説明

動物飼料中の金属サプリメントの使用

本発明は、動物に金属を(栄養的に)利用可能にさせるためのサプリメントの使用であって、前記サプリメントは、グルタミン酸N,N−二酢酸(GLDA)、GLDAの金属錯体、GLDAのナトリウム塩、GLDAのカリウム塩、メチルグリシン−N,N−二酢酸(MGDA)、MGDAの金属錯体、MGDAのナトリウム塩、MGDAのカリウム塩、エチレンジアミンN,N’−ジコハク酸(EDDS)、EDDSの金属錯体、EDDSのナトリウム塩、EDDSのカリウム塩、イミノジコハク酸(IDS)、IDSの金属錯体、IDSのナトリウム塩及びIDSのカリウム塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物が金属を(栄養的に)利用可能にするためのサプリメントの使用に関する。本発明は、そのような金属サプリメント、そのためのプレミックス(予混合)を含む動物飼料、動物用飲料水、又は塩塊、及び動物飼料、動物用飲料水、塩塊、若しくはそのためのプレミックスに補充する方法にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
動物飼料における金属源の使用は、長年に渡って確立された実践である。銅、亜鉛、マンガン、鉄、コバルト、及びクロムは特に、動物において重要な生理学的役割を果たす金属である。例えば銅欠乏は、結果として数多くの動物種において毛髪及び羊毛の色素沈着の失敗を生じさせる。これは特に、暗色の毛に覆われたウシやヒツジにおいて顕著である。銅欠乏性の食餌が給餌されたシチメンチョウのヒナの羽毛も又、色素沈着の欠如を示す。銅欠乏は、さらに又ウシにおける心臓病変を誘発することがあるが、これは突然死さえ生じさせることがある。さらに、銅欠乏性の食餌が給餌されたニワトリのヒナやブタは、主要動脈における構造上の欠陥に起因する大量の内出血から突然死する可能性がある。その上、銅は腸粘膜及び鉄貯蔵組織から鉄を遊離させるために不可欠であるので、銅欠乏は多数の種において貧血を誘発することが公知である。適正な量の亜鉛の摂取も又重要である。亜鉛欠乏の徴候には、脱毛、皮膚病変、下痢、及び身体組織の消耗が含まれる。従って、ブタ、家禽類、及びウシの食餌における適正レベルの亜鉛は、これらの動物の健常な成長及び体重増加のために重要であることが証明されている。さらに又、文献においては、亜鉛が欠乏する食餌が給餌された動物は先天性奇形及び食道における線維性変化を発生する傾向があることも又報告されている。コバルトは、ビタミンB12の合成に必要とされることが公知であり、マンガン及び鉄は動物における多数の酵素的プロセスにおいて重要な役割を果たす、つまりこの金属は酵素における触媒的役割を有する。さらに鉄は、ヘモグロビン機能のために必要とされ、動物において鉄欠乏を防止することは動物が貧血を発生することを防止する。
【0003】
動物における金属欠乏、例えば銅、マンガン、鉄若しくは亜鉛の欠乏を回避するためには、通常はこれらの動物に金属サプリメントが、例えばこれらのサプリメントをそれらの飼料に加えることによって投与される。
【0004】
それらの飼料摂取において適正レベルの金属栄養素を動物に与えることは、必ずしも見かけほど容易ではない。金属は、栄養的に利用可能な形態でなければならない。例えば、亜鉛の従来型塩、例えば塩化亜鉛を使用することによる食餌補充は、消化管内の吸収のために利用できない、及びこのためこれらの金属に対する生理学的要件を守るために使用できない形態への消化管沈着を生じさせる可能性がある。より詳細には、微量金属の消化管沈着について最も周知の要素は、動物飼料中のフィチン酸若しくはフィチン酸塩の存在であるが、動物において類似の望ましくない作用を誘発する他の材料、例えばタンニン、モリブデン酸塩、リン酸塩、繊維、及びシュウ酸塩が存在し、以下では集合的に「栄養的アンタゴニスト」呼ぶが、このとき栄養的アンタゴニストは栄養素の栄養的利用可能性を(例えば、吸収、沈殿によって、又は金属栄養素の生物学的機能内への組み込みを生じさせる必要な工程のいずれかを妨害することによって)低下させる任意の材料であると定義できる。
【0005】
フィチン酸、又は塩形にあるフィチン酸塩は、多数の植物組織においてリンの主要貯蔵形態である。フィチン酸塩の化学式を以下に記す:
【化1】

フィチン酸又はフィチン酸塩は、植物性のあらゆる飼料中に存在し、マメ科植物及び穀類において特に量的に重要である。フィチン酸又はフィチン酸塩は、重要な金属、例えばカルシウム、マグネシウム、鉄、銅、及び亜鉛の強力なキレート剤であることが公知である。フィチン酸又フィチン酸塩は、単胃動物であれば消化することができず、単胃動物の内で最も経済的に重要なのは家畜、例えばブタ及び家禽類、並びに全ての養殖魚及びペットである。消化管内では、フィチン酸又フィチン酸塩は、それらの取り込みを大きく阻害する、上述した必須微量金属の不溶性沈殿を生じさせる。そこで、動物飼料中の物質、例えばフィチン酸及びフィチン酸塩の潜在的存在を補正するために、通常は高レベルの微量金属が飼料に加えられる。動物によって摂取されなかった金属は、排出され、最後は糞尿に行き着く。最終的に、これらの金属は土壌中に行き着き、これは大きな長期間に渡って環境にとっての脅威であると考えられる。
【0006】
文献では、多数の動物飼料サプリメントが記載されている。米国特許出願第2004/0077714号明細書は例えば、金属アミノ酸錯体の使用について開示している。より特に、この特許出願は、必須微量元素、例えば銅、マンガン、及び亜鉛の内の1つとジカルボン酸α−アミノ酸、例えばグルタミン酸及びアスパラギン酸との金属中性錯体の使用について開示している。欧州特許第0377526号明細書は、動物飼料に生物学的に利用可能な銅を補充する方法であって、アミノ酸、例えばリシンの有効量の銅錯体塩が前記動物飼料に加えられる方法に関する。
【0007】
しかし、例えばJ. of Anim. Sci. 1996, No 74, pp.1594-1600では、CuSO又は銅リシン錯体いずれか由来の成長刺激性レベルの銅が給餌されたブタが銅の類似の吸収及び保持を有することが見いだされた。さらに、銅サプリメントが給餌されたブタについては、糞尿中の銅の量が相当大きく増加することが見いだされた。
【0008】
動物に亜鉛を投与するために現在最も多く使用される金属サプリメントは、亜鉛メチオニンである。しかし、このサプリメントはフィチン酸塩を備える沈殿物を生じさせ、結果として亜鉛の非効率的取り込みを生じさせる。動物によって必要とされる亜鉛取り込みを達成するためには、相当に高用量が必要とされ、結果として糞尿中の相当に高い亜鉛レベルが生じる。そこで地表水及び土壌中の亜鉛について最大許容濃度が容易に超えられることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願第2004/0077714号明細書
【特許文献2】欧州特許第0377526号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】J. of Anim. Sci. 1996, No 74, pp.1594-1600
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の1つの課題は、動物のための金属サプリメントの使用であって、該金属はより効率的な方法で該動物にとって(栄養的に)利用可能になり、結果としてより低レベルの金属を投与することができ、糞尿中に行き着く金属が少なくなり、及び最終的に環境に行き着く金属が少なくなる使用を提供することである。
【0012】
さらに、本発明の1つの課題は、生分解性有機部分を備えるが、結果としてそれ自体は環境にとっての脅威を表さない、動物のための金属サプリメントの使用を提供することである。最後に、本発明の1つの課題は、分子の主要部分が天然の持続的起源に由来することを理解して、容易に入手可能、安価、及び維持可能である動物のための金属サプリメントの使用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
驚くべきことに、これらの課題は、特定化合物を使用することによって解決されることが見いだされた。より詳細には、EDDS(エチレンジアミンN,N’−ジコハク酸)、IDS(イミノジコハク酸)、GLDA(グルタミン酸−N,N−二酢酸)若しくはMGDA(メチルグリシン−N,N−二酢酸)の金属錯体の使用又はナトリウム若しくはカリウムGLDA、その酸性形にあるGLDA、ナトリウム若しくはカリウムMGDA、その酸性形にあるMGDA、ナトリウム若しくはカリウムEDDS、その酸性形にあるEDDS、又はナトリウム若しくはカリウムIDS、又はその酸性形にあるIDSの使用は、飼料からの動物の極めて優れた金属の利用可能性を生じさせるが、これはフィチン酸若しくはフィチン酸塩との沈殿物が形成されないからである。そこで、これは動物飼料中の金属量を有意に減少させることを可能にする。
【0014】
そこで本発明は、動物にとって金属を(栄養的に)利用可能にさせるためのサプリメントの使用であって、前記サプリメントは、グルタミン酸N,N−二酢酸(GLDA)、GLDAの金属錯体、GLDAのナトリウム塩、GLDAのカリウム塩、メチルグリシン−N,N−二酢酸(MGDA)、MGDAの金属錯体、MGDAのナトリウム塩、及びMGDAのカリウム塩、エチレンジアミンN,N’−ジコハク酸(EDDS)、EDDSの金属錯体、EDDSのナトリウム塩、EDDSのカリウム塩、イミノジコハク酸(IDS)、IDSの金属錯体、IDSのナトリウム塩及びIDSのカリウム塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む使用に関する。
【0015】
反芻動物、例えばウシは、酵素フィターゼがウシの消化管中に存在するために、上述した鉱質金属の利用可能性を妨害するフィチン酸塩との問題をほとんど有していないと思われる。この酵素は、フィチン酸塩を糖及びリン酸塩に分解させる。しかし、本発明による金属サプリメントの使用は、それらの動物の消化管内には動物飼料製品中の金属の利用可能性にも影響を及ぼすウシに特異的な栄養的アンタゴニストが多数存在するのでそれらの動物のためにも従来より使用されるサプリメントに比して利点を有しており、並びに本明細書に規定したような本発明の金属サプリメントの他の利点を有している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、(i)グルタミン酸N,N−二酢酸(GLDA)、GLDAの金属錯体、GLDAのナトリウム塩、GLDAのカリウム塩、メチルグリシン−N,N−二酢酸(MGDA)、MGDAの金属錯体、MGDAのナトリウム塩、及びMGDAのカリウム塩、エチレンジアミンN,N’−ジコハク酸(EDDS)、EDDSの金属錯体、EDDSのナトリウム塩、EDDSのカリウム塩、イミノジコハク酸(IDS)、IDSの金属錯体、IDSのナトリウム塩及びIDSのカリウム塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物と、(ii)タンパク質、脂肪、炭水化物、無機質、ビタミン類、ビタミン前駆体、及び水若しくはその他の食用液体の群の少なくとも1つの化合物とを含む動物飼料、動物用飲料水、塩塊若しくはそのためのプレミックスにさらに関する。
【0017】
以下の理論によって結び付けなくても、又は限定しなくても、本発明者らは、驚くべきことに、GLDA、EDDS、IDS、及びMGDAは、より弱いキレート剤、例えばリシン若しくは金属のメチオニン錯体の場合とは異なり、胃内通過を乗り切るために十分強度である金属との錯体を形成すると考える。このため、金属は消化管内でキレート化されたままとなり、動物飼料中に存在するフィチン酸塩若しくはフィチン酸若しくは栄養的アンタゴニストと錯体を形成しないと思われる。又は言い換えると、本発明のサプリメントを使用すると、一方では金属を栄養的アンタゴニストとの沈殿に対してはるかに低感受性にさせるために十分に強度であるが、他方では、該サプリメントが給餌される動物にとって該金属がもはや利用可能ではないほど強度ではない金属のキレート化の優れた平衡を生じさせる。さらに、本発明の金属サプリメントは、満足できる吸収、親和性、毒性、及び排出プロファイルを有する。
【0018】
本明細書では、用語「タンパク質」は、アミノ酸から作製された有機化合物を含んでいる。用語「脂肪」は、骨格構造に結合した脂肪酸の化合物(1つの末端にカルボン酸基を備える、炭素及び水素原子の鎖)、頻回にはグリセロールを含んでいる。用語「炭水化物」は、主として、炭素、水素及び酸素原子を含み、前記原子は約1:2:1の原子比で存在し、糖類(単糖類、二糖類、オリゴ糖類、及び多糖類であって、小さな単糖類及び二糖類は糖質と言われることが多い)、例えばグルコース、フルクトース、スクロース、ラクトース、グリコーゲン、リボース、及びデンプンの群を含む有機化合物を含んでいる。用語「鉱質」は、一般的有機分子中に存在する4つの元素である炭素、水素、窒素、及び酸素以外の化学元素を含有する化合物、頻回には塩類、例えばカリウム、塩素、ナトリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄、マンガン、銅、ヨウ素、セレニウム、モリブデン、硫黄、コバルト、ニッケル、クロム、フッ素、及びホウ素を含んでいる。用語「ビタミン」は、それらの生物学的及び化学的活性によって分類される化合物の群を含んでおり、現在は全世界的に認識されている13種のビタミン、例えば「ビタミンA」を含む。ビタミン類の前駆体は周知であり、例えばβ−カロテンを含む。食用液体は、動物が摂取できることが公知の全ての液体であり、例えば水及び液体脂を含む。
【0019】
食餌サプリメント又は食品サプリメント又は栄養サプリメントとしても公知であるサプリメントは、食餌に補充する、並びに不足する可能性がある、又は通常の食事では十分な量で摂取できない可能性がある栄養物を提供することが意図された調製物である。
【0020】
プレミックスは、該サプリメントを、飼料と混合すると、動物に必要とされる用量の特定栄養素を給餌するために適切な動物飼料を生成する十分量で含有する混合物である。プレミックスは、通常は、製造及び流通プロセスにおける早期の段階に混合される物質又は物体を意味する。そこでプレミックスは、濃縮されていることの多い、商業的配給量にブレンドするための多数の動物飼料成分から構成される組成物である。これらのプレミックスの利用可能性のために、例えば、自身の穀類を使用する農業経営者は独自の配給量を処方し、自分の動物が推奨レベルの栄養素を受け取ることを保証することができる。
【0021】
本発明による又別の実施形態では、金属サプリメントが使用されるが、このとき該サプリメントは、GLDA、MGDA、EDDS若しくはIDSのアニオンの群から選択される少なくとも1つのアニオンと、カルシウム、マグネシウム、銅、亜鉛、鉄、マンガン、クロム、及びコバルトカチオンからなる群から選択される少なくとも1つのカチオンとを含んでいる。
【0022】
GLDA、MGDA、EDDS又はIDSの金属錯体を含む金属サプリメントが使用される場合は、該金属は、好ましくは亜鉛、銅、鉄、マンガン、コバルト、クロム、カルシウム、及びマグネシウムからなる群から選択される。より好ましくは、該金属は、亜鉛、銅、又はマグネシウムである。
【0023】
本発明の又別の好ましい実施形態では、本金属サプリメントは、MGDA若しくはGLDAの金属錯体又はナトリウム若しくはカリウム塩を含有する。
【0024】
より好ましい実施形態では、本金属サプリメントは、GLDAの亜鉛、マンガン、鉄、又は銅錯体を含み、本発明による特に好ましい実施形態では、本金属サプリメントは、GLDAの亜鉛若しくは銅錯体を含んでいる。
【0025】
なお又別の好ましい実施形態では、本サプリメントは、GLDAの金属錯体であって、該金属はカルシウム若しくはマグネシウムのいずれかである金属錯体、MGDAの金属錯体であって、該金属はカルシウム若しくはマグネシウムのいずれかである金属錯体、エチレンジアミンN,N’−ジコハク酸(EDDS)の金属錯体であって、該金属はカルシウム若しくはマグネシウムである金属錯体、イミノジコハク酸(IDS)の金属錯体であって、該金属はカルシウム若しくはマグネシウムのいずれかである金属錯体、ナトリウムGLDA、カリウムGLDA、ナトリウムMGDA、カリウムMGDA、ナトリウムEDDS、カリウムEDDS、ナトリウムIDS、及びカリウムIDSからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含んでいる。前記サプリメントは、場合により銅塩、亜鉛塩、鉄塩、マンガン塩、黒無鉛、及びコバルト塩からなる群から選択される1つ又はそれ以上の塩も又含んでいる。カルシウム及びマグネシウムイオンは、既に動物飼料、動物用飲料水又は塩塊中に存在する、又は塩として加えられる金属イオン、例えば銅イオン、亜鉛イオン、鉄イオン、マンガン塩、クロムイオン、又はコバルトイオンと容易に交換される。ナトリウムGLDA、カリウムGLDA、ナトリウムMGDA、又はカリウムMGDA、ナトリウムEDDS、カリウムEDDS、ナトリウムIDS、及びカリウムIDSは、金属イオン、例えば既に動物飼料、動物用飲料水又は塩塊中に存在する銅イオン、亜鉛イオン、鉄イオン、マンガンイオン、クロムイオン、若しくはコバルトイオン、又は塩として加えられる金属イオン、例えば銅イオン、亜鉛イオン、鉄イオン、マンガンイオン、クロムイオン、若しくはコバルトイオンをキレート化する。そこで、金属錯体は自然の位置で、即ち動物の消化管内で形成されることになる。乾燥動物飼料製品又は乾燥プレミックスのためには、ナトリウム及びカリウム塩に比較してマグネシウム及びカルシウム錯体の方が好ましい。
【0026】
用語「ナトリウムGLDA及びカリウムGLDA」は、GLDAの全ての(部分及び完全)ナトリウム及びカリウム塩各々を意味することが意図されており、GLDAのカリウム及びカリウム塩の混合物又はGLDAの混合塩(つまり、Na−GLDA(式中、x+y+z=4である))が含まれる。同様に、用語「ナトリウム及びカリウムMGDA、EDDS、及びIDS」は、各々MGDA、EDDS、及びIDSの全ての(部分及び完全)ナトリウム及びカリウム塩を意味することが意図されており、MGDA、EDDS、及びIDSのナトリウム及びカリウム塩又はMGDA(即ち、Na−MGDA(式中、x+y+z=3である))、EDDS(即ち、Na−EDDS(式中、x+y+z=4である))及びIDS(即ち、Na−IDS(式中x+y+z=4である))の混合塩が含まれる。さらに、本発明による金属サプリメント中でグルタミン酸N,N−二酢酸(GLDA)、メチルグリシン−N,N−二酢酸(MGDA)、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸(EDDS)又はイミノジコハク酸(IDS)をそれ自体で使用することも又可能である。
【0027】
使用される銅塩は、好ましくはCuSO、CuCl、CuO、Cu(OH)、CuCO、Cu(NO、Cu(OH)(HCO)、酢酸銅、シュウ酸銅、ギ酸銅、及びグルコン酸銅からなる群から選択される。使用される亜鉛塩は、好ましくはZnSO、ZnCl、ZnO、Zn(OH)、ZnCO、Zn(NO、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、ギ酸亜鉛、及びグルコン酸亜鉛からなる群から選択される。使用される鉄塩は、好ましくは硫酸第二鉄(Fe[SO・xHO)、硫酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄(Fe(P・xHO)、オルトリン酸第二鉄(FePO・xHO)、ピロリン酸第二鉄ナトリウム(FeNa(P・xHO)、塩化第二鉄、及び塩化第一鉄からなる群から選択される。マンガン塩は、好ましくはMnSO、MnCl、及びMnCOからなる群より選択される。コバルト塩は、好ましくはCoSO、CoCl、及びCoCOからなる群より選択される。
【0028】
本発明によると、本サプリメントは、好ましくは動物飼料、動物用飲料水、塩塊、又はそれらのためのプレミックス中で使用される。本サプリメントは、好ましくは動物飼料中で、及び最も好ましくは家畜用飼料を含む動物飼料中で使用される。
【0029】
本明細書では、家畜用飼料は、動物若しくは植物由来の、好ましくは動物飼料中に存在してよい植物由来の任意の物質を意味することが意図されており、1つの実施形態では、家畜用飼料は、マメ科植物、飼い葉、穀物及び/又は葉又はそれらの誘導体の群から選択することができ、それらの誘導体は、例えば植物由来材料を製粉する工程によって得られる。
【0030】
本発明による金属サプリメントは、様々な動物の飼料中で使用できる。好ましくは、本金属サプリメントは、コンパニオンアニマル(ペット)及び水生動物(魚、エビ、及び甲殻類のような水性環境で生きている全ての動物)を含む家畜のための飼料中で使用される。より好ましくは、本金属サプリメントは、ニワトリ、産卵ニワトリ、シチメンチョウ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ネコ、イヌ、サカナ、又はエビのための飼料中で使用される。
【0031】
本発明による金属サプリメントは、任意の所望の濃度で動物飼料、動物用飲料水、塩塊、又はプレミックス中で使用できる。しかし、その改良された、はるかにより効率的な栄養的利用可能性のために、本金属サプリメントは、好ましくは従来より使用される金属源の濃度の半分未満の濃度で使用される。
【0032】
本発明は、さらにグルタミン酸N,N−二酢酸(GLDA)又はメチルグリシン−N,N−二酢酸(MGDA)の金属錯体にさらに関するが、このとき該金属は、銅、亜鉛、マンガン、コバルト、クロム、マグネシウム及びカルシウムからなる群から選択される。
【0033】
本発明の好ましい金属錯体は、NaCu−GLDA、KCu−GLDA、HCu−GLDA、NaKCu−GLDA、NaHCu−GLDA、KHCu−GLDA、Cu−GLDA、NaZn−GLDA、KZn−GLDA、HZn−GLDA、NaKZn−GLDA、NaHZn−GLDA、KHZn−GLDA、Zn−GLDA、NaMn−GLDA、KMn−GLDA、HMn−GLDA、NaKMn−GLDA、NaHMn−GLDA、KHMn−GLDA、Mn−GLDA、NaCu−MGDA、KCu−MGDA、HCu−MGDA、NaZn−MGDA、KZn−MGDA、HZn−MGDA、NaMn−MGDA、KMn−MGDA、HMn−MGDAである。
【0034】
本発明は、動物飼料、動物用飲料水、塩塊若しくはそれらのためのプレミックスに補充する方法であって、グルタミン酸、N,N−二酢酸(GLDA)、メチルグリシン−N,N−二酢酸(MGDA)、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸(EDDS)又はイミノジコハク酸(IDS)の金属錯体を含むサプリメントを前記動物飼料、動物用飲料水、塩塊若しくはレミックスに加える工程を含む、又はGLDA、GLDAのナトリウム塩、GLDAのカリウム塩、MGDA、MGDAのナトリウム塩、MGDAのカリウム塩、EDDS、EDDSのナトリウム塩、EDDSのカリウム塩、IDS、IDSのナトリウム塩、及びIDSのカリウム塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を、場合により銅塩、亜鉛塩、鉄塩、マンガン塩、クロム塩、及びコバルト塩からなる群から選択されり1以上の塩と共に前記動物飼料、動物用飲料水、塩塊、又はプレミックスに加える工程による方法にさらに関する。
【0035】
銅塩、亜鉛塩、鉄塩、クロム塩、マンガン塩、及びコバルト塩の群からの上記の塩の添加は、銅、亜鉛、鉄、クロム、マンガン、及びコバルトが既に動物飼料、動物用飲料水、塩塊若しくはプレミックス中に存在する場合は必要とされないことを理解すべきである。
【0036】
本発明の又別の実施形態では、本サプリメントは、GLDA、MGDA、EDDS若しくはIDSのアニオンの群から選択される少なくとも1つのアニオンと、カルシウム、マグネシウム、銅、亜鉛、鉄、マンガン、クロム、及びコバルトカチオンからなる群から選択される少なくとも1つのカチオンとを含んでいる。
【0037】
好ましくは、本発明による方法では、本サプリメントは、GLDAの金属錯体又はMGDAの金属錯体を含んでいる。
【0038】
又別の好ましい方法では、金属は、亜鉛、銅、鉄、マンガン、コバルト、カルシウム、及びマグネシウムからなる群から選択される。
【0039】
いっそうより好ましくは、本発明による方法では、本サプリメントは、GLDAの亜鉛、マンガン、鉄又は銅錯体を含んでいる。
【0040】
又別の実施形態では、本方法は、マメ科植物、飼い葉、穀物及び/又は葉又はそれらの誘導体の群からの家畜用飼料をさらに含む動物飼料を補充する工程に関する。
【0041】
さらに又別の好ましい実施形態における方法は、家畜動物若しくは水生動物、好ましくはニワトリ、産卵ニワトリ、シチメンチョウ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ネコ、イヌ、サカナ、又はエビのための飼料に補充する工程を含んでいる。
【0042】
以下では本発明を非限定的実施例及び比較例によってさらに例示する。
【実施例】
【0043】
P. Wu et al. in International Journal of Food Science and Technology 2009, 44, 1671 -1676によると、「フィチン酸は、多価金属イオン、詳細には亜鉛、カルシウム、及び鉄との錯体を形成する強度の能力を有する」。この結合は、鉱質類の不良な生体内利用率を備える難溶性塩を生じさせる可能性がある。C.I. Febles et al.は、Journal of Cereal Science 36 (2002) 19-23の中で、「フィチン酸中に存在する酸性基は、数種の塩の形成を促進し、アルカリ性金属の塩は水溶性であるが、二価金属塩はほぼ不溶性である」と述べている。
【0044】
フィチン酸(Sigma−Aldrich社から)の存在が様々な亜鉛及び銅塩の溶解度に及ぼす作用を証明するために、以下に述べる実験を実施した。2種の異なるpH値、即ちpH=4及びpH=6で、計4種の亜鉛及び3種の銅塩を2倍の過剰モルのフィチン酸と結合させた。最終金属濃度の内の以下の3種、つまり25mmol/kgでの高(H)、5mmol/kgでの中(M)、及び0.5mmol/kgでの低(L)の濃度を試験した。
【0045】
試験溶液の調製
各濃度及びpHに対して、別個のフィチン酸ストック溶液は、計算量のフィチン酸を脱塩水で希釈し、希釈したNHOH溶液でpHを設定し、そして計算量まで脱塩水を充填することによって調製した。この方法で以下の4種のフィチン酸溶液を調製した:
1.pH=4で0.125mol/kgのフィチン酸
2.pH=6で0.125mol/kgのフィチン酸
3.pH=4で0.050mol/kgのフィチン酸
4.pH=6で0.050mol/kgのフィチン酸
次に、0.05Mのフィチン酸を希釈することによって以下の2種のフィチン酸溶液を調製した。これらの2種の溶液のpHは調整しなかった。
5.pH≒4で0.005mol/kgのフィチン酸
6.pH≒6で0.005mol/kgのフィチン酸
【0046】
金属錯体及びキレート剤は、ZnSO・HO(35.7%のZn、Sigma−Aldrich社から)又はCuSO・5HO(25.2%のCu、Baker Analyzed社(供給業者:Mallinckrodt Baker B.V.社))いずれかの量を計量し、対応する量の錯化剤又はキレート剤を加えることによって調製した。少し過剰の2%の錯化剤又はキレート剤の取り込みを使用して金属含有溶液を調製した。これは、金属イオンの完全錯化又はキレート化を保証する。この混合物を脱塩水の一部に溶解させた。pHは、およそ4〜5の間のpH値に到達するように調整した。全ての溶液は、脱塩水で400gまで充填した。
【0047】
この方法で以下の4種の亜鉛溶液を調製した:
・ZnSO
0.125mol/kg、9.158gのZnSO・1HOを脱塩水中に溶解させると5.63のpHを示し、1日後にはいくらかの沈殿物が認められた。0.5M HSOを用いてpHを4.28へ低下させると、その後に溶液は透明になった。
・Zn(リシン)
0.125mol/kg、9.158gのZnSO・1HO、及び0.255mol/kg、18.691gのリシン(Fluka社(供給業者:Sigma−Aldrich社))は、脱塩水中に溶解させた。数分間以内に、4.06のpHを用いると透明溶液が得られた。
・Zn(メチオニン)
0.125mol/kg、9.158gのZnSO・1HO、及び0.255mol/kg、15.220gのメチオニン(Fluka社(供給業者:Sigma−Aldrich社)を脱塩水中に溶解させた。2.5%のNHOHを用いてpH4.03からpH4.51へpHを調整すると、透明溶液が得られた。
・Zn−GLDA−Na
0.125mol/kg、9.158gのZnSO・1HO、及び0.1275mol/kg、36.648gのGL−45−SLA(L−グルタミン酸N,N−二酢酸、テトラナトリウム塩、Na4−GLDA、Dissolvine(登録商標)GL−45−SLA、AkzoNobel社から)。5.27のpHを用いると、透明溶液が得られた。pHは、それ以上調整しなかった。
【0048】
この方法で以下の3種の銅含有溶液を調製した:
・CuSO
0.125mol/kg、12.606gのCuSO・5HOを脱塩水中に溶解させ、pH3.64を用いると透明溶液が得られた。pHはそれ以上調整しなかった。
・Cu(リシン)
0.125mol/kg、12.609gのCuSO・5HO、及び0.255mol/kg、18.686gのリシンを脱塩水中に溶解させた。数分間以内に、2.40のpHを用いると透明溶液が得られた。pHは、2.5%のNHOHを用いてpH4.17へ上昇させた。
・Cu−GLDA−Na
0.125mol/kg、12.608gのCuSO・5HO、及び0.1275mol/kg、36.619gのGL−45−SLA。5.04のpHを用いると透明溶液が得られた。このpHは、0.5M HSOを用いて4.97へ調整した。
【0049】
次に同数の0.0125mol/kgの溶液を、上記の溶液を脱塩水で希釈することによって調製した。
これは以下の溶液を生じさせた。
7.0.125mol/kgのZnSO
8.0.0125mol/kgのZnSO
9.0.125mol/kgのZn(リシン)
10.0.0125mol/kgのZn(リシン)
11.0.125mol/kgのZn(メチオニン)
12.0.0125mol/kgのZn(メチオニン)
13.0.125mol/kgのZn−GLDA−Na
14.0.0125mol/kgのZn−GLDA−Na
15.0.125mol/kgのCuSO
16.0.0125mol/kgのCuSO
17.0.125mol/kgのCu(リシン)
18.0.0125mol/kgのCu(リシン)
19.0.125mol/kgのCu−GLDA−Na
20.0.0125mol/kgのCu−GLDA−Na
【0050】
金属塩及びフィチン酸を結合する
全4種の亜鉛含有溶液及び3種の銅含有溶液で計6回の沈殿試験を、つまりH、M、及びLレベルで、pH=4及びpH=6の各レベルで実施した。これらの試験は、各々H4、H6、M4、M6、L4、及びL6と標識した。この方法で総計42サンプルが得られた。1日間放置した後、沈殿物を除去し、母液をFAAS(フレーム原子吸光分析法)によってその亜鉛若しくは銅含量について分析した。詳細な手順を以下に記す。
・50mLの事前に計量したグライナ−(Greiner)管にフィチン酸溶液を充填し、摂取量を正確に決定した。
・金属錯体/キレート溶液を加え、摂取量を正確に決定した。
・pHは、希NHOH又はHSO溶液を用いて調整した。
・脱塩水を総重量50gへ加え、正確に決定した。
・試験管を、均質になるまで手動で混合した。
・試験管は、周囲温度で1日間に渡り放置した。
・試験管は、濁り又は沈殿物が認められた場合は遠心した。
・遠心管の最上層及び透明溶液を0.45μmフィルターに通して濾過し、およそ12mLの濾液を15mLの事前に計量したグライナ−管中に入れた。
・摂取量を正確に決定し、この溶液に1mLのHNO(1:1)を加えた。総重量を再び正確に決定した。
【0051】
50mLの試験管を以下の表1に従って充填した。
【表1】

【0052】
下記の結果は、FAAS(フレーム原子吸光分析法)による分析後の母液溶液の亜鉛及び銅濃度を示している。
【表2】

【0053】
【表3】

【0054】
亜鉛及び銅GLDA両方について、全3つのレベルで透明溶液が見いだされた。亜鉛リシン及び亜鉛メチオニンの場合には、まさに全硫酸塩の場合におけると同様に、直後に沈殿物が形成された。銅−リシンの場合においても透明溶液が得られたが、多数の試みにもかかわらず、銅メチオニンはフィチン酸塩が存在しない場合でさえ水に不溶性であると思われた。驚くべきことに、GLDAを用いた実験では沈殿物は殆ど全く形成されなかった。他の亜鉛及び銅塩並びにアミノ酸錯体とは異なり、驚くべきことに銅−リシンだけは透明溶液を生じさせた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物に金属を(栄養的に)利用可能にさせるためのサプリメントの使用であって、前記サプリメントは、グルタミン酸N,N−二酢酸(GLDA)、GLDAの金属錯体、GLDAのナトリウム塩、GLDAのカリウム塩、メチルグリシン−N,N−二酢酸(MGDA)、MGDAの金属錯体、MGDAのナトリウム塩、及びMGDAのカリウム塩、エチレンジアミンN,N’−ジコハク酸(EDDS)、EDDSの金属錯体、EDDSのナトリウム塩、EDDSのカリウム塩、イミノジコハク酸(IDS)、IDSの金属錯体、IDSのナトリウム塩及びIDSのカリウム塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、前記使用。
【請求項2】
動物に金属を(栄養的に)利用可能にさせるためのサプリメントの使用であって、前記サプリメントは、GLDA、MGDA、EDDS若しくはIDSのアニオンの群から選択される少なくとも1つのアニオンと、カルシウム、マグネシウム、銅、亜鉛、鉄、マンガン、クロム、及びコバルトカチオンからなる群から選択される少なくとも1つのカチオンとを含む、前記使用。
【請求項3】
前記金属は、亜鉛、銅、鉄、マンガン、コバルト、クロム、カルシウム、及びマグネシウムからなる群から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
前記サプリメントは、GLDAの金属錯体、MGDAの金属錯体、EDDSの金属錯体又はIDSの金属錯体を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記サプリメントは、GLDAの金属錯体又はMGDAの金属錯体を含む、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
前記サプリメントは、GLDAの亜鉛、マンガン、鉄又は銅錯体を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
前記サプリメントは、動物飼料、動物用飲料水、塩塊、又はそれらのためのプレミックス中に存在する、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
前記動物飼料は、さらに、マメ科植物、飼い葉、穀物及び/又は葉又はそれらの誘導体の群からの家畜用飼料を含む、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
前記動物は、家畜動物又は水生動物、好ましくはニワトリ、産卵ニワトリ、シチメンチョウ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ネコ、イヌ、魚類、又はエビである、請求項1から8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
(i)グルタミン酸N,N−二酢酸(GLDA)、GLDAの金属錯体、GLDAのナトリウム塩、GLDAのカリウム塩、メチルグリシン−N,N−二酢酸(MGDA)、MGDAの金属錯体、MGDAのナトリウム塩、MGDAのカリウム塩、エチレンジアミンN,N’−ジコハク酸(EDDS)、EDDSの金属錯体、EDDSのナトリウム塩、EDDSのカリウム塩、イミノジコハク酸(IDS)、IDSの金属錯体、IDSのナトリウム塩及びIDSのカリウム塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物と、(ii)タンパク質、脂肪、炭水化物、無機質、ビタミン類、ビタミン前駆体、及び水若しくはその他の食用液体からなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを含む動物飼料、動物用飲料水、塩塊若しくはそのためのプレミックス。
【請求項11】
前記金属は、亜鉛、銅、鉄、マンガン、クロム、コバルト、カルシウム、及びマグネシウムからなる群から選択される、請求項10に記載の動物飼料、動物用飲料水、塩塊若しくはそのためのプレミックス。
【請求項12】
GLDAの亜鉛若しくは銅錯体を含む請求項10又は11に記載の動物飼料、動物用飲料水、塩塊若しくはそのためのプレミックス。
【請求項13】
化合物として(i)GLDAのナトリウム塩、GLDAのカリウム塩、MGDAのナトリウム塩、MGDAのカリウム塩、GLDAのカルシウム錯体、GLDAのマグネシウム錯体、MGDAのカルシウム錯体、及びMGDAのマグネシウム錯体からなる群から選択される少なくとも1つの化合物と、銅塩、亜鉛塩、鉄塩、マンガン塩、クロム塩、及びコバルト塩からなる群から選択される1つ又はそれ以上の塩とを含む、請求項10又は11に記載の動物飼料、動物用飲料水、塩塊若しくはそのためのプレミックス。
【請求項14】
前記金属は、銅、亜鉛、マンガン、クロム、コバルト、マグネシウム及びカルシウムからなる群から選択される、グルタミン酸N,N−二酢酸(GLDA)又はメチルグリシン−N,N−二酢酸(MGDA)の金属錯体。
【請求項15】
前記錯体は、NaCu−GLDA、KCu−GLDA、HCu−GLDA、NaKCu−GLDA、NaHCu−GLDA、KHCu−GLDA、Cu−GLDA、NaZn−GLDA、KZn−GLDA、HZn−GLDA、NaKZn−GLDA、NaHZn−GLDA、KHZn−GLDA、Zn−GLDA、NaMn−GLDA、KMn−GLDA、HMn−GLDA、NaKMn−GLDA、NaHMn−GLDA、KHMn−GLDA、Mn−GLDA、NaCu−MGDA、KCu−MGDA、HCu−MGDA、NaZn−MGDA、KZn−MGDA、HZn−MGDA、NaMn−MGDA、KMn−MGDA、HMn−MGDAである、請求項14に記載の金属錯体。
【請求項16】
動物飼料、動物用飲料水、塩塊若しくはそれらのためのプレミックスを補う方法であって、グルタミン酸N,N−二酢酸(GLDA)、メチルグリシン−N,N−二酢酸(MGDA)、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸(EDDS)、又はイミノジコハク酸(IDS)の金属錯体を含むサプリメントを前記動物飼料、動物用飲料水、塩塊若しくはレミックスに加える工程を含む、又はGLDA、GLDAのナトリウム塩、GLDAのカリウム塩、MGDA、MGDAのナトリウム塩、MGDAのカリウム塩、EDDS、EDDSのナトリウム塩、EDDSのカリウム塩、IDS、IDSのナトリウム塩、及びIDSのカリウム塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を場合により銅塩、亜鉛塩、鉄塩、マンガン塩、クロム塩、及びコバルト塩からなる群から選択される1以上の塩と共に前記動物飼料、動物用飲料水、塩塊、又はプレミックスに加える工程による方法。

【公表番号】特表2013−509164(P2013−509164A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535792(P2012−535792)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【国際出願番号】PCT/EP2010/066187
【国際公開番号】WO2011/051295
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(509131443)アクゾ ノーベル ケミカルズ インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ (26)
【氏名又は名称原語表記】Akzo Nobel Chemicals International B.V.
【住所又は居所原語表記】Stationsstraat 77, 3811 MH Amersfoort, Netherlands
【Fターム(参考)】