説明

動作パラメータ設定システム、電話端末およびプログラム

【課題】 ユーザが取扱説明書を参照することなく、電話機の動作パラメータを設定できるようにする。
【解決手段】 電話機110にて所定の操作を行うと、電話機110がIP電話機として機能し、インターネット190を介してサーバ210に着信要求が送信される。サーバ210においては種々の案内メッセージが電話機110に向かって送信される。電話機110のユーザがテンキーボード等を介してこれら案内メッセージに応答してゆくと、電話機110に設定すべき動作パラメータがサーバ210において決定される。決定された動作パラメータはDTMFトーンの設定データに変換され、サーバ210から電話機110に送信され、電話機110においては受信した設定データに基づいて内部の動作パラメータが更新される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話機のメンテナンスに用いて好適な動作パラメータ設定システム、電話端末およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家庭用電話機の各種動作パラメータは、電話機に設けられたテンキーボード等をユーザが操作することにより設定されていた。ここで、設定しようとする動作パラメータと、テンキーボード等の操作内容との対応関係は直感的に解りづらいものであるため、ユーザは電話機の取扱説明書を読みながら必要な動作パラメータを設定する必要があった。また、電話機に対して各種動作を実行させるプログラムを電話回線を介してダウンロードする技術が特許文献1に開示されている。この技術によれば、ユーザは電話機に対して所望のアプリケーションプログラムをダウンロードし、あるいはシステムプログラムをバージョンアップすることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2000−115373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した家庭用電話機においては、ユーザが取扱説明書を紛失すると動作パラメータの設定ができなくなるという問題があった。また、取扱説明書を紛失していない場合であっても、取扱説明書を参照しながらテンキーボードを操作し動作パラメータを設定することは煩雑である。特に、ユーザが視覚障害を有する場合には、動作パラメータを設定することが非常に困難になる。なお、特許文献1にはプログラム等をダウンロードする技術は開示されているが、以上の観点からダウンロードしたプログラムの使い勝手を向上させる技術は開示されていない。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、取扱説明書を参照することなく容易に動作パラメータを設定ができる動作パラメータ設定システム、電話端末およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため本発明にあっては、下記構成を具備することを特徴とする。なお、括弧内は例示である。
請求項1記載の動作パラメータ設定システムにあっては、電話端末と、通信網を介して該電話端末に接続されるサーバ装置とから成る該電話端末の動作パラメータ設定システムであって、前記電話端末は、前記サーバ装置から受信した音声信号を放音するスピーカ(36b)と、前記サーバ装置に対して送信される一連の指示信号を入力する指示信号入力手段(40)と、前記電話端末の動作パラメータを記憶する記憶手段(44)と、前記サーバ装置から前記動作パラメータの更新内容を規定する設定データを受信し、該設定データに基づいて前記記憶手段(44)の記憶内容を更新する更新手段(CPU34,SP60)とを具備し、前記サーバ装置は、一の指示信号が供給される毎に、該一の指示信号に対応する案内メッセージを前記電話端末に対して送信しつつ、前記一連の指示信号を受信する指示信号受信手段(SP10〜SP14)と、前記一連の指示信号に対応する更新内容を指示するように前記設定データを生成し前記電話端末に送信する送信手段(SP16)とを具備することを特徴とする。
さらに、請求項2記載の構成にあっては、請求項1記載の動作パラメータ設定システムにおいて、前記通信網はIP通信網であり、前記電話端末は前記サーバ装置からTCP/IPプロトコルにて前記設定データを受信することを特徴とする。
また、請求項3記載の電話端末にあっては、通信網を介して接続されたサーバ装置から受信した音声信号を放音するスピーカ(36b)と、前記サーバ装置に対して送信される一連の指示信号を入力する指示信号入力手段(40)と、前記電話端末の動作パラメータを記憶する記憶手段(44)と、前記サーバ装置から前記動作パラメータの更新内容を規定する設定データを受信し、該設定データに基づいて前記記憶手段(44)の記憶内容を更新する更新手段(CPU34,SP60)とを具備することを特徴とする。
また、請求項4記載のプログラムにあっては、通信インタフェース(32)を介して所定の相手先に対して発呼を行う過程(SP52)と、前記相手先からDTMFトーンを受信すると、受信したDTMFトーンに対応するデータをメモリに蓄積する過程(SP54,SP56)と、該メモリに蓄積されたデータによって電話端末の動作パラメータを指定する設定データが完成されたか否かを判定する判定過程(SP58)と、前記判定過程(SP58)における判定結果が肯定的であったことを条件として、前記設定データに基づいて前記動作パラメータを更新する更新過程(SP60)とを前記電話端末の処理装置に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
このように、本発明によれば、サーバ装置から送信される案内メッセージと、ユーザの電話端末から送信される指示信号とによって、電話端末に設定すべき動作パラメータを対話的に決定することができるから、ユーザは取扱説明書を参照することなく、電話端末の動作パラメータを容易に設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
1.実施例のハードウエア構成
1.1.全体構成
次に、本発明の一実施例の電話機メンテナンス支援システムの構成を図1を参照し説明する。
図1において100はユーザの一般家庭であり、その内部に設けられたADSLスプリッタ112は加入者線121に接続されている。ここで、加入者線121は通常の電話回線およびADSL用の加入者線を兼用している。ADSLスプリッタ112は加入者線121を介して受信した信号を、ADSLおよび音声通話の二帯域に帯域分割し、ADSL帯域の信号をADSL分岐線114を介して出力し、音声通話帯域の信号を電話分岐線116を介して出力するとともに、ADSL分岐線114および電話分岐線116から受信した信号を合成し加入者線121を介して出力する。
【0008】
102,104はパーソナルコンピュータ、106はハブであり、これらによって家庭内LAN101が構成されている。108はVoIP(Voice over IP)機能を搭載したADSLモデムであり、家庭内LAN101とADSL分岐線114との間に介挿され、両者間に送受信されるIPパケットを仲介する。110は電話機であり、通常の電話機と同様にアナログの音声信号および制御信号を電話ケーブル118を介して送受信する。
【0009】
ADSLモデム108においては、電話機110から出力される電話番号(DTMFトーン)が監視され、電話機110から発呼された場合には、その電話番号に応じてIP電話機能または加入電話機能のうち一方が選択される。すなわち、加入電話機能が選択された場合には、電話ケーブル118はそのまま電話分岐線116に接続される。一方、IP電話機能が選択された場合においては、電話機110から出力されたアナログ信号はADSLモデム108においてIPパケットに変換され、他のIPパケットとともにADSL分岐線114を介して送信される。また、IP電話用のIPパケットがADSLモデム108に受信されると、ADSLモデム108においては当該IPパケットがアナログの音声信号または制御信号に変換され、変換されたアナログ信号が電話ケーブル118を介して電話機110に供給されることになる。
【0010】
次に、140は電話局であり、その内部に設けられたMDF(主配線盤)142には上記加入者線121を含む複数の加入者線(図示略)が接続されている。144はADSLスプリッタであり、これら複数の加入者線を介して受信した信号を各々ADSLおよび音声通話の二帯域に帯域分割するとともに、ADSL帯域の各信号をDSLAM(集合モデム)146に出力するとともに、音声通話帯域の各信号を電話交換機148に出力する。さらに、ADSLスプリッタ144は、DSLAM146および電話交換機148から受信した信号を加入者毎に合成し、合成した各信号を各加入者線を介して出力する。
【0011】
そして、電話交換機148は電話網160に接続され、DSLAM146はプロバイダ専用線170を介してインターネットサービスプロバイダ180の管理するサーバ182に接続されている。サーバ182は、プロバイダ専用線170およびインターネット190間のIPパケットを仲介する。これによって一般ユーザのパーソナルコンピュータ102,104等と、インターネット190との間で相互にIPパケットが送受信されることになる。200は上記電話機110を製造した電話機メーカーであり、ここには電話機110等をメンテナンスするためのサーバ210が設けられている。
【0012】
1.2.サーバ210
次に、サーバ210の詳細構成を図2を参照し説明する。図において2は通信部であり、インターネット190との間でIPパケットを送受信する。6はハードディスクであり、ここにはサーバ210のオペレーティングシステム、音声データ配信プログラム等が記憶されている。さらに、ハードディスク6には、電話機110のメンテナンスや使用環境設定を案内するための各種の音声データが記憶されている。4は音声信号生成部であり、選択された音声データをIPパケットに変換し、通信部2を介して出力する。10はCPUであり、上記オペレーティングシステム、音声データ配信プログラム等のプログラムに基づいて、バス8を介してサーバ210内の各部を制御する。12はROMであり、サーバ210のイニシャルプログラムローダ等が記憶されている。14はRAMであり、CPU10のワークメモリとして使用される。16はディスプレイであり、CPU10の制御の下、各種情報を表示する。18は入力装置であり、キーボードおよびマウス等から構成されている。
【0013】
1.3.電話機110
次に、電話機110の詳細構成を図3を参照し説明する。図において31はハイブリッドであり、送話信号線33aから供給されたアナログ信号を電話ケーブル118を介して出力するとともに、電話ケーブル118を介して供給されたアナログ信号を受話信号線33bを介して出力する。34はCPUであり、ROM42に格納された制御プログラムに基づいて、バス38を介して電話機110内の各部を制御する。32はデータ通信部であり、CPU34から指示された送信データ信号をDTMFトーンに変換し送話信号線33aを介して出力する一方、受話信号線33bに含まれるDTMFトーンを解析する。
【0014】
36は音声処理部であり、受話信号線33bから供給された音声信号を増幅しハンドセット内のスピーカ36bに供給するとともに、ハンドセット内のマイク36aから収音した音声を増幅し送話信号線33aを介して出力する。40は操作部であり、ユーザによって操作されるテンキーボード等の操作子から構成されている。44はRAMであり、CPU34のワークメモリとして使用される他、電話機110の各種動作パラメータや更新可能なプログラムを記憶するための領域が確保されている。そして、RAM44は、電話機110の電源がオフにされた場合にもその記憶内容が保持されるように、バッテリによってバックアップされている。46は表示部であり、ユーザに対して各種情報を表示する。
【0015】
2.実施例の動作
2.1.電話機110の動作
次に、本実施例の動作を説明する。
まず、一般家庭100内のユーザが電話機110において所定の操作(更新モード開始操作)を行うと、図6に示す更新モードルーチンが起動される。図において処理がステップSP52に進むと、所定の電話番号(サーバ210に対応する所定のIP電話の電話番号)に対する着信要求がデータ通信部32およびハイブリッド31を介して送信される。ADSLモデム108においてはこの着信要求に含まれる電話番号がIP電話に係るものであることが検出される。これにより、該電話番号を着信先電話番号とする着信要求がIPパケットに変換され、ADSLモデム108、ADSL分岐線114、……、インターネット190を介してサーバ210に供給される。
【0016】
次に、図6において処理がステップSP54に進むと、受話信号線33b上にDTMFトーンが検出されたか否かが判定される。ここで「NO」と判定されると、ステップSP54の処理が繰り返される。ところで、詳細は後述するが、電話機110からの着信要求にサーバ210が応答すると、サーバ210から電話機110に対して各種案内メッセージの音声信号が供給される。そして、電話機110のユーザがこれに対して操作部40のテンキーボードを操作すると、その操作結果が指示信号(DTMFトーン)としてサーバ210に供給される。かかる動作が実行されている状態においては、電話機110の受話信号はDTMFトーンを含まない案内メッセージのみであるから、ステップSP54においては常に「NO」と判定され続けることになる。
【0017】
その後、サーバ210内において電話機110に対する設定内容が決定されると、サーバ210から電話機110に対して、該設定内容を実現するDTMFトーンの設定データが送信される。このDTMFトーンがデータ通信部32において検出されると、ステップSP54において「YES」と判定され、処理はステップSP56に進む。ここでは、該DTMFトーンによって特定されるデータ(10進1桁の数字等)がRAM44内のバッファ領域内に格納される。次に、処理がステップSP58に進むと、このバッファ領域内にこれまで格納されたデータによって設定データが完成したか否かが判定される。
【0018】
未だ設定データが完成していなければここで「NO」と判定され、処理はステップSP54に戻る。以後、DTMFトーンが受信される毎にステップSP54〜SP58が繰り返し実行され、バッファ領域内には設定データを構成するデータが徐々に蓄積されてゆく。そして、設定データが完成するとステップSP58において「YES」と判定され、処理はステップSP60に進む。ここでは、該設定データに対応するRAM44内の領域が、当該設定データに基づいて更新される。すなわち、設定データが現在時刻、音量、および呼び出し音等の新たな動作パラメータを指定するものであれば、RAM44内のパラメータ領域の内容が更新される。一方、設定データが演奏情報やプログラム等の実体であれば、演奏情報領域やプログラム領域の内容が設定データに基づいて更新される。以後、この電話機110は更新された動作パラメータや演奏情報、プログラム等に基づいて動作することになる。
【0019】
以上、電話機110のユーザがサーバ210との間で相互に通信しながら動作パラメータ等を設定する動作について説明したが、ユーザはサーバ210と通信を行うことなく、電話機110単独にてその動作パラメータを設定することができる。すなわち、従来の電話機と同様に、操作部40において所定の操作を行うことにより、上記更新モードルーチン(図6)において設定された動作パラメータと同等の動作パラメータを設定することができる。
【0020】
2.2.サーバ210の動作
次に、サーバ210の動作を説明する。サーバ210においては、上述した着信要求が電話機110から供給されると、該着信要求に対する応答信号が電話機110に対して出力されるとともに、図4に示す着信要求受信ルーチンが起動される。なお、サーバ210はマルチタスクに対応しており、本ルーチンは着信要求が受信される度に別プロセスにて複数起動される。図4において処理がステップSP10に進むと、「応答フロー」に沿った音声データがハードディスク6から読み出され、該音声データが音声信号生成部4においてIPパケットに変換され、通信部2を介して出力される。
【0021】
ここで、応答フローとは、ユーザ側から供給された指示信号(電話機110のテンキーボードから入力された数字等)と、当該指示信号に対応して送信すべき音声データとを階層的に定義して成るデータである。ここで応答フローの内容を図5に示す。図において300は初期応答データであり、最初にユーザから着信要求が受信したときに再生される。この初期応答データ300は、「変更する設定をボタンを押して示してください。現在時刻設定は1、音量設定は2、呼び出し音設定は3、……です。」のような案内メッセージである。
【0022】
そして、この初期応答に対する指示信号として、「1」,「2」,「3」,……等の数値が想定されており、これら指示信号「1」,「2」および「3」に対して、現在時刻設定案内データ310、音量設定案内データ320および呼び出し音設定案内データ330が各々対応付けられている。ここで、現在時刻設定案内データ310は、「これより現在時刻を設定します。よろしければ#を押してください」との案内メッセージであり、音量設定案内データ320は「音量の設定をします。設定する音量を1から9までのボタンを押して示してください」との案内メッセージであり、呼び出し音設定案内データ330は「設定する呼び出し音をボタンを押して示してください。通常音は1、ベル音は2、メロディ音は3です」との案内メッセージである。
【0023】
そして、これ以降も同様に、図5に示す応答フローにおいては指示信号と案内メッセージとが階層的に定義されている。さらに、応答フローにおいては、上述した現在時刻、音量、および呼び出し音の他に、スピーカの音量、電話帳の編集、留守番録音、キャッチホン、ナンバーディスプレイ等の動作パラメータを設定する選択肢も含まれている。さらに、応答フローにおいては、保留音または着信メロディの演奏情報、電話機110内で実行可能なプログラム等をダウンロードする選択肢も含まれている。
【0024】
図4に戻り、次に処理がステップSP12に進むと、ユーザからの指示信号すなわち電話機110のテンキーボードから入力された数字に係るDTMFトーンが受信されるまで処理が待機する。指示信号が受信されると、処理がステップSP14に進み、当該指示信号によって応答フローが終了したか否かが判定される。未だ応答フローが終了していない場合は処理はステップSP10に戻り、先に入力された指示信号に対応した音声信号が送信される。
【0025】
以上のように、電話機110に対する設定内容が特定されるまで、ステップSP10〜SP14のループが繰り返される。そして、応答フローが終了した場合には、その時点で電話機110に対して設定すべき内容が特定される。かかる場合はステップSP14において「YES」と判定され、処理はステップSP16に進む。ここでは、特定された設定内容に基づいて、CPU10において設定データが作成される。そして、音声信号生成部4において、該設定データはDTMFトーンの配列に変換された後、IPパケットに変換され、通信部2を介して順次出力される。
【0026】
設定データの送信が終了すると処理はステップSP20に進み、ここでデータ転送終了メッセージが電話機110に対して送信される。ここで、データ転送終了メッセージは、「設定データを全て転送した旨」を通知する所定のDTMFトーン列と、その後に所定の空白時間を隔てて「データ転送を完了した旨」をユーザに案内する人声の終了案内メッセージとから構成される。上記DTMFトーン列が電話機110に受信されると、電話機110においては上記ステップSP58が実行されることになる。そして、上記空白時間は、電話機110においてステップSP60の更新処理を実行するのに充分な時間だけ確保される。そして、上記終了案内メッセージを電話機110のユーザが聞くことにより、電話機110をオンフックしてもよいことが該ユーザによって認識されることになる。
【0027】
このように,本実施例によれば、サーバ210から送信される案内メッセージと、ユーザの電話機110から送信される指示信号とによって、該電話機110に設定すべき動作パラメータを対話的に決定することができるから、ユーザは取扱説明書を参照することなく、電話機110の動作パラメータを容易に設定することができる。さらに、本実施例によれば、電話機110はインターネット190を介するIP電話機として実現されているから、インターネット190に対する常時接続環境が整っていれば、ユーザは新たな通信料を負担することなくサーバ210と通信できる。
【0028】
3.変形例
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
(1)上記実施例においては、電話機110およびサーバ210上で動作するプログラムによって各種処理を実行したが、このプログラムのみをCD−ROM、フレキシブルディスク等の記録媒体に格納して頒布し、あるいは伝送路を通じて頒布することもできる。
【0029】
(2)上記実施例においては、電話機110からサーバ210に対して発呼することによって現在時刻、音量、呼び出し音等の動作パラメータをユーザが設定する例を説明したが、電話機110に対して送信すべきDTMFトーンを、メーカーのサポートセンターのサポート担当者が設定できるようにしてもよい。これにより、サポート担当者がサーバ210を介して電話機110の故障診断を行なったり、動作パラメータの参照および設定を行うことができる。従って、電話機110がユーザの意図したように動作しない場合に、サポート担当者が動作パラメータの設定の問題点が見つけ易くなり、ユーザが意図する通り電話機110が動作するようにサポート担当者がその場で措置を講ずることができる。
【0030】
(3)上記実施例のステップSP12においては、サーバ210は電話機110からのDTMFトーンによって指示信号を検出したが、同ステップで音声認識を行うことにより、ユーザの通常の音声に基づいて指示信号を検出するようにしてもよい。
【0031】
(4)また、上記実施例の電話機110自体はアナログの音声信号(DTMFトーンを含む)を送受信するものであったが、電話機110自体がIPパケットを直接的に送受信するものであってもよい。かかる場合は、DTMFトーンを用いることなく、通常のTCP/IPプロトコルにて電話機110とサーバ210間のデータ通信を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施例の電話機メンテナンス支援システムのブロック図である。
【図2】サーバ210のブロック図である。
【図3】電話機110のブロック図である。
【図4】サーバ210における着信要求受信ルーチンのフローチャートである。
【図5】サーバ210における応答フローを示す図である。
【図6】電話機110の更新モードルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
【0033】
2:通信部、4:音声信号生成部、6:ハードディスク、8:バス、10:CPU、12:ROM、14:RAM、16:ディスプレイ、18:入力装置、31:ハイブリッド、32:データ通信部、33a:送話信号線、33b:受話信号線、34:CPU、36:音声処理部、36a:マイク、36b:スピーカ、38:バス、40:操作部(指示信号入力手段)、42:ROM、44:RAM(記憶手段)、46:表示部、100:一般家庭、102,104:パーソナルコンピュータ、106:ハブ、108:ADSLモデム、110:電話機、112:ADSLスプリッタ、114:ADSL分岐線、116:電話分岐線、118:電話ケーブル、121:加入者線、140:電話局、142:MDF、144:ADSLスプリッタ、146:DSLAM、148:電話交換機、160:電話網、170:プロバイダ専用線、180:インターネットサービスプロバイダ、182:サーバ、190:インターネット、200:電話機メーカー、210:サーバ、300:初期応答データ、310:現在時刻設定案内データ、320:音量設定案内データ、330:呼び出し音設定案内データ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話端末と、通信網を介して該電話端末に接続されるサーバ装置とから成る該電話端末の動作パラメータ設定システムであって、
前記電話端末は、
前記サーバ装置から受信した音声信号を放音するスピーカと、
前記サーバ装置に対して送信される一連の指示信号を入力する指示信号入力手段と、
前記電話端末の動作パラメータを記憶する記憶手段と、
前記サーバ装置から前記動作パラメータの更新内容を規定する設定データを受信し、該設定データに基づいて前記記憶手段の記憶内容を更新する更新手段と
を具備し、
前記サーバ装置は、
一の指示信号が供給される毎に、該一の指示信号に対応する案内メッセージを前記電話端末に対して送信しつつ、前記一連の指示信号を受信する指示信号受信手段と、
前記一連の指示信号に対応する更新内容を指示するように前記設定データを生成し前記電話端末に送信する送信手段と
を具備することを特徴とする動作パラメータ設定システム。
【請求項2】
前記通信網はIP通信網であり、前記電話端末は前記サーバ装置からTCP/IPプロトコルにて前記設定データを受信することを特徴とする請求項1記載の動作パラメータ設定システム。
【請求項3】
通信網を介して接続されたサーバ装置から受信した音声信号を放音するスピーカと、
前記サーバ装置に対して送信される一連の指示信号を入力する指示信号入力手段と、
前記電話端末の動作パラメータを記憶する記憶手段と、
前記サーバ装置から前記動作パラメータの更新内容を規定する設定データを受信し、該設定データに基づいて前記記憶手段の記憶内容を更新する更新手段と
を具備することを特徴とする電話端末。
【請求項4】
通信インタフェースを介して所定の相手先に対して発呼を行う過程と、
前記相手先からDTMFトーンを受信すると、受信したDTMFトーンに対応するデータをメモリに蓄積する過程と、
該メモリに蓄積されたデータによって電話端末の動作パラメータを指定する設定データが完成されたか否かを判定する判定過程と、
前記判定過程における判定結果が肯定的であったことを条件として、前記設定データに基づいて前記動作パラメータを更新する更新過程と
を前記電話端末の処理装置に実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−128745(P2006−128745A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−310354(P2004−310354)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】