説明

医用画像管理装置及びプログラム

【課題】外部のサーバから医用画像を取得する際に検索条件を入力する手間を低減し、読影作業を効率化する。
【解決手段】本発明に係る医用画像管理装置1によれば、サーバ2から医用画像を取得する指示が操作部14により入力された際に、制御部11により、表示部15に現在表示されている画面において読影対象の患者が指定されている状態であるか否かが判断され、読影対象の患者が指定されている状態であると判断された場合に、当該指定されている患者の患者情報を予め検索条件として条件入力欄152aに入力した状態のクエリ/リトリーブ画面152が表示部15に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像管理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療施設内又は医療施設間においては、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に則って医用画像の送受信が行われている。DICOMには、例えば、ある装置から外部のサーバ等に医用画像の問い合わせ及び取得要求を行って、外部のサーバ等が保持している医用画像を取得することができるQR(Query/Retrieve)−SCU(Service Class User)というサービスがある。
【0003】
このQR−SCUにより医用画像を取得する場合、まず表示部に検索条件を入力するための条件入力画面が表示される。表示された条件入力画面から医師等の操作者によりキーボード等を用いて患者情報、部位、モダリティ等の検索条件が手入力されると、入力された検索条件がサーバ等に送信され、検索条件に合致した医用画像の取得が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−42906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば、医師が読影画面に読影対象の患者の医用画像を表示させた状態で外部のサーバ等から医用画像を取得しようとした場合は、同一患者の同一部位を同一のモダリティで撮影した医用画像を取得して比較読影をしようとしている場合がほとんどである。
【0006】
しかしながら、従来の技術においては、このような場合においても毎回条件入力画面から患者情報、部位、モダリティ等を検索条件として一から入力しなければならず、操作が煩雑で手間がかかっていた。
【0007】
本発明の課題は、外部のサーバから医用画像を取得する際に検索条件を入力する手間を低減し、読影作業を効率化することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
医用画像を記憶するサーバと通信ネットワークを介して接続され、表示手段に表示された条件入力画面から入力された検索条件に合致する医用画像を前記通信ネットワークを介して前記サーバに問い合わせて取得する医用画像管理装置において、
操作手段と、
前記操作手段により前記サーバからの医用画像の取得の指示が入力された際に、前記表示手段に現在表示されている画面において読影対象の患者が指定されている状態であるか否かを判断し、読影対象の患者が指定されている状態であると判断した場合に、当該指定されている患者の患者情報を予め検索条件として入力した状態の前記条件入力画面を前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記制御手段は、前記表示手段に現在表示されている画面が読影画面であるか否かを判断し、読影画面であると判断した場合に、更に当該読影画面に表示されている医用画像に共通する所定項目の情報を予め検索条件として入力した状態の前記条件入力画面を前記表示手段に表示させる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記条件入力画面における検索条件は、前記操作手段により編集可能に構成されている。
【0011】
請求項4に記載の発明のプログラムは、
医用画像を記憶するサーバと通信ネットワークを介して接続され、表示手段に表示された条件入力画面から入力された検索条件に合致する医用画像を前記通信ネットワークを介して前記サーバに問い合わせて取得する医用画像管理装置に用いられるコンピュータを、
操作手段により前記サーバからの医用画像の取得の指示が入力された際に、前記表示手段に現在表示されている画面において読影対象の患者が指定されている状態であるか否かを判断し、読影対象の患者が指定されている状態であると判断した場合に、当該指定されている患者の患者情報を予め検索条件として入力した状態の前記条件入力画面を前記表示手段に表示させる制御手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、外部のサーバから医用画像を取得する際に検索条件を入力する手間を低減することができ、読影作業を効率化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態における医用画像管理システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1の医用画像管理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3(a)】図2の表示部に表示される患者情報リスト画面の一例を示す図である。
【図3(b)】図3(a)の患者情報リスト画面が開かれている状態で画像取得が指示された際に表示されるクエリ/リトリーブ画面の一例を示す図である。
【図4(a)】図3(a)の患者情報リスト画面において読影対象の患者を指定した場合の表示例を示す図である。
【図4(b)】図4(a)に示す患者情報リスト画面の状態で画像取得が指示された際に表示されるクエリ/リトリーブ画面の一例を示す図である。
【図5(a)】図2の表示部に表示される読影画面の一例を示す図である。
【図5(b)】図5(a)の読影画面が開かれている状態で画像取得が指示された際に表示されるクエリ/リトリーブ画面の一例を示す図である。
【図6】図2の制御部により実行される画像問い合わせ/取得処理を示すフローチャートである。
【図7】図6のステップS10において表示される問い合わせ結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0015】
〔医用画像管理システム100の構成〕
図1に、本実施の形態における医用画像管理システム100の全体構成例を示す。
図1に示すように、医用画像管理システム100は、医用画像管理装置1、サーバ2がLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等の通信ネットワークNを介して相互にデータの送受信が可能に接続されて構成されている。医用画像管理システム100を構成する各装置は、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じており、各装置間の通信は、DICOMに則って行われる。なお、各装置の台数は、特に限定されない。
【0016】
以下、医用画像管理システム100を構成する各装置について説明する。
医用画像管理装置1は、医療施設内に設置されたコンピュータ装置である。医用画像管理装置1は、図示しないモダリティから送信された医用画像やサーバ2の画像DB(Data Base)に保存されている医用画像を取得して、医師の読影用に表示したり、保存したりするためのコンピュータ装置である。
【0017】
図2に、医用画像管理装置1の機能構成例を示す。
医用画像管理装置1は、図2に示すように、制御部11、RAM12、記憶部13、操作部14、表示部15、通信部16等を備えて構成されており、各部はバス17により接続されている。
【0018】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、記憶部13に
記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAM12に展開し、展開されたプログラムに従って後述する画像問い合わせ/取得処理(図6参照)をはじめとする各種処理を実行する。
【0019】
RAM12は、制御部11により実行制御される各種処理において、記憶部13から読み出された制御部11で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等の一時的に記憶する。
【0020】
記憶部13は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリ等により構成さ
れる。記憶部13は、前述のように各種プログラムを記憶しているほか、医用画像を診断に適した画質に調整するための画像処理パラメータ(階調処理に用いる階調曲線を定義したルックアップテーブル、周波数処理の強調度等)等を記憶している。
【0021】
また、記憶部13は、サーバ2や図示しないモダリティから取得された医用画像を格納するための画像DB(Data Base)131を記憶している。画像DB131は、画像DB131に記憶されている医用画像に関する管理情報を格納する画像管理テーブルを有している。画像管理テーブルには、例えば、各医用画像についての管理情報が1レコードとして格納される。管理情報には、UID(受信した医用画像に付与されているUID)、患者情報(患者ID、患者氏名(漢字・カナ・ASCII)、年齢、性別等)、検査情報(検査ID、検査日時、モダリティ、検査部位、シリーズ情報等)、ファイル情報(画像ファイルのファイル名、ファイル格納場所、更新日付、ファイルサイズ等)が含まれる。本実施の形態において、医用画像には、その医用画像に関する患者情報、検査情報等の付帯情報が付帯されていることとする。
また、記憶部13は、医療施設内の受付装置(図示せず)から適宜送信される患者情報のリスト(患者情報リスト132)を記憶している。患者情報リスト132は、当日に来院した患者についての診療日、受付時間、受付番号、診療料、担当医、患者ID、患者氏名(漢字・カナ・ASCII)、性別、生年月日、年齢といった患者情報のリストである。
【0022】
操作部14は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部11に出力する。
【0023】
表示部15は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニタを備えて構成されており、制御部11から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0024】
例えば、表示部15には、操作部14から入力される指示に応じて、読影対象の患者を指定するための患者情報リスト画面150が表示される。図3(a)に、患者情報リスト画面150の一例を示す。図3(a)に示すように、患者情報リスト画面150には、患者リスト欄60、詳細情報表示欄61、「読影画面」ボタン62、「画像取得」ボタン63等が設けられている。
患者リスト欄60は、記憶部13に記憶されている患者情報リスト132が表示される領域である。患者リスト欄60に表示されたリストの中から操作部14により読影対象の患者が指定されると、図4(a)に示すように、指定された患者の患者情報の詳細が詳細情報表示欄61に表示される。
「読影画面」ボタン62は、患者リスト欄60の中から指定された患者の読影画面151に遷移することを指示するためのボタンである。「画像取得」ボタン63は、サーバ2への画像の問い合わせ及び取得(Query/Retrieve)を指示するためのボタンである。操作部14により「画像取得」ボタン63が押下されると、後述する画像問い合わせ/取得処理が実行され、サーバ2から医用画像が取得される。
【0025】
図5(a)に、読影画面151の一例を示す。読影画面151は、患者情報リスト画面150で指定された読影対象の患者の医用画像を表示し、医師が読影診断を行うための画面である。即ち、読影画面151においては、必ず読影対象の患者が指定されている状態となっている。図5(a)に示すように、読影画面151には、患者表示欄71、「画像取得」ボタン72、画像表示欄73a〜73d等が設けられている。患者表示欄71は、読影対象として指定されている患者の患者ID及び患者氏名を表示する領域である。この患者表示欄71の内容により、現在どの患者が読影対象となっているかを医師等が視認できる。画像表示欄73a〜73dは、読影対象の患者の医用画像を表示する領域である。画像表示欄73a〜73dには、図示しないモダリティから送信されてきた医用画像、サーバ2から取得された医用画像、画像DB131から読み出された医用画像等が表示される。例えば、操作部14により「画像取得」ボタン72が押下されると、後述する画像問い合わせ/取得処理が実行され、サーバ2から取得された医用画像が画像表示欄73a〜73dの空いている欄に表示される。
【0026】
通信部16は、ネットワークインターフェース等により構成され、スイッチングハブを介して通信ネットワークNに接続されたサーバ2等の外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0027】
サーバ2は、医用画像を格納するための画像DB20を備えている。画像DB20は、画像DB20に記憶されている医用画像に関する管理情報を格納する画像管理テーブルを有している。画像管理テーブルには、上述の画像DB131と同様に、各医用画像についての管理情報が1レコードとして格納される。管理情報には、UID、患者情報、検査情報、ファイル情報等が含まれる。
サーバ2は、医用画像管理装置1からの画像の問い合わせに応じて、医用画像管理装置1から送信される検索条件に合致した医用画像を画像DB20から検索してそのリストデータを問い合わせ結果として医用画像管理装置1に送信する。また、医用画像管理装置1から取得要求のあった医用画像を読み出して取得要求元の装置に送信する。このときの医用画像の問い合わせ、取得要求は、例えば、DICOM規格のサービスの一つであるQR−SCUにより行われる。
なお、サーバ2は、医用画像管理装置1が設置されている医療施設と同じ施設に設置されていてもよいし、地域のデータセンタ等の外部の施設に設置されていてもよい。
【0028】
〔医用画像管理装置1の動作〕
次に、医用画像管理装置1の動作について説明する。
図6に、医用画像管理装置1において実行される画像問い合わせ/取得処理のフローチャートを示す。画像問い合わせ/取得処理は、操作部14によりサーバ2からの画像取得が指示された際に、制御部11と記憶部13に記憶されているプログラムとの協働により実行される。サーバ2からの画像取得の指示は、上述の患者情報リスト画面150からの「画像取得」ボタン63の押下、又は読影画面151からの「画像取得」ボタン72の押下等により行うことができる。
【0029】
まず、表示部15に表示されている画面において、読影対象の患者が指定されている状態であるか否かが判断される(ステップS1)。例えば、表示部15に患者情報リスト画面150が表示されており、その患者情報リスト画面150において患者リスト欄60から操作部14により読影対象の患者が指定されている状態である場合(図4(a)参照)、又は、読影画面151が表示されている状態である場合(図5(a)参照)、読影対象の患者が指定されている状態であると判断される。
【0030】
ステップS1において、読影対象の患者が指定されている状態であると判断されると(ステップS1;YES)、表示部15に表示されている画面が読影画面151であるか否かが判断される(ステップS2)。表示部15に表示されている画面が読影画面151であると判断されると(ステップS2;YES)、読影画面151に医用画像が表示されているか否かが判断される(ステップS3)。読影画面151に医用画像が表示されていると判断されると(ステップS3;YES)、表示されている医用画像の付帯情報が取得され、表示された全ての医用画像に共通する所定項目の情報が予め検索条件に入力された状態のクエリ/リトリーブ画面152が表示され(ステップS4)、処理はステップS7に移行する。
【0031】
図5(b)に、ステップS4において表示されるクエリ/リトリーブ画面152の一例を示す。図5(b)に示すクエリ/リトリーブ画面152は、図5(a)に示す状態、即ち、CRにより撮影された胸部正面画像が2枚表示されている状態の読影画面151において画像取得が指示された場合に表示されるクエリ/リトリーブ画面152の一例を示している。クエリ/リトリーブ画面とは、サーバ2から画像取得を行う際に、患者情報、モダリティ、部位等の検索条件を入力して、この検索条件に合致する医用画像がサーバ2に存在するか否かの問い合わせ(Query)及び画像取得(Retrieve)を行う画面である。図5(b)に示すように、クエリ/リトリーブ画面152には、検索条件を入力するための条件入力欄152a、サーバ2からの問い合わせの結果を表示するための問い合わせ結果表示欄152bが設けられている。操作部14により、条件入力欄152aに検索条件が入力され、「問い合わせ」ボタン152cが押下されて問い合わせの実行が指示されると、サーバ2に対し、入力された検索条件に合致する医用画像が存在するか否かの問い合わせが行われる。
【0032】
読影画面151は、上述のように、読影対象として指定された患者の医用画像を表示する画面である。そのため、医師が読影を行う場合には、同一患者についての同一部位を同一モダリティで撮影した医用画像を複数並べて比較読影することが多い。即ち、読影画面151から画像取得を指示した場合、医師は、既に表示している医用画像と同一患者についての同一部位を同じモダリティで撮影した医用画像を取得しようとしている場合がほとんどである。そこで、ステップS4においては、画像表示欄73a〜73dに表示されている医用画像の付帯情報を取得し、表示されている医用画像の全てに共通する情報のうち所定項目(例えば、患者情報、モダリティ、部位等)の情報を取得し、この共通情報をクエリ/リトリーブ画面152の条件入力欄152aにプリセットして表示する。例えば、図5(a)の読影画面151では、読影対象として指定された患者である「田中一郎」の「CR」により撮影された「胸部正面画像」が2枚表示されているので、患者情報、モダリティ、部位の情報がそれぞれ「田中一郎」「CR」「胸部」で共通している。よって、これらの情報が条件入力欄152aに予め入力された状態のクエリ/リトリーブ画面152が表示される。これにより、医師がわざわざ患者や部位等を条件入力欄152aに入力する手間が省け、操作性、利便性が向上し、読影作業を効率化することができる。なお、読影画面151は、読影対象として指定された患者の医用画像を表示するものであるから、患者情報は最低限共通する。また、表示されている医用画像が1枚である場合は、表示されている医用画像の付帯情報のうち予め定められた項目の情報、例えば、患者情報、部位、モダリティ等が共通情報としてプリセットされる。
【0033】
ステップS2において、表示部15に表示されている画面が読影画面151ではないと判断された場合(ステップS2;NO)、又は、ステップS3において読影画面151に医用画像が表示されていないと判断された場合(ステップS3;NO)、読影対象として指定されている患者の患者情報が条件入力欄152aに予め入力された状態のクエリ/リトリーブ画面152が表示部15に表示され(ステップS5)、処理はステップS7に移行する。
【0034】
図4(b)に、ステップS5において表示されるクエリ/リトリーブ画面152の一例を示す。図4(b)に示すクエリ/リトリーブ画面152は、図4(a)に示す、読影対象の患者が指定されている状態の患者情報リスト画面150上から画像取得が指示された場合に表示されるクエリ/リトリーブ画面152の一例を示している。
患者情報リスト画面150等において読影対象の患者が指定されている場合、医師はその患者について医用画像を取得しようとしているといえる。そこで、ステップS5においては、図4(b)に示すように、指定されている患者の患者情報をクエリ/リトリーブ画面152の条件入力欄152aにプリセットして表示する。これにより、医師がわざわざ患者情報等を条件入力欄152aに入力する手間が省け、操作性、利便性が向上し、読影作業を効率化することができる。
また、読影画面151において医用画像が表示されていない場合についても同様に、読影対象として指定されている患者の患者情報がクエリ/リトリーブ画面152の条件入力欄152aに予め入力された状態で表示される。
【0035】
一方、ステップS1において、読影対象の患者が指定されている状態ではないと判断されると(ステップS1;NO)、条件入力欄152aに検索条件が何も入力されていない状態のクエリ/リトリーブ画面152が表示部15に表示され(ステップS6)、処理はステップS7に移行する。
【0036】
図3(b)に、ステップS6において表示されるクエリ/リトリーブ画面152の一例を示す。図3(b)に示すクエリ/リトリーブ画面152は、図3(a)に示す状態の、即ち、読影対象の患者が指定されていない状態の患者情報リスト画面150において画像取得が指示された場合に表示されるクエリ/リトリーブ画面152を示している。この場合、読影対象の患者がまだ特定されていないため、条件入力欄152aへの検索条件のプリセットはされない。
【0037】
図6に戻り、ステップS7においては、操作部14による条件入力欄152aの検索条件の編集(検索条件の追加、変更、削除)が受け付けられる(ステップS7)。検索条件の編集が終了し、操作部14による「問い合わせ」ボタン152cの押下により問い合わせの実行が指示されると(ステップS8;YES)、通信部16により条件入力欄152aに入力された検索条件がサーバ2に送信され、当該検索条件に合致した医用画像がサーバ2に存在するか否かの問い合わせが行われる(ステップS9)。サーバ2においては、医用画像管理装置1から送信された検索条件に合致した医用画像を画像DB20から検索してそのリストデータ(問い合わせ結果)を医用画像管理装置1に送信する。
【0038】
通信部16によりサーバ2からのリストデータが受信されると、受信されたリストデータがクエリ/リトリーブ画面152の問い合わせ結果表示欄152bに表示される(ステップS10)。
図7に、クエリ/リトリーブ画面152の問い合わせ結果表示欄152bに検索条件に合致した医用画像のリストが表示された例を示す。図7に示す検査情報リスト152b−1は、検索条件に合致した医用画像の検査情報を示したリストである。シリーズ情報リスト152b−2は、検索条件に合致した医用画像のシリーズ情報を示したリストである。
【0039】
問い合わせ結果表示欄152bに表示されたリストから操作部14により検査情報又はシリーズ情報が選択されることにより医用画像が選択され、「取得」ボタン152dが押下されると(ステップS11)、選択された医用画像の取得要求が通信部16を介してサーバ2に送信される(ステップS12)。サーバ2においては、医用画像管理装置1から取得要求のあった医用画像を読み出して医用画像管理装置1に送信する。
【0040】
通信部16によりサーバ2から医用画像が取得されると、操作部14からの操作に応じて、取得された医用画像が読影画面151に表示され(ステップS13)、画像問い合わせ/取得処理は終了する。
【0041】
なお、サーバ2から取得された医用画像については、その付帯情報の患者情報と医用画像管理装置1で取り扱われている患者情報との整合性がチェックされる。サーバ2から取得された医用画像の患者情報が医用画像管理装置1で管理している患者情報と異なる場合、例えば、患者の名前の漢字の登録が一部異なっていたり、文字のコード体系が異なっていたりする場合は、一度名称未確定の医用画像として取り込まれ、その後、ユーザの操作によって正しい患者情報に割り付けられる。これにより、医用画像管理装置1におけるデータの整合性が確保される。
【0042】
以上説明したように、本実施の形態における医用画像管理装置1によれば、操作部14によりサーバ2から医用画像を取得する指示が入力された際に、制御部11により、表示部15に現在表示されている画面において読影対象の患者が指定されている状態であるか否かが判断され、読影対象の患者が指定されている状態であると判断された場合に、当該指定されている患者の患者情報を予め検索条件として条件入力欄152aに入力した状態のクエリ/リトリーブ画面152が表示部15に表示される。
【0043】
従って、読影対象の患者が予め指定されている場合に、クエリ/リトリーブ画面152から再度患者情報を検索条件として入力する手間を省くことができ、利便性が向上する。また、読影作業を効率化することができる。
【0044】
また、表示されている画面が読影画面151である場合には、読影画面151に表示されている医用画像に共通する所定項目の情報を予め検索条件として入力した状態のクエリ/リトリーブ画面152が表示されるので、表示されている医用画像と同一患者の同一部位の同一のモダリティにより撮影された医用画像をサーバ2から取得して比較読影したい場合に、クエリ/リトリーブ画面152から再度患者情報、部位、モダリティ等を検索条件として入力する手間を省くことができ、利便性が向上する。また、読影作業を効率化することができる。
【0045】
また、クエリ/リトリーブ画面152の検索条件は操作部14により編集可能に構成されているので、例えば、読影画面に同じ症例の異なる患者の医用画像を表示して参照したいような場合には、プリセットされた患者情報を変更して所望の患者の医用画像を取得することも可能である。
【0046】
なお、上記実施の形態における記述内容は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0047】
例えば、表示されている医用画像に共通する情報のうち、検索条件にプリセットされる項目は、ユーザの操作に応じて設定できるようにしてもよい。
【0048】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてHDDや半導体の不揮発性メモリ等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0049】
その他、医用画像管理システム100を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0050】
100 医用画像管理システム
1 医用画像管理装置
2 サーバ
20 画像DB
11 制御部
12 RAM
13 記憶部
131 画像DB
132 患者情報リスト
14 操作部
15 表示部
150 患者情報リスト画面
151 読影画面
152 クエリ/リトリーブ画面
16 通信部
17 バス
60 患者リスト欄
61 詳細情報表示欄
62 「読影画面」ボタン
63 「画像取得」ボタン
71 患者表示欄
72 「画像取得」ボタン
73a〜73d 画像表示欄
152a 条件入力欄
152b 問い合わせ結果表示欄
152b−1 検査情報リスト
152b−2 シリーズ情報リスト
152c 「問い合わせ」ボタン
N 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像を記憶するサーバと通信ネットワークを介して接続され、表示手段に表示された条件入力画面から入力された検索条件に合致する医用画像を前記通信ネットワークを介して前記サーバに問い合わせて取得する医用画像管理装置において、
操作手段と、
前記操作手段により前記サーバからの医用画像の取得の指示が入力された際に、前記表示手段に現在表示されている画面において読影対象の患者が指定されている状態であるか否かを判断し、読影対象の患者が指定されている状態であると判断した場合に、当該指定されている患者の患者情報を予め検索条件として入力した状態の前記条件入力画面を前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備える医用画像管理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記表示手段に現在表示されている画面が読影画面であるか否かを判断し、読影画面であると判断した場合に、更に当該読影画面に表示されている医用画像に共通する所定項目の情報を予め検索条件として入力した状態の前記条件入力画面を前記表示手段に表示させる請求項1に記載の医用画像管理装置。
【請求項3】
前記条件入力画面における検索条件は、前記操作手段により編集可能に構成されている請求項1又は2に記載の医用画像管理装置。
【請求項4】
医用画像を記憶するサーバと通信ネットワークを介して接続され、表示手段に表示された条件入力画面から入力された検索条件に合致する医用画像を前記通信ネットワークを介して前記サーバに問い合わせて取得する医用画像管理装置に用いられるコンピュータを、
操作手段により前記サーバからの医用画像の取得の指示が入力された際に、前記表示手段に現在表示されている画面において読影対象の患者が指定されている状態であるか否かを判断し、読影対象の患者が指定されている状態であると判断した場合に、当該指定されている患者の患者情報を予め検索条件として入力した状態の前記条件入力画面を前記表示手段に表示させる制御手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図5(b)】
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【図6】
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【図7】
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【図5(a)】
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【公開番号】特開2011−2925(P2011−2925A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−144116(P2009−144116)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】