説明

半導体発光素子取付用モジュール、半導体発光素子モジュール、半導体発光素子取付用モジュールの製造方法、及び、半導体発光素子モジュールの製造方法

【課題】放熱性が良好で、かつ近くに放熱板等の導電性部材を配置した場合であっても短絡するおそれが小さい半導体発光素子取付用モジュール、半導体発光素子モジュール、半導体発光素子取付用モジュールの製造方法、及び、半導体発光素子モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】一方の面に形成した半導体発光素子80を接続可能な少なくとも一つの接続面21A、21B、21C、21Dを有する金属からなる導通板17と、接続面と離間しかつ該接続面と電気的に導通するように接続可能な一対の端子部60、64と、上記接続面を除いた該導通板の表面全体を覆う樹脂材からなる表面絶縁部35、70と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の半導体発光素子(LED)を取付可能な半導体発光素子取付用モジュール、半導体発光素子モジュール、半導体発光素子取付用モジュールの製造方法、及び、半導体発光素子モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、室内用の照明器具や液晶モニター用のバックライトなど様々な分野でLED(半導体発光素子)を利用した照明器具が利用されている。
LEDを利用した照明器具は一般的に、一つ又は複数のLEDを片面に実装した複数の回路基板(リジッド基板)を連鎖状(直線状又は平面状)に多数並べて、隣り合う回路基板同士を電気コネクタで接続することにより構成される(例えば特許文献1−4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2010−525523号公報
【特許文献2】特表2010−505232号公報
【特許文献3】特開2010−62556号公報
【特許文献4】特開2010−98302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし特許文献1−4で利用している回路基板(リジッド基板)は放熱性が良好とは言えないので、特許文献1−4の照明器具はLEDで発生した熱を効率よく放熱できない。
さらに回路基板の表面に電気導通部(例えば回路パターン)が露出している。そのため、これらの照明器具の近傍に該照明器具の熱を吸収するための金属製の放熱板や、照明器具を格納する金属製筐体の内面を配置すると、放熱板や金属製筐体と照明器具との間で短絡(ショート)が発生するおそれがある。
また照明器具に対して放熱板を接近させられないので、放熱板を利用した場合に十分な放熱効果を得られない。
【0005】
本発明の目的は、放熱性が良好で、かつ近くに放熱板等の導電性部材を配置した場合であっても短絡するおそれが小さい半導体発光素子取付用モジュール、半導体発光素子モジュール、半導体発光素子取付用モジュールの製造方法、及び、半導体発光素子モジュールの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の半導体発光素子取付用モジュールは、一方の面に形成した半導体発光素子を接続可能な少なくとも一つの接続面を有する金属からなる導通板と、上記接続面と離間しかつ該接続面と電気的に導通するように接続可能な一対の端子部と、上記接続面を除いた該導通板の表面全体を覆う樹脂材からなる表面絶縁部と、を備える半導体発光素子取付用モジュールであって、上記端子部が、別の半導体発光素子取付用モジュールの上記端子部と接続可能であることを特徴としている。
【0007】
上記導通板と上記端子部が別体であってもよい。
【0008】
上記導通板が直線的に延びる板材であり、該導通板の長手方向の両端部に上記端子部をそれぞれ設けてもよい。
【0009】
上記表面絶縁部が、上記接続面に接続した上記半導体発光素子の周囲の少なくとも一部に位置し、上記半導体発光素子の光を反射する反射壁を備えてもよい。
さらに上記反射壁を、上記接続面の周縁部全体を囲む環状形状としてもよい。
【0010】
上記導通板が一方向に並ぶ複数の上記接続面を備え、上記各接続面どうしが互いに分離し、隣り合う各接続面どうしが、電気的に導通するように接続可能にしてもよい。
【0011】
本発明の半導体発光素子モジュールは、上記半導体発光素子取付用モジュールと、上記接続面に載置した半導体発光素子と、上記接続面と上記半導体発光素子、及び、隣り合う各接続面どうしを、それぞれ接続するワイヤーボンディングと、を備えることを特徴としている。
【0012】
上記半導体発光素子、及び、上記ワイヤーボンディングの表面を透光性樹脂からなる封止剤で覆ってもよい。
【0013】
上記端子部の周囲を覆うことにより、該端子部が別の端子部又は上記導通板とは別の導電部材と接続したときに、該端子部が外部に露出するのを防止する端子被覆部を備えてもよい。
【0014】
本発明の半導体発光素子取付用モジュールの製造方法は、成形型によって支持可能なキャリア部と、一方の面に形成した、該キャリア部と一体化した導通部と、を備え、かつ、該導通部が、半導体発光素子を接続可能な少なくとも一つの接続面、及び、上記キャリア部と上記接続面と上記端子部を一体化する切断ブリッジと、を有する金属製の導通板、及び、上記接続面と離間しかつ該接続面と電気的に導通するように接続可能な一対の端子部を成形する成形ステップ、上記成形型によって上記キャリア部を支持しながら、上記接続面を除いた上記導通板の表面に、上記キャリア部と上記接続面とを接続する樹脂材からなる一次表面絶縁部を形成する一次表面絶縁部形成ステップ、上記切断ブリッジを切断して、上記キャリア部及び端子部を上記接続面から分離する一次切断ステップ、上記成形型によって上記キャリア部を支持しながら上記導通部の表面全体に、樹脂材からなる二次表面絶縁部を形成する二次表面絶縁部形成ステップ、及び、上記一次表面絶縁部を切断して、上記キャリア部と上記導通部を分離する二次切断ステップ、を有することを特徴としている。
【0015】
上記成形ステップが、上記導通板と上記端子部を別々に成形するステップであってもよい。
【0016】
上記導通板が直線的に延びる板材であり、該導通板の長手方向の両端部に上記端子部がそれぞれ位置していてもよい。
【0017】
上記一次表面絶縁部が、上記接続面に接続した上記半導体発光素子の周囲の少なくとも一部に位置し、上記半導体発光素子の光を反射する反射壁を備えてもよい。
上記反射壁が、上記接続面に接続した上記半導体発光素子の周囲全体を囲む環状形状であってもよい。
【0018】
上記導通部が複数の上記接続面を備え、上記切断ブリッジが上記各接続面どうしを一体化し、上記一次切断ステップが、上記各接続面どうしを分離するステップを含んでもよい。
【0019】
本発明の半導体発光素子モジュールの製造方法は、上記半導体発光素子取付用モジュールの製造方法、上記接続面に上記半導体発光素子を載置する載置ステップ、及び、上記接続面と上記半導体発光素子、及び、隣り合う上記接続面どうしを、それぞれ電気的に導通可能として接続する接続ステップ、を有することを特徴としている。
【0020】
上記接続ステップが、ワイヤーボンディングにより上記接続面と上記半導体発光素子、及び、隣り合う上記接続面どうし、をそれぞれ接続するステップであってもよい。
【0021】
上記接続ステップの後に、上記半導体発光素子、及び、上記ワイヤーボンディングの表面を透光性樹脂からなる封止剤で覆うステップ、を有してもよい。
【0022】
上記接続ステップの後に、上記端子部が別の端子部又は上記導通板とは別の導電部材と接続したときに該端子部が外部に露出するのを防止する端子被覆部で、該端子部の周囲を覆うステップ、を有してもよい。
【発明の効果】
【0023】
請求項1から9の発明によれば、熱伝導性及び剛性に優れる金属製の導通板(導通部)によって、半導体発光素子取付用モジュール(半導体発光素子モジュール)の大部分を構成し、接続面を除いた導通板(導通部)全体を樹脂からなる表面絶縁部(第一表面絶縁部、第二表面絶縁部)で覆う構造であるため、導通板(導通部)で半導体発光素子(LED)の熱を効率良く受けることができる。そのためLEDで発生した熱は導通板(導通部)及び薄肉の表面絶縁部(第一表面絶縁部、第二表面絶縁部)を通じて効率よく外部に放熱される。
また一方の面に形成した接続面を除いて導通板(導通部)の全表面が表面絶縁部(第一表面絶縁部、第二表面絶縁部)によって覆われるので、他方の面側に放熱板や半導体発光素子取付用モジュール(半導体発光素子モジュール)を格納する金属製筐体の内面を配置しても、放熱板や金属製筐体との間で短絡が発生することはない。
さらに半導体発光素子取付用モジュール(半導体発光素子モジュール)に対して放熱板を接近させることが可能なので(短絡しないので)、放熱板を利用することによりさらに効果的な放熱効果を得られる。
【0024】
請求項2記載の発明によれば、端子部の設計自由度が向上するため、任意の形状にすることが可能となる。
【0025】
請求項3記載の発明によれば、連鎖状に接続することで任意長さの半導体発光素子取付用モジュールとすることができる。
【0026】
請求項4、5記載の発明によれば、表面絶縁部は樹脂製なので、反射率が高い材質や色(及び色調)の選択が可能であり、さらに(反射壁を)所望の形状となるように成形するのが容易である。そのため、接続面に接続した半導体発光素子が発した光を、反射壁によって所望の方向に反射させることができる。
【0027】
請求項6記載の発明によれば、複数のLEDを簡単に取り付けられるようになる。
【0028】
請求項7記載の発明によれば、各接続面と各半導体発光素子、及び、隣り合う各接続面どうしをワイヤーボンディングにより接続しているので、半田を用いて半導体発光素子を接続面に接続する場合に比べて、各半導体発光素子の間隔を狭くすることができる。そのため半導体発光素子モジュールの輝度むらを低減し、かつ輝度を向上させることが可能である。
さらに半田を用いる場合のようにリフローを行う必要がないので、半導体発光素子を接続面に接続(実装)するときに、半導体発光素子モジュールが熱による悪影響(反り、樹脂の変色等)を受けるおそれが小さい。
【0029】
請求項8記載の発明によれば、半導体発光素子及びワイヤーボンディングを封止剤によって保護できる。
【0030】
請求項9記載の発明によれば、端子部を端子被覆部で覆うので、端子部が他の導電性部材と短絡するおそれをなくすことができる。
【0031】
請求項10から19の発明によれば、請求項1から9に記載した半導体発光素子取付用モジュール及び半導体発光素子モジュールを簡単に製造できる。
さらに導通板(導通部)に一次表面絶縁部を成形した後に(一次表面絶縁部によって、キャリア部、接続面、及び、一対の端子部を接続した後に)切断ブリッジを切断して、キャリア部、接続面、及び、一対の端子部を互いに分離するので、半導体発光素子取付用モジュール(半導体発光素子モジュール)の外形に対する接続面の位置精度をよくすることができる。そのため各半導体発光素子を設計位置通りに精度よく搭載できるので、輝度むらを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態の導通板の平面図である。
【図2】図1のII−II矢線に沿う拡大断面図である。
【図3】図1のIII−III矢線に沿う拡大断面図である。
【図4】導通板の前端部の前斜め上方から見た拡大斜視図である。
【図5】導通板の後端部の後斜め下方から見た拡大斜視図である。
【図6】導通板の表面を一次表面絶縁部で被覆した状態を示す平面図である。
【図7】導通板の表面を一次表面絶縁部で被覆した状態を示す底面図である。
【図8】図6のVIII−VIII矢線に沿う拡大断面図である。
【図9】導通板の前端部と前側端子の前斜め上方から見た分離状態の拡大斜視図である。
【図10】導通板の後端部と後側端子の後斜め下方から見た分離状態の拡大斜視図である。
【図11】前側端子を端子絶縁部に仮止めしたときの導通板の前端部の前斜め上方から見た拡大斜視図である。
【図12】後側端子を端子絶縁部に仮止めしたときの導通板の後端部の後斜め下方から見た拡大斜視図である。
【図13】一次カットを行ったときの導通板及び一次表面絶縁部の一部の拡大平面図である。
【図14】導通板の表面を二次表面絶縁部で被覆した状態を示す平面図である。
【図15】導通板の表面を二次表面絶縁部で被覆した状態を示す底面図である。
【図16】導通板の表面を二次表面絶縁部で被覆したときの図8と同様の拡大断面図である。
【図17】導通板の表面を二次表面絶縁部で被覆したときのLED取付用モジュールの前端部の前斜め上方から見た拡大斜視図である。
【図18】導通板の表面を二次表面絶縁部で被覆したときのLED取付用モジュールの後端部の後斜め下方から見た拡大斜視図である。
【図19】二次カットを行なうことにより完成したLED取付用モジュールの平面図である。
【図20】図19のXX−XX矢線に沿う拡大断面図である。
【図21】図19のXXI−XXI矢線に沿う拡大断面図である。
【図22】図19のXXII−XXII矢線に沿う拡大断面図である。
【図23】図19のXXIII−XXIII矢線に沿う拡大断面図である。
【図24】図19のXXIV−XXIV矢線に沿う拡大断面図である。
【図25】LED取付用モジュールの前斜め上方から見た斜視図である。
【図26】LED取付用モジュールの後斜め下方から見た斜視図である。
【図27】各接続面にLED素子を載せたときのLED取付用モジュールの平面図である。
【図28】図27のXXVIII−XXVIII矢線に沿う拡大断面図である。
【図29】一次表面絶縁部及び二次表面絶縁部の図示を省略しかつ中央部の図示を省略して示す、LEDモジュールの拡大平面図である。
【図30】ワイヤーボンディングを施し、さらにカバー部材を取り付けたときの図8と同様の拡大断面図である。
【図31】LEDモジュールの前後両端部と前後の端部キャップの分離状態の前斜め上方から見た拡大斜視図である。
【図32】LEDモジュールの前後両端部と前後の端部キャップの分離状態の後斜め下方から見た拡大斜視図である。
【図33】前後両端部に前後の端部キャップを取り付けたときのLEDモジュールの前斜め上方から見た拡大斜視図である。
【図34】前後両端部に前後の端部キャップを取り付けたときのLEDモジュールの後斜め下方から見た拡大斜視図である。
【図35】2つのLEDモジュールの接続部(端部)の前斜め上方から見た拡大斜視図である。
【図36】2つのLEDモジュールの接続部(端部)の後斜め下方から見た拡大斜視図である。
【図37】2つのLEDモジュールの端部同士を接続したときの前側端子と後側端子の拡大平面図である。
【図38】LEDモジュール(長尺状照明器具)を液晶パネルユニットの側部に取り付けたときの底面図である。
【図39】複数のLEDモジュールを連結したときの導通板とその直列回路の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の説明中の上下、左右、及び、前後の各方向は図中に表した矢線方向を基準としている。
本実施形態は本発明をLEDモジュール10に適用したものであり、LEDモジュール10は、液晶パネル101、導光板102、及び、反射板103の積層物である正面視矩形をなす液晶パネルユニット100(図38参照)の光源として利用可能なものである。本実施形態の液晶パネルユニット100は導光板102の側面から光を入射させる所謂エッジライト型である。
【0034】
LEDモジュール10(半導体発光素子モジュール)は、LED取付用モジュール15(半導体発光素子取付用モジュール)にLED素子80(半導体発光素子)を取り付けたものであり、LED取付用モジュール15は導通板17、一次表面絶縁部35、二次表面絶縁部70、LED素子80、ワイヤーボンディング81、及び、封止剤を具備するものである。
まずはLED取付用モジュール15の詳しい構造及び製造要領について説明する。
【0035】
図1〜図5はLED取付用モジュール15の基材となる導通板17を示している。導通板17は、例えば黄銅、ベリリウム銅、コルソン系銅合金等の導電性と熱伝導性と剛性に優れ、かつ弾性(可撓性)を有する金属製の平板をスタンピング成形したものである。さらに導通板17の表面には銀メッキが施してあるので、導通板17の表面の(光の)反射率は良好である。導通板17の全体形状は、前後方向に延びる長尺状(例えば、前後長が10cm程度)であり、後述する端子接触部24A、25Aを除いて平板状である。導通板17の左右両側部は前後方向に延びるキャリア部18A、18Bにより構成してあり、導通板17の前後両端部はキャリア部18Aとキャリア部18Bの前後両端部をそれぞれ接続するキャリア接続部19A、19Bとなっている。キャリア部18A、18B、キャリア接続部19A、及び、キャリア接続部19Bによって囲まれた部分には、互いに分離した計16個の接続部20A、20B、20C、20D(接続部20Aが1個、接続部20Bが12個、接続部20Cが2個、接続部20Dが1個)が前後に並べて形成してあり、接続部20A、20B、20C、20Dの表面(上面)は接続面21A、21B、21C、21Dを構成している。キャリア部18A、18B、キャリア接続部19A、及び、キャリア接続部19Bによって囲まれた部分には、接続部20B、20C、20Dの左側と接続部20A、20B、20C、20Dの右側にそれぞれ位置しかつ前後方向に直線的に延びる回路形成部22A、22Bがそれぞれ形成してあり、回路形成部22Aの前端部は接続部20Aに接続している。また回路形成部22A、22Bの後端部は左右方向に延びる後端接続部23により接続してある。接続部20Aの前端部と回路形成部22Bの前端部には、端子接触部24Aがそれぞれ接続している。図2及び図4に示すように、左右の端子接触部24Aは共に導通板17のその他の部位に比べて一段上方に位置しており、かつ当該他の部位と平行である。回路形成部22Aと回路形成部22Bの後端部には端子接触部25Aがそれぞれ接続している。図3及び図5に示すように、左右の端子接触部25Aは共に導通板17のその他の部位に比べて一段上方に位置しており(端子接触部24Aと同じ上下方向位置に位置しており)、かつ当該他の部位と平行である。接続部20A、20B、20C、20Dと回路形成部22A、22Bの間は、左右方向に延びる多数の切断ブリッジ26により接続してあり、キャリア部18A、18Bと回路形成部22A、22Bの間は、左右方向に延びる多数の切断ブリッジ27により接続してある。さらにキャリア部18A、18Bの外側縁部には、多数の円形の搬送用孔28が前後方向に並べて穿設してあり、キャリア部18A、18Bの内側縁部には搬送用孔28より小径である多数の円形の連通孔29が前後方向に並べて穿設してある。さらに各接続部20Bには矩形形状の連通孔30が一つずつ穿設してあり、各接続部20Cにはネジ挿通用長孔31が一つずつ穿設してある。
【0036】
上記構造の導通板17は、各搬送用孔28に搬送装置(図示略)のスプロケットを係合させ、各スプロケットを回転させることにより後方に搬送される。そして所定の位置まで搬送されたときに導通板17の上下に位置する一対の金型からなる一次成形型(図示略)を閉じ、一次成形型内に導通板17を収納する。そして上記スプロケットが離脱した各搬送用孔28に対して一次成形型に設けた多数の支持用ピン(図示略)を嵌合することにより導通板17を一次成形型内で固定した上で、絶縁性かつ(光の)反射率及び耐熱性が高い樹脂材料(例えば液晶ポリマー等)を用いた射出成形(一次成形)を一次成形型内で行う。そして樹脂材料が硬化した後に一次成形型の各金型を導通板17から上下に分離することにより一次成形型から導通板17を取り出すと、導通板17の表面に一次表面絶縁部35が一体的に成形された一体物が現れる(図6〜図10等を参照)。
図示するように一次表面絶縁部35は、導通板17の上面側において隣り合う接続部20A、20B、20C、20D、及び、後端接続部23に跨る計16個のLED格納部36を具備している。LED格納部36は前後方向に長い矩形形状であり、その内側には接続部20A、20B、20C、20Dの接続面21A、21B、21C、21D、及び、後端接続部23を上方に露出させるための接続面露出用孔37(凹部)が形成してある。さらにLED格納部36の内周面は、下端部から上方に向かうにつれて接続面露出用孔37の断面積を徐々に大きくする傾斜面である反射壁38となっている。一次表面絶縁部35は、導通板17の下面側において前後方向に向かって直線的に延び、かつ隣り合う接続部20A、20B、20C、20D、及び、後端接続部23に跨る下面被覆部40を具備しており、下面被覆部40は隣り合う2つの接続部20A、20B、20C、20D、及び、後端接続部23を下方に露出させる計16個の下面露出孔41を有している。
また一次表面絶縁部35の前端部には、前端のLED格納部36及び下面被覆部40の前端部と一体化している端子絶縁部43が形成してある。端子絶縁部43の上面には接続用凹部44が形成してある。さらに端子絶縁部43の上面には、端子接触部24Aを露出させるための左右一対の端子露出用孔45と、左右の端子露出用孔45の間に位置する左右一対の接触片支持溝46と、が形成してある。一方、一次表面絶縁部35の後端部には、後端のLED格納部36及び下面被覆部40の後端部と一体化している端子絶縁部47が形成してある。端子絶縁部47の左右方向の中央部には、左右の側片47aとの間に隙間を形成する接続用凸部47bが形成してある。接続用凸部47bの下面には、その後端部が開口した左右一対の端子用凹部48が形成してあり、さらに接続用凸部47bの下面には端子接触部25Aを露出させるための端子露出用孔49が左右一対として形成してある。また接続用凸部47bの下面には、左右の端子用凹部48と端子露出用孔49を連通する仮保持溝50が形成してある。
また一次表面絶縁部35は、各LED格納部36、下面被覆部40、端子絶縁部43、及び、端子絶縁部47の左右両側部から左側と右側に向かってそれぞれ直線的に延びる計40本(左側と右側それぞれ20本ずつ)の接続部支持片52を備えている。各接続部支持片52の先端部は、上下方向に二股に分岐してキャリア部18A、18Bの上下両面にそれぞれ接触する連結部53となっている。対をなす2つの連結部53の対向面どうしは、対応する連通孔29内において硬化した樹脂材により互いに接続している。さらに各接続部支持片52の前後両端部には、隣接する切断ブリッジ27の間の空間を埋める切断部54が形成してある。
導通板17の上面側部分の隣接するLED格納部36を接続する部分、及び、下面被覆部40の各連通孔30、ネジ挿通用長孔31と対応する部分には、各連通孔30、ネジ挿通用長孔31を上下方向に露出させるための連通孔56、57が穿設してある。
【0037】
導通板17及び一次表面絶縁部35の一体物を一次成形型から取り出したら、この一体物に対して前側端子60(端子部)及び後側端子64(端子部)を取り付ける。
図9、図11等に示す左右一対の前側端子60は、例えばリン青銅等(他の金属でもよい)の導電性及び弾性を有する金属平板をスタンピング成形により図示形状としたものであり、表面には金や錫などによってメッキを施してある。前側端子60は、その後端部を構成する平板部61と、平板部61から前方に向かって延びる接触片62と、を具備している。図11等に示すように左右の前側端子60は、接触片62を対応する接触片支持溝46に嵌合することにより端子絶縁部43に仮止めし(かしめる等して完全に固定してもよい)、平板部61の下面を端子露出用孔45を通して対応する端子接触部24Aに接触させる。
一方、図10、図12等に示す左右一対の後側端子64も、例えばリン青銅等(他の金属でもよい)の導電性及び弾性を有する金属平板をスタンピング成形により図示形状としたものであり、表面には金や錫などによってメッキを施してある。後側端子64は、その前端部を構成する平板部65と、平板部65から後方に向かって延びた部分から後方に向かって延びる左右一対の接触片66と、を具備している。図示するように左右の接触片66が自由状態にあるとき、左右の接触片66の後端近傍部は互いに接触している。図12等に示すように左右の後側端子64は、平板部65と接触片66の間に位置する部分(平板部65より狭幅の部分)を対応する仮保持溝50に嵌合することにより端子絶縁部47に仮止めする(かしめる等して完全に固定してもよい)。後側端子64を端子絶縁部47に対して仮止めすると、接触片66が対応する端子用凹部48内に位置し、さらに後側端子64の下面が端子露出用孔49を通して対応する端子接触部25Aに接触する。
【0038】
導通板17及び一次表面絶縁部35の一体物に対する前側端子60及び後側端子64の仮止めが完了したら、図示を省略した一次切断装置によって、すべての切断ブリッジ26及び切断ブリッジ27と、切断部54の切断ブリッジ27に隣接する部分と、後端接続部23の回路形成部22Aとの接続端部と、を前後方向に直線的に切断する一次カットを行う(図13、図29参照)。一次カットを行うと図29に示すように、接続部20A、20B、20C、20Dと回路形成部22Aが互いに物理的に分離し、接続部20A、20B、20C、20Dと回路形成部22Bが互いに物理的に分離し、さらに回路形成部22Aと回路形成部22Bが互いに物理的に分離する。
【0039】
一次カットが完了したら導通板17及び一次表面絶縁部35の一体物を所定の位置まで後方に搬送する。そして当該一体物の上下に位置する一対の金型からなる二次成形型(図示略)を閉じて、該一体物を二次成形型内に収納する。二次成形型に設けた多数の支持用ピン(図示略)を各搬送用孔28に嵌合することにより導通板17及び一次表面絶縁部35を二次成形型内で固定した上で、二次成形型内で絶縁性が高い樹脂材料(例えば液晶ポリマー等)を射出成形(二次成形)する。そして樹脂材料が硬化した後に二次成形型を上下に分離して二次成形型から導通板17及び一次表面絶縁部35の一体物を取り出すと、導通板17及び一次表面絶縁部35の表面に二次表面絶縁部70が成形された一体物が現れる(図14〜図18等を参照)。
図示するように二次表面絶縁部70は、導通板17の上面側において各LED格納部36の周囲を覆いかつ前後方向に直線的に延びる上面被覆部71と、導通板17の下面側において下面被覆部40全体を覆いかつ前後方向に直線的に延びる下面被覆部72と、上面被覆部71及び下面被覆部72の左右両側縁部から左側と右側にそれぞれ延びて、キャリア部18A及びキャリア部18Bの内側縁部の表裏両面及び各連結部53を覆うキャリア部連結部73と、を一体的に具備している。上面被覆部71の前端部には前側端子60の平板部61の表面を覆う端子被覆部74が形成してあり、下面被覆部72の後端部には後側端子64の平板部65の表面を覆う端子被覆部75が形成してある(図17、図18参照)。さらに上面被覆部71及び下面被覆部72の連通孔57と対応する部分には、連通孔57を露出させるための連結孔露出用孔76、77が形成してある。また二次表面絶縁部70の一部は各連通孔29、30、56の内部で硬化しており、当該部分が上面被覆部71と下面被覆部72を接続している。
二次表面絶縁部70(キャリア部連結部73)は、回路形成部22Aと回路形成部22Bの表面、及び、切断ブリッジ26と切断ブリッジ27の切断端面を被覆しているので、二次成形を行うと、接続面21A、21B、21C、21Dと後端接続部23の上面を除いた導通板17の表面全体、前側端子60の平板部61、及び、後側端子64の平板部65が一次表面絶縁部35及び二次表面絶縁部70によって被覆されることになる。
【0040】
二次成形が完了したら、図示を省略した二次切断装置によって、上面被覆部71及び下面被覆部72の左右両側縁部とキャリア部連結部73との接続部(キャリア部連結部73の上面被覆部71及び下面被覆部72側の接続端部)を通って前後方向に延びる直線(図14、図15中の二点鎖線を参照)に沿って、導通板17、一次表面絶縁部35、及び、二次表面絶縁部70を切断する。すると図19〜図26に示す形状のLED取付用モジュール15が完成する。そして二次表面絶縁部70の各連通孔29内部で硬化した部分によりキャリア部連結部73がキャリア部18A、18Bに強固に固定されているため、安定した切断が可能となる(キャリア部連結部73がキャリア部18A、18Bから剥がれたりしない)。
上記したように二次成形を行った段階で接続面21A、21B、21C、21Dと後端接続部23の上面を除いた導通板17の表面全体、前側端子60の平板部61、及び、後側端子64の平板部65が一次表面絶縁部35及び二次表面絶縁部70によって被覆されるので、LED取付用モジュール15の表面において露出している金属部材は、接続面21A、21B、21C、21D、後端接続部23、接触片62、及び、後側端子64の平板部65以外の部分のみとなる(図21〜図26参照)。
【0041】
次いで図27〜図29に示すように、完成したLED取付用モジュール15の接続部20A、20B、20C、20D(接続面21A、21B、21C、21D)に対して、上面に発光面を有するLED素子80を2つずつ載置し(後端接続部23の上面である接続面に載せることも可能)、接着剤や伝熱シート等を用いて接続面21A、21B、21C、21Dに固定する。
そして図29、図30、図31に示すように導電性の金属材料(例えば、金やアルミニウム)からなる複数のワイヤーボンディング81によって接続部20A、20B、20C、20D(接続面21A、21B、21C、21D)とLED素子80の導体部(パッド)を接続する。より具体的には、各接続面21A、21B、21C、21Dに載置した2つのLED素子80を自身が載っている接続面21A、21B、21C、21Dに接続すると共に、後方に位置するLED素子80を自身が載っている接続面21A、21B、21C、21Dの後方に位置する別の接続面21B、21C、21Dまたは後端接続部23に接続する。
次いで、各LED素子80及びワイヤーボンディング81の表面、及び、接続面21B、21C、21D、及び、後端接続部23の上面を、透光性及び絶縁性を有する熱硬化性樹脂材料や紫外線硬化性樹脂材料等からなる封止剤(図示略)で覆う。そのため、各LED素子80及びワイヤーボンディング81が接続面21B、21C、21D、及び、後端接続部23に対して強固に取り付けられる。
【0042】
LEDモジュール10の前後両端部に対しては、図31〜図34に示す端部キャップ85、90を着脱可能である。
端部キャップ85は絶縁性の樹脂材料製の一体成形物であり、係合凸部86と、係合凸部86の左右両側に位置する一対の係合側片87と、を具備している。端部キャップ85には左右一対の貫通路88が形成してある。各貫通路88の前端は端部キャップ85の前端面において開口しており、各貫通路88の後部は係合凸部86の下面及び後端面において開口する溝となっている。
端部キャップ90は絶縁性の樹脂材料製の一体成形物であり、上面の前部には係合凹部91が凹設してある。
端部キャップ85は、係合凸部86を接続用凹部44に嵌合し、かつ左右の係合側片87を端子絶縁部43の左右両側面に弾性変形させながら外側から係合することにより端子絶縁部43に取付可能であり、端部キャップ85を端子絶縁部43に取り付けると左右の接触片62が貫通路88内に位置する。一方、端部キャップ90は、係合凹部91を接続用凸部47bに嵌合し、かつ端部キャップ90の左右両側面に左右の側片47aを弾性変形させながら外側から係合することにより端子絶縁部47に取付可能である。端部キャップ90を端子絶縁部47に取り付けると、後側端子64(平板部65以外の部分)が端子絶縁部47と端部キャップ90によって完全に覆われる。
【0043】
LEDモジュール10の端子絶縁部47には、別のLEDモジュール10の端子絶縁部43を接続可能である。即ち、図35、図36に示すように、接続用凸部47bを接続用凹部44に対して嵌合し、端子絶縁部43の左右両側面に左右の側片47aを弾性変形させながら外側から係合することにより、端子絶縁部43と端子絶縁部47を互いに接続できる。端子絶縁部43と端子絶縁部47を接続すると、図37に示すように、前側端子60の接触片62が対応する後側端子64の一対の接触片66の間に進入し、一対の接触片66を広げながら(弾性変形させながら)接触片66に接触する。また、接触片62の上面が接続用凸部47bの上面により覆われ、接触片66の下面が接続用凹部44の下面によって覆われるので、前側端子60及び後側端子64の周囲が接続用凹部44と接続用凸部47bによって完全に覆われる。
このようにして端子絶縁部43を端子絶縁部47に対して接続したLEDモジュール10の端子絶縁部47には、さらに別のLEDモジュール10の端子絶縁部43を接続できる。即ち、複数のLEDモジュール10を直線状に接続可能であり、複数のLEDモジュール10を接続することにより、前後方向に長い長尺状照明器具95を構成できる。
【0044】
以上の要領で組み立てた長尺状照明器具95(前端に位置するLEDモジュール10に端部キャップ85が装着してある)は、その長手方向を鉛直方向に向けた上で、正面視矩形をなす液晶パネルユニット100の一方の側縁部に接続し、各LED素子80を導光板102の側端面と対向させ、さらに各LEDモジュール10の下面被覆部72に、該液晶パネルユニット100を内蔵するディスプレイ装置(例えば液晶テレビ)の放熱板104を接続可能である(図38参照)。この際、各LEDモジュール10のネジ挿通用長孔31(連通孔57、連結孔露出用孔76、77)に通した止めネジ(図示略)を、ディスプレイ装置に内蔵した固定部材(図示略)の雌ネジ孔に螺合することにより、長尺状照明器具95を該固定部材に固定してもよい。例えば図39の模式図に示すように、図示を省略したケーブル等を介して、一端側のLEDモジュール10(端部キャップ85を装着したLEDモジュール10)の回路形成部22Aに接続する接触片62に端部キャップ85の貫通路88を通して直流電源105の陽極端子を接続すると共に該LEDモジュール10の回路形成部22Bに接続する接触片62に端部キャップ85の貫通路88を通して直流電源105の陰極端子を接続し、かつ、他端側のLEDモジュール10の回路形成部22Aに接続する接触片66に直流電源106の陽極端子を接続すると共に該LEDモジュール10の回路形成部22Bに接続する接触片66に直流電源106の陰極端子を接続可能であり、このようにして直流電源105、106を長尺状照明器具95に接続すると各LEDモジュール10の導通板17の導通部(接続部20A、20B、20C、20D、回路形成部22A、22B、後端接続部23、端子接触部24A、25Aからなる部分)上に直列回路が形成される。
このようにして直流電源105、106を接続した液晶パネルユニット100のメインスイッチ(図示略)をオンにすると、該直流電源105、106から上記ケーブルを介して長尺状照明器具95(各LEDモジュール10)の接続部20A、20B、20C、20D、回路形成部22A、22B、及び、後端接続部23(直列回路)に電流が流れるので、上記直列回路上に位置する各LED素子80が発光する。各LED素子80が発した照明光は、当該LED素子80を囲むLED格納部36の反射壁38及び接続面21A、21B、21C、21Dによって反射され、放射状に拡散する。そして照明光は導光板102内を広がり、さらに反射板103によって液晶パネル101側に反射され、液晶パネル101が表示動作を行う。
【0045】
以上説明した本実施形態のLEDモジュール10は熱伝導性及び剛性に優れる金属製の導通板17の上記導通部によってLED取付用モジュール15の大部分を構成し、接続面21B、21C、21Dと後端接続部23の上面を除いた導通板17の表面全体、前側端子60の平板部61、及び、後側端子64の平板部65を、樹脂からなる一次表面絶縁部35と二次表面絶縁部70で覆った構造であるため、導通板17の導通部でLED素子80が発する熱を効率良く受けることができる。そのため各LED素子80で発生した熱は導通板17(導通部)と、共に薄肉である一次表面絶縁部35及び二次表面絶縁部70を通じて、効率よくLED取付用モジュール15(LEDモジュール10)の外部に放熱される。
またLED取付用モジュール15(LEDモジュール10)の裏面(下面)全体が、後側端子64の平板部65以外の部分を除いて、一次表面絶縁部35と二次表面絶縁部70によって覆われるので、LED取付用モジュール15(LEDモジュール10)の裏面側(下面側)に放熱板104やLEDモジュール10を格納する金属製筐体(例えば上記ディスプレイの金属製筐体)の内面を配置しても、放熱板104や金属製筐体との間で短絡(ショート)が発生することはない。
さらにLED取付用モジュール15(LEDモジュール10)に対して放熱板104を接近させることが可能なので(短絡しないので)、放熱板104を利用することにより、LED取付用モジュール15(LEDモジュール10)単体では得られない、より効果的な放熱効果を得られる。
【0046】
また一次表面絶縁部35が樹脂製なので、反射率が高い材質や色(及び色調)の選択が可能であり、さらにLED格納部36(反射壁38)を所望の形状となるように成形するのが容易である。そのため、接続面21A、21B、21C、21Dに接続したLED素子80が発した照明光を、反射壁38によって所望の方向に反射させることができる。
さらに導通板17のキャリア部18A、18Bを一次成形型、二次成形型の支持用ピンで支持しながら一次表面絶縁部35、二次表面絶縁部70を成形するので、一次表面絶縁部35、二次表面絶縁部70の成形時に導通板17が反り難い。
【0047】
さらに、各接続面21A、21B、21C、21Dと各LED素子80をワイヤーボンディング81により接続しているので、半田を用いてLED素子80を各接続面21A、21B、21C、21Dに接続する場合に比べて、各LED素子80の間隔を狭くすることができる。そのためLEDモジュール10の輝度むらを低減し、かつ輝度を向上させることが可能である。
さらに半田を用いる場合のようにリフローを行う必要がないので、LED素子80を各接続面21A、21B、21C、21Dに接続(実装)するときに、LEDモジュール10が熱による悪影響(反り、樹脂の変色による反射率の低下等)を受けるおそれが小さい。
【0048】
また絶縁性材料からなる上記封止剤によって各接続面21A、21B、21C、21D、及び、後端接続部23を覆うのでLED素子80及びワイヤーボンディング81を保護でき、さらに各接続面21A、21B、21C、21DがLEDモジュール10の周囲に配設した他の導電性部材と短絡するおそれをなくすことができる。
【0049】
さらに一体物として製造した導通板17に一次表面絶縁部35を成形した後に(一次表面絶縁部35によってキャリア部18A、18B、接続面21A、21B、21C、21D、回路形成部22A、及び、回路形成部22Bを互いに接続した後に)切断ブリッジ26、27を切断して、キャリア部18A、18B、接続部20A、20B、20C、20D、回路形成部22A、及び、回路形成部22Bを互いに分離するので、LEDモジュール10の外形に対する各接続面21A、21B、21C、21Dの位置精度が良好となる。その結果、各LED素子80を設計位置通りに精度よく搭載できるので、輝度むらを低減できる。
またLED取付用モジュール15上に形成した直列回路上に各LED素子80を配置しているので、各LED素子80の輝度のばらつきを少なくすることが可能である。
【0050】
以上説明した本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、様々な変更を施しながら実施可能である。
例えば導通板17を導電性と熱伝導性と剛性に優れる上記以外の金属材料によって構成してもよい。また、前側端子60と後側端子64の少なくとも一方を、導通板17と一体成形してもよい。
一つの導通板17に形成する接続部20A、20B、20C、20D(接続面21A、21B、21C、21D)の数は上記実施形態のものには限定されず、一つであっても、(16以外の)複数であってもよい。
導通板17の表面に銀メッキではなく、金・錫などによりメッキを施しても良い。
またLED格納部36(反射壁38)の形状はLED素子80の周囲を囲む環状形状である必要はなく、LED素子80の周囲の一部のみを囲む非環状形状であってもよい。
さらに上記スタンピング成形時に導通板17に形成する切断ブリッジ26、27の種類(位置)を変更することにより、導通板17(導通部)上に様々なタイプの回路を簡単に構成できる。
また導通板17の成形時に各接続部20A、20B、20C、20Dを連続するように一体化した長尺状接続部を形成した上で、一次表面絶縁部35及び二次表面絶縁部70に、長尺状接続部の上面(接続面)を全長に渡って露出させる長溝を形成し、この露出部にLED素子80を取り付けてもよい。
【0051】
さらに液晶パネルユニット100を、導光板102の直後にLEDモジュール10を位置させた(LED素子80を導光板102と対向させ、反射板103を省略する)直下型タイプとしてもよい。
さらにLED取付用モジュール15(導通板17)を円弧状に湾曲させた形状のものとして製造してもよい。このようにすれば、各LEDモジュール10(LED取付用モジュール15)を接続することにより、全体として円形又は円弧形をなす照明器具が得られる。
またワイヤーボンディング81の代わりに半田を用いてもよい。
さらにLEDモジュール10をディスプレイ装置以外の機器に適用してもよい。
【符号の説明】
【0052】
10 LEDモジュール(半導体発光素子モジュール)
15 LED取付用モジュール(半導体発光素子取付用モジュール)
17 導通板
18A 18B キャリア部
19A 19B キャリア接続部
20A 20B 20C 20D 接続部(導通部)
21A 21B 21C 21D 接続面
22A 22B 回路形成部(導通部)
23 後端接続部(接続面)(導通部)
24A 25A 端子接触部(導通部)
26 27 切断ブリッジ
28 搬送用孔
29 30 連通孔
31 ネジ挿通用長孔
35 一次表面絶縁部
36 LED格納部
37 接続面露出用孔(凹部)
38 反射壁
40 下面被覆部
41 下面露出孔
43 端子絶縁部
44 接続用凹部
45 端子露出用孔
46 接触片支持溝
47 端子絶縁部
47a 側片
47b 接続用凸部
48 端子用凹部
49 端子露出用孔
50 仮保持溝
52 接続部支持片
53 連結部
54 切断部
56 57 連通孔
60 前側端子(端子部)
61 平板部
62 接触片
64 後側端子(端子部)
65 平板部
66 接触片
70 二次表面絶縁部
71 上面被覆部
72 下面被覆部
73 キャリア部連結部
74 75 端子被覆部
76 77 連通孔露出用孔
80 LED素子(半導体発光素子)
81 ワイヤーボンディング
85 端部キャップ
86 係合凸部
87 係合側片
88 貫通路
90 端部キャップ
91 係合凹部
95 長尺状照明器具
100 液晶パネルユニット
101 液晶パネル
102 導光板
103 反射板
104 放熱板
105 106 直流電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面に形成した半導体発光素子を接続可能な少なくとも一つの接続面を有する金属からなる導通板と、
上記接続面と離間しかつ該接続面と電気的に導通するように接続可能な一対の端子部と、
上記接続面を除いた該導通板の表面全体を覆う樹脂材からなる表面絶縁部と、
を備える半導体発光素子取付用モジュールであって、
上記端子部が、別の半導体発光素子取付用モジュールの上記端子部と接続可能であることを特徴とする半導体発光素子取付用モジュール。
【請求項2】
請求項1記載の半導体発光素子取付用モジュールにおいて、
上記導通板と上記端子部が別体である半導体発光素子取付用モジュール。
【請求項3】
請求項1または2記載の半導体発光素子取付用モジュールにおいて、
上記導通板が直線的に延びる板材であり、
該導通板の長手方向の両端部に上記端子部をそれぞれ設けた半導体発光素子取付用モジュール。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載の半導体発光素子取付用モジュールにおいて、
上記表面絶縁部が、上記接続面に接続した上記半導体発光素子の周囲の少なくとも一部に位置し、上記半導体発光素子の光を反射する反射壁を備える半導体発光素子取付用モジュール。
【請求項5】
請求項4記載の半導体発光素子取付用モジュールにおいて、
上記反射壁が、上記接続面の周縁部全体を囲む環状形状である半導体発光素子取付用モジュール。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項記載の半導体発光素子取付用モジュールにおいて、
上記導通板が一方向に並ぶ複数の上記接続面を備え、
上記各接続面どうしが互いに分離し、
隣り合う各接続面どうしが、電気的に導通するように接続可能である半導体発光素子取付用モジュール。
【請求項7】
請求項6記載の半導体発光素子取付用モジュールと、
上記接続面に載置した半導体発光素子と、
上記接続面と上記半導体発光素子、及び、隣り合う各接続面どうしを、それぞれ接続するワイヤーボンディングと、
を備えることを特徴とする半導体発光素子モジュール。
【請求項8】
請求項7記載の半導体発光素子モジュールにおいて、
上記半導体発光素子、及び、上記ワイヤーボンディングの表面を透光性樹脂からなる封止剤で覆った半導体発光素子モジュール。
【請求項9】
請求項7または8記載の半導体発光素子モジュールにおいて、
上記端子部の周囲を覆うことにより、該端子部が別の端子部又は上記導通板とは別の導電部材と接続したときに、該端子部が外部に露出するのを防止する端子被覆部を備える半導体発光素子モジュール。
【請求項10】
成形型によって支持可能なキャリア部と、一方の面に形成した、該キャリア部と一体化した導通部と、を備え、かつ、該導通部が、半導体発光素子を接続可能な少なくとも一つの接続面、及び、上記キャリア部と上記接続面と上記端子部を一体化する切断ブリッジと、を有する金属製の導通板、及び、上記接続面と離間しかつ該接続面と電気的に導通するように接続可能な一対の端子部を成形する成形ステップ、
上記成形型によって上記キャリア部を支持しながら、上記接続面を除いた上記導通板の表面に、上記キャリア部と上記接続面とを接続する樹脂材からなる一次表面絶縁部を形成する一次表面絶縁部形成ステップ、
上記切断ブリッジを切断して、上記キャリア部及び端子部を上記接続面から分離する一次切断ステップ、
上記成形型によって上記キャリア部を支持しながら上記導通部の表面全体に、樹脂材からなる二次表面絶縁部を形成する二次表面絶縁部形成ステップ、及び、
上記一次表面絶縁部を切断して、上記キャリア部と上記導通部を分離する二次切断ステップ、
を有する半導体発光素子取付用モジュールの製造方法。
【請求項11】
請求項10記載の半導体発光素子取付用モジュールの製造方法において、
上記成形ステップが、上記導通板と上記端子部を別々に成形するステップである半導体発光素子取付用モジュールの製造方法。
【請求項12】
請求項10または11記載の半導体発光素子取付用モジュールの製造方法において、
上記導通板が直線的に延びる板材であり、
該導通板の長手方向の両端部に上記端子部がそれぞれ位置する半導体発光素子取付用モジュールの製造方法。
【請求項13】
請求項10から12のいずれか1項記載の半導体発光素子取付用モジュールの製造方法において、
上記一次表面絶縁部が、上記接続面に接続した上記半導体発光素子の周囲の少なくとも一部に位置し、上記半導体発光素子の光を反射する反射壁を備える半導体発光素子取付用モジュールの製造方法。
【請求項14】
請求項13記載の半導体発光素子取付用モジュールの製造方法において、
上記反射壁が、上記接続面に接続した上記半導体発光素子の周囲全体を囲む環状形状である半導体発光素子取付用モジュールの製造方法。
【請求項15】
請求項10から14のいずれか1項記載の半導体発光素子取付用モジュールの製造方法において、
上記導通部が複数の上記接続面を備え、
上記切断ブリッジが上記各接続面どうしを一体化し、
上記一次切断ステップが、上記各接続面どうしを分離するステップを含む半導体発光素子取付用モジュールの製造方法。
【請求項16】
請求項15記載の半導体発光素子取付用モジュールの製造方法、
上記接続面に上記半導体発光素子を載置する載置ステップ、及び、
上記接続面と上記半導体発光素子、及び、隣り合う上記接続面どうしを、それぞれ電気的に導通可能として接続する接続ステップ、
を有することを特徴とする半導体発光素子モジュールの製造方法。
【請求項17】
請求項16記載の半導体発光素子モジュールの製造方法において、
上記接続ステップが、ワイヤーボンディングにより上記接続面と上記半導体発光素子、及び、隣り合う上記接続面どうし、をそれぞれ接続するステップである半導体発光素子モジュールの製造方法。
【請求項18】
請求項16または17記載の半導体発光素子モジュールの製造方法において、
上記接続ステップの後に、上記半導体発光素子、及び、上記ワイヤーボンディングの表面を透光性樹脂からなる封止剤で覆うステップ、を有する半導体発光素子モジュールの製造方法。
【請求項19】
請求項16から18のいずれか1項記載の半導体発光素子モジュールの製造方法において、
上記接続ステップの後に、上記端子部が別の端子部又は上記導通板とは別の導電部材と接続したときに該端子部が外部に露出するのを防止する端子被覆部で、該端子部の周囲を覆うステップ、を有する半導体発光素子モジュールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2013−26572(P2013−26572A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162434(P2011−162434)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000128407)京セラコネクタプロダクツ株式会社 (77)
【Fターム(参考)】