関する通信を行う場合において、ユーザのプライバシーの侵害を防止しつつ、コンテンツデータが示すコンテンツを通信対象装置300との間で選択的に共有させることができる。なお、本発明の第2の実施形態に係る制御装置100の構成は、図7に示す構成に限られない。例えば第2の実施形態に係る制御装置100は、図5に示す第1の実施形態に係る制御装置100と同様に、入力部106を備えていてもよい。
【0122】
以上のように、本発明の実施形態に係る制御装置100は、コンテンツデータが示す音声を通信対象装置300との間で共有するか否かの判定結果に基づいて、上記(2)に示す処理(コンテンツ非共有処理)、または上記(3)に示す処理(コンテンツ共有処理)を選択的に行う。ここで、コンテンツデータが示すコンテンツを通信対象装置300との間で共有すると判定された場合(すなわち、コンテンツ共有状態の場合)には、制御装置100は、通話に係る発話音声信号とコンテンツ音声信号とを通信対象装置300へ送信させる。よって、たとえ制御装置100と通信対象装置300とが遠隔地にある場合でも、あたかも同一の場所でコンテンツを楽しんでいるかのような感覚をユーザに与えることができるので、制御装置100は、ユーザの利便性の向上を図ることができる。また、コンテンツデータが示すコンテンツを通信対象装置300との間で共有すると判定されない場合(すなわち、コンテンツ非共有状態の場合)には、制御装置100は、発話音声信号を通信対象装置300へ送信させ、コンテンツ音声信号を通信対象装置300へ送信させない。よって、制御装置100は、制御装置100において再生されているコンテンツデータが示す音声が、通信対象装置300のユーザに聴こえてしまうことを防止することができるので、ユーザのプライバシーの侵害を防止することができる。
【0123】
したがって、制御装置100は、通信対象装置300との間で通話に関する通信を行う場合において、ユーザのプライバシーの侵害を防止しつつ、コンテンツデータが示すコンテンツを通信対象装置300との間で選択的に共有させることができる。
【0124】
以上、本発明の実施形態として制御装置100を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、PCやサーバなどのコンピュータ、テレビ受像機やサイネージ装置などの表示装置、携帯電話などの携帯型通信装置、映像/音楽再生装置(または映像/音楽記録再生装置)、ゲーム機、セットトップボックスなど、様々な機器に適用することができる。
【0125】
また、本発明の実施形態として表示システム200を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、PCなどのコンピュータ、テレビ受像機やサイネージ装置などの表示装置、携帯電話などの携帯型通信装置など、様々な機器に適用することができる。なお、本発明の実施形態に係る表示システム200は、表示を行う機器と、撮像を行う機器と、音声信号を生成する機器と、音声を出力する機器との組合せであってもよい。
【0126】
また、本発明の実施形態として、通信対象装置300を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、PCやサーバなどのコンピュータ、テレビ受像機やサイネージ装置などの表示装置、携帯電話などの携帯型通信装置、映像/音楽再生装置(または映像/音楽記録再生装置)、ゲーム機、セットトップボックスなど、様々な機器に適用することができる。
【0127】
また、本発明の実施形態として、コンテンツ管理サーバ400を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、PCやサーバなどのコンピュータなど、様々な機器に適用することができる。
【0128】
(本発明の実施形態に係るプログラム)
コンピュータを、本発明の実施形態に係る制御装置として機能させるためのプログラム(例えば図4に示すような、本発明の実施形態に係るコンテンツ共有アプローチに係る処理を実現するためのプログラム)によって、通信対象装置との間で通話に関する通信を行う場合において、ユーザのプライバシーの侵害を防止しつつ、コンテンツデータが示すコンテンツを通信対象装置との間で選択的に共有させることができる。
【0129】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0130】
例えば、本発明の実施形態に係る制御装置100は、図5、図7に示す再生処理部110、判定部112、および共有処理部114を個別に備える(例えば、それぞれを個別の処理回路で実現する)ことができる。
【0131】
また、上記では、コンピュータを、本発明の実施形態に係る制御装置として機能させるためのプログラム(コンピュータプログラム)が提供されることを示したが、本発明の実施形態は、さらに、上記プログラムを記憶させた記憶媒体も併せて提供することができる。
【0132】
上述した構成は、本発明の実施形態の一例を示すものであり、当然に、本発明の技術的範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0133】
100 制御装置
102 記憶部
104 通信部
106 入力部
108 制御部
110 再生処理部
112 判定部
114 共有処理部
120 音声入力部
122 撮像部
124 表示部
126 音声出力部
200 表示システム
300 通信対象装置
400 コンテンツ管理サーバ
500 ネットワーク
600 表示装置
700 撮像装置
800 音声出力装置
900 音声入力装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または2以上の通信対象装置との間で、音声による通話に関する通信、または、撮像により得られた動画像である撮像画像および音声による通話に関する通信を行う通信部と、
音声、または、音声および画像を示すコンテンツデータの再生を行う再生処理部と、
コンテンツデータが示す音声を前記通信対象装置との間で共有するか否かを判定する判定部と、
前記判定部において前記コンテンツデータが示す音声を前記通信対象装置との間で共有すると判定された場合に、前記コンテンツデータが示す音声、または、音声および画像を前記通信対象装置との間で共有する処理を選択的に行う共有処理部と、
を備え、
前記共有処理部は、前記判定部において前記コンテンツデータが示す音声を前記通信対象装置との間で共有すると判定されない場合には、
前記通話に関する通信における発話音声に対応する発話音声信号を前記通信対象装置へ送信させ、
前記再生処理部が再生している前記コンテンツデータが示す音声に対応するコンテンツ音声信号を前記通信対象装置へ送信させない、制御装置。
【請求項2】
外部音声入力装置において生成された音声信号が入力される入力部をさらに備え、
前記共有処理部は、前記判定部において前記コンテンツデータが示す音声を前記通信対象装置との間で共有すると判定されない場合には、前記コンテンツ音声信号の位相を反転させた反転コンテンツ音声信号と、前記音声信号とを加算し、
加算された前記音声信号を前記通信部に送信させる、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
音声信号を生成する音声入力部をさらに備え、
前記共有処理部は、前記判定部において前記コンテンツデータが示す音声を前記通信対象装置との間で共有すると判定されない場合には、前記コンテンツ音声信号の位相を反転させた反転コンテンツ音声信号と、前記音声信号とを加算し、
加算された前記音声信号を前記通信部に送信させる、請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記共有処理部は、前記判定部において前記コンテンツデータが示す音声を前記通信対象装置との間で共有すると判定されない場合は、前記通信部が受信した、前記通話に関する通信における発話音声に対応する外部発話音声信号の位相を反転させた反転外部発話音声信号を、前記音声信号にさらに加算する、請求項2、または3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記通信部が前記撮像画像および音声による通話に関する通信を行っているときにおいて、前記判定部において前記コンテンツデータが示す音声を前記通信対象装置との間で共有すると判定されない場合には、
前記共有処理部は、前記コンテンツデータが示す画像が表示される領域と、前記通信部が受信した、前記通信対象装置から送信された撮像画像が表示される領域とが分離された表示用画像を、表示画面に表示させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記通信部が前記撮像画像および音声による通話に関する通信を行っているときにおいて、前記判定部において前記コンテンツデータが示す音声を前記通信対象装置との間で共有すると判定された場合には、
前記共有処理部は、前記コンテンツデータが示す画像と、前記通信部が受信した、前記通信対象装置から送信された撮像画像とが仮想空間内に配置された表示用画像を、表示画面に表示させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記共有処理部は、前記仮想空間における、前記コンテンツデータが示す画像、前記撮像画像それぞれの位置に基づいて、
前記コンテンツデータが示す音声に対応するコンテンツ音声信号と、前記通信部が受信した、前記撮像画像に対応する前記通信対象装置から送信された外部発話音声信号との音像をそれぞれ定位させる、請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記通信部は、前記通信対象装置との間における前記コンテンツデータの共有を管理するコンテンツ管理サーバとさらに通信を行い、
前記判定部は、前記コンテンツ管理サーバにおいて前記コンテンツデータの共有が許可された場合に、前記コンテンツデータが示す音声を前記通信対象装置との間で共有すると判定する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項9】
1または2以上の通信対象装置との間で、音声による通話に関する通信、または、撮像により得られた動画像である撮像画像および音声による通話に関する通信を行うステップと、
音声、または、音声および画像を示すコンテンツデータの再生を行うステップと、
コンテンツデータが示す音声を前記通信対象装置との間で共有するか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおいて前記コンテンツデータが示す音声を前記通信対象装置との間で共有すると判定された場合に、前記コンテンツデータが示す音声、または、音声および画像を前記通信対象装置との間で共有する処理を選択的に行うステップと、
を有し、
前記選択的に行うステップでは、前記判定するステップにおいて前記コンテンツデータが示す音声を前記通信対象装置との間で共有すると判定されない場合には、
前記通話に関する通信における発話音声に対応する発話音声信号を前記通信対象装置へ送信させ、
前記再生を行うステップにおいて再生されている前記コンテンツデータが示す音声に対応するコンテンツ音声信号を前記通信対象装置へ送信させない、制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−75038(P2012−75038A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219865(P2010−219865)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】