説明

医用画像表示装置及びプログラム

【課題】どの付帯情報を表示しているのかを明確にしつつ、表示する付帯情報の情報量を削減し、読影の妨げを防ぐ。
【解決手段】画像ビューワ端末40の制御部41は、画像ビューワプログラム451と協働して、ユーザの設定操作による操作部42からの操作信号に基づいて、項目名表示可否情報452を設定する。制御部41は、設定された項目名表示可否情報に基づいて、医用画像に関する一又は複数の項目に対して、表示部43に値のみを表示させるか、又は項目名と値の両方を表示させるかの表示可否を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像表示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院や診療所等の医療施設では、乳房画像撮影装置(マンモグラフィ)等の医用画像撮影装置(モダリティ)を用いて患者の撮影が行われ、医用画像(医用画像データ)が生成される。そして、この医用画像に患者情報や検査情報等を含む付帯情報が付帯され、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格に準拠したDICOM画像データが生成される。DICOMとは、医用画像の通信及び保存フォーマットに関する標準規格であり、この規格に準拠することで、異なる医療機器間での相互通信性が確保される。
【0003】
生成されたDICOM画像データは、PACS(Picture Archiving and Communication System)と呼ばれる医用画像管理システム(医用画像管理装置)に送信され、このPACSにて記憶され管理される(PACSに登録される)。そして、読影医は、画像ビューワ端末等において、これらのDICOM画像データに基づいた医用画像や付帯情報を閲覧する。
【0004】
ところで、画像ビューワ端末において付帯情報を表示する際、人名や日付等の値表現が等しい情報同士については、値のみでは何の情報か判断できず、患者や検査の取り違え等の危険が生じる。そのため、情報そのものの「値」に加え、それが何の情報かを示す「項目名」をセットで表示し、どのような付帯情報を表示しているのかを明確にする必要がある。
【0005】
例えば、画像の付帯情報を「項目名:値」の形式で表示することにより、誤解の無い情報提供を可能としている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−194704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、付帯情報の値を項目名と合わせて表示した場合、それぞれが何の情報を表すかは明確になるものの、画面における情報の表示領域が大きく、読影の妨げになる可能性がある。特に、暗い部屋で読影を行う乳房画像診断(マンモグラフィ診断)においては、文字量が多いと画面全体が眩しく感じられるため、付帯情報の表示領域を極力減らすことが望まれる。
【0008】
本発明は、上述したような課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、どの付帯情報を表示しているのかを明確にしつつ、表示する付帯情報の情報量を削減し、読影の妨げを防ぐことである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
医用画像と共に、当該医用画像に関する一又は複数の項目の項目名と値とを画面に表示する医用画像表示装置であって、
前記項目に対して、画面に値のみを表示させるか、又は項目名と値の両方を表示させるかを示す項目名表示可否情報を記憶する記憶手段と、
前記項目名表示可否情報に基づいて、前記各項目の項目名の表示可否を制御する制御手段と、
を備える。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記項目名表示可否情報の設定操作を受け付ける第1操作手段を更に備え、
前記制御手段は、前記第1操作手段からの操作信号に基づいて、前記項目名表示可否情報を設定する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記制御手段は、
前記医用画像に付帯する付帯情報と、項目名表示可否情報に含まれる適用条件情報とに基づいて、適用する項目名表示可否情報を決定し、当該決定した項目名表示可否情報に基づいて、前記各項目の項目名の表示可否を制御する。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記医用画像に関する一又は複数の項目の項目名と値の画面への表示状態の切替操作を受け付ける第2操作手段を更に備え、
前記制御手段は、前記第2操作手段からの操作信号に基づいて、前記表示状態を切り替える。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、
前記表示状態の一つは、前記制御手段により、前記項目名表示可否情報に基づく前記各項目の項目名の表示可否の制御が行われた状態である。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の発明において、
前記表示状態の一つは、前記制御手段により、全ての前記項目に対して項目名と値の両方を画面に表示させた状態である。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項4〜6の何れか一項に記載の発明において、
前記表示状態の一つは、前記制御手段により、全ての前記項目に対して値のみを画面に表示させた状態である。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項4〜7の何れか一項に記載の発明において、
前記表示状態の一つは、前記制御手段により、全ての前記項目に対して項目名と値の両方を画面に表示させない状態である。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8の何れか一項に記載の発明において、
前記医用画像は、乳房画像である。
【0018】
請求項10に記載のプログラムは、
医用画像と共に、当該医用画像に関する一又は複数の項目の項目名と値とを画面に表示するコンピュータを、
前記項目に対して、画面に値のみを表示させるか、又は項目名と値の両方を表示させるかを示す項目名表示可否情報を記憶する記憶手段、
前記項目名表示可否情報に基づいて、前記各項目の項目名の表示可否を制御する制御手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1、10に記載の発明によれば、制御手段は、医用画像に関する一又は複数の項目に対して、画面に値のみを表示させるか、又は項目名と値の両方を表示させるかを示す項目名表示可否情報に基づいて、前記各項目の項目名の表示可否を制御する。
【0020】
そのため、どの付帯情報を表示しているのかを明確にしつつ、表示する付帯情報の情報量を削減し、読影の妨げを防ぐことができる。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、ユーザが第1操作手段において項目名表示可否情報の設定操作を行い、項目名表示可否情報が設定される。
【0022】
そのため、ユーザが値のみで識別できる項目のみ、値のみ表示させることが可能なので付帯情報の表示領域を極力減らすことができる。
【0023】
請求項3に記載の発明によれば、医用画像の種類に応じて、最適な表示を行うことができる。
【0024】
請求項4、5、6、7、8に記載の発明によれば、状況に応じて、ユーザが所望する表示状態に設定することができる。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、読影の妨げをより防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】医用画像システムのシステム構成図である。
【図2】DICOM画像データのデータ構成図である。
【図3】画像ビューワ端末のブロック図である。
【図4】項目名表示可否情報のデータ構成図である。
【図5】項目名表示可否情報設定処理のフローチャートである。
【図6】項目名表示可否情報の設定例である。
【図7】医用画像表示処理のフローチャートである。
【図8】読影画面の画面例である。
【図9】読影画面の画面例である。
【図10】読影画面の画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の医用画像表示装置を図1の画像ビューワ端末40に適用した場合の実施形態について図1〜図10を参照して説明する。
【0028】
[医用画像システムのシステム構成]
先ず、画像ビューワ端末40を有する医用画像システム100の概要について図1を用いて説明する。
【0029】
図1は、医用画像システム100のシステム構成の一例を示すブロック図である。図1によれば、医用画像システム100は、RIS10と、モダリティ20と、PACS30と、画像ビューワ端末40と、から構成されている。上記の各装置はLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。
【0030】
RIS10は、放射線科部門内における診療予約、診断結果のレポート、実績管理、材料在庫管理等の情報管理を行う。RIS10は、図示しない電子カルテシステム等において生成された撮影オーダ情報をモダリティ20に送信する。
【0031】
モダリティ20は、RIS10から受信した撮影オーダ情報に従って、患者を撮影し、医用画像の画像データ(医用画像データ)を生成する医用画像撮影装置である。また、モダリティ20は、前記撮影オーダ情報に基づいて、前記画像データに関する付帯情報を生成する。そして、モダリティ20は、前記画像データ(以下、実画像データと称す。)に当該付帯情報を付帯させて、DICOM規格に則ったDICOM画像データを生成し、PACS30に送信する。モダリティ20としては、主に、CR装置(乳房画像撮影装置(マンモグラフィ))が適用可能であるが、CT装置、MRI装置等、様々な種類の医用画像を撮影する撮影装置(医用画像撮影装置)を適用してもよい。
【0032】
図2に、モダリティ20が生成するDICOM画像データのデータ構成図を示す。前述したように、DICOM画像データは、付帯情報と実画像データとから構成される。また、付帯情報は、患者情報、検査情報、シリーズ情報及び画像識別情報を含む。
【0033】
患者情報は、患者ID、患者氏名、性別、生年月日、住所、職業等の患者に関する情報である。検査情報は、検査を識別する検査ID、検査名、検査日時、受付番号、検査目的、検査内容等の検査に関する情報である。シリーズ情報は、シリーズ番号、モダリティ、手技、撮影部位、撮影方向、撮影技師名等の、一つの検査の中で生成されるモダリティ毎の一連の医用画像の単位(シリーズ)に関する情報である。画像識別情報は、画像を識別するSOPインスタンスUID、画像番号、画像サイズ等の医用画像に関する情報である。
【0034】
図1に戻り、PACS30は、モダリティ20において生成されたDICOM画像データを保存管理し、検索やデータ解析を行うデータベースシステムである。PACS30は、モダリティ20から受信したDICOM画像データに含まれる付帯情報に基づいて当該DICOM画像データを、例えば、リレーショナルデータベースに蓄積記憶していく。そして、PACS30は、読影医等の操作指示に応じて指定された患者IDや検査ID等を検索キーとしてDICOM画像データを検索し、画像ビューワ端末40やイメージャに出力する。PACS30は、患者IDや検査ID等の検索キーを含むDICOM画像データ取得要求を外部機器から受信すると、この取得要求に応じたDICOM画像データを検索して外部機器に提供(送信)する。
【0035】
画像ビューワ端末40は、医用画像を表示するビューワ機能を有しており、読影医等の読影に供する端末である。画像ビューワ端末40は、DICOM画像データ取得要求をPACS30に送信し、PACS30から取得要求に応じたDICOM画像データを取得する。そして、画像ビューワ端末40は、取得したDICOM画像データを表示する。
【0036】
[画像ビューワ端末の機能的構成]
図3に、画像ビューワ端末40の機能的構成を示す。
【0037】
図3に示すように、画像ビューワ端末40は、制御部41、操作部42、表示部43、通信部44、記憶部45を備えて構成され、各部はバス46により接続されている。
【0038】
制御部41は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、画像ビューワ端末40の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部42から入力される操作信号又は通信部44により受信される指示信号に応じて、記憶部45に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0039】
操作部42は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部41に出力する。
【0040】
表示部43は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、制御部41から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。
【0041】
通信部44は、LAN(Local Area Network)アダプタ、ルータ、TA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークNを介して接続されたPACS30等の外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0042】
記憶部45は、ハードディスク等から構成され、制御プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメータやファイル等を記憶している。
【0043】
また、記憶部45は、DICOM画像データを表示するためのプログラムである画像ビューワプログラム451を記憶する。制御部41は、画像ビューワプログラム451と協働して医用画像表示処理及び項目名表示可否情報設定処理を行う。医用画像表示処理とは、制御部41が、DICOM画像データに基づいて、医用画像とこの医用画像に関する一又は複数の項目の項目名と値とを画面に表示する処理である。医用画像表示処理及び項目名表示可否情報設定処理の詳細については後述する。
【0044】
また、記憶部45は、医用画像表示処理において用いられる項目名表示可否情報452を記憶する。項目名表示可否情報452とは、医用画像表示処理において、医用画像に関する各項目に対して、画面に値のみを表示させるか、又は項目名と値の両方を表示させるかを示す情報である。
【0045】
図4に、項目名表示可否情報452のデータ構成を示す。
【0046】
図4に示すように、項目名表示可否情報452は、項目「適用条件情報」、「値のみ表示項目」から成る一又は複数のデータオブジェクト(項目名表示可否情報オブジェクト)から構成される。
【0047】
項目「適用条件情報」とは、項目名表示可否情報452の適用条件を示す情報である。詳しくは後述する。
【0048】
項目「値のみ表示項目」とは、医用画像に関する項目のうち、値のみを表示する項目を示す一覧である。詳しくは後述する。
【0049】
図3に戻り、制御部41は、通信部44を介してPACS30からDICOM画像データを受信すると、医用画像表示処理を行う。読影医は、表示部43に表示された医用画像や付帯情報(医用画像に関する一又は複数の項目の項目名と値)を参照して、読影を行う。制御部41は、読影医の操作による操作部42からの操作信号に基づいて、医用画像表示処理を終了する。
【0050】
[項目名表示可否情報設定処理]
次に、画像ビューワ端末40の制御部41が行う項目名表示可否情報設定処理について、図5を用いて説明する。
【0051】
まず、ユーザは、操作部42に対して、項目名表示可否情報452の設定操作を行う。そして、制御部41は、操作部42からの操作信号を受け付ける(ステップS1)。
【0052】
次に、制御部41は、この操作信号に基づいて、項目名表示可否情報452を設定する(ステップS2)。以上で処理が終了する。
【0053】
図6に、実際に設定される項目名表示可否情報452の例を示す。ここで、項目名を表示する一つの表示パターンに対応する項目名表示可否情報452が、一つの項目名表示可否情報オブジェクトとなる。
【0054】
図6に示すように、項目名表示可否情報オブジェクトd1において、「適用条件情報」は、DICOM画像データの付帯情報のシリーズ情報に含まれる「モダリティ」の値が「CR」であることとなっている。また、「値のみ表示項目」は、「モダリティ」「部位」「WW/WC」となっている。
【0055】
また、項目名表示可否オブジェクトd2において、「適用条件情報」は、DICOM画像データの付帯情報のシリーズ情報に含まれる「モダリティ」の値が「CR」であり、且つ、シリーズ情報に含まれる「撮影部位」の値が「BREAST」であることとなっている。また、「値のみ表示項目」は、「モダリティ」「部位」「管電圧」「曝射量」「陽極ターゲット材料」「フィルタ材料」「乳房厚」「圧迫圧」「WW/WC」となっている。
【0056】
図5のステップS2において、制御部41は、項目名表示可否情報オブジェクトを生成したり、削除したり、内容を変更したりする。
【0057】
[医用画像表示処理]
次に、画像ビューワ端末40の制御部41が行う医用画像表示処理について、図7を用いて説明する。この医用画像表示処理は、読影医が読影を行う際に実行される。
【0058】
ユーザは、画像ビューワ端末40の操作部42に対して、項目名表示状態を設定する旨の操作を行う。ここで、項目名表示状態とは、付帯情報の表示状態である。項目名表示状態には、「全表示」「全非表示」「特定項目のみ非表示」がある。
【0059】
ここで、「全表示」とは、医用画像と共に、この医用画像に関する表示対象となる全ての項目に対して、項目名と値とを表示させる状態である。
【0060】
また、「全非表示」とは、医用画像と共に、この医用画像に関する表示対象となる全ての項目に対して、値のみを表示させる状態である。
【0061】
また、「特定項目のみ非表示」とは、医用画像と共に、項目名表示可否情報オブジェクトに基づいて、特定の項目に対して、値のみを表示させる状態である。
【0062】
制御部41は、操作部42からの操作信号に基づいて、項目名表示状態を設定する(ステップS101)。なお、制御部41は、操作部42からの操作信号によらず、デフォルトで項目名表示状態を「特定項目のみ非表示」等に設定してもよい。
【0063】
読影医は、画像ビューワ端末40の操作部42に対して、読影対象となるDICOM画像データをPACS30から取得する旨のユーザ操作を行う。そして、画像ビューワ端末40は、DICOM画像取得要求をPACS30に送信し、PACS30から取得要求に応じたDICOM画像データを受信する。
【0064】
制御部41は、通信部44を介して、DICOM画像データを取得する(ステップS102)。
【0065】
制御部41は、取得したDICOM画像データに含まれる付帯情報と、記憶部45に記憶されている項目名表示可否情報452とに基づいて、本医用画像表示処理に適用する項目名表示可否情報オブジェクトを決定する(ステップS103)。
【0066】
具体的に、記憶部45に記憶されている複数の項目名表示可否情報オブジェクト(項目名表示可否情報452)に含まれる適用条件情報を読み出す。ここでは、図6を参照して、2つの項目名表示可否情報オブジェクトd1、d2が記憶部45に記憶されているとする。そして、制御部41は、取得したDICOM画像データに含まれる付帯情報のシリーズ情報から項目「モダリティ」の値と、項目「撮影部位」の値とを読み出す。そして、制御部41は、読み出した各適用条件情報と、読み出した付帯情報とが一致するか否かを判定し、一致した適用条件情報を含む項目名表示可否情報オブジェクトを、適用するオブジェクトとして決定する。
【0067】
ここで、取得したDICOM画像データにおける項目「モダリティ」の値が「CR」、項目「撮影部位」の値が「BREAST」である場合、制御部41は、適用条件情報の項目「モダリティ」「撮影部位」の両方が一致する項目名表示可否情報オブジェクトd2を、適用するオブジェクトとして決定する。
【0068】
次に、制御部41は、取得したDICOM画像データに含まれる実画像データに基づいて、表示部43に医用画像を表示させる(ステップS104)。
【0069】
そして、制御部41は、ステップS101において設定された項目名表示状態が「全表示」であるか否かを判定する(ステップS105)。
【0070】
項目名表示状態が「全表示」である場合(ステップS105;YES)、制御部41は、医用画像に関する表示対象の全ての項目に対して、項目名と値の両方を表示部43に表示させる(ステップS106)。そして、制御部41は、操作部42からの操作信号に基づく項目名表示状態の切替要求があるか否かを判定する(ステップS110)。
【0071】
一方、項目名表示状態が「全表示」でない場合(ステップS105;NO)、制御部41は、項目名表示状態が「全非表示」であるか否かを判定する(ステップS107)。
【0072】
項目名表示状態が「全非表示」である場合(ステップS107;YES)、制御部41は、医用画像に関する表示対象の全ての項目に対して、値のみを表示部43に表示させる(ステップS108)。そして、制御部41は、操作部42からの操作信号に基づく項目名表示状態の切替要求があるか否かを判定する(ステップS110)。
【0073】
一方、項目名表示状態が「全非表示」でない場合(ステップS107;NO)、即ち、項目名表示状態が「特定項目のみ非表示」である場合(ステップS107;NO)、制御部41は、ステップS103において決定した項目名表示可否情報オブジェクトに基づいて、医用画像に関する特定の項目に対して、値のみを表示部43に表示させる(ステップS109)。
【0074】
具体的に、制御部41は、項目名表示可否情報オブジェクトd2を適用する場合、項目「モダリティ」「部位」「管電圧」「曝射量」「陽極ターゲット材料」「フィルタ材料」「乳房厚」「圧迫圧」「WW/WC」に対しては値のみを、表示対象となるその他の項目に対しては、項目名と値とを表示部43に表示させる。
【0075】
ステップS109の処理が終了すると、制御部41は、操作部42からの操作信号に基づく項目名表示状態の切替要求があるか否かを判定する(ステップS110)。
【0076】
切替要求がある場合(ステップS110;YES)、制御部41は、要求に応じた項目名表示状態(「全表示」「全非表示」「特定項目のみ非表示」)に切り替える(ステップS111)。そして、制御部41は、ステップS105の処理に戻る。
【0077】
一方、切替要求がない場合(ステップS110;NO)、制御部41は、ユーザ操作による操作部42からの読影を終了する旨の操作信号が入力されたか否かを判定する(ステップS112)。
【0078】
読影を終了する旨の操作信号が入力されていない場合(ステップS112;NO)、制御部41は、ステップS110の処理に戻る。一方、読影を終了する旨の操作信号が入力された場合(ステップS112;YES)、制御部41は、処理を終了する。
【0079】
[画面例]
図8〜図10に、制御部41が実行する医用画像表示処理により表示部43に表示される画面の画面例である。図8は、項目名表示状態が「全表示」である場合の画面例である。図9は、項目名表示状態が「特定項目のみ非表示」である場合の画面例である。また、図10は、項目名表示状態が「特定項目のみ非表示」であり、図9の項目名表示可否情報オブジェクトとは別の項目名表示可否情報オブジェクトが適用された場合の画面例である。
【0080】
図8に示すように、項目名表示状態が「全表示」である場合、表示部43には、医用画像とこの医用画像に関する表示対象となる全ての項目の項目名と値とが表示される。即ち、表示対象となる項目「患者ID」「患者氏名」「生年月日」「検査ID」「読影医師」「検査日」「モダリティ」「部位」「シリーズ番号」「画像番号」「管電圧」「曝射量」「乳房厚」「圧迫圧」「WW/WC」の項目名と値とが表示される。
【0081】
図9に示すように、項目名表示状態が「特定項目のみ非表示」である場合、表示部43には、項目名可否情報オブジェクトに基づいて、医用画像に関する特定の項目に対して値のみが表示される。ここで、項目名可否情報オブジェクトの「値のみ表示項目」を構成する項目は「モダリティ」「部位」「管電圧」「曝射量」「乳房厚」「圧迫圧」「WW/WC」である。
【0082】
また、図10では、図9と同様に、表示部43には、項目名可否情報オブジェクトに基づいて、医用画像に関する特定の項目に対して値のみが表示される。ここで、項目名可否情報オブジェクトの「値のみ表示項目」を構成する項目は「検査ID」「読影医師」「検査日」「モダリティ」「部位」「管電圧」「曝射量」「乳房厚」「圧迫圧」「WW/WC」である。
【0083】
以上、本実施形態によれば、画像ビューワ端末40の制御部41は、ユーザの設定操作による操作部42からの操作信号に基づいて、項目名表示可否情報452を設定する。制御部41は、設定された項目名表示可否情報452に基づいて、医用画像に関する一又は複数の項目に対して表示部43に値のみを表示させるか、又は項目名と値の両方を表示させるかの表示可否を制御する。
【0084】
そのため、図9や図10のように、ユーザが値のみで判別することができる項目については値のみを表示させ、ユーザが値のみで判別することができない項目については、値と項目名の両方を表示させることができる。具体的に、図9や図10の画面は、図8の画面に比べて、付帯情報の文字情報が少なくなる。
【0085】
よって、どの付帯情報を表示しているのかを明確にしつつ、表示する付帯情報の情報量を削減して画面における情報の表示領域を小さくすることができ、読影の妨げを防ぐことができる。また、暗い部屋で読影を行うマンモグラフィ診断において、ユーザが画面全体を眩しく感じてしまうことを防ぐことができる。
【0086】
また、画像ビューワ端末40の記憶部45は、一又は複数の項目名表示可否情報オブジェクトを記憶する。制御部41は、取得したDICOM画像データに含まれる付帯情報と、項目名表示可否情報オブジェクトに含まれる適用条件情報とに基づいて、適用する項目名表示可否情報オブジェクトを決定する。
【0087】
そのため、医用画像の種類に応じて、最適な表示を行うことができる。
【0088】
また、制御部41は、ユーザの設定操作による操作部42からの操作信号に基づいて、項目名表示状態(「全表示」「全非表示」「特定項目のみ非表示」)を切り替える。
【0089】
そのため、状況に応じて、ユーザが所望する表示状態に設定することができる。
【0090】
尚、本実施形態における記述は、本発明に係る医用画像表示装置の一例であり、これに限定されるものではない。システム及び各装置の細部構成及び細部動作に関しても適宜変更可能である。
【0091】
尚、項目名表示状態に、「非表示」を加えてもよい。「非表示」とは、医用画像のみを表示させる状態である。
【0092】
また、本実施形態では、プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記憶媒体、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ等を適用することが可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も適用可能である。
【符号の説明】
【0093】
10 RIS
20 モダリティ
30 PACS
40 画像ビューワ端末
41 制御部
42 操作部
43 表示部
44 通信部
45 記憶部
46 バス
100 医用画像システム
451 画像ビューワプログラム
452 項目名表示可否情報
N 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像と共に、当該医用画像に関する一又は複数の項目の項目名と値とを画面に表示する医用画像表示装置であって、
前記項目に対して、画面に値のみを表示させるか、又は項目名と値の両方を表示させるかを示す項目名表示可否情報を記憶する記憶手段と、
前記項目名表示可否情報に基づいて、前記各項目の項目名の表示可否を制御する制御手段と、
を備える医用画像表示装置。
【請求項2】
前記項目名表示可否情報の設定操作を受け付ける第1操作手段を更に備え、
前記制御手段は、前記第1操作手段からの操作信号に基づいて、前記項目名表示可否情報を設定する、
請求項1に記載の医用画像表示装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記医用画像に付帯する付帯情報と、項目名表示可否情報に含まれる適用条件情報とに基づいて、適用する項目名表示可否情報を決定し、当該決定した項目名表示可否情報に基づいて、前記各項目の項目名の表示可否を制御する、
請求項1又は2に記載の医用画像表示装置。
【請求項4】
前記医用画像に関する一又は複数の項目の項目名と値の画面への表示状態の切替操作を受け付ける第2操作手段を更に備え、
前記制御手段は、前記第2操作手段からの操作信号に基づいて、前記表示状態を切り替える、
請求項1〜3の何れか一項に記載の医用画像表示装置。
【請求項5】
前記表示状態の一つは、前記制御手段により、前記項目名表示可否情報に基づく前記各項目の項目名の表示可否の制御が行われた状態である、
請求項4に記載の医用画像表示装置。
【請求項6】
前記表示状態の一つは、前記制御手段により、全ての前記項目に対して項目名と値の両方を画面に表示させた状態である、
請求項4又は5に記載の医用画像表示装置。
【請求項7】
前記表示状態の一つは、前記制御手段により、全ての前記項目に対して値のみを画面に表示させた状態である、
請求項4〜6の何れか一項に記載の医用画像表示装置。
【請求項8】
前記表示状態の一つは、前記制御手段により、全ての前記項目に対して項目名と値の両方を画面に表示させない状態である、
請求項4〜7の何れか一項に記載の医用画像表示装置。
【請求項9】
前記医用画像は、乳房画像である、
請求項1〜8の何れか一項に記載の医用画像表示装置。
【請求項10】
医用画像と共に、当該医用画像に関する一又は複数の項目の項目名と値とを画面に表示するコンピュータを、
前記項目に対して、画面に値のみを表示させるか、又は項目名と値の両方を表示させるかを示す項目名表示可否情報を記憶する記憶手段、
前記項目名表示可否情報に基づいて、前記各項目の項目名の表示可否を制御する制御手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−67475(P2011−67475A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221829(P2009−221829)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】