説明

化粧品組成物

本化粧品組成物は、a)約0.1%〜約15%の、乳化架橋シロキサンエラストマーと、b)約0.1%〜約10%の、ポリグリセリン単位を有する非架橋シリコーン乳化剤と、c)約1%〜約50%の、乳化架橋シロキサンエラストマー用の溶剤と、d)約0.05%〜約10%の、両親媒性活性物質と、e)水と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリグリセリン単位を有する非架橋シリコーン乳化剤とスキンケア活性物質とを含むスキンケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
哺乳類ケラチン組織、特にヒトの皮膚は、外部要因及び内部要因の両方によりさまざまな損傷を受ける。このような外部要因には、紫外線、環境汚染、風、熱、赤外線、低湿度、強力な界面活性剤、研磨剤などが挙げられる。一方で、内部要因には、経年的老化及び皮膚内からの他の生化学的変化が挙げられる。外部にせよ内部にせよ、これらの要因が、目に見える皮膚損傷の徴候をもたらす。老化又は損傷した皮膚で見られる典型的な皮膚損傷には、小じわ、しわ、過度の色素沈着、血色の悪さ、たるみ、目の下のクマ、腫れぼったい目、毛穴の広がり、代謝回転の速度の低下、及び異常な落屑若しくは剥離が挙げられる。外部要因及び内部要因の両方に起因して生じる他の損傷には、可視の死んだ皮膚(すなわち、剥離、鱗屑、乾燥、荒れ)が挙げられる。
【0003】
最近では、皮膚、毛髪、及び爪のようなケラチン組織の健康及び物理的外観を改善することを目的とする、消費者が入手できる多数のパーソナルケア製品がある。これらの製品の大部分は、典型的に皮膚の老化又はヒトの皮膚に対する環境被害に関連付けられる皮膚のしわ及び他の組織構造の変化を遅らせ、最少化し、又は更には取り除くことを目的とする。消費者は局所塗布製品を好むが、それは、こうした製品が有効であるだけでなく、安全でもあり、使用するのに好ましいからである。このような局所製品の塗布において、こうした製品は流れるべきではなく、べたっとしているべきでもない。
【0004】
一部の有効なスキンケア活性物質は、通常は塩形態物質又は両親媒性物質であり、特に水性環境で配合するのが難しいことが知られているが、それは、これらの物質が組成物の増粘能力を弱め、最終的には、有意な粘性低下又は組成物内での相分離を生じているからである。増粘剤の添加、又は、組成物中の増粘剤の濃度の増加は、製剤の堅牢性を高めることができるが、通常、肌触りの劣化及び皮膚内への吸収感の低下を伴う恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上に基づくと、製品安定性及び感覚容認度を劣化させることなく皮膚活性物質の安定した送達を提供できるスキンケア組成物を配合する必要が引き続き存在することになる。
【0006】
既存の技術には、本発明の利点及び利益の全てを提供するものは存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、a)約0.1%〜約15%の乳化架橋シロキサンエラストマーと、b)約0.1%〜約3%の、ポリグリセリン単位を有する非架橋シリコーン乳化剤と、c)約1%〜約50%の、乳化架橋シロキサンエラストマー用の溶剤と、d)約0.05%〜約10%の両親媒性活性物質と、e)水と、を含む化粧品組成物に関する。
【0008】
本発明は更に、このような組成物を使用して、皮膚の状態を調節する方法に関し、この方法は、処置の必要があるヒトの皮膚に塗布する工程を含む。
【0009】
本開示を読むことで、本発明のこれら及び他の特徴、態様及び利点が、当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書は、本発明を詳細に示し、かつ、明確に請求することによって結論付けられるが、本発明は次の記述によって更によく理解されるものと考えられる。
【0011】
「スキンケア製品」は、本明細書で使用するとき、皮膚を処置若しくは手入れするため、又は何らかの形で保湿、改善、若しくは清潔にするために使用されるものである。「スキンケア製品」という句によって意図される製品には、保湿剤、パーソナルクレンジング製品、密封性貼付剤、マニキュア液、粉末、拭き取り用品、ヘアコンディショナー、皮膚トリートメントエマルション、シェービングクリーム及びこれらに類するものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
本発明の組成物は、本発明の構成成分並びに本明細書で記載されるその他の成分を含むことができ、それらから本質的になることができ、又はそれらからなることができる。
【0013】
用語「周囲条件」は、本明細書で使用するとき、特に指定のない限り、約1気圧、相対湿度約50%でかつ約25℃である周囲条件を指す。
【0014】
用語「両親媒性活性物質」は、本明細書で使用するとき、親水性部分と疎水性部分の両方を有し、水性環境においては負又は正に帯電した形態である構成成分を指す。
【0015】
用語「ケラチン組織」は、本明細書で使用するとき、哺乳類(例えば、ヒト、イヌ、ネコなど)の最外保護外皮として配置されるケラチン含有層を指し、皮膚、唇、毛髪、足の爪、指の爪、角皮、ひづめなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
用語「安全かつ有効な量」は、本明細書で使用するとき、本明細書で開示する個々の利益又はその利益の組み合わせを含む、肯定的利益、好ましくはケラチン組織の外観又は感触の肯定的利益、又は毛髪の外観又は感触の肯定的利益を顕著に生じさせるのに十分であるが、重篤な副作用を十分避けるだけの少ない化合物又は組成物の量、すなわち、当業者の健全な判断の範囲内で妥当なリスク対効果比を提供する量を意味する。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「皮膚の状態を調節する」とは、例えば、より滑らかな外観及び/又は感触などの利益を提供することによって、皮膚外観及び/又は感触を向上させることを意味する。利益は、長期にわたる利益であり得、以下のもののうちの1つ以上を挙げてもよい:しわ及び粗く深い線、細かい線、割れ目、瘤、及び大きい毛穴の外観を減少させること;ケラチン組織を肥厚させること(例えば、皮膚、毛髪、又は爪萎縮を低減する、皮膚の表皮及び/又は真皮及び/又は皮下層及び必要に応じて爪及び毛幹のケラチン層の構築);真皮−表皮の境界の回旋(乳頭間隆起としても既知)を増加させること;例えば、機能的皮膚エラスチンの損失、損傷、及び/又は不活性化に起因する、弾力線維症、弛み、皮膚又は毛髪の変形からの反跳の損失のような状態をもたらす、皮膚又は毛髪弾性の損失を防止すること;セルライトを減少させること;皮膚、毛髪、又は爪の着色、例えば目の下の周り、斑点(例えば、酒さに起因するむらのある赤色着色)、黄ばみ、色素沈着過剰により引き起こされる変色等を変化させること。
【0018】
全ての百分率、割合及び比率は、特に指定のない限り、本発明のスキンケア組成物の全体の重量に基づく。列挙する成分に関連するこのような全ての重量は、活性レベルに基づくので、特に指定しない限り、市販の物質に包含される場合があるキャリア又は副生成物を包含しない。
【0019】
本発明の組成物は、皮膚の状態を調節し、及びとりわけケラチン組織の状態を調節するために有用である。
【0020】
本発明の組成物は、安定性、重大な(使用者の許容不可能な)皮膚の炎症がないこと及び良好な審美性を含む、追加の利益を提供する。
【0021】
いくつかの実施形態では、本明細書の組成物は、油中水型エマルションの形態であり、乳化架橋シロキサンエラストマーと、ポリグリセリン修飾非架橋シリコーン乳化剤と、乳化架橋シロキサンエラストマー用の溶剤と、両親媒性活性物質と、水と、を含有する。
【0022】
本発明の組成物は、所望により、非乳化架橋シロキサンエラストマー、追加の乳化剤、日焼け止め剤、及び/又は追加の油を含有する。本組成物はまた、両親媒性活性物質に加えて1種以上のスキンケア活性物質を好ましくは含有する。活性物質及びその他の成分の性質は、それらの性質に応じて、水相中へ又は本発明のエマルションの油相の1つの中へと導入することができる。
【0023】
本明細書の組成物はまた、多種多様なその他の成分を含んでもよい。本発明の組成物は以下に詳細に記載される。
【0024】
乳化架橋シロキサンエラストマー
本発明の組成物は、乳化架橋シロキサンエラストマーを含む。乳化架橋シロキサンエラストマーは、本発明の組成物中に約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約0.25重量%〜約10重量%、最も好ましくは約0.5重量%〜約5重量%の濃度で存在する。表示された百分率は、例えば保管又は輸送に使用される、エラストマー及び溶剤の合計量とは対照的に、乾燥エラストマーの量を指すと解釈される。
【0025】
用語「乳化架橋シロキサンエラストマー」は、本明細書で使用するとき、少なくとも1つのポリオキシアルキレン(例えば、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレン)又はポリグリセリン部分を有する架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを意味する。
【0026】
本発明における乳化架橋シロキサンエラストマーには、米国特許第5,412,002号、同第5,837,793号及び同第5,811,487号に記載されるものが挙げられる。有用な乳化架橋シロキサンエラストマーの非限定的な例は、1)ジビニル化合物から形成されたポリオキシアルキレン変性エラストマー、特に、少なくとも2つの遊離ビニル基を備え、ポリシロキサン主鎖上のSi−H結合と反応するシロキサンポリマーである。このような乳化架橋シロキサンエラストマーには、Shin−Etsuにより市販されているKSG−210、KSG−240、KSG−310、KSG−320及びKSG−330が挙げられる。別の好ましい乳化架橋シロキサンエラストマーは、Shin−Etsuから入手可能なKSG−710、KSG−810、KSG−820、KSG−830及びKSG840などの、ポリグリセリン単位で架橋したシロキサンポリマーである。
【0027】
ポリグリセリン単位を有する非架橋シリコーン乳化剤
本発明の組成物は、ポリグリセリン単位を有する非架橋シリコーン乳化剤を含む。ポリグリセリン単位を有する非架橋シリコーン乳化剤は、本発明の組成物中に約0.1重量%〜約10.0重量%、好ましくは約0.1重量%〜約5.0重量%、最も好ましくは約0.3重量%〜約3.0重量%の濃度で存在する。
【0028】
ポリグリセリン単位を有するシリコーン乳化剤には、ShinEtsuから入手可能なKF−6104及びKF−6100などの、ポリグリセリン側鎖を含むように修飾されたポリジメチルシロキサンが挙げられる。ポリグリセリン単位を有するシリコーン乳化剤の他の例には、ShinEtsuから入手可能なKF−6105などの、アルキル鎖並びにポリグリセリン単位を含むように修飾されたシリコーン乳化剤を含む。
【0029】
乳化架橋シロキサンエラストマー用の溶剤
本発明の組成物は、乳化架橋シロキサンエラストマー用の溶剤を含む。本発明の化粧品組成物内の溶剤濃度は、主として、用いられる溶剤及び乳化架橋シロキサンエラストマーの種類及び量によって変化する。溶剤濃度は、組成物の約1重量%〜約50重量%、好ましくは約5重量%〜約50重量%、より好ましくは約10重量%〜約40重量%であってもよい。
【0030】
溶剤は、乳化架橋シロキサンエラストマー粒子と組み合わされた場合、エラストマー粒子を懸濁かつ膨潤して、弾性のゲル様網状組織又はマトリックスを提供する。溶剤は、市販の乳化架橋シロキサンエラストマー分散体の構成成分として提供されるものに限定されない。
【0031】
乳化架橋シロキサンエラストマー用の溶剤は、周囲条件下では液体であり、一実施形態では、低粘度を有し、皮膚上での改善された広がりを提供する。
【0032】
乳化架橋シロキサンエラストマー用の溶剤は、ヒトの皮膚に局所塗布するのに好適な1種以上の液体キャリアを含んでよい。これらの液体キャリアが、約28℃〜約250℃、好ましくは約28℃〜約100℃、好ましくは約28℃〜約78℃の温度において、選択されたシロキサンエラストマー濃度にて、選択された乳化架橋シロキサンエラストマーとの間で溶液又はその他の均質な液体又は液体分散液を形成する場合、これらの液体キャリアは、有機、シリコーン含有又はフッ素含有、揮発性又は不揮発性、極性又は非極性であってよい。乳化架橋シロキサンエラストマー用の溶剤は、好ましくは約3〜約13(cal/cm30.5、更に好ましくは約5〜約11(cal/cm30.5、最も好ましくは約5〜約9(cal/cm30.5の溶解度パラメータを有する。液体キャリア又はその他の物質の溶解度パラメータ、及びその溶解度パラメータの決定方法は、化学技術分野で周知である。溶解度パラメーター及びそれらを決定するための手段の説明は、C.D.Vaughan,「Solubility Effects in Product,Package,Penetration and Preservation」103 Cosmetics and Toiletries 47〜69,October 1988;及びC.D.Vaughan,「Using Solubility Parameters in Cosmetics Formulation」,36 J.Soc.Cosmetic Chemists 319〜333,September/October,1988に記載されている。
【0033】
溶剤には好ましくは揮発性、非極性の油;不揮発性、比較的極性の高い油;不揮発性、非極性の油;及び不揮発性のパラフィン系炭化水素の油が挙げられ;それぞれ以下で更に完全に説明する。用語「不揮発性」は、本明細書で使用するとき、25℃、1気圧にて約26.7Pa(0.2mmHg)以下の蒸気圧を呈する物質、及び/又は、1気圧での沸点が少なくとも約300℃である物質を指す。用語「揮発性」は、本明細書で使用するとき、本明細書において上記で定義したように「不揮発性」に当てはまらない全ての物質を指す。用語「比較的極性の高い」は、本明細書で使用するとき、溶解度パラメータの点で極性が別の物質よりも高いことを指し、すなわち、溶解度パラメータが高いほど、液体の極性は高くなる。用語「非極性」は、典型的には、物質の溶解度パラメータが約6.5(cal/cm30.5未満であることを意味する。
【0034】
好適な非極性の揮発性油の非限定的な例は、米国特許第4,781,917号(Luebbe et al.に発行)に開示されており、イソドデカン及びイソデカン(例えば、Permethyl−99A、Presperse(商標)Inc.から入手可能)などのポリデカン並びにC7〜C15イソパラフィン(例えば、Isoparシリーズ、Exxon(商標)Chemicalsから);例えば、Dow Corning(商標)200、Dow Corning(商標)244、Dow Corning(商標)245、Dow Corning(商標)344及びDow Corning(商標)345といった様々な粘性のシクロメチコンのシリコーン油、G.E.Siliconesから市販されているシリコーン流体(例えば、SF−1204、SF−1202、GE 7207及びGE 7158);並びに、SWS−03314(SWS Silicones(商標)Corp.から市販)が挙げられる。
【0035】
本発明で有用な極性の不揮発性油には、シリコーン油、炭化水素油及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、極性の不揮発性油は、プロポキシル化度が約50未満であるC14〜C18脂肪族アルコールのプロポキシル化エーテル、C2〜C8アルコールとC12〜C26カルボン酸とのエステル(例えば、ミリスチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル)、C12〜C26アルコールと安息香酸とのエステル(例えば、Finetex(商標)により供給されるFinsolv(商標)TN)、C2〜C8アルコールとアジピン酸、セバシン酸及びフタル酸とのジエステル(例えば、セバシン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、フタル酸ジ−n−ブチル)、C6〜C26カルボン酸の多価アルコールエステル(例えば、プロピレングリコールジカプラート/ジカプリラート、イソステアリン酸プロピレングリコール)及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0036】
好適な不揮発性の非極性油の例には、これらに限定されないが、不揮発性ポリシロキサン、パラフィン系炭化水素油、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明で有用なポリシロキサンは、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー、及びこれらの混合物からなる群より選択される。有用な油の例には、Viscasil(商標)シリーズ(General Electric)、Dow Corning 200シリーズ(Dow Corning Corp.)、SF 1075メチル−フェニル流体(General Electric)及び556 Cosmetic Grade Fluid(Dow Corning Corp.)が挙げられる。
【0037】
本発明で有用な不揮発性のパラフィン系炭化水素油は、米国特許第5,019,375号(Tanner et al.に発行)に、並びに、米国特許出願公開第2003/0049212(A1)号に記載されており、鉱油、並びに、Permethyl(商標)102A、103A及び104A(Permethyl Corporation)などの分枝鎖炭化水素;並びにEthylflo(商標)364(Ethyl Corp.)が挙げられる。
【0038】
本発明で有用な追加の溶剤は、米国特許第5,750,096号(1998年5月12日にGerald J.Guskey et al.に発行)に記載されている。
【0039】
両親媒性活性物質
本発明による組成物は、組成物の0.01重量%〜10重量%、好ましくは約0.05重量%〜5重量%、より好ましくは0.1重量%〜2重量%の両親媒性活性物質を含む。両親媒性活性物質は、水性環境で正又は負のいずれかで帯電してもよい。
【0040】
本発明の両親媒性活性物質の例には、SeppicからSepiwhite MSHとして入手可能なウンデセノイルフェニルアラニン、塩化セチルピリジニウム、グリシルリジン酸アンモニウム、グリシルリジン酸二カリウム、グリシルリジン酸二ナトリウム、グリシルリジン酸三カリウム、グリシルリジン酸三ナトリウムなどのグリシルリジン酸塩、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム、並びに、B&T SRLからOlivem 400、Olivem 450又はOlivem 460として入手可能なオリーブ油PEG−7カルボン酸ナトリウムなどのオリーブ油誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】

本発明の化粧品組成物は、組成物の好ましくは10重量%〜90重量%、より好ましくは約30重量%〜80重量%、更に好ましくは40重量%〜60重量%の水を含む。
【0042】
任意成分
非乳化架橋シロキサンエラストマー
本発明の組成物は、所望により、非乳化架橋シロキサンエラストマーを含有することができる。用語「非乳化架橋シロキサンエラストマー」は、本明細書で使用するとき、ポリオキシアルキレン単位又はポリグリセリン単位が存在しない、架橋オルガノポリシロキサンエラストマーのことである。
【0043】
本明細書で使用される非乳化架橋シロキサンエラストマーの非限定的な例には、Dow Corning(商標)(DC 9040及びDC 9041)、General Electric(商標)(SFE 839)、Shin−Etsu(商標)(KSG−15、16、18[ジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマー])及びGrant Industries(GRANSIL(商標)ラインのエラストマー)などの様々な供給元により供給されるジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーが挙げられる。本発明で有用な架橋シロキサンエラストマー及びそれらの製造方法については、米国特許第4,970,252号(Sakuta,et al.)、米国特許第5,760,116号(Kilgour,et al.)、及び米国特許第5,654,362号(Schulz,Jr.,et al.1997年8月5日発行)に更に記載されている。本発明で有用な他の架橋オルガノポリシロキサンエラストマーは、ポーラ化成工業株式会社に譲渡された日本特許出願公開昭61−18708に開示されている。更に、好適なオルガノポリシロキサンエラストマー粉末には、KSP−100、KSP−101、KSP−102、KSP−103、KSP−104、KSP−105(Shin−Etsu(商標)などのビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマー;KSP−200(Shin−Etsu(商標))などのフルオロアルキル基を含むハイブリッドシリコーン粉末;並びにKSP−300(Shin−Etsu(商標))及びDC−9506(Dow Corning(商標))などのフェニル基を含むハイブリッドシリコーン粉末が挙げられる。
【0044】
いくつかの実施形態では、組成物は、その組成物の約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約0.1重量%〜約5重量%、最も好ましくは約0.1重量%〜約2重量%の非乳化架橋シロキサンエラストマーを含有してもよい。
【0045】
追加の乳化剤
本発明の組成物は、所望により、追加の乳化剤を含有することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、その組成物の約0.01重量%〜約5重量%、好ましくは約0.01重量%〜約3重量%の追加の乳化剤を、より好ましくは約0.1重量%〜約3重量%の追加の乳化剤を含有してもよい。追加の乳化剤は、存在する場合には、油相内への水相の分散及び懸濁を助けることができる。
【0046】
選択された乳化剤が、本発明の組成物の構成成分と化学的かつ物理的に適合性があり、所望の分散特性を提供することを条件に、既知の又は従来の乳化剤を組成物に使用することができる。好適な乳化剤は、例えば、米国特許第3,755,560号(1973年8月28日発行、Dickert et al.)、米国特許第4,421,769号(1983年12月20日発行、Dixon et al.)及びMcCutcheon’s Detergents and Emulsifiers,North American Edition,pages 317〜324(1986)に記載されている。非イオン性乳化剤の非限定的な例は、C10〜C22脂肪族アルコール及び脂肪酸、並びにソルビタンを主成分としたアルコキシル化化合物である。このような物質は、例えば、Neodolの商標でShell Chemical Companyから市販されており、Pluronicの商標でBASF Corporationから販売されている、ポリオキシプロピレンとポリオキシエチレンとのコポリマーも有用である。Henkel Corporationから入手可能なアルキルポリグリコシドもまた、本発明の目的のために利用してよい。アニオン性乳化剤又はアニオン性界面活性剤には、脂肪酸石鹸、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホネート、モノ−及びジ−アルキル酸ホスフェート及び脂肪族アシルイセチオン酸ナトリウムが挙げられる。両性乳化剤又は両性界面活性剤には、ジアルキルアミンオキシドや様々な種類のベタイン(コカミドプロピルベタインなど)のような物質が挙げられる。
【0047】
一実施形態では、追加の乳化剤は、シリコーン乳化剤である。多種多様なシリコーン乳化剤が、本明細書において有用である。これらのシリコーン乳化剤は、典型的には、有機的に改質されたシロキサンであり、当業者にはシリコーン界面活性剤としても既知である。有用なシリコーン乳化剤には、ジメチコンコポリオールが含まれる。これらの物質は、ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、これらの鎖の混合物などのポリエーテル側鎖、並びにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの両方に由来する部分を含有するポリエーテル鎖、を包含するように変性されたポリジメチルシロキサンである。他の例には、アルキル変性ジメチコンコポリオール、すなわち、C2〜C30のペンダント側鎖を含有する化合物が挙げられる。更に他の有用なジメチコンコポリオールには、様々な陽イオン性、陰イオン性、両性、及び双性イオン性のペンダント部分を有する物質が挙げられる。
【0048】

本発明の組成物は、乳化シロキサンエラストマー用の溶剤ではない、少なくとも1種の他の油を含有してもよい。本発明において、極性油から非極性油までの広範囲の油を、内油相及び/又は外油相構成成分のための他の油として使用することが可能である。本発明における他の油には、炭化水素油及びワックス、脂肪族アルコール及び脂肪酸誘導体、コレステロール、コレステロール誘導体、ジグリセリド、トリグリセリド、植物油、植物油誘導体、アセトグリセリドエステル、アルキルエステル、アルケニルエステル、ラノリン、ワックススエステル、塩、異性体及びその誘導体、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
本明細書で用いるのに好適な炭化水素油及びワックスの非限定例には、ペトロラタム、鉱油、微晶性ワックス、ポリアルケン、パラフィン、イソパラフィン、分枝鎖軽質パラフィン、ポリエチレン、スクアラン、ペルヒドロスクアレン、並びにイソプロピルミリステート、セチルイソオクタノエート、及びグリセリルトリオクタノエートなどのエステル油、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
スキンケア活性物質
本発明の組成物は、少なくとも1種のスキンケア活性物質を含んでもよい。理論に束縛されるものではないが、本発明の組成物は種々の活性物質を配合することで汎用性を与えると考えられる。
【0051】
しかしながら、本発明のいかなる実施形態においても、本明細書で有用な活性物質は、それらが提供する効果又は前提とされるそれらの作用機序によって分類することができる。ただし、本明細書で有用な活性物質は、場合によっては、2つ以上の効果をもたらすことができるか、又は2つ以上の作用機序を介して機能できると解されるべきである。したがって、本明細書の分類は便宜上実施されたものであって、活性物質を、列挙した特定の1つ又は複数の用途に制限しようとするものではない。
【0052】
ビタミンB3化合物
ナイアシンアミドなどのビタミンB3化合物は、本明細書に用いるのに好ましいスキンケア活性物質である。本発明は、好ましくは約0.1%〜約30%、より好ましくは約1%〜約20%、更に好ましくは約2%〜約10%のビタミンB3化合物を含む。
【0053】
本発明で使用する場合、「ビタミンB3化合物」とは、次式を有する化合物を意味する:
【0054】
【化1】

式中、Rは−CONH2(すなわち、ナイアシンアミド)、又は−COOH(すなわち、ニコチン酸)又は−CH2OH(すなわち、ニコチニルアルコール)、これらの誘導体、及び上記いずれかの塩である。前述のビタミンB3化合物の代表的な誘導体には、非血管拡張性のニコチン酸のエステル(例えば、トコフェリルニコチネート)、ニコチニルアミノ酸、カルボン酸のニコチニルアルコールエステル、ニコチン酸−N−オキシド、及びナイアシンアミド−N−オキシドなどのニコチン酸エステルが挙げられる。
【0055】
美白剤
本組成物は美白剤を含有してもよい。本明細書において有用な美白剤とは、皮膚の外観を改変するだけでなく、処置前と比較して、異常な色素沈着を更に改善する活性成分を指す。本明細書で有用な美白剤には、アスコルビン酸化合物、ビタミンB3化合物、アゼライン酸、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸とその誘導体、ヒドロキノイン(hydroquinoine)、コウジ酸、アルブチン、クワ抽出物、テトラヒドロクルクミン、及びこれらの混合物が挙げられる。美白剤の混合使用はそれらが異なった機構による美白効果を提供できる点でも有利であると考えられる。
【0056】
使用する場合、組成物は好ましくは、組成物の約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約5重量%の美白剤を含有する。
【0057】
アスコルビン酸化合物は有用な美白剤であり、アスコルビン酸化合物には式(I)を有する化合物、これらの塩、及びこれらの誘導体が挙げられる。
【0058】
【化2】

式中、V及びWは独立して−H又は−OHであり、R1は−CH(OH)−CH2OHである。好ましくは、本明細書で有用なアスコルビン酸化合物は、アスコルビン酸塩又はこれらの誘導体であり、これには例えば、当該技術分野において周知の方法で調製したナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アンモニウム、及びプロタミン塩などの、当業者に公知の無毒性アルカリ金属、アルカリ土類金属、及びアンモニウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。アスコルビン酸グルコシドは好ましい誘導体である。
【0059】
ペプチド
これらに限定されるものではないが、ジ−、トリ−、テトラ−、及びペンタペプチド、並びにそれらの誘導体などのペプチドは、本発明の組成物に安全かつ有効な量で含有させてもよい。本明細書で使用するとき、「ペプチド」という用語は、天然由来のペプチド及び合成ペプチドの両方を意味する。また、本明細書で有用なのは、ペプチドが含まれている天然由来の組成物及び市販されている組成物である。
【0060】
ペプチドは、本組成物に含有させる場合、好ましくは組成物の約1×10-6重量%〜約10重量%、より好ましくは約1×10-6重量%〜約0.1重量%、更に好ましくは約1×10-5重量%〜約0.01重量%の濃度で含有させる。
【0061】
糖アミン
本発明の組成物は、安全かつ有効な量の、アミノ糖としても知られる糖アミンを包含してもよい。本明細書で使用する時、「糖アミン」とは、6炭素の糖のアミン誘導体のことをいう。本明細書において有用な糖アミンの例にはグルコサミン、N−アセチルグルコサミン、マンノサミン、N−アセチルマンノサミン、ガラクトサミン、N−アセチルガラクトサミンが挙げられる。本明細書での使用に好ましいのはグルコサミンである。加えて、2種以上の糖アミンの組み合わせを使用してもよい。
【0062】
本発明の組成物内に含まれる場合、糖アミンは、組成物の好ましくは、約0.001重量%〜約20重量%、より好ましくは約1重量%〜約10重量%、更に好ましくは約2重量%〜約5重量%の量で含まれている。
【0063】
スキンコンディショニング剤
所望により、本発明の組成物には更に、スキンコンディショニング剤を含むことができる。これらの薬剤は、湿潤剤、剥脱剤、又は緩和剤から選択されてよい。スキンコンディショニング剤の量は、組成物に対して、約1重量%〜約60重量%、好ましくは約2重量%〜約50重量%、より好ましくは約5重量%〜約40重量%の範囲で変動してよい。
【0064】
湿潤剤は、潤いを与えたり、鱗屑を軽減させたり、皮膚から積層鱗屑が除去されるように促したりするための多価アルコールである。典型的な多価アルコールには、ポリアルキレングリコール、より好ましくはアルキレンポリオール、及びそれらの誘導体が挙げられる。例としては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、エトキシル化グリセリン、プロポキシル化グリセリン及びこれらの組み合わせである。最も好ましくは、湿潤剤はグリセリンである。
【0065】
本発明の剥脱剤は、C2〜C30のα−ヒドロキシカルボン酸、β−ヒドロキシカルボン酸、及びこれらの酸の塩から選択されてもよい。最も好ましいのは、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、及びそれらのアンモニウム塩である。
【0066】
コンディショニング剤が皮膚軟化剤である場合、それは、炭化水素、脂肪酸、脂肪アルコール及びエステルから選択されてもよい。
【0067】
油溶性化合物
用語「油溶性」は、本発明で使用するとき、無機/有機バランスを計算すると有機部分が無機部分と同じか又はそれより大きいことを意味する。油溶性化合物は、油溶性ビタミン化合物、油溶性テルペンアルコール、フィトステロール及びその誘導体から選択されてよい。
【0068】
油溶性化合物の量は、組成物に対して、約0.01重量%〜約10重量%、好ましくは約0.05重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約3重量%の範囲であってよい。
【0069】
種々の皮膚効果を提供することが当該技術分野において既知である多数のビタミンは、油溶性であり、それらの誘導体の一部又は全てが油溶性である。このような油溶性ビタミン化合物の非限定的な例には、レチノイド、ビタミンC(例えば、パルミチン酸アスコルビル)、ビタミンD、ビタミンK、ビタミンE、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書に用いるのに好ましいのは、レチノイド、ビタミンE、及びこれらの混合物である。
【0070】
本明細書で有用な油溶性テルペンアルコールには、ファルネソール、ファルネソール誘導体、ファルネソール異性体、ゲラニオール、ゲラニオール誘導体、ゲラニオール異性体、フィタントリオール、フィタントリオール誘導体、フィタントリオール異性体、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書に用いるのに好ましいのは、ファルネソールである。
【0071】
フィトステロール及びそれらの誘導体は、美白効果を提供することで知られている。油溶性フィトステロール誘導体の非限定的な例には、β−シトステロール、カンペステロール、ブラシカステロール、ルペノール、α−スピナステロール、スティグマステロール、それらの誘導体、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0072】
日焼け止め剤
本発明の組成物は、所望により、有機日焼け止め剤及び無機日焼け止め剤から選択される日焼け止め剤を含有してもよい。
【0073】
本明細書で有用な有機日焼け止め剤には、ホモサラート、オクトクリレン、オクチル−p−メトキシシンナメート、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン−3)、2−エチルヘキシル−サリチラート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0074】
本明細書で有用な無機日焼け止め剤には、以下の金属酸化物、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0075】
本発明の組成物に含まれる場合、日焼け止め剤は、好ましくは、組成物の約0.1重量%〜約20重量%、好ましくは約0.5重量%〜約10重量%、より好ましくは約1重量%〜約5重量%の量で含まれる。正確な量は、選択される1種又は複数種の日焼け止め剤、並びに所望の太陽光線保護指数(SPF)によって異なる。
【0076】
増粘剤
本発明の組成物は、実施形態によっては更に1種以上の増粘剤を含んでもよい。
【0077】
増粘剤の非限定的な部類には、以下から選択されるものが挙げられる。カルボン酸ポリマー、架橋ポリアクリレートポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、多糖及びガム。
【0078】
存在する場合、組成物は好ましくは、その組成物の約0.01重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約4重量%、一層より好ましくは約0.1重量%〜約3重量%の増粘剤を含む。
【0079】
他の任意成分
種々の追加成分を本発明の組成物に組み入れることができる。これらの追加成分の非限定的な例には、肌触り又は皮膚の外観を改質するための特定の材料、抗ニキビ活性物質、油溶性β−ヒドロキシ酸、例えば、サリチル酸及びその誘導体、キレート剤、フラボノイド化合物、抗炎症剤、抗セルライト剤、剥離活性物質、酸化防止剤/ラジカルスカベンジャー、日焼け活性物質、皮膚鎮静又は皮膚治療活性物質、例えば、パンテノン酸誘導体(パンテノール、デクスパンテノール、エチルパンテノールなど)、アロエベラ、アラントイン、ビサボロール、及びグリチルリチン酸二カリウム、抗菌剤又は抗カビ活性物質が挙げられる。
【0080】
組成物の調製
本発明による組成物は、一般に、局所塗布組成物を製造する技術分野において知られているような従来の方法によって調製される。このような方法は、通常、加熱、冷却、真空の適用などを用いて又は用いずに、成分を1つ以上の工程で混合して比較的均一な状態にするものである。
【0081】
局所使用製品
本発明の局所組成物は、顔用スキン化粧品、湿潤剤、皺緩和美容液、ローション、顔用スキンマスク、スキンローション、スキンクリーム、スキンジェル、眼用ジェル、眼用クリーム、又は任意のその他の周知の皮膚用製品若しくはトリートメントへと配合してもよい。
【0082】
1つの好ましい実施形態では、本発明の組成物は、油中水型エマルションである。
【0083】
別の好ましい実施形態では、本発明の組成物は、10,000cpsを超える粘度を有する。
【0084】
使用方法
本出願人らは、本発明の組成物が、哺乳類の皮膚の機能強化を指向する種々の用途に有用であることを見出した。本明細書で開示されかつ特許請求された組成物での使用方法には、1)皮膚への化粧品の持続性を増大させる方法;2)皮膚に潤いを与える方法;3)皮膚の自然な外観を向上させる方法;4)カラー化粧品の皮膚への塗布方法;5)しわを防止、遅延、及び/又は処置する方法;6)皮膚に紫外線保護を提供する方法;7)油の外観を防止、遅延、及び/又は制御する方法;8)皮膚の感触及び質感を改質する方法;9)均一な皮膚のトーンを提供する方法;10)クモ状血管(spider vessels)及び拡張蛇行静脈の出現を防止、遅延、及び/又は処理する方法;11)皮膚上の産毛の外観をマスキングする方法;並びに12)ざ瘡、加齢斑、ソバカス、黒子、瘢痕、目の下のくま、母斑、炎症後の色素沈着過度などを含めたヒトの皮膚における欠点及び/又は不完全さを隠す方法;が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で取り上げた各方法には、請求された組成物を皮膚に局所的に塗布することが含まれている。
【0085】
試験方法
粘度測定
製品粘度は、Helipath T−Cバー型スピンドルを用いたBROOKFIELD DV II+Viscometer(BROOKFIELD ENGINEERING LABORATORIES,INC.)のような市販の粘度計により5rpm/分、25℃にて測定される。
【実施例】
【0086】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明し、かつ、実証する。これら実施例は、例示目的のためにのみ提供され、しかも、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、それらの多くの変更が可能であることから、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0087】
油中水型エマルションのスキンケア製品は、以下の構成成分から従来の方法により調製される。
【0088】
【表1】

1.例えば、KF96A(6cs)。Shin−Etsu(日本、東京)から入手可能。
2.シクロペンタシロキサン。東芝GEから入手可能。
3.5%ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーのジメチコン溶液。Shin−Etsu(日本、東京)から入手可能。
4.25%ジメチコンPEG−10/15クロスポリマーのジメチコン溶液。Shin−Etsu(日本、東京)から入手可能。
5.PEG−10ジメチコン。Shin−Etsu(日本、東京)から入手可能。
6.ポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン。Shin−Etsu(日本、東京)から入手可能。
7.ラウリルポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン。Shin−Etsu(日本、東京)から入手可能。
8.ウンデシレノイルフェニルアラニン。Seppicから入手可能。
9.塩化セチルピリジニウム、Wako Pure Chemical Industries Ltd.から入手可能。
【0089】
【表2】

10.ジメチコン/ポリグリセリン−3クロスポリマー及びジメチコン。Shin−Etsu(日本、東京)から入手可能。
11.ラウリルジメチコン/ポリグリセリン−3クロスポリマー及び鉱油。Shin−Etsu(日本、東京)から入手可能。
12.ナトリウムPEG−7オリーブ油カルボキシレート&水:B&T SRLから入手可能。
13.酸化亜鉛、Z−Cote HP1:HP1:BASF Corp.から入手可能。
【0090】
別個の好適な容器にA相及びB相の成分を加え、好適なミキサー(例えば、アンカーブレード、プロペラブレード、IKA T25)を使用して各相を混合する。各相が均一になったら、A相を好適なミキサー(例えば、アンカーブレード、プロペラブレード、IKA T25)で混合しながら、B相をゆっくりA相に加える。バッチが均一になるまで混合を続ける。生成物を好適な容器に移す。
【0091】
選択された実施例及び比較実施例の粘度は、「粘度測定」に従って各組成物の配合完了の24時間後、並びに2週間後又は1ヵ月後に測定され、下表に要約されている。
【0092】
【表3】

【0093】
【表4】

【0094】
前述した本発明の実施例及び実施形態の詳細な記述は、単に説明のために与えるものにすぎず、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することのない多数の修正及び変更が当業者には明らかになることが理解される;そのような明らかな修正及び変更は、添付の「特許請求の範囲」に含まれるものとする。
【0095】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0096】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他の任意の参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0097】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)約0.1%〜約15%の、乳化架橋シロキサンエラストマーと、
b)約0.1%〜約10%の、ポリグリセリン単位を有する非架橋シリコーン乳化剤と、
c)約1%〜約50%の、前記乳化架橋シロキサンエラストマー用の溶剤と、
d)約0.05%〜約10%の、両親媒性活性物質と、
e)水と、を含む化粧品組成物。
【請求項2】
前記乳化架橋シロキサンエラストマーがジメチコンコポリオールクロスポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリグリセリン単位を有する非架橋シリコーン乳化剤がジメチコンコポリオールである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記乳化架橋シロキサンエラストマー用の前記溶剤が、揮発性の非極性油、不揮発性の極性油、不揮発性の非極性油、不揮発性のパラフィン系炭化水素油、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記乳化架橋シロキサンエラストマー用の前記溶剤がシリコーン油である、請求項4に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
前記両親媒性活性物質がウンデセノイルフェニルアラニン、塩化セチルピリジニウム、グリシルリジン酸塩、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム、オリーブ油PEG−7カルボン酸ナトリウム及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
前記両親媒性活性物質がウンデセノイルフェニルアラニンである、請求項6に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
前記両親媒性活性物質が塩化セチルピリジニウムである、請求項6に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
前記両親媒性活性物質がオリーブ油PEG−7カルボン酸ナトリウムである、請求項6に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
前記組成物が約0.1%〜約15%の非乳化架橋シロキサンエラストマーを更に含む、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項11】
前記組成物が、ビタミンB3化合物、美白剤、ペプチド、糖アミン、及びこれらの混合物からなる群から選択されるスキンケア活性物質を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が日焼け止め剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が10,000cpsを超える粘度を有する、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項14】
前記組成物が油中水型エマルションである、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項15】
前記組成物が水相中に前記両親媒性活性物質を含有する、請求項14に記載の化粧品組成物。
【請求項16】
ヒトの皮膚に安全かつ有効な量の請求項1に記載の組成物を塗布することを含む、皮膚の状態を調節する方法。

【公表番号】特表2012−509322(P2012−509322A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537499(P2011−537499)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【国際出願番号】PCT/US2009/063941
【国際公開番号】WO2010/059466
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】