説明

半導体パッケージの製造方法

【課題】ボイド(気泡)の発生の抑制と、半導体パッケージの大型化の防止とを実現することが可能な半導体パッケージの製造方法を提供する。
【解決手段】配線基板の一方の面にシート状の樹脂を介して半導体チップが搭載された半導体パッケージの製造方法であって、前記配線基板10の一方の面に対向する面から前記配線基板の一方の面側に突起する突起部を有する保持治具27の前記突起部側に、前記シート状の樹脂25を保持する保持工程と、前記シート状の樹脂の、前記保持治具で保持されて突起状に変形した部分の先端を前記配線基板の一方の面の平坦部に接触させ押圧する押圧工程と、前記保持治具による前記シート状の樹脂の保持を解除し、前記シート状の樹脂を前記配線基板の一方の面に仮固定する仮固定工程と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板上に半導体チップを搭載した半導体パッケージの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、配線基板上にフリップチップ実装により半導体チップを搭載した半導体パッケージが知られている。このような半導体パッケージにおいて、配線基板と半導体チップとの接続信頼性の向上等を目的として、配線基板の半導体チップ搭載面と半導体チップとの間にアンダーフィル樹脂を充填する場合がある。
【0003】
以下、図面を参照しながら、従来の半導体パッケージについて説明する。始めに、従来の半導体パッケージの構造について説明する。図1は、従来の半導体パッケージを部分的に例示する断面図である。図1を参照するに、半導体パッケージ300は、配線基板100と、半導体チップ200と、アンダーフィル樹脂250とを有する。
【0004】
配線基板100は、配線層120と、プレソルダ140と、ソルダーレジスト層150とを有する。ソルダーレジスト層150は、配線層120を覆うように形成されている。ソルダーレジスト層150は、配線層120の一部を露出する開口部150xを有する。開口部150x内に露出する配線層120上にはプレソルダ140が形成されている。
【0005】
半導体チップ200は、本体210と、バンプ220とを有する。本体210は、シリコン等からなる薄板化された半導体基板(図示せず)上に半導体集積回路(図示せず)等が形成されたものである。本体210には、バンプ220が形成されている。バンプ220は、半導体集積回路(図示せず)と電気的に接続されている。
【0006】
半導体パッケージ300において、配線基板100の配線層120と半導体チップ200のバンプ220とは、プレソルダ140を介して電気的に接続されている。配線基板100の半導体チップ搭載面と半導体チップ200との間には、アンダーフィル樹脂250が充填されている。
【0007】
続いて、従来の半導体パッケージの製造方法について説明する。図2〜図4は、従来の半導体パッケージの製造工程を例示する図である。図2〜図4において、図1に示す半導体パッケージ300と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。図2〜図4を参照しながら、従来の半導体パッケージ300の製造方法について説明する。
【0008】
始めに、図2に示す工程では、配線基板100及び半導体チップ200を用意し、配線基板100のプレソルダ140が形成されている側(半導体チップ搭載面)と半導体チップ200のバンプ220が形成されている側とを対向させて、プレソルダ140とバンプ220とが対応する位置に来るように配置する。
【0009】
次いで、図3に示す工程では、プレソルダ140を例えば230℃に加熱し、はんだを溶融させることにより、配線基板100の配線層120と半導体チップ200のバンプ220とをプレソルダ140を介して電気的に接続する。次いで、図4に示す工程では、ノズル500を用いて、アンダーフィル樹脂250aを半導体チップ200の側面より塗布する。なお、アンダーフィル樹脂250aは、硬化してアンダーフィル樹脂250となる液状の材料である。
【0010】
ここで、配線基板100の半導体チップ搭載面と半導体チップ200の半導体チップ搭載面と対向する面の間隔は100μm程度であるため、液状の材料であるアンダーフィル樹脂250aは毛細管現象により、配線基板100の半導体チップ搭載面と半導体チップ200との間に充填される。その後、アンダーフィル樹脂250aは、硬化してアンダーフィル樹脂250となる。このようにして、図1に示す半導体パッケージ300が製造される。
【0011】
図1〜図4では、液状の材料であるアンダーフィル樹脂250aを毛細管現象により、配線基板100の半導体チップ搭載面と半導体チップ200との間に充填する例を示したが、アンダーフィル樹脂250としてシート状の樹脂材料を用いても構わない。その場合には、配線基板上にシート状の樹脂材料を貼り付けておき、その後シート状の樹脂材料上の所定の位置に半導体チップを配置し、半導体チップを押圧後加熱しプレソルダを溶融することにより配線基板の配線層と半導体チップのバンプとをプレソルダを介して電気的に接続することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2000−286302号公報
【特許文献2】特開2004−22995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、半導体パッケージ300において、配線基板100の半導体チップ搭載面と半導体チップ200の半導体チップ搭載面と対向する面の間隔は極めて狭いので、液状の材料であるアンダーフィル樹脂250aが毛細管現象により配線基板100の半導体チップ搭載面と半導体チップ200との間に入り込む際に、完全に充填されずボイド(気泡)が発生するという問題があった。
【0014】
又、配線基板100の半導体チップ搭載面と半導体チップ200との間にアンダーフィル樹脂250を充填されるためには、図4に示す工程において、液状の材料であるアンダーフィル樹脂250aを十分に塗布する必要がある。しかし、液状の材料であるアンダーフィル樹脂250aの塗布量が多くなるとアンダーフィル樹脂250が不要な箇所にまで広がり面積が大きくなるため、半導体パッケージ300が大型化するという問題があった。
【0015】
又、シート状の樹脂材料を用いる場合には、シート状の樹脂材料を貼り付ける際に気泡を巻き込むため、ボイド(気泡)が発生するという問題があった。更に、シート状の樹脂材料を貼り付ける際の位置ずれの影響を防止すべく大きめの材料を用いるため、シート状の樹脂材料の面積が必要以上に大きくなり、半導体パッケージが大型化するという問題があった。
【0016】
上記の点に鑑みて、ボイド(気泡)の発生の抑制と、半導体パッケージの大型化の防止とを実現することが可能な半導体パッケージの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本半導体パッケージの製造方法は、配線基板の一方の面にシート状の樹脂を介して半導体チップが搭載された半導体パッケージの製造方法であって、前記配線基板の一方の面に対向する面から前記配線基板の一方の面側に突起する突起部を有する保持治具の前記突起部側に、前記シート状の樹脂を保持する保持工程と、前記シート状の樹脂の、前記保持治具で保持されて突起状に変形した部分の先端を前記配線基板の一方の面の平坦部に接触させ押圧する押圧工程と、前記保持治具による前記シート状の樹脂の保持を解除し、前記シート状の樹脂を前記配線基板の一方の面に仮固定する仮固定工程と、を有することを要件とする。
【発明の効果】
【0018】
開示の技術によれば、ボイド(気泡)の発生の抑制と、半導体パッケージの大型化の防止とを実現することが可能な半導体パッケージの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来の半導体パッケージを部分的に例示する断面図である。
【図2】従来の半導体パッケージの製造工程を例示する図(その1)である。
【図3】従来の半導体パッケージの製造工程を例示する図(その2)である。
【図4】従来の半導体パッケージの製造工程を例示する図(その3)である。
【図5】第1の実施の形態に係る半導体パッケージを例示する断面図である。
【図6】第1の実施の形態に係る半導体パッケージの製造工程を例示する図(その1)である。
【図7】第1の実施の形態に係る半導体パッケージの製造工程を例示する図(その2)である。
【図8】第1の実施の形態に係る半導体パッケージの製造工程を例示する図(その3)である。
【図9】第1の実施の形態に係る半導体パッケージの製造工程を例示する図(その4)である。
【図10】第1の実施の形態に係る半導体パッケージの製造工程を例示する図(その5)である。
【図11】第1の実施の形態に係る半導体パッケージの製造工程を例示する図(その6)である。
【図12】第1の実施の形態に係る吸着保持治具を例示する図である。
【図13】比較例として周知の吸着保持治具を例示する図である。
【図14】第2の実施の形態に係る吸着保持治具を例示する図である。
【図15】第3の実施の形態に係る吸着保持治具を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。
【0021】
〈第1の実施の形態〉
[第1の実施の形態に係る半導体パッケージの構造]
始めに、第1の実施の形態に係る半導体パッケージの構造について説明する。図5は、第1の実施の形態に係る半導体パッケージを例示する断面図である。図5を参照するに、第1の実施の形態に係る半導体パッケージ30は、配線基板10Aと、半導体チップ20と、アンダーフィル樹脂25とを有する。
【0022】
配線基板10Aは、絶縁層11と、第1配線層12と、第2配線層13と、プレソルダ14と、第1ソルダーレジスト層15と、第2ソルダーレジスト層16とを有する。絶縁層11の一方の面には第1配線層12が形成され、更に第1配線層12を覆うように第1ソルダーレジスト層15が形成されている。第1ソルダーレジスト層15は、第1配線層12の一部を露出する開口部15xを有する。開口部15x内に露出する第1配線層12上にはプレソルダ14が形成されている。
【0023】
絶縁層11の他方の面には第2配線層13が形成され、更に第2配線層13を覆うように第2ソルダーレジスト層16が形成されている。第2ソルダーレジスト層16は、第2配線層13の一部を露出する開口部16xを有する。第1配線層12と第2配線層13とは、絶縁層11を貫通するビアホール11xを介して電気的に接続されている。
【0024】
絶縁層11の材料としては、例えばエポキシ系の樹脂等を用いることができる。第1配線層12及び第2配線層13の材料としては、例えばCu等を用いることができる。プレソルダ14の材料としては、例えばPbを含む合金、SnとCuの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等を用いることができる。第1ソルダーレジスト層15及び第2ソルダーレジスト層16の材料としては、例えば感光性樹脂組成物等を用いることができる。なお、第1配線層12とプレソルダ14との間に、例えばAu層や、Ni層/Pd層/Au層をこの順番で積層したNi/Pd/Au層等を形成しても構わない。
【0025】
半導体チップ20は、本体21と、バンプ22とを有する。本体21は、シリコン等からなる薄板化された半導体基板(図示せず)上に半導体集積回路(図示せず)等が形成されたものである。本体21には、バンプ22が形成されている。バンプ22は、半導体集積回路(図示せず)と電気的に接続されている。バンプ22としては、例えばAuバンプ等を用いることができる。又、バンプ22は、はんだバンプやCuのポストであっても構わない。
【0026】
半導体パッケージ30において、配線基板10Aの第1配線層12と半導体チップ20のバンプ22は、プレソルダ14を介して電気的に接続されている。配線基板10Aの半導体チップ搭載面と半導体チップ20との間には、アンダーフィル樹脂25が充填されている。アンダーフィル樹脂25の材料としては、例えば熱硬化性のエポキシ系樹脂等を用いることができる。アンダーフィル樹脂25は、平面視において半導体チップ20と略同形状であり、半導体チップ20の外形からはほとんどはみ出していない。
【0027】
このように、第1の実施の形態に係る半導体パッケージ30において、アンダーフィル樹脂25は平面視において半導体チップ20と略同形状であり、半導体パッケージ30の大型化が抑制されている。又、半導体パッケージ30は以下に説明する製造工程で製造され、アンダーフィル樹脂25と配線基板10Aの半導体チップ搭載面との間のボイド(気泡)の発生が抑制されている。以上が、第1の実施の形態に係る半導体パッケージ30の構造である。
【0028】
[第1の実施の形態に係る半導体パッケージの製造方法]
続いて、第1の実施の形態に係る半導体パッケージの製造方法について説明する。図6〜図11は、第1の実施の形態に係る半導体パッケージの製造工程を例示する図である。図6〜図11において、図5に示す半導体パッケージ30と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。なお、図6〜図11において、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。又、各平面図においては、各断面図との対応関係を明確にするために、各断面図に対応するハッチングが描かれている場合がある。
【0029】
始めに、図6に示す工程では、集合配線基板10を用意する。集合配線基板10は、図5に示す配線基板10Aが4枚集合化された基板である。Cはダイシングブレード等が集合配線基板10を切断する位置(以下、「基板切断位置C」とする)を示している。なお、集合配線基板10において、配線基板10Aが集合化される枚数は4枚には限定されない(単品の配線基板10Aを用いてもよい)。
【0030】
次いで、図7に示す工程では、アンダーフィル樹脂25を突起部を有する吸着保持治具27により吸着保持し、周知の方法でアライメントをして、集合配線基板10の所定の部分の上方に配置する。所定の部分とは、後述する図10に示す工程で、半導体チップ20を搭載する部分である。なお、図7(a)において、吸着保持治具27は省略されている。
【0031】
アンダーフィル樹脂25は、個片化されたシート状の樹脂である。アンダーフィル樹脂25の大きさ(平面視)は、搭載する半導体チップ20の大きさ(平面視)に対応し、例えば平面視数mm角とすることができる。アンダーフィル樹脂25の厚さは、例えば30μmとすることができる。
【0032】
アンダーフィル樹脂25の材料としては、例えば熱硬化性のエポキシ系樹脂等を用いることができる。アンダーフィル樹脂25は、室温(〜30℃程度)では表面がさらっとしており押しても接着性を有しないが、40℃程度まで加熱すると粘着性を発現し表面がべたべたした状態となり、押すと接着性を有するようになる。又、アンダーフィル樹脂25は、室温(〜30℃程度)では半硬化状態で所定の粘度(柔らかさ)を有するが、粘度は温度の上昇とともに低下する。
【0033】
ここで、半導体パッケージ30の製造工程の説明を離れ、図12を参照しながら吸着保持治具27について説明する。図12は、第1の実施の形態に係る吸着保持治具を例示する図である。図12において、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図である。図12を参照するに、吸着保持治具27は、発熱体(ヒータ)27aと、複数の吸気孔27xと、吸気機構(図示せず)と、電源(図示せず)と、可動機構(図示せず)等を有する。又、27yは吸着保持治具27の突起部を、27zは突起部27yの上面を示している。上面27zは、例えば凸状の湾曲面とされている。
【0034】
吸着保持治具27は、複数の吸気孔27xを介して吸気機構(図示せず)から負圧を作用させることにより、吸着保持治具27の突起部27y側の面にアンダーフィル樹脂25を吸着保持することができる。アンダーフィル樹脂25は柔軟性を有するため、アンダーフィル樹脂25が吸着保持治具27に吸着保持されると、アンダーフィル樹脂25の突起部27y近傍は突起状に変形する。一方、吸着保持治具27の外縁部は平坦であるため、アンダーフィル樹脂25の吸着保持治具27の外縁部に吸着保持される部分は、集合配線基板10の半導体チップ搭載面と略平行となる。アンダーフィル樹脂25が吸着保持治具27に吸着保持された状態で吸着保持治具27を集合配線基板10に近づけることにより、アンダーフィル樹脂25の突起状に変形した部分の先端のみを集合配線基板10に接触させることができる。
【0035】
発熱体27aは、電源(図示せず)から電圧を印加されると発熱し、アンダーフィル樹脂25を所定の温度に加熱することができる。吸着保持治具27は、可動機構(図示せず)により所定の方向に動くことができる。
【0036】
吸着保持治具27は、熱伝導率の高い材料から構成されている。吸着保持治具27の材料としては、例えばAlN等のセラミックスやCu等の金属を用いることができる。突起部27yの高さHは、アンダーフィル樹脂25の厚さに対応して決定され、例えば30〜50μmとすることができる。上面27zの大きさは、例えば平面視1mm角とすることができる。
【0037】
なお、吸着保持治具27において、吸気孔27xは、突起部27yを除く領域の任意の位置に任意の個数設けて構わない。又、突起部27yは、必ずしも1個である必要はなく、複数個設けても構わない。つまり、任意の個数の突起部27yを、集合配線基板10の段差(例えば、第1ソルダーレジスト層15の開口部15x)のない部分に対応した位置に設けることができる。
【0038】
又、発熱体27aは、突起部27y近傍のみに設けることが好ましい。突起部27yの上面27zの部分のアンダーフィル樹脂25を集合配線基板10に仮固定するので、上面27z近傍のみを加熱し、アンダーフィル樹脂25の上面27zに接触する部分のみが粘着性を有するようにするためである。
【0039】
半導体パッケージ30の製造工程の説明に戻り、次いで、図8に示す工程では、吸着保持治具27の一方の面にアンダーフィル樹脂25を吸着保持した状態で発熱体27aに電源(図示せず)から電圧を印加して発熱させ、アンダーフィル樹脂25を所定の温度に加熱する。図8に示す工程における所定の温度とは、アンダーフィル樹脂25が粘着性を発現する温度である。温度が高すぎるとアンダーフィル樹脂25の粘着性が低下してしまうので、所定の温度は、例えば40℃とすることができる。
【0040】
その後、可動機構(図示せず)により吸着保持治具27を矢印Dの方向(集合配線基板10に近づく方向)に移動させる。吸着保持治具27に吸着保持されたアンダーフィル樹脂25の突起部27y近傍は突起状に変形しているので、アンダーフィル樹脂25の突起状に変形した部分の先端が集合配線基板10に接触する。以降、アンダーフィル樹脂25の突起状に変形した部分の先端の集合配線基板10に接触する部分を、仮固定部25aと称する場合がある。
【0041】
次いで、仮固定部25aを集合配線基板10に弱い圧力で押圧する。所定の温度に加熱されたアンダーフィル樹脂25は粘着性を発現しているため、アンダーフィル樹脂25は仮固定部25aの部分で集合配線基板10に熱圧着される。図8に示す工程における弱い圧力とは、仮固定はできるが、仮固定痕が残らない程度の圧力であり、0.01MPa〜0.1MPa程度とすることが好ましい。その後、吸着保持治具27によるアンダーフィル樹脂25の吸着保持を解除し、可動機構(図示せず)により吸着保持治具27を矢印Eの方向(集合配線基板10から離れる方向)に移動させる。これにより、アンダーフィル樹脂25は仮固定部25aの部分で集合配線基板10に仮固定される。
【0042】
なお、集合配線基板10は、第1ソルダーレジスト層15の開口部15x等により段差を有する。図8に示す工程において、仮固定は、集合配線基板10の段差のない平坦部で行う必要がある。すなわち、図8に示す工程では、仮固定部25aを集合配線基板10の平坦部に接触させ押圧する必要がある。集合配線基板10の段差のある領域で仮固定を行うと、仮固定部25aが気泡を巻き込み、仮固定部25aと集合配線基板10との間にボイド(気泡)が発生する虞があるからである。仮固定部25aを集合配線基板10の平坦部に接触させためには、突起部27yの上面27zの大きさは、ある程度小さくする必要があり、前述のように例えば平面視1mm角とすることができる。
【0043】
図8に示す工程は、大気雰囲気中で行っても真空雰囲気中で行ってもよいが、大気雰囲気中で行うことが好ましい。その第1の理由は、仮固定は集合配線基板10の平坦部で行われるため、大気雰囲気中で行っても仮固定部25aが気泡を巻き込むことがなく、仮固定部25aと集合配線基板10との間にボイド(気泡)が発生する虞がないからである。すなわち、仮固定をあえて真空雰囲気中で行う必要がないためである。又、第2の理由は、真空雰囲気中で行うためには大がかりな製造設備が必要になり、半導体パッケージの製造コストの上昇を招くからである。なお、大気雰囲気とは大気圧程度の圧力の雰囲気をいい、真空雰囲気とは大気圧よりも低い圧力に減圧された雰囲気をいう。
【0044】
ここで、半導体パッケージ30の製造工程の説明を離れ、比較例を用いて吸着保持治具27の優位性について説明する。図13は、比較例として周知の吸着保持治具を例示する図である。図13において、(a)は平面図、(b)は(a)のF−F線に沿う断面図である。図13を参照するに、吸着保持治具28は、発熱体(ヒータ)28aと、複数の吸気孔28xと、吸気機構(図示せず)と、電源(図示せず)と、可動機構(図示せず)等を有する。吸着保持治具28の一方の面は湾曲している(以降、吸着保持治具28の一方の面を湾曲面28zとする)。
【0045】
吸着保持治具28の複数の吸気孔28xを介して吸気機構(図示せず)から負圧を作用させることにより、吸着保持治具28の湾曲面28zにアンダーフィル樹脂25を吸着保持することができる。又、発熱体28aは、電源(図示せず)から電圧を印加されると発熱し、アンダーフィル樹脂25を所定の温度に加熱することができる。吸着保持治具28は、可動機構(図示せず)により所定の方向に動くことができる。吸着保持治具28が吸着保持治具27と最も異なるのは、吸着保持治具28は湾曲面28zを有するが突起部27yに相当する部分を有さない点である。
【0046】
前述の図7及び図8の工程において、吸着保持治具27に代えて吸着保持治具28を用いると以下のような問題が生じる。すなわち、吸着保持治具28のように突起部27yに相当する部分を有さない治具を用いると、アンダーフィル樹脂25を図8に示す仮固定部25aのように極めて狭い領域のみで集合配線基板10に仮固定することができない。集合配線基板10が段差のない平坦な基板であれば、広い領域で仮固定しても問題はないが、実際には集合配線基板10は多数の段差を有し、平坦部は極めて狭い範囲に限定されるので、吸着保持治具28を用いて集合配線基板10の段差のない平坦部にアンダーフィル樹脂25を仮固定することは困難である。その結果、集合配線基板10の段差のある領域でアンダーフィル樹脂25を仮固定することになるため、アンダーフィル樹脂25が気泡を巻き込みアンダーフィル樹脂25と集合配線基板10の半導体チップ搭載面との間にボイド(気泡)が発生する。
【0047】
又、アンダーフィル樹脂25の位置決めは、所定の位置決め治具が集合配線基板10に形成されたアライメントマークとアンダーフィル樹脂25の外形の輪郭とを画像認識し、アライメントマークの位置に対してアンダーフィル樹脂25の外形の輪郭の位置を調整することにより行われる。しかしながら、吸着保持治具28を用いてアンダーフィル樹脂25を集合配線基板10に精度良く位置決めすることは困難である。
【0048】
なぜなら、吸着保持治具28を用いるとアンダーフィル樹脂25は湾曲面28zに反った状態で吸着保持されるため、アンダーフィル樹脂25の側面部は集合配線基板10の半導体チップ搭載面に対して垂直にならず、アンダーフィル樹脂25の外形の輪郭を画像認識する精度が低下するからである。又、アンダーフィル樹脂25が湾曲面28zにずれた状態で吸着保持されると、アンダーフィル樹脂25の外縁部の高さ方向の位置がずれ、画像認識時の焦点合わせが困難になるからである。
【0049】
これに対して、吸着保持治具27を用いてアンダーフィル樹脂25を吸着保持する場合には、吸着保持治具27の外縁部は平坦であるため、アンダーフィル樹脂25の外縁部は反った状態で吸着保持されず、集合配線基板10の半導体チップ搭載面と略平行に吸着保持される。その結果、上記のような問題は発生せず、アンダーフィル樹脂25を集合配線基板10に精度良く位置決めすることができる。
【0050】
このように、吸着保持治具28を用いて図7及び図8の工程を大気雰囲気中で行うと、アンダーフィル樹脂25が気泡を巻き込みアンダーフィル樹脂25と集合配線基板10の半導体チップ搭載面との間にボイド(気泡)が発生する虞が高くなる。又、仮に吸着保持治具28を用いて図7及び図8の工程を真空雰囲気中で行えば、アンダーフィル樹脂25が気泡を巻き込みアンダーフィル樹脂25と集合配線基板10の半導体チップ搭載面との間にボイド(気泡)が発生することは防止できるが、真空雰囲気中で行うためには大がかりな製造設備が必要になるという問題を生じるし、位置決め精度が低下するという問題を解決することもできない。第1の実施の形態に係る吸着保持治具27を用いることにより、アンダーフィル樹脂25と集合配線基板10の半導体チップ搭載面との間のボイド(気泡)の発生の抑制と、アンダーフィル樹脂25の位置決め精度の向上とを同時に実現することができる。
【0051】
半導体パッケージ30の製造工程の説明に戻り、次いで、図9に示す工程では、アンダーフィル樹脂25が仮固定されている集合配線基板10を所定の温度の真空雰囲気中に入れ、所定の治具(図示せず)を用いて矢印Dの方向から所定の圧力で押圧し、アンダーフィル樹脂25全体を集合配線基板10に固定する。
【0052】
図9に示す工程における所定の温度とは、アンダーフィル樹脂25の粘度が十分に低くなるが、硬化はしない程度の温度であり、60℃〜100℃程度とすることが好ましく、例えば75℃とすることができる。なお、所定の温度が低すぎると(例えば、40℃)、アンダーフィル樹脂25の粘度が低下しておらず(硬いので)、集合配線基板10の段差(例えば、第1ソルダーレジスト層15の開口部15x)を埋め込むことが困難となる。又、図9に示す工程における所定の圧力とは、アンダーフィル樹脂25全体を集合配線基板10に固定できる程度の圧力であり、図8に示す工程(仮固定の工程)における所定の圧力よりも高い0.1MPa〜1MPa程度とすることが好ましく、例えば0.1MPaとすることができる。
【0053】
なお、図9に示す工程は真空雰囲気中で行うため、アンダーフィル樹脂25が気泡を巻き込みアンダーフィル樹脂25と集合配線基板10の半導体チップ搭載面との間にボイド(気泡)が発生することはない。
【0054】
次いで、図10に示す工程では、バンプ22を有する半導体チップ20を1つ用意し、周知の方法でアライメントをして、集合配線基板10に固定されたアンダーフィル樹脂25上に半導体チップ20を配置する。半導体チップ20は、バンプ22が第1ソルダーレジスト層15の開口部15x内に形成されたプレソルダ14に対応する位置に来るように配置される。
【0055】
その後、アンダーフィル樹脂25上に半導体チップ20が配置された集合配線基板10を所定の温度雰囲気中に入れ、半導体チップ20を所定の治具(図示せず)を用いて矢印Dの方向から所定の圧力で押圧する。図10に示す工程における所定の温度とは、アンダーフィル樹脂25の粘度が十分に低くなるが、硬化はしない程度の温度であり、60℃〜100℃程度とすることが好ましく、例えば75℃とすることができる。図10に示す工程における所定の圧力とは、バンプ22がアンダーフィル樹脂25を貫通しプレソルダ14に接触できる程度の圧力であり、0.1MPa〜10MPa程度とすることが好ましく、例えば1MPaとすることができる。なお、図10に示す工程は、大気雰囲気中で行っても真空雰囲気中で行っても構わない。
【0056】
次いで、図11に示す工程では、半導体チップ20を図10に示す工程における所定の圧力で押圧した状態で周辺温度を所定の温度に上昇させ、プレソルダ14を溶融させると共に、アンダーフィル樹脂25を硬化させる。図11に示す工程における所定の温度とは、プレソルダ14が溶融し、アンダーフィル樹脂25が硬化する温度であり、例えば250℃とすることができる。又、所定の温度にする時間は、数十秒程度である。なお、図11に示す工程は、大気雰囲気中で行っても真空雰囲気中で行っても構わない。
【0057】
次いで、図9〜11に示す工程を繰り返すことにより、集合配線基板10に4個の半導体チップ20が搭載される。その後、半導体チップ20が搭載された集合配線基板10をダイシングブレード等により基板切断位置Cに沿って切断することにより集合配線基板10は個片化され、配線基板10Aに半導体チップ20が搭載された半導体パッケージ30が製造される。以上が、第1の実施の形態に係る半導体パッケージ30の製造方法である。
【0058】
第1の実施の形態によれば、突起部27yを有する吸着保持治具27でシート状の樹脂であるアンダーフィル樹脂25を吸着保持し、吸着保持されたアンダーフィル樹脂25の、吸着保持治具27で吸着保持されて突起状に変形した部分(仮固定部25a)の先端を集合配線基板10の半導体チップ搭載面の平坦部に接触させ加熱及び押圧する。その後、吸着保持治具27によるアンダーフィル樹脂25の保持を解除し、アンダーフィル樹脂25を集合配線基板10に仮固定する。更に、アンダーフィル樹脂25が仮固定されている集合配線基板10を真空雰囲気中で加熱及び押圧してアンダーフィル樹脂25全体を集合配線基板10に固定する。その結果、アンダーフィル樹脂25が気泡を巻き込むことがないため、アンダーフィル樹脂25と集合配線基板10の半導体チップ搭載面との間のボイド(気泡)の発生を抑制することができる。
【0059】
又、吸着保持治具27を用いてアンダーフィル樹脂25を吸着保持する場合には、アンダーフィル樹脂25の外縁部は反った状態で吸着保持されず、集合配線基板10の半導体チップ搭載面と略平行に吸着保持されるため、アンダーフィル樹脂25の外形の輪郭を画像認識する精度が低下せず、アンダーフィル樹脂25を集合配線基板10に精度良く位置決めすることができる。その結果、必要以上に大きな材料を使用する必要がなくなるため(アンダーフィル樹脂25の集合配線基板10の半導体チップ搭載面に対向する面の面積が小さくできるため)、半導体パッケージの大型化を防止することが可能となり、半導体パッケージの製造コストを低減することができる。
【0060】
又、突起部27yの高さによっては、突起部27y周辺のアンダーフィル樹脂25が吸着保持治具27に接触せず直接加熱されることがないため、アンダーフィル樹脂25の突起部27yと接触する箇所のみを加熱することができる。従って、アンダーフィル樹脂25の不要箇所の温度が必要以上に高くなり、アンダーフィル樹脂25の粘性が下がることで保持が困難になる問題を解決することができる。
【0061】
〈第2の実施の形態〉
第2の実施の形態では、第1の実施の形態とは異なる吸着保持治具を用いる例を示す。第2の実施の形態において、半導体パッケージの構造や製造工程は第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0062】
図14は、第2の実施の形態に係る吸着保持治具を例示する図である。図14において、(a)は平面図、(b)は(a)のG−G線に沿う断面図である。図14を参照するに、吸着保持治具37は、第1部材37aと、第2部材37bと、
発熱体(ヒータ)37cと、複数の吸気孔37xと、吸気機構(図示せず)と、電源(図示せず)と、可動機構(図示せず)等を有する。又、37yは吸着保持治具37の突起部を、37zは突起部37yの上面を示している。上面37zは、例えば凸状の湾曲面とされている。
【0063】
吸着保持治具37は、複数の吸気孔37xを介して吸気機構(図示せず)から負圧を作用させることにより、吸着保持治具37の突起部37y側の面にアンダーフィル樹脂25を吸着保持することができる。吸着保持治具37は、可動機構(図示せず)により所定の方向に動くことができる。
【0064】
又、発熱体37cは、電源(図示せず)から電圧を印加されると発熱し、アンダーフィル樹脂25を所定の温度に加熱することができるが、発熱体37cは、第1部材37a中にのみ設けられているため、アンダーフィル樹脂25の突起部37y近傍に接触している部分のみを選択的に加熱することができる。
【0065】
吸着保持治具37を構成する第1部材37aは、熱伝導率の高い材料から構成されている。第1部材37aの材料としては、例えばAlN等のセラミックスやCu等の金属を用いることができる。吸着保持治具37を構成する第2部材37bは、断熱性の良い材料(第1部材37aの材料より熱伝導率の低い材料)から構成されている。第2部材37bの材料としては、例えばガラスやアクリル樹脂等を用いることができる。突起部37yの高さHは、アンダーフィル樹脂25の厚さに対応して決定され、例えば30〜50μmとすることができる。上面37zの大きさは、例えば平面視1mm角とすることができる。
【0066】
なお、吸着保持治具37において、吸気孔37xは、突起部37yを除く領域の任意の位置に任意の個数設けて構わない。又、突起部37yは、必ずしも1個である必要はなく、複数個設けても構わない。つまり、任意の個数の突起部37yを、集合配線基板10の段差(例えば、第1ソルダーレジスト層15の開口部15x)のない部分に対応した位置に設けることができる。
【0067】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏するが、更に以下の効果を奏する。すなわち、吸着保持治具37は熱伝導率の高い材料から構成されている第1部材37a及び断熱性の良い材料(第1部材37aの材料より熱伝導率の低い材料)から構成されている第2部材37bを有し、突起部37y及び発熱体37cは第1部材37aに設けられている。その結果、アンダーフィル樹脂25の突起部37y近傍のみを加熱し、アンダーフィル樹脂25の上面37zに接触する部分のみが粘着性を有するようにすることができる。その結果、安定した仮固定を実現することができる。
【0068】
〈第3の実施の形態〉
第3の実施の形態では、第1の実施の形態及び第2の実施の形態とは異なる吸着保持治具を用いる例を示す。第3の実施の形態において、半導体パッケージの構造や製造工程は第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0069】
図15は、第3の実施の形態に係る吸着保持治具を例示する図である。図15において、(a)は平面図、(b)は(a)のH−H線に沿う断面図である。図15を参照するに、吸着保持治具47は、治具本体47aと、断熱材47bと、発熱体(ヒータ)47cと、複数の吸気孔47xと、吸気機構(図示せず)と、電源(図示せず)と、可動機構(図示せず)等を有する。又、47yは吸着保持治具47の突起部を、47zは突起部47yの上面を示している。上面47zは、例えば凸状の湾曲面とされている。
【0070】
吸着保持治具47は、複数の吸気孔47xを介して吸気機構(図示せず)から負圧を作用させることにより、吸着保持治具47の断熱材47bの一方の面及び突起部47yにアンダーフィル樹脂25を吸着保持することができる。吸着保持治具47は、可動機構(図示せず)により所定の方向に動くことができる。
【0071】
又、発熱体47cは、電源(図示せず)から電圧を印加されると発熱し、アンダーフィル樹脂25を所定の温度に加熱することができるが、吸着保持治具47は突起部47yを除いて断熱材47bに覆われているため、アンダーフィル樹脂25の突起部47y近傍に接触している部分のみを選択的に加熱することができる。
【0072】
治具本体47aは、熱伝導率の高い材料から構成されている。治具本体47aの材料としては、例えばAlN等のセラミックスやCu等の金属を用いることができる。断熱材47bは、断熱性の良い材料(治具本体47aの材料よりも熱伝導率の低い材料)から構成されている。断熱材47bの材料としては、例えばガラスやアクリル樹脂等を用いることができる。突起部47yの高さHは、アンダーフィル樹脂25の厚さに対応して決定され、例えば30〜50μmとすることができる。上面47zの大きさは、例えば平面視1mm角とすることができる。
【0073】
なお、吸着保持治具47において、吸気孔47xは、突起部47yを除く領域の任意の位置に任意の個数設けて構わない。又、突起部47yは、必ずしも1個である必要はなく、複数個設けても構わない。つまり、任意の個数の突起部47yを、集合配線基板10の段差(例えば、第1ソルダーレジスト層15の開口部15x)のない部分に対応した位置に設けることができる。
【0074】
第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様の効果を奏するが、更に以下の効果を奏する。すなわち、吸着保持治具47には断熱材47bが設けられているので、突起部47y近傍のみに設けることが可能な小型の発熱体が入手困難で吸着保持治具47全体を発熱させるような大型の発熱体を使用する場合にも、アンダーフィル樹脂25の突起部47y近傍のみを加熱し、アンダーフィル樹脂25の上面47zに接触する部分のみが粘着性を有するようにすることができる。その結果、安定した仮固定を実現することができる。
【0075】
以上、好ましい実施の形態について詳説したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0076】
例えば、上述の実施の形態では、本発明を2つの配線層を有する配線基板に半導体チップを搭載した半導体パッケージに適用する例を示した。しかし、本発明は、これに限定されることなく、様々な配線基板を有する半導体パッケージに適用することができる。一例を挙げれば、基板の片面のみに配線層が形成された片面(一層)配線基板、ビルドアップ工法により製造されたコア部を備える多層配線基板、ビルドアップ工法により製造されたコアレスの多層配線基板、スルービアで各配線層を接続する貫通多層配線基板、IVH(Interstitial Via Hole)で特定の配線層を接続するIVH多層配線基板等の様々な配線基板を有する半導体パッケージである。
【符号の説明】
【0077】
10 集合配線基板
10A 配線基板
11 絶縁層
11x ビアホール
12 第1配線層
13 第2配線層
14 プレソルダ
15 第1ソルダーレジスト層
15x 開口部
16 第2ソルダーレジスト層
20 半導体チップ
21 本体
22 バンプ
25 アンダーフィル樹脂
25a 仮固定部
27、37、47 吸着保持治具
27a、37c、47c 発熱体
27x、37x、47x 吸気孔
27y、37y、47y 突起部
27z、37z、47z 突起部の上面
30 半導体パッケージ
37a 第1部材
37b 第2部材
47a 治具本体
47b 断熱材
C 基板切断位置
H1、H2、H3 高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線基板の一方の面にシート状の樹脂を介して半導体チップが搭載された半導体パッケージの製造方法であって、
前記配線基板の一方の面に対向する面から前記配線基板の一方の面側に突起する突起部を有する保持治具の前記突起部側に、前記シート状の樹脂を保持する保持工程と、
前記シート状の樹脂の、前記保持治具で保持されて突起状に変形した部分の先端を前記配線基板の一方の面の平坦部に接触させ押圧する押圧工程と、
前記保持治具による前記シート状の樹脂の保持を解除し、前記シート状の樹脂を前記配線基板の一方の面に仮固定する仮固定工程と、を有する半導体パッケージの製造方法。
【請求項2】
前記押圧工程は、前記シート状の樹脂の少なくとも一部を所定の温度に加熱する工程を含み、
前記所定の温度は、前記シート状の樹脂が粘着性を発現する温度である請求項1記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項3】
前記保持工程において、前記シート状の樹脂の外縁部は、前記保持治具により前記配線基板の一方の面に対して略平行に保持されている請求項1又は2記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項4】
前記仮固定工程の後に、前記配線基板の一方の面に仮固定された前記シート状の樹脂を、真空雰囲気中で加熱及び押圧して前記配線基板の一方の面に固定する固定工程を更に有する請求項1乃至3の何れか一項記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項5】
前記固定工程で押圧する際の圧力は、前記押圧工程で押圧する際の圧力よりも高い請求項4記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項6】
前記保持治具は第1部材及び第2部材を有し、
前記突起部は前記第1部材に設けられ、
前記第1部材は、前記第2部材よりも熱伝導率の高い材料により構成されている請求項1乃至5の何れか一項記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項7】
前記保持治具の一部は断熱材に覆われており、少なくとも前記突起部は、前記断熱材から露出している請求項1乃至6の何れか一項記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項8】
前記保持治具は、複数個の前記突起部を有する請求項1乃至7の何れか一項記載の半導体パッケージの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−251652(P2010−251652A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−102008(P2009−102008)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】