説明

半導体素子およびその製造方法、固体撮像素子、固体撮像素子の製造方法、電子情報機器

【課題】より簡易なプロセスでストリエーションの影響を低減しつつ凹部上の下地膜の膜厚を、平坦化を含め任意の膜厚に設定する。
【解決手段】被処理基板1上の下地パターン2による表面段差と同程度以上の膜厚で感光性材料をスピンオンして感光性材料膜3aを成膜するため、その上に設けられる層のストリエーションの影響を低減することができる。光透過率が変化するグレイトーンマスク4を用いたフォトリソ技術により、平坦化膜である感光性材料膜3の膜厚を所望の膜厚に設定することができる。ストリエーションの上層への影響を低減しつつ、このグレイトーンマスク4を用いたフォトリソ技術だけの簡易なプロセスで下地段差を容易に平坦化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IC素子、LSI素子およびロジック回路素子などの半導体集積回路素子や固体撮像素子などの半導体素子およびその製造方法、被写体からの画像光を光電変換して撮像する半導体素子で構成された固体撮像素子およびその製造方法、この固体撮像素子を画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばデジタルビデオカメラおよびデジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、画像入力カメラ、スキャナ、ファクシミリ、カメラ付き携帯電話装置などの電子情報機器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の半導体素子の製造、特に、固体撮像素子の製造において、被処理基板の表面に形成された凹凸を平坦化する方法として、有機材料膜のスピンコート法が従来から広く用いられている。この有機材料膜のスピンコート法による表面の平坦化について、以下に詳細に説明する。
【0003】
特許文献1には、被処理基板表面に半導体膜を凹凸と同程度の膜厚に形成した後、その凹凸パターンと相関のあるレジストパタンを形成し、続いて、凸部をエッチング除去後、スピンオンシリカなどを用いることにより、被処理基板表面を平坦化する方法が提案されている。
【0004】
図8(a)〜図8(e)は、特許文献1に開示されている従来の半導体素子の各製造工程を模式的に示す要部縦断面図である。
【0005】
まず、図8(a)に示すように、従来の半導体素子100の各製造工程において、下地パターン102の凹凸が形成されている被処理基板101の表面に、図8(b)に示すように、凹部とほぼ同じ膜厚となる有機材料103をスピンコート法にて成膜する。これにより、下地パターン102の凹部に厚く有機材料103が形成され、また、凸部上には薄く有機材料103が形成されることによりその表面が平坦化される。しかしながら、本手法では、凹部のスペースが比較的狭いパターンについては良好に平坦化されるものの、凹部のスペースが比較的広いパターン(例えば固体撮像素子の撮像領域)はなだらかな傾斜を有した形状に平滑化されるのみで、平坦化は出来ず段差は残る。このように、凹部のスペースが比較的広いパターン(例えば固体撮像素子の撮像領域)を平坦化する方法として、この特許文献1に記載されている。
【0006】
次に、下地パターン102の凹凸が形成されている被処理基板101の表面に、図8(c)に示すように、凹部とほぼ同じ膜厚となる有機材料103を成膜した後の凹パターンよりも少し小さい幅にレジストパターン104を形成する。その後、図8(c)に示すように、レジストパターン104をマスクにして、図8(d)に示すように、有機材料103が選択的にエッチング除去されて、その凹部内に所定形状の絶縁膜103aを形成し、レジストパターン104を除去する。これによって、細い溝を介して下地パターン102の絶縁膜と、絶縁膜103aと隣接して形成される。続いて、図8(e)に示すように、スピンオンシリカなどを用いて平坦化膜105が形成される。
【0007】
このように、特許文献1に開示される従来の表面平坦化方法を用いる場合、被処理基板101の表面に形成された凹凸を平坦化する効果はあるものの、絶縁膜形成をスピンコート法にて実施した場合に、絶縁膜103aの表面には、液流れによる筋状の膜ムラ(膜厚の不均一なストリエーション)がウェハ中央部から外周方向に向けて放射線状に発生してしまう。
【0008】
このようなスピンコート法で発生するストリエーション(放射状のすじ)を低減する方法が特許文献2に提案されている。
【0009】
特許文献2では、下地パターンの凹凸が形成されている被処理基板表面に、凹部とほぼ同じ膜厚となる膜を成膜し、凹部内に形成した膜をフォトリソ・エッチングなどの技術を使用して格子状に形成した後に、スピンコート法にて平坦化膜を成膜する。以下に、図9を用いて、特許文献2に開示されている従来の半導体素子の製造方法について詳細に説明する。
【0010】
図9(a)〜図9(d)は、特許文献2に開示されている従来の半導体素子の各製造工程を模式的に示す要部縦断面図である。
【0011】
まず、図9(a)に示すように、従来の半導体素子200の各製造工程において、被処理基板201上に設けられた下地パターン202の凹凸と同程度の膜厚で、図9(b)に示すように、感光性材料203をスピンオンして成膜する感光性材料成膜工程と、この感光性材料成膜工程により成膜した感光性材料203のうち、下地パターン202の広い凹部内(例えば半導体集積回路素子の所定領域)の感光性材料203の一部および、下地パターン202の凸部上の感光性材料203をフォトリソ技術(レクチルなどの原版から選択的に紫外光を照射)により選択的に除去することにより、図9(c)に示すように、下地パターン202の広い凹部(例えば半導体集積回路素子の所定領域)内の透明感光性材料203を複数の各凸部203a(断面凸形状部は平面視四角形)に分割する感光性材料パターニング工程と、感光性材料パターニング工程でパターニングした感光性材料203の複数の各凸部203a、被処理基板201および下地パターン202上に渡って、図9(d)に示すように平坦化用材料膜204をスピンオンにて成膜する平坦化用材料膜成膜工程とを有している。
【0012】
図9(b)に示す感光性材料成膜工程では、被処理基板201上に設けられた下地パターン202の凹凸と同程度の膜厚で感光性材料203を成膜するが、この感光性材料203の成膜は、感光性材料203の耐熱性および素子へのプラズマダメージ低減のためにピンオンプロセスにより実施する。
【0013】
次に、図9(c)に示す感光性材料パターニング工程では、下地パターン202の凹部内の感光性材料203の一部および、下地パターン202の凸部上の感光性材料203を所望のマスクでのフォトリソ技術により選択的に除去して、画素配列に応じた規則性を有するように実施される。
【0014】
さらに、図9(d)に示す平坦化用材料成膜工程では、パターニングされた感光性材料203の複数の各凸部203a、被処理基板201および下地パターン202上に、材料の耐熱性および素子へのプラズマダメージ低減のために、透明平坦化材料膜204をスピンオンにより成膜する。このスピンオン工程(平坦化用材料成膜工程)では、構造により初期段差が略平滑化されていることと、さらに、規則的に配列された凹部または凸部構造(ここでは格子状溝構造)が、段差を起点として放射状に発生するレジスト脈動の強い指向性を均等に分散させることにより、液流れによる筋状の膜ムラ(ストリエーションS)を抑制する。
【0015】
なお、ここでは、半導体集積回路素子の所定凹部領域を平坦化する半導体素子の製造方法について説明したが、これに限らず、この半導体素子の製造方法を、所定凹部の撮像領域を平坦化する固体撮像素子の製造方法に適用させることもできる。
【0016】
この場合、図9(d)を、固体撮像素子の要部構成例を模式的に示す縦断面図として用いることができる。
【0017】
図9(d)において、従来の半導体素子200としての固体撮像素子は、被処理基板201の中央部の撮像領域の周囲にオプティカルブラック部が設けられており、このオプティカルブラック部に対応するように被処理基板201上に下地パターン202が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開昭61−55943号公報
【特許文献2】特開2009−246299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
上記特許文献1、2に開示されている従来の半導体素子の平坦化工程では、感光性材料をスピンオンして成膜した後に、フォトリソ技術により選択的に感光性材料を除去し、さらに、その上から平坦化用材料をスピンオンして成膜して平坦化する必要があり、平坦化工程が複雑であった。また、受光部上の平坦化膜の膜厚を、周囲の段差よりも薄くしたいという要求がある場合に、上記特許文献1、2に開示されている従来の半導体素子の平坦化工程では、実施するのが困難であった。
【0020】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、より簡易なプロセスでストリエーションの影響を低減しつつ凹部上の下地膜の膜厚を、平坦化を含め任意の膜厚に設定することができる半導体素子の製造方法、この半導体素子としての固体撮像素子の製造方法、この固体撮像素子を画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばカメラ付き携帯電話装置などの電子情報機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の半導体素子の製造方法は、被処理基板上の下地パターンによる表面段差と同程度以上の膜厚で感光性材料をスピンオンして感光性材料膜を成膜する感光性材料成膜工程と、成膜した感光性材料膜の膜厚の一部を、光透過率を変化させたマスクを用いたフォトリソ技術により除去して該感光性材料膜を所定の膜厚とするフォトリソ工程とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0022】
また、好ましくは、本発明の半導体素子の製造方法における表面段差と同程度以上の感光性材料膜の膜厚を、該表面段差の1.0倍よりも大きく該表面段差の1.8倍よりも小さい膜厚範囲内に設定する。
【0023】
さらに、好ましくは、本発明の半導体素子の製造方法におけるフォトリソ工程で用いるマスクは、前記感光性材料膜の膜厚の所定の一部が除去できるような光透過率を持ったグレイトーンマスクである。
【0024】
さらに、好ましくは、本発明の半導体素子の製造方法におけるフォトリソ工程で用いるマスクは、金属膜の膜厚を変化させた膜厚パターンにより光透過率を変化させている。
【0025】
さらに、好ましくは、本発明の半導体素子の製造方法における膜厚パターンは、前記下地パターン上の前記感光性材料膜の凸部上が平坦となり、該下地パターン間の凹部で、所定膜厚が得られるように該感光性材料膜の表面部が除去されるレイアウトとなっている。
【0026】
さらに、好ましくは、本発明の半導体素子の製造方法におけるフォトリソ工程で用いるマスクの光透過率は、前記感光性材料膜の感度特性から得られた設定値が用いられる。
【0027】
さらに、好ましくは、本発明の半導体素子の製造方法における感光性材料膜に対して熱処理を行って該感光性材料膜を熱硬化させる熱処理工程をさらに有する。
【0028】
さらに、好ましくは、本発明の半導体素子の製造方法における感光性材料膜は、感光性を持った有機材料膜である。
【0029】
さらに、好ましくは、本発明の半導体素子の製造方法におけるフォトリソ工程は、所定領域の感光性材料の膜厚を所定の膜厚に制御可能とする。
【0030】
さらに、好ましくは、本発明の半導体素子の製造方法における下地パターン上の感光性材料膜の膜厚の一部または全部を除去することにより、前記配線パターン上と配線スペース部の高低差を低減して平坦化する。
【0031】
さらに、好ましくは、本発明の半導体素子の製造方法において、半導体集積回路素子または固体撮像素子を製造する。
【0032】
本発明の半導体素子は、被処理基板上に下地パターンが設けられ、該下地パターンによる表面段差と同程度以上の膜厚の感光性材料膜から所定の膜厚に設定された半導体素子であって、光透過率を変化させたマスクを用いたフォトリソ技術により、該下地パターン上の該感光性材料膜の表面部が除去されて平坦化され、該下地パターン間の凹部で、所定の膜厚が得られるように該感光性材料膜の表面部が除去されているものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0033】
本発明の固体撮像素子の製造方法は、被処理基板上の下地パターンによる表面段差と同程度以上の膜厚で感光性材料をスピンオンして感光性材料膜を成膜する感光性材料成膜工程と、成膜した感光性材料膜の膜厚の一部を、光透過率を変化させたマスクを用いたフォトリソ技術により除去して該感光性材料膜を所定の膜厚とするフォトリソ工程とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0034】
また、好ましくは、本発明の固体撮像素子の製造方法における下地パターンは、被写体からの画像光を光電変換して撮像する複数の受光部がマトリクス状に配列された撮像領域の周辺部のオプティカルブラック部を構成している遮光膜である。
【0035】
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子の製造方法における感光性材料膜は、前記複数の受光部のそれぞれに対応して所定の色配列で配列されたカラーフィルタおよび、該複数の受光部のそれぞれに対応して配列された集光用のマイクロレンズをそれぞれ上層とする各下地膜かまたは、該カラーフィルタまたは該マイクロレンズを上層とする下地膜に用いる。
【0036】
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子の製造方法におけるカラーフィルタが各色によって膜厚が異なる場合に、該各色のカラーフィルタの表面が面一になるように、前記下地膜として用いる感光性材料膜に対して該各色毎にその膜厚を変えて段差を形成する。
【0037】
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子の製造方法における感光性材料膜は透明樹脂が主成分である。
【0038】
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子の製造方法におけるマイクロレンズから前記受光部への集光距離は前記感光性材料膜の膜厚により調整する。
【0039】
本発明の固体撮像素子は、被処理基板上に下地パターンが設けられ、被写体からの画像光を光電変換して撮像する複数の受光部がマトリクス状に配列された撮像領域の周辺部では、該下地パターン上の該感光性材料膜の表面部が除去されて平坦化され、該撮像領域では、所定膜厚が得られるように該感光性材料膜の表面部が除去されているものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0040】
また、好ましくは、本発明の固体撮像素子における感光性材料膜は、前記複数の受光部のそれぞれに対応して所定の色配列で配列されたカラーフィルタおよび、該複数の受光部のそれぞれに対応して配列された集光用のマイクロレンズをそれぞれ上層とする各下地膜かまたは、該カラーフィルタまたは該マイクロレンズを上層とする下地膜に用いられる。
【0041】
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子におけるカラーフィルタが各色によって膜厚が異なる場合に、色配列された複数のカラーフィルタの表面が面一になるように、前記下地膜として用いる感光性材料膜が各色毎にその膜厚を変えて該感光性材料膜の表面側に段差が形成されている。
【0042】
本発明の電子情報機器は、本発明の上記固体撮像素子を画像入力デバイスとして撮像部に用いたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0043】
上記構成により、以下、本発明の作用を説明する。
【0044】
本発明においては、被処理基板上の下地パターンによる表面段差と同程度以上の膜厚で感光性材料をスピンオンして感光性材料膜を成膜する感光性材料膜成膜工程と、この成膜した感光性材料膜の表面膜厚の一部を、光透過率を変化させたマスクを用いたフォトリソ技術により除去して感光性材料膜の所定膜厚を得るフォトリソ工程とを有している。
【0045】
表面段差と同程度以上の感光性材料膜の膜厚Tが表面段差の1.0倍よりも大きく表面段差の1.8倍よりも小さい膜厚範囲に設定することにより、ストリエーションが発生しにくい感光性材料膜の膜厚とすることが可能となる。
【0046】
これによって、被処理基板上の下地パターンによる表面段差と同程度以上の膜厚で感光性材料をスピンオンして感光性材料膜を成膜するので、その上に設けられる上層のストリエーションの影響を低減することが可能となる。光透過率が変化するグレイトーンマスクを用いたフォトリソ技術により、平坦化を含め感光性材料膜の膜厚を所望の膜厚に自在に設定することが可能となる。これによって、ストリエーションの上層への影響を低減しつつ、このグレイトーンマスクを用いたフォトリソ技術だけの簡易なプロセスで下地段差を容易に平坦化したり領域毎に段差を設けたりすることが可能となる。
【発明の効果】
【0047】
以上により、本発明によれば、光透過率が変化するグレイトーンマスクを用いたフォトリソ技術による簡易なプロセスで、ストリエーションの影響を低減しつつ凹部上の下地膜の膜厚を、平坦化を含め任意の膜厚に設定することができて、下地段差を容易に平坦化したり領域毎に段差を設けたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】(a)および(b)は、本発明の実施形態1における半導体素子の要部構成例を模式的に示す縦断面図である。
【図2】(a)〜(d)は、図1(a)および図1(b)の半導体素子の製造方法における平坦化工程を説明するための各工程を示す縦断面図である。
【図3】レジスト膜に露光する照射光エネルギー(光量)に対する残膜量との関係を示す特性曲線図である。
【図4】マスク透過率(Black Ratio)に対する残膜量との関係を示す特性曲線図である。
【図5】本発明の実施形態2における固体撮像素子の要部構成例を示す縦断面図である。
【図6】本発明の実施形態2における固体撮像素子の別の事例を示す縦断面図である。
【図7】本発明の実施形態3として、本発明の実施形態2の固体撮像素子のいずれかを撮像部に用いた電子情報機器の概略構成例を示すブロック図である。
【図8】(a)〜(e)は、特許文献1に開示されている従来の半導体素子の各製造工程を模式的に示す要部縦断面図である。
【図9】(a)〜(d)は、特許文献2に開示されている従来の半導体素子の各製造工程を模式的に示す要部縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下に、本発明の半導体素子およびその製造方法の実施形態1および、本発明の半導体素子としての固体撮像素子およびその製造方法の実施形態2、さらに、この固体撮像素子を画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばカメラ付き携帯電話装置などの電子情報機器の実施形態3について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図における構成部材のそれぞれの厚みや長さなどは図面作成上の観点から、図示する構成に限定されるものではない。
【0050】
(実施形態1)
図1(a)および図1(b)は、本発明の実施形態1における半導体素子の要部構成例を模式的に示す縦断面図である。
【0051】
図1(a)において、本実施形態1の半導体素子10は、IC素子、LSI素子およびロジック回路素子などの半導体集積回路素子や固体撮像素子などに用いられ、下地パターン2の段差(凹凸)が形成されている被処理基板1の表面またはその上方に、レジスト膜などの感光性材料膜3となる感光性材料が、この凹凸(段差)と同程度またはそれ以上の膜厚に成膜された後に、後述するグレートーンマスクを用いたフォトリソ工程により、選択的に所望の膜厚の平坦化膜として形成されている。感光性材料膜3は、感光性を持った有機材料膜である。
【0052】
この平坦化膜になる感光性材料膜3は、下地パターン2の凹凸と同程度またはそれ以上の膜厚に成膜するので、その表面のストリエーションの影響を低減すると共に、所定の膜厚になるように凸部をエッチング除去しているので、下地パターン2間の広い凹部上の平坦化膜の膜厚を任意の膜厚に設定できて、ストリエーションの影響を低減しつつ下地段差を平坦化することができる。しかも、感光性材料膜の形成後、凹凸パターンと相関のあるレジストパターンを形成し、続いて、下地パターン2上の感光性材料膜の凸部を露光により除去後、スピンオンシリカなどを用いて平坦化膜を別途形成する従来の平坦化膜形成方法に比べて、感光性材料膜3aの成膜後、フォトリソ工程だけで感光性材料膜3aの表面の膜厚の一部を削除して所定膜厚の平坦化膜として感光性材料膜3を形成する本実施形態1の平坦化膜形成方法の方が、より簡易なプロセスとなっている。
【0053】
図1(b)に示すように、感光性材料膜3Aは、下地パターン2の凹凸(段差)と同程度またはそれ以上の膜厚に成膜してストリエーションの影響を低減しつつ、さらに薄い膜厚になるように下地パターン2上の凸部および、下地パターン2間の凹部内の平坦部をフォトリソ技術を用いて除去して、下地パターン2間の広い凹部上の平坦化膜の膜厚をさらに薄い任意の膜厚に設定できて、ストリエーションの影響を低減しつつ下地段差を平坦化することができる。
【0054】
これによって、図1(a)に示す半導体素子10および図1(b)に示す半導体素子10Aが得られる。
【0055】
以下に、上記構成の半導体素子10または10Aの製造方法について図2(a)〜図2(d)を用いて詳細に説明する。
【0056】
図2(a)〜図2(d)は、図1(a)および図1(b)の半導体素子10の製造方法の平坦化工程を説明するための各工程を示す縦断面図である。
【0057】
まず、図2(a)に示すように、被処理基板1(半導体基板)上に設けられた下地パターン2の段差(凹凸)上に、図2(b)に示すように、被処理基板1の表面の凹凸と同程度以上の感光性材料膜3aの膜厚(ここでは1.5倍程度の膜厚)、即ち、ストリエーションができにくい膜厚で感光性材料膜3aをスピンオンにて成膜する。この場合、被処理基板1の凹凸と同程度以上の感光性材料膜3aの膜厚は、段差(凹凸)の1.0以下ではストリエーションが現れ、段差(凹凸)の1.8倍以上では削除する表面膜厚量が多くなって露光工程での工数が上がる。したがって、被処理基板1の段差(凹凸)と同程度以上の感光性材料膜3の膜厚Tは、好ましくは、段差(凹凸)の1.0<T<1.8の膜厚範囲に設定する。
【0058】
次に、フォトリソ技術を用いて、成膜した感光性材料膜3の表面膜厚の一部を除去して表面を平坦化する。このときに用いるマスク4は、グレイトーンマスクであって、感光性材料膜3の表面膜厚の一部が任意の量だけ除去できるような光透過率を持ったパターンが形成されている。即ち、マスク4は、金属膜の膜厚、例えばCr膜4aの膜厚を変化させることにより、微細パターンの密度を変化させるなどの既知の技術にて光透過率を変化させている。このときのマスク4の光透過率は、感光性材料膜3の感度特性から得られた設定値を用いる。マスク4のCr膜4aの膜厚パターンは、例えば周辺回路部では、下地パターン2の凸部上が平坦となり、例えば中央部の画素アレイ部では、必要膜厚が得られるように感光性材料膜3の表面部が除去されるレイアウトとなっている。即ち、例えば概略的に説明すると、露光領域の周辺部の入射光L1に対する透過光L2が「大」、露光領域の中央部の入射光L1に対する透過光L2が「小」、露光領域の周辺部と中央部の境界部分の入射光L1に対する透過光L2が「中」になるように設定されている。
【0059】
本実施形態1の半導体素子10が固体撮像素子の場合、露光領域中央部における画素アレイ部の膜厚は、集光が最適となるレンズ−基板間距離から決定される。この露光領域中央部において、被処理基板1の表面の段差(凹凸)と同程度以上の膜厚で感光性材料3をスピンオンにて成膜することにより、感光性材料膜3によるストリエーションが低減できる。また、本プロセスにて、段差(凹凸)は画素アレイ部のみ必要最小限とされていることから、この平坦化膜である感光性材料膜3上の次工程のカラーフィルタに影響するストリエーションを低減することができる。
【0060】
図3は照射光エネルギーに対する残膜量との関係を示す特性曲線図であり、図4は、マスク透過率(Black Ratio)に対する残膜量との関係を示す特性曲線図である。
【0061】
感光性材料膜3を任意の膜厚だけ除去して所望の膜厚を得るためには、図3および図4の感度特性(γ値)を示す特性曲線が緩やかであること(横に寝ていること)が望ましく、より精密な膜厚制御が可能となる。図3では、光量(照射エネルギ)に対する残膜量が決定される特性曲線であり、図4では、マスク4の光透過率の特性曲線である。マスク透過率設定材料の感度特性から、図4に示すように、所望の残膜量が得られるブラック・レイティオ(マスク光透過率;Black Ratio)を決定する。このときのブラック・レイティオ(マスク光透過率;Black Ratio)は、マスク4上のCr膜4aの膜厚を変化させる技術であって、Cr膜4aの膜厚パターンの微細パターン密度を変化させる技術を用いる。
【0062】
次に、図2(c)に示す露光工程後の現像工程で露光された膜厚分を洗い流して、図2(d)に示すように、マスク4の膜厚パターンの領域毎の光透過率に応じて、光量で残したい所望の感光性材料膜3の膜厚に設定することができる。この場合、半導体素子10が例えば固体撮像素子の場合、受光部上はレンズ−基板間距離を短くしたいという要望もあるため、その短くしたい部分(領域)を多く除去して薄い感光性材料膜3Aに設定できるように、マスク4によって中央部の撮像領域に光をより多く当てて、受光部上の平坦化膜に所望の膜厚が得られるようにすることができる。
【0063】
その後、熱処理工程を実施する。熱処理工程は、露光・現像された感光性材料膜3に対して熱処理を、摂氏200度の雰囲気で4分〜5分間行って、感光性材料膜3を熱硬化させる。
【0064】
したがって、本実施形態1の半導体素子10の製造方法は、被処理基板1上の下地パターン2による表面段差と同程度以上の膜厚で感光性材料をスピンオンして感光性材料膜3aを成膜する感光性材料膜成膜工程と、この成膜した感光性材料膜3aの表面膜厚の一部を、感光性材料膜3aの表面膜厚の所定の一部が除去できるような光透過率を持ったグレイトーンマスクを用いたフォトリソ技術により除去して感光性材料膜3の所定膜厚を得るフォトリソ工程と、感光性材料膜3に対して熱処理を行って感光性材料膜3を熱硬化させる熱処理工程とを有している。
【0065】
以上により、本実施形態1によれば、被処理基板1上の下地パターン2による表面段差と同程度以上の膜厚で感光性材料をスピンオンして感光性材料膜3aを成膜するため、その上に設けられる層のストリエーションの影響を低減することができる。光透過率が変化するグレイトーンマスク4を用いたフォトリソ技術により、平坦化膜である感光性材料膜3の膜厚を所望の膜厚に設定することができる。ストリエーションの上層への影響を低減しつつ、このグレイトーンマスク4を用いたフォトリソ技術だけの簡易なプロセスで下地段差を容易に平坦化することができる。
【0066】
なお、本実施形態1において、図2(a)に示すように、被処理基板1上に設けられた下地パターン2、半導体素子10が例えば固体撮像素子であれば、被写体からの画像光を光電変換して撮像する複数の受光部がマトリクス状に配列された撮像領域の周辺部のオプティカルブラック部を構成している遮光膜段差の凹凸上に、被処理基板1の表面の段差(凹凸)と同程度またはそれ以上(ここでは1.5倍程度の膜厚)の感光性材料3(レジスト膜)の膜厚、即ち、ストリエーションが発生しにくい厚い膜厚で感光性材料3をスピンコートにて成膜することができる。また、これらの半導体素子10または10Aは、固体撮像素子の他にも、IC素子、LSI素子およびロジック回路素子などの半導体集積回路素子に用いることができる。
【0067】
なお、本実施形態1では、特に説明しなかったが、フォトリソ工程は、所定領域の感光性材料膜3の膜厚を所定の膜厚に制御可能とする。このことについて、その一例を、次の実施形態2で詳細に説明する。
【0068】
(実施形態2)
上記実施形態1では、半導体素子10または10Aおよびその製造方法として、下地パターン2の段差(凹凸)が形成されている被処理基板1の表面またはその上方に、レジスト膜などの感光性材料膜3が、この凹凸(段差)と同程度またはそれ以上の膜厚に平坦化膜として形成する場合について説明したが、本実施形態2では、固体撮像素子20または20Aおよび、その製造方法として、平坦化膜を用いる場合の他、カラーフィルタが各色によって膜厚が異なるが、カラーフィルタの表面が平坦化するように、その下地膜に所望の段差を設ける場合について説明する。
【0069】
図5は、本発明の実施形態2における固体撮像素子の要部構成例を示す縦断面図である。
【0070】
図5において、本実施形態2の固体撮像素子20は、半導体基板21の表面側に、被写体からの画像光を光電変換して撮像する半導体素子で構成された複数の受光部22がマトリクス状に配設されている。各受光部22の上方に、各受光部22に対応して平坦化膜23を介して各カラーフィルタ24a,24bがそれぞれ設けられ、各カラーフィルタ24a,24bの上方に各受光部22に対応して、平坦化膜25を介して、入射光を各受光部22にそれぞれ集光する各マイクロレンズ26が設けられている。カラーフィルタ24a,24bはそれぞれR,G,Bの各色のいずれかである。
【0071】
この場合の平坦化膜23および25がそれぞれ、上記実施形態1のグレイスケールのマスク4を用いてフォトリソ工程(露光工程および現像工程)のみで平坦化した感光性材料膜3に対応している。
【0072】
図6は、本発明の実施形態2における固体撮像素子の別の事例を示す縦断面図である。
【0073】
図6において、本実施形態2の固体撮像素子20Aは、半導体基板21の表面側に、被写体からの画像光を光電変換して撮像する半導体素子で構成された複数の受光部22がマトリクス状に配設されている。各受光部22の上方に、各受光部22に対応した所望の色配列(ベイヤー配列)で、各カラーフィルタ24a,24bの厚さにそれぞれ応じた段差が設けられた透明膜23Aが形成されている。所望の色配列(ベイヤー配列)に対応して段差(異なる膜厚)が設けられた透明膜23A上に、厚さが異なる各カラーフィルタ24a,24bがその表面を面一にして形成されている。各カラーフィルタ24a,24bの上方に各受光部22に対応して、平坦化膜25Aを介して、入射光を各受光部22にそれぞれ集光する各マイクロレンズ26が設けられている。カラーフィルタ24a,24bはそれぞれR,G,Bの各色のいずれかである。所望の色配列(ベイヤー配列)に対応して段差(異なる膜厚)が設けられた透明膜23Aによって、各カラーフィルタ24a,24b上の平坦化膜25Aの膜厚を、平坦化膜25に比べて薄くすることができる。これによって、カラーフィルタ−受光部間距離を短縮することができて、混色を抑制できて、色再現性を改善することができる。カラーフィルタ−受光部間距離が短縮する分だけ、各受光部22における受光感度も向上させることができる。
【0074】
この場合の透明膜23Aは、上記実施形態1のグレイスケールのマスク4を用いてフォトリソ工程(露光工程および現像工程)のみで、各受光部22に対応した所望の色配列で、各カラーフィルタ24a,24bの膜厚とは逆の所望の膜厚(カラーフィルタ表面が面一になるようにカラーフィルタが厚い場合は透明膜23Aは薄くなる)に形成する場合の感光性材料膜3に対応している。
【0075】
要するに、下地パターン2の段差(凹凸)が形成されている被処理基板1の表面またはその上方に、レジスト膜などの感光性材料膜3が、この凹凸(段差)と同程度またはそれ以上の膜厚に透明膜23Aとして形成し、その透明膜23A上にカラーフィルタ24a,24bを形成する。この場合に、カラーフィルタ24a,24bが各色によって膜厚が異なるが、カラーフィルタ24a,24bの表面が平坦化するように、上記実施形態1のグレイスケールのマスク4を用いてその下地膜としての透明膜23Aに所望の段差を付けて所望の厚さにしている。
【0076】
以上により、本実施形態2によれば、色配列の色に応じてカラーフィルタ24a,24bの下地膜(透明膜23A)の厚さが変化するが、上記実施形態1のグレイスケールのマスク4を用いて、カラーフィルタの厚みに応じた段差、例えばカラーフィルタが厚い赤色カラーフィルタ24bに対応する位置は、下地膜(透明膜23A)の厚さを予め低く(薄く)しておくことができる。これによって、カラーフィルタ24a,24bの上面をフラットにすることができて、そのカラーフィルタ24a,24bの上の平坦化膜25Aをより薄くすることができて、混色を抑制でき、色再現性をも改善することができる。これによって、カラーフィルタ−受光部間距離が短縮する分だけ、各受光部22における受光感度も向上させることができる。
【0077】
(実施形態3)
図7は、本発明の実施形態3として、本発明の実施形態2の固体撮像素子20または20Aを撮像部に用いた電子情報機器の概略構成例を示すブロック図である。
【0078】
図7において、本実施形態3の電子情報機器90は、上記実施形態2の固体撮像素子20または20Aからの撮像信号に対して所定の信号処理を行ってカラー画像信号を得る固体撮像装置91と、この固体撮像装置91からのカラー画像信号を記録用に所定の信号処理した後にデータ記録可能とする記録メディアなどのメモリ部92と、この固体撮像装置91からのカラー画像信号を表示用に所定の信号処理した後に液晶表示画面などの表示画面上に表示可能とする液晶表示装置などの表示部93と、この固体撮像装置91からのカラー画像信号を通信用に所定の信号処理をした後に通信処理可能とする送受信装置などの通信部94と、この固体撮像装置91からのカラー画像信号を印刷用に所定の印刷信号処理をした後に印刷処理可能とするプリンタなどの画像出力部95とを有している。なお、この電子情報機器90として、これに限らず、固体撮像装置91の他に、メモリ部92と、表示部93と、通信部94と、プリンタなどの画像出力部95とのうちの少なくともいずれかを有していてもよい。
【0079】
この電子情報機器90としては、前述したように例えばデジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、監視カメラ、ドアホンカメラ、車載用後方監視カメラなどの車載用カメラおよびテレビジョン電話用カメラなどの画像入力カメラ、スキャナ装置、ファクシミリ装置、カメラ付き携帯電話装置および携帯端末装置(PDA)などの画像入力デバイスを有した電子機器が考えられる。
【0080】
したがって、本実施形態3によれば、この固体撮像装置91からのカラー画像信号に基づいて、これを表示画面上に良好に表示したり、これを紙面にて画像出力手段95により良好にプリントアウト(印刷)したり、これを通信データとして有線または無線にて良好に通信したり、これをメモリ部92に所定のデータ圧縮処理を行って良好に記憶したり、各種データ処理を良好に行うことができる。
【0081】
なお、本実施形態1、2では、特に詳細には説明していないが、被処理基板1上の下地パターン2による表面段差と同程度以上の膜厚で感光性材料膜3aをスピンオンして感光性材料膜を成膜する感光性材料成膜工程と、成膜した感光性材料膜3aの膜厚の一部を、光透過率を変化させたマスクを用いたフォトリソ技術により除去して感光性材料膜3aを所定膜厚の感光性材料膜3とするフォトリソ工程とを有することにより、より簡易なプロセスでストリエーションの影響を低減しつつ凹部上の平坦化膜(感光性材料膜3)または下地膜(透明膜23A)の各膜厚を、平坦化を含め任意の膜厚に設定することができる本発明の目的を達成することができる。
【0082】
以上のように、本発明の好ましい実施形態1〜3を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1〜3に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1〜3の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、IC素子、LSI素子およびロジック回路素子などの半導体集積回路素子や固体撮像素子などの半導体素子およびその製造方法、被写体からの画像光を光電変換して撮像する半導体素子で構成された固体撮像素子およびその製造方法、この固体撮像素子を画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばデジタルビデオカメラおよびデジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、画像入力カメラ、スキャナ、ファクシミリ、カメラ付き携帯電話装置などの電子情報機器の分野において、光透過率が変化するグレイトーンマスクを用いたフォトリソ技術による簡易なプロセスで、ストリエーションの影響を低減しつつ凹部上の下地膜の膜厚を、平坦化を含め任意の膜厚に設定することができて、下地段差を容易に平坦化したり領域毎に段差を設けたりすることができる。
【符号の説明】
【0084】
1 被処理基板(半導体基板)
2 下地パターン
3、3A 感光性材料膜(レジスト膜)
3a 感光性材料膜
4 マスク(グレイトーンマスク)
4a Cr膜
10、10A 半導体素子
20、20A 固体撮像素子
21 半導体基板
22 受光部(フォトダイオード)
23、25、25A 平坦化膜
23A 透明膜(下地)
24a、24b カラーフィルタ
26 マイクロレンズ
90 電子情報機器
91 固体撮像装置
92 メモリ部
93 表示部
94 通信部
95 画像出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理基板上の下地パターンによる表面段差と同程度以上の膜厚で感光性材料をスピンオンして感光性材料膜を成膜する感光性材料成膜工程と、
成膜した感光性材料膜の膜厚の一部を、光透過率を変化させたマスクを用いたフォトリソ技術により除去して該感光性材料膜を所定の膜厚とするフォトリソ工程とを有する半導体素子の製造方法。
【請求項2】
前記表面段差と同程度以上の感光性材料膜の膜厚を、該表面段差の1.0倍よりも大きく該表面段差の1.8倍よりも小さい膜厚範囲内に設定する請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項3】
前記フォトリソ工程で用いるマスクは、前記感光性材料膜の膜厚の所定の一部が除去できるような光透過率を持ったグレイトーンマスクである請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項4】
前記フォトリソ工程で用いるマスクは、金属膜の膜厚を変化させた膜厚パターンにより光透過率を変化させている請求項3に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項5】
前記膜厚パターンは、前記下地パターン上の前記感光性材料膜の凸部上が平坦となり、該下地パターン間の凹部で、所定膜厚が得られるように該感光性材料膜の表面部が除去されるレイアウトとなっている請求項4に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項6】
前記フォトリソ工程で用いるマスクの光透過率は、前記感光性材料膜の感度特性から得られた設定値が用いられる請求項3に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項7】
前記感光性材料膜に対して熱処理を行って該感光性材料膜を熱硬化させる熱処理工程をさらに有する請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項8】
前記感光性材料膜は、感光性を持った有機材料膜である請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項9】
前記フォトリソ工程は、所定領域の感光性材料の膜厚を所定の膜厚に制御可能とする請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項10】
前記下地パターン上の感光性材料膜の膜厚の一部または全部を除去することにより、前記配線パターン上と配線スペース部の高低差を低減して平坦化する請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項11】
半導体集積回路素子または固体撮像素子を製造する請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項12】
被処理基板上に下地パターンが設けられ、該下地パターンによる表面段差と同程度以上の膜厚の感光性材料膜から所定の膜厚に設定された半導体素子であって、光透過率を変化させたマスクを用いたフォトリソ技術により、該下地パターン上の該感光性材料膜の表面部が除去されて平坦化され、該下地パターン間の凹部で、所定の膜厚が得られるように該感光性材料膜の表面部が除去されている半導体素子。
【請求項13】
被処理基板上の下地パターンによる表面段差と同程度以上の膜厚で感光性材料をスピンオンして感光性材料膜を成膜する感光性材料成膜工程と、
成膜した感光性材料膜の膜厚の一部を、光透過率を変化させたマスクを用いたフォトリソ技術により除去して該感光性材料膜を所定の膜厚とするフォトリソ工程とを有する固体撮像素子の製造方法。
【請求項14】
前記下地パターンは、被写体からの画像光を光電変換して撮像する複数の受光部がマトリクス状に配列された撮像領域の周辺部のオプティカルブラック部を構成している遮光膜である請求項13に記載の固体撮像素子の製造方法。
【請求項15】
前記感光性材料膜は、前記複数の受光部のそれぞれに対応して所定の色配列で配列されたカラーフィルタおよび、該複数の受光部のそれぞれに対応して配列された集光用のマイクロレンズをそれぞれ上層とする各下地膜かまたは、該カラーフィルタまたは該マイクロレンズを上層とする下地膜に用いる請求項13に記載の固体撮像素子の製造方法。
【請求項16】
前記カラーフィルタが各色によって膜厚が異なる場合に、該各色のカラーフィルタの表面が面一になるように、前記下地膜として用いる感光性材料膜に対して該各色毎にその膜厚を変えて段差を形成する請求項15に記載の固体撮像素子の製造方法。
【請求項17】
前記感光性材料膜は透明樹脂が主成分である請求項13に記載の固体撮像素子の製造方法。
【請求項18】
前記マイクロレンズから前記受光部への集光距離は前記感光性材料膜の膜厚により調整する請求項15に記載の固体撮像素子の製造方法。
【請求項19】
被処理基板上に下地パターンが設けられ、被写体からの画像光を光電変換して撮像する複数の受光部がマトリクス状に配列された撮像領域の周辺部では、該下地パターン上の該感光性材料膜の表面部が除去されて平坦化され、該撮像領域では、所定膜厚が得られるように該感光性材料膜の表面部が除去されている固体撮像素子。
【請求項20】
前記感光性材料膜は、前記複数の受光部のそれぞれに対応して所定の色配列で配列されたカラーフィルタおよび、該複数の受光部のそれぞれに対応して配列された集光用のマイクロレンズをそれぞれ上層とする各下地膜かまたは、該カラーフィルタまたは該マイクロレンズを上層とする下地膜に用いられる請求項19に記載の固体撮像素子。
【請求項21】
前記カラーフィルタが各色によって膜厚が異なる場合に、色配列された複数のカラーフィルタの表面が面一になるように、前記下地膜として用いる感光性材料膜が各色毎にその膜厚を変えて該感光性材料膜の表面側に段差が形成されている請求項20に記載の固体撮像素子。
【請求項22】
請求項19〜21のいずれかに記載の固体撮像素子を画像入力デバイスとして撮像部に用いた電子情報機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−258844(P2011−258844A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133445(P2010−133445)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】