説明

半導体デバイス及びその製造方法

【課題】集積回路を有する半導体デバイスにおいてICの直近でもEMI対策を行うことが可能な半導体デバイス及びその製造方法を提供する。
【解決手段】集積回路を有する半導体基板11と、半導体基板11上に設けられた第1の絶縁層14と、第1の絶縁層14上に設けられた渦巻き状のコイル10と、第1の絶縁層14上において渦巻き状のコイル10を覆う第2の絶縁層16とを備えた半導体デバイスであって、半導体基板11と第1の絶縁層14との間に第1のフェライト層12が設けられ、第1の絶縁層14及び第2の絶縁層16を覆う第2のフェライト層13が設けられ、渦巻き状のコイル10が、第1のフェライト層12と第2のフェライト層13との間に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、渦巻き状のコイルを備えた半導体デバイスに関するものであって、特にICチップ上に渦巻き状のコイルを設けたときのノイズ抑制を図った半導体デバイス及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル機器や無線機器の普及に伴って、不要輻射(EMI)ノイズ対策は、機器設計においてますます重要かつ必要になってきている。従来、EMI対策部品として、フェライトビーズが知られている(非特許文献1,2、特許文献1,2参照)。フェライトビーズは、フェライト素子の中に通電用の内部電極を埋め込んだ構造をしており、フェライトが磁性体として働くことで、EMIノイズの元となる高周波電流成分を吸収する素子である。しかしながら、フェライトビーズは通常チップ部品であり、ICの直近でEMI対策を行うことは不可能であり、実装面積も必要とする。また、小型化を目的として、プリント基板内に低EMI回路基板を作製する提案もなされているが(特許文献3参照)、やはりICの直近でEMI対策を行うことができない。また、両者ともプリント基板の設計段階からフェライトビーズを実装・設置する場所を検討する必要がある。
【非特許文献1】“フェライトビーズインダクタとは”、[online]、株式会社村田製作所、[平成19年5月11日検索]、インターネット<URL: http://www.murata.co.jp/emc/knowhow/pdfs/23to25.html>
【非特許文献2】“テクの図鑑 vol.8 ― GHz帯のノイズを吸収 チップビーズ”、[online]、平成16年2月、TDK株式会社、[平成19年5月11日検索]、インターネット<URL: http://www.tdk.co.jp/techmag/illustrated/200402/index.htm>
【特許文献1】特開2001−167929号公報
【特許文献2】特許第3152350号公報
【特許文献3】特許第3684239号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、集積回路を有する半導体デバイスにおいてICの直近でもEMI対策を行うことが可能な半導体デバイス及びその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するため、本発明は、集積回路を有する半導体基板と、半導体基板上に設けられた第1の絶縁層と、第1の絶縁層上に設けられた渦巻き状のコイルと、前記第1の絶縁層上において前記渦巻き状のコイルを覆う第2の絶縁層とを備えた半導体デバイスであって、前記半導体基板と前記第1の絶縁層との間に第1のフェライト層が設けられ、前記第1の絶縁層及び第2の絶縁層を覆う第2のフェライト層が設けられ、前記渦巻き状のコイルが、前記第1のフェライト層と第2のフェライト層との間に配置されていることを特徴とする半導体デバイスを提供する。
【0005】
本発明の半導体デバイスにおいては、前記半導体基板上に設けられ前記集積回路と導通するパッドと、前記渦巻き状のコイルとを導通する貫通配線を有することが好ましい。
前記第1のフェライト層と前記第1の絶縁層との間か又は前記第2のフェライト層と前記第2の絶縁層との間に、第3の絶縁層が設けられ、前記第3の絶縁層には、一端が前記渦巻き状のコイルの内終端と導通し、他端が前記第1の絶縁層上に設けられた第1の電極パッドと導通する配線層が設けられ、前記渦巻き状のコイルの外終端は、前記第1の絶縁層上に設けられた第2の電極パッドと導通していることが好ましい。
【0006】
また本発明は、集積回路を有する半導体基板上に第1のフェライト層を設ける工程と、前記第1のフェライト層上に第1の絶縁層を設ける工程と、前記第1の絶縁層上に渦巻き状のコイルを設ける工程と、前記第1の絶縁層上において前記渦巻き状のコイルを覆う第2の絶縁層を設ける工程と、前記第1の絶縁層及び第2の絶縁層を覆う第2のフェライト層を設ける工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、渦巻き状のコイルを第1のフェライト層と第2のフェライト層との間に配置することにより、これらのフェライト層がノイズ吸収デバイスとして機能し、フェライトビーズと同様の構成をIC基板上で実現することができる。これにより、集積回路(IC)の直近でEMI対策を取ることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
【0009】
図1は、本発明の第1形態例に係る半導体デバイスを模式的に示す断面図である。第1形態例に係る半導体デバイスは、集積回路(図示略)を有する半導体基板11と、半導体基板11上に設けられた第1の絶縁層14と、第1の絶縁層14上に設けられた渦巻き状のコイル10と、第1の絶縁層14上において渦巻き状のコイル10を覆う第2の絶縁層16とを備えた半導体デバイスであって、半導体基板11と第1の絶縁層14との間に第1のフェライト層12が設けられ、第1の絶縁層14及び第2の絶縁層16を覆う第2のフェライト層13が設けられ、渦巻き状のコイル10が、第1のフェライト層12と第2のフェライト層13との間に配置されたものである。
【0010】
本形態例においては、半導体基板11の片面にはパッシベーション膜などの保護膜11aが設けられ、第1のフェライト層12は、保護膜11aの上に設けられている。また、渦巻き状のコイル10は、第1の絶縁層14上に設けられた配線層15の一部として形成されている。半導体基板11としては、例えばシリコン(Si)基板が挙げられる。
【0011】
図1に示す半導体デバイスによれば、渦巻き状のコイル10を第1のフェライト層12と第2のフェライト層13との間に配置し、フェライトビーズと同様の構成をIC基板上で実現することにより、集積回路(IC)の直近でEMI対策を取ることが可能になる。
【0012】
第1形態例に係る半導体デバイスは、例えば以下の手順によって作製することができる。集積回路を有する半導体基板11の保護膜11a上に第1のフェライト層12を設けた後、第1のフェライト層12上に第1の絶縁層14を設ける。次いで、第1の絶縁層14上に渦巻き状のコイル10を有する配線層15を設けた後、第1の絶縁層14上において渦巻き状のコイル10を有する配線層15を覆う第2の絶縁層16を設ける。さらに、第1の絶縁層14及び第2の絶縁層16を覆う第2のフェライト層13を設けることにより、図1に示す半導体デバイスを作製することができる。
【0013】
また、本発明においては、図2に示すように、半導体基板21上に集積回路と導通するパッド21bを設け、このパッド21bと渦巻き状のコイル20とを導通する貫通配線21cを有することができる。
【0014】
図2に示す半導体デバイスによれば、渦巻き状のコイル20を第1のフェライト層22と第2のフェライト層23との間に配置し、フェライトビーズと同様の構成をIC基板上で実現することにより、集積回路(IC)の直近でEMI対策を取ることが可能になる。また、集積回路と導通するパッド21bと渦巻き状のコイル20とを貫通配線21cで導通させることができる。
【0015】
第2形態例に係る半導体デバイスは、例えば以下の手順によって作製することができる。集積回路を有する半導体基板21の保護膜21a上に第1のフェライト層22を設けた後、パッド21bと整合する位置で、第1のフェライト層22を開口する。第1のフェライト層22上に第1の絶縁層24を設けた後、パッド21bと整合する位置で、第1の絶縁層24を開口する。次いで、パッド21bと配線層25との導通をとる貫通配線21cを設けるとともに、第1の絶縁層24上に渦巻き状のコイル20を有する配線層25を設けた後、その上に第2の絶縁層26を設ける。さらに、第1の絶縁層24及び第2の絶縁層26を覆う第2のフェライト層23を設けることにより、図2に示す半導体デバイスを作製することができる。
【0016】
また、本発明においては、図3,図4に示すように、第1のフェライト層32と第1の絶縁層36との間に第3の絶縁層34を設け、この第3の絶縁層34上には、一端が渦巻き状のコイル30の内終端と導通し、他端が第1の絶縁層36上に設けられた第1の電極パッド37aと導通する配線層35を設け、渦巻き状のコイル30の外終端は、第1の絶縁層36上に設けられた第2の電極パッド37bと導通しているものとすることができる。図4に図示した例では、渦巻き状のコイルの巻数は4.5ターンであるが、特にこれに限定されるものではない。
【0017】
図3,4に示す半導体デバイスによれば、渦巻き状のコイル30を第1のフェライト層32と第2のフェライト層33との間に配置し、フェライトビーズと同様の構成をIC基板上で実現することにより、集積回路(IC)の直近でEMI対策を取ることが可能になる。また、第1の電極パッド37a及び第2の電極パッド37bを通じて、渦巻き状のコイル30に通電することができる。
【0018】
第3形態例に係る半導体デバイスは、例えば以下の手順によって作製することができる。集積回路を有する半導体基板31の保護膜31a上に第1のフェライト層32を設けた後、第1のフェライト層32上に第3の絶縁層34を設ける。次いで、第3の絶縁層34上に配線層35を設けた後、その上に第1の絶縁層36を設け、渦巻き状のコイル30と配線層35との導通をとる部分で、第1の絶縁層36を開口する。次いで、第1の絶縁層36上に渦巻き状のコイル30を有する配線層37を設けた後、その上に第2の絶縁層38を設ける。さらに、第3の絶縁層34、第1の絶縁層36及び第2の絶縁層38を覆う第2のフェライト層33を設けることにより、図3に示す半導体デバイスを作製することができる。
【0019】
また、本発明においては、図5に示すように、第2のフェライト層43と第2の絶縁層46との間に第3の絶縁層48を設け、第2の絶縁層46と第3の絶縁層48との間には、一端が渦巻き状のコイル40の内終端と導通し、他端が第1の絶縁層44上に設けられた第1の電極パッド45aと導通する配線層47が設けられ、渦巻き状のコイル40の外終端は、第1の絶縁層44上に設けられた第2の電極パッド45bと導通しているものとすることができる。
【0020】
図5に示す半導体デバイスによれば、渦巻き状のコイル40を第1のフェライト層42と第2のフェライト層43との間に配置し、フェライトビーズと同様の構成をIC基板上で実現することにより、集積回路(IC)の直近でEMI対策を取ることが可能になる。また、第1の電極パッド45a及び第2の電極パッド45bを通じて、渦巻き状のコイル40に通電することができる。
【0021】
第4形態例に係る半導体デバイスは、例えば以下の手順によって作製することができる。集積回路を有する半導体基板41の保護膜41a上に第1のフェライト層42を設けた後、第1のフェライト層42上に第1の絶縁層44を設ける。次いで、第1の絶縁層44上に渦巻き状のコイル40を有する配線層45を設けた後、その上に第2の絶縁層46を設け、渦巻き状のコイル40と配線層47との導通をとる部分で、第2の絶縁層46を開口する。次いで、第2の絶縁層46上に配線層47を設けた後、その上に第3の絶縁層48を設ける。さらに、第1の絶縁層44、第2の絶縁層46及び第3の絶縁層48を覆う第2のフェライト層43を設けることにより、図5に示す半導体デバイスを作製することができる。
【0022】
また、本発明においては、図6に示すように、第1のフェライト層52と第1の絶縁層56との間に第3の絶縁層54を設け、この第3の絶縁層54上には、一端が渦巻き状のコイル50の内終端と導通し、他端が第1の絶縁層56上に設けられた第1の電極パッド57aと導通する配線層55を設け、渦巻き状のコイル50の外終端は、第1の絶縁層56上に設けられた第2の電極パッド57bと導通しており、半導体基板51上に集積回路と導通するパッド51bを設け、このパッド51bと渦巻き状のコイル50とを導通する貫通配線51cを有することができる。
【0023】
図6に示す半導体デバイスによれば、渦巻き状のコイル50を第1のフェライト層52と第2のフェライト層53との間に配置し、フェライトビーズと同様の構成をIC基板上で実現することにより、集積回路(IC)の直近でEMI対策を取ることが可能になる。また、集積回路と導通するパッド51bと渦巻き状のコイル50とを貫通配線51cで導通させることができる。また、第1の電極パッド57a及び第2の電極パッド57bを通じて、渦巻き状のコイル50に通電することができる。
【0024】
第5形態例に係る半導体デバイスは、例えば以下の手順によって作製することができる。集積回路を有する半導体基板51の保護膜51a上に第1のフェライト層52を設けた後、パッド51bと整合する位置で、第1のフェライト層52を開口する。第1のフェライト層52上に第3の絶縁層54を設けた後、パッド51bと整合する位置で、第3の絶縁層54を開口する。次いで、パッド51bと配線層55との導通をとる貫通配線51cを設けるとともに、第3の絶縁層54上に配線層55を設けた後、その上に第1の絶縁層56を設け、渦巻き状のコイル50と配線層55との導通をとる部分及びパッド51bと配線層57との導通をとる部分で、第1の絶縁層56を開口する。次いで、パッド51bと配線層57との導通をとる貫通配線51cを設けるとともに、第1の絶縁層56上に渦巻き状のコイル50を有する配線層57を設けた後、その上に第2の絶縁層58を設ける。さらに、第3の絶縁層54、第1の絶縁層56及び第2の絶縁層58を覆う第2のフェライト層53を設けることにより、図6に示す半導体デバイスを作製することができる。
【0025】
また、本発明においては、図7に示すように、第2のフェライト層63と第2の絶縁層66との間に第3の絶縁層68を設け、第2の絶縁層66と第3の絶縁層68との間には、一端が渦巻き状のコイル60の内終端と導通し、他端が第1の絶縁層64上に設けられた第1の電極パッド65aと導通する配線層67が設けられ、渦巻き状のコイル60の外終端は、第1の絶縁層64上に設けられた第2の電極パッド65bと導通しているものとすることができる。
【0026】
図7に示す半導体デバイスによれば、渦巻き状のコイル60を第1のフェライト層62と第2のフェライト層63との間に配置し、フェライトビーズと同様の構成をIC基板上で実現することにより、集積回路(IC)の直近でEMI対策を取ることが可能になる。また、集積回路と導通するパッド61bと渦巻き状のコイル60とを貫通配線61cで導通させることができる。また、第1の電極パッド65a及び第2の電極パッド65bを通じて、渦巻き状のコイル60に通電することができる。
【0027】
第6形態例に係る半導体デバイスは、例えば以下の手順によって作製することができる。集積回路を有する半導体基板61の保護膜61a上に第1のフェライト層62を設けた後、パッド61bと整合する位置で、第1のフェライト層62を開口する。第1のフェライト層62上に第1の絶縁層64を設けた後、パッド61bと整合する位置で、第1の絶縁層64を開口する。次いで、パッド61bと配線層65との導通をとる貫通配線61cを設けるとともに、第1の絶縁層64上に渦巻き状のコイル60を有する配線層65を設けた後、その上に第2の絶縁層66を設け、渦巻き状のコイル60と配線層67との導通をとる部分で、第2の絶縁層66を開口する。次いで、第2の絶縁層66上に配線層67を設けた後、その上に第3の絶縁層68を設ける。さらに、第1の絶縁層64、第2の絶縁層66及び第3の絶縁層68を覆う第2のフェライト層63を設けることにより、図7に示す半導体デバイスを作製することができる。
【0028】
なお、上述の半導体デバイスにおいて、渦巻状のコイルを外部の電源から通電するため、第1の電極パッド37a,45a,57a,65a及び第2の電極パッド37b,45b,57b,65bと整合する位置で、これら電極パッド上の絶縁層及び第2のフェライト層を開口し、その開口部に端子やバンプなどを設けることができる。
【0029】
以上説明したように、本発明によれば、ICチップ上に、ウエハレベルパッケージ(WLP)技術を利用したオンチップノイズ吸収デバイスを形成することにより、ICチップ内でノイズ対策が可能となる。これにより、実装面積の低減が可能となる。また、基板上の配置に関する設計の自由度が向上し、設計工数が不要となる。
【実施例】
【0030】
本発明の実施例に係る半導体デバイスは、次の1.から7.の工程を行うことにより、製造することができる。
【0031】
1.集積回路を有するSi基板上に、スパッタ法にて第1のフェライト層となるNi−Znフェライト膜を2μmの膜厚で成膜する。次に、Si基板の集積回路上のパッドと整合する位置で、第1のフェライト層を開口する。
2.第1のフェライト層上に第3の絶縁層を、プラズマCVD酸化膜により、1μmの膜厚で形成し、パッドと整合する位置で、第3の絶縁層を開口する。
3.第3の絶縁層上に、第1の配線層(コイルの下部配線層)となるCu層を、電解めっき法により、5μmの膜厚で形成する。このときのCuめっきにより、集積回路上のパッドと第1の配線層との導通をとる貫通配線が、第1の配線層のCu層とともに形成される。
【0032】
4.第3の絶縁層上に、第1の配線層を覆う第1の絶縁層を、絶縁樹脂により10μmの膜厚で形成し、渦巻き状のコイルと第1の配線層との導通をとる部分で、第1の絶縁層を開口する。
5.第1の絶縁層上に、渦巻き状のコイルを有する第2の配線層となるCu層を、電解めっき法により、10μmの膜厚で形成する。このときのCuめっきにより、第1の配線層と渦巻き状のコイルとの導通をとる貫通配線が、第2の配線層とともに形成される。渦巻き状のコイルの部分のCu層の平面形状は、例えば500μm角で、巻数は、例えば5.5ターンである。
【0033】
6.第1の絶縁層上に、第2の配線層を覆う第2の絶縁層を、絶縁樹脂により10μmの膜厚で形成する。渦巻き状のコイルの両端に導通する第1の電極パッド及び第2の電極パッドを外部と導通するため、これら電極パッドと整合する位置で、第2の絶縁層を開口する。
7.第3の絶縁層、第1の絶縁層及び第2の絶縁層を覆う第2のフェライト層として、スパッタ法にてNi−Znフェライト膜を2μmの膜厚で成膜する。第1の電極パッド及び第2の電極パッドを外部と導通するため、これら電極パッドと整合する位置で、第2のフェライト層を開口する。
【0034】
上記構成を用いることで、低周波領域では低インピーダンスを示し、高周波領域(GHz帯)では顕著なインピーダンス増加を得ることができる。すなわち、高周波領域のノイズを阻害するオンチップノイズ抑制デバイスとして機能させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、デジタル機器、無線機器、各種電子機器等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1形態例に係る半導体デバイスを模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の第2形態例に係る半導体デバイスを模式的に示す断面図である。
【図3】渦巻き状のコイルの一例を示す平面図である。
【図4】本発明の第3形態例に係る半導体デバイスを模式的に示す断面図である。
【図5】本発明の第4形態例に係る半導体デバイスを模式的に示す断面図である。
【図6】本発明の第5形態例に係る半導体デバイスを模式的に示す断面図である。
【図7】本発明の第6形態例に係る半導体デバイスを模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0037】
10,20,30,40,50,60…渦巻き状のコイル、11,21,31,41,51,61…半導体基板、11a,21a,31a,41a,51a,61a…保護膜、12,22,32,42,52,62…第1のフェライト層、13,23,33,43,53,63…第2のフェライト層、14,24,36,44,56,64…第1の絶縁層、15,25,35,37,45,47,55,57,65,67…配線層、16,26,38,46,58,66…第2の絶縁層、21b,51b,61b…パッド、21c,51c,61c…貫通配線、34,48,54,68…第3の絶縁層、37a,45a,57a,65a…第1の電極パッド、37b,45b,57b,65b…第2の電極パッド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路を有する半導体基板と、半導体基板上に設けられた第1の絶縁層と、第1の絶縁層上に設けられた渦巻き状のコイルと、前記第1の絶縁層上において前記渦巻き状のコイルを覆う第2の絶縁層とを備えた半導体デバイスであって、
前記半導体基板と前記第1の絶縁層との間に第1のフェライト層が設けられ、前記第1の絶縁層及び第2の絶縁層を覆う第2のフェライト層が設けられ、前記渦巻き状のコイルが、前記第1のフェライト層と第2のフェライト層との間に配置されていることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項2】
前記半導体基板上に設けられ前記集積回路と導通するパッドと、前記渦巻き状のコイルとを導通する貫通配線を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記第1のフェライト層と前記第1の絶縁層との間か又は前記第2のフェライト層と前記第2の絶縁層との間に、第3の絶縁層が設けられ、
前記第3の絶縁層には、一端が前記渦巻き状のコイルの内終端と導通し、他端が前記第1の絶縁層上に設けられた第1の電極パッドと導通する配線層が設けられ、
前記渦巻き状のコイルの外終端は、前記第1の絶縁層上に設けられた第2の電極パッドと導通していることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
集積回路を有する半導体基板上に第1のフェライト層を設ける工程と、
前記第1のフェライト層上に第1の絶縁層を設ける工程と、
前記第1の絶縁層上に渦巻き状のコイルを設ける工程と、
前記第1の絶縁層上において前記渦巻き状のコイルを覆う第2の絶縁層を設ける工程と、
前記第1の絶縁層及び第2の絶縁層を覆う第2のフェライト層を設ける工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−16732(P2009−16732A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−179632(P2007−179632)
【出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】