説明

剪断減粘性エチレン/α−オレフィンインターポリマーおよびそれらの製造法

【課題】ノルボルナジエンのような高価なモノマーを用いることなく、剪断による粘度変化の大きいポリマーを提供すること。
【解決手段】エチレン、少なくとも1種のα−オレフィンモノマーおよび少なくとも1種のジエンモノマーを含み、少なくとも10の加工レオロジー比(PRR){PRR=(190℃で剪断速度0.1rad/secで測定したインターポリマー粘度)/(190℃で剪断速度100rad/secで測定したインターポリマー粘度)+[3.82−インターポリマームーニー粘度(ML1+4@125℃)]×0.3}、少なくとも2.2の分子量分布(Mw/Mn)、および少なくとも15のムーニー粘度(125℃でのML1+4)を有する共重合体。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、剪断減粘性エチレン/α−オレフィン(EAO)インターポリマーに関するものである。このインターポリマーは、加工レオロジー比(PRR)少なくとも4を有し、長鎖枝分かれ(LCB)が存在することが示されている。このインターポリマーは、ノルボルナジエン(NBD)など通常のLCBモノマーがなくてもこのようなPRRを実現する。このアルファ−オレフィン(α−オレフィン)は、適切には3から20個の炭素原子(C〜C20)を含み、好ましくは、プロピレン(C)、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテン(C)である。このインターポリマーは、ジエン(ジオレフィン)モノマ−、好ましくは5−エチレンジエン−2−ノルボルネン(ENB)など非共役ジエンモノマーを含むことが望ましい。このジエンを含むEAOインターポリマーは、一般に「EAODMインターポリマー」と呼ばれている。EAOおよびEAODMインターポリマーは、合わせて「EAO(D)Mインターポリマー」と呼ばれている。本発明はまた、このようなインターポリマーの製造方法、このようなインターポリマーを含む組成物およびこのようなインターポリマーまたは組成物から形成された少なくとも1部または部分を含む製造物品に関するものである。
【0002】
(発明の概要)
本発明の第1の態様は、剪断減粘性EAO(D)Mインターポリマーであり、前記インターポリマーは重合化したエチレン、少なくとも1種のα−オレフィンモノマーおよび、任意に、少なくとも1種のジエンモノマーを中に有し、PRRが少なくとも4であることを特徴とする。このインターポリマーは、エチレン(C)含量が20から95重量パーセント(wt%)、α−オレフィン含量が80から5wt%であり、α−オレフィンはC3〜20α−オレフィンであり、任意に、ジエンモノマー含量が0を上回り25wt%までの範囲であることが望ましく、パーセントは全てインターポリマー重量をベースとしており全体で100wt%である。このEAO(D)Mインターポリマーは、NBDまたは他の通常のLCBモノマーがなくてもこのようなPRRを実現する。
【0003】
インターポリマー粘度は、通常Rheometrics製RMS−800またはARESなど動的機械分光計を使用して、窒素雰囲気下で通常剪断速度1秒当たり0.1〜100ラジアン(rad/sec)の範囲で190℃においてポアズ(ダイン−秒/平方センチメータ(d−sec/cm))で測定する。0.1rad/secおよび100rad/secでの粘度は、それぞれV0.1およびV100として表すことが可能で、この2つの比はRRと称し、V0.1/V100として表される。RRR=RR+[3.82−インターポリマームーニー粘度(125℃でのML1+4)×0.3。
【0004】
本発明の第2の態様は、第1態様のEAO(D)Mインターポリマーの製造方法で、この方法には、少なくとも60重量パーセントのエチレン変換を実現するために十分な条件下で、エチレン、少なくとも1種のα−オレフィンモノマーおよび任意に少なくとも1種のジエンモノマーを触媒および活性化触媒と接触させることを含み、この条件には少なくとも70℃、より好ましくは少なくとも80℃の温度、および任意に、有効量の水素の存在下であることを含み、この有効量とはインターポリマーPRRを少なくとも4に維持するために十分な量であり、前記触媒は少なくとも1種の幾何学的に拘束された金属複合体である。α−オレフィンモノマーにはC3〜20α−オレフィンモノマーが適切である。この方法は、特にジエンまたはポリエンがENB、1,4−ヘキサジエンまたは同様の非共役ジエンまたは1,3−ペンタジエンなどの共役ジエンであるEAO(D)Mインターポリマーの溶液重合化に有用である。このジエンには、ENBまたは7−メチル−1,6−オクタジエンが好ましい。第1の態様と同様に、このインターポリマーPRRは通常のLCBモノマーがなくても実現する。
【0005】
本発明の第3の態様は、第1態様のインターポリマーおよびある量の結晶性ポリオレフィン樹脂、望ましくはプロピレンポリマーまたはコポリマー、好ましくはポリプロピレン(PP)を含むポリマーブレンド組成物である。このインターポリマーは、50重量部(pbw)未満の量で存在することが望ましく、結晶性ポリオレフィン樹脂は50pbwを超える量で存在することが望ましい。インターポリマーがEAODMインターポリマーであるとき、そのポリマーブレンド物を熱可塑性エラストマーまたはTPEと称する。インターポリマーがEAOインターポリマーであるとき、そのポリマーブレンド物を熱可塑性ポリオレフィンまたはTPOと称する。
【0006】
本発明の第4の態様は、少なくとも部分的に架橋結合した(硬化または加硫とも称する)第1態様のインターポリマーおよび再びプロピレンポリマーまたはコポリマー、好ましくはPPであることが望ましい結晶性ポリオフェフィン樹脂を含むポリマーブレンド組成物である。このインターポリマーは40から90pbwの量で存在することが望ましく、結晶性ポリオレフィン樹脂は60から10pbwの量で存在することが望ましい。このインターポリマーは、充分に架橋結合してゲル含量がインターポリマー重量をベースにして少なくとも70%になることが好ましい。
【0007】
第3および第4の態様のいずれにおいても、インターポリマーおよび結晶性ポリオレフィン樹脂の量はインターポリマーと結晶性ポリマーの合計重量に基づいており、合わせて100pbwになる。
【0008】
(好ましい実施形態の説明)
本明細書では元素周期表に関することは全てCRC Press、Inc.、1989に版権所有して発行された周期表を参考にしている。また、族または族類に関することはいずれも、IUPACシステムで番号付けられた族を使用したこの元素周期表に反映するような族または族類である。
【0009】
純粋な本発明のEAO(D)Mインターポリマーは3つの異なる特性を有する。第1は、少なくとも4のPRRである。このPRRは、4から350の範囲であることが望ましく、4から250が好ましく、8から150が最も好ましい。第2は、ムーニー粘度またはMV(ML1+4@125℃、ASTM D1646〜94)が0.5から200の範囲、好ましくは5から120、より好ましくは10から85であることである。第3は、分子量分布(MWDまたはM/M)が2から5の範囲、好ましくは2.0から3.8、およびより好ましくは2.2から3.2であることである。これらの特性があれば、好ましいEAO(D)MインターポリマーはMWDが少なくとも2.5でPRRが少なくとも8である。好ましいEAODMインターポリマーはMWD少なくとも2.2、MV少なくとも15およびPRR少なくとも10を有する。EAOがC/C(EO)コポリマーであるとき、MWDは少なくとも2.3で、MVは少なくとも5で、PRRは好ましくは4を上回る。
【0010】
溶液重合化方法では、公知かつ優位な分子量制御方法は、熱停止、水素停止またはその両者による連鎖停止反応である。熱停止は反応性ビニル基を有する鎖末端を生じ、一方水素停止は非反応性飽和末端基を生じると考えられる。ほとんどの場合、熱停止は水素停止と競合する。また、前記に詳述した方法条件下での反応性ビニル末端基の形成および後のそれらの増大したポリマー主鎖への再挿入はその場で生じたLCBを有するポリマー生成物を生じると考えられる。このように、水素がほとんどないか全くなく、重合化温度が高温であるなど、反応性ビニル末端基を形成することに有利な反応条件の組合わせは、この反応ビニル末端基を取り込み、次にPRR増加で表されるようにLCB濃度の増加を引き起こすことに有利であると考えられる。
【0011】
本発明のEAO(D)Mインターポリマーは、中にC、少なくとも1種のC3〜20α−オレフィン(エチレン性不飽和)モノマーおよび、任意に、C4〜40ジエンモノマー(NBD以外のまたは他の通常のLCBモノマー)を重合化して有する。このα−オレフィンは、脂肪族または芳香族化合物のいずれかであることが可能で、スチレン、p−メチルスチレン、シクロブテン、シクロペンテン、および5および6位がC1〜20ヒドロカルビル基で置換されたノルボルネンを含むノルボルネンなどビニル性不飽和または環状化合物を含むことが可能である。このα−オレフィンは、C3〜20脂肪族化合物であることが好ましく、C3〜16脂肪族化合物であることがより好ましい。好ましいエチレン性不飽和モノマーには、4−ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサン、およびC3〜10脂肪族α−オレフィン(特にエチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンおよび1−ドデセン)が含まれる。より好ましいC3〜10脂肪族α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンから成る群から選択される。
【0012】
本発明のインターポリマーは、C含量が20から95wt%、より好ましくは30から93wt%、最も好ましくは35から90wt%である。このインターポリマーはまた、C以外の少なくとも1種のαオレフィンを5から80wt%、より好ましくは7から70wt%、最も好ましくは10から65wt%の濃度で含む。最後に、このインターポリマーは非共役ジエンを含むことが可能である。このインターポリマーが非共役ジエンを含むとき、この非共役ジエン含量は好ましくは0を上回り25wt%以上まで、より好ましくは0を上回り15wt%まで、最も好ましくは0を上回り10wt%までである。パーセントは全てインターポリマー重量に基づいている。所望するならば、1種を上回るジエン、たとえば1,4−ヘキサジエンおよびENBを、ジエン取り込み総量が前記に指定した限界範囲内であるように、同時に取り入れることが可能である。
【0013】
4〜40ジオレフィンまたはジエンモノマーは、通常架橋結合のための重合部位として使用される非共役ジオレフィンが望ましい。この非共役ジオレフィンにはC6〜15直鎖、枝分かれ鎖または環状炭化水素ジエンが可能である。非共役ジエンの実例は、1,4−ヘキサジエンおよび1,5−ヘプタジエンなど直鎖非環状ジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、5,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンおよびジヒドロミルセンの異性体混合物など枝分かれ鎖非環状ジエン、1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエンおよび1,5−シクロドデカジエンなど単環脂環式ジエン、テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデンなど多環脂環式融合環ジエンおよび結合環ジエン、アルケニル、アルキリデン、シクロアルケニルおよび5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)、ENB、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(4−シクロペンテニル)−2−ノルボルネンおよび5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネンなどシクロアルキリデンノルボルネンである。このジエンは、ENBおよび1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンから成る群から選択された非共役ジエンが好ましく、より好ましいのはENBである。しかし、このジオレフィンは、1,3−ペンタジエン、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、または1,3−シクロペンタジエンから成る群から選択された共役ジエンであることが可能である。EAODMジエンモノマー含量は、共役ジエン、非共役ジエンまたはその両方を含むかどうかに関わらず、前記に指定した非共役ジエンの限界範囲内である。
【0014】
好ましいインターポリマーは、一般的にLCBを誘導するジエンモノマーを実質的に含まないが、費用が許容でき、加工性、引張強度および伸長率など所望するインターポリマーの特性が許容できないレベルまで低下しなければ、このようなモノマーを含めることが可能である。このようなジエンモノマーには、ジシクロペンタジエン、NBD、メチルノルボルナジエン、ビニル−ノルボルネン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、および1,9−デカジエンが含まれる。このようなモノマーを添加するときは、インターポリマー重量に対して、0を上回り3wt%まで、より好ましくは0を上回り2wt%までの範囲内の量で添加する。
【0015】
本発明のインターポリマーを使用して、様々な物品または製造物またはその成分または部品を製造することが可能である。限定のためにではなく例示だけの目的で、このような物品は、ワイヤおよびケーブル成分、電気絶縁体、ベルト、ホース、チューブ、ガスケット、膜、成形品、押出部品、自動車部品、接着剤、タイヤおよびタイヤのサイドウォールから成る群から選択することが可能である。
【0016】
本発明のインターポリマーは、そのまま使用することが可能であるが、化合物の成分としての用途を発見することが好ましい。化合物は、一般的に充填剤、繊維、可塑剤、油、着色剤、安定化剤、発泡剤、凝固遅延剤、凝固促進剤、架橋剤およびその他の通常添加物から成る群から選択される少なくとも1種の添加物と混合した、少なくとも1種のポリマーを含む。本発明のインターポリマーは、このような化合物のポリマー含量の少なくとも1部を含むことが好ましい。
【0017】
インターポリマー、およびこのようなインターポリマーを含む化合物はいくつかの通常の方法および装置の1種によって最終製造品に変換することが可能である。方法の実例には、押出、カレンダ加工、射出成形、圧縮成型、紡糸、およびその他の一般的熱可塑性方法が含まれる。
【0018】
本発明のインターポリマーはまた、グラフトポリマーを製造する際の基本ポリマーとして役立つ。少なくとも1種のエチレン性不飽和(少なくとも1種の2重結合)を含み、本発明のインターポリマーにグラフトする不飽和有機化合物は、このようなインターポリマーを修飾するために使用することができる。例となる不飽和化合物には、ビニルエーテル、ビニル置換ヘテロ環化合物、ビニルオキサゾリン、ビニルアミン、ビニルエポキシド、不飽和エポキシ化合物、不飽和カルボン酸およびその無水物、エーテル、アミン、アミド、スクシニミドまたはこのような酸のエステルが含まれる。代表的な化合物には、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、α−メチルクロトン酸およびシンナム酸およびそれらの無水物、エステルまたはエーテル誘導体、ビニル置換アルキルフェノールおよびメタクリル酸グリシジル類が含まれる。適切な不飽和アミンには、少なくとも1個の二重結合および少なくとも1個のアミン基(少なくとも1個の第1級、第2級、または第3級アミン)を含有する脂肪族およびヘテロ環式有機窒素化合物のものが含まれる。無水マレイン酸は好ましい不飽和有機化合物である。グラフトしたインターポリマーはいくつかの適用に使用することが可能で、ほんの1例は油性化合物の成分である。油性組成物中のグラフト化EPDMインターポリマーの使用、このようなグラフトインターポリマーおよび様々なグラフト部分を調製するために使用される方法は、WO97/32946(1996年3月8日の米国優先権書類60/013052号、および1996年8月30日の60/024913)に開示されており、その関連教示または相当する米国出願は参考として本明細書に援用する。
【0019】
第3および第4の態様で述べたように、このインターポリマーは、TPE、TPOまたはTPVの製造に使用することが可能である。TPE製造の一般的操作についてはいくつかの参考文献が挙げられる。このような参考文献の1つは、1997年1月2日に公開されたEP751182であり、その関連教示は本明細書に参考として援用する。
【0020】
結晶性ポリオレフィン樹脂の製造に使用することが可能なオレフィンには、1種または複数のエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、2−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、および4−メチル−1−ペンテンが含まれる。この結晶性ポリオレフィンは、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、または4−メチル−1−ペンテンなどα−オレフィンを有するプロピレンのPPホモポリマーまたはコポリマーまたはホモポリマーとコポリマーのブレンド物が望ましい。好ましいα−オレフィンはエチレンである。この結晶性ポリオレフィンは、ランダム重合またはブロック重合など適切な方法によって調製することが可能である。アイソタクチックおよびシンジオタクチックなど様々な形態もまた使用することが可能である。一般的に市販されている結晶性樹脂には、PPホモポリマーおよびプロピレン/エチレン(P/E)コポリマー樹脂が含まれる。ある種のオレフィンコポリマー樹脂、特にP/Eコポリマーなどプロピレンコポリマーは、「半結晶性」樹脂と呼ぶことができる。ポリオレフィン樹脂を説明するために使用される「結晶性」とは、このような半結晶性樹脂を含めるために十分広範な意味である。この結晶性樹脂は、単独で、または組合わせて使用することが可能である。
【0021】
PPホモポリマーおよびP/Eコポリマーの製造にはまた、USP4177160でCecchinによって記載されたように、アルミニウムジエチルモノクロリドと組合わせた三塩化チタニウムなどZiegler触媒の使用が含まれる。PPを製造するために使用される重合化方法には、約50〜90℃および0.5〜1.5MPa(5〜15atm)で実施するスラリー法、およびアモルファスポリマーを除去するために特別な注意を必要としなければならないガス相と液体モノマーの両方法が含まれる。エチレンを反応に添加して、エチレンブロックと共にポリプロピレンを形成することが可能である。PP樹脂はまた、関連方法と共に様々なメタロセン、単一部位および束縛気化触媒のいずれかを使用することによって調製することが可能である。
【0022】
いくつかの特許および出願では、幾何学的に拘束された金属複合体およびそれらの製造方法を開示している。網羅的ではない実例としては、EP−A−416815(米国特許出願第545403号、1990年7月3日出願)、EP−A−468651(米国特許出願第547718号、1991年7月3日出願)、EP−A−514828(米国特許出願第702475号、1991年5月20日出願)、EP−A−520732(米国特許出願第876268号、1992年5月1日出願)およびWO93/19104(米国特許出願第8003号、1993年1月21日出願)並びにUS−A−5055438、US−A−5057475、US−A−5096867、US−A−064802、US−A−5132380、US−A−5470993、US−A−5556928、US−A−5624878、WO95/00526、および米国仮出願60−005913が含まれる。1996年1月26日出願米国特許出願第592756号、WO95/14024、WO98/27103(1996年12月19日の米国仮出願60/034817、1997年10月14日の08/949505に基づく)およびPCT/US97/07252(1997年4月30日出願)では、様々な置換インデニル含有金属複合体について開示している。前記特許および公開、または対応する米国特許出願の全ての関連教示は、本明細書に参考として援用する。
【0023】
概して、使用に適した金属複合体には、追加的重合化化合物、特に本発明の活性化剤によるオレフィンを重合化するために活性化することが可能な元素周期表の3〜10族の金属複合体が含まれる。例には、式
【0024】
【化1】

【0025】
に対応する10族ジイミン誘導体が含まれ、式中、MはNi(II)またはPd(II)であり、X′はハロ、ヒドロカルビル、またはヒドロカルビルオキシであり、Arはアリール基、特に2,6−ジイソプロピルフェニルまたはアニリン基であり、CT−CTは1,2−エタンジイル、2,3−ブタンジイルであるか、または2つのT基が共に1,8−ナフタンジイル基である融合環系を形成し、Aは前記の電荷分離活性化剤の陰イオン成分である。
【0026】
前記の同様の複合体はまた、J.Am.Chem.Soc.118、267〜268(1996)およびJ.Am.Chem.Soc.、117、6414〜6415(1995)において、M.Brookhart、et al.によって開示されており、単独または塩化ビニル、アクリル酸アルキルおよびメタクリル酸アルキルなど極性コモノマーと組合わせた、特にα−オレフィンの重合化のための活性重合化触媒である。
【0027】
追加の複合体には、1から3個のπ結合した陰イオン性または中性リガンド群を含む3、4族またはランタニド金属が含まれ、環状または非環状非局在化π結合陰イオンリガンド基であることが可能である。「π結合」という用語は、リガンド基が部分的に非局在したπ結合の電子を共有することによって遷移金属に結合することを意味する。
【0028】
非局在π結合基の各原子は、独立して水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルビルスルフィド、ジヒドロカルビルアミノ、およびメタロイドが元素周期表の14族から選択されたヒドロカルビル置換メタロイド遊離基から成る群から選択された遊離基で置換されることが可能で、このようなヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルビルスルフィド、ジヒドロカルビルアミノ、およびヒドロカルビル置換メタロイド遊離基はさらに部分を含む15または16族ヘテロ原子で置換されている。「ヒドロカルビル」という用語の範囲には、C1〜20直鎖、枝分かれ鎖および環状アルキル遊離基、C6〜20芳香族ラジカル、C7〜20アルキル置換芳香族ラジカル、およびC7〜20アリル置換アルキルラジカルが含まれる。さらに、2種以上のこのような遊離基は、部分的または完全に水素化された融合環系を含む融合環系を一緒に形成することが可能で、または金属と共にメタロサイクルを形成することが可能である。適切なヒドロカルビル置換有機メタロイド遊離基には、それぞれのヒドロカルビル基が1から20個の炭素原子を含む14族元素の1、2、および3置換有機メタロイド遊離基が含まれる。適切なヒドロカルビル置換有機メタロイド遊離基の例には、トリメチルシリル、トリエチルシリル、エチルジメチルシリル、メチルジエチルシリル、トリフェニルゲルミル、およびトリメチルゲルミル基が含まれる。15または16族ヘテロ原子を含む部分の例には、アミン、ホスフィン、エーテルまたはチオエーテル部分またはそれらの2価誘導体、たとえば遷移金属またはランタニド金属、およびヒドロカルビル基またはヒドロカルビル置換メタロイド含有基を結合したアミド、ホスフィド、エーテルまたはチオエーテル基が含まれる。
【0029】
このようなπ結合陰イオンリガンド基の実例には、共役または非共役、環状または非環状ジエニル基、アリル基、ボラタベンゼン基、およびアレーン基がある。適切な陰イオン性非局在π結合基の例には、シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニル、テトラヒドロインデニル、テトラヒドロフルオレニル、オクタヒドロフルオレニル、ペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、ジヒドロアントラセニル、ヘキサヒドロアントラセニル、デカヒドロアントラセニル基およびs−インダセニル、並びにそれらのC1〜10ヒドロカルビル置換、C1〜10ヒドロカルビルオキシ置換、ジ(C1〜10ヒドロカルビル)アミノ置換、またはトリ(C1〜10ヒドロカルビル)シリル置換誘導体が含まれる。好ましい陰イオン非局在π結合基は、シクロペンタジエニル、ペンタメチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシリルシクロペンタジエニル、インデニル、2,3−ジメチルインデニル、フルオレニル、2−メチルインデニル、2−メチル−4−フェニルインデニル、テトラヒドロフルオレニル、オクタヒドロフルオレニル、s−インダセニル、2−メチル−s−インダセニル、およびテトラヒドロインデニルである。
【0030】
ボラタベンゼンは、ホウ素を含むベンゼン類縁体である陰イオン性リガンドである。これらは当業界では既に公知で、Herberich、et al.によってOrganometallics、1995、14、1、471〜480に記載されている。
【0031】
第1の好ましい幾何学的に拘束された触媒は、式IIに対応し、
【0032】
【化2】

【0033】
式中、Mは形成的酸化状態が+2、+3または+4であるチタニウム、ジルコニウムまたはハフニウムであり、A′は少なくとも2位がヒドロカルビル、フルオロ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、ジアルキルアミノ置換ヒドロカルビル、シリル、ゲルミルおよびそれらの混合物から選択された群で置換された置換インデニル基であり、前記基は、40個までの非水素原子を含み、前記A′がさらに2価のZ基によってMに共有結合しており、Zはσ結合によってA′およびMに結合した2価部分であり、前記Zはホウ素、または元素周期表の14族の一員を含み、また窒素、リン、硫黄または酸素を含み、Xは環状非局在π結合リガンド基であるリガンド種以外の60個までの原子の陰イオンまたはジ陰イオンリガンド基であり、X′は出現毎にそれぞれ独立して20個までの原子を有する中性ルイス塩基配位化合物であり、pは0、1または2であり、Mの形式酸化状態よりも2少ないが、但しXがジ陰イオンリガンド基のとき、pは1で、qは0、1または2である。
【0034】
追加的に好ましい触媒または配位複合体は、既に援用したWO98/27103およびPCT/US97/07252に開示されている。PCT/US97/07252の特に4ページ、34行目から16ページ36行目には、以下の式III、IVAおよびIVBのように再生成されたものなど好ましい配位複合体が開示されている。以下の式Iは、PCT/US97/07252の7ページの式IIの変異体である。
【0035】
この触媒には、式Iに対応する金属配位複合体を含むことが望ましく、
【0036】
【化3】

【0037】
式中、Mは前記の式IIのように定義され、R′およびR′′はそれぞれ出現毎に独立してヒドリド、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、ハライド、ヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルビルシルオキシ、ヒドロカルビルシリルアミノ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ヒドロカルビレンアミノ、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ、ヒドロカルビレン−ホスフィノ、ヒドロカルビルスルフィド、ハロ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、シリル置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシルオキシ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリルアミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)アミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレンアミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレン−ホスフィノ置換ヒドロカルビル、またはヒドロカルビルスルフィド置換ヒドロカルビルであり、前記R′またはR′′基は40個までの非水素原子を有し、任意に2個以上の前記基は一緒に2価誘導体を形成することが可能で、R′′′は金属複合体の残部と共に融合系を形成する2価のヒドロカルビレンまたは置換ヒドロカルビレン基であり、前記R′′′は1から30個の非水素原子を含み、Zは2価部分または1個のσ結合およびMに配位−共有結合を形成することができる中性の2個の電子対を含む部分であり、前記Zはホウ素、または元素周期表の14族の一員を含み、また窒素、リン、硫黄または酸素を含み、Xは環状非局在元結合リガンド基である種類のリガンド以外の60個までの原子を有する1価陰イオンリガンド基であり、X′はそれぞれ出現毎に独立して20個までの原子を有する中性配位化合物であり、X′′は60個までの原子を有する2価陰イオンリガンド基であり、pは0、1、2または3であり、qは0、1または2であり、rは0または1である。
【0038】
前記複合体は、任意に純粋な形態で単離結晶体として、または他の複合体との混合物として、任意に溶媒中で、特に有機液体中で溶媒付加物の形態で、ならびにそれらの二量体またはキレート剤がエチレンジアミン四酢酸(EDTA)など有機物質であるキレート化誘導体の形態で存在することが可能である。
【0039】
式IおよびIIで定義された金属複合体において、好ましいX′基は一酸化炭素、ホスフィン、特にトリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィンおよびビス(1,2−ジメチルホスフィノ)エタン、RがC1〜20ヒドロカルビルであるP(OR)であり、エーテル、特にテトラヒドロフラン、アミン、特にピリジン、ビピリジン、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、およびトリエチルアミン、オレフィン、および中性の共役C4〜40ジエンである。このような中性ジエンX′基を含む複合体は、金属が+2形式酸化状態であるものである。
【0040】
この触媒には、式IIIに対応する配位複合体が含まれることが好ましく
【0041】
【化4】

【0042】
式中、RおよびRは独立して水素、ヒドロカルビル、過フッ素置換ヒドロカルビル、シリル、ゲルミルおよびそれらの混合物から選択された基であり、前記基が20個までの非水素原子を含むが、ただしRまたはRの少なくとも1個が水素ではなく、R、R、R、およびRが独立して水素、ヒドロカルビル、過フッ素置換ヒドロカルビル、シリル、ゲルミルおよびそれらの混合物から選択された基であり、前記基が20個までの非水素原子を含み、Mはチタニウム、ジルコニウムまたはハフニウムであり、Zはホウ素または元素周期表の14族の1員を含み、窒素、リン、硫黄または酸素もまた含む2価の部分であり、前記部分が60個までの非水素原子を含み、pは0、1または2であり、qは0または1であり、ただしpが2のとき、qは0であり、Mは+4形式酸化状態であり、Xはハライド、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、ジ(ヒドロカルビル)アミド、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィド、ヒドロカルビルスルフィド、およびシリル基、並びにそれらのハロ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ヒドロカルビルオキシ、およびジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ置換誘導体から選択された陰イオンリガンドであり、前記Xは20個までの非水素原子を有し、pが1のとき、qは0で、Mは+3形式酸化状態であり、Xはアリル、2−(N,N−ジメチルアミノ−メチル)フェニル、および2−(N,N−ジメチル)−アミノベンジルから成る群から選択された安定化陰イオンリガンド基であり、またはMは+4形式酸化状態であり、Xは共役ジエンの2価誘導体であり、MおよびXは一緒にメタロサイクロペンテン基を形成し、pが0のとき、qは1で、Mは+2形式酸化状態であり、X′は中性の共役または非共役ジエンであり、任意に1個または複数のヒドロカルビル基で置換されており、前記X′は40個までの炭素原子を有し、Mと共にπ複合体を形成する。
【0043】
最も好ましい配位複合体、(t−ブチルアミド)−ジメチル(η−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(II)1,3−ペンタジエンは、幾何異性体と称されることもある2個の異性体、式IVAおよびIVBを有する。
【0044】
【化5】

【0045】
配位複合体の具体的な例は、既に参考として援用したPCT/US97/07252の10ページ3行目から16ページ36行目までに詳述されている。この配位複合体は、(t−ブチルアミド)ジメチル(η−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(II)2,4−ヘキサジエン、(t−ブチルアミド)−ジメチル(η−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(IV)ジメチル、(t−ブチルアミド)−ジメチル(η−2,3−ジメチルインデニル)シランチタニウム(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、(t−ブチル−アミド)−ジメチル(η−2,3−ジメチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(IV)ジメチル、および(t−ブチルアミド)−ジメチル(η−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(II)1,3−ペンタジエンから成る群から選択されることが好ましい。この群の好ましい一員には、(t−ブチルアミド)−ジメチル(η−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シラン−チタニウム(IV)ジメチル、(t−ブチルアミド)ジメチル(η−2−メチルインデニル)−シランチタニウム(II)2,4−ヘキサジエンおよび(t−ブチルアミド)−ジメチル(η−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(II)1,3−ペンタジエンが含まれる。最も好ましい配位複合体は、(t−ブチルアミド)−ジメチル(η−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(II)1,3−ペンタジエンである。
【0046】
他の好ましい金属複合体には、ランタニドを含む遷移金属の誘導体が含まれるが、既に記載した必要性に見合う+2、+3、または+4形式酸化状態である3、4族またはランタニド金属が好ましい。好ましい化合物には、1から3π結合陰イオンリガンド基を含む金属複合体(メタロセン)が含まれ、環状または非環状非局在π結合陰イオンリガンド基であることが可能である。このようなπ結合陰イオンリガンド基の実例には、共役または非共役、環状または非環状ジエニル基、アリル基、およびアレーン基がある。このような他の好ましい金属複合体は、式LMXX′X′′p'sまたはそれらの二量体に対応しており、式中、LはMに結合した陰イオン非局在π結合基であり、水素を数えずに50個までの原子を含み、任意に2個のL基は1個または複数の置換基によって一緒に結合することが可能で、それによって架橋構造を形成し、さらに任意に1個のLは1個または複数のLの置換基によってXに結合することが可能で、Mは+2、+3または+4の形式酸化状態である元素周期表の4族の金属であり、Xは任意に50個までの非水素原子の2価置換基であり、Lと一緒にMを有するメタロサイクルを形成し、X′は任意に20個までの非水素原子を有する中性ルイス塩基であり、X′′は出現毎に40までの非水素原子を有する1価の陰イオン部分であり、任意に2個のX′′基は、一緒に結合して両原子価がMに結合した2価のジ陰イオン部分を形成するか、またはMにπ結合した(その上、Mは+2酸化状態である)中性の共役または非共役ジエンを形成することが可能であり、またはさらに任意に1個または複数のX′′および1個または複数のX′基は一緒に結合してそれによって両者がMに共有結合し、ルイス塩基機能によってそれらに配位した部分を形成することが可能であり、lは1または2であり、mは0または1であり、nは0から3までの数であり、pは0から3までの整数であり、およびl+m+pの合計はMの形式酸化状態に等しい。このような複合体の変異体は、出現毎に20個までの非水素原子を含むX′′を有し、2個のX′′基は一緒にm=1およびpが1または2である中性のC5〜30の共役ジエンを形成する。
【0047】
好ましい2価のX置換基には、水素を数えずに30個までの原子を含み、非局在π結合基に直接付着した酸素、硫黄、ホウ素または元素周期表の14族の1員である少なくとも1個の原子およびMに共有結合した窒素、リン、酸素おまたは硫黄から成る群から選択された異なる原子を含む基が含まれる。
【0048】
このような他の好ましい複合体には、1個または2個のL基を含むものが含まれる。後者の複合体には、2個のL基を結合した架橋基を含むものが含まれる。好ましい架橋基は、式(ERに対応するものであり、式中Eはケイ素または炭素であり、Rは出現毎に独立して水素またはシリル、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシおよびそれらの組合せから選択された基であり、前記Rは30個までの炭素またはケイ素原子を有し、xは1から8である。好ましくは、Rは出現毎に独立してメチル、ベンジル、tert−ブチルまたはフェニルである。
【0049】
複合体を含む前記ビス(L)の実例は、式VおよびVIに対応する化合物であり、
【0050】
【化6】

【0051】
式中、Mは形成的酸化状態が+2または+4であるチタニウム、ジルコニウムまたはハフニウムであり、Rは出現毎に独立して、水素、ヒドロカルビル、ジヒドロカルビルアミノ、ヒドロカルビレンアミノ、シリル、ゲルミル、シアノ、ハロおよびそれらの組合せから成る群から選択され、前記Rは水素を数に入れずに20個までの原子を有し、または隣接するR基は一緒に2価誘導体を形成しそれによって融合環系を形成し、X′′出現毎に独立して水素を数に入れずに40個までの原子の陰イオンリガンド基であり、または2個のX′′基は一緒に水素を数に入れずに40個までの原子の2価の陰イオンリガンド基を形成するか、または一緒になって水素を数に入れない4から30個の原子を有する共役ジエンであり、Mと共にπ複合体を形成し、その上Mは+2形式酸化状態であり、R、Eおよびxは前記に定義した通りである。
【0052】
前記の金族複合体は、特に立体規則性分子構造を有するポリマーの製造に適している。このような能力では、複合体はC対称を有するか、またはキラルの、立体的に堅い構造を有することが好ましい。第1の種類の実例は、1個のシクロペンタジエニル基および1個のフルオレニル基など異なる非局在π結合系を有する化合物である。Ti(IV)またはZr(IV)をベースにした同様の系は、Ewen、et al.、J.Am.Chem.Soc.110、6255〜6256(1980)においてシンジオタクチックオレフィンポリマーの製造のために開示されている。キラル構造の例には、ビス−インデニル複合体が含まれる。Ti(IV)またはZr(IV)をベースにした同様の系は、Wild et al.、J.Organomet.Chem、232、233〜47、(1982)においてアイソタクチックオレフィンポリマーの製造のために開示されている。
【0053】
2個のπ結合基を含む架橋リガンドの実例は、(ジメチルシリル−ビス−シクロペンタジエニル)、(ジメチルシリル−ビス−メチルシクロペンタジエニル)、(ジメチルシリル−ビス−エチルシクロペンタジエニル、(ジメチルシリル−ビス−t−ブチルシクロペンタジエニル)、(ジメチルシリル−ビス−テトラメチルシクロペンタジエニル)、(ジメチルシリル−ビス−インデニル)、(ジメチルシリル−ビス−テトラヒドロインデニル)、(ジメチルシリル−ビス−フルオレニル)、(ジメチルシリル−ビス−テトラヒドロフルオレニル)、(ジメチルシリル−ビス−2−メチル−4−フェニルインデニル)、(ジメチルシリル−ビス−2−メチルインデニル)、(ジメチルシリル−シクロペンタジエニル−フルオレニル)、(1,1,2,2−テトラメチル−1,2−ジシリル−ビス−シクロペンタジエニル)、(1,2−ビス(シクロペンタジエニル)エタン、および(イソプロピリデン−シクロペンタジエニル−フルオレニル)である。
【0054】
好ましいX′′基は、ヒドリド、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、ハロヒドロカルビル、ハロシリル、シリルヒドロカルビルおよびアミノヒドロカルビル基から選択され、2個のX′′基は一緒に共役ジエンの2価誘導体を形成するか、または一緒に中性の、π結合共役ジエンを形成する。
【0055】
好ましい幾何学的に拘束された金属複合体はまた、既に援用したUS−A−5470993、US−A−5556928およびUS−A−5624878に見い出すことが可能な以下の式VIIに対応する4族金属配位複合体のことである。たとえば、US−A−5624878の1列61行目から3列42行目および6列14行目から7列46行目まで参照のこと。
【0056】
【化7】

【0057】
式中、Mは形成的酸化状態が+2または+4であるチタニウム、ジルコニウムであり、Rは出現毎に独立して、水素、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、シアノ、ハロおよびそれらの組合せから成る群から選択され、前記Rは水素を数に入れずに20個までの原子を有し、または隣接するR基は一緒に2価誘導体(すなわち、ヒドロカルバジイル、シラジイル、またはゲルマジイル基)を形成し、それによって融合環系を形成し、各X′′はハロ、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシまたはシリル基であり、前記基は水素を数に入れずに20個までの原子を有し、または2個のX′′は一緒にC5〜30共役ジエンを形成し、Yは−O−、−S−、−NR−、−PR−であり、ZはSiR、CR、SiRSiR、CRCR、CR=CR、CRSiR、またはGeRであり、Rは前に定義した通りである。
【0058】
前記の非局在π結合基、それを含む金属複合体およびそれらに基づく触媒組成物は、以下の公開、USP5703187、5064802、5321106、5374696、5470993、5624878、5556928、5486632、5541349、5495036、5527929、5616664、WO97/15583、WO97/35864、WO98/06727、およびWO98/27103により完全に開示されており、それらの教示または対応し、それに相当する等価の米国特許出願を本明細書に参考として援用する。
【0059】
4族金属複合体の例は、US−A−5624878の9列9行目から13列59行目に見い出される。これらの複合体のいくつかには以下が含まれる。(tert−ブチルアミド)−(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタニウムジクロリド、(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタニウムジメチル、tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルチタニウムジメチル、(tert−ブチルアミド)(ヘキサメチル−η−インデニル)ジメチルシランチタニウムジメチル、(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタニウム(III)2−(ジメチルアミノ)ベンジル、(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)−ジメチルシランチタニウム(III)アリル、(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)−ジメチル−シランチタニウム(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチル−シランチタニウム(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチル−シランチタニウム(IV)1,3−ブタンジエン、(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタニウム(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタニウム(IV)1,3−ブタジエン、(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)−ジメチルシランチタニウム(II)1,3−ペンタジエン、(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタニウム(II)1,3−ペンタジエン、(tert−ブチルアミド)(2−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタニウム(IV)ジメチル、(tert−ブチルアミド)(2−メチル−4−フェニルインデニル)−ジメチルシランチタニウム(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、(tert−ブチルアミド)(2−メチル−4−フェニルインデニル)−ジメチルシランチタニウム(II)1,3−ペンタジエン、(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)−ジメチルシランチタニウム(IV)1,3−ブタジエン、(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)−ジメチルシランチタニウム(II)1,4−ジベンジル−1,3−ブタジエン、(tert−ブチルアミド)−(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチル−シランチタニウム(II)2,4−ヘキサジエン、(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)−ジメチルシランチタニウム(II)3−メチル−1,3−ペンタジエン、(tert−ブチルアミド)(2,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン−2−イル)ジメチルシランチタニウムジメチル、(tert−ブチルアミド)(1,1−ジメチル−2,3,4,9,10−η−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレン−4−イル)ジメチル−シランチタニウムジメチル、(tert−ブチルアミド)(1,1,2,3−テトラメチル−2,3,4,9,10−η−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレン−4−イル)ジメチルシランチタニウムジメチル、(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−シクロペンタジエニル)−ジメチルシランチタニウム1,3−ペンタジエン、(tert−ブチルアミド)(3−(N−ピロリジニル)インデン−1−イル)ジメチルシランチタニウム1,3−ペンタジエン、(tert−ブチルアミド)(2−メチル−s−インダセン−1−イル)ジメチルシランチタニウム1,3−ペンタジエン、(tert−ブチルアミド)(2−メチル−s−インダセン−1−イル)ジメチルシランチタニウム1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、および(tert−ブチルアミド)(3,4−シクロペンタ(l)フェナントレン−2−イル)ジメチルシラン−チタニウム1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン。4族金属複合体は(tert−ブチルアミド)−(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)−ジメチルシランチタニウムη−3−メチル−1,3−ペンタジエンおよびCMeSiMeNtBu)Ti(η−1,3−ペンタジエン)から選択されることが好ましい。
【0060】
本発明での使用に適した架橋複合体を含むビス(L)を含む複合体には、ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジメチル、ビスシクロペンタジエニル−チタニウムジエチル、ビスシクロペンタジエニルチタニウムジイソプロピル、ビスシクロペンタジエニルチタニウム−ジフェニル、ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジベンジル、ビスシクロペンタジエニルチタニウム−2,4−ペンタジエニル、ビスシクロペンタジエニル−チタニウムメチルメトキシド、ビスシクロペンタジエニルチタニウムメチルクロリド、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムジメチル、ビスインデニルチタニウム−ジメチル、インデニルフルオレニルチタニウムジメチル、ビスインデニルチタニウムメチル(2−(ジメチルアミノ)−ベンジル)、ビスインデニルチタニウムメチルトリメチルシリル、ビステトラヒドロインデニル−チタニウムメチルトリメチルシリル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムジイソプロピル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムジベンジル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニル−チタニウムメチルメトキシド、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムメチルクロリド、(ジメチルシリル−ビス−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、(ジメチルシリル−ビス−ペンタメチル−シクロペンタジエニル)チタニウム−2,4−ペンタジエニル、(ジメチルシリル−ビス−t−ブチルシクロペンタジエニル)−ジルコニウムジクロリド、(メチレン−ビス−ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(III)2−(ジメチルアミノ)ベンジル、(ジメチルシリル−ビス−インデニル)ジルコニウムクロリド、(ジメチルシリル−ビス−2−メチルインデニル)ジルコニウムジメチル、(ジメチルシリル−ビス−2−メチル−4−フェニルインデニル)−ジルコニウムジメチル、(ジメチルシリル−ビス−2−メチルインデニル)−ジルコニウム−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、(ジメチルシリル−ビス−2−メチル−4−フェニリンデニル)ジルコニウム(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、(ジメチルシリル−ビス−テトラヒドロインデニル)ジルコニウム(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、(ジメチルシリル−ビス−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(ジメチルシリル−ビス−テトラヒドロフルオレニル)−ジルコニウム−ジ(トリメチルシリル)、(イソプロピリデン)(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)−ジルコニウムジベンジル、および(ジメチルシリルペンタメチルシクロペンタジエニルフルオレニル)−ジルコニウムジメチルが含まれる。
【0061】
前記の金属複合体は、よく知られた合成技法を使用することによって調製することができる。任意に、還元剤を使用して低酸化状態複合体を生成することができる。このような方法は、その教示を本明細書に参考として援用したWO95−00526として公開された米国特許第8/241523号、1994年5月13日出願、およびWO98/27103およびPCT/US97/07252(既に参考として援用)に開示されている。この合成は、適切な非障害溶媒中で、温度−100から300℃で、好ましくは−78から100℃で、最も好ましくは0から50℃で実施する。本明細書では、「還元剤」という用語は、還元条件下で金属Mを高酸化状態から低酸化状態へ還元する金属または化合物を意味する。適切な金属還元剤の実例は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウムおよび亜鉛、ナトリウム/水銀アマルガムおよびナトリウム/カリウム合金などアルカリ金属またはアルカリ土類金属の合金である。適切な還元剤化合物の例は、ナフタレニドナトリウム、カリウムグラファイト、アルキルリチウム、アルカジエニルリチウムまたはカリウムなど各ヒドロカルビル基中に1から20個の炭素を有する1または2族の金属ヒドロカルビル化合物およびグリニャール試薬である。最も好ましい還元剤は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、特にリチウムおよびマグネシウム金属である。
【0062】
複合体の形成に適した反応液には、脂肪族および芳香族炭化水素、エーテル、および環状エーテル、とくにイソブタン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、およびそれらの混合物などの枝分かれ鎖炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘプタン、およびそれらの混合物など環式および脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、およびキシレンなど芳香族およびヒドロカルビル置換芳香族化合物、C1〜4ジアルキルエーテル、(ポリ)アルキレングリコールのC1〜4ジアルキルエーテル誘導体およびテトラヒドロフランが含まれる。前記の混合物もまた適している。
【0063】
触媒複合体、配位複合体の混合物またはその両者は、本発明の方法態様で使用することが可能である。たとえば、WO98/27103およびPCT/US97/07252に記載された配位複合体は、たとえばUSP5470993に記載されたような触媒複合体と組合わせて使用することが可能である。同様に、WO98/27103およびPCT/US97/07252で開示されている2種以上の配位複合体の組合わせ、またはUSP5470993で開示されている2種以上の触媒複合体はまた許容される結果をもたらす。
【0064】
前述の触媒複合体は例示であって限定するものではない。重合条件下と共にその後のポリマー鎖への再挿入の際にビニル末端基終止を促進する触媒は、得られたポリマーが少なくとも4のPRRを有する限り充分であるものと考えられる。
【0065】
複合体は、触媒複合体にせよ配位複合体にせよ、またその両方にせよ、活性化触媒と組合わせることによって、または活性化法を使用することによって触媒的に活性にする。本明細書での使用に適した活性化触媒には、ポリまたはオリゴアルモキサン、特にメチルアルモキサン、トリイソブチルアルミニウム修飾メチルアルモキサン、またはイソブチルアルモキサン、C1〜30ヒドロカルビル置換13族化合物など中性ルイス酸、特にトリ(ヒドロカルビル)アルミニウム化合物またはトリ(ヒドロカルビル)ホウ素化合物および各ヒドロカルビルまたはハロゲン化ヒドロカルビル基に1から10個の炭素原子を有するそれらの(過ハロゲン化を含む)ハロゲン化誘導体、さらに特には過フッ素化トリ(アリール)ホウ素化合物、および最も特にはトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(以後「FAB」)が含まれる。
【0066】
代わりとして、この複合体を非重合適合非配位イオン形成化合物(酸化条件下でのこのような化合物の使用を含む)、特に適合非配位陰イオンのアンモニウム塩、ホスホニウム塩、オキソニウム塩、カルボニウム塩、シリリウム塩またはスルホニウム塩または適合非配位陰イオンのフェロセニウム塩、および前記の活性化共触媒および技法の組合わせと一緒にすることによって、触媒的に活性にする。前記活性化共触媒および活性化技法は、以前に以下の参考文献、EP−A−277003、US−A−5153157、US−A−5064802、EP−A−468651(米国特許出願第07/547718号と同等)、EP−A−520732(米国特許出願第07/876268と同等)、およびEP−A−520732(米国特許出願第07/884966、1992年5月1日出願と同等)において、異なる金属複合体に関して教示されており、その教示は本明細書に参考として援用する。
【0067】
中性ルイス酸との組合せ、特に各アルキル基に1から4個の炭素原子を有するトリアルキルアルミニウム化合物および各ヒドロカルビル基に1から20個の炭素原子を有するハロゲン化トリ(ヒドロカルビル)ホウ素化合物、特にFABの組合わせ、さらにこのような中性ルイス酸混合物とポリまたはオリゴアルモキサンの組合わせ、単独の中性ルイス酸、特にFABとポリまたはオリゴアルモキサンの組合わせは、特に望ましい活性化共触媒である。4族金属複合体:FAB:アルモキサンの好ましいモル比は、1:1:1から1:5:20で、1:1:1.5から1:5:10がより好ましい。本発明の方法における低濃度アルモキサンの使用は、高価なアルモキサン共触媒の使用が少なくても高い触媒効果を有するEAODMポリマーの製造を可能にする。さらに、したがって明らかに低濃度のアルミニウム残渣を有するポリマーが得られる。
【0068】
さらに適切なイオン形成、活性化共触媒には、シリリウムイオンおよび式RSi(X′)の非配位、適合陰イオンの塩である化合物が含まれ、式中、RはC1〜10ヒドロカルビル、およびX′、qおよびAが既に定義された
通りである。
【0069】
好ましいシリリウム塩活性化共触媒は、トリメチルシリリウムテトラキスペンタフルオロ−フェニルボレート、トリエチルシリリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートおよびそれらのエーテル置換添加物である。シリリウム塩は、既に一般にJ.Chem.Soc.Chem.Comm.、1993、383〜384、ならびにLambert、J.B.、et al.、Organometallics、1994、13、2430〜2443に開示されている。追加的重合化触媒のための活性化触媒としての前記シリリウム塩の使用は、1996年3月21日に、WO96/08519として等価物が公開された米国特許出願第304314号、1994年9月12日出願に開示されており、その教示は本明細書に参考として援用する。
【0070】
アルコール、メルカプタン、シラノール、およびFABのオキシムのある種の複合体はまた、有効な触媒活性化物で、本発明によって使用することが可能である。このような触媒は、USP5296433に開示されており、その教示は本明細書に参考として援用する。
【0071】
大量電気分解の技法には、非配位不活性陰イオンを含む支持電解質の存在下で、電気分解条件下での金属複合体の電気化学的酸化が含まれる。この技法は、既に援用したUS−A−5624878の15列47行目から16列48行目にさらに完全に説明されている。
【0072】
使用した触媒/共触媒のモル比は、1:10000から100:1の範囲が好ましく、1:5000から10:1がより好ましく、1:1000から1:1が最も好ましい。アルモキサンは活性化共触媒としてそれだけを使用するときは大量に、一般にモルをベースにして金属複合体の量の少なくとも100倍(アルミニウム(Al)のモルで算出)で用いる。FABは、活性化共触媒として使用するとき、金属複合体に対するモル比が0.5:1から10:1で、より好ましくは1:1から6:1で、最も好ましくは1:1から5:1で用いる。残りの活性化共触媒は、一般に金属複合体の量とほぼ等モルで用いる。
【0073】
一般に、重合化はZiegler−NattaまたはKaminsky−Sinn型の重合化反応のために当業界でよく知られた条件下、すなわち温度が0〜250℃、好ましくは30から200℃で、圧力が大気圧から10000気圧で実施することが可能である。たとえば、EPおよびEAODMエラストマーの溶液重合化のための溶解性ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル−アルモキサン触媒系の使用を報告しているKaminsky、J.Poly.Sci.、Vol.23、pp.2151〜64(1985)を参照のこと。USP5229478は、同様の触媒系をベースにしたビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムを使用するスラリー重合化方法を開示している。
【0074】
懸濁液、溶液、スラリー、ガス相、固相粉末重合化またはその他の方法条件は、所望するならば使用することが可能である。支持体、特にシリカ、アルミナ、またはポリマー(特にポリ(テトラフルオロエチレン)またはポリオレフィン)を使用することが可能で、触媒をガス相重合化方法で使用するときに用いることが望ましい。この支持体は、(金属をベースにした)触媒:支持体の重量比が1:100000から1:10、より好ましくは1:50000から1:20、最も好ましくは1:10000から1:30を提供する量で使用することが好ましい。ほとんどの重合化反応において、触媒:使用した重合可能な化合物のモル比は、10−12:1から10−1:1、より好ましくは10−9:1から10−5:1である。本発明のEAODMインターポリマーを調製するために使用する方法は、溶液方法またはスラリー方法で、いずれも当業界では既に公知である。
【0075】
不活性液は重合化に適した溶媒である。実例には、イソブタン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、およびそれらの混合物など直鎖および枝分かれ鎖炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘプタン、およびそれらの混合物など環式および脂環式炭化水素、過フッ素化C4〜10アルカンなど過フッ素化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、およびエチルベンゼンなど芳香族およびアルキル置換芳香族化合物が含まれる。適切な溶媒にはまた、ブタジエン、シクロペンテン、1−ヘキセン、1−ヘキサン、4−ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1,4−ヘキサジエン、1−オクテン、1−デセン、スチレン、ジビニルベンゼン、アリルベンゼン、およびビニルトルエン(単独または混合した異性体を含める)を含むモノマーまたはコモノマーとして作用することが可能な液体オレフィンが含まれる。所望するならば、通常のガス状オレフィンは、本明細書で使用した圧力を適用することによって液体に変換することが可能である。
【0076】
この触媒は、所望する特性を有するポリマーブレンド物を調製するために、直列または並列で連結した別々の反応器の中で、少なくとも1種の追加的均質または不均質な重合化触媒と組合わせて使用することが可能である。このような方法の例は、米国特許出願第07/904770号と等価なWO94/00500、ならびに米国特許出願第08/10958号、1993年1月29日出願に開示されており、その教示は本明細書に参考として援用する。
【0077】
本発明の1態様の方法において共触媒と組合わせて前記の触媒、触媒複合体および配位複合体を使用することによって、本発明の他の態様のインターポリマーは容易に調製される。得られたEAO(D)Mインターポリマーは、NBRまたは他の通常のLCBモノマーを取り込まずに少なくとも4のPRRを示す。このインターポリマーは、直鎖ポリマー主鎖を有し、LCBを含まないインターポリマーに対して向上した(高い処理率を含むことが可能な)ポリマー加工性、高い溶融強度、高いグリーン強度、低下した色素臭、溶融破損に対する耐性、および充填剤の伸展性を示す。
【0078】
本発明の方法に使用した触媒は、特に少なくとも4のPRRを有するインターポリマーの製造に有利である。連続重合化方法、特に連続溶液重合化方法における触媒の使用は、増大するポリマーに取り込まれることが可能なビニル停止ポリマー鎖の形成に有利な高い反応温度を考慮して、それによって長鎖の枝分かれを得る。高い反応温度、高いエチレン変換および実質的に無いかまたは非常に低濃度の分子状水素を独特に組合せることによって、本発明の第1態様の所望されるインターポリマーが生成するものと考えられる。本明細書では「非常に低濃度」とは、新鮮なエチレン供給含量と新鮮な水素供給含量の和に対して0より大きいが、0.1モルパーセント以下の濃度を意味する。
【0079】
一般的な観点では、ジエンモノマー成分の反応性が増加する条件下で、EAODMエラストマーを製造することが望ましい。その理由は、前記に明らかにした’487号特許に以下の方法で説明されおり、このような文献で進歩が達成したにも関わらず、変わらないままである。製造費用、したがってEAODMの用途に影響を及ぼす主要な要素は、ジエンモノマーの費用である。このジエンは、CまたはCよりも高価なモノマー材料である。さらに、既に公知のメタロセン触媒とのジエンモノマーの反応性は、CおよびCよりも低い。したがって、許容可能な速い硬化速度を有するEAODMを製造するために必要なジエン取り込み程度を実現するためには、存在するモノマーの全濃度のパーセントで表して、最終EAODM製品に取り込まれることが望ましいジエンのパーセントに比べて実質的に過剰なジエンモノマー濃度を使用することが必要だった。非反応性ジエンモノマーの実質量を重合化反応容器再利用排出物から回収しなければならないので、製造費用は余計に増加する。
【0080】
さらにEAODM製造費用に加えて、一般にオレフィン重合化触媒をジエン、特に最終EAODMへのジエン取り込み必要濃度をもたらすために必要な高濃度のジエンモノマーに暴露すると、しばしば触媒が加工するエチレンおよびポリエチレンモノマーの重合化を引き起こす速度または活性を減少させるという事実がある。相応じて、エチレン−プロピレンコポリマーエラストマーまたはその他のα−オレフィンコポリマーエラストマーの製造に比べて、低い処理力および長い反応時間が必要であった。
【0081】
本発明のEAO(D)Mポリマーはまた、前述のように、ガス相重合化、反応器冷却が一般にEAO(D)Mポリマーを調製するために使用され、再利用ガス、不活性液またはモノマーまたは任意のジエンなどの揮発物質の留去冷却によって起こる他のよく知られた方法によって製造される。適切な不活性液は、C3〜8、好ましくはC4〜6、飽和炭化水素モノマーである。揮発物質または揮発液は、流動ガスと共に混合するガスを形成するために熱い流動床で留去する。この種の方法は、たとえばEP89691、US−A−4543399、WO94/25495、WO94/28032、およびUS−A−5352749に記載されており、その教示は本明細書に参考として援用する。他の関連する教示もまた参考として援用するが、US−A−4588790、US−A−4543399、US−A−5352749、US−A−5436304、US−A−5405922、US−A−5462999、US−A−5461123、US−A−5453471、US−A−5032562、US−A−5028670、US−A−5473028、US−A−5106804、US−A−5541270、EP−A−659773、EP−A−692500、およびPCT出願WO94/29032、WO94/25497、WO94/25495、WO94/28032、WO95/13305、WO94/26793およびWO95/07942に認められる。
【0082】
流動床で生じる重合化反応は、触媒の連続または半連続的添加によって触媒される。このような触媒は、無機または有機支持物質上に支持することができる。
【0083】
本発明の実施に適したガス相方法は、反応物を反応器の反応領域に連続供給し、反応容器の反応領域から生成物を除去することによって、反応器の反応領域に大規模な定常環境をもたらす連続方法が好ましい。
【0084】
対照的に、溶液重合化条件は、反応の各成分のために溶媒を使用する。好ましい溶媒には、鉱油および反応温度で液体の様々な炭化水素が含まれる。有用な溶媒の実例には、ペンタン、イソ−ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよびノナンなどアルカン、ならびにケロセンおよびExxon Chemicals Inc.製Isopar E(商標)などアルカン混合物、シクロペンタンおよびシクロヘキサンなどシクロアルカン、およびベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンおよびジエチルベンゼンなど芳香族が含まれる。
【0085】
いつでも、各成分並びに回収された触媒成分は酸素および水分から保護されるべきである。したがって、触媒成分および触媒は、酸素および水分を含まない雰囲気で調製および回収されるべきであり、好ましい。したがって、反応は乾燥した、たとえば窒素など不活性ガスの存在下で実施することが好ましい。
【0086】
エチレンは、α−オレフィンおよびジエンモノマーを一緒にした蒸気圧を超える差圧を維持するために十分な量で反応容器に添加する。ポリマーのC含量は、全反応器圧に対するC差圧の比によって決定される。一般に、重合化はC差圧が平方インチ当たり10から1500ポンド(psi)(70から10500kPa)、最も好ましくは40から800psi(280から5600kPa)で生じる。重合化温度は、70から225℃、好ましくは80から170℃、最も好ましくは80を上回り140℃までが適している。
【0087】
重合化反応は、反応器に供給するエチレンの量に対して少なくとも60wt%のエチレン変換を達成するために十分な条件下で実施することが望ましい。このエチレン変換は、65wt%を上回ることが好ましく、70wt%を上回ることがより好ましい。定常状態条件溶液方法での反応器中のポリマー濃度は、5から25wt%が望ましく、8から25wt%が好ましく、10から20wt%が最も好ましい。25wt%を超える溶液方法のポリマー濃度を使用して、さらに得られたポリマー溶液が加工に有利な溶液粘度を有することが可能である。スラリー法またはガス相法など、溶液方法以外の方法は異なるが、迅速に測定されるポリマー濃度限界を有する。
【0088】
重合化は、1種または複数の反応器を使用して、バッチまたは連続重合化方法のいずれかで行うことが可能である。重合化は、触媒、エチレン、α−オレフィン、ジエンおよび任意の溶媒が連続的に反応領域に供給され、ポリマー生成物が連続的にそこから除去されるように、連続方法によって行うことが好ましい。
【0089】
本発明の範囲を限定せずに、このような重合化方法を実行するための1手段はα−オレフィンモノマーを連続的に溶媒、ジエンモノマーおよびCモノマーと共に導入する攪拌タンク反応器を使用する。反応容器は、溶媒または追加的希釈剤と共に実質的にC、Cおよびジエン(「ポリエン」としても知られる)モノマーを含む液相を含む。所望するならば、所望するポリマー特性に悪影響を及ぼさない限り、NBD、1,7−オクタジエンまたは1,9−デカジエンなどジエンを含む従来のLCBもまた少量添加することが可能である。触媒および共触媒は連続して反応器液相に導入する。反応器温度および圧力は溶媒/モノマー比、触媒添加速度を調節し、および冷却または加熱コイル、ジャケットまたはその両者を使用することによって制御することが可能である。触媒添加速度は、重合化速度を制御する。エチレン、α−オレフィンおよびジエンの反応容器へのそれぞれの供給速度を操作することによって、ポリマー生成物のエチレン含量の制御を実現する。ポリマー生成物分子量は、温度、モノマー濃度または反応器への水素流の導入などのその他の重合化変数の制御によって制御される。反応器排出物は、水など触媒分解剤と接触する。ポリマー溶液は任意に加熱し、ガス状エチレンおよびポリエチレン並びに残留ジエンおよび残留溶媒または希釈剤を減圧して排出し、必要であれば、さらに揮発分除去押し出し器などの装置で揮発分除去を実施して、ポリマー生成物を回収する。連続方法では、反応器における触媒およびポリマーの平均停滞時間は、一般に5分から8時間、好ましくは10分から6時間である。
【0090】
好ましい操作方法では、重合化は2個の直列または並列に連結した反応器を含む連続溶液重合系で実施する。1個の反応器では、比較的高分子量の生成物(M50000から1000000、より好ましくは100000から500000)が水素なしで形成され、一方2番目の反応器では、比較的低分子の生成物(M20000から300000)が形成される。第2の反応器では水素の存在は任意である。代わりとして、同じ分子量生成物を2個の反応器のそれぞれにおいて生成可能である。最終生成物は、2種のポリマー生成物の均質なブレンド物を得るための揮発除去に先だって一緒にした2個の反応器排出物のブレンド物である。このような2連の反応器方法によって特性の向上した製品の製造が考えれる。好ましい実施形態では、反応器は直列に連結され、第1の反応器からの排出物は第2の反応器に充填され、新鮮なモノマー、溶媒および水素が第2反応器に添加される。反応器の条件は、第2反応器で生成したポリマーに対する第1反応器で生成したポリマーの重量比が20:80から80:20であるように調節する。しかし所望するならば、より広い範囲の重量比を使用することが可能である。さらに所望するならば、各反応器に異なる触媒系を使用することも可能である。たとえば、1個の反応器では前に概略したメタロセンをベースにした触媒系を使用する方法条件で、第2の反応器では通常のZiegler−Nattaまたは概略した方法条件を使用することが可能な他の種類のメタロセンをベースとした触媒系である。さらに、第2の反応器の温度を制御して低M生成物を生成する。この系によって、広いMV範囲、並びに優れた強度および加工性を有するEAODM製品の有益な製造が考えられる。好ましい操作方法では2個の反応器を使用するが、3個以上の反応器もまた使用することが可能である。
【0091】
(実施例)
以下の実施例は例示であり、明示してもしなくても、本発明を限定するものではない。他に記載がない限り、部およびパーセントは全て重量に基づいて表している。
【0092】
EAODMの物理学的特性の評価には、いくつかの標準的試験を用いる。この試験には、MV、フーリエ変換赤外分析(FTIR)(ASTM D3900)による組成分析、および密度(ASTM D−792)が含まれる。他の固有特性には、以下のように測定するレオロジー比および前記のように測定するPRRが含まれる。
【0093】
RR(V0.1/V100)は、Rheometric Scientific、Inc.ARES(Advanced Rheometric Expansion System)動的機械的分光計(DMS)での融解レオロジー技法を使用して試料を試験することによって測定する。試料は、動的周波数モードおよび2mm間隔の25ミリメートル(mm)半径の並行固定プレートを使用して190℃で試験する。ひずみ率8%および0.1から100rad/secまで増加する振動速度で、周波数各10毎に取った5個のデータ点を分析する。各試料(ペレットまたはベイル)を180℃で1分間に20000psi(137.9メガパスカル(MPa))の圧力で大きさ3インチ(1.18センチメートル(cm))厚さ1/8インチ(0.0049cm)に圧縮成型する。このプラークを急冷し室温まで(1分間かけて)冷却する。大きなプラークの中央部から25mmのプラークを切り取る。次いで、これらの直径25mm部分を190℃でARESに挿入し、試験を開始する前に5分間平衡化させる。酸化分解を最小限に抑えるために、この試料を分析中窒素雰囲気下に維持する。データ処理および操作は、ARES2/A5:RSI Orchestrator Windows95ベースのソフトウェアパッケージによって実施する。RRは、剪断速度曲線に対する粘度の比を測定する。
【0094】
インターポリマーMV(125℃のML1+4)はアメリカ材料試験協会試験D1646−94(ASTM D1646−94)に従って測定する。PRRは、前記に挙げた式に従ってMVおよびRRから算出する。
【0095】
ポリマーMWDは、ミリポア/水150−C ALC/GPCクロマトグラフを使用してゲル透過クロマトグラフィ(GPC)によって測定する。インターポリマー試料0.10ミリグラム(mg)を1,2,4−トリクロロベンゼン50.0ミリリットル(ml)に添加し、160℃で2時間加熱する。この後、5ml部分を1ドラム(0.37センチリットル)自動試料バイアルに分注し、収容箇所が16個ある回転ラックによって機器資料室に入れる。クロマトグラフ内で130℃で90分間平衡化した後、100ミクロリットル試料部分をPolymer Labs PLgel(登録商標)10ミクロメートルMixed−B 900×7.5ミリメートルGPCカラムに、流速1分当たり1mlで溶出時間60分を実現するために十分な条件下で注入する。ミリポア/水示差屈折指標検出器を使用して、溶出液の濃度応答を測定する。TriSec v2.7ソフトウェアを使用し、NBS追跡ポリスチレン標準に基づく検量によってデータ収集、処理および操作を実施する。
【0096】
触媒効率(Cat.Eff.)は、触媒中の4族金属1ポンド当たりのポリマーミリポンド(MM#/#)として表される。バッチ方法では、ポリマー生成物の重量を測定し、反応器に添加したIV族金属の量で除することよって決定する。連続方法では、ポリマー生成物重量は、エチレンまたは排出口変換の測定によって決定する。
【0097】
(実施例1〜3)
3種の試料エチレン/プロピレン/ENBインターポリマー組成物は、全て本発明を表しており、反応物の連続添加およびポリマー溶液の連続除去のために考案された単一ループ反応器を使用して調製する。反応器からのポリマー溶液の除去後揮発分除去およびポリマー回収を行う。実施例1および2の触媒、共触媒および捕捉剤はそれぞれ、(t−ブチルアミド)−ジメチル(η−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(II)1,3−ペンタジエン、FABおよびMMAO(トリイソブチルアルミニウム修飾メチルアルモキサン)である。この触媒の調製について詳述した(既に参考として援用した)PCT/US97/07252の実施例3を参照のこと。実施例3のこの触媒は、(テトラメチルシクロ−ペンタジエニル)ジメチル(t−ブチルアミド)−シランチタニウム1,3−ペンタジエンである。実施例1では、インターポリマー生成物を得るために反応器温度120℃およびエチレン変換92.3%を使用する。実施例2では、反応器温度126℃およびエチレン変換86.1%を使用して、インターポリマー生成物を得る。どちらの実施例もガス状水素(H)流を使用しない。実施例1および2はいずれも、1平方インチ当たり473ポンド(3.26メガパスカル(MPa))の圧力を使用する。実施例3は、H流速1分当たり10標準立方センチメートル(sccm)を有し、圧力795psig(5.5MPa)および反応器温度101℃を使用する。
【0098】
インターポリマーは、(既に参考として援用した)PCT/US97/07252の水素が存在しないことだけを考慮した実施例3の変法として、実施例4に概略された手法を使用して生成する。このように、エチレンおよびポリエチレンは、混合アルカン溶媒(Isopar−E(商標)、Exxon Chemicals Inc.製)およびENBを含む希釈混合物に導入する前に合わさって1つの流れになり、一緒になった供給混合物を形成する。一緒にした供給混合物を、連続して反応器に注入する。この触媒と共触媒および捕捉化合物のブレンド物は、合わさって単一の流れになり、また反応器に連続注入される。
【0099】
表1Aは、溶媒、C、プロピレン(C)およびENBの1時間当たりのポンド(pph)の流速を示す。表IAはまた、触媒(Cat)濃度parts per million(ppm)および共触媒(Cocat)濃度ppmおよび捕捉剤(Scav)濃度ppmおよびCat、Cocat(FAB)およびScav(MMAO)の流速pphを示す。表IBは、触媒効率、Mがチタニウム(Ti)であるときの金属(M)に対するcocatの比、捕捉剤:チタニウムの比(Scav/Ti)およびポリマー特性(MVおよびEAODM組成物(FTIRによって測定))、RR、PRR、MおよびMWDを示す。実施例1〜3のC変換は、それぞれ92.3wt%、86.1wt%および83wt%である。
【0100】
反応器排出流は、連続して分離器に導入し、溶融ポリマーは連続的に未反応コモノマー、未反応エチレン、未反応ENB、および溶媒から分離する。水中ペレタイザによって、溶融ポリマーは固形ペレットに変換される。
【0101】
【表1】

【0102】
【表2】

【0103】
実施例1〜3に示すデータは、いくつかのことを示している。第1に、許容されるPRRを有するポリマーは、実質的に水素がない(実施例1および2)かまたは非常に少量の水素の存在下で(実施例3)生成可能である。第2に、十分なPRR値は、インターポリマーMWを変化させたときに得られる。第3に、実施例1および2に示されたように、エチレン変換パーセントは、高いPRRを生じる高い変換率(実施例1)でインターポリマーPRRに影響を及ぼす。低重合温度(70℃未満)、高水素濃度(0.1モル%を上回る)あるいはその両方など、ビニル末端基形成(「ビニル終止」としても知られる)を最小限に抑える条件は、いずれもPRR4未満のインターポリマーを導くと考えられる。
【0104】
(実施例4)
EPDMインターポリマーは、実施例1〜3の単一反応器よりも(第1反応器を第2反応器に直列に連結した)2連の反応器配置を使用して調製する。各反応器は、ポリマー回収を第2反応器後にすること以外は単一反応器と同様の方法で考案され、配列されている。第1反応器でのポリマー生成は、異なる変数によって、ポリマー回収をせずに、単一反応器で使用した手法に従う。実施例1および2と同様に、第1反応器では水素流はない。変数は以下の通りである。C供給速度22.9pph、C供給速度9.3pph、ENB供給速度0.08pph、反応器温度114℃、触媒流速0.57pph、共触媒(cocatまたはFAB)流速0.72pph、捕捉剤(scavまたはMMAO)流速0.56pph、FAB/Ti(cocat/Ti)比3.98、Scav/Ti比3.98およびC変換92.9%。触媒効率は0.295MM#/#である。反応器圧は475psig(3.28MPa)である。
【0105】
第1反応器の生成物は第2反応器に入り、ガス状水素(H)を含む新しい一連の変数に出会う。この変数は以下の通りである。C供給速度8.2pph、C供給速度3.9pph、ENB供給速度0.03pph、H供給速度364sccm(0.018モル%H、供給中の新鮮Hのモルを供給中の新鮮Hモルと供給中の新鮮Cモルの和で除したものに基づく)、反応器温度110℃、触媒流速0.41pph、FAB流速0.51pph、MMAO流速0.48pph、cocat/Ti比3.77、Scav/Ti比4.94およびC変換82.6%。反応器圧は第1反応器と同様である。触媒効率は、0.315MM#/#である。得られたポリマーは、プロピレン含量28.1%、ENB含量0.55%であり、いずれのパーセントも得られたポリマー重量に基づいており、全MV22.9、全M109100、全MWD2.85、RR42およびPRR36.3に基づく。第1反応器のポリマー溶液の試料は、分析によって、PRR76およびMから推定したMV40を示す。
【0106】
第1反応器と第2反応器のとの間の反応器分割は、59:41で、インターポリマーの59%が第1反応器で形成されることを意味する。第1反応器の最初の条件として、インターポリマー59%はLCBを含む。
【0107】
実施例4は、実施例1−3のように、いくつかの点を示している。第1に、4以上のPRRに有利な条件が2個の反応器の1個だけに存在するときであっても、本発明のインターポリマーは、2連の反応器組成で生成することができる。しかし、当業者等は少なくとも4のPRRを有する第2反応器の生成物を実現するためには、第1反応器のポリマー生成物が相応して高PRRを有することが必ず必要であることを認識している。第2に、2連の反応器組成のために広がったMWDは、インターポリマーのPRRに悪影響を及ぼさない。
【0108】
(実施例5および比較実施例A)
表IIA−IIDに示された条件を使用して実施例4を繰り返す。
【0109】
【表3】

【0110】
【表4】

【0111】
【表5】

【0112】
【表6】

【0113】
実施例5と比較実施例Aの比較によって、水素濃度変化への影響が示される。比較実施例Aにおけるように、過剰な水素はPRRを4未満にする。
【0114】
(実施例6および比較実施例B)
EAODMインターポリマー100pbw、低密度ポリエチレン(LDPE)8pbw(融解指数2dg/分、密度1立方センチメートル当たり0.92グラム、LD−400、Exxon Chemical)、処理粘土(ビニルシラン処理ケイ酸アルミニウム(焼成)60pbw、Translink(登録商標)37、Engelhard)、酸化亜鉛5pbw(EPDM結合剤中酸化亜鉛85%、ZnO−85−SG、Rhein−Chemie)、鉛安定化剤5pbw(EPDM結合剤中鉛丹90%、TRD−90、Rhein−Chemie)、パラフィンワックス5pbw(融点華氏130〜135度(54〜57℃)International Waxes、Ltd.)、抗酸化剤1pbw(重合化1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、Agerite(登録商標)樹脂D、R.T.Vanderbilt)、架橋剤1pbw(ワックス結合剤中のビニル−トリス−(2−メトキシ−エトキシ)シラン40%、PAC−473、OSI Specialties)および過酸化ジクミル3.5pbw(DiCUP R(登録商標)、Hercules)を含む標準的ワイヤおよびケーブル組成物は、Davis−Standard押出機を使用して加工する。実施例6では、このポリマーは前記実施例4と同様の方法で調製されるが、MVは22でなく18である。比較実施例Bでは、ポリマーはデゥポン ダウ エラストマーズ L.L.C.から市販のNordel(登録商標)2722、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン/NBD テトラポリマーである。この押出機は、バリアスクリューおよび混合チップを備え、直径に対する長さの比(L/D)が20:1である3.5インチ(8.9センチメートル(cm))押出機である。押出管ダイは外径52.6ミリメートル(mm)、内径0.375インチ(9.5mm)で長さが0.66インチ(16.8mm)である。この押出機は、供給領域、3個の連続した混合領域、ダイ頭部領域およびダイ領域を有し、それぞれの部分を、華氏190度(°F)(88℃)、華氏190度(88℃)、華氏200度(93℃)、華氏200度(93℃)、華氏225度(107℃)、および華氏225度(107℃)で操作する。以下の表IIIは実施例6および比較実施例Bの押出機操作変数および押出特性を示している。
【0115】
【表7】

【0116】
表IIIのデータは、通常のLCBモノマーを含まない本発明のEPDMインターポリマーが、通常のLCBモノマーを含む通常のテトラポリマーの押出特性に匹敵する特性をもたらすことを示している。このデータはまた、本発明のEPDMインターポリマーは、同様の処理速度の押出機によって、テトラポリマーよりも低圧で加工されることを示している。
【0117】
(実施例7−熱可塑性エラストマー製造)
TPEはPP63%(AccPro(登録商標)9934、Amoco Chemical)、実施例4の通りに調製したインターポリマー27%、および1ミクロメートルタルク(Microtuf(登録商標)AG101、Specialty Minerals)10%を一緒にすることによって調製する。このインターポリマーは、MV18、RR29.3およびPRR24.96を有する。このインターポリマーは、他の特性に基づいてMWD2.8であることが予期される。この組合せは、速度1分当たり200回転(rpm)で、セット温度220℃で操作した30mm Werner Pfleiderer2軸スクリュー押出機中で生じ、温度225℃で押出物を生成する。得られた押出物は、成形温度華氏83度(28℃)を使用して100トン(800キロニュートン)Arburg成形機で成形し、試験プラークを形成する。この試験プラークの物理的特性試験では、様々なデータが得られる。この試料の1および10秒でのショアD堅さ(ASTM D−2240)は、それぞれ62.2および58.9である。試験プラークは、1分当たり2インチ(in)(5.1cm)の引っ張り速度で試験したとき、以下の引張特性(ASTMD−638)を有する。引張破断強さ2599psi(17.9MPa)、極限伸び率44%、生成時の引張強さ3064psi(21.1MPa)、および生成時の伸び率6%。ウェルドライン引張特性(ASTM D−638、引張速度1分当たり2インチ/5.1cm)は、引張破断強さ1877psi(12.9MPa)、極限伸び率2%、生成時の引張強さ1877psi(12.9MPa)、および生成時の伸び率2%である。このプラークは、メルトインデックス(I)(ASTM D−1238、230℃、2.16kg)が1分当たり11.49デシグラム(dg/min)である。3点屈曲試験(ASTM D−790)を行ったとき、試験によって屈曲係数219273.5psi(1511.9MPa)およびセカント係数158680.9psi(1094.1MPa)が明らかである。光沢試験(ASTM D−523)の結果は、入射角20°、60°および85°において、それぞれ26.1、55.0および96.9である。23℃で試験したDynatup総エネルギーは、評点15.3フィート−ポンド(ft−lbs)(20.74ジュール(J))である。23℃および−30℃におけるIzod衝撃強さ試験の結果は、それぞれ0.97ft−lbs/inおよび0.70ft−lbs/inである。室温でのウェルドラインIzod衝撃強さは、1.43ft−lbs/inである。(3.0KJSM(Kilo Joules Square Meters))。66psi(0.46KPa)における加熱変形は、94.3℃である。
【0118】
(実施例8−TPO調製)
実施例7で使用したインターポリマーの代わりに単一反応器で調製したEOコポリマーを使用して実施例7を繰り返す。このEOコポリマーはMV21、RR16およびPRR10.7である。得られた試料は、1および10秒でのショアD硬さがそれぞれ65.4および61.6である。引張特性は、引張破断強さ2342psi(16.1MPa)、極限伸び率146%、生成時の引張強さ3309psi(22.8MPa)、および生成時の伸び率8%である。ウェルドラインの引張特性は、引張破断強さ1983psi(13.7MPa)、極限伸び率2%、生成時の引張強さ1978psi(13.6MPa)、および生成時の伸び率2%である。このプラークは、I11.49dg/minである。屈曲係数および2%セカント係数はそれぞれ、209944.0psi(1447.5MPa)および167938.0psi(1157.9MPa)である。光沢試験の結果は、入射角20°、60°および85°において、それぞれ51.5、71.5および91.2である。23℃で試験したDynatup試験は、評点20.5フィート−ポンド(ft−lbs)(27.8J)である。23℃におけるIzod衝撃強さ試験の結果は、2.39ft−lbs/in(5.0KJSM)である。室温でのウェルドラインIzod衝撃強さは、1.82ft−lbs/inである。(3.8KJSM)である。
【0119】
実施例7および8はそれぞれ、本発明のインターポリマーを使用して満足のいくTPEおよびTPOが調製できることを示している。他のTPE、TPOおよびTPVは本明細書で提供した教示に合致して適切に調製する。
【0120】
(実施例9−EAOポリマー製造)
流を添加し、変数およびモノマーを変えること以外は実施例1および2の方法を繰り返して、EOコポリマーを製造する。変数は以下の通りである。C供給速度30.4pph、C供給速度29.8pph、H供給速度10.6sccm(0.0055モル%)、反応器温度102℃、第1触媒流0.65pph、co−cat流0.35pph、scav流0.69pph、Cz変換89.8%、反応器圧475psig(3.28MPa)、触媒効率0.78MM#/#、cocat/Tiモル比4、およびScav/Tiモル比5.54。得られたポリマーは、MV21.4、RR16、PRR10.7、MW120300およびMWD2.6である。
【0121】
実施例1〜9で得られたものと同様の結果がいずれも前記に開示した他の触媒、共触媒、捕捉剤および方法変数で予期される。
本発明は、以下の態様を包含するものである。
[1]剪断減粘性エチレン/α−オレフィンインターポリマーであって、前記インターポリマーが、重合化された、エチレン、少なくとも1種のα−オレフィンモノマーおよび、任意に、少なくとも1種のジエンモノマーをその中に有し、加工レオロジー比(PRR)が少なくとも4であることを特徴とし、
前記PRR=(190℃で剪断速度0.1rad/secで測定したインターポリマー粘度)/(190℃で剪断速度100rad/secで測定したインターポリマー粘度)+[3.82−インターポリマームーニー粘度(ML1+4@125℃)]×0.3であるインターポリマー。
[2]前記インターポリマーが、
(a)90:10から10:90の範囲内のα−オレフィンに対するエチレンの重量比を有し、前記α−オレフィンがC3〜20α−オレフィンであり、
(b)インターポリマー重量に基づいて0から25重量パーセントの範囲内のジエンモノマー含量を有することを特徴とする、[1]記載のインターポリマー。
[3]前記インターポリマーが0.5から約200の範囲内のムーニー粘度(125℃でのML1+4)を有することを特徴とする、[1]記載のインターポリマー。
[4]前記インターポリマーが少なくとも2.0の分子量分布(Mw/Mn)を有することを特徴とする、[1]記載のインターポリマー。
[5]前記分子量分布が少なくとも2.5であり、前記PRRが少なくとも8であることを特徴とする、[4]記載のインターポリマー。
[6]前記インターポリマーが、分子量分布少なくとも2.3、ムーニー粘度(125℃のML1+4)少なくとも15でPRR少なくとも20であるEAODMインターポリマーであることを特徴とする、[1]記載のインターポリマー。
[7]前記インターポリマーが、分子量分布少なくとも2.3、ムーニー粘度(125℃のML1+4)少なくとも5であるエチレン/オクテン−1コポリマーであることを特徴とする、[1]記載のインターポリマー。
[8]前記α−オレフィンが、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1,4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、スチレン、p−メチルスチレンおよびそれらの混合物から成る群から選択され、前記任意のジエンモノマーが、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,3−ペンタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、1,3−ブタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、5−メチル−1,4−ヘキサンジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエンおよびそれらの混合物から成る群から選択されることを特徴とする、[2]記載のインターポリマー。
[9]さらにPRR促進量の追加的ジエンモノマーをさらに含むことを特徴とし、前記追加的ジエンモノマーがジシクロペンタジエン、ノルボルナジエン、1,7−オクタジエン、および1,9−デカジエンから成る群から選択されることを特徴とする、[2]記載のインターポリマー。
[10][1]のエチレン/α−オレフィンインターポリマーの製造方法であって、前記方法が、少なくとも60重量パーセントのエチレン変換を達成するために十分な条件下で、エチレン、少なくとも1種のα−オレフィンモノマーおよび任意に少なくとも1種のジエンモノマーを触媒および活性化共触媒と接触させることを含み、前記条件が少なくとも70℃の温度および任意に、有効量の水素の存在下であることを含み、前記量が少なくとも4のインターポリマーPRRを維持するために十分であり、前記触媒が幾何学的に拘束された金属複合体であることを特徴とする製造方法。
[11]前記水素量が、全モノマー含量と水素含量の和に対して0モルパーセントを上回るが、0.10モルパーセント未満であることを特徴とする、[10]記載の方法。
[12]前記水素量が、全モノマー含量と水素含量の和に対して0モルパーセントを上回るが、0.05モルパーセント未満であることを特徴とする、[10]記載の方法。
[13]前記触媒が(t−ブチル−アミド)−ジメチル(η−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シラン−チタニウム(IV)ジメチル、(t−ブチルアミド)−ジメチル−(η−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(II)1,3−ペンタジエンおよび(t−ブチルアミド)ジメチル−(η−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シラン−チタニウム(II)2,4−ヘキサジエンまたは(t−ブチルアミド)−ジメチル(η−2,3−ジメチルインデニル)シランチタニウム(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、(t−ブチル−アミド)−ジメチル(η−2,3−ジメチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(IV)ジメチルおよびそれらの混合物から選択されるB群触媒から成る群から選択されることを特徴とする、[10]記載の方法。
[14]前記活性化共触媒がトリスペンタフルオロフェニルボランであることを特徴とする、[10]記載の方法。
[15]前記インターポリマーがエチレン含量20から95重量パーセント(wt%)、α−オレフィン含量80から5wt%を有し、前記α−オレフィンがC3〜20α−オレフィンであり、任意に0から25重量パーセントの範囲のジエンモノマー含量を有し、パーセントの全てがインターポリマー重量に基づいており合計で100wt%であることを特徴とする、[10]記載の方法。
[16]前記インターポリマーがアモルファスであることを特徴とする、[10]記載の方法。
[17]前記インターポリマーが少なくとも部分的に結晶性で、前記温度が少なくとも80℃で、前記エチレン変換が少なくとも80%であることを特徴とする、[10]記載の方法。
[18]少なくとも1部が請求項1のインターポリマーを含む組成物から形成されることを特徴とする製造物品。
[19]前記物品がワイヤおよびケーブル成分、電気絶縁体、ベルト、ホース、チューブ、ガスケット、膜、成形品、押出部品、自動車部品、接着剤、タイヤウォールおよびタイヤから成る群から選択されることを特徴とする、[18]記載の物品。
[20]前記組成物がさらに、充填剤、繊維、可塑剤、油、着色剤、安定化剤、発泡剤、凝固遅延剤、凝固促進剤、および架橋剤から成る群から選択される少なくとも1種の添加物を含むことを特徴とする、[18]記載の物品。
[21]前記組成物が50重量部を上回る結晶性ポリオレフィン樹脂および50重量部未満の[1]のインターポリマーを含み、結晶性ポリオレフィン樹脂およびインターポリマーの全量が100重量部であることを特徴とするポリマーブレンド組成物。
[22]前記組成物が60から10重量部未満の結晶性ポリオレフィン樹脂および40から90重量部を上回る[1]のインターポリマーを含み、前記インターポリマーは前記組成物がインターポリマー重量に対して少なくとも70%のゲル含量を有するように少なくとも部分的に架橋結合しており、結晶性ポリオレフィン樹脂およびインターポリマーの全量が100重量部であることを特徴とする熱可塑性加硫組成物。
[23]前記結晶性ポリオレフィン樹脂がポリプロピレンホモポリマー、プロピレンとエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、2−メチル−1−プロパンまたは4−メチル−1−ペンテンから成る群から選択されたα−オレフィンのコポリマー、またはポリプロピレンホモポリマーおよびプロピレン/α−オレフィンコポリマーのブレンド物またはそれらの混合物であることを特徴とする、[21]または[22]に記載の組成物。
[24]前記α−オレフィンがエチレンであることを特徴とする、[23]記載の組成物。
[25][21]から[24]のいずれか一項の組成物から形成されることを特徴とする製造物品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
剪断減粘性エチレン/α−オレフィンインターポリマーであって、
前記インターポリマーは、重合化された、エチレン、少なくとも1種のα−オレフィンモノマーおよび少なくとも1種のジエンモノマーをその中に有し、
少なくとも10の加工レオロジー比(PRR)、ここで、前記PRR=(190℃で剪断速度0.1rad/secで測定したインターポリマー粘度)/(190℃で剪断速度100rad/secで測定したインターポリマー粘度)+[3.82−インターポリマームーニー粘度(ML1+4@125℃)]×0.3であり、
少なくとも2.2の分子量分布(Mw/Mn)、および
少なくとも15のムーニー粘度(125℃でのML1+4
によって特徴づけられるものである、インターポリマー。
【請求項2】
前記インターポリマーが、
(a)90:10から10:90の範囲内のα−オレフィン対エチレンの重量比を有し、前記α−オレフィンはC3〜20α−オレフィンであり、
(b)インターポリマー重量に基づいて25重量パーセント以下のジエンモノマー含量を有するものである、請求項1に記載のインターポリマー。
【請求項3】
前記インターポリマーが、15から200の範囲内のムーニー粘度(125℃でのML1+4)を有するものである、請求項1または2に記載のインターポリマー。
【請求項4】
前記ジエンが非共役ジエンである、請求項1から3のいずれか1項に記載のインターポリマー。
【請求項5】
前記α−オレフィンが、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1,4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、スチレン、p−メチルスチレンおよびそれらの混合物から成る群から選択され、前記ジエンモノマーが、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,3−ペンタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、1,3−ブタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエンおよびそれらの混合物から成る群から選択されるものである、請求項1から3のいずれか1項に記載のインターポリマー。
【請求項6】
前記インターポリマーがPRR促進量の追加的ジエンモノマーをさらに含み、前記追加的ジエンモノマーがジシクロペンタジエン、ノルボルナジエン、1,7−オクタジエンおよび1,9−デカジエンから成る群から選択されるものである、請求項1から5のいずれか1項に記載のインターポリマー。
【請求項7】
少なくとも1部が請求項1から6のいずれか1項に記載のインターポリマーを含む組成物から形成されるものである、製造物品。
【請求項8】
前記物品が、ワイヤおよびケーブル成分、電気絶縁体、ベルト、ホース、チューブ、ガスケット、膜、成形品、押出部品、自動車部品、接着剤、タイヤウォールおよびタイヤから成る群から選択されるものである、請求項7に記載の製造物品。
【請求項9】
前記組成物が、充填剤、繊維、可塑剤、油、着色剤、安定化剤、発泡剤、凝固遅延剤、凝固促進剤および架橋剤から成る群から選択される少なくとも1種の添加物をさらに含むものである、請求項7に記載の製造物品。
【請求項10】
50重量部を上回る結晶性ポリオレフィン樹脂および50重量部未満の請求項1から6のいずれか1項に記載のインターポリマーを含み、結晶性ポリオレフィン樹脂およびインターポリマーの全量が100重量部である、ポリマーブレンド組成物。
【請求項11】
60から10重量部未満の結晶性ポリオレフィン樹脂および40から90重量部を上回る請求項1から6のいずれか1項に記載のインターポリマーを含み、前記組成物がインターポリマー重量に対して少なくとも70%のゲル含量を有するように、前記インターポリマーが少なくとも部分的に架橋結合しており、結晶性ポリオレフィン樹脂およびインターポリマーの全量が100重量部である、熱可塑性加硫組成物。
【請求項12】
前記結晶性ポリオレフィン樹脂が、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレンと、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、2−メチル−1−プロパンまたは4−メチル−1−ペンテンから成る群から選択されたα−オレフィンのコポリマー、またはポリプロピレンホモポリマーおよびプロピレン/α−オレフィンコポリマーのブレンド物またはそれらの混合物である、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
前記結晶性ポリオレフィン樹脂が、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレンと、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、2−メチル−1−プロパンまたは4−メチル−1−ペンテンから成る群から選択されたα−オレフィンのコポリマー、またはポリプロピレンホモポリマーおよびプロピレン/α−オレフィンコポリマーのブレンド物またはそれらの混合物である、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
前記α−オレフィンがエチレンである、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
請求項10から14のいずれか1項に記載の組成物から形成される製造物品。

【公開番号】特開2012−136706(P2012−136706A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−31987(P2012−31987)
【出願日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【分割の表示】特願2000−579651(P2000−579651)の分割
【原出願日】平成11年11月2日(1999.11.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】