説明

効果剤を有する改良洗剤組成物

i)少なくとも1つの水溶性および/または分散性効果剤を含んでいる水相;ii)効果剤を含有する水相用の疎水性保護キャリヤー相;およびiii)乳化剤または分散剤を含んでいる、高pH感受性効果剤または活性物質の保存安定性キャリヤーとしての油中水エマルジョン系。同様に、この油中水エマルジョン系、および連続アルカリ相である第二相を含んでいるリンスオフ非液体クレンジング組成物も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非液体(例えば固体または棒状)リンスオフクレンジング組成物、特に、固体としておよび/または水溶液/分散液として疎水性相中に分散された、少なくとも1つのpH感受性効果剤(benefit agent)を有する界面活性剤ベースの高pH組成物に関する。
【0002】
本発明はしたがって、様々な高pH化粧品および/または洗剤配合物中への、特にベース配合物のこのような高アルカリ性pHと直接接触したときに、効果剤の有利な特徴を低下させるおよび/または影響を与える高pH配合物中への、pH感受性効果剤の効果的な組込みを提供する。本発明はまた、効果剤の基本的組成および性質に関して、通常は融和性がない環境においてでさえ、これら効果剤のより幅広い効果的な使用/適用が有利になるように組込まれた保護的pH感受性効果剤を含んでいる化粧品/洗剤配合物に関する。
【0003】
化粧品/洗剤ベース配合物は、製品形態および使用効果の点で、所望の消費者特性(consumer attributes)の付与におけるこの配合物の有効性の程度を決定しうることは周知である。
【0004】
第WO02/087516A2号は、次のような制汗剤スティック配合物を開示している。すなわち、微粒子制汗剤塩が、炭化水素油の主要フラクションを有する水不混和性キャリヤー油中に縣濁され、このキャリヤー油が、C14−C22線状脂肪族一価アルコールの混合物によって固化されており、これの混合物のうち、C14−C16アルコールが15から65重量%に相当する配合物である。重要なことには、この特許は、主要キャリヤー流体として選択的炭化水素油を用いたワックスベースのスティックを提供することによって、アルコール構造化制汗剤スティック中に通常見られる制汗剤スティック不均一性の問題に対処するための選択的制汗剤配合物を目的としている。
【0005】
米国特許出願第2003/0152539A1号は、製品の洗い流し(wash−off)および制汗剤有効性を阻害することが以前に知られている材料であるペトロラタムを含有する制汗剤組成物は、ペトロラタムが約0.05から約0.95%の比較的低い濃度で配合されるならば、製品の洗い流しおよび制汗剤有効性において消費者に感知される改良をもたらすように配合することができるという驚くべき発見に基づいて配合された、制汗剤組成物を開示している。
【0006】
上記のことは、様々な製品配合物における消費者特性を、製品形態の点で、ならびに使用/適用における有効性の両方の点に関して改良する必要性を証明することになる。しかしながら効果剤、および化粧品/洗剤ベース配合物中へのこれらの組込みは、消費者の感知しうる最終用途効果を付与し、製品に価値をつけ加えるのに有用であるが、ベース配合物中に組込まれることが望まれる効果剤の融和性を確認することが重要であるということに直面する。なぜならば、さもなければ、この効果剤の存在が、保存中に製品を劣化させ、および/または効果剤の通常の特性に影響を与えうるからである。
【0007】
米国特許第6,306,806号は、水性液体クレンジングおよび保湿組成物も開示している。この組成物において、効果剤とベース配合物との相互作用の問題が、二重室ディスペンサーを備えるという点で配慮され、界面活性剤/ベース含有ストライプが1つの室に備えられ、油中水エマルジョン含有効果ストライプが、他方の室に備えられ、これによって使用の間のみ、それぞれの室中のこれらの液体の2つの別々のストライプが現れる。このようにして、効果剤の有利な使用は、使用するまで界面活性剤ベースと効果剤との直接相互作用をまったく許すことなく達成され、効果剤の向上した付着を達成する。
【0008】
さらに、使用中に効果剤の付着の点で所望の有効性を維持するために、ベース液体配合物および効果剤を、物理的に分離された室に維持することが肝要であることが、上記米国特許第6,306,806号文献から明らかであろう。さもなければ、効果剤を含有する油中水エマルジョンが、水ベースの基本的配合物中に直接分散されているとき、このベースと、組込まれた油中水活性効果剤との相互作用によって、活性物質の付着において明らかな有効性の損失がある。このことは、油中水系中の活性物質の供給でさえ、使用中の所望の付着を達成するのに十分でないことを証明し、油中水エマルジョン中の活性物質の直接接触は、本質的に避けられるべきである。
【0009】
効果剤の非融和性の上記問題はさらに、化粧品および洗剤配合物との直接接触のとき、活性効果剤の付着における有効性の損失とは別に、非常に多くの場合、様々な製品形態が製品の外見における不安定性/劣化の問題も示すという事実からも明らかであろう。これは、この製品の消費者にとっての魅力の喪失につながるだけでなく、この製品形態を使用に適さないものにすることさえある。
【0010】
このように、製品形態および使用も視野に入れながら、これが組込まれることが要求される基本的化粧品/洗剤配合物中の効果剤、および効果剤がベース配合物中に組込まれることになる方法も、注意深く選択する必要があることが、周知である。
【0011】
したがって、制汗剤組成物は、通常低いpH/低刺激性配合物であり、様々な形態の制汗剤、例えばアルミニウム含有および/またはジルコニウム含有塩、または腋の下の汗、湿潤、および臭いを制御または阻害するための材料、例えばアルミニウムハロゲン化物、アルミニウムクロロハイドレート、ジルコンリー(zirconly)ヒドロキシハロゲン化物、およびこれらの混合物の直接組込みを包含する。
【0012】
このような制汗活性物質が、例えば通常は洗剤ベース配合物の場合のように、アルカリ性高pHベース配合物中に直接組込まれるとき、この制汗活性物質は通常反応し、この製品形態においてこのアイデンティティーを失うことが見い出された。特に、周知の制汗活性物質であるアルミニウムクロロハイドレート(ACH)溶液の、高pH洗剤配合物中への直接組込みは可能でないことが見いだされた。何故ならば、制汗活性物質はベース配合物と即座に反応し、このプロセスにおいて、ACHの沈殿を生じるからであるということが発見された。
【0013】
したがってこのような制汗剤は、洗剤配合物中に非常に有利に導入されうるという有利な特徴を有するが、制汗活性物質とアルカリ性洗剤ベースとの不融和性の問題によって、制汗活性物質の使用は、洗い流さない型(leave−on)の組成物にのみ限定されてきた。このことは必然的に、洗剤配合物中の効果剤としての制汗活性物質の有利な使用において、明らかな制限となる。
【0014】
製品の劣化につながる、効果剤とある特定の化粧品/洗剤配合物との不融和性の同様な問題が、またも高pH配合物を有する石鹸において、皮膚ホワイトニング活性物質であるナイアシンアミドの直接組込みにおいても見られる。ナイアシンアミドは0.1%を超えるレベルで石鹸中に組込まれたとき、石鹸ベースと相互作用し、この製品の望まれない着色を生じることが発見された。これもまた主要な問題である。何故ならば、石鹸中のナイアシンアミドの使用は製品に価値をつけ加え得るが、ナイアシンアミドの組込みの結果生じる着色は、棒状石鹸を美的に許容しえないものにするからである。重要なことには、このような配合物中のナイアシンアミドの効果的な使用のために、0.1%を超えるレベルで組込まれる必要があるので、石鹸配合物中のこの存在は、上記変色および製品の劣化によって避けられている。
【0015】
同様に、効果剤、例えば高レベルの無機塩の高pH石鹸配合物中への組込みは、エフロレッセンスの問題につながることが発見された。したがって、このような無機塩およびこれらの組込みは、有益な目的に役立ち、石鹸製品へ価値をつけ加えるが、エフロレッセンスのこのような問題は、石鹸ベースの配合物におけるこれらの使用および適用を制限する。
【0016】
同様に、このような無機塩のある最終使用用途、例えば水低使用製品において、これらの塩は、好ましくは、所望の効果を生じるため、および価値、および石鹸製品中へのこのような効果剤の組込みの目的をつけ加えるために、もっと後の段階において棒状石鹸から水中に放出されることが要求される。したがって、高pH石鹸配合物中へのこのような塩の直接組込みにおいて問題があるだけでなく、さらにはこれらの目的のためには、使用中の活性物質の遅延放出を必要とすることがあり、このことが、石鹸製品中のこのような活性物質の組込みの複雑さに加わる。
【0017】
石鹸配合物中への活性物質およびこれらの組込みは有利であり、製品へ価値をつけ加えるために必要とされるが、石鹸ベースの配合物と相溶性でない様々な効果剤/活性物質の直接組込みを用いて高pH石鹸を配合することは難しく、製品の劣化および/または有益な活性物質/効果剤の特徴の損失を生じ、これらの組込みを役に立たないものにすることが、上記のことから明白になるであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
このようにして、非液体高pHベース配合物、例えばアルカリ石鹸ベース配合物中への直接組込みに適合しないことがあるpH感受性効果剤の組込みを提供しうることが、本発明の基本的な目的である。他方、このことは、上で考察された当分野において経験された、このような効果剤の使用における不融和性および製品劣化の問題を回避するのを助け、他方で、製品形態における効果剤の有効性が、保存の間、および続く使用/適用において確実に維持されるのを助ける。
【0019】
本発明のもう1つの目的は、高pH非液体石鹸配合物中にpH感受性効果剤/活性物質を組込むための単純で選択的な保護キャリヤーを提供しうることである。他方、このことは、この配合物の使用まで、この効果剤と石鹸ベース配合物との相互作用によるあらゆる望まれない製品劣化を回避するであろう。他方、このことはまた、製品形態における効果剤の有効性が、保存の間、および続く使用/適用において確実に維持されるのを助けるであろう。
【0020】
本発明のさらにもう1つの目的は、配合物、例えば高pH感受性効果剤/活性物質を有する非液体石鹸/洗剤配合物を提供しうることであり、これによってこの石鹸組成物は、このようなpH感受性不相溶性効果剤/活性物質を組込むことができるだけでなく、この石鹸配合物の使用/適用の間に要求されるときにのみ、このような効果剤を放出するのに適するようにされ、これによって所望の有効性を維持するであろう。
【0021】
本発明のさらにもう1つの目的は、制汗剤、美白剤(skin lightening agent)、芳香剤、水軟化剤、容易なリンスオフ剤、および悪臭制御効果剤から選択されてもよい、不融和性の有益な活性物質を組込んでいる、高洗剤活性物質ベースのリンスオフ非液体クレンジング組成物であって、このような活性物質の保存安定性組込みを可能にし、この製品の続く使用/適用における所望の有効性を維持するであろう組成物を提供しうることである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
このようにして、本発明の第一の側面によれば、1つまたはそれ以上の界面活性剤の連続アルカリ相、および1つまたはそれ以上の疎水性材料を含む分散相を含んでいるリンスオフ非液体クレンジング組成物であって、少なくとも1つの高pH感受性水溶性/分散性効果剤が、疎水性相中に分散されている組成物が提供される。この組成物は、同じ保存安定を維持する効果を有し、使用中の所望の有益な作用を生じるであろう。
【0023】
好ましい側面によれば、1つまたはそれ以上の界面活性剤の連続アルカリ相、および1つまたはそれ以上の疎水性材料を含む分散相を含んでいるリンスオフクレンジング組成物であって、少なくとも1つの高pH感受性水溶性/分散性効果剤が、同じ保存安定性および使用中の所望の有益な作用を維持するように、固体としておよび/または水溶液/分散液として疎水性相中に分散されている組成物が提供される。
【0024】
本発明のさらなる好ましい側面によれば、高pH感受性効果剤/活性物質の保存安定性キャリヤーとしての油中水エマルジョン系であって、
i)少なくとも1つの水溶性および/または分散性効果剤を含んでいる水相;
ii)この効果剤を含有する水相用の疎水性保護キャリヤー;および
iii)乳化剤/分散剤
を含んでいる油中水エマルジョン系が提供される。
【0025】
本発明のさらに1つの好ましい側面によれば、高pH配合物中の効果剤/活性物質の保存安定性キャリヤー用の油中水エマルジョン系であって、
a)油中水エマルジョン、この油中水エマルジョンは、
i)少なくとも1つの水溶性および/または分散性高pH感受性効果剤を含んでいる水相;
ii)この効果剤を含有する前記水相用の疎水性保護キャリヤー;
iii)乳化剤
を含み;および
b)高pHベース配合物
を含んでいる油中水エマルジョン系が提供される。
【0026】
本発明の上に開示された油中水エマルジョンにおいて、この活性物質は典型的には、少なくとも1つの高pH感受性水溶性および/または分散性効果剤1から70重量%を含み;疎水性保護キャリヤーが典型的には、20から95重量%を構成し;および乳化剤/分散剤が典型的には、0.5から5重量%の量で含まれている。重要なことには、この効果剤が水溶性であり、選択的油中水エマルジョン中に組込まれるならば、この場合にはこれらの活性物質は、溶解度限界まで加えられてもよい。
【0027】
pH感受性効果剤が、同じ保存安定性および所望の有益な作用を使用中に維持するように、選択的油中水エマルジョン系を含んで、疎水性相中に分散されて備えられているならば、この油中水エマルジョン系は、この系が目的に合わせてなんらかの相互作用に付され、これによって活性物質が、効果的な使用/適用のためにこの系から放出されるまで、あらゆる高pH反応性ベース媒質との組合わせにおいて、あらゆる相互作用を受けずに効果的に保存されうることが、上記の発明によって発見された。
【0028】
したがって本発明は、高pH配合物中へのpH感受性効果剤の組込みを有利にするだけでなく、高pHベースおよびpH感受性効果剤の所望の非反応性保存、ならびにこのような不利な高pH環境においてでさえ、使用中の所望の有効性を維持するという二重の目的にも本質的に役立つ。
【0029】
本発明のもう1つの側面によれば、
− 連続アルカリ相を含んでいる洗剤活性物質5から80%;および
− 1つまたはそれ以上の疎水性材料を含んでいる分散相(ここにおいて、少なくとも1つの高pH感受性水溶性/分散性効果剤は、同じ保存安定性および使用中の所望の有益な作用を維持するように疎水性相中に分散されている。)
を含んでいる、リンスオフ石鹸/洗剤ベースのクレンジング組成物が提供される。
【0030】
本発明のもう1つの側面によれば、
− 連続アルカリ相を含んでいる洗剤活性物質5から80%;
− i)少なくとも1つの水溶性および/または分散性効果剤を含んでいる水相、ii)効果剤/活性物質を含有する水相用の疎水性保護キャリヤー;およびiii)乳化剤/分散剤を含んでいる、効果剤/活性物質の保存安定性キャリヤーとして油中水エマルジョン系を含む1つまたはそれ以上の疎水性材料を含んでいる分散相
を含んでいる、石鹸/洗剤ベース組成物が提供される。
【0031】
本発明のさらにもう1つの好ましい側面によれば、
− 連続アルカリ相を含んでいる洗剤活性物質5から80%;
− i)少なくとも1つの水溶性および/または分散性効果剤を含んでいる水相、ii)効果剤/活性物質を含有する水相用の油溶性添加剤をともなった、またはともなわない、好ましくは油ベースの疎水性保護キャリヤー;およびiii)乳化剤/分散剤を含んでいて、効果剤/活性物質の保存安定性キャリヤーとして油中水エマルジョン系を含む1つまたはそれ以上の疎水性材料を含んでいる分散相
を含んでいる、石鹸/洗剤ベース組成物が提供される。
【0032】
本発明の効果剤キャリヤーを含んでいる上記分散相において、効果剤は、あらゆる従来の入手可能な効果剤、例えば制汗剤、皮膚ホワイトニング剤、芳香剤、水軟化剤、リンスオフ剤および悪臭制御効果剤ならびにほかの従来の有益な活性物質に広範囲にわたってよい。
【0033】
本発明のいくつかの好ましい側面によれば、この効果剤は、制汗剤として選択的に高pH感受性ACHであってよく、これは、1つまたはそれ以上の疎水性材料を含んでいる分散相中に組込まれたとき、および石鹸配合物中に組込まれたとき、アルカリ石鹸配合物中へのACHの直接組込みのときに通常遭遇するACH沈殿の問題を回避するであろう。このようにして、本発明の配合物は、石鹸製品へ消費者特性を加えるために、石鹸配合物中へのこのような制汗剤の組込みを包含する石鹸ベース中の活性物質用の保護キャリヤーとして役立つであろう。
【0034】
同様に、1つまたはそれ以上の疎水性材料を含んでいる上記分散相を用いて、石鹸配合物中に、ほかの、通常は非相溶性pH感受性効果剤、例えばナイアシンアミド(美白補助剤)、PO(水軟化効果剤)、水溶性無機塩、例えばCaおよびMg(リンスをしやすくする補助剤として)ならびにタンパク質ベースの活性物質(例えば悪臭防止剤)を組込むことが可能である。
【0035】
目的および用いられた選択されたベース配合物に応じて、この活性物質は、油相中に可溶化されたおよび/または分散された保存安定状態に維持されるような量で選択的に供給される。
【0036】
本発明のもう1つの側面によれば、リンスオフ非液体クレンジング組成物の製造方法であって、
i)1つまたはそれ以上の界面活性剤の連続アルカリ相を供給する工程;および
ii)1つまたはそれ以上の疎水性材料を含んでいる分散相であって、少なくとも1つの高pH感受性水溶性/分散性効果剤が、使用中に同じ保存安定性および所望の有益な有効性を維持するように、疎水性相中に分散されている分散相を供給する工程
を含む方法が提供される。
【0037】
連続アルカリ相、および効果剤を含んでいる分散相を包含する上記の製造方法は、従来の非液体石鹸/洗剤製造方法、例えば注入成形経路、プロッディングなどにしたがって得ることができる。
【0038】
本発明のもう1つの側面によれば、分散相の製造方法であって、
i)好ましくは液体状態(乳化/分散の条件下に)にある油ベースの選択的疎水性キャリヤー、および乳化剤/分散剤を供給する工程、および20から95℃の温度範囲でこれを混合する工程;
ii)溶液および/または油相の分散液として効果剤/活性成分を添加する工程;
iii)疎水性キャリヤーおよび乳化剤ミックスを、水相または粉末と混合し、効果剤/活性物質用の保護キャリヤーを形成する工程;および場合により
ベース配合物中に(iii)の上記キャリヤーミックスを供給する工程
を含む方法が提供される。
【0039】
本発明のさらなる側面によれば、非液体石鹸/洗剤組成物の製造方法であって、
i)追加の油溶性活性物質および乳化剤をともなって、またはともなわずに、好ましくは液体状態(乳化の条件下に)にある油ベースの選択的疎水性キャリヤー、および乳化剤を供給する工程、および20から95℃の温度範囲でこれを混合する工程;
ii)溶液および/または油中の分散液としてpH感受性効果剤/活性成分を添加する工程;
iii)疎水性キャリヤーおよび乳化剤ミックスを、水相または粉末と混合し、効果剤/活性物質用の保護キャリヤーを形成する工程;および
iv)上記保護キャリヤーとアルカリベース洗剤配合物とを混合する工程
を含む方法が提供される。
【0040】
本発明はこのようにして、1つまたはそれ以上の界面活性剤の連続アルカリ相、および1つまたはそれ以上の疎水性材料を含んでいる分散相を含んでいる、リンスオフ非液体クレンジング組成物であって、少なくとも1つの高pH感受性水溶性/分散性効果剤が、使用中、同じ保存安定性および所望の有益な有効性を維持するように、疎水性相中に分散される組成物を提供する。
【0041】
pH感受性活性物質の直接組込みにおける製品形態の不安定性につながる、特に当分野において経験された、アルカリ石鹸ベース配合物とのいくつかの効果剤の不融和性の問題は、この効果剤が、使用中に同じ保存安定性および所望の有益な有効性を維持するように、選択的疎水性相中に分散されているような保護キャリヤー系中に供給されるならば、回避することができることが、本発明によって見い出された。
【0042】
重要なことには、この効果剤を有する分散相は、本発明による油中水エマルジョン系であってよく、したがって水溶液を含有するこの活性効果剤は、油中乳化に維持されるか、またはこの活性物質は、油中に分散されている。このようにして他方で、保存中のこの活性物質と環境/石鹸ベースとの相互作用は、この活性物質とベース配合物との間に油バリヤーがあるので最小限にされ、他方で、使用中の効果剤の所望の有効性は維持される。この油バリヤーが選択的にかき乱され、したがってこの活性効果剤が、この保護形態から滲出して、配合物中の効果剤の目的を果たすと推測されるのは、使用中のときだけである。
【0043】
有利には、本発明の配合物において、この効果剤を有する分散相中の活性物質の量は、選択された効果剤、および必要とされる最終用途/適用に基づいて、選択的に供給されるべきである。重要なことには、この効果剤がもっと後の時点で放出されることが要求される状況において、この分散相は、これが有益な適用のために暴露されることが望まれるまで、この活性物質を、疎水性キャリヤーの中でこの保護形態に維持することを容易にするようなものである。
【0044】
水性組成物、乳化剤レベル、および油濃度の点に関してこのベース系は典型的には、この系中に含まれることが望まれる効果剤のすべての変形例について同じであろう。しかしながら、油中水エマルジョンの水相における活性物質、すなわち効果剤の量は、この活性物質の溶解度または効果的な分散可能性の程度に応じて様々に変えることができる。
【0045】
石鹸/洗剤ベース配合物は、あらゆる従来の石鹸/洗剤配合物であってもよい。
【0046】
したがってこの分散相は、本質的に疎水性キャリヤーを包含し、これは好ましくは、鉱油、植物油、シリコーン油、および合成油を包含する多様な油から選択することができる。
【0047】
この油/疎水性キャリヤーは、揮発性または不揮発性であってもよい。
【0048】
揮発性油は、皮膚または毛髪の乾燥プロセスの間蒸発し、内部水相を放出する揮発性炭化水素油を含んでいてよい。これは、皮膚または毛髪と接触する、局所的に活性な第一化合物を含んでいる。
【0049】
1つの実施態様において、この油は、揮発性油と不揮発性油との組合わせを含んでいてよい。この実施態様において、油は、予め選択された温度で蒸発し、予め選択された温度で、局所的に活性な第一化合物の制御された放出を与えるように選択的に供給することができる。予め選択された温度は、例えばヘアドライヤーによって与えられるか、またはカーリングアイロンによって与えられた通常の毛髪乾燥の間に出会う温度である。
【0050】
既に記載されているように、この油はまた、水不溶性の局所的に活性な化合物を、この局所的に活性な化合物がエマルジョン組成物に悪影響を与えない(例えばエマルジョン不安定性を付与しない)かぎり、特別な機能的または美的効果(例えばエモリエンシー)を付与するのに十分な量で含んでいてもよい。
【0051】
既に記載されているように、この油はまた、不揮発性油であってもよい。この不揮発性油は、不揮発性シリコーン化合物、不揮発性炭化水素、またはこれらの混合物を含み得る。好ましくはこの不揮発性油は、50%未満の不飽和を含有する化合物を含んでいる。この不揮発性油は、皮膚または毛髪から蒸発しない。したがって局所的に活性な第一化合物は、皮膚または毛髪をこすって、第一油中水エマルジョンを破壊することによって放出される。不揮発性油相は、約250℃超の大気圧における沸点を有する。
【0052】
不揮発性シリコーン化合物の例には、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、またはポリアルキルアリールシロキサンが含まれる。これらの不揮発性シリコーン化合物のミックスもまた、有用である。
【0053】
不揮発性油はまた、不揮発性炭化水素化合物、例えば鉱油、ペトロラタム、ヒマワリ種子油、キャノーラ油またはこれらの混合物を含み得る。油相中に組込むことができるほかの不揮発性炭化水素化合物の例には、分岐2−デセンオリゴマー、例えば1−デセンダイマーまたはポリデセンが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0054】
この油はまた場合により、(1)油、例えばホホバ油、小麦の胚種油、またはパーセリンオイル(purcellin oil);または(2)水不溶性エモリエント、例えば少なくとも約10個の炭素原子、好ましくは約10から約32個の炭素原子を有するエステルを含み得る。
【0055】
適切なエステルには、約8から約20個の炭素原子を有する脂肪族アルコール、および2から約12個の炭素原子を含む脂肪族または芳香族カルボン酸、または逆に、約8から約20個の炭素原子を含む脂肪族または芳香族カルボン酸とともに、2から約12個の炭素原子を有する脂肪族アルコールを含んでいるものが含まれる。このエステルは、直鎖または枝分かれであってもよい。好ましくはこのエステルは、約500未満の分子量を有する。したがって適切なエステルには、例えば次のものが含まれるが、これらに限定されるわけではない:
(a)脂肪族一価アルコールエステル(例えば、イソプロピルイソステアレート、セチルアセテート、セチルステアレート);ミリスチルプロピオネート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、セチルアセテート、セチルプロピオネート、セチルステアレート;
(b)ポリカルボン酸の脂肪族ジ−およびトリ−エステル(例えば、ジイソプロピルアジペート);
(c)脂肪族多価アルコールエステル(例えばプロピレングリコールジペラルゴネート);および
(d)芳香族酸の脂肪族エステル(例えば、安息香酸のC12−C15アルコールエステル)。
【0056】
最も好ましくはぺトロラタムが、このエマルジョン系中の効果的な疎水性キャリヤーとして役立ちうる。
【0057】
この油中水エマルジョンに用いられる乳化剤は好ましくは、シリコンを含まない界面活性剤、または約10またはそれ以下のHLB値(すなわち約0.1から約10のHLB値)を有するシリコンを含まない界面活性剤のブレンドを含み得る低HLB乳化剤、油溶性シリコンベースの界面活性剤、油溶性ポリマー界面活性剤、またはこれらの混合物から選択することができる。好ましくは、このシリコンを含まない界面活性剤または界面活性剤ブレンドは、約1から約7のHLB値を有する。本発明を十分に活用するためには、このシリコンを含まない界面活性剤または界面活性剤ブレンドは好ましくは、約3から約6のHLB値を有する。本明細書において用いられている「油溶性」という用語は、真の溶液を形成するために、油100mlあたり少なくとも0.1gの溶解度を有する化合物を意味する。
【0058】
この油中水エマルジョンに用いられる特に好ましい乳化剤は、ポリソルベートエステル(例えばソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレートなど)、大豆ステロール、エトキシル化大豆ステロール、トリグリセロールジイソステアレート、オレイン酸モノグリセリド、高分子量脂肪酸と脂肪酸塩との混合物、およびペンタエリトリトールと脂肪アルコールとからなる混合エステルから選択される。
【0059】
上記の活性物質効果剤は、当分野において現在入手可能なあらゆる従来の効果剤であってよい。これらは、制汗剤、例えばACH、ナイアシンアミド(美白補助剤)、水溶性無機塩(容易なリンスオフ、水軟化効果など)、およびタンパク質ベースの活性物質(例えば悪臭防止剤)から選択することができる。活性物質の量は、この系の70%までであってもよく、エマルジョン系の場合、水相中の水溶性活性物質は、これらの溶解度限界までである。
【0060】
(実施例)
本発明の詳細、この目的、および利点は、下記の非限定的な実施例に関連して、以下にさらに詳細に説明される。
【実施例1】
【0061】
ACHが石鹸ベース中に直接導入されるときの通常のケースである、アルカリ媒質中の制汗剤活性ACHのpH依存性不安定性および沈殿を示すために、次の実験を実施した。
【0062】
当初pH4.6を有するACHの1%溶液を、水酸化ナトリウム溶液を用いることによって様々なアルカリ度に付し、この溶液の濁度を、ネフェロ比濁計(nephelometric turbidimeter)を用いて、様々なpHレベルで測定した。これらの結果は、表Iにおいて下記に詳細に示されている溶液の様々なpHレベルについて記録された。
【0063】
【表1】

【0064】
活性ACH溶液は、アルカリ条件において不安定であることがわかり、ACHは容易に沈殿し、より高いアルカリ度においてより高い濁度につながることが、上記のことから明白であろう。上記のことは、通常、本質的にアルカリ性である石鹸ベース中でのACHの調製の理由を確認した。
【実施例2】
【0065】
この実例は、アルカリ性石鹸配合物中の制汗剤活性物質としてのACH用の保護キャリヤーとしての、本発明の油中水エマルジョンの選択的で有利な適用を証明することを目的とし、これによって、石鹸中のACHの有益な使用/適用を容易にする。次の配合物例が得られた。
【0066】
実施例2a − 石鹸溶液の調製
1%石鹸溶液を、70℃で蒸留水中に石鹸を溶解し、ついでこの溶液を周囲温度に冷却することによって調製した。用いられた石鹸の配合を、下記に示す。
【0067】
【表2】

【0068】
実施例2b − 本発明による100mgACH組込み油中水エマルジョン系の調製
ペトロラタム中のACHの分散液または乳化液(emulsification)を、次のように調製した:
1.蒸留水中にACHを溶解し、60%溶液を形成する。
2.ペトロラタムを75℃に加熱し、融解したとき、乳化剤(ソルビタンモノオレエート)を、所望の濃度(2.5%)でこの中に溶解する。
3.ペトロラタムを攪拌しつつ、60%ACH溶液を、所望量で添加した。分散液の場合、ACH粉末を所望量で、ゆっくりと添加した。
4.活性物質の添加後、混合を10分間続行し、ついでエマルジョン/分散液を、攪拌しつつ周囲温度に冷却した。
【0069】
分散相、例えば実施例2bで調製された、本発明による油中水エマルジョン中に組込まれたACHの安定性を確かめるために、実施例2aで得られた石鹸溶液を用い、ACHおよび本発明の油中水エマルジョン(実施例2b)中のACHの直接添加の効果を調べた。
【0070】
上記調査の目的のために、実施例2aの同じ石鹸溶液の2つの別個のバッチを利用した。1つのバッチに、60mgACHを直接添加し、他方のバッチに、100mgACHを、上記実施例2bのように、油中水エマルジョン系を通して添加した。直接導入された活性ACH(対照)および油中水エマルジョン中の活性ACH(実施例2b)を含有するそれぞれの溶液のpHレベルおよび濁度を測定し、これらの結果を、下記の表IIに再び示す。
【0071】
【表3】

【0072】
効果剤としてのACHが、本発明の油中水エマルジョンを通して石鹸溶液中に導入されるとき、この溶液が、所望の比較的低い濁度レベルに維持され、アルカリ相中のACHの沈殿の問題が明らかに回避されることが、表IIの結果から明白であろう。
【0073】
他方、表Iから明らかになり、表IIによって確認されているように、石鹸溶液中への活性ACHの直接導入は、石鹸溶液のアルカリ相中のACHの沈殿を生じ、高い濁度レベルが、これを確認する。したがって上記のことは、油中水エマルジョンを通した保護形態での活性効果剤の有利な組込みを明らかに示唆しており、このことは、アルカリpH環境における効果剤の、必要とされる保護を達成しており、したがって様々なpH条件下でのこのような活性物質の効果的な使用を達成することができる。
【0074】
本発明の系におけるACHの安定性のさらなる証拠は、下記の実施例において示される。
【実施例3】
【0075】
この実施例において、ACHを含有するエマルジョン2.5gを、水100gまたは5%石鹸溶液100g中に浸漬した。1つのケースでは混合はなく、他方のケースでは、水は、磁気攪拌機/オーバーヘッドインペラーを用いて攪拌した。水は、所望の時間周期で抜き出し、ICPを用いてアルミニウム濃度について分析した。得られた結果を、下記の表IIIに詳細に示す。
【0076】
【表4】

【0077】
このデータは、攪拌下でさえ、エマルジョンから水中に滲出したACHの量は、2%未満であることを明らかに示している。
【0078】
さらなる調査を、石鹸配合物における油中水配合物キャリヤー中に組込まれたACHの有効性を確かめるために実施した。この目的のために、表IVのような内容物を有する対照石鹸ベースを用いた。
【0079】
【表5】

【0080】
上記の表IVの同じ石鹸配合物中に、油中水エマルジョン中のACHを、4%のレベルで組込んだ。油中水エマルジョン中のACHが組込まれた石鹸の組成を、下記の表Vに詳細に示す。
【0081】
【表6】

【0082】
表IVの対照石鹸および表Vの油中水エマルジョン中のACHを有する本発明の石鹸を、9人の志願者に適用し、これら2つの変種の石鹸を適用したときの悪臭に注目した。ランク付けは、0から5の尺度を基準にし、0はゼロ係数(no modular)であり、5は最悪であった。これらの結果を、下記の表VIに記載する。
【0083】
【表7】

【0084】
上記の結果から明らかなように、本発明によるエマルジョン形態のACHを含有する石鹸が、優れた制汗剤特徴を示した。
【実施例4】
【0085】
臨床調査
この調査は、37人の志願者を用いて実施した。これは、これらの結果を統計学的に分析するために必要とされる数である。表IVに記載された対照石鹸配合物および表Vに記載された実験石鹸配合物を、この調査に用いた。これらの製品は完全に無作為化され、同じ形状および香料を有していた。この調査を2週間実施し、臭気評価は、石鹸の使用後3日目に開始した。
【0086】
これらの志願者は、入浴の自然な状況で石鹸を用い、ついで評価センターに行った。ここで、0から5の尺度で(0は悪臭がない)悪臭をランク付けする訓練を受けた専門的評価者が、腋の下の臭気を、入浴後2、4、および8時間の時点でランク付けした。この調査の結果を、下記の表VIIに要約する。
【0087】
【表8】

【0088】
(*** − 99%および**** − 99.9%)
本発明によるエマルジョン形態のACHを含有する石鹸が、腋の下の悪臭発生の有意な減少を示したことは、上記の結果から明らかである。
【実施例5】
【0089】
棒状石鹸におけるACHの安定性
あるいくつかの効果剤は、例えばACHに対して高度にpH感受性であり、これは、石鹸配合物中に組込まれたとき、直接アルカリ石鹸中に組込まれるならばACHの沈殿を引起こすであろうような制汗剤である。本発明によれば、疎水性相中の高pH感受性効果剤の分散液は、この効果剤が、石鹸ベース中に保存されたとき、確実に安定性になるようにすることが見い出された。
【0090】
例えばACHについての効果剤が、石鹸のアルカリ環境において影響を受けずに存在することを証明するために、ソリッド・ステート(Solid State)27A1NMRを用いて、ACHを含有する棒状石鹸を特徴付けた。エマルジョン中のACHを含有する棒状石鹸のスペクトル(図1b)を、ストレートのACH粉末のもの(図1a)と比較する。このスペクトルから分かるように、ACHは、棒状石鹸中にそのまま残留する。3週間消費者によって用いられた棒状石鹸についても、同じスペクトルが得られた。このようにしてデータは、使用中でさえ、湿分が棒状石鹸中にしみ出るにつれて、ACHと石鹸との反応がないこと、および構造化エマルジョン系がこれを保護することを明らかに示している。
【0091】
このように、1つまたはそれ以上の疎水性材料を含んでいる分散相として、連続高pHアルカリ相およびpH感受性効果剤を包含するリンスオフ非液体クレンジング組成物を提供することが、本発明によって可能である。重要なことには、本発明は、選択的疎水性キャリヤー相中に分散された少なくとも1つの高pH感受性水溶性/分散性効果剤の有利な使用を目的とする。これは、驚くべきことに、同じ保存安定性を維持するのみならず、使用中に所望の有益な有効性も維持する。このように、本発明は、高pHアルカリ石鹸/洗剤配合物中へのpH感受性効果剤の組込みの制限を回避するであろう。
【0092】
このように、本発明は、高pHアルカリ石鹸ベース配合物が、pH感受性効果剤でさえ組込むことを可能にし、上記のように当分野において経験されたこのような効果剤の使用における不融和性および製品劣化の問題を回避するであろう。重要なことには、同様に本発明による石鹸組成物および活性/効果剤の選択的分散相はまた、不相溶性pH感受性効果剤/活性物質の組込みでさえ可能にするであろう。これにより、石鹸配合物の使用/適用の間に必要とされるときにのみ放出することができ、使用されていないとき、これらを保存安定性に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1a】27AINMRを用いた、ストレートACH粉末を含有する棒状石鹸のスペクトルである。
【図1b】27AINMRを用いた、エマルジョン中のACHを含有する棒状石鹸のスペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)少なくとも1つの水溶性および/または分散性効果剤を含んでいる水相;
ii)前記効果剤を含有する水相用の疎水性保護キャリヤー相;および
iii)乳化剤または分散剤
を含んでいる、高pH感受性効果剤または活性物質の保存安定性キャリヤーとしての油中水エマルジョン系。
【請求項2】
前記効果剤が、固体としておよび/または水溶液/分散液として疎水性相中に分散されている、請求項1に記載の油中水エマルジョン系。
【請求項3】
前記効果剤が、1から70重量%の範囲で存在する、請求項1または2に記載の油中水エマルジョン系。
【請求項4】
前記疎水性保護キャリヤーが、20から95重量%の範囲で存在する、請求項1から3のいずれか1項に記載の油中水エマルジョン系。
【請求項5】
前記乳化剤/分散剤が、0.5から5重量%の範囲で存在する、請求項1から4のいずれか1項に記載の油中水エマルジョン系。
【請求項6】
前記効果剤が、この作用物質の溶解度限界まで存在する、請求項1から5のいずれか1項に記載の油中水エマルジョン系。
【請求項7】
前記効果剤が水溶性である、請求項6に記載の油中水エマルジョン系。
【請求項8】
前記乳化剤が、ポリソルベートエステル、大豆ステロール、エトキシル化大豆ステロール、トリグリセロールジイソステアレート、オレイン酸グリセリド、または(高分子量脂肪酸および脂肪酸塩およびペンタエリトリトールおよび脂肪アルコールを含んでいる)混合エステルの混合物、またはこれらの混合物である、請求項1から7のいずれか1項に記載の油中水エマルジョン系。
【請求項9】
前記乳化剤が、10未満のHLB値を有する、請求項1から8のいずれか1項に記載の油中水エマルジョン系。
【請求項10】
前記乳化剤が、3から6のHLB値を有する、請求項1から9のいずれか1項に記載の油中水エマルジョン系。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の油中水型エマルジョン系を含み、連続アルカリ相である第2相をさらに含むリンスオフ非液体クレジング組成物。
【請求項12】
前記連続アルカリ相が、1つまたはそれ以上の界面活性剤を含んでいる、請求項11に記載のリンスオフ非液体クレンジング組成物。
【請求項13】
前記高感受性効果剤が、固体としておよび/または水溶液もしくは分散液として疎水性相中に分散されている、請求項11または12に記載のリンスオフ非液体クレンジング組成物。
【請求項14】
i)連続アルカリ相を含んでいる5から80%洗剤活性物質;および
ii)請求項1から13のいずれか1項に記載の油中水エマルジョン系を包含する1つまたはそれ以上の疎水性材料を含んでいる分散相
を含んでいる、請求項11から13のいずれか1項に記載の、リンスオフ非液体クレンジング石鹸/洗剤ベース組成物。
【請求項15】
前記分散相が揮発性油および/または不揮発性油を含み、前記揮発性油および/または不揮発性油は鉱油、植物油、シリコーン油もしくは合成油、またはこれらの混合物であってよい、請求項1から14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記分散相が不揮発性炭化水素を含み、前記不揮発性炭化水素は、分岐1−デセンオリゴマーであり、1−デセンダイマーおよびポリデセンから選択されてよく、または少なくとも8個の炭素原子を有するエステルであってよい水溶性エモリエントを含んでいる、請求項1から15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
前記不揮発性油が、50%未満飽和を含有する化合物を含んでいる、請求項1から16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記不揮発性油相が、250℃超の大気圧における沸点を有する、請求項1から17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
前記疎水性相が、ペトロラタムを含んでいる、請求項1から18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
前記効果剤が、制汗剤、皮膚ホワイトニング剤、芳香剤、水軟化剤、リンスオフ剤、悪臭制御効果剤およびタンパク質ベース活性物質から選択される、請求項1から19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
前記効果剤が、高pH感受性ACH制汗剤塩、ナイアシンアミド、POまたはカルシウムもしくはマグネシウム塩である、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記油が、予め選択された温度で蒸発し、予め選択された温度で局所的に活性な化合物の制御された放出/付着を与えるように選択される、請求項1から21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
分散相が、
i)好ましくは(乳化/分散の条件下に)液体状態における油ベースの選択的疎水性キャリヤーおよび乳化剤/分散剤を供給する工程、および20から95℃の温度範囲でこれらを混合する工程;
ii)溶液および/または油相中の分散液として効果剤/活性成分を添加する工程;
iii)疎水性キャリヤーおよび乳化剤ミックスを、水相または粉末と混合し、効果剤/活性物質のための保護キャリヤーを形成する工程;および場合により
iv)ベース配合物中に(iii)の前記キャリヤーミックスを供給する工程
によって調製される、請求項1から22のいずれか1項に記載の組成物のエマルジョン系の供給方法。
【請求項24】
追加の油溶性活性物質が存在する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記エマルジョン系が、アルカリベース洗剤配合物中に混合される、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
前記エマルジョン系が、注入成形またはプロッディング(plodding)のどちらかによって、アルカリベース洗剤配合物中に混合される、請求項25に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【公表番号】特表2007−509878(P2007−509878A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537164(P2006−537164)
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012091
【国際公開番号】WO2005/044212
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】