説明

半導体デバイス用高速プロービング装置及びそのためのプローブステージ

【課題】半導体デバイスの電気試験を高速化する。
【解決手段】半導体デバイスプロービング装置は、試験チャンバを定めるように構成されたハウジング、ハウジング内に配置され、少なくとも1つの被試験デバイス62を載せるように構成されたデバイスホルダ70及びハウジング内に配置された少なくとも1つのプローブステージ50を備える。プローブステージ50は、ベース52、ベース52に軸旋回可能な態様で結合され、少なくとも1つのプローブ58を保持するように構成された保持部92を有する保持アーム90及びベース52上に配置されたステッパ80を備える。ステッパ80は、電気信号に応答して、保持アーム90でプローブ58を下方に移動させて被試験デバイス62にコンタクトさせ、保持アーム90でプローブ58を上方に移動させて被試験デバイス62から離し、よってプローブ58の上下移動を6サイクル毎秒より高頻度で行えるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は半導体デバイス用高速プロービング装置及びそのためのプローブステージに関し、さらに詳しくは、プローブを下方に移動させて被試験デバイスにコンタクトさせ、プローブを上方に移動させて被試験デバイスから離すように構成された高速ステッパが装備され、さらに被試験デバイスへのプローブのコンタクトを検知するように構成されたコンタクトセンサが装備された、半導体デバイス用プロービング装置及びそのためのプローブステージに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、集積回路デバイスまたは発光デバイスのような半導体デバイスの電気特性を、半導体デバイスが製品仕様を満たすか否かをチェックするためにウエハレベルで試験することが必要である。電気特性及び光特性が仕様を満たしている半導体デバイスが以降のパッケージ封入プロセスのために選ばれ、仕様を満たさないデバイスは余分なパッケージ封入費用を排するために廃棄される。試験の時間及び費用は主としてウエハが配置されるステージの移動速度に依存し、移動速度が高くなるほど、対応して、試験の時間が短縮され、費用が低減される。
【0003】
図1及び2は、ウエハ310の被試験デバイス312,314及び316にコンタクトするためにプローブカードまたはプローブユニット302を用いる、従来のプローブシステム300を示す。被試験デバイスを保持する、チャックのようなデバイスホルダ304は、X,Y及びZの、3軸で移動できる。電気試験を開始するため、デバイスホルダ304は、水平方向に移動して1つのデバイス314をプローブユニット302と位置合わせしてからウエハ310を上方に移動させ、よってプローブユニット302をデバイス314にコンタクトさせて電気接続を形成し、次いで電気試験が進められ、電気試験が完了するとデバイスホルダ304がウエハ310を下方に移動させてプローブカード302をそれぞれのデバイスから離れさせ、デバイスホルダ304は次いで別のデバイス316がプローにユニット302と位置合せされるように水平方向に移動し、デバイスホルダ304がウエハ310を上方に移動させて、電気試験が反復される。
【0004】
この構成は現行の試験に広く用いられ、例えば、特許文献1は図1及び2に示されるように被試験デバイスをX,Y及びZ方向に移動させるためにこの構成を用いる試験システムを開示している。しかし、この構成は、デバイスホルダ304が比較的重く、上下移動頻度が一般に6サイクル毎秒以下に限定されるため、高速試験システムに適用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0100312号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、半導体デバイスのウエハレベルにおける電気試験を高速化するための手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様では、プローブを下方に移動させて被試験デバイスにコンタクトさせ、プローブを上方に移動させて被試験デバイスから離すように構成された高速ステッパが装備され、さらに被試験デバイスへのプローブのコンタクトを検知するように構成されたコンタクトセンサが装備された、半導体デバイス用高速プロービング装置及びプローブステージが提供される。
【0008】
本開示の一態様では、ベース、ベースに軸旋回可能な態様で結合され、少なくとも1つのプローブを保持するように構成された保持部を有する、保持アーム、及びベース上に配置されたステッパを備える、プローブステージが開示される。本開示の一実施形態において、ステッパは、電気信号に応答して、保持アームによりプローブを下方に移動させて被試験デバイスにコンタクトさせ、保持アームによりプローブを上方に移動させて被試験デバイスから離し、よってプローブの上下移動を一般に6サイクル毎秒より多い比較的高い頻度で行うことができるように構成される。本開示の一実施形態において、プローブステージはさらに、被試験デバイスへのプローブのコンタクトを検知するように構成されたコンタクトセンサを備える。
【0009】
本開示の別の態様では、試験チャンバを定めるように構成されたハウジング、ハウジング内に配置され、少なくとも1つに被試験デバイスを受け入れるように構成されたデバイスホルダ、及びハウジング内に配置された少なくとも1つのプローブステージを備える、半導体デバイス用プロービング装置が提供される。本開示の一実施形態において、プローブステージは、ベース、ベースに軸旋回可能な態様で結合され、少なくとも1つのプローブを保持するように構成された保持部を有する、保持アーム、及びベース上に配置されたステッパを備える。本開示の一実施形態において、ステッパは、電気信号に応答して、保持アームによりプローブを下方に移動させて被試験デバイスにコンタクトさせ、保持アームによりプローブを上方に移動させて被試験デバイスから離し、よってプローブの上下移動を一般に6サイクル毎秒より多い比較的高い頻度で行うことができるように構成される。本開示の一実施形態において、プローブステージはさらに、被試験デバイスへのプローブのコンタクトを検知するように構成されたコンタクトセンサを備える。
【発明の効果】
【0010】
従来技術によれば、デバイスホルダの構成は、デバイスホルダが非常に重く、上下運動の頻度が一般に6サイクル毎秒以下に限定されるため、高速試験システムに適用できない。対照的に、本開示では、被試験デバイスとプローブのコンタクトを実施するために重いデバイスホルダを上下に移動させる代わりに、被試験デバイスとプローブのコンタクトを実施するために軽いプローブを上下に移動させるため、高速ステッパが用いられる。したがって、一般に6サイクル毎秒より多い比較的高い頻度でプローブの上下運動を行うことができる。
【0011】
上に本開示の特徴及び技術的利点を、以降の本発明の詳細な説明がより良く理解され得るように、かなり広汎に略述した。本発明のさらなる特徴及び利点は以降に説明され、本発明の特許請求項の主題をなす。開示される創案及び特定の実施形態を、本開示と同じ目的を実行するために改変するかまたは別の構造またはプロセスを案出するための基盤として、容易に利用できることが当業者には当然であろう。そのような等価な構成が添付される特許請求の範囲に述べられるような本発明の精神及び範囲を逸脱しないことも当業者には当然であろう。
【0012】
本開示の目的及び利点は、以下の説明を読み、添付図面を参照すれば、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は従来のプローブシステムを示す。
【図2】図2は従来のプローブシステムを示す。
【図3】図3は本開示の一実施形態にしたがうプロービング装置を示す。
【図4】図4は本開示の一実施形態にしたがうプロービング装置を示す。
【図5】図5は本開示の一実施形態にしたがうプロービング装置を示す。
【図6】図6は本開示の一実施形態にしたがうプロービング装置を示す。
【図7】図7は本開示の別の実施形態にしたがうプロービング装置を示す。
【図8】図8は本開示の別の実施形態にしたがうプロービング装置を示す。
【図9】図9は本開示の別の実施形態にしたがうプロービング装置を示す。
【図10】図10は本開示の別の実施形態にしたがうプロービング装置を示す。
【図11】図11は本開示の別の実施形態にしたがうプロービング装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図3〜6は本開示の一実施形態にしたがうプロービング装置100を示す。プロービング装置100は、ハウジング40,ハウジング40内に配置され、少なくとも1つのプローブ58を保持するように構成された、少なくとも1つのプローブステージ50,及び、ハウジング内に配置され、少なくとも1つの被試験半導体デバイス62を受け入れるように構成された、デバイスホルダ70を備える。本開示の一実施形態において、ハウジング40は、本体42,本体42上に配置されたプラテン44及び試験チャンバ102を形成するように構成されたカバー46を有し、試験チャンバ102内部にはプローブステージ50及びデバイスホルダ70が配置されており、プローブステージ50はプラテン44上に配置される。本開示の一実施形態において、デバイスホルダ70は、ハウジング40内に配置された可動スタンド72及び、デバイスホルダ70内に配置され、デバイスホルダ70の温度を制御するように構成された、ヒーター及び/またはクーラーのような、温度コントローラ74を有する。
【0015】
図4を参照すれば、本開示の一実施形態において、プローブステージ50は、ピボット54を有するベース52,ピボット54によって軸旋回可能な態様でベース52に結合され、少なくとも1つのプローブ58を保持するように構成された保持部92を有する、保持アーム90,及びベース52上に配置されたステッパ80を有する。本開示の一実施形態において、ステッパ80は、電気信号に応答して、保持アーム90によりプローブ58を下方に移動させて被試験デバイス62にコンタクトさせ、保持アーム90によりプローブ58を上方に移動させて被試験デバイス62から離し、よってプローブ58の上下移動を一般に6サイクル毎秒より多い高い頻度で行うことができるように構成される。
【0016】
本開示の一実施形態において、ステッパ80は圧電ステッパで実施され、印加電圧信号に応答して上下に動く。本開示の一実施形態において、ステッパ80は、小形オーディオスピーカーに普通に用いられ得るであろうボイスコイルを用いるステッパのような、電磁ステッパで実施され、印加電流信号に応答して上下に動く。
【0017】
図5を参照すれば、本開示の一実施形態において、プローブステージ50は、被試験デバイス62へのプローブ58のコンタクトを検知するように構成されたコンタクトセンサ88を備える。本開示の一実施形態において、コンタクトセンサ88はステッパ80上に配置された第1の端子84及び保持アーム90上に配置された第2の端子86を有し、第1の端子84は第2の端子86に対向する。本開示の一実施形態においては、第1の端子84を上方に移動させて第2の端子86に接触させ、続いてプローブ58がデバイス62から離れるようにステッパ80によって保持アーム90を上方に移動させるような電流がステッパ80に供給され、また、第1の端子84を下方に移動させ、プローブ58をデバイス62に接触させて、第1の端子84を第2の端子86から離すような電流がステッパ80に供給される。言い換えれば、第1の端子84はプローブ58が被試験デバイス62から離れているときには第2の端子86に接触しているように構成され、第1の端子84はプローブ58が被試験デバイス62にコンタクトしているときには第2の端子86から離れているように構成される。
【0018】
本開示の一実施形態において、プローブステージ50は、コンタクトセンサ88に電気的に接続された発光素子94及び、コンタクトセンサ88と発光素子94に電気的に直列接続された、電源96を備える。ステッパ80が第1の端子84を移動させて第2の端子86に接触させ、プローブ58をデバイス62から離すと、第1の端子84の第2の端子86との接触によって、発光素子94が発光するように電流ループが形成され、ステッパ80が第1の端子84を下方に移動させると、プローブ58がデバイス62にコンタクトし、第1の端子84は第2の端子86から離れて電流ループが断たれ、よって、発光素子94は発光を停止する。言い換えれば、発光素子94はプローブ58のコンタクトインジケータとして機能する。
【0019】
図6を参照すれば、本開示の一実施形態において、コンタクトセンサ88がテスタ78に電気的に接続され、第1の端子84の第2の端子86からの分離がプローブ58のデバイス62との電気的コンタクトをテスタ78に知らせて、テスタ78がプローブ58を介して試験信号をデバイス62に送り、応答信号をデバイス62から受け取る(接続配線は図に示されていない)。本開示の一実施形態において、テスタ78は電気信号を発生するように構成された信号発生器82に電気的に接続され、デバイス62の試験が完了すると、第1の端子84が第2の端子86に接触し、第2の端子86をさらに上方に移動させ、プローブ58がデバイス62から離れるように、テスタ78は信号発生器82に指令してステッパ88に上昇信号を送らせる。本開示の一実施形態において、テスタ78はデバイスホルダ70に電気的に接続され、第1の端子84の第2の端子86との接触がプローブ58のデバイス62からの離脱をテスタ78に知らせ、テスタ78は次いで、別の被試験デバイスがプローブ58と位置合せされて試験にかけられるように、デバイスホルダ70に水平方向移動を指令することができる。
【0020】
本開示の一実施形態において、プローブステージ50は、保持アーム90上に配置され、プローブ58により被試験デバイス62に一定の力を実質的に印加するように構成された、重錘98を有する。ステッパ80が第1の端子84を下方に移動させると、プローブ58がデバイス62にコンタクトし、第1の端子84が第2の端子86から離れて、重錘98が被試験デバイス62にかかるプローブ58の印加力に影響する唯一の要因になる。すなわち、重錘98の重さは一定であるから、プローブ58は被試験デバイス62に一定の力をかける。本開示の一実施形態において、プローブ58によって被試験デバイス62にかけられる一定の力を様々に変えるために、保持アーム90に重さの異なる様々な重錘98を装着することができる。
【0021】
図7〜11は、本開示の一実施形態にしたがうプロービング装置100’を示す。プロービング装置100’は、ハウジング40,ハウジング40に配置され、少なくとも1つのプローブカード10を保持するように構成された、少なくとも1つのプローブステージ50’及び、ハウジング40内に配置され、少なくとも1つの被試験半導体デバイス62を受け入れるように構成された、デバイスホルダ70を備える。本開示の一実施形態において、ハウジング40は、本体42,本体42上に配置されたプラテン44及び試験チャンバ102を形成するように構成されたカバー46を有し、試験チャンバ102内部にプローブステージ50’及びデバイスホルダ70が配置されており、プローブステージ50’はプラテン44上に配置される。本開示の一実施形態において、デバイスホルダ70は、ハウジング40内に配置された可動スタンド72及び、デバイスホルダ70内に配置され、デバイスホルダ70の温度を制御するように構成された、ヒーター及び/またはクーラーのような、温度コントローラ74を有する。本開示の一実施形態において、プローブカード10は、図8に示されるように、基板12,基板12上に配置された支持体14,及びエポキシ樹脂18で支持体14上に固定された複数のプローブ16を有する。
【0022】
図9を参照すれば、本開示の一実施形態において、プローブステージ50’は、ピボット54を有するベース52,ピボット54により軸旋回可能な態様でベース52に結合され、プローブ16をもつ少なくとも1枚のプローブカード10を保持するように構成された保持部92’を有する保持アーム90’,及びベース52上に配置されたステッパ80を有する。本開示の一実施形態において、ステッパ80は、電気信号に応答して、保持アーム90’によりプローブ16を下方に移動させて被試験デバイス62にコンタクトさせ、保持アーム90’によりプローブ16を上方に移動させて被試験デバイス62から離し、よってプローブ16の上下移動を一般に6サイクル毎秒より多い高い頻度で行うことができるように構成される。
【0023】
本開示の一実施形態において、ステッパ80は圧電ステッパで実施され、印加電圧信号に応答して上下に動く。本開示の一実施形態において、ステッパ80は、小形オーディオスピーカーに普通に用いられ得るであろうボイスコイルを用いるステッパのような、電磁ステッパで実施され、印加電流信号に応答して上下に動く。
【0024】
図10を参照すれば、本開示の一実施形態において、プローブステージ50’は、被試験デバイス62へのプローブ16のコンタクトを検知するように構成されたコンタクトセンサ88を備える。本開示の一実施形態において、コンタクトセンサ88はステッパ80上に配置された第1の端子84及び保持アーム90’上に配置された第2の端子86を有し、第1の端子84は第2の端子86に対向する。本開示の一実施形態において、ステッパ80には、第1の端子84を上方に移動させて第2の端子86に接触させ、続いてプローブ16がデバイス62から離れるようにステッパ80によって保持アーム90’を上方に移動させるような電流が供給され、また、ステッパ80には、第1の端子84を下方に移動させ、プローブ16をデバイス62に接触させて、第1の端子84を第2の端子86から離すような電流が供給される。言い換えれば、第1の端子84はプローブ16が被試験デバイス62から離れているときには第2の端子86に接触しているように構成され、第1の端子84はプローブ16が被試験デバイス62にコンタクトしているときには第2の端子86から離れているように構成される。
【0025】
本開示の一実施形態において、プローブステージ50’は、コンタクトセンサ88に電気的に接続された発光素子94及び、コンタクトセンサ88と発光素子94に電気的に直列接続された、電源96を備える。ステッパ80が第1の端子84を上方に移動させて第2の端子86に接触させ、プローブ16をデバイス62から離すと、第1の端子84の第2の端子86との接触によって、発光素子94が発光するように電流ループが形成され、ステッパ80が第1の端子84を下方に移動させると、プローブ16がデバイス62にコンタクトし、第1の端子84は第2の端子86から離れて電流ループが断たれ、よって、発光素子94は発光を停止する。言い換えれば、発光素子94はプローブ16のコンタクトインジケータとして機能する。
【0026】
図11を参照すれば、本開示の一実施形態において、コンタクトセンサ88がテスタ78に電気的に接続され、第1の端子84の第2の端子86からの分離がプローブ16のデバイス62との電気的コンタクトをテスタ78に知らせて、テスタ78がプローブ16を介して試験信号をデバイス62に送り、応答信号をデバイス62から受け取る(接続配線は図に示されていない)。本開示の一実施形態において、テスタ78は電気信号を発生するように構成された信号発生器82に電気的に接続され、デバイス62の試験が完了すると、第1の端子84が第2の端子86に接触し、第2の端子86をさらに上方に移動させ、プローブ16がデバイス62から離れるように、テスタ78は信号発生器82に指令してステッパ88に上昇信号を送らせる。本開示の一実施形態において、テスタ78はデバイスホルダ70に電気的に接続され、第1の端子84の第2の端子86との接触がプローブ16のデバイス62からの離脱をテスタ78に知らせ、テスタ78は次いで、別の被試験デバイスがプローブ16と位置合せされて試験にかけられるように、デバイスホルダ70に水平方向移動を指令することができる。
【0027】
本開示の一実施形態において、プローブステージ50’は、保持アーム90’上に配置され、プローブ16により被試験デバイス62に一定の力を実質的に印加するように構成された、重錘98を有する。ステッパ80が第1の端子84を下方に移動させると、プローブ16が被試験デバイス62にコンタクトし、第1の端子84が第2の端子86から離れて、重錘98が被試験デバイス62にかかるプローブ16の印加力に影響する唯一の要因になる。すなわち、重錘98の重さは一定であるから、プローブ16は被試験デバイス62に一定の力をかける。本開示の一実施形態において、プローブ16によって被試験デバイス62にかけられる一定の力を様々に変えるために、保持アーム90’に重さの異なる様々な重錘98を装着することができる。
【0028】
従来技術にしたがうデバイスホルダの構成は、デバイスホルダが比較的重く、上下運動の頻度が一般に6サイクル毎秒以下に限定されるから、高速試験システムに適用することはできない。対照的に、本開示では、比較的重いデバイスホルダを上下に動かして被試験デバイスとプローブのコンタクトを実施する代わりに、比較的軽量のプローブを上下に動かして被試験デバイスとプローブのコンタクトを実施するために高速ステッパが用いられる。したがって、一般に6サイクル毎秒より多く数1000サイクル毎秒までの、比較的高い頻度でプローブカードの上下運動を行って、高速試験の要請に答えることができる。
【0029】
本開示及びその利点を詳細に説明したが、添付される特許請求の範囲に定められるような本発明の精神及び範囲を逸脱することなく本開示に様々な変更、置換及び改変がなされ得ることは当然である。例えば、上で論じたプロセスの多くは異なる方法で実施することができ、別のプロセスで置き換えることができ、あるいはこれらの組合せとすることができる。
【0030】
さらに、本明細書に説明される、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法及び工程の特定の実施形態に本出願の範囲を限定することは考えられていない。当業者には本開示の説明から容易に理解されるであろうように、本明細書に説明される対応する実施形態と実質的に同じ機能を果たすかまたは実質的に同じ結果を達成する、既存のまたはこれから開発されるであろう、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法または工程を本開示にしたがって利用することができる。したがって、添付される特許請求請求項は、そのようなプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法または工程をそれぞれの範囲内に包含するとされる。
【符号の説明】
【0031】
10 プローブカード
12 プローブカード基板
14 支持体
16,58 プローブ
18 エポキシ樹脂
40 ハウジング
42 ハウジング本体
44 プラテン
46 ハウジングカバー
50,50’ プローブステージ
52 ベース
54 ピボット
62 被試験デバイス
70 デバイスホルダ
72 デバイスホルダ可動スタンド
74 デバイスホルダ温度コントローラ
78 テスタ
80 ステッパ
82 信号発生器
84,86 コンタクトセンサ端子
88 コンタクトセンサ
90,90’ 保持アーム
92,92’ 保持部
94 発光素子
96 電源
98 重錘
100,100’ プロービング装置
102 試験チャンバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブステージにおいて、
ベース、
前記ベースに軸旋回可能な態様で結合され、少なくとも1つのプローブを保持するように構成された保持部を有する、保持アーム、及び
前記ベース上に配置されたステッパ、
を備え、
前記ステッパが、電気信号に応答して前記保持アームにより前記プローブを下方に移動させて被試験デバイスにコンタクトさせるかまたは前記保持アームにより前記プローブを上方に移動させて前記被試験デバイスから離すように構成される、
ことを特徴とするプローブステージ。
【請求項2】
前記被試験デバイスへの前記プローブの前記コンタクトを検知するように構成されたコンタクトセンサをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のプローブステージ。
【請求項3】
前記コンタクトセンサが前記ステッパ上に配置された第1の端子及び前記保持アーム上に配置された第2の端子を有し、前記第1の端子が前記第2の端子に対向することを特徴とする請求項2に記載のプローブステージ。
【請求項4】
前記第1の端子が、前記プローブが前記被試験デバイスから離れるときに、前記第2の端子に接触するように構成されることを特徴とする請求項3に記載のプローブステージ。
【請求項5】
前記第1の端子が、前記プローブが前記被試験デバイスにコンタクトするときに、前記第2の端子から離れるように構成されることを特徴とする請求項3に記載のプローブステージ。
【請求項6】
前記コンタクトセンサに電気的に接続された発光素子をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のプローブステージ。
【請求項7】
前記保持アーム上に配置され、前記プローブによって前記被試験デバイスに一定の力を実質的に印加するように構成された、重錘をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のプローブステージ。
【請求項8】
前記ステッパがボイスコイルステッパまたは圧電ステッパであることを特徴とする請求項1に記載のプローブステージ。
【請求項9】
前記ステッパが一般に6サイクル毎秒より高い頻度で前記プローブを上下に移動させるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のプローブステージ。
【請求項10】
前記保持部が前記プローブを備えるプローブカードを保持するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のプローブステージ。
【請求項11】
プロービング装置において、
試験チャンバを定めるように構成されたハウジング、
前記ハウジング内に配置され、少なくとも1つの被試験デバイスを受け入れるように構成された、デバイスホルダ、及び
前記ハウジング内に配置された少なくとも1つのプローブステージ、
を備え、
前記プローブステージが、
前記ハウジングに配置されたベース、
前記ベースに軸旋回可能な態様で結合され、少なくとも1つのプローブを保持するように構成された保持部を有する、保持アーム、及び
前記ベース上に配置されたステッパ、
を備え、
前記ステッパが、電気信号に応答して前記保持アームにより前記プローブを下方に移動させて被試験デバイスにコンタクトさせるかまたは前記保持アームにより前記プローブを上方に移動させて前記被試験デバイスから離すように構成される、
ことを特徴とするプロービング装置。
【請求項12】
前記被試験デバイスへの前記プローブの前記コンタクトを検知するように構成されたコンタクトセンサをさらに備えることを特徴とする請求項11に記載のプロービング装置。
【請求項13】
前記コンタクトセンサが前記ステッパ上に配置された第1の端子及び前記保持アーム上に配置された第2の端子を有し、前記第1の端子が前記第2の端子に対向することを特徴とする請求項12に記載のプロービング装置。
【請求項14】
前記第1の端子が、前記プローブが前記被試験デバイスから離れるときに、前記第2の端子に接触するように構成されることを特徴とする請求項13に記載のプロービング装置。
【請求項15】
前記第1の端子が、前記プローブが前記被試験デバイスにコンタクトするときに、前記第2の端子から離れるように構成されることを特徴とする請求項13に記載のプロービング装置。
【請求項16】
前記コンタクトセンサに電気的に接続された発光素子をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載のプロービング装置。
【請求項17】
前記発光素子及び前記コンタクトセンサに電気的に直列接続された電源をさらに備えることを特徴とする請求項16に記載のプロービング装置。
【請求項18】
前記コンタクトセンサに電気的に接続されたテスタをさらに備えることを特徴とする請求項13に記載のプロービング装置。
【請求項19】
前記テスタが前記電気信号を発生するように構成された信号発生器に電気的に接続されることを特徴とする請求項18に記載のプロービング装置。
【請求項20】
前記テスタが前記デバイスホルダに電気的に接続されることを特徴とする請求項18に記載のプロービング装置。
【請求項21】
前記保持アーム上に配置され、前記プローブによって前記被試験デバイスに一定の力を実質的に印加するように構成された、重錘をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載のプロービング装置。
【請求項22】
前記ステッパがボイスコイルステッパまたは圧電ステッパであることを特徴とする請求項11に記載のプロービング装置。
【請求項23】
前記ステッパが一般に6サイクル毎秒より高い頻度で前記プローブを上下に移動させるように構成されることを特徴とする請求項11に記載のプロービング装置。
【請求項24】
前記保持部が前記プローブを備えるプローブカードを保持するように構成されることを特徴とする請求項11に記載のプロービング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−54526(P2012−54526A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30621(P2011−30621)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(509101767)スター テクノロジーズ インコーポレイテッド (11)
【氏名又は名称原語表記】STAR TECHNOLOGIES INC.
【Fターム(参考)】