半導体装置の製造方法
【課題】半導体ウェハや接着剤層が薄型化した場合であっても、製造の歩留まりを十分に確保できる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】この半導体装置の製造方法では、接着剤層形成工程とダイシングシート貼付工程との間に、平面視において半導体ウェハ1の縁よりも外側に形成された感光性接着剤層3の余剰部分4を除去する接着剤層除去工程を設けている。したがって、接着剤層除去工程に後続するダイシングシート貼付工程において感光性接着剤層3の余剰部分4を介してと粘着シート2とダイシングシート6とが直接に繋がることを回避できる。これにより、粘着シート2を半導体ウェハ1から剥離する際の不具合の発生を抑えることが可能となり、半導体ウェハ1や接着剤層3が薄型化した場合であっても、製造の歩留まりを十分に確保できる。
【解決手段】この半導体装置の製造方法では、接着剤層形成工程とダイシングシート貼付工程との間に、平面視において半導体ウェハ1の縁よりも外側に形成された感光性接着剤層3の余剰部分4を除去する接着剤層除去工程を設けている。したがって、接着剤層除去工程に後続するダイシングシート貼付工程において感光性接着剤層3の余剰部分4を介してと粘着シート2とダイシングシート6とが直接に繋がることを回避できる。これにより、粘着シート2を半導体ウェハ1から剥離する際の不具合の発生を抑えることが可能となり、半導体ウェハ1や接着剤層3が薄型化した場合であっても、製造の歩留まりを十分に確保できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体パッケージの薄型化に伴い、例えば厚さが50μm以下の半導体チップを搭載した半導体装置が使用されるようになってきている。従来、このような半導体装置を製造する際には、はく離可能な粘着シート上に固定された半導体ウェハを予め薄型化し、半導体ウェハの研削面にフィルム状の接着剤層を形成する。そして、接着剤層の表面にダイシングシートを貼り付けた後で粘着シートを剥離し、所定のダイシングラインに沿ってダイシングを行うことにより個片化された半導体チップを得ている。
【0003】
一方、上記方法において半導体ウェハと接着剤層とを同時にダイシングするときの接着剤層のバリの発生を考慮し、ダイシングを行った後にインクジェット法や印刷法を用いて半導体チップの表面に液状の接着剤を塗布する方法が用いられる場合もある(例えば特許文献1参照)。また、半導体チップ間に接着剤が入り込むことを避けるため、フィルム状の感光性接着剤を用いて接着剤層のパターニングを行う場合もある(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−14913公報
【特許文献2】特開2005−322853公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、半導体パッケージの薄型化が進んでいる現状では、半導体チップに形成する接着剤層の薄型化についても強い要求がなされている。これに対し、上述した従来の方法のようにフィルム状の接着剤層を用いる場合では接着剤層の薄型化に限界があり、近年の薄型化の要求を満足しているとは言い難い状況となっている。
【0006】
そこで、更なる接着剤層の薄型化を実現する方法として、はく離可能な粘着シート上に固定された半導体ウェハをバックグラインドによって予め薄型化し、半導体ウェハの研削面にスプレーコート法やスピンコート法によって接着剤層を形成する方法が検討されている。しかしながら、この方法を単純に採用して接着剤層の形成を行うと、半導体ウェハの表面のみならず、半導体ウェハ周面や更に外側の粘着シート上にも接着剤層が形成されてしまう場合がある。
【0007】
このため、ダイシングシートを貼り付ける際に、粘着シートとダイシングシートとが接着剤層を介して直接に繋がってしまい、粘着シートを半導体ウェハから剥離する際に剥離しにくいなどの不具合が生じやすいおそれがある。この問題は、半導体ウェハや接着剤層の薄型化が進むほど一層顕著になるため、これらが薄型化した場合であっても製造の歩留まりを十分に確保できる技術が必要となっている。
【0008】
また、上記課題を克服するため、スピンコートの回転数などを調整し、粘着シート上に接着剤層を形成しないような製造方法も提案されているが、本方式を用いた場合、半導体ウェハの中心部上に形成された接着剤層と、端面部上に形成された接着剤層とで厚みにバラツキが生じやすい。そのような接着剤層を用いると、接着剤層の表面にダイシングシートを貼り付ける際に、接着剤層とダイシングシードの間に密着不十分な箇所が発生し、ダイシング時にダイシングシートからのチップのはく離やチップ飛びなどが発生する可能性があるため、歩留りを十分に確保できない可能性がある。
【0009】
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、半導体ウェハや接着剤層が薄型化した場合であっても、製造の歩留まりを十分に確保できる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題の解決のため、本発明に係る半導体装置の製造方法は、粘着シート上に固定された半導体ウェハの表面を覆うように感光性接着剤層を形成する接着剤層形成工程と、感光性接着剤層の表面にダイシングシートを貼り付けるダイシングシート貼付工程と、半導体ウェハから粘着シートを剥離する粘着シート剥離工程とを含む半導体装置の製造方法であって、接着剤層形成工程とダイシングシート貼付工程との間に、平面視において半導体ウェハの縁よりも外側に形成された感光性接着剤層の余剰部分を除去する接着剤層除去工程を備えたことを特徴としている。
【0011】
この半導体装置の製造方法では、接着剤層形成工程とダイシングシート貼付工程との間に、平面視において半導体ウェハの縁よりも外側に形成された感光性接着剤層の余剰部分を除去する接着剤層除去工程を設けている。したがって、接着剤層除去工程に後続するダイシングシート貼付工程において、感光性接着剤層の余剰部分を介して粘着シートとダイシングシートとが直接に繋がってしまうことを回避できる。これにより、粘着シートを半導体ウェハから剥離する際の不具合の発生を抑えることが可能となり、半導体ウェハや接着剤層が薄型化した場合であっても、製造の歩留まりを十分に確保できる。
【0012】
また、接着剤層形成工程において、スピンコート法又はスプレーコート法によって感光性接着剤層を形成することが好ましい。スピンコート法又はスプレーコート法を用いることにより、薄い感光性接着剤層を形成することができる。一方、スピンコート法又はスプレーコート法では、平面視において半導体ウェハの縁よりも外側に感光性接着剤層の余剰部分が形成され易いが、この余剰部分は接着剤層除去工程によって除去されるので、製造の歩留まりを良好に確保できる。
【0013】
接着剤層除去工程において、感光性接着剤層の余剰部分と共にダイシングライン上に形成されている感光性接着剤層を除去することが好ましい。この場合、余剰部分を除去しておくことで、感光性接着剤層の余剰部分を介して粘着シートとダイシングシートが直接繋がってしまうことを回避できる。これにより、粘着シートを半導体ウェハから剥離する際の不具合の発生を抑えることが可能となり、半導体ウェハや接着剤層が薄型化した場合であっても、製造の歩留まりを十分に確保できる。また、ダイシングライン上に形成されている感光性接着剤層を除去しておくことで、チップ化工程において半導体ウェハのみを切断することになるので、半導体ウェハと感光性接着剤層とを同時に切断する場合とは異なり、感光性接着剤層におけるバリの発生を抑制できる。
【0014】
また、接着剤層除去工程において、所定パターンのフォトマスクを用いたエネルギー線の照射によって感光性接着剤層を除去することが好ましい。これにより、感光性接着剤層の余剰部分をより選択的に除去できる。
【0015】
また、感光性接着剤層は、ネガ型又はポジ型の感光性接着剤からなり、エネルギー線照射後の感光性接着剤層の現像液として、アルカリ溶剤又は有機溶剤を用いることが好ましい。この場合、感光性接着剤層の余剰部分をより選択的に除去できる。特に、現像液としてアルカリ溶剤を用いる場合には、水溶液での取り扱いになるため、有機溶剤よりも取扱いが容易になる点で好ましく、更に、電子材料などに現像液起因の塩が付着しないため、その後の半導体パッケージのマイグレーションなどの電気接続性などの信頼性の低下を防止することができるため、好ましい。例えば、テトラメチルアンモニウムハイドライド(TMAH)を用いることが好ましい。
【0016】
また、接着剤層形成工程において、27℃におけるE型粘度計(東機産業(株)E型粘度計 ELD型 コーン角度3度)での測定値が1000mPa・s以下である接着剤樹脂混合物を含む感光性接着剤を用いて感光性接着剤層を形成することが好ましい。これにより、均一な感光性接着剤層を形成できる。なお、感光性接着剤層の更なる薄型化を図るため、同条件で測定した粘度が700mPa・s以下である接着剤樹脂混合物を含む感光性接着剤を用いることが更に好ましい。
【0017】
また、接着剤層除去工程を実行した後の感光性接着剤層の厚さが1μm〜5μmとなるように、接着剤層形成工程における感光性接着剤層の形成厚さを設定することが好ましい。これにより、得られる半導体装置の小型化が図られる。なお、接着力確保の観点から、接着剤層除去工程を実行した後の感光性接着剤層の厚さが2μm〜3μmであることが更に好ましい。
【0018】
また、粘着シート剥離工程の後に、ダイシングシート上の半導体ウェハを所定のダイシングラインに沿ってダイシングすることにより個片化された半導体チップを得るチップ化工程を設けることが好ましい。この場合、接着剤が付いた状態の半導体チップを得ることができるため、続いて回路基板などへの実装が可能である。
【0019】
また、チップ化工程の後、個片化された半導体チップをダイシングシートからピックアップするピックアップ工程を更に備え、ピックアップ工程において、ピックアップ前に半導体チップが固定されている面とは反対側の面からダイシングシートにエネルギー線を照射することが好ましい。この場合、エネルギー線の照射によってダイシングシートの粘着力が低下するので、半導体チップのピックアップが容易となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、半導体ウェハや接着剤層が薄型化した場合であっても、製造の歩留まりを十分に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る半導体装置の製造方法の一実施形態を示す図である。
【図2】図1に後続する接着剤層形成工程を示す図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】従来のダイシングシート貼付工程を示す図である。(a)は、粘着シートとダイシングシートとが直接繋がる不具合を説明する図であり、(b)は、感光性接着剤層の表面にダイシングシートを貼り付けた状態を示し、(c)は、(b)の状態から粘着シートを剥離する様子を示す。
【図5】スピンコートで感光性接着剤層を形成した様子を示す図である。(a)は、接着剤層形成工程を示し、(b)は、ダイシングシート貼付工程を示す。
【図6】図2に後続する接着剤層除去工程を示す図である。
【図7】図6の後続の工程を示す図である。
【図8】図7に後続するダイシングシート貼付工程を示す図である。
【図9】図8に後続するチップ化工程を示す図である。
【図10】図9の後続の工程を示す図である。
【図11】図10に後続するピックアップ工程を示す図である。
【図12】図11の後続の工程を示す図である。
【図13】本発明に係る半導体装置の製造方法の工程の順番を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る半導体装置の製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る半導体装置の製造方法の一実施形態を示す図である。本実施形態に係る半導体装置の製造方法を用いて半導体装置を作成する場合、まず、半導体ウェハ1と粘着シート2とを用意し、図1に示すように、半導体ウェハ1の回路面S2に粘着シート2を貼り付ける。その後、バックグラインド処理により50μm程度に薄化される。
【0024】
粘着シート2は、例えば感圧型やUV型のバックグラインドシートであることが好ましく、少なくとも半導体ウェハ1の直径よりも同等以上の幅を有していることが好ましい。また、粘着シート2の粘着力は、半導体ウェハ1の回路面S2から自在に剥離可能な程度となっていることが好ましい。なお、半導体ウェハ1のハンドリング性を向上させる目的で、例えばガラスやプラスチックなどからなる基板を粘着シート2の裏面に貼り付けてもよい。
【0025】
半導体ウェハ1に粘着シート2を貼り付けた後、図2に示すように、半導体ウェハ1の裏面S1を覆うように感光性接着剤層3を形成する(接着剤層形成工程)。感光性接着剤層3は、例えばスピンコート法やスプレーコート法によってワニスを塗布した後、乾燥を行うことによって形成される。感光性接着剤層3の厚さは、後述する接着剤層除去工程を実行した後の感光性接着剤層3の厚さが1μm〜5μm、より好ましくは2μm〜3μmとなるように設定される。
【0026】
感光性接着剤層3を形成する感光性接着剤としては、例えば27℃におけるE型粘度計(東機産業(株)E型粘度計 ELD型 コーン角度3度)での測定値が1000mPa・s以下、より好ましくは700mPa・s以下である接着剤樹脂混合物を含み、薄膜化の観点から液状又はペースト状をなしているものが用いられる。また、感光性接着剤は、ネガ型又はポジ型の感光性接着剤であり、例えばアルカリ溶剤又は有機溶剤を現像液として使用可能なものが好ましく用いられる。
【0027】
ところで、上述したように半導体ウェハ1の裏面S1にスプレーコート法やスピンコート法によって感光性接着剤層3を形成する場合、図2及び図3に示すように、半導体ウェハ1の裏面S1のみならず、平面視において半導体ウェハ1の縁よりも外側、すなわち、半導体ウェハ1の周面や更にその外側の粘着シート2上にも感光性接着剤層3の余剰部分4が形成されてしまう場合がある。
【0028】
この場合、後続するダイシングシート貼付工程において、感光性接着剤層3の表面にダイシングシート6を貼り付ける際、図4(a)に示すように粘着シート2とダイシングシート6とが感光性接着剤層3の余剰部分4を介して直接に繋がってしまうことがある。
【0029】
また、ダイシングシート6をリング等で保持した状態で、粘着シート2側からローラ加圧で半導体ウェハ1に接着する場合、図4(b)に示すように感光性接着剤層3の余剰部分4の裾部分までが粘着シート2とダイシングシート6の両方に接着し、粘着シート2とダイシングシート6との接着領域が広くなることがある。この場合、粘着シート2を強引に剥離しようとすると、半導体ウェハ1に剥離する方向へ無理な力が大きくかかるため、図4(c)に示すように、特に半導体ウェハ1のクラックなどの発生が起きやすく、製造の歩留まりが低下するおそれがある。
【0030】
また、スピンコートを用いて感光性接着剤層3の余剰部分4が形成されないようにする場合、十分にスピンコートを行うことができない。このため、感光性接着剤層3は、図5(a)に示すように半導体ウェハ1の端面上に形成された端面部3aと、半導体ウェハ1の中心部上に形成された中心部3bとで厚みにバラツキが生じやすい。一般的に、表面張力のため、端面部3aが中心部3bより厚くなる傾向がある。
【0031】
この場合、後続するダイシングシート貼付工程において、感光性接着剤層3の表面にダイシングシート6を貼り付ける際、例えば図5(b)に示すように、ダイシングシート6と感光性接着剤層3の間に密着不十分な領域Aが発生し、ダイシング時にチップ飛びなどの不具合によって、製造の歩留りが低下する恐れがある。
【0032】
そこで本実施形態では、接着剤層形成工程の次に、平面視において半導体ウェハ1の縁よりも外側に形成された感光性接着剤層3の余剰部分4を除去する接着剤層除去工程を実行する。より具体的には、この接着剤層除去工程では、まず、図6に示すように、半導体ウェハ1の裏面S1に形成された感光性接着剤層3上にフォトマスク5を形成し、例えば紫外線といったエネルギー線E1を照射することによって露光を行う。
【0033】
露光にあたり、感光性接着剤層3を形成する感光性接着剤がネガ型であるときは、余剰部分4を除く部分にエネルギー線E1が照射されるようなフォトマスク5を用い、感光性接着剤がポジ型であるときは、余剰部分4にエネルギー線E1が照射されるようなフォトマスク5を用いる。次に、例えばアルカリ現像液を用いて感光性接着剤層3を現像することにより、図7に示すように、感光性接着剤層3の余剰部分4を除去する。このとき、同図に示すように、フォトマスク5のパターニングにより、感光性接着剤層3の余剰部分4と共に、半導体ウェハ1のダイシングライン上に形成されている感光性接着剤層3を除去することが好ましい。
【0034】
上記接着剤層除去工程より、感光性接着剤層3の余剰部分4によって発生する不具合を防ぐことができる。また、スピンコートにて感光性接着剤層3を形成する場合、上記接着剤除去工程を設けたことにより、接着剤層形成工程において感光性接着剤層3の余剰部分4の形成を考慮しなくてよいことから、十分にスピンコートを行うことができる。そのため、感光性接着剤層3の端面部3aと中心部3bとで膜厚にバラツキが生じにくく、それに伴う不具合を防ぐことができる。
【0035】
現像処理の方法としては、感光性接着剤層3を現像液に浸漬する方法や、現像液を感光性接着剤層3にスプレー状に吹き付ける方法などを用いることができる。後者の場合、感光性接着剤層3の除去部分の残渣を低減する点でより有意義である。現像液は、上述したアルカリ現像液のほか、有機溶剤を用いることができる。現像処理後は、感光性接着剤層3を水に浸漬する方法や、水を感光性接着剤層3にスプレー状に吹き付ける方法を用いて感光性接着剤層3を洗浄することが好ましい。
【0036】
感光性接着剤層3の余剰部分4を除去した後、図8に示すように、感光性接着剤層3の表面にダイシングシート6を貼り付ける(ダイシングシート貼付工程)。ここで、ダイシングシート6はウェハリングRなどの複数の固定治具を備えている。ウェハリングRは、リング状の金属製部材であり、半導体ウェハ1のダイシング時に半導体ウェハ1の固定治具として機能する。ダイシングシート貼付工程では、感光性接着剤層3の表面にウェハリングRを備えたダイシングシート6を配置した上で、粘着シート2側からロールなどによってダイシングシート6を貼り付けることが好ましい。このとき図8に示すように、各ウェハリングRの間に半導体ウェハ1と粘着テープ2が収まるようにダイシングシート6を配置し、ダイシングシート6側からダイシングシート6をロールなどで貼り付けてもよい。
【0037】
また、ダイシングシート6を貼り付けた後、半導体ウェハ1のダイシングを実施する(チップ化工程)。チップ化工程では、まず、半導体ウェハ1の裏面S2側の粘着シート2を剥離する。このとき、感光性接着剤層3の余剰部分4は、接着剤層除去工程によって既に除去されているので(図7参照)、余剰部分4によって粘着シート2とダイシングシート6とが繋がってしまうことがなく、粘着シート2を半導体ウェハ1の裏面S2から用意に剥離できる。また、このとき、ダイシングシート6の感光性接着剤層3の面と反対側の面がポーラスチャックで吸着されていることが好ましい。これにより、粘着テープ2の剥離が容易にできる。
【0038】
次に、図9に示すように、回路面S2を上方に向けた状態で半導体ウェハ1をダイシング装置のステージに固定する。そして、ダイシングブレード7を用いることにより、所定のダイシングラインに沿って半導体ウェハ1をダイシングし、図10に示すように、個片化された感光接着剤層3付きの半導体チップ10を得る。
【0039】
チップ化工程の後、半導体チップ10をダイシングシート6からピックアップする(ピックアップ工程)。ピックアップを行う際には、図11に示すように、まず、半導体チップ10が固定されている面とは反対側の面からダイシングシート6に例えば紫外線といったエネルギー線E2を照射することが好ましい。これにより、ダイシングシート6の粘着層を硬化させ、粘着力を低下させる。その後、公知のピックアップ装置を用いることにより、半導体チップ10をダイシングシート6上からピックアップする。
【0040】
最後に、ダイボンダなどの圧着装置を用いて半導体チップ10を回路基板20にダイボンダすることにより、図12に示すように、半導体装置21が得られる。圧着装置としては、例えばルネサス東日本セミコンダクタ社製フレキシブルダイボンダDB−730が用いられる。また、圧着条件としては、例えば熱板表面温度130℃、圧着荷重5N、圧着時間2sといった条件が用いられる。
【0041】
なお、感光性接着剤層3を形成する感光性接着剤としてポジ型の感光性接着剤を用いた場合には、接着剤層除去工程において残存させる感光性接着剤層3にはエネルギー線E1が照射されてないため、半導体チップ10の表面の感光性接着剤層3の粘着力が保持され、回路基板20に対して半導体チップ10をより低圧で接続することが可能である。一方、ネガ型の感光性接着剤を用いた場合には、接着剤層除去工程において残存させる感光性接着剤層3に一定量のエネルギー線E1が照射されるため、半導体チップ10の表面の感光性接着剤層3の粘着力がある程度低下する。したがって、半導体チップ10のピックアップが容易になる。また、感光性接着剤層3の硬化がある程度進行しているため、高圧で圧着しても、フィルム厚を一定に保つことが可能となり、回路基板20上での半導体チップ10の高さ制御の精度を向上させることができる。
【0042】
次に、図13を用いて本実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、まず粘着シート2上に固定された半導体ウェハ1の表面に感光性接着剤層3を形成する(ステップS01;接着剤層形成工程)。次いでダイシングシート貼付工程の前に、平面視において半導体ウェハ1の縁よりも外側に形成された感光性接着剤層3の余剰部分4を除去する(ステップS02;接着剤層除去工程)。
【0043】
そして感光性接着剤層3の余剰部分4を除去した後、感光性接着剤層3の表面にダイシングシート6を貼り付ける(ステップS03;ダイシングシート貼付工程)。次いで、半導体ウェハ1から粘着シート2を剥離する(ステップS04;粘着シート剥離工程)。粘着シート2を剥離した後、半導体ウェハ1の回路面S2からダイシングすることによって個片化された感光性接着剤層3付きの半導体チップ10を得る(ステップS05;チップ化工程)。
【0044】
以上説明したように、本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、接着剤層形成工程とダイシングシート貼付工程との間に、平面視において半導体ウェハ1の縁よりも外側に形成された感光性接着剤層3の余剰部分4を除去する接着剤層除去工程を設けている。したがって、接着剤層除去工程に後続するダイシングシート貼付工程において、感光性接着剤層3の余剰部分4を介して粘着シート2とダイシングシート6とが直接に繋がってしまうことを回避できる。これにより、粘着シート2を半導体ウェハ1から剥離する際の不具合の発生を抑えることが可能となり、半導体ウェハ1や接着剤層3が薄型化した場合であっても、製造の歩留まりを十分に確保できる。
【0045】
また、本実施形態では、接着剤層形成工程において、感光性接着剤をスピンコート法又はスプレーコート法によって塗布することで感光性接着剤層3を形成している。スピンコート法又はスプレーコート法を用いることにより、数μm程度の薄い感光性接着剤層3を形成することができる。一方、スピンコート法又はスプレーコート法では、平面視において半導体ウェハ1の縁よりも外側に感光性接着剤層3の余剰部分4が形成され易いが、この余剰部分4は接着剤層除去工程によって除去されるので、製造の歩留まりを十分に確保できる。
【0046】
また、本実施形態では、接着剤層除去工程において、感光性接着剤層3の余剰部分4と共にダイシングライン上に形成されている感光性接着剤層3を除去していることが好ましい。このように、ダイシングライン上に形成されている感光性接着剤層3を除去しておくことで、チップ化工程において半導体ウェハのみを切断することになるので、半導体ウェハ1と感光性接着剤層3とを同時に切断する場合とは異なり、感光性接着剤層3におけるバリの発生を抑制できる。
【0047】
また、本実施形態では、接着剤層除去工程において、所定パターンのフォトマスク5を用いたエネルギー線E1の照射によって感光性接着剤層3を除去している。さらに、感光性接着剤層3は、ネガ型又はポジ型の感光性接着剤からなり、エネルギー線E1の照射後の感光性接着剤層3の現像液として、アルカリ溶剤又は有機溶剤を用いることが好ましい。これにより、感光性接着剤層3の余剰部分4を選択的に除去できる。特に、現像液としてアルカリ溶剤を用いる場合には、水溶液での取り扱いになるため、有機溶剤よりも取扱いが容易になる点で好ましく、更に、電子材料などに現像液起因の塩が付着しないため、その後の半導体パッケージのマイグレーションなどの電気接続性などの信頼性の低下をふせぐことができるため、好ましい。例えば、テトラメチルアンモニウムハイドライド(TMAH)を用いることが好ましい。
【0048】
また、本実施形態では接着剤層形成工程において、27℃におけるE型粘度計(東機産業(株)E型粘度計 ELD型又はEHD型 コーン角度3度)での測定値が1000mPa・s以下である接着剤樹脂混合物を含む感光性接着剤を用いて感光性接着剤層3を形成していることが好ましい。このような感光性接着剤を用いることにより、均一な感光性接着剤層3を形成できる。なお、感光性接着剤層の更なる薄型化を図るため、同条件で測定した粘度が700mPa・s以下である接着剤樹脂混合物を含む感光性接着剤を用いることが更に好ましい。
【0049】
また、本実施形態では、接着剤層除去工程を実行した後の感光性接着剤層の厚さが1μm〜5μmとなるように、接着剤層形成工程における感光性接着剤層3の形成厚さを設定することが好ましい。これにより、得られる半導体装置の小型化が図れる。なお、接着力確保の観点から、接着剤層除去工程を実行した後の感光性接着剤層3の厚さが2μm〜3μmであることが更に好ましい。
【0050】
また、本実施形態ではピックアップ工程において、ピックアップ前に半導体チップ10が固定されている面とは反対側の面からダイシングシート6にエネルギー線E2を照射することが好ましい。このエネルギー線E2の照射によってダイシングシート6の粘着性が低下するので、半導体チップ10のピックアップが容易となる。
【0051】
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上述した本実施形態では、接着剤層形成工程において、スピンコート法やスプレーコート法によってワニスを塗布した後、乾燥を行うことによって感光性接着剤層3を形成しているが、この乾燥工程は省略してもよい。また、上記実施形態では、チップ化工程においてダイシングブレード7によるダイシングを行っているが、ダイシングブレード7に代えて、レーザーダイシングやステルスダイシングなどを用いることもできる。さらに、ダイシングシート6として、感圧型のダイシングテープを用いることもできる。この場合、ピックアップ工程において、ダイシングシート6にエネルギー線E2を照射する工程を省略できる。
【0052】
また、接着剤層形成工程において、スピンコート法又はスプレーコート法によって感光性接着剤層3を形成した後、熱又は光によって感光性接着剤層3を半導体ウェハ1上に固着させるための工程を加えてもよい。このとき、熱の温度範囲は40℃〜150℃が好ましく、60℃〜80℃が更に好ましい。150℃以上であると、感光性接着剤に含まれる粘着剤の耐熱性が無く、粘着剤層が流れ出してしまうため、好ましくない。また、40℃以下であると感光性接着剤層3に残存する揮発分が多くなり、その後の半導体チップ10を回路基板20に圧着する圧着工程でボイドが発生する可能性があり、好ましくない。また、光を用いる場合、その波長は200nm〜500nmの範囲であれば好ましい。
【符号の説明】
【0053】
1…半導体ウェハ、2…粘着シート、3…感光性接着剤層、4…余剰部分、5…フォトマスク、6…ダイシングシート、10…半導体チップ、21…半導体装置、E1,E2…エネルギー線、S1…裏面、S2…回路面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体パッケージの薄型化に伴い、例えば厚さが50μm以下の半導体チップを搭載した半導体装置が使用されるようになってきている。従来、このような半導体装置を製造する際には、はく離可能な粘着シート上に固定された半導体ウェハを予め薄型化し、半導体ウェハの研削面にフィルム状の接着剤層を形成する。そして、接着剤層の表面にダイシングシートを貼り付けた後で粘着シートを剥離し、所定のダイシングラインに沿ってダイシングを行うことにより個片化された半導体チップを得ている。
【0003】
一方、上記方法において半導体ウェハと接着剤層とを同時にダイシングするときの接着剤層のバリの発生を考慮し、ダイシングを行った後にインクジェット法や印刷法を用いて半導体チップの表面に液状の接着剤を塗布する方法が用いられる場合もある(例えば特許文献1参照)。また、半導体チップ間に接着剤が入り込むことを避けるため、フィルム状の感光性接着剤を用いて接着剤層のパターニングを行う場合もある(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−14913公報
【特許文献2】特開2005−322853公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、半導体パッケージの薄型化が進んでいる現状では、半導体チップに形成する接着剤層の薄型化についても強い要求がなされている。これに対し、上述した従来の方法のようにフィルム状の接着剤層を用いる場合では接着剤層の薄型化に限界があり、近年の薄型化の要求を満足しているとは言い難い状況となっている。
【0006】
そこで、更なる接着剤層の薄型化を実現する方法として、はく離可能な粘着シート上に固定された半導体ウェハをバックグラインドによって予め薄型化し、半導体ウェハの研削面にスプレーコート法やスピンコート法によって接着剤層を形成する方法が検討されている。しかしながら、この方法を単純に採用して接着剤層の形成を行うと、半導体ウェハの表面のみならず、半導体ウェハ周面や更に外側の粘着シート上にも接着剤層が形成されてしまう場合がある。
【0007】
このため、ダイシングシートを貼り付ける際に、粘着シートとダイシングシートとが接着剤層を介して直接に繋がってしまい、粘着シートを半導体ウェハから剥離する際に剥離しにくいなどの不具合が生じやすいおそれがある。この問題は、半導体ウェハや接着剤層の薄型化が進むほど一層顕著になるため、これらが薄型化した場合であっても製造の歩留まりを十分に確保できる技術が必要となっている。
【0008】
また、上記課題を克服するため、スピンコートの回転数などを調整し、粘着シート上に接着剤層を形成しないような製造方法も提案されているが、本方式を用いた場合、半導体ウェハの中心部上に形成された接着剤層と、端面部上に形成された接着剤層とで厚みにバラツキが生じやすい。そのような接着剤層を用いると、接着剤層の表面にダイシングシートを貼り付ける際に、接着剤層とダイシングシードの間に密着不十分な箇所が発生し、ダイシング時にダイシングシートからのチップのはく離やチップ飛びなどが発生する可能性があるため、歩留りを十分に確保できない可能性がある。
【0009】
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、半導体ウェハや接着剤層が薄型化した場合であっても、製造の歩留まりを十分に確保できる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題の解決のため、本発明に係る半導体装置の製造方法は、粘着シート上に固定された半導体ウェハの表面を覆うように感光性接着剤層を形成する接着剤層形成工程と、感光性接着剤層の表面にダイシングシートを貼り付けるダイシングシート貼付工程と、半導体ウェハから粘着シートを剥離する粘着シート剥離工程とを含む半導体装置の製造方法であって、接着剤層形成工程とダイシングシート貼付工程との間に、平面視において半導体ウェハの縁よりも外側に形成された感光性接着剤層の余剰部分を除去する接着剤層除去工程を備えたことを特徴としている。
【0011】
この半導体装置の製造方法では、接着剤層形成工程とダイシングシート貼付工程との間に、平面視において半導体ウェハの縁よりも外側に形成された感光性接着剤層の余剰部分を除去する接着剤層除去工程を設けている。したがって、接着剤層除去工程に後続するダイシングシート貼付工程において、感光性接着剤層の余剰部分を介して粘着シートとダイシングシートとが直接に繋がってしまうことを回避できる。これにより、粘着シートを半導体ウェハから剥離する際の不具合の発生を抑えることが可能となり、半導体ウェハや接着剤層が薄型化した場合であっても、製造の歩留まりを十分に確保できる。
【0012】
また、接着剤層形成工程において、スピンコート法又はスプレーコート法によって感光性接着剤層を形成することが好ましい。スピンコート法又はスプレーコート法を用いることにより、薄い感光性接着剤層を形成することができる。一方、スピンコート法又はスプレーコート法では、平面視において半導体ウェハの縁よりも外側に感光性接着剤層の余剰部分が形成され易いが、この余剰部分は接着剤層除去工程によって除去されるので、製造の歩留まりを良好に確保できる。
【0013】
接着剤層除去工程において、感光性接着剤層の余剰部分と共にダイシングライン上に形成されている感光性接着剤層を除去することが好ましい。この場合、余剰部分を除去しておくことで、感光性接着剤層の余剰部分を介して粘着シートとダイシングシートが直接繋がってしまうことを回避できる。これにより、粘着シートを半導体ウェハから剥離する際の不具合の発生を抑えることが可能となり、半導体ウェハや接着剤層が薄型化した場合であっても、製造の歩留まりを十分に確保できる。また、ダイシングライン上に形成されている感光性接着剤層を除去しておくことで、チップ化工程において半導体ウェハのみを切断することになるので、半導体ウェハと感光性接着剤層とを同時に切断する場合とは異なり、感光性接着剤層におけるバリの発生を抑制できる。
【0014】
また、接着剤層除去工程において、所定パターンのフォトマスクを用いたエネルギー線の照射によって感光性接着剤層を除去することが好ましい。これにより、感光性接着剤層の余剰部分をより選択的に除去できる。
【0015】
また、感光性接着剤層は、ネガ型又はポジ型の感光性接着剤からなり、エネルギー線照射後の感光性接着剤層の現像液として、アルカリ溶剤又は有機溶剤を用いることが好ましい。この場合、感光性接着剤層の余剰部分をより選択的に除去できる。特に、現像液としてアルカリ溶剤を用いる場合には、水溶液での取り扱いになるため、有機溶剤よりも取扱いが容易になる点で好ましく、更に、電子材料などに現像液起因の塩が付着しないため、その後の半導体パッケージのマイグレーションなどの電気接続性などの信頼性の低下を防止することができるため、好ましい。例えば、テトラメチルアンモニウムハイドライド(TMAH)を用いることが好ましい。
【0016】
また、接着剤層形成工程において、27℃におけるE型粘度計(東機産業(株)E型粘度計 ELD型 コーン角度3度)での測定値が1000mPa・s以下である接着剤樹脂混合物を含む感光性接着剤を用いて感光性接着剤層を形成することが好ましい。これにより、均一な感光性接着剤層を形成できる。なお、感光性接着剤層の更なる薄型化を図るため、同条件で測定した粘度が700mPa・s以下である接着剤樹脂混合物を含む感光性接着剤を用いることが更に好ましい。
【0017】
また、接着剤層除去工程を実行した後の感光性接着剤層の厚さが1μm〜5μmとなるように、接着剤層形成工程における感光性接着剤層の形成厚さを設定することが好ましい。これにより、得られる半導体装置の小型化が図られる。なお、接着力確保の観点から、接着剤層除去工程を実行した後の感光性接着剤層の厚さが2μm〜3μmであることが更に好ましい。
【0018】
また、粘着シート剥離工程の後に、ダイシングシート上の半導体ウェハを所定のダイシングラインに沿ってダイシングすることにより個片化された半導体チップを得るチップ化工程を設けることが好ましい。この場合、接着剤が付いた状態の半導体チップを得ることができるため、続いて回路基板などへの実装が可能である。
【0019】
また、チップ化工程の後、個片化された半導体チップをダイシングシートからピックアップするピックアップ工程を更に備え、ピックアップ工程において、ピックアップ前に半導体チップが固定されている面とは反対側の面からダイシングシートにエネルギー線を照射することが好ましい。この場合、エネルギー線の照射によってダイシングシートの粘着力が低下するので、半導体チップのピックアップが容易となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、半導体ウェハや接着剤層が薄型化した場合であっても、製造の歩留まりを十分に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る半導体装置の製造方法の一実施形態を示す図である。
【図2】図1に後続する接着剤層形成工程を示す図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】従来のダイシングシート貼付工程を示す図である。(a)は、粘着シートとダイシングシートとが直接繋がる不具合を説明する図であり、(b)は、感光性接着剤層の表面にダイシングシートを貼り付けた状態を示し、(c)は、(b)の状態から粘着シートを剥離する様子を示す。
【図5】スピンコートで感光性接着剤層を形成した様子を示す図である。(a)は、接着剤層形成工程を示し、(b)は、ダイシングシート貼付工程を示す。
【図6】図2に後続する接着剤層除去工程を示す図である。
【図7】図6の後続の工程を示す図である。
【図8】図7に後続するダイシングシート貼付工程を示す図である。
【図9】図8に後続するチップ化工程を示す図である。
【図10】図9の後続の工程を示す図である。
【図11】図10に後続するピックアップ工程を示す図である。
【図12】図11の後続の工程を示す図である。
【図13】本発明に係る半導体装置の製造方法の工程の順番を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る半導体装置の製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る半導体装置の製造方法の一実施形態を示す図である。本実施形態に係る半導体装置の製造方法を用いて半導体装置を作成する場合、まず、半導体ウェハ1と粘着シート2とを用意し、図1に示すように、半導体ウェハ1の回路面S2に粘着シート2を貼り付ける。その後、バックグラインド処理により50μm程度に薄化される。
【0024】
粘着シート2は、例えば感圧型やUV型のバックグラインドシートであることが好ましく、少なくとも半導体ウェハ1の直径よりも同等以上の幅を有していることが好ましい。また、粘着シート2の粘着力は、半導体ウェハ1の回路面S2から自在に剥離可能な程度となっていることが好ましい。なお、半導体ウェハ1のハンドリング性を向上させる目的で、例えばガラスやプラスチックなどからなる基板を粘着シート2の裏面に貼り付けてもよい。
【0025】
半導体ウェハ1に粘着シート2を貼り付けた後、図2に示すように、半導体ウェハ1の裏面S1を覆うように感光性接着剤層3を形成する(接着剤層形成工程)。感光性接着剤層3は、例えばスピンコート法やスプレーコート法によってワニスを塗布した後、乾燥を行うことによって形成される。感光性接着剤層3の厚さは、後述する接着剤層除去工程を実行した後の感光性接着剤層3の厚さが1μm〜5μm、より好ましくは2μm〜3μmとなるように設定される。
【0026】
感光性接着剤層3を形成する感光性接着剤としては、例えば27℃におけるE型粘度計(東機産業(株)E型粘度計 ELD型 コーン角度3度)での測定値が1000mPa・s以下、より好ましくは700mPa・s以下である接着剤樹脂混合物を含み、薄膜化の観点から液状又はペースト状をなしているものが用いられる。また、感光性接着剤は、ネガ型又はポジ型の感光性接着剤であり、例えばアルカリ溶剤又は有機溶剤を現像液として使用可能なものが好ましく用いられる。
【0027】
ところで、上述したように半導体ウェハ1の裏面S1にスプレーコート法やスピンコート法によって感光性接着剤層3を形成する場合、図2及び図3に示すように、半導体ウェハ1の裏面S1のみならず、平面視において半導体ウェハ1の縁よりも外側、すなわち、半導体ウェハ1の周面や更にその外側の粘着シート2上にも感光性接着剤層3の余剰部分4が形成されてしまう場合がある。
【0028】
この場合、後続するダイシングシート貼付工程において、感光性接着剤層3の表面にダイシングシート6を貼り付ける際、図4(a)に示すように粘着シート2とダイシングシート6とが感光性接着剤層3の余剰部分4を介して直接に繋がってしまうことがある。
【0029】
また、ダイシングシート6をリング等で保持した状態で、粘着シート2側からローラ加圧で半導体ウェハ1に接着する場合、図4(b)に示すように感光性接着剤層3の余剰部分4の裾部分までが粘着シート2とダイシングシート6の両方に接着し、粘着シート2とダイシングシート6との接着領域が広くなることがある。この場合、粘着シート2を強引に剥離しようとすると、半導体ウェハ1に剥離する方向へ無理な力が大きくかかるため、図4(c)に示すように、特に半導体ウェハ1のクラックなどの発生が起きやすく、製造の歩留まりが低下するおそれがある。
【0030】
また、スピンコートを用いて感光性接着剤層3の余剰部分4が形成されないようにする場合、十分にスピンコートを行うことができない。このため、感光性接着剤層3は、図5(a)に示すように半導体ウェハ1の端面上に形成された端面部3aと、半導体ウェハ1の中心部上に形成された中心部3bとで厚みにバラツキが生じやすい。一般的に、表面張力のため、端面部3aが中心部3bより厚くなる傾向がある。
【0031】
この場合、後続するダイシングシート貼付工程において、感光性接着剤層3の表面にダイシングシート6を貼り付ける際、例えば図5(b)に示すように、ダイシングシート6と感光性接着剤層3の間に密着不十分な領域Aが発生し、ダイシング時にチップ飛びなどの不具合によって、製造の歩留りが低下する恐れがある。
【0032】
そこで本実施形態では、接着剤層形成工程の次に、平面視において半導体ウェハ1の縁よりも外側に形成された感光性接着剤層3の余剰部分4を除去する接着剤層除去工程を実行する。より具体的には、この接着剤層除去工程では、まず、図6に示すように、半導体ウェハ1の裏面S1に形成された感光性接着剤層3上にフォトマスク5を形成し、例えば紫外線といったエネルギー線E1を照射することによって露光を行う。
【0033】
露光にあたり、感光性接着剤層3を形成する感光性接着剤がネガ型であるときは、余剰部分4を除く部分にエネルギー線E1が照射されるようなフォトマスク5を用い、感光性接着剤がポジ型であるときは、余剰部分4にエネルギー線E1が照射されるようなフォトマスク5を用いる。次に、例えばアルカリ現像液を用いて感光性接着剤層3を現像することにより、図7に示すように、感光性接着剤層3の余剰部分4を除去する。このとき、同図に示すように、フォトマスク5のパターニングにより、感光性接着剤層3の余剰部分4と共に、半導体ウェハ1のダイシングライン上に形成されている感光性接着剤層3を除去することが好ましい。
【0034】
上記接着剤層除去工程より、感光性接着剤層3の余剰部分4によって発生する不具合を防ぐことができる。また、スピンコートにて感光性接着剤層3を形成する場合、上記接着剤除去工程を設けたことにより、接着剤層形成工程において感光性接着剤層3の余剰部分4の形成を考慮しなくてよいことから、十分にスピンコートを行うことができる。そのため、感光性接着剤層3の端面部3aと中心部3bとで膜厚にバラツキが生じにくく、それに伴う不具合を防ぐことができる。
【0035】
現像処理の方法としては、感光性接着剤層3を現像液に浸漬する方法や、現像液を感光性接着剤層3にスプレー状に吹き付ける方法などを用いることができる。後者の場合、感光性接着剤層3の除去部分の残渣を低減する点でより有意義である。現像液は、上述したアルカリ現像液のほか、有機溶剤を用いることができる。現像処理後は、感光性接着剤層3を水に浸漬する方法や、水を感光性接着剤層3にスプレー状に吹き付ける方法を用いて感光性接着剤層3を洗浄することが好ましい。
【0036】
感光性接着剤層3の余剰部分4を除去した後、図8に示すように、感光性接着剤層3の表面にダイシングシート6を貼り付ける(ダイシングシート貼付工程)。ここで、ダイシングシート6はウェハリングRなどの複数の固定治具を備えている。ウェハリングRは、リング状の金属製部材であり、半導体ウェハ1のダイシング時に半導体ウェハ1の固定治具として機能する。ダイシングシート貼付工程では、感光性接着剤層3の表面にウェハリングRを備えたダイシングシート6を配置した上で、粘着シート2側からロールなどによってダイシングシート6を貼り付けることが好ましい。このとき図8に示すように、各ウェハリングRの間に半導体ウェハ1と粘着テープ2が収まるようにダイシングシート6を配置し、ダイシングシート6側からダイシングシート6をロールなどで貼り付けてもよい。
【0037】
また、ダイシングシート6を貼り付けた後、半導体ウェハ1のダイシングを実施する(チップ化工程)。チップ化工程では、まず、半導体ウェハ1の裏面S2側の粘着シート2を剥離する。このとき、感光性接着剤層3の余剰部分4は、接着剤層除去工程によって既に除去されているので(図7参照)、余剰部分4によって粘着シート2とダイシングシート6とが繋がってしまうことがなく、粘着シート2を半導体ウェハ1の裏面S2から用意に剥離できる。また、このとき、ダイシングシート6の感光性接着剤層3の面と反対側の面がポーラスチャックで吸着されていることが好ましい。これにより、粘着テープ2の剥離が容易にできる。
【0038】
次に、図9に示すように、回路面S2を上方に向けた状態で半導体ウェハ1をダイシング装置のステージに固定する。そして、ダイシングブレード7を用いることにより、所定のダイシングラインに沿って半導体ウェハ1をダイシングし、図10に示すように、個片化された感光接着剤層3付きの半導体チップ10を得る。
【0039】
チップ化工程の後、半導体チップ10をダイシングシート6からピックアップする(ピックアップ工程)。ピックアップを行う際には、図11に示すように、まず、半導体チップ10が固定されている面とは反対側の面からダイシングシート6に例えば紫外線といったエネルギー線E2を照射することが好ましい。これにより、ダイシングシート6の粘着層を硬化させ、粘着力を低下させる。その後、公知のピックアップ装置を用いることにより、半導体チップ10をダイシングシート6上からピックアップする。
【0040】
最後に、ダイボンダなどの圧着装置を用いて半導体チップ10を回路基板20にダイボンダすることにより、図12に示すように、半導体装置21が得られる。圧着装置としては、例えばルネサス東日本セミコンダクタ社製フレキシブルダイボンダDB−730が用いられる。また、圧着条件としては、例えば熱板表面温度130℃、圧着荷重5N、圧着時間2sといった条件が用いられる。
【0041】
なお、感光性接着剤層3を形成する感光性接着剤としてポジ型の感光性接着剤を用いた場合には、接着剤層除去工程において残存させる感光性接着剤層3にはエネルギー線E1が照射されてないため、半導体チップ10の表面の感光性接着剤層3の粘着力が保持され、回路基板20に対して半導体チップ10をより低圧で接続することが可能である。一方、ネガ型の感光性接着剤を用いた場合には、接着剤層除去工程において残存させる感光性接着剤層3に一定量のエネルギー線E1が照射されるため、半導体チップ10の表面の感光性接着剤層3の粘着力がある程度低下する。したがって、半導体チップ10のピックアップが容易になる。また、感光性接着剤層3の硬化がある程度進行しているため、高圧で圧着しても、フィルム厚を一定に保つことが可能となり、回路基板20上での半導体チップ10の高さ制御の精度を向上させることができる。
【0042】
次に、図13を用いて本実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、まず粘着シート2上に固定された半導体ウェハ1の表面に感光性接着剤層3を形成する(ステップS01;接着剤層形成工程)。次いでダイシングシート貼付工程の前に、平面視において半導体ウェハ1の縁よりも外側に形成された感光性接着剤層3の余剰部分4を除去する(ステップS02;接着剤層除去工程)。
【0043】
そして感光性接着剤層3の余剰部分4を除去した後、感光性接着剤層3の表面にダイシングシート6を貼り付ける(ステップS03;ダイシングシート貼付工程)。次いで、半導体ウェハ1から粘着シート2を剥離する(ステップS04;粘着シート剥離工程)。粘着シート2を剥離した後、半導体ウェハ1の回路面S2からダイシングすることによって個片化された感光性接着剤層3付きの半導体チップ10を得る(ステップS05;チップ化工程)。
【0044】
以上説明したように、本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、接着剤層形成工程とダイシングシート貼付工程との間に、平面視において半導体ウェハ1の縁よりも外側に形成された感光性接着剤層3の余剰部分4を除去する接着剤層除去工程を設けている。したがって、接着剤層除去工程に後続するダイシングシート貼付工程において、感光性接着剤層3の余剰部分4を介して粘着シート2とダイシングシート6とが直接に繋がってしまうことを回避できる。これにより、粘着シート2を半導体ウェハ1から剥離する際の不具合の発生を抑えることが可能となり、半導体ウェハ1や接着剤層3が薄型化した場合であっても、製造の歩留まりを十分に確保できる。
【0045】
また、本実施形態では、接着剤層形成工程において、感光性接着剤をスピンコート法又はスプレーコート法によって塗布することで感光性接着剤層3を形成している。スピンコート法又はスプレーコート法を用いることにより、数μm程度の薄い感光性接着剤層3を形成することができる。一方、スピンコート法又はスプレーコート法では、平面視において半導体ウェハ1の縁よりも外側に感光性接着剤層3の余剰部分4が形成され易いが、この余剰部分4は接着剤層除去工程によって除去されるので、製造の歩留まりを十分に確保できる。
【0046】
また、本実施形態では、接着剤層除去工程において、感光性接着剤層3の余剰部分4と共にダイシングライン上に形成されている感光性接着剤層3を除去していることが好ましい。このように、ダイシングライン上に形成されている感光性接着剤層3を除去しておくことで、チップ化工程において半導体ウェハのみを切断することになるので、半導体ウェハ1と感光性接着剤層3とを同時に切断する場合とは異なり、感光性接着剤層3におけるバリの発生を抑制できる。
【0047】
また、本実施形態では、接着剤層除去工程において、所定パターンのフォトマスク5を用いたエネルギー線E1の照射によって感光性接着剤層3を除去している。さらに、感光性接着剤層3は、ネガ型又はポジ型の感光性接着剤からなり、エネルギー線E1の照射後の感光性接着剤層3の現像液として、アルカリ溶剤又は有機溶剤を用いることが好ましい。これにより、感光性接着剤層3の余剰部分4を選択的に除去できる。特に、現像液としてアルカリ溶剤を用いる場合には、水溶液での取り扱いになるため、有機溶剤よりも取扱いが容易になる点で好ましく、更に、電子材料などに現像液起因の塩が付着しないため、その後の半導体パッケージのマイグレーションなどの電気接続性などの信頼性の低下をふせぐことができるため、好ましい。例えば、テトラメチルアンモニウムハイドライド(TMAH)を用いることが好ましい。
【0048】
また、本実施形態では接着剤層形成工程において、27℃におけるE型粘度計(東機産業(株)E型粘度計 ELD型又はEHD型 コーン角度3度)での測定値が1000mPa・s以下である接着剤樹脂混合物を含む感光性接着剤を用いて感光性接着剤層3を形成していることが好ましい。このような感光性接着剤を用いることにより、均一な感光性接着剤層3を形成できる。なお、感光性接着剤層の更なる薄型化を図るため、同条件で測定した粘度が700mPa・s以下である接着剤樹脂混合物を含む感光性接着剤を用いることが更に好ましい。
【0049】
また、本実施形態では、接着剤層除去工程を実行した後の感光性接着剤層の厚さが1μm〜5μmとなるように、接着剤層形成工程における感光性接着剤層3の形成厚さを設定することが好ましい。これにより、得られる半導体装置の小型化が図れる。なお、接着力確保の観点から、接着剤層除去工程を実行した後の感光性接着剤層3の厚さが2μm〜3μmであることが更に好ましい。
【0050】
また、本実施形態ではピックアップ工程において、ピックアップ前に半導体チップ10が固定されている面とは反対側の面からダイシングシート6にエネルギー線E2を照射することが好ましい。このエネルギー線E2の照射によってダイシングシート6の粘着性が低下するので、半導体チップ10のピックアップが容易となる。
【0051】
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上述した本実施形態では、接着剤層形成工程において、スピンコート法やスプレーコート法によってワニスを塗布した後、乾燥を行うことによって感光性接着剤層3を形成しているが、この乾燥工程は省略してもよい。また、上記実施形態では、チップ化工程においてダイシングブレード7によるダイシングを行っているが、ダイシングブレード7に代えて、レーザーダイシングやステルスダイシングなどを用いることもできる。さらに、ダイシングシート6として、感圧型のダイシングテープを用いることもできる。この場合、ピックアップ工程において、ダイシングシート6にエネルギー線E2を照射する工程を省略できる。
【0052】
また、接着剤層形成工程において、スピンコート法又はスプレーコート法によって感光性接着剤層3を形成した後、熱又は光によって感光性接着剤層3を半導体ウェハ1上に固着させるための工程を加えてもよい。このとき、熱の温度範囲は40℃〜150℃が好ましく、60℃〜80℃が更に好ましい。150℃以上であると、感光性接着剤に含まれる粘着剤の耐熱性が無く、粘着剤層が流れ出してしまうため、好ましくない。また、40℃以下であると感光性接着剤層3に残存する揮発分が多くなり、その後の半導体チップ10を回路基板20に圧着する圧着工程でボイドが発生する可能性があり、好ましくない。また、光を用いる場合、その波長は200nm〜500nmの範囲であれば好ましい。
【符号の説明】
【0053】
1…半導体ウェハ、2…粘着シート、3…感光性接着剤層、4…余剰部分、5…フォトマスク、6…ダイシングシート、10…半導体チップ、21…半導体装置、E1,E2…エネルギー線、S1…裏面、S2…回路面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着シート上に固定された半導体ウェハの表面を覆うように感光性接着剤層を形成する接着剤層形成工程と、
前記感光性接着剤層の表面にダイシングシートを貼り付けるダイシングシート貼付工程と、
前記半導体ウェハから前記粘着シートを剥離する粘着シート剥離工程とを含む半導体装置の製造方法であって、
前記接着剤層形成工程と前記ダイシングシート貼付工程との間に、平面視において前記半導体ウェハの縁よりも外側に形成された前記感光性接着剤層の余剰部分を除去する接着剤層除去工程を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記接着剤層形成工程において、スピンコート法又はスプレーコート法によって前記感光性接着剤層を形成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記接着剤層除去工程において、前記感光性接着剤層の余剰部分と共にダイシングライン上に形成されている前記感光性接着剤層を除去することを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記接着剤層除去工程において、所定パターンのフォトマスクを用いたエネルギー線の照射によって前記感光性接着剤層を除去することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記感光性接着剤層は、ネガ型又はポジ型の感光性接着剤からなり、前記エネルギー線照射後の前記感光性接着剤層の現像液として、アルカリ溶剤又は有機溶剤を用いることを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
接着剤層形成工程において、27℃におけるE型粘度計での測定値が1000mPa・s以下である接着剤樹脂混合物を含む感光性接着剤を用いて前記感光性接着剤層を形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記接着剤層除去工程を実行した後の前記感光性接着剤層の厚さが1μm〜5μmとなるように、前記接着剤層形成工程における前記感光性接着剤層の形成厚さを設定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記粘着シート剥離工程の後、前記ダイシングシート上の前記半導体ウェハを所定のダイシングラインに沿ってダイシングすることにより個片化された半導体チップを得るチップ化工程を更に備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記チップ化工程の後、個片化された前記半導体チップを前記ダイシングシートからピックアップするピックアップ工程を更に備え、
前記ピックアップ工程において、ピックアップ前に前記半導体チップが固定されている面とは反対側の面から前記ダイシングシートにエネルギー線を照射することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
粘着シート上に固定された半導体ウェハの表面を覆うように感光性接着剤層を形成する接着剤層形成工程と、
前記感光性接着剤層の表面にダイシングシートを貼り付けるダイシングシート貼付工程と、
前記半導体ウェハから前記粘着シートを剥離する粘着シート剥離工程とを含む半導体装置の製造方法であって、
前記接着剤層形成工程と前記ダイシングシート貼付工程との間に、平面視において前記半導体ウェハの縁よりも外側に形成された前記感光性接着剤層の余剰部分を除去する接着剤層除去工程を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記接着剤層形成工程において、スピンコート法又はスプレーコート法によって前記感光性接着剤層を形成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記接着剤層除去工程において、前記感光性接着剤層の余剰部分と共にダイシングライン上に形成されている前記感光性接着剤層を除去することを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記接着剤層除去工程において、所定パターンのフォトマスクを用いたエネルギー線の照射によって前記感光性接着剤層を除去することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記感光性接着剤層は、ネガ型又はポジ型の感光性接着剤からなり、前記エネルギー線照射後の前記感光性接着剤層の現像液として、アルカリ溶剤又は有機溶剤を用いることを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
接着剤層形成工程において、27℃におけるE型粘度計での測定値が1000mPa・s以下である接着剤樹脂混合物を含む感光性接着剤を用いて前記感光性接着剤層を形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記接着剤層除去工程を実行した後の前記感光性接着剤層の厚さが1μm〜5μmとなるように、前記接着剤層形成工程における前記感光性接着剤層の形成厚さを設定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記粘着シート剥離工程の後、前記ダイシングシート上の前記半導体ウェハを所定のダイシングラインに沿ってダイシングすることにより個片化された半導体チップを得るチップ化工程を更に備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記チップ化工程の後、個片化された前記半導体チップを前記ダイシングシートからピックアップするピックアップ工程を更に備え、
前記ピックアップ工程において、ピックアップ前に前記半導体チップが固定されている面とは反対側の面から前記ダイシングシートにエネルギー線を照射することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−222593(P2011−222593A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−87200(P2010−87200)
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】
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