説明

動体追跡照射装置、動体追跡照射方法およびプログラム

【課題】 透視X線による不要な被曝を大幅に低減することができる動体追跡照射装置を提供することである。
【解決手段】 腫瘍近傍に埋め込まれた腫瘍マーカを第1及び第2方向から撮像して第1及び第2透視画像を得るX線透視装置と、第1及び第2透視画像に基づいて求められた腫瘍マーカの実測定位置である時系列位置データが格納される時系列位置データ記憶部と、新たな透視画像を取得した第1時点、或いは第1時点の1つ前の透視画像を取得した第2時点と第1時点との間において、第1時点における腫瘍マーカの位置データを除く時系列位置データに基づいて第1時点における腫瘍マーカの位置を推定する位置推定部と、第1時点における実測定位置と推定位置とを比較して、実測定位置と推定位置との差が、所定の許容値よりも小さいか否かを判定する判定部とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、放射線治療に用いられる動体追跡照射装置、動体追跡照射方法およびプログラムに関する。より詳細には、本発明は、透視X線による不要な被曝の大幅な低減を可能にする動体追跡照射装置、動体追跡照射方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
放射線治療に用いる装置として、動体追跡照射装置が知られている。動体追跡照射装置は、治療部位にX線不透過なマーカを埋め込み、埋め込んだマーカをX線透視装置でモニタして治療部位の位置変動を把握し、適切な位置で放射線を照射して治療を行う装置である。動体追跡照射装置は、マーカの三次元的な位置を的確に把握するため、二方向からマーカをモニタする二方向X線透視型式のものが一般的である。このような動体追跡照射装置としては、本発明者などが開発した装置(特許文献1参照)の他、種々の装置が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特許第3053389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の二方向X線透視型式の動体追跡照射装置の観測タイミングは一定であり、治療の間、継続して透視が行われる。したがって、例えば、マーカが殆ど動かないような場合や、治療部位が治療計画の位置から大きく離れて、マーカの観測精度が要求されないような場合であっても、透視が継続して行われるため、本来、必要のない箇所にも放射線の照射が行われるという課題があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みて開発されたものであって、透視X線による不要な被曝を大幅に低減することができる動体追跡照射装置、動体追跡照射方法およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願請求項1に記載の動体追跡照射装置は、腫瘍近傍に埋め込まれた腫瘍マーカを第1及び第2方向から撮像して第1及び第2透視画像を得るX線透視装置と、前記第1及び第2透視画像に基づいて求められた前記腫瘍マーカの実測定位置である時系列位置データが格納される時系列位置データ記憶部と、新たな透視画像を取得した第1時点、或いは前記第1時点の1つ前の透視画像を取得した第2時点と前記第1時点との間において、前記第1時点における前記腫瘍マーカの位置データを除く前記時系列位置データに基づいて前記第1時点における前記腫瘍マーカの位置を推定する位置推定部と、前記第1時点における実測定位置と推定位置とを比較して、前記実測定位置と前記推定位置との差が、所定の許
容値よりも小さいか否かを判定する判定部とを備えていることを特徴とするものである。
【0007】
本願請求項2に記載の動体追跡照射装置は、前記請求項1の装置において、前記差が前記許容値よりも小さい場合には、前記X線透視装置へのX線出力タイミングパルスの出力を抑制又は停止するように構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
本願請求項3に記載の動体追跡照射装置は、前記請求項1又は2の装置において、前記許容値がステップ状に設定されており、前記差がいずれの許容値を満足するかに応じて、透視X線の間引き度を選定するように構成されていることを特徴とするものである。
【0009】
本願請求項4に記載の動体追跡照射装置は、前記請求項1から請求項3までのいずれか1項の装置において、前記位置推定部における前記腫瘍マーカの位置の推定が、多項式近似処理によって行われることを特徴とするものである。
【0010】
本願請求項5に記載の動体追跡照射方法は、腫瘍近傍に埋め込まれた腫瘍マーカをX線透視装置によって第1及び第2方向から撮像して第1及び第2透視画像を得る段階と、前記第1及び第2透視画像に基づいて、前記腫瘍マーカの実測定位置である時系列位置データを求める段階と、新たな透視画像を取得した第1時点、或いは前記第1時点の1つ前の透視画像を取得した第2時点と前記第1時点との間において、前記第1時点における前記腫瘍マーカの位置データを除く前記時系列データに基づいて前記第1時点における前記腫瘍マーカの位置を推定する段階と、前記第1時点における実測定位置と推定位置とを比較して、前記実測定位置と前記推定位置との差が、所定の許容値よりも小さいか否かを判定する段階とを含むことを特徴とするものである。
【0011】
本願請求項6に記載の動体追跡照射方法は、前記請求項5の方法において、前記差が前記許容値よりも小さい場合には、前記X線透視装置へのX線出力タイミングパルスの出力を抑制又は停止する段階を更に含むことを特徴とするものである。
【0012】
本願請求項7に記載の動体追跡照射方法は、前記請求項5又は6の方法において、前記許容値がステップ状に設定されており、前記差がいずれの許容値を満足するかに応じて、透視X線の間引き度を選定することを特徴とするものである。
【0013】
本願請求項8に記載の動体追跡照射方法は、前記請求項1から請求項3までのいずれか1項の方法において、前記腫瘍マーカの位置の推定が、多項式近似処理によって行われることを特徴とするものである。
【0014】
本願請求項9に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムは、腫瘍近傍に埋め込まれた腫瘍マーカをX線透視装置によって第1及び第2方向から撮像して得られた第1及び第2透視画像に基づいて、前記腫瘍マーカの実測定位置である時系列位置データを求めるステップと、新たな透視画像を取得した第1時点、或いは前記第1時点の1つ前の透視画像を取得した第2時点と前記第1時点との間において、前記第1時点における前記腫瘍マーカの位置データを除く前記時系列データに基づいて前記第1時点における前記腫瘍マーカの位置を推定するステップと、前記第1時点における実測定位置と推定位置とを比較して、前記実測定位置と前記推定位置との差が、所定の許容値よりも小さいか否かを判定するステップとを含むことを特徴とするものである。
【0015】
本願請求項10に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムは、前記請求項9のプログラムにおいて、前記許容値がステップ状に設定されており、前記差がいずれの許容値を満足するかに応じて、透視X線の間引き度を選定することを特徴とするものである。
【0016】
本願請求項11に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムは、前記請求項9又は10のプログラムにおいて、前記腫瘍マーカの位置の推定が、多項式近似処理によって行われることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、患者の治療部位に埋め込まれた腫瘍マーカ16の動きに合わせて、腫瘍マーカ16の追跡ができなくならない程度にX線透視装置の撮像レートを増減させることにより、透視X線による不要被曝を大幅に低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態に係る動体追跡照射装置について詳細に説明する。図1は、本発明の好ましい実施の形態に係る動体追跡照射装置を模式的に示した全体図である。図1において全体として参照符号10で示される本発明の好ましい実施の形態に係る動体追跡照射装置は、ライナック12を備えている。図1において、参照符号14、16、18は、ライナック12から照射される治療ビーム、患者の体内の腫瘍に埋め込まれる腫瘍マーカ、天板を有する治療台をそれぞれ表している。なお、腫瘍マーカ16は、直径1〜2mm程度の大きさのものであって、Au、Pt、Ir等の人体に害が少なく且つX線の吸収が大きい材料で形成されており、治療台18の天板は、CFRP等のX線の吸収が少ない材料で形成されている。
【0019】
動体追跡照射装置10は又、第1X線透視装置20と、第2X線透視装置22とを備えている。第1X線透視装置20は、治療室床下に設置された第1X線管20aと、第1X線管20aから照射されるX線を絞るための第1コリメータ20bと、アイソセンタを挟んで第1X線管20aの対角にあたる治療室天井に設置された第1イメージインテンシファイア20cと、第1イメージインテンシファイア20cに接続された第1TVカメラ20dと、第1X線管20aを制御する第1X線高電圧装置20eとを有している。また、第2X線透視装置22は、治療室床下に設置された第2X線管22aと、第2X線管22aから照射されるX線を絞るための第2コリメータ22bと、アイソセンタを挟んで第2X線管22aの対角にあたる治療室天井に設置された第2イメージインテンシファイア22cと、第2イメージインテンシファイア22cに接続された第2TVカメラ22dと、第2X線管22aを制御する第2X線高電圧装置22eとを有している。
【0020】
なお、図1において、参照符号20f、22fは、第1X線管20aから照射されるX線、第2X線管22aから照射されるX線をそれぞれ表している。
【0021】
動体追跡照射装置10は又、ライナック12の治療ビームを直接オン/オフ制御するライナック照射制御部24と、第1TVカメラ20dに接続された第1TVカメラ制御ユニット26と、第2TVカメラ22dに接続された第2TVカメラ制御ユニット28とを備えている。
【0022】
動体追跡照射装置10は更に、ライナック照射制御部24、第1TVカメラ制御ユニット26、第2TVカメラ制御ユニット28、第1X線高電圧装置20e、及び第2X線高電圧装置22eにそれぞれ接続されたコンピュータ30を備えている。
【0023】
コンピュータ30は、画像入力部32と、認識処理部34と、中央演算処理部36と、トリガ制御部38と、時系列位置データ記憶部40と、位置推定部42と、判定部44と、画像表示部40と、モニタ42とを有している。
【0024】
次に、以上のように構成された動体追跡照射装置10の動作について説明する。まず、腫瘍マーカ16の時系列的な位置データを取得する。時系列位置データの取得は、例えば、上述の特許文献1に詳細に記載されている方法で行う。その方法を簡単に説明すると、以下のとおりである。最初に、中央演算処理部36の指示に基づき、トリガ制御部38から第1及び第2X線高電圧装置20e、22eにX線出力タイミングパルスAを出力する。これと同時に、トリガ制御部38から第1及び第2TVカメラ制御ユニット26、28並びに画像入力部32に同期信号Bを送出すると、第1及び第2TVカメラ20d、22dの画像が一定周期で同期しながら認識処理部34に送られる。一方、第1及び第2X線管20b、22bからそれぞれ照射されたパルス状のX線20f、22fが、治療台18上の患者の体内の腫瘍近傍に埋め込まれた腫瘍マーカ16付近を通り、第1及び第2イメージインテンシファイア20c、22cの管面にそれぞれ透視像を形成する。これらの透視像を、第1及び第2TVカメラ20d、22dにより電気信号に変換し、第1及び第2カメラ制御ユニット26、28を経て画像入力部32に入力し、所定の解像度及び階調にデジタイズされた透視像との間で濃淡正規化相互相関によるテンプレートマッチングを実行して、腫瘍マーカ16の2次元座標を求め、更に、中央演算処理部36において、2次元座標を基にして3次元座標を得る。
【0025】
このような操作を繰り返すことにより、腫瘍マーカ16の時系列的な座標(位置)X-n,・・・,X-2,X-1,X0 を求め、時系列位置データとして時系列位置データ記憶部40に格納する(X-n,・・・,X-2,X-1,X0 は、t=−n,・・・,−2,−1,0における腫瘍マーカ16の位置をそれぞれ表す)。これらの時系列位置データは、腫瘍マーカ16の実測定位置を示すデータとなる。
【0026】
次いで、位置推定部42において、現在時点t=0における位置データX0 を除いた時系列位置データ(X-n,・・・,X-2,X-1)を基にして、現在時点(t=0)における腫瘍マーカ16の位置x0 を推定する。過去の時系列位置データ(X-n,・・・,X-2,X-1)から現在の位置x0 を推定するのには、例えば、多項式近似モデルを用いる。すなわち、この多項式近似モデルでは、腫瘍マーカの位置を時刻tの多項式として近似する。なお、多項式近似モデルのパラメータは、最小二乗アルゴリズムや逐次最小二乗アルゴリズム等により決定する。
【0027】
次いで、判定部44において、現在時点(t=0)における腫瘍マーカ16の推定位置x0 と、時系列位置データ記憶部40に格納されている位置データ(実測定位置)X0 とを比較して、推定位置x0 と実測定位置X0 との差が予め定めた許容値αよりも小さいか否かを判定し、許容値αよりも小さい場合には、中央演算処理部36からトリガ制御部38に透視X線の間引き指示を送る。中央演算処理部36からトリガ制御部38に間引き指示が送られると、トリガ制御部38は、第1及び第2X線高電圧装置20e、22eへのX線出力タイミングパルスAの出力を抑制し又は停止する(X線出力タイミングパルスAの出力が抑制されると、透視X線照射量が通常の場合よりも低減され、X線出力タイミングパルスAの出力が停止されると、透視X線が照射されない)。なお、このような判定に用いる許容値αとしては、実測定位置X0 に対する推定位置x0 の距離の他、例えば、推定に使用する近似式を求める際に得られた誤差の標準偏差値を用いてもよい。
【0028】
透視X線の間引きが行われると、当該時点において透視X線の出力が抑制されるが、この場合であっても、対応する画像情報の送受は行われる。このような場合には、画像情報に、無効を示す識別情報が付加され(従って、画像は無効とされ)、同期信号のみが意味をもつこととなる。なお、透視X線の間引きが行われ、X線出力タイミングパルスAの出力が停止されると、透視X線は照射されず、従って、画像情報は生成されない。
【0029】
このようにして、X線を照射して腫瘍マーカ16の位置を実測定しなくとも、腫瘍マーカ16の位置を所要の確度で推定し続けるのに支障のない箇所を抽出し、そのような箇所では、透視X線を照射せずに或いは透視X線の照射を抑制して、推定した位置を使用することにより、透視X線の照射量を大幅に低減することができる。
【0030】
そして、実測定された腫瘍マーカ16の位置、或いは推定された腫瘍マーカ16の位置が、医師の策定した治療計画上の腫瘍マーカ位置を満足する場合には、トリガ制御部38は、ライナック照射制御部24に治療ビームイネーブル信号Cを送出し、治療ビーム14が照射される。なお、治療ビーム照射位置の正確性を期すため、腫瘍マーカ16の位置が推定位置である場合には、治療ビーム14を照射しないように構成してもよい。
【0031】
上述の形態では、推定位置x0 と実測定位置X0 との比較において単一の許容値αが定められているが、ステップ状の許容値α1 、α2 、α3 、・・・を設定し、いずれの許容値αi (i=1,2,3,・・・)を満足するかに応じて、透視X線の間引きの度合(間引き度)を変更するように構成してもよい。すなわち、例えば、3ステップの許容値α1、α2 、α3 (α1 <α2 <α3 )を設定し、許容値α3 を満足している場合には透視X線を1フレーム間引きし(1回毎に間引く)、許容値α2 を満足している場合には透視X線を2フレーム間引きし(1回照射して2回間引く)、許容値α1 を満足している場合には透視X線を3フレーム間引く(1回照射して3回連続して間引く)ように構成してもよい。
【0032】
また、上述の形態では、現在位置x0 の推定は、現在情報(現在時点t=0における腫瘍マーカ16の実測定位置)X0 を取得してから行われている(図3においてT1 で示す時点)が、処理の負荷を軽減して効率を高めるため、1フレーム前の時点(t=−1)における実測定位置X-1を取得した後、現在情報X0 を取得する前に(図3においてT2 で示す時点)、現在位置x0 を推定してもよい。動体追跡処理は時系列的に連続して行われるため、例えば、第nフレームの処理後に第(n+1)フレームの位置を推定するのは、第(n+1)フレームが透視X線の間引きを行う無効フレームである場合には必須である一方、第(n+1)フレームが透視X線の間引きを行わない有効フレームである場合にも、実測定位置との比較を行うのに使用することができる。
【0033】
また、上述の実施の形態において、近似式を用いて腫瘍マーカ16の位置が推定されているが、有効な透視が行われたフレーム毎に最新の位置データで近似式を更新するのが好ましい。
【0034】
さらに、前記実施の形態では、コンピュータ30内に、画像入力部32、認識処理部34、中央演算処理部36、トリガ制御部38、時系列位置データ記憶部40、位置推定部42、判定部44、及び画像表示部40が設けられているが、時系列位置データ記憶部40、位置推定部42、及び判定部44の機能を、中央処理演算部36に代替させるように構成してもよい(図4参照)。
【0035】
本発明は、以上の発明の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の好ましい実施の形態に係る動体追跡照射装置を模式的に示した全体図である。
【図2】図1の装置の動作を示したフロー図である。
【図3】推定位置を求める時点を説明するための図である。
【図4】動体追跡照射装置の変形形態を模式的に示した図1と同様な図である。
【符号の説明】
【0037】
10 動体追跡照射装置
12 ライナック
14 治療ビーム
16 腫瘍マーカ
18 治療台
20、22 X線透視装置
24 ライナック照射制御部
26、28 TVカメラ制御ユニット
30 コンピュータ
32 画像入力部
34 認識処理部
36 中央演算処理部
38 トリガ制御部
40 時系列位置データ記憶部
42 位置推定部
44 判定部
46 画像表示部
48 モニタ
A X線出力タイミングパルス
B 同期信号
C 治療ビームイネーブル信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腫瘍近傍に埋め込まれた腫瘍マーカを第1及び第2方向から撮像して第1及び第2透視画像を得るX線透視装置と、
前記第1及び第2透視画像に基づいて求められた前記腫瘍マーカの実測定位置である時系列位置データが格納される時系列位置データ記憶部と、
新たな透視画像を取得した第1時点、或いは前記第1時点の1つ前の透視画像を取得した第2時点と前記第1時点との間において、前記第1時点における前記腫瘍マーカの位置データを除く前記時系列位置データに基づいて前記第1時点における前記腫瘍マーカの位置を推定する位置推定部と、
前記第1時点における実測定位置と推定位置とを比較して、前記実測定位置と前記推定位置との差が、所定の許容値よりも小さいか否かを判定する判定部と、
を備えていることを特徴とする動体追跡照射装置。
【請求項2】
前記差が前記許容値よりも小さい場合には、前記X線透視装置へのX線出力タイミングパルスの出力を抑制又は停止するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の動体追跡照射装置。
【請求項3】
前記許容値がステップ状に設定されており、前記差がいずれの許容値を満足するかに応じて、透視X線の間引き度を選定するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の動体追跡照射装置。
【請求項4】
前記位置推定部における前記腫瘍マーカの位置の推定が、多項式近似処理によって行われることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の動体追跡照射装置。
【請求項5】
腫瘍近傍に埋め込まれた腫瘍マーカをX線透視装置によって第1及び第2方向から撮像して第1及び第2透視画像を得る段階と、
前記第1及び第2透視画像に基づいて、前記腫瘍マーカの実測定位置である時系列位置データを求める段階と、
新たな透視画像を取得した第1時点、或いは前記第1時点の1つ前の透視画像を取得した第2時点と前記第1時点との間において、前記第1時点における前記腫瘍マーカの位置データを除く前記時系列データに基づいて前記第1時点における前記腫瘍マーカの位置を推定する段階と、
前記第1時点における実測定位置と推定位置とを比較して、前記実測定位置と前記推定位置との差が、所定の許容値よりも小さいか否かを判定する段階と、
を含むことを特徴とする動体追跡照射方法。
【請求項6】
前記差が前記許容値よりも小さい場合には、前記X線透視装置へのX線出力タイミングパルスの出力を抑制又は停止する段階を更に含むことを特徴とする請求項5に記載の動体追跡照射方法。
【請求項7】
前記許容値がステップ状に設定されており、前記差がいずれの許容値を満足するかに応じて、透視X線の間引き度を選定することを特徴とする請求項5又は6に記載の動体追跡照射方法。
【請求項8】
前記腫瘍マーカの位置の推定が、多項式近似処理によって行われることを特徴とする請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載の動体追跡照射方法。
【請求項9】
腫瘍近傍に埋め込まれた腫瘍マーカをX線透視装置によって第1及び第2方向から撮像して得られた第1及び第2透視画像に基づいて、前記腫瘍マーカの実測定位置である時系列位置データを求めるステップと、
新たな透視画像を取得した第1時点、或いは前記第1時点の1つ前の透視画像を取得した第2時点と前記第1時点との間において、前記第1時点における前記腫瘍マーカの位置データを除く前記時系列データに基づいて前記第1時点における前記腫瘍マーカの位置を推定するステップと、
前記第1時点における実測定位置と推定位置とを比較して、前記実測定位置と前記推定位置との差が、所定の許容値よりも小さいか否かを判定するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
前記許容値がステップ状に設定されており、前記差がいずれの許容値を満足するかに応じて、透視X線の間引き度を選定することを特徴とする請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記腫瘍マーカの位置の推定が、多項式近似処理によって行われることを特徴とする請求項9又は10に記載のプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−230673(P2006−230673A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−48703(P2005−48703)
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(504173471)国立大学法人 北海道大学 (971)
【Fターム(参考)】