説明

半導体チップパッケージに用いる接点パッドの表面処理およびそれらの表面処理を施す方法

半導体チップパッケージ(10)をプリント配線板(50)または他の基板に実装するとき、半導体チップパッケージ(10)の接続導体(32)をはんだ濡れに対してマスキングするための表面処理として使用する無機はんだマスク(48)。接続導体(32)は、異なる金属から形成した金属化接点(42)で部分的にカバーする。接続導体(32)の、金属化接点(42)でカバーされていない露出部分(44)に、無機はんだマスク(46)を塗布する。金属化接点(42)は無機はんだマスク(46)によって被覆しない。無機はんだマスク(46)の存在によって、融解はんだが接続導体(32)上に存在するとき、金属化接点(42)上に形成する固化したはんだ層(48)に影響を及ぼすことなく、露出部分(44)のぬれを大幅に減少または防止する。この結果、接続導体(32)の露出部分(44)に余剰はんだが固化しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、半導体チップパッケージの実装構造および実装方法に関し、また、とくに半導体チップパッケージの接点パッドの表面処理に関し、接点パッドにおける金属化接点でカバーされていない領域を、マスク層で選択的にマスキングし、融解はんだによるぬれを制御するものである。
【背景技術】
【0002】
集積回路を担持する半導体ダイまたは半導体チップは、チップパッケージとしてパッケージングし、その後、プリント配線板(PWB)またはプリント基板(PCB)の表面に実装し、電子的アセンブリを形成する。チップパッケージのタイプは、表面実装型デバイス(SMD)であって、これはプリント配線板上の相補的な接点パッドに対してはんだ付けによって接続した接点パッドを有する。チップパッケージは、ピック−アンド−プレイス・マシンなどの配置マシンによって操作してプリント配線板上の特定の位置に位置決めし、続いてこれをプリント配線板上にはんだ付けする。プリント配線板は、チップパッケージを実装および保持するための物理的な構造、および、チップパッケージ内部の半導体チップを個別受動部品や他の半導体チップなど、プリント配線板に実装した他の構成部品と電気的に相互接続するために接点パッドから延びる回路配線パターン、の双方を提供する。これらの追加的な構成部品は近位または遠隔の電子装置であってパッケージされていてもされていなくてもよく、表面実装型デバイスの内部にカプセル封入した半導体チップに対する給電、制御、または電気的相互作用するのに使用する。
【0003】
チップパッケージは、リードフレームなどのキャリヤの表側に半導体チップを実装することによって形成する。半導体チップの表面のボンドパッドと、キャリヤの表面のボンドパッドとの間に、導電性経路を確立する。これらの導電性経路を確立する1つの方法としては、ワイヤボンディング処理があり、この処理においては、個々のリード線をチップのボンドパッドからチップの周縁を越えて外方に、キャリヤのボンドパッドまで延在させる。細いワイヤで画定されるリード線は、その両側端部を対応するボンドパッドに接合する。リード線によって画定される導電性経路は、チップ−キャリヤ間を相互接続し、給電および信号分配を行う。結合した半導体ダイおよびキャリヤを成形材料の保護体内にカプセル封入する。キャリヤの裏側面は、パッケージを形成するカプセル封入後に露出する接点パッドを有し、これら接点パッドは、キャリヤ表側面のボンドパッドと電気的に結合する。
【0004】
チップパッケージの接点パッド上の金属化接点は、プリント配線板上の相補的な接点パッドにはんだ付けプロセスによって合着するが、このはんだ付けプロセスは、一般には、超音波はんだ付け、赤外線(IR)リフローはんだ付け、対流型IRリフローはんだ付け、または蒸気相リフローはんだ付けによって行う。これらの方法は互いに異なったものであるが、仕上がりはほぼ同じで、半導体チップは金属接合または金属間によってプリント配線板に電気的に接続される。すべての電子コンポーネントをプリント配線板に実装した後、プリント配線板およびコンポーネントの組合せは電子的アセンブリを構成し、それは全てのより大規模な電子システムの基本構成要素となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
はんだ付けプロセスの1つの困難な点は、接点パッドが、プリント配線板における対応する接点パッドと電気的接続を生ずるために使用する金属化接点によって、部分的にのみカバーすることである。接点パッドにおけるこのカバーしない部分は、はんだ付けの最中にしばしば溶融はんだによって濡れることがよくある。代表的には、接点パッドは、1種類の金属、例えば銅またはニッケルによって構成し、金属化接点は、異なる金属、例えば金またはパラジウム−ゴールドによって構成する。ニッケル上にめっきした金またはパラジウム−ゴールドは、組み立て中および組み立て後使用前の保管の際に、酸化に対するバリアとして作用する。さらに、金またはパラジウム−ゴールドは、はんだがより合着しやすい表面を提供し、はんだ付けプロセスの収率を向上させる。しかし、はんだ付けプロセスを行っている際、融解はんだが金属化接点の領域からはみ出て、接点パッドの露出した金属に接触する可能性がある。融解はんだが凝固した際、接点パッド上で金属化接点の周縁外側の望ましくない位置に固体のはんだ塊が存在し、このことは電気的短絡や他の不具合を起こす可能性がある。
【0006】
接点パッド上の金属化接点の外側に存在する露出した金属に、有機マスキング剤を塗布ことができる。これら有機マスキング剤は、マスキング下層の金属に融解はんだが接触するのを妨げる。マスキングには利点がある一方、有機マスキング剤は高価で、さらに、金属化接点の外側に存在する接点パッドの露出した金属すべてを確実にカバーするように塗布することはできない。
【0007】
したがって、必要とされるのは、融解はんだの接触から保護するため接点パッドの金属化接点に隣接する領域を選択的にマスキングする方法で、有機マスキング剤に依存する既存のマスキング法の欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの実施形態における実装構造は、第1の導体で構成した金属化接点、およびこの金属化接点に隣接し、第2の導体で構成した露出領域を担持する接点パッドを有する接続導体を設けたキャリヤを備える。無機マスク層を露出領域に塗布する。無機マスク層は第2の領域の融解はんだによる濡れを有意に減少させ、はんだが固化する際に、金属化接点上にはんだ層を形成するよう作用する。この実装構造は、半導体ダイと電気的に結合したキャリヤ、および、キャリヤの接点パッドの金属化接点とはんだ層によって結合される接点パッドを有する基板を、さらに有する電子的アセンブリに用いることができる。
【0009】
本発明の別の態様においては、チップパッケージを基板に取り付ける方法を提供し、この方法は、チップパッケージの接続導体を金属化接点で部分的にカバーするステップと、接続導体における金属化接点に隣接した露出部分を無機マスク層でマスキングするマスキングステップと、および、金属化接点に融解はんだを供給するステップと、を有する。この取り付け方法は、さらに、無機マスク層によって接続導体の露出領域のはんだ濡れを防ぐステップと、金属化接点上で融解はんだを固化させてはんだ層を形成し、金属化接点と基板の接点パッドとの間に電気的接続を生ぜしめるステップと、を有する。
【0010】
本発明の他の態様においては、金属化接点により部分的にカバーし、かつ半導体チップを支持するキャリヤに担持した接続導体を処理する方法を提供する。この方法は、接続導体における金属化接点に近接した露出領域を、この露出領域のはんだ濡れを効果的に防止する無機マスク層でマスキングするステップを有する。
【0011】
添付図面は本明細書に組み込み、また本明細書の一部であって、本発明の実施形態を例示し、上述した本発明の概要および以下に示す実施形態の詳細と併せて、本発明の原理を説明するものである。
【0012】
本発明は、異なる導体または金属から構成した金属化接点の近傍に空間的に位置決めした半導体チップパッケージの接点パッドの露出部分を被覆する無機はんだマスクを設ける方法を提供する。以下に、本出願に添付した図面につき、本発明をより詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1につき説明すると、半導体チップパッケージ10は、複数個のパターン化金属層11,12,13のスタックを有するキャリヤ30および半導体ダイまたはチップ20を有する。金属層11,12,13は、それぞれ別個の複数個の接続導体31,32,33に区分され、これら接続導体の側方端縁はアパーチャ15によって隔絶する。金属層11,13は銅(Cu)または銅合金などの導体で構成し、金属層12はニッケル、モリブデン、またはチタンなどの導体で構成することができる。
【0014】
半導体チップ20は、接続領域21の形態としたボンドパッドを有する。半導体チップ20は、導電性接着層23により、ダイ付着またはボンドパッド14を有する接続導体32に取り付ける。導電性接着層23は、半導体チップ20の裏側面と接続導体32との間に直接的な電気的接触をもたらす。各接続領域21は、複数個のボンディングワイヤ22のうち1個によって各個に対応する接続導体31,33上のボンドパッド14に電気的に接続する。ボンディングワイヤ22は、延性のある適切な導体、例えば金、銅、アルミニウム、およびこれらの金属の合金、のうち任意のものから選択した導体で形成することができる。半導体チップ20の表側およびボンディングワイヤは、成形コンパウンド40、例えばエポキシ成形コンパウンドまたはカプセル封入剤を、成形技術で塗布した硬化物質によって、カプセル化する。半導体チップ20を1個しか示していないが、当業者には、半導体チップ20に類似した複数個の半導体チップをキャリヤ30に取り付けることを理解されるであろう。各半導体チップ20およびこれに関連するキャリヤ30のボンディング部分は、例えば、一般に破線60に沿って切断技術によって切り出し、複数個の独立したパッケージ10(図2)を得る。
【0015】
各接続導体31,32,33は、パッケージ10の一方の側面に露出する接点パッド17を有し、この接点パッド17により、パッケージ10の内部の半導体チップ20に担持した集積回路と、外部回路との間に電気的接続を確立する。接点パッド17は、接続導体31,32,33のそれぞれ露出する金属に塗布した金属(例えば、ニッケル)によるコーティングにより構成することができる。接続導体32はアース接続し、また半導体ダイ20のヒートシンクとしても作用する。
【0016】
少なくとも接続導体32上の接点パッド17は、導電性材料で構成した比較的薄い接着層によって構成される接点表面または金属化接点42(図3参照)によって部分的に被覆する。金属化接点42を構成する導体は、好適には、貴金属、例えば金またはパラジウム−ゴールドなどとし、組み立て中および組み立て後に使用前の保管中に酸化に対するバリアとした作用し、また、はんだ付け性を向上させるため、はんだの濡れおよび接着により適した表面を与える。
【0017】
パッケージ10およびキャリヤ30に類似したパッケージおよびキャリヤについては、同一出願人による米国特許出願番号第10/510,591および同第10/510,558に詳細に記載されており、これら特許文献を参考として本明細書に付記する。しかし、本発明は、本発明の原理として限定するものではなく、他のパッケージおよびキャリヤの設計に適用することができる。
【0018】
図2につき説明すると、パッケージ10は単体化した後、プリント配線板50などの基板に実装する。プリント配線板50は、接点パッド52で示した複数個の接点パッドを有し、これら接点パッドを用いてプリント配線板50に担持した金属トレースに電気的接触を確立する。はんだ層48を、少なくとも接続導体32の接点パッド17上の金属化接点42(図3参照)とプリント配線板50上の接点パッド52との間に形成する。はんだ層48を構成する材料は、再流動(リフロー)可能な任意の金属または合金で、冶金学的に他の金属に接合でき、金属化接点42の金属成分に対して良好なぬれ特性を示すものとすることができる。リフロー可能な適切な材料としては、以下のものに限定するものではないが、スズまたはスズ合金、さらに銅、インジウム、銀、ビスマス、または鉛などの金属とすることができる。はんだ層48は、接点パッド52に塗布したフラックスとスズまたはスズ合金との混合物を含むはんだペーストに由来することもできる。凝固したはんだ層48は、コンタクトパッド52の金属化接点42(図3)とプリント配線板50上の対応する接点パッド52との間に機械的および電気的接続を付与する。
【0019】
図1における同一部分に対して同一の参照符号を付した図3につき説明すると、例えば接続導体32における層12の表面または領域44は、接続導体32の接点パッド17における金属化接点42の近傍で露出している。層12の露出領域44は、接点パッド17と比べて窪んでおり、接点パッドとは異なる水平平面上に位置するが、ここで「垂直」とは金属化接点42の露出した面に対してほぼ直交する方向を意味し、また「水平」とは、金属化接点42の露出した面とほぼ平行な方向を意味する。露出領域44は、領域44に隣接して露出する金属化接点42を構成する組成とは異なった組成の導体である層12(例えば、ニッケル、モリブデン、またはチタン)を有する。金属化接点42の周縁45は、ほぼ、接点パッド17に整合し、接点42と同様の表面積を有する接点パッド17をカバーする。
【0020】
図1〜3における同一部分に対して同一の参照符号をふして示す図4および図5につき説明すると、はんだ層48を塗布する前に、接点パッド17に隣接する層12の露出領域44を無機マスキング材料からなるマスキングフィルムまたはマスク層46で被覆する。融解はんだに晒されるとき、マスク層46は、露出領域44の濡れを大幅に減少または防止するのに有効に作用する。しかし、金属化接点42は直ちに融解はんだで濡れる。融解はんだは露出領域44の地金または成形材料40を濡らすことができないため、融解はんだは、金属化接点42の周縁45の内側にほぼ限定される。この結果、固化したはんだ層48の大部分は金属化接点42上に存在する。冷却後、固化したはんだ層48は、輪郭のある外形または幾何学的形状を有するが、これは、とくに変数、例えば、はんだの量、リフローの時間−温度プロファイル、および表面張力の強度によって決定される。はんだ層48は、半導体チップ20およびキャリヤ30との間に、機械的および電気的な接続を付与する。
【0021】
マスク層46は、融解はんだに非ぬれ性を与えるよう作用する任意の無機物質により構成することができる。とくに、マスク層46は、クロム酸塩化成被覆などのクロム含有の化成被覆、またはモリブデン酸塩化成被覆、亜硫酸塩/シュウ酸塩化成被覆、または過硫酸塩化成被覆などのクロムを含まない化成被覆とすることができる。マスク層46は、露出領域44の融解はんだによる濡れを有意に減少させる、または効果的に防止する。露出領域44を構成する金属は、マスク層46の形成に関与し、マスク層46は、露出領域44に存在する他の全ての表層(例、自然酸化物)に取って代わる。マスク層46は単に付加的な上層ではなく、露出領域44に由来する金属を組み入れる。
【0022】
一般に、マスク層46は、金属表面の洗浄、すすぎ、露出領域44を適当な溶液にさらすまたは接触させることによる化成被覆の形成、過剰な溶液を取り除くためのすすぎ、および乾燥、をそれぞれの接点パッド17の露出領域44に施すことによって形成する。例として、化成被覆は、パッケージ10を、六価クロムイオン(Cr+6)または三価クロムイオン(Cr+3)の原料、酸(例、硫酸または硝酸)、および、一般に酢酸イオン、ギ酸イオン、塩化物イオン、フッ化物イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、およびスルファミン酸イオンの群から選択した1つまたは複数のアニオン活性剤原料、を含む水溶液の槽に浸して形成することができる。クロムイオンは、酸化クロム(CrO3 )など、溶解可能な任意の原料から得られる。効果的なコーティングを実行するために、溶液は必要に応じて環境温度または室温よりも高い温度に加熱することができる。浸漬時間は目的のコーティングを得るため必要に応じて、約5秒から数分の幅を持たすことができる。化成被覆の厚さは、とくに変数に応じて、パッケージ10および他の隣接するパッケージ10を浸す槽の溶液の組成または化学的性質によって決定される。溶液中の金属クロムイオンは層12の主金属と反応し、マスク層46を構成するクロム酸塩化成被覆が成長する。理論によって限定されることは望まないが、溶液中での化学反応の結果、種種の水和酸化クロムを含むクロム酸塩化成被覆が生じ、一般にクロムが高酸化状態にある、と考えられている。
【0023】
モリブデン酸塩化成被覆、亜硫酸塩/シュウ酸塩化成被覆、および過硫酸塩化成被覆も、槽の中身を別の化学的性質を有す溶液に置き換えれば、同様の一括処理で提供することが可能である。同業者には明らかであるように、溶液は、噴霧、はけ塗り、塗布など、別の技術によって塗布することができる。
【0024】
パッケージ10を槽に浸す際、金属化接点42の金属は、槽の中の水溶液と接触するが、水溶液との接触の影響はうけない。金属化接点42を構成する金属は、槽の溶液中の化学物質に対して不活性であり、これらの化学物質とは反応しない。同様に成形材料40も、槽の水溶液との接触による影響をうけない。この結果、マスク層46は、金属化接点42および成形材料40を本質的にまた系統的に排除する自己整列的なプロセスで、露出領域44にのみ形成する。有機被膜はこのような方法で形成することが不可能なことから、このことは、有機被膜に対する明確な利点を示す。この場合、マスク層46を使用前に露出領域44から剥離する、または取り除く必要はない。
【0025】
図1〜5における部分と同一部分には同一の参照符号を付し、本発明の他の実施形態による図6および図6Aにつき説明すると、露出領域44が層11の導体(例、銅または銅合金)を有し、それは領域44に隣接して露出する金属化接点42を構成する金属とは異なった組成である、パッケージ10´を加工することも可能である。この例においては、マスク層46は接続導体32の層11の露出領域44にのみ形成する。
【0026】
本発明を様々な実施形態の記載によって例示し、これらの実施形態についてかなり詳細に記載したが、別書類の特許請求の範囲はそのような詳細な実施形態に限定または制限することは本出願人の意図するところではない。付加的利点および修正が当業者には容易に明白だろう。従って、より広範な態様を含む本発明は、特定の詳細、代表的な装置や方法、および例示した実施例および記載に限定されない。したがって、本願人の発明の上位概念精神または範囲を逸脱することなく、これら詳細から離れるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】キャリヤおよび半導体チップを実装して形成したチップパッケージの断面図であって、個別のチップパッケージを切り出すようキャリヤを区分する前の状態を示す線図的断面図である。
【図2】図1に示すチップパッケージのうち1個をプリント配線板に実装して電気的アセンブリを形成した状態の線図的拡大断面図である。
【図3】図1の3−3線に沿って見た底面図であって、接点パッドの金属化接点でカバーされていない部分に、本発明の原理による表面処理剤を塗布する前の状態を示す底面図である。
【図4】図3と類似した底面図であって、表面処理剤を選択的に塗布した状態を示す底面図である。
【図5】図2の接点パッドの底面図であって、金属化接点にはんだ層を塗布した状態を示す底面図である。
【図6】キャリヤおよび半導体チップを実装して形成したチップパッケージの断面図であって、本発明の他の実施形態による個別のチップパッケージを単体化させるようキャリヤを区分する前の状態を示す線図的断面図である。
【図6A】図6の6A−6A線に沿って見た底面図であって、本発明の原理により、はんだ濡れを制限するよう表面処理剤を塗布した後の状態を示す底面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装構造において、
第1の導体で構成した金属化接点(42)、およびこの金属化接点(42)に隣接し、第2の導体で構成した露出領域(44)を担持する接点パッド(17)を有する接続導体(32)を設けたキャリヤ(30)と、および、
前記接続導体(32)の前記露出領域(44)上の無機マスク層(46)であって、前記露出領域(44)における融解はんだによる濡れを有意に減少させ、はんだが固化する際に、金属化接点(42)上にはんだ層(48)を形成するよう機能する該無機マスク層(46)、
を含む実装構造。
【請求項2】
請求項1に記載の実装構造において、前記第1の導体は金属を有し、前記マスク層(46)は化成被覆を有するものとした実装構造。
【請求項3】
請求項2に記載の実装構造において、前記化成被覆は、クロム酸塩化成被覆、モリブデン酸塩化成被覆、亜硫酸塩/シュウ酸塩化成被覆、および過硫酸塩化成被覆、よりなる群から選択された化成被覆とした実装構造。
【請求項4】
請求項1に記載の実装構造において、前記第1の導体は、ニッケル、銅、モリブデン、またはチタンを含み、前記第2の導体は、金またはパラジウム・ゴールドを含むものとした実装構造。
【請求項5】
請求項1に記載の実装構造において、前記金属化接点(42)は周縁(45)を有し、前記実装構造は、さらに、前記金属化接点(42)を被覆するはんだ層(48)を備え、このはんだ層は、ほぼ前記金属化接点(42)の周縁(45)の内側に画定されるものとした実装構造。
【請求項6】
電子的アセンブリにおいて、
半導体ダイ(20)と、
前記半導体ダイ(20)と電気的に結合したキャリヤ(30)であって、該キャリヤ(30)が、第1の導体で構成した金属化接点(42)、およびこの金属化接点(42)に隣接して、第2の導体で構成した露出領域(44)を担持する接点パッド(17)を有する接続導体(32)を設けた該キャリヤ(30)と、
接点パッド(52)を有す基板(50)と、
前記金属化接点(42)を前記基板(50)の接点パッド(52)と電気的に結合するはんだ層(48)と、および
前記接続導体(32)の前記露出領域(44)上の無機マスク層(46)であって、前記露出領域(44)における融解はんだによる濡れを有意に減少させ、はんだが固化する際にはんだ層(48)を形成するよう機能する該無機マスク層(46)と、
備えたことを特徴とする電子的アセンブリ。
【請求項7】
請求項6に記載の電子的アセンブリにおいて、前記第1の導体は金属有し、前記マスク層(46)は化成被覆を有するものとした電子的アセンブリ。
【請求項8】
請求項6に記載の電子的アセンブリにおいて、前記化成被覆は、クロム酸塩化成被覆、モリブデン酸塩化成被覆、亜硫酸塩/シュウ酸塩化成被覆、および過硫酸塩化成被覆、よりなる群から選択した化成被覆とした電子的アセンブリ。
【請求項9】
請求項6に記載の電子的アセンブリにおいて、前記第1の導体は、ニッケル、銅、モリブデン、またはチタンを含み、前記第2の導体は金またはパラジウム・ゴールドを含むものとした電子的アセンブリ。
【請求項10】
請求項6に記載の電子的アセンブリにおいて、前記金属化接点(42)は端縁(45)を有し、前記はんだ層は、ほぼ前記金属化接点(42)の周縁(45)の内側に画定されるものとした電子的アセンブリ。
【請求項11】
請求項6に記載の電子的アセンブリにおいて、前記基板(50)はプリント配線板を有するものとした電子的アセンブリ。
【請求項12】
チップパッケージ(10)を基板(50)に取り付ける方法において、
前記チップパッケージ(10)の接続導体(32)を金属化接点(42)で部分的にカバーするステップと、
前記接続導体(32)における金属化接点(42)に隣接した露出部分(44)を無機マスク層(46)でマスキングするマスキングステップと、
前記金属化接点(42)に融解はんだを供給するステップと、
前記無機マスク層(46)によって前記接続導体(32)の露出領域(44)のはんだ濡れを防ぐステップと、および
前記金属化接点(42)上で前記融解はんだを固化させてはんだ層(48)を形成し、前記金属化接点(42)と前記基板(50)の接点パッド(52)との間に電気的接続を生ぜしめるステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、前記無機マスク層(46)は、さらに化成被覆を有し、前記露出領域(44)のマスキングステップは、さらに前記チップパッケージ(10)の接続導体(32)における露出領域(44)に化成被覆を形成するステップを有するものとした方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法において、前記化成被覆は、クロム酸塩化成被覆、モリブデン酸塩化成被覆、亜硫酸塩/シュウ酸塩化成被覆、および過硫酸塩化成被覆、よりなる群から選択した化成被覆とした方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法において、前記接続導体(32)の露出領域(44)は、ニッケル、銅、モリブデン、またはチタンを含み、前記金属化接点(42)は、接続導体(32)の露出領域(44)上に塗布する、金またはパラジウム・ゴールドを含むものとした方法。
【請求項16】
前記金属化接点(42)により部分的にカバーし、かつ半導体チップ(20)を支持するキャリヤ(30)に担持した接続導体(32)を処理する方法において、
前記接続導体(32)における金属化接点(42)に近接した露出領域(44)を、この露出領域(44)のはんだ濡れを効果的に防止する無機マスク層(46)でマスキングするマスキングステップ、
を有する方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、前記無機マスク層(46)は、さらに化成被覆を有し、前記露出領域(44)のマスキングステップは、さらに、前記露出領域(44)に化成被覆を形成するステップを有するものとした方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、前記化成被覆は、クロム酸塩化成被覆、モリブデン酸塩化成被覆、亜硫酸塩/シュウ酸塩化成被覆、および過硫酸塩化成被覆、よりなる群から選択した化成被覆とした方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法において、前記接続導体(32)の露出領域(44)は、ニッケル、銅、モリブデン、またはチタンを含み、金属化接点(42)は、前記接続導体(32)の露出領域(44)上に塗布した、金またはパラジウム・ゴールドを含むものとした方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【公表番号】特表2009−515334(P2009−515334A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538486(P2008−538486)
【出願日】平成18年11月3日(2006.11.3)
【国際出願番号】PCT/IB2006/054106
【国際公開番号】WO2007/052234
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(507219491)エヌエックスピー ビー ヴィ (657)
【Fターム(参考)】