説明

加湿装置、加湿装置の制御方法及び加湿装置を有する空気調和機

【課題】加湿空気の相対湿度が高くなる可能性の高い、再生工程開始から一定期間において、加湿運転を停止することなく、加湿空気側の風路に結露を発生させることのない加湿装置の加湿量制御方法を提供する。
【解決手段】通気性を有し、空気中の水分を吸着し高温空気により水分を再生する吸着剤が担持された水分吸着手段と、周囲の空気を加熱して高温空気を生成するための加熱手段と、水分吸着手段を通る風路に送風する第1送風手段と、加熱手段及び水分吸着手段を通る風路に送風する第2送風手段とを備えた除加湿装置において、除加湿装置の使用環境に対して予め設定した制御モデルに基づいた加熱手段、第1送風手段の制御値及び第2送風手段の制御値の少なくとも一つを時間に応じて変化させることによって、加湿空気風路に結露が発生することを防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加湿装置、加湿装置の制御方法及び加湿装置を有する空気調和機に関するものであり、特に加湿空気側風路の結露発生を抑制するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、加湿機能を有する空気調和機は、室外において外気から吸着材に水分を吸着させた後、その吸着材から水分を放出させて加湿した加湿空気を、配管を通じて室内に供給するというものである。
第1の従来技術として、例えば「・・・加湿機能を有する空気調和機において、上記加湿ホース(4)の長さを設定する設定手段(45)と、上記設定手段(45)により設定された上記加湿ホース(4)の長さが長いほど加湿運転時間を短くする一方、上記加湿ホース(4)の長さが長いほど乾燥運転時間を長くするように、上記加湿装置(3)を制御する加湿運転制御手段(44)とを備えたことを特徴とする加湿機能を有する空気調和機。」が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、第2の従来技術として、例えば「室外に設置されて加湿用空気を生成する加湿ユニット(20)と、室内に開口して加湿用空気を加湿ユニット(20)から室内に導く空気ダクト(21)とを備え、加湿用空気を室内に送り込んで室内を加湿する加湿装置であって、上記加湿ユニット(20)は、空気を加熱する加熱手段(26)を有し、該加熱手段(26)で加熱された空気に水分を供給して、少なくとも上記空気ダクト(21)の途中で加湿用空気が飽和空気となるように所定状態の加湿用空気を生成する加湿装置」が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3402281号公報(請求の範囲、図4、表1)
【特許文献2】特許第3438672号公報(請求の範囲、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の従来技術では、乾燥運転中は加湿を行っていないため加湿性能が低下するという問題点があった。特に加湿ホースが長い場合や外気温度が低い場合には、加湿運転時間よりも乾燥運転時間のほうが長く設定されるので、加湿ロータが有する加湿性能の半分以下しか利用できないという問題点があった。
【0006】
第2の従来技術では、加湿空気側の風路に結露が発生するという問題点があった。結露に対する解決手段として、水抜きユニットを設置して結露水を排水する手法が採られているが、例えば設置位置や施工業者の都合などにより、水抜きユニットを空気ダクトの最下点に正確に設置できない場合には、結露水を排水できなくなる。また結露に関する問題点として、飽和空気の凝縮過程では、結露水と搬送空気が接触するために異音が発生してしまうことも挙げられる。
【0007】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、加湿工程を作動し続けても水分吸着手段の加湿性能が低下しないように、また異音や設置制限の発生の根源となる結露を生じさせないように、加湿量を制御して運転することが可能な加湿装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る加湿装置は、風路仕切板によって第1領域と第2領域とに区分された水分吸着手段と、前記水分吸着手段に送り込む高温空気を生成する加熱手段と、室外空気を吸込み室外へ排気する第1送風手段と、室外空気を吸込み室内へ給気する第2送風手段と、前記第1送風手段が前記第1領域と連通し、且つ前記第2送風手段が前記第2領域と連通する第1のパターンと、前記第1送風手段が前記第2領域と連通し、且つ前記第2送風手段が前記第1領域と連通する第2のパターンとを切換える風路切換ダンパとを備えた加湿装置であって、前記風路切換ダンパの切換時は、前記加熱手段の制御値を前記加熱手段の目標制御値よりも小さな初期制御値に設定し、前記切換時から所定の期間内は、前記制御値を前記初期制御値から段階的にまたは連続的に大きくなるように設定し、前記所定の期間経過後は、前記制御値を前記目標制御値に設定する制御手段を有するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、空気に対する加湿量を所定の目標値よりも小さな値に制御することにより、加湿された空気の相対湿度を100%以下に抑制し、加湿空気側の風路の結露発生を効果的に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1における除加湿装置の概略構成図である。
【図2】図1の電力供給手段の一実施例図である。
【図3】実施の形態1における除加湿装置の内部斜視図である。
【図4】実施の形態1における水分吸着手段周辺の風路構成の詳細図である。
【図5】実施の形態1における風路仕切板と風路切換ダンパの接触部横観図である。
【図6】実施の形態1における水分吸着手段周辺風路の各層平面図である。
【図7】実施の形態1における除加湿量制御方法(加熱手段入力)の概念図である。
【図8】実施の形態1における運転開始時における除加湿量/設定除加湿量、及び再生出口空気相対湿度の時系列変化の実測結果図(周囲空気相対湿度60%RHのとき)である。
【図9】実施の形態1における運転開始時における除加湿量/設定除加湿量、及び再生出口空気相対湿度の時系列変化の実測結果図(周囲空気相対湿度80%RHのとき)である。
【図10】実施の形態1における運転開始時における除加湿量/設定除加湿量、及び再生出口空気相対湿度の時系列変化の実測結果図(周囲空気相対湿度90%RHのとき)である。
【図11】実施の形態1における除加湿量制御方法(吸着空気風量)の概念図である。
【図12】実施の形態1における加湿装置の制御方法のフローチャート図である。
【図13】実施の形態2における除加湿量制御方法(再生空気風量)の概念図である。
【図14】実施の形態2における加湿装置の制御方法のフローチャート図である。
【図15】実施の形態3における除加湿装置の概略構成図である。
【図16】実施の形態3における除加湿装置の内部斜視図である。
【図17】実施の形態3における除加湿量制御方法(加熱手段入力)の概念図である。
【図18】実施の形態3における加湿装置の制御方法のフローチャート図である。
【図19】実施の形態3における加湿装置の制御方法のフローチャート図である。
【図20】実施の形態4における除加湿装置の概略構成図である。
【図21】実施の形態4における水分吸着手段周辺の風路構成の詳細図である。
【図22】実施の形態4における加湿装置の制御方法のフローチャート図である。
【図23】実施の形態5における、加湿機能を有する空気調和機における室外側の内部斜視図である。
【図24】実施の形態5における、加湿機能を有する空気調和機における加湿装置の内部斜視図である。
【図25】実施の形態5における、加湿機能を有する空気調和機における加湿装置の内部斜視図である。
【図26】実施の形態6における加湿機能を有する空気調和機の概略構成図である。
【図27】実施の形態6における加湿量制御方法(加熱手段入力)の概念図である。
【図28】実施の形態6における加湿機能を有する空気調和機の制御方法のフローチャート図である。
【図29】実施の形態6における加湿機能を有する空気調和機の制御方法のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における除加湿装置Cの概略構成図である。
除加湿装置Cは、筐体101と、回転軸102と、水分吸着手段1と、第1送風手段2と、第2送風手段3と、加熱手段4と、第1風路切換ダンパ5と、第2風路切換ダンパ6と、制御部50と、メモリ51と、第1送風手段駆動モータ52と、第2送風手段駆動モータ53と、電力供給手段54と、風路切換ダンパ回転モータ55とを備えている。
水分吸着手段1は筐体101に固定されている。回転軸102は水分吸着手段1を挿通している。筐体101の内部には、第1送風手段2による空気が通る風路A(吸込空気A0→吸着入口空気A1→吸着出口空気A2)と、第2送風手段3による空気が通る風路B(吸込空気A0→再生入口空気B1→再生出口空気B2)とが設けられている。
制御部50はメモリ51に格納された制御値を用いて、第1送風手段駆動モータ52、第2送風手段駆動モータ53、電力供給手段54及び風路切換ダンパ回転モータ55を少なくとも制御する。
【0012】
水分吸着手段1は、風路Aを流れる空気中の水分を吸着する。水分吸着手段1の水分は、風路Bを流れる空気により放出される。水分吸着手段1は円柱状であり、水分吸着手段1の外壁面と筐体101の内壁面とが密着固定されている。水分吸着手段1は、効率的に水分を吸着・放出するために回転軸102の軸方向に通気性を有している。水分吸着手段1の表面として例えば、波形状、三角形状またはハニカム形状の開口部を有した基材の表面が用いられる。前記表面は、吸着剤を担持するように表面処理されたり、または吸着剤が塗布されたりする。前記基材としては、セラミックペーパーなどの多孔質材料が使用され、前記吸着剤としてはゼオライト、シリカゲルまたは活性炭などが使用される。
【0013】
第1送風手段2及び第2送風手段3は、筐体101内に空気を取り込み排出するものである。
第1送風手段2は風路Aの空気の流れを作る。風路Aを通る空気が水分吸着手段1を通過すると、通過後の空気は水分が除湿された乾燥空気となる。
第2送風手段3は風路Bの空気の流れを作る。風路Bを通る空気が水分吸着手段1を通過する前に、一旦加熱手段4により高温空気となる。加熱手段4は前記高温空気を生成するために設けられている。前記高温空気が水分吸着手段1を通過する際に、水分吸着手段1に吸着された水分を放出させる働きをする。第1風路切換ダンパ5及び第2風路切換ダンパ6は、第1送風手段2による吸着風路(上記では風路A、請求項中では第1のパターンと明記)と第2送風手段3による再生風路(上記では風路B、請求項中では第2のパターンと明記)とを切換えるために備えられている。
【0014】
制御部50に外付けされたメモリ51には、除加湿装置の使用環境に対して予め定められた、除加湿量の設定値が格納されている。制御部50は、前記除加湿量の設定値に基づいて、第1送風手段2の駆動モータ52若しくは第2送風手段3の駆動モータ53、または加熱手段4に入力する電力供給量(制御値)を決める電力供給手段54の少なくとも一つを制御する。
図2は、図1における加熱手段4に電力を供給する電力供給手段54の一例である。AC電源54aが電力を供給し、抵抗切換装置54bが加熱手段4に接続されたスイッチを切換えることで加熱手段4の抵抗値(制御値)を変化させ、加熱手段4の加熱量を変化させるものである。制御部50は、予めメモリ51に設定された時間に応じて風路切換ダンパ回転モータ55を制御し、第1風路切換ダンパ5及び第2風路切換ダンパ6を回転させて風路Aと風路Bとを切換える。
【0015】
図3は、本発明の実施の形態1における除加湿装置Cの内部斜視図である。
図1は、第1風路切換ダンパ5及び第2風路切換ダンパ6の回転軸102を水平方向に向けた状態であるが、図3では回転軸102を鉛直方向に向けた状態で示してある。
図3において、吸着空気入口103を経由して吸込空気A0が、そのまま第1送風手段2により第1吸気口42から吸着入口空気A1として吸い込まれる。吸着入口空気A1は上方向に流れ、水分吸着手段1を通過時に外気中の水分が吸着されて乾燥空気となる。乾燥空気となった後、第1排気口12より吸着出口空気A2として流出し、吸着空気出口104から室外へ排気される。
【0016】
吸込空気A0は、再生空気入口105を経由して加熱手段4によって昇温されて高温低湿空気となった後、再生入口空気B1として第2吸気口13から吸い込まれる。再生入口空気B1は下方向に流れ、水分吸着手段1を通過時に、水分吸着手段1に吸着されている水分が再生されて高湿空気となる。高湿空気となった後、第2排気口43より再生出口空気B2として流出し、第2送風手段3を経由し、再生空気出口106を通って室内へ搬送されて室内を加湿する。
【0017】
図4は、図3に示した除加湿装置の概略構造図における、加湿ユニット100内部の水分吸着手段1周辺の風路構成の詳細図である。
各部品を分解してわかりやすく示してあるが、実際には上下方向で隣接する部品どうしは密着されている。
【0018】
水分吸着手段1の周辺風路は、水分吸着手段1を挟んで上部2層(第1層10及び第2層20)、下部2層(第3層30及び第4層40)の計4層構造になっており、第1層10は第1風路仕切板11、第2層20は第2風路仕切板21、第3層30は第3風路仕切板31、第4層40は第4風路仕切板41によって、それぞれ風路を2分割されている。このとき、第2風路仕切板21及び第3風路仕切板31は平行であり、それぞれ水分吸着手段1に密着して設置され、これらに対して第1風路仕切板11及び第4風路仕切板41は垂直に設置されている。したがって、第2層20、水分吸着手段1及び第3層30は同方向に風路が2分割され、第1層10及び第4層40はこれらに対して垂直方向に風路が2分割されていることになる。
【0019】
第1層10と第2層20との間、及び第3層30と第4層40との間には、図4のように2つの中心角90°の扇形(1/4円)が中心にて対角方向に接続された形状のダンパ、すなわち第1風路切換ダンパ5及び第2風路切換ダンパ6が設置されている。そして両者の扇形部分は、互い違いになるように設置されている。これにより、第1風路仕切板11及び第2風路仕切板21によって形成される、上部風路側の1/4円ずつの4領域のうち、対角2領域を第1風路切換ダンパ5が閉塞する。一方、第3風路仕切板31及び第4風路仕切板41によって形成される、下部風路側の1/4円ずつの4領域のうち、上部とは90°異なる対角2領域を第2風路切換ダンパ6が閉塞することになる。
【0020】
また第1層10において、第1風路仕切板11によって分割された2風路のうち、第1送風手段2と連通する風路側には第1排気口12、第2送風手段3と連通する風路側には第2吸気口13が設置されている。同様に第4層40において、第4風路仕切板41によって分割された2風路のうち、第1送風手段2と連通する風路側には第1吸気口42、第2送風手段3と連通する風路側には第2排気口43が設置されている。
【0021】
ここで、第1風路仕切板11、第2風路仕切板21、第3風路仕切板31及び第4風路仕切板41には、各風路仕切板の仕切面における円形風路の半径方向全体に、仕切面に垂直な方向に突起11a、突起21a、突起31a及び突起41aが設けられている。また、第1風路切換ダンパ5の扇形半径部分全体に、第1風路仕切板11の方向へ上部突起5aが、第2風路仕切板21の方向へ下部突起5bが設けられている。同様に、第2風路切換ダンパ6の扇形半径部分全体に、第3風路仕切板31の方向へ上部突起6aが、第4風路仕切板41の方向へ下部突起6bが設けられている。
【0022】
図5に、第1風路仕切板11、第2風路仕切板21及び第1風路切換ダンパ5の接触部を、図4に示した黒矢印の方向から観た図を示す。図5に示されているように、第1風路仕切板の突起11aの設置位置と、第1風路切換ダンパの上部突起5aの高さは一致しており、第1風路仕切板11の仕切面及び突起11aと、第1風路切換ダンパの上部突起5aが咬み合うことになる。
【0023】
同様に、第2風路仕切板の突起21の設置位置と、第1風路切換ダンパの下部突起5bの高さは一致しており、第2風路仕切板21の仕切面及び突起21aと、第1風路切換ダンパの下部突起5bが咬み合っている。ここでは図示していないが、第3風路仕切板の突起31a及び第4風路仕切板の突起41aと、第2風路切換ダンパの上部突起6a及び下部突起6bの位置関係も同様である。
【0024】
次に、図6に基づいて、本実施の形態1における動作の一例について説明する。
図6に、図4に示した各層の平面図を示す。図6における、左側のダンパ位置<A>が図4のダンパ位置と同じである。
【0025】
ダンパ位置<A>のとき、図3に示す吸着空気入口103を経由して、吸込空気A0がそのまま第1送風手段2により第1吸気口42から吸着入口空気A1として吸い込まれる。そして、図6に示す第4風路仕切板41によって仕切られた第4層40の領域40aに流入し、第2風路切換ダンパ6により領域6aが閉塞されているため、領域6bより第3層30へ流入する。第3層30は第3風路仕切板31に、第2層20は第2風路仕切板21によってそれぞれ半円に仕切られており、またそれら2層に挟まれている水分吸着手段1も同様に分割されているため、領域6bから流入した空気は、領域30b、領域1b及び領域20bの順で上方向に流れ、領域1b通過時に外気中の水分を吸着されて乾燥空気となる。
【0026】
乾燥空気となった後、第1風路切換ダンパ5により領域5bが閉塞されているため、領域5dより第1風路仕切板11によって仕切られた第1層10の領域10bへ流入し、その後第1排気口12より吸着出口空気A2として流出し、図3に示す吸着空気出口104から室外へ排気される。
【0027】
一方、図3に示す吸込空気A0は、再生空気入口105を経由して加熱手段4によって昇温されて高温低湿空気となった後、図6に示す再生入口空気B1として、第2吸気口13から吸い込まれる。再生入口空気B1は、第1風路仕切板11によって仕切られた第1層10の領域10aへ流入する。流入した空気は、第1風路切換ダンパ5により領域5bが閉塞されているため、領域5aより第2層20へ流入する。第2層20は第2風路仕切板21に、第3層30は第3風路仕切板31によってそれぞれ半円に仕切られており、またそれら2層に挟まれている水分吸着手段1も同様に分割されているため、領域5aから流入した高温低湿空気は、領域20a、領域1a及び領域30aの順で下方向に流れ、領域1a通過時に水分吸着手段1に吸着されている水分が再生されて高湿空気となる。
【0028】
高湿空気となった後、第2風路切換ダンパ6により領域6aが閉塞されているため、領域6cより第4風路仕切板41によって仕切られた第4層40の領域40bへ流入し、その後第2排気口43より再生出口空気B2として流出する。そして再生出口空気B2は、図3に示す第2送風手段3を経由し、再生空気出口106を通って室内へ搬送されて室内を加湿する。
【0029】
次に、水分吸着手段1の領域1bにおける吸着工程及び領域1aにおける再生工程が完了する程度の時間が経過した後、図6に示すダンパ位置を<A>から<B>へと切り換える。
このとき、吸着空気入口103を経由して吸込空気A0がそのまま第1送風手段2により第1の吸気口42から吸着入口空気A1として吸い込まれ、第4風路仕切板41によって仕切られた第4層40の領域40aに入り、第2風路切換ダンパ6により領域6bが閉塞されているため、領域6aより第3層30へ流入する。第3層30は第3風路仕切板31に、第2層20は第2風路仕切板21によってそれぞれ半円に仕切られており、またそれら2層に挟まれている水分吸着手段1も同様に分割されている。そのため領域6aから流入した空気は、領域30a、領域1a及び領域20aの順で上方向に流れ、領域1aがダンパ位置<A>のときに水分吸着手段1の水分が再生され乾燥しているため、領域1a通過時にその空気中の水分が吸着されて乾燥空気となる。
【0030】
乾燥空気となった後、第1風路切換ダンパ5により領域5aが閉塞されているため、領域5cより第1風路仕切板11によって仕切られた第1層10の領域10bへ流入し、その後第1排気口12より吸着出口空気A2として流出し、吸着空気出口104から室外へ排気される。
【0031】
一方、ダンパ位置<A>のときと同様に、吸込空気A0が再生空気入口105を経由して、加熱手段4によって昇温されて高温低湿空気となった再生入口空気B1は、第2吸気口13より吸い込まれ、第1風路仕切板11によって仕切られた第1層10の領域10aへ流入する。流入した空気は、第1風路切換ダンパ5により領域5aが閉塞されているため、領域5bより第2層20へ流入する。第2層20は第2風路仕切板21に、第3層30は第3風路仕切板31によってそれぞれ半円に仕切られており、またそれら2層に挟まれている水分吸着手段1も同様に分割されているため、領域5bから流入した高温低湿空気は、領域20b、領域1b及び領域30bの順で下方向に流れ、領域1b通過時にダンパ位置<A>のときに水分吸着手段1に吸着された水分が再生されて高湿空気となる。
【0032】
高湿空気となった後、第2風路切換ダンパ6により領域6bが閉塞されているため、領域6dより第4風路仕切板41によって仕切られた第4層40の領域40bへ流入し、その後第2排気口43より再生出口空気B2として流出する。そして、再生出口空気B2は第2送風手段3を経由し、再生空気出口106を通って室内へ搬送されて、室内を加湿する。
【0033】
このように、第1風路切換ダンパ5及び第2風路切換ダンパ6を回転させ、風路を切り換えるという単純な動作により、室内へ連続的に加湿空気を供給することが可能となる。また、水分吸着手段1の領域1aと領域1bにおける風向が逆、すなわち吸着工程と再生工程とが対向流となるため、水分吸着手段1の厚みが大きくなっても水分の吸着及び再生を効率的に行うことができる。
【0034】
ここで、この風路を切り換える時間の最適値は、水分吸着手段1に担持されている吸着剤の種類によって異なるので、例えばゼオライトのように比較的吸着速度の大きい材料の場合は短く(約45〜90秒)、シリカゲルのように比較的吸着速度の小さい材料の場合は長く(約90〜180秒)設定することにより、様々な特性を持った吸着剤に対して最適な運転が可能となる。
【0035】
また、低温空気が流れる吸着風路と高温高湿空気が流れる再生風路とが常に固定され、両風路の境界面の再生風路側で結露を発生しやすいロータ方式に対し、本発明のダンパ切換方式では吸着風路と再生風路とが切り換わり、特定の風路が冷却されることがないため、結露を発生しにくいという特徴もある。
【0036】
水分吸着手段1を回転させるロータ方式との違いは、最も空気漏洩の大きい水分吸着手段1近傍を、第2風路仕切板21及び第3風路仕切板31により完全に密閉していることである。
さらに、図5に示すように、第1風路切換ダンパ5は第1の風路仕切板11の仕切面、突起11a及び上部突起5aと咬み合っており、同様に、第2風路仕切板21の仕切面、突起21a及び下部突起5bとも咬み合っている。風路切換ダンパが仕切板単体と接している場合と比較して、接触面積が大きくなるだけでなく、風路仕切板と風路切換ダンパの隙間風路がL字型になり、圧損により空気が通りにくくなるため、空気漏洩を抑制することが可能となる。
【0037】
また、風路切換ダンパの回転を阻害する位置に突起があるため、同一方向に回転することはできず、角度90°の正逆回転により風路を切り換えることになるが、このとき風路切換ダンパの突起が仕切板と咬み合ってストッパーの役目を果たすため、風路切換ダンパの回転誤差を完全に防ぐことが可能となる。これに加えて、第1風路切換ダンパの下部突起5b及び第2風路切換ダンパの下部突起6bは、それぞれ第2風路仕切板の突起21a及び第4風路仕切板の突起41aに対して、常に一部は接触しているので、突起21a及び突起41aは風路切換ダンパが回転する際のガイドの役目も果たし、上下方向へのブレを防ぐことができるという効果も期待できる。
【0038】
図7は、本発明の実施の形態1における、除加湿量制御方法の概念図である。
グラフ60は電力供給手段54における加熱手段制御値(Q)の時系列変化、グラフ61は除加湿量(W)の時系列変化、グラフ62は再生出口空気B2の相対湿度(Φdeo)の時系列変化をそれぞれ示している。
【0039】
図7は加熱手段制御値(Q)の変化により、除加湿量(W)及び再生出口空気相対湿度(Φdeo)が変化することを意味している。また設定値63は加熱手段制御値の設定値(Qset)、設定値64は除加湿量の設定値(Wset)であり、加熱手段制御値(Q)を設定値(Qset)とすることにより、図1及び図3に示した除加湿装置において、設定値(Wset)の除加湿量(W)が得られることを示している。
【0040】
また制御値65は、ダンパ切換時の加熱手段制御値を意味する加熱手段初期制御値(Qini)であり、起動時のみは起動時加熱手段初期制御値65a(Qini0)として、Qiniより若干低く設定されている。同様に制御値67は、加熱手段制御値(Q)を変化させる期間を意味する制御値変更時間(tcha)であり、起動時のみは起動時制御値変更時間67a(tcha0)として、tchaより若干長く設定されている。また、制御値68は風路切換ダンパ回転モータ55を回転させる間隔を意味するダンパ切換時間(tdump)であり、制御値変更時間(tcha0、tcha)よりも長くなるように、予めメモリ51に設定されている。
【0041】
ここで、加熱手段制御値(Q)を変化させた際の、除加湿量(W)及び再生出口空気相対湿度(Φdeo)の時系列変化について、実測結果をもとに説明する。
図8〜10は、図1及び図3に示した除加湿装置において、水分吸着手段1の全体に周囲空気中の水分を充分吸着させた後、第1風路切換ダンパ5及び第2風路切換ダンパ6は回転させずに固定した状態で、加熱手段4を運転させたときの、運転開始後20分間における(a)除加湿量(W)/設定除加湿量(Wset)、及び(b)再生出口空気相対湿度(Φdeo)の時系列変化の実測結果である。
【0042】
図8は周囲空気相対湿度が60%RH、図9は80%RH、図10は90%RHのときの実測結果である。各図において、加熱手段制御値(Q)の差による時系列変化が示されており、グラフ69a〜グラフ69fは、それぞれ加熱手段制御値(Q)/設定加熱手段制御値(Qset)=0.2〜0.8のときの除加湿量(W)/設定除加湿量(Wset)であり、同様にグラフ70a〜グラフ70fは、それぞれ加熱手段制御値(Q)/設定加熱手段制御値(Qset)=0.2〜0.8のときの再生出口空気相対湿度(Φdeo)の時系列変化実測値である。なお、ここで除加湿量(W)は、水分吸着手段1を固定して新たに吸着させていないので、実際には加湿量(Wde)を意味するが、性能としては同じである。
【0043】
図8〜10の結果より、どの周囲空気相対湿度下においても、加熱手段制御値(Q)が大きいほど、除加湿量(W)及び再生出口空気相対湿度(Φdeo)の最大値は大きく、かつ時間的には早く低下し始める傾向が見られる。
また、除加湿量(W)が最大値を超えると同時に、再生出口空気相対湿度(Φdeo)が低下を開始するという関係がある。吸着させている周囲空気相対湿度が同じであれば、初期吸着水分量は同じであるが、加熱手段制御値(Q)が大きいほど再生入口空気B1の相対湿度が低くなるため、時間あたりの加湿量=除加湿量(W)及び除加湿量(W)を経過時間(t)で積分した全放出水分量も多くなる。
【0044】
実測結果より、加熱手段制御値(Q)が大きいほど、全放出水分量は多いうえに、初期吸着水分を早く放出完了することを意味している。一方、同じ加熱手段制御値(Q)であれば、周囲空気相対湿度が高いほど、除加湿量(W)及び再生出口空気相対湿度(Φdeo)の最大値は大きく、また時間的な低下も遅くなる傾向が見られる。これは、周囲空気相対湿度が高いほど、初期吸着水分量及び全放出水分量が多いことを意味している。これらの傾向は、吸着工程から再生工程に移行した際に常に見られる現象であり、特に実測結果に示したような充分に吸着させた後の起動時に顕著となる。
【0045】
以上の実測結果を踏まえ、図7に示した除加湿量制御方法の動作の一例について説明する。
図1及び図3に示した除加湿装置において、第1風路切換ダンパ5及び第2風路切換ダンパ6を回転させ、図6で説明したように吸着工程から再生工程に移行した際、除加湿量(W)及び再生出口空気相対湿度(Φdeo)は、図8〜10に示したように急激に上昇する可能性が高い。
【0046】
特に、ある程度の時間放置した後に運転を再開した起動時では、例えば暖房標準条件(7℃/87%RH)のような高湿度の室外空間に除加湿装置を設置している場合、図10のグラフ70dのように、加熱手段制御値(Q)として、Q/Qset=0.4に制限しても、再生出口空気相対湿度(Φdeo)は100%RHに到達し、再生出口空気B2は結露することになる。
【0047】
そこで、送風される再生出口空気B2の相対湿度が、風路切換ダンパ5及び風路切換ダンパ6の切換時から運転時間に応じて上昇する際に、どの時点でも100%RHにならない、すなわち再生空気が送風される送風回路に結露が付着しないように、水分吸着手段1に吸着される吸着入口空気A1の相対湿度と加熱量と風量の関係をあらかじめ設定する。
【0048】
例えば、1)ダンパ切換時の加熱手段4の加熱量(加熱強度)を所定値に対して小さい値に設定し、かつ、徐々に設定した所定値まで上昇させていく、2)第2送風手段3による再生空気送風量を所定値に対して大きい値に設定し、かつ、徐々に設定した所定値まで小さくしていく、または3)第1送風手段2による吸着空気送風量を所定値に対して小さい値に設定し、かつ、徐々に設定した所定値まで大きくしていく、という3つの方法が考えられる。上記3つのいずれかの方法により、ダンパ切換時の空気の加湿量を少なく抑え、その後、徐々に増加させて所定期間後に所定の加湿量が出るようにあらかじめ設定しておくとよい。
【0049】
具体的には、図7の加熱手段制御値(Q)の時系列変化60に示すように、ダンパ切換時にはQ=Qini<Qsetに設定しておき、制御値変更時間(tcha)の間に、加熱手段制御値(Q)を段階的に上昇させ、ダンパ切換からtcha経過後にQ=Qsetに設定する。すると除加湿量(W)は、時系列変化61に示されるように、徐々に上昇してダンパ切換からtcha経過後にW=Wsetに到達する。再生出口空気相対湿度(Φdeo)は、時系列変化62に示されるように、徐々に上昇はするが100%RHに到達することなく推移し、tcha経過後以降は低下するため、再生出口空気B2を結露させることなく運転することが可能となる。
【0050】
特に、ある程度の時間放置した後に運転を再開した起動時は、通常のダンパ切換時よりも再生出口空気相対湿度(Φdeo)が上昇する可能性が高いため、ダンパ切換時の加熱手段初期制御値は、Qiniよりも低いQini0に設定し、同様に制御値変更時間は、tchaより長いtcha0に設定されている。また同時に、この制御値変更時間の間(tcha、tcha0)は、加熱手段制御値(Q)を設定値(Qset)より下げ、結露を発生してしまうような無駄な除加湿運転を防いでいることになるので、設定除加湿量(Wset)を連続的に得るための通常の除加湿運転に対し、省エネ効果も期待できる。
【0051】
ここで、加熱手段制御値(Q)の時系列変化60としては、例えば表1に示したように、周囲空気の相対湿度に応じて、低湿(図8:60%RH)想定、標準(図9:80%RH)想定、高湿(図10:90%RH)想定のそれぞれに対し、時刻(t)と加熱手段制御値(Q)の関係を設定し、メモリ51に組み込んでおく。
【0052】
このとき、ダンパ切換時の加熱手段制御値は、起動時のみは起動時加熱手段初期制御値(Q01=Qini0)として、通常時の加熱手段初期制御値(Q1=Qini)より低く設定する。同様に、加熱手段制御値(Q)を変化させる期間は、起動時のみは起動時制御値変更時間(t01+t02+t03=tcha0)として、通常時の制御値変更期間(t1+t2=tcha)より長く設定する。また、想定される周囲空気の相対湿度が高いほど、各加熱手段制御値(Q01、Q02、Q03、Q1、Q2)は低く設定し、制御値変更時間(t01、t02、t03、t1、t2)は長く設定する。
【0053】
表1に示した設定方法は一例であり、設置環境、地域などによって対応する設定を用いてもよい。また再生出口空気B2の結露を完全に回避するために、常に高湿(90%RH)想定の設定を用いてもよい。なお表1では、それぞれの湿度想定に対し、起動から1回目のダンパ切換までの時間tdumpは4分割、それ以降は3分割して加熱手段制御値(Q)を設定しているが、湿度想定によって分割数を変化させてもよい。
【0054】
【表1】

起動から時刻t=0〜tcha0までは、時間t01、t02及びt03に対応して、加熱手段制御値(Q)をQ01、Q02及びQ03に設定し、その後時刻t=tcha0〜tdumpの時間t04の間は、Q04=設定値Qsetに設定する。起動後1回目のダンパ切換終了t=tdump以降は、ダンパ切換からtchaの間は、時間t1及びt2に対応して、加熱手段制御値(Q)をQ1及びQ2に、tcha経過後から次のダンパ切換までの時間t3の間は、Q3=設定値Qsetに設定することを繰り返す。
【0055】
図8〜10の実測結果、及び表1の加熱手段制御値(Q)の時系列変化60の設定値は、除加湿装置から放出された直後の再生出口空気B2に基づいたものである。しかし、除加湿装置を室外に設置し、再生出口空気B2をダクトなどにより搬送して室内を加湿するような場合には、ダクト搬送過程において再生出口空気B2が冷却されて結露する可能性が高まるため、表1に示した値よりも制御値変更時間(tcha0、tcha)は長く、また加熱手段制御値(Q01、Q02、Q03、Q1、Q2)は低く設定する必要がある。
【0056】
図7に示した除加湿量の制御方法は、風路切換ダンパ切換時間(tdump)>制御値変更時間(tcha0、tcha)の場合におけるものであり、ダンパ切換が行われる前に必ず加熱手段制御値(Q)が設定値(Qset)に到達する制御となっているが、tdump≦tcha0あるいはtdump≦tchaの場合には、QがQsetに到達していなくても、Qを加熱手段初期制御値(Qini)に設定する必要がある。ただし、この風路切換ダンパ切換時間(tdump)は、吸着工程及び再生工程の動作時間を最適化し、単位時間により多くの加湿量を確保するためのものであり、一般的には制御値変更時間(tcha0、tcha)より短くなる。しかし、再生出口空気相対湿度(Φdeo)が急激に上昇する可能性が高い起動後しばらくの間は、図7に示したように、除加湿量(W)及び再生出口空気相対湿度(Φdeo)が安定できるように長く設定することが望ましい。
【0057】
また図8〜10の実測結果は、図1及び図3に示した除加湿装置において、水分吸着手段1の全体に周囲空気中の水分を充分吸着させた後、第1風路切換ダンパ5及び第2風路切換ダンパ6は回転させずに固定した状態で加熱手段4を運転させたとき、すなわち水分吸着手段1には新たに水分が供給されない状態において測定された結果である。
【0058】
実際の運転では、第1風路切換ダンパ5及び第2風路切換ダンパ6が回転するため、除加湿量(W)/設定除加湿量(Wset)、及び再生出口空気相対湿度(Φdeo)はより大きな値となる。そこで、図7に示した加熱手段制御値(Q)の制御に加え、図11に示した除加湿量制御方法の概念図のように、第1送風手段2による吸着空気風量(Vad)についても同様の制御を行うとよい。
【0059】
図11において、図7と同一の箇所については説明を割愛するが、グラフ71は第1送風手段駆動モータ52による吸着空気風量(Vad)の時系列変化であり、吸着空気風量(Vad)に伴って水分吸着手段1の吸着水分量が変化するため、除加湿量(W)及び再生出口空気相対湿度(Φdeo)が変化することを意味している。また、グラフ72は吸着空気風量の設定値(Vad_set)であり、吸着空気風量(Vad)を設定値(Vad_set)とすることにより、図1及び図3に示した除加湿装置において、設定値(Wset)の除加湿量(W)が得られることを示している。また設定値73は、ダンパ切換時の吸着空気風量を意味する吸着空気初期風量(Vad_ini)であり、起動時のみは起動時吸着空気初期風量73a(Vad_ini0)として、Vad_iniより若干低く設定されている。
【0060】
図11の時系列変化71に示されるように、ダンパ切換時にはVad=Vad_ini<Vad_setに設定しておき、制御値変更時間(tcha)の間に吸着空気風量(Vad)を段階的に上昇させ、ダンパ切換からtcha経過後にVad=Vad_setに設定することにより、除加湿量(W)は時系列変化61に示されるように、徐々に上昇してダンパ切換からtcha経過後にW=Wsetに到達する。また、再生出口空気相対湿度(Φdeo)は、時系列変化62に示されるように、徐々に上昇はするが100%RHに到達することなく推移し、tcha経過後以降は低下するため、再生出口空気B2をより確実に結露させることなく運転することが可能となる。
【0061】
特に、ある程度の時間放置した後に運転を再開した起動時は、通常のダンパ切換時よりも再生出口空気相対湿度(Φdeo)が上昇する可能性が高いため、ダンパ切換時の吸着空気初期風量はVad_iniよりも低いVad_ini0に設定し、同様に制御値変更時間は、tchaより長いtcha0に設定されている。ここで吸着空気風量(Vad)の制御としては、一般的な方法として、第1送風手段2の駆動モータ52の回転数、駆動モータ52に供給する電圧または周波数を変更してもよい。
【0062】
なお、図7における加熱手段制御値(Q)の時系列変化60は段階的に設定されているが、連続的に変更するように設定してもよい。加熱手段制御値(Q)が時間に対して単調増加させるような関数を予めメモリ51に設定し、制御部50がそれを読み出して、運転開始時の設定値から設定除加湿量(Wset)まで加熱手段制御値(Q)が時間に対して連続的に増加させるように制御すればよい。
【0063】
図1では、第1送風手段2及び第2送風手段3を水分吸着手段1の風下側に設置し、それぞれ吸着出口空気A2及び再生出口空気B2を吸い出す構成となっているが、水分吸着手段1の風上側に設置して、それぞれ吸着入口空気A1及び再生入口空気B1を押し込む構成としてもよく、またはどちらか一方を吸い出し、もう一方は押し込む構成としてもよい。
【0064】
また、図1及び図3では、第1送風手段2及び第2送風手段3によって、水分吸着手段1を通過する空気の流れ方向が対向となるように、第1層10には第2吸気口13及び第1排気口12を、第4層40には第1吸気口42及び第2排気口43を設置しているが、同じ対向流であって、第1層10と第4層40との上下位置を逆転させてもよい。また、第1層10に設置された第1排気口12と、第4層40に設置された第1吸気口42との位置を逆転させ、水分吸着手段1における吸着工程と再生工程とが並行流で行われるようにしてもよい。
【0065】
以上のように、加熱手段の入力値を、目標性能を確保するための目標設定値より小さく設定して再生工程における運転を開始し、その後、所定期間の間に段階的もしくは連続的に目標設定値に近づけることにより、加湿空気の湿度が100%以下に抑えられるので、加湿空気側の風路に結露を発生させることなく、除加湿運転を継続することが可能な除加湿装置を得ることができる。
【0066】
図12は本実施の形態1の制御方法を示すフローチャートであり、これを基に加湿装置の制御方法を説明する。
図7及び表1では、ダンパ切換が1回行われたときに起動時(時刻t≦tdump)から通常時(t>tdump)の制御に移行しているが、起動時に図6のダンパ位置<A>において吸着工程を行っていた水分吸着手段1の領域1bが、ダンパ切換によってダンパ位置<B>に移行して再生工程に移行した場合、除加湿量(W)及び再生出口空気相対湿度(Φdeo)は、図8〜10に示したように急激に上昇する可能性が高いため、ここでは起動時制御を2回繰り返す制御を示している。
【0067】
ステップS1−1で電源がONになると、ステップS1−2で制御部50が第1送風手段駆動モータ52、第2送風手段駆動モータ53及び加熱手段の電力供給手段54を駆動させる。次に、ステップS1−3においてS1−1で電源が入ってからの時刻tがtdump以下であることが確認されたとき、ステップS1−4乃至7で、制御部50が予めメモリ51に組みこまれた、表1で示されるような設置環境や使用場所によって異なる時刻tと加熱手段制御値(Q)の設定値を読み出して、S1−1で電源が入ってからの時刻t01、t02、t03(=tcha0)、t04(=tdump)の値に対して読み出した加熱手段制御値(Q)の値に基づいて電力供給手段54を制御する。
【0068】
0<t≦t01では加熱手段制御値(Q)はQ01に設定され、同様に、t01<t≦t02ではQ02に、t02<t≦t03ではQ03に、t03<t≦t04ではQ04(=Qset)に設定される。t>tdumpになるまでこの制御はフィードバックをかけられ、S1−3において時刻tがtdumpを経過したことが確認されたとき、ステップS1−8で時刻tがリセットされ、ステップS1−9で制御部50が風路切換ダンパ回転モータ55を駆動させ、ダンパを切換える。
【0069】
ステップS1−10ではダンパ切換が1回目か否かを判定し、ダンパ切換が1回目であると判定された場合は、S1−3に戻りS1−3乃至9の起動時制御を繰り返し、2回目以降であると判定された場合は、ステップS1−11以降の通常時制御に進む。S1−11では、S1−8で時刻tがリセットされているので、実質的にダンパ切換からの経過時間t′に基づいて、ステップS1−12乃至14で、制御部50が予めメモリ51に組みこまれた表1で示されるような設置環境や使用場所によって異なる時刻tと加熱手段制御値(Q)の設定値を読み出して、ダンパ切換からの経過時間t1、t2(=tcha)、t3(=tdump)の値に対して読み出した加熱手段制御値(Q)の値に基づいて電力供給手段54を制御する。
【0070】
0<t′≦t1では加熱手段制御値(Q)はQ1に設定され、同様に、t1<t′≦t2ではQ2に、t2<t′≦t3ではQ3(=Qset)に設定される。t′>tdumpになるまでこの制御はフィードバックをかけられ、S1−11においてダンパ切換からの経過時間t′がtdumpを経過したことが確認されたとき、ステップS1−15で経過時間t′がリセットされ、ステップS1−16で制御部50が風路切換ダンパ回転モータ55を駆動させ、ダンパを切換える。その後はS1−11に戻り、S1−11乃至16の通常時制御を繰り返す。
【0071】
また、図11に示した第1送風手段2による吸着空気風量(Vad)についても、図12のフローチャートのステップS1−4乃至7、及びステップS1−12乃至14の加熱手段制御値(Q)を吸着空気風量(Vad)に変更した場合と同様の制御方法を用いることにより、再生出口空気相対湿度(Φdeo)は、時系列変化62に示されるように、徐々に上昇はするが100%RHに到達することなく推移し、tcha経過後以降は低下するため、再生出口空気B2をより確実に結露させることなく運転することが可能となる。
【0072】
実施の形態2.
本発明における実施の形態2は、実施の形態1と同様の構成であり、構成の概略の説明は割愛する。
図13は、実施の形態2における除加湿量制御方法の概念図である。
グラフ74は第2送風手段駆動モータ53による再生空気風量(Vde)の時系列変化であり、実施の形態1の加熱手段制御値(Q)の時系列変化に対して、実施の形態2では再生空気風量(Vde)の変化により、除加湿量(W)及び再生出口空気相対湿度(Φdeo)が変化することを意味している。また、設定値75は再生空気風量の設定値(Vde_set)であり、再生空気風量(Vde)を設定値(Vde_set)とすることにより、図1及び図3に示した除加湿装置において、設定値(Wset)の除加湿量(W)が得られることを示している。また設定値76はダンパ切換時の再生空気風量を意味する再生空気初期風量(Vde_ini)であり、起動時のみは起動時吸着空気初期風量76a(Vde_ini0)として、Vde_iniより若干高く設定されている。その他については実施の形態1と同一であるため説明を割愛する。
【0073】
再生空気風量(Vde)についても、図8〜10で示した加熱手段制御値(Q)を変化させた際の、除加湿量(W)と再生出口空気相対湿度(Φdeo)の時系列変化と同様の傾向が想定される。すなわち、図1及び図3に示した構成において、再生空気風量(Vde)が多いほど、加熱手段4を通過した後の再生入口空気B1の温度は低下するので(加熱手段制御値(Q)を低下させた場合と同様)、水分吸着手段1に周囲空気中の水分が充分吸着された状態では、除加湿量(W)及び再生出口空気相対湿度(Φdeo)の最大値は低下し、時間的な低下は遅く始まる。ただし、除加湿量(W)の低下は、再生入口空気B1の温度が低く水分放出量としては少なくても、再生空気風量(Vde)が多いことにより補充されるため、単純に加熱手段制御値(Q)を低下させた場合ほど大きくはならないと想定される。一方、同じ再生空気風量(Vde)であれば、周囲空気相対湿度が高いほど、初期吸着水分量及び全放出水分量が多いため、除加湿量(W)及び再生出口空気相対湿度(Φdeo)の最大値は大きく、また時間的な低下も遅くなるものと想定される。
【0074】
以上の想定される傾向を踏まえ、図13に示した除加湿量制御方法の動作の一例について説明する。
図1及び図3に示したような除加湿装置において、第1風路切換ダンパ5及び第2風路切換ダンパ6を回転させ、図6にて説明したように吸着工程から再生工程に移行した際、除加湿量(W)及び再生出口空気相対湿度(Φdeo)は、図8〜10に示したように急激に上昇する可能性が高い。
【0075】
特にある程度の時間放置した後に運転を再開した起動時では、第1送風手段2及び第2送風手段3を停止していても、水分吸着手段1は周囲空気の水分を吸着する。例えば暖房標準条件(7℃/87%RH)のような高湿度の室外空間に除加湿装置を設置している場合では、再生空気風量(Vde)として、Vde/Vde_set=2.5に増加させると、再生入口空気B1の温度としては、図10のグラフ70dのように、加熱手段制御値(Q)として、Q/Qset=0.4に制限した場合に相当するが、再生出口空気相対湿度(Φdeo)は100%RHに到達し、再生出口空気B2は結露することになる。
【0076】
そこで、図13の再生空気風量(Vde)の時系列変化74に示すように、ダンパ切換時にはVde=Vde_ini>Vde_setに設定しておき、制御値変更時間(tcha)の間に、再生空気風量(Vde)を段階的に低下させ、ダンパ切換からtcha経過後にVde=Vde_setに設定する。すると、除加湿量(W)は時系列変化61に示されるように、徐々に上昇してダンパ切換からtcha経過後にW=Wsetに到達し、再生出口空気相対湿度(Φdeo)は時系列変化62に示されるように、徐々に上昇はするが100%RHに到達することなく推移し、tcha経過後以降は低下するため、再生出口空気B2を結露させることなく運転することが可能となる。
【0077】
特に、ある程度の時間放置した後に運転を再開した起動時は、通常のダンパ切換時よりも再生出口空気相対湿度(Φdeo)が上昇する可能性が高いため、ダンパ切換時の再生空気初期風量は、Vde_iniよりも高いVde_ini0に設定し、同様に制御値変更時間は、tchaより長いtcha0に設定する。ここで、再生空気風量(Vde)の制御としては、一般的な方法として、第2送風手段3の駆動モータ53の回転数、駆動モータ53に供給する電圧または周波数を変更してもよい。
【0078】
ここで、再生空気風量(Vde)の時系列変化74としては、例えば表2に示したように、周囲空気の相対湿度に応じて、低湿(図8:60%RH)想定、標準(図9:80%RH)想定、高湿(図10:90%RH)想定のそれぞれに対し、時刻(t)と再生空気風量(Vde)の関係を設定し、メモリ51に組み込んでおく。このとき、ダンパ切換時の再生空気風量は、起動時のみは起動時再生空気初期風量(Vde01=Vde_ini0)として、通常時の再生空気初期風量(Vde1=Vde_ini)より高く設定する。同様に、再生空気風量(Vde)を変化させる期間は、起動時のみは起動時制御値変更時間(t01+t02+t03=tcha0)として、通常時の制御値変更期間(t1+t2=tcha)より長く設定する。また、想定される周囲空気の相対湿度が高いほど、各加熱手段制御値(Vde01、Vde02、Vde03、Vde1、Vde2)は高く設定し、制御値変更時間(t01、t02、t03、t1、t2)は長く設定する。
【0079】
表2に示した設定方法は一例であり、設置環境、地域などによって対応する設定を用いてもよい。また再生出口空気B2の結露を完全に回避するために、常に高湿(90%RH)想定の設定を用いてもよい。なお表2では、それぞれの湿度想定に対し、起動から1回目のダンパ切換までの時間tdumpは4分割、それ以降は3分割して再生空気風量(Vde)を設定しているが、湿度想定によって分割数を変化させてもよい。
【0080】
【表2】

起動から時刻t=0〜tcha0までは、時間t01、t02、t03に対応して、再生空気風量(Vde)をVde01、Vde02、Vde03に設定し、その後時刻t=tcha0〜tdumpの時間t04の間は、Vde04=設定値Vde_setに設定する。起動後1回目のダンパ切換終了t=tdump以降は、ダンパ切換からtchaの間は、時間t1、t2に対応して、再生空気風量(Vde)をVde1、Vde2に、tcha経過後から次のダンパ切換までの時間t3の間は、Vde3=設定値Vde_setに設定することを繰り返す。
【0081】
図8〜10の実測結果、及び表2の再生空気風量(Vde)の時系列変化74の設定値は、除加湿装置から放出された直後の、再生出口空気B2に基づいたものである。しかし、例えば除加湿装置を室外に設置し、再生出口空気B2をダクトなどにより搬送して室内を加湿するような場合には、ダクト搬送過程において再生出口空気B2が冷却されて結露する可能性が高まるため、表2に示した値よりも、制御値変更時間(tcha0、tcha)は長く、また再生空気風量(Vde01、Vde02、Vde03、Vde1、Vde2)は高く設定する必要がある。
【0082】
また図8〜10の実測結果は、図1及び図3に示した除加湿装置において、水分吸着手段1の全体に周囲空気中の水分を充分吸着させた後、第1風路切換ダンパ5及び第2風路切換ダンパ6は回転させずに固定した状態で加熱手段4を運転させたとき、すなわち水分吸着手段1には新たに水分が供給されない状態において測定された結果である。しかし、実際の運転では第1風路切換ダンパ5及び第2風路切換ダンパ6が回転するため、除加湿量(W)/設定除加湿量(Wset)、及び再生出口空気相対湿度(Φdeo)はより大きな値となる。
【0083】
そこで実施の形態1と同様に、図13に示した再生空気風量(Vde)の制御に加え、図11に示した除加湿量制御方法の概念図のように、第1送風手段2による吸着空気風量(Vad)についても、時系列変化71に示されるように、ダンパ切換時にはVad=Vad_ini<Vad_setに設定しておき、制御値変更時間(tcha)の間に、吸着空気風量(Vad)を段階的に上昇させ、ダンパ切換からtcha経過後にVad=Vad_setに設定する。すると除加湿量(W)は、時系列変化61に示されるように、徐々に上昇してダンパ切換からtcha経過後にW=Wsetに到達し、再生出口空気相対湿度(Φdeo)は、時系列変化62に示されるように、徐々に上昇はするが100%RHに到達することなく推移し、tcha経過後以降は低下するため、再生出口空気B2をより確実に結露させることなく運転することが可能となる。
【0084】
特に、ある程度の時間放置した後に運転を再開した起動時は、通常のダンパ切換時よりも再生出口空気相対湿度(Φdeo)が上昇する可能性が高いため、ダンパ切換時の吸着空気初期風量はVad_iniよりも低いVad_ini0に設定し、同様に制御値変更時間は、tchaより長いtcha0に設定されている。ここで、吸着空気風量(Vad)の制御としては、一般的な方法として、第1の送風手段2の駆動モータ52の回転数、駆動モータ52に供給する電圧または周波数を変更してもよい。
【0085】
図13の再生空気風量(Vde)の時系列変化74では段階的に設定されているが、連続的に変更してもよい。再生空気風量(Vde)が時間に対して単調減少させるような関数を予めメモリ51に設定し、制御部50がそれを読み出して、運転開始時の設定値から設定除加湿量(Wset)まで再生空気風量(Vde)が時間に対して連続的に減少させるように制御すればよい。
【0086】
以上のように、再生空気風量を、目標性能を確保するための目標設定値より大きく設定して再生工程における運転を開始し、その後、所定期間の間に段階的もしくは連続的に目標設定値に近づけることにより、加湿空気の湿度が100%以下に抑えられるので、加湿空気側の風路に結露を発生させることなく、除加湿運転を継続することが可能な除加湿装置を得ることができる。
【0087】
図14は、本実施の形態2の制御方法を示すフローチャートであり、これを基に加湿装置の制御方法を説明する。
図13及び表2では、ダンパ切換が1回行われたときに起動時(時刻t≦tdump)から通常時(t>tdump)の制御に移行している。しかし、起動時に図6のダンパ位置<A>において吸着工程を行っていた水分吸着手段1の領域1bが、ダンパ切換によってダンパ位置<B>に移行して再生工程に移行した場合、除加湿量(W)及び再生出口空気相対湿度(Φdeo)は図8〜10に示したように急激に上昇する可能性が高いため、ここでは起動時制御を2回繰り返す制御を示している。
【0088】
実施の形態2においても、図12のフローチャートのステップS1−4乃至7、及びステップS1−12乃至14の加熱手段制御値(Q)を再生空気風量Vdeに変更して、ステップS2−4乃至7、及びステップS2−12乃至14とした場合と同様の制御方法が用いられる。ただし、表2に示されるように、メモリ51に予め設定される再生空気風量Vdeの値は、時刻tが大きくなるにつれて減少しており、加熱手段制御値(Q)を段階的あるいは連続的に大きくした場合と同様に、加熱手段4を通過した後の再生入口空気B1の温度は徐々に上昇する。したがって、再生出口空気B2の湿度が100%以下に抑えられるので、加湿空気側の風路に結露を発生させることなく、加湿運転を継続することができる。
【0089】
実施の形態3.
図15は、本発明の実施の形態3における除加湿装置の概略構成図であり、実施の形態1の構成に加えて、吸込空気A0の温度または湿度を検出する吸込空気センサ56を設置したものである。また図16は、本発明の実施の形態3における除加湿装置の内部斜視図である。
図15において、吸込空気センサ56の検出値に基づいて予めメモリ51に組み込まれた設定を読み出し、第1送風手段2の駆動モータ52、第2送風手段3の駆動モータ53または加熱手段4に入力する電力供給量(制御値)を決める電力供給手段54の少なくとも一つを制御する機能を制御部50に加えたものである。
【0090】
また図17は、本発明の実施の形態3における、除加湿量制御方法の概念図である。
グラフ77は吸込空気センサ56によって検出された吸込空気温度(To)の時系列変化、設定値78は吸込空気温度閾値(Totri)で、設定値78aが高温側閾値(Totri_h)、設定値78bが低温側閾値(Totri_l)である。
吸込空気温度(To)と、吸込空気温度高温側閾値78a(Totri_h)、及び吸込空気温度低温側閾値78b(Totri_l)との高低関係により加熱手段制御値(Q)が変更され、除加湿量(W)及び再生出口空気相対湿度(Φdeo)が変化することを意味している。その他の箇所については、実施の形態1と同一であるため説明を割愛する。
【0091】
次に、動作の一例について説明する。図16の構成における基本的動作、及び図17に示す除加湿量の基本的な制御方法は、実施の形態1と同一であるため説明を割愛する。
図17において、加熱手段制御値(Q)の時系列変化60に示されているように、第1風路切換ダンパ5及び第2風路切換ダンパ6を回転させて吸着工程から再生工程に移行した際、Q=Qini<Qsetに設定しておき、制御値変更時間(tcha)の間に、加熱手段制御値(Q)を段階的に上昇させ、ダンパ切換からtcha経過後にQ=Qsetに設定する。すると除加湿量(W)は、時系列変化61に示されるように、徐々に上昇してダンパ切換からtcha経過後にW=Wsetに到達する。再生出口空気相対湿度(Φdeo)は時系列変化62に示されるように、徐々に上昇はするが100%RHに到達することなく推移し、tcha経過後以降は低下するため、再生出口空気B2を結露させることなく運転することが可能となる。
【0092】
ここで、加熱手段制御値(Q)の時系列変化60としては、実施の形態1と同様に、例えば表1に示したように、周囲空気の相対湿度に応じて、低湿(図8:60%RH)想定、標準(図9:80%RH)想定、高湿(図10:90%RH)想定のそれぞれに対し、時刻(t)と加熱手段制御値(Q)の関係を設定しておき、設置環境、地域などによって対応する設定を用いてもよい。
【0093】
すなわち、表1のような吸込空気センサ56の検出値に対応し、加湿量を制御する予測モデルを予めメモリ51に組み込んでおく。また、再生出口空気B2の結露を完全に回避するために、常に高湿(90%RH)想定の設定を用いてもよい。望ましくは、吸込空気センサ56により、周囲空気の相対湿度を直接検出する、あるいは図17に示したように、吸込空気温度(To)の時系列変化77を検出して絶対湿度を想定し、To<Totri_lでは低湿(60%RH)想定の設定を、Totri_l≦To<Totri_lでは標準(80%RH)想定の設定を、To≧Totri_hでは高湿(90%RH)想定の設定を選択するのがよい。
【0094】
図8〜10の実測結果、及び表1の加熱手段制御値(Q)の時系列変化60の設定値は、除加湿装置から放出された直後の、再生出口空気B2に基づいたものである。しかし、例えば除加湿装置を室外に設置し、再生出口空気B2をダクトなどにより搬送して室内を加湿するような場合には、ダクト搬送過程において再生出口空気B2が冷却されて結露する可能性が高まるため、表1に示した値よりも、制御値変更時間(tcha0、tcha)は長く、また加熱手段制御値(Q01、Q02、Q03、Q1、Q2)は低く設定する必要がある。
【0095】
図17に示した除加湿量の制御方法は、風路切換ダンパ切換時間(tdump)>制御値変更時間(tcha0、tcha)の場合におけるものであり、ダンパ切換が行われる前に必ず加熱手段制御値(Q)が設定値(Qset)に到達する制御となっているが、tdump≦tcha0、あるいはtdump≦tchaの場合には、QがQsetに到達していなくても、Qを加熱手段初期制御値(Qini)に設定する必要がある。
【0096】
ただし、この風路切換ダンパ切換時間(tdump)は、吸着工程及び再生工程の動作時間を最適化し、単位時間により多くの加湿量を確保するためのものであり、一般的には制御値変更時間(tcha0、tcha)より短くなる。しかし、再生出口空気相対湿度(Φdeo)が急激に上昇する可能性が高い起動後しばらくの間は、図17に示したように、除加湿量(W)及び再生出口空気相対湿度(Φdeo)が安定できるように長く設定することが望ましい。
【0097】
また図17では、実施の形態1と同様に、加熱手段制御値(Q)による制御方法の一例を示したが、実施の形態2と同様に、再生空気風量(Vde)を制御値変更時間(tcha0、tcha)の間に段階的に低下させてもよい。さらに、加熱手段制御値(Q)及び再生空気風量(Vde)による制御に加え、実施の形態1及び2で示したように、吸着空気風量(Vad)についても、制御値変更時間(tcha0、tcha)の間に段階的に上昇させ、再生出口空気B2における結露を確実に防止してもよい。
【0098】
図17の加熱手段制御値(Q)の時系列変化60では、加熱手段制御値(Q)が段階的に変化するように設定されているが、連続的に変化するように変更してもよい。加熱手段制御値(Q)が時間に対して単調増加させるような関数を予めメモリ51に設定し、制御部50がそれを読み出して、運転開始時の設定値から設定除加湿量(Wset)まで加熱手段制御値(Q)が時間に対して連続的に増加させるように制御すればよい。
【0099】
以上のように、加湿空気の相対湿度が高くなる可能性の高い再生工程開始後の所定期間において、加熱手段の入力値、再生空気風量及び吸着空気風量を制御して、目標性能を確保するための目標設定値より、除加湿量が少なくなるような値に設定し、段階的もしくは連続的に目標設定値に近づけることにより、加湿空気側の風路に結露を発生させることなく、除加湿運転を継続することが可能な除加湿装置を得ることができる。またこのとき、吸込空気の温度または湿度を検出し、その検出値から上記加熱手段の入力値、再生空気風量及び吸着空気風量を目標設定値から変更する期間を設定することにより、設定期間が短すぎることによる加湿空気側風路における結露の発生や、設定期間が長すぎることによる除加湿量不足を防ぐことができる。
【0100】
<制御について>
図18乃至19は本実施の形態3の制御方法を示すフローチャートであり、これを基に加湿装置の制御方法を説明する。
図17及び表1では、ダンパ切換が1回行われたときに起動時(時刻t≦tdump)から通常時(t>tdump)の制御に移行しているが、起動時に図6のダンパ位置<A>において吸着工程を行っていた水分吸着手段1の領域1bが、ダンパ切換によってダンパ位置<B>に移行して再生工程に移行した場合、除加湿量(W)及び再生出口空気相対湿度(Φdeo)は、図8〜10に示したように急激に上昇する可能性が高いため、ここでは起動時制御を2回繰り返す制御を示している。
【0101】
ステップS1−1で電源がONになると、ステップS1−2で制御部50が第1送風手段駆動モータ52、第2送風手段駆動モータ53及び加熱手段の電力供給手段54を駆動させる。ステップS3−3で制御部50が吸込空気センサ56で吸込空気温度Toを読み込む。読み込んだ温度Toから絶対湿度を想定し、ステップS3−4において低湿度、標準湿度または高湿度であることを判定してから、ステップS3−5乃至7で、制御部50が予めメモリ51に組み込まれていた、各湿度時想定におけるt01、t02、t03(=tcha0)、t04(=tdump)、Q01、Q02、Q03、Q04(=Qset)の表1のような関係表を読み出して、t01、t02、t03、t04に対応した加熱手段制御値(Q)をそれぞれQ01、Q02、Q03、Q04に設定する。
【0102】
次にステップS3−8において、S1−1で電源が入ってからの時刻tがtdump以下であることが確認されたとき、ステップS3−9乃至12で、S3−5乃至7での設定値を用いて、実施の形態1のステップS1−4乃至7と同様に、電源がONになってからの時間tに応じて加熱手段制御値(Q)を設定し電力供給手段54を制御する。t>tdumpになるまでこの制御はフィードバックをかけられ、S3−8において時刻tがtdumpを経過したことが確認されたとき、ステップS3−13で時刻tがリセットされ、ステップS3−14で制御部50が風路切換ダンパ回転モータ55を駆動させ、ダンパを切換える。ステップS3−15ではダンパ切換が1回目か否かを判定し、ダンパ切換が1回目であると判定された場合は、S3−3に戻りS3−3乃至14の起動時制御を繰り返し、2回目以降であると判定された場合は、ステップS3−16を介して、図19に示したステップS3−17以降の通常時制御に進む。
【0103】
S3−17で制御部50が吸込空気センサ56で吸込空気温度Toを読み込み、読み込んだ温度Toから絶対湿度を想定し、ステップS3−18において低湿度、標準湿度または高湿度であることを判定して、ステップS3−19乃至21で、制御部50が予めメモリ51に組み込まれていた、各湿度時想定におけるt1、t2(=tcha)、t3(=tdump)、Q1、Q2、Q3(=Qset)の表1のような関係表を読み出して、t1、t2、t3に対応した加熱手段制御値(Q)をそれぞれQ1、Q2、Q3に設定する。
【0104】
次にステップS3−22において、S3−13で時刻tがリセットされているので、実質的にダンパ切換からの経過時間t′に基づいて、ステップS3−23乃至25で、S3−19乃至21での設定値を用いて、実施の形態1のステップS1−12乃至14と同様に、ダンパ切換からの経過時間t1、t2(=tcha)、t3(=tdump)の値に対して読み出した加熱手段制御値(Q)の値を基づいて電力供給手段54を制御する。t′>tdumpになるまでこの制御はフィードバックをかけられ、S3−22においてダンパ切換からの経過時間t′がtdumpを経過したことが確認されたとき、ステップS3−26で経過時間t′がリセットされ、ステップS3−27で制御部50が風路切換ダンパ回転モータ55を駆動させ、ダンパを切換える。その後はS3−17に戻り、S3−17乃至27の通常時制御を繰り返す。
【0105】
図17乃至図19では、吸込空気センサ56によって吸込空気の温度を検出し、温度から湿度を想定する制御方法を説明しているが、吸込空気の湿度を直接検出し、予めメモリ51に組み込んだ低温度、標準温度または高温度時における設定を用いて同様の制御を行ってもよいのは当然である。
【0106】
また、上述の説明では、加熱手段4の加熱手段制御値(Q)を吸込空気センサ56の検出値に基づいて制御する加湿装置について説明したが、図11における第1送風手段2による吸着空気風量(Vad)や、実施の形態2で説明した図13における第2送風手段3による再生空気風量(Vde)を、吸込空気センサ56の検出値に基づいて制御した場合も、再生出口空気相対湿度(Φdeo)は時系列変化62に示されるように、徐々に上昇はするが100%RHに到達することなく推移し、tcha経過後以降は低下するため、再生出口空気B2を結露させることなく運転することが可能となる。
【0107】
この風量制御は、図18のステップ3−5乃至7またはS3−9乃至12、及び図19のステップ3−19乃至21またはS3−23乃至25における加熱手段制御値(Q)を、吸着空気風量(Vad)または再生空気風量(Vde)に変更して、同様の制御方法を用いることにより実施することができる。また、加熱手段制御値(Q)、吸着空気風量(Vad)または再生空気風量(Vde)の1つを制御するだけでなく、これらを2つ以上組み合わせて加湿量を調整することもでき、この場合、再生出口空気B2をより確実に結露させることなく運転することが可能となる。
【0108】
実施の形態4.
図20は、本発明の実施の形態4における、除加湿装置の概略構成図である。
前記実施の形態1の構成に加えて、吸着入口空気A1(=吸込空気A0)の温度または湿度を検出する吸着入口空気センサ56a、吸着出口空気A2の温度または湿度を検出する吸着出口空気センサ57a、吸着入口空気センサ56aと吸着出口空気センサ57aの検出値の経時変化から水分吸着手段1の劣化を検出する劣化検出手段58及び劣化を検出した場合に表示する表示部59が備えられている。さらに、劣化検出手段58の検出値に応じて予めメモリ51に組み込んだ設定値を変更して、第1送風手段2の駆動モータ52、第2送風手段3の駆動モータ53、または加熱手段4に入力する電力供給量(制御値)を決める電力供給手段54の少なくとも一つを制御する機能を制御部50に加えたものである。
【0109】
図21は、本発明の実施の形態4における、水分吸着手段1周辺の風路構成の詳細図であり、実施の形態1において図3に示した除加湿装置の内部に配置されるものである。
図21では、図4と同様に各部品を分解してわかりやすく示してあるが、実際には上下方向に隣接する部品は密着されている。実施の形態1と同一の箇所については説明を割愛するが、図20に示した吸着入口空気センサ56a、吸着出口空気センサ57aに加えて、再生入口空気B1の温度または湿度を検出する再生入口空気センサ56b及び再生出口空気B2の温度または湿度を検出する再生出口空気センサ57bが備えられている。
【0110】
動作についても、基本的には実施の形態1と同様に、第1風路切換ダンパ5及び第2風路切換ダンパ6を回転させ風路を切り換えることにより、室内へ連続的に加湿空気を供給するものであるため、詳細は割愛する。
このとき、図6に示されるダンパ位置<A>または<B>どちらの場合においても、第1吸気口42、第1排気口12、第2吸気口13及び第2排気口43を通過する空気は、常に吸着入口空気A1、吸着出口空気A2、再生入口空気B1及び再生出口空気B2であるため、空気センサ56a、57a、56b及び57bは、常に目的の空気の温度または湿度を検出する。
【0111】
したがって、吸着領域(ダンパ位置<A>のとき領域1b、ダンパ位置<B>のとき領域1a)においては、水分吸着手段1に担持された吸着剤が吸着入口空気A1の水分を吸着して発熱反応が起こるため、吸着入口空気センサ56aにおいて検出される値に対し、吸着出口空気センサ57aにおいて温度は上昇し、湿度は低下する。一方、再生領域(ダンパ位置<A>のとき領域1a、ダンパ位置<B>のとき領域1b)においては、水分吸着手段1に担持された吸着剤から高温の再生入口空気B1により水分が再生されて吸熱反応が起こるため、再生入口空気センサ56bにおいて検出される値に対し、再生出口空気センサ57bにおいて温度は低下し、湿度は上昇する。
【0112】
例えば、水分吸着手段1に担持された吸着剤5bの吸着エネルギーが、一般的なゼオライトの値として、吸着する水分1kgに対し800kcalとし、第1送風手段2及び第2送風手段3による風量が3m3/minであるときに、加湿量が1L/h確保されたことを想定すると、水分吸着手段1の前後において、熱損失を無視すれば、温度は約15℃、絶対湿度は約4.6g/kg変化することになる。
【0113】
ここで、水分吸着手段1に担持された吸着剤は、空気中の水分だけでなく、その他のガス成分も吸着する。例えば、吸着入口空気A1を室外から供給した場合には、自動車の排気ガスなどから発生するNOxなどが、室内から供給した場合には、タバコ煙から発生するアンモニアやVOCなどが、吸着剤の種類によっては吸着工程において一旦吸着される。そして高温の再生入口空気B1により、再生工程において水分と共に排出されるが、経年的には水分吸着手段1の内部に蓄積され、吸着剤の構造が破壊されて加湿量が低下することがある。
【0114】
加湿量が低下した場合、先述の水分吸着手段1前後における温度及び湿度の差も小さくなり、入口空気の温湿度や風量が一定のとき、加湿量が半減すれば温度差及び絶対湿度差も半減する。したがって、吸着入口空気センサ56a及び再生入口空気センサ56bにおいて検出される温度や湿度に対して、吸着出口空気センサ57a及び再生出口空気センサ57bにおいて検出されるべき温度や湿度の設計値を決定するか、あるいは初期値を測定しておき、経年的な変化を検出することにより、吸着剤の劣化を確認することができる。このとき、吸着剤が劣化し加湿量が低下すれば、温度及び湿度にその影響が現れるので、どちらか一方を検出しても、または双方を検出して精度向上を図ってもよい。
【0115】
図21では、第1吸気口42の前に吸着入口空気センサ56a、第1排気口12の後に吸着出口空気センサ57a、第2吸気口13の前に再生入口空気センサ56b、第2排気口43の後に再生出口空気センサ57bをそれぞれ設置しているが、吸着工程側、あるいは再生工程側のどちらか一方のみに設置してもよい。
【0116】
吸着工程における除湿量と、再生工程における加湿量は同一であるため、どちらか一方の温度や湿度の差から吸着剤の劣化を検出することは可能であり、センサの個数を削減できるためコストの増加を抑制できる。ただし再生工程側では、加熱手段4によって昇温された高温の再生入口空気B1を検出するため、熱損失による誤差が大きく含まれる可能性があるため、一方に設置する場合には、図20に示されているように、吸着入口空気センサ56a及び吸着出口空気センサ57aを設置するのが望ましい。
【0117】
また実施の形態3で示したように、再生出口空気B2の相対湿度が高くなる可能性の高い、ダンパ切換後の一定期間において、加熱手段制御値(Q)、再生空気風量(Vde)及び吸着空気風量(Vad)を制御する場合、空気センサ56a、57a、56b及び57bのうち、特に再生出口空気センサ57bによる検出値をフィードバックし、各制御値や制御値変更時間(tcha0、tcha)を設定することにより、設定期間が短すぎることによる加湿空気側風路における結露の発生や、設定期間が長すぎることによる除加湿量不足を発生させることなく、除加湿運転を継続することが可能な除加湿装置を得ることができる。
【0118】
以上のように、水分吸着手段の前後に、温度または湿度を検出するセンサを設置し、入口空気の温度または湿度に対する、出口空気の温度または湿度の経年的な変化を検出することにより、実施の形態1で示した効果に加え、設計値あるいは初期値に対する除加湿量の低下を確認することができ、水分以外のガスを吸着したことによる、吸着剤の経年劣化を検出することが可能な除加湿装置を得ることができる。
【0119】
図22は、本実施の形態4の制御方法を示すフローチャートであり、これを基に加湿装置の制御方法を説明する。
ステップS1−1で電源がONになると、ステップS1−2で制御部50が第1送風手段駆動モータ52、第2送風手段駆動モータ53及び加熱手段の電力供給手段54を駆動させる。ステップS4−3で制御部50は、吸着入口空気センサ56a及び吸着出口空気センサ57aが検出した、吸着入口空気温度Tin及び吸着出口空気温度Toutを読み込み、ステップS4−4で制御部50が第1送風手段駆動モータ52の回転数から吸着空気風量(Vad)を読み込む。
【0120】
ステップS4−5では、吸着入口空気と吸着出口空気の温度差の初期値ΔT0と、吸着空気風量の初期値Vad0の設定がなされているか否かを判定する。初期値が設定されていない場合は、ステップS4−6に進み、S4−2で読み込んだTin、Tout及びS4−3で読み込んだVadから、制御部50が初運転時温度差ΔT0=Tout−Tin、初運転時吸着空気風量Vad0=Vadとしてメモリ51に設定しS4−3に戻る。S4−5において、ΔT0とVad0の設定が既にされている場合は、ステップS4−7に進み、その時の吸着入口空気と吸着出口空気の温度差ΔT=Tout−Tinを算出する。
【0121】
次にステップS4−8では、制御部50が吸着空気風量Vadと温度差ΔTの積の値を、初運転時吸着空気風量Vad0と初運転時温度差ΔT0の積で割った値を劣化度とし、劣化度が予め定めた値cより小さいか否かを判定する。cは1未満の任意の実数であり、予め定めてメモリ51に格納しておく。もちろんこれと異なる劣化度の算出式を用いてもよい。劣化度が予め定めた値より小さい場合はステップS4−9に進み、予めメモリ51に組み込まれた設定値を劣化度に基づいて変更する。
【0122】
この変更は、制御値変更時間(t01、t02、t03(=tcha0)、t1、t2)にそれぞれ劣化度を掛ける、あるいは加熱手段制御値(Q01、Q02、Q03、Q04(=Qset)、Q1、Q2、Q3(=Qset))と吸着空気風量(Vad01、Vad02、Vad03、Vad04(=Vad_set)、Vad1、Vad2、Vad3(=Vad_set))に対してはそれぞれ劣化度で割った値に変更し、再生空気風量(Vde01、Vde02、Vde03、Vde04(=Vde_set)、Vde1、Vde2、Vde3(=Vde_set))に対しては、それぞれ劣化度を掛けた値に変更してもよいが、もちろんこれと異なる関係式を用いて、予めメモリ51に組み込んだ設定値を変更してもよい。設定値変更後は、ステップS4−9で、表示部10に「ハニカム交換時期です」といった内容の表示を行う。またS4−8で求めた劣化度が、予め定めた値より小さくない場合はS4−3に戻る。
【0123】
このように、水分吸着手段の前後に設置したセンサが検出した温度または湿度によって、吸着剤の経年劣化を検出するとともに、吸着剤の劣化度を求めて制御値を変更することにより、吸着剤が劣化しても加湿性能の低下を抑制することが可能な加湿装置を得ることができる。
【0124】
実施の形態5.
図23乃至25は、本発明における実施の形態5の構成を示したものであり、実施の形態1乃至4で説明した構成の除加湿装置を備えた、空気調和機の構成を示したものである。
図23は、本発明の実施の形態5における、加湿機能を有する空気調和機における室外側の内部斜視図であり、実施の形態1で説明した加湿ユニット100を、空気調和機の室外機200の上部に一体化して設置したものである。室外機200の内部には、周知のとおり、圧縮機201、室外機熱交換器202、室外機送風機203及び膨張弁204などが設置され、図示しない室内機の熱交換器と接続されて、ヒートポンプサイクルを形成している。加湿ユニット100については、実施の形態1と同一であるため説明を割愛する。
【0125】
次に、本実施の形態5における動作の一例について説明する。動作についても、加湿ユニット100内部については、実施の形態1と同一であるため説明を割愛する。
ヒートポンプサイクルが暖房運転を行っているとき、実施の形態1で説明したように、図6のダンパ位置<A>及び<B>となるように、第1風路切換ダンパ5及び第2風路切換ダンパ6を繰り返し切換えることにより、乾燥空気である吸着出口空気A2及び高温高湿空気である再生出口空気B2が、連続的に加湿ユニット100から排出される。このとき再生出口空気B2は、室内と室外を接続するダクトなどを経由して、第2送風手段3により室内へと搬送され、室内機から排出される高温空気とともに室内へ供給され、室内を暖房加湿する。
【0126】
このように、加湿ユニット100を空気調和機の室外機200の上部に一体化して設置することにより、新たに加湿ユニット100を設置するための床スペースを確保することなく、加湿機能を有する空気調和機を得ることができる。また、ヒートポンプサイクルの暖房運転と同時に、連続的に加湿空気を室内に供給することが可能となるため、暖房時の乾燥を防ぐことができるという効果が得られる。
【0127】
ここで、加湿空気の相対湿度が高くなる可能性の高い、再生工程開始後の所定期間において、実施の形態1乃至3で示したように、加熱手段制御値(Q)、再生空気風量(Vde)及び吸着空気風量(Vad)を制御して、目標性能を確保するための目標設定値より加湿量が少なくなるような値に設定し、段階的もしくは連続的に目標設定値に近づけることにより、加湿空気側の風路に結露を発生させることなく加湿運転を継続することが可能となる。
【0128】
特に実施の形態3で示したように、吸込空気の温度または湿度を検出し、その検出値から上記加熱手段制御値(Q)、再生空気風量(Vde)及び吸着空気風量(Vad)を目標設定値から変更する期間を設定することにより、設定期間が短すぎることによる加湿空気側風路における結露の発生や、設定期間が長すぎることによる加湿量不足を防ぐことができる。またこのとき、特に加熱手段制御値(Q)は、起動時には設定値Qsetより小さいQ01、Q02及びQ03に設定して段階的に上昇させているので、暖房運転時において最も圧縮機201が電力を消費する、高負荷の起動時における加熱手段制御値(Q)を抑えることができる。
【0129】
また実施の形態4と同様に、第1吸気口42、第1排気口12、第2吸気口13及び第2排気口43に、それぞれ吸着入口空気センサ56a、吸着出口空気センサ57a、再生入口空気センサ56b及び再生出口空気センサ57bを設置してもよい。これにより、水分吸着手段1の通過前に対する、通過後の温度または湿度の経年的な変化を検出し、設計値あるいは初期値に対する加湿量の低下を確認することができ、水分以外のガスを吸着したことによる、吸着剤の経年劣化を検出することができる。このとき、空調機には室外や室内の温度センサが具備されていることが多いので、センサの個数を削減しコストの増加を抑制できる。
【0130】
図23では、加湿ユニット100を空気調和機の室外機200の上部に一体化して設置しているが、室外機送風機203の送風を阻害しない位置であれば、室外機200の側面、あるいは底面に一体化して設置してもよい。どちらの場合でも、再生出口空気B2を室内に導くことが可能であり、底面に設置した場合は設置床スペースも変わらないため、加湿ユニット100を上部に一体化して設置した場合と同様の効果が得られる。
【0131】
また図23では、実施の形態1で説明したように、水分吸着手段1における吸着工程と再生工程の空気の流れ方向が対向となるように、第1層10に第2吸気口13及び第1排気口12、第4層40に第1吸気口42及び第2排気口43を設置しているが、同じ対向流であって、第1層10と第4層40の上下位置を逆転させてもよく、また第1層10に設置された第1排気口12と、第4層40に設置された第1吸気口42との位置を逆転させ、水分吸着手段1における吸着工程と再生工程とが並行流で行われるようにしてもよい。
【0132】
この場合、実施の形態3で説明した効果に加え、第1排気口12が室外機熱交換器202の空気吸込口付近である第4層40に配置されることになり、乾燥空気であり、かつ吸着熱により外気よりも若干温度が上昇した吸着出口空気A2が、ヒートポンプサイクルの暖房運転時に蒸発器である室外機熱交換器202に吸い込まれることになるので、室外機熱交換器202における着霜を抑制し、暖房運転効率を向上させるという効果も期待できる。
【0133】
図23では、吸着出口空気A2の排気専用として第1送風手段2を設置しているが、加湿ユニット100を空気調和機の室外機200に一体化して設置しているので、室外機100の上面に連通口を設け、室外機送風機203によって取り込まれた空気の一部を第1吸気口42に導いてもよい。この場合、第1送風手段2として室外機送風機203が兼用され、加湿ユニット100に設置する送風機は第2送風手段3のみでよいので、送風機の数を削減でき低コストとなる。
【0134】
また図23では、加湿ユニット100を空気調和機の室外機200の上部に一体化して設置しているが、空気調和機と連動して動作させれば、加湿ユニット100は、図24のように建物の外壁300aに設置してもよい。
建物の外壁300aに設置した場合は、第1排気口12と連通する吸着空気出口104は室外へ開放され、第2排気口43と連通する再生空気出口106は、既設の壁穴301と対面し密着されている必要があるが、再生出口空気B2を室内へ搬送するためのダクトが不要となり、低コスト化を図ることが可能である。さらに搬送距離が最短となるため、風路圧損及び騒音が小さくなり、第2送風手段3を小型化することも可能となり、信頼性が高くコンパクトな加湿機能を有する空気調和機を得ることができる。
【0135】
さらに、高湿である再生出口空気B2をダクトで搬送する場合、特に冬場ではダクトが外気により冷却されるため内部で結露する危険性が高いが、ダクトが不要であるために、加湿ユニット100で生成した加湿空気をロスなく有効に室内に供給することが可能となる。したがって実施の形態1で説明したような、加湿空気の相対湿度が高くなる可能性の高い、再生工程開始後の所定期間において、加熱手段制御値(Q)の制御では表1の値をそのまま用いてよいことになる。
【0136】
同様に、空気調和機と連動して動作させれば、加湿ユニット100は、図25のように建物の内壁300bに設置してもよい。
建物の内壁300bに設置した場合は、第2排気口43と連通する再生空気出口106は室内へ開放され、第1排気口12と連通する吸着空気出口104は、既設の壁穴301と対面し密着されている必要がある。しかし、建物の外壁300aに設置した場合と同様に、再生出口空気B2を室内へ搬送するためのダクトが不要となり、低コストで、再生空気送風手段3を小型化することによりコンパクトな加湿機能を有する空気調和機を得ることができるだけでなく、ダクト騒音やダクト内結露などの問題を回避することも可能となり、信頼性を確保できる効果が得られる。
【0137】
また、吸着入口空気A1として室内空気A0bを使用するので、加湿ユニット100の内部に室温以下の空気が流れることはなく、吸着風路を外気が流れる場合よりも、ユニット内部において結露が発生する危険性を回避できるという効果が得られる。さらに、再生入口空気B1として、暖房された室内空気A0bを加熱手段4にて昇温して使用するので、水分吸着手段1において水分の再生に必要な空気温度を得るために、加熱手段4にて昇温に必要な熱量が軽減されるという省エネ効果も得られる。加えて、再生出口空気B2はそのまま室内へ開放されるので、実施の形態1で説明したような、加湿空気の相対湿度が高くなる可能性の高い、再生工程開始後の所定期間において、加熱手段制御値(Q)の制御では表1の値をそのまま用いてよいことになる。
【0138】
以上のように、加湿ユニットを空気調和機と一体または別体で設置して、ヒートポンプサイクルの暖房運転と同時に加湿運転させることにより、実施の形態1乃至3で示した効果に加え、暖房時の乾燥を防ぐことが可能な加湿機能を有する空気調和機を得ることができる。このとき、加湿空気の相対湿度が高くなる可能性の高い、再生工程開始後の所定期間において、加熱手段の入力値を目標設定値より小さく設定し、かつ段階的に目標設定値に近づけることにより、結露を発生させずに室内を加湿することができる。加えて、最も圧縮機が電力を消費する、高負荷の起動時における加熱手段制御値を抑えることができる。
【0139】
実施の形態6.
図26は、本発明の実施の形態6における、加湿機能を有する空気調和機の概略構成図である。
実施の形態5で説明したように、空気調和機の室外機200の内部には、周知のとおり、圧縮機201、室外機熱交換器202、室外機送風機203、膨張弁204及び四方弁205などが設置され、室内機400の内部には、室内機熱交換器401及び室内機送風機402などが設置され、それぞれが接続されてヒートポンプサイクルを形成している。
【0140】
これに加えて、本実施の形態6では、圧縮機201の運転周波数を制御する圧縮機インバータ201aと、運転周波数の経時変化から空調負荷を検出する負荷検出手段58aとを備え、負荷検出手段58aの検出値に応じて予めメモリ51に組み込んだ設定値を変更して、第1の送風手段2の駆動モータ52、第2の送風手段3の駆動モータ53、または加熱手段4に入力する電力供給量(制御値)を決める電力供給手段54の少なくとも一つを制御する機能を制御部50に加えたものである。
【0141】
また図27は、本発明の実施の形態6における、加湿量制御方法の概念図である。
グラフ79は圧縮機インバータ201aによる圧縮機周波数(Hz)の時系列変化、設定値80は圧縮機周波数閾値(Hztri)である。設定値80aは起動時運転閾値(Hztri_ini)、設定値80bは高負荷側閾値(Hztri_h)、設定値80cは低負荷側閾値(Hztri_l)であり、設定値81は起動時に加熱手段制御値(Q)を一定にして運転する時間を意味する起動時制御値固定時間(tini)である。圧縮機周波数(Hz)と、圧縮機周波数起動時運転閾値80a(Hztri_ini)、圧縮機周波数高負荷側閾値80b(Hztri_h)及び圧縮機周波数低負荷側閾値80b(Hztri_l)との高低関係により加熱手段制御値(Q)が変更され、加湿量(Wde)=除加湿量(W)及び再生出口空気相対湿度(Φdeo)が変化することを意味している。その他の箇所については、実施の形態1と同一であるため説明を割愛する。
【0142】
次に、本発明の実施の形態6における動作の一例について説明する。図26の構成における基本的動作及び図27に示す加湿量の基本的な制御方法は、実施の形態1と同一であるため説明を割愛する。
図26に示す暖房運転時において、図27に示されている加熱手段制御値(Q)の時系列変化60のように、第1風路切換ダンパ5及び第2風路切換ダンパ6を回転させて吸着工程から再生工程に移行した際、Q=Qini<Qsetに設定しておき、制御値変更時間(tcha)の間に、加熱手段制御値(Q)を段階的に上昇させ、ダンパ切換からtcha経過後にQ=Qsetに設定する。すると、加湿量(Wde)=除加湿量(W)は時系列変化61に示されるように、徐々に上昇してダンパ切換からtcha経過後にWde=Wsetに到達し、再生出口空気相対湿度(Φdeo)は時系列変化62に示されるように、徐々に上昇はするが100%RHに到達することなく推移し、tcha経過後以降は低下するため、再生出口空気B2を結露させることなく運転することが可能となる。
【0143】
ここで、実施の形態1では、例えば表1に示したように、周囲空気の相対湿度に応じて、低湿(図8:60%RH)想定、標準(図9:80%RH)想定、高湿(図10:90%RH)想定のそれぞれに対し、時刻(t)と加熱手段制御値(Q)の関係を設定しておき、設置環境、地域などによって対応する設定を用いていた。しかし本実施の形態6では、圧縮機インバータ201aによって制御される、図27に示されるような圧縮機周波数(Hz)の時系列変化から、負荷検出手段58aにて空調負荷を想定している。例えば、Hz<Hztri_lの低負荷時では加熱手段制御値(Q)の大きい低湿(60%RH)想定の設定を、Hztri_l≦Hz<Hztri_lの標準負荷時では標準(80%RH)想定の設定を、Hz≧Hztri_hでは加熱手段制御値(Q)の小さい高湿(90%RH)想定の設定を選択するのがよい。これにより、空調負荷に応じた加湿量の制御が可能となり、圧縮機201が高周波数で運転している場合には加熱手段制御値(Q)が小さくなり、全体の消費電力を一定値以下に抑え、無駄な運転を防ぐことができる。
【0144】
また、特にある程度の時間放置した後に運転を再開した起動時については、通常のダンパ切換時よりも再生出口空気相対湿度(Φdeo)が上昇する可能性が高いため、実施の形態1では、ダンパ切換時の加熱手段初期制御値は、Qiniよりも低いQini0に設定し、同様に制御値変更時間は、tchaより長いtcha0に設定したが、本実施の形態6では、上述の負荷検出手段58aにより起動時運転を判別する。すなわち、圧縮機周波数(Hz)は時系列変化79に示されているように、通常暖房運転起動時には急激に上昇しその後徐々に低下するため、周波数が最高値に達した後にHz≦Hztri_iniとなるまでの時間(tini)を起動運転時間とみなし、その間は加熱手段制御値(Q)を上昇させずにQ=Qini0で固定して運転する。
【0145】
図8〜10の実測結果及び表1の加熱手段制御値(Q)の時系列変化60の設定値は、加湿装置から放出された直後の、再生出口空気B2に基づいたものである。しかし、例えば図23のように、加湿装置を室外に設置し、再生出口空気B2をダクトなどにより搬送して室内を加湿するような場合には、ダクト搬送過程において再生出口空気B2が冷却されて結露する可能性が高まるため、表1に示した値よりも、制御値変更時間(tcha)は長く、また加熱手段制御値(Q01、Q02、Q03、Q1、Q2)は低く設定する必要がある。
【0146】
図27に示した加湿量の制御方法は、風路切換ダンパ切換時間(tdump)>制御値変更時間(tcha)の場合におけるものであり、ダンパ切換が行われる前に必ず加熱手段制御値(Q)が設定値(Qset)に到達する制御となっているが、tdump≦tchaの場合には、QがQsetに到達していなくても、Qを加熱手段初期制御値(Qini)に設定する必要がある。
【0147】
ただし、この風路切換ダンパ切換時間(tdump)は、吸着工程及び再生工程の動作時間を最適化し、単位時間により多くの加湿量を確保するためのものであり、一般的には制御値変更時間(tcha)より短くなるが、再生出口空気相対湿度(Φdeo)が急激に上昇する可能性が高い起動後しばらくの間は、図27に示したようにダンパ切換を停止するか、あるいは加湿量(Wde)及び再生出口空気相対湿度(Φdeo)が安定できるように長く設定することが望ましい。
【0148】
また図27では、実施の形態1と同様に、加熱手段制御値(Q)による制御方法の一例を示したが、実施の形態2と同様に、再生空気風量(Vde)を制御値変更時間(tcha)の間に段階的に低下させてもよい。さらに、加熱手段制御値(Q)及び再生空気風量(Vde)による制御に加え、実施の形態1及び2で示したように、吸着空気風量(Vad)についても、制御値変更時間(tcha)の間に段階的に上昇させ、再生出口空気B2における結露を確実に防止してもよい。
【0149】
図27の加熱手段制御値(Q)の時系列変化60では、加熱手段制御値(Q)の変化が段階的に設定されているが、連続的に変化するように変更してもよい。加熱手段制御値(Q)が時間に対して単調増加させるような関数を予めメモリ51に設定し、制御部50がそれを読み出して、運転開始時の設定値から設定加湿量(Wset)まで加熱手段制御値(Q)が時間に対して連続的に増加させるように制御すればよい。
【0150】
以上のように、圧縮機の運転周波数から空調負荷を想定し、負荷に応じて加熱手段の入力値を制御し、特に高負荷となる暖房運転起動時の入力値を小さく抑えることにより、実施の形態5で示した効果に加え、負荷に応じた必要な加湿量を得ることができ無駄な運転を回避できるとともに、全体の消費電力を一定値以下に抑えることが可能となる。
【0151】
図28乃至29は本実施の形態6の制御方法を示すフローチャートであり、これを基に加湿装置の制御方法を説明する。
ステップS1−1で電源がONになると、ステップS5−2で制御部50が第1送風手段駆動モータ52、第2送風手段駆動モータ53及び加熱手段の電力供給手段54を駆動させる。このとき、加熱手段制御値(Q)は最小値である起動時加熱手段初期制御値(Qini0)に設定される。
【0152】
ステップS5−3で制御部50が圧縮機インバータ201aの圧縮機周波数Hzを読み込み、ステップS5−4で予めメモリ51に設定しておいた周波数最大値Hzmax(初期値はHzmax=0)と比較し、Hz≧Hzmaxであれば、ステップS5−5で最大値Hzmaxを現在Hzで置換えS5−3に戻り、S5−4においてHz<Hzmaxとなる、すなわちHzが最大値に到達するまでS5−3とS5−4を繰り返す。
【0153】
Hz<Hzmaxとなった後、ステップS5−6で予めメモリ51に設定しておいた起動時運転閾値Hztri_iniと比較し、Hz≧Hztri_iniであればS5−3に戻り、S5−6においてHz<Hztri_iniとなる、すなわちHzが低下して起動時運転を終了したと判断されたとき、ステップS5−7に移行する。
【0154】
S5−7ではこのステップを実施するのが1回目か否かを判定し、初めて起動時制御を通過した場合は、ステップS5−8で時刻tがリセットされ、ステップS5−9で制御部50が風路切換ダンパ回転モータ55を駆動させ、ダンパを切換えた後ステップS5−10へ進む。また、2回目以降と判定された場合は、S5−8、S5−9を省略してS5−10へ移行し、S5−10を介して図29に示したステップS5−11以降の通常時制御に進む。
【0155】
S5−11において、S5−3で読み込んだ圧縮機周波数から低負荷、標準負荷または高負荷を判定して、ステップS5−12乃至14で、制御部50が予めメモリ51に組み込まれていた、各負荷想定におけるt1、t2(=tcha)、t3(=tdump)、Q1、Q2及びQ3(=Qset)の表1の湿度想定に対するような関係表を読み出して、t1、t2及びt3に対応した加熱手段制御値(Q)をそれぞれQ1、Q2及びQ3に設定する。
【0156】
次にステップS5−15においてS5−8で時刻tがリセットされているので、実質的にダンパ切換からの経過時間t′に基づいて、ステップS5−16乃至18において、S5−12乃至14での設定値を用いて、実施の形態1のステップS1−12乃至14と同様に、ダンパ切換からの経過時間t1、t2(=tcha)及びt3(=tdump)の値に対して読み出した加熱手段制御値(Q)の値に基づいて電力供給手段54を制御し、ステップS5−21を介してS5−3に戻る。
【0157】
t′>tdumpになるまでこの制御はフィードバックをかけられ、S5−15においてダンパ切換からの経過時間t′がtdumpを経過したことが確認されたとき、ステップS5−19で経過時間t′がリセットされ、ステップS5−20で制御部50が風路切換ダンパ回転モータ55を駆動させ、ダンパを切換える。その後はS5−21を介してS5−3に戻り、起動時運転が終了していればS5−4乃至9は省略されるため、S5−11乃至20の通常時制御を繰り返すことになる。
【0158】
また、上述の説明では、加熱手段4の加熱手段制御値(Q)を吸込空気センサ56の検出値に基づいて制御する加湿装置について説明したが、図11における第1送風手段2による吸着空気風量(Vad)や、実施の形態2で説明した図13における第2送風手段3による再生空気風量(Vde)を、吸込空気センサ56の検出値に基づいて制御した場合も、再生出口空気相対湿度(Φdeo)は時系列変化62に示されるように、徐々に上昇はするが100%RHに到達することなく推移し、tcha経過後以降は低下するため、再生出口空気B2を結露させることなく運転することが可能となる。
【0159】
この風量制御は、図29のステップS5−12乃至14、S5−16乃至18における加熱手段制御値(Q)を、吸着空気風量(Vad)または再生空気風量(Vde)に変更して同様の制御方法を用いることにより実施することができる。また、加熱手段制御値(Q)、吸着空気風量(Vad)または再生空気風量(Vde)の1つを制御するだけでなく、これらを2つ以上組み合わせて加湿量を調整することもでき、この場合、再生出口空気B2をより確実に結露させることなく運転することが可能となる。
【符号の説明】
【0160】
1 水分吸着手段、2 第1送風手段、3 第2送風手段、4 加熱手段、5 第1風路切換ダンパ、5a 第1風路切換ダンパの上部突起、5b 第1風路切換ダンパの下部突起、6 第2風路切換ダンパ、6a 第2風路切換ダンパの上部突起、6b 第2風路切換ダンパの下部突起、10 第1層、11 第1の風路仕切板、11a 第1風路仕切板の突起、12 第1排気口、13 第2吸気口、20 第2層、21 第2風路仕切板、21a 第2風路仕切板の突起、30 第3層、31 第3の風路仕切板、31a 第3風路仕切板の突起、40 第4層、41 第4風路仕切板、41a 第4風路仕切板の突起、42 第1吸気口、43 第2排気口、50 制御部、51 メモリ、52 第1送風手段駆動モータ、53 第2送風手段駆動モータ、54 電力供給手段、54a AC電源、54b 抵抗切換装置、55 風路切換ダンパ回転モータ、56 吸込空気センサ、56a 吸着入口空気センサ、56b 再生入口空気センサ、57 吹出空気センサ、57a 吸着出口空気センサ、57b 再生出口空気センサ、58 劣化検出手段、58a 負荷検出手段、59 表示部、60 加熱手段制御値Qの時系列変化、61 除加湿量Wの時系列変化、62 再生出口空気相対湿度φdeoの時系列変化、63 加熱手段制御値Qの設定値Qset、64 除加湿量の設定値Wset、65 加熱手段初期制御値Qini、65a 起動時加熱手段初期制御値Qini0、66 再生入口空気相対湿度φdei、67 制御値変更時間tcha、67a 起動時制御値変更時間tcha0、68 ダンパ切換時間tdump、69 除加湿量W/設定除加湿量Wsetの時系列変化(実測値)、69a 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.2のとき、69b 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.3のとき、69c 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.4のとき、69d 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.5のとき、69e 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.6のとき、69f 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.8のとき、70 再生出口空気相対湿度φdeoの時系列変化(実測値)、70a 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.2のとき、70b 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.3のとき、70c 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.4のとき、70d 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.5のとき、70e 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.6のとき、70f 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.8のとき、71 吸着空気風量Vadの時系列変化、72 吸着空気風量の設定値Vad_set、73 吸着空気初期風量Vad_ini、73a 起動時吸着空気初期風量Vad_ini0、74 再生空気風量Vdeの時系列変化、75 再生空気風量の設定値Vde_set、76 再生空気初期風量Vde_ini、76a 起動時再生空気初期風量Vde_ini0、77 吸込空気温度Toの時系列変化、78 吸込空気温度閾値Totri、78a 吸込空気温度高温側閾値Totri_h、78b 吸込空気温度低温側閾値Totri_l、79 圧縮機周波数Hzの時系列変化、80 圧縮機周波数閾値Hztri、80a 圧縮機周波数起動時運転閾値Hztri_ini、80b 圧縮機周波数高負荷側閾値Hztri_h、80c 圧縮機周波数低負荷側閾値Hztri_l、81 起動時制御値固定時間tini、100 加湿ユニット、101 筐体、102 回転軸、103 吸着空気入口、104 吸着空気出口、105 再生空気入口、106 再生空気出口、200 室外機、201 圧縮機、201a 圧縮機インバータ、202 室外機熱交換器、203 室外機送風機、204 膨張弁、205 四方弁、300 建物の壁、300a 外壁、300b 内壁、301 壁穴、400 室内機、401 室内機熱交換器、402 室内機送風機、A0 吸込空気、A0a 室外空気、A0b 室内空気、A1 吸着入口空気、A2 吸着出口空気、B1 再生入口空気、B2 再生出口空気。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
風路仕切板によって第1領域と第2領域とに区分された水分吸着手段と、
前記水分吸着手段に送り込む高温空気を生成する加熱手段と、
室外空気を吸込み室外へ排気する第1送風手段と、
室外空気を吸込み室内へ給気する第2送風手段と、
前記第1送風手段が前記第1領域と連通し、且つ前記第2送風手段が前記第2領域と連通する第1のパターンと、前記第1送風手段が前記第2領域と連通し、且つ前記第2送風手段が前記第1領域と連通する第2のパターンとを切換える風路切換ダンパと
を備えた加湿装置であって、
前記風路切換ダンパの切換時は、前記加熱手段の制御値を前記加熱手段の目標制御値よりも小さな初期制御値に設定し、前記切換時から所定の期間内は、前記制御値を前記初期制御値から段階的にまたは連続的に大きくなるように設定し、前記所定の期間経過後は、前記制御値を前記目標制御値に設定する制御手段を有すること
を特徴とする加湿装置。
【請求項2】
前記加湿装置の起動時における前記所定の期間が、前記風路切換ダンパの2回目以降の切換時における前記所定の期間よりも長く設定されること
を特徴とする請求項1に記載の加湿装置。
【請求項3】
前記加湿装置の起動時における前記加熱手段の前記初期制御値が、前記風路切換ダンパの2回目以降の切換時における前記初期制御値よりも小さく設定されること
を特徴とする請求項1または2に記載の加湿装置。
【請求項4】
風路仕切板によって第1領域と第2領域とに区分された水分吸着手段と、
前記水分吸着手段に送り込む高温空気を生成する加熱手段と、
室外空気を吸込み室外へ排気する第1送風手段と、
室外空気を吸込み室内へ給気する第2送風手段と、
前記第1送風手段が前記第1領域と連通し、且つ前記第2送風手段が前記第2領域と連通する第1のパターンと、前記第1送風手段が前記第2領域と連通し、且つ前記第2送風手段が前記第1領域と連通する第2のパターンとを切換える風路切換ダンパと
を備えた加湿装置であって、
前記風路切換ダンパの切換時は、前記第2送風手段の送風量を前記第2送風手段の目標送風量よりも大きな初期送風量に設定し、前記切換時から所定の期間内は、前記送風量を前記初期送風量から段階的にまたは連続的に小さくなるように設定し、前記所定の期間経過後は、前記送風量を前記目標送風量に設定する制御手段を有すること
を特徴とする加湿装置。
【請求項5】
前記加湿装置の起動時における前記所定の期間が、前記風路切換ダンパの2回目以降の前記所定の期間よりも長く設定されること
を特徴とする請求項4に記載の加湿装置。
【請求項6】
前記加湿装置の起動時における前記第2送風手段の前記初期送風量が、前記風路切換ダンパの2回目以降の切換時における初期送風量よりも大きく設定されること
を特徴とする請求項4または5に記載の加湿装置。
【請求項7】
前記風路切換ダンパの切換時は、前記第1送風手段の送風量を前記第1送風手段の目標送風量よりも小さな初期送風量に設定し、前記切換時から所定の期間内は、前記送風量を前記初期送風量から段階的にまたは連続的に大きくなるように設定し、前記所定の期間経過後は、前記送風量を前記目標送風量に設定する制御手段を有すること
を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項8】
前記加湿装置に取り込まれる空気の温度または湿度を検出する入口空気センサを備え、前記制御手段が前記入口空気センサの検出値に基づいて前記加湿量を調整すること
を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項9】
前記風路Aにおいて、前記水分吸着手段よりも風下側に、出口空気温度または出口空気湿度を検出する出口空気センサと、
前記入口空気センサと前記出口空気センサとの検出値の差の経時的な変化から、前記水分吸着手段の劣化を検出する劣化検出手段とを備え、
前記制御手段が前記劣化検出手段の検出値に基づいて加湿量を調整すること
を特徴とする請求項8に記載の加湿装置。
【請求項10】
前記加湿装置の起動時は、前記風路切換ダンパを切換る時間間隔を所定値よりも長く設定し、前記風路切換ダンパを切換る毎に、前記時間間隔を徐々に短く設定していき、最終的に前記時間間隔を前記所定値に設定する制御手段を有すること
を特徴とする請求項9に記載の加湿装置。
【請求項11】
圧縮機、室外側熱交換器、絞り装置及び室内側熱交換器を有する空気調和機において、
請求項1〜10のいずれかに記載の加湿装置を備えたこと
を特徴とする空気調和機。
【請求項12】
前記圧縮機の運転周波数を検出する負荷検出手段を備え、前記制御手段が前記負荷検出手段の検出値に基づいて加湿量を調整すること
を特徴とする請求項11に記載の空気調和機。
【請求項13】
前記圧縮機の運転周波数から起動運転を検出する起動運転判定手段を備え、前記制御手段が前記起動運転判定の検出値に基づいて、前記起動時の前記所定の期間、前記加熱手段の制御値及び前記第2送風手段の送風量を調整すること
を特徴とする請求項12に記載の空気調和機。
【請求項14】
風路仕切板によって第1領域と第2領域とに区分された水分吸着手段と、
前記水分吸着手段に送り込む高温空気を生成する加熱手段と、
室外空気を吸込み室外へ排気する第1送風手段と、
室外空気を吸込み室内へ給気する第2送風手段と、
前記第1送風手段が前記第1領域と連通し、且つ前記第2送風手段が前記第2領域と連通する第1のパターンと、前記第1送風手段が前記第2領域と連通し、且つ前記第2送風手段が前記第1領域と連通する第2のパターンとを切換える風路切換ダンパと
を備えた加湿装置であって、
前記風路切換ダンパ切換時に、前記制御手段が前記加熱手段の制御値を前記加熱手段の目標制御値よりも小さな初期制御値に設定して運転を開始する第1工程と、
前記第1工程終了後に、前記制御手段が前記加熱手段の制御値を前記目標制御値まで段階的にまたは連続的に大きくなるように設定する第2工程と、
前記第2工程終了から次の前記風路切換ダンパ切換時までの期間は、前記制御手段が前記加熱手段の制御値を前記目標制御値に設定して運転を継続する第3工程とを備え、
前記第1工程、第2工程及び第3工程を繰り返すこと
を特徴とする加湿装置の制御方法。
【請求項15】
前記加湿装置の起動時は、前記制御手段が前記第1工程の前記初期制御値を前記風路切換ダンパの2回目以降の切換時における初期制御値よりも小さく設定して運転を開始すること
を特徴とする請求項14に記載の加湿装置の制御方法。
【請求項16】
前記加湿装置の起動時は、前記制御手段が前記第2工程の工程期間を前記風路切換ダンパの2回目以降の切換時における前記第2工程の工程期間よりも長く設定すること
を特徴とする請求項14または15に記載の加湿装置の制御方法。
【請求項17】
風路仕切板によって第1領域と第2領域とに区分された水分吸着手段と、
前記水分吸着手段に送り込む高温空気を生成する加熱手段と、
室外空気を吸込み室外へ排気する第1送風手段と、
室外空気を吸込み室内へ給気する第2送風手段と、
前記第1送風手段が前記第1領域と連通し、且つ前記第2送風手段が前記第2領域と連通する第1のパターンと、前記第1送風手段が前記第2領域と連通し、且つ前記第2送風手段が前記第1領域と連通する第2のパターンとを切換える風路切換ダンパと
を備えた加湿装置であって、
前記風路切換ダンパ切換時に、前記制御手段が前記第2送風手段の送風量を前記第2送風手段の目標送風量よりも大きな初期送風量に設定して運転を開始する第1工程と、
前記第1工程終了後に、前記制御手段が前記第2送風手段の送風量を前記目標送風量まで段階的にまたは連続的に小さくなるように設定する第2工程と、
前記第2工程終了から次の前記風路切換ダンパ切換時までの期間は、前記制御手段が前記第2送風手段の送風量を前記目標送風量に設定して運転を継続する第3工程とを備え、
前記第1工程、第2工程及び第3工程を繰り返すこと
を特徴とする加湿装置の制御方法。
【請求項18】
前記加湿装置の起動時は、前記制御手段が前記第1工程の前記初期送風量を前記風路切換ダンパの2回目以降の切換時における初期送風量よりも大きく設定して運転を開始すること
を特徴とする請求項17に記載の加湿装置の制御方法。
【請求項19】
前記加湿装置の起動時は、前記制御手段が前記第2工程の工程期間を前記風路切換ダンパの2回目以降の切換時における前記第2工程の工程期間よりも長く設定すること
を特徴とする請求項17または18に記載の加湿装置の制御方法。
【請求項20】
前記風路切換ダンパの切換時に、前記制御手段が前記第1送風手段の送風量を前記第1送風手段の目標送風量よりも小さな初期送風量に設定して運転を開始する第4工程と、
前記第4工程終了後に、前記制御手段が前記第1送風手段の送風量を前記目標送風量まで段階的にまたは連続的に大きくなるように設定する第5工程と、
前記第5工程終了から次の前記風路切換ダンパ切換時までの期間は、前記制御手段が前記第1送風手段の送風量を前記目標送風量に設定して運転を継続する第6工程とを備え、
前記制御手段が前記第4工程乃至第6工程を、前記第1工程乃至第3工程と平行して実行処理すること
を特徴とする請求項14〜19のいずれかに記載の加湿装置の制御方法。
【請求項21】
前記水分吸着手段よりも風上側に、入口空気温度検出手段または入口空気湿度検出手段を備えた加湿装置の制御方法であって、
前記入口空気温度検出手段または前記入口空気湿度検出手段が温度または湿度を検出する第7工程と、
前記第7工程にて検出された温度または湿度に基づいて、前記制御手段が予め定められた前記加熱手段の制御値、前記第2送風手段の送風量または前記第1送風手段の送風量の少なくとも一つの目標設定値、前記第1工程及び第4工程の前記初期送風量並びに前記第1工程乃至第6工程の工程期間を変更する第8工程を備え、
前記制御手段が前記第7工程及び第8工程を、前記第1工程乃至第6工程と平行して実行処理すること
を特徴とする請求項20に記載の加湿装置の制御方法。
【請求項22】
圧縮機、室外側熱交換器、絞り装置及び室内側熱交換器を備えた空気調和機において、
前記圧縮機の運転周波数を検出する負荷検出手段を備えた空気調和機の制御方法であって、
前記負荷検出手段が前記圧縮機の運転周波数を検出し、空調負荷を推定する第9工程と、
前記第9工程にて推定された空調負荷に基づいて、前記制御手段が予め定められた前記加熱手段の制御値、前記第2送風手段の送風量または前記第1送風手段の送風量の少なくとも一つの目標設定値、前記第1工程及び第4工程の初期送風量並びに前記第1工程乃至第6工程の工程期間を変更する第10工程とを備え、
前記制御手段が前記第9工程及び前記第10工程を、前記第1工程乃至第6工程と平行して実行処理すること
を特徴とする請求項20に記載の加湿装置の制御方法。
【請求項23】
前記圧縮機の運転周波数から起動運転判定手段を備えた空気調和機の制御方法であって、
前記起動運転判定手段が前記圧縮機の運転周波数を検出し、起動運転を判定する第11工程と、
前記第11工程にて起動運転と判定された際、前記制御手段が前記加熱手段の制御値、前記第2送風手段の送風量または前記第1送風手段の送風量の少なくとも一つを、前記第1工程または第4工程の開始制御値に設定する第12工程とを備え、
前記制御手段が前記第11工程及び前記第12工程を、前記第1工程乃至第6工程と平行して実行処理すること
を特徴とする請求項22に記載の加湿装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2010−281521(P2010−281521A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−135882(P2009−135882)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】