説明

半導体光増幅装置及び光モジュール

【課題】ASE光の強度を高め低消費電力で信号光を増幅する。
【解決手段】半導体基板と、前記半導体基板上に形成された活性層を有する光導波路と、前記光導波路に信号光を入射させる端面に形成され、前記信号光を透過し、前記信号光以外の波長の光を反射する波長選択反射膜と、を有することを特徴とする半導体光増幅装置により上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体光増幅装置及び光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の通信需要の飛躍的な増大に伴い、フォトニックネットワークの適用範囲が広がるとともに、ネットワークの大容量化・高機能化が進んでいる。半導体光増幅装置である半導体光増幅器(SOA:Semiconductor Optical Amplifier)は、現在用いられている光ファイバー増幅器モジュールと比較して非常にシンプルな構成の光増幅器である。このため、小型化で低消費電力な光増幅器として、ネットワークへの適用が検討されている。また、半導体光増幅器は光利得において高い非線形性を有しており、光信号再生や光波長変換等の各種信号処理に用いる能動素子としても有望である。このような半導体光増幅器として、信号光が入射する面と出射する面の双方に反射防止膜を形成した構造の半導体光増幅器が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
半導体光増幅器をフォトニックネットワークにおける光増幅器や光信号処理素子として使用する際には、高速な利得応答性が望まれる。しかし、半導体光増幅器は、半導体光増幅器からの光出力の増加にともない光利得が減少する利得飽和現象を有しており、この利得飽和現象は一般に+0〜+10dBm以上の光出力領域で顕著に発生する。例えば、10Gbps以上の変調レートを有する強度変調信号光を半導体光増幅器の利得が飽和領域に達するまで増幅した場合、利得飽和現象によるパターン効果が発生し、出力される信号光の波形が著しく劣化し、通信品質が低下してしまう。このパターン効果による信号光の波形劣化は、信号光の変調速度と半導体光増幅器内の利得変動速度が同程度であることにより生じる現象である。
【0004】
ところで、半導体光増幅器内の利得変動速度は、半導体光増幅器の活性層内で光利得に寄与するキャリア(電子、正孔)の寿命によって決まることが知られている。一般的に活性層におけるキャリア寿命は、活性層材料や不純物のドーピング条件で定まるものであり、活性層材料の変更や半導体光増幅器の構造の最適化等により、大幅に高速化させることは困難である。このため半導体光増幅器の利得変動速度を高速化させるための方法として、外部光注入による方法やASE光(Amplified Spontaneous Emission:増幅された自然放出光)自己飽和効果による方法が知られている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−67222号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】F. Girardin, G. Guekos and A. Houbavlis, “Gain Recovery of BulkSemiconductor Optical Amplifiers”, IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS, VOL. 10,No. 6, JUNE 1998
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、外部光を注入する方法では、半導体光増幅器の外部に別光源を設ける必要があり、構造は複雑なものとなるため小型化には適さない。また、ASE光自己飽和効果による方法では、外部光源等は不要ではあるが、半導体光増幅器の活性層を予め飽和させておくため、充分にASE光強度を高くしておく必要がある。このため通常の半導体光増幅器よりも長く形成する必要があり、駆動の際の消費電力が増加してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施の形態の一観点によれば、半導体基板と、前記半導体基板上に形成された活性層を有する光導波路と、前記光導波路に信号光を入射させる端面に形成された、前記活性層より生じた自然放出光を反射し、前記信号光を透過する波長選択反射膜と、前記活性層より前記信号光が出射される端面に形成された、前記信号光及び前記自然放出光における反射を防止する反射防止膜と、を有する。
【0009】
また、本実施の形態の別の観点によれば、半導体基板と、前記半導体基板上に形成された活性層を有する光導波路と、前記光導波路に信号光を入射させる側の前記半導体基板及び光導波路により形成された、前記活性層より生じた自然放出光を反射し、前記信号光を透過する回折格子と、前記活性層より前記信号光を入射する端面及び出射される端面に形成された、前記信号光及び前記自然放出光における反射を防止する反射防止膜と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
開示の半導体光増幅装置及び光モジュールによれば、駆動の際の消費電力を低くすることができ、また、小型にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】関連技術の半導体光増幅装置の説明図
【図2】第1の実施の形態における半導体光増幅装置の説明図
【図3】光スペクトル及び波長選択反射膜の反射率の特性図
【図4】第1の実施の形態における半導体光増幅装置の構造図
【図5】第1の実施の形態における半導体光増幅装置の製造工程図
【図6】ASE光のスペクトル及び波長選択反射膜の反射率の特性図
【図7】半導体光増幅装置のASE光強度の説明図
【図8】ASE光強度と利得変動時間との相関図
【図9】他の波長選択反射膜における反射率の特性図
【図10】第1の実施の形態における他の半導体光増幅装置の説明図
【図11】第2の実施の形態における半導体光増幅装置の構造図
【図12】第2の実施の形態における半導体光増幅装置の製造工程図
【図13】量子ドット活性層を拡大した構造図
【図14】第3の実施の形態における半導体光増幅装置の構造図
【図15】第4の実施の形態における光モジュールの構造図
【図16】光モジュール内の光信号処理装置の構造図
【図17】入力信号と出力信号の信号波形図
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施するための形態について、以下に説明する。
【0013】
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態における半導体光増幅装置について説明する。
【0014】
最初に、ASE光の強度分布について検討した内容について説明する。図1は、関連技術の半導体光増幅装置の構造及びASE光の強度分布を示すものである。
【0015】
図1(a)に示す半導体光増幅装置は、半導体基板401上に光導波路となる活性層402を形成したものであり、活性層402は上下に設けられた不図示のクラッド層等により挟まれている。また、半導体光増幅装置の信号光の入射面と出射面には、各々の面における反射を防ぐため反射防止膜403及び404が形成されている。尚、半導体光増幅装置の信号光の進行方向における長さは900μmである。
【0016】
図1(b)に、この半導体光増幅装置の活性層の図面上横方向の位置と、ASE光強度との関係を示す。ASE光は活性層402の全域で均等に発生した自然放出光が光導波路を伝搬することにより光利得を受けて増幅されたものである。このASE光は信号光と同方向に伝搬する光(ASE+)と、逆方向に伝搬する光(ASE−)とを有し、ASE+とASE−との強度の和が全ASE光の強度となる。ASE+、ASE−は、活性層402の端面近傍において強度が高くなるため、活性層402の両端において全ASE光の強度が高くなる。図に示されるように、この際の全ASE光の強度のピークの値は、約0.4mWである。このような半導体光増幅装置において、ASE光強度を高める方法としては、半導体光増幅装置を信号光の進行方向に長くする方法(図面上横方向に長くする方法)が有効であるが、この方法は、前述のとおり駆動電流が大きくなってしまい好ましくない。
【0017】
次に、図2に基づき本実施の形態における半導体光増幅装置について説明する。図2(a)に示されるように、本実施の形態における半導体光増幅装置は、半導体基板11上に光導波路となる活性層12を形成し、活性層12は上下に設けられた不図示のクラッド層等により挟まれている。半導体光増幅装置の信号光の入射面には波長選択反射膜13が形成されており、信号光の出射面には反射防止膜14が形成されている。尚、半導体光増幅装置の信号光の進行方向における長さは900μmである。
【0018】
次に、図3に基づき本実施の形態の半導体光増幅装置における波長選択反射膜13について説明する。図3は、波長選択反射膜13における反射率特性と、ASE光及び信号光の強度分布を示す。半導体光増幅装置の活性層12において生じるASE光のピーク波長に対し、信号光となるレーザ光の波長は長く、ASE光の波長のピークと信号光の波長とは異なる波長である。また、波長選択反射膜13は、ASE光に対しては高い反射率を示し、信号光に対しては反射率が低く殆ど透過する特性を有している。
【0019】
このような波長選択反射膜13を設けることにより、本実施の形態における半導体光増幅装置は、信号光の入射面において、信号光の入射の際の光損失が殆ど生じることなく、信号光と逆方向に伝搬する光(ASE−)を反射させることができる。
【0020】
図2(b)に、本実施の形態における半導体光増幅装置の活性層の信号光の進行方向の位置と、ASE光強度との関係を示す。活性層12においては、信号光と同方向に伝搬する光(ASE+)と逆方向に伝搬する光(ASE−)とが発生する。このうちASE−は、波長選択反射膜13において反射され、信号光と同方向に伝搬する光(ASE反射)となり、更に光導波路を伝搬することにより光利得を受けて増幅される。よって、ASE+、ASE−及びASE反射の強度の和である全ASE光の強度は、信号光の出射側の活性層12の端部において高くなる。図2(b)に示されるように、この際の全ASE光の強度のピークの値は約50mWである。このように半導体光増幅装置において、信号光の進行方向における長さを同じにした場合であっても、ASE光の強度を高くすることは可能である。尚、本実施の形態の半導体光増幅装置における波長選択反射膜13は、ASE光を約80%反射する特性を有するものである。
【0021】
次に、図4に基づき本実施の形態における半導体光増幅装置20について、より詳細に説明する。図4(a)は、信号光の進行方向に対し垂直な面における半導体光増幅装置の断面図であり、図4(b)は、図4(a)における鎖線4A−4Bにおいて切断した断面の断面図である。半導体光増幅装置20は、n-InP基板21上に、n-InPクラッド層22、InGaAsP光閉込層23、InGaAs活性層24、InGaAsP光閉込層25、p-InPクラッド層26、InGaAsPコンタクト層27が積層されている。更に、InGaAsPコンタクト層27上にはアノード電極28が形成され、n-InP基板21のn-InPクラッド層22が形成されている面と反対側の面には、カソード電極29が形成されている。尚、InGaAsP光閉込層23及びInGaAsP光閉込層25となる光閉込層は、SCH(Separate Confinement Heterostructure)層とも称する。
【0022】
また、InGaAsP光閉込層23、InGaAs活性層24、InGaAsP光閉込層25、p-InPクラッド層26、InGaAsPコンタクト層27とn-InPクラッド層22の一部はメサ構造となっている。このメサ構造の側面にはi-InPブロック層30及び31が設けられている。更に、信号光の入射面には波長選択反射膜13が形成され、信号光の出射面には反射防止膜14が形成されている。尚、n-InP基板21は図2における半導体基板11に相当し、InGaAs活性層24は、図2における活性層12に相当する。
【0023】
次に、図5に基づき本実施の形態における半導体光増幅装置の製造方法について説明する。図5(a)〜(d)は、信号光の進行方向に対し垂直な面における半導体光増幅装置の断面図である。
【0024】
最初に図5(a)に示すように、n-InP基板21上に、n-InPクラッド層22(膜厚100〜3000nm)、InGaAsP光閉込層23(膜厚10〜300nm)、InGaAs活性層24(膜厚10〜500nm)、InGaAsP光閉込層25(膜厚10〜300nm)、p-InPクラッド層26(膜厚300〜4000nm)、InGaAsPコンタクト層27(膜厚100〜1000nm)を形成する。形成方法はMOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法等であり、エピタキシャル成長により順次積層形成する。
【0025】
次に、図5(b)に示すように、光導波路となる領域をメサ構造に加工する。具体的には、最初に、InGaAsPコンタクト層27上にマスクとなるSiO(酸化シリコン)マスク41を形成する。このSiOマスク41はInGaAsPコンタクト層27上にSiO膜を形成した後、フォトリソグラフィ法により形成したレジストパターンをマスクとして、レジストパターンが形成されていない領域のSiO膜を除去することにより形成する。SiO膜の除去には、RIE(Reactive Ion Etching)等のエッチング方法が用いられ、この後、レジストパターンを除去する。次に、このSiOマスク41を用いて、InGaAsP光閉込層23、InGaAs活性層24、InGaAsP光閉込層25、p-InPクラッド層26、InGaAsPコンタクト層27及びn-InPクラッド層22の一部(残存膜厚0〜3000nm)をメサ構造に加工する。メサ構造の加工は、SiOマスク41をマスクとして用いたドライエッチング等により行なう。
【0026】
次に、図5(c)に示すように、メサ構造に加工された側面に、i-InPブロック層30及び31をMOVPE法等により形成する。具体的には、n-InPクラッド層22においてドライエッチング等された面上に、抵抗の高いi-InP膜をMOVPE成長させることによりi-InPブロック層30及び31を形成し、この後、SiOマスク41を除去する。InGaAs活性層24の両側に形成されるi-InPブロック層30及び31は電流狭窄層となるものである。
【0027】
次に、図5(d)に示すように、アノード電極28及びカソード電極29を形成する。具体的には、InGaAsPコンタクト層27上にアノード電極28を形成し、n-InPクラッド層22等が形成されていないn-InP基板21の裏面にカソード電極29を形成する。両電極の構成としては、例えばAu(100〜2000nm)、Zn(100〜2000nm)、Au(100〜5000nm)を用いる。
【0028】
この後、信号光の進行方向に対し垂直な面において劈開することにより信号光の入射面(入射側の端面)と出射面(出射側の端面)を形成する。さらにこの後、信号光の出射側の端面には、屈折率1.44で厚さ100nmのSiO(酸化シリコン)膜と、屈折率2.4で厚さ300nmのTiO(二酸化チタン)とを交互に各々8層積層形成した誘電体多層膜により反射防止膜14を形成する。各膜の形成には例えばEB(電子ビーム)蒸着法等を用いる。この反射防止膜14は、ASE光及び信号光に対し反射防止する機能を有するものである。また、信号光の入射側の端面には、厚さ190nmのSiO膜と、厚さ150nmのTiOとを交互に各々8層積層形成した誘電体多層膜により波長選択反射膜13を形成する。この波長選択反射膜13は、ASE光を反射し信号光を透過する機能を有するものである。各膜の形成には例えばEB(電子ビーム)蒸着法等を用いる。ここで、波長選択反射膜の繰り返し層数は8層に限らず、波長選択反射膜で必要となる反射特性に応じて単層から20層以上の繰り返しを用いてよい。具体的には、反射スペクトルの形状をより急峻(図6における透過波長帯域を形成するスロープが垂直に近い)にする場合にはより多い繰り返し層数を選択し、急峻さが必要で無い場合には少ない繰り返し層数を選択する。また、各膜の膜厚についても必要な透過中心波長に応じて、10〜500nmの範囲で調整を行う。各膜の材質についても、実施構造以外の屈折率1.5〜3.0をもつ材質を用いてもよい。これにより、図4(b)に示す半導体光増幅装置20を作製することができる。
【0029】
尚、本実施の形態における半導体光増幅装置20では、n-InP基板21に代えてn-GaAs基板を用いることも可能である。また、n-InPクラッド層22、InGaAsP光閉込層23、InGaAs活性層24、InGaAsP光閉込層25、p-InPクラッド層26、InGaAsPコンタクト層27の成膜にはMBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシー)等を用いてもよい。
【0030】
図6に、上記方法により形成された波長選択反射膜13の反射率特性とASE光のスペクトルを示す。この波長選択反射膜13は、ASE光のピーク波長1470nmにおける反射率は90%以上であり、信号光の波長1550nmにおける反射率は約1%であり、ASE光に対しては反射膜として機能するが、信号光は反射することなく透過する膜である。よって、信号光における光損失は殆どなく、ASE光を高い反射率で反射させることができる。
【0031】
また、本実施の形態における半導体光増幅装置20は、端面の一方に波長選択反射膜13が形成されており、端面の他方には反射防止膜14が形成されているため、共振器としての機能を有していない。よって、レーザ発振することはない。
【0032】
次に、図7及び図8に基づき本実施の形態における半導体光増幅装置により生じるASE光について説明する。
【0033】
図7(a)に示すように、本実施の形態における半導体光増幅装置において、半導体光増幅装置に20kA/cmの電流密度の電流を印加することにより、光導波路の反射防止膜が形成されている端部では強度が50mWのASE光を得ることができる。尚、この際に流れる駆動電流は540mAであり、半導体光増幅装置における信号光の進行方向における長さは900μmである。一方、図1(a)に示す半導体光増幅装置において、強度が50mWのASE光を得るためには、図7(b)に示すように半導体光増幅装置の信号光の進行方向における長さを1800μmとする必要があり、この際に流れる駆動電流は1080mAである。これより、同じ強度のASE光を得る場合において、本実施の形態における半導体光増幅装置は、関連技術の図1(a)に示す半導体光増幅装置に対し、信号光の進行方向における長さを半分にすることができ、また、駆動電流も半分に抑えることができる。
【0034】
次に、図8に、ASE光強度と利得変動時間の関係を示す。図1(a)に示す半導体光増幅装置において、半導体光増幅装置の信号光の進行方向における長さが900μmである場合では、光導波路の端部におけるASE光の強度は約0.4mWであり、この際の利得変動時間は約280psである。一方、本実施の形態における半導体光増幅装置において、半導体光増幅装置の信号光の進行方向における長さが900μmでは、光導波路の信号光の出射側の端部におけるASE光の強度は約50mWであり、この際の利得変動時間は約100psである。即ち、本実施の形態における半導体光増幅装置は、関連技術の図1(a)に示す半導体光増幅装置に対し、約3倍高速化させることができる。このように本実施の形態における半導体光増幅装置では、利得変動時間を短くすることができ、パターン効果による波形劣化を抑えることが可能となる。
【0035】
次に、図9に基づき別の構造の波長選択反射膜13について説明する。図9(a)は、屈折率1.44で厚さ180nmのSiO膜と、屈折率2.0で厚さ200nmのSiN(窒化シリコン)膜とを交互に各々10層積層形成した誘電体多層膜の波長選択反射膜13における反射率特性を示す。このような誘電体多層膜により、ASE光のピーク波長である1470nmの光は反射率が90%以上であるが、信号光の波長である1550nmの光は、殆ど反射することなく透過する特性を有する波長選択反射膜13を得ることができる。
【0036】
また、本実施の形態における半導体光増幅装置は、信号光が1300nmの場合についても適用可能である。図9(b)に、屈折率1.44で厚さ160nmのSiO膜と、屈折率2.4で厚さ120nmのTiO膜とを交互に各々8層積層形成した誘電体多層膜の波長選択反射膜13における反射率特性を示す。このような誘電体多層膜により、ASE光のピーク波長である1250nmの光は、反射率が90%以上であるが、信号光の波長である1300nmの光は、殆ど反射することなく透過する波長選択反射膜13を得ることができる。いずれの実施形態においても、各膜の形成には例えばEB(電子ビーム)蒸着法等を用いる。ここで、波長選択反射膜の繰り返し層数は8、10層に限らず、波長選択反射膜で必要となる反射特性に応じて単層から20層以上の繰り返しを用いてよい。具体的には、反射スペクトルの形状をより急峻(図6における透過波長帯域を形成するスロープが垂直に近い)にする場合にはより多い繰り返し層数を選択し、急峻さが必要で無い場合には少ない繰り返し層数を選択する。また、各膜の膜厚についても必要な透過中心波長に応じて、10〜500nmの範囲で調整を行う。各膜の材質についても、実施構造以外の屈折率1.5〜3.0をもつ材質を用いてもよい。
【0037】
さらに、図10に示すように、光導波路の信号光を出射する端面において、端面に垂直な方向に対し傾いた角度で信号光を出射する構造に光導波路を形成することにより、より一層信号光の出射側の端面におけるASE光の反射を抑えることが可能である。図10は、この半導体光増幅装置の上面からの概要を示すものである。この半導体光増幅装置は信号光の出射側の端面に垂直な方向に対し、信号光を角度θ(5〜20度)の傾きをもたせ出射させるものであり、このため活性層である光導波路42を屈曲させて形成したものである。これにより反射防止膜14の形成されている出射側の端面において僅かながら反射した光であっても光導波路42には戻ることがなく、光導波路42内におけるASE光の共振をより確実に防ぐことができる。
【0038】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態における半導体光増幅装置は、活性層が量子ドット(Quantum dot)構造を有するものである。
【0039】
図11に基づき本実施の形態における半導体光増幅装置120について説明する。図11(a)は、信号光の進行方向に対し垂直な面における半導体光増幅装置の断面図であり、図11(b)は、図11(a)における鎖線11A−11Bにおいて切断した断面の断面図である。半導体光増幅装置120は、n-InP基板121上に、n-InPクラッド層122、InGaAsP光閉込層123、InGaAs活性層124、InGaAsP光閉込層125、p-InPクラッド層126、InGaAsPコンタクト層127が積層されている。更に、InGaAsPコンタクト層127上にはアノード電極128が形成され、n-InP基板121のn-InPクラッド層122が形成されている面と反対側の面には、カソード電極129が形成されている。また、InGaAsP光閉込層123、量子ドット活性層124、InGaAsP光閉込層125、p-InPクラッド層126、InGaAsPコンタクト層127、n-InPクラッド層122の一部はメサ構造になっている。このメサ構造の側面にはi-InPブロック層130及び131が設けられている。さらに、信号光の入射面には波長選択反射膜113を形成され、信号光の出射面には反射防止膜114が形成されている。尚、n-InP基板121は図2における半導体基板11に相当し、量子ドット活性層124は、図2における活性層12に相当する。
【0040】
次に、図12に基づき本実施の形態における半導体光増幅装置の製造方法を説明する。図12(a)〜(d)は、本実施の形態における半導体光増幅装置の製造方法の工程を示すものであり、信号光の進行方向に対し垂直な面における半導体光増幅装置の断面図である。
【0041】
最初に、図12(a)に示すように、n-InP基板121上に各々の層を形成する。具体的には、n-InP基板121上に、n-InPクラッド層122(膜厚100〜3000nm)、InGaAsP光閉込層123(膜厚10〜300nm)、量子ドット活性層124(膜厚10〜500nm)、InGaAsP光閉込層125(膜厚10〜300nm)、p-InPクラッド層126(膜厚300〜4000nm)、InGaAsPコンタクト層127(膜厚100〜1000nm)を形成する。形成方法はMOVPE法又はMBE法であり、エピタキシャル成長させることにより順次積層形成する。
【0042】
次に、量子ドット活性層124について説明する。図13は、量子ドット活性層124の部分を拡大した構造図である。図に示されるように、量子ドット活性層124は、GaInAsPのサイドバリア(Side barrier)151(膜厚2〜50nm)及びInAsの量子ドット152(高さ2〜50nm)により形成される。ここで、量子ドット152は、S-K(Stranski-Krastanov)モード等の自己形成技術を用いて形成される。尚、この量子ドット152は、コラムナードットであるため、ドット周囲にサイドバリア151が形成される。
【0043】
次に、図12(b)に示すように、光導波路となる領域をメサ構造に加工する。具体的には、最初にInGaAsPコンタクト層127上に、マスクとなるSiO(酸化シリコン)マスク141を形成する。このSiOマスク141は、InGaAsPコンタクト層127上にSiO膜を形成した後、フォトリソグラフィ法により形成したレジストパターンをマスクとして、レジストパターンが形成されていない領域のSiO膜を除去することにより形成する。SiO膜の除去には、RIE等のエッチング方法が用いられ、この後、レジストパターンを除去する。次に、このSiOマスク141を用い、InGaAsP光閉込層123、量子ドット活性層124、InGaAsP光閉込層125、p-InPクラッド層126、InGaAsPコンタクト層127及びn-InPクラッド層122の一部(残存膜厚0〜3000nm)をメサ構造に加工する。メサ構造の加工は、SiOマスク141をマスクとして用いてドライエッチング等により行なう。
【0044】
次に、図12(c)に示すように、メサ構造に加工された側面に、i-InPブロック層130及び131を形成する。形成方法としては例えばMOCVD法を用いる。具体的には、n-InPクラッド層122においてドライエッチング等された面上に抵抗の高いi-InP膜を成長させることによりi-InPブロック層130及び131を形成し、この後、SiOマスク141を除去する。量子ドット活性層124の両側に形成されるi-InPブロック層130及び131は電流狭窄層となるものである。
【0045】
次に、図12(d)に示すように、アノード電極128及びカソード電極129を形成する。具体的には、InGaAsPコンタクト層127上にアノード電極128を形成し、n-InPクラッド層122等が形成されていないn-InP基板121の裏面にカソード電極129を形成する。両電極の構成としては、例えばAu(100〜2000nm)、Zn(100〜2000nm)、Au(100〜5000nm)を用いる。
【0046】
この後、信号光の進行方向に対し垂直な面において劈開することにより信号光の入射面(入射側の端面)と出射面(出射側の端面)を形成する。さらに、信号光の出射側の端面には、屈折率1.44で厚さ100nmのSiO(酸化シリコン)膜と、屈折率2.4で厚さ300nmのTiO(二酸化チタン)とを交互に各々8層積層形成した誘電体多層膜により反射防止膜114を形成する。尚、反射防止膜114は、ASE光及び信号光に対し反射防止する機能を有するものである。また、信号光の入射側の端面には、厚さ190nmのSiO膜と、厚さ150nmのTiOとを交互に各々8層積層形成した誘電体多層膜により波長選択反射膜113を形成する。これにより、図11(b)に示すような半導体光増幅装置120を作製することができる。
【0047】
本実施の形態における半導体光増幅装置120は、量子ドット活性層124を有しているため、より利得応答速度を高速にすることができるとともに、温度依存性を低く抑えることができる。また、本実施の形態における半導体光増幅装置は、量子ドット活性層124として、単層のS-K自己形成量子ドットなどのコラムナ量子ドット以外の構造を用いてもよい。また、量子井戸構造の活性層を適用することも可能である。さらに、各種構造の活性層材料に歪を印加する手法などを用いて、入力信号光の偏光状態に関係なく動作させることも可能である。
【0048】
尚、本実施の形態における半導体光増幅装置120では、n-InP基板121に代えてn-GaAs基板を用いることが可能である。さらに、基板の導電型としてp-InPやp-GaAsを使用し、活性層上部のクラッド層をn型半導体とすることで実施構造例と逆の電気極性を持つ半導体光増幅器を適用しても良い。また、n-InPクラッド層122、InGaAsP光閉込層123、InGaAs活性層124、InGaAsP光閉込層125、p-InPクラッド層126、InGaAsPコンタクト層127の成膜にはMBE(分子線エピタキシー)等を用いてもよい。更に、本実施の形態における半導体光増幅装置においては、第1の実施の形態における図9で説明した波長選択反射膜を用いることも可能である。
【0049】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、信号光の入射側に回折格子を設けた構成の半導体光増幅装置である。
【0050】
図14に示す半導体光増幅装置は、半導体基板211上に光導波路となる活性層212を形成したものであり、活性層212は上下に設けられた不図示のクラッド層等により挟まれている。半導体光増幅装置の信号光の入射面と出射面には、各々の反射による光損失を防ぐため反射防止膜213及び214が形成されており、信号光の入射側の活性層212の下側には、回折格子215が設けられている。この回折格子215は、活性層212内で発生したASE光を反射し、信号光を透過するものである。回折格子215の周期Λはその反射波長λがλ=2・n・Λ(nは導波路の等価屈折率で3〜3.5程度)で有る関係を用いて、必要な反射波長に応じて100〜400nmの間で設定される。例えば、SOAのASEピーク波長が1450nmである場合には、Λは226nm(n=3.3とした)に設定される。
【0051】
活性層212においては、信号光と同方向に伝搬する光(ASE+)と逆方向に伝搬する光(ASE−)が発生する。このうち、ASE−は回折格子215により反射され、信号方向と同方向に伝搬する光(ASE反射)となり、更に光導波路を伝搬することにより光利得を受けて増幅される。このため、ASE+、ASE−、ASE反射の強度の和である全ASE光の強度は、第1の実施の形態と同様に、信号光の出射側の活性層212の端部において高くなる。
【0052】
尚、回折格子215は、活性層212の上側に設けてもよく、また、広い波長領域のASE光に対して高い反射率を得るために、表面回折格子や、回折格子の周期が一様ではなく、光導波路における信号光の進行方向で周期が変化するチャープ回折格子であってもよい。また、活性層212は、第1の実施の形態における活性層、第2の実施の形態における量子ドット活性層のどちらについても適用することが可能である。
【0053】
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、半導体光増幅装置を組み込んだ光モジュールである。
【0054】
図15及び図16に基づき本実施の形態における光モジュールについて説明する。本実施の形態における光モジュールは、図15に示すように、光ファイバー301、光学系302、第1の実施の形態における半導体光増幅装置20、光学系304、光ファイバー305、ステージ306、波長フィルタ351を有している。尚、本実施の形態では、一例として第1の実施の形態における半導体光増幅装置20を有する場合について説明するが、本実施の形態における光モジュールは、第2及び第3の実施の形態における半導体光増幅装置についても同様に用いることが可能である。半導体光増幅装置20には、入力された信号光が光ファイバー301より、光学系302を介し入射される。また、半導体光増幅装置20から出射された信号光は、光学系304を介し、光ファイバー305へと出力される。ステージ306は、温度調節機能を有しており、半導体光増幅装置20は一定温度に保たれている。波長フィルタ351は波長選択フィルタ(誘電体多層膜を用いた波長選択フィルタ)であって、光ファイバー305の途中に設けられており、ASE光を吸収し、信号光は透過する特性を有している。
【0055】
尚、光学系302は、光ファイバー301からの信号光を半導体光増幅装置20の入射面に入射させるためのレンズ307及び308を有している。また、光学系304は、半導体光増幅装置20から出射された信号光を光ファイバー305に入射させるためのレンズ309及び310を有している。
【0056】
この光モジュールにおいて、図16に示すように半導体光増幅装置20は電源となる駆動回路352により駆動する。即ち、駆動回路352は、半導体光増幅装置20のアノード電極28及びカソード電極29と電気的に接続されており、半導体光増幅装置20に電流を流すことにより駆動する。
【0057】
このように半導体光増幅装置20に電流を流した状態で、光ファイバー301より光学系302を介し信号光を半導体光増幅装置20に入射することにより、半導体光増幅装置20から出射された信号光は、光学系304を介し光ファイバー305より出力される。尚、前述のとおり、光ファイバー305には、途中に波長フィルタ351が設けられており、ASE光は吸収される。
【0058】
図17に、図15に示す光モジュールに入力する入力信号波形と、出力される出力信号波形を示す。図17(a)は、図15に示す光モジュールに入力する入力信号波形であり、図17(b)は、図15に示す光モジュールより出力される出力信号波形である。図17(a)に示す入力信号は、10GbpsNRZ(Non Return to Zero)変調信号光であり、“1”のレベルにノイズを多く含んだ信号である。半導体光増幅装置20の飽和光出力程度のレベルまで増幅することにより、半導体光増幅装置20内の高速な利得飽和効果により、“1”レベルのノイズは強度圧縮され、信号光の品質が改善される「光リミッタアンプ動作」を実現することができる。図17(b)に示す出力信号波形では、入力信号波形よりもアイパターンが開いており、出力された信号光の品質が改善されていることが確認される。
【0059】
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
【0060】
上記の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成された活性層を有する光導波路と、
前記光導波路に信号光を入射させる端面に形成され、前記信号光を透過し、前記信号光以外の波長の光を反射する波長選択反射膜と、
を有することを特徴とする半導体光増幅装置。
(付記2)
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成された活性層を有する光導波路と、
前記光導波路に信号光を入射させる側の前記光導波路の上方又は下方に形成された、、前記信号光を透過し、前記信号光以外の波長の光を反射する回折格子と、
を有することを特徴とする半導体光増幅装置。
(付記3)
前記信号光以外の波長の光は、前記活性層より生じた自然放出光であることを特徴とする付記1又は2に記載の半導体光増幅装置。
(付記4)
前記活性層より前記信号光が出射される端面に形成され、前記信号光及び前記自然放出光以外の波長の光の反射を防止する反射防止膜を更に有することを特徴とする付記1から3のいずれか1項に記載の半導体光増幅装置。
(付記5)
前記波長選択反射膜は、誘電体多層膜であることを特徴とする付記1、3、4のいずれか1項に記載の半導体光増幅装置。
(付記6)
前記誘電体多層膜は、酸化物または窒化物を含む第1の屈折率材料と、酸化物または窒化物を含む第2の屈折率材料の積層膜であることを特徴とする付記5に記載の半導体光増幅装置。
(付記7)
前記活性層は、量子井戸構造を有することを特徴とする付記1から6のいずれか1項に記載の半導体光増幅装置。
(付記8)
前記活性層は、量子ドット活性層であることを特徴とする付記1から6のいずれか1項に記載の半導体光増幅装置。
(付記9)
前記量子ドット活性層は、GaInAsP内に、InAsの量子ドットが形成されたものであることを特徴とする付記8に記載の半導体光増幅装置。
(付記10)
前記光導波路の前記信号光を出射する端面において、前記端面に垂直な方向に対し傾いた角度で前記信号光を出射するものであることを特徴とする付記1から9のいずれか1項に記載の半導体光増幅装置。
(付記11)
前記信号光の波長のピークは、前記自然放出光の波長のピークよりも長波長であることを特徴とする付記1から10のいずれか1項に記載の半導体光増幅装置。
(付記12)
前記誘電体多層膜は、酸化チタンと酸化シリコンとの積層膜であることを特徴とする付記5に記載の半導体光増幅装置。
(付記13)
前記誘電体多層膜は、窒化シリコンと酸化シリコンの積層膜であることを特徴とする付記5に記載の半導体光増幅装置。
(付記14)
前記半導体基板は、InPを含むことを特徴とする付記1から13のいずれか1項に記載の半導体光増幅装置。
(付記15)
前記活性層の上方及び下方に形成された一対の電極と、
前記電極に電圧を印加する電源と、
を更に有することを特徴とする付記1から14のいずれか1項に記載の半導体光増幅装置。
(付記16)
付記1から15のいずれか1項に記載の半導体光増幅装置と、
前記半導体光増幅装置における前記光導波路に信号光を入射させるための光学素子と、
前記半導体光増幅装置における前記光導波路から出射された信号光を出力するための光学素子と、
を有することを特徴とする光モジュール。
(付記17)
前記半導体光増幅装置は前記活性層の上方及び下方に形成された一対の電極と、
前記電極に電圧を印加する電源と、を更に有していることを特徴とする付記16に記載の光モジュール。
(付記18)
前記半導体光増幅装置からの前記信号光の出射側には、前記信号光の透過率よりも、前記自然放出光の透過率が低い波長選択フィルタを有していることを特徴とする付記16または17に記載の光モジュール。
(付記19)
前記光学素子は、光ファイバーを有するものであることを特徴とする付記16から19のいずれか1項に記載の光モジュール。
【符号の説明】
【0061】
11 半導体基板
12 活性層
13 波長選択反射膜
14 反射防止膜
21 n-InP基板
22 n-InPクラッド層
23 InGaAsP光閉込層
24 InGaAs活性層
25 InGaAsP光閉込層
26 p-InPクラッド層
27 InGaAsPコンタクト層
28 アノード電極
29 カソード電極
30 i-InPブロック層
31 i-InPブロック層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成された活性層を有する光導波路と、
前記光導波路に信号光を入射させる端面に形成され、前記信号光を透過し、前記信号光以外の波長の光を反射する波長選択反射膜と、
を有することを特徴とする半導体光増幅装置。
【請求項2】
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成された活性層を有する光導波路と、
前記光導波路に信号光を入射させる側の前記光導波路の上方又は下方に形成された、、前記信号光を透過し、前記信号光以外の波長の光を反射する回折格子と、
を有することを特徴とする半導体光増幅装置。
【請求項3】
前記信号光以外の波長の光は、前記活性層より生じた自然放出光であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体光増幅装置。
【請求項4】
前記活性層より前記信号光が出射される端面に形成され、前記信号光及び前記自然放出光以外の波長の光の反射を防止する反射防止膜を更に有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体光増幅装置。
【請求項5】
前記波長選択反射膜は、誘電体多層膜であることを特徴とする請求項1、3、4のいずれか1項に記載の半導体光増幅装置。
【請求項6】
前記光導波路の前記信号光を出射する端面において、前記端面に垂直な方向に対し傾いた角度で前記信号光を出射するものであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体光増幅装置。
【請求項7】
前記信号光の波長のピークは、前記自然放出光の波長のピークよりも長波長であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の半導体光増幅装置。
【請求項8】
付記1から7のいずれか1項に記載の半導体光増幅装置と、
前記半導体光増幅装置における前記光導波路に信号光を入射させるための光学素子と、
前記半導体光増幅装置における前記光導波路から出射された信号光を出力するための光学素子と、
を有することを特徴とする光モジュール。
【請求項9】
前記半導体光増幅装置は前記活性層の上方及び下方に形成された一対の電極と、
前記電極に電圧を印加する電源と、を更に有していることを特徴とする請求項8に記載の光モジュール。
【請求項10】
前記半導体光増幅装置からの前記信号光の出射側には、前記信号光の透過率よりも、前記自然放出光の透過率が低い波長選択フィルタを有していることを特徴とする付記8または9に記載の光モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−232424(P2010−232424A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−78361(P2009−78361)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】