説明

半導体装置および半導体装置の製造方法

【課題】半導体装置の実装不良を抑制する。
【解決手段】BGA(半導体装置)1は、表面2aおよび表面2aに形成された電極パッド(ボンディングパッド)2cを有する半導体チップ2と、半導体チップ2の電極パッド2cと電気的に接続される半田ボール10と、を含んでいる。そして、半田ボール10は、複数のコアボール11、および複数のコアボール11を覆う半田材12を有する。これにより、BGA1を実装基板に実装する際に、コアボール11が、半田ボール10が変形し、沈み込むための阻害要因となることを抑制できるので、BGA1の実装不良を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造技術に関し、外部端子として、半田ボールを備える半導体装置に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2006−66865号公報(特許文献1)には、電子部品の外部端子である突起電極として、クリームハンダを介して、銅からなるボールをランド上に搭載することが記載されている。
【0003】
また、特開2004−342959号公報(特許文献2)には、半導体パッケージ(半導体装置)および半導体パッケージを実装する基板のそれぞれに、コア部材をはんだ部材で被覆したボール(銅コアボール、樹脂コアボール)を形成し、リフローにより、このボール同士を一体化させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−66865号公報
【特許文献2】特開2004−342959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体装置の外部端子として、ボール状に形成された半田材から成る半田ボールを使用する技術がある。また、外部端子である半田ボールとして、コアボールを有する半田ボールを使用する技術がある。コアボールを有する半田ボールは、いくつかの点で、コアボールを有しない半田ボールと比較して有利である。
【0006】
例えば、主に樹脂から成るコアボールを半田材で覆う半田ボールの場合、コアボールを、応力緩和部材として機能させることで、半田ボールに加わる応力を緩和することができる。これにより、半田ボールの電気的接続信頼性の向上、あるいは、製品寿命を長期化できる点で有利である。
【0007】
また、例えば、半田材よりも電気伝導率が高い金属材料、あるいは、半田材よりも熱伝達率が高い材料から成るコアボールを半田材で覆う半田ボールの場合、半田ボールの電気抵抗低減、電流密度の増加に伴うエレクトロマイグレーション対策、あるいは放熱性向上の点で有利である。
【0008】
そこで、本願発明者は、半導体装置の外部端子として、コアボールを半田材で覆う半田ボールを使用する技術について検討を行い、以下の課題を見出した。すなわち、半導体装置の実装不良が発生し易いことが判った。
【0009】
例えば、配線基板の実装面に複数の半田ボールを配置するBGA(Ball Grid Allay)型の半導体装置では、配線基板の反りなどに起因して、半田ボールの先端高さに、バラツキが生じる。コアボールを有しない半田ボールであれば、実装基板に形成された端子と半田ボールと、を接合するリフロー工程において、半田ボールが変形し、沈み込むことで、上記バラツキがあっても各半田ボールを接合することができる。
【0010】
ところが、前記特許文献1や前記特許文献2のように、半田ボールがそれぞれ1個のコアボールを有している場合、半田ボールに含まれるコアボールが、上記した沈み込みを阻害して、一部の半田ボールで接合不良が発生する。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、半導体装置の実装不良を抑制する技術を提供することにある。
【0012】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0014】
すなわち、本願発明の一態様である半導体装置は、表面、前記表面に形成されたボンディングパッド、および前記表面とは反対側の裏面を有する半導体チップと、前記半導体チップの前記ボンディングパッドと電気的に接続される半田ボールと、を含んでいる。そして、前記半田ボールは、複数のコアボール、および前記複数のコアボールを覆う半田材を有するものである。
【発明の効果】
【0015】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下の通りである。
【0016】
すなわち、本願発明の一態様によれば、半導体装置の実装不良を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態である半導体装置の表面側の内部構造を示す平面図である。
【図2】図1に示す半導体装置の裏面側の構造を示す平面図である。
【図3】図1のA−A線に沿った断面図である。
【図4】図3のB部の拡大断面図である。
【図5】図3に示す半導体装置を搭載する実装基板の複数の端子上にクリーム半田を配置した状態を示す拡大断面図である。
【図6】図5に示す実装基板上に図3に示す半導体装置を配置して、加熱処理を開始した状態を模式的に示す説明である。
【図7】図6に示すクリーム半田と半田ボールが一体化した状態を模式的に示す説明である。
【図8】本発明の一実施の形態である半導体装置の組み立てフローを示す説明図である。
【図9】図8に示す基板準備工程で準備する配線基板の全体構造を示す平面図である。
【図10】図9に示す配線基板上に半導体チップを搭載した状態を示す拡大平面図である。
【図11】図10のC−C線に沿った拡大断面図である。
【図12】図10に示す半導体チップと配線基板を、ワイヤボンディングにより電気的に接続した状態を示す拡大平面図である。
【図13】図11に示す半導体チップと配線基板を、ワイヤボンディングにより電気的に接続した状態を示す拡大断面図である。
【図14】図13に示す配線基板を成形金型でクランプし、キャビティ内に封止用樹脂を供給した状態を示す拡大断面図である。
【図15】図14に示す成形金型から封止樹脂が形成された配線基板を取り出した状態を示す平面図である。
【図16】図15のD−D線に沿った断面図である。
【図17】図16に示す配線基板の下面に、半導体装置の外部電極(外部接続端子)となる複数の半田ボールを形成(接合)した状態を示す拡大断面図である。
【図18】図16に示す配線基板の下面側に接合材を配置する工程を示す拡大断面図である。
【図19】図18に示すランド上にそれぞれ複数の半田ボールを配置した状態を示す拡大断面図である。
【図20】図19のE部の拡大断面図である。
【図21】図19に示すマスクを取り除いた後反転し、半田ボールに熱を加えた状態を示す拡大断面図である。
【図22】図17のF部の拡大断面図である。
【図23】図17に示す配線基板をダイシングブレードで切断した状態を示す拡大断面図である。
【図24】図8に示す検査工程に含まれる、電気的試験を模式的に示す説明図である。
【図25】図19の変形例である実施の形態のボールマウント工程(半田ボール配置工程)を示し、図18に示すランド上にそれぞれ複数の半田ボールを配置した状態を示す拡大断面図である。
【図26】図25のG部の拡大断面図である。
【図27】図25に示すマスクを取り除いた後反転し、半田ボールに熱を加えた状態を示す拡大断面図である。
【図28】図4に示すコアボールの変形例を示す拡大断面図である。
【図29】本発明の他の実施の形態ある半田ボールの内部構造を示す拡大断面図である。
【図30】図20に示す半田ボール配置工程の変形例を示す拡大断面図である。
【図31】図20に示す半田ボール配置工程の別の変形例を示す拡大断面図である。
【図32】図20に示す半田ボール配置工程の別の変形例を示す拡大断面図である。
【図33】本発明の他の実施の形態である半導体装置の全体構造を示す平面図である。
【図34】図33のH−H線に沿った拡大断面図である。
【図35】本発明の他の実施の形態である半導体装置の製造方法の組み立てフローを示す説明図である。
【図36】図35に示す半導体ウエハ準備工程で準備する半導体ウエハの主面側の平面を示す平面図である。
【図37】図36に示す半導体ウエハの一部の断面構造を示す拡大断面図である。
【図38】図37に示す半導体ウエハ上に再配線層を形成した状態を示す拡大断面図である。
【図39】図38に示す再配線層を形成する工程のうち、第1絶縁膜形成工程を示す拡大断面図である。
【図40】図38に示す再配線層を形成する工程のうち、シード層形成工程を示す拡大断面図である。
【図41】図38に示す再配線層を形成する工程のうち、第1レジスト膜形成工程を示す拡大断面図である。
【図42】図38に示す再配線層を形成する工程のうち、再配線形成工程を示す拡大断面図である。
【図43】図38に示す再配線層を形成する工程のうち、シード層除去工程を示す拡大断面図である。
【図44】図38に示す再配線層を形成する工程のうち、第2絶縁膜形成工程を示す拡大断面図である。
【図45】図38に示す半導体ウエハを研削する工程を示す拡大断面図である。
【図46】図45に示すランド部に半田ボールを接合した状態を示す拡大断面図である。
【図47】図34に示す半導体装置の変形例を示す拡大断面図である。
【図48】図47に示す再配線層を形成する工程のうち、第1レジスト膜形成工程を示す拡大断面図である。
【図49】図47に示す再配線層を形成する工程のうち、再配線形成工程を示す拡大断面図である。
【図50】図47に示す再配線層を形成する工程のうち、第2レジスト膜形成工程を示す拡大断面図である。
【図51】図47に示す再配線層を形成する工程のうち、ランド部形成工程を示す拡大断面図である。
【図52】図47に示す再配線層を形成する工程のうち、第2絶縁膜形成工程を示す拡大断面図である。
【図53】図34に示す半導体装置の変形例を示す拡大断面図である。
【図54】図6の比較例を示す説明図である。
【図55】図7の比較例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(本願における記載形式・基本的用語・用法の説明)
本願において、実施の態様の記載は、必要に応じて、便宜上複数のセクション等に分けて記載するが、特にそうでない旨明示した場合を除き、これらは相互に独立別個のものではなく、記載の前後を問わず、単一の例の各部分、一方が他方の一部詳細または一部または全部の変形例等である。また、原則として、同様の部分は繰り返しの説明を省略する。また、実施の態様における各構成要素は、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、必須のものではない。
【0019】
同様に実施の態様等の記載において、材料、組成等について、「AからなるX」等といっても、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、A以外の要素を含むものを排除するものではない。たとえば、成分についていえば、「Aを主要な成分として含むX」等の意味である。たとえば、「シリコン部材」等といっても、純粋なシリコンに限定されるものではなく、SiGe(シリコン・ゲルマニウム)合金やその他シリコンを主要な成分とする多元合金、その他の添加物等を含む部材も含むものであることはいうまでもない。また、金めっき、Cu層、ニッケル・めっき等といっても、そうでない旨、特に明示した場合を除き、純粋なものだけでなく、それぞれ金、Cu、ニッケル等を主要な成分とする部材を含むものとする。
【0020】
さらに、特定の数値、数量に言及したときも、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、その特定の数値を超える数値であってもよいし、その特定の数値未満の数値でもよい。
【0021】
また、実施の形態の各図中において、同一または同様の部分は同一または類似の記号または参照番号で示し、説明は原則として繰り返さない。
【0022】
また、添付図面においては、却って、煩雑になる場合または空隙との区別が明確である場合には、断面であってもハッチング等を省略する場合がある。これに関連して、説明等から明らかである場合等には、平面的に閉じた孔であっても、背景の輪郭線を省略する場合がある。更に、断面でなくとも、空隙でないことを明示するため、あるいは領域の境界を明示するために、ハッチングやドットパターンを付すことがある。
【0023】
(実施の形態1)
本実施の形態では、半導体装置の一例として、本発明者が具体的に検討した、配線基板の裏面(実装面)側に、複数の半田ボールが配置された、BGA型の半導体装置に適用した実施態様について説明する。
【0024】
<半導体装置の全体構造>
図1は本発明の一実施の形態である半導体装置の表面側の内部構造を示す平面図、図2は、図1に示す半導体装置の裏面側の構造を示す平面図、図3は図1のA−A線に沿った断面図である。なお、図1では、図3に示す封止樹脂6を取り除いた状態を示している。また、図1および図2では、見易さのため、半導体チップおよびインタポーザ基板の端子数を減らして示している。
【0025】
図1〜図3において、BGA1は、表面(主面、第1主面)2a、表面2aに形成された複数の電極パッド(ボンディングパッド、チップ電極)2c、および表面2aとは反対側の裏面(主面、第2主面)2bを有する半導体チップ2を有している。また、BGA1は、半導体チップ2の複数の電極パッド2cと電気的に接続される複数の半田ボール10を有している。
【0026】
本実施の形態における電極パッド2cと半田ボール10の電気的接続構造は、図3を用いて詳しく説明すると、以下である。BGA1は、上面(表面、チップ搭載面)3a、上面3aに形成された複数のボンディングリード3c、上面3aとは反対側の下面(裏面、実装面)3b、および下面3bに形成された複数のランド(バンプランド)3dを有するインタポーザ基板(配線基板)3を有している。複数のボンディングリード3cと複数のランド3dは、インタポーザ基板3が有する複数の配線3eを介して、それぞれ電気的に接続されている。各ランド3dには、BGA1の外部端子である半田ボール10がそれぞれ接合され、電気的に接続されている。また、BGA1は、半導体チップ2の複数の電極パッド2cとインタポーザ基板3の複数のボンディングリード3cを、それぞれ電気的に接続する複数のワイヤ(導電性部材)4を有している。つまり、複数の電極パッド2cと複数の半田ボール10は、複数のワイヤ4を介して、電気的に接続されている。
【0027】
次に、半導体チップ2について説明する。半導体チップ2の平面形状は、例えば図1に示すように四角形から成る。半導体チップ2の表面2aには、複数の電極パッド2cが形成されており、本実施の形態では、複数の電極パッド2cが表面2aの各辺に沿って形成されている。また、図示は省略するが、半導体チップ2の表面(詳しくは、半導体チップ2の基材(半導体基板)の上面に設けられた半導体素子形成領域)には、複数の半導体素子(回路素子)が形成されており、複数の電極パッド2cは、半導体チップ2の内部(詳しくは、表面2aと図示しない半導体素子形成領域の間)に配置される配線層に形成された配線(図示は省略)を介して、この半導体素子と電気的に接続されている。半導体チップ2(詳しくは、半導体チップ2の基材)は、例えばシリコン(Si)から成る。また、表面2aには、半導体チップ2の基材および配線を覆う絶縁膜が形成されており、複数の電極パッド2cのそれぞれの表面は、この絶縁膜に形成された開口部において、絶縁膜から露出している。また、この電極パッド2cは金属からなり、本実施の形態では、例えばアルミニウム(Al)からなる。さらに、この電極パッド2cの表面には、めっき膜が形成されており、本実施の形態では、例えばニッケル(Ni)膜を介して、金(Au)膜が形成された多層構造である。電極パッド2cの表面をニッケル膜で覆うことにより、電極パッド2cの腐食(汚染)を抑制することができる。
【0028】
次に、半導体チップ2が搭載されるインタポーザ基板3について説明する。図3に示すように、インタポーザ基板3は、例えば、エポキシ系の樹脂材料、あるいはガラス繊維または炭素繊維に樹脂を含浸させたプリプレグからなるコア層(コア絶縁層)3h、およびコア層の上面側および下面側に形成された配線層を有している。配線層の層数は、図3に示す二層構造には限定されず、配線層と絶縁層を繰り返し積層して多層構造とすることもできるが、本実施の形態では、簡単のため、コア層3hの上下にそれぞれ一層の配線層が形成された二層構造について説明する。上面3a側の配線層および下面3b側の配線層には、それぞれ複数の配線3eが形成されている。上面3a側の複数の配線3eは複数のボンディングリード3cに電気的に接続されている。下面3b側の複数の配線3eは、複数のランド3dと電気的に接続される。上面3a側の複数の配線3eと、下面3b側の複数の配線3eはコア層3hを貫通するように形成された層間導電路である複数の配線(ビア配線)3eを介して電的に接続されている。
【0029】
また、図1に示すように、インタポーザ基板3の上面3aは、平面形状が四角形からなる。インタポーザ基板3の上面3aに形成される、複数のボンディングリード3cは、半導体チップ2の周囲に、半導体チップ2の各辺に沿って配置されている。一方、図2に示すようにインタポーザ基板3の下面3bは、平面形状が四角形からなる。また、インタポーザ基板3の下面3bに形成される、複数のランド3dは、行列状(マトリクス状)に配置されている。そして、各ランド3dには、半田ボール10が接合されている。つまり、BGA1は、外部接続端子である半田ボール10(ランド3d)をインタポーザ基板3の下面3bに行列状に配置する、所謂、エリアアレイ型の半導体装置である。このようなエリアアレイ型の半導体装置は、配線基板の実装面側を、外部端子の配置スペースとして有効活用することができるので、外部端子数が増大しても半導体装置の実装面積の増大を抑制することが出来る点で好ましい。つまり、高機能化、高集積化に伴って、外部端子数が増大する半導体装置を省スペースで実装することができる。なお、図2では、96個の外部端子数の例を示しているが、端子数やレイアウトについてはこれに限定されない。半田ボール10の詳細な構造は後述する。
【0030】
また、図3に示すように、インタポーザ基板3は、上面3aに形成されたソルダレジスト膜(絶縁膜)3f、および下面3bに形成されたソルダレジスト膜(絶縁膜)3gを有している。ソルダレジスト膜3fは、コア層(コア絶縁層)3hの上面3a側および上面3aに形成された配線3eを覆うように形成され、ソルダレジスト膜3fに形成された開口部において、ボンディングリード3cが、ソルダレジスト膜3fから露出している。また、ソルダレジスト膜3gは、コア層(コア絶縁層)3hの下面3b側に形成された配線3eを覆うように形成され、ソルダレジスト膜3gに形成された複数の開口部において、ランド3dが、ソルダレジスト膜3gから露出している。
【0031】
次に、BGA1のその他の構造について説明する。図3に示すように、半導体チップ2は、インタポーザ基板3の上面3a上に、裏面2bと上面3aとを対向させた状態で、接着材(ダイボンド材)5を介して接着固定されている。すなわち、所謂フェイスアップ実装方式で搭載されている。そして、半導体チップ2の表面2aに形成された複数の電極パッド2cは、インタポーザ基板3の上面3aにおいて、半導体チップ2の周囲に配置された複数のボンディングリード3cと、複数のワイヤ(導電性部材)4を介してそれぞれ電気的に接続されている。ワイヤ4は、例えば、金(Au)、あるいは銅(Cu)から成り、ワイヤ4の一部(例えば一方の端部)が電極パッド2cに接合され、他部(例えば他方の端部)がボンディングリード3cのボンディング領域に接合されている。また、インタポーザ基板3の上面3a側には、封止体(封止樹脂)6が形成され、半導体チップ2、複数のワイヤ4、およびボンディングリード3cは、封止樹脂6に封止(樹脂封止)されている。封止樹脂6は、例えば、エポキシ系の樹脂にシリカなどのフィラを添加して成り、半導体チップ2の表面2aおよびワイヤ4を樹脂封止することによりこれらを保護している。
【0032】
なお、図1〜図3では、BGA型の半導体装置の例として、1個の半導体チップ2が、所謂フェイスアップ実装方式によりインタポーザ基板3に搭載された例を示しているが、半導体チップの数や実装方式はこれに限定されない。例えば、複数枚の半導体チップを積層、あるいは並べて配置することもできる。また例えば、半導体チップ2の表面2aをインタポーザ基板3の上面3aと対向させた状態で搭載する、所謂フェイスダウン実装(フリップチップ接続)方式により実装することもできる。この場合、半導体チップ2は、電極パッド2cの表面に形成された、例えば、金(Au)からなるバンプ電極(突起電極)を介して、インタポーザ基板3の上面3a(詳しくは、半導体チップ2の電極パッド2cと対向する領域)に形成された端子(ボンディングリード)と電気的に接続する。
【0033】
<半田ボール周辺の詳細構造>
次に、図3に示す半田ボール10周辺の構造について説明する。図4は、図3のB部の拡大断面図である。
【0034】
図4に示すように、本実施の形態のBGA1は、ソルダレジスト膜3gに形成された開口部3kにおいて、ソルダレジスト膜3gから、半田ボール10が接合されるランド3dの一部(露出部)が露出する、所謂、SMD(Solder Mask Defined)構造のランド3dを有している。なお、本実施の形態のランド3dの構造は、このSMD構造に限らず、半田ボール10が接合されるランド3dの表面と側面がソルダレジスト膜3gから露出する、所謂、NSMD(Non Solder Mask Defined)構造のランドであっても良い。また、ランド3dは、例えば銅(Cu)膜3d1から成り、その表面には、めっき膜3d2が積層されている。めっき膜3d2は、例えば、銅膜3d1膜の表面にニッケル(Ni)膜、金(Au)膜が順に積層されている。なお、本実施の形態のめっき膜3d2は、これに限らず、ニッケル(Ni)膜と金(Au)膜との間に白金(Pd)が配置されていても良い。詳しくは、めっき膜3d2は、銅膜3d1の露出部の表面に積層されている。開口部3kは、平面視において、円形に形成され、隣り合う開口部3k(ランド3d)の配置ピッチ(中心間距離)は、例えば、400μmである。また、開口部3kの開口径は、例えば、220μmとなっている。
【0035】
そして、このランド3dの露出部(詳しくは、めっき膜3d2の表面)に、例えば、直径が250μmである半田ボール10が接合されている。なお、半田ボール10の直径とは、以下のように定義する。すなわち、半田ボール10は、半田材12の表面張力により、略球形に形成されているが、厳密には、図4に示すように、ランド3d側の一部が、開口部3k内に埋め込まれるため、真球ではない。そこで、本願では、図4に示すように、インタポーザ基板3の下面3bに沿った方向の幅のうち、最も大きい幅を半田ボール10の直径W1と定義して説明する。
【0036】
半田ボール10は、それぞれ、複数のコアボール11およびコアボール11を覆う半田材12を有している。本実施の形態では、各半田ボール10には、それぞれ二個のコアボール11が内包されている。半田材12は、鉛(Pb)を実質的に含まない、所謂、鉛フリー半田からなり、例えば、錫(Sn)のみ、錫−ビスマス(Sn−Bi)、錫−銀(Sn−Ag)、錫−銅−銀(Sn−Cu−Ag)、または錫−銅−銀−ニッケル(Sn−Cu−Ag−Ni)などである。本実施の形態では、錫−銅−銀(Sn−Cu−Ag)からなる半田材12を用いている。ここで、鉛フリー半田とは、鉛(Pb)の含有量が0.1wt%以下のものを意味し、この含有量は、RoHs(Restriction of Hazardous Substances)指令の基準として定められている。
【0037】
また、複数のコアボール11は、樹脂から成るコア材11aと、コア材11aの表面に形成された金属膜11bからなる。コア材11aは、球形に形成され、その表面を覆うように、金属膜11bがコーティングされている。本実施の形態では、例えば、コア材11aの直径は、70μm〜80μm程度、コア材の周囲にコーティングされる金属膜11bの膜厚は10μm程度となっている。つまり、本実施の形態では、コアボール11のそれぞれの直径W2は、半田ボール10の半径(直径W1の半分)よりも小さく、例えば、90μm〜100μm程度となっている。
【0038】
コア材11aを構成する樹脂材料は、半田ボール内に配置するコア材として、市販されているものを適宜用いることができる。本実施の形態では、BGA1を実装基板(図示せず)に実装した後、例えば、温度サイクルにより、半田ボール10に印加される応力を緩和させる観点から、半田材12よりもヤング率の低い樹脂材料を用いている。これにより、実装後の半田ボール10の破壊耐性を向上させることができるので、半田ボール10の電気的接続信頼性を向上させることができる。あるいは、温度サイクル耐性を向上させることで、BGA1の製品寿命を長期化させることができる。
【0039】
また、コア材11aを覆う金属膜11bは、コアボール11と半田材12の密着性向上の観点、あるいは、樹脂から成るコア材11aにより半田ボール10の電気抵抗増加や放熱性低下を抑制する観点から形成している。本実施の形態では、金属膜11bは、主に銅(Cu)からなる。また、銅膜とコア材11aの密着性を向上させる観点から、銅膜とコア材11aの間に、銅膜よりも薄いニッケル膜を形成している。また、半田材12との接触界面で銅へ拡散することを抑制する観点から、銅膜の外側に、銅膜よりも薄いニッケル膜を形成している。つまり、本実施の形態の金属膜11bは、例えば、ニッケル膜、銅膜、ニッケル膜がコア材11aの表面を覆うように積層された積層膜である。
【0040】
<半導体装置の実装工程>
次に、本実施の形態のBGA1を実装基板に実装する工程について説明する。図5は、図3に示す半導体装置を搭載する実装基板の複数の端子上にクリーム半田を配置した状態を示す拡大断面図、図6は、図5に示す実装基板上に図3に示す半導体装置を配置して、加熱処理を開始した状態を模式的に示す説明である。また、図7は図6に示すクリーム半田と半田ボールが一体化した状態を模式的に示す説明である。また、図54は、図6の比較例を示す説明図、図55は図7の比較例を示す説明図である。
【0041】
図3に示すBGA1を実装する実装基板20(図5参照)は、図5に示すように、実装面20aに露出した複数の端子(ランド、実装基板端子)21を有している。この実装基板20上に、BGA1(図3参照)を実装する実装工程では、複数の半田ボール10(図3参照)と実装基板20の複数の端子21を接合することにより、それぞれ電気的に接続する。つまり、図3に示す半田ボール10は、実装基板の実装基板端子と接合するための実装用外部端子である。
【0042】
以下実装工程の概要について説明する。実装工程では、まず、半田ボール10(図3参照)と、図5に示す端子21を接合するための接合材として、クリーム半田22を複数の端子21上に配置する。クリーム半田22は、金属粒子(半田成分)およびフラックス成分を含むペーストであって、半田ボール10(図3参照)と端子21を接合するための接合材である。フラックスは、半田同士、あるいは半田と他の金属材料の接合特性を向上させる有機化合物である。例えば、接合すべき金属の酸化膜を除去し、金属表面の再酸化を防止する機能、あるいは半田の表面活性を向上させる機能を有し、半田の濡れ性(接合特性)を向上させることができる。なお、このような接合材としては、本実施の形態のように、半田成分とフラックス成分を含むクリーム半田22の他、半田成分を含まないフラックス材を用いることもできるが、本実施の形態では、クリーム半田を端子21上に配置して実装する、所謂、迎え半田実装方式について、説明する。クリーム半田22を複数の端子21のそれぞれに配置する方法としては、特に限定されず、例えば、スクリーン印刷法など、印刷方式により塗布する方法や、図示しないノズルからクリーム半田22を塗布するディスペンス方式、あるいは、転写治具などを用いて、クリーム半田22を端子21上に転写する転写方式などを用いることができる。
【0043】
次に、図6に示すように、実装基板20上にBGA1を配置した後、リフロー工程として、実装基板20およびBGA1に加熱処理を施す。本工程では、BGA1の複数の半田ボール10と、実装基板20の複数の端子21が、それぞれ対向するように配置する。クリーム半田22が加熱されると、フラックス成分が端子21の表面や半田ボール10の表面(フラックス成分と接触した領域)を活性化させる。また、クリーム半田22の半田成分および半田ボール10が溶融する程度まで加熱されると、図6に示すように、半田ボール10が変形して沈み込み、全ての半田ボール10とクリーム半田22が一体化して、半田材23(図7参照)となり、この半田材23を介して、BGA1のランド3d(図3参照)と、実装基板20の端子21が接合され、電気的に接続される。
【0044】
ここで、図54および図55に示す本実施の形態の比較例であるBGA100に上記した実装工程を適用した場合について説明する。図54および図55に示す比較例のBGA100と、図3に示す本実施の形態のBGA1との相違点は、半田ボール内に配置されるコアボールの数、および外形寸法であり、それ以外の点は同様である。図54および図55に示すBGA100では、各半田ボール101が、内部にそれぞれ一個のコアボール102を有している。コアボール102は、図4に示すコアボール11と同様に、コア材の周囲に銅膜などの金属膜が形成されている。ただし、コア材の直径は、図4に示すコア材11aよりも大きい。これは、BGA100を実装基板20に実装した後、例えば、温度サイクルにより、半田ボール101に印加される応力を緩和させるためである。例えば、図4に示す、本実施の形態の二個のコアボール11と同程度の応力緩和効果を得るためには、コアボール102(図54参照)の体積を大きくする必要があり、直径は、図4に示すコアボール11よりも20μm〜25μm程度、大きくなる。
【0045】
直径の大きなコアボール102を有するBGA100を用いた場合であっても、半田ボール101の頂点の位置が揃っていれば、各半田ボール101を端子21と接合することができる。ところが、図6や図54に示すように、本実施の形態のBGA1や比較例のBGA100のように、配線基板上に半導体チップを搭載するBGA型の半導体装置では、配線基板に反りが発生し易い。図3を用いて詳しく説明すると、BGA1は、金属材料や樹脂材料、あるいは半導体材料など、線膨張係数の異なる種々の部材により構成されている。特に、図3に示すインタポーザ基板3の線膨張係数は、半導体チップ2やこれを封止する封止樹脂6との線膨張係数の差が大きい。このため、BGA1を製造する各工程中での加熱処理により、BGA1に反りが生じ、下面3bの平坦性が低下する場合がある。この結果、複数の半田ボール10の頂点の位置にバラツキが生じ、コプラナリティ(取り付け面に対する端子の頂点の平坦度の均一性であって、取りつけ面から各端子の頂点までの距離の差で規定される)が低下する(差が大きくなる)。同様の理由から、図54に示すBGA100でもコプラナリティが低下する。
【0046】
このため、図54および図55に示すように、直径の大きなコアボール102を有するBGA100を実装基板20に実装する実装工程では、以下のような実装不良が発生する。すなわち、図54に示すように、実装基板20およびBGA100に加熱処理を施すリフロー工程において、コアボール102よりもクリーム半田22側に配置される半田材12の量が少ないので、フラックス成分により、活性化される半田材12の量が少なくなる。また、半田ボール101が変形して沈み込む際の沈み込み量は、直径が大きいコアボール102に阻害されるため、本実施の形態よりも小さくなる。この結果、図54に示すように、端子21までの距離が遠い半田ボール101(例えば、図54に示す両端の半田ボール101)は、クリーム半田22と接触しない、あるいは接触面積が極めて小さくなる。そして、半田ボール101とクリーム半田22が接触しなければ、半田ボール101を接合することができず、接合不良(電気的接続不良)となる。また、半田ボール101とクリーム半田22の接触面積が小さい場合、半田ボール101の表面を十分に活性化することができず、図55に示すように、半田ボール101とクリーム半田22の半田成分が一体化しない、濡れ不良の状態となる。このため、BGA100と実装基板20の電気的接続信頼性が低下することとなる。
【0047】
また、前記特許文献2のように、半導体装置および実装基板の双方に、一つのコアボールを有する半田ボールをそれぞれ接合し、各半田ボールを溶融させて接合する実装方法では、略球形の半田ボール同士を接触させる必要があるため、各半田ボールの表面を十分に活性化させることが困難となる。このため、各半田ボールの半田成分が一体化しない、濡れ不良の状態となる。このため、BGA100と実装基板20の電気的接続信頼性が低下することとなる。
【0048】
<半田ボールの好ましい実施態様>
次に、上記した課題を踏まえ、図4に示す本実施の形態のBGA1の構成により得られる代表的な効果、および好ましい実施態様について説明する。
【0049】
まず、BGA1は、樹脂から成るコア材11aを含むコアボール11を半田ボール10の内部に有している。このため、図7に示すように、実装基板20に実装した後で、半田材23に印加された応力を、応力緩和部材としてのコア材11aにより緩和することができる。
【0050】
また、BGA1は、半田ボール10の内部に、複数のコアボール11を有している。このため、半田ボール内に一個のコアボールを有する半導体装置と比較して、各コアボール11の直径W2を小さくしても、同等の応力緩和効果を得ることができる。そして、BGA1では、複数のコアボール11の直径W2を小さくすることができるので、図6に示すように、実装工程において、軟化した半田ボール10の沈み込み量を増加させることができる。このため、前記した接合不良や濡れ不良などの実装不良を抑制することができる。
【0051】
また、図4に示すように、各半田ボール10内に配置される複数のコアボール11のそれぞれの直径W2が揃っていることが好ましい。例えば、本実施の形態のように、半田ボール10内に二個のコアボール11が含まれている場合には、二個のコアボールの直径W2を同程度とすることが好ましい。二個のコアボール11の直径W2を同程度とすることで、前記した実装工程における沈み込み量を確実に増加させることができる。なお、複数のコアボール11のそれぞれの直径W2が揃っているとは、直径W2が同程度である事を指し、その許容誤差は、BGA1のコプラナリティとの関係で定義することができる。つまり、複数の半田ボールの頂点の位置が高さ方向にバラついている場合において、最も大きい高低差よりも、各コアボール11の直径W2の誤差が小さいことが好ましい。ただし、前記した実装工程における沈み込み量を確実に増加させ、かつ、応力緩和効果を最大限に引き出す観点からは、複数のコアボール11の直径W2が同じ長さであることが、より好ましい。
【0052】
また、複数のコアボール11のそれぞれの直径W2は、半田ボール10の半径よりも小さいことが好ましい。これにより、例えば、本実施の形態のように、半田ボール10内に二個のコアボール11が含まれている場合に、各コアボール11の表面全体を半田材12で被覆することができる。そして、各コアボール11の表面全体を半田材12で被覆することにより、コアボール11が半田材12から露出した場合に発生する不具合を抑制することができる。例えば、コアボール11の一部が、半田ボール10の頂点付近において露出した場合、上記した実装工程において、半田材12が十分に活性化されず、濡れ不良の原因となるが、これを抑制することができる。また、例えば、コアボール11の一部が露出すると、露出部の金属膜11bから表面酸化が進むが、これを抑制することができる。なお、本実施の形態の変形例として、例えば、各半田ボール10に三個のコアボール11を内包させることもできるが、この場合にはコアボール11の直径W2は、半田ボール10の直径W1の1/3よりも小さくすることが好ましい。
【0053】
また、半田ボール10内におけるコアボール11の配置は、図4に示すようにランド3d側に寄せて配置することが好ましい。言い換えれば、複数のコアボール11のそれぞれの中心は、半田ボール10の中心(直径W1の中心)よりもランド3d側に配置されていることが好ましい。これにより、上記した実装工程において、コアボール11よりもクリーム半田22(図6参照)側に配置される半田材12の量を増加させることができるので、沈み込み量を増加させることができる。また、コアボール11よりもクリーム半田22(図6参照)側に配置される半田材12の量を増加させることで、クリーム半田22のフラックス成分と接触する半田材12が増えるので、濡れ性を向上させることができる。なお、半田ボール10内において、ランド3d側に寄せてコアボール11を配置する方法は、後述する。
【0054】
また、各半田ボール10におけるコア材11aの量を制御する観点から、複数の半田ボール10のそれぞれは、同数のコアボール11を含んでいることが好ましい。各半田ボール10におけるコア材11aの量を制御することで、実装後の半田材23(図7参照)に印加される応力をそれぞれ確実に緩和することができる。なお、各半田ボール10に含まれるコアボール11の数を同数とする方法は、後述する。
【0055】
なお、本実施の形態では、各半田ボール10内に二個のコアボール11が含まれている例を説明したが、コアボール11の数はこれより多くても良い。ただし、コアボール11の数を多くすると、各コアボール11の直径W2が小さくなるため、応力緩和効果が小さくなる。したがって、各半田ボール10内に配置するコアボール11の数は、二個または三個が特に好ましい。
【0056】
また、本実施の形態では、全ての半田ボール10がコアボール11を有している例を説明したが、インタポーザ基板3の下面3bに配置された複数のランド3dのうち、角部、あるいは最外周のランドに接合する半田ボールにのみ、コアボール11を有する半田ボール10を採用しても良い。これにより、実装ストレスが特に加わりやすいインタポーザ基板3の下面3bにおける角部、あるいは最外周の応力緩和効果を実現しながら、電気的特性も向上することができる。
【0057】
<半導体装置の製造工程>
次に、図1〜図4に示すBGA1の製造工程について、説明する。本実施の形態におけるBGA1は、図8に示す組立てフローに沿って製造される。図8は、本実施の形態の半導体装置の組み立てフローを示す説明図である。各工程の詳細については、図9〜図24を用いて、以下に説明する。
【0058】
1.基板準備工程
まず、図8に示す基板準備工程(S1)として、図9に示すような配線基板25を準備する。図9は、図8に示す基板準備工程で準備する配線基板の全体構造を示す平面図である。
【0059】
図9に示すように、本工程で準備する配線基板25は、枠部(枠体)25bの内側に複数のデバイス領域25aを備えている。詳しくは、複数のデバイス領域25aが行列状に配置されている。デバイス領域25aの数は、図9に示す態様に限定されないが、本実施の形態の配線基板25は、例えば、行列状(図9では2行×8列)に配置された16個のデバイス領域25aを備えている。つまり、配線基板25は、複数のデバイス領域25aを有する、所謂、多数個取り基板である。
【0060】
各デバイス領域25aは、図1に示すインタポーザ基板3に相当する。各デバイス領域25aは、図3に示す上面(表面、チップ搭載面)3a、上面3aに形成された複数のボンディングリード3c、上面3aとは反対側の下面(裏面、実装面)3b、および下面3bに形成された複数のランド(バンプランド)3dを有している。複数のボンディングリード3cと複数のランド3dは、インタポーザ基板3が有する複数の配線3eを介して、それぞれ電気的に接続されている。また、インタポーザ基板3は、上面3aに形成されたソルダレジスト膜(絶縁膜)3f、および下面3bに形成されたソルダレジスト膜(絶縁膜)3gを有している。ソルダレジスト膜3fは、コア層(コア絶縁層)3hの上面3a側および上面3aに形成された配線3eを覆うように形成され、ソルダレジスト膜3fに形成された開口部において、ボンディングリード3cが、ソルダレジスト膜3fから露出している。また、ソルダレジスト膜3gは、コア層(コア絶縁層)3hの下面3b側に形成された配線3eを覆うように形成され、ソルダレジスト膜3gに形成された複数の開口部において、ランド3dが、ソルダレジスト膜3gから露出している。
【0061】
また、各デバイス領域25aの周囲には、図8に示す個片化工程(S7)で配線基板25を切断する予定領域であるダイシング領域(ダイシングライン)が配置されている。図9に示すように、ダイシング領域25cは、隣り合うデバイス領域25aの間、および枠部25bとデバイス領域25aの間、に各デバイス領域25aを取り囲むように配置されている。
【0062】
2.半導体チップ準備工程
また、図8に示す半導体チップ準備工程(S2)として、図1に示す半導体チップ2を準備する。本工程では、例えば、シリコンからなる半導体ウエハ(図示は省略)の主面側に、複数の半導体素子やこれに電気的に接続される配線層からなる半導体ウエハを準備する。その後、半導体ウエハのダイシングラインに沿って、ダイシングブレードを走らせて(図示は省略)半導体ウエハを切断し、図1に示す半導体チップ2を複数個取得する。
【0063】
3.ダイボンディング工程
次に、図8に示すダイボンディング工程(S3)について説明する。図10は、図9に示す配線基板上に半導体チップを搭載した状態を示す拡大平面図、図11は図10のC−C線に沿った拡大断面図である。
【0064】
本工程では、半導体チップ2を配線基板25の各デバイス領域25aの上面3aに配置されたチップ搭載領域上に搭載(接着)する。図11に示すように、本実施の形態では、半導体チップ2の裏面2bが、配線基板25の上面3aと対向するように、接着材(ダイボンド材)5を介して配線基板25上に搭載する(フェイスアップ実装)。本実施の形態では、例えば、両面に接着層を備えるテープ材(フィルム材)である接着材5を、予め半導体チップ2の裏面2bに貼り付けておき、テープ材を介して半導体チップ2を接着する。その後、例えば、接着材5に含まれる熱硬化性樹脂成分を熱硬化させてしっかりと固定する。なお、接着材5は、テープ材には限定されず、例えば、エポキシ系の熱硬化性樹脂であるペースト状の接着材5を介して半導体チップ2を搭載し、これを熱硬化させて接着することもできる。
【0065】
4.ワイヤボンディング工程
次に、図8に示すワイヤボンディング工程(S4)について説明する。図12は、図10に示す半導体チップと配線基板を、ワイヤボンディングにより電気的に接続した状態を示す拡大平面図、図13は、図11に示す半導体チップと配線基板を、ワイヤボンディングにより電気的に接続した状態を示す拡大断面図である。
【0066】
本工程では、図12および図13に示すように、配線基板25と半導体チップ2とを、複数のワイヤ(導電性部材)4を介してそれぞれ電気的に接続する。詳しくは、半導体チップ2の表面2aに形成された複数の電極パッド2cと、配線基板25の上面3a側に形成され、ソルダレジスト膜3fから露出する複数のボンディングリード3cを、複数のワイヤ4を介してそれぞれ電気的に接続する。本実施の形態では、半導体チップ2の電極パッド2cを第1ボンド側、配線基板25のボンディングリード3cを第2ボンド側とする、所謂、正ボンディング方式によりワイヤボンディングを行い、電極パッド2cとボンディングリード3cを電気的に接続する。また、本実施の形態では、キャピラリ(図示は省略)を介してワイヤ4を供給し、超音波と熱圧着を併用してワイヤ4を接合する、所謂、ネイルヘッドボンディング方式によりワイヤ4を接続している。
【0067】
なお、配線基板25と半導体チップ2を電気的に接続する導電性部材は、ワイヤ4には限定されない。例えば、板状の金属部材を用いることができる。また、例えば、半導体チップ2の表面2a側を配線基板25の上面3aと対向させて搭載する、所謂フェイスダウン実装方式(フリップチップ接続方式)を用いる場合には、導電性部材として例えば金(Au)から成る、突起電極(バンプ電極)を用いることができる。
【0068】
5.封止工程
次に、図8に示す封止工程(S5)について説明する。本実施の形態では、封止工程の一例として、複数の製品形成領域を成形金型の一つのキャビティで一括して覆って樹脂封止する、所謂MAP(Mold Allay Process)と呼ばれる製造方法について説明する。図14は、図13に示す配線基板を成形金型でクランプし、キャビティ内に封止用樹脂を供給した状態を示す拡大断面図である。また、図15は、図14に示す成形金型から封止樹脂が形成された配線基板を取り出した状態を示す平面図、図16は、図15のD−D線に沿った断面図である。
【0069】
本工程では、まず、図14に示す成形金型30を準備する(金型準備工程)。成形金型30は、下面(金型面)31a、および下面31aに形成されたキャビティ(凹部、窪み部)31bを有する上金型(金型)31と、この上金型31の下面(金型面)31aと対向する上面(金型面)32aを有する下金型(金型)32とを備えている。次に、成形金型30の下金型32上に配線基板25を配置する(基板配置工程)。ここで、本実施の形態では、図14に示すように、一つのキャビティ31b内に複数のデバイス領域25aが配置されている。次に、上金型31と下金型32の距離を近づけて、配線基板25を上金型31と下金型32でクランプする(クランプ工程)。これにより、キャビティ31bの周囲のクランプ領域では、上金型31(上金型31の下面31a)と、配線基板25の上面3aが密着する。また、下金型32(下金型32の上面32a)と、配線基板25の下面3bが密着する。なお、クランプ工程での密着性を向上させるため、上金型31の下面31a側に、例えば、ポリイミド樹脂などの柔らかい樹脂から成るフィルムを貼り付けて、該フィルムを介して密着させることもできる。この場合、後述する基板取り出し工程で、フィルムと封止樹脂6を容易に剥離することができる。
【0070】
次に、キャビティ31b内に封止用樹脂6aを供給し、これを硬化させることにより封止樹脂(封止体)6を形成する(封止体形成工程)。本工程では、成形金型30のポット部(図示は省略)に配置された樹脂タブレット(図示は省略)を加熱軟化させて、ゲート部(図示は省略)からキャビティ31b内に封止用樹脂6aを供給する、トランスファモールド方式により形成する。本工程により、配線基板25の上面3a側に搭載された半導体チップ2および複数のワイヤ4は、封止用樹脂6aで封止される。またこの時、配線基板25のボンディングリード3cも封止される。その後、キャビティ31b内を加熱することにより、封止用樹脂6aを加熱硬化(仮硬化)させて、封止樹脂6を形成する。
【0071】
次に、前記した封止体形成工程で用いた成形金型30から、図15および図16に示すように、封止樹脂6が形成された配線基板25を取り出す(基板取り出し工程)。本工程では、上金型31と下金型32を引き離して、配線基板25を取り出す。次に、図15および図16に示す配線基板25をベーク炉(図示は省略)に搬送し、再び配線基板25を熱処理する。成形金型30内で加熱された封止用樹脂6aは、樹脂中の硬化成分の半分以上(例えば約70%程度)が硬化する、所謂、仮硬化と呼ばれる状態となる。この仮硬化の状態では、樹脂中の全ての硬化成分が硬化している訳ではないが、半分以上の硬化成分が硬化しており、この時点で半導体チップ2やワイヤ4は封止されている。しかし、封止樹脂6の強度の安定性などの観点からは全ての硬化成分を完全に硬化させることが好ましいので、ベーク工程で、仮硬化した封止樹脂6を再度加熱する、所謂、本硬化を行う。このように、封止用樹脂6aを硬化させる工程を2回に分けることにより、次に成形金型30に搬送される次の配線基板25に対して、いち早く封止工程を施すことができる。このため、製造効率を向上させることができる。
【0072】
上記の封止工程を施すことで、図15に示すように、複数のデバイス領域25aを封止する一括封止体6bが形成される。
【0073】
6.ボールマウント工程
次に、図8に示すボールマウント工程(S6)について説明する。図17は、図16に示す配線基板の下面に、半導体装置の外部電極(外部接続端子)となる複数の半田ボールを形成(接合)した状態を示す拡大断面図である。以下、図17に示す複数の半田ボール10を形成する工程について、詳細に説明する。
【0074】
このボールマウント工程では、まず、図18に示すように、配線基板25の下面3bに形成された複数のランド3dの表面(露出面)上に、接合材であるフラックス材35を配置する(接合材配置工程)。図18は、図16に示す配線基板の下面側に接合材を配置する工程を示す拡大断面図である。この時、配線基板25の下面3bを上方に向けた状態でフラックス材35を配置する。言い換えれば、フラックス材35は、上方から配線基板25の複数のランド3d上に配置される。接合材としては、図18に示すフラックス材35の他、前記した半導体装置の実装工程で説明したように、クリーム半田を用いることもできる。ただし、接合材として、半田成分を含むクリーム半田を用いた場合、クリーム半田の塗布量のバラツキにより、図17に示す半田ボール10の大きさにバラツキが生じる場合がある。このため、半田ボール10の大きさを揃える観点からは、フラックス材35を用いることが好ましい。また、接合材を配置する方式は、前記した半導体装置の実装工程で説明したように、印刷方式や転写方式を用いることができるが、図18では、スクリーン印刷方式で塗布(配置)する例を示している。すなわち、配線基板25の下面3b上に、スクリーンマスク36を配置する。スクリーンマスク36には、配線基板25の複数のランド3dと対向する位置にそれぞれ貫通孔36aが形成されている。そして、スクリーンマスク36の裏面(配線基板25の下面3bと対向する表面の反対側の面)側から、スキージ37を用いて、ペースト状の接合材であるフラックス材35を複数の貫通孔36a内に埋め込んで配置する。続いて、スクリーンマスク36を取り除けば、配線基板25の下面3bに形成された複数のランド3dの表面(露出面)上に、接合材であるフラックス材35をそれぞれ配置することができる。
【0075】
次に、図19および図20に示すように、複数のランド3d上に、それぞれフラックス材35を介して、複数の半田ボール15を配置する(半田ボール配置工程)。図19は、図18に示すランド上にそれぞれ複数の半田ボールを配置した状態を示す拡大断面図、図20は、図19のE部の拡大断面図である。本実施の形態では、図19に示すように各ランド3d上に、それぞれ二つの半田ボール15を配置する。この複数の半田ボール15のそれぞれは、一つのコアボール11、およびコアボール11を覆う半田材16を有している。そして、この複数の半田ボール15が後述するリフロー工程で溶融し、半田材16が一体化することで、図4に示す半田ボール10が形成される。
【0076】
ここで、半田ボール15を配置する方法は、例えば以下のように行う。まず、図19および図20に示すマスク(半田ボール配置用マスク)40を準備して、配線基板25の下面3b上に配置する。マスク40には、配線基板25の下面3bに形成された複数のランド3d上に、それぞれ複数の貫通孔40aが形成されている。貫通孔40aの開口径は、半田ボール15の直径よりもわずかに大きく、例えば、本実施の形態では、半田ボール15の直径が150μmであるに対し、貫通孔40aの開口径は、151μm〜160μm程度である。そして、このマスク40の複数の貫通孔40a内に、半田ボール15を一つずつ投入することで、配置することができる。この時、配線基板25の下面3bを上方に向けた状態で半田ボール15を配置する。言い換えれば、複数の半田ボール15は、上方から配線基板25の複数のランド3d上(フラックス材35上)に配置される。このため、貫通孔40a内に配置された半田ボール15は、それぞれペースト状のフラックス材35と密着して固定される。詳しくは、半田ボール15とフラックス材35が密着することで、フラックス材35に含まれる粘着成分により各フラックス材35のそれぞれに、複数の半田ボール15が固定される。また、図20に示すように、各半田ボール15の一部が、フラックス材35に食い込むように密着させることで、しっかりと固定することができる。このため、押し付け治具(図示は省略)などで、貫通孔40a内に配置された複数の半田ボール15を、フラックス材35に向かって押し付けることが好ましい。
【0077】
また、前記したように、図4に示す複数の半田ボール10内のコアボール11の数を同数とする観点からは、この半田ボール配置工程において、マスク40の貫通孔40a内に確実に一つずつ半田ボール15を配置することが好ましい。そこで、図20に示すように半田ボール15の直径が、貫通孔40aの開口径の半径よりも大きく、かつ、貫通孔40aの開口径の直径よりも小さい範囲で揃えると、一つの貫通孔40a内に複数の半田ボール15が配置されることを抑制することができる点で好ましい。また、図20に示すように、貫通孔40aの深さを、半田ボール15が貫通孔40a内に位置する、言い換えると、半田ボール15の一部がマスク40の裏面(配線基板25の下面3bと対向する表面の反対側の面)から突出しないようにすると、一つの貫通孔40a内に複数の半田ボール15が配置されることを抑制することができる点で好ましい。例えば、一つの貫通孔40a内に複数の半田ボール15が配置された場合、余分な半田ボール15は、少なくとも一部がマスク40の裏面から突出することとなる。この時、半田ボール15を配置した後、ブラシ(図示は省略)などの擦り付け治具をマスク40の裏面(配線基板25の下面3bと対向する表面の反対側の面)側に擦り付けることで、不要な半田ボール15(マスク40の裏面から突出した半田ボール15)を取り除くことができる点で好ましい。また、半田ボール15を配置した後、ブラシ(図示は省略)などの擦り付け治具をマスク40の裏面側に擦り付けることは、図20に示すように、各半田ボール15の一部が、フラックス材35に食い込むように密着させる観点からも好ましい。
【0078】
また、次に説明するリフロー工程において、図20に示す半田ボール15の半田材16とランド3dを確実に接合する観点から、複数の半田ボール15それぞれの中心が、平面視において、ランド3dが露出する開口部3k内に位置するように配置することが好ましい。本実施の形態では、例えば、開口部3kの開口径は、例えば、220μmとなっており、各開口部3k内に二つの半田ボール15の中心を収めるためには、半田ボール15の直径は、220μm未満とすることが好ましい。ただし、本実施の形態では、前記したように、マスク40に半田ボール15をそれぞれ一つ配置する貫通孔40aを形成しているため、隣り合う半田ボール15の間にスペースが必要である。このため、本実施の形態では、隣り合う半田ボール15の間のスペース、および半田ボール15の加工精度上の誤差を考慮しても、確実に開口部3k内に収める観点から半田ボール15の直径を150μm程度としている。
【0079】
なお、本実施の形態のように、接合材としてフラックス材35を用いた場合は、上記のように複数の半田ボール15それぞれの中心が、ランド3dが露出する開口部3k内に位置するように配置することが好ましい。しかし、前記した半導体装置の実装工程で説明したように、接合材として半田成分とフラックス成分を含むクリーム半田を用いた場合には、複数の半田ボール15それぞれの中心が、ランド3dが露出する開口部3kの外側に位置するように配置することもできる。クリーム半田に含まれる半田成分と、半田ボール15に含まれる半田材16の表面張力により、コアボール11が開口部3kの中心に向かって強く引き寄せられるからである。したがって、この場合には、半田ボール15の直径をさらに大きくすることもできる。
【0080】
次に、図19および図20に示すマスクを取り除いた後、図21に示すように配線基板25の上下を反転させて、複数の半田ボール15に熱を加える(リフロー工程)。図21は、図19に示すマスクを取り除いた後反転し、半田ボールに熱を加えた状態を示す拡大断面図である。また、図22は、図17のF部の拡大断面図である。本工程では、例えば、複数の半田ボール15がフラックス材35に固定された配線基板25をリフロー炉(図示は省略)内に配置して、リフロー炉内を例えば、260℃程度まで加熱する。フラックス材35に含まれるフラックス成分により、図20に示す半田ボール15の半田材16の表面、およびランド3dの表面が十分に活性化されると、複数の半田ボール15がそれぞれ有する半田材16が一体化して、ランド3dに接合される。つまり、図17および図22に示す半田ボール10が形成される。半田ボール15(図20参照)がそれぞれ有していたコアボール11は、図22に示すように半田材12に被覆され、半田ボール10内に内包される。
【0081】
ここで、本実施の形態では、図21に示すように、複数のランド3dが形成された配線基板25の下面3bを下方に向けて半田ボール15を加熱し、一体化させる。言い換えれば、複数の半田ボール15が、複数のランド3dよりも下方に配置された状態で複数の半田ボール15を一体化させる。このように配線基板25の下面3bを下方に向けてリフロー処理を行うことで、図22に示すように、半田ボール10内において、複数のコアボール11を、ランド3d側に寄せて配置することができる。つまり、複数のコアボール11のそれぞれの中心は、半田ボール10の中心よりもランド3d側に配置することができる。
【0082】
この理由について以下に詳しく説明する。リフロー工程において図21に示す半田ボール15を加熱すると、半田ボール15に含まれる半田材16(図20参照)が軟化、あるいは溶融する。この時、フラックス材35に含まれるフラックス成分は溶融し、半田材16の表面およびランド3dの表面を活性化させるが、フラックス材35に含まれる粘着成分により、半田ボール15は保持され、下方に落下することを防止できる。そして、半田材16の表面およびランド3dの表面が十分に活性化され、半田材16の流動性が増加すると、半田材16が一体化して図22に示すようにランド3dに接合された半田材12となる。本実施の形態では、図20に示すように、複数の半田ボール15それぞれの中心が、ランド3dが露出する開口部3k内に位置するように配置しているので、半田材16とランド3dの距離を近づけることができる。このため、半田ボール15の半田材16とランド3dを確実に接合することができる。
【0083】
また、加熱された半田材12は、加熱前の半田材16よりも高い流動性を有しており、半田材12の表面張力により、図22に示すように略球形に変形する。そして、半田材12内部の複数のコアボール11は、半田材12内で移動する。ここで、コアボール11に含まれるコア材11aは、樹脂からなり、半田材12よりも比重が小さいだけでなく、溶融した半田の対流の影響を受けるため、複数のコアボール11は、それぞれ半田材12内において、上方に向かって移動する。この結果、半田ボール10内において、複数のコアボール11を、ランド3d側に寄せて配置することができる。また、半田材12の表面張力により、複数のコアボール11は、ランド3dの中心に向かって押し込まれる。この結果、コアボール11の表面は半田材12から露出せず、半田材12で覆われることとなる。なお、図20に示す接合材として、半田成分とフラックス成分を含む、クリーム半田を用いた場合にも、同様に、半田ボール10内において、複数のコアボール11を、ランド3d側に寄せて配置することができる。
【0084】
このように、本実施の形態によれば、図20に示すように、複数のランド3d上に、それぞれ複数の貫通孔40aが形成されたマスク40を配置して、複数の貫通孔40aのそれぞれに、半田ボール15を一つずつ配置することで、図22に示す各半田ボール10に含まれるコアボール11の数を同数とすることができる。
【0085】
また、本実施の形態によれば、配線基板25の下面3bを下方に向けてリフロー処理を行うことで、図22に示すように、半田ボール10内において、複数のコアボール11を、ランド3d側に寄せて配置することができる。
【0086】
次に、図22に示すように複数のランド3dに半田ボール10がそれぞれ形成された配線基板25を洗浄する(洗浄工程)。本工程では、配線基板25に付着したフラックス材35(図20参照)の残渣(フラックス残渣)などを取り除く。洗浄方法としては、例えば、加圧したフラックス洗浄液(液体)を配線基板25に向かって吹きつける高圧洗浄方式を採用することができる。
【0087】
7.個片化工程
次に、図8に示す個片化工程(S7)について説明する。図23は、図17に示す配線基板をダイシングブレードで切断した状態を示す拡大断面図である。
【0088】
本工程では、図23に示すように、ダイシングブレード(回転刃)41をダイシング領域(ダイシングライン)25cに沿って走らせて、配線基板25、および一括封止体6bを切断(分割)し、デバイス領域25a毎に個片化する。これにより、複数のデバイス領域25aは、それぞれ隣のデバイス領域25a、および枠部25bから切り離されて、複数のBGA1を取得する。
【0089】
8.検査工程
次に、図8に示す検査工程(S8)について説明する。図24は、図8に示す検査工程に含まれる、電気的試験を模式的に示す説明図である。
【0090】
本工程には、BGA1の外観検査や電気的試験などが含まれる。ここで、電気的試験では、例えば、図24に示すように、検査装置42の電気的試験用回路42aと電気的に接続されるプローブピン(接触端子)43をBGA1の外部端子である半田ボール10に当接させて、導通試験や、電気的特性の確認試験などを行う。ここで、本実施の形態のように、半田ボール10にコアボール11が含まれている場合、一部のプローブピン43がコアボール11と接触すると、コアボール11と接触しないプローブピン43との間で、電気抵抗の差が大きくなるため、正しい試験結果が得られない、コンタクト不良の原因となる。
【0091】
しかし、本実施の形態によれば、図22に示すように、複数のコアボール11はランド3d側に寄せて配置されているので、各プローブピン43を確実に半田材12と接触させることができる。つまり、コンタクト不良を防止することができる。
【0092】
以上の各工程により、図1に示すBGA1が完成する。その後、出荷、あるいは、図6に示す実装基板20に実装する。
【0093】
(実施の形態2)
次に、前記実施の形態1で説明したBGA1を製造する、別の実施態様について説明する。なお、本実施の形態では、前記実施の形態1で説明した半導体装置の製造方法との相違点を中心に説明し、共通する部分は、説明を省略する。また、図面についても前記実施の形態1との相違点を説明するために必要な図面を示し、必要に応じ、前記実施の形態1で説明した図面を引用して説明する。本実施の形態2の半導体装置の製造方法は、ボールマウント工程において、予め複数のコアボールが内包された半田ボールを搭載する点を除き、前記実施の形態1で説明した半導体装置の製造方法と同様である。
【0094】
図25は、図19の変形例である本実施の形態のボールマウント工程(半田ボール配置工程)を示し、図18に示すランド上にそれぞれ複数の半田ボールを配置した状態を示す拡大断面図である。また、図26は、図25のG部の拡大断面図である。
【0095】
本実施の形態では、前記実施の形態1で説明した半田ボール配置工程の前に、複数のコアボール11と、複数のコアボール11の周囲を被覆する半田材12から成る半田ボール10を予め準備する(半田ボール準備工程)。そして、図25および図26に示すように、ランド3dの上方から、ランド3d上にフラックス材35を介して半田ボール10を配置する(半田ボール配置工程)。
【0096】
複数のコアボール11が内包された半田ボール10は、例えば、前記実施の形態1で説明した技術を応用して適用することにより、形成することができる。すなわち、複数のコアボール11を、例えば半田で接合し、その後、この接合した部材をベースに、この部材の表面(外周)に半田めっき法で膜厚成長させることで、図25および図26に示す複数のコアボール11と、複数のコアボール11の周囲を被覆する半田材12から成る半田ボール10が得られる。
【0097】
また、本実施の形態では、半田ボール配置工程において、複数のランド3d上に、それぞれ一つの半田ボール10を配置するので、図25および図26に示すマスク(半田ボール配置用マスク)45は、前記実施の形態1で説明したマスク40とは、貫通孔の数および配置が異なる。すなわち、マスク45には、配線基板25の下面3bに形成された複数のランド3d上に、それぞれ一つの貫通孔45aが形成されている。貫通孔45aの開口径は、半田ボール10の直径よりもわずかに大きく、例えば、本実施の形態では、半田ボール10の直径が約250μmであるに対し、貫通孔45aの開口径は、265μm〜280μm程度である。これは、前記実施の形態1で説明した二つの貫通孔40aの開口径の合計よりも小さい。言い換えれば、本実施の形態によれば、複数のランド3d上に、それぞれ一つの半田ボール10を配置するので、前記実施の形態1で説明した半田ボール配置工程と比較して、隣り合うランド3d上に配置される半田ボール10の距離を離すことができる。このため、隣り合うランド3dの配置ピッチが狭い場合であっても、半田ボール10同士のブリッジを抑制することができる。ただし、本実施の形態では、前記実施の形態1と比較して前記半田ボール形成工程が追加されるため、製造効率を向上させる観点からは、前記実施の形態1で説明した半導体装置の製造方法が好ましい。
【0098】
また、本実施の形態2の半田ボール配置工程においても、前記実施の形態1と同様に、貫通孔45a内に配置された半田ボール10とフラックス材35が密着することで、フラックス材35に含まれる粘着成分により各フラックス材35のそれぞれに、複数の半田ボール10が固定される。また、半田ボール10の一部が、フラックス材35に食い込むように密着させることで、しっかりと固定することができる。このため、押し付け治具(図示は省略)などで、貫通孔45a内に配置された複数の半田ボール10を、フラックス材35に向かって押し付けることが好ましい。
【0099】
また、図4に示す複数の半田ボール10内のコアボール11の数を同数とする観点からは、この半田ボール配置工程において、マスク45の貫通孔45a内に確実に一つずつ半田ボール10を配置することが好ましい。そこで、半田ボール10の直径が、貫通孔45aの開口径の半径よりも大きく、かつ、貫通孔45aの開口径の直径よりも小さい範囲で揃えると、一つの貫通孔45a内に複数の半田ボール10が配置されることを抑制することができる点で好ましい。また、貫通孔45aの深さを、半田ボール10が貫通孔45a内に位置する、言い換えると、半田ボール10の一部がマスク45の裏面(配線基板25の下面3bと対向する表面の反対側の面)から突出しないようにすると、一つの貫通孔45a内に複数の半田ボール10が配置されることを抑制することができる点で好ましい。また、半田ボール10を配置した後、ブラシ(図示は省略)などの擦り付け治具をマスク45の裏面(配線基板25の下面3bと対向する表面の反対側の面)側に擦り付けると、不要な半田ボール10を取り除くことができる点で好ましい。つまり、各半田ボール10の一部が、フラックス材35に食い込むように密着させる観点からも好ましい。
【0100】
次に、図25および図26に示すマスクを取り除いた後、図27に示すように配線基板25の上下を反転させて、複数の半田ボール10に熱を加える(リフロー工程)。図27は、図25に示すマスクを取り除いた後反転し、半田ボールに熱を加えた状態を示す拡大断面図である。
【0101】
本工程では、例えば、半田ボール10がフラックス材35に固定された配線基板25をリフロー炉(図示は省略)内に配置して、リフロー炉内を、例えば、260℃程度まで加熱する。フラックス材35に含まれるフラックス成分により、半田ボール10の半田材12の表面、およびランド3dの表面が十分に活性化されると、図17および図22に示すように、半田ボール10は、ランド3dに接合される。
【0102】
ところで、本実施の形態では、複数のコアボール11が内包された半田ボール10を予め形成し、これをフラックス材35上に配置するので、図25や図26に示すように、半田ボール10内における各コアボール11の位置はランダムになる。つまり、ランド3d側に寄っているコアボール11と、ランド3dから遠い側に寄っているコアボール11が混在している。
【0103】
このため、本実施の形態2においても、前記実施の形態1と同様に、リフロー工程において、図27に示すように、複数のランド3dが形成された配線基板25の下面3bを下方に向けて半田ボール10を加熱する。言い換えれば、複数の半田ボール10が、複数のランド3dよりも下方に配置された状態で半田ボール10をランド3dに接合する。このように配線基板25の下面3bを下方に向けてリフロー処理を行うことで、加熱された半田材12内部の複数のコアボール11は、半田材12内で移動する。ここで、コアボール11に含まれるコア材11aは、樹脂からなり、半田材12よりも比重が小さいだけでなく、溶融した半田の対流の影響を受けるため、複数のコアボール11は、それぞれ半田材12内において、上方に向かって移動する。この結果、図22に示すように、半田ボール10内において、複数のコアボール11を、ランド3d側に寄せて配置することができる。つまり、複数のコアボール11のそれぞれの中心は、半田ボール10の中心よりもランド3d側に配置することができる。
【0104】
なお、本実施の形態の半導体装置およびその製造方法は、上記した相違点を除き、前記実施の形態1で説明した半導体装置およびその製造方法と同様である。したがって、重複する説明は省略するが、上記相違点を除き、前記実施の形態1で説明した発明を適用することができる。
【0105】
(実施の形態3)
次に、前記実施の形態1で説明したコアボール11の変形例について説明する。なお、本実施の形態では、前記実施の形態1で説明した半導体装置との相違点を中心に説明し、共通する部分は、説明を省略する。また、図面についても前記実施の形態1との相違点を説明するために必要な図面を示し、必要に応じ、前記実施の形態1で説明した図面を引用して説明する。図28は、図4に示すコアボールの変形例を示す拡大断面図である。
【0106】
図28に示すコアボール46と図4に示すコアボール11との相違点は、コア材46aが、金属からなる点である。詳しくは、本実施の形態のコア材46aは、例えば銅(Cu)からなる。また、コア材46aの周囲には、前記実施の形態1と同様に、コア材46aの表面を覆う金属膜46bが形成されている。金属膜46bは、半田材12との接触界面で銅が溶解することを抑制する観点から、例えば、ニッケル(Ni)から成る。なお、金属膜46bについては、必ずしもコア材46aの表面(周囲)に形成されていなくても良い。
【0107】
コア材46aを構成する銅は、半田材12よりも電気伝導率が高い。このため、コア材46aを含むコアボール46が、半田ボール10内に内包されることにより、半田ボール10の電気抵抗を低減することができる。つまり、BGA1の電気特性を向上させることができる。また、コア材46aを構成する銅は、半田材12よりも熱伝達率が高い。このため、コア材46aを含むコアボール46が、半田ボール10内に内包されることにより、半田ボール10の熱伝達率を向上させることができる。つまり、BGA1の放熱特性を向上させることができる。また、電流密度の増加に伴うエレクトロマイグレーション対策にも有効である。
【0108】
ここで、前記実施の形態1で説明した図54や図55に示すコアボール102が金属から成るコア材を有している場合であっても、前記実施の形態1の半導体装置の実装工程で説明した課題は、発生する。したがって、前記実施の形態1で説明したコア材11a、金属膜11b、コアボール11を、本実施の形態のコア材46a、金属膜46b、コアボール46と置き換えて適用することにより、前記実施の形態1で説明した効果が得られる。また、前記実施の形態2で説明したコア材11a、金属膜11b、コアボール11を、本実施の形態のコア材46a、金属膜46b、コアボール46と置き換えて適用することにより、前記実施の形態2で説明した効果が得られる。
【0109】
なお、前記実施の形態1および前記実施の形態2では、ボールマウント工程のリフロー工程において、配線基板25の下面3bを下方に向けた状態で、半田ボール15、または半田ボール10を加熱することにより、コアボール11が半田材12内で移動して、ランド3d側に寄せることができることを説明した。本実施の形態においても、コア材46aの比重が半田材12よりも小さければ、配線基板25の下面3bを下方に向けた状態で、半田ボール15、または半田ボール10を加熱することで、図28に示すように、複数のコアボール46の中心が半田ボール10の中心よりもランド3d側に位置するように配置することができる。例えば、本実施の形態では、銅(Cu)からなるコア材46aは半田材12よりも比重が小さい。ただし、樹脂からなるコア材11aの場合よりも半田材12との比重差が小さくなるので、コアボール46が半田材12内で移動するために要する時間は長くなる。また、コア材46aが、半田材12よりも比重が大きく、溶融した半田の対流の影響を受けない場合には、前記実施の形態1、前記実施の形態2とは反対に、配線基板25の下面3bを上方に向けた状態で、半田ボール15、または半田ボール10を加熱する。これにより、複数のコアボール46の中心が半田ボール10の中心よりもランド3d側に位置するように配置することができる。
【0110】
(実施の形態4)
次に、前記実施の形態1で説明した半田ボール10の変形例について説明する。なお、本実施の形態では、前記実施の形態1で説明した半導体装置の製造方法との相違点を中心に説明し、共通する部分は、説明を省略する。また、図面についても前記実施の形態1との相違点を説明するために必要な図面を示し、必要に応じ、前記実施の形態1で説明した図面を引用して説明する。図29は、前記実施の形態1に対する変形例である半田ボールの内部構造を示す拡大断面図である。また、図30は図20に示す半田ボール配置工程の変形例を示す拡大断面図である。また、図31および図32は、図20に示す半田ボール配置工程の別の変形例を示す拡大断面図である。なお、図29は、半田ボールが搭載される配線基板の下面と平行な方向に切断した状態を示す横断面図となっている。
【0111】
図29に示す半田ボール47と、例えば図4に示す前記実施の形態1の半田ボール10との相違点は以下である。まず、第1の相違点は、半田ボール47は、直径の異なる複数のコアボール11、46を有している点である。言い換えれば、半田ボール47は、直径W2を有するコアボール11と、直径W2よりも小さい直径W3を有するコアボール46を有している。また、第2の相違点は、半田ボール47は、異なる材料からなるコアボール11、46を有している点である。例えば実施の形態では、半田ボール47は、樹脂からなるコア材11aを有するコアボール11と、金属(例えば銅)からなるコア材46aを有するコアボール46を有している。また、第3の相違点は、半田ボール47は、三つのコアボールを有している点である。
【0112】
このように、一つの半田ボール47内に直径の異なる複数のコアボール11、46を配置する実施態様は、本実施の形態のように、異なる材料からなるコアボール11、46を混在させる構成に適用すると、特に有効である。例えば、本実施の形態では、樹脂からなるコア材11aを有するコアボール11の直径W2は、金属(例えば銅)からなるコア材46aを有するコアボール46の直径W3よりも大きくなっている。これにより、直径の大きいコアボール11により、前記実施の形態1で説明した応力緩和効果が得られる。また、直径の小さいコアボール46を配置することにより、半田ボール47の電気抵抗の増加、あるいは、放熱特性の低下を抑制することができる。
【0113】
ここで、応力緩和効果を向上させる観点からは、樹脂から成るコア材11aの直径を大きくすることが好ましい。一方、電気抵抗の増加、あるいは、放熱特性の低下を抑制する観点からは、電気あるいは熱の伝達経路の断面積を大きくすれば良い。したがって、電気や熱の伝達方向に対して直交方向の断面において、コアボール11の周囲にコアボール46が配置されていれば、コアボール46の直径W3は小さくても良い。本実施の形態の半田ボール47は、前記実施の形態1〜前記実施の形態3で説明した製造方法の何れかを用いて製造している。このため、各コアボール11、46は、それぞれ、前記実施の形態1〜前記実施の形態3で説明したリフロー工程において、ランド3d側に向かって移動する。この結果、電気や熱の伝達方向、すなわち、BGA1の厚さ方向に対して直交方向(例えば図3に示すインタポーザ基板3の下面3bに沿った方向)の断面では、図29に示すようにコアボール11の周囲にコアボール46が配置されることとなる。つまり、応力緩和効果を向上させ、かつ、電気抵抗の増加、あるいは、放熱特性の低下を抑制することができる。
【0114】
本実施の形態の半田ボール47を形成する方法として、前記実施の形態1で説明したボールマウント工程を応用して適用する場合には、例えば以下のように行う。すなわち、図30に示すように、開口径の異なる複数の貫通孔48a、48bが、それぞれランド3d上に形成されたマスク48を用いて行う。そして、半田ボール47を形成する半田ボール15の直径も、内包されるコアボール11、46の直径に応じて異なる直径とする。つまり、コアボール11が内包される半田ボール15の直径は、コアボール46が内包される半田ボール15の直径よりも大きくなっている。そして、半田ボール配置工程では、先に大きい方の半田ボール15(コアボール11が内包される半田ボール15)を開口径の大きな貫通孔48a内に配置する。ここで、貫通孔48bの開口径は、コアボール11が内包される半田ボール15の直径よりも小さくなっており、これにより、選択的に貫通孔48a内に配置することができる。続いて、小さい方の半田ボール15(コアボール46が内包される半田ボール15)を貫通孔48aよりも開口径が小さい貫通孔48b内に配置する。この時、貫通孔48a内には既にコアボール11が内包される半田ボール15が配置されているので、コアボール46が内包される半田ボール15を貫通孔48b内に配置することができる。つまり、構成材料の異なる半田ボール15を選択的に混載することができる。なお、図30は、一断面の部分拡大図なので、一つのランド3dに対応して一つの貫通孔48aと一つの貫通孔48bを示している。しかし、図示は省略するが、別の断面には、貫通孔48bがさらにもう一つ形成されている。つまり、一つのランド3dに対応して一つの貫通孔48aと二つの貫通孔48bが形成されている。これにより、図29に示すように一つの半田ボール47内に一つのコアボール11と二つのコアボール46を内包させることができる。
【0115】
また、前記実施の形態1と同様に、コアボール11が内包される半田ボール15とコアボール46が内包される半田ボール15の直径を揃える場合には、例えば、図31および図32に示すように吸着治具49を用いて構成材料の異なる半田ボール15を順次吸着搬送して、配置することで、選択的に混載することができる。まず、図31に示すように、吸着治具49に形成された複数の吸着口49aで、コアボール46がそれぞれ内包される複数の半田ボール15を吸着保持する。そして、ランド3d上に形成された複数の貫通孔のうちの貫通孔40a上に搬送した後、吸着力を開放し、貫通孔40a内に配置する。続いて、図32に示すように吸着治具49に形成された複数の吸着口49aで、コアボール11がそれぞれ内包される複数の半田ボール15を吸着保持する。そして、ランド3d上に形成された複数の貫通孔のうちの貫通孔40aの隣に配置される貫通孔40b上に搬送した後、吸着力を開放し、貫通孔40b内に配置する。これにより、一つのランド3d上に構成材料の異なる複数の半田ボール15を選択的に混載することができる。なお、図31および図32に示す吸着治具49を用いる方法の場合、吸着治具により、半田ボール15の配置位置を位置決めすることができるので、マスク40を用いずに配置することもできる。しかし、吸着開放後に半田ボール15が転がってしまうことを防止する観点から、図31および図32に示すようにマスク40をガイドとして用いることが好ましい。
【0116】
なお、本実施の形態の半導体装置の製造方法は、上記した相違点を除き、前記実施の形態1〜前記実施の形態3で説明した半導体装置およびその製造方法と同様である。したがって、重複する説明は省略するが、上記相違点を除き、前記実施の形態1〜前記実施の形態3で説明した発明を適用することができる。
【0117】
また、本実施の形態では、半田ボール47は、直径の異なる複数のコアボール11、46を有しているという第1の構成と、半田ボール47は、異なる材料からなるコアボール11、46を有しているという第2の構成を組み合わせた例について説明したが、これらを独立して適用することもできる。例えば、前記実施の形態1において、半田ボール10が、直径の異なる複数のコアボール11を有する構成とすることもできる。また例えば、前記実施の形態1において、半田ボール10が、直径が揃っており、かつ、異なる材料からなるコアボール11、46を有している構成とすることもできる。
【0118】
(実施の形態5)
次に、前記実施の形態1で説明した半田ボール10を、BGA1とは別タイプのパッケージに適用した実施態様について説明する。詳しくは、本実施の形態では、前記実施の形態1で説明した半田ボール10の構造および形成方法を、所謂、WPP(Wafer Process Package)型の半導体装置に適用した実施態様について説明する。WPPは、半導体チップ上に再配線層を形成し、平面視において、電極パッドの位置とは異なる位置に、外部端子を形成する再配線技術を適用した半導体パッケージである。また、WPPでは、再配線層を形成する工程を、半導体ウエハを個片化する前に行うので、半導体素子などを形成する微細加工技術を適用することができる。このため、前記実施の形態1のように、配線基板上に半導体チップを搭載し、これらを電気的に接続する半導体パッケージと比較して、平面積の小型化や薄型化の点で、さらに有利である。このような半導体装置は半導体ウエハを個片化する前に、再配線層を形成することから、WPP、あるいは、WL−CSP(Wafer Level Chip Scale Package)と呼称される。なお、本実施の形態では、前記実施の形態1または前記実施の形態2で説明した半導体装置およびその製造方法との相違点を中心に説明し、共通する部分は、説明を省略する。また、図面についても前記実施の形態1または前記実施の形態2との相違点を説明するために必要な図面を示し、必要に応じ、前記実施の形態1または前記実施の形態2で説明した図面を引用して説明する。
【0119】
<半導体装置の構造>
図33は本実施の形態の半導体装置の全体構造を示す平面図、図34は図33のH−H線に沿った拡大断面図である。なお、図33では、見易さのため、半導体チップおよびWPPの端子数を減らして示している。
【0120】
本実施の形態の半導体装置であるWPP51は、表面2a、表面2aに形成される複数の電極パッド(ボンディングパッド)2c、および表面2aとは反対側に位置する裏面2bを有する半導体チップ2を有している。図34に示すように、半導体チップ2は、例えばシリコン(Si)からなる基材である半導体基板2dを有し、半導体基板2dの主面2daには、半導体素子形成領域2eが配置され、半導体素子形成領域2eに、例えばトランジスタやダイオードなど、複数の半導体素子が形成されている。これらの半導体素子は、主面2da上に形成された配線層(第1配線層、チップ配線層)2fを介して複数の電極パッド2cにそれぞれ電気的に接続されている。詳しくは、半導体素子は、配線層2f内に形成された複数の内部配線(内部配線)2gaおよび配線層の最上層に形成された複数の表面配線(配線、最上層配線)2gbを介して、電極パッド2cに電気的に接続されている。なお、電極パッド2cは表面配線2gbと一体に形成されている。配線2gaは、例えば銅(Cu)からなる埋め込み配線であり、配線層2fに形成される絶縁層2hに溝あるいは孔を形成し、この溝あるいは孔に銅などの導電性金属材料を埋め込んだ後、表面を研磨して配線を形成する、所謂、ダマシン技術により形成されている。絶縁層2hは、例えば、炭素を含む酸化シリコン(SiOC)や、テトラ・エチル・オルト・シリカート(TEOS)などの半導体化合物からなる無機絶縁層である。また、配線2gaは、複数の半導体素子を電気的に接続して集積回路を形成するが、この配線経路の引き回しスペースを確保するため、複数の絶縁層2hを介して複数層に積層されている。配線層2fの最上層には、電極パッド2c、電極パッド2cと一体に形成され、配線2gaを介して複数の電極パッド2cと半導体素子とをそれぞれ電気的に接続する表面配線2gbが形成されている。電極パッド2cおよび表面配線2gbは、例えばアルミニウム(Al)からなり、表面2aを保護するパッシベーション膜となる絶縁層2kに覆われている。この絶縁層2kは、絶縁層2hとの密着性を向上させる観点から、絶縁層2hと同様に、例えば、酸化シリコン(SiO)や、窒化シリコン(SiN)などの半導体化合物からなる無機絶縁層である。また、電極パッド2cを半導体チップ2の外部端子とするため、電極パッド2cの表面2aにおいて、絶縁層2kに開口部が形成され、電極パッド2cは、該開口部において、絶縁層2kから露出している。
【0121】
また、WPP51は、半導体チップ2の表面2a上に形成される、再配線層(配線層、第2配線層)53を有している。再配線層53は、半導体チップ2の表面2aと対向する下面(主面、裏面)53bおよび下面53bとは反対側の上面(主面、表面)53aを有している。上面53aには、複数のランド部(バンプランド)53cが形成され、再配線層53に形成された複数の配線(再配線)53dを介して、半導体チップ2の複数の電極パッド2cと、それぞれ電気的に接続される。そして、各ランド部53cのそれぞれには、前記実施の形態1で説明した半田ボール10が接合されている。つまり、本実施の形態では、半田ボール10がWPP51の外部端子となっている。WPP51は、電極パッド2c上に再配線層53を形成することにより、外部端子となる半田ボール10の平面位置を電極パッド2cと異なる位置に変更している。そして半田ボール10の位置をWPP51を実装する実装基板の端子(例えば、図5に示す実装基板20の端子21参照)の配置に対応させることができるので、半田ボール10を介して実装基板の端子と接続することができる。つまり、前記実施の形態1で説明したインタポーザ基板3を介さずに、実装基板に搭載できるので、実装高さを低減することができる。WPP51は、半導体チップ2上に再配線層53を形成するので、その平面寸法は、半導体チップ2の表面2aの平面寸法と同じにすることができる。このため、前記実施の形態1で説明したBGA1と比較して、実装面積を低減することができる。
【0122】
本実施の形態の再配線層53は、例えば以下のように構成されている。すなわち、絶縁層2k上には、例えば、ポリイミド樹脂などの有機化合物からなる絶縁膜(有機絶縁膜)53eが形成されている。絶縁膜53e上には、例えば、銅にニッケル膜が積層された導電性金属材料からなる配線53dが所定のパターンで形成されている。ここで、配線53dと絶縁層2kとの間に絶縁膜53eを形成するのは、例えば、配線53dと半導体チップ2の表面2aに形成される半導体素子や配線2gaとの間に寄生容量が形成され、ノイズなど、特性低下の原因となることを防止ないしは抑制するためである。したがって、絶縁膜53eは、誘電率の低い材料で構成することが好ましい。そこで、本実施の形態では、絶縁膜53eとして無機絶縁層である絶縁層2h、2kよりも誘電率の低い有機絶縁膜であるポリイミド樹脂、ベンゾ・シクロ・ブテン(BCB)膜、またはポリ・ベンゾ・オキサゾール(PBO)等を用いている。また、寄生容量の形成を防止ないしは抑制する観点からは、絶縁膜53eの厚さは厚い程良い。例えば、本実施の形態では、絶縁膜53eの厚さは、下層に配置される絶縁層2kの厚さよりも厚い。また、配線53dと電極パッド2cを電気的に接続するため、電極パッド2cの少なくとも一部は、絶縁膜53eから露出している。また、配線53d上には、例えばポリイミド樹脂などの有機化合物からなる絶縁膜(有機絶縁膜)53fが形成されている。絶縁膜53fは配線53dを酸化、腐食、マイグレーション、短絡、または破損から保護する保護膜として形成されている。また、WPP51を実装基板に実装した後で、外部端子である半田ボール10に加わる応力を吸収して緩和する観点から弾性の低い材料で構成することが好ましい。そこで、本実施の形態では、絶縁膜53fとして無機絶縁層である絶縁層2h、2kよりも弾性が低い有機絶縁膜であるポリイミド樹脂を用いている。絶縁膜53fの配線53dと重なる領域の一部には、開口部が形成され、ランド部53cは、開口部において、絶縁膜53fから露出している。このランド部53cには、WPP51の外部端子となる半田ボール10が接合されている。つまり、配線53dは、WPP51の外部端子の平面位置を電極パッド2cと異なる位置に変更する引き出し配線として機能している。なお、配線53dは、電極パッド2cと接合されるボンディング部、半田ボール10と接合されるランド部53c、およびボンディング部からランド部53cまで延在する延在部からなるが、ボンディング部およびランド部53cは、それぞれ接合される電極パッド2c、半田ボール10との接合面積を広く確保し、接合信頼性を向上させる観点から、延在部よりも広い幅で形成されている。
【0123】
ここで、WPP型の半導体装置の場合、主として、シリコンなどの半導体材料で構成されるため、半導体基板の厚さが十分に厚ければ、前記実施の形態1で説明したインタポーザ基板3と比較すると、反りは発生し難い。しかし、本実施の形態のWPP51のように、半導体チップ2の片面側(表面2a側)をポリイミド樹脂などの絶縁膜53fで覆った構造では、絶縁膜53fと、半導体チップ2との線膨張係数の違いに起因して、反りが発生する。特に、半導体チップ2の裏面2b側を研削し、薄型化を図った場合、半導体チップ2の剛性が低下するため、反りが発生し易い。このため、前記実施の形態1で説明したBGA1と同様に、WPP51においても、反りに起因した実装不良を抑制する必要がある。
【0124】
そこで、本実施の形態では、前記実施の形態1で説明した実装不良を抑制する観点から、複数のコアボール11を有する半田ボール10をランド部53cに接合している。これにより、本実施の形態のWPP51は、前記実施の形態1で説明した効果が得られる。なお、半田ボール10およびその周辺の構造については、前記実施の形態1で説明した、インタポーザ基板3を再配線層53、下面3bを上面53a、ランド3dをランド部53c、ソルダレジスト膜3gを絶縁膜53f、とそれぞれ置き換えて適用することができるので、重複する説明は省略する。
【0125】
<半導体装置の製造工程>
次に、WPP51の製造方法について、前記実施の形態1で説明したBGA1の製造方法との相違点を中心に、簡単に説明する。図35は、本実施の形態の半導体装置の製造方法の組み立てフローを示す説明図である。図35に示すように、本実施の形態の半導体装置は、半導体ウエハ準備工程、再配線層形成工程、裏面研削工程、ボールマウント工程、個片化工程、および検査工程を有している。
【0126】
1.半導体ウエハ準備工程
まず、半導体ウエハ準備工程では、図36および図37に示すウエハ(半導体ウエハ)55を準備する。図36は、本実施の形態の半導体ウエハ準備工程で準備する半導体ウエハの主面側の平面を示す平面図である。また図37は図36に示す半導体ウエハの一部の断面構造を示す拡大断面図である。ウエハ55は、略円形の平面形状を成し、有する表面2aおよび表面2aの反対側に位置する裏面55b(図37参照)を有している。なお、ウエハ55の表面2aは図34に示す半導体チップ2の表面2aに対応している。また、ウエハ55は、複数のデバイス領域55aを有し、各デバイス領域55aが、それぞれ図33に示すWPP51に相当する。したがって、図36に示す複数のデバイス領域55aには、それぞれ図33、図34を用いて説明した、半導体チップ2が有する半導体素子、配線層2f、表面配線2gb、および電極パッド(ボンディングパッド)2cが形成されている。また、図36に示すように複数のデバイス領域55aのうちの隣り合うデバイス領域55aの間には、ダイシング領域55cが形成されている。ダイシング領域55cは格子状に形成され、ウエハ55の表面2a上を複数のデバイス領域55aに区画している。
【0127】
図37に示すウエハ55は、例えば、以下のように形成する。まず、基材となる略円形のウエハ(例えば、シリコンウエハ)である半導体基板2dを準備して、その主面2daの半導体素子形成領域2eに、複数の半導体素子を形成する。次に、主面2da上に配線層2fを形成し、複数の配線2gaと複数の半導体素子を電気的に接続する。次に配線層2fの上面に表面配線2gbおよび電極パッド2cを形成する。表面配線2gbは、電極パッド2cと一体に形成され、かつ、配線層2fの上面まで引き出された複数の配線2gaと電気的に接続されるので、複数の電極パッド2cと複数の半導体素子は本工程で電気的に接続される。次に、配線層2f上に絶縁層2kを形成し、配線層2fを覆った後、エッチング法により、開口部を形成し、電極パッド2cの一部を絶縁層2kから露出させる。
【0128】
2.再配線層形成工程
次に、図38に示すように、ウエハ55上に再配線層53を形成する。図38は、図37に示す半導体ウエハ上に再配線層を形成した状態を示す拡大断面図である。また、図39〜図44は、図38に示す再配線層を形成する工程の詳細を示す説明図である。
【0129】
まず、図39に示すように、ウエハ55の表面2a上に、例えば、ポリイミド樹脂などの有機化合物からなる絶縁膜(有機絶縁膜)53eを形成する(第1絶縁膜形成工程)。その後、電極パッド2c上において、絶縁膜53eに開口部を形成し、電極パッド2cを露出させる(電極パッド露出工程)。次に、図40に示すように、絶縁膜53e上および電極パッド2cの露出面上に、シード層となる導体膜53sを、例えば、スパッタ法により形成する(シード層形成工程)。この導体膜53sは、例えばクロム(Cr)から成り、図34に示す配線53dの一部を構成する。次に、図41に示すように、導体膜53s上にレジスト膜(めっきレジスト膜)54を配置した後、パターニングする(第1レジスト膜形成工程)。レジスト膜54のパターニングでは、図34に示す配線53dを形成する領域を取り除くようにパターニングする。次に、図42に示すように、レジスト膜54の存在下で、電解めっき法により、配線53dを形成する。本実施の形態では、例えば、銅(Cu)膜、ニッケル(Ni)膜の電解めっき膜を順次形成する(再配線形成工程)。本工程により、配線53d(ランド部53cを含む)が形成される。次に、図43に示すように、レジスト膜54(図42参照)および配線53dが形成された領域以外の不要な導体膜53sを取り除く(シード層除去工程)。次に、図44に示すように、例えば、ポリイミド樹脂などの有機化合物からなる絶縁膜(有機絶縁膜)53fを形成する(第2絶縁膜形成工程)。その後、図38に示すようにランド部53c上において、絶縁膜53fに開口部を形成し、ランド部53cを絶縁膜53fから露出させる(ランド部露出工程)。以上の工程により、図38に示す再配線層53が形成される。
【0130】
3.裏面研削工程
次に、裏面研削工程では、ウエハ55の裏面55b(図38参照)を研削する。図45は、図38に示す半導体ウエハを研削する工程を示す拡大断面図である。本工程では、ウエハ55の厚さが、図34に示すWPP51の厚さとなるまで(図45に示す裏面2bの位置まで)、裏面側を研削する。
【0131】
WPP51の厚さを薄くする方法として、基材となるウエハ(本実施の形態ではシリコンウエハ)の厚さを予め薄くしておく方法も考えられる。しかしこの場合、極端に薄くすると基材となるウエハに半導体素子などを形成する各工程において、ハンドリング性が低下し、ウエハが破損する原因となる。そこで、本実施の形態では、ウエハ55の表面2a側に、再配線層53を形成するまでの各工程では、ハンドリング性の低下を防止できる程度の第1の厚さを有するウエハに対して加工を施し、その後、裏面55b側を研削して第1の厚さよりも薄い第2の厚さとする。これにより、製造工程中のウエハの破損を防止しつつ、得られるWPP51の厚さを薄くすることができる。
【0132】
本工程における研削方法は、特に限定されるものではないが、例えば砥石などの研削部材(図示は省略)を用いてウエハ55の裏面55b(図38参照)を研削することができる。また、研削後のウエハ55の裏面2b(図45参照)に研削時の残渣等が残留することを防止するため、例えば研磨粒子(図示は省略)などを用いて、裏面2bにポリシング(研磨)加工を行うことが好ましい。本工程においては、ウエハ55の表面2a側、すなわち、再配線層53が形成された面を覆う保護テープ(保護シート;図示は省略)を張り付けた状態で研削することが好ましい。研削工程中に表面2a側を外力の印加等による破損から保護するためである。
【0133】
4.ボールマウント工程
次に、ボールマウント工程では、図46に示すように、ランド部53cに接合される半田ボール10を形成する。図46は、図45に示すランド部に半田ボールを接合した状態を示す拡大断面図である。
【0134】
本工程では、前記実施の形態1、または、前記実施の形態2で説明したボールマウント工程を適用して半田ボール10を形成することができる。前記実施の形態1で説明したボールマウント工程を適用する場合には、まず、ランド部53cの上方から、ランド部53c上に、接合材(フラックス材やクリーム半田)を介して、複数の半田ボール15(図20参照)を配置する。次に、リフロー工程として、複数の半田ボール15に熱を加え、複数の半田ボール15を一体化させて、ランド部53cに接合し、半田ボール10を形成する。また、前記実施の形態2で説明したボールマウント工程を適用する場合には、まず、複数のコアボール11(図26参照)を有する半田ボール10(図26参照)を予め形成する。次に、ランド部53cの上方から、ランド部53c上に、接合材(フラックス材やクリーム半田)を介して、半田ボール10を配置する。次に、リフロー工程として、半田ボール10に熱を加え、ランド部53cに接合する。図46に示すように、リフロー工程では、半導体ウエハの表面2a(言い換えれば、再配線層53の上面53a)が下方に向いた状態で半田ボール15または半田ボール10を加熱する。言い換えれば、半田ボール15または半田ボール10が、ランド部53cよりも下方に配置された状態で加熱する。これにより、半田材12よりも比重の軽いコアボール11は、半田材12内で移動するので、半田ボール10内において、複数のコアボール11を、ランド部53c側に寄せて配置することができる。なお、本工程は、前記した裏面研削工程の前に行うこともできるが、裏面研削工程において、半田ボール10の直径が大きい場合には、高度な技術が必要であることから、裏面研削工程の後で行うことが好ましい。
【0135】
5.個片化工程
次に、個片化工程では、図36に示すダイシング領域55cに沿ってウエハ55を分割し、デバイス領域55a毎に個片化して、図33に示すWPP51を、複数取得する。本実施の形態では、例えば、本実施の形態では、ダイシングブレードなどの切断治具(回転刃)を用いて、ダイシング領域55cを切削し、複数のWPP51に個片化する。
【0136】
6.検査工程
次に、検査工程では、WPP51の外観検査や電気的試験などを行う。本工程に含まれる電気的試験の方法は、前記実施の形態1で説明した検査工程と同様なので、重複する説明は省略する。
【0137】
以上の各工程により、図33に示すWPP51が完成する。その後、出荷、あるいは、図6に示す実装基板20に実装する。
【0138】
<変形例>
ところで、本実施の形態で説明したWPP51の変形例として、図47に示すように、ランド部57が、絶縁膜53fの上面53aから突出したWPP56に適用することもできる。図47は、図34に示す半導体装置の変形例を示す拡大断面図である。図47に示すランド部57は、例えば、銅(Cu)層、ニッケル(Ni)層が順次積層された導体であって、柱状(ポスト状)に形成されている。ランド部57の下面57b側は、再配線層53の配線(再配線)53dと電気的に接続され、上面57a側は、絶縁膜53fの上面53a上に突出している。言い換えれば、ランド部57の側面57cの一部は、絶縁膜53fから露出している。
【0139】
このように、ランド部57の上面57aを、絶縁膜53fの上面53a上に突出させることで、WPP56を実装基板に実装する実装工程において、絶縁膜53fの上面53aと実装基板の実装面との間にクリアランスを確保することができる。また、ランド部57の側面57cの一部を、絶縁膜53fから露出させて、側面57cにも半田ボール10の半田材12を接合させることで、半田材12の接合面積が増加する。このため、半田ボール10とランド部57の接合強度を向上させることができる。
【0140】
ここで、本実施の形態のランド部57は、図47に示すように、上面57aの中央部57dが、周縁部57eに対して窪んだ形状となっている。言い換えれば、上面57aの中央部57dは、周縁部57eよりも低い段差部となっている。上面57aの中央部57dと周縁部57eの高低差は、例えば8μm程度である。また、周縁部57eの外形寸法は、例えば、直径約220μmの円形であり、中央部57dの外形寸法は、直径約200μmの円形となっている。このように、ランド部57の上面57aに段差部を設けることで、前記したボールマウント工程において、半田ボール15あるいは半田ボール10を配置する際に、安定的に配置することができる。本実施の形態のように、ランド部57の上面57aに段差部を設けると、ボールマウント工程において、半田ボール15あるいは半田ボール10の中心が段差部内に配置されるように配置することで、半田ボール15あるいは半田ボール10の位置が安定するからである。特に、半田ボール10とランド部57を接合する接合材として、フラックス材を用いる場合、半田ボール配置工程で半田ボールの位置がずれた状態でリフロー工程を行うと、クリーム半田を用いる場合と比較して半田ボールの接合不良が発生し易い。したがって、本変形例は、接合材として半田成分を含まないフラックス材を用いる場合に適用して特に有効である。
【0141】
次に、ランド部57の形成方法について、図39〜図44を用いて説明した再配線形成工程との相違点を説明する。図48〜図52は、図47に示す再配線層を形成する工程の詳細を示す説明図である。
【0142】
図47に示すWPP56の製造方法では、前記した再配線層形成工程の第1レジスト膜形成工程において、図48に示すように、配線53d(図47参照)を形成する予定領域の一部(図47に示すランド部57を形成する予定領域)のレジスト膜58を残すようにパターニングする(第1レジスト膜形成工程)。次に、図49に示すように、レジスト膜54、58の存在下で、電解めっき法により、配線53dを形成する(再配線形成工程)。この時、レジスト膜58が配置された領域には、電解めっき膜が形成されないので、レジスト膜58の直下では、導体膜53sが配線53dから露出した状態となる。次に、図49に示すレジスト膜54、58を取り除く(第1レジスト膜除去工程)。次に、図50に示すように、配線53d上にレジスト膜(めっきレジスト膜、第2レジスト膜)59を配置した後、パターニングする(第2レジスト膜形成工程)。レジスト膜59のパターニングでは、図47に示すランド部57を形成する予定領域を取り除くようにパターニングする。詳しくは、配線53dの内側において、導体膜53sが露出する領域、およびその周囲の配線53dの一部がレジスト膜59から露出するように開口部59aを形成する。次に、図51に示すように、ランド部57を形成する(ランド部形成工程)。本実施の形態では、例えば、銅(Cu)膜、ニッケル(Ni)膜の電解めっき膜を順次形成する。レジスト膜59の開口部59aに電解めっき法により、金属膜を成膜すると、開口部59aの底面の形状に倣ってランド部57が形成される。本実施の形態では、前記第2レジスト膜形成工程において、配線53dの一部がレジスト膜59から露出するように開口部59aを形成しているため、開口部59aの底面には、配線53dと導体膜53sの段差が形成されている。このため、本工程で形成されるランド部57の上面57aは、上面57aの中央部57dが、周縁部57eに対して窪んだ形状となる。次に、図51に示すレジスト膜59および配線53d、ランド部57が形成された領域以外の不要な導体膜53sを取り除く(シード層除去工程)。次に、図52に示すように、配線53d上を覆うように、例えば、ポリイミド樹脂などの有機化合物からなる絶縁膜(有機絶縁膜)53fを形成する(第2絶縁膜形成工程)。本工程では、ランド部57の側面57cの一部が露出するように、ランド部57よりも薄く絶縁膜53fを形成する。以上の工程により、ランド部57の側面57cが絶縁膜53fから露出した再配線層53を形成することができる。
【0143】
なお、本実施の形態の半導体装置の製造方法は、上記した相違点を除き、前記実施の形態1〜前記実施の形態4で説明した半導体装置およびその製造方法と同様である。したがって、重複する説明は省略するが、上記相違点を除き、前記実施の形態1〜前記実施の形態4で説明した発明を適用することができる。
【0144】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0145】
例えば、前記実施の形態5で説明した再配線層53を形成せず、図53に示すように、半導体チップ2の電極パッド(ボンディングパッド)2cに半田ボール10を接合される半導体装置60に適用することができる。図53は、図34に示す半導体装置の変形例を示す拡大断面図である。半導体装置60の製造方法では、例えば、前記実施の形態5で説明したWPP51の製造方法において、ランド部53cを電極パッド2cと、再配線層53の上面53aを半導体ウエハの表面2aと、それぞれ置き換えて適用することができる。また、例えば、図53に示す半田ボール10を、前記実施の形態2〜前記実施の形態3で説明した半田ボール10あるいは半田ボール47と置き換えて適用することができる。図53に示す半導体装置60は、実装基板上に直接実装する他、例えば、複数の半導体チップを積層し、これら複数の半導体チップ間を、半田ボールを介してそれぞれ電気的に接続する、所謂、チップオンチップ構造の半導体装置に組み込む半導体チップとして用いることができる。
【0146】
また、例えば、図53に示す半導体装置60の変形例として、半田ボール10と電極パッド2cとの間に、アンダバンプメタル膜(アンダバンプ導体膜)を介在させて、アンダバンプメタル膜上に、前記実施の形態1〜前記実施の形態3で説明した半田ボール10あるいは半田ボール47を接合する半導体装置にも適用できる。このように、電極パッド2c上にアンダバンプメタル膜を形成し、アンダバンプメタル膜を形成する構造は、前記実施の形態5で説明したWPP51の変形例として考えることもできる。すなわち、前記実施の形態5では、電極パッド2c上に再配線層53を形成することにより、外部端子となる半田ボール10の平面位置を電極パッド2cと異なる位置に変更した。しかし、この変形例として、電極パッド2cの直上にアンダバンプメタル膜を介して半田ボール10を接続する構造のWPPとすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0147】
本発明は、外部端子として、半田ボールを備える半導体装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0148】
1 BGA(半導体装置)
2 半導体チップ
2a 表面
2b 裏面
2c 電極パッド(ボンディングパッド)
2d 半導体基板
2da 主面
2e 半導体素子形成領域
2f 配線層
2ga 配線(内部配線)
2gb 表面配線
2h、2k 絶縁層
3 インタポーザ基板(配線基板)
3a 上面
3b 下面
3c ボンディングリード
3d ランド(バンプランド)
3d1 銅膜
3d2 めっき膜
3e 配線
3f、3g ソルダレジスト膜
3h コア層
3k 開口部
4 ワイヤ(導電性部材)
5 接着材
6 封止樹脂
6a 封止用樹脂
6b 一括封止体
10 半田ボール
11 コアボール
11a コア材
11b 金属膜
12 半田材
15 半田ボール
16 半田材
20 実装基板
20a 実装面
21 端子
22 クリーム半田
23 半田材
25 配線基板
25a デバイス領域
25b 枠部
25c ダイシング領域
30 成形金型
31 上金型
31a 下面
31b キャビティ
32 下金型
32a 上面
35 フラックス材
36 スクリーンマスク
36a 貫通孔
37 スキージ
40 マスク
40a、40b 貫通孔
41 ダイシングブレード(回転刃)
42 検査装置
42a 電気的試験用回路
43 プローブピン
45 マスク
45a 貫通孔
46 コアボール
46a コア材
46b 金属膜
47 半田ボール
48 マスク
48a、48b 貫通孔
49 吸着治具
49a 吸着口
51、56 WPP(半導体装置)
53 再配線層
53a 上面
53b 下面
53c ランド部(バンプランド)
53d 配線(再配線)
53e、53f 絶縁膜(有機絶縁膜)
53s 導体膜(シード層)
54 レジスト膜
55 ウエハ
55a デバイス領域
55b 裏面
55c ダイシング領域
57 ランド部(バンプランド)
57a 上面
57b 下面
57c 側面
57d 中央部
57e 周縁部
58、59 レジスト膜
59a 開口部
60 半導体装置
101 半田ボール
102 コアボール
W1、W2、W3 直径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面、前記表面に形成されたボンディングパッド、および前記表面とは反対側の裏面を有する半導体チップと、
前記半導体チップの前記ボンディングパッドと電気的に接続される半田ボールと、
を含み、
前記半田ボールは、複数のコアボール、および前記複数のコアボールを覆う半田材を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記複数のコアボールのそれぞれの直径が、揃っていることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記複数のコアボールのそれぞれの直径は、前記半田ボールの半径よりも小さいことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記半田ボールは、前記ボンディングパッド、または、前記ボンディングパッドと電気的に接続されるバンプランドに接合され、
前記複数のコアボールのそれぞれの中心は、前記半田ボールの中心よりも前記ボンディングパッド、または、前記バンプランド側に配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項4において、
複数の前記半田ボールのそれぞれは、同数の前記コアボールを含んでいることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記半導体装置は、
上面、前記上面に形成された複数のボンディングリード、前記上面とは反対側の下面、および前記下面に形成された複数のバンプランドを有する配線基板と、
前記表面、前記表面に形成された複数の前記ボンディングパッド、および前記表面とは反対側の前記裏面を有し、前記配線基板の前記上面に搭載された前記半導体チップと、
前記半導体チップの前記複数のボンディングパッドと前記配線基板の前記複数のボンディングリードとを、それぞれ電気的に接続する複数の導電性部材と、
前記複数のバンプランドに形成された複数の前記半田ボールと、
を含み、
前記複数の半田ボールのそれぞれは、前記複数のコアボールおよび前記複数のコアボールを覆う前記半田材を有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1において、
前記半導体装置は、
前記半導体チップと、
前記半導体チップの前記表面上に形成され、前記半導体チップの前記表面と対向する下面、前記下面とは反対側の上面、および前記上面に形成され前記半導体チップの前記複数のボンディングパッドと電気的に接続される複数のバンプランドを有する再配線層と、
前記複数のバンプランドに形成された複数の前記半田ボールと、
を含み、
前記複数の半田ボールのそれぞれは、前記複数のコアボールおよび前記複数のコアボールを覆う前記半田材を有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1において、
前記複数のコアボールは、樹脂から成るコア材と、
前記コア材の表面に形成された金属膜とから成ることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項1において、
前記複数のコアボールは、金属から成るコア材のみ、あるいは、前記金属から成る前記コア材と、前記コア材の表面に形成された金属膜とから成ることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項1において、
前記複数のコアボールは、樹脂から成る第1コア材と、前記第1コア材の表面に形成された金属膜とから成る第1コアボールと、金属から成る第2コア材を含む第2コアボールを含んでいることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
以下の工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法:
(a)表面、前記表面に形成されたボンディングパッド、および前記表面とは反対側の裏面を有する半導体チップを準備する工程;
(b)前記ボンディングパッド、または、前記ボンディングパッドと電気的に接続されるバンプランドの上方から、前記ボンディングパッド上、または、前記バンプランド上に、接合材を介して、複数の第1半田ボールを配置する工程;
(c)前記(b)工程の後、前記複数の第1半田ボールに熱を加え、前記複数の第1半田ボールを一体化させて、前記ボンディングパッド、または、前記バンプランドに接合する、第2半田ボールを形成する工程;
ここで、
前記(b)工程で配置する前記複数の第1半田ボールのそれぞれは、一つのコアボール、および前記コアボールを覆う半田材を有し、
前記(c)工程で形成する前記第2半田ボールは、複数の前記コアボール、および前記複数のコアボールを覆う前記半田材を有する。
【請求項12】
請求項11において、
前記(a)工程で準備する前記半導体チップの前記表面には、複数の前記ボンディングパッドが形成され、
前記複数のコアボールがそれぞれ有するコア材は、前記半田材よりも比重が軽く、
前記(c)工程では、
前記複数の第1半田ボールが、前記複数のボンディングパッド、または、前記複数のボンディングパッドと電気的に接続される複数の前記バンプランドよりも下方に配置された状態で前記複数の第1半田ボールを一体化させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項12において、
前記(b)工程では、
前記複数のボンディングパッド上、または、前記複数のバンプランド上に、それぞれ複数の貫通孔が形成されたマスクを配置して、前記複数の貫通孔のそれぞれに、前記第1半田ボールを一つずつ配置することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項13において、
前記複数の第1半田ボールの直径が揃っていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項11において、
前記複数のコアボールのそれぞれの直径は、前記第2半田ボールの半径よりも小さいことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項11において、
以下の工程をさらに含むことを特徴とする半導体装置の製造方法:
(a1)前記(b)工程の前に、上面、前記上面に形成された複数のボンディングリード、前記上面とは反対側の下面、および前記下面に形成された複数の前記バンプランドを有する配線基板を準備する工程;
(a2)前記(a)工程および前記(a1)工程の後、かつ、前記(b)工程の前に、前記表面に複数の前記ボンディングパッドが形成された前記半導体チップを、前記配線基板の前記上面に搭載する工程;
(a3)前記(a2)工程の後、かつ、前記(b)工程の前に、前記半導体チップの前記複数のボンディングパッドと、前記配線基板の前記複数のボンディングリードを、複数の導電性部材を介して、それぞれ電気的に接続する工程;
ここで、
前記(b)工程では、前記配線基板の前記下面を上方に向けた状態で、前記複数の第1半田ボールを前記複数のバンプランドのそれぞれの上に配置し、
前記(c)工程では、前記配線基板の前記下面を下方に向けた状態で、前記複数の第1半田ボールに熱を加え、前記複数の第1半田ボールを一体化させて、前記複数のバンプランドのそれぞれに接合する、複数の前記第2半田ボールを形成する。
【請求項17】
以下の工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法:
(a)表面、前記表面に形成されたボンディングパッド、および前記表面とは反対側の裏面を有する半導体チップを準備する工程;
(b)前記ボンディングパッド、または、前記ボンディングパッドと電気的に接続されるバンプランドの上方から、前記ボンディングパッド上、または、前記バンプランド上に、接合材を介して、半田ボールを配置する工程;
(c)前記(b)工程の後、前記半田ボールに熱を加え、前記ボンディングパッド、または、前記バンプランドに接合する工程;
ここで、
前記半田ボールは、複数のコアボール、および前記複数のコアボールを覆う半田材を有する。
【請求項18】
請求項17において、
前記(a)工程で準備する前記半導体チップの前記表面には、複数の前記ボンディングパッドが形成され、
前記複数のコアボールがそれぞれ有するコア材は、前記半田材よりも比重が軽く、
前記(c)工程では、
複数の前記半田ボールが、前記複数のボンディングパッド、または、前記複数のボンディングパッドと電気的に接続される複数の前記バンプランドよりも下方に配置された状態で前記複数の半田ボールを前記複数のボンディングパッド、または、前記複数のバンプランドと接合することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項19】
請求項17において、
前記複数のコアボールのそれぞれの直径は、前記半田ボールの半径よりも小さいことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項20】
請求項17において、
以下の工程をさらに含むことを特徴とする半導体装置の製造方法:
(a1)前記(b)工程の前に、上面、前記上面に形成された複数のボンディングリード、前記上面とは反対側の下面、および前記下面に形成された複数の前記バンプランドを有する配線基板を準備する工程;
(a2)前記(a)工程および前記(a1)工程の後、かつ、前記(b)工程の前に、前記表面に複数の前記ボンディングパッドが形成された前記半導体チップを、前記配線基板の前記上面に搭載する工程;
(a3)前記(a2)工程の後、かつ、前記(b)工程の前に、前記半導体チップの前記複数のボンディングパッドと、前記配線基板の前記複数のボンディングリードを、複数の導電性部材を介して、それぞれ電気的に接続する工程;
ここで、
前記(b)工程では、前記配線基板の前記下面を上方に向けた状態で、前記半田ボールを前記複数のバンプランドのそれぞれの上に配置し、
前記(c)工程では、前記配線基板の前記下面を下方に向けた状態で、前記半田ボールに熱を加え、前記複数のバンプランドのそれぞれに接合する。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【公開番号】特開2012−33692(P2012−33692A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171745(P2010−171745)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】