説明

医療処置をゲーティングするための装置及び方法

【課題】内部マーカーを使用せずに医療処置をゲーティングするための装置及び方法を提供する。
【解決手段】医療処置を実行する方法は、複数のテンプレートを与える工程であって、その各々がひとつの画像及び治療データを有するところの工程と、取得した入力画像をひとつのテンプレートに記録する工程と、入力画像が記録されたひとつのテンプレートの治療データに基づいて医療処置を実行する工程と、から成る。医療処置を実行するための装置は、複数のテンプレートを与えるための手段であって、各テンプレートはひとつの画像及び治療データを有するところの手段と、入力画像を取得するための手段と、入力画像をテンプレートのひとつに記録するための手段と、入力画像が記録されたひとつのテンプレートの治療データに基づいて医療処置を実行するための手段と、から成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療方法及び装置に関し、特に、医療処置をゲーティングするための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線医療は、悪性腫瘍などの人体の一部に放射線を選択的に照射する治療に関する。放射線医療の目的は、悪い組織が破壊されるように標的生体組織に照射することである。放射線は診断または治療目的で組織の画像を取得するためにも使用されてきた。
【0003】
放射線治療において、標的組織の位置及び動きは、放射線が標的組織に照射されている間、X線透視画像装置のような画像装置によりモニターされる。これは、放射線が照射されている間に、標的組織が所望の位置にあることを保証するものである。しかし、様々な腫瘍の柔らかい組織は、しばしばX線透視画像では写らない。これは、X線画像に写る標的組織の前または後ろにある構造体によるものであり、その結果標的組織を区別することができないレベルまでクラッタが増加するためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第09/893,122号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
X線透視画像において標的組織を識別する際に、医者を補助するべく内部造影マーカーが使用されてきた。造影マーカーは患者の所望の場所に注射または注入され、X線透視画像の特徴が高いコントラストで表示される。X線透視画像内の内部造影マーカーの位置を観測することにより、医者は標的組織の位置を決定することができる。しかし、マーカーの注入は患者にとって押し付けがましく、すべてのケースで実行可能であるわけではない。
【0006】
したがって、内部マーカーを使用せずに医療処置をゲーティングするための装置及び方法が有用である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のひとつの態様に従い、医療処置をゲーティングするための方法が与えられる。方法は、標的領域の第1画像を取得する工程と、標的領域の第2画像を取得する工程と、第1及び第2画像に基づいて合成画像を決定する工程と、合成画像に基づいて医療処置をゲーティングする工程とを含む。ひとつの実施例において、合成画像は第2画像から第1画像を減算することにより決定される。合成画像のコントラストを観測することにより、標的領域の検出された動きの程度が決定される。例えば、合成画像のコントラストに関連する値が決定され、その後医療処置がその値に基づいてゲーティングされる。放射線治療に関して、合成画像のコントラストに関連する値がある規定の閾値を超えたとき、放射線ビームは消勢される。この方法はマーカーに使用を必要とせず、既存の画像装置を使って容易に実行可能である。
【0008】
本発明の他の態様に従い、医療処置をゲーティングする方法は、テンプレートを与える工程と、標的領域の入力画像を取得する工程と、入力画像をテンプレートに記録する工程と、記録に基づいて標的領域の位置を決定する工程と、標的領域の決定した領域に基づいて医療処置をゲーティングする工程とを含む。ひとつの実施例において、テンプレートは複数のテンプレートから選択され、各テンプレートはひとつの画像を有する。入力画像をひとつのテンプレートに記録する工程は、入力画像の少なくとも一部と最適一致するテンプレートを複数のテンプレートから選択する工程を含む。当該方法は広範囲の医療処置に応用可能である。非限定的例によれば、当該方法は組織方向へ向けられる放射線ビームの活性化をゲーティングするのに使用される。
【0009】
本発明のさらに他の態様に従い、医療処置を実行する方法は、各々が画像及び治療データを有する複数のテンプレートを与える工程と、入力画像を取得する工程と、入力画像をひとつのテンプレートに記録する工程と、入力画像が記録されたテンプレートのひとつの治療データに基づいて医療処置を実行する工程とを含む。ひとつの実施例において、入力画像をひとつのテンプレートに記録する工程は、入力画像の少なくとも一部と最適一致するテンプレートを複数のテンプレートから選択する工程を含む。非限定的例によれば、治療データは、ビーム形状データ、ビームオンデータ、ビームオフデータ、及び/またはビームオン間隔データのような放射線治療データを含む。この場合、入力画像がテンプレートに記録されると、治療放射線ソースは対応するテンプレートにより規定された治療データに基づいて標的領域方向へ治療放射線ビームを向ける。
【0010】
本発明の他の態様及び特徴は、以下の詳細な説明により明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の実施例が実行されるところのX線画像装置を示す。
【図2】図2は、本発明の実施例に従い、対象物を的合わせするための処理を示すフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の実施例に従い、画像を処理するためのアルゴリズムを示す。
【図4】図4は、図2の処理に従って実行される治療または診断中に生成される画像の例を示す。
【図5】図5は、図2の処理で使用されるテンプレートを生成するための処理を示すフローチャートである。
【図6】図6は、テンプレート生成処理の異なるステージで生成された画像の例を示す。
【図7】図7は、本発明の実施例に従い、画像を処理するための装置を示すブロック図である。
【図8】図8は、動き信号チャート及びゲート信号チャートを示す。
【図9】図9は、動き信号チャート、位相チャート、及びゲート信号チャートを示す。
【図10】図10は、本発明の実施例に従う医療処置をゲーティングするための処理を示すフローチャートである。
【図11】図11は、本発明の実施例に従う患者の位置をモニターするための処理を示すフローチャートである。
【図12】図12は、本発明の実施例が実行されるところのコンピュータハードウエア装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のさまざまな実施例が、以下で図面を参照して説明される。図面は同一縮尺で描かれてはおらず、同一の構造及び関数は図面を通じて同一符号で示されている。図面は本発明の特定の実施例の説明を容易にするためのものに過ぎない。それらは発明を完璧に説明するものではなく、発明の態様を制限するものでもない。加えて、図示された実施例は示された発明のすべての態様及び利点を有する必要はない。本発明の特定の実施例とともに説明される態様または利点は、その実施例に必ずしも制限されるものではなく、たとえそのように図示されていなくとも本発明の他のあらゆる実施例において実行可能である。
【0013】
図1は、本発明の実施例が実行可能なX線透視システム10を示したものである。システム10は、X線透視装置12、プロセッサ14、及び、キーボード及び/またはマウスのようなインターフェース20及びディスプレイ18を有するワークステーション16を含む。プロセッサ14はワークステーションと一体的なコンポーネントであるが、代わりに、ワークステーション16へ接続される別個のコンポーネントであってもよい。X線透視装置12はX線ソース22が画像アセンブリ26と反対側となるように、構造部材またはC形アーム24に載置されるところのC形アームX線透視装置として示されている。画像アセンブリ26はX線ソース22から放射されたX線を受光しかつ検出するよう構成される。C形アーム24は異なる角度から患者の2次元投影画像を生成するために、患者の回りに移動することができる。
【0014】
X線透視システム10の使用中、患者30はX線ソース22と画像アセンブリ26との間に配置される。その後、X線ビーム32は患者30の標的領域34へ向けられ、患者30を通過するに従い減衰する。画像アセンブリ26は減衰したX線ビーム32を受光し、それに応答して電気信号を生成する。電気信号は、本発明の実施例に従い、電気信号に基づいてディスプレイ18に画像を生成するよう構成されたプロセッサ14へ送信される。治療中、標的領域34へ治療放射線29を照射するための他の放射線ソース28が、X線透視装置10に隣接配置されてもよい。同様の画像システムまたは他の種類の画像システムが本発明の実施例を実行するために使用されてもよい。
【0015】
図2は、標的領域34が図1のX線透視システム10を使って画像化される際に、患者30の標的領域34の位置を追跡するための処理200の実施例を示すブロック図である。
【0016】
X線透視を経験中の患者30の標的領域34の位置を追跡するために、X線透視システム10を使って、リアルタイムの入力X線透視画像が生成される(ステップ204)。標的領域34は周期的な生理的移動を受ける肺組織または心臓組織のような組織を含む。代わりに、標的領域34は骨組織または前立腺のような周期的な生理的移動を受けない組織も含む。
【0017】
次に、プロセッサ14は、X線透視画像内で、対象物の動く特徴のような特徴を強化するよう、X線透視画像を処理する(ステップ206)。入力X線透視画像内の動く特徴を強化することにより、比較的固定した対象物の画像のコントラストは減少するが、動く対象物の画像のコントラストは強化される。図示された実施例において、動く特徴の強化は、画像平均及び画像減算技術に基づいて実行される。
【0018】
ひとつの実施例において、ボックスカー平均技術が使用される。特に、n番目の入力X線透視画像IFInに対する強化された入力X線透視画像EIFInを得るために、先行の入力X線透視画像の長期平均が計算され、n番目の入力X線透視画像IFInから減算される(すなわち、EIFIn=IFIn−Avg(IFIx=n-m to x=n-1、ここでmはボックスカーの長さ)。例えば、6番目の入力X線透視画像IRFI6は、合成画像を得るために先行の5つの入力X線透視画像に対する画像平均を実行しかつ6番目の入力X線透視画像RFI6から合成画像を減算することにより強化されまたは修正される。この明細書において使用される際、合成画像の用語は、媒体に格納され得るデータのアレイを含み、表示された画像に限定されない。
【0019】
他の実施例において、画像平均は時間に対する関数として規定された加重平均に基づいて実行される。例えば、後の入力X線透視画像が平均化の際により多く勘案されるべきであるなら、後の入力X線透視画像には画像平均の間により大きい加重因子が乗算される。図3は画像内の対象物の動く特徴を強化するための再帰的アルゴリズムを示す。カレントの入力X線透視画像には加重因子(1-a)が掛け算され、一方入力X線透視画像の先行の再帰的平均には加重因子(a)が掛け算される。Z-1は1フレーム時間遅延で1フレームを保持するメモリを表す。これは、指数関数的に減少する先のサンプルに対する加重平均を生じさせる。他の種類の加重平均もまた使用可能である。
【0020】
X線透視画像内の特徴を強化するための処理は上記例に限定されず、処理の他の修正バージョンも使用可能である。例えば、他の実施例において、ボックスカー平均は、先行のすべての入力X線透視画像の代わりに、先行のある入力X線透視画像(例えば最後の3つの画像)に対して実行されてもよい。他の実施例において、画像平均が実行される前または後に、先行の入力X線透視画像及び/またはカレントの入力X線透視画像の任意の組み合わせに対して、他の関数またはアルゴリズムが適用されてもよい。
【0021】
次に、プロセッサ14は強化された入力X線透視画像をテンプレートに記録する(ステップ208)。図示された実施例において、一連のテンプレートが与えられ、各テンプレートは生理的な周期のある時間ポイントまたは位相において作成された標的領域34の少なくとも一部の画像を含む。プロセッサ14は、強化された入力X線透視画像内で標的領域34の画像と最適一致するひとつのテンプレートを一連のテンプレートから選択する。テンプレートの構成は後述する。この明細書において使用する際、位相の用語は生理的周期の完了の程度を表し、測定またはそれに関連する変数をいう。
【0022】
ひとつの実施例において、入力X線透視画像はテンプレートと比較され、入力X線透視画像内の画像と最適一致するテンプレートが記録され、または入力X線透視画像と交差相関される。この場合、プロセッサ14は、強化された入力X線透視画像のいずれの部分が各テンプレート画像と最適一致するかを決定するために、画像比較を実行する。パターンマッチングのような画像解析を実行するための既知の技術が使用される。例えば、もしテンプレートが50×50画素により形成された画像を含めば、プロセッサ14はテンプレート画像と最適一致する強化された入力X線透視画像内の50×50画素を有する領域を決定するために空間解析を実行する。その後、プロセッサ14は、入力X線透視画像内の画像とテンプレートとの間の一致の程度を表す値を計算し、入力X線透視画像が記録されるべき、より高い値に関連するテンプレートを選択する。記録されたテンプレートと最適一致する入力X線透視画像内の画像の位置が後で使用するためにコンピュータ読み取り可能媒体に格納される。
【0023】
ひとつの実施例において、強化された入力画像とテンプレートとの間の各交差相関関係は相関ピークを有する2次元相関関数を生成する。各相関関数において、ピークの位置は標的領域34の位置を示し、ピークの値は入力X線透視画像とテンプレートとの間の一致の程度を示す。その後、最高ピーク値を与えるテンプレートが一致するテンプレートとして選択され、相関関数における対応するピーク位置は標的領域34の位置を決定するのに使用される。
【0024】
入力X線透視画像と最適一致するテンプレートを探すのに使用されるアルゴリズムの例が以下で説明される。しかし、入力X線透視画像と最適一致するテンプレートの決定は他のアルゴリズムまたは技術を使って実行することも可能である。ひとつの実施例において、入力X線透視画像はマッチングテンプレートを決定するためにすべてのテンプレートと比較される。他の実施例において、入力X線透視画像をすべてのテンプレートと比較する代わりに、入力X線透視画像はテンプレートのサブセットのみと比較される。この場合、テンプレートのサブセットは、その対応する位相値(またはそれが生成される呼吸周期の時間ポイント)が、最後の入力X線透視画像(すなわち、最後のトラッキングサイクルからの画像)と最適一致するテンプレートの位相の中心または近傍にあるように、選択される。この技術は入力X線透視画像をテンプレートに記録するための効率を増加させる。これは、生理的周期の同じ位相または時間ポイントで収集される入力X線透視画像及びテンプレートが同様の画像コントラストを有する傾向があるからである。他の実施例において、先行の入力X線透視画像とテンプレートとの間に一致が発見されれば、及びテンプレートとX線透視画像が生理的周期の実質的に同じ位相または時間ポイントで生成されれば、シーケンス内の次のテンプレートは、それがカレントの入力X線透視画像内の画像と一致するか否かを決定するために選択される。もしテンプレートが入力X線透視画像と一致しなければ(すなわち、一致の程度が規定の閾値を超えないならば)、その後他のテンプレートが入力X線透視画像内の画像と一致するか否かを決定するために選択される。例えば、一致が見つかるまで、シーケンス内の次のテンプレートまたは先のテンプレートが選択される。
【0025】
入力X線透視画像がテンプレートと一致したとき、X線透視画像内の標的領域34の位置が決定される(ステップ210)。特に、テンプレートと一致する入力X線透視画像内の画像の位置は標的領域34の位置である。入力X線透視画像内の識別された標的領域34の位置を指示するべく、マーカーがディスプレイ18に表示される。例えば、対応する記録されたテンプレートのものと類似形状を有するフレームまたは輪郭が入力X線透視画像内に表示される。入力X線透視画像と関連する位相は一致したテンプレートの位相に基づいて決定される。代わりに、入力X線透視画像に関連する位相は、カリフォルニア州パロアルトに在するバリアン・メディカル・システムズ・インコーポレイテッドより入手可能な、RPM外部マーカーのような分離追跡機構によって決定可能である。
【0026】
次のリアルタイムな入力X線透視画像が生成され、上記した処理がセッションの終了まで繰り返される(ステップ212)。テンプレート及び入力X線透視画像は同じまたは異なる時間間隔で生成される。例えば、テンプレートは入力X線透視画像に対するものに比べより短い時間間隔で生成されてもよく、それにより入力X線透視画像とテンプレートの異なるセットの間でのより多くのマッチングバリエーションが可能になる。
【0027】
処理200を参照して上記した工程は、実質的にリアルタイムで実行される。すなわち、入力X線透視画像は、それがステップ204で生成された後に標的領域の位置を素早く短時間に決定するように処理される。代わりに、入力X線透視画像はバッチで生成され、タイムスタンプされ、かつ次の処理用に格納される。この場合、強化工程206、記録工程208、及び決定工程210が続いて実行される。
【0028】
図4は、上記したダイナミックな的合わせ処理の異なるステージで生成された画像の例を示す。呼吸周期の位相の間に作成された入力X線透視画像400の例及び、工程206を参照して説明された技術を使って作成されるその対応する動き強化X線透視画像402が示されている。図でわかるように、カレントの入力X線透視画像から平均画像を減算することにより、比較的静止した対象物(骨組織406)のコントラストは減少するが、動く対象物(肺組織404)のコントラストが強化される。図4はまた、テンプレート410と一致するX線透視画像402内の領域を識別する、X線透視画像402内に表示される長方形フレーム408を示す。テンプレート410は有用なテンプレートの集合412から選択される。集合412はすべての生成されたテンプレートを含むか、代りに上記したように生成されたテンプレートのサブセットを含むことができる。
【0029】
テンプレートの構成を次に説明する。テンプレートを生成するためにさまざまな方法が使用可能である。図5は本発明の実施例に従うテンプレートのシーケンスを生成するための処理500を示す。まず、X線透視装置10の放射線ソース22が配置されかつ標的領域34を含む人体の領域に向けられ、X線透視画像システム10を使って複数の基準X線透視画像RFIが生成される(ステップ502)。患者30に関するX線ソース22の位置及び方向が後に使用するために記憶される。特に、テンプレート生成セッション中に使用されたX線ソース22の位置及び方向は、入力X線透視画像を生成するためにX線ソース22を設定するのに使用される。結果として、入力X線透視画像内の画像はテンプレート内のものと同様となり、それによって入力X線透視画像とテンプレートとのマッチングが可能になる。標的領域34が動く組織を含めば、動く組織の呼吸周期または心拍周期のような複数の基準X線透視画像が生理的周期にわたって収集される。ひとつの実施例において、呼吸周期中の標的領域34の動きを捕捉するために、120から200個の基準X線透視画像が12から20秒間にわたって収集される。収集された基準X線透視画像はタイムスタンプされ、その後ハードドライブ、CD-ROM、ディスケット、またはサーバーのようなコンピュータ読み取り可能媒体中にデジタル形式で格納される。
【0030】
次に、基準X線透視画像が生理的周期の位相または時間ポイントに関連付けられる(ステップ504)。ひとつの実施例において、生成された基準X線透視画像はステップ502でそれが生成される際にタイムスタンプされる。バリアン・メディカル・システムズ・インコーポレイテッドより入手可能な患者位置モニター装置は、患者の生理的動きを検出しかつ基準X線透視画像が生成される際の動きデータを生成するのに使用される。その後、基準X線透視画像は、その対応するタイムスタンプ及び動きデータに基づいて生理的周期の位相または時間ポイントと関連付けられる。例えば、基準X線透視画像は共通時間線で動きデータと同期化される。他の実施例において、基準X線透視画像は後述する計画セッションの間に生成される3次元X線断層撮影(CT)画像と同調して記録される。
【0031】
工程506において、標的領域34の画像はそれぞれのX線透視画像内で識別される。ひとつの実施例において、標的領域34の画像は医者または技術者のようなユーザーにより手動で決定される。この場合、ユーザーは選択された基準X線透視画像の各々を調べ、かつ選択された基準X線透視画像の各々の標的領域34を識別する。基準X線透視画像内の識別された各標的領域34に対して、ユーザーは、標的領域34の位置を表すマーカーを対応する基準X線透視画像内に配置する。例えば、ユーザーは、ユーザーインターフェース20を操作し、対応する基準X線透視画像内の標的領域34を含む関心領域(ROI)の周囲にフレームを配置する。代わりに、ユーザーは、対応する基準X線透視画像内の標的領域34と類似する形状を有するROIの周囲にアウトラインを描いてもよい。この場合、アウトラインは治療が施されるべき標的領域34の境界を表す。
【0032】
他の実施例において、それぞれの基準X線透視画像内の標的領域34の画像は3次元治療体積をそれぞれの基準X線画像に投影することにより決定される。この場合、治療体積の多くの3次元CT画像が、生理的周期のような時間間隔をカバーするようにして得られる。代わりに、3次元CT画像は基準X線透視画像と別個に生成されてもよく、その場合、基準X線透視画像は3次元CT画像と同調して記録される。基準X線透視画像をCT画像とともに記録するために従来の技術が使用される。バリアン・メディカル・システムズ・インコーポレイテッドより入手可能なPRM呼吸ゲーティング装置が、CT画像とともに基準X線透視画像を記録するのに使用されても良い。
【0033】
その後3次元CT画像は、各画像内の標的領域34の位置を決定するために調べられる。ひとつの実施例において、各CT画像内の標的領域34の位置は既知の変換技術を使って各2次元基準X線透視画像上に投影される。それぞれの基準X線透視画像内の標的領域34の投影された位置に基づいて、その後標的領域34の画像を含むROIが各基準X線透視画像内に画定される。例えば、標的領域34を取り囲む長方形フレームはROIを画定するのに使用される。代わりに、標的領域34と類似する形状を有するアウトラインがROIを画定してもよい。
【0034】
次に、基準X線透視画像は画像内の動く対象物を強化するよう処理される(ステップ508)。動く対象物の強化は入力X線透視画像を参照して上記したのと同様の技術を使って実行される。図示された実施例において、シーケンス内の各基準X線透視画像は画像平均及び画像減算技術に基づいて修正される。特に、シーケンス内でn番目の基準X線透視画像RFInに対する強化された基準X線透視画像ERFInを得るために、先行の基準X線透視画像の長期平均が計算され、n番目の基準X線透視画像RFInから減算される(ERIn=RFIn−Avg(RFIx=1 to x=n-1)。例えば、シーケンス内の6番目の基準X線透視画像RFI6は、平均画像を得るために先行の5つのX線透視画像に対して画像平均を実行し、かつ、6番目のX線透視画像RFI6から平均画像を減算することにより修正される。ひとつの実施例において、画像平均はボックスカーまたは再帰的技術に基づいて実行される。他の実施例において、画像平均は上記したように時間にわたる関数として規定された加重平均に基づいて実行されてもよい。
【0035】
次に、基準X線透視画像のROI内に含まれる画像が一連のテンプレートとして格納される(ステップ510)。テンプレートは、ハードドライブ、CD-ROM、ディスケット、またはサーバーのようなコンピュータ読み取り可能媒体に格納される。
【0036】
上記実施例において、ROIが基準X線透視画像内で決定された後に、動き強化が実行される。しかし、必ずしもそうである必要はない。別の実施例において、動く対象物の強化及びROI決定のステップの順序が処理500と異なってもよい。また、他の実施例において、基準X線透視画像を生成する替わりに、デジタル的に再構成された放射線透過写真(DRR)が治療の際に使用されるX線透視画像の方向に対して各基準3次元CT画像から生成される。この場合、標的体積は各DRR内に投影され、そのDRRが上記実施例と同じ方法で基準X線透視画像として使用される。
【0037】
テンプレートのシーケンスを生成するための上記処理500は処理200が実行されているのと同じセッション(例えば、治療セッション)において実行されてもよい。代わりに、テンプレートは別々に実行される他のセッション及び治療または診断セッションの前に生成されてもよい。
【0038】
図6は、上記テンプレート生成処理500の異なるステージで生成された画像の例を示す。呼吸周期の位相中に作成された基準X線透視画像600の例、及びステップ508を参照して説明された技術を使って作成された対応する動き強化X線透視画像602が示されている。図から分かるように、カレントの基準X線透視画像から前に生成された基準X線透視画像の合成画像を減算することにより、固定対象物(骨606)のコントラストが最小化されると同時に動く対象物(肺組織604)が強化される。また、図6はテンプレート610として選択されたX線透視画像602内のROI608を示す。図4を参照して上記された入力X線透視画像400は基準X線透視画像600と類似する。なぜならば、(1)画像400及び600が患者30に関して実質的に同じ角度及び位置から収集され、(2)入力X線透視画像400及び基準X線透視画像600は生理的周期の実質的に同じ時間ポイントで収集されるからである。
【0039】
図7は、上記処理を実行するためのシステム700を示す。システム700はテンプレート生成モジュール702及び画像マッチングモジュール704を含み、そのいずれかまたは両方がプロセッサ14またはコンピュータシステムを使って実行される。テンプレート生成モジュール702は、基準画像708を生理的周期の位相または時間ポイントと関連付ける位相関連モジュール706を含む。テンプレート生成モジュール702はまた4次元治療計画(時間に関する3次元治療計画)を選択された基準画像708上に投影する投影モジュール710、及び選択された基準画像708内の特徴を強化するための動き強化モジュール712を含む。ひとつの実施例において、動き強化モジュール712は選択された基準画像708の各々の全体画像内の特徴を強化する。他の実施例において、動き強化モジュール712は選択された基準画像708上に投影された重複部分のみの特徴を強化する。他の実施例において、動き強化モジュール712はオプションであり、その場合、システム700は動き強化モジュール712を含まない。
【0040】
画像マッチングモジュール704は、治療または診断セッション中に生成された入力画像722内の特徴を強化するための動き強化モジュール720を含む。画像マッチングモジュール704はまた入力画像722を生成されたテンプレート714と一致させるための空間及び時間マッチングモジュール724を含む。特に、入力画像722の各々に対して、空間及び時間マッチングモジュール724は入力画像722内の画像と最適一致するテンプレート714を選択する。出力726はテンプレートTnと最適一致する入力画像722内のサブ画像の位置(Xn,Yn)、及び最適一致するテンプレートTnのインデックスnを含む。インデックスnは入力画像722が生成される際の生理的周期の時間ポイントまたは位相を決定するのに使用される。
【0041】
上記方法により、ユーザーは、造影マーカーを使用することなくセッション中に標的領域34の位置を決定することが可能であり、当該方法は既存の画像装置を使って実行することができる。当該方法は広範囲の手術または処置を実行するために医者により使用される。
【0042】
ダイナミックな的合わせ
ひとつの実施例において、上記処理を使って得られた標的領域34の位置は放射線治療ビーム29を制御しかつ方向付けるための入力信号として使用される。この場合、放射線治療ビーム29はX線透視画像内で識別された標的領域34の位置に基づいて標的領域34に従うように連続的に配置される。例えば、治療放射線ビームの目標ポイントはプロセッサ14から受信した標的領域34の位置に関するデータに基づいてコリメータを移動することにより制御される。代わりに、患者を支える治療寝台が、ビーム29が方向付けられる標的領域34の位置を制御することにより動かされてもよい。
【0043】
生理的同期(ゲーティング)
他の実施例において、上記方法は医学的処置のゲーティングに基づいて、標的領域34の動きを検出するために使用される。生理的同期に対するいくつかの応用例を放射線治療との関連で説明する。しかし、類似の技術または方法は他の種類の治療または医学的処置を制御するのに使用可能であることは当業者の知るところである。
【0044】
ひとつの実施例において、放射線ソース28は、入力X線透視画像内で識別された標的領域34の位置に基づいてオンまたはオフされるようにゲートされる。この場合、対応するテンプレートに記録された入力X線透視画像内の画像の位置は、標的領域34が規定の閾値位置を越えて移動したか否かを決定するために使用される。標的領域34が規定の閾値位置の範囲にあれば、放射線ビーム29はオンされ、標的領域34が閾値を越えて移動すれば、放射線ビーム29はその後オフされる。
【0045】
図8は動き信号チャート800及び動き信号チャート800と位置合わせされたゲート信号チャート802の例を示す。動き信号チャート800は上記処理200を使って得られた標的領域34の位置データを使って作成される。治療間隔804は動き信号チャート800に示されるように、上限806及び下限808により画定される。図示された実施例において、上限806は0.8の値を有し、下限808は−0.8の値を有する。ゲート信号チャート802に示されるように、規定の治療間隔804の外側にあたる標的領域34の任意の位置は、患者への放射線の照射を停止するビームオフのゲート信号810を生成する。規定の治療間隔804の内側にあたる標的領域34の任意の位置は、患者30に放射線を照射させるビームオンのゲート信号812を生成する。
【0046】
他の実施例において、放射線ソース28は生理的周期の位相に基づいてオンまたはオフされるようゲーティングされる。この場合、対応するテンプレートに記録された入力X線透視画像内の画像の位置と時間履歴は、生理的周期の位相を決定するのに使用される。標的領域34が規定の位相間隔内にまだあれば、放射線ビーム29はオンされ、標的領域34が規定の位相間隔を越えて移動していれば、放射線ビーム29はその後オフされる。
【0047】
図9は、動き信号チャート900、標的領域34に対する対応する位相チャート902、及び位相チャート902と位置合わせされたゲート信号チャート904の例を示す。動き信号チャート900は、上記した方法を使って得られた標的領域34の位置データを使って作成される。位相チャート902は動き信号チャート900の生理的周期の開始と終了に基づいて作成される。位相チャート902は時間にわたって標的領域34の生理的動きの位相進行を示す。規定の位相間隔906は、位相チャート902で点線で表された上限908及び下限910により画定される。図示された例において、上限908は185°の値を有し、下限910は25°の値を有する。図示されたゲート信号チャート904に従い、規定の位相間隔906の外側にあたる位相に対応する標的領域34の任意の位置は、患者30への放射線の照射を停止するビームオフのゲート信号912を生成する。規定の位相間隔906内にあたる位相に対応する標的領域34の任意の位置は患者30へ放射線を照射させるビームオンのゲート信号914を生成する。
【0048】
さらに他の実施例において、放射線治療ビームはテンプレートを治療データと関連付けることによりオンまたはオフされるようゲーティングされる。ひとつの実施例において、あるテンプレートはビームオン信号と関連付けられ、残りのテンプレートはビームオフ信号と関連付けられる。例えば、規定の治療位相間隔の内側で生成されたテンプレートはビームオン信号と関連付けられ、規定の治療位相間隔の外側で生成されたテンプレートはビームオフ信号と関連付けられる。他の実施例において、ビームオフ及びビームオン信号に加えて、治療データはビームオン間隔信号を含むこともできる。他の実施例において、テンプレートはまたビーム形状データ及び放射線量データのような放射線治療で通常使用される治療データと関連付けられる。放射線治療セッション中、リアルタイムの入力X線透視画像が得られ、上記方法に従ってテンプレートに記録される。入力X線透視画像がビームオン信号を含むテンプレートに記録されると、対応するビームオン間隔信号により規定された間隔の間、治療放射線ソース28が治療放射線ビーム29を標的領域34方向へ向ける。一方、入力X線透視画像がビームオフ信号を含むテンプレートに記録されると、治療放射線ソース28は治療ビーム29を遠ざけ、標的領域34方向への放射線の方向付けを止める。もしテンプレートがビーム形状データも含めば、入力X線透視画像がそのテンプレートに記録される際、プロセッサ14は、ビーム形状データに基づいて治療ビーム29の形状を変化させるようビーム成形コリメータへ信号を送る。ひとつの実施例において、正しい治療が標的領域34に施されることを保証するために、先に生成された入力X線透視画像とその対応する記録されたテンプレートとの間の相関の程度を示す値が計算される。その値が、先に生成された入力X線透視画像とその対応する記録されたテンプレートとの間に時間的及び/または空間的なマッチングの高い相関関係が存在することを示せば、カレントの入力X線透視画像に対する記録されたテンプレートはほぼ正確であり、対応する記録されたテンプレートにより規定された治療データに従って治療が施される。
【0049】
さらに他の実施例において、放射線は生理的周期の所望の一部分の間に患者に照射される。放射線治療において、生理的周期の静止間隔のような一部の期間に標的領域34へ放射線ビーム29を照射することが所望される。例えば、静止間隔は呼吸周期中の吸気と排気の終わりで起こる。この場合、標的領域34の決定された位置は生理的周期の静止間隔を検出するのに使用される。静止間隔の間、標的領域34の動きは減衰するか、少しの間停止し、それによって放射線治療は標的領域34へ施されるのが可能になる。
【0050】
上記実施例において、放射線ビームの放射は実質的にリアルタイムで、または予測形式でゲーティングされる。例えば、先行の入力X線透過画像とテンプレートとの間の一致の程度及び標的領域の検出位置に基づいて、プロセッサ14はあるX線装置に固有の放射時間の遅延を補償するように放射線ソースを予測して放射することができる。予測ゲーティングはここに参考文献として組み込む、米国特許出願第09/893,122号(特許文献1)に記載されている。
【0051】
図10は、本発明の実施例に従う標的領域34の検出された動きの程度に基づいて医学的治療をゲーティングするための方法1000を示す。
【0052】
X線透視画像を経験する患者30の標的領域34への治療をゲートするために、リアルタイムの入力X線透視画像が図1のX線透視装置を使って生成される(ステップ1004)。
【0053】
次に、入力X線透視画像内のROIが決定される(ステップ1006)。ひとつの実施例において、ROIは治療用の標的組織または入力X線透視画像内で捕捉された他の組織である標的領域34の少なくとも一部を含む。ROIは治療または計画セッション中に医者により決定される。例えば、ROIは入力X線透視画像の一部を包囲するフレームにより画定される。
【0054】
次に、カレントの入力X線透視画像内のROI内の画像から先行の入力X線透視画像内のROI内の画像を減算することにより、合成画像CIが作成される(ステップ1008)。例えば、シーケンス内で生成された第3の入力X線透視画像IFI3に対して、第3の入力X線透視画像IFI3から先行の入力X線透視画像(すなわち、第2の入力X線透視画像)内のROI内の画像を減算することにより対応する合成画像CI3が作成される(すなわち、CIn=IFIn−IFIn-1)。第1の入力X線透視画像の前には先行の入力X線透視画像が存在しないので、このステップはシーケンス内の第1の入力X線透視画像に対して実行される必要はない。
【0055】
次に、合成画像のコントラストに関連する値がROIに対して計算される(ステップ1010)。ひとつの実施例において、合成画像CIのコントラストに関連する合成画像内の画素の分散値がROIに対して計算され、ROI内の組織により経験される動きの程度の測定値として使用される。他の実施例において、合成画像内のコントラストの異なる測定が使用されても良い。
【0056】
計算値に基づいてビームゲート信号が決定される(ステップ1012)。低いコントラストを有するROI内の対象物の画像は、対象物が時間にわたって有意に移動しなかったことを示すので、ROI内の合成画像のコントラストに関連する計算値がある閾値を超えると放射線ビームは消勢され、値が閾値以下の時は付勢される。ひとつの実施例において、計算値m>T・Aならば、放射線ビームは消勢される。ここで、Tは規定の閾値であり、AはX線透視画像装置10の動作の変更または日々の変化を補償するための規格化因子である。Aに対するひとつの可能な値はA=|max m(t)−min m(t)|であり、ここで、max m(t)及びmin m(t)は呼吸周期または心拍周期のような最近の生理的周期にわたってmを観測することにより導出される。
【0057】
次のリアルタイムな入力X線透視画像が生成され、標的領域34に十分な放射線が照射されるまで上記処理が繰り返される(ステップ1014)。
【0058】
標的対象物位置モニター
動く対象物をダイナミックに的合わせし、医療処置をゲーティングすることに加え、上記と同様の方法はセッション中に標的対象物の位置をモニターしまたは決定するのにも使用される。標的対象物は患者または内蔵器官である。
【0059】
ひとつの実施例において、対象物30の位置は図2を参照して上記したものと類似の方法を使って決定される。この場合、一連のテンプレートを生成する替わりに、上記した処理500を使ってひとつのテンプレートが生成される。この場合、標的対象物を含む基準X線透視画像の一部(すなわち、セッション中にある規定の閾値を超えて移動することが予測されない対象物)がテンプレートとして選択される。治療または診断セッション中、標的対象物30の入力X線透視画像は、入力X線透視画像内の対象物の位置を決定するために、解析されかつテンプレートと比較される。例えば、プロセッサ14は各入力X線透視画像内でテンプレートと最適一致する部分を決定するのに画像解析を実行する。各入力X線透視画像の一致部分の位置は対象物の位置を表す。入力X線透視画像内の対象物の決定した位置を観測することにより、セッション中に標的対象物30がどれくらい移動したかを決定することができる。放射線治療に関して、対象物30がある規定の閾値を超えて移動したことが決定されれば、放射線ビーム29は消勢される。
【0060】
ある状況において、標的対象物が動いたことを決定することが所望され、対象物がどのくらい移動したかを決定することは必要ない。図11は、本発明の実施例に従い標的対象物の位置をモニターする(すなわち、標的対象物が動いたか否かを決定する)ための方法1100を示す。まず、X線透視画像装置10の放射線ソース22及び画像検出器が配置され、標的対象物30の方向へ向けられ、基準X線透視画像RFIがX線透視画像装置10を使って生成される(ステップ1102)。
【0061】
次に、基準X線透視画像の一部がROIとして選択される(ステップ1104)。特に、基準X線透視画像の一部は、治療または診断セッション中に比較的固定して保持されると予想される標的対象物の画像を含まなければならない。基準X線透視画像内のROIの位置は後で使用するのにコンピュータ読み取り可能媒体に格納される。
【0062】
治療または診断セッション中に標的対象物の位置をモニターするために、X線透視画像装置10を使って生成されたリアルタイムの入力X線透視画像IFInが生成される(ステップ1106)。図示された実施例において、基準X線透視画像及び入力X線透視画像は実質的に同じ位置に居る患者30に対して同じセッションで生成される。代わりに、基準X線透視画像及び入力X線透視画像は異なるセッションで生成されてもよい。この場合、X線ソース22及び画像検出器は、患者30に関してその位置及び方向が基準X線透視画像が生成されたのと実質的に同じであるように設定される。
【0063】
ステップ1108において、合成画像CInを得るために、ROIに対する基準X線透視画像RFIからカレントの入力X線透視画像IFInが減算される(すなわち、CIn=IFIn−RFI)。言い換えれば、基準X線透視画像RFI内のROIと同じ位置を有する入力X線透視画像IFInの部分が選択され、コンピュータ画像CInを得るためにROI内の画像から減算される。
【0064】
その後、合成画像CInは、標的対象物が移動したか否かを決定するために解析される(ステップ1110)。標的対象物が移動していれば、合成画像CIn内の画素のコントラストは増加していなければならない。コントラストがある規定の閾値を超えていれば、標的対象物30は移動したと考えられる。放射線治療に関して、コントラストの増加が規定の閾値を超えたとき放射線ビーム29が消勢される。
【0065】
その後、次のリアルタイムの入力X線透視画像が生成され、セッションの終了に到達するまで上記処理が繰り返される(ステップ1112)。
【0066】
上記した標的対象物位置モニター及び決定は、上記したダイナミックな的合わせ及び医療処置のゲーティングとともに実行されてもよい。代わりに、標的対象物の位置をモニターまたは決定するために、米国特許出願第09/893,122号(特許文献1)に記載されるような他の技術が使用されてもよい。米国特許出願第09/893,122号(特許文献1)はここに参考文献として組み込まれる。
【0067】
コンピュータシステムアーキテクチャー
図12は、本発明の実施例が実行されるところのコンピュータシステム1200の実施例を示したブロック図である。コンピュータシステム1200は、情報を伝達するためのバス1202または他の通信機構、及び情報を処理するためのバス1202と接続されたプロセッサ1204を含む。プロセッサ1204は図1のプロセッサ14の一例である。コンピュータシステム1200はまたプロセッサ1204により実行されるべき情報及び命令を格納するためのバスに接続されたランダム・アクセス・メモリ(RAM)または他のダイナミックな記憶デバイスのようなメインメモリ1206を含む。メインメモリ1206はまた、プロセッサ1204により実行されるべき命令の実行中の時間変数または他の中間情報を格納するために使用される。コンピュータシステム1200はさらに読み取り専用メモリ(ROM)1208またはプロセッサ1204に対する命令及び静的情報を格納するためのバス1202に接続された他の静的記憶デバイスを含む。磁気ディスクまたは光ディスクのようなデータ記憶デバイス1210が与えられ、情報及び命令を格納するためにバス1202に接続される。
【0068】
コンピュータシステム1200は、ユーザーへ情報を表示するための陰極線管(CRT)のようなディスプレイ1212へバス1202を介して接続される。英数字及び他のキーを含む入力装置1214は、プロセッサ1204へ情報及びコマンド選択を伝達するためにバス1202に接続されている。他の種類のユーザー入力装置は、プロセッサ1204へ方向情報及び命令選択を伝達するための及びディスプレイ1212上でのカーソルの動きを制御するためのマウス、トラックボールまたはカーソル方向キーのようなカーソル制御1216である。典型的に、この入力装置は2本の軸線である第1軸(例えば、X軸)及び第2軸(例えば、Y軸)方向に2つの自由度を有し、それにより装置は平面内で位置を特定することができる。
【0069】
本発明は画像を処理するためのコンピュータシステム1200の使用に関する。本発明のひとつの実施例に従い、このような使用は、メインメモリ1206内に含まれるひとつまたはそれ以上の命令のひとつまたはそれ以上のシーケンスを実行するプロセッサ1204に応答してコンピュータシステム1200により与えられる。この命令は記憶デバイス1210のような他のコンピュータ読み取り可能媒体からメインメモリ1206内に読み込まれる。メインメモリ1206内に含まれる命令のシーケンスの実行により、プロセッサ1204はここで説明した処理ステップを実施する。多重処理において、メインメモリ1206内に含まれる命令のシーケンスを実行するためにひとつまたはそれ以上のプロセッサが使用されてもよい。他の例において、発明を実行するためのソフトウエア命令の替わりにまたはそれと組み合わせてハード配線回路が使用されてもよい。したがって、本発明の実施例はハードウエハ及びソフトウエアの特定の組み合わせに限定されるものではない。
【0070】
ここで使用されるコンピュータ読み取り可能媒体の用語は、実行用の命令をプロセッサ1204へ与えることに関連するあらゆる媒体をいう。この媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体及び送信媒体を含む多くの形式を有する。例えば、不揮発性媒体は記憶装置1210のような光学または磁気ディスクを含む。揮発性媒体はメインメモリ1206のような動的メモリを含む。送信媒体はバス1202を構成する配線を含む同軸ケーブル、銅配線及び光ファイバーを含む。送信媒体は電波及び赤外線データ通信中に生成されるような、音または光の波の形式をとることも可能である。
【0071】
コンピュータ読み取り可能媒体の通常の形式は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ若しくは他の磁気媒体、CD-ROM、他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する他の物理的媒体、RAM、PROM、EPROM、フラッシュEPROM、他のメモリチップ若しくはカートリッジ、ここで説明されたような搬送波、またはコンピュータが読み取り可能なあらゆる他の媒体を含む。
【0072】
コンピュータ読み取り可能媒体のさまざまな形式は、プロセッサ1204へ実行用のひとつまたはそれ以上の命令のひとつまたはそれ以上のシーケンスを運ぶことに関係する。例えば、最初に命令は遠隔コンピュータの磁気ディスクで運ばれる。遠隔コンピュータは命令をその動的メモリにロードし、モデムを使って電話回線を通じて命令を送信する。コンピュータシステム1200に接続されたモデムが電話回線上でデータを受信し、そのデータを赤外線信号に変換するのに赤外線送信機を使用する。バス1202に接続された赤外線検出器は赤外線信号で運ばれたデータを受信し、そのデータをバス1202に配置する。バス1202はデータをメインメモリ1206へ運び、そこからプロセッサ1204は命令を検索しかつ実行する。付加的に、メインメモリ1206により受信された命令は、プロセッサ1204による実行の前または後のいずれかに記録装置1210に格納されてもよい。
【0073】
コンピュータシステム1200はまたバス1202に接続された通信インターフェース1218を含む。通信インターフェース1218はローカルネットワーク1222に接続されたネットワークリンク1220に接続する双方向データ通信を与える。例えば、通信インターフェース1218は対応する種類の電話回線にデータ通信接続を与えるための統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)カードまたはモデムである。他の例として、通信インターフェース1218は互換LANにデータ通信接続を与えるためのローカルエリアネットワーク(LAN)であってもよい。無線リンクが実行されてもよい。このような実行において、通信インターフェース1218は、さまざまな種類の情報を表すデータストリームを運ぶ電気的、電磁気的または光学信号を送信する。
【0074】
典型的に、ネットワークリンク1220は、ひとつまたはそれ以上のネットワークを通じて他の装置へデータ通信を与える。例えば、ネットワークリンク1220は、ローカルネットワーク1222を通じてホストコンピュータ1224または放射線ビームソースまたはそれに接続されたスイッチのような医療機器への接続をあたえる。ネットワークリンク1220を通じて送信されたデータストリームは、電気的、電磁気的または光学的信号から成る。さまざまなネットワークを通じた信号及びネットワークリンク1220上の信号、及び、コンピュータシステム1200へデータを送受信する通信インターフェース1218を通じた信号は、例えば情報を送信する搬送波の形式をとる。コンピュータシステム1200は、ネットワーク、ネットワークリンク1220、及び通信インターフェース1218を通じて、プログラムコードを含むメッセージを送信しかつデータを受信することができる。
【0075】
装置及び方法の実施例がX線透視画像に関連して説明されてきたが、装置及び方法は他の種類の画像を使用する際にも実行可能である。使用される画像の種類に応じて、上記した方法が本発明の態様内で修正される。例えば、もし使用される画像技術の種類が、十分なコントラストまたは所望の特徴を有する標的領域の画像を生成することができるようなものであれば、その後画像内の動く対象物の強化ステップ(ステップ206及び508)は必要ではない。特に、他の実施例において、テンプレート内の画像及び入力画像の特徴のコントラストが、テンプレートと入力画像との間に記録を許可するようなものであれば、方法200及び500はそれぞれステップ206及び508を含まない。
【0076】
方法は放射線治療との関連で説明されてきたが、他の種類の医療処置を実行するのに同じまたは類似の方法が使用されることは理解されよう。例えば、図8から10を参照して説明したゲーティング法は手術機器の動きが標的対象物の位置によって制御されるところの画像案内手術ばかりでなく、さまざまな診断画像処置に使用可能である。さらに上記したリアルタイム及び予測ゲーティングに加え、上記方法は遡及的ゲーティングにも応用可能である。この場合、入力X線透視画像または処理された入力X線透視画像がタイムスタンプされ、将来の処理のために格納される。例えば、CT、PET及びMRIのような3次元画像へ適用される際、処理された入力X線透視画像から得られる医療データ(例えば、標的領域または患者の位置)が再構成処理を遡及的にゲートするのに使用される。この目的のために、画像適用に関連する生データは生理的動きデータにより共通時間ベースと同期化される。関心ある動き周期間隔に対応する生データのセグメントが容積画像を再構成するために使用され、その結果患者の動きにより生じる歪み及びサイズの変化が最小化される。
【0077】
さらに、方法200は患者または動物の体の一部の位置を決定することに限定されない。方法200は医学的または非医学的環境での動物以外の体またはその他の対象物の位置を決定するのに使用されてもよい。
【0078】
本発明の特定の実施例が説明されてきたが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の思想及び態様から離れることなくさまざまな変更及び修正が可能であることは当業者の知るところである。例えば、プロセッサ14により実行される動作は、本発明の態様内のハードウエア及びソフトウエアの任意の組み合わせにより実行され、プロセッサの用語は特定の実施例に限定されない。したがって、明細書及び図面は制限的意味ではなく例示に過ぎない。本発明は特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び態様内に含まれる代替、修正、及び等価物をカバーするものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療処置を実行するための方法であって、
複数のテンプレートを与える工程であって、その各々がひとつの画像及び治療データを有するところの工程と、
取得した入力画像をひとつのテンプレートに記録する工程と、
入力画像が記録されたひとつのテンプレートの治療データに基づいて医療処置を実行する工程と、
から成る方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、記録する工程は、入力画像内の画像と最適一致するテンプレートを複数のテンプレートから選択する工程から成る、ところの方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、さらに、入力画像内の動く対象物を強化する工程を含む、ところの方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、強化する工程は、先に取得した入力画像の合成画像を決定する工程から成る、ところの方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、決定する工程は、先に取得した入力画像に対して画像平均を実行する工程から成る、ところの方法。
【請求項6】
請求項4に記載の方法であって、強化する工程はさらに、入力画像から合成画像を減算する工程から成る、ところの方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、治療データは放射線治療データから成る、ところの方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、放射線治療データは、ビームオン信号、ビームオフ信号、ビームオン間隔、ビーム形状データ及び線量データのひとつまたは組み合わせから成る、ところの方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、医療処置は対象物へ放射線ビームを向ける工程から成る、ところの方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、医療処置を実行する工程は、治療データに基づいて放射線ビームの照射を調節する工程から成る、ところの方法。
【請求項11】
医療処置を実行するための装置であって、
複数のテンプレートを与えるための手段であって、各テンプレートはひとつの画像及び治療データを有するところの手段と、
入力画像を取得するための手段と、
入力画像をテンプレートのひとつに記録するための手段と、
入力画像が記録されたひとつのテンプレートの治療データに基づいて医療処置を実行するための手段と、
から成る装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であって、記録するための手段は、入力画像内の画像と最適一致するテンプレートを複数のテンプレートから選択するための手段から成る、ところの装置。
【請求項13】
請求項11に記載の装置であって、さらに、入力画像内の対象物の動きを強化するための手段を含む装置。
【請求項14】
請求項11に記載の装置であって、放射線治療データは、ビームオン信号、ビームオフ信号、ビームオン間隔、ビーム形状データ及び線量データのひとつまたは組み合わせから成る、ところの装置。
【請求項15】
請求項11に記載の装置であって、医療処置を実行するための手段は対象物へ放射線ビームを向けるための手段から成る、ところの装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、放射線ビームを向けるための手段は治療データに基づいて放射線ビームの照射を調節するための手段から成る、ところの装置。
【請求項17】
一組の格納された命令を有するコンピュータ読み取り可能媒体であって、その実行により実施される処理が、
複数のテンプレートを与える工程であって、各テンプレートがひとつの画像及び治療データを有するところの工程と、
入力画像を取得する工程と、
入力画像をテンプレートのひとつに記録する工程と、
入力画像に記録されたテンプレートのひとつの治療データに基づいて医療処置を実行する工程と、
から成るところの媒体。
【請求項18】
請求項17に記載されたコンピュータ読み取り可能媒体であって、記録する工程は、入力画像内の画像と最適一致するテンプレートを複数のテンプレートから選択する工程から成る、ところの媒体。
【請求項19】
請求項17に記載されたコンピュータ読み取り可能媒体であって、処理はさらに入力画像内の動く対象物を強化する工程を含む、ところの媒体。
【請求項20】
請求項19に記載されたコンピュータ読み取り可能媒体であって、強化する工程は、先に取得した入力画像の合成画像を決定する工程から成る、ところの媒体。
【請求項21】
請求項20に記載のコンピュータ読み取り可能媒体であって、合成画像を決定する工程は、先に取得した入力画像に対して画像平均を実行する工程から成る、ところの媒体。
【請求項22】
請求項20に記載のコンピュータ読み取り可能媒体であって、強化する工程はさらに入力画像から合成画像を減算する工程を含む、ところの媒体。
【請求項23】
請求項17に記載のコンピュータ読み取り可能媒体であって、放射線治療データはビームオン信号、ビームオフ信号、ビームオン間隔、ビーム形状データ及び線量データのひとつまたは組み合わせから成る、ところの媒体。
【請求項24】
請求項17に記載のコンピュータ読み取り可能媒体であって、医療処置は対象物へ放射線を向ける工程から成る、ところの媒体。
【請求項25】
請求項24に記載のコンピュータ読み取り可能媒体であって、医療処置を実行する工程は、治療データに基づいて放射線ビームの照射を調節する工程から成る、ところの媒体。
【請求項26】
医療処置の生理的同期を実行する方法であって、
テンプレートを与える工程と
取得した標的領域の入力画像をテンプレートに記録する工程と、
記録に基づいて標的領域の位置を決定する工程と、
標的領域の決定位置に基づいて医療処置をゲーティングする工程と、
から成る方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法であって、さらに、標的領域内の動く対象物を強化する工程を含む方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法であって、強化する工程は、入力画像から先に取得した入力画像の平均を減算する工程から成る、ところの方法。
【請求項29】
請求項26に記載の方法であって、記録する工程は、入力画像内の画像と最適一致するテンプレートを複数のテンプレートから選択する工程から成る、ところの方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法であって、標的領域の位置を決定する工程は、テンプレートと最適一致する入力画像内の画像の位置を決定する工程から成る、ところの方法。
【請求項31】
請求項26に記載の方法であって、医療処置は放射線治療から成り、ゲーティングする工程は標的領域の決定された位置に基づいて放射線ビームを付勢または消勢する工程から成る、ところの方法。
【請求項32】
医療処置の生理的同期を実行するための装置であって、
テンプレートを与えるための手段と、
標的領域の入力画像を取得するための手段と、
入力画像をテンプレートに記録するための手段と、
標的領域の決定した位置に基づいて医療処置をゲーティングするための手段と、
から成る装置。
【請求項33】
請求項32に記載の装置であって、記録するための手段は、入力画像内の画像と最適一致するテンプレートを複数のテンプレートから選択するための手段から成る、ところの装置。
【請求項34】
請求項32に記載の装置であって、医療処置は放射線治療から成り、ゲーティングするための手段は標的領域の決定した位置に基づいて放射線ビームを付勢または消勢するための手段から成る、ところの装置。
【請求項35】
一組の格納された命令を有するコンピュータ読み取り可能媒体であって、その実行により実施される処理が、
テンプレートを与える工程と、
標的領域の入力画像を取得する工程と、
入力画像をテンプレートに記録する工程と、
記録に基づいて標的領域の位置を決定する工程と、
標的位置の決定した位置に基づいて医療処置をゲーティングする工程と、
から成るところの媒体。
【請求項36】
請求項35に記載のコンピュータ読み取り可能媒体であって、処理はさらに入力画像内の動く対象物を強化する工程を含む、ところの媒体。
【請求項37】
請求項36に記載のコンピュータ読み取り可能媒体であって、強化する工程は、入力画像から先に取得した入力画像の平均を減算する工程から成る、ところの媒体。
【請求項38】
請求項35に記載のコンピュータ読み取り可能媒体であって、記録する工程は、入力画像内の画像と最適一致するテンプレートを複数のテンプレートから選択する工程から成る、ところの媒体。
【請求項39】
請求項35に記載のコンピュータ読み取り可能媒体であって、標的領域の位置を決定する工程は、テンプレートと最適一致する入力画像内の画像の位置を決定する工程から成る、ところの媒体。
【請求項40】
請求項35に記載のコンピュータ読み取り可能媒体であって、医療処置は放射線治療から成り、ゲーティングは標的領域の決定した位置に基づいて放射線ビームを付勢または消勢する工程から成る、ところの媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−98223(P2011−98223A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25872(P2011−25872)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【分割の表示】特願2006−525439(P2006−525439)の分割
【原出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【出願人】(591030673)バリアン・メディカル・システムズ・インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】