説明

半導体装置の製造方法

【課題】LCDドライバ等の半導体製品では高さ約15〜20μmの電極形成のための金BUMPメッキ工程がある。LCDドライバの金BUMP表面形状は実装時のコンタクト性向上のため平坦性が要求されている。一方、実装時の位置決めを画像認識で行なっている関係上、BUMP表面外観は光の反射が少ない無光沢性が要求されている。BUMP表面を無光沢にするには、光をあらゆる方向へ拡散させるために、ミクロ的に、ある程度の表面の粗さを保つことが重要であるが、マクロ的にはBUMPの断面形状は平坦にしなければならないという一見、矛盾する問題がある。
【解決手段】本願発明は2段メッキの2段目(初期低電流密度メッキ後の高電流密度メッキ・ステップ)の終了部を低電流密度にするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置(または半導体集積回路装置)の製造方法におけるメッキ技術、特に金メッキ技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
日本特開2002−256486号公報(特許文献1)または米国特許公開2002−0127829号公報(特許文献2)には、半導体ウエハへの一般的なメッキ・プロセスにおいて、ウエハ内の温度分布を一様にするために加熱及び冷却を含む温調を施すことが開示されている。
【0003】
日本特開2005−136225号公報(特許文献3)または米国特許公開2005−0023149号公報(特許文献4)には、半導体ウエハへの埋め込み配線形成のための銅等のメッキ・プロセスにおいて、ウエハ内の温度を一定にするために加熱及び冷却を含む温調を施すことが開示されている。
【0004】
日本特開平7−142425号公報(特許文献5)には、半導体ウエハへの一般的なメッキ・プロセスにおいて、ウエハ内の温度分布を一様にするために加熱を含む温調を施すことが開示されている。
【0005】
日本特開平11−200058号公報(特許文献6)には、半導体ウエハへの埋め込み配線形成のための銅等のメッキ・プロセスにおいて、ウエハからの距離に応じて温度勾配を形成するためにウエハの裏面からの加熱を含む一定温度への温調を施すことが開示されている。
【0006】
日本特開平11−92948号公報(特許文献7)または米国特許第6544585号公報(特許文献8)には、半導体ウエハへの埋め込み配線形成のための銅等のメッキ・プロセスにおいて、ウエハ上の気泡を除去するために、ウエハの裏面から加熱して、メッキ液を沸騰させることが開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2002−256486号公報
【特許文献2】米国特許公開2002−0127829号公報
【特許文献3】特開2005−136225号公報
【特許文献4】米国特許公開2005−0023149号公報
【特許文献5】特開平7−142425号公報
【特許文献6】特開平11−200058号公報
【特許文献7】特開平11−92948号公報
【特許文献8】米国特許第6544585号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
LCD(Liquid Crystal Display)ドライバ等の半導体製品では高さ約15〜20μmの電極形成のための金BUMPメッキ工程がある。LCDドライバの金BUMP表面形状は実装時のコンタクト性向上のため平坦性が要求されている。一方、実装時の位置決めを画像認識で行なっている関係上、BUMP表面外観は光の反射が少ない無光沢性が要求されている。BUMP表面を無光沢にするには、光をあらゆる方向へ拡散させるために、ミクロ的に、ある程度の表面の粗さを保つことが重要であるが、マクロ的にはBUMPの断面形状は平坦にしなければならないという一見、矛盾する問題がある。
【0009】
BUMP表面の平坦化、無光沢化には電流密度は低い方が望ましいが、その半面、メッキ処理時間増大というデメリットがある。これは、低電流密度にすると金粒塊が大きくなるため、無光沢になり、下地段差をトレースせず、中央が凸型となるためである。逆に、高電流密度にすると金粒塊が小さくなるため、光沢になり、下地段差をトレースするので、中央が凹型となる。そのため、一般に、メッキ初期の数分間を低電流密度で、それ以降は高電流密度でメッキを行う2段メッキを実施している。
【0010】
しかし、最近の高密度実装化により、無光沢状態を維持したまま、更なる平坦化が要求されている。この更なる一見矛盾する要求に答えるために、本願発明者らは、以下の検討を行った。
【0011】
すなわち、メッキ液温(メッキ液の温度)は、適正メッキ液温度範囲(50℃〜65℃程度)内で所望のBUMP表面の平坦化、無光沢化が得られる液温を設定してメッキを実施するのが一般的である。この適正メッキ液温度範囲内でメッキ液温を上げると(電流密度を下げるのとほぼ同一の効果)、金粒塊が大きくなるため、無光沢になり、下地段差をトレースせず、中央が凸型となる。逆に、メッキ液温を下げると(電流密度を上げるのとほぼ同一の効果)、金粒塊が小さくなるため、光沢になり、下地段差をトレースするので、中央が凹型となる。このように、金メッキ表面の微視的及び巨視的特性を決めるパラメータは電流密度とメッキ液温という二つの要素があり、それらの新規な組み合わせにより、前記の一見、矛盾する問題を解決できることが、本願発明者等によって明らかにされた。
【0012】
本発明の目的は、信頼性の高い半導体装置の製造プロセスを提供することにある。
【0013】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0015】
すなわち、本願発明は2段メッキの2段目(初期低電流密度メッキ後の高電流密度メッキ・ステップ)の終了部を低電流密度にするものである。
【発明の効果】
【0016】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0017】
すなわち、金バンプ・メッキ・ステップを初期低電流密度メッキ、中間の高電流密度メッキ・ステップ、および最終段の低電流密度メッキからなる3段ステップとすることで、巨視的平坦性を犠牲にせず、中間の高電流密度メッキ・ステップにおいて光沢となった表面を再び無光沢にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
〔実施の形態の概要〕
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。
【0019】
1.以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)ウエハの第1の主面上に、複数の開口部を有するレジスト膜を形成する工程;
(b)前記レジスト膜を有する前記ウエハを、メッキ・カップおよび前記メッキ・カップにメッキ液を供給するメッキ液タンクを有する枚葉メッキ装置内に導入する工程;
(c)前記枚葉メッキ装置内において、前記レジスト膜を有する前記ウエハを、前記第1の主面が前記メッキ・カップのメッキ槽に対向するように、前記メッキ・カップにロードする工程;
(d)前記工程(c)の後、前記メッキ槽と前記メッキ液タンクの間で、前記メッキ液を循環させながら、前記第1の主面の前記複数の開口部に、電気メッキにより金バンプ電極を形成する工程、
ここで、前記工程(d)は、以下の下位工程を含む:
(d1)第1の厚さを有し、金を主要な成分とする第1のメッキ層を堆積する工程;
(d2)前記第1のメッキ層上に、前記第1のメッキ層よりも平均メッキ粒塊が小さく、前記第1の厚さよりも厚い第2の厚さを有し、金を主要な成分とする第2のメッキ層を堆積する工程;
(d3)前記第2のメッキ層上に、前記第2のメッキ層よりも平均メッキ粒塊が大きく、前記第2の厚さよりも薄い第3の厚さを有し、金を主要な成分とする第3のメッキ層を堆積する工程。
【0020】
2.前記1項の半導体装置の製造方法において、前記工程(d)においては、前記メッキ液の温度はほぼ一定である。
【0021】
3.前記1または2項の半導体装置の製造方法において、前記第2の厚さは前記第1の厚さおよび前記第3の厚さの3倍以上である。
【0022】
4.前記1または2項の半導体装置の製造方法において、前記第2の厚さは前記第1の厚さおよび前記第3の厚さの4倍以上である。
【0023】
5.前記1または2項の半導体装置の製造方法において、前記第2の厚さは前記第1の厚さおよび前記第3の厚さの5倍以上である。
【0024】
6.前記1から5項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)におけるメッキ電流密度は、前記下位工程(d1)および(d3)におけるメッキ電流密度よりも大きい。
【0025】
7.前記1から5項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)におけるメッキ電流密度は、前記下位工程(d1)および(d3)におけるメッキ電流密度よりも2倍以上、大きい。
【0026】
8.前記1から5項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)におけるメッキ電流密度は、前記下位工程(d1)および(d3)におけるメッキ電流密度よりも3倍以上、大きい。
【0027】
9.前記1から8項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)における前記ウエハの温度は、前記下位工程(d1)および(d3)における前記ウエハの温度よりも低い。
【0028】
10.前記1から8項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)における前記ウエハの温度は、前記下位工程(d1)および(d3)における前記ウエハの温度よりも摂氏2度以上、低い。
【0029】
11.前記1から10項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)における前記ウエハの温度は、前記ウエハの第2の主面を冷却することにより、前記下位工程(d1)および(d3)における前記ウエハの温度よりも低くされている。
【0030】
12.前記1から10項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d1)および(d3)における前記ウエハの温度は、前記ウエハの第2の主面を加熱することにより、前記下位工程(d2)における前記ウエハの温度よりも高くされている。
【0031】
13.以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)ウエハの第1の主面上に、複数の開口部を有するレジスト膜を形成する工程;
(b)前記レジスト膜を有する前記ウエハを、メッキ・カップおよび前記メッキ・カップにメッキ液を供給するメッキ液タンクを有する枚葉メッキ装置内に導入する工程;
(c)前記枚葉メッキ装置内において、前記レジスト膜を有する前記ウエハを、前記第1の主面が前記メッキ・カップのメッキ槽に対向するように、前記メッキ・カップにロードする工程;
(d)前記工程(c)の後、前記メッキ槽と前記メッキ液タンクの間で、前記メッキ液を循環させながら、前記第1の主面の前記複数の開口部に、電気メッキにより金バンプ電極を形成する工程、
ここで、前記工程(d)は、以下の下位工程を含む:
(d1)第1の厚さを有し、金を主要な成分とする第1のメッキ層を、第1のメッキ電流密度による電気メッキにより、堆積する工程;
(d2)前記第1のメッキ層上に、前記第1のメッキ電流密度よりも高い第2のメッキ電流密度による電気メッキにより、前記第1の厚さよりも厚い第2の厚さを有し、金を主要な成分とする第2のメッキ層を堆積する工程;
(d3)前記第2のメッキ層上に、前記第2のメッキ電流密度よりも低い第3のメッキ電流密度による電気メッキにより、前記第2の厚さよりも薄い第3の厚さを有し、金を主要な成分とする第3のメッキ層を堆積する工程。
【0032】
14.前記13項の半導体装置の製造方法において、前記工程(d)においては、前記メッキ液の温度はほぼ一定である。
【0033】
15.前記13または14項の半導体装置の製造方法において、前記第3のメッキ層の上面は実質的に光沢面ではない。
【0034】
16.前記13から15項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記第2の厚さは前記第1の厚さおよび前記第3の厚さの3倍以上である。
【0035】
17.前記13から15項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記第2の厚さは前記第1の厚さおよび前記第3の厚さの4倍以上である。
【0036】
18.前記13から15項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記第2の厚さは前記第1の厚さおよび前記第3の厚さの5倍以上である。
【0037】
19.前記13から18項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)におけるメッキ電流密度は、前記下位工程(d1)および(d3)におけるメッキ電流密度よりも2倍以上、大きい。
【0038】
20.前記13から19項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)におけるメッキ電流密度は、前記下位工程(d1)および(d3)におけるメッキ電流密度よりも3倍以上、大きい。
【0039】
21.前記13から20項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)における前記ウエハの温度は、前記下位工程(d1)および(d3)における前記ウエハの温度よりも低い。
【0040】
22.前記13から20項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)における前記ウエハの温度は、前記下位工程(d1)および(d3)における前記ウエハの温度よりも摂氏2度以上、低い。
【0041】
23.前記13から22項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)における前記ウエハの温度は、前記ウエハの第2の主面を冷却することにより、前記下位工程(d1)および(d3)における前記ウエハの温度よりも低くされている。
【0042】
24.前記13から22項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d1)および(d3)における前記ウエハの温度は、前記ウエハの第2の主面を加熱することにより、前記下位工程(d2)における前記ウエハの温度よりも高くされている。
【0043】
25.以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)ウエハの第1の主面上に、複数の開口部を有するレジスト膜を形成する工程;
(b)前記レジスト膜を有する前記ウエハを、メッキ・カップおよび前記メッキ・カップにメッキ液を供給するメッキ液タンクを有する枚葉メッキ装置内に導入する工程;
(c)前記枚葉メッキ装置内において、前記レジスト膜を有する前記ウエハを、前記第1の主面が前記メッキ・カップのメッキ槽に対向するように、前記メッキ・カップにロードする工程;
(d)前記工程(c)の後、前記メッキ槽と前記メッキ液タンクの間で、前記メッキ液を循環させながら、前記第1の主面の前記複数の開口部に、電気メッキにより金バンプ電極を形成する工程、
ここで、前記工程(d)は、以下の下位工程を含む:
(d1)第1の厚さを有し、金を主要な成分とする第1のメッキ層を、第1のウエハ温度において、堆積する工程;
(d2)前記第1のメッキ層上に、前記第1の厚さよりも厚い第2の厚さを有し、前記第1のウエハ温度よりも低い第2のウエハ温度において、金を主要な成分とする第2のメッキ層を堆積する工程;
(d3)前記第2のメッキ層上に、前記第2の厚さよりも薄い第3の厚さを有し、前記第2のウエハ温度よりも高い第3のウエハ温度において、金を主要な成分とする第3のメッキ層を堆積する工程。
【0044】
26.前記25項の半導体装置の製造方法において、前記工程(d)においては、メッキ電流密度は、ほぼ一定である。
【0045】
27.前記25または26項の半導体装置の製造方法において、前記第3のメッキ層の上面は実質的に光沢面ではない。
【0046】
28.前記25から27項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記工程(d)においては、前記メッキ液の温度はほぼ一定である。
【0047】
29.前記25から28項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記第2の厚さは前記第1の厚さおよび前記第3の厚さの3倍以上である。
【0048】
30.前記25から28項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記第2の厚さは前記第1の厚さおよび前記第3の厚さの4倍以上である。
【0049】
31.前記25から28項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記第2の厚さは前記第1の厚さおよび前記第3の厚さの5倍以上である。
【0050】
32.前記25および27から31項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)におけるメッキ電流密度は、前記下位工程(d1)および(d3)におけるメッキ電流密度よりも大きい。
【0051】
33.前記25および27から31項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)におけるメッキ電流密度は、前記下位工程(d1)および(d3)におけるメッキ電流密度よりも2倍以上、大きい。
【0052】
34.前記25および27から31項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)におけるメッキ電流密度は、前記下位工程(d1)および(d3)におけるメッキ電流密度よりも3倍以上、大きい。
【0053】
35.前記25から34項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)における前記ウエハの温度は、前記下位工程(d1)および(d3)における前記ウエハの温度よりも低い。
【0054】
36.前記25から34項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)における前記ウエハの温度は、前記下位工程(d1)および(d3)における前記ウエハの温度よりも摂氏2度以上、低い。
【0055】
37.前記25から36項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)における前記ウエハの温度は、前記ウエハの第2の主面を冷却することにより、前記下位工程(d1)および(d3)における前記ウエハの温度よりも低くされている。
【0056】
38.前記25から36項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d1)および(d3)における前記ウエハの温度は、前記ウエハの第2の主面を加熱することにより、前記下位工程(d2)における前記ウエハの温度よりも高くされている。
【0057】
39.以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)ウエハの第1の主面上に、複数の開口部を有するレジスト膜を形成する工程;
(b)前記レジスト膜を有する前記ウエハを、メッキ・カップおよび前記メッキ・カップにメッキ液を供給するメッキ液タンクを有する枚葉メッキ装置内に導入する工程;
(c)前記枚葉メッキ装置内において、前記レジスト膜を有する前記ウエハを、前記第1の主面が前記メッキ・カップのメッキ槽に対向するように、前記メッキ・カップにロードする工程;
(d)前記工程(c)の後、前記メッキ槽と前記メッキ液タンクの間で、前記メッキ液を循環させながら、前記第1の主面の前記複数の開口部に、電気メッキにより金バンプ電極を形成する工程、
ここで、前記工程(d)は、以下の下位工程を含む:
(d1)第1の厚さを有し、金を主要な成分とする第1のメッキ層を、第1のウエハ温度において、堆積する工程;
(d2)前記第1のメッキ層上に、前記第1の厚さよりも厚い第2の厚さを有し、前記第1のウエハ温度よりも低い第2のウエハ温度において、金を主要な成分とする第2のメッキ層を堆積する工程。
【0058】
40.前記39項の半導体装置の製造方法において、前記工程(d)においては、メッキ電流密度は、ほぼ一定である。
【0059】
41.前記39または40項の半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d1)における前記ウエハの温度は、前記ウエハの第2の主面を加熱することにより、前記下位工程(d2)における前記ウエハの温度よりも高くされている。
【0060】
42.前記39から41項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記工程(d)においては、前記メッキ液の温度はほぼ一定である。
【0061】
43.前記39から42項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記第2の厚さは前記第1の厚さおよび前記第3の厚さの3倍以上である。
【0062】
44.前記39から42項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記第2の厚さは前記第1の厚さおよび前記第3の厚さの4倍以上である。
【0063】
45.前記39から42項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記第2の厚さは前記第1の厚さおよび前記第3の厚さの5倍以上である。
【0064】
46.前記39および41から45項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)におけるメッキ電流密度は、前記下位工程(d1)におけるメッキ電流密度よりも大きい。
【0065】
47.前記39および41から45項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)におけるメッキ電流密度は、前記下位工程(d1)におけるメッキ電流密度よりも2倍以上、大きい。
【0066】
48.前記39および41から45項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)におけるメッキ電流密度は、前記下位工程(d1)におけるメッキ電流密度よりも3倍以上、大きい。
【0067】
49.前記39から48項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)における前記ウエハの温度は、前記下位工程(d1)における前記ウエハの温度よりも低い。
【0068】
50.前記39から48項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)における前記ウエハの温度は、前記下位工程(d1)における前記ウエハの温度よりも摂氏2度以上、低い。
【0069】
51.前記39,40、および42から50項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)における前記ウエハの温度は、前記ウエハの第2の主面を冷却することにより、前記下位工程(d1)における前記ウエハの温度よりも低くされている。
【0070】
〔本願における記載形式・基本的用語・用法の説明〕
1.本願において、実施の態様の記載は、必要に応じて、便宜上複数のセクションに分けて記載する場合もあるが、特にそうでない旨明示した場合を除き、これらは相互に独立別個のものではなく、単一の例の各部分、一方が他方の一部詳細または一部または全部の変形例等である。また、原則として、同様の部分は繰り返しを省略する。また、実施の態様における各構成要素は、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、必須のものではない。
【0071】
2.同様に実施の態様等の記載において、材料、組成等について、「AからなるX」等といっても、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、A以外の要素を主要な構成要素のひとつとするものを排除するものではない。たとえば、成分についていえば、「Aを主要な成分として含むX」等の意味である。たとえば、「金バンプ電極」等と言っても、純粋な金ばかりでなく、金を主要な成分とする金合金等も含まれるものとする。同様に「シリコン部材」等といっても、純粋なシリコンに限定されるものではなく、SiGe合金やその他シリコンを主要な成分とする多元合金、その他の添加物等を含む部材も含むものであることはいうまでもない。同様に、「酸化シリコン膜」と言っても、比較的純粋な非ドープ酸化シリコン(Undoped Silicon Dioxide)だけでなく、FSG(Fluorosilicate Glass)、TEOSベース酸化シリコン(TEOS-based silicon oxide)、SiOC(Silicon Oxicarbide)またはカーボンドープ酸化シリコン(Carbon-doped Silicon oxide)またはOSG(Organosilicate glass)、PSG(Phosphorus Silicate Glass)、BPSG(Borophosphosilicate Glass)等の熱酸化膜、CVD酸化膜、SOG(Spin ON Glass)、ナノ・クラスタリング・シリカ(Nano-Clustering Silica:NSC)等の塗布系酸化シリコン、これらと同様な部材に空孔を導入したシリカ系Low-k絶縁膜(ポーラス系絶縁膜)、およびこれらを主要な構成要素とする他のシリコン系絶縁膜との複合膜等を含むことは言うまでもない。
【0072】
3.同様に、図形、位置、属性等に関して、好適な例示をするが、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、厳密にそれに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0073】
4.さらに、特定の数値、数量に言及したときも、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、その特定の数値を超える数値であってもよいし、その特定の数値未満の数値でもよい。
【0074】
5.「ウエハ」というときは、通常は半導体装置(半導体集積回路装置、電子装置も同じ)をその上に形成する単結晶シリコンウエハを指すが、エピタキシャルウエハ、SOIウエハ等の絶縁基板と半導体層等の複合ウエハ等も含むことは言うまでもない。また、「ウエハの温度」というときは、特に場所を指定したとき又は明らかでそうでないときを除き、ウエハの裏面中央部の温度を指すものとする。
【0075】
6.「メッキ液の温度」というときは、特に場所を指定したとき(たとえば「メッキ液タンク内のメッキ液の温度」)又は明らかでそうでないときを除き、メッキ・カップに流入する際のメッキ液の温度を表す。
【0076】
7.バンプ電極等について「メッキ層の厚さ」というときは、特に場所を指定したとき又は明らかでそうでないときを除き、バンプ電極等の中央部の厚さを言う。
【0077】
〔実施の形態の詳細〕
実施の形態について更に詳述する。各図中において、同一または同様の部分は同一または類似の記号または参照番号で示し、説明は原則として繰り返さない。
【0078】
1.本実施形態の半導体装置の製造方法の金バンプ・メッキ・プロセスによるデバイスの実装状態の説明(主に図3及び図4)
図3は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法による半導体装置(半導体集積回路装置)の一例を示すチップ上面図である。図4は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法による半導体装置(半導体集積回路装置)を液晶表示装置に実装した構造を示す断面図である。これらに基づいて、本実施形態の半導体装置の製造方法の金バンプ・メッキ・プロセスによるデバイスの実装状態を説明する。
【0079】
前記のように、図3は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法による半導体装置(半導体集積回路装置)の一例を示すチップ上面図である。これは液晶表示装置すなわちLCD(Liquid Crystal Display)ドライバー用チップの例であり、チップ51上には回路領域52とその周辺の多数のバンプ電極15が配置されている。
【0080】
図4は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法による半導体装置(半導体集積回路装置)を液晶表示装置に実装した構造を示す断面図である。図4に示すように、液晶表示装置の液晶基板55上には複数のITO(Indium Tin Oxide)電極53等の導電体外部電極が設けられており、LCDドライバー用チップ51上の複数の金バンプ電極15と異方性導電膜54すなわちACF(Anisotropic Conductive Film)を介して電気的に接続されている。このとき、金バンプ電極15に厚さばらつきがあると、一部の電極間で接続抵抗が高くなる等の不具合を生ずる可能性が高い。
【0081】
2.本実施形態の半導体装置の製造方法の全体プロセス、メッキ・カップ(メッキ・カップ構造X)およびメッキプロセスの1例の詳細説明(主に図1、図2及び図5から12)
図1は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるメッキプロセス(電流可変3ステップ・プロセス:メッキ・プロセスA)のシーケンス図である。図2は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるメッキプロセスに使用する基本的なメッキ・カップの構造を示す断面図である。図5は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバンプ形成処理前のデバイス構造を示す模式断面図である。図6は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるUBM(Under Bump Metal)形成工程のデバイス構造を示す模式断面図である。図7は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるフォトレジスト塗布工程が完了したデバイス構造を示す模式断面図である。図8は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるフォトレジスト現像工程が完了したデバイス構造を示す模式断面図である。図9は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるメッキ工程が完了したデバイス構造を示す模式断面図である。図10は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるレジスト除去工程が完了したデバイス構造を示す模式断面図である。図11は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるUBMエッチ工程が完了したデバイス構造を示す模式断面図である。図12は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法に使用するレジスト塗布装置の塗布部を示す斜視図である。これらに基づいて、本実施形態の半導体装置の製造方法の全体プロセス、メッキ・カップおよびメッキプロセスの1例の詳細を説明する。
【0082】
まず、図2に基づいて、基本的なメッキ・カップ3の構造を説明する。以下では200φシリコン単結晶ウエハの場合を例にとり具体的に説明する。図2に示すように、メッキ・カップ3内のメッキ槽2のウエハ・ホールダ24にはリング状のカソード電極32が設けられており、その上にウエハ1がフェースダウン(ウエハ1のデバイス面1aが下向き)でセットされている。メッキ・カップ3の下端にはメッキ液供給配管45が連結されている。メッキ液2はアノード電極34を貫通して、ウエハ1の第1の主面1aに当たり、方向変換して、メッキ液排出配管46からタンクへ戻される。ウエハ1の第2の主面1b(裏面)は、ウエハ押さえ42によって、押し付けバネ43およびウエハ・ホールダ駆動用シリンダ44によって、カソード電極32に押し付けられている。
【0083】
次に、図5から図12に基づいて、本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバンプ形成プロセスを説明する。図5に示すように多数のデバイスや配線(酸化シリコン膜や種々のメタル層で形成されている)が形成されたウエハ1の第1の主面1a(第1の主面1aはデバイス面であり、第2の主面1bすなわちウエハの裏面1bと反対側の主面のことである)上にたとえばシリコンナイトライド等(無機系のみでなく有機系の膜でもよい)のファイナルパッシベーション膜61が形成されており、そのアルミニウムパッド62に対応する部分には、パッド開口63が設けられている。次に図6に示すようにスパッタリングによりUBM(Under Bump Metal)膜、たとえば厚さ175マイクロメータ程度のチタン膜64(下層)、たとえば厚さ175マイクロメータ程度のパラジウム膜65(上層)が順次形成される(これらのUBM材料はあくまでも例示であって、他の同様の材料を排除するものではない。たとえば、パラジウム膜は金膜でもよいが、パラジウム膜を用いると、より信頼度が高くなる。また、金より、材料価格が若干安いメリットがある。)。図7に示すように、その上に、前記の塗布システムおよび方法を用いて、たとえば19から25ミクロン程度(たとえば20ミクロン)の厚さのポジ型レジスト膜12が形成される。ここで用いるレジスト液は、たとえば東京応化工業株式会社(Tokyo Ohka Kogyo Co., LTD.)製のジアゾ・ナフトキノン・ノボラック系厚膜用ポジ型レジスト、製品名称「PMER P-LA900PM」等がある。塗布系レジストの変わりにフィルムレジストを用いてもよい。図8に示すように、レジストを露光、現像することで開口66を形成する。
【0084】
次に図9に示すように、開口66に電気メッキでたとえば15マイクロメータ程度の厚さのバンプ電極15となる金層を埋め込む(このとき、供給されるメッキ液の温度は、たとえば、摂氏53度程度の一定の温度に保たれている)。このステップは、図1に示すように、3個のサブステップに分割して実行される。先ず、第1ステップでは、UBM膜の段差を乗り越えるまで、すなわち、0から2マイクロ・メートルの間(第1の厚さTaは、2マイクロ・メートル程度)は、比較的低電流密度(たとえば0.2A/dm程度)で電気メッキを施す。このようにするとメッキ層の粒塊径が比較的大きくなり、段差を埋める効果が期待でき、比較的平坦な第1のメッキ層15aが得られる。
【0085】
第2ステップでは、すなわち、2から14マイクロ・メートルの間(第2の厚さTbは、12マイクロ・メートル程度)は、できるだけ高速で、且つ、平坦にメッキを行う必要があるため、比較的高電流密度(たとえば0.75A/dm程度)で電気メッキを施し、第2のメッキ層15bが得る。このようにすると、メッキ層の粒塊径が比較的小さくなり、平坦な下地そのままに平坦なメッキ層(中央が凸型とならず)を形成する。
【0086】
第3ステップでは、すなわち、14から15マイクロ・メートルの間(第3の厚さTcは、1マイクロ・メートル程度)は、実質的に光沢面でない程度の表面粗さを得る必要があるため、再度、比較的低電流密度(たとえば0.2A/dm程度)で電気メッキを施し、上面が無光沢の第3のメッキ層15cを得る。このようにするとメッキ層の粒塊径が比較的大きくなり、その結果、無光沢となる(メッキ層の上面が光沢面でない状態になる)。
【0087】
ここで、第2の厚さは、処理時間または形状特性を考慮すると、第1の厚さ及び第3の厚さと比較して、3倍以上が望ましい。また、平坦性が厳しい場合には、4倍以上が望ましい。更に、5倍以上が更に好適である。これは、バンプ電極の厚さを15マイクロ・メートル程度としたとき、下地段差は、通常2マイクロ・メートル以下程度であり、最上層は、最大粒塊径よりも大きければよいので、通常、0.5マイクロ・メートル以上あれば十分だからである。なお、このことは、以下の他のメッキプロセスでも同様である。
【0088】
上記各ステップでの電流密度の関係は、以下のごとくである。すなわち、第1ステップでは、下地段差を解消する必要があり、第3ステップでは、実質的に無光沢とする必要がある。一方、第2ステップでは、できるだけ高速で、しかも、下地平坦性を維持したメッキ状態を確保しなければならない。従って、そのようなメッキ特性の際を実現するためには、第2ステップのメッキ電流密度は、第1ステップおよび第3ステップのメッキ電流密度の2倍以上が望ましい。更に、処理時間等を短縮するためには、3倍以上が更に好適である。なお、このことは、以下の他のメッキプロセスでも電流密度を可変にする場合は同様である。しかし、その場合は、電流密度とウエハ温度の相乗効果により、より小さな差異で、必要な特性が得られる点に配慮する必要がある。
【0089】
なお、ここではメッキ液として環境的に問題の少ない非シアン系メッキ液である亜硫酸金系のメッキ液(主要成分が亜硫酸金ナトリウム、エチレンジアミン、無機酸塩、他の微量添加物の水溶液)を用いている。また、環境について十分な配慮が払われるのであれば、シアン系メッキ液を使用することも可能であることは言うまでもない。
【0090】
次に図10に示すように、レジスト膜12を除去する。最後に図11に示すように、金バンプ15をマスクにしてウエットエッチングで不要なUBM膜を選択除去する。これでバンプ電極が一応完成したことになる。
【0091】
図12は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法に使用するレジスト塗布装置の塗布部を示す斜視図である。ノズル67から滴下されたレジスト液は、ウエハ1上でスピンチャック41が高速回転することによって、所定の厚さのレジスト膜12に伸ばされる。
【0092】
3.本実施形態の半導体装置の製造方法における金メッキ・プロセスに使用するメッキ装置の説明(主に図13から図15)
図13は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるメッキプロセスに使用する枚葉メッキ装置の上面図である。図14は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるメッキプロセスに使用する枚葉メッキ装置のメッキ液循環機構を説明する模式断面図である。図15は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法における金バンプ・メッキ・プロセスに使用する枚葉メッキ装置のカソード電極とウエハのデバイス面の導電層とのコンタクトの様子を示す拡大断面図(図14のC部分に対応する)である。これらに基づいて、本実施形態の半導体装置の製造方法における金メッキ・プロセスに使用するメッキ装置を説明する。
【0093】
まず、図13に基づいて、枚葉メッキ装置の全体構造を説明する。図13に示すように、枚葉メッキ装置74は、操作盤75により操作される。まず、被処理ウエハ1を複数枚収容したウエハ搬送容器がローダ・アンローダ部76に収容される。収容されたウエハ1は、ウエハ位置又は配向合わせ部77で位置等が調整され、搬送部78(ウエハ搬送機構)によって、先ず、洗浄部79に移送され、洗浄後、再び搬送部78により、メッキ・カップ・アレー部73内の空いているメッキ・カップ3にセットされる。その後、数十分程度のメッキ・プロセスが実行される。ここでメッキ液タンク68は、メッキ液2(図14)をすべてのメッキ・カップ3(ここでは総数14台)に供給している。
【0094】
次に、図14に基づいて、メッキ・カップ3(図2と同一:メッキ・カップ構造X)とメッキ液タンク68の間のメッキ液2の循環の様子を説明する。図14に示すように、メッキ液タンク68内のメッキ液2は、ヒータ69、温度計70およびヒータ出力制御装置71によって、たとえば摂氏53度程度(必要に応じて摂氏50度から65度の間の適切な一定の温度に温調されている)の一定の温度に制御されている。メッキ液2はポンプ72により、メッキ液供給配管45を通して各メッキ・カップ3に送られ、メッキ液排出配管46からタンク68へ戻される。
【0095】
次に図2で説明したメッキ・カップ3へのウエハ1のセットの仕方の詳細を説明する。図15は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法における金バンプ・メッキ・プロセスに使用する枚葉メッキ装置74のカソード電極32とウエハ1のデバイス面1aの導電層とのコンタクトの様子を示す拡大断面図である。図15に基づいてウエハ・ホルダ24へのウエハ1のロード方法の詳細を説明する。図15に示すように、ウエハ1の終端部のパラジウム層65にカソード・リング電極32が接触するようにして、上からウエハ押さえ42でウエハ1の裏面1bを下方に押すとリップ・シール33が変形し、尚且つ、レジストを押しつぶして、メッキ液が漏れないようにシールする構造となっている。
【0096】
4.本実施形態の半導体装置の製造方法のメッキプロセスの他の例の詳細およびそれに用いるメッキ・カップの説明(主に図9および図16から図18)
図16は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるメッキプロセス(ウエハ温度可変3ステップ・プロセス:メッキ・プロセスB)のシーケンス図である。図17は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるメッキプロセスに使用する他のメッキ・カップの構造(メッキ・カップ構造Y)を示す断面図(非加熱時)である。図18は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるメッキプロセスに使用する他のメッキ・カップの構造(メッキ・カップ構造Y)を示す断面図(加熱時)である。図9及び図16から図18に基づいて、本実施形態の半導体装置の製造方法のメッキプロセスの他の例の詳細およびそれに用いるメッキ・カップを説明する。
【0097】
まず、以下に使用するメッキ・カップの構造を説明する。以下に説明する以外は図2と同一である。図17および図18に示すように、ウエハ押さえ42には、ヒート・ブロック4が設けられている。このヒート・ブロック4内にはウエハ・ヒータ5が埋め込まれており、ウエハ・ヒータ制御部8によって、ヒート・ブロック4の温度が、メッキ液の温度よりも高い一定の温度(ここでは、たとえば摂氏56度)に制御されている。このヒート・ブロック4が、ウエハ・ヒータ制御部8に制御されるヒート・ブロック押し付けバネ7およびヒート・ブロック駆動シリンダ6によって、ウエハ1の裏面1bに押し付けられるか(ウエハ加熱ON状態)、離れているか(ウエハ加熱OFF状態)によって、ウエハ1の裏面1bの温度は上下する。
【0098】
次に、図9に対応するメッキ・プロセスの詳細を説明する。これは、図5から図12に説明した全体プロセスの図9の部分の変形例に当たる。
【0099】
図9に示すように、開口66に一定の電流密度(たとえば0.75A/dm程度)による電気メッキにより、たとえば15マイクロメータ程度の厚さのバンプ電極15となる金層を埋め込む(このとき、供給されるメッキ液の温度は、たとえば、摂氏53度程度の一定の温度に保たれている)。このステップは、図16に示すように、3個のサブステップに分割して実行される。先ず、第1ステップでは、UBM膜の段差を乗り越えるまで、すなわち、0から2マイクロ・メートルの間(第1の厚さTaは、2マイクロ・メートル程度)は、図18のようにヒート・ブロック4がウエハ1の裏面1bに密着した状態で電気メッキを施す。このようにすると粒塊径が比較的大きくなり、段差を埋める効果が期待でき、比較的平坦な第1のメッキ層15aが得られる。これはウエハ1の裏面1bの温度が上昇する結果、ウエハ1の表面1aの温度もそれに伴って上昇するため、ウエハ1の表面1aにおける実質的なメッキ液の温度が上昇するからである。
【0100】
第2ステップでは、すなわち、2から14マイクロ・メートルの間(第2の厚さTbは、12マイクロ・メートル程度)は、できるだけ高速で、且つ、平坦にメッキを行う必要があるため、図17のようにヒート・ブロック4がウエハ1の裏面1bからはなれた状態で電気メッキを施し、第2のメッキ層15bが得る。
【0101】
第3ステップでは、すなわち、14から15マイクロ・メートルの間(第3の厚さTcは、1マイクロ・メートル程度)は、実質的に光沢面でない程度の表面粗さを得る必要があるため、再度、図18のようにヒート・ブロック4がウエハ1の裏面1bに密着した状態で電気メッキを施し、上面が無光沢の第3のメッキ層15cを得る。なお、ここではメッキ液として環境的に問題の少ない非シアン系メッキ液である亜硫酸金系のメッキ液(主要成分が亜硫酸金ナトリウム、エチレンジアミン、無機酸塩、他の微量添加物の水溶液)を用いている。また、環境について十分な配慮が払われるのであれば、シアン系メッキ液を使用することも可能であることは言うまでもない。
【0102】
上記各ステップでのウエハ温度間の関係は、以下のごとくである。すなわち、第1ステップでは、下地段差を解消する必要があり、第3ステップでは、実質的に無光沢とする必要がある。一方、第2ステップでは、できるだけ高速で、しかも、下地平坦性を維持したメッキ状態を確保しなければならない。従って、そのようなメッキ特性の際を実現するためには、第2ステップのウエハ温度は、第1ステップおよび第3ステップのウエハ温度よりも摂氏2度以上低いことが望ましい。なお、このことは、以下の他のメッキプロセスでもウエハ温度を可変にする場合は同様である。しかし、その場合は、電流密度とウエハ温度の相乗効果により、より小さな差異で、必要な特性が得られる点に配慮する必要がある。
【0103】
なお、このメッキ・プロセスB(ウエハ温度可変3ステップ・プロセス)の長所は、セクション2で説明したメッキ・プロセスA(電流可変3ステップ・プロセス)と比較して、終始、比較的高い電流密度でメッキ処理をすることができるので、処理時間を短縮できるところにある。
【0104】
また、バンプ電極の上面の無光沢性が特に要求されない場合には、メッキ・プロセスBの最後のステップを省略することも可能である(ウエハ温度可変2ステップ・プロセス:すなわち、メッキ・プロセスC)。ただし、この場合に、同一のバンプ厚さを確保するためには、その分、第2ステップを長くする必要がある。
【0105】
5.本実施形態の半導体装置の製造方法における金メッキ・プロセスに使用するその他のメッキ装置およびそれを用いたメッキプロセスの詳細の説明(主に図19)
図19は本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるメッキプロセス(メッキ・プロセスBまたはC)に使用する更に他のメッキ・カップの構造(メッキ・カップ構造Z)を示す断面図(冷却時)である。これに基づいて、本実施形態の半導体装置の製造方法における金メッキ・プロセスに使用するその他のメッキ装置を説明する。
【0106】
まず、以下に使用するメッキ・カップの構造を説明する。以下に説明する以外は図17,図18と同一である。図19に示すように、ウエハ押さえ42には、冷却ブロック56が設けられている。この冷却ブロック56内には冷却水配管60が埋め込まれており、ウエハ冷却制御部59によって、冷却ブロック56の温度が、メッキ液の温度よりも低い一定の温度(ここでは、たとえば摂氏53度)に制御されている。この冷却ブロック56が、ウエハ冷却制御部59に制御される冷却ブロック押し付けバネ58および冷却ブロック駆動シリンダ57によって、ウエハ1の裏面1bに押し付けられるか(ウエハ加熱ON状態)、離れているか(ウエハ加熱OFF状態)によって、ウエハ1の裏面1bの温度は上下する。
【0107】
次に、図9に対応するメッキ・プロセスの詳細を説明する。これは、図5から図12に説明した全体プロセスの図9の部分の変形例に当たる。
【0108】
図9に示すように、開口66に一定の電流密度(たとえば0.75A/dm程度)による電気メッキにより、たとえば15マイクロメータ程度の厚さのバンプ電極15となる金層を埋め込む(このとき、供給されるメッキ液の温度は、たとえば、摂氏56度程度の一定の温度に保たれている)。このステップは、図16に示すように、3個のサブステップに分割して実行される。先ず、第1ステップでは、UBM膜の段差を乗り越えるまで、すなわち、0から2マイクロ・メートルの間(第1の厚さTaは、2マイクロ・メートル程度)は、冷却ブロック56がウエハ1の裏面1bからはなれた状態で電気メッキを施す。このようにすると粒塊径が比較的大きくなり、段差を埋める効果が期待でき、比較的平坦な第1のメッキ層15aが得られる。メッキ液の温度がもともと高く設定されているからである。
【0109】
第2ステップでは、すなわち、2から14マイクロ・メートルの間(第2の厚さTbは、12マイクロ・メートル程度)は、できるだけ高速で、且つ、平坦にメッキを行う必要があるため、図19のように冷却ブロック56がウエハ1の裏面1bに密着した状態で電気メッキを施し、第2のメッキ層15bが得る。このようにすると、ウエハ1の裏面1bの温度が下がるため、ウエハ1の表面1aの温度も下がる結果、ウエハ1の表面1a部分のメッキ液の温度が実質的に低下するからである。
【0110】
第3ステップでは、すなわち、14から15マイクロ・メートルの間(第3の厚さTcは、1マイクロ・メートル程度)は、実質的に光沢面でない程度の表面粗さを得る必要があるため、再度、冷却ブロック56がウエハ1の裏面1bからはなれた状態で電気メッキを施し、上面が無光沢の第3のメッキ層15cを得る。なお、ここではメッキ液として環境的に問題の少ない非シアン系メッキ液である亜硫酸金系のメッキ液(主要成分が亜硫酸金ナトリウム、エチレンジアミン、無機酸塩、他の微量添加物の水溶液)を用いている。また、環境について十分な配慮が払われるのであれば、シアン系メッキ液を使用することも可能であることは言うまでもない。
【0111】
なお、このメッキ・プロセスB(ウエハ温度可変3ステップ・プロセス)の長所は、セクション2で説明したメッキ・プロセスA(電流可変3ステップ・プロセス)と比較して、終始、比較的高い電流密度でメッキ処理をすることができるので、処理時間を短縮できるところにある。
【0112】
また、バンプ電極の上面の無光沢性が特に要求されない場合には、メッキ・プロセスBの最後のステップを省略することも可能である(ウエハ温度可変2ステップ・プロセス:すなわち、メッキ・プロセスC)。ただし、この場合に、同一のバンプ厚さを確保するためには、その分、第2ステップを長くする必要がある。
【0113】
6.本実施形態の半導体装置の製造方法における金メッキ・プロセスのバリエーションの説明
以上説明したメッキ・カップ構造Y,Zは、前記メッキ・プロセスA,B,Cのいずれにも使用できることは言うまでもない。また、図1又は図16のメッキ・プロセス・シーケンスは、説明の都合上、最も典型的な(メッキ電流密度一定の極限およびウエハ温度一定の極限)のみを具体的に説明したが、これらの中間的な形態を排除するものではない。実際には、必要に応じて、メッキ電流密度とウエハ温度を適宜変更して、量産上の各種要求に対応して最適条件を設定することの方がが普通である。
【0114】
7.サマリ
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて金バンプを形成する際のメッキプロセスを例にとって具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0115】
例えば、金以外の半田バンプ、銀バンプ等の形成において同様に適用できることは言うまでもない。また、バンプ形成に限定されるものではなく、材料を扱う際に広く適用できることは言うまでもない。
【0116】
また、本実施形態においては、レジスト膜に開口を設けて、その開口にメッキするプロセスについて説明したが、銅ダマシン・プロセス(または銀ダマシン・プロセス)のように、レジスト膜等を用いず、ウエハのほぼ全面に金属膜をメッキするプロセスにも適用できることは言うまでもない。
【0117】
更に、前記実施形態では、主に現時点で広く使用されているカップを反転しないウエハ・フェース・ダウン型のメッキ装置を例にとって、具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、カップ反転型(ウエハ・フェース・アップ型)のメッキ装置においても、ほぼそのまま適用できることは言うまでもない。
【0118】
なお、前記実施形態では、主に200φウエハを用いた場合を例にとり具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、300φウエハまたは450φ等にも同様に適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるメッキプロセス(電流可変3ステップ・プロセス)のシーケンス図である。
【図2】本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるメッキプロセスに使用する基本的なメッキ・カップの構造を示す断面図である。
【図3】本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法による半導体装置(半導体集積回路装置)の一例を示すチップ上面図である。
【図4】本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法による半導体装置(半導体集積回路装置)を液晶表示装置に実装した構造を示す断面図である。
【図5】本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバンプ形成処理前のデバイス構造を示す模式断面図である。
【図6】本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるUBM(Under Bump Metal)形成工程のデバイス構造を示す模式断面図である。
【図7】本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるフォトレジスト塗布工程が完了したデバイス構造を示す模式断面図である。
【図8】本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるフォトレジスト現像工程が完了したデバイス構造を示す模式断面図である。
【図9】本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるメッキ工程が完了したデバイス構造を示す模式断面図である。
【図10】本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるレジスト除去工程が完了したデバイス構造を示す模式断面図である。
【図11】本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるUBMエッチ工程が完了したデバイス構造を示す模式断面図である。
【図12】本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法に使用するレジスト塗布装置の塗布部を示す斜視図である。
【図13】本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるメッキプロセスに使用する枚葉メッキ装置の上面図である。
【図14】本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるメッキプロセスに使用する枚葉メッキ装置のメッキ液循環機構を説明する模式断面図である。
【図15】本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法における金バンプ・メッキ・プロセスに使用する枚葉メッキ装置のカソード電極とウエハのデバイス面の導電層とのコンタクトの様子を示す拡大断面図(図14のC部分に対応する)である。
【図16】本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるメッキプロセス(ウエハ温度可変3ステップ・プロセス)のシーケンス図である。
【図17】本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるメッキプロセスに使用する他のメッキ・カップの構造を示す断面図(非加熱時)である。
【図18】本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるメッキプロセスに使用する他のメッキ・カップの構造を示す断面図(加熱時)である。
【図19】本願発明の一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるメッキプロセスに使用する更に他のメッキ・カップの構造を示す断面図(冷却時)である。
【符号の説明】
【0120】
1 ウエハ
1a (ウエハの)第1の主面(デバイス面)
2 メッキ液(メッキ槽)
3 メッキ・カップ
12 レジスト膜
15 金バンプ電極
15a 第1のメッキ層
15b 第2のメッキ層
15c 第3のメッキ層
66 (レジスト膜の)開口部
68 メッキ液タンク
74 枚葉メッキ装置
Ta 第1の厚さ
Tb 第2の厚さ
Tc 第3の厚さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)ウエハの第1の主面上に、複数の開口部を有するレジスト膜を形成する工程;
(b)前記レジスト膜を有する前記ウエハを、メッキ・カップおよび前記メッキ・カップにメッキ液を供給するメッキ液タンクを有する枚葉メッキ装置内に導入する工程;
(c)前記枚葉メッキ装置内において、前記レジスト膜を有する前記ウエハを、前記第1の主面が前記メッキ・カップのメッキ槽に対向するように、前記メッキ・カップにロードする工程;
(d)前記工程(c)の後、前記メッキ槽と前記メッキ液タンクの間で、前記メッキ液を循環させながら、前記第1の主面の前記複数の開口部に、電気メッキにより金バンプ電極を形成する工程、
ここで、前記工程(d)は、以下の下位工程を含む:
(d1)第1の厚さを有し、金を主要な成分とする第1のメッキ層を堆積する工程;
(d2)前記第1のメッキ層上に、前記第1のメッキ層よりも平均メッキ粒塊が小さく、前記第1の厚さよりも厚い第2の厚さを有し、金を主要な成分とする第2のメッキ層を堆積する工程;
(d3)前記第2のメッキ層上に、前記第2のメッキ層よりも平均メッキ粒塊が大きく、前記第2の厚さよりも薄い第3の厚さを有し、金を主要な成分とする第3のメッキ層を堆積する工程。
【請求項2】
前記1項の半導体装置の製造方法において、前記工程(d)においては、前記メッキ液の温度はほぼ一定である。
【請求項3】
前記1項の半導体装置の製造方法において、前記第2の厚さは前記第1の厚さおよび前記第3の厚さの3倍以上である。
【請求項4】
前記1項の半導体装置の製造方法において、前記第2の厚さは前記第1の厚さおよび前記第3の厚さの4倍以上である。
【請求項5】
前記1項の半導体装置の製造方法において、前記第2の厚さは前記第1の厚さおよび前記第3の厚さの5倍以上である。
【請求項6】
前記1項の半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)におけるメッキ電流密度は、前記下位工程(d1)および(d3)におけるメッキ電流密度よりも大きい。
【請求項7】
前記1項の半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)におけるメッキ電流密度は、前記下位工程(d1)および(d3)におけるメッキ電流密度よりも2倍以上、大きい。
【請求項8】
前記1項の半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)におけるメッキ電流密度は、前記下位工程(d1)および(d3)におけるメッキ電流密度よりも3倍以上、大きい。
【請求項9】
前記1項の半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)における前記ウエハの温度は、前記下位工程(d1)および(d3)における前記ウエハの温度よりも低い。
【請求項10】
前記1項の半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)における前記ウエハの温度は、前記下位工程(d1)および(d3)における前記ウエハの温度よりも摂氏2度以上、低い。
【請求項11】
前記1項の半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)における前記ウエハの温度は、前記ウエハの第2の主面を冷却することにより、前記下位工程(d1)および(d3)における前記ウエハの温度よりも低くされている。
【請求項12】
前記1項の半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d1)および(d3)における前記ウエハの温度は、前記ウエハの第2の主面を加熱することにより、前記下位工程(d2)における前記ウエハの温度よりも高くされている。
【請求項13】
以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)ウエハの第1の主面上に、複数の開口部を有するレジスト膜を形成する工程;
(b)前記レジスト膜を有する前記ウエハを、メッキ・カップおよび前記メッキ・カップにメッキ液を供給するメッキ液タンクを有する枚葉メッキ装置内に導入する工程;
(c)前記枚葉メッキ装置内において、前記レジスト膜を有する前記ウエハを、前記第1の主面が前記メッキ・カップのメッキ槽に対向するように、前記メッキ・カップにロードする工程;
(d)前記工程(c)の後、前記メッキ槽と前記メッキ液タンクの間で、前記メッキ液を循環させながら、前記第1の主面の前記複数の開口部に、電気メッキにより金バンプ電極を形成する工程、
ここで、前記工程(d)は、以下の下位工程を含む:
(d1)第1の厚さを有し、金を主要な成分とする第1のメッキ層を、第1のメッキ電流密度による電気メッキにより、堆積する工程;
(d2)前記第1のメッキ層上に、前記第1のメッキ電流密度よりも高い第2のメッキ電流密度による電気メッキにより、前記第1の厚さよりも厚い第2の厚さを有し、金を主要な成分とする第2のメッキ層を堆積する工程;
(d3)前記第2のメッキ層上に、前記第2のメッキ電流密度よりも低い第3のメッキ電流密度による電気メッキにより、前記第2の厚さよりも薄い第3の厚さを有し、金を主要な成分とする第3のメッキ層を堆積する工程。
【請求項14】
前記13項の半導体装置の製造方法において、前記工程(d)においては、前記メッキ液の温度はほぼ一定である。
【請求項15】
以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)ウエハの第1の主面上に、複数の開口部を有するレジスト膜を形成する工程;
(b)前記レジスト膜を有する前記ウエハを、メッキ・カップおよび前記メッキ・カップにメッキ液を供給するメッキ液タンクを有する枚葉メッキ装置内に導入する工程;
(c)前記枚葉メッキ装置内において、前記レジスト膜を有する前記ウエハを、前記第1の主面が前記メッキ・カップのメッキ槽に対向するように、前記メッキ・カップにロードする工程;
(d)前記工程(c)の後、前記メッキ槽と前記メッキ液タンクの間で、前記メッキ液を循環させながら、前記第1の主面の前記複数の開口部に、電気メッキにより金バンプ電極を形成する工程、
ここで、前記工程(d)は、以下の下位工程を含む:
(d1)第1の厚さを有し、金を主要な成分とする第1のメッキ層を、第1のウエハ温度において、堆積する工程;
(d2)前記第1のメッキ層上に、前記第1の厚さよりも厚い第2の厚さを有し、前記第1のウエハ温度よりも低い第2のウエハ温度において、金を主要な成分とする第2のメッキ層を堆積する工程;
(d3)前記第2のメッキ層上に、前記第2の厚さよりも薄い第3の厚さを有し、前記第2のウエハ温度よりも高い第3のウエハ温度において、金を主要な成分とする第3のメッキ層を堆積する工程。
【請求項16】
前記15項の半導体装置の製造方法において、前記工程(d)においては、メッキ電流密度は、ほぼ一定である。
【請求項17】
前記15項の半導体装置の製造方法において、前記第3のメッキ層の上面は実質的に光沢面ではない。
【請求項18】
以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)ウエハの第1の主面上に、複数の開口部を有するレジスト膜を形成する工程;
(b)前記レジスト膜を有する前記ウエハを、メッキ・カップおよび前記メッキ・カップにメッキ液を供給するメッキ液タンクを有する枚葉メッキ装置内に導入する工程;
(c)前記枚葉メッキ装置内において、前記レジスト膜を有する前記ウエハを、前記第1の主面が前記メッキ・カップのメッキ槽に対向するように、前記メッキ・カップにロードする工程;
(d)前記工程(c)の後、前記メッキ槽と前記メッキ液タンクの間で、前記メッキ液を循環させながら、前記第1の主面の前記複数の開口部に、電気メッキにより金バンプ電極を形成する工程、
ここで、前記工程(d)は、以下の下位工程を含む:
(d1)第1の厚さを有し、金を主要な成分とする第1のメッキ層を、第1のウエハ温度において、堆積する工程;
(d2)前記第1のメッキ層上に、前記第1の厚さよりも厚い第2の厚さを有し、前記第1のウエハ温度よりも低い第2のウエハ温度において、金を主要な成分とする第2のメッキ層を堆積する工程。
【請求項19】
前記18項の半導体装置の製造方法において、前記工程(d)においては、メッキ電流密度は、ほぼ一定である。
【請求項20】
前記18項の半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d1)における前記ウエハの温度は、前記ウエハの第2の主面を加熱することにより、前記下位工程(d2)における前記ウエハの温度よりも高くされている。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−235459(P2009−235459A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−80949(P2008−80949)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】