説明

半導体レーザダイオードとその製造方法

【課題】本発明は、劈開時の結晶欠けを抑制できる半導体レーザダイオードとその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る半導体レーザダイオードは、基板14と、該基板14の上方に形成された活性層26と、該活性層26の上に形成された半導体層28と、該半導体層28のうち該前端面12aを含む部分の格子間結合の一部を切断して形成された、格子間結合を切断しない部分よりも高抵抗となる前端面高抵抗部28aと、該半導体層28のうち該後端面12bを含む部分の格子間結合の一部を切断して形成された、格子間結合を切断しない部分よりも高抵抗となる後端面高抵抗部28bと、該前端面12aにおいて該前端面高抵抗部28aと直接接しない部分を有し、かつ該後端面12bにおいて該後端面高抵抗部28bと直接接しない部分を有するように、該半導体層28の上に形成された電極38と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば加工機器などに用いられる半導体レーザダイオードとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、半導体レーザダイオードの半導体層の一部に水素を添加し、電流狭窄構造を形成することが開示されている。これにより、水素を添加しなかった部分に電流を集中させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−261407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水素添加では半導体層の高抵抗化が不十分となることがある。その場合、水素添加された領域上に絶縁層を形成する。この絶縁層は電流ブロック層として機能する。
【0005】
ところで、半導体層にプロトンを注入すれば十分に高抵抗なプロトン注入領域を形成できる。この場合、絶縁層は不要であり、プロトン注入領域の上に電極が形成される。その後、劈開面にプロトン注入領域が表れるようにウエハを劈開する。プロトン注入領域の結晶はもろいので、劈開時にプロトン注入領域が電極に引っ張られて劈開面に結晶欠けが生じることがある。
【0006】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、劈開面の結晶欠けを抑制できる半導体レーザダイオードとその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る半導体レーザダイオードは、レーザ光を出射する前端面と、該前端面と反対側の端面である後端面を有する半導体レーザダイオードであって、基板と、該基板の上方に形成された活性層と、該活性層の上に形成された半導体層と、該半導体層のうち該前端面を含む部分の格子間結合の一部を切断して形成された、格子間結合を切断しない部分よりも高抵抗となる前端面高抵抗部と、該半導体層のうち該後端面を含む部分の格子間結合の一部を切断して形成された、格子間結合を切断しない部分よりも高抵抗となる後端面高抵抗部と、該前端面において該前端面高抵抗部と直接接しない部分を有し、かつ該後端面において該後端面高抵抗部と直接接しない部分を有するように、該半導体層の上に形成された電極と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る半導体レーザダイオードの製造方法は、基板の上方に活性層を形成する工程と、該活性層の上に半導体層を形成する工程と、該半導体層に電流狭窄構造を形成するようにプロトンを注入して高抵抗部を形成する工程と、該高抵抗部の上に絶縁層を形成する工程と、該絶縁層、及び該半導体層の上に電極を形成する工程と、該絶縁層の形成された部分が劈開面に表れるように、該基板、該活性層、該高抵抗部、該絶縁層、及び該電極を劈開する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る他の半導体レーザダイオードの製造方法は、基板の上方に活性層を形成する工程と、該活性層の上に半導体層を形成する工程と、該半導体層に電流狭窄構造を形成するようにプロトンを注入して高抵抗部を形成する工程と、該高抵抗部の上に開口を有するように、該半導体層の上に電極を形成する工程と、劈開面が該開口を横断するように該基板、該活性層、該高抵抗部、及び該電極を劈開する工程と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、端面における高抵抗部と電極の接触を抑制するので、劈開面の結晶欠けを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1に係る半導体レーザダイオードの斜視図である。
【図2】図1のII−II線における断面図である。
【図3】高抵抗部が環状に形成されることを示す図である。
【図4】半導体層を形成したことを示す断面図である。
【図5】半導体層に高抵抗部を形成したことを示す断面図である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】高抵抗部の上に絶縁層を形成したことを示す断面図である。
【図8】絶縁層、及び半導体層の上に電極を形成したことを示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る半導体レーザダイオードの斜視図である。
【図10】図9のX−X線における断面図である。
【図11】電極を形成したことを示す断面図である。
【図12】図11の断面斜視図である。
【図13】Auめっきを形成したことを示す断面斜視図である。
【図14】本発明の実施の形態2に係る半導体レーザダイオードの変形例を示す斜視図である。
【図15】本発明の実施の形態3に係る半導体レーザダイオードの斜視図である。
【図16】図15の半導体レーザダイオードの半導体層を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態3に係る半導体レーザダイオードの変形例を示す斜視図である。
【図18】本発明の実施の形態3に係る半導体レーザダイオードの変形例を示す斜視図である。
【図19】高抵抗部が上クラッド層の途中まで形成されたことを示す断面図である。
【図20】絶縁膜が高抵抗部よりも幅が広くなるように形成されたことを示す断面図である。
【図21】絶縁膜が高抵抗部よりも幅が狭くなるように形成されたことを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る半導体レーザダイオードの斜視図である。本発明の実施の形態1に係る半導体レーザダイオード10は、プレーナ形ワイドストライプ高出力レーザダイオードで形成されている。半導体レーザダイオード10は、レーザ光を出射する前端面12aと、前端面12aと反対側の端面である後端面12bを有している。半導体レーザダイオード10は、GaAsで形成された基板14を有している。基板14の上にはGaAsで形成されたバッファ層16を有している。バッファ層16の上にはAlGaInPで形成された下クラッド層18を有している。下クラッド層18の上には活性層26が形成されている。活性層26は、下層側から、InGaPで形成されたガイド層20、GaAsPで形成されたウェル層22、InGaPで形成されたガイド層24を有している。このように基板14の上方には活性層26が形成されている。
【0013】
活性層26の上には、高抵抗部28Aが形成されている。高抵抗部28Aは、半導体層にプロトンを注入して高抵抗化した部分である。高抵抗部28Aの上には絶縁層36が形成されている。絶縁層36の上には電極38が形成されている。電極38の上にはAuめっき40が形成されている。また、基板14の裏面にもAuめっき42が形成されている。
【0014】
図2は、図1のII−II線における断面図である。活性層26の上には半導体層28が形成されている。半導体層28は、下層側から、AlGaInPで形成された上クラッド層30、InGaPで形成されたBDR層32、コンタクト層34を有している。半導体層28の一部は、プロトンが注入されて格子間結合(Ga−As結合)の一部が切断されたことにより高抵抗部28Aとなっている。高抵抗部28Aは、前端面高抵抗部28aと後端面高抵抗部28bを有している。前端面高抵抗部28aは、半導体層28のうち前端面12aを含む部分の格子間結合の一部を切断して形成された、格子間結合を切断しない部分よりも高抵抗となる部分である。後端面高抵抗部28bは、半導体層28のうち後端面12bを含む部分の格子間結合の一部を切断して形成された、格子間結合を切断しない部分よりも高抵抗となる部分である。
【0015】
絶縁層36は、前端面絶縁層36aと後端面絶縁層36bを有している。前端面絶縁層36aは、前端面12aにおいて前端面高抵抗部28aと電極38の間に形成されている。後端面絶縁層36bは、後端面12bにおいて後端面高抵抗部28bと電極38の間に形成されている。すなわち、前端面12aと後端面12bのどちらにおいても、高抵抗部28Aと電極38の間には絶縁層36が形成されている。
【0016】
図3は、高抵抗部が環状に形成されることを示す図である。高抵抗部28Aは半導体レーザダイオード10の外周に沿うように環状に形成されている。半導体層28のうち高抵抗部28Aに囲まれた部分は活性層26に電流を供給するために用いられる電流注入部28iである。こうして、半導体層28は、電流注入部28iとそれを囲むように形成された高抵抗部28Aとを有し、電流狭窄構造を形成している。
【0017】
次いで、半導体レーザダイオード10の製造方法を説明する。まず、基板の上方に活性層を形成する。次いで、活性層の上に半導体層28′を形成する。図4は、半導体層を形成したことを示す断面図である。次いで、半導体層28′に電流狭窄構造を形成するようにプロトンを注入して高抵抗部28Aを形成する。図5は、半導体層に高抵抗部を形成したことを示す断面図である。図6は、図5の平面図である。高抵抗部28Aは、複数の電流狭窄構造を形成している。
【0018】
次いで、高抵抗部28Aの上に絶縁層を形成する。図7は、高抵抗部の上に絶縁層を形成したことを示す断面図である。絶縁層36は、高抵抗部28Aと重なるように形成する。前端面高抵抗部28aの上に前端面絶縁層36aを形成し、後端面高抵抗部28bの上に後端面絶縁層36bを形成する。次いで、絶縁層36、及び半導体層28の上に電極を形成する。図8は、絶縁層、及び半導体層の上に電極を形成したことを示す断面図である。電極38は絶縁層36と、半導体層28の上に形成されることで、共振器の表面全体を覆う。次いで、Auめっき40、及びAuめっき42を形成する。
【0019】
次いで、図8の矢印に示す部分で共振器を劈開する。この劈開は、絶縁層36の形成された部分が劈開面に表れるように、基板14、活性層26、高抵抗部28A,28B、絶縁層36、及び電極38を割るものである。このように劈開すると図1に示す半導体レーザダイオード10が完成する。
【0020】
本発明の実施の形態1に係る半導体レーザダイオードによれば、前端面12a及び後端面12bにおいて高抵抗部28Aと電極38の間に絶縁層36が形成されている。この絶縁層36は、プロトン注入でもろくなった高抵抗部28Aを補強するものである。よって、劈開の際に、プロトン注入領域である高抵抗部28Aが電極38に引っ張られて劈開面に結晶欠けが生じることを抑制できる。結晶欠けの抑制は、劈開工程の歩留り改善や、半導体レーザダイオードの特性安定化に役立つ。
【0021】
本発明は、半導体層にプロトンを注入して高抵抗部を形成し、その上に電極を形成する構成を有する半導体レーザダイオードに対して広く応用できる。
【0022】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2の説明では、実施の形態1に係る半導体レーザダイオードと同一の構成要素については説明を省略する。図9は、本発明の実施の形態2に係る半導体レーザダイオードの斜視図である。半導体レーザダイオード50は、電極52を備えている。電極52は、前端面12aの両端だけで前端面12aと同一平面を形成している。前端面12aの中央部分には電極52が形成されていない。そのため、電極52は、前端面12aから見たときに凹部を有している。
【0023】
また、電極52は、後端面12bの両端だけで後端面12bと同一平面を形成している。後端面12bの中央部分には電極52が形成されていない。そのため、電極52は、後端面12bから見たときに凹形状を有している。図10は、図9のX−X線における断面図である。半導体層28のうち、前端面12aに接する部分で上方に電極が形成されていないために外部に露出する面を第1露出面28cと称する。半導体層28のうち、後端面12bに接する部分で上方に電極が形成されていないために外部に露出する面を第2露出面28dと称する。
【0024】
次いで、半導体レーザダイオード50の製造方法を説明する。高抵抗部28Aを形成した後に、半導体層28の上に電極52を形成する。電極52は、高抵抗部28Aの上に開口を有するように形成する。図11は、電極52を形成したことを示す断面図である。電極52は、高抵抗部28Aの上に開口52a、52bを有するように形成する。開口52aの底面には第1露出面28cが露出し、開口52bの底面には第2露出面28dが露出している。図12は、図11の断面斜視図である。次いで、Auめっき40を形成する。図12から分かるように、電極52は、開口52a、52bを有しつつも、全体としては一体形成されているので被メッキ物となる電極52に電流供給できる。図13は、Auめっきを形成したことを示す断面斜視図である。
【0025】
次いで、図13の破線に沿うように共振器を劈開する。この劈開は、劈開面が開口52a、52bを横断するように基板14、活性層26、高抵抗部28A、及び電極52を割るものである。このように劈開すると図9に示す半導体レーザダイオード50が完成する。
【0026】
本発明の実施の形態2に係る半導体レーザダイオード50によれば、電極52は、前端面12aの両端だけで前端面12aと同一平面を形成し、後端面12bの両端だけで後端面12bと同一平面を形成している。つまり、劈開面において電極52と高抵抗部28Aが接する部分が少ないので、高抵抗部28Aが電極52に引っ張られて劈開面に結晶欠けが生じることを抑制し、劈開工程の歩留りを改善できる。特に、前端面12aの中央部分では電極52を形成しないことにより、この部分での結晶欠けを抑制できる。よって結晶欠けによるレーザ光への悪影響を抑制できる。
【0027】
本発明の実施の形態2に係る半導体レーザダイオード50では、端面の両端だけで端面と同一平面を形成するように電極を形成したが本発明はこれに限定されない。すなわち、電極は、前端面の両端の少なくとも一方だけで前端面と同一平面を形成し、かつ後端面の両端の少なくとも一方だけで前記後端面と同一平面を形成すればよい。つまり、Auめっき40の形成時に電極に電流供給できるように電極が一体的に形成されていれば電極の形状は特に限定されない。
【0028】
ところで、本発明の実施の形態2に係る半導体レーザダイオード50では第1露出面28cと第2露出面28dが外部に露出する。これらの部分は、例えば、ウエハのハンドリング時などに搬送器具と接触する可能性がある。半導体層28が搬送器具などと接触することで、半導体層(結晶)が欠けることが考えられる。これを防ぐために第1露出面28cと第2露出面28dに保護層を形成すると良い。
【0029】
図14は、本発明の実施の形態2に係る半導体レーザダイオードの変形例を示す斜視図である。変形例の半導体レーザダイオードは、第1露出面28cが第1保護層54aで覆われ、第2露出面28dが第2保護層54bで覆われている。これらの保護層は絶縁層で形成されている。このように、半導体層のうち上方に電極が形成されていない部分に保護層を形成することで結晶の欠けを防止できる。このような保護層は、実際にウエハがハンドリングされる前に形成されればいつ形成されてもよい。保護層は例えば、電極52を形成する前に形成しても良いし、図12に示す開口52a、52bの底面に露出する第1露出面28c及び第2露出面28dに形成してもよい。
【0030】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3の説明では、実施の形態1に係る半導体レーザダイオードと同一の構成要素については説明を省略する。図15は、本発明の実施の形態3に係る半導体レーザダイオードの斜視図である。半導体レーザダイオード60は、アレイレーザダイオードで形成されているため、実施の形態1、2の場合と比べて前端面12aと後端面12bの幅が広くなっている。電極62は、実施の形態2の場合と同様に、前端面12aの両端及び後端面12bの両端だけでこれらの端面と同一平面を形成している。これによりアレイレーザダイオードにおいても端面に欠けが生じることを抑制できる。図16は、図15の半導体レーザダイオードの半導体層を示す図である。半導体層28には活性層26に電流を流すための電流注入部28iが複数形成されている。
【0031】
ところで、図15のW1は、電極62が端面と同一平面を形成する部分の幅を表す。W1は、図16のW2で表される電流注入部28iから共振器側面までの長さより小さい。このように、前端面12aの中央部分では電極62を形成しないことによりこの部分での半導体層28の結晶欠けを抑制できる。よって、結晶欠けによるレーザ光への悪影響を抑制できる。
【0032】
図17は、本発明の実施の形態3に係る半導体レーザダイオードの変形例を示す斜視図である。変形例の半導体レーザダイオードは、図15に示す半導体レーザダイオードでは外部に露出していた半導体層を、保護層70a、70bで覆う。よって、ウエハのハンドリング時などに搬送器具と半導体層が接触して結晶が欠けることを防止できる。
【0033】
ところで、本発明の実施の形態1乃至3では、もろい高抵抗部28Aを原因とする劈開面の結晶欠けを抑制する技術を示した。本発明は、半導体レーザダイオードの端面における高抵抗部と電極の接触が劈開面に結晶欠けを生じさせる原因であることを見出し、当該接触を低減又は消滅させることを特徴とする。従って、前端面において前端面高抵抗部と直接接しない部分を有し、かつ後端面において後端面高抵抗部と直接接しない部分を有するように、半導体層の上に電極を形成する限りにおいて本発明の効果を得ることができる。そして、この特徴を逸脱しない範囲において、本発明は様々な変形が可能である。
【0034】
例えば、アレイレーザダイオードで形成した半導体レーザダイオードにおいて、高抵抗部28Aの補強のための絶縁層を形成してもよい。図18は、本発明の実施の形態3に係る半導体レーザダイオードの変形例を示す斜視図である。前端面高抵抗部28aは前端面絶縁層72aを介して電極62に接する。後端面高抵抗部28bは後端面絶縁層72bを介して電極62に接する。前端面絶縁層72a、及び後端面絶縁層72bにより前端面高抵抗部28a、及び後端面高抵抗部28bを補強し結晶欠けを抑制できる。
【0035】
本発明の実施の形態1乃至3では、プロトン注入領域である高抵抗部28Aは、活性層26の直上まで達しているが、本発明はこれに限定されない。高抵抗部28Aが活性層26の直上まで達していなくても本発明の効果を得ることができる。例えば、高抵抗部はコンタクト層の表面から上クラッド層の途中まで形成されていてもよい。同様に、高抵抗部はコンタクト層の表面からコンタクト層の途中又はBDR層まで形成されていてもよい。図19は、高抵抗部28Aが上クラッド層30の途中まで形成されたことを示す断面図である。
【0036】
また、例えば図2では、高抵抗部28Aの直上に重なるように絶縁層36を形成したが本発明はこれに限定されない。つまり、高抵抗部と絶縁膜は断面視で同じ幅で形成されなくてもよい。図20は、絶縁膜が高抵抗部よりも幅が広くなるように形成されたことを示す断面図である。図21は、絶縁膜が高抵抗部よりも幅が狭くなるように形成されたことを示す断面図である。
【符号の説明】
【0037】
10 半導体レーザダイオード、 12a 前端面、 12b 後端面、 14 基板、 16 バッファ層、 18 下クラッド層、 20 ガイド層、 22 ウェル層、 24 ガイド層、 26 活性層、 28 半導体層、 28A 高抵抗部、 28a 前端面高抵抗部、 28b 後端面高抵抗部、 28c 第1露出面、 28d 第2露出面、 28i 電流注入部、 30 上クラッド層、 32 BDR層、 34 コンタクト層、 36 絶縁層、 36a 前端面絶縁層、 36b 後端面絶縁層、 38 電極、 40,42 Auめっき、 52 電極、 52a,52b 開口、 54a,54b,70a,70b 保護層、 72a 前端面絶縁層、 72b 後端面絶縁層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を出射する前端面と、前記前端面と反対側の端面である後端面を有する半導体レーザダイオードであって、
基板と、
前記基板の上方に形成された活性層と、
前記活性層の上に形成された半導体層と、
前記半導体層のうち前記前端面を含む部分の格子間結合の一部を切断して形成された、格子間結合を切断しない部分よりも高抵抗となる前端面高抵抗部と、
前記半導体層のうち前記後端面を含む部分の格子間結合の一部を切断して形成された、格子間結合を切断しない部分よりも高抵抗となる後端面高抵抗部と、
前記前端面において前記前端面高抵抗部と直接接しない部分を有し、かつ前記後端面において前記後端面高抵抗部と直接接しない部分を有するように、前記半導体層の上に形成された電極と、を備えたことを特徴とする半導体レーザダイオード。
【請求項2】
前記前端面において前記前端面高抵抗部と前記電極の間に形成された前端面絶縁層と、
前記後端面において前記後端面高抵抗部と前記電極の間に形成された後端面絶縁層と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザダイオード。
【請求項3】
前記電極は、前記前端面の両端の少なくとも一方だけで前記前端面と同一平面を形成し、かつ前記後端面の両端の少なくとも一方だけで前記後端面と同一平面を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザダイオード。
【請求項4】
前記半導体層のうち上方に前記電極が形成されていない部分に形成された保護層を備えたことを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザダイオード。
【請求項5】
前記半導体層に、前記活性層に電流を流すための電流注入部を複数形成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体レーザダイオード。
【請求項6】
基板の上方に活性層を形成する工程と、
前記活性層の上に半導体層を形成する工程と、
前記半導体層に電流狭窄構造を形成するようにプロトンを注入して高抵抗部を形成する工程と、
前記高抵抗部の上に絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層、及び前記半導体層の上に電極を形成する工程と、
前記絶縁層の形成された部分が劈開面に表れるように、前記基板、前記活性層、前記高抵抗部、前記絶縁層、及び前記電極を劈開する工程と、を備えたことを特徴とする半導体レーザダイオードの製造方法。
【請求項7】
基板の上方に活性層を形成する工程と、
前記活性層の上に半導体層を形成する工程と、
前記半導体層に電流狭窄構造を形成するようにプロトンを注入して高抵抗部を形成する工程と、
前記高抵抗部の上に開口を有するように、前記半導体層の上に電極を形成する工程と、
劈開面が前記開口を横断するように前記基板、前記活性層、前記高抵抗部、及び前記電極を劈開する工程と、を備えたことを特徴とする半導体レーザダイオードの製造方法。
【請求項8】
前記開口の底面に前記半導体層を保護する保護層を形成する工程を備えたことを特徴とする請求項7に記載の半導体レーザダイオードの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−110267(P2013−110267A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254015(P2011−254015)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】