半導体光源装置、半導体光源制御方法及び投影装置
【課題】簡易な回路構成で、直列接続された半導体光源素子の異常を確実に検出する。
【解決手段】直列接続されたLED20A〜20Dと、LED20A〜20Dを駆動する駆動回路21と、LED20A〜20D夫々に並列接続された抵抗RpA〜RpDと、駆動回路21によるLED20A〜20Dの非発光駆動時に抵抗RpA〜RpDに所定の電流を流す定電流源22と、定電流源22により所定の電流が流された状態でLED20A〜20D全体に印加される電圧値を検出する電圧監視回路23と、レベルシフタ24を介し、電圧監視回路23で検出した電圧値に基づいてLED20A〜20D中で短絡している素子数を判定する制御回路25とを備える。
【解決手段】直列接続されたLED20A〜20Dと、LED20A〜20Dを駆動する駆動回路21と、LED20A〜20D夫々に並列接続された抵抗RpA〜RpDと、駆動回路21によるLED20A〜20Dの非発光駆動時に抵抗RpA〜RpDに所定の電流を流す定電流源22と、定電流源22により所定の電流が流された状態でLED20A〜20D全体に印加される電圧値を検出する電圧監視回路23と、レベルシフタ24を介し、電圧監視回路23で検出した電圧値に基づいてLED20A〜20D中で短絡している素子数を判定する制御回路25とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば直列接続された複数のLEDなどの半導体光源素子を用いる装置に好適な半導体光源装置、半導体光源制御方法及び投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
互いに直列接続された複数個の半導体光源の異常を高精度に検出することを課題として、これまでにも種々の提案がなされている。(例えば、特許文献1)
図13は、上記特許文献に記載された技術を含む、直列接続された複数のLED(発光ダイオード)の駆動と異常(短絡)検出とを行なう回路の一般的な構成例を示す図である。同図で、駆動対象の光源ユニット10が、複数、例えば4個のLED10A〜10Dを直列接続して構成される。この光源ユニット10のLED10Aのアノードに対して動作用電源電圧Vinが印加される。この動作用電源電圧Vinはまた、光源ユニット10の駆動を行なう駆動回路11にも与えられる。
【0003】
駆動回路11は、光源ユニット10のLED10Dのカソードとも接続されて、この光源ユニット10を意図した光量で駆動するべく光源ユニット10の電圧、電流を調整する。
光源ユニット10のLED10A〜10Dの両端、すなわちLED10AのアノードとLED10Dのカソード間の電圧値を電圧監視回路12が検出する。この電圧監視回路12の検出した電圧値をレベルシフタ13で所定の比率で降圧し、降圧した結果を制御回路14へ送出する。
【0004】
制御回路14がレベルシフタ13の出力レベルに応じて光源ユニット10中で短絡を生じているLEDの数を判定し、その判定結果に応じた制御信号を駆動回路11に送出することにより、駆動回路11が上述した如く光源ユニット10の電圧、電流を調整する。
【0005】
上記レベルシフタ13は、制御回路14の取扱う電源電圧範囲と、光源ユニット10の駆動に必要で電圧監視回路12が検出する駆動用電源の電圧範囲とが大きく異なり、通常は電圧監視回路12の出力を直接制御回路14で直接受け入れることができないために挿入するもので、電圧の整合を行なう。
【0006】
上記のような回路構成にあって、直列接続された光源ユニット10の両端間の電圧を電圧監視回路12が検出することで、それをレベルシフタ13で降圧した内容から、制御回路14が光源ユニット10において有効に発光していると思われる、短絡していないLEDの数を判断し、その判断結果補制御信号として駆動回路11へ出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−165441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記図13に示したような回路では、実際上、光源ユニット10を構成する個々のLED10A〜10D毎に駆動特性に関して個体のばらつきが大きく、各LEDの動作電圧Vopも大きく異なる。そのため、光源ユニット10を構成する一部のLEDに短絡が生じたとしても、その両端の駆動電圧の変動によって異常を検出するのは容易ではなく、その点は特に直列接続されるLEDの数が多いほど顕著となる。
【0009】
具体的には、1つのLEDの動作電圧をVop、各LEDの動作電圧の本来の動作電圧に対するバラツキをΔVop、直列接続するLEDの数をn、そのうち短絡したLEDの数をmとすると、
m×Vop(min)<n×ΔVop(max)
の関係が設計上で成立する場合は、正常時の光源ユニット10の合計動作電圧の最小値(min)と、一部短絡を生じた異常時の光源ユニット10の合計動作電圧の最大値(max)の大小が逆転するため、異常を検出する閾値電圧が設定不可能となり、本方式での異常検出が行なえなくなる。
【0010】
現状では動作電圧を含めてLEDの各種特性の個体差が大きく、温度や駆動電流にも依存して動作電圧は大きく変化する場合があり、上記の不整合は容易に起こり得る。
【0011】
このような不具合を解決するべく、上記図13の回路構成に代えて図14に示すような構成の回路を用いることが考えられる。すなわち図14では、光源ユニット10のLED10A〜10Dそれぞれに対して1対1に電圧監視回路12A〜12Dを設ける。そして、電圧監視回路12A〜12Dで検出した電圧値をレベルシフタ13A〜13Dで降圧して制御回路14′に出力する。
【0012】
このように光源ユニット10を構成するLED10A〜10D個々の短絡を検出するようにLED10A〜10Dと同数の電圧監視回路12A〜12D、レベルシフタ13A〜13Dを設けることにより、LED10A〜10Dそれぞれの個体差を勘案しても、正常動作時と短絡時の電圧の変動を確実に検出できると共に、短絡を生じたLEDの特定が可能となる。
【0013】
しかしながら上記図14に示した構成では、LED10A〜10Dの個数分だけ電圧監視回路12A〜12D、レベルシフタ13A〜13Dを含めた検出回路の部品点数が増大し、回路規模や製造コストの点で生じるデメリットが非常に大きく、現実的ではない。
【0014】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、できる限り簡素な回路構成としながらも、直列接続された半導体光源素子の異常を確実に検出することが可能な半導体光源装置、半導体光源制御方法及び投影装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1記載の発明は、直列接続された複数の半導体光源素子と、上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路と、上記複数の半導体光源素子それぞれに並列接続された複数の抵抗と、上記駆動回路による複数の半導体光源素子の非発光駆動時に上記複数の抵抗に所定の電流を流す定電流源と、上記定電流源により所定の電流が流された状態で上記複数の半導体光源素子全体に印加される電圧値を検出する電圧監視手段と、上記電圧監視手段で検出した電圧値に基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定する判定手段とを具備したことを特徴とする。
【0016】
請求項2記載の発明は、直列接続された複数の半導体光源素子と、上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路と、上記複数の半導体光源素子それぞれに並列接続された複数の抵抗と、上記駆動回路による複数の半導体光源素子の非発光駆動時に上記複数の抵抗に印加される電圧を予め設定された比で分圧する分圧回路と、上記分圧回路で分圧された電圧値に基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定する判定手段とを具備したことを特徴とする。
【0017】
請求項3記載の発明は、直列接続された複数の半導体光源素子と、上記複数の半導体光源素子に対し、電源の直流電圧の印加時間デューティを可変して異なる直流電圧で駆動するDC/DCコンバータによる駆動回路と、上記電源の直流電圧値と、上記駆動回路での印加時間デューティとに基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定する判定手段とを具備したことを特徴とする。
【0018】
請求項4記載の発明は、上記請求項3記載の発明において、上記複数の半導体光源素子の温度を検出する温度検出手段をさらに具備し、上記判定手段は、上記温度検出手段での検出結果に基づいて、上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数の判定結果と、上記駆動回路による印加時間デューティの少なくとも一方を補正することを特徴とする。
【0019】
請求項5記載の発明は、直列接続された複数の半導体光源素子と、上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路と、上記複数の半導体光源素子それぞれに対応付けて直列に接続された複数の開閉スイッチ回路と、上記複数の半導体光源素子それぞれに並列接続され、当該半導体光源素子に印加される電圧から素子の短絡を検出し、その検出結果により当該半導体光源素子に対応付けて直列接続された開閉スイッチ回路を開状態とする複数の電圧検出手段と、上記駆動回路により上記複数の半導体光源素子全体に印加される電圧の変化から上記複数の開閉スイッチ回路の少なくとも1つが開状態となったことを判定する判定手段とを具備したことを特徴とする。
【0020】
請求項6記載の発明は、直列接続された複数の半導体光源素子、及び上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路を備えた半導体光源装置の制御方法であって、上記複数の半導体光源素子に同数の抵抗を並列に接続し、上記駆動回路による複数の半導体光源素子の非発光駆動時に定電流源により上記複数の抵抗に所定の電流を流し、上記定電流源により所定の電流が流された状態で上記複数の半導体光源素子全体に印加される電圧値を検出し、上記検出した電圧値に基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定することを特徴とする。
【0021】
請求項7記載の発明は、直列接続された複数の半導体光源素子、及び上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路を備えた半導体光源装置の制御方法であって、上記複数の半導体光源素子に同数の抵抗を並列に接続し、上記駆動回路による複数の半導体光源素子の非発光駆動時に上記複数の抵抗に印加される電圧を予め設定された比で分圧し、上記分圧された電圧値に基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定することを特徴とする。
【0022】
請求項8記載の発明は、直列接続された複数の半導体光源素子、及び上記複数の半導体光源素子に対し、電源の直流電圧の印加時間デューティを可変して異なる直流電圧で駆動するDC/DCコンバータによる駆動回路を備えた半導体光源装置の制御方法であって、上記電源の直流電圧値と、上記駆動回路での印加時間デューティとに基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定することを特徴とする。
【0023】
請求項9記載の発明は、直列接続された複数の半導体光源素子、及び上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路を備えた半導体光源装置の制御方法であって、上記複数の半導体光源素子それぞれに対応付けて直列に複数の開閉スイッチ回路を接続し、上記複数の半導体光源素子それぞれに、当該半導体光源素子に印加される電圧から素子の短絡を検出し、その検出結果により当該半導体光源素子に対応付けて直列接続された開閉スイッチ回路を開状態とする複数の電圧検出手段を並列接続し、上記駆動回路により上記複数の半導体光源素子全体に印加される電圧の変化から上記複数の開閉スイッチ回路の少なくとも1つが開状態となったことを判定することを特徴とする。
【0024】
請求項10記載の発明は、複数の半導体光源素子を直列接続した半導体光源素子アレイを複数設け、それぞれ異なる色の光を発する上記各半導体光源素子アレイを時分割で発光駆動する光源と、画像信号を入力する入力手段と、上記入力手段で入力された画像信号に基づいて表示素子により画像を表示させ、上記光源から時分割で入光される複数色の光を上記表示素子で反射あるいは透過させてカラーの光像を形成し、投影対象に向けて投影する投影手段と、上記各半導体光源素子アレイを構成する個々の半導体光源素子にそれぞれ並列接続した複数の抵抗と、上記各半導体光源素子アレイ毎に設けられ、当該半導体素子アレイの非発光駆動時に上記複数の抵抗に所定の電流を流す定電流源と、上記各半導体光源素子アレイ毎に設けられ、上記定電流源により所定の電流が流された状態で上記半導体光源素子アレイ両端に印加される電圧値を検出する複数の電圧監視手段と、上記複数の電圧監視手段で検出した電圧値に基づいて上記各半導体光源素子アレイ中で短絡している素子数を判定する複数の判定手段と、上記複数の判定手段での判定結果に応じて上記光源及び上記投影手段の少なくとも一方の動作を調整する投影制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0025】
請求項11記載の発明は、複数の半導体光源素子を直列接続した半導体光源素子アレイを複数設け、それぞれ異なる色の光を発する上記各半導体光源素子アレイに対し、電源の直流電圧の印加時間デューティを可変して異なる直流電圧で時分割で駆動する光源と、画像信号を入力する入力手段と、上記入力手段で入力された画像信号に基づいて表示素子により画像を表示させ、上記光源から時分割で入光される複数色の光を上記表示素子で反射あるいは透過させてカラーの光像を形成し、投影対象に向けて投影する投影手段と、上記各半導体光源素子アレイ毎に設けられ、上記電源の直流電圧値と、上記印加時間デューティとに基づいて上記各半導体光源素子アレイ中で短絡している素子数を判定する複数の判定手段と、上記複数の判定手段での判定結果に応じて上記光源及び上記投影手段の少なくとも一方の動作を調整する投影制御手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、できる限り簡素な回路構成としながらも、直列接続された半導体光源素子の異常を確実に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光源装置の回路構成を示す図。
【図2】同実施形態に係る高出力LEDの動作電流と動作電圧の関係を示す図。
【図3】同実施形態に係る図2の一部を拡大して示す図。
【図4】同実施形態に係る光源を用いたデータプロジェクタの回路構成を示すブロック図。
【図5】同実施形態に係る電源オン当初に実行する初期設定処理の一部を抽出して示すフローチャート。
【図6】同実施形態に係る光源及び画像表示素子の動作タイミングを示すタイミングチャート。
【図7】同実施形態に係る光源及び画像表示素子の動作タイミングを示すタイミングチャート。
【図8】同実施形態に係る光源装置の他の回路構成を示す図。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る光源装置の回路構成を示す図。
【図10】同実施形態に係る光源装置での処理内容を示すフローチャート。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る光源装置の電気回路の構成を示す図。
【図12】同実施形態に係る光源装置の機能回路の構成を示す図。
【図13】一般的な半導体光源装置の制御回路構成を示すブロック図。
【図14】一般的な半導体光源装置の制御回路構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
図1は、直列接続された複数のLEDの駆動と短絡の検出とを行なう光源装置の回路構成を示す図である。同図で、駆動対象の光源ユニット20が、複数、例えば4個のLED20A〜20Dを直列接続して構成される。この光源ユニット20のLED20Aのアノードに対して動作用電源電圧Vinが印加される。この動作用電源電圧Vinはまた、光源ユニット20の駆動を行なう駆動回路21にも与えられる。
【0030】
駆動回路21は、光源ユニット20のLED20Dのカソードとも接続されて、この光源ユニット20を意図した光量で駆動するべくLED20A〜20Dの電圧、電流を調整する。
上記光源ユニット20の各LED20A〜20Dに対して、抵抗RpA〜RpDを並列接続し、これら抵抗RpA〜RpDに後述する一定の電流を流すための定電流源22を最下段の抵抗RpDと接地電位との間に接続する。
【0031】
そして、LED20A〜20D及び抵抗RpA〜RpDの両端、すなわちLED20Aのアノード側とLED20Dのカソード側間の電圧値を電圧監視回路23が検出する。この電圧監視回路23の検出した電圧値をレベルシフタ24で所定の比率で降圧し、降圧した結果を制御回路25へ送出する。
【0032】
制御回路25では、A/D変換部25aでレベルシフタ24の出力電圧をデジタル化した後に、その電圧値に応じて光源ユニット20中で短絡を生じているLEDの数を判定し、その判定結果に応じた制御信号を上記駆動回路21に送出する。駆動回路21は、制御回路25から受けた制御信号により、上述した如く光源ユニット20の電圧、電流を調整する。
【0033】
次に上記光源装置の動作について説明する。
駆動回路21が光源ユニット20を発光するべく駆動していない状態で、定電流源22により抵抗RpA〜RpDに電流を流すと、その電流によって各抵抗RpA〜RpDの両端にはある一定の電圧が発生する。
【0034】
これら各抵抗RpA〜RpDの両端に発生する電圧は、並列接続された半導体光源素子であるLED20A〜20Dにもそれぞれ印加される。その電圧値がLED20A〜20Dの一般に順方向降下電圧Vfと呼称される動作閾値電圧を超えないように、抵抗RpA〜RpDの抵抗値と定電流源22の電流値を設定しておけば、LED20A〜20Dにはごく微小の電流しか流れない。
【0035】
同時に、定電流源22が供給する電流値が、このときLED20A〜20Dに流れる微小電流値に対して充分大きく設定されていれば、定電流源22からの電流はほぼ抵抗RpA〜RpDのみに流れると見なすことができる。
【0036】
そのため、各抵抗RpA〜RpDの両端に発生する電圧値は、抵抗RpA〜RpDの抵抗値と、定電流源22の電流値の設定のみによって決定され、その電圧精度も、抵抗RpA〜RpDと定電流源22の精度によって決定される。
【0037】
LED20A〜20Dの個体毎の精度のバラツキに比して、抵抗の抵抗値や定電流源の供給電流値の精度は1桁乃至2桁以上高いため、LED20A〜20Dのバラツキに影響されずに、各抵抗RpA〜RpDの両端に発生する電圧の合計値として、光源ユニット20の両端の電圧状態を電圧監視回路23で高精度に検出することが可能となる。
【0038】
したがって、光源ユニット20を構成するLED20A〜20D中の例えば1つが短絡を生じた場合、電圧監視回路23が検出する光源ユニット20の両端電圧は、1個の抵抗Rp分だけ減少する変動が生じるため、確実に光源ユニット20での短絡による故障を検出することが可能となる。
【0039】
以上要するに、光源ユニット20の非動作中に上記抵抗RpA〜RpDに適切な電流を定電流源22により流して、その結果生じた抵抗RpA〜RpDの両端の電圧を測定することにより、光源ユニット20における短絡を確実に検出できる。
【0040】
ここで定電流源22による適切な電流とは、その電流が流れることによって光源ユニット20に並列接続された抵抗RpA〜RpDの両端に発生する電圧が、光源ユニット20に印加されても動作閾値電圧を超えずに光源ユニット20が発光するには至らないほどの小さな電流値であり、且つ、上記抵抗RpA〜RpDに発生する電圧が光源ユニット20に印加された場合に光源ユニット20に流れるリーク電流により、抵抗RpA〜RpDの両端の電圧が大きな変動を生じない程度に大きい電流値である必要がある。
【0041】
以下に具体的な数値を用いて説明する。
図2は、LED20A(〜20D)の動作電流Iopに対する動作電圧Vopの特性例を示す図である。図3は、上記図2の低電流部分を電流(横軸)方向に拡大したものである。
【0042】
上記図2から、LED20A〜20Dの動作閾値電圧は2[V]より大きいため、短絡検出で用いる抵抗RpA(〜RpD)両端の電圧を例えば1.5[V]と設定する。
【0043】
また、各抵抗RpA〜RpDに1.5[V]が印加された場合にLED20A〜20Dに流れる電流は、図3から約0.23[μA]程度であるので、充分にマージンをもって短絡検出に使う定電流源22の電流値を、例えば1[mA]と設定する。
【0044】
上記設定で計算すると、抵抗RpA〜RpDの各抵抗値は1.5[kΩ]となり、正常時の光源ユニット20の両端電圧は6.0[V](=1.5[V]×4)となる。
【0045】
光源ユニット20中の1つのLEDに短絡が発生した場合、光源ユニット20の両端電圧は4.5[V](=1.5[V]×3)となり、正常時と1.5[V]の電位差が発生することになり、比較判断のための充分な電位差が確保されているため、確実に短絡検出を行なうことが可能となる。
【0046】
例えば、上記1.5[V]時のLEDに流れる電流値約0.23[μA]が、諸要因のために+100倍程度変動した場合を考えても、正常時の光源ユニット20の両端電圧は、5.86[V](=1.466[V]×4)となり、上記短絡時の1.5[V]に相当する差は1.36[V]となって比較判断のための充分な電位差が確保される。
【0047】
以上に詳述した如く本実施形態の光源装置によれば、できる限り簡素な回路構成としながらも、直列接続された半導体光源素子の短絡を確実に検出することが可能となる。
【0048】
次に、上記図1に示した光源ユニット20及びその周辺回路を、DLP(Digital Light Processing)(登録商標)方式のデータプロジェクタ装置の光源として適用した場合の構成例を示す。
【0049】
図4は、本実施形態に係るデータプロジェクタ装置30の概略機能構成を示すブロック図である。
31は入出力コネクタ部であり、例えばピンジャック(RCA)タイプのビデオ入力端子、D−sub15タイプのRGB入力端子、及びUSB(Universal Serial Bus)コネクタを含む。
【0050】
入出力コネクタ部31より入力される各種規格の画像信号は、入出力インタフェース(I/F)32、システムバスSBを介し、一般にスケーラとも称される画像変換部33に入力される。
【0051】
画像変換部33は、入力された画像信号を投影に適した所定のフォーマットの画像信号に統一し、表示用のバッファメモリであるビデオRAM34に適宜書込んだ後に、書込んだ画像信号を読出して投影画像処理部35へ送る。
【0052】
投影画像処理部35は、送られてきた画像信号に応じて、所定のフォーマットに従ったフレームレート、例えば60[フレーム/秒]と色成分の分割数、及び表示階調数を乗算した、より高速な時分割駆動により、空間的光変調素子(SLM)であるマイクロミラー素子36を表示駆動する。
【0053】
このマイクロミラー素子36は、アレイ状に配列された複数、例えばXGA(横1024画素×縦768画素)分の微小ミラーの各傾斜角度を個々に高速でオン/オフ動作して表示動作することで、その反射光により光像を形成する。
【0054】
一方で、光源部37から時分割でR,G,Bの原色光が循環的に出射される。この光源部37からの原色光が、ミラー38で全反射して上記マイクロミラー素子36に照射される。
【0055】
そして、マイクロミラー素子36での反射光で光像が形成され、形成された光像が投影レンズユニット39を介して、投影対象となる図示しないスクリーンに投影表示される。
【0056】
光源部37は、赤色(R)光を発する発光ダイオードアレイ(以下「R−LEDアレイ」と称する)41、緑色(G)光を発する発光ダイオードアレイ(以下「G−LEDアレイ」と称する)42、及び青色(B)光を発する発光ダイオードアレイ(以下「B−LEDアレイ」と称する)33を有する。
【0057】
これらR−LEDアレイ41、G−LEDアレイ42、及びB−LEDアレイ43がいずれも、上記図1の光源ユニット20と同様に複数、例えば4個のLEDを直列接続して構成される。
【0058】
R−LEDアレイ41の発する赤色光は、ダイクロイックミラー44を透過した後、インテグレータ45で輝度分布が略均一な光束とされた後に上記ミラー38へ送られる。
【0059】
G−LEDアレイ42の発する緑色光は、ダイクロイックミラー46で反射された後、上記ダイクロイックミラー44でも反射され、上記インテグレータ45を介して上記ミラー38へ送られる。
【0060】
B−LEDアレイ43の発する青色光は、ミラー47で反射された後に上記ダイクロイックミラー46を透過し、その後に上記ダイクロイックミラー44で反射され、上記インテグレータ45を介して上記ミラー38へ送られる。
上記ダイクロイックミラー44は、赤色光を透過する一方で、緑色光及び青色光を反射する。上記ダイクロイックミラー46は、緑色光を反射する一方で、青色光を透過する。
【0061】
光源部37の各LEDアレイ41〜43の発光タイミングや駆動信号の波形等を投影光処理部48が統括して制御する。投影光処理部48は、各LEDアレイ41〜43毎に対応した、上記図1で示した駆動回路21、定電流源22、抵抗RpA〜RpD、電圧監視回路23、レベルシフタ24、及び制御回路25を含み、投影画像処理部35から与えられる画像データのタイミングと後述するCPU51の制御に応じてLEDアレイ41〜43の発光動作を制御する。
【0062】
上記データプロジェクタ装置30内の各回路の動作すべてをCPU51が制御する。このCPU51は、メインメモリ52及びプログラムメモリ53と直接接続される。入出力インタフェース32は、DRAMで構成され、CPU51のワークメモリとして機能する。プログラムメモリ53は、電気的書換可能な不揮発性メモリで構成され、CPU51が実行する動作プログラムや各種定型データ等を記憶する。CPU51は、上記メインメモリ52及びプログラムメモリ53を用いて、このデータプロジェクタ装置30内の制御動作を実行する。
【0063】
上記CPU51は、操作部54からのキー操作信号に応じて各種投影動作を実行する。
この操作部54は、データプロジェクタ装置30の本体に設けられるキー操作部と、このデータプロジェクタ装置30専用の図示しないリモートコントローラからの赤外光を受光するレーザ受光部とを含み、ユーザが本体のキー操作部またはリモートコントローラで操作したキーに基づくキー操作信号をCPU51へ直接出力する。
【0064】
上記CPU51はさらに、上記システムバスSBを介して音声処理部55とも接続される。音声処理部55は、PCM音源等の音源回路を備え、投影動作時に与えられる音声データをアナログ化し、スピーカ部56を駆動して拡声放音させ、あるいは必要によりビープ音等を発生させる。
【0065】
次に上記データプロジェクタ装置30の動作について説明する。
図5は、このデータプロジェクタ装置30の電源オン当初に実行する初期設定処理の一部を抽出して示すフローチャートで、その制御はCPU51がプログラムメモリ53に記憶されている動作プログラムやデータ等を読出し、メインメモリ52に展開させた上で実行する。
【0066】
その処理当初にCPU51は、まず光源部37のR−LEDアレイ41に対する故障検知を行なう(ステップS101)。
【0067】
具体的には、故障検知動作時に上記図1で示した光源ユニット20(=R−LEDアレイ41)を点灯させない状態で、その両端の電圧を投影光処理部48内の電圧監視回路23で検出し、その検出結果をレベルシフタ24で降圧した上で制御回路25に入力する。制御回路25では、A/D変換部25aで当該電圧値をデジタル化することで、光源ユニット20(41)で短絡を生じていない素子数を認識することができる。
【0068】
上記R−LEDアレイ41に対する故障検知を終えるとCPU51は、次いでG−LEDアレイ42、B−LEDアレイ43に対しても順次同様の故障検知を実行する(ステップS102,S103)。
【0069】
以上、R−LEDアレイ41、G−LEDアレイ42、及びB−LEDアレイ43の夫々についての故障検知を終えた結果に基づき、CPU51は少なくとも1つのアレイに故障があったか否かを判断する(ステップS104)。
【0070】
ここでいずれのLEDアレイ41〜43にも故障がないと判断した場合には、そのままこの初期設定としての図5の処理を終了し、通常の投影動作に移行する。
【0071】
図6は、LEDアレイ41〜43のいずれにも故障がない正常な状態のマイクロミラー素子36での表示タイミングと各LEDアレイ41〜43での発光タイミングとを例示する図である。
【0072】
ここでは、1画像フレームが赤色(R)画像用フィールド、緑色(G)画像用フィールド、及び青色(B)画像用フィールドの順で構成され、図6(B)〜図6(D)に示すようにR−LEDアレイ41、G−LEDアレイ42、及びB−LEDアレイ43が順次「1:1:1」の時間比で時分割発光駆動されている。
【0073】
マイクロミラー素子36では、図6(A)に示すように各LEDアレイ41〜43での発光タイミングに同期して赤色(R)画像、緑色(G)画像、及び青色(B)画像を順次表示することで、その反射光による光像が投影レンズユニット39により投影対象の図示しないスクリーンに投影される。
【0074】
また、上記ステップS104でLEDアレイ41〜43の少なくとも1つに故障があると判断した場合には、各LEDアレイ41〜43の故障内容に応じた発光期間を算出し、その算出結果に基づいた設定を行なった上で(ステップS105)、この初期設定としての図5の処理を終了し、通常の投影動作に移行する。
【0075】
図7は、G−LEDアレイ42及びB−LEDアレイ43には短絡が生じていないものの、R−LEDアレイ41を構成する4個のLEDのうちの1つが短絡し、正常に機能しているLEDの数が「3」である場合の設定例を示す。
【0076】
ここでは、図7(B)〜図7(D)に示すようにR−LEDアレイ41、G−LEDアレイ42、及びB−LEDアレイ43が順次「1.2:0.9:0.9」の時間比で時分割に発光駆動するものとする。
【0077】
すなわち、R−LEDアレイ41では発光輝度が元の「3/4」となっている状態で、元の「1.2」倍の発光期間となるため、このR画像期間における総発光量は(0.75×1.2=)0.9となり、4個のLEDのうちの1個が故障して光量が25%ダウンしているにも拘わらず、正常な場合の90%の光量で画像を投影できることとなる。
【0078】
一方、G−LEDアレイ42及びG−LEDアレイ42では共に、発光輝度が正常な状態で、元の「0.9」倍の発光期間となるため、このG,B画像期間における総発光量は共に(1×0.9=)0.9となり、これらも正常な場合の90%の光量で画像を投影することとなる。
【0079】
したがって、1画像フレーム中におけるR,G,Bの各発光量が等しくなり、色バランスを崩すことなく画像の投影を行なうことができる。
【0080】
マイクロミラー素子17では、図7(A)に示すように各LEDアレイ41〜43での発光タイミングに同期して赤色(R)画像、緑色(G)画像、及び青色(B)画像を順次表示することで、その反射光による光像が投影レンズユニット39により投影対象の図示しないスクリーンに投影される。
【0081】
以上詳述した如く上記図1に示した回路をR,G,BそれぞれのLEDアレイ41〜43及び投影光処理部48に設けるデータプロジェクタ装置30によれば、できる限り簡素な回路構成としながらも、直列接続された半導体光源素子であるLEDアレイの短絡を確実に検出することができるため、その検出結果に応じて、色バランスを崩すことなく、可能な限りの明るさで投影動作を実行できる。
【0082】
なお、上記図7では、故障の内容に応じて各LEDアレイ41〜43の発光期間を調整する場合について説明したが、例えばR−LEDアレイ41の発光量が25%ダウンしている場合に、それに合わせて緑色(G)画像の全画面の階調値、及び青色(B)画像の全画面の階調値をそれぞれ共に25%ダウンした値でマイクロミラー素子17の表示駆動を行なうものとすれば、発光タイミングの調整を行なうことなく、したがってマイクロミラー素子17での表示タイミングを変えることなく、且つ色バランスを崩さずに投影を実行できる。
【0083】
次に、上記図1に代わる光源装置の回路構成について図8により説明する。
図8は、直列接続された複数のLEDの駆動と短絡の検出とを行なう光源装置の回路構成を示す図である。同図中、検出対象である光源ユニット20、光源ユニット20を構成するLED20A〜20D、この光源ユニット20を駆動する駆動回路21、これらLED20A〜20Dとそれぞれ並列接続された抵抗RpA〜RpDについては上記図1と同様の構成であるので、同一符号を用いてそれらの説明は割愛する。
【0084】
上記図1の定電流源22に代えて、分圧回路61を用いる。この分圧回路61は、直列接続された抵抗R1及びR2で構成される。抵抗R2と接続されていない側の抵抗R1の一端が、上記LED20Dのカソード及び抵抗RpDの一端と接続される。
【0085】
また、抵抗R1と接続されていない側の抵抗R2の一端は接地される。そして、抵抗R1,R2の中点が分圧点として制御回路62に接続される。
制御回路62では、分圧回路61の分圧値をA/D変換部62aでデジタル化した後に、その電圧値に応じて光源ユニット20中で短絡を生じているLEDの数を判定し、その判定結果に応じた制御信号を上記駆動回路21に送出する。
【0086】
上記のような回路構成とすることにより、光源ユニット20を駆動するための動作用電源電圧Vinの変動が、短絡検出の精度に影響を及ぼさない範囲内で適用可能となる。
このような構成とすることで、上記図1に示した回路構成に比して、よい大幅に回路構成を簡素化しながらも、直列接続された半導体光源素子の短絡を確実に検出することが可能となる。
【0087】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図9は、直列接続された複数のLEDの駆動と短絡の検出とを行なう光源装置の回路構成を示す図である。同図で、駆動対象の光源ユニット70が、複数、例えば4個のLED70A〜70Dを直列接続して構成される。
【0088】
この光源ユニット70のLED70Aのアノードに対して動作用電源電圧Vinが駆動回路71を介して印加される。駆動回路71は、降圧チョッパ型DC/DCコンバータで構成し、コンバータ制御部71Aを有する。動作用電源電圧Vinは、駆動回路71内でコンバータ制御部71A、ダイオード71Dのカソード、及びコンデンサ71Cの一端に印加されると共に、上述した如く上記光源ユニット70のLED70Aのアノードに印加される。
【0089】
また、光源ユニット70のLED70Dのカソードが上記駆動回路71内のコンデンサ71Cの他端、及びリアクタンス71Bの一端と接続される。さらに、リアクタンス71Bの他端が上記ダイオード71Dのアノードと、スイッチングトランジスタ71Eのドレインに接続される。同スイッチングトランジスタ71Eは、ソースは接地され、ゲートに上記コンバータ制御部71Aからのオン/オフ信号が与えられる。また、コンバータ制御部71Aの出力する上記オン/オフ信号は、この駆動回路71のデューティを監視する信号として制御回路72に帰還入力される。
【0090】
制御回路72は、上記動作用電源電圧Vinを抵抗R11,R12で分圧する分圧回路73からの電圧値を入力することで、電源電圧値を監視している。
【0091】
また、上記光源ユニット70には、温度センサとそのデジタル化回路を含む温度検出回路74が近接配置され、光源ユニット70のLED70A〜70Dにおける発光時の温度を検出する。この温度検出回路74で検出した温度情報もまた、上記制御回路72に送られる。
【0092】
制御回路72は、例えば1チップのマイクロコンピュータで構成され、この光源装置内の制御動作を司る。制御回路72は、上記分圧回路73を介した電源電圧値、上記駆動回路71からのオン/オフ信号のデューティ比、及び上記温度検出回路74の出力する温度情報をそれぞれ記憶する記憶部72aを備える。
【0093】
次に上記光源装置の動作について説明する。
まず、本実施形態における動作原理を説明しておく。
ここでは、光源ユニット70の動作電圧をVop、ダイオード71Dの順方向電圧をVf、スイッチングトランジスタ71Eのオン電圧をVsatとする。スイッチングトランジスタ71EのオンデューティDutyは、以下の式
Duty=(Vop+Vf)/Vin−Vsat+Vf …(1)
で表せる。
【0094】
この(1)式において、VfとVsatは、他の要素に比して著しく影響が小さいものとして式中から排除すると、
Duty≒Vop/Vin …(2)
となる。この(2)式を変形して
Vop≒Vin×Duty …(3)
とすることにより、動作用電源電圧Vinが一定であれば、デューティを計測することで、上記図13に示したようなアナログからデジタルに変換する複雑な回路と検出プロセスとを採用することなく、LED70A〜70D中の短絡等による光源ユニット70の電圧Vopの変動を、駆動回路71の出力するオン/オフ信号のデューティ(Duty)の変動により容易に、且つきわめて正確に知ることができる。また、電源電圧Vinの値がわかれば、計算により光源ユニット70の電圧Vopの値を容易に求めることができる。
【0095】
次に主として制御回路72による具体的な動作制御の処理内容について説明する。
図10は、この光源装置に電源が供給されて光源ユニット70が駆動される発光動作時に、1チップ・マイクロコンピュータである制御回路72が実行する処理内容のフローチャートである。
【0096】
なお、この制御回路72の動作に先立って、制御回路72内の記憶部72aには、初期の正常な発光状態での動作用電源電圧Vin、及びコンバータ制御部71Aによるスイッチングトランジスタ71Eへのオン/オフ信号のデューティと、光源ユニット70の動作電圧Vopに対する温度検出回路74の検出温度を用いた補正演算式データあるいは補正のためのルックアップテーブルとが予め記憶されているものとする。
【0097】
図10の処理当初に制御回路72は、分圧回路73を介して分圧された電源電圧Vinを検出し、記憶部72aに記憶させる(ステップS301)。
【0098】
次に制御回路72は、駆動回路71のコンバータ制御部71Aがスイッチングトランジスタ71Eに送出するオン/オフ信号のデューティ(Duty)を検出する(ステップS302)。これは、具体的には当該信号のオン時間を計測し、光源ユニット70の交流点灯周期(一定)におけるオン時間の割合をデューティとして用いる。
【0099】
さらに制御回路72は、温度検出回路74から光源ユニット70における温度情報Tを検出する(ステップS303)。
【0100】
次に制御回路72は、上記(3)式に従って、動作用電源電圧Vinとデューティとから光源ユニット70の動作電圧Vopを算出する(ステップS304)。
【0101】
さらに、この算出した光源ユニット70の動作電圧Vopに対し、温度検出回路74から検出した温度情報Tを用いて、予め設定された補正演算式、あるいはルックアップテーブルによりLED70A〜70Dの温度ドリフト分を補正し、正確な動作電圧Vopを求める(ステップS305)。
【0102】
そして、得た動作電圧Vopに基づき、光源ユニット70を構成するLED70A〜70D中で短絡を生じている素子の数を判定する(ステップS306)。
【0103】
その後、上記直前のステップS302で検出したオン/オフ信号のデューティ(Duty)を、記憶部72aに記憶する正常時のデューティと比較し、予め設定されたしきい値を超えてデューティが変動しているか否かを判断する(ステップS307)。
【0104】
ここで、デューティがしきい値を超えて大きく変動していると判断した場合にのみ、上記ステップS303で検出した光源ユニット70の温度情報に基づいて、コンバータ制御部71Aがスイッチングトランジスタ71Eに出力するオン/オフ信号のデューティを補正する演算を実行する(ステップS308)。
【0105】
そして、算出した新たなデューティのオン/オフ信号をコンバータ制御部71Aが出力するようにコンバータ制御部71Aに対して制御信号を出力する(ステップS309)。
【0106】
その後、上記ステップS308,S309の処理の実行の有無に関わりなく、一定時間が経過するのを待機した後(ステップS310)、再び上記ステップS301からの処理に戻る。
【0107】
以上に示した如く本実施形態によれば、光源ユニット70に印加される電圧をレベルシフトするような回路、及びアナログの電圧信号をデジタルに変換するような変換回路等を一切用いないため、できる限り簡素な回路構成としながら、上述したような回路による検出誤差を一切生じることなく、直列接続された半導体光源素子の短絡をきわめて正確に検出することが可能となる。
【0108】
加えて、上記実施形態では、温度を温度検出回路74を用いて光源ユニット70の温度を監視し、その内容で動作電圧を補正した上でLED70A〜70Dの短絡素子数の判定を行なうものとしているため、直列接続された半導体光源素子の短絡の検出精度をより一層高めることが可能となる。
【0109】
また、上記図9に示した光源ユニット70及びその周辺回路を、例えばDLP(登録商標)方式のデータプロジェクタ装置の光源として適用することも考えられる。その場合のデータプロジェクタ装置の概略機能構成は上記図4に示した内容とほぼ同様であるため、ここではその図示及び説明は省略する。
【0110】
当該データプロジェクタ装置においても、上記図6で説明した制御動作の処理を実行することが可能となる。その場合、上記図9に示した回路を図4のデータプロジェクタ装置のR,G,BそれぞれのLEDアレイ及び投影光処理部に設けることとなる。
そのため、LEDアレイの周辺をできる限り簡素な回路構成としながらも、直列接続された各LEDアレイの動作電圧を検出する回路での検出誤差を極力廃することで、LEDアレイ中での短絡をきわめて正確に検出することができるため、その検出結果に応じて、色バランスを崩すことなく、可能な限りの明るさで投影動作を実行できる。
【0111】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図11は、直列接続された複数のLEDの駆動と短絡の検出とを行なう光源装置の回路構成を示す図である。同図で、駆動対象の光源ユニット80が、複数、例えば4個のLED80A〜80Dと各LEDのカソード側の開閉スイッチ81A〜81Dを直列接続して構成される。
【0112】
上記LED80A〜80Dにはそれぞれ電圧監視回路82A〜82Dが並列に接続される。これら電圧監視回路82A〜82Dは、対応するLED80A〜80Dの両端電圧により短絡を検出し、その検出結果に応じて対応する開閉スイッチ81A〜81Dの開閉制御を行なう。
【0113】
しかして、この光源ユニット80のLED80Aのアノードに対して動作用電源電圧Vinが印加される。この動作用電源電圧Vinはまた、光源ユニット80の駆動を行なう駆動回路83にも与えられる。
【0114】
駆動回路83は、光源ユニット80のLED80Dのカソードとも接続されて、この光源ユニット80を意図した光量で駆動するべく光源ユニット80の電圧、電流を調整する。
さらに、この駆動回路83に対して制御回路84が接続される。この制御回路84は、光源ユニット80からエラー監視信号を受取り、その内容に応じて駆動回路83の動作を制御する制御信号を送出する。
【0115】
次に図12により上記光源ユニット80の具体的な回路構成の例を示す。
光源ユニット80内のLED80Aのアノードが、PNPタイプのトランジスタQa1のエミッタに接続され、同トランジスタQa1のベースが抵抗Ra1を介してLED80Aのカソードと接続される。同トランジスタQa1のコレクタが抵抗Rb1を介して、NPNタイプのトランジスタQs1のベースと接続される。
【0116】
上記トランジスタQS1のベース−エミッタ間に抵抗Rc1が接続される。さらに、同トランジスタQs1のコレクタ−エミッタ間に抵抗Rp1が接続される。
【0117】
上記トランジスタQa1及び抵抗Ra1が上記図11の電圧監視回路82Aを構成する。また、トランジスタQs1と抵抗Rb1,Rc1及びRp1が上記開閉スイッチ81A〜81Dを構成する。
【0118】
LED80B〜80Dに対する電圧監視回路82B〜82D、開閉スイッチ81B〜81Dの各回路構成も上記と全く同様であるため、重複する説明は省略する。
【0119】
そして、開閉スイッチ81Dを構成するトランジスタQs4のエミッタが駆動回路83に接続されると共に、エラー監視信号の伝送路として制御回路84に接続される。
【0120】
制御回路84は、駆動回路83からのエラー監視信号により駆動回路83が光源ユニット80を駆動する電圧値を監視する。
【0121】
トランジスタQa1〜Qa4のベースに接続される抵抗Ra1〜Ra4と、トランジスタQs1〜Qs4のベースに接続される抵抗Rb1〜Rb4は、各トランジスタのベース電流を制限する目的で挿入される。
【0122】
また、トランジスタQs1〜Qs4のベース−エミッタ間に接続される抵抗Rc1〜Rc4は、各トランジスタQs1〜Qs4がオフ状態であるときにリーク電流等によりトランジスタQs1〜Qs4がオンしないように、ベース電流をバイパスさせる目的で挿入される。
【0123】
さらに、トランジスタQs1〜Qs4のコレクタ−エミッタ間に接続される抵抗Rp1〜Rp4は、各トランジスタQs1〜Qs4をオンさせるためのベース電流を流す目的で挿入されるが、同時にその抵抗値は光源素子であるLED80A〜80Dを駆動する意図した電流の大きさを流すことはできない程度の値に設定される。
【0124】
次に上記光源装置の動作について説明する。
光源ユニット80が駆動されていない初期状態では、各LED80A〜80Dの両端子間で電圧が発生していないため、トランジスタQa1〜Qa4はベース電流が流れずにオフ状態となっている。したがって、トランジスタQs1〜Qs4にもベース電流が供給されず、オフ状態となる。
【0125】
制御回路84が駆動回路83に対して駆動開始の信号を送ると、駆動回路83は光源ユニット80を駆動するために、光源ユニット80の両端間に駆動電圧を発生させるべく駆動する。
【0126】
光源ユニット80内のLED80A〜80Dでは、抵抗Rp1〜Rp4により直列接続されているために電流が流れはじめ、その両端に電圧が発生する。この電圧によりトランジスタQa1〜Qa4にベース電流が流れてオンする。
【0127】
トランジスタQa1〜Qa4がオンすることにより、トランジスタQs1〜Qs4の側もベース電流が供給されてオンとなり、起動用である抵抗Rp1〜Rp4の各両端が短絡する。そのため、LED80A〜80Dが駆動回路83に対して低抵抗で直列接続されることとなり、結果として駆動回路83が意図した駆動電流まで電流値を増加させて、LED80A〜80Dが光源ユニット80全体が所望の輝度で点灯する。
【0128】
このLED80A〜80Dの点灯状態で、例えばLED80Bに短絡を生じた場合を考える。
【0129】
LED80Bが短絡すると、まずLED80Bの両端間の電圧がほぼ0(ゼロ)近くまで低下するために、トランジスタQa2にベース電流が供給されずにオフ状態となる。このトランジスタQa2のオフに連れて対応するトランジスタQs2もベース電流が供給されなくなるためにオフ状態となる。
【0130】
したがって、LED80BのカソードとLED80Cのアノードとの間は、抵抗Rp2を介して接続されるようになるため、光源ユニット80全体に流れる電流は抵抗Rp2の電圧降下により大きく制限されて低下する。
【0131】
こうして光源ユニット80全体に流れる電流が低下すると、駆動回路83は意図した駆動電流に調整しようと光源ユニット80の両端間の電圧を上昇させるように制御するが、電流を充分上昇させることができないため、光源ユニット80の両端間の電圧は、ほぼ動作用電源電圧Vin、または図示しない保護機能による上限電圧の規制があればその電圧まで上昇する。
【0132】
この結果、制御回路84に入力される電圧監視点の電圧は、正常な点灯動作時の電圧より極端に低下するため、この電圧差をエラー監視信号として制御回路84が監視することにより、確実にLEDの短絡による故障を検出することが可能となる。
【0133】
以上の動作は、駆動回路83の負荷開放時の動作と同じであり、負荷開放のエラーを検出する機能を駆動回路83が備えていれば、本実施形態の技術によりLED80A〜80Dの短絡による故障をきわめて正確、且つ容易に検出することが可能となる。
【0134】
なお、上記図12で説明した詳細な回路構成や素子、電圧によるエラー検出方法などは本実施形態での一例であり、同様の効果を得られる他の回路素子や方法を採用するものとしても良い。
【0135】
なお、上記第1乃至第3の実施形態はいずれも、説明を簡易にするために4つのLEDを直列接続した光源ユニットを用いる場合について説明したが、本発明はこれに限らず、他の半導体光源素子として例えばLD(レーザダイオード)を用いるものであっても良いし、直列接続する半導体光源素子の数等を限定するものでもない。
【0136】
また、上記第1及び第2の実施形態においては、各光源装置をデータプロジェクタ装置に適用する場合について説明したが、複数の半導体光源素子を直列接続する光源装置として、他にも例えば交通信号機、車両用の各種ランプや前照灯、液晶ディスプレイのバックライト等にも同様に適用可能である。
【0137】
その他、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上述した実施形態で実行される機能は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良い。上述した実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件による適宜の組み合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、効果が得られるのであれば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0138】
10…光源ユニット、10A〜10D…LED、11…駆動回路、12,12A〜12D…電圧監視回路、13,13A〜13D…レベルシフタ、14,14′…制御回路、20…光源ユニット、21…駆動回路、22…定電流源、23…電圧監視回路、24レベルシフタ…、25…制御回路、25a…A/D変換部、30…データプロジェクタ装置、31…入出力コネクタ部、32…入出力インタフェース(I/F)、33…画像変換部、34…ビデオRAM、35…投影画像処理部、36…マイクロミラー素子、37…光源部、38…ミラー、39…投影レンズユニット、41…R(赤色)−LEDアレイ、42…G(緑色)−LEDアレイ、43…B(青色)−LEDアレイ、44…ダイクロイックミラー、45…インテグレータ、46…ダイクロイックミラー、47…ミラー、48…投影光処理部、51…CPU、52…メインメモリ、53…プログラムメモリ、54…操作部、55…音声処理部、56…スピーカ部、61…分圧回路、62…制御回路、62a…A/D変換部、70…光源ユニット、70A〜70D…LED、71…駆動回路、71A…コンバータ制御部、72…制御回路、72a…記憶部、73…分圧回路、74…温度検出回路、80…光源ユニット、80A〜80D…LED、81A〜81D…開閉スイッチ、82A〜82D…電圧監視回路、83…駆動回路、84…制御回路、SB…システムバス
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば直列接続された複数のLEDなどの半導体光源素子を用いる装置に好適な半導体光源装置、半導体光源制御方法及び投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
互いに直列接続された複数個の半導体光源の異常を高精度に検出することを課題として、これまでにも種々の提案がなされている。(例えば、特許文献1)
図13は、上記特許文献に記載された技術を含む、直列接続された複数のLED(発光ダイオード)の駆動と異常(短絡)検出とを行なう回路の一般的な構成例を示す図である。同図で、駆動対象の光源ユニット10が、複数、例えば4個のLED10A〜10Dを直列接続して構成される。この光源ユニット10のLED10Aのアノードに対して動作用電源電圧Vinが印加される。この動作用電源電圧Vinはまた、光源ユニット10の駆動を行なう駆動回路11にも与えられる。
【0003】
駆動回路11は、光源ユニット10のLED10Dのカソードとも接続されて、この光源ユニット10を意図した光量で駆動するべく光源ユニット10の電圧、電流を調整する。
光源ユニット10のLED10A〜10Dの両端、すなわちLED10AのアノードとLED10Dのカソード間の電圧値を電圧監視回路12が検出する。この電圧監視回路12の検出した電圧値をレベルシフタ13で所定の比率で降圧し、降圧した結果を制御回路14へ送出する。
【0004】
制御回路14がレベルシフタ13の出力レベルに応じて光源ユニット10中で短絡を生じているLEDの数を判定し、その判定結果に応じた制御信号を駆動回路11に送出することにより、駆動回路11が上述した如く光源ユニット10の電圧、電流を調整する。
【0005】
上記レベルシフタ13は、制御回路14の取扱う電源電圧範囲と、光源ユニット10の駆動に必要で電圧監視回路12が検出する駆動用電源の電圧範囲とが大きく異なり、通常は電圧監視回路12の出力を直接制御回路14で直接受け入れることができないために挿入するもので、電圧の整合を行なう。
【0006】
上記のような回路構成にあって、直列接続された光源ユニット10の両端間の電圧を電圧監視回路12が検出することで、それをレベルシフタ13で降圧した内容から、制御回路14が光源ユニット10において有効に発光していると思われる、短絡していないLEDの数を判断し、その判断結果補制御信号として駆動回路11へ出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−165441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記図13に示したような回路では、実際上、光源ユニット10を構成する個々のLED10A〜10D毎に駆動特性に関して個体のばらつきが大きく、各LEDの動作電圧Vopも大きく異なる。そのため、光源ユニット10を構成する一部のLEDに短絡が生じたとしても、その両端の駆動電圧の変動によって異常を検出するのは容易ではなく、その点は特に直列接続されるLEDの数が多いほど顕著となる。
【0009】
具体的には、1つのLEDの動作電圧をVop、各LEDの動作電圧の本来の動作電圧に対するバラツキをΔVop、直列接続するLEDの数をn、そのうち短絡したLEDの数をmとすると、
m×Vop(min)<n×ΔVop(max)
の関係が設計上で成立する場合は、正常時の光源ユニット10の合計動作電圧の最小値(min)と、一部短絡を生じた異常時の光源ユニット10の合計動作電圧の最大値(max)の大小が逆転するため、異常を検出する閾値電圧が設定不可能となり、本方式での異常検出が行なえなくなる。
【0010】
現状では動作電圧を含めてLEDの各種特性の個体差が大きく、温度や駆動電流にも依存して動作電圧は大きく変化する場合があり、上記の不整合は容易に起こり得る。
【0011】
このような不具合を解決するべく、上記図13の回路構成に代えて図14に示すような構成の回路を用いることが考えられる。すなわち図14では、光源ユニット10のLED10A〜10Dそれぞれに対して1対1に電圧監視回路12A〜12Dを設ける。そして、電圧監視回路12A〜12Dで検出した電圧値をレベルシフタ13A〜13Dで降圧して制御回路14′に出力する。
【0012】
このように光源ユニット10を構成するLED10A〜10D個々の短絡を検出するようにLED10A〜10Dと同数の電圧監視回路12A〜12D、レベルシフタ13A〜13Dを設けることにより、LED10A〜10Dそれぞれの個体差を勘案しても、正常動作時と短絡時の電圧の変動を確実に検出できると共に、短絡を生じたLEDの特定が可能となる。
【0013】
しかしながら上記図14に示した構成では、LED10A〜10Dの個数分だけ電圧監視回路12A〜12D、レベルシフタ13A〜13Dを含めた検出回路の部品点数が増大し、回路規模や製造コストの点で生じるデメリットが非常に大きく、現実的ではない。
【0014】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、できる限り簡素な回路構成としながらも、直列接続された半導体光源素子の異常を確実に検出することが可能な半導体光源装置、半導体光源制御方法及び投影装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1記載の発明は、直列接続された複数の半導体光源素子と、上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路と、上記複数の半導体光源素子それぞれに並列接続された複数の抵抗と、上記駆動回路による複数の半導体光源素子の非発光駆動時に上記複数の抵抗に所定の電流を流す定電流源と、上記定電流源により所定の電流が流された状態で上記複数の半導体光源素子全体に印加される電圧値を検出する電圧監視手段と、上記電圧監視手段で検出した電圧値に基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定する判定手段とを具備したことを特徴とする。
【0016】
請求項2記載の発明は、直列接続された複数の半導体光源素子と、上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路と、上記複数の半導体光源素子それぞれに並列接続された複数の抵抗と、上記駆動回路による複数の半導体光源素子の非発光駆動時に上記複数の抵抗に印加される電圧を予め設定された比で分圧する分圧回路と、上記分圧回路で分圧された電圧値に基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定する判定手段とを具備したことを特徴とする。
【0017】
請求項3記載の発明は、直列接続された複数の半導体光源素子と、上記複数の半導体光源素子に対し、電源の直流電圧の印加時間デューティを可変して異なる直流電圧で駆動するDC/DCコンバータによる駆動回路と、上記電源の直流電圧値と、上記駆動回路での印加時間デューティとに基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定する判定手段とを具備したことを特徴とする。
【0018】
請求項4記載の発明は、上記請求項3記載の発明において、上記複数の半導体光源素子の温度を検出する温度検出手段をさらに具備し、上記判定手段は、上記温度検出手段での検出結果に基づいて、上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数の判定結果と、上記駆動回路による印加時間デューティの少なくとも一方を補正することを特徴とする。
【0019】
請求項5記載の発明は、直列接続された複数の半導体光源素子と、上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路と、上記複数の半導体光源素子それぞれに対応付けて直列に接続された複数の開閉スイッチ回路と、上記複数の半導体光源素子それぞれに並列接続され、当該半導体光源素子に印加される電圧から素子の短絡を検出し、その検出結果により当該半導体光源素子に対応付けて直列接続された開閉スイッチ回路を開状態とする複数の電圧検出手段と、上記駆動回路により上記複数の半導体光源素子全体に印加される電圧の変化から上記複数の開閉スイッチ回路の少なくとも1つが開状態となったことを判定する判定手段とを具備したことを特徴とする。
【0020】
請求項6記載の発明は、直列接続された複数の半導体光源素子、及び上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路を備えた半導体光源装置の制御方法であって、上記複数の半導体光源素子に同数の抵抗を並列に接続し、上記駆動回路による複数の半導体光源素子の非発光駆動時に定電流源により上記複数の抵抗に所定の電流を流し、上記定電流源により所定の電流が流された状態で上記複数の半導体光源素子全体に印加される電圧値を検出し、上記検出した電圧値に基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定することを特徴とする。
【0021】
請求項7記載の発明は、直列接続された複数の半導体光源素子、及び上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路を備えた半導体光源装置の制御方法であって、上記複数の半導体光源素子に同数の抵抗を並列に接続し、上記駆動回路による複数の半導体光源素子の非発光駆動時に上記複数の抵抗に印加される電圧を予め設定された比で分圧し、上記分圧された電圧値に基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定することを特徴とする。
【0022】
請求項8記載の発明は、直列接続された複数の半導体光源素子、及び上記複数の半導体光源素子に対し、電源の直流電圧の印加時間デューティを可変して異なる直流電圧で駆動するDC/DCコンバータによる駆動回路を備えた半導体光源装置の制御方法であって、上記電源の直流電圧値と、上記駆動回路での印加時間デューティとに基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定することを特徴とする。
【0023】
請求項9記載の発明は、直列接続された複数の半導体光源素子、及び上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路を備えた半導体光源装置の制御方法であって、上記複数の半導体光源素子それぞれに対応付けて直列に複数の開閉スイッチ回路を接続し、上記複数の半導体光源素子それぞれに、当該半導体光源素子に印加される電圧から素子の短絡を検出し、その検出結果により当該半導体光源素子に対応付けて直列接続された開閉スイッチ回路を開状態とする複数の電圧検出手段を並列接続し、上記駆動回路により上記複数の半導体光源素子全体に印加される電圧の変化から上記複数の開閉スイッチ回路の少なくとも1つが開状態となったことを判定することを特徴とする。
【0024】
請求項10記載の発明は、複数の半導体光源素子を直列接続した半導体光源素子アレイを複数設け、それぞれ異なる色の光を発する上記各半導体光源素子アレイを時分割で発光駆動する光源と、画像信号を入力する入力手段と、上記入力手段で入力された画像信号に基づいて表示素子により画像を表示させ、上記光源から時分割で入光される複数色の光を上記表示素子で反射あるいは透過させてカラーの光像を形成し、投影対象に向けて投影する投影手段と、上記各半導体光源素子アレイを構成する個々の半導体光源素子にそれぞれ並列接続した複数の抵抗と、上記各半導体光源素子アレイ毎に設けられ、当該半導体素子アレイの非発光駆動時に上記複数の抵抗に所定の電流を流す定電流源と、上記各半導体光源素子アレイ毎に設けられ、上記定電流源により所定の電流が流された状態で上記半導体光源素子アレイ両端に印加される電圧値を検出する複数の電圧監視手段と、上記複数の電圧監視手段で検出した電圧値に基づいて上記各半導体光源素子アレイ中で短絡している素子数を判定する複数の判定手段と、上記複数の判定手段での判定結果に応じて上記光源及び上記投影手段の少なくとも一方の動作を調整する投影制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0025】
請求項11記載の発明は、複数の半導体光源素子を直列接続した半導体光源素子アレイを複数設け、それぞれ異なる色の光を発する上記各半導体光源素子アレイに対し、電源の直流電圧の印加時間デューティを可変して異なる直流電圧で時分割で駆動する光源と、画像信号を入力する入力手段と、上記入力手段で入力された画像信号に基づいて表示素子により画像を表示させ、上記光源から時分割で入光される複数色の光を上記表示素子で反射あるいは透過させてカラーの光像を形成し、投影対象に向けて投影する投影手段と、上記各半導体光源素子アレイ毎に設けられ、上記電源の直流電圧値と、上記印加時間デューティとに基づいて上記各半導体光源素子アレイ中で短絡している素子数を判定する複数の判定手段と、上記複数の判定手段での判定結果に応じて上記光源及び上記投影手段の少なくとも一方の動作を調整する投影制御手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、できる限り簡素な回路構成としながらも、直列接続された半導体光源素子の異常を確実に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光源装置の回路構成を示す図。
【図2】同実施形態に係る高出力LEDの動作電流と動作電圧の関係を示す図。
【図3】同実施形態に係る図2の一部を拡大して示す図。
【図4】同実施形態に係る光源を用いたデータプロジェクタの回路構成を示すブロック図。
【図5】同実施形態に係る電源オン当初に実行する初期設定処理の一部を抽出して示すフローチャート。
【図6】同実施形態に係る光源及び画像表示素子の動作タイミングを示すタイミングチャート。
【図7】同実施形態に係る光源及び画像表示素子の動作タイミングを示すタイミングチャート。
【図8】同実施形態に係る光源装置の他の回路構成を示す図。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る光源装置の回路構成を示す図。
【図10】同実施形態に係る光源装置での処理内容を示すフローチャート。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る光源装置の電気回路の構成を示す図。
【図12】同実施形態に係る光源装置の機能回路の構成を示す図。
【図13】一般的な半導体光源装置の制御回路構成を示すブロック図。
【図14】一般的な半導体光源装置の制御回路構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
図1は、直列接続された複数のLEDの駆動と短絡の検出とを行なう光源装置の回路構成を示す図である。同図で、駆動対象の光源ユニット20が、複数、例えば4個のLED20A〜20Dを直列接続して構成される。この光源ユニット20のLED20Aのアノードに対して動作用電源電圧Vinが印加される。この動作用電源電圧Vinはまた、光源ユニット20の駆動を行なう駆動回路21にも与えられる。
【0030】
駆動回路21は、光源ユニット20のLED20Dのカソードとも接続されて、この光源ユニット20を意図した光量で駆動するべくLED20A〜20Dの電圧、電流を調整する。
上記光源ユニット20の各LED20A〜20Dに対して、抵抗RpA〜RpDを並列接続し、これら抵抗RpA〜RpDに後述する一定の電流を流すための定電流源22を最下段の抵抗RpDと接地電位との間に接続する。
【0031】
そして、LED20A〜20D及び抵抗RpA〜RpDの両端、すなわちLED20Aのアノード側とLED20Dのカソード側間の電圧値を電圧監視回路23が検出する。この電圧監視回路23の検出した電圧値をレベルシフタ24で所定の比率で降圧し、降圧した結果を制御回路25へ送出する。
【0032】
制御回路25では、A/D変換部25aでレベルシフタ24の出力電圧をデジタル化した後に、その電圧値に応じて光源ユニット20中で短絡を生じているLEDの数を判定し、その判定結果に応じた制御信号を上記駆動回路21に送出する。駆動回路21は、制御回路25から受けた制御信号により、上述した如く光源ユニット20の電圧、電流を調整する。
【0033】
次に上記光源装置の動作について説明する。
駆動回路21が光源ユニット20を発光するべく駆動していない状態で、定電流源22により抵抗RpA〜RpDに電流を流すと、その電流によって各抵抗RpA〜RpDの両端にはある一定の電圧が発生する。
【0034】
これら各抵抗RpA〜RpDの両端に発生する電圧は、並列接続された半導体光源素子であるLED20A〜20Dにもそれぞれ印加される。その電圧値がLED20A〜20Dの一般に順方向降下電圧Vfと呼称される動作閾値電圧を超えないように、抵抗RpA〜RpDの抵抗値と定電流源22の電流値を設定しておけば、LED20A〜20Dにはごく微小の電流しか流れない。
【0035】
同時に、定電流源22が供給する電流値が、このときLED20A〜20Dに流れる微小電流値に対して充分大きく設定されていれば、定電流源22からの電流はほぼ抵抗RpA〜RpDのみに流れると見なすことができる。
【0036】
そのため、各抵抗RpA〜RpDの両端に発生する電圧値は、抵抗RpA〜RpDの抵抗値と、定電流源22の電流値の設定のみによって決定され、その電圧精度も、抵抗RpA〜RpDと定電流源22の精度によって決定される。
【0037】
LED20A〜20Dの個体毎の精度のバラツキに比して、抵抗の抵抗値や定電流源の供給電流値の精度は1桁乃至2桁以上高いため、LED20A〜20Dのバラツキに影響されずに、各抵抗RpA〜RpDの両端に発生する電圧の合計値として、光源ユニット20の両端の電圧状態を電圧監視回路23で高精度に検出することが可能となる。
【0038】
したがって、光源ユニット20を構成するLED20A〜20D中の例えば1つが短絡を生じた場合、電圧監視回路23が検出する光源ユニット20の両端電圧は、1個の抵抗Rp分だけ減少する変動が生じるため、確実に光源ユニット20での短絡による故障を検出することが可能となる。
【0039】
以上要するに、光源ユニット20の非動作中に上記抵抗RpA〜RpDに適切な電流を定電流源22により流して、その結果生じた抵抗RpA〜RpDの両端の電圧を測定することにより、光源ユニット20における短絡を確実に検出できる。
【0040】
ここで定電流源22による適切な電流とは、その電流が流れることによって光源ユニット20に並列接続された抵抗RpA〜RpDの両端に発生する電圧が、光源ユニット20に印加されても動作閾値電圧を超えずに光源ユニット20が発光するには至らないほどの小さな電流値であり、且つ、上記抵抗RpA〜RpDに発生する電圧が光源ユニット20に印加された場合に光源ユニット20に流れるリーク電流により、抵抗RpA〜RpDの両端の電圧が大きな変動を生じない程度に大きい電流値である必要がある。
【0041】
以下に具体的な数値を用いて説明する。
図2は、LED20A(〜20D)の動作電流Iopに対する動作電圧Vopの特性例を示す図である。図3は、上記図2の低電流部分を電流(横軸)方向に拡大したものである。
【0042】
上記図2から、LED20A〜20Dの動作閾値電圧は2[V]より大きいため、短絡検出で用いる抵抗RpA(〜RpD)両端の電圧を例えば1.5[V]と設定する。
【0043】
また、各抵抗RpA〜RpDに1.5[V]が印加された場合にLED20A〜20Dに流れる電流は、図3から約0.23[μA]程度であるので、充分にマージンをもって短絡検出に使う定電流源22の電流値を、例えば1[mA]と設定する。
【0044】
上記設定で計算すると、抵抗RpA〜RpDの各抵抗値は1.5[kΩ]となり、正常時の光源ユニット20の両端電圧は6.0[V](=1.5[V]×4)となる。
【0045】
光源ユニット20中の1つのLEDに短絡が発生した場合、光源ユニット20の両端電圧は4.5[V](=1.5[V]×3)となり、正常時と1.5[V]の電位差が発生することになり、比較判断のための充分な電位差が確保されているため、確実に短絡検出を行なうことが可能となる。
【0046】
例えば、上記1.5[V]時のLEDに流れる電流値約0.23[μA]が、諸要因のために+100倍程度変動した場合を考えても、正常時の光源ユニット20の両端電圧は、5.86[V](=1.466[V]×4)となり、上記短絡時の1.5[V]に相当する差は1.36[V]となって比較判断のための充分な電位差が確保される。
【0047】
以上に詳述した如く本実施形態の光源装置によれば、できる限り簡素な回路構成としながらも、直列接続された半導体光源素子の短絡を確実に検出することが可能となる。
【0048】
次に、上記図1に示した光源ユニット20及びその周辺回路を、DLP(Digital Light Processing)(登録商標)方式のデータプロジェクタ装置の光源として適用した場合の構成例を示す。
【0049】
図4は、本実施形態に係るデータプロジェクタ装置30の概略機能構成を示すブロック図である。
31は入出力コネクタ部であり、例えばピンジャック(RCA)タイプのビデオ入力端子、D−sub15タイプのRGB入力端子、及びUSB(Universal Serial Bus)コネクタを含む。
【0050】
入出力コネクタ部31より入力される各種規格の画像信号は、入出力インタフェース(I/F)32、システムバスSBを介し、一般にスケーラとも称される画像変換部33に入力される。
【0051】
画像変換部33は、入力された画像信号を投影に適した所定のフォーマットの画像信号に統一し、表示用のバッファメモリであるビデオRAM34に適宜書込んだ後に、書込んだ画像信号を読出して投影画像処理部35へ送る。
【0052】
投影画像処理部35は、送られてきた画像信号に応じて、所定のフォーマットに従ったフレームレート、例えば60[フレーム/秒]と色成分の分割数、及び表示階調数を乗算した、より高速な時分割駆動により、空間的光変調素子(SLM)であるマイクロミラー素子36を表示駆動する。
【0053】
このマイクロミラー素子36は、アレイ状に配列された複数、例えばXGA(横1024画素×縦768画素)分の微小ミラーの各傾斜角度を個々に高速でオン/オフ動作して表示動作することで、その反射光により光像を形成する。
【0054】
一方で、光源部37から時分割でR,G,Bの原色光が循環的に出射される。この光源部37からの原色光が、ミラー38で全反射して上記マイクロミラー素子36に照射される。
【0055】
そして、マイクロミラー素子36での反射光で光像が形成され、形成された光像が投影レンズユニット39を介して、投影対象となる図示しないスクリーンに投影表示される。
【0056】
光源部37は、赤色(R)光を発する発光ダイオードアレイ(以下「R−LEDアレイ」と称する)41、緑色(G)光を発する発光ダイオードアレイ(以下「G−LEDアレイ」と称する)42、及び青色(B)光を発する発光ダイオードアレイ(以下「B−LEDアレイ」と称する)33を有する。
【0057】
これらR−LEDアレイ41、G−LEDアレイ42、及びB−LEDアレイ43がいずれも、上記図1の光源ユニット20と同様に複数、例えば4個のLEDを直列接続して構成される。
【0058】
R−LEDアレイ41の発する赤色光は、ダイクロイックミラー44を透過した後、インテグレータ45で輝度分布が略均一な光束とされた後に上記ミラー38へ送られる。
【0059】
G−LEDアレイ42の発する緑色光は、ダイクロイックミラー46で反射された後、上記ダイクロイックミラー44でも反射され、上記インテグレータ45を介して上記ミラー38へ送られる。
【0060】
B−LEDアレイ43の発する青色光は、ミラー47で反射された後に上記ダイクロイックミラー46を透過し、その後に上記ダイクロイックミラー44で反射され、上記インテグレータ45を介して上記ミラー38へ送られる。
上記ダイクロイックミラー44は、赤色光を透過する一方で、緑色光及び青色光を反射する。上記ダイクロイックミラー46は、緑色光を反射する一方で、青色光を透過する。
【0061】
光源部37の各LEDアレイ41〜43の発光タイミングや駆動信号の波形等を投影光処理部48が統括して制御する。投影光処理部48は、各LEDアレイ41〜43毎に対応した、上記図1で示した駆動回路21、定電流源22、抵抗RpA〜RpD、電圧監視回路23、レベルシフタ24、及び制御回路25を含み、投影画像処理部35から与えられる画像データのタイミングと後述するCPU51の制御に応じてLEDアレイ41〜43の発光動作を制御する。
【0062】
上記データプロジェクタ装置30内の各回路の動作すべてをCPU51が制御する。このCPU51は、メインメモリ52及びプログラムメモリ53と直接接続される。入出力インタフェース32は、DRAMで構成され、CPU51のワークメモリとして機能する。プログラムメモリ53は、電気的書換可能な不揮発性メモリで構成され、CPU51が実行する動作プログラムや各種定型データ等を記憶する。CPU51は、上記メインメモリ52及びプログラムメモリ53を用いて、このデータプロジェクタ装置30内の制御動作を実行する。
【0063】
上記CPU51は、操作部54からのキー操作信号に応じて各種投影動作を実行する。
この操作部54は、データプロジェクタ装置30の本体に設けられるキー操作部と、このデータプロジェクタ装置30専用の図示しないリモートコントローラからの赤外光を受光するレーザ受光部とを含み、ユーザが本体のキー操作部またはリモートコントローラで操作したキーに基づくキー操作信号をCPU51へ直接出力する。
【0064】
上記CPU51はさらに、上記システムバスSBを介して音声処理部55とも接続される。音声処理部55は、PCM音源等の音源回路を備え、投影動作時に与えられる音声データをアナログ化し、スピーカ部56を駆動して拡声放音させ、あるいは必要によりビープ音等を発生させる。
【0065】
次に上記データプロジェクタ装置30の動作について説明する。
図5は、このデータプロジェクタ装置30の電源オン当初に実行する初期設定処理の一部を抽出して示すフローチャートで、その制御はCPU51がプログラムメモリ53に記憶されている動作プログラムやデータ等を読出し、メインメモリ52に展開させた上で実行する。
【0066】
その処理当初にCPU51は、まず光源部37のR−LEDアレイ41に対する故障検知を行なう(ステップS101)。
【0067】
具体的には、故障検知動作時に上記図1で示した光源ユニット20(=R−LEDアレイ41)を点灯させない状態で、その両端の電圧を投影光処理部48内の電圧監視回路23で検出し、その検出結果をレベルシフタ24で降圧した上で制御回路25に入力する。制御回路25では、A/D変換部25aで当該電圧値をデジタル化することで、光源ユニット20(41)で短絡を生じていない素子数を認識することができる。
【0068】
上記R−LEDアレイ41に対する故障検知を終えるとCPU51は、次いでG−LEDアレイ42、B−LEDアレイ43に対しても順次同様の故障検知を実行する(ステップS102,S103)。
【0069】
以上、R−LEDアレイ41、G−LEDアレイ42、及びB−LEDアレイ43の夫々についての故障検知を終えた結果に基づき、CPU51は少なくとも1つのアレイに故障があったか否かを判断する(ステップS104)。
【0070】
ここでいずれのLEDアレイ41〜43にも故障がないと判断した場合には、そのままこの初期設定としての図5の処理を終了し、通常の投影動作に移行する。
【0071】
図6は、LEDアレイ41〜43のいずれにも故障がない正常な状態のマイクロミラー素子36での表示タイミングと各LEDアレイ41〜43での発光タイミングとを例示する図である。
【0072】
ここでは、1画像フレームが赤色(R)画像用フィールド、緑色(G)画像用フィールド、及び青色(B)画像用フィールドの順で構成され、図6(B)〜図6(D)に示すようにR−LEDアレイ41、G−LEDアレイ42、及びB−LEDアレイ43が順次「1:1:1」の時間比で時分割発光駆動されている。
【0073】
マイクロミラー素子36では、図6(A)に示すように各LEDアレイ41〜43での発光タイミングに同期して赤色(R)画像、緑色(G)画像、及び青色(B)画像を順次表示することで、その反射光による光像が投影レンズユニット39により投影対象の図示しないスクリーンに投影される。
【0074】
また、上記ステップS104でLEDアレイ41〜43の少なくとも1つに故障があると判断した場合には、各LEDアレイ41〜43の故障内容に応じた発光期間を算出し、その算出結果に基づいた設定を行なった上で(ステップS105)、この初期設定としての図5の処理を終了し、通常の投影動作に移行する。
【0075】
図7は、G−LEDアレイ42及びB−LEDアレイ43には短絡が生じていないものの、R−LEDアレイ41を構成する4個のLEDのうちの1つが短絡し、正常に機能しているLEDの数が「3」である場合の設定例を示す。
【0076】
ここでは、図7(B)〜図7(D)に示すようにR−LEDアレイ41、G−LEDアレイ42、及びB−LEDアレイ43が順次「1.2:0.9:0.9」の時間比で時分割に発光駆動するものとする。
【0077】
すなわち、R−LEDアレイ41では発光輝度が元の「3/4」となっている状態で、元の「1.2」倍の発光期間となるため、このR画像期間における総発光量は(0.75×1.2=)0.9となり、4個のLEDのうちの1個が故障して光量が25%ダウンしているにも拘わらず、正常な場合の90%の光量で画像を投影できることとなる。
【0078】
一方、G−LEDアレイ42及びG−LEDアレイ42では共に、発光輝度が正常な状態で、元の「0.9」倍の発光期間となるため、このG,B画像期間における総発光量は共に(1×0.9=)0.9となり、これらも正常な場合の90%の光量で画像を投影することとなる。
【0079】
したがって、1画像フレーム中におけるR,G,Bの各発光量が等しくなり、色バランスを崩すことなく画像の投影を行なうことができる。
【0080】
マイクロミラー素子17では、図7(A)に示すように各LEDアレイ41〜43での発光タイミングに同期して赤色(R)画像、緑色(G)画像、及び青色(B)画像を順次表示することで、その反射光による光像が投影レンズユニット39により投影対象の図示しないスクリーンに投影される。
【0081】
以上詳述した如く上記図1に示した回路をR,G,BそれぞれのLEDアレイ41〜43及び投影光処理部48に設けるデータプロジェクタ装置30によれば、できる限り簡素な回路構成としながらも、直列接続された半導体光源素子であるLEDアレイの短絡を確実に検出することができるため、その検出結果に応じて、色バランスを崩すことなく、可能な限りの明るさで投影動作を実行できる。
【0082】
なお、上記図7では、故障の内容に応じて各LEDアレイ41〜43の発光期間を調整する場合について説明したが、例えばR−LEDアレイ41の発光量が25%ダウンしている場合に、それに合わせて緑色(G)画像の全画面の階調値、及び青色(B)画像の全画面の階調値をそれぞれ共に25%ダウンした値でマイクロミラー素子17の表示駆動を行なうものとすれば、発光タイミングの調整を行なうことなく、したがってマイクロミラー素子17での表示タイミングを変えることなく、且つ色バランスを崩さずに投影を実行できる。
【0083】
次に、上記図1に代わる光源装置の回路構成について図8により説明する。
図8は、直列接続された複数のLEDの駆動と短絡の検出とを行なう光源装置の回路構成を示す図である。同図中、検出対象である光源ユニット20、光源ユニット20を構成するLED20A〜20D、この光源ユニット20を駆動する駆動回路21、これらLED20A〜20Dとそれぞれ並列接続された抵抗RpA〜RpDについては上記図1と同様の構成であるので、同一符号を用いてそれらの説明は割愛する。
【0084】
上記図1の定電流源22に代えて、分圧回路61を用いる。この分圧回路61は、直列接続された抵抗R1及びR2で構成される。抵抗R2と接続されていない側の抵抗R1の一端が、上記LED20Dのカソード及び抵抗RpDの一端と接続される。
【0085】
また、抵抗R1と接続されていない側の抵抗R2の一端は接地される。そして、抵抗R1,R2の中点が分圧点として制御回路62に接続される。
制御回路62では、分圧回路61の分圧値をA/D変換部62aでデジタル化した後に、その電圧値に応じて光源ユニット20中で短絡を生じているLEDの数を判定し、その判定結果に応じた制御信号を上記駆動回路21に送出する。
【0086】
上記のような回路構成とすることにより、光源ユニット20を駆動するための動作用電源電圧Vinの変動が、短絡検出の精度に影響を及ぼさない範囲内で適用可能となる。
このような構成とすることで、上記図1に示した回路構成に比して、よい大幅に回路構成を簡素化しながらも、直列接続された半導体光源素子の短絡を確実に検出することが可能となる。
【0087】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図9は、直列接続された複数のLEDの駆動と短絡の検出とを行なう光源装置の回路構成を示す図である。同図で、駆動対象の光源ユニット70が、複数、例えば4個のLED70A〜70Dを直列接続して構成される。
【0088】
この光源ユニット70のLED70Aのアノードに対して動作用電源電圧Vinが駆動回路71を介して印加される。駆動回路71は、降圧チョッパ型DC/DCコンバータで構成し、コンバータ制御部71Aを有する。動作用電源電圧Vinは、駆動回路71内でコンバータ制御部71A、ダイオード71Dのカソード、及びコンデンサ71Cの一端に印加されると共に、上述した如く上記光源ユニット70のLED70Aのアノードに印加される。
【0089】
また、光源ユニット70のLED70Dのカソードが上記駆動回路71内のコンデンサ71Cの他端、及びリアクタンス71Bの一端と接続される。さらに、リアクタンス71Bの他端が上記ダイオード71Dのアノードと、スイッチングトランジスタ71Eのドレインに接続される。同スイッチングトランジスタ71Eは、ソースは接地され、ゲートに上記コンバータ制御部71Aからのオン/オフ信号が与えられる。また、コンバータ制御部71Aの出力する上記オン/オフ信号は、この駆動回路71のデューティを監視する信号として制御回路72に帰還入力される。
【0090】
制御回路72は、上記動作用電源電圧Vinを抵抗R11,R12で分圧する分圧回路73からの電圧値を入力することで、電源電圧値を監視している。
【0091】
また、上記光源ユニット70には、温度センサとそのデジタル化回路を含む温度検出回路74が近接配置され、光源ユニット70のLED70A〜70Dにおける発光時の温度を検出する。この温度検出回路74で検出した温度情報もまた、上記制御回路72に送られる。
【0092】
制御回路72は、例えば1チップのマイクロコンピュータで構成され、この光源装置内の制御動作を司る。制御回路72は、上記分圧回路73を介した電源電圧値、上記駆動回路71からのオン/オフ信号のデューティ比、及び上記温度検出回路74の出力する温度情報をそれぞれ記憶する記憶部72aを備える。
【0093】
次に上記光源装置の動作について説明する。
まず、本実施形態における動作原理を説明しておく。
ここでは、光源ユニット70の動作電圧をVop、ダイオード71Dの順方向電圧をVf、スイッチングトランジスタ71Eのオン電圧をVsatとする。スイッチングトランジスタ71EのオンデューティDutyは、以下の式
Duty=(Vop+Vf)/Vin−Vsat+Vf …(1)
で表せる。
【0094】
この(1)式において、VfとVsatは、他の要素に比して著しく影響が小さいものとして式中から排除すると、
Duty≒Vop/Vin …(2)
となる。この(2)式を変形して
Vop≒Vin×Duty …(3)
とすることにより、動作用電源電圧Vinが一定であれば、デューティを計測することで、上記図13に示したようなアナログからデジタルに変換する複雑な回路と検出プロセスとを採用することなく、LED70A〜70D中の短絡等による光源ユニット70の電圧Vopの変動を、駆動回路71の出力するオン/オフ信号のデューティ(Duty)の変動により容易に、且つきわめて正確に知ることができる。また、電源電圧Vinの値がわかれば、計算により光源ユニット70の電圧Vopの値を容易に求めることができる。
【0095】
次に主として制御回路72による具体的な動作制御の処理内容について説明する。
図10は、この光源装置に電源が供給されて光源ユニット70が駆動される発光動作時に、1チップ・マイクロコンピュータである制御回路72が実行する処理内容のフローチャートである。
【0096】
なお、この制御回路72の動作に先立って、制御回路72内の記憶部72aには、初期の正常な発光状態での動作用電源電圧Vin、及びコンバータ制御部71Aによるスイッチングトランジスタ71Eへのオン/オフ信号のデューティと、光源ユニット70の動作電圧Vopに対する温度検出回路74の検出温度を用いた補正演算式データあるいは補正のためのルックアップテーブルとが予め記憶されているものとする。
【0097】
図10の処理当初に制御回路72は、分圧回路73を介して分圧された電源電圧Vinを検出し、記憶部72aに記憶させる(ステップS301)。
【0098】
次に制御回路72は、駆動回路71のコンバータ制御部71Aがスイッチングトランジスタ71Eに送出するオン/オフ信号のデューティ(Duty)を検出する(ステップS302)。これは、具体的には当該信号のオン時間を計測し、光源ユニット70の交流点灯周期(一定)におけるオン時間の割合をデューティとして用いる。
【0099】
さらに制御回路72は、温度検出回路74から光源ユニット70における温度情報Tを検出する(ステップS303)。
【0100】
次に制御回路72は、上記(3)式に従って、動作用電源電圧Vinとデューティとから光源ユニット70の動作電圧Vopを算出する(ステップS304)。
【0101】
さらに、この算出した光源ユニット70の動作電圧Vopに対し、温度検出回路74から検出した温度情報Tを用いて、予め設定された補正演算式、あるいはルックアップテーブルによりLED70A〜70Dの温度ドリフト分を補正し、正確な動作電圧Vopを求める(ステップS305)。
【0102】
そして、得た動作電圧Vopに基づき、光源ユニット70を構成するLED70A〜70D中で短絡を生じている素子の数を判定する(ステップS306)。
【0103】
その後、上記直前のステップS302で検出したオン/オフ信号のデューティ(Duty)を、記憶部72aに記憶する正常時のデューティと比較し、予め設定されたしきい値を超えてデューティが変動しているか否かを判断する(ステップS307)。
【0104】
ここで、デューティがしきい値を超えて大きく変動していると判断した場合にのみ、上記ステップS303で検出した光源ユニット70の温度情報に基づいて、コンバータ制御部71Aがスイッチングトランジスタ71Eに出力するオン/オフ信号のデューティを補正する演算を実行する(ステップS308)。
【0105】
そして、算出した新たなデューティのオン/オフ信号をコンバータ制御部71Aが出力するようにコンバータ制御部71Aに対して制御信号を出力する(ステップS309)。
【0106】
その後、上記ステップS308,S309の処理の実行の有無に関わりなく、一定時間が経過するのを待機した後(ステップS310)、再び上記ステップS301からの処理に戻る。
【0107】
以上に示した如く本実施形態によれば、光源ユニット70に印加される電圧をレベルシフトするような回路、及びアナログの電圧信号をデジタルに変換するような変換回路等を一切用いないため、できる限り簡素な回路構成としながら、上述したような回路による検出誤差を一切生じることなく、直列接続された半導体光源素子の短絡をきわめて正確に検出することが可能となる。
【0108】
加えて、上記実施形態では、温度を温度検出回路74を用いて光源ユニット70の温度を監視し、その内容で動作電圧を補正した上でLED70A〜70Dの短絡素子数の判定を行なうものとしているため、直列接続された半導体光源素子の短絡の検出精度をより一層高めることが可能となる。
【0109】
また、上記図9に示した光源ユニット70及びその周辺回路を、例えばDLP(登録商標)方式のデータプロジェクタ装置の光源として適用することも考えられる。その場合のデータプロジェクタ装置の概略機能構成は上記図4に示した内容とほぼ同様であるため、ここではその図示及び説明は省略する。
【0110】
当該データプロジェクタ装置においても、上記図6で説明した制御動作の処理を実行することが可能となる。その場合、上記図9に示した回路を図4のデータプロジェクタ装置のR,G,BそれぞれのLEDアレイ及び投影光処理部に設けることとなる。
そのため、LEDアレイの周辺をできる限り簡素な回路構成としながらも、直列接続された各LEDアレイの動作電圧を検出する回路での検出誤差を極力廃することで、LEDアレイ中での短絡をきわめて正確に検出することができるため、その検出結果に応じて、色バランスを崩すことなく、可能な限りの明るさで投影動作を実行できる。
【0111】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図11は、直列接続された複数のLEDの駆動と短絡の検出とを行なう光源装置の回路構成を示す図である。同図で、駆動対象の光源ユニット80が、複数、例えば4個のLED80A〜80Dと各LEDのカソード側の開閉スイッチ81A〜81Dを直列接続して構成される。
【0112】
上記LED80A〜80Dにはそれぞれ電圧監視回路82A〜82Dが並列に接続される。これら電圧監視回路82A〜82Dは、対応するLED80A〜80Dの両端電圧により短絡を検出し、その検出結果に応じて対応する開閉スイッチ81A〜81Dの開閉制御を行なう。
【0113】
しかして、この光源ユニット80のLED80Aのアノードに対して動作用電源電圧Vinが印加される。この動作用電源電圧Vinはまた、光源ユニット80の駆動を行なう駆動回路83にも与えられる。
【0114】
駆動回路83は、光源ユニット80のLED80Dのカソードとも接続されて、この光源ユニット80を意図した光量で駆動するべく光源ユニット80の電圧、電流を調整する。
さらに、この駆動回路83に対して制御回路84が接続される。この制御回路84は、光源ユニット80からエラー監視信号を受取り、その内容に応じて駆動回路83の動作を制御する制御信号を送出する。
【0115】
次に図12により上記光源ユニット80の具体的な回路構成の例を示す。
光源ユニット80内のLED80Aのアノードが、PNPタイプのトランジスタQa1のエミッタに接続され、同トランジスタQa1のベースが抵抗Ra1を介してLED80Aのカソードと接続される。同トランジスタQa1のコレクタが抵抗Rb1を介して、NPNタイプのトランジスタQs1のベースと接続される。
【0116】
上記トランジスタQS1のベース−エミッタ間に抵抗Rc1が接続される。さらに、同トランジスタQs1のコレクタ−エミッタ間に抵抗Rp1が接続される。
【0117】
上記トランジスタQa1及び抵抗Ra1が上記図11の電圧監視回路82Aを構成する。また、トランジスタQs1と抵抗Rb1,Rc1及びRp1が上記開閉スイッチ81A〜81Dを構成する。
【0118】
LED80B〜80Dに対する電圧監視回路82B〜82D、開閉スイッチ81B〜81Dの各回路構成も上記と全く同様であるため、重複する説明は省略する。
【0119】
そして、開閉スイッチ81Dを構成するトランジスタQs4のエミッタが駆動回路83に接続されると共に、エラー監視信号の伝送路として制御回路84に接続される。
【0120】
制御回路84は、駆動回路83からのエラー監視信号により駆動回路83が光源ユニット80を駆動する電圧値を監視する。
【0121】
トランジスタQa1〜Qa4のベースに接続される抵抗Ra1〜Ra4と、トランジスタQs1〜Qs4のベースに接続される抵抗Rb1〜Rb4は、各トランジスタのベース電流を制限する目的で挿入される。
【0122】
また、トランジスタQs1〜Qs4のベース−エミッタ間に接続される抵抗Rc1〜Rc4は、各トランジスタQs1〜Qs4がオフ状態であるときにリーク電流等によりトランジスタQs1〜Qs4がオンしないように、ベース電流をバイパスさせる目的で挿入される。
【0123】
さらに、トランジスタQs1〜Qs4のコレクタ−エミッタ間に接続される抵抗Rp1〜Rp4は、各トランジスタQs1〜Qs4をオンさせるためのベース電流を流す目的で挿入されるが、同時にその抵抗値は光源素子であるLED80A〜80Dを駆動する意図した電流の大きさを流すことはできない程度の値に設定される。
【0124】
次に上記光源装置の動作について説明する。
光源ユニット80が駆動されていない初期状態では、各LED80A〜80Dの両端子間で電圧が発生していないため、トランジスタQa1〜Qa4はベース電流が流れずにオフ状態となっている。したがって、トランジスタQs1〜Qs4にもベース電流が供給されず、オフ状態となる。
【0125】
制御回路84が駆動回路83に対して駆動開始の信号を送ると、駆動回路83は光源ユニット80を駆動するために、光源ユニット80の両端間に駆動電圧を発生させるべく駆動する。
【0126】
光源ユニット80内のLED80A〜80Dでは、抵抗Rp1〜Rp4により直列接続されているために電流が流れはじめ、その両端に電圧が発生する。この電圧によりトランジスタQa1〜Qa4にベース電流が流れてオンする。
【0127】
トランジスタQa1〜Qa4がオンすることにより、トランジスタQs1〜Qs4の側もベース電流が供給されてオンとなり、起動用である抵抗Rp1〜Rp4の各両端が短絡する。そのため、LED80A〜80Dが駆動回路83に対して低抵抗で直列接続されることとなり、結果として駆動回路83が意図した駆動電流まで電流値を増加させて、LED80A〜80Dが光源ユニット80全体が所望の輝度で点灯する。
【0128】
このLED80A〜80Dの点灯状態で、例えばLED80Bに短絡を生じた場合を考える。
【0129】
LED80Bが短絡すると、まずLED80Bの両端間の電圧がほぼ0(ゼロ)近くまで低下するために、トランジスタQa2にベース電流が供給されずにオフ状態となる。このトランジスタQa2のオフに連れて対応するトランジスタQs2もベース電流が供給されなくなるためにオフ状態となる。
【0130】
したがって、LED80BのカソードとLED80Cのアノードとの間は、抵抗Rp2を介して接続されるようになるため、光源ユニット80全体に流れる電流は抵抗Rp2の電圧降下により大きく制限されて低下する。
【0131】
こうして光源ユニット80全体に流れる電流が低下すると、駆動回路83は意図した駆動電流に調整しようと光源ユニット80の両端間の電圧を上昇させるように制御するが、電流を充分上昇させることができないため、光源ユニット80の両端間の電圧は、ほぼ動作用電源電圧Vin、または図示しない保護機能による上限電圧の規制があればその電圧まで上昇する。
【0132】
この結果、制御回路84に入力される電圧監視点の電圧は、正常な点灯動作時の電圧より極端に低下するため、この電圧差をエラー監視信号として制御回路84が監視することにより、確実にLEDの短絡による故障を検出することが可能となる。
【0133】
以上の動作は、駆動回路83の負荷開放時の動作と同じであり、負荷開放のエラーを検出する機能を駆動回路83が備えていれば、本実施形態の技術によりLED80A〜80Dの短絡による故障をきわめて正確、且つ容易に検出することが可能となる。
【0134】
なお、上記図12で説明した詳細な回路構成や素子、電圧によるエラー検出方法などは本実施形態での一例であり、同様の効果を得られる他の回路素子や方法を採用するものとしても良い。
【0135】
なお、上記第1乃至第3の実施形態はいずれも、説明を簡易にするために4つのLEDを直列接続した光源ユニットを用いる場合について説明したが、本発明はこれに限らず、他の半導体光源素子として例えばLD(レーザダイオード)を用いるものであっても良いし、直列接続する半導体光源素子の数等を限定するものでもない。
【0136】
また、上記第1及び第2の実施形態においては、各光源装置をデータプロジェクタ装置に適用する場合について説明したが、複数の半導体光源素子を直列接続する光源装置として、他にも例えば交通信号機、車両用の各種ランプや前照灯、液晶ディスプレイのバックライト等にも同様に適用可能である。
【0137】
その他、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上述した実施形態で実行される機能は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良い。上述した実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件による適宜の組み合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、効果が得られるのであれば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0138】
10…光源ユニット、10A〜10D…LED、11…駆動回路、12,12A〜12D…電圧監視回路、13,13A〜13D…レベルシフタ、14,14′…制御回路、20…光源ユニット、21…駆動回路、22…定電流源、23…電圧監視回路、24レベルシフタ…、25…制御回路、25a…A/D変換部、30…データプロジェクタ装置、31…入出力コネクタ部、32…入出力インタフェース(I/F)、33…画像変換部、34…ビデオRAM、35…投影画像処理部、36…マイクロミラー素子、37…光源部、38…ミラー、39…投影レンズユニット、41…R(赤色)−LEDアレイ、42…G(緑色)−LEDアレイ、43…B(青色)−LEDアレイ、44…ダイクロイックミラー、45…インテグレータ、46…ダイクロイックミラー、47…ミラー、48…投影光処理部、51…CPU、52…メインメモリ、53…プログラムメモリ、54…操作部、55…音声処理部、56…スピーカ部、61…分圧回路、62…制御回路、62a…A/D変換部、70…光源ユニット、70A〜70D…LED、71…駆動回路、71A…コンバータ制御部、72…制御回路、72a…記憶部、73…分圧回路、74…温度検出回路、80…光源ユニット、80A〜80D…LED、81A〜81D…開閉スイッチ、82A〜82D…電圧監視回路、83…駆動回路、84…制御回路、SB…システムバス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列接続された複数の半導体光源素子と、
上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路と、
上記複数の半導体光源素子それぞれに並列接続された複数の抵抗と、
上記駆動回路による複数の半導体光源素子の非発光駆動時に上記複数の抵抗に所定の電流を流す定電流源と、
上記定電流源により所定の電流が流された状態で上記複数の半導体光源素子全体に印加される電圧値を検出する電圧監視手段と、
上記電圧監視手段で検出した電圧値に基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定する判定手段と
を具備したことを特徴とする半導体光源装置。
【請求項2】
直列接続された複数の半導体光源素子と、
上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路と、
上記複数の半導体光源素子それぞれに並列接続された複数の抵抗と、
上記駆動回路による複数の半導体光源素子の非発光駆動時に上記複数の抵抗に印加される電圧を予め設定された比で分圧する分圧回路と、
上記分圧回路で分圧された電圧値に基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定する判定手段と
を具備したことを特徴とする半導体光源装置。
【請求項3】
直列接続された複数の半導体光源素子と、
上記複数の半導体光源素子に対し、電源の直流電圧の印加時間デューティを可変して異なる直流電圧で駆動するDC/DCコンバータによる駆動回路と、
上記電源の直流電圧値と、上記駆動回路での印加時間デューティとに基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定する判定手段と
を具備したことを特徴とする半導体光源装置。
【請求項4】
上記複数の半導体光源素子の温度を検出する温度検出手段をさらに具備し、
上記判定手段は、上記温度検出手段での検出結果に基づいて、上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数の判定結果と、上記駆動回路による印加時間デューティの少なくとも一方を補正する
ことを特徴とする請求項3記載の半導体光源装置。
【請求項5】
直列接続された複数の半導体光源素子と、
上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路と、
上記複数の半導体光源素子それぞれに対応付けて直列に接続された複数の開閉スイッチ回路と、
上記複数の半導体光源素子それぞれに並列接続され、当該半導体光源素子に印加される電圧から素子の短絡を検出し、その検出結果により当該半導体光源素子に対応付けて直列接続された開閉スイッチ回路を開状態とする複数の電圧検出手段と、
上記駆動回路により上記複数の半導体光源素子全体に印加される電圧の変化から上記複数の開閉スイッチ回路の少なくとも1つが開状態となったことを判定する判定手段と
を具備したことを特徴とする半導体光源装置。
【請求項6】
直列接続された複数の半導体光源素子、及び上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路を備えた半導体光源装置の制御方法であって、
上記複数の半導体光源素子に同数の抵抗を並列に接続し、
上記駆動回路による複数の半導体光源素子の非発光駆動時に定電流源により上記複数の抵抗に所定の電流を流し、
上記定電流源により所定の電流が流された状態で上記複数の半導体光源素子全体に印加される電圧値を検出し、
上記検出した電圧値に基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定する
ことを特徴とする半導体光源制御方法。
【請求項7】
直列接続された複数の半導体光源素子、及び上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路を備えた半導体光源装置の制御方法であって、
上記複数の半導体光源素子に同数の抵抗を並列に接続し、
上記駆動回路による複数の半導体光源素子の非発光駆動時に上記複数の抵抗に印加される電圧を予め設定された比で分圧し、
上記分圧された電圧値に基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定する
ことを特徴とする半導体光源制御方法。
【請求項8】
直列接続された複数の半導体光源素子、及び上記複数の半導体光源素子に対し、電源の直流電圧の印加時間デューティを可変して異なる直流電圧で駆動するDC/DCコンバータによる駆動回路を備えた半導体光源装置の制御方法であって、
上記電源の直流電圧値と、上記駆動回路での印加時間デューティとに基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定することを特徴とする半導体光源制御方法。
【請求項9】
直列接続された複数の半導体光源素子、及び上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路を備えた半導体光源装置の制御方法であって、
上記複数の半導体光源素子それぞれに対応付けて直列に複数の開閉スイッチ回路を接続し、
上記複数の半導体光源素子それぞれに、当該半導体光源素子に印加される電圧から素子の短絡を検出し、その検出結果により当該半導体光源素子に対応付けて直列接続された開閉スイッチ回路を開状態とする複数の電圧検出手段を並列接続し、
上記駆動回路により上記複数の半導体光源素子全体に印加される電圧の変化から上記複数の開閉スイッチ回路の少なくとも1つが開状態となったことを判定する
ことを特徴とする半導体光源制御方法。
【請求項10】
複数の半導体光源素子を直列接続した半導体光源素子アレイを複数設け、それぞれ異なる色の光を発する上記各半導体光源素子アレイを時分割で発光駆動する光源と、
画像信号を入力する入力手段と、
上記入力手段で入力された画像信号に基づいて表示素子により画像を表示させ、上記光源から時分割で入光される複数色の光を上記表示素子で反射あるいは透過させてカラーの光像を形成し、投影対象に向けて投影する投影手段と、
上記各半導体光源素子アレイを構成する個々の半導体光源素子にそれぞれ並列接続した複数の抵抗と、
上記各半導体光源素子アレイ毎に設けられ、当該半導体素子アレイの非発光駆動時に上記複数の抵抗に所定の電流を流す定電流源と、
上記各半導体光源素子アレイ毎に設けられ、上記定電流源により所定の電流が流された状態で上記半導体光源素子アレイ両端に印加される電圧値を検出する複数の電圧監視手段と、
上記複数の電圧監視手段で検出した電圧値に基づいて上記各半導体光源素子アレイ中で短絡している素子数を判定する複数の判定手段と、
上記複数の判定手段での判定結果に応じて上記光源及び上記投影手段の少なくとも一方の動作を調整する投影制御手段と
を具備したことを特徴とする投影装置。
【請求項11】
複数の半導体光源素子を直列接続した半導体光源素子アレイを複数設け、それぞれ異なる色の光を発する上記各半導体光源素子アレイに対し、電源の直流電圧の印加時間デューティを可変して異なる直流電圧で時分割で駆動する光源と、
画像信号を入力する入力手段と、
上記入力手段で入力された画像信号に基づいて表示素子により画像を表示させ、上記光源から時分割で入光される複数色の光を上記表示素子で反射あるいは透過させてカラーの光像を形成し、投影対象に向けて投影する投影手段と、
上記各半導体光源素子アレイ毎に設けられ、上記電源の直流電圧値と、上記印加時間デューティとに基づいて上記各半導体光源素子アレイ中で短絡している素子数を判定する複数の判定手段と、
上記複数の判定手段での判定結果に応じて上記光源及び上記投影手段の少なくとも一方の動作を調整する投影制御手段と
を具備したことを特徴とする投影装置。
【請求項1】
直列接続された複数の半導体光源素子と、
上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路と、
上記複数の半導体光源素子それぞれに並列接続された複数の抵抗と、
上記駆動回路による複数の半導体光源素子の非発光駆動時に上記複数の抵抗に所定の電流を流す定電流源と、
上記定電流源により所定の電流が流された状態で上記複数の半導体光源素子全体に印加される電圧値を検出する電圧監視手段と、
上記電圧監視手段で検出した電圧値に基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定する判定手段と
を具備したことを特徴とする半導体光源装置。
【請求項2】
直列接続された複数の半導体光源素子と、
上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路と、
上記複数の半導体光源素子それぞれに並列接続された複数の抵抗と、
上記駆動回路による複数の半導体光源素子の非発光駆動時に上記複数の抵抗に印加される電圧を予め設定された比で分圧する分圧回路と、
上記分圧回路で分圧された電圧値に基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定する判定手段と
を具備したことを特徴とする半導体光源装置。
【請求項3】
直列接続された複数の半導体光源素子と、
上記複数の半導体光源素子に対し、電源の直流電圧の印加時間デューティを可変して異なる直流電圧で駆動するDC/DCコンバータによる駆動回路と、
上記電源の直流電圧値と、上記駆動回路での印加時間デューティとに基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定する判定手段と
を具備したことを特徴とする半導体光源装置。
【請求項4】
上記複数の半導体光源素子の温度を検出する温度検出手段をさらに具備し、
上記判定手段は、上記温度検出手段での検出結果に基づいて、上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数の判定結果と、上記駆動回路による印加時間デューティの少なくとも一方を補正する
ことを特徴とする請求項3記載の半導体光源装置。
【請求項5】
直列接続された複数の半導体光源素子と、
上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路と、
上記複数の半導体光源素子それぞれに対応付けて直列に接続された複数の開閉スイッチ回路と、
上記複数の半導体光源素子それぞれに並列接続され、当該半導体光源素子に印加される電圧から素子の短絡を検出し、その検出結果により当該半導体光源素子に対応付けて直列接続された開閉スイッチ回路を開状態とする複数の電圧検出手段と、
上記駆動回路により上記複数の半導体光源素子全体に印加される電圧の変化から上記複数の開閉スイッチ回路の少なくとも1つが開状態となったことを判定する判定手段と
を具備したことを特徴とする半導体光源装置。
【請求項6】
直列接続された複数の半導体光源素子、及び上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路を備えた半導体光源装置の制御方法であって、
上記複数の半導体光源素子に同数の抵抗を並列に接続し、
上記駆動回路による複数の半導体光源素子の非発光駆動時に定電流源により上記複数の抵抗に所定の電流を流し、
上記定電流源により所定の電流が流された状態で上記複数の半導体光源素子全体に印加される電圧値を検出し、
上記検出した電圧値に基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定する
ことを特徴とする半導体光源制御方法。
【請求項7】
直列接続された複数の半導体光源素子、及び上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路を備えた半導体光源装置の制御方法であって、
上記複数の半導体光源素子に同数の抵抗を並列に接続し、
上記駆動回路による複数の半導体光源素子の非発光駆動時に上記複数の抵抗に印加される電圧を予め設定された比で分圧し、
上記分圧された電圧値に基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定する
ことを特徴とする半導体光源制御方法。
【請求項8】
直列接続された複数の半導体光源素子、及び上記複数の半導体光源素子に対し、電源の直流電圧の印加時間デューティを可変して異なる直流電圧で駆動するDC/DCコンバータによる駆動回路を備えた半導体光源装置の制御方法であって、
上記電源の直流電圧値と、上記駆動回路での印加時間デューティとに基づいて上記複数の半導体光源素子中で短絡している素子数を判定することを特徴とする半導体光源制御方法。
【請求項9】
直列接続された複数の半導体光源素子、及び上記複数の半導体光源素子を駆動する駆動回路を備えた半導体光源装置の制御方法であって、
上記複数の半導体光源素子それぞれに対応付けて直列に複数の開閉スイッチ回路を接続し、
上記複数の半導体光源素子それぞれに、当該半導体光源素子に印加される電圧から素子の短絡を検出し、その検出結果により当該半導体光源素子に対応付けて直列接続された開閉スイッチ回路を開状態とする複数の電圧検出手段を並列接続し、
上記駆動回路により上記複数の半導体光源素子全体に印加される電圧の変化から上記複数の開閉スイッチ回路の少なくとも1つが開状態となったことを判定する
ことを特徴とする半導体光源制御方法。
【請求項10】
複数の半導体光源素子を直列接続した半導体光源素子アレイを複数設け、それぞれ異なる色の光を発する上記各半導体光源素子アレイを時分割で発光駆動する光源と、
画像信号を入力する入力手段と、
上記入力手段で入力された画像信号に基づいて表示素子により画像を表示させ、上記光源から時分割で入光される複数色の光を上記表示素子で反射あるいは透過させてカラーの光像を形成し、投影対象に向けて投影する投影手段と、
上記各半導体光源素子アレイを構成する個々の半導体光源素子にそれぞれ並列接続した複数の抵抗と、
上記各半導体光源素子アレイ毎に設けられ、当該半導体素子アレイの非発光駆動時に上記複数の抵抗に所定の電流を流す定電流源と、
上記各半導体光源素子アレイ毎に設けられ、上記定電流源により所定の電流が流された状態で上記半導体光源素子アレイ両端に印加される電圧値を検出する複数の電圧監視手段と、
上記複数の電圧監視手段で検出した電圧値に基づいて上記各半導体光源素子アレイ中で短絡している素子数を判定する複数の判定手段と、
上記複数の判定手段での判定結果に応じて上記光源及び上記投影手段の少なくとも一方の動作を調整する投影制御手段と
を具備したことを特徴とする投影装置。
【請求項11】
複数の半導体光源素子を直列接続した半導体光源素子アレイを複数設け、それぞれ異なる色の光を発する上記各半導体光源素子アレイに対し、電源の直流電圧の印加時間デューティを可変して異なる直流電圧で時分割で駆動する光源と、
画像信号を入力する入力手段と、
上記入力手段で入力された画像信号に基づいて表示素子により画像を表示させ、上記光源から時分割で入光される複数色の光を上記表示素子で反射あるいは透過させてカラーの光像を形成し、投影対象に向けて投影する投影手段と、
上記各半導体光源素子アレイ毎に設けられ、上記電源の直流電圧値と、上記印加時間デューティとに基づいて上記各半導体光源素子アレイ中で短絡している素子数を判定する複数の判定手段と、
上記複数の判定手段での判定結果に応じて上記光源及び上記投影手段の少なくとも一方の動作を調整する投影制御手段と
を具備したことを特徴とする投影装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−231181(P2012−231181A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−171419(P2012−171419)
【出願日】平成24年8月1日(2012.8.1)
【分割の表示】特願2010−187236(P2010−187236)の分割
【原出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年8月1日(2012.8.1)
【分割の表示】特願2010−187236(P2010−187236)の分割
【原出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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