説明

化合物

式(I)の化合物もしくはその塩またはこれらの製薬上許容されうる誘導体が提供される:式中、Aは、一般式(II)で表される化学部分を表し;式中、Xは、CH,C(=O),CH(R),C(R)(R)またはC(R)(R)CHからなる群より選択され、Rは、置換されていてもよいアリールアルキル、および置換されていてもよいヘテロアリールアルキルからなる群より選択され、Rは、置換されていてもよいアリールもしくは置換されていてもよいヘテロアリールまたはNRからなる群から選択され、Rは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアミノスルホニルまたはニトリルからなる群から選択され、Rは、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよいスルホニル、置換されていてもよいスルファモイル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、および置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択され、RおよびRは、それぞれ置換されていてもよいアルキルであり、RおよびRは、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールを表し、nは、1または2である。前記化合物を含む医薬組成物もまた提供される。これらの化合物は、不整脈を含む様々な症状の治療に有用である。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<発明の分野>
本発明は、カリウムチャネル阻害剤である式(I)の化合物に関する。この種の化合物は免疫修飾および、自己免疫、慢性炎症、代謝疾患などの治療のためのKv1.3阻害剤として有用でありうる。また、この種の化合物は不整脈の治療または予防のためのKv1.5阻害剤としても有用でありうる。上記化合物を含む薬剤組成物、並びに、自己免疫および炎症性疾患の治療や不整脈の治療におけるその用途もまた、提供される。
【背景技術】
【0002】
<背景>
イオンチャネルは、細胞膜の脂質二重層にまたがり、Na、K、Ca2+およびClなどの特定のイオンが通過できる水溶性の通路を提供するタンパク質である(Herbert, 1998)。カリウムチャネルは、イオンチャネルのうちで最大かつ最も多様なサブグループであり、膜電位の調節および細胞興奮性の制御において中心的な役割を担っている(Armstrong & Hille,1998)。カリウムチャネルはそのアミノ酸配列および生物物理学的特性に基づき、遺伝子ファミリー群に分類されている(命名法についてはGutman et al.,2003を参照)。
【0003】
カリウムチャネルを調節する化合物は、自己免疫疾患、炎症性疾患、心血管疾患、神経疾患、聴覚疾患、腎疾患および代謝介在疾患などの各種の疾患領域において複数の治療用途を有している(Shieh et al.,2000;Ford et al.,2002,Xie et al,2004,Cahalan
et al, 1997)。カリウムチャネルKv1.3は、ニューロン、血球、破骨細胞、マクロファージ、上皮、並びにTリンパ球およびBリンパ球などの多くの組織に見られる。さらに、Kv1.3を阻害することで、乾癬、関節リウマチ、多発性硬化症、肥満、糖尿病および炎症性腸疾患などの多くの自己免疫疾患に関与しているT細胞の機能が調節されることが明らかになっている(Beeton et al.,2006)。
【0004】
自己免疫疾患のためのKv1.3チャネルブロッカー
乾癬、関節リウマチ、多発性硬化症、IBDなどの種々の自己免疫疾患の発症における自己反応性後期メモリーT細胞の役割は十分に確立されている。TEM細胞の活性化によってKv1.3チャネルの発現が相当程度アップレギュレートされ、その結果、Kv1.3が細胞からのカリウム流出の主要な経路となる。よって、Kv1.3を選択的にブロックすると細胞膜の脱分極およびCa2+流入が引き起こされ、サイトカイン産生並びに細胞増殖および細胞機能の阻害がもたらされる。このように、Kv1.3は自己免疫疾患の制御のための非常に興味深い新規な治療標的である。
【0005】
T細胞および自己免疫
T細胞は、細胞介在性免疫において中心的な役割を担っているリンパ球である。T細胞の主要な形態の1つはヘルパーT細胞(T)であり、このTはCD4+細胞としても知られ、自己免疫疾患の進行に重要な役割を果たしている。サイトカインであるインターロイキン2(IL−2)の産生を介して、CD4+T細胞は、細胞傷害性T細胞(CD8+)として知られるT細胞の第2の主要なタイプを生み出すことができる。ナイーブ(不活性)なCD4+T細胞およびCD8+T細胞は両方のタンパク質(CCR7+CD45RA+)を発現し、リンパ節へ進入するための鍵としてケモカイン受容体CCR7を用いる。リンパ節内部において、ナイーブT細胞は抗原と接触し、活性化プロセスを通じて、サイトカイン類を産生し増殖する「エフェクター」T細胞へと変化する。次の免疫応答が減弱すると、ほとんどのナイーブエフェクターは死滅するが、いくつかは長寿命のセントラルメモリー細胞(TCM)へと分化する。TCM細胞はナイーブ細胞と同様にリンパ節へ向かうのにCCR7を用い、そこで自身の同種抗原と遭遇する。抗原刺激によってTCM細胞は、サイトカイン類を産生し増殖する「TCMエフェクター」へと変化する。TCMエフェクターもまたナイーブエフェクターと同じ運命を辿り、その大多数は免疫応答が弱まった後に死滅し、さらなる抗原との接触のために長寿命の生存細胞をいくらか残すこととなる。抗原と繰り返し接触すると(自己免疫疾患または慢性感染で起こりうる)、TCM細胞は、短寿命の、CCR7およびCD45RAを発現していない「エフェクターメモリーT細胞」(TEM)へと分化し、抗原誘導活性化のためにリンパ節へ向かう必要がなくなる。CD8+TEM細胞の一部はCD45RAを再獲得してCCR7−CD45RA+TEMRA細胞となる。活性化によって、CD4+およびCD8+の双方のTEM細胞はTEMエフェクターへと変化し、これが炎症部位へと迅速に移動して大量の炎症性サイトカイン類、インターフェロン−γ(IFN−γ)および腫瘍壊死因子α(TNFα)を産生する。また、CD8+TEMエフェクターは大量のパーフォリンを有しており、よって非常に破壊的である(Wulff et al,2003,Beeton et al,2005)。
【0006】
T細胞および自己免疫疾患におけるKv1.3の機能的役割
ヒトT細胞は2つのKチャネル(Kv1.3およびIKCa1)を発現しており、これによって遺伝子転写、増殖およびサイトカイン分泌に必要とされる細胞質Ca2+レベルの持続的な上昇に必要なバランスのとれたカチオンの流出がもたらされる(Panyi et al,2004, Chandy et al,2004)。このKv1.3チャネルおよびIKCa1(KCa3.1としても知られている)チャネルは膜電位を調節しており、Tリンパ球におけるCa2+シグナル伝達を促進する。Kv1.3は膜の脱分極に応答して開き、静止膜電位を維持する(初期段階)。これに対し、IKCa1は細胞質Ca2+の増加に応答して開き、膜電位を過分極させる(Beeton et al,2001)。Kチャネルを選択的に封鎖すると膜の脱分極が起こり、これによってCa2+の流入が阻害されてサイトカインの産生および細胞増殖が停止する。チャネルブロッカー毒素を用いた初期のインビトロでの研究によってKv1.3チャネルがT細胞活性化後のサイトカインIL−2の合成(遺伝子の活性化)および分泌に不可欠であることが明らかに示され(Price et al, 1989)、免疫不全における当該チャネルの阻害剤の潜在的な治療上の利用に理論的根拠が与えられている。自己免疫疾患の病態における自己反応性T細胞の役割は、動物モデルで明らかに示されている。他のいくつかの自己免疫疾患において疾患特異的な自己反応性T細胞がメモリー表現型を示すことも報告されている。自己反応性TEM細胞も乾癬、関節リウマチ、多発性硬化症、IBD、白斑、ブドウ膜炎、天疱瘡、炎症性筋疾患、橋本病および強皮症に関与しているとされている(Beeton et al,2005)。「後期の」メモリーT細胞およびメモリーB細胞は、多くの自己免疫疾患、移植拒絶反応および慢性の移植片対宿主病において疾患の進行および組織の損傷に関与しているとされている。Kv1.3チャネルの調節物質は、正常な免疫応答に悪影響を及ぼすことなく疾患誘導性のエフェクターメモリーT細胞およびメモリーB細胞の選択的なターゲティングを可能とすることができ、その結果、より一般的な免疫抑制を引き起こす物質よりも好ましい副作用プロファイルを有するものと考えられる。
【0007】
Koo et al,1999によれば、Kv1.3ブロッカーであるマルガトキシン(MgTX)がインビボでの遅延型過敏症(DTH)の応答を効果的に抑制することが観察された。また、MgTXは感作されていない動物での初期の抗体応答を阻害する(二次的な抗体応答はMgTXの影響を受けない)ことも示されている。これらの最近の結果は、休止Tリンパ球ではKv1.3チャネルが支配的でその機能を調節しているのに対し、IKCa1チャネルは活性化前のTリンパ球においてより重要であるとの考え方にも合致している。コレオリド(Correolide)(Koo et al,1999)およびPAP−1(Schmitz et al,2005)はKv1.3チャネルをブロックする新規な免疫抑制剤であり、DTHモデルにおいても有効である。DTH応答に関与する細胞構成成分は自己免疫疾患および同種移植片拒絶反応においてみられるものと類似していることから、上記の結果は新規な免疫抑制剤としてのKv1.3チャネルブロッカーの開発に非常に有望である。
【0008】
「薬剤ターゲットとしての電位依存性イオンチャネル(Voltage Gated Ion Channels as Drug Targets)」においてTriggle et alにより記載されているように、1980年代の初めに多くの化合物がμM〜mMの濃度でKv1.3チャネルをブロックすることが報告された。これらの化合物としては、4−アミノピリジンおよびテトラメチルアンモニウムなどの古典的なKvチャネル阻害剤、並びに、カルシウム活性化カリウムチャネルブロッカーであるキニンおよびセテイジル(ceteidil)、フェノチアジン抗精神病薬であるクロルプロマジンおよびトリフルオロペラジン、古典的なカルシウムチャネル阻害剤であるベラパミル、ジルチアゼム、ニフェジピンおよびニトレンジピン、並びにβブロッカーであるプロプラノロールなどの他の非特異的な化合物が挙げられる。
【0009】
1980年代にはまた、サソリ、ヘビおよび他の海洋生物から抽出された天然産物がKv1.3チャネルの強力な阻害剤であることが見出されたが、これらは主に、複数のスルフィド結合によって安定化された短ペプチド(<70残基)であった。これらの強力な阻害剤のうち最初のものはサソリ(Leiurus quinquestriatus hebraeus)の毒から単離され、カリブドトキシン(ChTX)と名付けられた(Sands et al,1989)が、他のサソリ毒のスクリーニングによってより強力なKv1.3阻害毒が同定され、これらの毒としてはマルガトキシン(MgTX)(Garcia et al,1993)、アジトキシン−2(Garcia et al,1994)、ホンゴトキシン(Koshchak et al,1998)、ダイオウサソリ毒2(pandinus imperator toxin 2)(Pi2)(Peter et al,2001)およびオーソキラス スクロビキュローサス(Orthochirus scrobiculosus)(OSK1)(Mouhat et al,2005)などが挙げられる。OSK1(最も近縁の関連チャネルに対して300倍選択的である)を除き、サソリ毒はいずれもKv1.3に対して選択的ではない。
【0010】
これまでで最も強力で選択的なKv1.3ブロッカーの1つは、イソギンチャクから抽
出された、スティコダクチラ ヘリアンサス(stichodactyla helianthus)毒(Shk)である(Pennington et al,1996)が、これに関してはKv1.3の封鎖を介した自己免疫疾患の治療について報告されている(US 6,077,680)。Shkおよび、選択性プロファイルが改善されたその合成誘導体であるShk−Dap22はpMで活性を示す(Pennington et al,1998)が、これらのペプチドはさらなる開発に対して好ましくない特性を有していることが判明した。
【0011】
近年ではより新規で選択的な小分子であるKv1.3チャネルブロッカーが自己免疫疾患の管理のために報告されている。これらの分子としては、イミノジヒドロキノリン類であるWIN173173およびCP339818(Nguyen et al.,1996)、ベンズヒドリルピペリジンであるUK−78,282(Hanson et al.1999)、コレオリド(Felix et al.,1999)、シクロヘキシル置換ベンズアミドであるPAC(US-06194458, WO0025774)、スルファミドベンズアミドインダン(US-06083986)、ケリノン(Baell et al.,2004)、ジクロロプレニルピラゾロピリミジン(WO-00140231)およびソラレン類(Wulff et al.,1998., Vennekamp et al.,2004, Schmitz et al.,2005)が挙げられる。
【0012】
置換アリールスルホンアミド類が、さまざまな治療分野への介入のために有用な配位子であることが広く報告されており、その治療分野は、2型糖尿病などの疾患における高血糖の治療および予防のための11−β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ タイプ1の阻害剤(WO2004065351)から、有効な抗癌剤としての有糸分裂キネシン類の阻害剤(WO2007056078)、動脈および静脈の血栓閉塞性疾患、炎症、癌および神経変性疾患の治療に有用である、因子Xaの阻害剤(WO96/40100)、アルツハイマー病およびβ−アミロイドの産生に起因する関連疾患を治療および予防するための有効な手段としてのBACE阻害剤(WO2005/030709)にまで至っている。置換アリールスルホンアミド類は、肝臓X受容体(LXR)の活性に関連した疾患の治療または予防に有用なLXR調節剤(WO2003082205)として、およびウイルス性疾患の治療または予防、特にC型肝炎の治療に有用であるLXR調節剤(WO2007/110171)として特許請求もされている。
【0013】
置換二環式第3級アリールスルホンアミド類は、特に、糖尿病などの代謝異常を予防するための、タンパク質ホスファラーゼ1(PP1)が関与するグリコーゲンの阻害剤(WO2008113760);緑内障、慢性疼痛、片頭痛、心臓障害や精神障害の治療のための、アルファ2C アドレナリン受容体の阻害剤(WO2007024944);尿路疾患から疼痛、心疾患から悪性腫瘍と糖尿病といった細胞増殖性および代謝の異常までに至るさまざまな症状の治療のための、KvチャネルおよびKvベータサブユニットの相互作用の阻害を介したKv1電位依存性カリウムチャネルの阻害剤(WO2008038053);並びに、深部静脈血栓症の治療および脳卒中のような症状における閉塞の予防についての潜在的な用途を備えた抗血栓剤(US63000342)として有用であることが報告されている。
【0014】
この度、驚くべきことに、後述する一般式(I)の化合物がカリウムチャネルの阻害剤として機能することが見出された。これらの化合物は、カリウムチャネルKv1.3を阻害し、カリウムチャネルKv1.3の阻害に関連した疾患を治療するのに特に有用である。本発明はKv1.3介在性の疾患の治療に限られず、上記化合物はKv1.5カリウムチャネルの阻害を伴う疾患治療(例えば、心房細動の治療)にも有用である(Marban, 2002, Brendel and Peukert, 2002)。
【発明の概要】
【0015】
<本発明の説明>
すなわち、一形態において、本発明は式(I)の化合物もしくはその塩またはこれらの製薬上許容されうる誘導体を提供する:
【0016】
【化1】

【0017】
式中、
Aは、一般式(II)で表される化学部分を表し;
【0018】
【化2】

【0019】
式中、
Xは、CH、C(=O)、CH(R)、C(R)(R)またはC(R)(R)CHからなる群より選択され、
は、置換されていてもよいアリールアルキル、および置換されていてもよいヘテロアリールアルキルからなる群より選択され、
は、置換されていてもよいアリールもしくは置換されていてもよいヘテロアリールまたはNRからなる群から選択され、
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアミノスルホニルまたはニトリルからなる群から選択され、
は、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよいスルホニル、置換されていてもよいスルファモイル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、および置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択され、
およびRは、それぞれ置換されていてもよいアルキルであり、
およびRは、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールを表し、
nは、1または2である;
ただし、XがC(R)(R)CHであるとき、nは1である。
【0020】
本明細書で用いる場合、特記しない限り、以下の定義が適用されるものとする。
【0021】
「置換されていてもよい」との語は、ある基が、同一であるかまたは異なる1または2以上の置換基によって置換されていてもよいことを意味する。そうでないと特記しない限り、これらの置換基は、アルキル、シクロアルキル、−O−C(ハロゲン)(好ましくは、−OCF)、ビアリール、炭素環アリール、ヘテロ脂環、ヘテロアリール、アシル、アミジノ、アミド、アミノ、アルコキシアミノ、カルバモイル、カルボキシ、シアノ、エーテル、ヒドロキシル、イミノ、ハロゲン、ニトロ、スルファモイル、スルホニル、スルフィニル、スルフェニル、スルホンアミドまたはウレアから選択される。
【0022】
本明細書で用いられる場合、「アルキル基」との語は通常、C1−4のアルキル基またはアルキル部分(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、ブチル、i−ブチルおよびt−ブチル)などの、直鎖または分枝鎖のアルキル基または1〜6個の炭素原子(好ましくは、2、3、4または5個の炭素原子)を含有する部分である。アルキル基またはアルキル部分は、非置換であってもよいし、任意の位置で置換されていてもよい。通常、アルキル基またはアルキル部分は、非置換であるか、または1、2もしくは3個の置換基を有している。適当な置換基としては、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、アルカノイル、アルコキシ、スルホンアミド、ニトロ、アリールおよびヘテロアリールが挙げられる。アルキル部分はまた、「不飽和アルキル」部分であってもよく、これはアルキル部分が少なくとも1つのアルケンまたはアルキン部分を含有することを意味する。「アルケン」部分とは、少なくとも2つの炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素二重結合からなる基を意味する。「アルキン」部分とは、少なくとも2つの炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素三重結合からなる基を意味する。
【0023】
本明細書で用いられる場合、「シクロアルキル」との語は、3〜11個の炭素原子(すなわち、3、4、5、6、7、8、9、10または11個の炭素原子)からなる単環または二環の環または環系を意味する。当該環系は「飽和環」であってもよく、これはその環がアルケンまたはアルキン部分を含有しないことを意味する。シクロアルキル基はまた、「不飽和環」であってもよく、これは当該環系が少なくとも1つのアルケンまたはアルキン部分を含有し、かつ、当該環系が芳香族ではないことを意味する。上記シクロアルキル基は、本明細書で定義されるように、置換または非置換でありうる。上述した置換基に加えて、1または2以上の環炭素原子はまた、二重結合を介してNH、SおよびOから選択される基に結合してもよい。上記シクロアルキルの置換基は、追加の置換基がアルキルである場合を除き、C1−6アルキル基などの連結基を介して結合してもよい。連結基中のアルキル基の1または2以上の水素は、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、チオール、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルアミノおよびC1−6ジアルキルアミノからなる群から選択される部分により置換されうる。
【0024】
本明細書で用いられる場合、「アリール基」との語は通常、フェニルまたはナフチルなどのC6−10アリール基である。好ましいアリール基は、フェニルである。アリール基は、非置換であるか、または任意の位置で置換されうる。通常、アリール基は、1、2、3または4つの置換基を有する。適当な置換基としては、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、トリフルオロメチル、アルキル、アルキルチオ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイル、アミド、N−アルキルアミド、NN−ジアルキルアミノ、スルホンアミド、アリールおよびヘテロアリールが挙げられる。
【0025】
「炭素環式」との語は、1または2以上の共有結合で閉じた環構造を含有し、かつ、当該環の骨格を形成する原子がすべて炭素原子である化合物を意味する。よってこの語により、炭素環式はヘテロ環と区別される。炭素環式基には、非芳香族の炭素環である「シクロアルキル基」と、芳香族の炭素環である「炭素環アリール」基との双方が含まれる。当該炭素環基は、本明細書で定義されるように、置換されていてもよい。
【0026】
本明細書で用いられる場合、「ヘテロ環」または「ヘテロシクロ」との語は、N、SおよびOから選択される1または2以上のヘテロ原子を含む、単環または二環の環または環系を意味する。当該環または環系は、ヘテロ原子に加えて、1〜6個の炭素原子を含む。ヘテロ環基との語は、非芳香族のヘテロ環を意味する「ヘテロ脂環式」基と、芳香族のヘテロ環を意味する「ヘテロアリール」基との双方を含む。当該ヘテロ環部分は、非置換であってもよいし、本明細書で定義されるように置換されたものであってもよく、置換基は、互いに隣接するように位置するときには結合してシクロアルキルまたはヘテロ脂環式の環系(例えば、メチレンジオキシまたはジフルオロメチレンジオキシ)を形成してもよい。上記ヘテロ環の置換基は、炭素原子またはヘテロ原子を介して結合しうる。上記ヘテロ環基はまた、窒素または硫黄が環中に存在する場合には、窒素および硫黄の酸化物をも含みうる。
【0027】
本明細書で用いられる場合、「ヘテロアリール」との語は、N、SおよびOから選択される1または2以上のヘテロ原子を含む、単環または二環の環または環系を意味する。当該環または環系は、ヘテロ原子に加えて、1〜13個の炭素原子を含み、かつ、ヘテロ原子を含む少なくとも1つの芳香環を含有する。当該ヘテロアリール基はまた、窒素または硫黄が存在する場合には、窒素および硫黄の酸化物をも含みうる。単環のヘテロアリール基の例としては、以下に限定されないが、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、およびトリアジニルが挙げられる。二環のヘテロ環の例としては、以下に限定されないが、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、インダゾリル、イソキノリニル、キノリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ベンゾトリアゾニルなどが挙げられる。三環のヘテロ環の例としては、以下に限定されないが、チアントレニル、キサンテニル、フェノキサチイニル、カルバゾリル、カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、およびフェノキサジニルが挙げられる。当該ヘテロアリール基は、非置換であってもよいし、本明細書で定義されるように置換されていてもよい。置換基は、互いに隣接するように位置するときには結合してシクロアルキルまたはヘテロ脂環式の環(例えば、メチレンジオキシおよびジフルオロメチレンジオキシ)を形成してもよい。上記ヘテロアリールの置換基は、炭素原子またはヘテロ原子を介して結合しうる。
【0028】
本明細書で用いられる場合、「アリールアルキル」との語は、アリール−C1−6アルキルまたはC1−6アルキル−アリールの式の化学部分を意味し、これらの語は本明細書で定義されている。
【0029】
本明細書で用いられる場合、「ヘテロアリールアルキル」との語は、ヘテロアリール−C1−6アルキルまたはC1−6アルキル−ヘテロアリールの式の化学部分を意味し、これらの語は本明細書で定義されている。
【0030】
本明細書で用いられる場合、「アシル」との語は、(CHC(=O)R(ここで、yは1〜6である)の式の化学部分を意味する。
【0031】
「アミジノ」との語は、(CHC(=NH)NRR’(ここで、yは1〜6である)の式を有する化学部分を意味する。
【0032】
「アミド」との語は、−C(=O)NRR’の式を有する化学部分を意味する「C−アミド」基と、−NRC(=O)R’の式を有する化学部分を意味する「N−アミド」基との双方を意味する。
【0033】
「アミン」または「アミノ」との語は、式−NRR’の化学部分を意味する。アミンの定義にはそのN−オキシドも含まれるものと理解される。
【0034】
「シアノ」基とは、式−CNの化学部分を意味する。
【0035】
本明細書で用いられる場合、「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」との語は、式−OHの化学部分を意味する。
【0036】
「ハロゲン」または「ハロ」との語は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素からなる群から選択される原子を意味する。
【0037】
本明細書で用いられる場合、「アルカノイル」との語は、−C(=O)Rの式を有する化学部分を意味する。
【0038】
「スルホン」または「スルホニル」との語は、−S(=O)の式を有する化学部分を意味する。
【0039】
「スルフィニル」との語は、−S(=O)Rの式を有する化学部分を意味する。
【0040】
「スルフェニル」との語は、−SRの式を有する化学部分を意味する。
【0041】
「スルファモイル」基は、−NR−S(=O)NRR’の式を有する化学部分
を意味する。
【0042】
「スルホンアミド」との語は、−S(=O)NRR’の式を有する化学部分を意味する「S−スルホンアミド」基と、−N−S(=O)R’zの式を有する化学部分を意味する「N−スルホンアミド」基との双方を意味する。
【0043】
「チオカルボニル」との語は、(CHC(=S)R(ここで、yは1〜6(すなわち、1、2、3、4、5または6)である)の式を有する化学部分を意味する。
【0044】
本明細書で用いられる場合、「チオ」または「チオール」との語は、式−SHの化学部分を意味する。
【0045】
「チオアミド」との語は、(CHC(=S)NRR’の式を有する化学部分を意味する「C−チオアミド」と、(CHNRC(=S)R’の式を有する化学部分を意味する「N−チオアミド」との双方を意味する(ここで、yは1〜6である)。
【0046】
「ウレア」基とは、式−NRC(=O)NRR’の化学部分を意味する。
【0047】
およびR’は、それぞれ独立して、水素、C1−6アルキル、シクロアルキル,C1−6アルコキシ、アリール−C1−6アルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される。
【0048】
好ましい実施形態において;XはCH、C(=O)またはC(R)(R)CHである。
【0049】
化学部分Aは、式(I)の化合物のC、CまたはCに化学結合を介して結合している。好ましくは、Rが、式(III)の化学部分である。
【0050】
【化3】

【0051】
式中、
、R10、R11、R12およびR13は、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素、ハロゲン、ヒドロキシル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアシル、ニトリル、置換されていてもよいC1−3アルキル、または置換されていてもよいアルコキシを表す;
14およびR15は、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素、ヒドロキシル、および置換されていてもよいC1−3アルキルを表す。好ましくは、R10、R11およびR12は、同一であるかまたは異なり、それぞれH、Cl、F、またはCHを表す。
【0052】
は、式(IV)、式(V)または式(VI)から選択される。
【0053】
【化4】

【0054】
式中、
A、D、E、GおよびJは、同一であるかまたは異なり、それぞれCまたはNを表す(ただし、それぞれの場合においてA、D、E、GまたはJの少なくとも1つはNである);
が式(IV)の化合物から選択されるとき、EはさらにOまたはSであってもよい;
が式(V)の化合物から選択されるとき、AはさらにOまたはSであってもよい;
式(IV)、式(V)および式(VI)の好ましい部分は、イミダゾール、ピラゾール、ピロール、オキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、およびトリアジンである。より好ましくは、Rは、イミダゾール、ピラゾール、またはピリジンである。
【0055】
16およびR17は、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトリル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよいC1−3アルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールを表すか、あるいは、一緒
になって置換されていてもよい飽和または部分飽和の5〜7員のヘテロ環または炭素環を
形成する。
【0056】
好ましくは、R16およびR17はアルキルであり、より好ましくはCHである。
【0057】
あるいは、Rは式(VII)の化合物から選択される。
【0058】
【化5】

【0059】
式中、
18、R19、R20、R21およびR22は、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素、ハロゲン、ヒドロキシル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアシル、ニトリル、置換されていてもよいC1−3アルキルを表し、R18およびR19、またはR19およびR20、またはR20およびR21、またはR21およびR22の対のいずれかが、一緒になって置換されていてもよい飽和または部分飽和の5〜7員のヘテロ環または炭素環を形成してもよい。
【0060】
式(VII)の好ましい部分としては、フェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、シアノフェニル、アミノフェニル、アセトアミドフェニル、テトラヒドロベンゾフラン、ベンゾピラン、ジヒドロベンゾジオキシン、ベンズオキサジノン、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾジオキソール、インドリン、インドール、インダゾール、およびベンゾモルホリンが挙げられる。より好ましい(VII)は、フェニル、フルオロフェニル、シアノフェニル、テトラヒドロベンゾフラン、ベンゾピラン、ジヒドロベンゾジオキシン、ベンズオキサジノン、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾジオキソール、インドリン、およびベンゾモルホリンから選択される。
【0061】
は、H、FまたはCHであると好ましく、RがHであるとより好ましい。
【0062】
は、好ましくは、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよいアリールアルキル、および置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択される。好ましい例としては、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよび2−ヒドロキシエチルが挙げられる。
【0063】
およびRは、置換されていてもよいアルキルである。より好ましくは、RおよびRはCHである。
【0064】
より好ましい化合物はAが式(VIII)によって表されるものである;
【0065】
【化6】

【0066】
式中、
は式(III)、式(IV)、式(V)または式(VI)の化合物から選択され、R、R10、R11、R12およびR13は上記で定義された通りである。
【0067】
最も好ましい化合物は、主要構造が式(IX)、式(X)、式(XI)によって表される式(I)の化合物から選択されるものである。
【0068】
【化7】

【0069】
式中、
Aは式(VIII)の化学部分であり、RおよびRは上記で定義された通りである。
【0070】
本発明の特に好ましい化合物としては:
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−エチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド
ピリジン−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−エチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アミド
N−(4−クロロ−ベンジル)−3−シアノ−N−(1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−ベンゼンスルホンアミド
ピリジン−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[2−(2−ヒドロキシ−エチル)−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アミド
1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−エチル−4,4−ジメチル1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド
N−(4−クロロ−ベンジル)−3−シアノ−N−(1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−ベンゼンスルホンアミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[2−(2−ヒドロキシ−エチル)−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アミド
N−(4−クロロ−ベンジル)−3−シアノ−n−(2−エチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−(4−クロロ−ベンジル)−3−シアノ−N−(2−エチル−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド
ピリジン−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド
1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−エチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アミド
ピリジン−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(4,4−ジメチル1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(4,4−ジメチル1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド
1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−イソプロピル−1,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1−H−イソインドール−5−イル)−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−エチル−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸ベンジル(2−エチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル)−アミド
1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(4,4−ジメチル1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド
1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−エチル−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−4−イル)−アミド
1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−エチル−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アミド
1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸ベンジル−(2−エチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル)−アミド
が挙げられる。
【0071】
本明細書で用いられる場合、製薬上許容されうる塩は、製薬上許容されうる酸または塩基を有する塩である。製薬上許容されうる酸には、塩酸、硫酸、リン酸、二リン酸、臭化水素酸または硝酸などの無機酸、および、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、酒石酸、安息香酸、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸などの有機酸が含まれる。製薬上許容されうる塩基には、アルカリ金属(例えば、ナトリウムまたはカリウム)およびアルカリ土類金属(例えば、カルシウムまたはマグネシウム)の水酸化物、並びに、アルキルアミン類、アリールアルキルアミン類またはヘテロ環状アミン類などの有機塩基が含まれる。
【0072】
本発明の化合物は、1または2以上の不斉中心を含みうる。疑いを避けるため、本明細書に記載の化学構造は、表記された化合物のすべての立体異性体(ラセミ混合物および非ラセミ混合物、並びに純粋なエナンチオマーおよび/またはジアステレオマー)を含むものとする。
【0073】
本明細書に記載の通り、本発明の化合物は種々の症状の治療に有用である。よって、第2の形態として、本発明は、医薬として用いるための、本明細書で定義される式(I)の化合物を提供する。好ましくは、当該化合物は、免疫学的障害(乾癬、関節リウマチおよび多発性硬化症など)などの、カリウムチャネルの阻害を必要とする症状の予防または治療に用いられる。
【0074】
さらに他の形態として、本発明は、本明細書で定義される式(I)の化合物の少なくとも1つ、および、1または2以上の賦形剤、担体または希釈剤を含む医薬製剤を提供する。
【0075】
本発明の組成物は、各活性成分の単回ごとの所定量を含有する単回用量の形態で提供されうる。かような単位は、化合物の5〜100mg/日(好ましくは、5〜15mg/日、10〜30mg/日、25〜50mg/日、40〜80mg/日、または60〜100mg/日のいずれか)を提供するように適用されうる。式Iの化合物については、100〜1000mg/日(好ましくは、100〜400mg/日、300〜600mg/日、または500〜1000mg/日のいずれか)の範囲の用量が提供される。かような用量は、単回の用量で、または、任意の回数の用量として提供されうる。最終的な用量は、治療される症状、投与経路、並びに患者の年齢、体重および症状に依存すると思われ、医師の裁量に委ねられるであろう。
【0076】
本発明の組成物は、任意の投与経路(例えば、経口(口腔内もしくは舌下など)、直腸、鼻、局所(口腔内、舌下もしくは経皮など)、膣、または非経口(皮下、筋肉内、静脈内または皮内など)の経路)による投与に適合しうる。かような製剤は、薬学の技術分野において公知の任意の手法により、例えば、活性成分を担体または賦形剤と組み合わせることにより、調製されうる。
【0077】
経口投与に適した医薬製剤は、カプセルもしくは錠剤;粉末もしくは顆粒;水性液体もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液;食用のフォームもしくはホイップ;または、水中油型の液状乳剤もしくは油中水型の液状乳剤といった個別の単位として提供されうる。
【0078】
経皮投与に適した医薬製剤は、所定の期間にわたって、受容者の表皮に直接接触したままとされることを予定された個別のパッチとして提供されうる。例えば、活性成分はPharmaceutical Research,3(6),318(1986)に一般的に記載されたイオントフォレシスによって当該パッチから送達されうる。
【0079】
局所投与に適した医薬製剤は、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾルまたはオイルとして製剤化されうる。
【0080】
眼または他の外部組織(例えば、口および皮膚)へ投与するためには、製剤は好ましくは局所の軟膏またはクリームとして塗布される。軟膏として製剤化される場合には、活性成分はパラフィン性または水混和性の軟膏基材とともに用いられうる。あるいは、活性成分は水中油型のクリーム基材または油中水型の基材を用いてクリーム中に製剤化されてもよい。
【0081】
眼への局所投与に適した医薬製剤としては点眼剤が挙げられ、この場合に活性成分は、適当な担体、特に水性溶媒中に溶解または懸濁される。
【0082】
口中への局所投与に適した医薬製剤としては、ドロップ、トローチ、および洗口剤が挙げられる。
【0083】
直腸投与に適した医薬製剤は、坐剤または浣腸剤として提供されうる。
【0084】
担体が固体である場合の鼻投与に適した医薬製剤としては、嗅ぐようにして服用される(すなわち、鼻に近づけて保持された粗粉末の容器からの鼻道を通した迅速な吸入による)、例えば20〜500ミクロンの粒子径を有する粗粉末が挙げられる。経鼻スプレーまたは経鼻ドロップとして投与するための、担体が液体である場合の適当な剤形としては、活性成分の水性または油性の溶液が挙げられる。
【0085】
吸入による投与に適した医薬製剤としては、種々のタイプの定量加圧式エアロゾル、ネブライザーまたは吸入器を用いることで生成しうる微粒子の粉末または霧が挙げられる。
【0086】
経膣投与に適した医薬製剤は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレーの製剤として提供されうる。
【0087】
非経口投与に適した医薬製剤としては、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤および、製剤を予定された受容者の血液と等張にする溶質を含有してもよい水性または非水性の滅菌注射液;並びに、懸濁化剤および増粘剤を含有してもよい水性または非水性の滅菌懸濁液が挙げられる。上記製剤は、単回用量または複数回用量の容器(例えば、密封されたアンプルおよびバイアル)中で提供されることができ、滅菌された液状の担体(例えば、注射用水)を使用直前に添加するのみでよい凍結乾燥条件下で貯蔵されうる。即席注射用の溶液および懸濁液は、滅菌された粉末、顆粒および錠剤から調製されうる。
【0088】
好ましい単回用量製剤は、活性成分の1日量または本明細書において上述したそれ未満の量を含有するもの、あるいはその適当な画分である。
【0089】
特に上述した成分の他にも、製剤は、当該製剤のタイプに関する技術分野において従来用いられている他の剤をも含みうるものと理解されるべきである。例えば、経口投与に適した製剤は着香剤を含みうる。
【0090】
本発明の組成物は、カリウムチャネルの阻害を必要とする症状の治療に(例えば、免疫学的障害の治療に)用いられうる。よって、さらに他の形態として、本発明は、以下のものを提供する:
(i)本発明の化合物または医薬組成物の少なくとも1つの有効量を患者に投与することを含む、カリウムチャネルの阻害を必要とする障害(例えば、免疫学的障害)を治療または予防する方法。
および
(ii)カリウムチャネルの阻害に用いるための医薬の製造における本発明の化合物の使用。
【0091】
特に、上記医薬は、乾癬、関節リウマチ、多発性硬化症、他の免疫学的障害である および不整脈の治療または予防に用いられる。
【0092】
<方法>
式(I)の化合物は、公知の経路(例えば、以下のスキーム1〜4に示すもの)により調製されうる。
【0093】
【化8】

【0094】
式(I)の化合物(ここで、RはH、アルキルまたは置換されていてもよいアルキルであり、XはC=OまたはCHまたはC(R)(R)CHであり、並びにR、R、R、およびnは上記で定義されたものである)は、式(XIII)のスルホンアミド(ここで、X、R、R、Rおよびnは上記で定義されたものである)から、例えば炭酸セシウムのような塩基およびテトラヒドロフラン、アセトニトリルまたはジクロロメタンのような溶媒の存在下、室温から還流温度までの温度範囲で、式R−Y(ここで、Rは上記で定義されたものであり、YはClまたはBrである)で示される求電子試薬との反応といった常法を用いて、スキーム1に示されるように調製されうる。また、X、R、R、R、Rおよびnが上記で定義された式(I)の化合物は、X、R、R、Rおよびnが上記で定義された式(XII)のアミンから、例えば、ピリジン、トリエチルアミンまたは炭酸カリウムといった塩基、およびテトラヒドロラン、アセトニトリルまたはジクロロメタンといった溶媒の存在下、室温から還流温度までの温度範囲で、Rが上記で定義された式RSOClを有する塩化スルホニルまたは塩化スルファモイルとの反応といった常法により調製されうる。RがHである式(I)の化合物が、式R−Y(ここで、Rがアルキルまたは置換されていてもよいアルキルであり、YがClまたはBrであると定義されている)の化合物と反応させることにより、Rがアルキルまたは置換されていてもよいアルキルである式(I)の化合物に変換されうることは明らかであり、当業者により理解される。一般的に、この反応は、例えば水素化ナトリウムといった強塩基、およびテトラヒドロランまたはジメチルホルムアミドといった溶媒の存在下、室温から還流温度までの温度範囲で、マイクロ波または通常の加熱によって行われる。
【0095】
X、R、R、Rおよびnが上記で定義された式(XIII)の化合物は、X、R、Rおよびnが上記で定義された式(XIV)の化合物から、例えば、炭酸カリウム、トリエチルアミンまたはピリジンといった塩基、並びにジクロロメタン、テトラヒドロランおよびアセトニトリルといった溶媒の存在下、室温から還流温度までの温度範囲で、Rが上記で定義された式RSOClを有する塩化スルホニルまたは塩化スルファモイルとの反応といった常法により調製されうる。
【0096】
X、R、R、Rおよびnが上記で定義された式(XII)化合物は、例えば炭酸カリウム、トリエチルアミンまたはピリジンといった塩基、並びにジクロロメタン、テトラヒドロランおよびアセトニトリルといった溶媒の存在下、室温から還流温度までの温度範囲で、X、R、Rおよびnが上記で定義された式(XIV)の化合物から、式R−Y(ここで、Rは上記で定義されたものであり、YはClまたはBrである)を有する求電子試薬との反応によるアルキル化反応といった常法によって調製されうる。また、X、R、R、Rおよびnが上記で定義された式(XII)の化合物は、例えばナトリウムトリアセトキシボロヒドリドのような還元剤、並びにジクロロメタン、テトラヒドロランおよびアセトニトリルといった溶媒の存在下、室温で、X、R、Rおよびが上記で定義された式(XIV)の化合物から、Rが上記で定義された式RC=Oのアルデヒドとの反応による還元的アミノ化反応といった常法により調製されうる。また、RがHであり、X、R、Rおよびnが上記で定義された式(XII)の化合物は、例えば炭酸カリウムといった塩基の存在下、マイクロ波または通常の加熱による高温下で、X、Rおよびnが上記で定義された式(XVI)の化合物から、Rが上記で定義された式RNHで示される一級アミンを用いて、アミドなどの電子溜め(electron sink)を有するフッ素化アリール系の求核置換反応(SnAr)といった常法により調製されうる。
【0097】
XがCH、nが2、そしてRが上記で定義された式(XVI)の化合物は、式(XVII)(ここで、XはCH、nは1、そしてRは上記で定義されたものである)の化合物からシュミット(Schmidt)反応の条件を用いて調製されうるものであり、通常、インダノン(XVII)はジクロロメタンなどの溶媒中、室温以下で、メタンスルホン酸およびアジ化ナトリウムと反応する。フッ素置換されたインダノン(XVII)は、公知のものであり、市販されている。
【0098】
X、R、Rおよびnが上記で定義された式(XIV)の化合物は、ジメチルホルムアミドまたはエタノールといった適当な溶媒中、室温で、X、R、Rおよびnが上記で定義された式(XV)の化合物から、例えばパラジウム/炭素(10%wt)およびギ酸アンモニウムまたは塩化スズ(II)などの還元剤を用いた還元反応といった常法によって調製されうる。
【0099】
X、R、Rおよびnが上記で定義された式(XV)の化合物は、以下のスキーム2〜4に記載された標準的な経路によって調製されうる。
【0100】
【化9】

【0101】
、Rが上記で定義された式(XV)の化合物は、例えば、テトラヒドロランなどの溶媒中、室温で、式(XVIII)(ここで、YはBr、Clまたは任意の適当な脱離基であり、そしてRは上記で定義されたものである)の化合物から、Rが上記で定義された式RNHの一級アミンとの反応といった常法を用いて、スキーム2に示されるように調製されうる。
【0102】
およびYが上記で定義された式(XVIII)の化合物は、例えばABCNまたはAIBNなどのラジカル開始剤の存在下、四塩化炭素等の溶媒中、室温で、Rが上記で定義された式(XIX)の化合物から、YがBrまたはClである式(XX)のハロ−スクシンアミドを用いたハロゲン化反応といった常法を用いて調製されうる。
【0103】
が上記で定義された式(XIX)の化合物は、例えば触媒量の硫酸の存在下、還流温度で、Rが上記で定義された式(XXI)の化合物から、メタノールを用いたエステル化反応といった常法により調製されうる。
【0104】
が上記で定義された式(XXI)の化合物は、市販または常法により調製されうる公知の化合物である。
【0105】
【化10】

【0106】
、RおよびRが上記で定義された式(XV)の化合物は、アセトニトリルおよび水の混合溶媒中、0℃〜室温までの温度範囲で、式(XXII)(ここで、Rは、例えばp−メトキシベンジル(PMB)のような保護基であり、R、R、およびRは上記で定義されたものである)の化合物から、例えば硝酸アンモニウムセリウムのような脱保護材を用いた常法によって、スキーム3に示されるように調製されうる。
【0107】
式(XXII)(ここで、Rは例えばPMBなどの保護基であるか、または上記で定義されたものであり、R、RおよびRは上記で定義されたものである)の化合物は、テトラエチルアンモニウムクロリド、ギ酸ナトリウムおよび酢酸ナトリウムの存在下、ジメチルホルムアミドなどの適当な溶媒中、高温で、R、R、RおよびRが上記で定義された式(XXIII)の化合物から、例えば酢酸パラジウム(II)を用いて行う分子内のパラジウム触媒カップリング反応といった常法によって調製されうる。
【0108】
、R、RおよびRが上記で定義された式(XXIII)の化合物は、水素化ナトリウムなどの塩基の存在下、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、−78℃〜0℃の温度範囲で、RおよびRが上記で定義された式(XXIV)の化合物から、例えば式(XXV)(ここで、RおよびRが上記で定義されたものであり、YがClまたはBrである)の求電子試薬との反応といった常法により調製されうる。
【0109】
およびRが上記で定義された式(XXIV)の化合物は、Rが上記で定義された式(XXVI)の化合物と、Rがp−メトキシベンジルまたは上記で定義されたものである式RNHの一級アミンから調製されうる。一般的に、この反応は、テトラヒドロラン、アセトニトリルまたはジメチルホルムアミドといった溶媒中、室温から還流温度までの温度範囲で行われる反応といった常法を利用し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)または2−(7−アザ−1H−ベンズトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HATU)といったカップリング剤を用いて行われる。
【0110】
式(XXVI)の化合物は、市販または常法により調製されうる公知の化合物である。
【0111】
【化11】

【0112】
およびRが上記で定義された式(XV)の化合物は、Rが上記で定義された式(XXVII)の化合物、およびRが上記で定義された式R−OHのアルコールから、光延(Mitsnobu)反応の条件を用いて、スキーム4に示されるように調製されうるものであり、一般的に、この反応は、トリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)またはアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)といったアゾジカルボン酸の存在下、THFなどの溶媒中、室温で行われる。また、RおよびRが上記で定義された式(XV)の化合物は、Rが上記で定義された式(XXVIII)の化合物およびRが上記で定義された式R−NHの一級アミンからもまた調製されうる。
【0113】
式(XXVII)および式(XXVIII)の化合物は、市販または常法により調製されうる公知の化合物である。
【実施例】
【0114】
<実験>
HPLC分析は、1以上の以下の方法を用いて実施した:
溶媒:[MeCN-0.05% HCO2H : H2O-0.1% HCO2H], 10-95%勾配 3分, 95% 2.5分;カラム:フェノメネックス ジェミニ(Phenomenex Gemini)50x4.6 mm i.d., C18逆相;流速:0.75mL/分(別途記載のない場合)
溶媒:[MeCN-H2O/0.01% HCO2H], 5-95%勾配 5分, 95% 3分;カラム:フェノメネックス ジェミニ(Phenomenex Gemini)50x4.6 mm i.d., C18逆相;流速:1.5mL/分(別途記載のない場合)
溶媒:[MeCN-H2O/0.1% HCO2H], 5-95%勾配 3.5分, 95% 2分;カラム:フェノメネックス ジェミニ(Phenomenex Gemini)50x3 mm i.d., C18逆相;流速: 1mL/分(別途記載のない場合)
溶媒:[MeCN-H2O/0.1% HCO2H], 5-95%勾配 6分, 95% 3分;カラム:フェノメネックス ジェミニ(Phenomenex Gemini)50x4.6 mm i.d., C18 逆相;流速:1mL/分(別途記載のない場合)
分取HPLCによる精製には、以下の方法を用いた:
溶媒:[MeCN-0.05% HCO2H:H2O-0.1% HCO2H], 5-95%勾配 12分, 95% 3分;ウォーターズ エックス−ブリッジ(Waters X-Bridge)100x19 mm i.d., C18逆相;流速:16mL/分(別途記載のない場合)
実施例1)1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−エチル−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アミド(方法A)
i)2−メチル−4−ニトロ−安息香酸メチルエステル
濃硫酸(0.6mL)およびメタノール(25mL)中、還流温度で15時間、2−メチル−4−ニトロ安息香酸(2.00g,11.00mmol)を撹拌した。反応混合物を冷却し、溶媒を蒸発させた。得られた残渣を水およびジクロロメタンで分離し、有機層を分離した。ジクロロメタンで水層を抽出し(3回)、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、その後、MgSOで乾燥させ、減圧下で溶媒を蒸発させて標記化合物を淡黄色固体として得た(1.89g,96%)。HPLC保持時間 4.39分。
【0115】
上記の方法に従って、適切な出発物質を用いて、以下の化合物を合成した:
2−メチル−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル
ii)2−ブロモメチル−4−ニトロ−安息香酸メチルエステル
2−メチル−4−ニトロ−安息香酸メチルエステル(2g,10.25mmol)およびABCN(626mg,2.56mmol)の四塩化炭素溶液(80mL)を撹拌しながら、室温で、N−ブロモスクシンイミド(2.18g,12.30mmol)を加えた。反応混合物を還流温度で2時間加熱し、その後、室温まで冷却して15時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、得られた残渣をシリカパッドで濾過した(ジクロロメタンで溶離させた)。溶媒を減圧下で蒸発させ、標記化合物を黄色固体として得た(2.70g,96%)。HPLC保持時間 4.49分。マススペクトル (ES+) m/z 256 (M+H)。
【0116】
上記の方法に従って、適切な出発物質または市販の原料を用いて、以下の化合物を合成した;
2−ブロモメチル−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル
2−ブロモメチル−3−ニトロ−安息香酸メチルエステル
iii)2−エチル−5−ニトロ−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン
2−ブロモメチル−4−ニトロ−安息香酸メチルエステル(1.0g,3.64mmol)をエチルアミン(30mL,2.0MのTHF溶液)中、室温で撹拌した。反応混合物を3時間撹拌し、溶媒を減圧下で蒸発させて、粗残渣をジエチルエーテルで混練した。得られたオレンジ色の固体を濾過し、減圧オーブン(40℃)で乾燥させて、標記化合物を得た(634mg,85%)。HPLC保持時間 3.56分。マススペクトル (ES+) m/z 207 (M+H)。
【0117】
上記の方法に従って、適切な出発物質を用いて、以下の化合物を合成した;
2−エチル−6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン
2−エチル−4−ニトロ−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン
iv)5−アミノ−2−エチル−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン
2−エチル−5−ニトロ−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン(634mg,3.06mmol)およびギ酸アンモニウム(949mg,15.31mmol)の無水DMF(12mL)溶液を室温で撹拌しながら、パラジウム/炭素(10%wt)(63mg,0.30mmol)を加えた。得られた懸濁液を還流温度で1時間加熱し、その後、冷却してセライトパッドで濾過した。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗残渣をフラッシュカラム(5%メタノールを含むジクロロメタン)で精製し、標記化合物を淡黄色油状物として得た(530mg,98%)。HPLC保持時間 0.95分。マススペクトル (ES+) m/z 177 (M+H)。
【0118】
上記の方法に従って、適切な出発物質を用いて、以下の化合物を合成した;
6−アミノ−2−エチル−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン
4−アミノ−2−エチル−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン
v)5−(4−クロロ−ベンジルアミノ)−2−エチル−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン
5−アミノ−2−エチル−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン(540mg,3.05mmol),4−クロロベンズアルデヒド(854mg,6.10mmol)および酢酸(183μL,3.05mmol)の無水アセトニトリル(12mL)溶液を室温で撹拌しながら、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(1.28g,6.10mmol)を加えた。反応混合物を一晩撹拌し、水を添加してクエンチした。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、その後、MgSOで乾燥させ、減圧下で溶媒を蒸発させた。得られた残渣をフラッシュカラム(0〜20%の酢酸エチルを含むジクロロメタン)で精製し、標記化合物を淡褐色固体として得た(148mg,16%)。HPLC保持時間 4.23分。マススペクトル (ES+) m/z 301 (M+H)。
【0119】
上記の方法に従って、適切な出発物質を用いて、以下の化合物を合成した;
6−(4−クロロ−ベンジルアミノ)−2−エチル−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン
4−(4−クロロ−ベンジルアミノ)−2−エチル−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン
vi)1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−エチル−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アミド
5−(4−クロロ−ベンジルアミノ)−2−エチル−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン(40mg,0.133mmol)およびピリジン(23μM,0.29mmol)の乾燥アセトニトリル(1mL)溶液を撹拌しながら、1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホニルクロリド(52mg,0.29mmol)を加え、反応混合物をマイクロ波中、0.5時間150℃に加熱した。反応混合物を濾過し、分取用HPLCで精製して(方法B)、標記化合物をオフホワイト色の固体として得た(17mg,25%)。HPLC保持時間 4.00分。マススペクトル (ES+) m/z 445 (M+H)。
【0120】
適当な出発物質を用いて、実施例1で記載された方法Aによって調製された他の化合物を表1に示す。
【0121】
実施例2)1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−エチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド(方法B)
i)7−ベンジルアミノ−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン
7−アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン(500mg,3.08mmol),4−クロロベンズアルデヒド(431mg,3.08mmol)および酢酸(183μL,3.08mmol)の無水ジクロロメタン(25mL)溶液を室温で撹拌しながら、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(1.29g,6.16mmol)を加えた。反応混合物を一晩撹拌し、水を添加してクエンチした。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、その後MgSOで乾燥させ、減圧下で溶媒を蒸発させた。得られた残渣をフラッシュカラム(50%酢酸エチルを含むジクロロメタン)で精製し、標記化合物を淡黄固体として得た(287mg,16%)。HPLC保持時間 4.09分。マススペクトル (ES+) m/z 287 (M+H)。
【0122】
ii)1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド
7−ベンジルアミノ−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン(100mg,0.34mmol)およびピリジン(63μL,0.77mmol)の無水ジクロロメタン(2mL)溶液を撹拌しながら、1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホニルクロリド(138mg,0.77mmol)を加え、反応混合物を還流温度で15時間加熱した。反応混合物を冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗残渣をフラッシュカラム(50%酢酸エチルを含むジクロロメタン)で精製し、標記化合物を無職個体として得た(63mg,41%)。HPLC保持時間 4.16分。マススペクトル (ES+) m/z 431 (M+H)。
【0123】
上記の方法に従って、適切な出発物質を用いて、以下の化合物を合成した;
N−(4−クロロ−ベンジル)−3−シアノ−N−(1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−ベンゼンスルホンアミド
ピリジン−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド
iii)1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−エチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド
無水THF(1mL)中の1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド(20mg,0.046mmol)および水素化ナトリウム(3mg,0.055mmol)の懸濁液に、ヨードエタン(8μL,0.055mmol)を加え、反応混合物をマイクロ波中、0.5時間110℃に加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させ、得られた残渣を分取用HPLC(方法B)で精製し、標記化合物を無色固体として得た(5mg,24%)。HPLC保持時間 4.34分。マススペクトル (ES+) m/z 459 (M+H)。
【0124】
適当な出発物質を用いて、実施例2で記載された方法Bによって調製された他の化合物を表1に示す。
【0125】
実施例3)N−(4−クロロ−ベンジル)−3−シアノ−N−[2−(2−ヒドロキシ−エチル)−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−ベンゼンスルホンアミド(方法B)
N−(4−クロロ−ベンジル)−3−シアノ−N−(1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−ベンゼンスルホンアミド(20mg,0.042mmol)を、乾燥DMF(5mL)中、窒素下、0℃で撹拌した。水素化ナトリウム(8.8mg,0.022mmol)を加え、混合物を5分間撹拌した。2−(2−ブロモエトキシテトラヒドロピラン)(33μL,0.022mmol)を加え、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。DMFを減圧下で除去し、残渣を分取用HPLCで精製した。残渣をメタノール(5mL)中に溶解させ、この溶液に、2MのHCl(0.5mL)を加え、混合物を室温で10分間、出発物質がTLC(酢酸エチル)で観測されなくなるまで撹拌した。溶媒を除去し、残渣を分取用TLC(酢酸エチル)で精製し、N−(4−クロロ−ベンジル)−3−シアノ−N−[2−(2−ヒドロキシ−エチル)−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−ベンゼンスルホンアミドを無色油状物として得た(収量11.7mg)。LCMS:ES+;4.28分;496;
適当な出発物質を用いて、実施例2aで記載された方法Bによって調製された他の化合物を表1に示す。
【0126】
実施例4)1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸ベンジル(2−エチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル)−アミド(方法C)
i)6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン
5−フルオロ−1−インダノン(1.5g,10mmol)およびメタンスルホン酸(6mL,90mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液に、反応温度が21〜26℃の間になるように維持してアジ化ナトリウム(1.30g,20mmol)を加えた。反応混合物を15時間撹拌して、その後氷冷し、5Nの水酸化ナトリウム溶液を用いて塩基性とした。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(10mLで2回)で抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で溶媒を蒸発させた。得られた残渣をフラッシュカラム(50%酢酸エチルを含むジクロロメタン)で精製し、標記化合物を淡褐色固体として得た(1.0g,61%)。HPLC保持時間 3.18分。マススペクトル (ES+) m/z 166 (M+H)。
【0127】
ii)6−ベンジルアミノ−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン
6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン(300mg,1.81mmol)および炭酸カリウム(550mg,3.98mmol)のベンジルアミン(1.5mL)溶液を、180℃でマイクロ波中、2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、得られた残渣を酢酸エチル(10mL)および水(10mL)で分離した。有機層を分離し、飽和食塩水(10mL)で洗浄した後、MgSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗残渣を分取用HPLC(方法A)で精製し、標記化合物を無色固体として得た(80mg,18%)。HPLC保持時間 3.81分。マススペクトル (ES+) m/z 253 (M+H)。
【0128】
iii)1-メチル-1H-ピラゾール-3-スルホン酸ベンジル-(1-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン-6-イル)-アミド
6−ベンジルアミノ−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン(45mg,0.18mmol)およびピリジン(31μL,0.39mmol)の無水アセトニトリル(1mL)溶液に、1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホニルクロリド(70mg,0.39mmol)を加え、反応混合物をマイクロ波中、0.5時間、150℃に加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗残渣を分取用TLC(5%メタノールを含むジクロロメタン)で精製し、標記化合物を黄色固体として得た(10mg,14%)。HPLC保持時間 3.83分。マススペクトル (ES+) m/z 397 (M+H)。
【0129】
vi)1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸ベンジル(2−エチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル)−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸ベンジル−(1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル)−アミド(9mg,0.022mmol)および水素化ナトリウム(60%ミネラルオイル懸濁液を2mg,0.045mmol)の無水THF(0.5mL)中の懸濁液に、ヨードエタン(2μL,0.045mmol)を加え、反応混合物をマイクロ波中、0.5時間、110℃に加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させ、得られた残渣を分取用HPLC(方法B)で精製し、標記化合物を無色固体として得た(4mg,24%)。HPLC保持時間 4.14分。マススペクトル (ES+) m/z 425 (M+H)。
【0130】
適当な出発物質を用いて、実施例4で記載された方法Cによって調製された他の化合物を表1に示す。
【0131】
実施例5)1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−エチル−4,4−ジメチル1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド(方法D)
i)2−ブロモ−N−エチル−5−ニトロ−ベンズアミド
HATU(501mg,1.32mmol),2−ブロモ−5−ニトロ安息香酸(325mg,1.32mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(642μL,3.90mmol)の無水アセトニトリル(20mL)溶液を撹拌しながら、室温でエチルアミン(2.0MのTHF溶液を725μL,1.45mmol)を加え、反応混合物を15時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗残渣をフラッシュカラム(20%酢酸エチルを含む石油エーテル)で精製し、標記化合物を淡黄色固体として得た(155mg,43%)。HPLC保持時間 3.72分。マススペクトル (ES+) m/z 273 (M+H)。
【0132】
上記の方法に従って、適切な出発物質を用いて、以下の化合物を合成した;
2−ブロモ−N−(4−メトキシ−ベンジル)−5−ニトロ−ベンズアミド
ii)2−ブロモ−N−エチル−N−(2−メチル−アリル)−5−ニトロ−ベンズアミド
2−ブロモ−N−エチル−5−ニトロ−ベンズアミド(150mg,0.55mmol)の無水DMF(2mL)溶液を、−78℃で水素化ナトリウム(60%ミネラルオイル懸濁液を44mg,1.10mmol)の無水DMF(5mL)の懸濁液に滴下して加えた。反応混合物を0.25時間撹拌し、その後、昇温して0℃とした。その後、3−ブロモ−2−メチルプロパン(111μL,1.10mmol)を加え、反応混合物をさらに時間、0℃で撹拌した。その後、溶媒を減圧下で蒸発させ、得られた残渣を水および酢酸エチルで分離した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、その後MgSOで乾燥させ、減圧下で溶媒を蒸発させ、標記化合物を無色固体として得た(150mg,84%)。HPLC保持時間 4.46分。マススペクトル (ES+) m/z 327 (M+H)。
【0133】
上記の方法に従って、適切な出発物質を用いて、以下の化合物を合成した;
2−ブロモ−N−(4−メトキシ−ベンジル)−N−(2−メチル−アリル)−5−ニトロ−ベンズアミド
iii)2−エチル−4,4−ジメチル−7−ニトロ−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン
2−ブロモ−N−エチル−N−(2−メチル−アリル)−5−ニトロ−ベンズアミド(150mg,0.46mmol),テトラエチルアンモニウムクロリド(84mg,0.46mmol),ギ酸ナトリウム(34mg,0.50mmol)および酢酸ナトリウム(82mg,1.01mmol)の無水DMF(10mL)溶液に、酢酸パラジウム(II)(10mg,0.046mmol)を加え、反応混合物を70℃で15時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、セライトパッドで濾過した。溶媒を減圧下で蒸発させて、得られた残渣をフラッシュカラム(20%酢酸エチルを含むジクロロメタン)で精製し、標記化合物を黄色固体として得た(110mg,96%)。HPLC保持時間 4.21分。マススペクトル (ES+) m/z 249 (M+H)。
【0134】
上記の方法に従って、適切な出発物質を用いて、以下の化合物を合成した;
2−(4−メトキシ−ベンジル)−4,4−ジメチル−7−ニトロ−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン
iv)7−アミノ−2−エチル−4,4−ジメチル3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン
2−エチル−4,4−ジメチル7−ニトロ−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン(110mg,0.44mmol)およびギ酸アンモニウム(137mg,2.21mmol)の無水DMF(6mL)溶液を撹拌しながら、パラジウム/炭素(10%wt)(12mg,0.04mmol)を室温で加えた。得られた懸濁液を還流温度で1時間加熱し、その後、冷却してセライトパッドで濾過した。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗残渣をフラッシュカラム(60%酢酸エチルを含むジクロロメタン)で精製し、標記化合物を淡黄色固体として得た(40mg,98%)。HPLC保持時間 2.99分。マススペクトル (ES+) m/z 219 (M+H)。
【0135】
v)7−(4−クロロ−ベンジルアミノ)−2−エチル−4,4−ジメチル3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン
7−アミノ−2−エチル−4,4−ジメチル3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン(40mg,0.18mmol),4−クロロベンズアルデヒド(31mg,0.22mmol)および酢酸(11μL,0.18mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を撹拌しながら、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(77mg,0.36mmol)を室温で加えた。反応混合物を一晩撹拌し、水を添加してクエンチした。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、その後MgSOで乾燥させ、減圧下で溶媒を蒸発させた。得られた残渣を分取用TLC(20%酢酸エチルを含む石油エーテル)で精製し、標記化合物を無色固体として得た(20mg,32%)。HPLC保持時間 4.78分。マススペクトル (ES+) m/z 343 (M+H)。
【0136】
vi)1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−エチル−4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド
7−(4−クロロ−ベンジルアミノ)−2−エチル−4,4−ジメチル3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン(17mg,0.05mmol)およびピリジン(9μL,0.11mmol)の無水アセトニトリル(1mL)溶液を撹拌しながら、1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホニルクロリド(20mg,0.11mmol)を加えた。反応混合物をマイクロ波中、0.5時間、150℃に加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗残渣を分取用TLC(5%メタノールを含むジクロロメタン)で精製し、標記化合物を無色固体として得た(5mg,21%)。HPLC保持時間 4.42分。マススペクトル (ES+) m/z 487 (M+H)。
【0137】
実施例6)1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(4,4−ジメチル1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド(方法E)
i)2−(4−メトキシ−ベンジル)−4,4−ジジメチル7−ニトロ−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン
本化合物は、実施例4(方法D)のステップiiiにしたがって合成した。
【0138】
ii)4,4−ジメチル7−ニトロ−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン
2−(4−メトキシ−ベンジル)−4,4−ジメチル7−ニトロ−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン(1.2g,3.52mmol)および硝酸アンモニウムセリウム(5.78g,10.56mmol)のアセトニトリル(30mL)および水(15mL)の溶液を、0℃で1時間撹拌した。その後、反応混合物を室温まで昇温させてさらに15時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、ジクロロメタンを加えた。有機層を分離し、飽和塩化アンモニウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、その後、乾燥させ、減圧下で溶媒を蒸発させた。粗残渣をフラッシュカラム(15%酢酸エチルを含むジクロロメタン)で精製し、標記化合物を得た(300mg,39%)。HPLC保持時間 3.71分。マススペクトル (ES+) m/z 221 (M+H)。
【0139】
iv)7−アミノ−4,4−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン
4,4−ジメチル7−ニトロ−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン(250mg,1.13mmol)およびギ酸アンモニウム(350mg,5.65mmol)の無水DMF(10mL)溶液を撹拌しながら、室温でパラジウム/炭素(10%wt)(25mg,0.13mmol)を加えた。その後、得られた懸濁液を還流温度で1時間加熱した後、冷却してセライトパッドで濾過した。溶媒を蒸発させ、粗残渣をフラッシュカラム(5%メタノールを含むジクロロメタン)で精製し、標記化合物を淡黄色固体として得た(210mg,98%)。HPLC保持時間 1.00分。マススペクトル (ES+) m/z 191 (M+H)。
【0140】
v)7−(4−クロロ−ベンジルアミノ)−4,4−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン
7−アミノ−4,4−ジメチル3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン(220mg,1.15mmol),4−クロロベンズアルデヒド(324mg,2.31mmol)および酢酸(69μL,1.15mmol)の無水ジクロロメタン(10mL)溶液を撹拌しながら、室温でナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(800mg,3.79mmol)を加えた。反応混合物を一晩撹拌し、水を添加してクエンチした。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、その後MgSOで乾燥させ、減圧下で溶媒を蒸発させた。得られた残渣をフラッシュカラム(20%酢酸エチルを含むジクロロメタン)で精製し、標記化合物を淡褐色固体として得た(140mg,39%)。HPLC保持時間 4.40分。マススペクトル (ES+) m/z 315 (M+H)。
【0141】
vi)1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド
7−(4−クロロ−ベンジルアミノ)−4,4−ジメチル3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン(20mg,0.06mmol)およびピリジン(12μL,0.14mmol)の無水アセトニトリル(1mL)溶液を撹拌しながら、1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホニルクロリド(25mg,0.14mmol)を加え、反応混合物をマイクロ波中、0.5時間、150℃に加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗残渣を分取用HPLC(方法A)で精製し、標記化合物を無色固体として得た(15mg,21%)。HPLC保持時間 4.07分。マススペクトル (ES+) m/z 459 (M+H)。
【0142】
適当な出発物質を用いて、実施例6で記載された方法Eによって調製された他の化合物を表1に示す。
【0143】
実施例7)1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−イソプロピル−1,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1−H−イソインドール−5−イル)−アミド(方法F)
i)2−イソプロピル−5−ニトロ−イソインドール−1,3−ジオン
4−ニトロフタルイミド(2.0g,10.41mmol),トリフェニルホスフィン(11.45mmol,2.99g)およびイソ−プロパノール(11.45mmol,0.73mL)の無水THF(40mL)溶液を撹拌しながら、ジイソプロピルアゾジカルボン酸(2.37g,11.45mmol)を加え、反応混合物を16時間、室温で撹拌した。水および酢酸エチルを加え、有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、その後MgSOで乾燥させて、減圧下で溶媒を蒸発させた。粗残渣をフラッシュカラム(30%酢酸エチルを含む石油エーテル)で精製し、標記化合物を淡黄色固体として得た(1.27g,52%)。HPLC保持時間 4.60分。マススペクトル (ES+) m/z 235 (M+H)。
【0144】
ii)5−アミノ−2−イソプロピル−イソインドール−1,3−ジオン
2−イソプロピル−5−ニトロ−イソインドール−1,3−ジオン(1.20g,5.12mmol)および塩化スズ(II)無水物(3.47g,15.36mmol)のエタノール(40mL)溶液を撹拌しながら、60℃で、水素化ホウ素ナトリウム(193mg,5.12mmol)のエタノール(4mL)溶液を滴下して加えた。得られた溶液を2時間撹拌した後、反応混合物を0℃に冷却し、2Mの水酸化ナトリウムを用いて塩基性とした。水層をジクロロメタンで抽出し(20mLで3回)、有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄し、その後MgSOで乾燥させ、減圧下で溶媒を蒸発させた。粗残渣を分取用HPLC(方法D)で精製し、標記化合物を黄色固体として得た(512mg,49%)。HPLC保持時間 7.2分。マススペクトル (ES+) m/z 205 (M+H)。
【0145】
iii)5−(4−クロロ−ベンジルアミノ)−2−イソプロピル−イソインドール−1,3−ジオン
5−アミノ−2−イソプロピル−イソインドール−1,3−ジオン(0.50g,2.69mmol),4−クロロベンズアルデヒド(0.37g,2.69mmol)および酢酸(160μL,2.69mmol)の無水ジクロロメタン(10mL)溶液を撹拌しながら、室温で、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(1.03g,4.90mmol)を加えた。反応混合物を一晩撹拌し、水を添加してクエンチした。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、その後、MgSOで乾燥させ、減圧下で溶媒を蒸発させた。得られた残渣をフラッシュカラム(5%メタノールを含むジクロロメタン)で精製し、標記化合物を淡褐色固体として得た(160mg,20%)。HPLC保持時間 4.86分。マススペクトル (ES+) m/z 329 (M+H)。
【0146】
iv)1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−イソプロピル−1,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1−H−イソインドール−5−イル)−アミド
5−(4−クロロ−ベンジルアミノ)−2−イソプロピル−イソインドール−1,3−ジオン(50mg,0.15mmol)およびピリジン(36μL,0.45mmol)の無水ジクロロメタン(2mL)溶液を撹拌しながら、1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホニルクロリド(60mg,0.27mmol)を加え、反応混合物を還流温度で15時間加熱した。反応混合物を冷却し、減圧下で溶媒を蒸発させた。粗残渣を分取用HPLC(方法D)で精製し、標記化合物を無色固体として得た(5mg,7%)。HPLC保持時間 8.14分。マススペクトル (ES+) m/z 473 (M+H)。
【0147】
【表1−1】

【0148】
【表1−2】

【0149】
【表1−3】

【0150】
参照文献
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物もしくはその塩またはこれらの製薬上許容されうる誘導体:
【化1】

式中、
Aは、一般式(II)で表される化学部分を表し;
【化2】

式中、
Xは、CH、C(=O)、CH(R)、C(R)(R)またはC(R)(R)CHからなる群より選択され、
は、置換されていてもよいアリールアルキル、および置換されていてもよいヘテロアリールアルキルからなる群より選択され、
は、置換されていてもよいアリールもしくは置換されていてもよいヘテロアリールまたはNRからなる群から選択され、
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアミノスルホニルまたはニトリルからなる群から選択され、
は、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよいスルホニル、置換されていてもよいスルファモイル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、および置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択され、
およびRは、それぞれ置換されていてもよいアルキルであり、
およびRは、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールを表し、
nは、1または2である。
【請求項2】
化学部分Aが、式(I)の化合物のC,CまたはCに化学結合を介して結合し、
XはCH、C(=O)またはCRCHであり、
nは1または2であり、好ましくはXがCHであるとき、nは1または2であり、XがC(=O)であるとき、nは1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、式(III)を含む、請求項2に記載の化合物:
【化3】

式中、
、R10、R11、R12およびR13は、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素、ハロゲン、ヒドロキシル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアシル、ニトリル、置換されていてもよいC1−3アルキル、または置換されていてもよいアルコキシを表し、
14およびR15は、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素、ヒドロキシル、および置換されていてもよいC1−3アルキルを表す。好ましくは、R10、R11およびR12は、同一であるかまたは異なり、それぞれH、Cl、F、またはCHを表す。
【請求項4】
が、式(IV)、式(V)または式(VI)から選択される、請求項2に記載の化合物:
【化4】

式中、
A、D、E、GおよびJは、同一であるかまたは異なり、それぞれCまたはNを表し(ただし、それぞれの場合においてA、D、E、GまたはJの少なくとも1つはNである)、
が式(IV)の化合物から選択されるとき、EはさらにOまたはSであってもよく、
が式(V)の化合物から選択されるとき、AはさらにOまたはSであってもよく、
式(IV)、式(V)および式(VI)の好ましい部分は、イミダゾール、ピラゾール、ピロール、オキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、およびトリアジンである。より好ましくは、Rは、イミダゾール、ピラゾール、またはピリジンから選択される。
16およびR17は、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトリル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよいC1−3アルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールを表すか、あるいは、一緒になって置換されていてもよい飽和または部分飽和の5〜7員のヘテロ環または炭素環を形成する。
好ましくは、R16およびR17はアルキルであり、より好ましくはCHである。
【請求項5】
が式(VII)の化合物から選択された、請求項2に記載の化合物:
【化5】

式中、
18、R19、R20、R21およびR22は、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素、ハロゲン、ヒドロキシル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアシル、ニトリル、置換されていてもよいC1−3アルキルを表し、R18およびR19、またはR19およびR20、またはR20およびR21、またはR21およびR22の対のいずれかが、一緒になって置換されていてもよい飽和または部分飽和の5〜7員のヘテロ環または炭素環を形成してもよい。
式(VI)の好ましい部分としては、フェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、シアノフェニル、アミノフェニル、アセトアミドフェニル、テトラヒドロベンゾフラン、ベンゾピラン、ジヒドロベンゾジオキシン、ベンズオキサジノン、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾジオキソール、インドリン、インドール、インダゾール、およびベンゾモルホリンを含む。好ましい(VII)は、フェニル、フルオロフェニル、シアノフェニル、テトラヒドロベンゾフラン、ベンゾピラン、ジヒドロベンゾジオキシン、ベンズオキサジノン、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾジオキソール、インドリンおよびベンゾモルホリンが挙げられる。
【請求項6】
は、H、FまたはCHであり、好ましくは、RはHまたはFである、請求項2に記載の化合物。
【請求項7】
は、好ましくは、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよいアリールアルキル、および置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択され、好ましい例として、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよび2−ヒドロキシエチルを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
およびRは置換されていてもよいアルキルであり、より好ましくは、RおよびRはCHである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
Aは式(VIII)の化学部分である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【化6】

式中、
は式(IV)、式(V)、式(VI)または式(VII)の化合物から選択され、R、R10、R11、R12およびR13は上記で定義された通りである。
【請求項10】
式(I)は、式(IX)、式(X)または式(XII)によって表される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【化7】

式中、
Aは式(VIII)の化学部分であり、RおよびRは請求項6および請求項7でそれぞれ定義された通りである。
【請求項11】
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−エチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド
ピリジン−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−エチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アミド
N−(4−クロロ−ベンジル)−3−シアノ−N−(1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−ベンゼンスルホンアミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−エチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アミド
ピリジン−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[2−(2−ヒドロキシ−エチル)−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アミド
1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−エチル−4,4−ジメチル1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド
N−(4−クロロ−ベンジル)−3−シアノ−N−(1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−ベンゼンスルホンアミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[2−(2−ヒドロキシ−エチル)−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アミド
N−(4−クロロ−ベンジル)−3−シアノ−n−(2−エチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−(4−クロロ−ベンジル)−3−シアノ−N−(2−エチル−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド
ピリジン−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド
1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−エチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アミド
ピリジン−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(4,4−ジメチル1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(4,4−ジメチル1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド
1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−イソプロピル−1,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1−H−イソインドール−5−イル)−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−エチル−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸ベンジル(2−エチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル)−アミド
1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(4,4−ジメチル1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アミド
1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−エチル−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−4−イル)−アミド
1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(2−エチル−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アミド
1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸ベンジル−(2−エチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル)−アミド
から選択される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物の少なくとも1つを含み、1または2以上の製薬上許容されうる賦形剤、希釈剤および/または担体を含んでもよい、医薬組成物。
【請求項13】
医薬に用いるための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
カリウムチャネルの阻害を必要とする障害の予防または治療に用いるための、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
前記障害が、乾癬、関節リウマチ、多発性硬化症または他の免疫学的障害である、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
前記障害が、不整脈である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
請求項1〜11のいずれか1項で定義された化合物、または請求項12で定義された医薬組成物の少なくとも1つの有効量を患者に投与することを含む、カリウムチャネルの阻害を必要とする障害を予防または治療する方法。
【請求項18】
前記障害が、乾癬、関節リウマチ、多発性硬化症または他の免疫学的障害である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
カリウムチャネルの阻害に用いるための医薬の製造における、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項20】
前記医薬が、乾癬、関節リウマチ、多発性硬化症または他の免疫学的障害の治療に用いるためのものである、請求項19に記載の使用。

【公表番号】特表2012−528839(P2012−528839A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513673(P2012−513673)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【国際出願番号】PCT/GB2010/001092
【国際公開番号】WO2010/139953
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(511290237)ゼンション リミテッド (2)
【Fターム(参考)】