動的なCMGアレイおよび方法
コントロール・モーメント・ジャイロ(CMG)(10)の故障、あるいはスペースクラフト(S/C)質量特性またはミッションの変更を補償するようにCMG(10)を姿勢変更するための方法および装置が提供される。改良型のCMG(10)は、CMG(10)をCMGジンバル軸と平行でない軸(18)のまわりで回転させるための駆動手段を備える。CMGアレイ姿勢変更中を除いて、解除可能なクランプが、CMG(10)をスペースクラフトに固定する。CMGアレイ(50)は、姿勢センサ(102)、コマンドモジュール(104)、データおよびプログラムを格納するためのメモリ(108)、(好ましくは各CMG軸(18、22、30)ごとの)CMG駆動装置(112)およびセンサ(114)、ならびにこれらの要素を結合する制御装置(116)と組み合わされる。この方法は、CMG(10)が故障し、あるいはS/C特性またはミッションが変化したかどうか決定するステップ、アレイの作動中のCMG(10)を識別するステップ、スペースクラフト制御の向上のために新しいアレイ姿勢変更を決定するステップ、アレイのCMG(10)を解除し、姿勢変更し、再び固定するステップ、および新しいアレイ姿勢のためにS/C制御パラメータを更新するステップを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、スペースクラフトの運動量を制御するためのシステムに関し、より具体的には、複数のコントロール・モーメント・ジャイロ(CMG)を使用するスペースクラフトシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
スペースクラフトの運動量を制御し、姿勢を調整するためにコントロール・モーメント・ジャイロ(CMG)を使用することは、当技術分野ではよく知られている。CMGおよび運動量制御システムについては、たとえば特許または特許公報:米国2002/0040950 A1、Staley他;米国第6,231,011 B1号、Chu他;米国第6,154,691号、Bailey;米国第6,360,996 B1号、Bockman他;米国第6,128,556号、Bailey;米国第6,131,056号、Bailey他;米国第6,285,927 B1号、Rongsheng他;米国第6,305,647 B1号、Defendini他;米国第6,039,290号、Bong Wie他;および米国6,311,931 B1号、Smayに記載されている。スペースクラフトの運動量を調整し、かつ/またはその3次元の姿勢を変更するためにCMGアレイを使用することが知られている。
【0003】
従来技術のCMGアレイに関する問題は、アレイのCMGのうちの1つまたは複数が故障したとき、残りのCMGを使用してスペースクラフトの運動量および/または姿勢を制御し続けることがしばしば困難または不可能であることである。一部の制御が引き続き可能であっても、使用可能な運動量制御空間は一般に、残りのCMGの姿勢がもはや最適でないために大幅に減少される(運動量制御空間は、使用可能なCMGアレイを使用して所与の任意の時点で達成され得る運動量の値の範囲である)。スペースクラフトでしばしば生じるさらなる問題は、組み立てられた、または軌道に到達したとき、スペースクラフトの質量特性は、必ずしも最初に予測されたとおりではなく、また最初に設定されたCMGの姿勢は、組立てまたは軌道への到着後の実際の質量特性に最適であるとは言えないことである。さらなる問題は、スペースクラフトの寿命の間に、たとえば操縦燃料または他の補給品の消費、あるいは放出されまたは捕捉された積み荷のせいでスペースクラフトの質量特性が時間とともに変化し得ることである。この場合も、最初のCMGアレイの姿勢は、最大の運動量制御空間を提供し得ない。したがって、CMGアレイを用いたスペースクラフト運動量制御の信頼性および能力を改善し、具体的には(1)アレイの個々のCMGのうちの1つまたは複数の故障、(2)組立てまたは発射後のスペースクラフトの異なるまたは変更された質量特性、あるいは(3)その組合せを全体的または部分的に補償することができる手段および方法が引き続き求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、スペースクラフトの作動中のCMGのうちの1つまたは複数が、達成可能な運動量制御空間を最大にするように姿勢変更され得る手段および方法を提供することが望ましい。さらに、姿勢変更が発射前に、かつ/または軌道上で遠隔に実施されることができるのが望ましい。さらに、本発明の他の望ましい特徴および特性は、添付の図面および上述の技術分野および背景と併せて考慮される、次の詳細な説明および付属の特許請求の範囲から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
軌道上のコントロール・モーメント・ジャイロ(CMG)を、CMGの故障、あるいはスペースクラフト(S/C)の質量特性またはミッションの変更を補償するように姿勢変更するための方法および装置が提供される。改良型のCMG装置は、CMGをCMGジンバル軸に平行でない軸のまわりで回転させるための駆動手段を備える。回転を容易にするために、軸受けがCMGのベースとマウントの間に設けられることが望ましい。解除可能なクランプが、CMGアレイ姿勢変更中を除いて、CMGをスペースクラフトに固定する。スペースクラフト運動量制御のために、改良型CMGと、S/C姿勢センサと、S/C姿勢コマンドモジュールと、データおよびプログラムを格納するためのメモリと、(好ましくは各CMG軸ごとの)CMG駆動装置およびセンサと、これらの要素を結合し制御する制御装置とを備えるシステムが提供される。この方法は、アレイのCMGが故障し、あるいはS/C特性またはミッションが変化したかどうか判定すること、アレイの作動中のCMGを識別すること、スペースクラフト制御の向上のために新しいアレイ姿勢変更を判定すること、アレイのCMGのうちの1つまたは複数を解除し、姿勢変更し、再び固定すること、および望ましくは新しいアレイ姿勢のためにS/C制御パラメータを更新することを備える。
【0006】
本発明について、後述の図面に関連して以下で述べる。図面では、同じ数字は同様の要素を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下の詳細な説明は、例示的な性質のものにすぎず、本発明、または本発明の適用例および使用を制限するものではない。さらに、上述の技術分野、背景、概要または以下の詳細な説明で提示される、表現または示唆された理論によって制約されるものではない。本明細書では、単語「直行の」および「実質上直行の」は、3次元(3−D)空間の様々な回転軸および/またはベクトルの相対姿勢に関連して使用されている。これらの単語は、例示するために好ましい構成または実施形態について述べるものにすぎず、また限定的なものではない。本発明のCMGに関連するベクトルまたは軸は90度離れている必要はなく、単にそれらが平行でなければよい。
【0008】
図1A〜1Cは、本発明によるCMG10の非常に簡略化された概略部分断面図である。ハウジング12内のCMG10の内部要素は従来のものである。図1Aは、内部ロータ16の翼に平行なCMG10の図である。図1Bおよび1Cは、図1Aに類似しているが、図1Aの図に対して直角を成す図である。次に図1Aを参照すると、CMG10は、ベース14を介してマウント15に取り付けられた外部ハウジング12を備えている。マウント15は、スペースクラフト(簡単にするためスペースクラフトは図中に示されていない)に堅く取り付けられるためのものであるスペースクラフトの一部または支持台であり得る。ハウジング12内にはロータ16がある。ロータ16は、角の回転矢印20によって示されるように、軸18のまわりを通常高速で回転する。ロータ16を回転させるためのモータは従来のものであり、簡単にするため省略されている。説明の都合上、軸18は、ロータ16によってもたらされる角運動量の方向ベクトルとして識別される。したがって、単語「軸」18および「運動量ベクトル」18は、本明細書では同義的に用いられている。ロータ16は、必須ではないが好ましくはロータの軸18に直行する回転軸22を有するジンバル(図示せず)上で支えられる(軸18および22は平行であるべきではない)。駆動機構26は、角回転矢印24によって示すように、ロータ16を支えるジンバルを軸22のまわりに回転させるために設けられる。一般に位置センサ28は、駆動機構26によるジンバルの回転量を測定するために設けられる。駆動機構26およびセンサ28は従来のものである。
【0009】
本発明のCMG10は、必須ではないが好ましくはロータの軸22に直行する第3の回転軸30を有する。軸22、30は、それらが平行でない限り、任意の相対姿勢を有し得るが、実質上直行する構成が好都合である。軸18はジンバル軸22のまわりの回転によって移動され得るので、軸18および30は特定の状況下では平行とすることができ、したがって、その状況は妨げられない。CMG10は、角回転矢印32によって示すように、軸30のまわりを回転させられ得る。本発明のCMG10は、それをスペースクラフトまたはマウントから解除し、それを姿勢変更し、制御された姿勢変更後にそれを再び固定することによってスペースクラフトの質量特性、ミッション、ペイロードの変更、またはCMGの故障を補償するように制御されるやり方で軸30のまわりの回転が実施され得るという点で従来技術と異なる。こうした姿勢変更は、発射前でも、軌道上でも実施され得る。
【0010】
図1Bおよび1Cは、ジンバル回転軸22に沿って見た、図1Aの図と直角を成すCMG10の図である。ここではロータの軸18は、この図面の平面上にある。図1Bで、ジンバル回転軸22は、図1Aの姿勢から変更されていない。図1Cで、ロータ16は、その支持ジンバル(図示せず)を使用して、図1Aおよび1Bのその位置に対して軸22の回りを角度34だけ回転されている。高速に回転するロータ16の運動量ベクトル18は、慣性系の異なる方向をここでは指している。外部から加えられるモーメントがない慣性系では運動量が保存されるので、CMG運動量ベクトル18の方向の変更は、スペースクラフトの角速度の対応する変化をもたらす。スペースクラフトの姿勢または運動量の所与の変更を達成するために必要な角度34の変更を計算するための手段および方法は、この分野では周知である。
【0011】
図2は、本発明のCMG10に関連する実質上直行する回転ベクトル18、22、30を示すその簡略化された概略図である。図2〜3でベクトル18、22、30は共通の点で交差し、約90度だけ離されているように示されているが、これは、説明の都合上にすぎず、限定的なものではない。ベクトル22、30は、いくらかの直行成分を有するように、平行でないことだけが必要である。CMGアレイと称される複数のCMGを使用することが一般に好まれる。図3Aは、4つの個別のCMG10−1、10−2、10−3、10−4からなるCMGアレイ50の簡略化された概略図である。より多いまたは少ないCMGが使用されることもできるが、4つがしばしば好まれる。3つのCMGは、3つのすべてのスペースクラフト回転の自由度を制御するのに必要とされる最低量である。4つのCMGは、単一のCMGが故障した場合に冗長性を提供し、3つの制御軸を依然として維持するのに必要な最低量である。CMG10−1、10−2、10−3、10−4の姿勢は、その各基底ベクトルまたは座標軸18、22、30によって示される。好都合には、スペースクラフトの運動量制御のために、CMGアレイ50に類似のアレイが使用される。従来CMG10−1〜10−4は、マウント15に堅く取り付けられる。一般的な従来技術の実施形態では、ポイント40は、4つの面をもつ角錐の頂点を形成し、各CMGが該角錐の面に沿って置かれているが、これは必須ではない。システムがCMG故障の後に適切に機能し続ける能力を増すために、追加の予備のCMGが加えられ得る。本発明は、提供される予備のCMGの数に依存しない。説明の都合上、本明細書では元のCMGアレイに少なくともN=4のCMGが最初に存在すると仮定されているが、3軸のスペースクラフトの制御にはN=3のCMGで十分なので、これは必須ではない。完全な3軸の制御には、4つより多く、しかし少なくとも3つのCMGがあり得る。本発明は、N≧4の場合に有用であるが、CMG故障を補償することが望まれ、またN≧3の場合にも有用であり、スペースクラフト特性またはミッション、あるいはその任意の組合せの変更を補償することが望まれる。
【0012】
図3Aの構成は、1つ(N>4の場合にはそれより多い)CMGが故障した場合に4つのCMGすべてが動作しているときに有用であるが、図3Aのアレイ50の残りのCMGは、最大の運動量制御空間をもたらすのに最適な姿勢をもはや有していない可能性が高い。同様に、組立てまたは発射の前に確立されたCMGの所望の姿勢が最大の運動量制御空間をもはやもたらさないことが分かる場合、組立てまたは発射後にCMGのうちの1つまたは複数を姿勢変更するための手段が望ましい。図3Bは、図3Aに類似しているが、(i)たとえばCMG10−4が故障した後、および(ii)残りの運動量制御空間を最大にするためCMG10−1および10−3がその個々の軸30のまわりをそれぞれ回転角度52、54だけ回転された場合の図である。CMG10−2もまたその軸30のまわりを回転角度56だけ回転され得るが、この実施例の目的のため、回転角度56は0であると仮定されている。しかし、この実施例の詳細は重要ではない。実施が望まれる任意のスペースクラフト操縦の運動量制御空間を最大にするために残りのCMG10−1、10−2および/または10−3が回転され得る(または回転され得ない)角度52、54、56は、図6に示すCMG制御電子システム100によって計算され、あるいは地上管制から、または他のやり方で受信される。角度52、54、56は、スペースクラフトの既知の物理パラメータ、残りのCMGの運動量ベクトルの大きさおよび方向、ならびに残りのCMG運動量ベクトルが変更され得る量および角度に基づいて決定される。本発明は、CMG故障は生じていないが、予想外のまたは変更されたスペースクラフト質量特性またはミッション、あるいは他の異常を補償するためにCMGアレイの姿勢が変更される必要がある場合にでもCMGを姿勢変更することを可能にする。変更は、機内のシステム100または等価物によって計算されても、地上管制または他の監督当局から遠隔指示されてもよい。
【0013】
図4Aは、第1の実施形態による、本発明のCMG10がスペースクラフトにどのように取り付けられるかについてのさらなる詳細を示す本発明のCMG10の平面図であり、図4Bはその部分側断面図である。図4A〜4BのCMG10は、図1A〜1Cのベース14に類似のベース58に結合されたハウジング12を有する。ベース58は、図1A〜1Cのマウント15に類似のマウント60によって支えられる。マウント60は、スペースクラフトの一部、またはスペースクラフトに堅く取り付けられるための支持台であり得る。ベース58とマウント60は、ロータ16およびジンバル軸22を含むハウジング12(図1A〜1C参照)がスペースクラフトの一部60に対して角度32だけ回転され得るように、必須ではないが好ましくは、軸30と実質上一致する回転の中心をもつ回転可動の継手63によって結合される。上述したように、軸30はジンバルの角度ベクトル22に対して実質上直行することが望ましいが、これは必須ではない。軸30がそれに平行していないことだけが必須である。ベース58は、必須ではないが好都合には、マウント60に取り付けられたモータまたは他のアクチュエータ57によってマウント60に対して回転される。アクチュエータ57とベース58を結合する任意の手段が使用され得る。限定するためではなく、例を挙げると、ベース58の外側の縁59には、アクチュエータ57の中心57Cのまわりを回転するピニオン(図示せず)にかみ合うギアの歯(図示せず)が設けられることができ、または代替方法として滑車およびベルトの構成も使用されることができ、または代替方法としてアクチュエータ57とベース58が直接の駆動構成として磁気的に結合され得る。アクチュエータ57の使用は例示的なものにすぎず、軸30(または軸30に平行の軸)のまわりのベース58とマウント60の間の相対回転運動を引き起こす任意の手段が使用され得ることが当業者には理解されよう。もたらされた回転角度32の量を測定するために、望ましくは角度センサ61が設けられる。センサ61は、ベース58またはハウジング12上のインデックスマークを読むために光線63を使用した非接触型のセンサであり得るが、これは、例示するためのものにすぎず、限定的なものではない。回転角度32の大きさを測定する任意の手段が使用され得る。上述の構成は、軸30のまわりの小さいまたは大きい、連続的または離散的なCMG回転を提供することができる。本明細書では、軸30に対するCMGの回転に関係のある語句「軸30のまわり」などは、軸30に平行な任意の軸のまわりの回転を含むものである。
【0014】
次に図4Bを参照すると、可動継手63は、マウント60上の環状の突起部分62と、ベース58内の環状の凹部分64と、マウント60に対するベース58(したがってCMG10の)の相対運動を容易にするためのその間の軸受け材66とを備える。マウント60に結合された1つまたは複数の保持器68は望ましくは、ベース58(およびCMG10)がマウント60から離れないようにするためにベース58に重なり合う。低摩擦の軸受け材70は望ましくは、その相対運動を容易するために保持器68とベース58の間に置かれる。停止ラグ72は、回転角度32の最大量を制限し、あるいは判定するために任意選択でベース58上に設けられるが、これは必須ではない。ある方向では停止ラグ72は、保持器68−1にかみ合い、別の方向では保持器68−2にかみ合う。保持器68は好都合には、ベース58の回転を制限するために停止を提供するが、これは必須ではなく、マウント60に対してベース58の最大の回転を制限する任意の手段が、望まれるときに使用され得る。回転の制限は必要ではないが、ユーザのニーズによっては好都合であり得る。
【0015】
図5Aは本発明の別の実施形態による、CMG10’の部分平断面図であり、図5Bは、その部分側断面図である。図5A〜5Bは、図4A〜4Bに類似する。CMG10’は、図1A〜1Cのベース14、および図4A〜4Bのベース58に類似のベース78に結合されたハウジング12を有する。ベース78は、図1A〜1Cのマウント15、および図4A〜4Bのマウント60に類似のマウント80によって支えられる。ベース78およびマウント80は、ロータ16(図1A〜1C参照)を含むハウジング12およびジンバル軸22がマウント80に対して角度32だけ回転され得るように、必須ではないが好ましくは軸30に一致する回転の中心を有する回転可動継手83によって結合される。上述したように軸30は、ジンバルの角度ベクトル22に直行し、または少なくとも直行成分を有する(すなわち平行でない)ことが好ましい。回転可動継手83は好都合には、マウント80の凹部96内に貫通するベース78からの環状の突起部95を備え、それによって2つの間に置かれた環状の形の軸受け材97にかみ合う。図5A〜5Bの可動継手83は、図4A〜4Bの可動継手63の幾何学的な逆である。図4A〜4Bの保持器68に類似の保持器88が好都合には、ベース78がマウント80から離れないようにするために設けられる。CMGのベースと、スペースクラフトの一部であり、またはそれに取り付けられたマウントの間の可動継手について2つの例がここでは提供されているが、これは説明の都合上にすぎず、相関的な回転、移動またはその組合せを提供する任意の手段が使用され得ることが当業者には理解されよう。
【0016】
次に図5B、および図5Aの切取り91によって明らかになる詳細を参照すると、上方向に伸びる柱92は、マウント80の環状の凹部96内に固定される。柱92は、必須ではないが好都合には、軸30と一致するように置かれる。必須ではないが好都合には柱92からオフセットされる下方向に伸びる柱94は、ベース78の環状の突起部95に固定される。力部材90は、柱92、94を結合する。力部材90は、たとえば、ばねまたはバイメタルの伸縮板、あるいは他の起動手段であり得る。ばねの場合、ベース78は、たとえば発射前にマウント80に最初に固定され、次いでロック機構84および/または他の引き込み式のクランプ(図示せず)によってコック位置で保持されるときにばね90を伸張しまたは巻くために回転され得る。たとえば、ロック機構84は、好都合にはベース78の戻り止め86にかみ合う可動のロックピン85を有する。ロックピン85は、磁気によって、または他の任意の好都合な手段によって動かされ得る。飛行中にスペースクラフトに対してCMG10’を回転することが望まれる場合、ロックピン85は、ばね90によって及ぼされた力に応答してベース78がマウント80に対して回転することを可能にするために引き込められる。しかし、これは、例示するためのものにすぎず、限定的なものではない。マウント80に対する回転ベース78の任意の手段が使用されることができ、また回転は、ユーザのニーズに応じて、連続的なまたは離散的なステップ、あるいはその組合せであり得る。回転に加えて、またはその代わりに、CMG10、10’は、その最初のマウント位置に対して移動されることもできる。機構が移動後にCMGを所定位置に固定するためのクランプを含むのであれば、移動をもたらす任意の手段が使用され得る。非限定的な例は、対応するCMGベース14、58、78上の溝またはフランジが(またはその逆で)かみ合う、マウント15、60、80上のトラックまたは基礎となるスペースクラフトの構造であり、溝またはフランジがトラックに沿って移動し得る。
【0017】
力部材90は、電流の伝導または近くのヒータ(図示せず)によって引き起こされる加熱に応答して曲がるバイメタル板であり得る。バイメタル板の力部材90の温度を変更すると、それが丸まり、または伸び、それによってスペースクラフトの一部80に対して回転ベース78を回転させる。マウント80に対するベース78の相対的な回転を引き起こすための他の任意の手段も使用され得る。有用な作動方法は、回転力をもたらすためにCMG自体のトルクを使用することである。CMG自体のトルクを使用することは、図4A〜Bの構成にも適用される。
【0018】
図5A〜5Bでは、ロックピン85は引き込まれた状態にあり、それによって、角度矢印32によって示すようにベース78がマウント80に対して回転することを可能にすることが示されている。ロックピン85は、解除されると、ベース78上に落下し、次の戻り止め86がロックピン85の下を通過するときにベース78の回転を停止する。これは、ベース78とマウント80の相対的な回転の正の指標を提供する。ロックピンが引っ込み、再設定されるようにロック機構84を律動的に動かすことによって回転は、戻り止め86の円周の間隔によって決定される増加分だけ進められ得る。代替方法として、連続的な、または割出しされた動きを提供するために、図4A〜Bに示すようなギアおよびピニオンまたはベルト、あるいは磁気駆動装置が使用されることもできる。
【0019】
図6は、本発明によるスペースクラフト制御システム100の簡略化された電気概略ブロック図である。システム100は、スペースクラフト(略して「S/C」)姿勢センサ102(慣性ジャイロ、スタートラッカーなど)と、スペースクラフトの姿勢の所望の変更が地上管制または全体的なスペースクラフト管理システム、あるいは他の何らかの監視当局(図示せず)から受信され得るスペースクラフト姿勢コマンドモジュール104と、スペースクラフト姿勢制御装置106と、メモリ108と、CMG制御装置110とを備える。姿勢センサ102は、バスまたはリード線103によって制御装置106に結合される。姿勢コマンドモジュール104は、バスまたはリード線105によって制御装置106に結合される。メモリ108は、バスまたはリード線109によって制御装置106に結合される。メモリ108は、制御装置106用の制御プログラム、スペースクラフト特性、CMG特性、CMGアレイ構成、ならびに/または制御装置106および/または110が必要とし得る他の参照情報を格納する。それらの特定のシステムにどんな情報が必要であり、またこうした情報をメモリ108内にどのように格納するかが当業者には理解されよう。CMG制御装置110は、バスまたはリード線107によってS/C姿勢制御装置106に結合される。S/C姿勢制御装置106とCMG制御装置110とを含む図6に示す構成が好ましいが、それらは、両方を包含する輪郭線116によって示されるように組み合わせられ得る。説明の都合上、輪郭線116内の組合せは、「制御装置」116と称される。本発明の目的により、CMG10、10’を制御するための所望の機能が設けられている限りは、制御装置116がS/C姿勢制御装置106およびCMG制御装置110に分割されているかどうかが重要である。
【0020】
システム100はさらに、制御装置110にバスまたはリード線111および113によってそれぞれ結合されているCMG駆動装置112とCMGセンサ114とを備える。CMG駆動装置112およびセンサ114は、それらが取り付けられているスペースクラフトの運動量制御に使用されるためのアレイ50、50’または等価物のCMG10、10’(図1〜5参照)に結合され、またはその一部である。CMG10、10’は、特にCMGの解除、軸30のまわりでの姿勢変更および再固定のためにではあるが、好ましくはそれぞれの軸18、22、30ごとのCMG駆動装置112(モータまたは他の動力など)を含む。同様に、(必須ではないが)好ましい実施形態では、CMG10、10’は、それぞれの軸18、22、30のまわりの回転状態、たとえば軸18のまわりのロータ16の回転速度、軸22のまわりのジンバル回転角度24、軸30のまわりのベース回転角度32を測定するCMGセンサ114を含む。好ましい実施形態では、軸18、22、30は実質上直行するものとして示されているが、これは説明の都合上にすぎず、必須ではない。上記で説明したように、軸22が軸30に対して平行でないことだけが必要である。軸18は、軸30に対して任意の姿勢を有し得る。
【0021】
通常のS/C姿勢制御操作の間、S/C姿勢センサ104から受信される入力が姿勢コマンドモジュール104から受信される所望の姿勢コマンドと異なる場合、制御装置116は、姿勢コマンドモジュール104によって示される姿勢にスペースクラフトを姿勢変更するために、メモリ108内に格納されたスペースクラフト特性およびCMGアレイ情報、ならびにCMGセンサ114から受信される(やはりメモリ108に格納され得る)軸の姿勢の情報に基づいて、それぞれの軸について各CMGのCMG駆動装置112に提供される駆動量を計算し得る。この検査を実施する過程において、制御装置116は、姿勢コマンドモジュール104によって要求される所望の姿勢が、使用可能な運動量制御空間内のものであることを確認することもできるが、これは必須ではない。あるいは、制御装置116は、全体の補正計算をそれ自体が実施する必要なしに、所定のCMG姿勢変更計画の一部またはすべてをメモリ108から取り出すことができる。さらに、上述の計算は、リモートで(たとえば地上管制または他の監視当局によって)実施され、制御装置116が(CMG制御装置110を介して)CMG駆動装置112に所望の姿勢変更信号を送信することができるようにインターフェース104を介してスペースクラフトおよびシステム100に送信され得る。これらの構成のいずれもが有用である。CMGアレイ50、50’を姿勢変更するのに必要な信号がどのようにまたはどこで判定されるかは重要ではない。システム100が、CMGのうちの1つまたは複数を解除し、解除されたCMGの所望の姿勢変更を引き起こし、次いでそのCMGを新しい姿勢に再び固定するために適切な信号をCMG駆動装置112に提供できることだけが重要である。
【0022】
上述のこれらの通常のS/C姿勢制御操作を実施することに加えて、好ましい実施形態では制御装置116は、いずれかのCMGが故障したかどうか判定するため、たとえばCMG制御装置110、駆動装置112および/またはセンサ114を介してCMGアレイ50、50’(図3A〜3B参照)の個々CMGを継続的または定期的に監視し得る。それは、作動中と見なされる具体的なCMGについて、軸18のまわりの決定可能なロータ回転速度、軸22のまわりの決定可能なジンバル速度およびジンバル位置、軸30のまわりの決定可能な姿勢および回転能力を提供し続け、またバスまたはリード線111、113あるいは等価物を介して制御装置110と通信し続けるべきである。制御装置110は好都合には、適切な動作を確認するためにCMG駆動装置112およびセンサ114に問い合わせる。制御装置116は、CMGが故障したことを検出するときには、図7に関連してより十分に説明するように、運動制御空間を最大にするために残りのCMGが姿勢変更されるべき量および方向を決定し、CMG制御装置110は、この事象を達成するために、残りの作動中CMGの駆動装置112にコマンドを出す。姿勢変更の量および方向は、制御装置116によって計算されることも、メモリ108から取得されることも、S/C地上管制および/または他のシステムあるいはその組合せなど、監査当局から取得されることもある。好ましい実施形態では、制御装置110は、所望の姿勢変更が実施されたことを決定するためにCMGセンサ114の監視をも行う。
【0023】
システム100は、故障したCMGを補償するためにCMGアレイの個々の部材を姿勢変更することに加えて、スペースクラフトの質量特性が発射前に予測されたもの、または軌道上で時間とともに変更されたものと異なる場合には運動量制御空間を最大化するためにCMGアレイ50、50’を姿勢変更するように操作することもできる。姿勢コマンドモジュール104によって出される姿勢変更コマンドは、地上管制から受信されるコマンドに基づいてこうした姿勢変更を指示することができ、または制御装置116は、新しい1組のS/Cパラメータまたは所定の位置変更命令に最適なCMGアレイの姿勢を計算するよう指示され得る。メモリ108に格納されたそれぞれ異なる質量および姿勢決めシナリオも使用され得る。修正されたCMGアレイの姿勢を取得する任意の適切な手段が有用である。姿勢変更操作の最適化のために、センサ102または他のスペースクラフト機器によって提供されるスペースクラフトの状態に関する情報も使用され得る。次いで、制御装置116は、駆動装置112に所望のCMGアレイ姿勢変更を実施させる。特定のS/C質量特性および/または姿勢に適したCMGアレイの姿勢を決定するためのアルゴリズムは、当技術分野ではよく知られている。あるいは、CMGの数、およびそのジンバル軸の方向は、S/Cの姿勢または運動量要件に対する運動量能力包絡線の最適な適合が見つけられるまで変更されることができ、この意味での適合とは、S/C制御を行うのにCMG当たりの最小の運動量が必要とされることである。CMGおよびその関連のロックは、個々にまたはまとめて、あるいはその組合せで解除され、姿勢変更され、再び固定され得る。
【0024】
図7は、本発明の方法200を示す簡略化されたフローチャートである。方法200は、好都合にはシステムの電源投入時に開始される開始202より始まる。問合せ204(「S/Cパラメータが変更され、またはCMGが故障したか」)が実施され、制御装置116、ならびに/または下位制御装置106および/もしくは110、あるいは等価物が、たとえばコマンドモジュール104を介して受信された情報が、S/C質量パラメータまたはS/Cミッションが(たとえばメモリ108に格納された値から)変更されたことを示しているかどうか、またはCMGが故障したかどうか決定する。問合せ204の結果がNO(偽)である場合は、方法200は経路203を介して開始202に折り返し、問合せ204が繰り返される。問合せ204の結果がYES(真)である場合は、方法200はステップ205(作動中のCMGの識別)に進み、アレイのどのCMGが適切に作動しているか判定される。次いで、問合せ208(いくらかの補償が可能か)が任意選択で実行される。ステップ208は望ましいが、必須ではない。問合せ208の結果が、補償が行われ得ないことを示すNO(偽)である場合は、方法200は経路207を介して終了210に進む。問合せ208の結果がYES(真)である場合は、方法200はステップ212(新しいCMGアレイ姿勢の決定)に進み、可能な運動量制御空間を最大にするために制御装置116または等価物が修正されたCMG姿勢を計算し、あるいは別の方法でそれを判定しまたは取得する。どのようにこうした計算を実施し、あるいはシステム100にこうした情報を地上管制(または地上管制コンピュータ)に要求させ、または事前に計画された適切な応答を得ることができるメモリ108(または他のメモリ)から、もしくは他の適切なやり方でそれを取り出させるかが当業者には理解されよう。
【0025】
本発明の方法の第1の実施形態では、ステップ212の後に任意選択で、ステップ214、216が続く。ステップ214(CMG姿勢変更のための最良のS/C状態の決定)で、制御装置116または等価物は、CMGアレイの姿勢変更がS/Cに対して最小限の悪影響を伴って行われ得るように、スペースクラフトがどんな状態にあるべきかを取得しまたは判定する。たとえば、姿勢変更中に太陽放射のホットスポットが生じないように、機内のスラスタを作動させて、そうでない場合には方向的に安定しているS/Cを一時的に回転させることが望ましい。あるいは、S/C姿勢は、たとえばS/Cを冷却するための放熱器が意図せずに太陽に向けられることにならないようにするために、CMG姿勢変更中には異なっている必要があり得る。その特定のスペースクラフトの性質および必要性に応じてどんな要因および状況が考慮されるべきか、また適切な調整をどのように達成するかが当業者は理解されよう。ステップ216(S/C状態への悪影響を最小にするためのCMG運動量を調整)で、CMGアレイの姿勢変更がその変更中にスペースクラフトの状態に対して最小限の悪影響しか及ぼさないように、たとえばロータ16の回転速度または他のCMGパラメータを調整するためのコマンドが駆動装置112または等価物に送信される。しかし、ステップ214、216は必須ではなく、方法200は、ユーザのニーズまたは要望に応じてステップ212からステップ218に直接に、またはステップ214、216を介して進み得る。
【0026】
ステップ218(CMGロックの解除)で、たとえば軸30(または軸30に平行の軸)のまわりのCMG10、10’の回転を前に抑制していた1つまたは複数のロック、あるいは他の機構が解除される。ステップ220(CMGの姿勢変更)で、使用可能な運動量空間を最大にするために、制御装置110および駆動装置112によってCMG10、10’のうちの1つまたは複数が、制御装置106または等価物によって計算されまたは取得された量だけ姿勢変更される(図3A〜3B参照)。ステップ222(CMGロックをかける)で、CMG10、10’をその各マウントまたはスペースクラフト部分に再び固定するために、1つまたは複数のCMGロックまたは機構が、新しい姿勢ではあるが再びかけられる。ステップ224(新しいCMG姿勢のためのS/C制御パラメータ更新)で、メモリ108(または別のところ)に格納された制御パラメータが更新される。ステップ226(姿勢変更されたCMGアレイを使用したS/C姿勢制御の再開)は、システム100が、スペースクラフトの姿勢制御のために、修正されたCMGアレイをいつものように再び使用できることを示す。方法200は、ユーザのニーズに応じて、(ステップ226の前に)経路225を介して、または(ステップ226の後に)経路227を介して開始202に戻る。CMGおよびその関連のロックは、個々にまたはまとめて、あるいはその組合せで解除され、姿勢変更され、再び固定され得る。
【0027】
上述の詳細な説明では少なくとも1つの例示的な実施形態について提示したが、非常に多くの変形形態が存在することを理解されたい。たとえば、本発明のCMGの姿勢変更は個々のCMGについて一般的に述べられているが、これは説明の都合上にすぎず、限定的なものではない。複数のCMGが同じマウントに結合され、共通のマウントを姿勢変更することによってまとめて動かされることができ、また添付の特許請求の範囲は、この変形形態を包含するものであることが当業者には理解されよう。例示的な実施形態または例示的な諸実施形態は、実施例にすぎず、本発明の範囲、適用性または構成をいずれのやり方で制限するものではないことも理解されたい。そうではなく、上述の詳細な説明は、例示的な実施形態または例示的な諸実施形態を実施するための好都合な道筋を当業者に提供する。添付の特許請求の範囲、およびその法的な均等物において述べる本発明の範囲から逸脱せずに、要素の機能および構成の様々な変更が行われ得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1A】本発明のCMGの非常に簡略化された概略部分断面図である。
【図1B】図1Aの図と直角を成す、本発明のCMGの非常に簡略化された概略部分断面図である。
【図1C】図1Aの図と直角を成す、本発明のCMGの非常に簡略化された概略部分断面図である。
【図2】本発明のCMGに関連する全体的に直行する回転ベクトルを示すその簡略化された概略図である。
【図3A】本発明による、スペースクラフトの運動量制御のために使用されるCMGアレイの全体的に直行する回転ベクトルの簡略化された概略図である。
【図3B】本発明による、スペースクラフトの運動量制御のために使用されるCMGアレイの全体的に直行する回転ベクトルの簡略化された概略図である。
【図4A】第1の実施形態による、本発明のCMGがどのようにスペースクラフトに付いているかを示すその平面図である。
【図4B】第1の実施形態による、本発明のCMGがどのようにスペースクラフトに付いているかを示すその部分断面側面図である。
【図5A】さらなる実施形態による、本発明のCMGがどのようにスペースクラフトに付いているかを示すその平面図である。
【図5B】さらなる実施形態による、本発明のCMGがどのようにスペースクラフトに付いているかを示すその部分断面側面図である。
【図6】本発明によるスペースクラフト運動量制御システムの簡略化された電気概略ブロック図である。
【図7】本発明の方法を示す簡略化されたフローチャートである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、スペースクラフトの運動量を制御するためのシステムに関し、より具体的には、複数のコントロール・モーメント・ジャイロ(CMG)を使用するスペースクラフトシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
スペースクラフトの運動量を制御し、姿勢を調整するためにコントロール・モーメント・ジャイロ(CMG)を使用することは、当技術分野ではよく知られている。CMGおよび運動量制御システムについては、たとえば特許または特許公報:米国2002/0040950 A1、Staley他;米国第6,231,011 B1号、Chu他;米国第6,154,691号、Bailey;米国第6,360,996 B1号、Bockman他;米国第6,128,556号、Bailey;米国第6,131,056号、Bailey他;米国第6,285,927 B1号、Rongsheng他;米国第6,305,647 B1号、Defendini他;米国第6,039,290号、Bong Wie他;および米国6,311,931 B1号、Smayに記載されている。スペースクラフトの運動量を調整し、かつ/またはその3次元の姿勢を変更するためにCMGアレイを使用することが知られている。
【0003】
従来技術のCMGアレイに関する問題は、アレイのCMGのうちの1つまたは複数が故障したとき、残りのCMGを使用してスペースクラフトの運動量および/または姿勢を制御し続けることがしばしば困難または不可能であることである。一部の制御が引き続き可能であっても、使用可能な運動量制御空間は一般に、残りのCMGの姿勢がもはや最適でないために大幅に減少される(運動量制御空間は、使用可能なCMGアレイを使用して所与の任意の時点で達成され得る運動量の値の範囲である)。スペースクラフトでしばしば生じるさらなる問題は、組み立てられた、または軌道に到達したとき、スペースクラフトの質量特性は、必ずしも最初に予測されたとおりではなく、また最初に設定されたCMGの姿勢は、組立てまたは軌道への到着後の実際の質量特性に最適であるとは言えないことである。さらなる問題は、スペースクラフトの寿命の間に、たとえば操縦燃料または他の補給品の消費、あるいは放出されまたは捕捉された積み荷のせいでスペースクラフトの質量特性が時間とともに変化し得ることである。この場合も、最初のCMGアレイの姿勢は、最大の運動量制御空間を提供し得ない。したがって、CMGアレイを用いたスペースクラフト運動量制御の信頼性および能力を改善し、具体的には(1)アレイの個々のCMGのうちの1つまたは複数の故障、(2)組立てまたは発射後のスペースクラフトの異なるまたは変更された質量特性、あるいは(3)その組合せを全体的または部分的に補償することができる手段および方法が引き続き求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、スペースクラフトの作動中のCMGのうちの1つまたは複数が、達成可能な運動量制御空間を最大にするように姿勢変更され得る手段および方法を提供することが望ましい。さらに、姿勢変更が発射前に、かつ/または軌道上で遠隔に実施されることができるのが望ましい。さらに、本発明の他の望ましい特徴および特性は、添付の図面および上述の技術分野および背景と併せて考慮される、次の詳細な説明および付属の特許請求の範囲から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
軌道上のコントロール・モーメント・ジャイロ(CMG)を、CMGの故障、あるいはスペースクラフト(S/C)の質量特性またはミッションの変更を補償するように姿勢変更するための方法および装置が提供される。改良型のCMG装置は、CMGをCMGジンバル軸に平行でない軸のまわりで回転させるための駆動手段を備える。回転を容易にするために、軸受けがCMGのベースとマウントの間に設けられることが望ましい。解除可能なクランプが、CMGアレイ姿勢変更中を除いて、CMGをスペースクラフトに固定する。スペースクラフト運動量制御のために、改良型CMGと、S/C姿勢センサと、S/C姿勢コマンドモジュールと、データおよびプログラムを格納するためのメモリと、(好ましくは各CMG軸ごとの)CMG駆動装置およびセンサと、これらの要素を結合し制御する制御装置とを備えるシステムが提供される。この方法は、アレイのCMGが故障し、あるいはS/C特性またはミッションが変化したかどうか判定すること、アレイの作動中のCMGを識別すること、スペースクラフト制御の向上のために新しいアレイ姿勢変更を判定すること、アレイのCMGのうちの1つまたは複数を解除し、姿勢変更し、再び固定すること、および望ましくは新しいアレイ姿勢のためにS/C制御パラメータを更新することを備える。
【0006】
本発明について、後述の図面に関連して以下で述べる。図面では、同じ数字は同様の要素を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下の詳細な説明は、例示的な性質のものにすぎず、本発明、または本発明の適用例および使用を制限するものではない。さらに、上述の技術分野、背景、概要または以下の詳細な説明で提示される、表現または示唆された理論によって制約されるものではない。本明細書では、単語「直行の」および「実質上直行の」は、3次元(3−D)空間の様々な回転軸および/またはベクトルの相対姿勢に関連して使用されている。これらの単語は、例示するために好ましい構成または実施形態について述べるものにすぎず、また限定的なものではない。本発明のCMGに関連するベクトルまたは軸は90度離れている必要はなく、単にそれらが平行でなければよい。
【0008】
図1A〜1Cは、本発明によるCMG10の非常に簡略化された概略部分断面図である。ハウジング12内のCMG10の内部要素は従来のものである。図1Aは、内部ロータ16の翼に平行なCMG10の図である。図1Bおよび1Cは、図1Aに類似しているが、図1Aの図に対して直角を成す図である。次に図1Aを参照すると、CMG10は、ベース14を介してマウント15に取り付けられた外部ハウジング12を備えている。マウント15は、スペースクラフト(簡単にするためスペースクラフトは図中に示されていない)に堅く取り付けられるためのものであるスペースクラフトの一部または支持台であり得る。ハウジング12内にはロータ16がある。ロータ16は、角の回転矢印20によって示されるように、軸18のまわりを通常高速で回転する。ロータ16を回転させるためのモータは従来のものであり、簡単にするため省略されている。説明の都合上、軸18は、ロータ16によってもたらされる角運動量の方向ベクトルとして識別される。したがって、単語「軸」18および「運動量ベクトル」18は、本明細書では同義的に用いられている。ロータ16は、必須ではないが好ましくはロータの軸18に直行する回転軸22を有するジンバル(図示せず)上で支えられる(軸18および22は平行であるべきではない)。駆動機構26は、角回転矢印24によって示すように、ロータ16を支えるジンバルを軸22のまわりに回転させるために設けられる。一般に位置センサ28は、駆動機構26によるジンバルの回転量を測定するために設けられる。駆動機構26およびセンサ28は従来のものである。
【0009】
本発明のCMG10は、必須ではないが好ましくはロータの軸22に直行する第3の回転軸30を有する。軸22、30は、それらが平行でない限り、任意の相対姿勢を有し得るが、実質上直行する構成が好都合である。軸18はジンバル軸22のまわりの回転によって移動され得るので、軸18および30は特定の状況下では平行とすることができ、したがって、その状況は妨げられない。CMG10は、角回転矢印32によって示すように、軸30のまわりを回転させられ得る。本発明のCMG10は、それをスペースクラフトまたはマウントから解除し、それを姿勢変更し、制御された姿勢変更後にそれを再び固定することによってスペースクラフトの質量特性、ミッション、ペイロードの変更、またはCMGの故障を補償するように制御されるやり方で軸30のまわりの回転が実施され得るという点で従来技術と異なる。こうした姿勢変更は、発射前でも、軌道上でも実施され得る。
【0010】
図1Bおよび1Cは、ジンバル回転軸22に沿って見た、図1Aの図と直角を成すCMG10の図である。ここではロータの軸18は、この図面の平面上にある。図1Bで、ジンバル回転軸22は、図1Aの姿勢から変更されていない。図1Cで、ロータ16は、その支持ジンバル(図示せず)を使用して、図1Aおよび1Bのその位置に対して軸22の回りを角度34だけ回転されている。高速に回転するロータ16の運動量ベクトル18は、慣性系の異なる方向をここでは指している。外部から加えられるモーメントがない慣性系では運動量が保存されるので、CMG運動量ベクトル18の方向の変更は、スペースクラフトの角速度の対応する変化をもたらす。スペースクラフトの姿勢または運動量の所与の変更を達成するために必要な角度34の変更を計算するための手段および方法は、この分野では周知である。
【0011】
図2は、本発明のCMG10に関連する実質上直行する回転ベクトル18、22、30を示すその簡略化された概略図である。図2〜3でベクトル18、22、30は共通の点で交差し、約90度だけ離されているように示されているが、これは、説明の都合上にすぎず、限定的なものではない。ベクトル22、30は、いくらかの直行成分を有するように、平行でないことだけが必要である。CMGアレイと称される複数のCMGを使用することが一般に好まれる。図3Aは、4つの個別のCMG10−1、10−2、10−3、10−4からなるCMGアレイ50の簡略化された概略図である。より多いまたは少ないCMGが使用されることもできるが、4つがしばしば好まれる。3つのCMGは、3つのすべてのスペースクラフト回転の自由度を制御するのに必要とされる最低量である。4つのCMGは、単一のCMGが故障した場合に冗長性を提供し、3つの制御軸を依然として維持するのに必要な最低量である。CMG10−1、10−2、10−3、10−4の姿勢は、その各基底ベクトルまたは座標軸18、22、30によって示される。好都合には、スペースクラフトの運動量制御のために、CMGアレイ50に類似のアレイが使用される。従来CMG10−1〜10−4は、マウント15に堅く取り付けられる。一般的な従来技術の実施形態では、ポイント40は、4つの面をもつ角錐の頂点を形成し、各CMGが該角錐の面に沿って置かれているが、これは必須ではない。システムがCMG故障の後に適切に機能し続ける能力を増すために、追加の予備のCMGが加えられ得る。本発明は、提供される予備のCMGの数に依存しない。説明の都合上、本明細書では元のCMGアレイに少なくともN=4のCMGが最初に存在すると仮定されているが、3軸のスペースクラフトの制御にはN=3のCMGで十分なので、これは必須ではない。完全な3軸の制御には、4つより多く、しかし少なくとも3つのCMGがあり得る。本発明は、N≧4の場合に有用であるが、CMG故障を補償することが望まれ、またN≧3の場合にも有用であり、スペースクラフト特性またはミッション、あるいはその任意の組合せの変更を補償することが望まれる。
【0012】
図3Aの構成は、1つ(N>4の場合にはそれより多い)CMGが故障した場合に4つのCMGすべてが動作しているときに有用であるが、図3Aのアレイ50の残りのCMGは、最大の運動量制御空間をもたらすのに最適な姿勢をもはや有していない可能性が高い。同様に、組立てまたは発射の前に確立されたCMGの所望の姿勢が最大の運動量制御空間をもはやもたらさないことが分かる場合、組立てまたは発射後にCMGのうちの1つまたは複数を姿勢変更するための手段が望ましい。図3Bは、図3Aに類似しているが、(i)たとえばCMG10−4が故障した後、および(ii)残りの運動量制御空間を最大にするためCMG10−1および10−3がその個々の軸30のまわりをそれぞれ回転角度52、54だけ回転された場合の図である。CMG10−2もまたその軸30のまわりを回転角度56だけ回転され得るが、この実施例の目的のため、回転角度56は0であると仮定されている。しかし、この実施例の詳細は重要ではない。実施が望まれる任意のスペースクラフト操縦の運動量制御空間を最大にするために残りのCMG10−1、10−2および/または10−3が回転され得る(または回転され得ない)角度52、54、56は、図6に示すCMG制御電子システム100によって計算され、あるいは地上管制から、または他のやり方で受信される。角度52、54、56は、スペースクラフトの既知の物理パラメータ、残りのCMGの運動量ベクトルの大きさおよび方向、ならびに残りのCMG運動量ベクトルが変更され得る量および角度に基づいて決定される。本発明は、CMG故障は生じていないが、予想外のまたは変更されたスペースクラフト質量特性またはミッション、あるいは他の異常を補償するためにCMGアレイの姿勢が変更される必要がある場合にでもCMGを姿勢変更することを可能にする。変更は、機内のシステム100または等価物によって計算されても、地上管制または他の監督当局から遠隔指示されてもよい。
【0013】
図4Aは、第1の実施形態による、本発明のCMG10がスペースクラフトにどのように取り付けられるかについてのさらなる詳細を示す本発明のCMG10の平面図であり、図4Bはその部分側断面図である。図4A〜4BのCMG10は、図1A〜1Cのベース14に類似のベース58に結合されたハウジング12を有する。ベース58は、図1A〜1Cのマウント15に類似のマウント60によって支えられる。マウント60は、スペースクラフトの一部、またはスペースクラフトに堅く取り付けられるための支持台であり得る。ベース58とマウント60は、ロータ16およびジンバル軸22を含むハウジング12(図1A〜1C参照)がスペースクラフトの一部60に対して角度32だけ回転され得るように、必須ではないが好ましくは、軸30と実質上一致する回転の中心をもつ回転可動の継手63によって結合される。上述したように、軸30はジンバルの角度ベクトル22に対して実質上直行することが望ましいが、これは必須ではない。軸30がそれに平行していないことだけが必須である。ベース58は、必須ではないが好都合には、マウント60に取り付けられたモータまたは他のアクチュエータ57によってマウント60に対して回転される。アクチュエータ57とベース58を結合する任意の手段が使用され得る。限定するためではなく、例を挙げると、ベース58の外側の縁59には、アクチュエータ57の中心57Cのまわりを回転するピニオン(図示せず)にかみ合うギアの歯(図示せず)が設けられることができ、または代替方法として滑車およびベルトの構成も使用されることができ、または代替方法としてアクチュエータ57とベース58が直接の駆動構成として磁気的に結合され得る。アクチュエータ57の使用は例示的なものにすぎず、軸30(または軸30に平行の軸)のまわりのベース58とマウント60の間の相対回転運動を引き起こす任意の手段が使用され得ることが当業者には理解されよう。もたらされた回転角度32の量を測定するために、望ましくは角度センサ61が設けられる。センサ61は、ベース58またはハウジング12上のインデックスマークを読むために光線63を使用した非接触型のセンサであり得るが、これは、例示するためのものにすぎず、限定的なものではない。回転角度32の大きさを測定する任意の手段が使用され得る。上述の構成は、軸30のまわりの小さいまたは大きい、連続的または離散的なCMG回転を提供することができる。本明細書では、軸30に対するCMGの回転に関係のある語句「軸30のまわり」などは、軸30に平行な任意の軸のまわりの回転を含むものである。
【0014】
次に図4Bを参照すると、可動継手63は、マウント60上の環状の突起部分62と、ベース58内の環状の凹部分64と、マウント60に対するベース58(したがってCMG10の)の相対運動を容易にするためのその間の軸受け材66とを備える。マウント60に結合された1つまたは複数の保持器68は望ましくは、ベース58(およびCMG10)がマウント60から離れないようにするためにベース58に重なり合う。低摩擦の軸受け材70は望ましくは、その相対運動を容易するために保持器68とベース58の間に置かれる。停止ラグ72は、回転角度32の最大量を制限し、あるいは判定するために任意選択でベース58上に設けられるが、これは必須ではない。ある方向では停止ラグ72は、保持器68−1にかみ合い、別の方向では保持器68−2にかみ合う。保持器68は好都合には、ベース58の回転を制限するために停止を提供するが、これは必須ではなく、マウント60に対してベース58の最大の回転を制限する任意の手段が、望まれるときに使用され得る。回転の制限は必要ではないが、ユーザのニーズによっては好都合であり得る。
【0015】
図5Aは本発明の別の実施形態による、CMG10’の部分平断面図であり、図5Bは、その部分側断面図である。図5A〜5Bは、図4A〜4Bに類似する。CMG10’は、図1A〜1Cのベース14、および図4A〜4Bのベース58に類似のベース78に結合されたハウジング12を有する。ベース78は、図1A〜1Cのマウント15、および図4A〜4Bのマウント60に類似のマウント80によって支えられる。ベース78およびマウント80は、ロータ16(図1A〜1C参照)を含むハウジング12およびジンバル軸22がマウント80に対して角度32だけ回転され得るように、必須ではないが好ましくは軸30に一致する回転の中心を有する回転可動継手83によって結合される。上述したように軸30は、ジンバルの角度ベクトル22に直行し、または少なくとも直行成分を有する(すなわち平行でない)ことが好ましい。回転可動継手83は好都合には、マウント80の凹部96内に貫通するベース78からの環状の突起部95を備え、それによって2つの間に置かれた環状の形の軸受け材97にかみ合う。図5A〜5Bの可動継手83は、図4A〜4Bの可動継手63の幾何学的な逆である。図4A〜4Bの保持器68に類似の保持器88が好都合には、ベース78がマウント80から離れないようにするために設けられる。CMGのベースと、スペースクラフトの一部であり、またはそれに取り付けられたマウントの間の可動継手について2つの例がここでは提供されているが、これは説明の都合上にすぎず、相関的な回転、移動またはその組合せを提供する任意の手段が使用され得ることが当業者には理解されよう。
【0016】
次に図5B、および図5Aの切取り91によって明らかになる詳細を参照すると、上方向に伸びる柱92は、マウント80の環状の凹部96内に固定される。柱92は、必須ではないが好都合には、軸30と一致するように置かれる。必須ではないが好都合には柱92からオフセットされる下方向に伸びる柱94は、ベース78の環状の突起部95に固定される。力部材90は、柱92、94を結合する。力部材90は、たとえば、ばねまたはバイメタルの伸縮板、あるいは他の起動手段であり得る。ばねの場合、ベース78は、たとえば発射前にマウント80に最初に固定され、次いでロック機構84および/または他の引き込み式のクランプ(図示せず)によってコック位置で保持されるときにばね90を伸張しまたは巻くために回転され得る。たとえば、ロック機構84は、好都合にはベース78の戻り止め86にかみ合う可動のロックピン85を有する。ロックピン85は、磁気によって、または他の任意の好都合な手段によって動かされ得る。飛行中にスペースクラフトに対してCMG10’を回転することが望まれる場合、ロックピン85は、ばね90によって及ぼされた力に応答してベース78がマウント80に対して回転することを可能にするために引き込められる。しかし、これは、例示するためのものにすぎず、限定的なものではない。マウント80に対する回転ベース78の任意の手段が使用されることができ、また回転は、ユーザのニーズに応じて、連続的なまたは離散的なステップ、あるいはその組合せであり得る。回転に加えて、またはその代わりに、CMG10、10’は、その最初のマウント位置に対して移動されることもできる。機構が移動後にCMGを所定位置に固定するためのクランプを含むのであれば、移動をもたらす任意の手段が使用され得る。非限定的な例は、対応するCMGベース14、58、78上の溝またはフランジが(またはその逆で)かみ合う、マウント15、60、80上のトラックまたは基礎となるスペースクラフトの構造であり、溝またはフランジがトラックに沿って移動し得る。
【0017】
力部材90は、電流の伝導または近くのヒータ(図示せず)によって引き起こされる加熱に応答して曲がるバイメタル板であり得る。バイメタル板の力部材90の温度を変更すると、それが丸まり、または伸び、それによってスペースクラフトの一部80に対して回転ベース78を回転させる。マウント80に対するベース78の相対的な回転を引き起こすための他の任意の手段も使用され得る。有用な作動方法は、回転力をもたらすためにCMG自体のトルクを使用することである。CMG自体のトルクを使用することは、図4A〜Bの構成にも適用される。
【0018】
図5A〜5Bでは、ロックピン85は引き込まれた状態にあり、それによって、角度矢印32によって示すようにベース78がマウント80に対して回転することを可能にすることが示されている。ロックピン85は、解除されると、ベース78上に落下し、次の戻り止め86がロックピン85の下を通過するときにベース78の回転を停止する。これは、ベース78とマウント80の相対的な回転の正の指標を提供する。ロックピンが引っ込み、再設定されるようにロック機構84を律動的に動かすことによって回転は、戻り止め86の円周の間隔によって決定される増加分だけ進められ得る。代替方法として、連続的な、または割出しされた動きを提供するために、図4A〜Bに示すようなギアおよびピニオンまたはベルト、あるいは磁気駆動装置が使用されることもできる。
【0019】
図6は、本発明によるスペースクラフト制御システム100の簡略化された電気概略ブロック図である。システム100は、スペースクラフト(略して「S/C」)姿勢センサ102(慣性ジャイロ、スタートラッカーなど)と、スペースクラフトの姿勢の所望の変更が地上管制または全体的なスペースクラフト管理システム、あるいは他の何らかの監視当局(図示せず)から受信され得るスペースクラフト姿勢コマンドモジュール104と、スペースクラフト姿勢制御装置106と、メモリ108と、CMG制御装置110とを備える。姿勢センサ102は、バスまたはリード線103によって制御装置106に結合される。姿勢コマンドモジュール104は、バスまたはリード線105によって制御装置106に結合される。メモリ108は、バスまたはリード線109によって制御装置106に結合される。メモリ108は、制御装置106用の制御プログラム、スペースクラフト特性、CMG特性、CMGアレイ構成、ならびに/または制御装置106および/または110が必要とし得る他の参照情報を格納する。それらの特定のシステムにどんな情報が必要であり、またこうした情報をメモリ108内にどのように格納するかが当業者には理解されよう。CMG制御装置110は、バスまたはリード線107によってS/C姿勢制御装置106に結合される。S/C姿勢制御装置106とCMG制御装置110とを含む図6に示す構成が好ましいが、それらは、両方を包含する輪郭線116によって示されるように組み合わせられ得る。説明の都合上、輪郭線116内の組合せは、「制御装置」116と称される。本発明の目的により、CMG10、10’を制御するための所望の機能が設けられている限りは、制御装置116がS/C姿勢制御装置106およびCMG制御装置110に分割されているかどうかが重要である。
【0020】
システム100はさらに、制御装置110にバスまたはリード線111および113によってそれぞれ結合されているCMG駆動装置112とCMGセンサ114とを備える。CMG駆動装置112およびセンサ114は、それらが取り付けられているスペースクラフトの運動量制御に使用されるためのアレイ50、50’または等価物のCMG10、10’(図1〜5参照)に結合され、またはその一部である。CMG10、10’は、特にCMGの解除、軸30のまわりでの姿勢変更および再固定のためにではあるが、好ましくはそれぞれの軸18、22、30ごとのCMG駆動装置112(モータまたは他の動力など)を含む。同様に、(必須ではないが)好ましい実施形態では、CMG10、10’は、それぞれの軸18、22、30のまわりの回転状態、たとえば軸18のまわりのロータ16の回転速度、軸22のまわりのジンバル回転角度24、軸30のまわりのベース回転角度32を測定するCMGセンサ114を含む。好ましい実施形態では、軸18、22、30は実質上直行するものとして示されているが、これは説明の都合上にすぎず、必須ではない。上記で説明したように、軸22が軸30に対して平行でないことだけが必要である。軸18は、軸30に対して任意の姿勢を有し得る。
【0021】
通常のS/C姿勢制御操作の間、S/C姿勢センサ104から受信される入力が姿勢コマンドモジュール104から受信される所望の姿勢コマンドと異なる場合、制御装置116は、姿勢コマンドモジュール104によって示される姿勢にスペースクラフトを姿勢変更するために、メモリ108内に格納されたスペースクラフト特性およびCMGアレイ情報、ならびにCMGセンサ114から受信される(やはりメモリ108に格納され得る)軸の姿勢の情報に基づいて、それぞれの軸について各CMGのCMG駆動装置112に提供される駆動量を計算し得る。この検査を実施する過程において、制御装置116は、姿勢コマンドモジュール104によって要求される所望の姿勢が、使用可能な運動量制御空間内のものであることを確認することもできるが、これは必須ではない。あるいは、制御装置116は、全体の補正計算をそれ自体が実施する必要なしに、所定のCMG姿勢変更計画の一部またはすべてをメモリ108から取り出すことができる。さらに、上述の計算は、リモートで(たとえば地上管制または他の監視当局によって)実施され、制御装置116が(CMG制御装置110を介して)CMG駆動装置112に所望の姿勢変更信号を送信することができるようにインターフェース104を介してスペースクラフトおよびシステム100に送信され得る。これらの構成のいずれもが有用である。CMGアレイ50、50’を姿勢変更するのに必要な信号がどのようにまたはどこで判定されるかは重要ではない。システム100が、CMGのうちの1つまたは複数を解除し、解除されたCMGの所望の姿勢変更を引き起こし、次いでそのCMGを新しい姿勢に再び固定するために適切な信号をCMG駆動装置112に提供できることだけが重要である。
【0022】
上述のこれらの通常のS/C姿勢制御操作を実施することに加えて、好ましい実施形態では制御装置116は、いずれかのCMGが故障したかどうか判定するため、たとえばCMG制御装置110、駆動装置112および/またはセンサ114を介してCMGアレイ50、50’(図3A〜3B参照)の個々CMGを継続的または定期的に監視し得る。それは、作動中と見なされる具体的なCMGについて、軸18のまわりの決定可能なロータ回転速度、軸22のまわりの決定可能なジンバル速度およびジンバル位置、軸30のまわりの決定可能な姿勢および回転能力を提供し続け、またバスまたはリード線111、113あるいは等価物を介して制御装置110と通信し続けるべきである。制御装置110は好都合には、適切な動作を確認するためにCMG駆動装置112およびセンサ114に問い合わせる。制御装置116は、CMGが故障したことを検出するときには、図7に関連してより十分に説明するように、運動制御空間を最大にするために残りのCMGが姿勢変更されるべき量および方向を決定し、CMG制御装置110は、この事象を達成するために、残りの作動中CMGの駆動装置112にコマンドを出す。姿勢変更の量および方向は、制御装置116によって計算されることも、メモリ108から取得されることも、S/C地上管制および/または他のシステムあるいはその組合せなど、監査当局から取得されることもある。好ましい実施形態では、制御装置110は、所望の姿勢変更が実施されたことを決定するためにCMGセンサ114の監視をも行う。
【0023】
システム100は、故障したCMGを補償するためにCMGアレイの個々の部材を姿勢変更することに加えて、スペースクラフトの質量特性が発射前に予測されたもの、または軌道上で時間とともに変更されたものと異なる場合には運動量制御空間を最大化するためにCMGアレイ50、50’を姿勢変更するように操作することもできる。姿勢コマンドモジュール104によって出される姿勢変更コマンドは、地上管制から受信されるコマンドに基づいてこうした姿勢変更を指示することができ、または制御装置116は、新しい1組のS/Cパラメータまたは所定の位置変更命令に最適なCMGアレイの姿勢を計算するよう指示され得る。メモリ108に格納されたそれぞれ異なる質量および姿勢決めシナリオも使用され得る。修正されたCMGアレイの姿勢を取得する任意の適切な手段が有用である。姿勢変更操作の最適化のために、センサ102または他のスペースクラフト機器によって提供されるスペースクラフトの状態に関する情報も使用され得る。次いで、制御装置116は、駆動装置112に所望のCMGアレイ姿勢変更を実施させる。特定のS/C質量特性および/または姿勢に適したCMGアレイの姿勢を決定するためのアルゴリズムは、当技術分野ではよく知られている。あるいは、CMGの数、およびそのジンバル軸の方向は、S/Cの姿勢または運動量要件に対する運動量能力包絡線の最適な適合が見つけられるまで変更されることができ、この意味での適合とは、S/C制御を行うのにCMG当たりの最小の運動量が必要とされることである。CMGおよびその関連のロックは、個々にまたはまとめて、あるいはその組合せで解除され、姿勢変更され、再び固定され得る。
【0024】
図7は、本発明の方法200を示す簡略化されたフローチャートである。方法200は、好都合にはシステムの電源投入時に開始される開始202より始まる。問合せ204(「S/Cパラメータが変更され、またはCMGが故障したか」)が実施され、制御装置116、ならびに/または下位制御装置106および/もしくは110、あるいは等価物が、たとえばコマンドモジュール104を介して受信された情報が、S/C質量パラメータまたはS/Cミッションが(たとえばメモリ108に格納された値から)変更されたことを示しているかどうか、またはCMGが故障したかどうか決定する。問合せ204の結果がNO(偽)である場合は、方法200は経路203を介して開始202に折り返し、問合せ204が繰り返される。問合せ204の結果がYES(真)である場合は、方法200はステップ205(作動中のCMGの識別)に進み、アレイのどのCMGが適切に作動しているか判定される。次いで、問合せ208(いくらかの補償が可能か)が任意選択で実行される。ステップ208は望ましいが、必須ではない。問合せ208の結果が、補償が行われ得ないことを示すNO(偽)である場合は、方法200は経路207を介して終了210に進む。問合せ208の結果がYES(真)である場合は、方法200はステップ212(新しいCMGアレイ姿勢の決定)に進み、可能な運動量制御空間を最大にするために制御装置116または等価物が修正されたCMG姿勢を計算し、あるいは別の方法でそれを判定しまたは取得する。どのようにこうした計算を実施し、あるいはシステム100にこうした情報を地上管制(または地上管制コンピュータ)に要求させ、または事前に計画された適切な応答を得ることができるメモリ108(または他のメモリ)から、もしくは他の適切なやり方でそれを取り出させるかが当業者には理解されよう。
【0025】
本発明の方法の第1の実施形態では、ステップ212の後に任意選択で、ステップ214、216が続く。ステップ214(CMG姿勢変更のための最良のS/C状態の決定)で、制御装置116または等価物は、CMGアレイの姿勢変更がS/Cに対して最小限の悪影響を伴って行われ得るように、スペースクラフトがどんな状態にあるべきかを取得しまたは判定する。たとえば、姿勢変更中に太陽放射のホットスポットが生じないように、機内のスラスタを作動させて、そうでない場合には方向的に安定しているS/Cを一時的に回転させることが望ましい。あるいは、S/C姿勢は、たとえばS/Cを冷却するための放熱器が意図せずに太陽に向けられることにならないようにするために、CMG姿勢変更中には異なっている必要があり得る。その特定のスペースクラフトの性質および必要性に応じてどんな要因および状況が考慮されるべきか、また適切な調整をどのように達成するかが当業者は理解されよう。ステップ216(S/C状態への悪影響を最小にするためのCMG運動量を調整)で、CMGアレイの姿勢変更がその変更中にスペースクラフトの状態に対して最小限の悪影響しか及ぼさないように、たとえばロータ16の回転速度または他のCMGパラメータを調整するためのコマンドが駆動装置112または等価物に送信される。しかし、ステップ214、216は必須ではなく、方法200は、ユーザのニーズまたは要望に応じてステップ212からステップ218に直接に、またはステップ214、216を介して進み得る。
【0026】
ステップ218(CMGロックの解除)で、たとえば軸30(または軸30に平行の軸)のまわりのCMG10、10’の回転を前に抑制していた1つまたは複数のロック、あるいは他の機構が解除される。ステップ220(CMGの姿勢変更)で、使用可能な運動量空間を最大にするために、制御装置110および駆動装置112によってCMG10、10’のうちの1つまたは複数が、制御装置106または等価物によって計算されまたは取得された量だけ姿勢変更される(図3A〜3B参照)。ステップ222(CMGロックをかける)で、CMG10、10’をその各マウントまたはスペースクラフト部分に再び固定するために、1つまたは複数のCMGロックまたは機構が、新しい姿勢ではあるが再びかけられる。ステップ224(新しいCMG姿勢のためのS/C制御パラメータ更新)で、メモリ108(または別のところ)に格納された制御パラメータが更新される。ステップ226(姿勢変更されたCMGアレイを使用したS/C姿勢制御の再開)は、システム100が、スペースクラフトの姿勢制御のために、修正されたCMGアレイをいつものように再び使用できることを示す。方法200は、ユーザのニーズに応じて、(ステップ226の前に)経路225を介して、または(ステップ226の後に)経路227を介して開始202に戻る。CMGおよびその関連のロックは、個々にまたはまとめて、あるいはその組合せで解除され、姿勢変更され、再び固定され得る。
【0027】
上述の詳細な説明では少なくとも1つの例示的な実施形態について提示したが、非常に多くの変形形態が存在することを理解されたい。たとえば、本発明のCMGの姿勢変更は個々のCMGについて一般的に述べられているが、これは説明の都合上にすぎず、限定的なものではない。複数のCMGが同じマウントに結合され、共通のマウントを姿勢変更することによってまとめて動かされることができ、また添付の特許請求の範囲は、この変形形態を包含するものであることが当業者には理解されよう。例示的な実施形態または例示的な諸実施形態は、実施例にすぎず、本発明の範囲、適用性または構成をいずれのやり方で制限するものではないことも理解されたい。そうではなく、上述の詳細な説明は、例示的な実施形態または例示的な諸実施形態を実施するための好都合な道筋を当業者に提供する。添付の特許請求の範囲、およびその法的な均等物において述べる本発明の範囲から逸脱せずに、要素の機能および構成の様々な変更が行われ得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1A】本発明のCMGの非常に簡略化された概略部分断面図である。
【図1B】図1Aの図と直角を成す、本発明のCMGの非常に簡略化された概略部分断面図である。
【図1C】図1Aの図と直角を成す、本発明のCMGの非常に簡略化された概略部分断面図である。
【図2】本発明のCMGに関連する全体的に直行する回転ベクトルを示すその簡略化された概略図である。
【図3A】本発明による、スペースクラフトの運動量制御のために使用されるCMGアレイの全体的に直行する回転ベクトルの簡略化された概略図である。
【図3B】本発明による、スペースクラフトの運動量制御のために使用されるCMGアレイの全体的に直行する回転ベクトルの簡略化された概略図である。
【図4A】第1の実施形態による、本発明のCMGがどのようにスペースクラフトに付いているかを示すその平面図である。
【図4B】第1の実施形態による、本発明のCMGがどのようにスペースクラフトに付いているかを示すその部分断面側面図である。
【図5A】さらなる実施形態による、本発明のCMGがどのようにスペースクラフトに付いているかを示すその平面図である。
【図5B】さらなる実施形態による、本発明のCMGがどのようにスペースクラフトに付いているかを示すその部分断面側面図である。
【図6】本発明によるスペースクラフト運動量制御システムの簡略化された電気概略ブロック図である。
【図7】本発明の方法を示す簡略化されたフローチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントロール・モーメント・ジャイロ(CMG)(10−1、10−2、10−3、10−4)を使用してスペースクラフト(S/C)の運動量を制御するための装置であって、
第1の軸(18)のまわりを回転するように適合されたロータ(16)と、前記第1軸(18)に平行でない第2の軸(22)のまわりを回転することができる、前記ロータ(16)を支えるジンバルと、前記ジンバルおよびロータ(16)を支え、前記第2軸(22)に平行でない第3の軸(30)のまわりを回転することができるベース(14、58、78)とをそれぞれが含む3つ以上のCMG(10)のアレイ(50)と、
前記CMG(10)のうちの少なくとも1つの前記ベース(14、58、78)の位置を前記スペースクラフトに対して固定するための、前記少なくとも1つのCMG(10)に結合された解除可能なロック機構(84)と、
前記少なくとも1つのCMG(10)の前記ベース(14、58、78)に関連付けられ、前記ロック機構(84)が解除されるときに前記少なくとも1つのCMG(10)の前記ベース(14、58、78)の前記S/Cに対する回転または他の動きを引き起こすことができる駆動装置(112)と、
前記駆動装置(112)および前記ロック機構(84)に結合され、前記CMGアレイを対象とする姿勢変更要求を受信し、解除するために前記ロック機構(84)に、そして前記第3軸(30)に対する前記少なくとも1つのCMG(10)の動きを引き起こすために前記駆動装置(112)にコマンドを出すための制御装置(116)と、
を備える装置。
【請求項2】
前記駆動装置(112)は前記少なくとも1つのCMG(10)を前記第3軸(30)のまわりに回転させる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記駆動装置(112)は前記少なくとも1つのCMG(10)を前記第3軸(30)のまわりに回転させ、前記S/Cに対して前記少なくとも1つのCMG(10)を移動させる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記駆動装置(112)は、前記第3軸(30)のまわりの前記ベース(14、58、78)の回転をもたらすために、前記S/Cと前記少なくとも1つのCMG(10)の前記ベース(14、58、78)との間で回転結合される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
その相対運動を容易にする、前記S/Cと前記ベース(14、58、78)の間で結合された軸受けをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ロック機構(84)はこうした動きの後で再び固定される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのCMG(10)および前記制御装置(116)に結合され、前記少なくとも1つのCMG(10)の前記ベース(14、58、78)の前記S/Cに対する相対運動の量を決定するための1つまたは複数のセンサ(114)をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記S/Cおよび前記制御装置(116)に結合され、S/C状態または姿勢の1つまたは複数の側面を測定する1つまたは複数のセンサ(102)をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記制御装置(116)はS/C姿勢制御装置(106)とCMG制御装置(110)とを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのCMG(10)および前記制御装置(116)に結合され、前記少なくとも1つのCMG(10)の前記第3軸(30)のまわりの回転量を決定するための1つまたは複数のセンサ(114)と、
前記S/Cおよび前記制御装置(116)に結合され、S/C状態または姿勢の1つまたは複数の側面を測定するための1つまたは複数のセンサ(102)と、
前記少なくとも1つのCMG(10)に関するデータを格納するための、前記制御装置(116)に結合されたメモリ(108)とをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項1】
コントロール・モーメント・ジャイロ(CMG)(10−1、10−2、10−3、10−4)を使用してスペースクラフト(S/C)の運動量を制御するための装置であって、
第1の軸(18)のまわりを回転するように適合されたロータ(16)と、前記第1軸(18)に平行でない第2の軸(22)のまわりを回転することができる、前記ロータ(16)を支えるジンバルと、前記ジンバルおよびロータ(16)を支え、前記第2軸(22)に平行でない第3の軸(30)のまわりを回転することができるベース(14、58、78)とをそれぞれが含む3つ以上のCMG(10)のアレイ(50)と、
前記CMG(10)のうちの少なくとも1つの前記ベース(14、58、78)の位置を前記スペースクラフトに対して固定するための、前記少なくとも1つのCMG(10)に結合された解除可能なロック機構(84)と、
前記少なくとも1つのCMG(10)の前記ベース(14、58、78)に関連付けられ、前記ロック機構(84)が解除されるときに前記少なくとも1つのCMG(10)の前記ベース(14、58、78)の前記S/Cに対する回転または他の動きを引き起こすことができる駆動装置(112)と、
前記駆動装置(112)および前記ロック機構(84)に結合され、前記CMGアレイを対象とする姿勢変更要求を受信し、解除するために前記ロック機構(84)に、そして前記第3軸(30)に対する前記少なくとも1つのCMG(10)の動きを引き起こすために前記駆動装置(112)にコマンドを出すための制御装置(116)と、
を備える装置。
【請求項2】
前記駆動装置(112)は前記少なくとも1つのCMG(10)を前記第3軸(30)のまわりに回転させる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記駆動装置(112)は前記少なくとも1つのCMG(10)を前記第3軸(30)のまわりに回転させ、前記S/Cに対して前記少なくとも1つのCMG(10)を移動させる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記駆動装置(112)は、前記第3軸(30)のまわりの前記ベース(14、58、78)の回転をもたらすために、前記S/Cと前記少なくとも1つのCMG(10)の前記ベース(14、58、78)との間で回転結合される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
その相対運動を容易にする、前記S/Cと前記ベース(14、58、78)の間で結合された軸受けをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ロック機構(84)はこうした動きの後で再び固定される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのCMG(10)および前記制御装置(116)に結合され、前記少なくとも1つのCMG(10)の前記ベース(14、58、78)の前記S/Cに対する相対運動の量を決定するための1つまたは複数のセンサ(114)をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記S/Cおよび前記制御装置(116)に結合され、S/C状態または姿勢の1つまたは複数の側面を測定する1つまたは複数のセンサ(102)をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記制御装置(116)はS/C姿勢制御装置(106)とCMG制御装置(110)とを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのCMG(10)および前記制御装置(116)に結合され、前記少なくとも1つのCMG(10)の前記第3軸(30)のまわりの回転量を決定するための1つまたは複数のセンサ(114)と、
前記S/Cおよび前記制御装置(116)に結合され、S/C状態または姿勢の1つまたは複数の側面を測定するための1つまたは複数のセンサ(102)と、
前記少なくとも1つのCMG(10)に関するデータを格納するための、前記制御装置(116)に結合されたメモリ(108)とをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2007−526849(P2007−526849A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551043(P2006−551043)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/032506
【国際公開番号】WO2006/071207
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/032506
【国際公開番号】WO2006/071207
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
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