説明

半導体ウエハなどのディスク梱包用クッション

【課題】容器内に選択的に固定され、半導体ウエハなどのディスクを梱包するクッション装置を提供する。
【解決手段】クッション40は多数のクッション部材を備え、それぞれ基台に支持される2つの端部を有している。クッション部材は2つの端部間に階段状の構成を有し、階段構成の隣接するほぼ直線の部分間の角度は、容器内の半導体ウエハとのかみ合いに応答して撓んで変化する。また、クッション部材の2つの隣接する直線部分の間の頂点近くに、約65度および約180度の間の角度離れた、位置調整された接触部分90を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に半導体ウエハなどのディスクの梱包に関するものである。より詳しく言えば、本発明はディスクの梱包に使用するクッション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハは、一般に半導体材料のディスク上に集積回路の配列を備えている。ウエハは一般に一箇所で製造され梱包され、別の場所に出荷されて特定に装置において調整される。ウエハおよびその回路は、通常の製造サイクルの梱包および出荷の段階において保護の必要がある。
【0003】
半導体ウエハの梱包および出荷用に種々の包装が開発されてきた。既知の包装の一つは、ウエハの積み重ねを上下の間で容器内の多数の分離体およびクッションで支えるものである。別の形式の容器では、一連のウエハを収納するカセットを備え、カセットが容器の上下間に収納される。既知の容器は、ウエハをカセット内の適切な位置に押し付ける形状のクッションを備えている。この例は米国特許第4966284号および第5228568号に示される。これらの最初の特許の配置は、容器の上部の一部に形成される片持ちアームに頼っている。この配置の欠点は、容器上部のモールドが片持ちアームがあるため複雑になることである。この配置の別の欠点は、片持ちアームが数回の使用後に希望する押し付けの、信頼できかつ希望するレベルを提供できないことがあることである。
【0004】
上述した2番目の特許の分離クッションは、容器の上部を製作するモールド工程を簡略にする利点を備えている。一方この配置は片持ち式クッション部品を備え、上記の第1の特許と同様な欠点を持っている。
【0005】
半導体ウエハまたはその他の敏感なディスクを、ウエハを収納し支持するカセットを有する容器に梱包するために改善された配置が必要とされる。本発明はこの必要性を満足させる改善されたクッションを提供する。
【0006】
発明の概要
少なくとも1つのディスクのパッキング用の装置の、例として開示した実施態様は基台を備えている。多数のクッシュン部材のそれぞれは基台に支持される第1の端部および基台に支持される第2の端部を有している。それぞれのクッション部材は多数のほぼ直線の区間を第1および第2の端部の間に有している。隣接するほぼ直線の区間は互いに横につながる。それぞれのクッション部材はディスクに接触するため少なくとも1つの接触部分を有している。接触部分は2つのほぼ直線の区間の間の少なくとも1つの頂点の近くに位置する。
【0007】
1つの例では第1および第2のクッション部材に接触部分を備え、互いに1つのディスクに接触するよう位置が調整される。接触部分は、第1および第2のクッション部材の各接触部分からディスクの中心に相当する点のそれぞれの参照線間の角度が、ディスクが第1および第2のクッション部材にかみ合う場合に約65度から約180度の範囲となるよう距離を置いて離れている。開示した例では、この角度は約120度から約160度の範囲である。1つの例では角度は約150度である。接触部分をこのように離すことにより、例えば梱包時の取り扱いを容易にし、出荷中の安定性を増加させる。
【0008】
本発明の多くの特徴および利点は、現在の好ましい実施態様に対する以下の詳細な説明から当業者には明らかであろう。
【0009】
好ましい実施の形態の詳細な説明
図1に容器の例20を組み立てた状態で図式的に示す。容器20は多数のウエハまたはディスク22を安全に梱包するよう構成される。容器20は第1の部分24および第2の部分26を備え、固定装置28によって互いに固定される。一つの例では固定装置28は第1の部分24または第2の部分26の1つにフックを他方に開口部を備え、フックが部分的に開口部に支えられて2つの部分を固定する。
【0010】
図示した例では第1の部分24がカセット30を収納する。ウエハはカセット30に既知の方法で収納される。カセット30はウエハ22が互いに間隔を保ち、容器20のほぼ安定した位置に支持するよう構成される。
【0011】
ウエハの外側表面の一部はカセット30の溝にかみ合い、外側表面の別の部分はクッション40とかみ合う。図示した例においては、クッション40は第2の部分26に対して固定された部分に、スナップ状にはめ込まれる。クッション40はウエハ22をカセット30の安定した位置に押し付け、ウエハ22が出荷および取り扱い中に容器20で移動することを防ぐ。
【0012】
図2および3に示すクッションの例40は、少なくとも部分的に容器20の第2の部分26内に設けられる基台を備えている。この例における基台42は1つの横方向の縁に沿った第1の支持部44、および対向する第2の横方向の縁に沿った第2の支持部46を備えている。追加的な支持部48および50が基台42の中央近くに設けられる。図示した例では支持部48および50の間に開口部52が設けられる。
【0013】
基台の例42は支持部44−50に対してほぼ垂直に横木54および56を有している。一つの例では横木54および56ならびに支持部44−50は剛体で、基台42は自立形である。基台42は容器20の第2の部分26にスナップ状にはめ込まれるよう構成されているので、クッション部材60はカセット30内のウエハに向かって伸びる。
【0014】
クッションの例40は、図3の透視図のようにほぼ階段状の構成を有する多数のクッション部材60を備えている。この例においては、多数のほぼ直線の部分62、64、66および68は、隣接するほぼ直線の部分の一つに対して横方向に配置される。この例においては、ほぼ直線の部分は隣接する直線部分に対してほぼ垂直である。
【0015】
それぞれのクッション部材の一端70は、横方向の支持部44または46によって支持される。図示した例においては、端部70は対応する支持部44、46から伸びるアーム72の近傍で、クッション部材の端部70が基台42から選定された距離だけ離れるように支持される。この例においては、それぞれのアーム72はアームの長手方向(すなわち、クッション部材の端部70および対応する支持部分44、46の間に伸びる方向)では剛体である。一つの例ではアーム72は、それぞれのクッション部材60の部分では分離されないクッションの連続する側面を構成する。別の例では、それぞれのクッション部材60は別のアーム72から分離された専用アーム72を備えている。さらに別の例では、アーム72は部分的に一体で部分的に分離されている。
【0016】
それぞれのクッション部材60の反対側の端部74は、基台42の中央に近い支持部の一つ例である48、50によって支持される。この例において第2の端部74は、隣接する対応する支持部分48、50に間に挟まるアームなしで直接支持される。
【0017】
基台42によって支持される端部70および74が固定されると、従来の片持ちアームに期待した設計と比較して、より安定した配置およびより一様な信頼度の高い押し付けおよびクッション効果が提供される。クッション部材60の階段状の構成およびクッション40を形成するため選択した材料は、固定され支持された端部70および74の間の弾性を提供し、クッション40およびカセット30の間に収納されるウエハまたはディスクは、予想される取り扱いの過程でウエハまたはディスクが損傷する危険はない。材料例の一つはポリプロピレンである。
【0018】
図示した例において、それぞれのクッション部材60はクッション40の中央の両側に対応するクッション部材を有し、2つのクッション部材60はクッション40およびカセット30の間に収納されるそれぞれのウエハに互いにかみ合うように位置調整される。それぞれのクッション部材は一例として溝を付けたウエハ受け入れ面を有し、クッション部材に沿って対応するウエハの縁の部分を中心に置くのに役立つ。
【0019】
図3の説明図はクッション部材60の第1の構成を示し、ほぼ直線の部分62−68の隣接する部分間は第1の角度を有している。クッション40が容器20内で少なくとも一つのウエハにかみ合うと、少なくとも直線部分62−68の幾つかはウエハとの接触に応じて動き、その間の角度は変化する。一つの例においては、少なくとも中央に位置する直線部分はクッション部材60が曲がるに従って移動し、隣接する移動部分間の角度は大きくなる。
【0020】
図4および5は別のクッションの例40’を示し、図2および3のクッションの例40に適するウエハよりも、異なる寸法または異なる種類のウエハの梱包に有用である。この例においては、それぞれのクッション部材60’は、図2および3の例に比べて少ない直線部80、82、84および86を有している。この例においては、クッション部材60’の第2の端部74’は、基台42の中央に近い単一の支持部48に固定される。それ以外はクッション60’は前に説明した例のクッション60と同様に動作する。
【0021】
図7を参照すると、開示した例の特徴を図式的に図示し、特に容器20の組み立て時における、クッション部材60およびディスク62の間のより良好な相互作用を備えている。従来の知識は、クッション部材が容器内部でディスクの上部の縁の近くでディスクと接触するよう、クッション部材を容器の上部の近くに配置することであった。アナログ時計の面の位置で考えると、ほとんどのクッションはディスクと11時および1時の間でディスクと接触するよう設計されていた。本発明の一つの実施態様の例では、より安定した配置を備えるためクッション部材およびディスクの間の接触場所を離して距離を置いた接触場所を設けた。
【0022】
図1および5参照すると、それぞれのクッション部材60は、クッション部材の2つの隣接するほぼ直線の区間の間の頂点92の近くに少なくとも1つの接触部90を備えている。図1の例では、それぞれのクッション部材60に対して2つの接触部90を備えている。図5の例では、それぞれのクッション部材60’に対して1つの接触部90を有している。図示した例の接触部90は、ほぼ垂直に位置調節したクッション部材の隣接する直線部分の間の頂点92の近くに位置する。
【0023】
図7から判るように、1つの例は接触部分90の位置決めを離れた距離として、デイスク22に接触する場合、それぞれの参照線94および96が従来の間隔よりも大きな選択範囲内となるようにする。図7においてディスクの例22は中心点98を有している。参照線94および96は接触場所90および中心点98の間に引かれる。ある例における参照線94および96間の角度αは、99で示す図示範囲にある(例えば図示の影の範囲)。ある例ではこの範囲は約65度から約180度に達する。ある例は、接触部分が約90度から約170度内になる位置決めを備えている。さらに特別な例では約120度から約160度の間角度αを備えている。特別な例では角度αを約150度に設定している。説明のため時計の面を使用すると、1つの例は接触部分90の位置決めを備え、対応するディスク22の縁との接触片側で約9時から約10:30の間、別の側で1:30から3時の間としている。
【0024】
角度αを65度より大きく180度より小さく保つことは、よりよい取り扱い手順を提供する。容器20の組み立て中に、従来の配置で上部部分26が下部部分24の正しい位置に置かれると、例えば1つ以上のディスクが対応する片持ちアームのセットによってかみ合う傾向がある。これは一部はこのようなアームがディスクに接触する位置の近接性にある(すなわち60度以下の離れた範囲)。接触部分90を大きな距離に離すことによって、図示した例では、容器が閉じた状態とされると、1つ以上のディスクが対応するクッション部材60のセットにかみ合う傾向は低減する。
【0025】
図7の99で示される範囲内に、接触部分90をディスクの下側に下げることにより、例えば出荷および取り扱い中の容器20内で、ディスクをより固定した位置に保持する強化された安定性が提供される。幅の広いばねが容器組み立て体のその他の特徴と共同してディスク22の横方向の移動を制約する。
【0026】
図6の例における容器20の第2の部分26は、選定したクッション40を容器20内の正しい位置に固定するため、内面102に固定装置100を備えている。固定装置の1つの例は、基台42を第2の部分26にスナップ状に取り付けるように配置されて多数のタブから構成される。同じ固定装置はクッション40を選択的に容器の財部から取り去ることができる。この配置の例の利点は、容器20全体を取り替えたり再使用する必要なく、クッション40を取り替えたり再利用することができることである。例えば、容器40の一部が損傷した場合、その部分は容器全体または容器の一部以上を取り替える材料費なしでその部分を取り替えることができる。
【0027】
前述の説明は本質を制限することではなく例として述べたものである。開示した例に対するする変更および改善は、本発明の本質から外れない限り可能なことは当業者にとって明らかである。本発明の法的な保護範囲は以下の請求項を検討することらによってのみ決定される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の1つの実施態様により設計した容器の図式的な説明である。
【図2】クッションの例の平面図である。
【図3】図2の線3−3に沿った断面図である。
【図4】クッションの別の例の平面図である。
【図5】図4の線5−5に沿った断面図である。
【図6】1つの容器部分の例の選択した特徴を示す
【図7】1つの実施態様の特徴を図式的に示したものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、
基台に支持される第1の端部および基台に支持される第2の端部を有するクッション部材とを有し、
それぞれのクッション部材は多数のほぼ直線の区間を第1および第2の端部の間に有し、隣接するほぼ直線の区間は互いに横につながり、それぞれのクッション部材は、ディスクに接触するため2つのほぼ直線の区間の間の少なくとも1つの頂点の近くに少なくとも1つの接触部分を有する装置。
【請求項2】
基台の横方向の縁の近くに支持される第1の端部、および基台の中央部分の近くに支持される第2の端部を有する第1の多数のクッション部材、および反対側の横方向の縁の近くに支持される第1の端部および基台の中央部分の近くに支持される第2の端部を有する第2の多数のクッション部材から構成される請求項1の装置。
【請求項3】
第1の多数のクッション部材の第2の端部が、第2の多数のクッション部材の第1の端部から間隔を有する請求項2の装置。
【請求項4】
基台は、それぞれの多数のクッション部材の第1および第2の端部の間に開口部を備えた請求項2の装置。
【請求項5】
基台は、基台の中央部分の近くに距離を置いて離れた支持部を備え、それぞれの距離を置いて離れた支持部は多数のクッション部材の1つに対応する第2の端部を支持する請求項4の装置。
【請求項6】
それぞれのクッション部材は複数の接触部分を有する請求項1の装置。
【請求項7】
第1のクッション部材に平行に位置が調整された第1のクッション部材および第2のクッション部材は、第1および第2のクッション部材の接触部分のそれぞれからディスクの中心に対応する点へのそれぞれの参照線間の角度が、ディスクが第1および第2のクッション部材にかみ合った場合に、約65度から約180度の範囲にあるように距離を置いて離した請求項1の装置。
【請求項8】
角度が約100度から約170度の範囲にある請求項7の装置。
【請求項9】
角度が約120度から約160度の範囲にある請求項7の装置。
【請求項10】
角度が約150度である請求項7の装置。
【請求項11】
それぞれのクッション部材のそれぞれのほぼ直線区間が、対応するクッション部材の隣接する直線区間にほぼ垂直な請求項1の装置。
【請求項12】
それぞれのクッション部材の接触部分に近い頂点のそれぞれの側面の直線区間が、互いに接触部分およびディスクの間にかみ合いに応じて移動する請求項11の装置。
【請求項13】
少なくとも1つのディスクを収納するため適合させた容器の上部および容器の底部から構成され、基台が少なくとも部分的に上部の部分に対して受け入れられる請求項1の装置。
【請求項14】
上部に基台を上部に対して希望する位置に固定する複数の固定部材を備えた請求項13の装置。
【請求項15】
基台と、
基台に依存する多数のクッション部材と
を有する少なくとも1つのディスクを梱包する装置において、
それぞれのクッション部材は少なくとも1つのディスクの面に接触する接触部分を有し、第1のクッション部材に平行に位置が調整された第1のクッション部材および第2のクッション部材は、第1および第2のクッション部材の接触部分のそれぞれからディスクの中心に対応する点へのそれぞれの参照線間の角度が、ディスクが第1および第2のクッション部材にかみ合った場合に、約65度から約180度の範囲にあるように距離を置いて離した装置。
【請求項16】
角度が約100度から約170度の範囲にある請求項15の装置。
【請求項17】
角度が約120度から約160度の範囲にある請求項15の装置。
【請求項18】
角度が約150度である請求項15の装置。
【請求項19】
それぞれのクッション部材が、
基台に支持される第1の端部と、
基台に支持される第2の端部とを有し、
それぞれのクッション部材は、多数のほぼ直線の区間を第1および第2の端部の間に、2つのほぼ直線の区間の間の少なくとも1つの頂点の近くに、ディスクと接触するための少なくとも1つの接触部分を備えた請求項15の装置。
【請求項20】
それぞれのクッション部材のそれぞれのほぼ直線の区間は、対応するクッション部材の隣接する直線区間とほぼ垂直である請求項19の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−66911(P2006−66911A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−240661(P2005−240661)
【出願日】平成17年8月23日(2005.8.23)
【出願人】(503324276)イー.パック インターナショナル インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】