説明

化学機械研磨用の適応終点検出

【課題】 光学監視装置で生成される信号のノイズに拘わらず正しい終点を検出する。
【解決手段】 方法とともに装置が、基板10表面を研磨パッド30に接触させる。光学終点検出装置により、光線42を向けて基板10表面に衝突させる。光学終点監視装置からの信号を監視し、第一の終点基準が第一の時間ウィンドウ内で検出されない場合には、デフォルト研磨時間で研磨を停止する。第一の終点基準が第一の時間ウィンドウ内で検出される場合には、第二の終点基準を得るために信号を監視し、第二の終点基準が検出される場合に研磨を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板の化学機械研磨に関し、特に、化学機械研磨加工中に研磨終点を検出する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般には、導電層、半導電層又は絶縁層をシリコンウェーハ上に順次堆積することにより、集積回路を基板上に形成する。ある製造ステップでは、パターン化されたストップ層上に充填層を形成することと、ストップ層が露出するまで充填層を平坦化することとが必要である。例えば、導体の充填層をパターン化された絶縁層上に形成して、ストップ層内のトレンチ又はホールを充填することもある。平坦化の後、絶縁層の隆起した部分の間に残っている導電層の部分が、基板上の薄膜回路の間で導電経路をなすバイア、プラグ、ラインを形成する。
【0003】
化学機械研磨(CMP)は、一般に容認された平坦化方法の一つである。この平坦化方法は概して、キャリア又は研磨ヘッドに基板を取り付けることが必要である。基板の露出した表面を、回転研磨ディスクパッド又はベルトパッドに載置する。研磨パッドは、「標準」パッド又は固定研粒パッドのいずれかとすることもできる。標準パッドは耐久性のある粗面を有しているが、一方、固定研粒パッドは格納媒体内に保持された研磨粒子を有している。キャリアヘッドは、制御可能な負荷、即ち、圧力を基板上に加えて、基板を研磨パッドに押し付ける。標準パッドを用いる場合には、少なくとも一つの化学反応剤を含む研磨スラリ及び研磨粒子を、研磨パッドの表面に供給する。
【0004】
CMP法における問題の一つは、研磨工程が完了したかどうか、即ち、基板の層が、所望の平坦性あるいは厚さまで平坦化されたかどうかを判定することである。基板層の初期厚さのばらつき、スラリ組成、研磨パッドのコンディション、研磨パッドと基板との間の相対速度及び基板にかかる負荷が、材料が除去される速度のばらつきの原因となる。これらの変動が、研磨終点に達するまでに必要な時間変動の原因となる。従って、研磨終点について、単に研磨時間の関数として判定することはできない。
【0005】
研磨終点を判定する方法の一つは、研磨面から基板を取り外して、基板を調べることである。例えば、基板を計測部に搬送して、ここでプロフィルメータ又は抵抗率測定により基板の層の厚さを計測する。所望の仕様を満たさない場合には、基板をCMP装置に戻して更に処理を行う。このことは、時間がかかる手順であり、CMP装置のスループットを低減させる。あるいは、検査により材料が過剰に除去されてしまったことがわかると、基板は使用できなくなる。
【0006】
更に最近になって、研磨終点を検出するために、例えば、干渉計又は反射率計を用いて基板のin−situ光学監視が行われるようになってきた。残念ながら、光学監視装置で生成される信号のノイズのせいで、正しい終点を検出することが困難になることもある。
【発明の概要】
【0007】
一態様では、本発明は、化学機械研磨加工用のコンピュータにより実施される終点検出方法に向けられている。本発明では、第一の終点基準と、第一の終点基準用の第一の時間ウィンドウと、第二の終点基準とを格納する。研磨終点検出装置から信号を受信して、第一の終点基準を得るためにこの信号を監視する。第一の終点基準が第一の時間ウィンドウの時間内で検出されない場合には、デフォルト研磨時間で研磨を停止する。一方、第一の終点基準が第一の時間ウィンドウ内で検出される場合には、第二の終点基準を得るためにこの信号を監視し、第二の終点基準が検出される場合には研磨を停止する。
【0008】
本発明を実行するには、一つ以上の次の特徴を含めてもよい。第二の終点基準用の第二の時間ウィンドウを格納することもでき、第二の時間ウィンドウの以前に第二の終点基準が検出される場合には、デフォルト研磨時間で研磨を停止することもできる。第二の終点基準が検出されない場合には、第二の時間ウィンドウの終了時に研磨を停止することもできる。第三の終点基準と第三の終点基準用の第三の時間ウィンドウとを、格納することもできる。第一の時間ウィンドウ以前に、第三の時間ウィンドウを配置することもできる。第三の終点基準が第三の時間ウィンドウ内で検出されない場合には、デフォルト研磨時間で研磨を停止することもできる。第一又は第二の終点基準を検出する検出時間を、格納することもできる。第二の終点基準が第二の時間ウィンドウ内で検出される場合には、デフォルト研磨時間を変更することもできる。第一の終点基準が第一の時間ウィンドウ内で検出される場合には、第一の時間ウィンドウを変更することもできる。終点検出装置は、基板を任意選択的に監視することもできる。研磨加工では、基板上の金属層又は誘電体層を研磨することもできる。複数の連続する基板にわたり、第一の終点基準が第一の時間ウィンドウ内で検出され、第二の終点基準が第二の時間ウィンドウ内で検出されてから、終点検出法を実行することもできる。
【0009】
別の態様では、本発明は、化学機械研磨加工用のコンピュータにより実施される終点検出方法に向けられている。この方法では、それぞれ時間ウィンドウに対応した一連のN個の終点基準を格納する。Nは、2以上の数である。研磨終点検出装置から信号を受信して、一連の終点基準を得るためにこの信号を監視する。対応する時間ウィンドウ内である終点基準が検出されるかどうかを判定し、対応する時間ウィンドウ内でこの終点基準が検出される場合には、次の一連の終点基準を得るために信号を監視する。終点基準の一つが対応する時間ウィンドウ内で検出されないか、あるいは、最後の終点基準が対応する時間ウィンドウ内で検出されるまで、判定ステップ及び監視ステップを繰り返す。終点基準の一つが対応する時間ウィンドウ内で検出されない場合には、デフォルト研磨時間で研磨を停止する。最後の終点基準が対応する時間ウィンドウ内で検出される場合には、最後の終点基準の検出に基づいて、研磨を停止する。
【0010】
別の態様では、本発明は、化学機械研磨方法に向けられている。この方法では、基板を研磨面と接触させて、基板と研磨面との間に相対運動を生成する。第一の終点基準と、第一の終点基準用の第一の時間ウィンドウと、第二の終点基準とを格納する。研磨終点検出装置から信号を受信して、第一の終点基準を得るためにこの信号を監視する。第一の終点基準が第一の時間ウィンドウ内で検出されない場合には、デフォルト研磨時間で研磨を停止する。一方、第一の終点基準が第一の時間ウィンドウ内で検出される場合には、第二の終点検出基準を得るために信号を監視して、第二の終点基準が検出される場合には、研磨を停止する。
【0011】
別の態様では、本発明は、化学機械研磨方法に向けられている。この方法では、基板を研磨面と接触させて、基板と研磨面との間に相対運動を生成する。複数の終点基準と、複数の時間ウィンドウと、デフォルト研磨時間とを格納する。各終点基準は、時間ウィンドウの一つに対応している。終点基準を得るために、研磨終点検出装置からの信号を監視する。終点基準が検出される時間を格納する。デフォルト研磨時間の一つ又は最後の終点基準が検出されてから、研磨を停止する。終点基準が検出された時間のうちの少なくとも一つに基づいて、デフォルト研磨時間及び時間ウィンドウのうちの少なくとも一つを調整する。
【0012】
本発明を実行するには、次の特徴を一つ以上含めてもよい。各終点基準がその対応するウィンドウ内で検出される場合には、調整ステップが発生することもある。調整ステップには、デフォルト研磨時間を、最後の終点基準が検出される時間と等しく設定するステップを含めることもできる。調整ステップには、デフォルト研磨時間を、複数の基板の最後の終点基準が検出される時間の平均と等しく設定するステップを含めることもできる。調整ステップには、時間ウィンドウに対応するある終点基準を検出する時間に基づいて、時間ウィンドウを設定するステップを含めることもできる。設定ステップには、検出時間から開始時間と終了時間とを計算するステップと、マージンを計算するステップを含めることもできる。マージンは、現在のパーセンテージとすることもできるし、あるいは、二つの終点基準の検出時間の差から判定することもできる。複数の連続する基板にわたり各終点基準をその対応する時間ウィンドウ内で検出してから、調整ステップを実行することもできる。
【0013】
別の態様では、本発明は、化学機械研磨装置に向けられている。この装置は、研磨面と、基板を研磨面と接触させておくキャリアヘッドと、研磨面及びキャリアヘッドのうちの一つに連結して、研磨面と基板との間に相対運動を生成するモータと、終点監視装置と、制御装置とを有する。制御装置を構成して、第一の終点基準と、第一の終点基準用の第一の時間ウィンドウと、第二の終点基準とを格納して、監視装置からの信号を受信して、第一の終点基準を得るために信号を監視して、第一の終点基準が第一の時間ウィンドウ内で検出されない場合にはデフォルト研磨時間で研磨を停止して、第二の終点基準を得るために信号を監視して、第一の終点基準が第一の時間ウィンドウ内で検出される場合に第二の終点基準が検出される際には、研磨を停止する。
【0014】
本発明を実行するには、一つ以上の次の特徴を含めてもよい。終点監視装置は、研磨中に光線を向けて基板表面に衝突させることもできる。制御装置を構成して、第二の終点基準用の第二の時間ウィンドウを格納することもできる。制御装置を構成して、第二の時間ウィンドウの以前に第二の終点基準が検出される場合には、デフォルト研磨時間で研磨を停止することもできる。制御装置を構成して、第二の終点基準が検出されない場合には第二の時間ウィンドウの最後で研磨を停止することもできる。
【0015】
別の態様では、本発明は、化学機械研磨加工用のコンピュータにより実施される制御方法に向けられている。この方法では、第一の基準と、第一の基準用の第一の時間ウィンドウと、第二の基準とを格納する。研磨終点検出装置から信号を受信して、第一の基準を得るために信号を監視する。第一の時間ウィンドウ内で第一の基準が検出されない場合には、研磨パラメータをデフォルト研磨時間に変更する。第一の基準が第一の時間ウィンドウ内で検出される場合には、第二の基準を得るために信号を監視して、第二の基準が検出される場合には研磨パラメータを変更する。
【0016】
別の態様では、本発明は、化学機械研磨加工用のコンピュータにより実施される終点検出方法に向けられている。この方法では、終点基準と終点基準用の時間ウィンドウとを格納する。研磨終点検出装置から信号を受信し、終点基準を得るために信号を監視する。時間ウィンドウの以前に終点基準が検出される場合には、デフォルト研磨時間で研磨を停止する。時間ウィンドウ内で終点基準が検出される場合には、終点基準が検出される時に研磨を停止する。
【0017】
本発明を実行するには、次の特徴を含めてもよい。時間ウィンドウが終了する前に終点基準が検出されない場合には、時間ウィンドウの終了時に研磨を停止することができる。
【0018】
本発明を実行するには、次の可能な利点を含めなくても含めても実行することができる。終点検出手順はエラー強さがあり、故障がほとんどない。光学終点検出器が不良な場合でも、妥当な正確さで研磨を停止することができる。終点選出技術を、金属層研磨及び酸化膜研磨の両方に適用することができる。基板の過剰研磨を低減することができ、且つ、スループットを増加させることができる。
【0019】
本発明の他の特徴及び利点については、図面及び特許請求の範囲を含む次の説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1及び図2を参照すると、CMP装置20により、一枚以上の基板10を研磨する。同様の研磨装置20は、出典を明記することによりその開示内容を本願明細書の一部とする米国特許第5,738,574号に記載されている。研磨装置20は、一連の研磨部22と搬送部23とを含む。搬送部23は、キャリアヘッドとローディング装置との間で基板を搬送する。
【0021】
各研磨部は、研磨パッド30に載置されている回転プラテン24を含む。第一及び第二の部は、硬い耐久性のある外側表面を有する二層研磨パッド又は研磨粒子が埋込まれた固定研粒パッドを含むこともできる。最終研磨部は、比較的ソフトなパッドを含むこともできる。各研磨部には、基板を効率的に研磨するように研磨パッドのコンディションを維持するパッドコンディショナー装置28についても含めることができる。
【0022】
二層研磨パッド30は典型的には、プラテン24の表面と接するバッキング層32と、基板10の研磨に使用される被覆層34とを有する。被覆層34は典型的には、バッキング層32よりも硬い。しかしながら、パッドのあるものは、被覆層のみを有しバッキング層はない。被覆層34は、ポリウレタン製連続気泡発泡体又は溝状の表面を有するポリウレタン製シートから成る。バッキング層は、ウレタンを浸出した圧縮フェルト繊維から成る。IC-100から成る被覆層とSUBA-4から成るバッキング層とを有する二層研磨パッドは、デラウェア州ニューアーク、ローデル・インコーポレーテッド社から市販されている(IC-100及びSUBA-4は、ローデル社の製品名である)。
【0023】
回転マルチヘッドカルーセル60は、中央ポスト62で支持され、カルーセルモータ組立体(図示せず)によりポスト上でカルーセル軸64周囲を回転する。中央ポスト62は、カルーセル支持プレート66とカバー68とを支持する。回転マルチヘッドカルーセル60は、四つのキャリアヘッド装置70を含む。中央ポスト62により、カルーセルモータにカルーセル支持プレート66を回転させて、キャリアヘッド装置とそれに取り付けられている基板とをカルーセル軸64の周囲で周回させることができる。キャリアヘッド装置のうちの三つは、基板を受容して保持し、研磨パッドに基板を押し付けることにより基板を研磨する。その間、キャリアヘッド装置のうちの一つは、搬送部23から基板を受容し、且つ搬送部23へ移送する。
【0024】
各キャリアヘッド装置は、キャリア又はキャリアヘッド80を含む。キャリア駆動軸74は、キャリアヘッド回転モータ76(カバー68の四分の一を除去して図示されている)を各キャリアヘッド80に連結するので、各キャリアヘッドが、キャリアヘッド自体の軸線周囲を独立して回転することができる。また、各キャリアヘッド80は、カルーセル支持プレート66内に形成された放射状スロット72内を独立して横方向に往復する。
【0025】
キャリアヘッド80は、いくつかの機械的機能を実行する。概して、キャリアヘッドは研磨パッドに対して基板を保持し、基板の裏面全体に均一に下方圧力を加え、駆動軸から基板へトルクを伝送し、研磨加工中にキャリアヘッドの下から基板が滑ることがないようにする。
【0026】
キャリアヘッド80は、基板10の取り付け面となる可撓膜82と、取り付け面の下で基板を保持する保持リング84とを含むこともできる。可撓膜82により形成されるチャンバ86の加圧により、基板を研磨パッドに押し付ける。保持リング84を高反射材料からから形成することもできるし、あるいは、リングに反射層を塗布して反射下部層88をリングに設けることもできる。同様のキャリアヘッド80については、出典を明記することによりその開示内容を本願明細書の一部とする1997年5月21日出願の米国特許出願第08/861,260号に記載されている。
【0027】
反応剤(例えば、酸化膜研磨用の脱イオン水)を含むスラリ38と化学反応触媒(例えば、酸化膜研磨用の水酸化カリウム)とを、スラリ供給口又は複合スラリ/リンスアーム39により研磨パッド30の表面に供給する。研磨パッド30が標準パッドの場合には、スラリ38に研磨粒子(例えば、酸化膜研磨用の二酸化ケイ素)も含めることもできる。
【0028】
加工においては、プラテンをプラテンの中央軸線25周囲で回転させて、キャリアヘッドをキャリアヘッドの中央軸線81周囲で回転させて、研磨パッド表面を横方向に平行移動させる。
【0029】
孔部26をプラテン24内に形成し、この孔部に重なるように透明窓部36を研磨パッド30の一部に形成する。透明窓部36を、出典を明記することによりその開示内容全体を本願明細書の一部とする1996年8月26日出願の米国特許出願第08/689,930号に記載されているように構成する。キャリアヘッドの平行移動位置に関わらず、プラテン回転中に基板10が見えるように、孔部26と透明窓部36とを位置決めする。
【0030】
反射率計又は干渉計として機能することができる光学監視装置40を概ね孔部26の下に固定して、プラテンとともに回転させる。光学監視装置は、光源44と検出器46とを含む。光源が光線42を生成して、透明窓部36とスラリ38(図3を参照)とを通過して、基板10の露出表面に衝突する。例えば、光源44をレーザとし、光線42をコリメートレーザビームとしてもよい。光レーザビーム42を、レーザ44から角度αで基板10の表面に垂直な軸線で投影することができる。即ち、軸線25及び81から角度αで投影する。また、孔部26と透明窓部36とを延長する場合には、ビーム拡大器(図示せず)を光ビームの経路内に位置決めして延長した窓部の軸線に沿って光ビームを展開する。代替えとして、孔部26が概ね基板10と隣接している間は、レーザを作動して、レーザビーム42を生成することもできる。
【0031】
CMP装置20は、光学断続器等の位置センサ160を含み、窓部36が基板付近にある場合に感知することもできる。例えば、光学断続器を、キャリアヘッド80に対向する固定点に取り付けることもできる。フラグ162をプラテンの外周に取り付ける。窓部36が基板10の下を掃引する間にセンサ160の光学信号にフラグが割り込むように、フラグ162の取り付け位置及び長さを選択する。フラグ162はまた、窓部36がキャリアヘッド80の下を掃引する直前から直後まで、光学信号に割り込むこともできる。
【0032】
加工においては、CMP装置20は、光学監視装置40を用いて、基板表面から除去された材料の量を判定したり、あるいは、いつ基板が平坦化されたかを判定したりする。汎用プログラム可能デジタルコンピュータ48を、レーザ44と検出器46とセンサ160とに連結する。コンピュータ48をプログラムして、基板が窓部と概ね重なる時にレーザを作動させて、検出器からの強度測定値を保存して、出力装置49に強度測定値を表示し、強度測定値を放射状範囲に選別して、終点検出論理を計測した信号に当てはめて研磨終点を検出する。
【0033】
図3を参照すると、基板10は、シリコンウェーハ12と、それ自体が異なる屈折率又は反射率を有する半導体、導体又は絶縁体層であるパターン化された基底層14上に形成された、半導体、導体又は絶縁体層16とを含むことができる。異なる屈折率又は反射率を有する基板の異なる部分を研磨する際に、検出器46からの信号出力は時間とともに変化する。例えば、金属層が研磨されて酸化層又は窒化層が露出する場合には、基板の反射率は低下する。あるいは、誘電層が研磨される際には、天面及び底面からの反射により、可変干渉信号が生成される。検出器46の時間可変出力については、in−situ反射測定トレース(又は単に反射トレース)と呼ぶ。以下に述べるように、この反射トレースを用いて、金属層研磨加工の終点を判定することもできる。
【0034】
図4を参照すると、プラテンとキャリアヘッドの直線掃引との複合回転により、窓部36(及びレーザビーム42)にキャリアヘッド80と基板10の底面を掃引経路120で掃引させる。図5を参照すると、レーザビームが基板を掃引する際に、光学監視装置40が一連の強度測定値I、I、I...I(数字Nは掃引から掃引で異なる)を生成する。光学監視装置40のサンプルレートF(強度測定値が生成されるレート)は、約500から2000ヘルツ(Hz)以上で、約0.5から2ミリ秒の間のサンプリング期間に対応する。
【0035】
窓部が基板の下を掃引する度ごとに、コンピュータ48は一連の強度測定値I、I、I...Iから一つ以上の値を抽出する。例えば、一連の強度測定値を平均して、平均強度IMEANを生成することもできる。代替えとして、コンピュータが一連の強度測定値から最小強度IMIN又は最大強度IMAXを抽出することもできる。また、コンピュータが最大強度と最小強度の差、即ち、IMAX-IMINに等しい強度差IDIFを生成することもできる。
【0036】
一連の掃引にわたりコンピュータ48により抽出された一連の値を、メモリ又は不揮発性記憶装置に保存することができる。図6を参照すると、基板の反射率の時間可変トレース60となる測定時間関数として、この一連の抽出された値(掃引一回当り一つ以上の値を抽出)を集めて表示する。この時間可変トレースについても、フィルタにかけてノイズを除去することもできる。
【0037】
研磨終点を検出するために、コンピュータ48は可変トレース60内の一連の終点基準62、64及び66を検索する。一連の三つの終点基準について図示しているが、一つ又は二つの終点基準、あるいは、四つ以上の終点基準のみが示されている。各終点基準は、一つ以上の終点コンディションを含むことができる。可能な終点コンディションには、ローカル最小値又は最大値、スロープの変化、あるいは、強度又はスロープの閾値、あるいは、それらの組み合わせを含む。終点基準は典型的には、実験、テストウェーハの終点トレース分析及び光学シミュレーションを介して、研磨装置のオペレータにより設定される。例えば、酸化膜研磨中の反射率トレースを監視する場合に、オペレータは、研磨装置に命令して、コンピュータ48が第一の最大値62と、最小値64と、第二の最大値66とを検出する場合に研磨を停止させることもできる。概して、一旦最後の終点基準が検出されたならば、研磨加工を停止する。代替えとして、最後の終点基準を検出してから事前設定した時間の間、研磨を継続して、そして停止する。
【0038】
残念ながら、いくつかの状況下では、光学検出器からの信号が弱すぎるか、あるいは雑音が多すぎてコンピュータ48が終点基準を検出しないこともある。また、弱い、あるいは、雑音が多い信号のために、終点基準検出が誤った結果になることもある(疑似正信号)。更に、時折発生するスラリ濃度の変化や欠陥ウェーハ等のために、予想通りに研磨加工が進行しない。その結果、光学検出器からの信号が、予想の反射トレースと同じにならず、終点基準が正しい基板の研磨と妥当なものでなくなることもある。これらの状況では、コンピュータ48が標準終点基準をオーバーライドして、そのかわりにトータルのデフォルト研磨時間に基づいて研磨を終了させることができる。
【0039】
終点検出手順100の詳細について、図7及び図8のフローチャートを参照して説明する。まず、一連の終点基準(例えば、ローカル最小値及び最大値、スロープの変化又は閾値)をコンピュータメモリ又は不揮発性記憶装置に格納する。また、各終点基準を時間ウィンドウに対応づける。例えば、終点基準62を、第一の時間ウィンドウTstart1からTend1までと対応づける。終点基準64を、第二の時間ウィンドウTstart2からTend2までと対応づける。終点基準66を、第三の時間ウィンドウTstrat3からTend3までと対応づける(図6を参照)。通常の研磨加工を行うと仮定する場合に、終点基準が発生する際の実験又は理論分析を介して、時間ウィンドウを初期設定してもよい。
【0040】
図7を参照すると、終点検出手順には、初期設定手順100を含めることができる。手短には、初期設定手順には、順次一連の事前設定番号がつけられた基板、例えば、五枚以上の基板を、光学監視装置を用いて順次研磨することが必要である。初期設定手順が完了するまでは、成功した光学監視又は最大研磨時間のいずれかに基づいて、研磨を停止する。初期設定手順が完了した後で、適応終点基準手順を作動させる。
【0041】
初期設定手順100では、カウンタmを初期化し(ステップ102)、第一の終点基準及び対応する時間ウィンドウTstart1からTend1までをコンピュータ48にロードする(ステップ104)。基板研磨を開始し(ステップ106)、コンピュータがタイマをスタートさせて、基板の全経過研磨時間を測定する。研磨中に、コンピュータを設定して、ロードした終点基準あるいは研磨ウィンドウの終了のいずれかを検出させる。コンピュータが時間ウィンドウのTstart(n)が開始する以前に終点基準が検出される場合か(ステップ108)、あるいは、研磨基準が検出される以前にタイマが時間ウィンドウの終了時Tend(n)に達する場合には(ステップ110)、光学監視装置により、コンピュータは時限研磨を切り替えて、停止する(ステップ112)。コンピュータが時間ウィンドウ内で終点基準を検出する場合には、次の終点基準をロードする(ステップ114)。対応する時間ウィンドウ内で光学監視装置により終点基準がすべて検出される場合には、最後の終点基準が検出される時に研磨加工を停止し(ステップ116)、カウンタmを増分する(ステップ118)。一方、終点基準のいずれかが正しく検出されない場合には、最大研磨時間Tmaxで研磨を停止し(ステップ120)、カウンタmをゼロにリセットする(ステップ122)。いずれの場合でも、次の基板研磨に進む(ステップ124)。一旦カウンタが事前設定番号、例えば、五以上に達すると(ステップ126)、以下で説明する適応終点検出手順150を作動させる(ステップ128)。
【0042】
適応終点基準手順150は、図8に図示されている。まず、第一の終点基準と対応する時間ウィンドウTstart(1)及びTend(1)とを、コンピュータ48にロードする(ステップ152)。デフォルト研磨時間Tdefaultについても、コンピュータにロードする。基板研磨を開始し(ステップ154)、コンピュータがタイマをスタートさせて、基板のトータルの経過時間を測定する。研磨中に、コンピュータを設定して、ロードした終点基準か、あるいは、終点基準用の時間ウィンドウの終了時間Tend(n)かのいずれかを検出する。
【0043】
時間ウィンドウの間に終点基準が検出される場合には、即ち、開始時間Tstart(n)(ステップ156)の後であるが終了時間Tend(n)(ステップ160)の以前に検出される場合には、終点基準を検出した時間Tdetect(n)をコンピュータに格納して、時間ウィンドウを後から調整するために用いることができる(ステップ162)。一連の終点基準が残っている場合には(ステップ164)、次の終点基準と対応する時間ウィンドウとをコンピュータ48にロードし(ステップ166)、コンピュータを設定して新しくロードした終点基準又は終了時間Tend(n)を検出する(ステップ156に戻る)。一方、これが一連の終点基準の最後である場合には、コンピュータは研磨加工を停止する(ステップ168)。この場合では、最後に検出された時間Tdetectは、基板のトータル研磨時間を表す。
【0044】
対応する時間ウィンドウの開始時間Tstart(n)以前に研磨基準が検出される場合には(ステップ156)、コンピュータは時限研磨モードに切り替えて(ステップ176)、光学監視装置には頼らない。このモードでは、一旦タイマが、デフォルト研磨時間Tdefaultに達したことを示したら、コンピュータは単に研磨加工を停止させる(ステップ178及び174)。
【0045】
終点基準が検出される前に時間ウィンドウが切れる場合には、即ち、Tend(n)が終点基準以前に検出される場合には、コンピュータがこれは一連の検出点の最後だったかどうかを判定する(ステップ172)。一連の最後の基準である場合には、最大研磨時間Tmaxに達したので、研磨を停止する(ステップ174)。最後の基準でない場合には、コンピュータは時限研磨モードに切り替えて(ステップ176)、光学監視装置により停止する。
【0046】
時限研磨モード又は最後の時間ウィンドウの終了時間Tend(n)に基づいて研磨加工を終了したと仮定すると、カウンタmをゼロにリセットして、初期設定手順100で次の基板を研磨する(ステップ184)。
【0047】
一方、光学的に検出した終点に基づいてうまく研磨加工を終了したと仮定すると、デフォルト研磨時間Tdefault及び/又は終点基準用の時間ウィンドウを調整する(ステップ180)。実行方法の一つでは、デフォルト研磨時間を、最後の成功した終点検出手順からのトータル研磨時間と等しく設定することができる。代替えとして、例えば、五から十の成功した終点検出手順で終了する研磨加工の、事前設定数のトータル研磨時間の実行平均を、コンピュータが計算することができる。この場合では、コンピュータがデフォルト研磨時間を実行平均と等しく設定することができる。これにより、成功した終点検出手順に基づいて、パッドの摩耗及びスラリの使用等の研磨パラメータの変動に対して、デフォルト研磨時間を調整することができる。そして、次の基板を適応終点検出手順150により研磨することができる(ステップ182)。
【0048】
終点基準用の時間ウィンドウについても、調整することもできる。一つ以上の以前に成功した終点検出手順からの検出時間Tdetectに基づいて、新規の時間ウィンドウを計算することができる。例えば、検出時間Tdetectに、例えば、10%のマージンをプラスするか、あるいはマイナスして、開始時間及び終了時間を計算することができる。このマージンを事前設定することができるし、検出時間の差を用いてこのマージンを変更することもできる。例えば、Tdetect1-Tdetect2の差が増加する場合には、開始時間と終了時間との間のウィンドウについても増加するようにマージンを増やすことができる。
【0049】
図9を参照すると、代替えの適応終点検出手順200が図示されている。この終点検出手順は、適応終点検出手順150と同じであるが、光学監視装置が不良であった後でも光学監視装置を用いて終点を検索し続けるものである。この終点検出手順は、研磨コンディションが比較的安定していて、且つ、光学監視装置の主な問題が信号を妨害するノイズである場合に適当である。
【0050】
まず、第一の終点基準と、対応する時間ウィンドウTstart(1)とTend(1)とをコンピュータ48にロードする(ステップ152’)。デフォルト研磨時間Tdefaultについても、コンピュータにロードする。基板研磨を開始し(ステップ154’)、コンピュータがタイマをスタートさせて基板のトータル経過研磨時間を測定する。研磨中に、コンピュータを設定してロードした終点基準、デフォルト研磨時間Tdefaultの終了又は終点基準用の時間ウィンドウの終了時間Tend(n)を検出する。時間ウィンドウの開始時間Tstart(n)以前に終点基準が検出される場合には(ステップ202)、これが最後の終点基準でないなら(ステップ204)、次の終点基準をロードする(ステップ166’)。これが最後の終点基準ならば、光学監視装置が時限研磨モードに切り替えて、デフォルト研磨時間Tdefaultを検出し(ステップ206)、デフォルト研磨時間Tdefaultの終了に基づいて、研磨を停止する(ステップ174’)。開始時間Tstart(n)以前に研磨基準が検出されないが、終点基準が検出される以前にタイマがデフォルト研磨時間Tdefaultに達する場合には(ステップ208)、デフォルト研磨時間Tdefaultに基づいて研磨を停止する(ステップ174’)。終点基準が検出される前に時間ウィンドウの終了時間Tend(n)が発生し(ステップ212)、これが最後の終点基準でない場合には(ステップ214)、次の終点基準をロードする(ステップ166’)。終点基準が検出される前に時間ウィンドウの終了時間Tend(n)が発生して、これが最後の終点基準である場合には、終了時間Tend(n)に基づいて研磨を停止する(ステップ174’)。研磨ウィンドウ内で研磨基準が検出される場合には(ステップ218)、終点基準が検出される検出時間Tdetectを格納し(ステップ168’)、研磨ウィンドウの開始時間Tstart(n)と終了時間Tend(n)と、デフォルト研磨時間Tdefaultとを調整することができる(ステップ180’)。これが最後の研磨基準である場合には(ステップ220)、研磨を停止する。一旦研磨を停止したならば、適応終点検出手順200又は初期設定手順100のいずれかを用いて、新規の基板の処理を開始することができる(ステップ18
2’及び184’)。
【0051】
以上のことをまとめてみると、通常の研磨条件下で良好な反射率信号を用いてこの終点検出方法を用いることにより、光学監視装置で終点を通常にトリガする。しかしながら、終点基準のいずれもが予測の時間範囲内にあたらない場合には、このことは、研磨加工が異常であるか、あるいは、例えば、信号が弱すぎるか、あるいは、ノイズが入りすぎているかという理由で、光学監視装置が不良であったかのいずれかを示すものである。このような状況では、デフォルト研磨時間で終点をトリガする。成功した終点検出加工の研磨時間に基づいてデフォルト研磨時間を調整することができるので、この終点検出方法により、CMP装置の研磨コンディションの経時的変化を補償することができる。実際、適応終点検出手順150では、最後の終点基準を除くすべての終点基準がうまく検出されるのは、基板が概ね過剰研磨される状況だけである。この場合では、最大研磨時間Tmaxで研磨加工を停止する。
【0052】
もちろん、図4乃至図6のフローチャートにより示される論理を実行する可能なアルゴリズムは多くある。例えば、光学監視装置が終点基準の一つを検出しない場合には、エンド結果がデフォルト研磨時間で終点をトリガする限り(単なる最大研磨時間以外に)、ステップを別の順序で実行することができる。デフォルト時間又は時間ウィンドウの再計算を同時に発生させる必要はないが、例えば、別の基板を研磨するまで、遅延させることができる。
【0053】
任意の平均強度トレース、最小強度トレース、最大強度トレース及び差分強度トレース等の各種の終点検出アルゴリズムを実行することができる。別々の終点基準(例えば、ローカル最小値又は最大値、スロープ、あるいは、閾値に基づいて)をそれぞれの形のトレースに生成することができるし、各種のトレースの終点コンディションをブール論理で結合することができる。基板上に、複数の放射状範囲で強度トレースを生成してもよい。複数の放射上範囲での強度トレース生成方法については、1998年11月2日出願の米国特許出願第09/184,767号に記載されており、全体がここに引例として組み込まれている。
【0054】
研磨パラメータの変更をトリガすることに、終点基準を用いることもできる。例えば、光学監視装置が第二の終点基準を検出する場合には、CMP装置がスラリ組成を変更してもよい(例えば、高選択性スラリから低選択性スラリへ)。この実行方法では、各終点基準に対応していて、研磨パラメータを変更することができるデフォルト時間はTdefault(n)である。これらのデフォルト時間Tdefault(n)は、研磨終点に対するデフォルト時間Tdefaultと同じように機能することができる。特に、通常の加工では、対応する終点基準を検出すると同時に、研磨パラメータの変更をトリガすることができる。しかしながら、光学監視装置が検出できない場合には、対応するデフォルト時間Tdefault(n)で研磨パラメータの変更をトリガすることができる。上述の例を続けるには、第一の終点基準が第一の時間ウィンドウ内で検出されないか、あるいは、第二の時間ウィンドウ以前に第二の終点基準が検出されるかする場合には、スラリ組成の変更をデフォルト時間Tdefault(2)でトリガすることができる。第一の終点基準が通常のように検出されるが第二の終点基準が検出されない場合には、スラリ組成の変更を第二の時間ウィンドウの終了時間Tend2でトリガすることができる。しかしながら、それぞれの時間ウィンドウ内で第一の終点基準と第二の終点基準とが両方とも検出される場合には、研磨パラメータの変更を、第二の終点基準を検出する時にトリガする。
【0055】
酸化膜研磨加工による干渉計信号についての実行方法の一つを説明してきたが、終点検出プロセスは、金属層研磨等の他の研磨加工、反射率測定、分光測定及び偏光解析等の他の光学監視技術に適応可能である。また、光学監視装置の観点から本発明について説明してきたが、本発明の原理についても、キャパシタンス、モータ電流又は摩擦監視装置等の、他の化学機械研磨終点監視装置にも適応可能である。
【0056】
好適な実施形態の点から本発明について説明してきた。しかしながら、本発明は、図示され説明された実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲は前記特許請求の範囲により限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】化学機械研磨装置の分解斜視図である。
【図2】反射率計を含む化学機械研磨装置の側面図である。
【図3】基板に衝突して反射するレーザ光線を概略で示している、処理中の基板を示す簡単な断面図である。
【図4】キャリアヘッドの下のレーザの経路を示す概略図である。
【図5】任意の強度単位の光学監視装置による強度測定値を示すグラフである。
【図6】時間関数としての基板の反射強度トレースを示すグラフである。
【図7】終点検出装置により実行される初期設定手順を示すフローチャートである。
【図8】終点検出装置により実行される適応終点検出方法を示すフローチャートである。
【図9】終点検出装置により実行される終点検出方法の別の実行方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
10…基板
20…研磨装置
22…研磨部
23…搬送部
24…プラテン
30…研磨パッド
32…パッキング層
34…被覆層
60…回転マルチヘッドカルーセル
62…中央ポスト
64…カルーセル層
66…支持プレート
68…カバー
70…キャリアヘッド装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学機械研磨加工用の、コンピュータにより実施される終点検出方法であって、
第一の終点基準と、第一の終点基準用の第一の時間ウィンドウと、第二の終点基準とを格納するステップと;研磨終点検出装置から信号を受信するステップと、
第一の終点基準用の信号を監視するステップと、
第一の終点基準が第一の時間ウィンドウ内で検出されない場合には、デフォルト研磨時間で研磨を停止するステップと、
第一の終点基準が第一のウィンドウ内で検出される場合には、第二の終点基準用の信号を監視し、第二の終点基準が検出される場合に研磨を停止するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
第二の終点基準用の第二の時間ウィンドウを格納するステップを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第二の時間ウィンドウ以前に第二の終点基準が検出される場合には、デフォルト研磨時間で研磨を停止する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第二の終点基準が検出されない場合には、第二の時間ウィンドウの終了時に研磨を停止する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
第三の終点基準と、第一の時間ウィンドウ以前に設置される、第三の終点基準用の第三の時間ウィンドウとを格納するステップを更に備える、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
第三の終点基準が第三の時間ウィンドウ内で検出されない場合には、デフォルト研磨時間で研磨を停止する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第二の終点基準が検出される検出時間を格納するステップを更に備える、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
第二の終点基準が第二の時間ウィンドウ内で検出される場合には、デフォルト研磨時間を変更するステップを更に備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第一の終点基準が検出される検出時間を格納するステップを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
第一の終点基準が第一の時間ウィンドウ内で検出される場合には、第一の時間ウィンドウを変更するステップを更に備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
終点検出装置が、基板を光学的に監視する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
研磨加工が、基板上の金属層を研磨する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
研磨加工が、基板上の誘電層を研磨する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
複数の連続する基板にわたって、第一の終点基準が第一の時間ウィンドウ内で検出され、第二の終点基準が第二の時間ウィンドウ内で検出された後に、終点検出方法を実行する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
化学機械研磨加工用の、コンピュータにより実施される終点検出方法であって、
a)それぞれ時間ウィンドウに対応し、Nが2以上である、一連のN個の終点基準を格納するステップと、
b)研磨終点検出装置から信号を受信するステップと、
c)一連の終点基準用の信号を監視するステップと、
d)対応する時間ウィンドウ内で終点基準が検出されるかどうかを判定するステップと、
e)対応する時間ウィンドウ内で終点基準が検出された場合には、次の一連の終点基準用の信号を監視するステップと、
f)i)対応する時間ウィンドウ内で終点基準のうちの一つが検出されなければ、デフォルト研磨時間で研磨を停止するか、あるいは、
ii)対応する時間ウィンドウ内で最後の終点基準を検出するまで、ステップd)とステップe)とを繰り返して、最後の終点基準の検出に基づいて研磨を停止するステップと、
を備える方法。
【請求項16】
基板を研磨面に接触させるステップと、
基板と研磨面との間に相対運動を生じさせるステップと、
第一の終点基準と、第一の終点基準用の第一の時間ウィンドウと、第二の終点基準とを格納するステップと、
光線を向けて研磨される基板表面に衝突させる光学監視装置からの信号を受信するステップと、
第一の終点基準用の信号を監視するステップと、
第一の終点基準が第一の時間ウィンドウ内で検出されない場合には、デフォルト研磨時間で研磨を停止するステップと、
第一の終点基準が第一の時間ウィンドウ内で検出される場合には、第二の終点基準用の信号を監視して、第二の終点基準が検出された時に研磨を停止するステップと、
を備える、化学機械研磨方法。
【請求項17】
基板を研磨面に接触させるステップと、
基板と研磨面との間に相対運動を生じさせるステップと、
それぞれ時間ウィンドウの一つに対応している複数の終点基準と、複数の時間ウィンドウと、デフォルト研磨時間とを格納するステップと、
終点基準用に終点検出装置から信号を監視するステップと、
終点基準が検出される時間を格納するステップと、
デフォルト研磨時間のうちの一つの後に、或いは終点基準の最後を検出後に、研磨を停止するステップと、
少なくとも終点基準が検出された時間のうちの一つに基づいて、デフォルト研磨時間及び時間ウィンドウのうちの少なくとも一つを調整するステップと、
を備える、化学機械研磨方法。
【請求項18】
それぞれ終点基準が対応する時間ウィンドウ内で検出される場合に、調整ステップが発生する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
調整ステップが、デフォルト研磨時間を終点基準の最後が検出される時間と等しく設定するステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
調整ステップが、デフォルト研磨時間を複数の基板における終点基準の最後の検出時間の平均と等しく設定するステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
調整ステップが、時間ウィンドウに対応する終点基準の検出時間に基づいて時間ウィンドウを設定するステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
設定ステップが、検出時間とマージンとから開始時間と終了時間とを計算するステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
マージンは予め設定されたパーセンテージである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
マージンが、二つの終点基準の検出時間の差から判定される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
調整ステップは、複数の連続する基板にわたり対応する時間ウィンドウ内でそれぞれ終点基準が検出された後に実行される、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
a)研磨面と、
b)基板を研磨面と接触させておくキャリアヘッドと、
c)研磨面とキャリアヘッドのうちの一つに連結して、研磨面と基板との間に相対運動を生成するモータと、
d)終点監視装置と、
e)i)第一の終点基準と、第一の終点基準用の第一の時間ウィンドウと、第二の終点基準とを格納し、
ii)監視装置から信号を受信し、
iii)第一の終点基準用の信号を監視し、
iv)第一の終点基準が第一の時間ウィンドウ内で検出されない場合には、デフォルト研磨時間で研磨を停止し、
v)第一の終点基準が第一の時間ウィンドウ内で検出される場合には、第二の終点基準用の信号を監視して、第二の終点基準が検出された時に研磨を停止するように構成された、制御装置と、
を備える、化学機械研磨装置。
【請求項27】
終点監視装置が、研磨中に光線を向けて基板表面に衝突させる、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
制御装置が、第二の終点基準用の第二の時間ウィンドウを格納するように構成されている、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
制御装置が、第二の時間ウィンドウ以前に第二の終点基準が検出される場合には、デフォルト研磨時間で研磨を停止するように構成されている、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
制御装置が、第二の終点基準が検出されない場合には、第二の時間ウィンドウの終了時に研磨を停止するように構成されている、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
化学機械研磨加工用の、コンピュータにより実施される終点検出方法であって、
第一の基準と、第一の基準用の第一の時間ウィンドウと、第二の基準とを格納するステップと、
研磨終点検出装置から信号を受信するステップと、
第一の基準用の信号を監視するステップと、
第一の基準が第一の時間ウィンドウ内で検出されない場合には、デフォルト研磨時間で化学機械研磨加工の研磨パラメータを変更するステップと、
第一の基準が第一の時間ウィンドウ内で検出される場合には、第二の基準用の信号を監視し、第二の基準が検出された時に研磨パラメータを変更するステップと、
を備える方法。
【請求項32】
化学機械研磨加工用の、コンピュータにより実施される終点検出方法であって、
終点基準と終点基準用の時間ウィンドウとを格納するステップと、
研磨終点検出装置から信号を受信するステップと、
終点基準用の信号を監視するステップと、
終点基準が時間ウィンドウ以前に検出される場合には、デフォルト研磨時間で研磨を停止するステップと、
終点基準が時間ウィンドウ内で検出される場合には、終点基準が検出された時に研磨を停止するステップと、
を備える方法。
【請求項33】
終点基準が、時間ウィンドウが終了する前に検出されない場合には、時間ウィンドウの終了時に研磨を停止するステップを更に含む、請求項32に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−258985(P2011−258985A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−191865(P2011−191865)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【分割の表示】特願2001−20193(P2001−20193)の分割
【原出願日】平成13年1月29日(2001.1.29)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】