説明

包装体搬送装置

【課題】被搬送包装体を向かい合う2つのプーリ間循環ベルト間に挟んで搬送する場合に被搬送包装体が搬送ベルトの搬送速度より速い速度で進入して来ても包装樹脂フィルムに疵がついたり、先端が破れたりしない包装体搬送装置の実現。
【解決手段】2つのプーリ間循環ベルトのうち、一方の循環ベルトの摩擦を小さくして包装樹脂フィルムが滑るようにするとともに、被搬送物進入側の2つのプーリと同軸に補助搬送コロを設け、この補助搬送コロの被搬送包装体に対する摩擦は、被搬送包装体に対して摩擦の小さい搬送ベルトと同じ側のコロは大きく、摩擦の大きい搬送ベルトと同じ側のコロは小さく、いずれのコロの摩擦も搬送ベルトの小さい方の摩擦よりも小さくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2個のフィルムロールから繰り出され、先端が互いに熱溶着された2枚の合成樹脂フィルムシートの間に新聞等の被包装物を挟んだ包装体を搬送ベルトにくわえさせて搬送する包装体搬送装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
図9は、従来の包装体搬送装置26を含む包装装置25の構成を示す図である。
2つのフィルムロール11,11から樹脂フィルム2,2がたぐり出されており、その先端は、1回前の包装工程で溶着ナイフ4をナイフ受け5に押し付けることにより2枚の樹脂フィルム2,2が加熱溶着され、下方が引きちぎられていくので、2枚の樹脂フィルム2,2の先端が溶着された状態の先端溶着部30が形成されることになる。
【0003】
この状態で、上方の挿入口27から被包装物、例えば新聞28が投入或いは押し入れられると、ばねで反時計回転方向に付勢されているシャッタ3を押し下げて新聞28の先端が、左側のプーリ6,6に掛かっている搬送ベルト29と右側のプーリ6,6に掛かっている搬送ベルト29の間に進入し、以後、各プーリ6に対する回転駆動により矢印方向に循環する搬送ベルト29,29に挟まれて下方へ搬送され、排出ガイド14に案内されて外部へ排出される。
【0004】
なお、詳述はしなかったが、搬送ベルト29,29で搬送中に一旦停止して、樹脂フィルム2,2の新聞両サイド側および後端側も溶着される。
【0005】
このような搬送装置において、2枚の樹脂フィルムの間への被包装物(例えば新聞)の挿入は、手操作による押し込み或いは被包装物の自重による落下によっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特願2006−187359号公報(段落[0025]〜[0026]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のように、先端が溶着された2枚の樹脂フィルムへの被包装物(例えば新聞)の挿入は、手操作による押し込み或いは、被包装物の重量による自然落下によっている。そのため、被包装物が厚くて重い包装体が、プーリに保持されて循環している2つの搬送ベルトの間に進入する際の速さが搬送ベルトの搬送速度より速くなることがある。
そうすると、2枚の包装樹脂フィルムは搬送ベルトと接触しその間に摩擦があるから搬送ベルトの搬送速度に抑えられるようになるのに対し、2枚の樹脂フィルムに挟まれた被包装物の移動速度はそれより速いのでその先端は2枚の樹脂フィルムの先端溶着部30を強く押すことになり、樹脂フィルムは搬送ベルトと摺擦しながら前進して、樹脂フィルムの表面に擦り跡が生じたり、摩擦が大きい場合には、被包装物が先端溶着部30を強く押すことにより溶着部分が破れて穴があいてしまうなどの問題があった。
【0007】
本発明の課題は上記従来技術の問題点に鑑みて、樹脂フィルムに擦り跡が生じたり、先端溶着部分が破れたりすることのない包装体搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために以下の各手段構成を有する。
本発明の基本構成である第1の構成は、先端が溶着された2枚の樹脂フィルムの間に被包装物であるシートが挿入されて進入して来た樹脂フィルム包装体を、プーリ間に搬送ベルトが循環するように掛け渡されたプーリベルトが2個1組でベルト面を向き合わせて配置され向き合ったベルトがプーリに対する回転駆動により同じ方向に循環することにより、ベルト間に挟んで搬送する搬送ベルトを有する包装体搬送装置であって、
前記向き合った搬送ベルト面の被搬送包装体に対する摩擦は一方が他方より小さく、
前記プーリベルトの、被搬送包装体進入側のプーリに並列して、2個で1組の補助搬送コロを有し、
この補助搬送コロの被搬送包装体に対する摩擦は、被搬送包装体に対して、摩擦の小さい搬送ベルトと同じ側のコロは大きく、摩擦の大きい搬送ベルトと同じ側のコロは小さく、いずれのコロの摩擦も搬送ベルトの小さい方の摩擦より小さいことを特徴とする包装体搬送装置である。
【0009】
本発明の第2の構成は、前記第1の構成において、前記摩擦が大きい搬送ベルトのプーリ軸位置は固定され、前記摩擦が小さい搬送ベルトのプーリ軸は、ばねで固定側の方へ弾性押圧されていることを特徴とする包装体搬送装置である。
【0010】
本発明の第3の構成は、前記第1の構成又は第2の構成において、1組のプーリベルトのプーリのうち、被搬送物進入側の2つのプーリの少なくとも一方が、プーリの幅のうちベルトの掛かっている部分から両端へ向けて下り傾斜する面取り部分を有することを特徴とする包装体搬送装置である。
【0011】
本発明の第4の構成は、前記第1ないし第3の構成のいずれか1つの構成において、前記補助搬送コロは、被搬送物進入側の前記プーリと同軸上に設けられ、その半径は、搬送ベルトの掛かっているプーリの軸中心から搬送ベルト表面までの半径よりも小なることを特徴とする包装体搬送装置である。
【0012】
本発明の第5の構成は、前記第4の構成において、摩擦が小さい方の補助搬送コロは樹脂材料で形成され、摩擦の大きい方の補助搬送コロは、コロ表面の回転軸方向幅の一部はゴム材であり他部は樹脂材料であることを特徴とする包装体搬送装置である。
【0013】
本発明の第6の構成は、前記第1ないし第5の構成のいずれか1つの構成において、前記摩擦の大きい補助搬送コロとその支持駆動軸との間に、該コロの表面に対し搬送方向回転力を加えた場合に自由回転するワンウェイクラッチを設けたことを特徴とする包装体搬送装置である。
【0014】
本発明の第7の構成は、前記第1ないし第3のいずれか1つの構成の前記補助搬送コロに代えて、プーリ間に補助搬送ベルトが循環するように掛け渡されたプーリベルト2個1組でベルト面を向き合わせて配置され向き合った補助搬送ベルトがプーリに対する回転駆動により同じ方向に循環することにより被搬送物をベルト間に挟んで搬送する補助搬送ベルトを有し、この補助搬送ベルトの被搬送包装体に対する摩擦は、被搬送包装体に対して、摩擦の小さい搬送ベルトと同じ側の補助搬送ベルトは大きく、摩擦の大きい搬送ベルトと同じ側の補助搬送ベルトは小さく、いずれの補助搬送ベルトの摩擦も搬送ベルトの小さい方の摩擦よりも小さいことを特徴とする包装体搬送装置である。
【0015】
本発明の第8の構成は、前記第7の構成において、前記補助搬送ベルトが掛け渡されているプーリが、搬送ベルトの掛け渡されているプーリと同軸上に設けられ、ベルトの掛かっているプーリの軸中心からベルト表面までの半径は補助搬送ベルトの方が搬送ベルトよりも小さいことを特徴とする包装体搬送装置である。
【0016】
本発明の第9の構成は、前記第7の構成又は第8の構成において、前記補助搬送ベルトは、前記搬送ベルトよりも幅が狭いか、又はプーリ軸方向での配置数が少ないことを特徴とする包装体搬送装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1の構成においては、1組の搬送ベルトのうちの一方の摩擦が小さいので、分厚い被包装物を勢い良く挿入しても、搬送ベルトにくわえ込まれた瞬間、摩擦の小さいベルト側のフィルムが、ベルト面とすべって被包装物とともに前進することにより、先端にかかる張力を軽減できるので、穴開きを防ぎ、擦り疵も少なく見栄えが向上する。
【0018】
また、前記搬送ベルトの、被搬送包装体進入側のプーリに並列して、2個で1組の補助搬送コロを設け、この補助搬送コロの被搬送包装体に対する摩擦は、被搬送包装体に対して、摩擦の小さい搬送ベルトと同じ側のコロは大きく、摩擦の大きい搬送ベルトと同じ側のコロは小さく、いずれのコロの摩擦も搬送ベルトの小さい方の摩擦より小さいので、厚い被包装物に対しては一方の搬送ベルトの摩擦を小さくしたことの効果を損なうことなく、薄い被搬送包装体に対しては搬送力不足を来たさず詰まることなく搬送することができるという効果がある。
【0019】
第2の構成においては、摩擦の小さい方の搬送ベルトが、摩擦の大きい搬送ベルトの方へばねで押されているので被包装物の厚さの違いに対し、第1の構成の場合より、より柔軟に対応できるという効果がある。
【0020】
第3の構成においては、ベルトが掛かっているプーリの幅方向両側が面取りしてあるので、プーリ部分でベルトが被搬送包装体を挟む力がベルトの端で突然零になるのではなくベルトの端より内側から傾斜的に弱くなって零となるので、ベルトの両側の位置での包装樹脂フィルムが破れるということが少なくなるという効果がある。
【0021】
第4の構成においては、補助搬送コロが被搬送物進入側のプーリと同軸であり、その半径はベルトの掛かっているプーリの軸中心からベルト表面までの半径より小さいから、2つのコロの間隙は、プーリ位置での向き合った搬送ベルト間の間隙よりも大きい。
従って、厚い包装体が進入して来たときに、一方の搬送ベルトの摩擦が小さいため包装樹脂フィルムが滑って破れないという効果は、第1の構成ないし第3の構成の場合よりも弱められず、一方被包装物が薄い包装体の進入に対しては、樹脂フィルムに膨らみがあるので補助搬送コロの間隙がベルトの間隙より大きくとも、搬送力は加わり搬送されるという効果がある。
【0022】
第5の構成においては、摩擦の大きい方の補助搬送コロが、コロ表面の回転軸方向幅の一部がゴム材であり、他部は樹脂材であるので全面をゴム材とするよりも摩擦を大きくする度合いを選択し易いという効果がある。
【0023】
第6の構成においては、前記摩擦の大きい補助搬送コロと支持駆動軸との間に、該コロの表面に対し搬送方向回転力を加えた場合に自由回転するワンウェイクラッチを設けているので、被搬送包装体が、補助搬送コロの搬送速度よりも速い速度で落下或いは押し込まれて来ても摩擦の大きい方の補助搬送コロは被搬送体の進入速度に応じて自由に回転するので包装樹脂フィルムとの間で摩擦を生ずることなく前進し得るので包装樹脂フィルムに摩擦痕がついたり、先端溶着部分が破れたりすることはないという効果がある。
【0024】
第7の構成においては、前記第1の構成ないし第3の構成のいずれかの構成において、補助搬送コロに代えて補助搬送ベルトを設けたので、少なくとも前記第1の構成ないし第3の構成における補助搬送コロと同様の効果を得ることができる。
【0025】
第8の構成においては、前記第7の構成における補助搬送ベルトが掛け渡されているプーリが搬送ベルトの掛け渡されているプーリと同軸上に設けられ、ベルトの掛かっているプーリの軸中心からベルト表面までの半径は補助搬送ベルトの方が搬送ベルトよりも小さいので前記第4の構成の場合と同様の効果を有する。
【0026】
第9の構成においては、前記第7の構成又は第8の構成において補助搬送ベルトは搬送ベルトの幅より狭いか、又はプーリ軸方向での配置数が少ないので、厚い被搬送包装体に対する搬送は搬送ベルトが主になるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の実施においては、搬送ベルトと補助搬送コロ又は補助搬送ベルトの配列数は、被搬送包装体の幅に応じて定めるのがよいが、複数設ける場合には被搬送包装体の幅中心に対して左右対称に配列するのが最良である。
また、幅方向の外側に搬送ベルトを設け内側に補助搬送コロ又は補助搬送ベルトを配置するのが最良である。
補助搬送コロ又は補助搬送ベルトが1の場合には、幅中心にこれらを配し、左右両側に搬送ベルトを設けるのがよい。
【実施例】
【0028】
以下、本発明の包装体搬送装置の実施例を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の包装体搬送装置1の第1の実施例を含む包装装置の側面図である。図2は、図1の包装体搬送装置1を左側から見た正面図であり、図3は図1の包装体搬送装置1を被搬送物の進入側から見た図である。
図1において、上下2つのプーリ6,6にベルトが掛け渡されたものが2つベルト面を合わせて1組みのベルト搬送構造を構成している。本発明では掛け渡された2つのベルトの被搬送物に対する摩擦に大小(高低)があり、左側の方が摩擦の小さい低摩擦搬送ベルト8であり、右側のベルトが摩擦の大きい高摩擦搬送ベルト7となっている。このような搬送ベルトが、図2に示すように、被搬送物の幅方向(図では左右方向)に2組み設けられている。そして進入側のプーリ軸には、搬送ベルトの内側に左右対称に2組の補助搬送コロが設けられている。これを図1の側面図で見ると進入側プーリ6,6の内側に円形破線で示されている。このコロの半径はベルトの掛かっているプーリの中心からベルト表面までの半径より小さくなっている。破線が内側であるのはこのことを示している。
【0029】
この向き合ったコロも、被搬送物に対する摩擦に大小があり、低摩擦搬送ベルト8のプーリ軸に設けられている方は摩擦の大きい高摩擦補助搬送コロ9となっており、高摩擦搬送ベルト7のプーリ軸に設けられている方は摩擦の小さい低摩擦補助搬送コロ10となっている。図2では高摩擦補助搬送コロ9が手前に見え低摩擦補助搬送コロ10が後方に隠れて一部のみが見えている。図3では進入側から見ているので上側が高摩擦補助搬送コロ9であり、下側が低摩擦補助搬送コロ10となっている。
【0030】
高摩擦補助搬送コロ9の方は、その周表面の一部は樹脂面16であり、他の一部にはゴムOリング15が嵌められており、被搬送物に対する摩擦が全面樹脂面の場合より大きく、全面ゴム面の場合と中間的な摩擦が得られるようになっている。低摩擦補助搬送コロ10の周表面は樹脂面となっている。
【0031】
このように搬送ベルトの摩擦は一方が大きく他方が小さく、補助搬送コロの摩擦は、摩擦の大きい搬送ベルト側のものは大きく、摩擦の小さい搬送ベルト側のものは小さく、いずれのコロの摩擦も搬送ベルトの小さい方の摩擦より小さいので、厚い被搬送包装体が、ベルトやコロの搬送速度より速い速度で進入して来たときは包装体の、摩擦の小さい搬送ベルト側の包装樹脂フィルムがベルトやコロに対して滑り前進するので樹脂フィルムの先端溶着部が破れたり、樹脂フィルム表面に疵がついたりすることがなく進行し、薄い包装体の場合には、重量が小さいので、搬送ベルトや補助搬送コロの搬送速度を越えて前進するということはなく、搬送ベルトの一方の摩擦が小さくとも補助搬送コロと協同して搬送されるので詰まったりすることがない。
【0032】
また、補助搬送コロの直径を、搬送ベルトの掛かっているプーリの中心からベルト表面までの半径より小さくしておくと、厚い被搬送包装体が進入して来たときの滑りがよくなる。
一方、包装樹脂フィルムが被包装物に密着しているわけではないので、薄い被搬送包装体に対する搬送力はあまり低下せず詰まることはない。
【0033】
また、高摩擦補助搬送コロ9は、ワンウェイクラッチ17を介して軸に取り付けられている。このワンウェイクラッチ17は該コロ9の周面に、搬送方向回転力を加えた場合に自由に回転するものである。従って、該コロの本来の搬送速度よりも速い速度で被搬送包装体が進入して来ても、高摩擦補助搬送コロ9はその速度に応じて回転し摺擦が生じることなく包装樹脂フィルム表面に疵がついたり、先端溶着部分が破れたりすることがない。
【0034】
また、搬送ベルトの掛かっている各プーリは、プーリの幅のうちベルトの掛かっている部分から両端へ向けて下り傾斜の面取り18を有している。これにより、被搬送包装体がプーリ部分で搬送ベルトに挟まれて搬送されようとするときにベルトによる搬送力が掛かる部分から掛からない部分への変化が緩やかになり包装樹脂フィルムのプーリ幅の端での破れを防止することができる。
【0035】
更に、低摩擦搬送ベルト8の掛かっているプーリ保持枠体12を固定しないで、ばね13により、高摩擦搬送ベルト7の方へ押すように保持することにより、進入して来る被搬送包装体の厚さに対して柔軟に対応できる。
【0036】
図4は、本発明の包装体搬送装置1の第2の実施例および第3の実施例を含む包装装置の側面図である。
図5は、図4の包装体搬送装置1の第2の実施例を左側から見た正面図である。図6は、図4の包装体搬送装置1の第2の実施例を被搬送物の進入側から見た図である。
第2の実施例は、第1の実施例における2組の補助搬送コロを1組の補助搬送ベルトに置き代えたものである。
図5に示すように、正面幅方向中央に補助搬送ベルトが設けられ、その両側に搬送ベルトが1つずつ設けられている。搬送ベルトは、図6に示すように上側(図4では左側)が、被搬送包装体に対する摩擦の小さい低摩擦搬送ベルト20であり、下側(図4では右側)が、摩擦の大きい高摩擦搬送ベルト19となっている。
【0037】
補助搬送ベルトは、搬送ベルトとは逆に上側が摩擦の大きい高摩擦補助搬送ベルト21であり、下側が低摩擦補助搬送ベルト22となっている。その効果は第1の実施例と同様である。
ベルトの掛かっているプーリの中心からベルト表面までの半径は、補助搬送ベルトの方が搬送ベルトよりも小さくなっている。従って、図6に見るように、高摩擦補助搬送ベルト21と低摩擦補助搬送ベルト22との間に間隙がある。その効果は第1の実施例と同様である。
【0038】
低摩擦搬送ベルト20が掛かっているプーリが面取り18を有する点、そのプーリ軸がプーリ保持枠体12に保持さればね13によって対面ベルト側へ弾性的に押されている点および高摩擦補助搬送ベルト21の掛かっている補助搬送ベルトプーリのうち少なくとも進入側のものはワンウェイクラッチ17を介して回転軸に保持されている点およびそれらの効果は第1の実施例と同様である。
なおワンウェイクラッチについては、他方のプーリ(図5で下側のプーリ)が回転軸から駆動されるプーリである場合にはこちらにも必要となる。
【0039】
図7は、図4の包装体搬送装置の第3の実施例を左側から見た正面図であり、図8は、図4の包装体搬送装置の第3の実施例を被搬送物の進入側から見た図である。
第3の実施例は、第2の実施例(図5)における補助搬送ベルトに代えて幅の狭いものを2つにしたものである。
図5と図7を比較すれば、補助搬送ベルトが2つになったことに伴って、補助搬送ベルトプーリも幅の狭いものが2倍の数になっており、ワンウェイクラッチ17も幅の狭いものが2個用いられている。
被搬送物進入側から見た図6と図8の関係も同様である。このように、補助搬送ベルトを幅を狭くして分散配置することにより、補助効果が幅方向で平均化に向かうという効果がある。
その他の点については、第2の実施例と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の包装体搬送装置の第1の実施例を含む包装装置の側面図である。
【図2】図1の包装体搬送装置を左側から見た正面図である。
【図3】図1の包装体搬送装置を被搬送物の進入側から見た図である。
【図4】本発明の包装体搬送装置の第2の実施例および第3の実施例を含む包装装置の側面図である。
【図5】図4の包装体搬送装置の第2の実施例を左側から見た正面図である。
【図6】図4の包装体搬送装置の第2の実施例を被搬送物の進入側から見た図である。
【図7】図4の包装体搬送装置の第3の実施例を左側から見た正面図である。
【図8】図4の包装体搬送装置の第3の実施例を被搬送物の進入側から見た図である。
【図9】従来の包装体搬送装置を含む包装装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1 包装体搬送装置
2 樹脂フィルム
3 シャッタ
4 溶着ナイフ
5 ナイフ受け
6 プーリ
7 高摩擦搬送ベルト
8 低摩擦搬送ベルト
9 高摩擦補助搬送コロ
10 低摩擦補助搬送コロ
11 フィルムロール
12 プーリ保持枠体
13 ばね
14 排出ガイド
15 ゴムOリング
16 樹脂面
17 ワンウェイクラッチ
18 面取り
19 高摩擦搬送ベルト
20 低摩擦搬送ベルト
21 高摩擦補助搬送ベルト
22 低摩擦補助搬送ベルト
23 搬送ベルトプーリ
24 補助搬送ベルトプーリ
25 包装装置
26 包装体搬送装置
27 挿入口
28 新聞
29 搬送ベルト
30 先端溶着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端が溶着された2枚の樹脂フィルムの間に被包装物であるシートが挿入されて進入して来た樹脂フィルム包装体を、プーリ間に搬送ベルトが循環するように掛け渡されたプーリベルトが2個1組でベルト面を向き合わせて配置され向き合ったベルトがプーリに対する回転駆動により同じ方向に循環することにより、ベルト間に挟んで搬送する搬送ベルトを有する包装体搬送装置であって、
前記向き合った搬送ベルト面の被搬送包装体に対する摩擦は一方が他方より小さく、
前記プーリベルトの、被搬送包装体進入側のプーリに並列して、2個で1組の補助搬送コロを有し、
この補助搬送コロの被搬送包装体に対する摩擦は、被搬送包装体に対して、摩擦の小さい搬送ベルトと同じ側のコロは大きく、摩擦の大きい搬送ベルトと同じ側のコロは小さく、いずれのコロの摩擦も搬送ベルトの小さい方の摩擦より小さいことを特徴とする包装体搬送装置。
【請求項2】
前記摩擦が大きい搬送ベルトのプーリ軸位置は固定され、前記摩擦が小さい搬送ベルトのプーリ軸は、ばねで固定側の方へ弾性押圧されていることを特徴とする請求項1記載の包装体搬送装置。
【請求項3】
1組のプーリベルトのプーリのうち、被搬送物進入側の2つのプーリの少なくとも一方が、プーリの幅のうちベルトの掛かっている部分から両端へ向けて下り傾斜する面取り部分を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の包装体搬送装置。
【請求項4】
前記補助搬送コロは、被搬送物進入側の前記プーリと同軸上に設けられ、その半径は、搬送ベルトの掛かっているプーリの軸中心から搬送ベルト表面までの半径よりも小なることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の包装体搬送装置。
【請求項5】
摩擦が小さい方の補助搬送コロは樹脂材料で形成され、摩擦の大きい方の補助搬送コロは、コロ表面の回転軸方向幅の一部はゴム材であり他部は樹脂材料であることを特徴とする請求項4記載の包装体搬送装置。
【請求項6】
前記摩擦の大きい補助搬送コロとその支持駆動軸との間に、該コロの表面に対し搬送方向回転力を加えた場合に自由回転するワンウェイクラッチを設けたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の包装体搬送装置。
【請求項7】
前記請求項1ないし3のいずれか1項の補助搬送コロに代えて、プーリ間に補助搬送ベルトが循環するように掛け渡されたプーリベルト2個1組でベルト面を向き合わせて配置され向き合った補助搬送ベルトがプーリに対する回転駆動により同じ方向に循環することにより被搬送物をベルト間に挟んで搬送する補助搬送ベルトを有し、この補助搬送ベルトの被搬送包装体に対する摩擦は、被搬送包装体に対して、摩擦の小さい搬送ベルトと同じ側の補助搬送ベルトは大きく、摩擦の大きい搬送ベルトと同じ側の補助搬送ベルトは小さく、いずれの補助搬送ベルトの摩擦も搬送ベルトの小さい方の摩擦よりも小さいことを特徴とする包装体搬送装置。
【請求項8】
前記補助搬送ベルトが掛け渡されているプーリが、搬送ベルトの掛け渡されているプーリと同軸上に設けられ、ベルトの掛かっているプーリの軸中心からベルト表面までの半径は補助搬送ベルトの方が搬送ベルトよりも小さいことを特徴とする請求項7記載の包装体搬送装置。
【請求項9】
前記補助搬送ベルトは、前記搬送ベルトよりも幅が狭いか、又はプーリ軸方向での配置数が少ないことを特徴とする請求項7又は請求項8記載の包装体搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−273544(P2008−273544A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−116693(P2007−116693)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(000109727)株式会社デュプロ (195)
【Fターム(参考)】