説明

化学化合物I

式(I):
【化1】


の化合物、それらを含む組成物、それらを製造する方法、および医学的治療におけるその使用(例えば温血動物においてCCR5受容体活性を調節すること)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬活性を有するヘテロ環誘導体、該誘導体の製造方法、該誘導体を含む医薬組成物、および活性な治療薬としての該誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
薬学的に活性なピペリジン誘導体は、WO 03/042205 に開示されている。医薬は、バイオアベイラビリティーを有する必要があり、本発明の化合物は、WO 03/042205 の化合物より、良好なバイオアベイラビリティーおよび良好な選択性(例えばムスカリン活性の減少)を示す。
【0003】
ケモカインは、多くの種類の細胞によって放出され、マクロファージ、T細胞、好酸球、好塩基球、および好中球を炎症部位に引き寄せる走化性サイトカインであり、また免疫系の細胞の成熟にも役割を果たしている。ケモカインは、喘息、アレルギー性疾患、およびリウマチ性関節炎やアテローム動脈硬化症のような自己免疫性疾病を含む、種々の疾患において、免疫応答および炎症応答に重要な役割を果たしている。これらの分泌された小分子は、保存された4個のシステイン・モチーフによって特徴付けられている8〜14kDaのタンパク質の増大しつつあるスーパーファミリーである。ケモカインのスーパーファミリーは、特徴的な構造モチーフを示す、Cys−X−Cys (C−X−C、またはα)ファミリーと Cys−Cys (C−C、またはβ)ファミリーの、2つの主要なグループに分類される。これらは、システイン残基のNH−隣接ペアの間への1個のアミノ酸の挿入、および配列の類似性に基づいて区別されている。
【0004】
C−X−Cケモカインは、インターロイキン−8(IL−8)や好中球活性化ペプチド 2(NAP−2)のような、幾つかの好中球の強力な走化性物質とアクチベーターを含む。
C−Cケモカインは、単球とリンパ球の強力な走化性物質を含むが好中球の走化性物質を含まず、例えばヒトの単球走化性タンパク質1−3(MCP−1、MCP−2、およびMCP−3)や、RANTES(Regulated on Activation, Normal T Expressed and Secreted)や、エオタキシンやマクロファージ炎症性タンパク質 1αおよび1β(MIP−1αおよびMIP−1β)である。
【0005】
ケモカインの作用が、CCR1、CCR2、CCR2A、CCR2B、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10、CXCR1、CXCR2、CXCR3、およびCXCR4と名付けられた受容体を含むGタンパク質結合受容体のサブファミリーによって、媒介されていることが証明されている。これらの受容体は、これらの受容体を調節する薬物が上記の疾患の処置に有用であることから、薬物開発上の好適なターゲットとなっている。
【0006】
CCR5受容体は、Tリンパ球、単球、マクロファージ、樹状細胞、小膠細胞、および他の細胞型で発現される。これらは、幾つかのケモカイン、主に“正常T細胞の刺激により制御され、発現し、分泌されるもの”(ランテス)、マクロファージ炎症蛋白質(MIP) MIP−1αおよびMIP−1β、ならびに単球走化性蛋白質−2(MCP−2)を検出され、応答する。
【0007】
このことは、免疫系の細胞の疾患部位への動員を引き起こす。多くの疾患において、CCR5が発現した細胞は、組織損傷に直接的もしくは間接的に寄与する。従って、これらの細胞の動員を制御することは、広範囲の疾患に有益である。
【0008】
CCR5はまた、HIV−1および他のウイルスの共受容体であり、これらのウイルスが細胞に侵入することを可能とする。CCR5アンタゴニストで受容体を遮断すること、またはCCR5アゴニストで受容体の内部移行を誘発することにより、細胞は、ウイルス感染から保護される。
【発明の開示】
【0009】
本発明は、式(I):
【化1】

[式中、
は、S(O)、S(O)NR1011、C(O)R、またはC(O)NHRであり;
は、3,5−ジフルオロフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、または3−フルオロ−5−クロロフェニルであり;
は、水素またはC1−4アルキルであり;
は、水素、メチル、エチル、アリル、またはシクロプロピルであり;
【0010】
は、フェニル(C1−2)アルキルもしくはフェニル(C1−2アルキル)NHであり、ここで、該フェニル環は、所望によりハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、S(O)(C1−4アルキル)、S(O)NR、NHS(O)(C1−4アルキル)、NH、NH(C1−4アルキル)、N(C1−4アルキル)、NHC(O)NH、C(O)NH、C(O)NH(C1−4アルキル)、C(O)N(C1−4アルキル)、NHC(O)(C1−4アルキル)、COH、CO(C1−4アルキル)、C(O)(C1−4アルキル)、CF、CHF、CHF、CHCF、またはOCFによって置換されており;
kは、0、1、または2であり;
は、C1−6アルキル[所望によりC1−4アルコキシ、フェニル{それ自体、所望によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、OCF、(C1−4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1−4アルキルチオ、S(O)(C1−4アルキル)、もしくはS(O)(C1−4アルキル)によって置換されている}、またはヘテロアリール{それ自体、所望によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、(C1−4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1−4アルキルチオ、S(O)(C1−4アルキル)もしくはS(O)(C1−4アルキル)によって置換されている}によって置換されている]、C3−7シクロアルキル、テトラヒドロピラニル、フェニル{所望によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、OCF、(C1−4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1−4アルキルチオ、S(O)(C1−4アルキル)もしくはS(O)(C1−4アルキル)によって置換されている}、またはヘテロアリール{所望によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、(C1−4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1−4アルキルチオ、S(O)(C1−4アルキル)もしくはS(O)(C1−4アルキル)によって置換されている}であり;
【0011】
は、水素、C1−6アルキル[所望によりハロ(例えばフルオロ)、C1−4アルコキシ、フェニル{それ自体、所望によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、OCF、(C1−4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1−4アルキルチオ、S(O)(C1−4アルキル)もしくはS(O)(C1−4アルキル)によって置換されている}、またはヘテロアリール{それ自体、所望によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、(C1−4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1−4アルキルチオ、S(O)(C1−4アルキル)もしくはS(O)(C1−4アルキル)によって置換されている}によって置換されている]、C3−7シクロアルキル、テトラヒドロピラニル、フェニル{所望によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、OCF、(C1−4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1−4アルキルチオ、S(O)(C1−4アルキル)もしくはS(O)(C1−4アルキル)によって置換されている}、またはヘテロアリール{所望によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、(C1−4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1−4アルキルチオ、S(O)(C1−4アルキル)もしくはS(O)(C1−4アルキル)によって置換されている}であり;
およびRは、独立して、水素もしくはC1−4アルキルであるか、または窒素もしくは酸素原子と結合して一体となり、5員環もしくは6員環{所望によりC1−4アルキル、C(O)HもしくはC(O)(C1−4アルキル)で置換されている}を形成してもよく;
10およびR11は、独立して、水素もしくはC1−4アルキルであるか、または結合して5員環もしくは6員環{所望によりC1−4アルキルもしくはフェニル(ここで、該フェニル環は、所望によりハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、S(O)1−4アルキル、S(O)NH、S(O)NH(C1−4アルキル)、S(O)N(C1−4アルキル)、NHS(O)(C1−4アルキル)、NH、NH(C1−4アルキル)、N(C1−4アルキル)、NHC(O)NH、C(O)NH、C(O)NH(C1−4アルキル)、NHC(O)(C1−4アルキル)、COH、CO(C1−4アルキル)、C(O)(C1−4アルキル)、CF、CHF、CHF、CHCFもしくはOCFによって置換されている)で置換されている}を形成してもよい]の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0012】
本発明の特定の化合物は、異なる異性体の形態(例えばエナンチオマー、ジアステレオマー、幾何異性体もしくは互変異性体)で存在し得る。本発明は、全てのこのような異性体および全ての割合のそれらの混合物を含む。
【0013】
適当な塩は、酸付加塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、もしくはp−トルエンスルホン酸塩を含む。
本発明の化合物は、溶媒和物(例えば水和物)として存在してもよく、本発明は、全てのこのような溶媒和物を含む。
【0014】
アルキル基およびアルキル部分は、直鎖もしくは分枝鎖であり、例えばメチル、エチル、−プロピル、イソプロピル、−ブチル、sec−ブチル、またはtert−ブチルである。メチルは、以下でMeと略すこともある。
【0015】
フルオロアルキルは、例えば、1から6個の、例えば1から3個のフッ素原子を含み、例えば、CFである。フルオロアルキルは、例えばCHF、CHF、CF、またはCHCFである。
【0016】
シクロアルキルは、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。
フェニル(C1−2アルキル)アルキルは、例えば、ベンジル、1−(フェニル)エタ−1−イル、または1−(フェニル)エタ−2−イルである。
フェニル(C1−2アルキル)NHは、例えばベンジルアミノである。
【0017】
ヘテロアリールは、所望により1個以上の環と縮合した芳香族性5員環もしくは6員環(ここで、該環は、窒素、酸素および硫黄を含む群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む);またはそのN−オキシド、またはそのS−オキシドもしくはS−ジオキシドである。ヘテロアリールは、例えば、フリル、チエニル(チオフェニルとしても知られる)、ピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、[1,2,4]−トリアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、インドリル、ベンゾ[b]フリル(ベンゾフリルとしても知られる)、ベンゾ[b]チエニル(ベンゾチエニルもしくはベンゾチオフェニルとしても知られる)、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1,2,3−ベンゾチアジアゾリル、イミダゾピリジニル(例えばイミダゾ[1,2a]ピリジニル)、チエノ[3,2−b]ピリジン−6−イル、1,2,3−ベンゾオキサジアゾリル(ベンゾ[1,2,3]チアジアゾリルとしても知られる)、2,1,3−ベンゾチアジアゾリル、ベンゾフラザン(2,1,3−ベンゾオキサジアゾリルとしても知られる)、キノキサリニル、ピラゾロピリジン(例えば1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジニル)、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル(例えば[1,6]ナフチリジニルもしくは[1,8]ナフチリジニル)、ベンゾチアジニル、またはジベンゾチオフェニル(ジベンゾチエニルとしても知られる);またはそのN−オキシド、またはそのS−オキシドもしくはS−ジオキシドである。ヘテロアリールはまたピラジニルであり得る。ヘテロアリールは、例えば、ピリジニル、ピリミジニル、インドリル、またはベンゾイミダゾリルである。
【0018】
およびRが、窒素もしくは酸素原子と一体となって結合し、5員環もしくは6員環を形成するとき、該環は、例えば、ピペラジニル環もしくはモルホリニル環である。
【0019】
10およびR11が結合して5員環もしくは6員環を形成するとき、形成された環は、例えば、ピペリジニル環である。
【0020】
1つの特定の態様において、本発明は、RがC1−6アルキル(例えばC1−4アルキル(例えばメチル))またはC3−7シクロアルキル(例えばシクロヘキシル)である、本発明の化合物を提供する。
【0021】
さらなる態様において、本発明は、RがS(O){ここで、Rは、上記で定義した通りである(例えばRはC1−4アルキルである)}である、本発明の化合物を提供する。例えば、Rは、S(O)CHである。
【0022】
別の態様において、本発明は、Rが3,5−ジフルオロフェニルである、本発明の化合物を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、Rが水素である、本発明の化合物を提供する。
【0023】
さらなる態様において、本発明は、Rがエチルもしくはシクロプロピルである、本発明の化合物を提供する。さらにさらなる態様において、本発明は、Rがエチルである、式(I)の化合物を提供する。
【0024】
さらにさらなる態様において、本発明は、Rがフェニル(C1−2)アルキル(例えばベンジル)もしくはフェニル(C1−2アルキル)NH(例えばベンジルアミノ)であり;ここで、該フェニル環は、S(O)(C1−4アルキル)(例えばS(O)CH)によって置換されている(例えばパラ位で)、本発明の化合物を提供する。
【0025】
別の態様において、本発明は、Rがベンジルであり、ここで、該フェニル環は、S(O)(C1−4アルキル)(例えばS(O)CH)によってパラ位で置換されている、本発明の化合物を提供する。
【0026】
さらに別の態様において、本発明は、本発明の化合物の薬学的に許容される塩、例えば、本発明の化合物の、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、もしくはp−トルエンスルホン酸塩(例えばフマル酸塩もしくはコハク酸塩)を提供する。
【0027】
以下に示した式(I)の表示において、^をラベルした炭素は、
【化2】

常にキラルであり、例えばR絶対配置を有する。従って、別の態様において、本発明は、上記の^で識別された炭素で、R絶対配置を有する。さらに別の態様において、本発明は、上記の^で識別された炭素で、R絶対配置を有する本発明の化合物の薬学的に許容される塩を提供する。
【0028】
さらに別の態様において、本発明は、式(Ia):
【化3】

[式中、R、RおよびRは、上記で定義した通りであり、そしてXはCHもしくはNHCHである]の化合物を提供する。さらなる態様において、本発明は、R、RおよびRが上記で定義した通りであり、そしてXがCHもしくはNHCHである、式(Ia)の化合物の薬学的に許容される塩を提供する。
【0029】
さらなる態様において、本発明は、上記で^で識別された炭素でR絶対配置を有する、
が、S(O)[ここで、Rは、上記で定義した通りである(例えば、RはC1−4アルキル、例えばメチルである)]であり;
が3,5−ジフルオロフェニルであり;
が水素であり;
がエチルもしくはシクロプロピルであり[例えばRがエチルである];
がフェニル(C1−2)アルキルもしくはフェニル(C1−2アルキル)NH{ここで、該フェニル環は、S(O)(C1−4アルキル)(例えばS(O)CH)によって置換されている(例えばパラ位で)[例えばRがベンジルであり、ここで、該フェニル環は、S(O)(C1−4アルキル)(例えばS(O)CH)によってパラ位で置換されている];
式(I)の化合物、または式(I)の化合物の薬学的に許容される塩[例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、もしくはp−トルエンスルホン酸塩(例えばフマル酸塩もしくはコハク酸塩)]を提供する。
【0030】
さらなる態様において、本発明は、上記で^で識別された炭素でR絶対配置を有する、
が、S(O)[ここで、Rは、上記で定義した通りである(例えばRはC1−4アルキル、例えばメチルである)]であり;
が3,5−ジフルオロフェニルであり;
がエチルもしくはシクロプロピルであり[例えばRがエチルである];
Xが、CHもしくはNHCHである[例えばXがCHである];
式(Ia)の化合物、または式(Ia)の化合物の薬学的に許容される塩[例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、もしくはp−トルエンスルホン酸塩(例えばフマル酸塩もしくはコハク酸塩)]を提供する。
【0031】
別の態様において、本発明は、化合物:
N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−アセトアミド;
N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]アセトアミドのコハク酸塩;
N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]アセトアミドのフマル酸塩;または
N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−[3−(メチルスルホニル)フェニル]アセトアミド;
を提供する。
【0032】
表Iに挙げた化合物は、本発明を例示している。
表I
表Iは、式(Ia):
【化4】

の化合物を含む。
【0033】
【表1】

【0034】
さらなる態様において、本発明は、表Iに挙げた個々の化合物を提供する。
本発明の化合物は、WO03/042205 の製造上の態様、方法、スキームもしくは実施例を、用い もしくは修飾することによって製造され得る。
【0035】
従って、本発明の化合物は、式(II):
【化5】

[式中、R、R、RおよびRは上記で定義した通りである]の化合物を、製造しようとする本発明化合物に応じて、
a. 適当な塩基(例えばトリ(C1−6アルキル)アミン(例えばジイソプロピルエチルアミン))の存在下、適当な溶媒中(例えばN−メチルピロリジノンもしくは塩化溶媒(例えばジクロロメタン))、室温で(例えば10〜30℃)、式:RCOHの酸と、適当なカップリング剤(例えばPyBrOP[ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート]もしくはHATU[O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート])の存在下で;または
b. 適当な塩基(例えばトリ(C1−6アルキル)アミン(例えばトリエチルアミンもしくはジイソプロピルエチルアミン))の存在下、適当な溶媒中(例えば塩化溶媒(例えばジクロロメタン))、室温で(例えば10〜30℃)、式:RC(O)Clの酸塩化物、もしくは式:RS(O)Clの塩化スルホニルと、
反応させることによって製造され得る。
【0036】
あるいは、本発明の化合物は、式(III):
【化6】

[式中、R、R、RおよびRは上記で定義した通りである]の化合物を、
a) 適当な塩基(例えばトリ(C1−6アルキル)アミン(例えばジイソプロピルエチルアミン))の存在下で、適当な溶媒中(例えばN−メチルピロリジノンもしくは塩化溶媒(例えばジクロロメタン))、室温で(例えば10〜30℃)、式:RCOHの酸と、適当なカップリング剤(例えばPyBrOPもしくはHATU)の存在下で;または
b) 適当な塩基(例えばトリ(C1−6アルキル)アミン(例えばトリエチルアミンもしくはジイソプロピルエチルアミン))の存在下、適当な溶媒中(例えば塩化溶媒(例えばジクロロメタン))、室温で(例えば10〜30℃)、式:RC(O)Clの酸塩化物と、
カップリングさせることによって製造され得る。
【0037】
本発明の化合物は、適当な溶媒中(例えばC1−6脂肪族アルコール(例えばエタノール))、室温で(例えば10〜30℃)、式(IV):
【化7】

の化合物を、式(V):
【化8】

の化合物で、NaBH(OAc)(ここで、AcはC(O)CHである)および酢酸の存在下、還元的アミノ化することによって製造され得る。
【0038】
式(V)の化合物は、式(VI):
【化9】

の化合物から、保護基(PG)を除くことによって製造され得る。例えば、PGがベンジルオキシルカルボニルもしくはベンジルであるとき、除去は、水素化(例えば水素で、パラジウム/炭素触媒の存在下で)によって行われてもよく;PGがtert−ブチルオキシカルボニルであるとき、除去は、酸(例えば塩酸もしくはトリフルオロ酢酸)での処理によって行われてもよい。
【0039】
本発明の化合物はまた、適当な塩基(例えば炭酸カリウムまたはtert−アミン(例えばHuenig's塩基もしくはトリエチルアミン))の存在下、適当な溶媒中(例えばアセトニトリルもしくはTHF)、室温で(例えば10〜30℃)、式(V)の化合物を、式(VII):
【化10】

[式中、R、RおよびRは上記で定義した通りであり、そしてLGは脱離基(例えばハライド、メシレート、トシレートもしくはトリフレート)である]の化合物で、アルキル化することによって製造され得る。式(VII)の化合物は、特許文献もしくは科学文献に記載されている方法、または記載された方法に常套的改変を加えて、製造され得る。
【0040】
記載された方法において、適当な保護基および該基の付加および除去方法の詳細は、“Protective Groups in Organic Synthesis”, 3rd Edition (1999) by Greene and Wuts で見出され得る。
【0041】
これらの方法における出発物質は、市販されているか、または文献の方法によって、文献の方法を改変して、または WO 03/042205 の開示に従って製造され得る。
【0042】
さらにさらなる態様において、本発明は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物を製造する方法を提供する。本方法の中間体の多くは新規であり、これらは本発明のさらなる態様として提供される。
【0043】
本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩は、温血動物(例えばヒト)において、下記疾病等の処置に用いられ得る。
1. 呼吸管:
以下を含む閉塞性気道疾患:喘息(気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、運動誘発性喘息、薬物誘発性喘息(アスピリン誘発性およびNSAID誘発性を含む)、および塵埃誘発性喘息を含む)(断続性および持続性の両方を含み、全ての重篤度を含み、そして気道過敏症の他の原因を含む);慢性閉塞性肺疾患(COPD);気管支炎(感染性および好酸球性気管支炎を含む);肺気腫;気管支拡張症;嚢胞性線維症;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;過敏性肺炎;肺線維症(原因不明線維化肺胞炎を含む)、特発性間質性肺炎、抗悪性腫瘍治療および慢性感染(結核およびアスペルギルス症および他の真菌感染を含む)と共存する線維症;肺移植の合併症;肺脈管構造の血管性および血栓性疾患、ならびに肺高血圧;鎮咳活性(気道の炎症性および分泌性状態を伴う慢性咳ならびに医原性咳の処置を含む);急性および慢性鼻炎(薬物性鼻炎および血管運動神経性鼻炎を含む);通年性および季節性アレルギー性鼻炎(神経性鼻炎(枯草熱)を含む);鼻腔ポリープ症;急性ウイルス性感染(普通の風邪、ならびに呼吸器合胞体ウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSを含む)およびアデノウイルスによる感染を含む);
【0044】
2. 骨および関節:
骨関節炎/骨関節症を伴うもしくは含む関節炎(原発性および続発性の両方を含む)(例えば先天性骨盤形成異常);頸椎炎および腰椎炎、および腰痛および頚部痛;リウマチ性関節炎およびスティル病;血清反応陰性脊椎関節症(強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、および未分化型脊椎関節症を含む);化膿性関節炎、および他の感染関連関節症および骨異常(例えば結核)(ポット病およびポンセット症候群(Poncet's syndrome)を含む);急性および慢性結晶誘発性滑膜炎(尿酸性痛風を含む)、ピロリン酸カルシウム堆積疾患、およびカルシウム アパタイト関連腱(calcium apatite related tendon)、滑液包および滑膜の炎症;ベーチェット病;原発性および続発性シェーグレン症候群;全身性硬化症および限局性強皮症;全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病、および未分化結合組織病;炎症性筋疾患(皮膚筋炎および多発性筋炎を含む);リウマチ性多発筋痛症;若年性関節炎(特発性炎症性関節炎(関節の位置および関連症候群にかかわりなく)を含む)、およびリウマチ熱とその全身性合併症;脈管炎(巨細胞性動脈炎、高安動脈炎、チャーグ・ストラウス症候群、結節性多発性動脈炎、顕微鏡的多発性動脈炎(microscopic polyarteritis)、およびウイルス感染に関連する脈管炎を含む)、過敏反応、クリオグロブリン、およびパラプロテイン;腰痛;家族性地中海熱、Muckle-Wells症候群、および家族性アイルランド熱、菊池病;薬物誘発性関節痛、腱炎(tendonititides)、および筋疾患;
【0045】
3. 疼痛および傷害(例えばスポーツ傷害)もしくは疾患による筋骨格障害の結合組織再構成:
関節炎(例えばリウマチ性関節炎、骨関節炎、痛風、もしくは結晶関節症(crystal arthropathy))、他の関節疾患(例えば椎間板変性もしくは顎関節変性)、骨再構成疾患(例えば骨粗鬆症、パジェット病、もしくは骨壊死)、多発性軟骨炎、強皮症、混合結合組織疾患、脊椎関節症、または歯周病(例えば歯根膜炎);
【0046】
4. 皮膚:
乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、もしくは他の湿疹性皮膚疾患、および遅延型過敏反応;植物性および光線性皮膚炎;脂漏性皮膚炎、ヘルペス状皮膚炎、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、壊疽性膿皮症、皮膚サルコイド、円板状エリテマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管性浮腫、脈管炎、中毒性紅斑、皮膚好酸球増加症、円形脱毛症、男性型禿頭症、スウィート症候群、ウェーバー・クリスチャン症候群、多形性紅斑;蜂巣織炎(感染性および非感染性の両方を含む);皮下脂肪組織炎;皮膚リンパ腫、非黒色腫皮膚癌および他の形成異常病変;薬物誘発性疾患(特定薬疹を含む);
【0047】
5. 眼:
眼瞼炎;結膜炎(通年性および春季アレルギー性結膜炎を含む);虹彩炎;前部および後部ブドウ膜炎;脈絡膜炎;網膜に影響を及ぼす自己免疫性、変性もしくは炎症性疾患;眼炎(交感神経性眼炎を含む);サルコイドーシス;感染(ウイルス性、真菌性および細菌性を含む);
【0048】
6. 胃腸管:
舌炎、歯肉炎、歯周病;食道炎(逆流性を含む);好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、大腸炎(潰瘍性大腸炎を含む)、直腸炎、肛門掻痒症;セリアック病、過敏性腸症候群、および腸から離れた部位に発現する食物関連アレルギー(例えば偏頭痛、鼻炎もしくは湿疹);
【0049】
7. 腹部:
肝炎(自己免疫性、アルコール性およびウイルス性を含む);肝臓の線維症および肝硬変;胆嚢炎;膵炎(急性および慢性の両方を含む);
【0050】
8. 尿生殖器:
腎炎(間質性腎炎および糸球体腎炎を含む);ネフローゼ症候群;膀胱炎(急性膀胱炎および慢性(間質性)膀胱炎を含む)およびHunner潰瘍;急性および慢性尿道炎、前立腺炎、精巣上体炎、卵巣炎および卵管炎;外陰膣炎;ペイロニー病;勃起不全(男性および女性の両方を含む);
【0051】
9. 同種移植片拒絶反応:
例えば腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚もしくは角膜の移植後の、または輸血後の急性および慢性拒絶反応;または慢性移植片対宿主病;
【0052】
10. CNS:
アルツハイマー病および他の認知症となる疾患(CJDおよびnvCJDを含む);アミロイド症;多発性硬化症および他の脱髄性症候群;脳動脈硬化症および脈管炎;側頭動脈炎;重症筋無力症;急性および慢性疼痛(急性、断続性もしくは持続性、中枢由来もしくは末梢由来の何れか)(内臓痛、頭痛、偏頭痛、三叉神経痛、非定型顔面痛、関節痛および骨痛を含む)、癌および腫瘍浸潤に由来する疼痛、神経因性疼痛症候群(糖尿病性、ヘルペス後、およびHIV関連神経障害を含む);神経サルコイドーシス;悪性、感染性もしくは自己免疫疾患の中枢および末梢神経系合併症;
【0053】
11. 以下を含む他の自己免疫性およびアレルギー疾患:橋本甲状腺炎、グレーブス病、アジソン病、真性糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、抗リン脂質抗体症候群;
【0054】
12. 炎症要因もしくは免疫学的要因を伴う他の疾患(後天性免疫不全症候群(AIDS)、ハンセン病、セザリー症候群、および腫瘍随伴症候群を含む);
【0055】
13. 循環器:
冠血管および末梢循環に影響を及ぼすアテローム性動脈硬化症;心外膜炎;心筋炎、炎症性および自己免疫性心筋症(心筋サルコイドを含む);虚血性再灌流傷害;心内膜炎、弁膜炎、および大動脈炎(感染性(例えば梅毒性)を含む);脈管炎;近位および末梢静脈の疾患(静脈炎、および血栓症(深部静脈血栓症および静脈瘤の合併症を含む)を含む);
【0056】
14. 腫瘍:
前立腺癌、乳癌、肺癌、子宮癌、膵臓癌、腸および結腸の癌、胃癌、皮膚癌、および脳腫瘍、ならびに骨髄(白血病を含む)およびリンパ増殖系に影響する悪性腫瘍(例えばホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫)を含む、一般的な癌の処置(転移性疾患および腫瘍再発および新生物随伴症候群の予防および処置を含む);または
【0057】
15. 胃腸管:
セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、顕微鏡的腸炎(microscopic colitis)、不定型腸炎(indeterminant colitis)、過敏性腸疾患、過敏性腸症候群、非炎症性下痢、腸から離れた部位に発現する食物関連アレルギー(例えば偏頭痛、鼻炎および湿疹)。
【0058】
本発明の化合物は、医薬として、特にケモカイン受容体(例えばCCR5)活性のモジュレーター(例えばアゴニスト、部分アゴニスト、インバースアゴニスト、もしくはアンタゴニスト)として活性を有し、自己免疫性、炎症性、増殖性もしくは過増殖性疾患、または免疫介在疾患(移植された臓器もしくは組織の拒絶反応、および後天性免疫不全症候群(AIDS)を含む)の処置に用いられ得る。
【0059】
本発明の化合物はまた、ウイルス(例えばヒト免疫不全ウイルス(HIV))の標的細胞への侵入を阻害するのに有益であり、従って、ウイルス(例えばHIV)による感染の予防、ウイルス(例えばHIV)による感染の処置、および後天性免疫不全症候群(AIDS)の予防および/または処置に有益である。
【0060】
本発明のさらなる特徴に従って、治療(予防を含む)による、温血動物(例えばヒト)の処置方法に使用するための、式(I)もしくは式(Ia)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を提供する。
【0061】
本発明のさらなる特徴に従って、ケモカイン受容体活性を調節する処置が必要な温血動物(例えばヒト)におけるケモカイン受容体活性(例えばCCR5受容体活性)を調節する方法であって、該動物に、有効量の本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。
【0062】
本発明はまた、医薬として、例えば移植拒絶反応、呼吸器疾患、乾癬もしくはリウマチ性関節炎(例えばリウマチ性関節炎)を処置する医薬として、式(I)もしくは式(Ia)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の使用を提供する [呼吸器疾患は、例えばCOPD、喘息{例えば気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息もしくは塵埃喘息、特に慢性もしくは難治性喘息(例えば遅発性喘息もしくは気道過敏症)}、または鼻炎{急性、アレルギー性、萎縮性鼻炎、または慢性鼻炎(乾酪性鼻炎、肥厚性鼻炎、化膿性鼻炎、乾燥性鼻炎もしくは薬物性鼻炎を含む);膜性鼻炎(クループ性鼻炎、フィブリン性鼻炎、もしくは偽膜性鼻炎を含む)、または腺病性鼻炎;季節性鼻炎(神経性鼻炎(枯草熱)を含む)、または血管運動神経性鼻炎}であり;特に喘息もしくは鼻炎である]。
【0063】
別の態様において、本発明は、温血動物(例えばヒト)において、治療(例えばケモカイン受容体活性(例えばCCR5受容体活性)を調節する)(例えばリウマチ性関節炎)に使用する医薬の製造における、式(I)もしくは式(Ia)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0064】
本発明はまた、医薬として、例えばリウマチ性関節炎を処置する医薬として使用するための、式(I)もしくは式(Ia)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を提供する。
【0065】
別の態様において、本発明は、治療(例えば、温血動物(例えばヒト)において、ケモカイン受容体活性(例えばCCR5受容体活性を調節する(例えばリウマチ性関節炎)))に使用する医薬の製造における、式(I)もしくは式(Ia)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0066】
本発明は、さらに、温血動物(例えばヒト)において、下記疾病等の処置に使用する医薬の製造における、式(I)もしくは式(Ia)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の使用を提供する。
1. 呼吸管:
以下を含む閉塞性気道疾患:喘息(気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、運動誘発性喘息、薬物誘発性喘息(アスピリン誘発性およびNSAID誘発性を含む)、および塵埃誘発性喘息を含む)(断続性および持続性の両方を含み、全ての重篤度を含み、そして気道過敏症の他の原因を含む);慢性閉塞性肺疾患(COPD);気管支炎(感染性および好酸球性気管支炎を含む);肺気腫;気管支拡張症;嚢胞性線維症;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;過敏性肺炎;肺線維症(原因不明線維化肺胞炎を含む)、特発性間質性肺炎、抗悪性腫瘍治療および慢性感染(結核およびアスペルギルス症および他の真菌感染を含む)と共存する線維症;肺移植の合併症;肺脈管構造の血管性および血栓性疾患、ならびに肺高血圧;鎮咳活性(気道の炎症性および分泌性状態を伴う慢性咳ならびに医原性咳の処置を含む);急性および慢性鼻炎(薬物性鼻炎および血管運動神経性鼻炎を含む);通年性および季節性アレルギー性鼻炎(神経性鼻炎(枯草熱)を含む);鼻腔ポリープ症;急性ウイルス性感染(普通の風邪、ならびに呼吸器合胞体ウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSを含む)およびアデノウイルスによる感染を含む);
【0067】
2. 骨および関節:
骨関節炎/骨関節症を伴うもしくは含む関節炎(原発性および続発性の両方を含む)(例えば先天性骨盤形成異常);頸椎炎および腰椎炎、および腰痛および頚部痛;リウマチ性関節炎およびスティル病;血清反応陰性脊椎関節症(強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、および未分化型脊椎関節症を含む);化膿性関節炎、および他の感染関連関節症および骨異常(例えば結核)(ポット病およびポンセット症候群(Poncet's syndrome)を含む);急性および慢性結晶誘発性滑膜炎(尿酸性痛風を含む)、ピロリン酸カルシウム堆積疾患、およびカルシウム アパタイト関連腱(calcium apatite related tendon)、滑液包および滑膜の炎症;ベーチェット病;原発性および続発性シェーグレン症候群;全身性硬化症および限局性強皮症;全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病、および未分化結合組織病;炎症性筋疾患(皮膚筋炎および多発性筋炎を含む);リウマチ性多発筋痛症;若年性関節炎(特発性炎症性関節炎(関節の位置および関連症候群にかかわりなく)を含む)、およびリウマチ熱とその全身性合併症;脈管炎(巨細胞性動脈炎、高安動脈炎、チャーグ・ストラウス症候群、結節性多発性動脈炎、顕微鏡的多発性動脈炎(microscopic polyarteritis)、およびウイルス感染に関連する脈管炎を含む)、過敏反応、クリオグロブリン、およびパラプロテイン;腰痛;家族性地中海熱、Muckle-Wells症候群、および家族性アイルランド熱、菊池病;薬物誘発性関節痛、腱炎(tendonititides)、および筋疾患;
【0068】
3. 疼痛および傷害(例えばスポーツ傷害)もしくは疾患による筋骨格障害の結合組織再構成:
関節炎(例えばリウマチ性関節炎、骨関節炎、痛風、もしくは結晶関節症(crystal arthropathy))、他の関節疾患(例えば椎間板変性もしくは顎関節変性)、骨再構成疾患(例えば骨粗鬆症、パジェット病、もしくは骨壊死)、多発性軟骨炎、強皮症、混合結合組織疾患、脊椎関節症、または歯周病(例えば歯根膜炎);
【0069】
4. 皮膚:
乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、もしくは他の湿疹性皮膚疾患、および遅延型過敏反応;植物性および光線性皮膚炎;脂漏性皮膚炎、ヘルペス状皮膚炎、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、壊疽性膿皮症、皮膚サルコイド、円板状エリテマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管性浮腫、脈管炎、中毒性紅斑、皮膚好酸球増加症、円形脱毛症、男性型禿頭症、スウィート症候群、ウェーバー・クリスチャン症候群、多形性紅斑;蜂巣織炎(感染性および非感染性の両方を含む);皮下脂肪組織炎;皮膚リンパ腫、非黒色腫皮膚癌および他の形成異常病変;薬物誘発性疾患(特定薬疹を含む);
【0070】
5. 眼:
眼瞼炎;結膜炎(通年性および春季アレルギー性結膜炎を含む);虹彩炎;前部および後部ブドウ膜炎;脈絡膜炎;網膜に影響を及ぼす自己免疫性、変性もしくは炎症性疾患;眼炎(交感神経性眼炎を含む);サルコイドーシス;感染(ウイルス性、真菌性および細菌性を含む);
【0071】
6. 胃腸管:
舌炎、歯肉炎、歯周病;食道炎(逆流性を含む);好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、大腸炎(潰瘍性大腸炎を含む)、直腸炎、肛門掻痒症;セリアック病、過敏性腸症候群、および腸から離れた部位に発現する食物関連アレルギー(例えば偏頭痛、鼻炎もしくは湿疹);
【0072】
7. 腹部:
肝炎(自己免疫性、アルコール性およびウイルス性を含む);肝臓の線維症および肝硬変;胆嚢炎;膵炎(急性および慢性の両方を含む);
【0073】
8. 尿生殖器:
腎炎(間質性腎炎および糸球体腎炎を含む);ネフローゼ症候群;膀胱炎(急性膀胱炎および慢性(間質性)膀胱炎を含む)およびHunner潰瘍;急性および慢性尿道炎、前立腺炎、精巣上体炎、卵巣炎および卵管炎;外陰膣炎;ペイロニー病;勃起不全(男性および女性の両方を含む);
【0074】
9. 同種移植片拒絶反応:
例えば腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚もしくは角膜の移植後の、または輸血後の急性および慢性拒絶反応;または慢性移植片対宿主病;
【0075】
10. CNS:
アルツハイマー病および他の認知症となる疾患(CJDおよびnvCJDを含む);アミロイド症;多発性硬化症および他の脱髄性症候群;脳動脈硬化症および脈管炎;側頭動脈炎;重症筋無力症;急性および慢性疼痛(急性、断続性もしくは持続性、中枢由来もしくは末梢由来の何れか)(内臓痛、頭痛、偏頭痛、三叉神経痛、非定型顔面痛、関節痛および骨痛を含む)、癌および腫瘍浸潤に由来する疼痛、神経因性疼痛症候群(糖尿病性、ヘルペス後、およびHIV関連神経障害を含む);神経サルコイドーシス;悪性、感染性もしくは自己免疫疾患の中枢および末梢神経系合併症;
【0076】
11. 以下を含む他の自己免疫性およびアレルギー疾患:橋本甲状腺炎、グレーブス病、アジソン病、真性糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、抗リン脂質抗体症候群;
【0077】
12. 炎症要因もしくは免疫学的要因を伴う他の疾患(後天性免疫不全症候群(AIDS)、ハンセン病、セザリー症候群、および腫瘍随伴症候群を含む);
【0078】
13. 循環器:
冠血管および末梢循環に影響を及ぼすアテローム性動脈硬化症;心外膜炎;心筋炎、炎症性および自己免疫性心筋症(心筋サルコイドを含む);虚血性再灌流傷害;心内膜炎、弁膜炎、および大動脈炎(感染性(例えば梅毒性)を含む);脈管炎;近位および末梢静脈の疾患(静脈炎、および血栓症(深部静脈血栓症および静脈瘤の合併症を含む)を含む);
【0079】
14. 腫瘍:
前立腺癌、乳癌、肺癌、子宮癌、膵臓癌、腸および結腸の癌、胃癌、皮膚癌、および脳腫瘍、ならびに骨髄(白血病を含む)およびリンパ増殖系に影響する悪性腫瘍(例えばホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫)を含む、一般的な癌の処置(転移性疾患および腫瘍再発および新生物随伴症候群の予防および処置を含む);または
【0080】
15. 胃腸管:
セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、顕微鏡的腸炎(microscopic colitis)、不定型腸炎(indeterminant colitis)、過敏性腸疾患、過敏性腸症候群、非炎症性下痢、腸から離れた部位に発現する食物関連アレルギー(例えば偏頭痛、鼻炎および湿疹)。
【0081】
別の態様において、本発明は、さらに、温血動物(例えばヒト)において、下記疾病等の処置に使用する医薬の製造における、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩の使用を提供する。
(1)[呼吸管]
以下を含む気道の閉塞性疾患:慢性閉塞性肺疾患(COPD)(例えば不可逆性COPD);喘息{例えば気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息または塵埃喘息、特に慢性もしくは難治性喘息 (例えば遅発性喘息、または気道過剰応答)};気管支炎 {例えば好酸球性気管支炎};急性、アレルギー性、萎縮性鼻炎、または慢性鼻炎(乾酪性鼻炎、肥厚性鼻炎、化膿性鼻炎、乾燥性鼻炎、もしくは薬物性鼻炎を含む);クループ性鼻炎、フィブリン性鼻炎、または偽膜性鼻炎を含む膜性鼻炎、または腺病性鼻炎;季節性鼻炎(神経性鼻炎(枯草熱)を含む)、または血管運動神経性鼻炎;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;鼻腔ポリープ症;類肺繊維症(fibroid lung)、または特発性間質性肺炎;
(2)[骨および関節]
関節炎(リウマチ性、感染性、自己免疫性、血清反応陰性脊椎関節症 (例えば強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、またはライター病)、ベーチェット病、シェーグレン症候群、または全身性硬化症;
(3)[皮膚および眼]
乾癬、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎またはその他の湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、皮膚脈管炎(angiodermas)、脈管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症、ブドウ膜炎、円形脱毛症、または春季結膜炎;
(4)[胃腸管]
セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸疾患、または腸から離れた部位に発現する食物関連アレルギー(例えば偏頭痛、鼻炎、もしくは湿疹);
(5)[同種移植片拒絶反応]
例えば腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚もしくは角膜の移植後の急性および慢性拒絶反応;または慢性移植片対宿主病;および/または
(6)[他の組織もしくは疾患]
アルツハイマー病、多発性硬化症、アテローム性動脈硬化症、後天性免疫不全症候群(AIDS)、狼瘡疾患(例えばエリテマトーデス、または全身性エリテマトーデス)、橋本甲状腺炎、重症筋無力症、I型糖尿病、ネフローゼ症候群、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、ハンセン病(例えばらい腫性らい)、歯周病、セザリー症候群、特発性血小板減少性紫斑、または月経周期異常。
【0082】
本発明は、さらに、温血動物(例えばヒト)において、ケモカイン介在疾病状態(例えばCCR5介在疾病状態)を処置する方法であって、該処置が必要な哺乳動物に、有効量の式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。
【0083】
温血動物(例えばヒト)の治療的処置のために、特にケモカイン受容体(例えばCCR5受容体)活性を調節するために、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を使用するために、通常、製薬上の常法に従って、医薬組成物として該成分を製剤化する。
【0084】
従って、別の態様において、本発明は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩(活性成分)、および薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤もしくは担体を含む、医薬組成物を提供する。さらなる態様において、本発明は、該組成物の製造方法であって、活性成分を、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤もしくは担体と混合することを含む方法を提供する。投与方法に応じて、医薬組成物は、0.05から99%w(重量パーセント)、例えば0.05から80%w、例えば0.10から70%w(例えば0.10から50%w)の活性成分を含む。ここで、全ての重量パーセントは、組成物の総量に基づく。
【0085】
本発明の医薬組成物は、処置が望ましい疾病状態に標準的な方法で、例えば、局所投与(例えば肺および/もしくは気道へ、または皮膚へ)、経口投与、直腸投与、もしくは非経腸投与によって、投与されてもよい。これらの目的のために、本発明の化合物は、当業界で既知の方法によって、例えばエアゾール、乾燥粉末製剤、錠剤、カプセル、シロップ、粉剤、顆粒、水性もしくは油性溶液もしくは懸濁液、(脂質)エマルジョン、分散性粉末、坐剤、軟膏、クリーム、滴剤、および滅菌処理された注射可能な水性もしくは油性溶液もしくは懸濁液の形態に、製剤化されてもよい。
【0086】
適当な本発明の医薬組成物は、単位投与形、例えば0.1mgから1gの活性成分を含む錠剤もしくはカプセル剤で、経口投与に適切なものである。
別の態様において、本発明の医薬組成物は、静脈内、皮下もしくは筋肉内注射に適切なものである。
【0087】
それぞれの患者は、例えば、0.01mg/kgから100mg/kgの、例えば0.1mg/kgから20mg/kgの本発明の化合物の、静脈内、皮下もしくは筋肉内投与を受け得る。ここで、該組成物は、1日1回から4回投与される。静脈内、皮下および筋肉内投与は、ボラス注射によって行われてもよい。あるいは、静脈内投与は、一定時間に亘る連続注入によって行われてもよい。あるいは、それぞれの患者は、1日非経腸投与量とほぼ当量の1日経口投与を受け、ここで、該組成物は、1日1回から4回投与される。
【0088】
ヒトにおいて、治療的もしくは予防的使用のための、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩(以下、化合物Xとする)を含む、例示的な代表的な医薬投与形を以下に示す。
【0089】
【表2】

【0090】
【表3】

【0091】
【表4】

【0092】
【表5】

【0093】
【表6】

【0094】
製剤化を助けるために、緩衝液、薬学的に許容される共溶媒(例えばポリエチレン グリコール、ポリプロピレン グリコール、グリセロール、もしくはエタノール)、または複合体形成剤(例えばヒドロキシ プロピル β−シクロデキストリン)を用いてもよい。
【0095】
上記の製剤は、当業界で周知の慣用手順によって得られる。錠剤(a)〜(c)は、慣用の方法によって、例えばフタル酸酢酸セルロースのコーティングを行うことによって、腸溶性コートされてもよい。
【0096】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または本発明の化合物を含む医薬組成物もしくは医薬製剤を、1個以上の挙げられた状態を処置する別の治療薬(複数を含む)と、同時にもしくは連続して、または組み合わせ製剤として投与される、組み合わせ治療に関する。
【0097】
特に、炎症性疾患、例えばリウマチ性関節炎、骨関節炎、喘息、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、乾癬、および炎症性腸疾患(これらに制限されない)の処置のために、本発明の化合物は、以下に挙げた薬剤と組み合わせ得る:
局所または全身に適用される非選択性シクロオキシゲナーゼ COX―1/COX−2阻害剤を含む非ステロイド性抗炎症剤(以後NSAIDとする)(例えばピロキシカム、ジクロフェナク、プロピオン酸類、例えばナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、およびイブプロフェン、フェナメート類、例えばメフェナム酸、インドメタシン、スリンダク、アザプロパゾン、ピラゾロン類、例えばフェニルブタゾン、サリチレート類、例えばアスピリン);選択性COX−2阻害剤(例えばメロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ(valdecoxib)、ルマロコキシブ(lumarocoxib)、パレコキシブ(parecoxib)、およびエトリコキシブ(etoricoxib));シクロオキシゲナーゼ阻害一酸化窒素ドナー(CINOD);グルココルチコステロイド(局所、経口、筋肉内、静脈内、もしくは関節内の経路によって投与される);メトトレキセート;レフルノミド(leflunomide);ヒドロキシクロロキン;d−ペニシラミン;オーラノフィン、または他の非経腸もしくは経口の金製剤;鎮痛剤;ジアセレイン(diacerein);関節内治療、例えばヒアルロン酸誘導体;および栄養剤、例えばグルコサミン。
【0098】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、α−、β−、およびγ−インターフェロンを含む、サイトカインまたはサイトカイン機能のアゴニストもしくはアンタゴニスト(サイトカインシグナル伝達経路に作用する薬剤、例えばSOCS系のモジュレーターを含む);I型インシュリン様成長因子(IGF−1);IL 1から17を含むインターロイキン(IL)、およびインターロイキン アンタゴニストもしくは阻害剤、例えばアナキンラ(anakinra);腫瘍壊死因子α(TNF−α)阻害剤、例えば抗TNFモノクローナル抗体(例えばインフリキシマブ;アダリムマブ(adalimumab)、およびCDP-870)、および免疫グロブリン分子(例えばエタネルセプト)を含むTNF受容体アンタゴニスト、および低分子量薬剤、例えばペントキシフィリンとの組み合わせに関する。
【0099】
さらに、本発明は、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、B−リンパ球(例えば CD20 (リツキシマブ)、MRA-aILl6R およびTリンパ球、CTLA4-Ig、HuMax Il-15)を標的としたモノクローナル抗体との組み合わせに関する。
【0100】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、ケモカイン受容体機能のモジュレーター、例えばCCR1、CCR2、CCR2A、CCR2B、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10、およびCCR11(C−Cファミリーにおいて);CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、およびCXCR5(C−X−Cファミリーにおいて)、およびCXCR1(C−X−Cファミリーにおいて)のアンタゴニストとの組み合わせに関する。
【0101】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、マトリックス・メタロプロテイナーゼ(MMP)、すなわちストロメライシン、コラゲナーゼ、およびゼラチナーゼ、およびアグリカナーゼ;例えばコラゲナーゼ−1(MMP−1)、コラゲナーゼ−2(MMP−8)、コラゲナーゼ−3(MMP−13)、ストロメライシン−1(MMP−3)、ストロメライシン−2(MMP−10)、およびストロメライシン−3(MMP−11)、およびMMP−9、およびMMP−12の阻害剤(例えばドキシサイクリンなどの薬剤を含む)との組み合わせに関する。
【0102】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、ロイコトリエン生合成阻害剤、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤、または5−リポキシゲナーゼ活性化蛋白質(FLAP)アンタゴニスト、例えばジロートン(zileuton);ABT-761;フェンレウトン(fenleuton);テポキサリン(tepoxalin);Abbott-79175;Abbott-85761;N−(5−置換)−チオフェン−2−アルキルスルホンアミド類;2,6−ジ−tert−ブチルフェノールヒドラゾン類;メトキシテトラヒドロピラン類、例えば Zeneca ZD-2138;化合物 SB-210661;ピリジニル置換 2−シアノナフタレン化合物、例えば L-739,010;2−シアノキノリン化合物、例えば L-746,530;インドールもしくはキノリン化合物、例えば MK-591、MK-886、および BAY x 1005 との組み合わせに関する。
【0103】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、フェノチアジン−3−オン類、例えば L-651,392 からなる群から選択される、ロイコトリエン(LT) B4、LTC4、LTD4、およびLTE4における受容体アンタゴニスト;アミジノ化合物、例えば CGS-25019c;ベンゾキサラミン類(benzoxalamine)、例えばオンタゾラスト(ontazolast);ベンゼンカルボキシイミドアミド類、例えば BIIL 284/260;および化合物、例えばザフィルルカスト、アブルカスト(ablukast)、モンテルカスト(montelukast)、プランルカスト、ベルルカスト(verlukast)(MK-679)、RG-12525、Ro-245913、イラルカスト(CGP 45715A)、および BAY x 7195 との組み合わせに関する。
【0104】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、テオフィリンおよびアミノフィリンを含むホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤;例えばメチルキサンタニン(methylxanthanine);PDE4阻害剤、PDE4Dのアイソフォームの阻害剤、もしくはPDE5の阻害剤を含む選択的PDEイソ酵素阻害剤との組み合わせに関する。
【0105】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、ヒスタミン1型受容体アンタゴニスト、例えばセチリジン、ロラタジン(loratadine)、デスロラタジン(desloratadine)、フェキソフェナジン、アクリバスチン(acrivastine)、テルフェナジン、アステミゾール、アゼラスチン、レボカバスチン(levocabastine)、クロルフェニラミン、プロメタジン、シクリジン(cyclizine)、またはミゾラスチン(mizolastine)(経口、局所、もしくは非経腸で適応される)との組み合わせに関する。
【0106】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、プロトンポンプ阻害剤(例えばオメプラゾール)または胃保護ヒスタミン2型受容体アンタゴニストとの組み合わせに関する。
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、ヒスタミン4型受容体アンタゴニストとの組み合わせに関する。
【0107】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、α−1/α−2 アドレナリン受容体アゴニスト血管収縮交感神経興奮薬、例えばプロピルヘキセドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、エフェドリン、シュードエフェドリン、塩酸ナファゾリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸キシロメタゾリン(xylometazoline)、塩酸トラマゾリン、または塩酸エチルノルエピネフリンとの組み合わせに関する。
【0108】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、ムスカリン受容体(M1、M2、およびM3)アンタゴニスト、例えばアトロピン、ヒヨスチン、グリコピロレート、臭化イプラトロピウム、臭化チオトロピウム(tiotropium bromide)、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピン、またはテレンゼピンを含む、抗コリン作動薬との組み合わせに関する。
【0109】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、β−アドレナリン受容体アゴニスト(β−受容体サブタイプ1−4を含む)、例えばイソプレナリン、サルブタモール、フォルモテロール、サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、ビトルテロール メシレート、またはピルブテロールもしくはそのキラルなエナンチオマーとの組み合わせに関する。
【0110】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、クロモン類、例えばクロモグリク酸ナトリウムもしくはネドクロミル(nedocromil) ナトリウムとの組み合わせに関する。
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、グルココルチコイド、例えばフルニソリド、トリアムシノロン アセトニド、ベクロメタゾン ジプロピオネート、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン、シクレソニド(ciclesonide)、またはフランカルボン酸モメタゾンとの組み合わせに関する。
【0111】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、核ホルモン受容体調節剤、例えばPPARとの組み合わせに関する。
【0112】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、免疫グロブリン(Ig)またはIg製剤またはIg機能を調節するアンタゴニストもしくは抗体、例えば抗−IgE(例えばオマリズマブ(omalizumab))に関する。
【0113】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、他の全身もしくは局所適用抗炎症剤、例えばサリドマイドもしくはその誘導体、レチノイド、ジトラノール、またはカルシポトリオール(calcipotriol)との組み合わせに関する。
【0114】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、アミノサリチレート類およびスルファピリジン、例えばスルファサラジン、メサラジン、バルサラジド(balsalazide)、およびオルサラジン(olsalazine);および免疫調節剤、例えばチオプリン類、およびコルチコステロイド、例えばブデソニドとの組み合わせに関する。
【0115】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、抗菌剤、例えばペニシリン誘導体、テトラサイクリン類、マクロライド類、β−ラクタム類、フルオロキノロン類、メトロニダゾール、および吸入アミノグリコシド;アシクロビル、ファムシクロビル(famciclovir)、バラシクロビル(valaciclovir)、ガンシクロビル(ganciclovir)、シドフォビル、アマンタジン、リマンタジン(rimantadine)、リバビリン、ザナミビル(zanamavir)およびオセルタミビル(oseltamavir)を含む抗ウイルス剤;プロテアーゼ阻害剤、例えばインジナビル、ネルフィナビル、リトナビル、およびサキナビル;ヌクレオシド逆転写阻害剤、例えばジダノシン、ラミブジン、スタブジン、ザルシタビン、ジドブジン;非ヌクレオシド逆転写阻害剤、例えばネビラピン(nevirapine)、もしくはエファビレンツとの組み合わせに関する。
【0116】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、心血管薬、例えばカルシウム・チャネル・ブロッカー、β−アドレナリン受容体ブロッカー、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンジオテンシン−2受容体アンタゴニスト;抗高脂血薬、例えばスタチン類もしくはフィブレート類;血液細胞形態のモジュレーター、例えばペントキシフィリン;血栓溶解剤、または抗凝血剤、例えば血小板凝集阻害剤との組み合わせに関する。
【0117】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、CNS薬、例えば抗うつ剤(例えばセルトラリン)、抗パーキンソン病薬(例えばデプレニル、L-dopa、ロピニロール(ropinirole)、プラミペキソール(pramipexole)、MAOB阻害剤、例えばセレギリン(selegine)およびラサジリン(rasagiline))、comP阻害剤(例えばタスマー(tasmar))、A−2阻害剤、ドーパミン再取り込み阻害剤、NMDAアンタゴニスト、ニコチン アゴニスト、ドーパミン アゴニスト、もしくは神経型一酸化窒素合成酵素阻害剤、または抗アルツハイマー薬(例えばドネペジル、リバスチグミン(rivastigmine)、タクリン)、COX−2阻害剤、プロペントフィリン、またはメトリホネート(metrifonate)との組み合わせに関する。
【0118】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、急性および慢性疼痛の処置のための薬剤、例えば中枢作用性および末梢作用性鎮痛剤(例えばオピオイドもしくはその誘導体)、カルバマゼピン、フェニトイン、バルプロ酸ナトリウム、アミトリプチン(amitryptiline)、または他の抗うつ剤、アセトアミノフェン、または非ステロイド抗炎症剤との組み合わせに関する。
【0119】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、非経腸もしくは局所適用(吸入を含む)局所麻酔薬、例えばリグノカインもしくはその誘導体との組み合わせに関する。
本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩はまた、ホルモン剤、例えばラロキシフェン、またはビホスホネート、例えばアレンドロネートを含む抗骨粗鬆症剤との組み合わせに用いられ得る。
【0120】
本発明は、さらに、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、
(i) トリプターゼ阻害剤;
(ii) 血小板活性化因子(PAF)アンタゴニスト;
(iii) インターロイキン変換酵素(ICE)阻害剤;
(iv) IMPDH阻害剤;
(v) VLA−4アンタゴニストを含む接着分子阻害剤;
(vi) カテプシン;
(vii) キナーゼ阻害剤、例えばチロシンキナーゼ(例えばBtk、Itk、Jak3、もしくはMAP)阻害剤(例えば、ゲフィチニブ、イマチニブ メシレート)、セリン/トレオニン キナーゼ阻害剤(MAPキナーゼ(例えばp38、JNK、プロテイン キナーゼ A、BもしくはC、またはIKK)阻害剤)、細胞周期制御に関するキナーゼ(例えばサイクリン依存性キナーゼ)の阻害剤;
(viii) グルコース−6 ホスフェート デヒドロゲナーゼ阻害剤;
(ix) キニン−B.sub1.−もしくは−B.sub2.−受容体アンタゴニスト;
(x) 抗痛風剤、例えばコルヒチン;
(xi) キサンチン オキシダーゼ阻害剤、例えばアロプリノール;
(xii) 尿酸排泄剤、例えばプロベネシド、スルフィンピラゾンまたはベンズブロマロン;
(xiii) 成長ホルモン分泌促進物質;
(xiv) トランスフォーミング成長因子(TGFβ);
(xv) 血小板由来成長因子(PDGF);
(xvi) 線維芽細胞成長因子、例えば塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF);
(xvii) 顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF);
(xviii) カプサイシン クリーム;
(xix) タキキニン NK.sub1.もしくはNK.sub3.受容体アンタゴニスト、例えば NKP-608C、SB-233412 (talnetant) もしくは D-4418;
(xx) エラスターゼ阻害剤、例えば UT-77 もしくは ZD-0892;
(xxi) TNF−α変換酵素(TACE)阻害剤;
(xxii) 誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)阻害剤;
(xxiii) TH2細胞で発現される化学誘引物質受容体相同分子(例えばCRTH2アンタゴニスト);
(xxiv) P38阻害剤;
(xxv) トール様受容体(TLR)機能調節剤;
(xxvi) プリン受容体(例えばP2X7)の活性調節剤;または
(xxvii) 転写因子活性化阻害剤、例えばNFkB、API、もしくはSTATS;
との組み合わせに関する。
【0121】
本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩はまた、癌の処置のための現存する治療薬との組み合わせに用いられ得る。組み合わせに適した薬剤は
(i) 例えばアルキル化剤(例えばシスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェン マスタード、メルファラン、クロランブシル、ブスルファン、もしくはニトロソ尿素);代謝拮抗剤(例えば葉酸代謝拮抗剤、例えばフルオロピリミジン(5−フルオロウラシルもしくはテガフールなど))、ラルチトレキセド(raltitrexed)、メトトレキセート、シトシン アラビノシド、ヒドロキシ尿素、ゲムシタビン、もしくはパクリタキセル;抗腫瘍抗生物質(例えばアントラサイクリン類(例えばアドリアマイシン)、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシン、もしくはミトラマイシン(mithramycin));有糸分裂阻害剤(例えばビンカ アルカロイド(例えばビンクリスチン(vincristine))、ビンブラスチン、ビンデシンもしくはビノレルビン、またはタキソイド類(taxoid)(例えばタキソールもしくはタキソテール);またはトポイソメラーゼ阻害剤(例えばエピポドフィロトキシン(エトポシド、テニポシド(teniposide))、アムサクリン、トポテカン(topotecan)、もしくはカンプトテシン)などの内科的腫瘍学で用いられる抗増殖/抗腫瘍薬またはそれらの組み合わせ;
【0122】
(ii) 細胞分裂停止剤、例えば抗エストロゲン剤(例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン(droloxifene)、もしくはヨードキシフェン(iodoxyfene))、エストロゲン受容体下方制御因子(例えばフルベストラント(fulvestrant))、抗アンドロゲン剤(例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミド(nilutamide)、もしくは酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニスト、またはLHRHアゴニスト(例えばゴセレリン、リュープロレリン、もしくはブセレリン)、プロゲストーゲン(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール、レトロゾール(letrozole)、ボラゾール(vorazole)、もしくはエキセメスタンとして)、または5α−リダクターゼ阻害剤(例えばフィナステリド);
(iii) 癌細胞浸潤(invasion)を阻害する薬剤(例えばメタロプロテイナーゼ阻害剤(マリマスタット(marimastat)など)もしくはウロキナーゼ・プラスミノーゲン活性化因子受容体機能阻害剤);
【0123】
(iv) 成長因子機能の阻害剤、例えば成長因子抗体(例えば抗erbb2抗体トラスツズマブ、もしくは抗erbb1抗体セツキシマブ(cetuximab)[C225])、ファルネシル・トランスフェラーゼ阻害剤、チロシン・キナーゼ阻害剤、またはセリン/トレオニン・キナーゼ阻害剤、上皮成長因子ファミリーの阻害剤(例えばEGFRファミリー・チロシン・キナーゼ阻害剤、例えば−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ, AZD1839)、−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ(erlotinib), OSI 774)、または6−アクリルアミド−−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI 1033))、血小板由来成長因子ファミリーの阻害剤、または肝細胞成長因子ファミリーの阻害剤;
【0124】
(v) 抗血管新生剤(例えば血管内皮成長因子の効果を阻害するもの(例えば抗血管内皮細胞成長因子抗体ベバシズマブ(bevacizumab)、例えば国際特許出願 WO 97/22596、WO 97/30035、WO 97/32856、もしくは WO 98/13354に開示された化合物)、または他のメカニズムによって作用する化合物(例えばリノマイド(linomide)、インテグリンαvβ3機能の阻害剤またはアンジオスタチン);
【0125】
(vi) 血管損傷剤(例えばコンブレタスタチン(combretastatin) A4、または国際特許出願 WO 99/02166、WO 00/40529、WO 00/41669、WO 01/92224、WO 02/04434、もしくは WO 02/08213 で開示された化合物);
(vii) アンチセンス治療に用いられる薬剤(例えば上記で挙げた標的の1つに指向性であるもの(例えば ISIS 2503、抗rasアンチセンス));
【0126】
(viii) 遺伝子治療アプローチ、例えば異常遺伝子(例えば異常p53または異常BRCA1もしくはBRCA2、GDEPT(遺伝子指向性酵素プロドラッグ治療))を置き換えるアプローチ(例えばシトシン・デアミナーゼ、チミジン・キナーゼ、もしくは微生物性ニトロ還元酵素を用いるアプローチ)、および化学療法もしくは放射線治療に対する患者耐容性を増大させるアプローチ(例えば多薬剤耐性遺伝子治療)に用いられる薬剤;
【0127】
(ix) 免疫治療アプローチ、例えば、患者の腫瘍細胞の免疫原性を増大させる ex vivo アプローチおよび in vivo アプローチ、例えばサイトカイン(例えばインターロイキン 2、インターロイキン 4、もしくは顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)でのトランスフェクション、T細胞アネルギーを減少させるアプローチ、トランスフェクトさせた免疫細胞(例えばサイトカインをトランスフェクトさせた樹状細胞)を用いたアプローチ、サイトカインをトランスフェクトさせた腫瘍細胞株を用いたアプローチ、および抗イディオタイプ抗体を用いたアプローチに用いられる薬剤;または
【0128】
(x) AIDSおよび/もしくはHIV感染の処置に有用な化合物、例えばウイルス性蛋白質gp120が宿主細胞CD4に結合するのを妨げるもしくは阻害する薬剤{例えば可溶性CD4(リコンビナント);抗CD4抗体(もしくは修飾/リコンビナント抗体)、例えばPRO542;抗group120抗体(もしくは修飾/リコンビナント抗体);またはgroup120のCD4への結合を妨げる他の薬剤、例えばBMS806};HIVウイルスによって用いられるCCR5以外のケモカイン受容体への結合を妨げる薬剤{例えばCXCR4アゴニストもしくはアンタゴニスト、または抗CXCR4抗体};HIVウイルスのエンベロープと細胞膜の融合を妨げる化合物{例えば抗group41抗体;エンフュービルタイド(enfuvirtide)(T-20)もしくはT-1249};DC−SIGN阻害剤(CD209としても知られる){例えば抗DC−SIGN抗体もしくはDC−SIGN結合阻害剤};ヌクレオシド/ヌクレオチド・アナログ逆転写酵素阻害剤{例えばジドブジン(AZT)、ネビラピン、ジダノシン(ddI)、ザルシタビン(ddC)、スタブジン(d4T)、ラミブジン(3TC)、アバカビル、アデフォビルもしくはテノフォビル(例えば遊離塩基もしくはフマル酸ジソプロキシルとして)};非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤{例えばネビラピン、デラビルジン、もしくはエファビレンツ};プロテアーゼ阻害剤{例えばリトナビル、インジナビル、サキナビル(例えば遊離塩基もしくはメシル酸塩として)、ネルフィナビル(例えば遊離塩基もしくはメシル酸塩として)、アンプレナビル、ロピナビルもしくはアタザナビル(atazanavir)(例えば遊離塩基もしくは硫酸塩として)};リボヌクレオチド還元酵素阻害剤{例えばヒドロキシ尿素};抗レトロウイルス剤{例えばエムトリシタビン(emtricitabine)};
を含む。
【0129】
本発明は、以下の非制限的実施例によって説明される。異なる指定をしない限り、
(i) 温度は、摂氏(℃)で示され;操作は、室温もしくは環境温度で、すなわち18〜25℃の範囲の温度で行われる;
(ii) 有機溶液は、無水硫酸マグネシウムで乾燥し;溶媒の蒸発は、減圧下(600〜4000Pascals;4.5〜30mmHg)、浴の温度60℃以下で、ロータリーエバポレーターを用いて行った;
(iii) 異なる指定をしない限り、クロマトグラフィーは、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを意味し;薄層クロマトグラフィー(TLC)は、シリカゲルプレートで行った;“Bond Elut” カラムを言うとき、これは、40ミクロン粒子サイズの10gもしくは20gのシリカを含むカラムを意味し、シリカは、60mlの使い捨て可能なシリンジに含まれ、多孔性ディスクによって保持され、Varian, Harbor City, California, USA から、“Mega Bond Elut SI”の名前で購入され得る;“Isolute(商標) SCX カラム”を言うとき、これは、ベンゼンスルホン酸(エンドキャップされていない)を含むカラムを意味し、International Sorbent Technology Ltd., 1st House, Duffryn Industial Estate, Ystrad Mynach, Hengoed, Mid Glamorgan, UK から購入され得る;“Argonaut(商標) PS−トリス−アミン・スカベンジャー樹脂”を言うとき、これは、トリス−(2−アミノエチル)アミン ポリスチレン樹脂を意味し、Argonaut Technologies Inc., 887 Industrial Road, Suite G, San Carlos, California, USA から購入され得る;
(iv) 一般的に、反応経路は、TLCによって追跡され、反応時間は例示のためにのみ示される;
(v) 収量は例示のためにのみ示され、必ずしも入念な工程開発によって得られたものではない;より多くの物質が必要ならば、製造を繰り返した;
(vi) 示されているときは、H−NMRデータが引用され、これは主要な示性プロトンのδ値の形で、内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)に対する百万分率で示され、300MHzで、異なる指定をしない限り重水素化DMSO(CDSOCD)を溶媒として用いて測定した;結合定数(J)は Hz で示される;
(vii) 化学記号はその通常の意味を有する;SI単位および記号を用いる;
(viii) 溶媒比は容積パーセントで示す;
(ix) 質量スペクトル(MS)は、70eVの電子エネルギーで、化学イオン化(APCI) モードで、直接曝露プローブを用いて行い;示される場合、イオン化は、エレクトロスプレー(ES)によって行われ;m/zの値が示される場合、一般的に、親マスを示すイオンのみ示され、別記しない限り、示されたマス・イオンは、正側のマス・イオン、すなわち(M+H)である;
(x) LCMS特性決定は、Gilson 233 XL sampler を備えた Gilson 306 pumps および Waters ZMD4000 mass spectrometer のペアを用いて行った。LCは、5ミクロン粒子サイズを有する water symmetry 4.6×50 column C18 を含む。溶出液は、A=0.05% 蟻酸を含む水、そしてB=0.05% 蟻酸を含むアセトニトリルであった。溶出濃度勾配は、95% Aから95% Bまで、6分で行った。示される場合、イオン化は、エレクトロスプレー(ES)によって行った;m/zの値を示す場合、一般的に、親マスを示すイオンのみを示し、別記しない限り、記載したマス・イオンは正側のマスイオン、すなわち(M+H)である;そして
【0130】
(xi) 下記の略号を用いる。
【表7】

【実施例】
【0131】
実施例1
本実施例は、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−アセトアミド(表Iの化合物1)の製造を説明している。
【化11】

トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2.5g)を、ジクロロメタン(100ml)中の、(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロパナール(1.98g)およびN−エチル−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−N−ピペリジン−4−イルアセトアミド(1.94g)の溶液に加え、混合物を2時間撹拌し、次に2M NaOH(2×100ml)で洗浄し、乾燥させた。有機物を50g SCX2 カートリッジに注ぎ、メタノール(6×50ml)で、そして1M メタノール性アンモニア(7×50ml)で溶出した。合わせたメタノール性アンモニア洗浄液を蒸発乾固し、表題化合物を白色の泡沫として得た。収量2.6g。
NMR (CDCl3): 1.2-2.1 (m, 19H), 2.3-2.7 (m, 3H), 2.75 (s, 3H), 2.8-2.9 (m, 2H), 3.0 (s, 3H), 3.3 (q, 2H), 3.7-3.9 (m, 4H), 6.65 (m, 3H), 7.4 (m, 2H), 7.9 (d, 2H).
【0132】
実施例2
本実施例は、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]アセトアミドのコハク酸塩の製造を説明している。
エタノール(3ml)中のコハク酸(59mg)の熱溶液を、エタノール(16ml)中のN−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]アセトアミド(640mg)の熱溶液に加え、混合物を放冷した。24時間後、スパチュラを用いて混合物をトリチュレートし、さらに24時間放置した。固体を濾過し、乾燥させた。
m.pt. 175〜175.5℃.
この固体をエタノール(14ml)から再結晶し、表題化合物を得た。
m.pt. 177〜177.5℃.
【0133】
実施例3
本実施例は、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]アセトアミドのフマル酸塩の製造を説明している。
メタノール(3ml)中のフマル酸(55mg)の熱溶液を、メタノール(4ml)中のN−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]アセトアミド(300mg)の熱溶液に加え、混合物を放冷した。次に混合物を氷浴中で冷却し、最後に冷蔵庫中で14時間放置した。固体を濾過し、60℃で、真空下、2時間乾燥させた。
m.pt. 164〜166.5℃.
【0134】
実施例4
本実施例は、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−[3−(メチルスルホニル)フェニル]アセトアミドの製造を説明している。
【化12】

3−(メチルスルホニル)フェニル酢酸(96mg)をジクロロメタン(5ml)に溶解し、カルボニルジイミダゾール(73mg)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。ジクロロメタン(5ml)中のN−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチルアミン(200mg)を加え、反応混合物を室温で72時間放置した。PS−イソシアネート樹脂(1.mm/g)(0.5g)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌し、次に濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチル〜20% メタノール/酢酸エチルで溶出し、表題化合物を泡沫として得た(105mg)。
NMR CDCl3: 1.0-2.1 (m, 21H), 2.3-2.6 (m, 3H), 2.65 (s, 3H), 2.9 (s, 3H), 3.3 (m, 2H), 3.65 (d, 1H), 3.7 (m, 2H), 3.75 (d, 1H), 6.6 (m, 3H), 7.5 (m, 2H), 7.75 (m, 2H).
【0135】
方法A
(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロパナールの製造
【化13】

【0136】
段階1
塩化(2E)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アクリロイルの製造
【化14】

塩化オキサリル(5.1g)を、2〜3滴のDMFを含むジクロロメタン中の(2E)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アクリル酸(9.4g)の溶液に加え、混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固し、得られた残渣を次の段階に直接用いた。
【0137】
段階2
(4R,5S)−1,5−ジメチル−3−{(2E)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロパ−2−エノイル}−4−フェニルイミダゾリジン−2−オンの製造
【化15】

アルゴン下、−10℃で、ビス(トリメチルシリル)アミド リチウム(8ml, 1M溶液, THF)を、THF(20ml)中の(4R,5S)−1,5−ジメチル−4−フェニル−2−イミダゾリジノン(1.52g)の懸濁液に滴下した。反応混合物を−10℃で10分間撹拌し、0℃まで昇温し、この温度で10分間維持し、次に再度−10℃まで冷却した。段階1で製造された酸塩化物(2g, 10mlのジクロロメタンに溶解)の溶液を滴下し、反応混合物を室温まで昇温し、水(100ml)で洗浄した。水性抽出物を酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、酢酸エチル抽出物を乾燥し、残渣を 90g Biotage column に通し、溶媒濃度勾配(50%酢酸エチル/イソヘキサン〜70%酢酸エチル/イソヘキサン)で溶出した。収量1.89g。
LC-MS MH+ 406,
NMR (CDCl3): 0.8 (d, 3H), 1.5-1.6 (m, 3H), 1.9 (m, 2H), 2.3 (m, 1H), 2.7 (m, 2H), 2.75 (s, 3H), 2.8 (s, 3H), 3.75 (m, 2H), 3.9 (m, 1H), 5.3 (d, 1H), 6.85 (d-d, 1H), 7.1 (d, 1H), 7.2-7.35 (m, 3H), 7.45 (d, 1H).
【0138】
段階3
(4S,5R)−1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロパノイル}−3,4−ジメチル−5−フェニルイミダゾリジン−2−オンの製造
【化16】

【0139】
段階A
アルゴン下、TMEDA(11.6g)を、THF(240ml)中のヨウ化銅(19.4g)の懸濁液に加え、混合物を45分間撹拌し、次に−70℃まで冷却した。THF中の臭化 3,5−ジフルオロフェニル マグネシウムの溶液(201.1ml, 0.5M溶液, THF)を10分に亘って加え、混合物を−70℃で30分間撹拌した。
【0140】
段階B
ジ−n−ブチルホウ素 トリフレート(100.7ml, 1M溶液, ジクロロメタン)を、THF中の(4R,5S)−1,5−ジメチル−3−{(2E)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロパ−2−エノイル}−4−フェニルイミダゾリジン−2−オン(20.41g)[段階2]の、−40℃に維持した懸濁液に加え、撹拌を10分間続け、混合物を−70℃まで冷却し、段階Aで製造した銅錯体懸濁液に、カニューレを介して加えた。反応混合物を−70℃で1時間撹拌し、室温まで昇温し、次に飽和塩化アンモニウム溶液(200ml)を加えた。THFを蒸発させ、酢酸エチル(200ml)を加えた。この混合物に空気を1時間通気した。酢酸エチル層を集め、水性部分を酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。合わせた酢酸エチル抽出物を飽和塩化アンモニウム溶液(2×100ml)で洗浄し、乾燥し、蒸発乾固した。残渣をシリカのクロマトグラフィーによって精製し、溶媒濃度勾配:酢酸エチル−イソヘキサン(1:1)から酢酸エチル単独で溶出し、表題化合物を白色の固体として得た。収量25g。
NMR (CDCl3) 0.78 (d, 3H), 1.2-1.6 (m, 6H), 1.9 (m, 1H), 2.4-2.65 (m, 2H), 2.75 (s, 3H), 2.85 (s, 3H), 3-3.2 (m, 2H), 3.7-3.9 (m, 4H), 5.2 (d, 1H), 6.6 (m, 3H), 6.85 (m, 2H), 7.2 (m, 3H).
【0141】
段階4
(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロパン−1−オールの製造
【化17】

水素化ホウ素リチウム(48ml, 2M溶液, THF)を、THF(200ml)中の(4S,5R)−1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロパノイル}−3,4−ジメチル−5−フェニルイミダゾリジン−2−オン(25g)の溶液に加え、混合物を70℃で3時間加熱し、次に室温まで放冷し、撹拌を16時間続けた。エタノール(20ml)を注意深く加え、2M HClを添加することによって、反応混合物をpH 4まで酸性にした。THFを蒸発させ、残渣をジクロロメタン(100ml)に溶解し、これを水(100ml)で洗浄し、乾燥した。溶媒を除去し、生成物を Biotage 65 column のクロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチル/イソヘキサンの1:1混合物で溶出した。収量13g。
NMR (CDCl3): 1.2-1.8 (m, 5H), 1.95-2.2 (m, 2H), 2.5-2.7 (m, 3H), 2.75 (s, 3H), 3.3-3.6 (m, 2H), 3.7 -3.9 (m, 2H), 6.65 (m, 3H).
【0142】
段階5
表題化合物の製造
Dess−Martinペルヨージナン(5.09g)を、ジクロロメタン(100ml)中の(R)−3−(N−メタンスルホニルピペリジン−4−イル)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)プロパノール(4.0g)の溶液に加え、混合物を1.5時間撹拌した。反応混合物を2M NaOH(2×100ml)で洗浄し、乾燥した。ジクロロメタン中の表題化合物の溶液を次の反応に用いた。
【0143】
方法B
N−エチル−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−N−ピペリジン−4−イルアセトアミド
【化18】

【0144】
段階1:
1−フェニルメチル−4−エチルアミノピペリジン二塩酸塩の製造
【化19】

THF(250ml)中の1−フェニルメチル−4−ピペリドン(25.0g, 132mmol)の溶液に、エチルアミン塩酸塩(12.0g, 147mol)およびメタノール(50ml)を加え、得られた混合物を室温で10分間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(40g, 189mmol)を少しずつ加え、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。2M 水酸化ナトリウム溶液(250ml)を加え、得られた混合物をジエチルエーテルで抽出した。有機抽出物を乾燥し(KCO)、蒸発させ、1−フェニルメチル−4−エチルアミノピペリジンを油状物として得た。これをエタノール(500ml)に溶解し、濃塩酸(20ml)を加えた。得られた結晶を集め、エチルエーテルで洗浄し、乾燥させた。収量38g。
NMR: (CDCl3): 1.10 (t, 3H), 1.40 (m, 2H), 1.83 (m, 2H), 2.02 (m, 2H), 2.65 (q, 2H), 2.85 (m, 2H), 3.50 (s, 2H), 3.75 (m, 1H), 7.2 - 7.4 (m, 5H);
MS: 219 (MH+).
【0145】
段階2:
N−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]アセトアミドの製造
【化20】

DCM(500ml)中の1−フェニルメチル−4−エチルアミノピペリジン 二塩酸塩(32.0g, 110mmol)の溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(60ml)を、完全に溶解させるために撹拌しながら加えた。4−メタンスルホニルフェニル酢酸(25.0g, 117mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(2.0g)、およびジシクロヘキシルカルボジイミド(25.0g, 121mmol)を加え、得られた混合物を室温で20時間撹拌した。沈殿物を濾過によって除去し、得られた溶液を、2N 水性HClで、水で、そして1N 水性NaOHで、連続して洗浄し、乾燥し(MgSO)、蒸発させた。残渣をシリカゲル・クロマトグラフィーによって精製し(溶出液:10% MeOH/酢酸エチル)、副題化合物を得た(35g, 76%)。
NMR: 1.00 and 1.14 (t, 3H), 1.45 and 1.70 (m, 2H), 1.95 (br m, 2H), 2.80 (br m, 2H), 3.18 (s, 3H), 3.20 and 3.33 (q, 2H), 3.45 (s, 2H), 3.80 and 3.87 (s, 2H), 3.70 and 4.10 (m, 1H), 7.2 - 7.3 (m, 5H), 7.48 (m, 2H), 7.82 (m, 2H);
MS: 415 (MH+).
【0146】
段階3:
表題化合物の製造
エタノール(600ml)中のN−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−アセトアミド(34g, 82mmol)の溶液に、蟻酸アンモニウム(40g)を加えた。混合物をアルゴンでパージし、30% Pd/炭素(4.2g)を加えた。得られた混合物を4時間還流しながら撹拌し、次に放冷し、珪藻土で濾過した。ろ液を蒸発させ、濃厚な油状物を得た。それを放置して固化させ、表題化合物を得た(24.9g, 94%)。
NMR: 1.02 and 1.15 (t, 3H), 1.4 -1.6 (br m, 4H), 2.45 (m, 2H), 2.93 (br m, 2H), 3.18 (s, 3H), 3.20 and 3.32 (q, 2H), 3.72 and 4.18 (m, 1H), 3.80 and 3.87 (s, 2H), 7.50 (m, 2H), 7.85 (m, 2H);
MS: 325 (MH+).
【0147】
実施例5
化合物がランテスの結合を阻害する可能性を、in vitro での放射性リガンド結合アッセイによって評価した。リコンビナントのヒトCCR5受容体を発現させたチャイニーズハムスター卵巣細胞から膜を調製した。これらの膜を、0.1nMのヨウ素化ランテス、シンチレーション近接ビーズ(scintillation proximity beads)、および種々の濃度の本発明の化合物と共に、96ウェルプレート中でインキュベートした。受容体に結合したヨウ素化ランテスの量は、シンチレーション計数によって測定した。化合物についての競合曲線を得た。結合したヨウ素化ランテスの50%を置換した化合物の濃度を計算した(IC50)。50μM未満のIC50を有する式(I)の化合物は本発明のさらなる態様を形成する。
【0148】
実施例6
化合物がMIP−1αの結合を阻害する可能性を、in vitro での放射性リガンド結合アッセイによって評価した。リコンビナントのヒトCCR5受容体を発現させたチャイニーズハムスター卵巣細胞から膜を調製した。これらの膜を、0.1nMのヨウ素化MIP−1α、シンチレーション近接ビーズ、および種々の濃度の本発明の化合物と共に、96ウェルプレート中でインキュベートした。受容体に結合したヨウ素化MIP−1αの量は、シンチレーション計数によって測定した。化合物についての競合曲線を得た。結合したヨウ素化MIP−1αの50%を置換した化合物の濃度を計算した(IC50)。50μM未満のIC50を有する式(I)の化合物は、本発明のさらに別の態様を形成する。
【0149】
特定の本発明の化合物におけるこの試験の結果を表IIに示す。表IIにおいて、結果をPic50値として示す。Pic50値は、IC50値の負のlog(底を10とする)であり、そして1μM(1×10−6Mである)のIC50では、Pic50=6を有する。化合物が1回以上試験されていた場合は、下記のデータは各実測値の平均値である。
【0150】
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
は、S(O)、S(O)NR1011、C(O)R、またはC(O)NHRであり;
は、3,5−ジフルオロフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、または3−フルオロ−5−クロロフェニルであり;
は、水素またはC1−4アルキルであり;
は、水素、メチル、エチル、アリル、またはシクロプロピルであり;
は、フェニル(C1−2)アルキルもしくはフェニル(C1−2アルキル)NHであり、ここで、該フェニル環は、所望によりハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、S(O)(C1−4アルキル)、S(O)NR、NHS(O)(C1−4アルキル)、NH、NH(C1−4アルキル)、N(C1−4アルキル)、NHC(O)NH、C(O)NH、C(O)NH(C1−4アルキル)、C(O)N(C1−4アルキル)、NHC(O)(C1−4アルキル)、COH、CO(C1−4アルキル)、C(O)(C1−4アルキル)、CF、CHF、CHF、CHCF、またはOCFによって置換されており;
kは、0、1、または2であり;
は、C1−6アルキル[所望によりC1−4アルコキシ、フェニル{それ自体、所望によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、OCF、(C1−4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1−4アルキルチオ、S(O)(C1−4アルキル)、もしくはS(O)(C1−4アルキル)によって置換されている}、またはヘテロアリール{それ自体、所望によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、(C1−4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1−4アルキルチオ、S(O)(C1−4アルキル)もしくはS(O)(C1−4アルキル)によって置換されている}によって置換されている]、C3−7シクロアルキル、テトラヒドロピラニル、フェニル{所望によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、OCF、(C1−4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1−4アルキルチオ、S(O)(C1−4アルキル)もしくはS(O)(C1−4アルキル)によって置換されている}、またはヘテロアリール{所望によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、(C1−4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1−4アルキルチオ、S(O)(C1−4アルキル)もしくはS(O)(C1−4アルキル)によって置換されている}であり;
は、水素、C1−6アルキル[所望によりハロ(例えばフルオロ)、C1−4アルコキシ、フェニル{それ自体、所望によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、OCF、(C1−4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1−4アルキルチオ、S(O)(C1−4アルキル)もしくはS(O)(C1−4アルキル)によって置換されている}、またはヘテロアリール{それ自体、所望によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、(C1−4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1−4アルキルチオ、S(O)(C1−4アルキル)もしくはS(O)(C1−4アルキル)によって置換されている}によって置換されている]、C3−7シクロアルキル、テトラヒドロピラニル、フェニル{所望によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、OCF、(C1−4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1−4アルキルチオ、S(O)(C1−4アルキル)もしくはS(O)(C1−4アルキル)によって置換されている}、またはヘテロアリール{所望によりハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、(C1−4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1−4アルキルチオ、S(O)(C1−4アルキル)もしくはS(O)(C1−4アルキル)によって置換されている}であり;
およびRは、独立して、水素もしくはC1−4アルキルであるか、または窒素もしくは酸素原子と結合して一体となり、5員環もしくは6員環{所望によりC1−4アルキル、C(O)HもしくはC(O)(C1−4アルキル)で置換されている}を形成してもよく;
10およびR11は、独立して、水素もしくはC1−4アルキルであるか、または結合して5員環もしくは6員環{所望によりC1−4アルキルもしくはフェニル(ここで、該フェニル環は、所望によりハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、S(O)1−4アルキル、S(O)NH、S(O)NH(C1−4アルキル)、S(O)N(C1−4アルキル)、NHS(O)(C1−4アルキル)、NH、NH(C1−4アルキル)、N(C1−4アルキル)、NHC(O)NH、C(O)NH、C(O)NH(C1−4アルキル)、NHC(O)(C1−4アルキル)、COH、CO(C1−4アルキル)、C(O)(C1−4アルキル)、CF、CHF、CHF、CHCFもしくはOCFによって置換されている)で置換されている}を形成してもよい]の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
がS(O)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がC1−6アルキルまたはC3−7シクロアルキルである、請求項1もしくは2に記載の化合物。
【請求項4】
が3,5−ジフルオロフェニルである、請求項1、2もしくは3に記載の化合物。
【請求項5】
が水素である、請求項1、2、3もしくは4に記載の化合物。
【請求項6】
がエチルもしくはシクロプロピルである、請求項1から5の何れか1項に記載の化合物。
【請求項7】
がフェニル(C1−2)アルキルもしくはフェニル(C1−2アルキル)NHであり、ここで、該フェニル環は、S(O)(C1−4アルキル)によって置換されている、請求項1から6の何れか1項に記載の化合物。
【請求項8】
式(I)の化合物の薬学的に許容される塩である、請求項1から7の何れか1項に記載の化合物。
【請求項9】
上記で^で識別した炭素で、R絶対配置を有し、
が、S(O)[ここで、RがC1−4アルキルである]であり;
が、3,5−ジフルオロフェニルであり;
が、水素であり;
が、エチルもしくはシクロプロピルであり;
が、フェニル(C1−2)アルキルもしくはフェニル(C1−2アルキル)NHであり、ここで、該フェニル環が、S(O)(C1−4アルキル)によって置換されている、
請求項1から8の何れか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
式(I)の化合物のフマル酸塩もしくはコハク酸塩である、請求項1から9の何れか1項に記載の化合物。
【請求項11】
請求項1に記載の化合物の製造方法であって、
a. 式(II):
【化2】

[式中、R、R、RおよびRは上記で定義した通りである]の化合物を、製造しようとする式(I)の化合物に応じて、
i) 適当な塩基の存在下、適当な溶媒中、室温で、式:RCOHの酸と、適当なカップリング剤の存在下で;または
ii) 適当な塩基の存在下、適当な溶媒中、室温で、式:RC(O)Clの酸塩化物、もしくは式:RS(O)Clの塩化スルホニルと、
反応させること;
b. 式(III):
【化3】

[式中、R、R、RおよびRは上記で定義した通りである]の化合物を、
i) 適当な塩基の存在下、適当な溶媒中、室温で、式:RCOHの酸と、適当なカップリング剤の存在下で;または
ii) 適当な塩基の存在下、適当な溶媒中、室温で、式:RC(O)Clの酸塩化物と、
カップリングさせること;
c. 適当な溶媒中、室温で、式(IV):
【化4】

の化合物を、式(V):
【化5】

の化合物で、NaBH(OAc)(ここで、AcはC(O)CHである)および酢酸の存在下、還元的アミノ化すること;または
d. 適当な塩基の存在下、適当な溶媒中、室温で、式(V)の化合物を、式(VII):
【化6】

[式中、R、RおよびRは上記で定義した通りであり、そしてLGは脱離基である]の化合物で、アルキル化すること;
を含む方法。
【請求項12】
請求項1に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤もしくは担体を含む医薬組成物。
【請求項13】
医薬として使用するための請求項1に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
治療に使用するための医薬の製造における、請求項1に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
CCR5介在疾病状態を処置する方法であって、有効量の請求項1に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を、該処置が必要な患者に投与することを含む方法。

【公表番号】特表2008−503572(P2008−503572A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518001(P2007−518001)
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【国際出願番号】PCT/SE2005/000952
【国際公開番号】WO2006/001751
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】